JPH09324052A - 珪素樹脂の製造方法、珪素樹脂及び絶縁膜形成用塗布液 - Google Patents

珪素樹脂の製造方法、珪素樹脂及び絶縁膜形成用塗布液

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JPH09324052A
JPH09324052A JP5958497A JP5958497A JPH09324052A JP H09324052 A JPH09324052 A JP H09324052A JP 5958497 A JP5958497 A JP 5958497A JP 5958497 A JP5958497 A JP 5958497A JP H09324052 A JPH09324052 A JP H09324052A
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JP
Japan
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silicon resin
insulating film
resin
acid
general formula
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JP5958497A
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Satoshi Taguchi
敏 田口
Yuji Yoshida
祐司 吉田
Hideaki Nezu
秀明 根津
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 保管安定性に優れ、かつ該珪素樹脂を樹脂成
分として含有する絶縁膜形成用塗布液はSi−H結合又
はSi−F結合を樹脂内に安定的に保持できるため、膜
形成時の収縮も小さく、耐クラック性に優れ、膜厚が
1.0μm以上の緻密な絶縁膜を形成することが可能で
あるという優れた特徴を有する珪素樹脂の製造方法、及
び該珪素樹脂を樹脂成分として含有する絶縁膜形成用塗
布液を提供する。 【解決手段】 水の不存在下、下記一般式(1)で表さ
れるトリアルコキシシラン化合物の一種又は二種以上を
無機酸及びカルボン酸と接触させることにより縮合反応
に付す珪素樹脂の製造方法、該製造方法により得られる
珪素樹脂及び該珪素樹脂を樹脂成分として含有する絶縁
膜形成用塗布液。 X−Si−(OR1 )(OR2 )(OR3 ) (1) (Xは水素原子又はフッ素原子を表し、R1 〜R3 は同
一又は異なる炭素数1〜4のアルキル基を表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、珪素樹脂の製造方
法、珪素樹脂及び絶縁膜形成用塗布液に関するものであ
る。更に詳しくは、本発明は、トリアルコキシシラン化
合物の一種又は二種以上を無機酸及びカルボン酸と接触
させることにより縮合反応に付す珪素樹脂の製造方法で
あって、製造時に水を用いないため、得られる珪素樹脂
は残留水分による保管時の再縮合がなく、Si−H結合
又はSi−F結合の加水分解も生じないため、保管安定
性に優れ、かつ該珪素樹脂を樹脂成分として含有する絶
縁膜形成用塗布液はSi−H結合又はSi−F結合を樹
脂内に安定的に保持できるため、膜形成時の収縮も小さ
く、耐クラック性に優れ、膜厚が1.0μm以上の緻密
な絶縁膜を形成することが可能であるという優れた特徴
を有する珪素樹脂の製造方法、該製造方法により得られ
る珪素樹脂及び該珪素樹脂を樹脂成分として含有する絶
縁膜形成用塗布液に関するものである。なお、ここで絶
縁膜形成用塗布液は、可溶性珪素樹脂を用いて電子デバ
イスを含む種々の基材にコーティングを施し、保護膜又
は層間絶縁皮膜を形成せしめる絶縁膜形成用塗布液であ
る。
【0002】
【従来の技術】超LSI等の製造は高累積化・多機能化
に伴って多層配線技術が必須であり、製造プロセスの配
線パターン、絶縁膜形成の際、基盤上に段差が生じるた
め、平坦化技術が重要視されている。この平坦化法には
スピンオングラス法(SOG法)が一般的に実用化され
ている。これは有機溶剤に可溶な珪素樹脂が用いられて
おり、これをスピンコート法により基材表面に塗布し、
段差の凹部を埋め、熱処理を行うことにより、絶縁膜を
形成し、平坦化する方法である。
【0003】該珪素樹脂においてはテトラエトキシシシ
ラン、トリエトキシシラン等のアルコキシシラン又はト
リクロロシラン等のハロゲン化シラン等、珪素に直接有
機基を有しないシラン化合物を酸触媒下加水分解せしめ
た樹脂が絶縁膜が完全に無機質であるため特性の信頼性
が高く、これまで数多く検討されている。たとえば、特
開平4−216827号公報には「式HSi(OR)3
(式中、各Rは酸素原子を介して珪素と結合すると加水
分解できる置換基となる独立な有機基)で表されるヒド
リドシランを加水分解して可溶性樹脂状水解物を作る方
法が、該ヒドリドシラン、酸素含有極性有機溶剤、水及
び酸を含んでなる成分の混合物を作り、そして該ヒドリ
ドシランを加水分解し、あるいは部分的に加水分解する
に充分な時間混合物中の該ヒドリドシランの加水分解を
促進する工程を含んでなるヒドリドシランの加水分解す
る方法」があげられており、特開平7−97448号公
報には「共加水分解性のシランより可溶性の共加水分解
物を製造する方法であって、HSi(OR)3 とSi
(OR)4 の式で表されるシランの混合物であり、HS
i(OR)3 対Si(OR)4 のモル比が3:1未満で
あって、各Rは酸素原子を介して珪素と結合すると加水
分解できる置換基となる独立な有機基であるシラン混合
物と、酸素含有極性有機溶剤、水及び酸を含んでなる成
分の混合物を形成し、次いで共加水分解物が生成するに
充分な時間まで該混合物中のシランの加水分解を促進す
る共加水分解物の製造方法」があげられている。しかし
ながら、これらの方法は重合では加水分解を利用してい
るため、製品中に水が残存しやすく、樹脂中に残存して
いる未反応アルコキシ基を徐々に分解することにより製
品保管時も縮合が促進され、分子量の増大が生じ、つい
にはゲル化に至る問題点があり、保存安定性の良好な製
品を得ることは困難であった。製品の脱水法としてはた
とえば、ゼオライト等を添加する等の方法が考えられる
が、ナトリウムイオン等の無機イオンが製品中に混入す
るために半導体デバイス製造用途には適さない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】かかる状況の下、本発
明が解決しようとする課題は、トリアルコキシシラン化
合物の一種又は二種以上を無機酸及びカルボン酸と接触
させることにより縮合反応に付す珪素樹脂の製造方法で
あって、製造時に水を用いないため、得られる珪素樹脂
は残留水分による保管時の再縮合がなく、Si−H結合
又はSi−F結合の加水分解も生じないため、保管安定
性に優れ、かつ該珪素樹脂を樹脂成分として含有する絶
縁膜形成用塗布液はSi−H結合又はSi−F結合を樹
脂内に安定的に保持できるため、膜形成時の収縮も小さ
く、耐クラック性に優れ、膜厚が1.0μm以上の緻密
な絶縁膜を形成することが可能であるという優れた特徴
を有する珪素樹脂の製造方法、該製造方法により得られ
る珪素樹脂及び該珪素樹脂を樹脂成分として含有する絶
縁膜形成用塗布液を提供する点に存するものである。
【0005】なお膜の緻密性の指標としては、希フッ酸
による室温でのウェットエッチレートがよく用いられ
る。非常に緻密な絶縁膜としてウェハーを1000℃程
度で酸化して得られる熱酸化膜は、0.5%フッ酸を用
いた場合、室温でのウェットエッチレートは通常数十オ
ングストローム/分である。また、よく使用されている
塗布絶縁膜では同じ条件で数百〜1000オングストロ
ーム/分である。
【0006】電子デバイスの種類によっては、その製造
時に形成した絶縁膜を部分的にエッチングする工程もあ
るため、エッチング時の制御が可能な程度のウェットエ
ッチレートをもつ絶縁膜が望まれている。0.5重量%
フッ酸でのウェットエッチレートの小さい絶縁膜ではフ
ッ酸濃度を上昇させることによりウェットエッチレート
を適切な範囲に上昇させることができるが、0.5重量
%フッ酸でのウェットエッチレートが大きすぎる絶縁膜
では、フッ酸濃度を下げすぎるとほとんどエッチングで
きなくなる。このことから、0.5重量%フッ酸を用い
た場合の室温でのウェットエッチレートは、10〜10
00オングストローム/分のものが望まれており、この
ような絶縁膜形成用塗布液を提供することも本発明が解
決しようとする課題である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のうち、第一の発
明は、水の不存在下、下記一般式(1)で表されるトリ
アルコキシシラン化合物の一種又は二種以上を無機酸及
びカルボン酸と接触させることにより縮合反応に付す珪
素樹脂の製造方法に係るものである。 X−Si−(OR1 )(OR2 )(OR3 ) (1) (Xは水素原子又はフッ素原子を表し、R1 〜R3 は同
一又は異なる炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
【0008】また、本発明のうち第二の発明は、上記第
一の発明の製造方法により得られる珪素樹脂に係るもの
である。
【0009】更に、本発明のうち第三の発明は、上記第
二の発明の珪素樹脂を樹脂成分として含有する絶縁膜形
成用塗布液に係るものである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の製造方法は、水の不存在
下、下記一般式(1)で表されるトリアルコキシシラン
化合物の一種又は二種以上を無機酸及びカルボン酸と接
触させることにより縮合反応に付す珪素樹脂の製造方法
である。 X−Si−(OR1 )(OR2 )(OR3 ) (1) (Xは水素原子又はフッ素原子を表し、R1 〜R3 は同
一又は異なる炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
【0011】一般式(1)で表されるトリアルコキシシ
ラン化合物の具体例としては、トリメトキシシラン、ト
リエトキシシラン、トリプロポキシシラン、トリブトキ
シシラン、モノメトキシジエトキシシラン、モノエトキ
シジメトキシシラン、モノプロポキシジメトキシシラ
ン、モノプロポキシジエトキシラン、モノブトキシジエ
トキシラン、ブトキシエトキシメトキシシラン、フルオ
ロトリメトキシシラン、フルオロトリエトキシシラン、
フルオロトリプロポキシシラン、フルオロトリブトキシ
シラン、フルオロモノメトキシジエトキシシランなどが
あげられる。一般式(1)で表されるトリアルコキシシ
ラン化合物のうちでは、一般式(1)のXが水素原子で
あるトリアルコキシシラン化合物、たとえばトリメトキ
シシラン、トリエトキシシラン、トリプロポキシシラ
ン、トリブトキシシランなどが好ましく、特に工業的に
入手容易なトリメトキシラン及びトリエトキシランが好
ましい。
【0012】本発明においては、一般式(1)で表され
るトリアルコキシシラン化合物に加えて、下記一般式
(2)で表されるテトラアルコキシシラン化合物を縮合
反応系に存在させてもよい。 Si(OR4 )(OR5 )(OR6 )(OR7 ) (2) (R4 〜R7 は同一又は異なる炭素数1〜4のアルキル
基を表す。)
【0013】一般式(2)で表されるテトラアルコキシ
シラン化合物の具体例としては、テトラメトキシシラ
ン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、
テトラブトキシラン、モノメトキシトリエトキシシラ
ン、ジメトキシジエトキシシラン、モノエトキシトリメ
トキシシラン、モノプロポキシトリエトキシシラン、モ
ノブトキシトリエトキシシランなどがあげられる。これ
らのうちでは、工業的に入手容易なトリメトキシシラン
又はトリエトキシシランが好ましい。
【0014】テトラアルコキシラン化合物/トリアルコ
キシシラン化合物の使用量比(仕込み段階におけるモル
比)は1/1以下であることが好ましい。該比が過大で
あると樹脂の架橋度が高くなるため、絶縁膜が脆くな
り、クラックが発生しやすくなる場合がある。
【0015】本発明の無機酸の好ましい具体例として
は、硫酸、硝酸、発煙硫酸など、含水率の低いものがあ
げられ、特に硫酸が好ましい。
【0016】無機酸の通常の使用量は、アルコキシシラ
ン類に対し、0.0005〜0.01当量が好ましく、
更に好ましくは0.001〜0.005当量である。該
使用量が過少であると縮合反応の速度が著しく低下する
ことがあり、一方該使用量が過多であると反応終了後の
無機酸の除去が困難となることがある。
【0017】本発明のカルボン酸の具体例としては、ぎ
酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、乳酸、2−エトキシプ
ロピオン酸、モノクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、シアノ
酢酸、トリフルオロ酢酸などがあげられ、これらのうち
では蟻酸及び酢酸が好ましい。
【0018】カルボン酸の通常の使用量は、アルコキシ
シラン類に対し、0.3〜3.0当量が好ましく、更に
好ましくは0.8〜2.0当量である。該使用量が過少
であると分子量が低くなることがあり、一方該使用量が
過多であると分子量が著しく高くなり、有機溶剤に溶解
困難となることがある。
【0019】本発明の製造方法は、水の不存在下、下記
一般式(1)で表されるトリアルコキシシラン化合物の
一種又は二種以上を無機酸及びカルボン酸と接触させる
ことにより縮合反応に付すものである。
【0020】縮合反応の通常の反応温度は10〜100
℃であり、通常の反応時間は0.5〜120時間である
が、アルコキシシラン化合物の種類、無機酸種及びカル
ボン酸の種類によって、それぞれ最適値を設定すること
ができる。また、仕込順序についても特に制限されな
い。縮合反応を行うには、本発明の各成分を混合・攪拌
すればよい。なお、縮合反応によりエステル化合物が生
成して脱離する。
【0021】本発明の製造方法は、水の不存在下に行わ
れ、このことにより本発明の目的が達成される。
【0022】本発明の製造方法の好ましい具体例とし
て、下記二工程により縮合反応を行う方法をあげること
ができる。
【0023】第一工程:トリアルコキシシラン化合物を
無機酸及びカルボン酸と混合することにより予備縮合を
行い、GPC分析におけるポリスチレン換算重量平均分
子量300〜1000のオリゴマーとする工程 第二工程:第一工程で得たオリゴマーにカルボン酸を追
加添加することにより縮合反応を行い、珪素樹脂を得る
工程
【0024】ここで、第二工程を複数回繰り返して行う
ことにより、カルボン酸を分割して添加することが、反
応速度(重合速度)を促進する観点から好ましい。
【0025】縮合後は、必要に応じて、本発明者らが特
開平6−9926号公報において示したイオン交換樹脂
による処理などを施し、添加した無機酸又はカルボン酸
を除去することが好ましい。
【0026】得られた珪素樹脂のGPC分析におけるポ
リスチレン換算重量平均分子量は、2000〜3000
00であることが好ましく、更に好ましくは2000〜
30000である。該分子量が過小であると絶縁膜調製
において膜収縮率が著しく大きくなる場合があり、一方
該分子量が過大であると塗布液を調製する時に溶解度が
低下する場合がある。
【0027】本発明の絶縁膜形成用塗布液は、上記の本
発明の珪素樹脂を樹脂成分として含有する絶縁膜形成用
塗布液である。
【0028】絶縁膜塗布液調製における有機溶剤につい
ては特に制限されないが、たとえばメタノール、エタノ
ール、イソプロパノール、ブタノール、2−エトキシエ
タノールなどのアルコール類、メチルエチルケトン、メ
チルイソブチルケトン、アセチルアセトン、シクロヘキ
サノン、2−ヘプタノンなどのケトン類、N、N−ジメ
チルホルムアミド、N、N−ジメチルアセトアミド、N
−メチル−2−ピロリドンなどのアミド類、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル、乳酸エチル、酢酸エチルセロソルブな
どのエステル類、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン、ジエトキシエタン、ジメトキ
シエタンなどのエーテル類、ジクロルメタン、トリクロ
ロエタンなどのハロゲン化炭化水素類、ヘキサン、ヘプ
タン、シクロヘキサン、トルエン、キシレンなどの炭化
水素類があげられる。これらは単独又は2種以上を組み
合わせて使用することができる。有機溶剤は反応終了混
合物又は無機酸・カルボン酸を除去した処理液に溶剤を
加えた後、減圧蒸留などを行うなどの方法により所望の
有機溶剤溶液に置換ができる。
【0029】珪素樹脂を有機溶剤に溶解させる濃度も特
に限定されないが、特に1〜50重量%が好ましく、特
に5〜30重量%が好ましい。これは得られた珪素樹脂
の種類及び形成せしめる絶縁膜の膜厚によってそれぞれ
選択することが可能である。
【0030】また、得られた絶縁膜塗布液の保存安定性
及び絶縁膜の特性を損なわない程度で酸化防止剤などの
添加剤を混合することもできる。
【0031】本発明の絶縁膜形成用塗布液を用いた絶縁
膜の形成方法としては、まず前記塗布液を一般に使用さ
れるスピンコート法又は浸漬法により塗布し、次いで風
乾又は低温加熱により溶剤を充分除去した後、300℃
以上の温度で加熱して、未反応のアルコキシ基を分解さ
せ、この部分でシロキサン結合を形成させることにより
行われる。
【0032】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明はこれらの実施例によって制限されるもので
はない。
【0033】実施例1 内容積100mlの3ツ口フラスコにトリエトキシラン
(信越シリコーン(株)製)14gを仕込み、酢酸−硫
酸溶液(酢酸50gに濃硫酸0.1mlを混合)4.9
gを約10分間かけて滴下した。次いで内温を55℃ま
で上げ、5時間攪はんを行い、GPC分析におけるポリ
スチレン換算重量平均分子量450のオリゴマーを含む
溶液を得た。これに酢酸0.8mlを添加し、内温55
℃で更に2時間反応させた。冷却後、混床イオン交換樹
脂MB−HP(ローム・アンド・ハース製)約15ml
を充填したカラムに反応混合物を通液し、硫酸及び未反
応酢酸を除去した。得られた溶液にエタノール約3倍重
量部を加え、エバポレーターで溶媒を濃縮する操作を行
った。更にエタノール添加・溶媒濃縮の操作を2回繰り
返すことにより反応副生成物である酢酸エチルを除去
し、珪素樹脂のエタノール溶液21.4gを得た。加熱
減量法における樹脂固形分は17.3%であった。GP
C分析(東ソー製HLC−8120型、分析カラム:昭
和電工(株)製Shodex KF−802)によるポ
リスチレン換算平均分子量は8520であった。この溶
液を室温下5日間熟成させたところ分子量は10200
まで増加したが、その後、冷蔵保管(5℃)20日間G
PC分析を継続し、分子量追跡を行ったが、増加は認め
られなかった。得られた酸化膜塗布液を4インチウェハ
ーに数mlスピンコート法(ミカサ製ミカサスピンナー
1H−360型)で塗布膜を形成した。膜厚(初期膜
厚)は回転速度によって制御し、膜厚計(ナノメトリッ
ク社製ナノスペック210型)を用いて測定した。この
ウェハーを450℃で30分間焼成した後、クラック発
生の有無を光学顕微鏡を用いて目視観察を行い、クラッ
ク発生の無い最大膜厚を求め、これを耐クラック性とし
た。また、収縮率は (収縮率)={(初期膜厚)−(焼成後膜厚)}/(初
期膜厚)×100 から求めた。結果を表1に示す。
【0034】実施例2 2段目酢酸添加量を1.7mlに変えた以外は実施例1
と同様の反応を行った。生成物として珪素樹脂のエタノ
ール溶液16.5gを得た。樹脂固形分は20.0%で
あった。反応直後の分子量は11200であり、11日
後は16500まで増大したが、その後冷蔵保管20日
間で分子量の変化は無かった。耐クラック性、収縮率を
表1に示す。
【0035】実施例3 内容積100mlの3ツ口フラスコに前記トリエトキシ
シラン10.5g及びテトラエトキシシラン(信越シリ
コーン(株)製)4.4gを仕込み(トリエトキシシラ
ン/テトラエトキシシラン モル比=3/1)、酢酸−
硫酸溶液(酢酸50gに濃硫酸0.1mlを混合)4.
9gを約10分間かけて滴下した。次いで内温を55℃
まで上げ、5時間攪はんを行い、GPC分析におけるポ
リスチレン換算重量平均分子量700のオリゴマーを含
む溶液を得た。これに酢酸0.6mlを添加し、内温5
5℃で更に4時間反応させた。冷却後、実施例1と同様
の処理を行い、更に得られた溶液に実施例1と同様に酢
酸ブチル添加・溶媒濃縮の操作を3回繰り返し行い、反
応副生成物であるエタノール、酢酸エチルを除去し、珪
素樹脂の酢酸ブチル溶液15.9gを得た。加熱減量法
における樹脂固形分は10.3%であり、ポリスチレン
換算平均分子量は4382であった。この溶液を室温下
5日間熟成させたところ分子量は8500まで増加した
が、その後冷蔵保管10日間では特に分子量増は認めら
れなかった。耐クラック性、収縮率を表1に示す。
【0036】実施例4 仕込トリエトキシシラン、エトキシシラン量をそれぞれ
9.3g、5.9g(トリエトキシラン/テトラエトキ
シシラン モル比=1/1)に変えた以外は実施例3と
同様の操作を行い、珪素樹脂の酢酸ブチル溶液14.5
gを得た。加熱減量法における樹脂固形分は15.3%
であり、ポリスチレン換算平均分子量は5010であっ
た。この溶液を室温下5日間熟成させたところ分子量は
8200まで増加したが、その後8日間では特に分子量
増は認められなかった。耐クラック性、収縮率を表1に
示す。
【0037】比較例1 仕込条件をトリエトキシラン14g、イオン交換水0.
51g(仕込モル比トリエトキシシラン/イオン交換水
=3/1)に変えた以外は実施例1と同様の操作を行っ
た。得られた珪素樹脂のエタノール溶液26.3gであ
り、加熱減量法における樹脂固形分は16.1%であっ
た。GPC分析ポリスチレン換算平均分子量は1125
0であり、この溶液を室温下3日間熟成させたところ分
子量は22500まで増加し、その後冷蔵保管5日目で
ゲル化が生じた。
【0038】
【表1】
【0039】実施例5 実施例1と同様にして得られた珪素樹脂のエタノール溶
液を4インチウェハー上にスピンコート法により塗布し
た。ホットプレート上、100℃で乾燥したのち、45
0℃で30分間焼成した。得られた絶縁膜付ウェハーを
23℃の0.5%重量%のフッ酸の水溶液中に所定時間
浸漬後、超純水でただちに水洗を行なったのち乾燥し
た。フッ酸水溶液浸漬前後の酸化膜厚差よりエッチレー
トを測定したところ、350オングストローム/分であ
った。
【0040】比較例2 比較例1と同様にして得られた珪素樹脂を含布する塗布
液を4インチウェハー上にスピンコート法により塗布し
た。ホットプレート上、100℃で乾燥したのち、45
0℃で30分間焼成しホットプレート上、100℃で乾
燥した絶縁膜付ウェハーを得た。実施例5と同様の方法
でエッチレートを測定したところ、3300オングスト
ーム/分と非常に大きかった。
【0041】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明により、ト
リアルコキシシラン化合物の一種又は二種以上を無機酸
及びカルボン酸と接触させることにより縮合反応に付す
珪素樹脂の製造方法であって、製造時に水を用いないた
め、得られる珪素樹脂は残留水分による保管時の再縮合
がなく、Si−H結合又はSi−F結合の加水分解も生
じないため、保管安定性に優れ、かつ該珪素樹脂を樹脂
成分として含有する絶縁膜形成用塗布液はSi−H結合
又はSi−F結合を樹脂内に安定的に保持できるため、
膜形成時の収縮も小さく、耐クラック性に優れ、膜厚が
1.0μm以上の緻密でウエットエッチングでの制御が
容易な絶縁膜を形成することが可能であるという優れた
特徴を有する珪素樹脂の製造方法、該製造方法により得
られる珪素樹脂及び該珪素樹脂を樹脂成分として含有す
る絶縁膜形成用塗布液を提供することができた。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水の不存在下、下記一般式(1)で表さ
    れるトリアルコキシシラン化合物の一種又は二種以上を
    無機酸及びカルボン酸と接触させることにより縮合反応
    に付す珪素樹脂の製造方法。 X−Si−(OR1 )(OR2 )(OR3 ) (1) (Xは水素原子又はフッ素原子を表し、R1 〜R3 は同
    一又は異なる炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
  2. 【請求項2】 Xが水素原子である請求項1記載の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 一般式(1)で表されるトリアルコキシ
    シラン化合物がトリメトキシシラン又はトリエトキシシ
    ランである請求項1記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 一般式(1)で表されるトリアルコキシ
    シラン化合物に加えて、下記一般式(2)で表されるテ
    トラアルコキシシラン化合物を縮合反応系に存在させる
    請求項1記載の製造方法。 Si(OR4 )(OR5 )(OR6 )(OR7 ) (2) (R4 〜R7 は同一又は異なる炭素数1〜4のアルキル
    基を表す。)
  5. 【請求項5】 一般式(2)で表されるれテトラアルコ
    キシシラン化合物がテトラメトキシシラン又はテトラエ
    トキシシランである請求項4記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 テトラアルコキシラン化合物/トリアル
    コキシシラン化合物の使用量比(モル比)が1/1以下
    である請求項4記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 カルボン酸が蟻酸又は酢酸である請求項
    1記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 下記二工程により縮合反応を行う請求項
    1記載の製造方法。 第一工程:トリアルコキシシラン化合物を無機酸及びカ
    ルボン酸と混合することにより予備縮合を行い、GPC
    分析におけるポリスチレン換算重量平均分子量300〜
    1000のオリゴマーとする工程 第二工程:第一工程で得たオリゴマーにカルボン酸を追
    加添加することにより縮合反応を行い、珪素樹脂を得る
    工程
  9. 【請求項9】 珪素樹脂のGPC分析におけるポリスチ
    レン換算重量平均分子量が2000〜300000であ
    る請求項1記載の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のうちの一の請求項の製
    造方法により得られる珪素樹脂。
  11. 【請求項11】 請求項10の珪素樹脂を樹脂成分とし
    て含有する絶縁膜形成用塗布液。
  12. 【請求項12】 23℃における焼成後の絶縁膜の0.
    5重量%のフッ酸水溶液によるエッチレートが10〜1
    000オングストローム/分である請求項11の絶縁膜
    形成用塗布液。
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