JPH09324211A - 浸炭窒化雰囲気での熱処理方法 - Google Patents
浸炭窒化雰囲気での熱処理方法Info
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- JPH09324211A JPH09324211A JP8142936A JP14293696A JPH09324211A JP H09324211 A JPH09324211 A JP H09324211A JP 8142936 A JP8142936 A JP 8142936A JP 14293696 A JP14293696 A JP 14293696A JP H09324211 A JPH09324211 A JP H09324211A
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- JP
- Japan
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- heat treatment
- nitrogen
- heated
- sliding portion
- clutch
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-
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P10/00—Technologies related to metal processing
- Y02P10/25—Process efficiency
Landscapes
- Heat Treatment Of Articles (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 浸炭窒化雰囲気での熱処理を部材の一部分に
限定して行うことにより熱処理変形を抑制しつつ耐摩耗
性を向上すると共に、生産性の向上を図ることを課題と
する。 【解決手段】 デフケース1のクラッチ部1cを、エン
リッチプロパンおよびアンモニアを高濃度に保持した常
温の不活性ガス雰囲気中で高周波加熱してオーステナイ
ト化処理した後、焼入れ処理を行って、クラッチ部1c
の表層に窒素を拡散固溶したマルテンサイト組織を生成
することを特徴とする。
限定して行うことにより熱処理変形を抑制しつつ耐摩耗
性を向上すると共に、生産性の向上を図ることを課題と
する。 【解決手段】 デフケース1のクラッチ部1cを、エン
リッチプロパンおよびアンモニアを高濃度に保持した常
温の不活性ガス雰囲気中で高周波加熱してオーステナイ
ト化処理した後、焼入れ処理を行って、クラッチ部1c
の表層に窒素を拡散固溶したマルテンサイト組織を生成
することを特徴とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、浸炭窒化雰囲気中
での熱処理方法に関する。
での熱処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば車両の構造部材等で強度や
耐摩耗性を要求される部材には鉄系材料が用いられ、耐
摩耗性および耐焼き付き性を向上するための熱処理方法
として浸炭窒化焼入れ処理が一般に行われている。そし
て、焼入れ処理に先立ち、一般に処理雰囲気を約890
〜940℃に加熱保持して部材をオーステナイト化し表
面改質を行う。
耐摩耗性を要求される部材には鉄系材料が用いられ、耐
摩耗性および耐焼き付き性を向上するための熱処理方法
として浸炭窒化焼入れ処理が一般に行われている。そし
て、焼入れ処理に先立ち、一般に処理雰囲気を約890
〜940℃に加熱保持して部材をオーステナイト化し表
面改質を行う。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このオース
テナイト化処理時に浸炭窒化雰囲気中のアンモニアが分
解し、上記温度ではアンモニアの解離度が高く、例えば
900℃以上になると残留アンモニアが0.009%と
なってしまい、部材表面の窒化層の形成が不足し窒素の
拡散固溶層厚さも不足し耐摩耗性が不十分になる。
テナイト化処理時に浸炭窒化雰囲気中のアンモニアが分
解し、上記温度ではアンモニアの解離度が高く、例えば
900℃以上になると残留アンモニアが0.009%と
なってしまい、部材表面の窒化層の形成が不足し窒素の
拡散固溶層厚さも不足し耐摩耗性が不十分になる。
【0004】また、部材全体を加熱し焼入れ処理を行う
ので、変形が大きくそれの修正のために工数が増大す
る。また、例えば車両用ディファレンシャル装置のデフ
ケースのような部品では浸炭窒化焼き入れ処理終了まで
に3〜5時間も要するものがあり、生産性がよくなかっ
た。
ので、変形が大きくそれの修正のために工数が増大す
る。また、例えば車両用ディファレンシャル装置のデフ
ケースのような部品では浸炭窒化焼き入れ処理終了まで
に3〜5時間も要するものがあり、生産性がよくなかっ
た。
【0005】そこで、本発明は、浸炭窒化雰囲気での熱
処理を部材の一部分に限定して行うことにより熱処理変
形を抑制しつつ耐摩耗性を向上すると共に、生産性の向
上を図ることを課題とする。
処理を部材の一部分に限定して行うことにより熱処理変
形を抑制しつつ耐摩耗性を向上すると共に、生産性の向
上を図ることを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に記載の発明は、鉄系部材の摺動部を、高
炭素および活性窒素を含む気体中か、または加熱される
と高炭素および活性窒素を発生する粉末で覆った状態
で、該摺動部を一次加熱してオーステナイト化処理した
後、焼入れ処理を行って、摺動部の表層に窒素を拡散固
溶したマルテンサイト組織を生成することを特徴とす
る。
に、請求項1に記載の発明は、鉄系部材の摺動部を、高
炭素および活性窒素を含む気体中か、または加熱される
と高炭素および活性窒素を発生する粉末で覆った状態
で、該摺動部を一次加熱してオーステナイト化処理した
後、焼入れ処理を行って、摺動部の表層に窒素を拡散固
溶したマルテンサイト組織を生成することを特徴とす
る。
【0007】したがって、摺動部は加熱されるがそれ以
外の部分は加熱されないため、雰囲気中のアンモニアの
解離度が低く、残留アンモニアを加熱される摺動部に多
量に供給できるから、該部表層の窒素の拡散固溶濃度お
よび厚さが増すと共に浸炭層が形成され耐摩耗性が向上
する。
外の部分は加熱されないため、雰囲気中のアンモニアの
解離度が低く、残留アンモニアを加熱される摺動部に多
量に供給できるから、該部表層の窒素の拡散固溶濃度お
よび厚さが増すと共に浸炭層が形成され耐摩耗性が向上
する。
【0008】また、熱処理部が摺動部に限定されるの
で、部材の熱処理時間が短縮され、また変形も低減す
る。
で、部材の熱処理時間が短縮され、また変形も低減す
る。
【0009】請求項2に記載の発明は、鉄系部材の摺動
部を、高炭素および活性窒素を含む気体中か、または加
熱されると高炭素および活性窒素を発生する粉末で覆っ
た状態で、該摺動部を一次加熱して溶融化した後、チル
化を行って、摺動部の表層に窒素を拡散固溶したセメン
タイトを生成することを特徴とする。
部を、高炭素および活性窒素を含む気体中か、または加
熱されると高炭素および活性窒素を発生する粉末で覆っ
た状態で、該摺動部を一次加熱して溶融化した後、チル
化を行って、摺動部の表層に窒素を拡散固溶したセメン
タイトを生成することを特徴とする。
【0010】したがって、溶融化により摺動部表層の窒
素の拡散固溶濃度および厚さが増すので、さらに耐摩耗
性が向上する。
素の拡散固溶濃度および厚さが増すので、さらに耐摩耗
性が向上する。
【0011】また、溶融状態からチル化することにより
内部組織にセメンタイトが析出されるので、さらに強度
および耐摩耗性が向上する。
内部組織にセメンタイトが析出されるので、さらに強度
および耐摩耗性が向上する。
【0012】請求項3に記載の発明は、請求項1または
2記載の浸炭窒化雰囲気での熱処理方法であって、摺動
部の一次加熱を高周波加熱により行うことを特徴とす
る。
2記載の浸炭窒化雰囲気での熱処理方法であって、摺動
部の一次加熱を高周波加熱により行うことを特徴とす
る。
【0013】したがって、請求項1または2による作用
・効果に加え、摺動部全面を同時に加熱可能となるの
で、摺動部の大小に関係なく短時間で処理でき大幅に生
産性が向上する。
・効果に加え、摺動部全面を同時に加熱可能となるの
で、摺動部の大小に関係なく短時間で処理でき大幅に生
産性が向上する。
【0014】請求項4に記載の発明は、請求項1または
2に記載の浸炭窒化雰囲気での熱処理方法であって、摺
動部の一次加熱をレーザ光により行うことを特徴とす
る。
2に記載の浸炭窒化雰囲気での熱処理方法であって、摺
動部の一次加熱をレーザ光により行うことを特徴とす
る。
【0015】したがって、請求項1または2による作用
・効果に加え、レーザ光照射により連続加熱が可能とな
るので、加熱部分が精度良く定まると共に変形がさらに
低減する。
・効果に加え、レーザ光照射により連続加熱が可能とな
るので、加熱部分が精度良く定まると共に変形がさらに
低減する。
【0016】
[第1実施形態]本発明の第1実施形態の熱処理方法を
図1、図2により説明する。図1は本実施形態の熱処理
を施す部材のデフケース1を備えたディファレンシャル
装置の断面図であり、図2は説明図である。
図1、図2により説明する。図1は本実施形態の熱処理
を施す部材のデフケース1を備えたディファレンシャル
装置の断面図であり、図2は説明図である。
【0017】デフケース1はケース本体1aとカバー1
bとがボルト3により結合されてなり、内部には一対の
サイドギヤ5,7とこれらと噛み合うピニオンギヤ7,
7とが配置されている。サイドギヤ5,5はピニオンギ
ヤ7,7との噛み合いによりスラストを受けてデフケー
ス1に押し付けられるので、デフケース1の内周とサイ
ドギヤ5,5の外周とには円錐状のクラッチ部1c,5
cがそれぞれ形成されている。そして、サイドギヤ5,
5間に回転差が生じた場合には、クラッチ部1c,5c
は駆動力に応じたスラストを受けながら摺動する。
bとがボルト3により結合されてなり、内部には一対の
サイドギヤ5,7とこれらと噛み合うピニオンギヤ7,
7とが配置されている。サイドギヤ5,5はピニオンギ
ヤ7,7との噛み合いによりスラストを受けてデフケー
ス1に押し付けられるので、デフケース1の内周とサイ
ドギヤ5,5の外周とには円錐状のクラッチ部1c,5
cがそれぞれ形成されている。そして、サイドギヤ5,
5間に回転差が生じた場合には、クラッチ部1c,5c
は駆動力に応じたスラストを受けながら摺動する。
【0018】デフケース1は、このように差動機構を内
蔵する図示のような複雑な形状と共にクラッチ部1cの
耐摩耗性向上が要求されるため、適合材料としての球状
黒鉛鋳鉄FCD600を用いて形成されている。
蔵する図示のような複雑な形状と共にクラッチ部1cの
耐摩耗性向上が要求されるため、適合材料としての球状
黒鉛鋳鉄FCD600を用いて形成されている。
【0019】そこで、本実施形態の熱処理は、この材料
からなるデフケース1のクラッチ部1cを局部的に熱処
理する [高周波加熱による一次加熱]図2に模式的に示すよう
に、A部から容器11内に、エンリッチプロパンおよび
アンモニアを高濃度に保持した不活性ガスを注入して常
温の雰囲気ガスに調整する。ついで、クラッチ部1c
(図1の斜線部)内周に沿わせたコイル13に高周波電
流を流してクラッチ部1cを890〜940℃の温度に
5〜15分間高周波加熱してクラッチ部1cをオーステ
ナイト化処理する。
からなるデフケース1のクラッチ部1cを局部的に熱処
理する [高周波加熱による一次加熱]図2に模式的に示すよう
に、A部から容器11内に、エンリッチプロパンおよび
アンモニアを高濃度に保持した不活性ガスを注入して常
温の雰囲気ガスに調整する。ついで、クラッチ部1c
(図1の斜線部)内周に沿わせたコイル13に高周波電
流を流してクラッチ部1cを890〜940℃の温度に
5〜15分間高周波加熱してクラッチ部1cをオーステ
ナイト化処理する。
【0020】このとき、加熱部(クラッチ部1c部)で
は約500℃から窒素の拡散固溶が始まり、解離度の低
い雰囲気ガスの運動によりクラッチ部1cに多量のアン
モニアが供給されるので、クラッチ部1cの表層には十
分な濃度および厚さの窒素の拡散固溶層が形成されると
共に浸炭層が形成される。
は約500℃から窒素の拡散固溶が始まり、解離度の低
い雰囲気ガスの運動によりクラッチ部1cに多量のアン
モニアが供給されるので、クラッチ部1cの表層には十
分な濃度および厚さの窒素の拡散固溶層が形成されると
共に浸炭層が形成される。
【0021】なお、上記の不活性ガスを注入する方法と
は別に、高炭素を発生させる方法としては、ニッケルカ
ーバイド、ボロンカーバイドやグラファイト等の粉末を
クラッチ部1cに塗布してもよい。また、活性窒素を発
生させる方法としては、シアンの加熱や、ニッケルナイ
トライド、ボロンナイトライドをクラッチ部1cに塗布
することや、窒素ガスに密度の高いエネルギーを与え
(窒素ガスの分解)てもよい。
は別に、高炭素を発生させる方法としては、ニッケルカ
ーバイド、ボロンカーバイドやグラファイト等の粉末を
クラッチ部1cに塗布してもよい。また、活性窒素を発
生させる方法としては、シアンの加熱や、ニッケルナイ
トライド、ボロンナイトライドをクラッチ部1cに塗布
することや、窒素ガスに密度の高いエネルギーを与え
(窒素ガスの分解)てもよい。
【0022】なお、その他の雰囲気調整法としては、デ
フケース1が配置された密封容器を真空引きした後、エ
ンリッチプロパンおよびアンモニアを高濃度に保持した
不活性ガスを封入する方法がある。
フケース1が配置された密封容器を真空引きした後、エ
ンリッチプロパンおよびアンモニアを高濃度に保持した
不活性ガスを封入する方法がある。
【0023】[焼入れ]ついで、今度は容器11内にA
部から冷却油を噴出させてクラッチ部1cをオーステナ
イト化処理温度状態から120〜150℃で1〜10秒
油冷して焼入れするか、あるいはデフケース1を容器1
1外に取り出して常温の空気中に1〜10分間放冷する
かして、クラッチ部1cにマルテンサイトを析出させ
る。なお、焼入れ後は所定の焼戻し硬さが得られるよう
に焼戻し処理を行う。
部から冷却油を噴出させてクラッチ部1cをオーステナ
イト化処理温度状態から120〜150℃で1〜10秒
油冷して焼入れするか、あるいはデフケース1を容器1
1外に取り出して常温の空気中に1〜10分間放冷する
かして、クラッチ部1cにマルテンサイトを析出させ
る。なお、焼入れ後は所定の焼戻し硬さが得られるよう
に焼戻し処理を行う。
【0024】こうして、本実施形態によれば、一次加熱
においてクラッチ部1c以外の部分は加熱されないた
め、加熱されるクラッチ部1cに多量のアンモニアを供
給できるから、クラッチ部1cの表層に十分な濃度およ
び厚さの窒素の拡散固溶層が形成され耐摩耗性が向上す
る。
においてクラッチ部1c以外の部分は加熱されないた
め、加熱されるクラッチ部1cに多量のアンモニアを供
給できるから、クラッチ部1cの表層に十分な濃度およ
び厚さの窒素の拡散固溶層が形成され耐摩耗性が向上す
る。
【0025】また、熱処理部がクラッチ部1cに限定さ
れるのでデフケース1の熱処理変形が低減されると共
に、高周波加熱によりクラッチ部1c全体が同時加熱さ
れるので、熱処理時間が大幅に短縮されデフケース1の
生産性が大幅に向上する。
れるのでデフケース1の熱処理変形が低減されると共
に、高周波加熱によりクラッチ部1c全体が同時加熱さ
れるので、熱処理時間が大幅に短縮されデフケース1の
生産性が大幅に向上する。
【0026】[第2実施形態]本発明の第2実施形態を
説明する。本実施形態の熱処理対象部は上記第1実施形
態と同じくデフケース1のクラッチ部1cである。第1
実施形態との相違点を主に説明し、重複する説明は省略
する。
説明する。本実施形態の熱処理対象部は上記第1実施形
態と同じくデフケース1のクラッチ部1cである。第1
実施形態との相違点を主に説明し、重複する説明は省略
する。
【0027】[高周波加熱による一次加熱]エンリッチ
プロパンおよびアンモニアを高濃度に保持した常温の不
活性ガス中で、クラッチ部1cを1100〜1200℃
の温度に5〜15分間高周波加熱して溶融化を行う。
プロパンおよびアンモニアを高濃度に保持した常温の不
活性ガス中で、クラッチ部1cを1100〜1200℃
の温度に5〜15分間高周波加熱して溶融化を行う。
【0028】[チル化]ついで、この溶融化状態から1
20〜150℃で1〜10秒油冷してチル化をするか、
あるいは常温の空気中に1〜10分間放冷してチル化し
て、クラッチ部1cにマルテンサイトをベースにしてセ
メンタイトを析出させる。
20〜150℃で1〜10秒油冷してチル化をするか、
あるいは常温の空気中に1〜10分間放冷してチル化し
て、クラッチ部1cにマルテンサイトをベースにしてセ
メンタイトを析出させる。
【0029】こうして、本実施形態によれば、クラッチ
部1cの溶融化により窒素の拡散固溶濃度および厚さが
増し、さらに耐摩耗性が向上する。
部1cの溶融化により窒素の拡散固溶濃度および厚さが
増し、さらに耐摩耗性が向上する。
【0030】また、溶融化状態からチル化することによ
り内部組織にセメンタイトが析出するので、一層強度お
よび耐摩耗性が向上する。
り内部組織にセメンタイトが析出するので、一層強度お
よび耐摩耗性が向上する。
【0031】[第3実施形態]本発明の第3実施形態を
図3により説明する。本実施形態の熱処理対象部は上記
第1実施形態と同じくデフケース1のクラッチ部1cで
ある。図3は熱処理を施したクラッチ部1cを示す平面
図である。第1実施形態との相違点を主に説明し、重複
する説明は省略する。
図3により説明する。本実施形態の熱処理対象部は上記
第1実施形態と同じくデフケース1のクラッチ部1cで
ある。図3は熱処理を施したクラッチ部1cを示す平面
図である。第1実施形態との相違点を主に説明し、重複
する説明は省略する。
【0032】[レーザ加熱による一次加熱]エンリッチ
プロパンおよびアンモニアを高濃度に保持した常温の不
活性ガス中で、出力500W〜5kWのレーザ光をクラ
ッチ部1cの平面に対し垂直に照射し光の反射を防止し
つつクラッチ部1cを0.5〜2m/minの速度で移
動させ、890〜940℃の温度に2〜5分間加熱しオ
ーステナイト化処理する。図3のB部はクラッチ部1c
の加熱部を示す。
プロパンおよびアンモニアを高濃度に保持した常温の不
活性ガス中で、出力500W〜5kWのレーザ光をクラ
ッチ部1cの平面に対し垂直に照射し光の反射を防止し
つつクラッチ部1cを0.5〜2m/minの速度で移
動させ、890〜940℃の温度に2〜5分間加熱しオ
ーステナイト化処理する。図3のB部はクラッチ部1c
の加熱部を示す。
【0033】[焼入れ]ついで、特別に焼入れ工程を設
定することなく、上記オーステナイト化処理温度から常
温の空気中に一瞬放冷する。つまり、レーザ光の照射点
から外れたクラッチ部1cが一瞬の放冷により焼入れさ
れ、マルテンサイトが析出する。なお、焼入れ後は所定
の表面硬さが得られるように焼戻し処理を行う。
定することなく、上記オーステナイト化処理温度から常
温の空気中に一瞬放冷する。つまり、レーザ光の照射点
から外れたクラッチ部1cが一瞬の放冷により焼入れさ
れ、マルテンサイトが析出する。なお、焼入れ後は所定
の表面硬さが得られるように焼戻し処理を行う。
【0034】こうして、本実施形態によれば、クラッチ
部1cの表層に十分な濃度および厚さの窒素の拡散固溶
層が形成され耐摩耗性が向上する。
部1cの表層に十分な濃度および厚さの窒素の拡散固溶
層が形成され耐摩耗性が向上する。
【0035】また、レーザ光の照射によりクラッチ部1
cの加熱部分が精度よく定まるからクラッチ部1cの熱
処理変形をより一層低減することができる。
cの加熱部分が精度よく定まるからクラッチ部1cの熱
処理変形をより一層低減することができる。
【0036】なお、レーザ光の出力およびクラッチ部1
cの移動速度の設定を変えて、クラッチ部1c温度を1
100〜1200℃にすれば、上記第2実施形態のよう
にクラッチ部1cの溶融化およびチル化が可能となる。
cの移動速度の設定を変えて、クラッチ部1c温度を1
100〜1200℃にすれば、上記第2実施形態のよう
にクラッチ部1cの溶融化およびチル化が可能となる。
【0037】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
1に記載の発明によれば、摺動部以外の部分は加熱され
ないため、加熱する摺動部に多量のアンモニアを供給で
きるから、該部表層の窒素の拡散固溶濃度および厚さが
増すと共に浸炭層が形成され耐摩耗性が向上する。
1に記載の発明によれば、摺動部以外の部分は加熱され
ないため、加熱する摺動部に多量のアンモニアを供給で
きるから、該部表層の窒素の拡散固溶濃度および厚さが
増すと共に浸炭層が形成され耐摩耗性が向上する。
【0038】また、熱処理部が摺動部に限定されるの
で、部材の熱処理時間が短縮され変形も低減する。
で、部材の熱処理時間が短縮され変形も低減する。
【0039】請求項2に記載の発明によれば、溶融化に
より摺動部表層の窒素の拡散固溶濃度および厚さが増す
ので、さらに耐摩耗性が向上する。
より摺動部表層の窒素の拡散固溶濃度および厚さが増す
ので、さらに耐摩耗性が向上する。
【0040】また、溶融状態からチル化することにより
内部組織にセメンタイトが析出され、さらに強度および
耐摩耗性が向上する。
内部組織にセメンタイトが析出され、さらに強度および
耐摩耗性が向上する。
【0041】請求項3に記載の発明によれば、請求項1
または2による効果に加え、高周波加熱により摺動部全
面を同時に加熱可能となるので、摺動部の大小に関係な
く短時間で処理でき大幅に生産性が向上する。
または2による効果に加え、高周波加熱により摺動部全
面を同時に加熱可能となるので、摺動部の大小に関係な
く短時間で処理でき大幅に生産性が向上する。
【0042】請求項4に記載の発明によれば、請求項1
または2による効果に加え、レーザ光照射により連続加
熱が可能となるので、加熱部分が精度良く定まると共に
変形がさらに低減する。
または2による効果に加え、レーザ光照射により連続加
熱が可能となるので、加熱部分が精度良く定まると共に
変形がさらに低減する。
【図1】第1実施形態の熱処理を施すデフケースを備え
たディファレンシャル装置の断面図である。
たディファレンシャル装置の断面図である。
【図2】第1実施形態の説明図である。
【図3】第3実施形態の説明図である。
1 デフケース 1c,5c クラッチ部 11 容器 13 コイル A ガスまたは冷却剤注入口 B レーザ光照射部
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C23C 8/76 C23C 8/76
Claims (4)
- 【請求項1】 鉄系部材の摺動部を、高炭素および活性
窒素を含む気体中か、または加熱されると高炭素および
活性窒素を発生する粉末で覆った状態で、該摺動部を一
次加熱してオーステナイト化処理した後、焼入れ処理を
行って、摺動部の表層に窒素を拡散固溶したマルテンサ
イト組織を生成することを特徴とする浸炭窒化雰囲気で
の熱処理方法。 - 【請求項2】 鉄系部材の摺動部を、高炭素および活性
窒素を含む気体中か、または加熱されると高炭素および
活性窒素を発生する粉末で覆った状態で、該摺動部を一
次加熱して溶融化した後、チル化を行って、摺動部の表
層に窒素を拡散固溶したセメンタイトを生成することを
特徴とする浸炭窒化雰囲気での熱処理方法。 - 【請求項3】 請求項1または2に記載の浸炭窒化雰囲
気での熱処理方法であって、 前記摺動部の一次加熱を、高周波加熱により行うことを
特徴とする浸炭窒化雰囲気での熱処理方法。 - 【請求項4】 請求項1または2に記載の浸炭窒化雰囲
気での熱処理方法であって、 前記摺動部の一次加熱を、レーザ光により行うことを特
徴とする浸炭窒化雰囲気での熱処理方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8142936A JPH09324211A (ja) | 1996-06-05 | 1996-06-05 | 浸炭窒化雰囲気での熱処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8142936A JPH09324211A (ja) | 1996-06-05 | 1996-06-05 | 浸炭窒化雰囲気での熱処理方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09324211A true JPH09324211A (ja) | 1997-12-16 |
Family
ID=15327098
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP8142936A Pending JPH09324211A (ja) | 1996-06-05 | 1996-06-05 | 浸炭窒化雰囲気での熱処理方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH09324211A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2010159880A (ja) * | 2003-06-05 | 2010-07-22 | Ntn Corp | ローラ軸の製造方法 |
| JP2011077356A (ja) * | 2009-09-30 | 2011-04-14 | Keihin Corp | リニアソレノイド及びそれを用いたバルブ装置 |
| US8585014B2 (en) | 2009-05-13 | 2013-11-19 | Keihin Corporation | Linear solenoid and valve device using the same |
| JP2016069671A (ja) * | 2014-09-29 | 2016-05-09 | アイシン高丘株式会社 | 鋳鉄製摩擦部材の製造装置及び製造方法 |
-
1996
- 1996-06-05 JP JP8142936A patent/JPH09324211A/ja active Pending
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2010159880A (ja) * | 2003-06-05 | 2010-07-22 | Ntn Corp | ローラ軸の製造方法 |
| US8585014B2 (en) | 2009-05-13 | 2013-11-19 | Keihin Corporation | Linear solenoid and valve device using the same |
| JP2011077356A (ja) * | 2009-09-30 | 2011-04-14 | Keihin Corp | リニアソレノイド及びそれを用いたバルブ装置 |
| JP2016069671A (ja) * | 2014-09-29 | 2016-05-09 | アイシン高丘株式会社 | 鋳鉄製摩擦部材の製造装置及び製造方法 |
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