JPH09324841A - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

トロイダル型無段変速機

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JPH09324841A
JPH09324841A JP14173996A JP14173996A JPH09324841A JP H09324841 A JPH09324841 A JP H09324841A JP 14173996 A JP14173996 A JP 14173996A JP 14173996 A JP14173996 A JP 14173996A JP H09324841 A JPH09324841 A JP H09324841A
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JP
Japan
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bearing
input
output
friction torque
thrust
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JP14173996A
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Inventor
Ken Yamamoto
建 山本
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 入出力軸の軸受による損失トルクを全回転域
で低減する。 【解決手段】 入出力ディスクの対向面にそれぞれ形成
されたトロイド状の溝に挟持されるパワーローラと、入
力軸14及び出力歯車26をケーシング67の内部にそ
れぞれ軸支する入力側軸受手段及び出力側軸受手段は、
テーパーローラ軸受1、2と、転動体と外輪及び内輪の
接触角が等しいスラストニードル軸受とを直列的に配設
し、フリクショントルクの大小に応じて選択的に回転す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両等に用いられ
るトロイダル型無段変速機の入出力軸の軸受の改良に関
する。
【0002】
【従来の技術】トロイダル型無段変速機の入出力軸を支
持する構造としては、特開昭63−130953号公報
に示すようなものが知られている。
【0003】これは、一対の入力ディスクと出力ディス
クとの間に挟持されたパワーローラの傾転角に応じた変
速比で、入力軸から出力軸(又は出力歯車)へ駆動力を
伝達する場合、入出力軸の支持にスラスト方向の挟持圧
力とラジアル荷重を支持するアンギュラボール軸受を採
用したものである。
【0004】トロイダル型無段変速機では、パワーロー
ラの滑りによる伝達トルクの損失を防ぐため、パワーロ
ーラと入出力ディスクを大きな力で押圧して接触面圧
(圧力)を高く保持し、さらに、圧力−粘度指数αの高
いオイル、例えばトラクションオイルを用いているが、
入出力軸の支持を行うアンギュラボール軸受のボール
は、軸受の回転に伴ってスピンが発生し、パワーローラ
を挟持押圧する反力によってアンギュラボール軸受に加
わるスラスト方向の力は非常に大きく、アンギュラボー
ル軸受のボールと溝の接触面圧も非常に高くなって、例
えば1GPaを超え、このような高圧ではトラクションオ
イルが上記したように半固体状となり、ここで、ボール
のスピンが発生すると損失トルクは増大しトロイダル型
無段変速機の効率を低下させるという問題があった。
【0005】そこで、本願出願人は、特願平7−153
442号として、アンギュラボール軸受に代わってテー
パーローラ軸受を採用したトロイダル型無段変速機を提
案した。
【0006】これについて説明すると、図6に示すよう
に、トロイダル状の溝を対向面に備えた入力ディスク1
8、出力ディスク20を入力軸14と同軸上に配設した
もので、入力ディスク18及び出力ディスク20に押圧
される一対のパワーローラ22、22の傾斜角を変更す
ることで任意の変速比を無段階に設定可能とするもので
ある。
【0007】入力ディスク18は、カムローラ79、カ
ムフランジ77を介して入力軸14とほぼ一体となって
回転し、入力軸14は基端側(図中右側)の端部に設け
たテーパーローラ軸受1と、カムフランジ77側の端部
に設けたニードル軸受66によってケーシング67で回
転自在に支持される。
【0008】一方、出力ディスク20は背面(図中右
側)側で出力歯車26に結合されて入力軸14と相対回
転自在に軸支されるもので、出力ディスク20の内周と
入力軸14との間に介装したニードル軸受73と、出力
歯車26とケーシング67との間に介装されたテーパー
ローラ軸受2によって回転自在に支持される。
【0009】入力軸14を軸支するテーパーローラ軸受
1と、出力軸を構成する出力歯車26を軸支するテーパ
ーローラ軸受2は外輪5、6をスナップリング9を介し
て当接しており、入力軸側のテーパーローラ軸受1はパ
ワーローラ22方向へのスラスト荷重を支持するよう
に、テーパーローラ7の小径部をパワーローラ22へ向
けて配設される一方、出力軸側のテーパーローラ軸受2
は皿バネ70側へ向かうスラスト荷重を支持するよう
に、テーパーローラ8の小径部を皿バネ70へ向けて配
設される。
【0010】パワーローラ22を入力ディスク18と出
力ディスク20で挟持する軸方向の圧力は、入力軸14
の基端側に設けた皿バネ70と、入力軸14の左端側に
設けたカムローラ79によって発生される。
【0011】皿バネ70は、入力軸14を軸支するテー
パーローラ軸受1のスペーサ68と、入力軸14の基端
側に締結されたローディングナット69との間に介装さ
れ、フランジ部68aを介してスペーサ68を図中左方
へ付勢する。
【0012】さらに、スペーサ68と入力軸14は軸方
向の変位を許容されるため、入力軸14は皿バネ70の
反力で図中右側へ付勢されて、パワーローラ22を挟持
する初期荷重を得る。
【0013】そして、入力軸14の図中左端部に設けた
カムフランジ77と入力ディスク18との間には、入力
軸14の回転に応じて入力ディスク18を図中右側へ付
勢する推力を発生するカムローラ79が介装される。
【0014】このため、パワーローラ22は皿バネ70
による初期荷重と、カムローラ79が発生する軸方向の
推力によって入力ディスク18と出力ディスク20に挟
持押圧されて滑ることなく回転し、入力ディスク18か
らのトルクを出力ディスク20へ伝達し、入力軸14及
び出力歯車26を軸支するテーパーローラ軸受1、2
は、スペーサ9を介して外輪5、6同志を相互に軸方向
へ押圧してパワーローラ22の挟持圧力を支持するとと
もに、それぞれラジアル方向の荷重を支持している。
【0015】なお、パワーローラ22は軸回りに回転可
能なトラニオン83に設けた偏心軸80よって回転自在
に支持されており、トラニオン83の軸方向(図中紙面
の貫通方向)の変位に応じて傾転し、入力ディスク18
と出力ディスク20との接触半径を変更することで変速
比を連続的に変更する。
【0016】入出力軸をテーパーローラ軸受1、2で支
持することにより、図7に示すように、例えば出力軸側
のテーパーローラ軸受2では、内輪4と外輪6とテーパ
ーローラ8は軌道面40、60で接触し、テーパーロー
ラ8の回転軸OBの延長線と、軌道面40、60の延長
線L1、L2は軸受の回転軸OA上の一点で交わるため、
上記アンギュラボール軸受のようなスピンの発生を防い
で、無段変速機の損失トルク低減する。なお、図中γ、
γ1、γ2はテーパーローラ8、軌道面40、60の接触
角を示し、図示はしないが、入力側のテーパーローラ軸
受1も同様に構成される。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
なトロイダル型無段変速機では、図7に示すように、テ
ーパーローラ8の内輪4と外輪6の接触角γ1、γ2が異
なるため、テーパーローラ8には大径部8bが内輪4の
大つば41へ向かう分力が発生し、この大径部8bが大
つば41と接触して滑ることによりこの分力を支持して
おり、上記アンギュラボール軸受のようなスピンがない
ため、テーパーローラ8の転がりによる損失トルクはア
ンギュラボール軸受に比して小さく、大つば41とテー
パーローラ8の大径部8bの間に充分な油膜が形成され
ていれば摩擦係数及び損失トルクを小さくすることがで
きるのである。
【0018】しかしながら、このような従来のトロイダ
ル型無段変速機においては、入出力軸を軸支するテーパ
ーローラ軸受のフリクショントルクは、「ベアリング
エンジニア No.52」(1985年 NTN株式会
社 発行)第101頁〜107頁にも開示されるよう
に、図8のグラフにおいて、テーパーローラ8と内外輪
4、6の軌道面40、60との間に発生する転がり摩擦
トルクMrと、大つば41とテーパーローラ8の大径部
8bとの間に発生する滑り摩擦トルクMsとの和であ
り、転がり摩擦トルクMrは回転数の増大に応じて上昇
するが、滑り摩擦トルクMsは油膜が薄く金属接触とな
る低回転域(30rpm以下)では大きく、回転数の増
大に応じて減少する特性を有しており、さらに、図9の
ように、アキシャル(以下、スラストとする)荷重の大
きさに比例してテーパーローラ軸受のフリクショントル
クは増大するため、無段変速機の入出力軸を支持する場
合には、上記したようにパワーローラ22を挟持押圧す
るための大きなスラスト荷重が加わるため、低回転域で
のフリクショントルクが大きくなって、無段変速機の低
回転域での損失トルクが増大するという問題があった。
【0019】そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなさ
れたもので、トロイダル型無段変速機の全回転域におい
て入出力軸の軸受による損失トルクを低減して、動力伝
達効率を向上させることを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、入力軸に
結合された入力ディスクと、出力軸に結合された出力デ
ィスクと、これら入出力ディスクの対向面にそれぞれ形
成されたトロイド状の溝に挟持されるパワーローラと、
前記入力軸及び出力軸をケーシングの内部にそれぞれ軸
支する入力側軸受手段及び出力側軸受手段とを備えたト
ロイダル型無段変速機において、前記入力側軸受手段及
び出力側軸受手段のうちの少なくとも一方は、テーパー
ローラ軸受と、転動体と外輪及び内輪の接触角が等しい
第2の軸受とを直列的に配設する。
【0021】また、第2の発明は、前記第1の発明にお
いて、前記第2の軸受が、スラストニードル軸受で構成
される。
【0022】また、第3の発明は、前記第1の発明にお
いて、前記第2の軸受が、アンギュラボール軸受で構成
される。
【0023】
【作用】したがって、第1の発明は、入力側軸受手段及
び出力側軸受手段にはパワーローラの挟持圧力に応じた
スラスト荷重が加わるが、これら軸受手段のうちの少な
くとも一方には、転動体にスピンを発生することのない
テーパーローラ軸受と、転動体と外輪及び内輪の接触角
が等しい第2の軸受が直列的に配設されてスラスト荷重
を支持する。テーパーローラ軸受は、フリクショントル
クのうち、低回転域では潤滑油膜が薄く、つば部と転動
体との接触による滑りのフリクショントルクが支配的
で、かつ、大きくなるが、回転数の上昇に応じて前記滑
りのフリクショントルクは低減する。それに伴い、高回
転域では転動体の転がりによるフリクショントルクが支
配的になるが、前述したように、テーパーローラ軸受
は、転動体の転がりがスピンを伴わないため、小さなフ
リクショントルクとなる。これに対して、第2軸受は各
接触角が等しく滑りを発生しないため、低回転域でもフ
リクショントルクが過大になることはない。ただし、転
動体はスピンを伴って転がるため、この転がりによるフ
リクショントルクは、前記テーパーローラ軸受の転がり
によるフリクショントルクよりも大きな値となる。した
がって、低回転域では、第2軸受の方がテーパーローラ
軸受よりもフリクショントルクが小さいため、この第2
軸受のみが回転してスラスト荷重を受けるが、回転数が
増大すると各接触角が等しい第2軸受は、転動体のスピ
ンによってフリクショントルクがテーパーローラ軸受の
フリクショントルクよりも大きくなるため、テーパーロ
ーラ軸受のみが回転してスラスト荷重を支持することが
でき、フリクショントルクの大きさに応じて、テーパー
ローラ軸受と第2軸受が選択的に回転することで、低回
転域でのフリクショントルクの上昇を防ぎながら、入出
力軸を円滑に軸支することができる。
【0024】また、第2の発明は、前記第1の発明と同
様に、低回転域では、相対的にフリクショントルクが小
さくなるスラストニードル軸受のみが回転することで入
出力軸に加わるスラスト荷重を支持する一方、回転数が
上昇すると相対的にフリクショントルクが小さくなるテ
ーパーローラ軸受のみが回転することでスラスト荷重を
支持し、低回転域でのフリクショントルクの上昇を防ぎ
ながら、入出力軸を円滑に軸支することができる。
【0025】また、第3の発明は、前記第1の発明と同
様に、低回転域では相対的にフリクショントルクが小さ
くなるアンギュラボール軸受のみが回転することで入出
力軸に加わるスラスト荷重を支持する一方、回転数が上
昇すると相対的にフリクショントルクが小さくなるテー
パーローラ軸受のみが回転することでスラスト荷重を支
持し、低回転域でのフリクショントルクの上昇を防ぎな
がら、入出力軸を円滑に軸支することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を添付
図面に基づいて説明する。
【0027】図1、図2は、前記従来例の図6に示した
トロイダル型無段変速機に本発明を適用した場合を示
し、前記テーパーローラ軸受1、2にスラスト荷重を受
けるスラストニードル軸受をそれぞれ配設したもので、
その他は前記従来例とほぼ同様であり、同一のものに同
一の符号を付して重複説明を省略する。
【0028】入力軸14を支持するテーパーローラ軸受
1と出力軸側の出力歯車26を軸支するテーパーローラ
軸受2は外輪5、6をスナップリング9を介して当接す
る。
【0029】テーパーローラ軸受1の内輪3は、入力軸
14と回転方向で結合したスペーサ68との間に介装し
たスラストニードル軸受11とラジアルニードル軸受1
5により相対回転可能に支持され、テーパーローラ軸受
2の内輪4は出力歯車26との間に介装したスラストニ
ードル軸受12とラジアルニードル軸受16により相対
回転可能に支持される。
【0030】すなわち、図2に示すように、入力軸14
を軸支するテーパーローラ軸受1では、皿バネ70から
の初期荷重を伝達するスペーサ68が、径方向に突出し
たフランジ部68aと、出力歯車26側へ突出した円筒
部68bから構成され、この円筒部68bの外周とテー
パーローラ軸受1の内輪3の内周との間にラジアルニー
ドル軸受15を介装する一方、相互に対向するフランジ
部68aの端面68dと内輪3の端面3aとの間に、転
動体と外輪及び内輪の接触角が等しい第1軸受としてス
ラストニードル軸受11を介装する。
【0031】これらテーパーローラ軸受1及びスラスト
ニードル軸受11は、後述するように、フリクションに
応じて選択的に回転して皿バネ70が付与する初期荷重
に応じたスラスト荷重を受けるもので、ラジアルニード
ル軸受15は、スペーサ68と内輪3との軸方向への微
小な相対変位を吸収しながらラジアル荷重のみを支持す
る。
【0032】なお、スペーサ68と入力軸14の結合
は、入力軸14に形成した溝14bと円筒部68bの内
周に形成した溝68cに係合したボール100によって
回転方向で結合する一方、軸方向への微小な相対変位を
許容している。同様に、入力ディスク18と入力軸14
の結合も、図1のように、入力軸14に形成した溝と入
力ディスク18の内周に形成した溝に係合したボール1
01によって回転方向で結合する一方、軸方向への微小
な相対変位を許容している。
【0033】一方、出力軸(出力歯車26)を支持する
テーパーローラ軸受2の内輪4は、図2のように、出力
歯車26から皿バネ70側へ突出した円筒部26aの外
周と内輪4の内周との間にラジアル荷重のみを支持する
ニードルローラ軸受16が介装される一方、相互に対向
する出力歯車26の側面26bと内輪4の外径が大きい
側の端面4aとの間に、転動体と外輪及び内輪の接触角
が等しい第2軸受としてスラストニードル軸受12を介
装し、これらテーパーローラ軸受2及びスラストニード
ル軸受12は、後述するように、フリクションに応じて
選択的に回転してカムローラ79が付与する推力に応じ
たスラスト荷重を受けるもので、ラジアルニードル軸受
16は、出力歯車26と内輪4との軸方向への微小な相
対変位を吸収しながらラジアル荷重のみを支持する。
【0034】ここで、前記従来例と同様に、入力軸側テ
ーパーローラ軸受1はパワーローラ22方向へのスラス
ト荷重を支持するように、テーパーローラ7の小径部を
パワーローラ22へ向けて配設される一方、出力軸側テ
ーパーローラ軸受2は皿バネ70側へ向かうスラスト荷
重を支持するように、テーパーローラ8の小径部を皿バ
ネ70へ向けて配設される。
【0035】そして、出力歯車26側のテーパーローラ
軸受2は、図3にも示すように、テーパーローラ8の大
径部8bが出力歯車26側の内輪4に突設された大つば
41と摺接する一方、小径部8a側の内輪4にはテーパ
ーローラ8の脱落を防ぐ小つば42が突設され、内輪軌
道面40及び外輪軌道面60の内径は小径部8a側で小
となり、前記従来例の図7と同様に、入力軸14及び出
力歯車26と同軸の内輪4及び外輪6の回転軸OAに対
して、テーパーローラ8の自転軸OBが所定の接触角γ
で傾斜しており、自転軸OBの延長線は軌道面40、6
0の延長線L1、L2と一点で交わって、スピンを発生す
ることなくスラスト荷重及びラジアル荷重を同時に支持
する。なお、図示はしないが入力軸14を軸支するテー
パーローラ軸受1も同様であり、これらテーパーローラ
軸受1、2にはそれぞれリテーナ1a、2aが介装され
て、転動体は所定の円周上を転動する。
【0036】以上のように構成され、次に作用について
説明する。
【0037】パワーローラ22を挟持押圧するスラスト
荷重の反力を受ける入出力軸は、内輪3、4を介して直
列的に配列されたテーパーローラ軸受1、2及びスラス
トニードル軸受11、12によって支持される。
【0038】ここで、テーパーローラ軸受1、2のフリ
クションは、前記従来例の図8、図9のように、テーパ
ーローラ7、8と内輪3、4の大つば31、41との間
の潤滑油が不足して金属接触となる低回転域(例えば、
30rpm以下)では、滑り摩擦トルクが大きく、回転
数の上昇に応じて、滑り摩擦トルクは減少して転がり摩
擦トルク未満となる。つまり、高回転域では転がり摩擦
トルクの方が支配的となる。
【0039】一方、転動体と内輪及び外輪の接触角が等
しいスラストニードル軸受11、12のフリクション特
性は、図4に示すように、所定の回転数N1までは、フ
リクショントルクはテーパーローラ軸受1、2よりも小
さいT0未満であるが、所定回転数N1を超えるとテーパ
ーローラ軸受1、2よりも大きくなる。
【0040】すなわち、スラストニードル軸受11、1
2は転動体であるニードルと外輪及び内輪の接触角が等
しく、テーパーローラ軸受のように滑りを生じるつば部
を持たないため、低回転高荷重時であっても特にフリク
ショントルクが増大することはなく、基本的に、転動体
であるニードルの転がりによる摩擦トルクによってフリ
クショントルクが決定する。但し、前記ニードルは転動
する際にスピンを伴うため、転動時にスピンを伴わない
前記テーパーローラ7、8の転がり摩擦トルクよりは大
きな値となる。したがって、図4において、フリクショ
ントルクがT0となる回転数N1を境にして、テーパーロ
ーラ軸受1、2とスラストニードル軸受11、12のフ
リクショントルクの大小関係は逆転する。
【0041】いま、出力歯車26を軸支するテーパーロ
ーラ軸受2及びスラストニードル軸受12について考え
ると、図3に示すように、出力歯車26側からはパワー
ローラ22の挟持圧力に応じたスラスト荷重Faを受け
ており、出力歯車26が停止状態から回転を開始する
と、テーパーローラ軸受2の内輪4を回そうとするトル
クは、スラストニードル軸受12の損失トルク(フリク
ショントルク、以下同様)T1である。なお、スラスト
ニードル軸受12の内輪、外輪は、それぞれ出力歯車2
6の側面26b及び内輪4の端面4bが相当する。
【0042】スラストニードル軸受2の損失トルクT1
がテーパーローラ軸受2の損失トルクT2よりも小さい
場合(図4の回転数N1未満の区間)では、スラストニ
ードル軸受12のみが回転してテーパーローラ軸受2は
回転せず、スラスト荷重はスラストニードル軸受12
で、ラジアル荷重はラジアルニードル軸受16でそれぞ
れ支持される。
【0043】一方、回転数が所定値N1を超えて、スラ
ストニードル軸受12の損失トルクT1が、テーパーロ
ーラ軸受2の損失トルクT2よりも大きい場合には、テ
ーパーローラ軸受2のみが回転してスラスト荷重及びラ
ジアル荷重が支持される。
【0044】したがって、直列的に配設されたスラスト
ニードル軸受12とテーパーローラ軸受2のフリクショ
ントルクの総合的な特性は、図4の実線に示すように、
スラストニードル軸受12の損失トルクT1<テーパー
ローラ軸受2の損失トルクT2となる回転数N1未満の低
回転域では、テーパーローラ軸受2が停止してスラスト
ニードル軸受12のみが回転することでスラスト荷重を
支持する一方、テーパーローラ軸受2の損失トルクT2
<スラストニードル軸受12の損失トルクT1となる回
転数N1以上の回転域ではスラストニードル軸受12が
停止してテーパーローラ軸受2のみが回転することでス
ラスト荷重を支持することになる。なお、図示はしない
が、入力軸14を軸支するテーパーローラ軸受1及びス
ラストニードル軸受11についても同様である。
【0045】こうして、テーパーローラ軸受1,2の損
失トルクT2が極端に大きくなる入出力軸の低回転域で
は、スラストニードル軸受11、12のみが回転してス
ラスト荷重を支持する一方、スラストニードル軸受1
1、12の損失トルクT1よりも損失トルクT2の方が小
さくなる所定の回転数N1以上では、テーパーローラ軸
受1、2のみが回転することにより選択的にスラスト荷
重を支持することができ、前記従来例のような低回転域
での極端な損失トルクの増大を防ぐことができ、全回転
域で無段変速機の動力伝達効率を向上させることが可能
となるのである。
【0046】図5は第2の実施形態を示し、前記第1実
施形態のスラストニードル軸受11、12を、それぞれ
アンギュラボール軸受110、120に置き換えたもの
で、その他の構成は前記第1実施形態と同様である。
【0047】相互に対向するテーパーローラ軸受1の内
輪3とスペーサ68のフランジ部68aには、アンギュ
ラボール軸受110の内輪3a’と外輪68a’がそれ
ぞれ形成され、これら内輪3a’及び外輪68a’と接
触角が等しいボール111が介装されてスラスト及びラ
ジアル荷重を支持する。なお、アンギュラボール軸受1
10の採用によって、前記第1実施形態のラジアルニー
ドル軸受15は省略した。
【0048】同様に出力軸側では、相互に対向するテー
パーローラ軸受2の内輪4のと出力歯車26には、アン
ギュラボール軸受120の内輪4a’と外輪26b’が
それぞれ形成され、これら内輪4a’及び外輪26b’
と接触角が等しいボール121が介装されてスラスト及
びラジアル荷重を支持し、アンギュラボール軸受120
の採用によって、前記第1実施形態のラジアルニードル
軸受16は省略した。
【0049】この場合も、前記第1実施形態と同様に、
転動体が転がる際にスピンを発生するが、つばを持たな
いアンギュラボール軸受110、120の損失トルクは
低回転域でも過大になることはなく、低回転域ではアン
ギュラボール軸受110、120のみが回転し、損失ト
ルクの大小関係が逆転する所定の回転数以上ではテーパ
ーローラ軸受1、2のみが回転してパワーローラ22を
挟持押圧する大きなスラスト荷重を支持することがで
き、全回転域で無段変速機の動力伝達効率を向上させる
ことが可能となるのである。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように第1の発明は、テー
パーローラ軸受は、低回転域ではつば部と転動体との接
触によってフリクショントルクが大きくなるが、回転数
の上昇に応じてフリクショントルクは低減する。これに
対して、第2軸受は各接触角が等しくつば部を持たない
ため、このつば部での滑りが発生せず、低回転域でもフ
リクショントルクが過大となることはない。したがっ
て、低回転域では、第2軸受の方がテーパーローラ軸受
よりもフリクショントルクが小さいため、この第2軸受
のみが回転してスラスト荷重を受ける。一方、回転数が
増大し、前記テーパーローラ軸受のフリクショントルク
のうち、つば部での滑り摩擦トルクが減少し、転動体の
転がり摩擦トルクが支配的になると、第2軸受は、転動
体がもともとスピンを伴って転動することから、フリク
ショントルクは転動体がスピンを生じることなく転動す
るテーパーローラ軸受のフリクショントルクよりも大き
くなるため、テーパーローラ軸受のみが回転してスラス
ト荷重を支持することができ、フリクショントルクの大
きさに応じて、テーパーローラ軸受と第2軸受が選択的
に回転することで、低回転域でのフリクショントルクの
極端な上昇を防ぎながら、入出力軸を円滑に軸支するこ
とができ、全回転域で無段変速機の動力伝達効率を向上
させることが可能となるのである。
【0051】また、第2の発明は、前記第1の発明と同
様に、低回転域では相対的にフリクショントルクが小さ
くなるスラストニードル軸受のみが回転することで入出
力軸に加わるスラスト荷重を支持する一方、回転数が上
昇すると、相対的にフリクショントルクが小さくなるテ
ーパーローラ軸受のみが回転することでスラスト荷重を
支持し、低回転域でのフリクショントルクの上昇を防ぎ
ながら、入出力軸を円滑に軸支することができ、全回転
域で無段変速機の動力伝達効率を向上させることが可能
となるのである。
【0052】また、第3の発明は、前記第1の発明と同
様に、低回転域では相対的にフリクショントルクが小さ
くなるアンギュラボール軸受のみが回転することで入出
力軸に加わるスラスト荷重を支持する一方、回転数が上
昇すると、テーパーローラ軸受のみが回転することでス
ラスト荷重を支持し、低回転域でのフリクショントルク
の上昇を防ぎながら、入出力軸を円滑に軸支することが
でき、全回転域で無段変速機の動力伝達効率を向上させ
ることが可能となるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すトロイダル型無段変
速機の要部断面図。
【図2】同じく入出力軸の軸受部を示す拡大断面図。
【図3】出力軸側のテーパーローラ軸受及びスラストニ
ードル軸受に加わる力を示す説明図である。
【図4】軸回転数とフリクショントルクの関係を示すグ
ラフである。
【図5】第2の実施形態を示し、入出力軸の軸受部の拡
大断面図。
【図6】従来例のトロイダル型無段変速機の要部断面
図。
【図7】同じくテーパーローラ軸受の半断面図。
【図8】同じくテーパーローラ軸受に発生する転がり摩
擦トルク及び滑り摩擦トルクと回転数の関係を示すグラ
フである。
【図9】同じく、スラスト荷重を変化させた場合の、テ
ーパーローラ軸受に発生するフリクショントルクと回転
数の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 テーパーローラ軸受 2 テーパーローラ軸受 3、4 内輪 5、6 外輪 7、8 テーパローラ 11、12 スラストニードル軸受 14 入力軸 15、16 ラジアルニードル軸受 18 入力ディスク 20 出力ディスク 22 パワーローラ 26 出力歯車 26a 円筒部 26b 側面 30、50 軌道面 40、60 軌道面 31、41 大つば 67 ケーシング 68a 円筒部 68b 端面 70 皿バネ 110、120 アンギュラボール軸受

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力軸に結合された入力ディスクと、出
    力軸に結合された出力ディスクと、これら入出力ディス
    クの対向面にそれぞれ形成されたトロイド状の溝に挟持
    されるパワーローラと、前記入力軸及び出力軸をケーシ
    ングの内部にそれぞれ軸支する入力側軸受手段及び出力
    側軸受手段とを備えたトロイダル型無段変速機におい
    て、前記入力側軸受手段及び出力側軸受手段のうちの少
    なくとも一方は、テーパーローラ軸受と、転動体と外輪
    及び内輪の接触角が等しい第2の軸受とを直列的に配設
    したことを特徴とするトロイダル型無段変速機。
  2. 【請求項2】 前記第2の軸受が、スラストニードル軸
    受で構成されたことを特徴とする請求項1に記載のトロ
    イダル型無段変速機。
  3. 【請求項3】 前記第2の軸受が、アンギュラボール軸
    受で構成されたことを特徴とする請求項1に記載のトロ
    イダル型無段変速機。
JP14173996A 1996-06-04 1996-06-04 トロイダル型無段変速機 Pending JPH09324841A (ja)

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