JPH09328620A - 化学発光性基含有カルボジイミド化合物 - Google Patents

化学発光性基含有カルボジイミド化合物

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JPH09328620A
JPH09328620A JP8149553A JP14955396A JPH09328620A JP H09328620 A JPH09328620 A JP H09328620A JP 8149553 A JP8149553 A JP 8149553A JP 14955396 A JP14955396 A JP 14955396A JP H09328620 A JPH09328620 A JP H09328620A
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奈美子 塩畑
Kazuko Matsumoto
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 核酸検出法又はイムノアッセイ法における測
定用標識として、短時間で効率よく標識することがで
き、天然由来の核酸にも標識可能であり、且つ高感度な
分析が可能な新規化学発光性基含有カルボジイミド化合
物を提供することを課題とする。 【解決手段】 下記式で代表される化学発光性基含有カ
ルボジイミド化合物またはその四級アンモニウム塩を、
核酸検出法又はイムノアッセイ法における標識物質とし
て用いる。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な化学発光性
基含有カルボジイミド化合物に関する。詳しくは、本発
明は、高感度で且つ標識が容易な検出試薬である新規な
化学発光性基含有カルボジイミド化合物及びその製造方
法、並びにそれを使用した核酸検出法又はイムノアッセ
イ法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、種々の生物学的分析において
は、検出可能な特定の標識物質を利用して目的物質を検
出する分析方法が開発されている。例えば、標識物質で
標識した核酸を用いるハイブリダイゼーションによる核
酸検出法では、先ず、プローブとして用いる核酸(DN
A又はRNA)を標識し、これをハイブリッド形成条件
下で、調べるべき核酸を含む試料と接触させる。試料中
に、プローブとして用いた核酸に相補的な塩基配列を有
する核酸が存在すれば、これとプローブが結合(ハイブ
リダイズ)し、核酸−核酸ハイブリッドが形成される。
このハイブリッドの標識物質を検出することにより目的
の核酸を検出することができる。また、標識物質で標識
した抗原又は抗体を用いるイムノアッセイ法において
は、例えば測定対象が抗原であるときは、その抗原に特
異的に結合する抗体を標識し、次いで抗原−抗体複合体
を形成させ、該複合体に含まれる標識物質を検知するこ
とによって、測定対象の抗原を検出することができる。
【0003】このような核酸検出法やイムノアッセイ法
における標識物質としては、放射性物質、ビオチンやジ
ゴキシゲニン化合物等の非放射性の標識物質、蛍光物
質、化学発光物質等が挙げられる。これらのうち、化学
発光物質は、検出感度が高い等の理由から、標識物質と
して有望である。
【0004】化学発光物質の標識方法としては、例え
ば、アミノリンカーが結合した核酸とアミノ基反応性基
含有化学発光物質とを反応させて核酸に化学発光物質を
標識する方法が知られている(Clinical Chemistry, Vo
l.35, No.8, p1588-1594, 1989)。
【0005】しかしながら、このような方法において
は、アミノリンカーが結合した核酸を調製する必要があ
り、操作が煩雑となるばかりでなく、天然に存在する核
酸に化学発光物質を直接結合させて標識することができ
ないという欠点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、核酸検出法
又はイムノアッセイ法における測定用標識として、短時
間で効率よく標識することができ、また天然由来の核酸
にも標識可能であり、且つ高感度な標識物質である新規
化学発光性基含有カルボジイミド化合物を提供すること
を課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】カルボジイミド化合物が
核酸と反応することは知られている。例えば、カルボジ
イミド化合物は核酸中の水素結合を形成していないグア
ニン及びチミンと反応して付加体を形成することが報告
されている[P. T. Gilham, J. Amer. Chem. Soc., 84,
688(1962)]。
【0008】本発明者らは、簡便で効率的な核酸及び蛋
白質への化学発光性基導入法に関して鋭意研究を重ねた
結果、カルボジイミド基の核酸、蛋白質等への高い反応
性を利用して、カルボジイミド化合物に化学発光性基を
導入することにより、上記課題を解決できることを見出
し、本発明に到達した。
【0009】すなわち、本発明は、下記一般式(I)で
表される化学発光性基含有カルボジイミド化合物に関す
る。
【0010】
【化6】 B−N=C=N−L−CL ・・・(I)
【0011】[式(I)中、Bはカルボジイミド基に結
合する一価の有機基を表し、CLは化学発光性基を表
し、Lはカルボジイミド基と前記化学発光性基とを連結
するリンカーを表す。]
【0012】また、本発明は、下記一般式(IV)で表
されるカルボジイミド基含有化合物と、下記一般式
(V)で表されるハロゲン含有化学発光性化合物とを反
応させる工程を含む、前記化学発光性基含有カルボジイ
ミド化合物の製造方法に関する。
【0013】
【化7】
【0014】[式(IV)中、Bは前記一般式(I)に
おけるのと同義である。R’は炭素数1〜6の直鎖もし
くは分岐のアルキル基、pは1〜12の整数を表す。]
【0015】
【化8】CL−X ・・・(V)
【0016】[式(V)中、CLは前記一般式(I)に
おけるのと同義であり、Xはハロゲン原子を表す。]
【0017】また、本発明は、標識物質で標識した核酸
を用いるハイブリダイゼーションによる核酸の検出法に
おいて、前記標識物質として、前記化学発光性基含有カ
ルボジイミド化合物を用いることを特徴とする方法に関
する。
【0018】更に、本発明は、標識物質で標識した抗原
又は抗体を用いるイムノアッセイ法において、前記標識
物質として、前記化学発光性基含有カルボジイミド化合
物を用いることを特徴とする方法に関する。
【0019】一般式(I)で表される本発明の化学発光
性基含有カルボジイミド化合物は、核酸塩基に対して高
い反応性を示すカルボジイミド基と、高感度な検出反応
性を示す化学発光性基とを同時に有する化合物であり、
核酸検出法やイムノアッセイ法等における標識物質とし
て有用である。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を説
明する。
【0021】(1)本発明の化学発光性基含有カルボジ
イミド化合物 本発明の化学発光性基含有カルボジイミド化合物は、上
記一般式(I)で表される構造を有する。すなわち、化
学発光性基(CL)が、リンカー(L)を介してカルボ
ジイミド基に結合した構造を有するものであればよい。
このようなカルボジイミド化合物のうち、好ましいもの
として以下に示す一般式(II)で表される化合物が挙
げられる。
【0022】
【化9】
【0023】[式(II)中、Rは水素原子又は炭素数
1〜6の直鎖もしくは分岐のアルキル基、Xはハロゲン
原子、pは1〜12の整数を表す。B及びCLは各々前
記一般式(I)におけるのと同義である。]
【0024】ここで、前記式(II)中、化学発光性基
CLは化学発光性を示す物質から誘導されるものであれ
ば特に限定されず、かかる化学発光性を示す物質として
は、例えばアクリジニウム誘導体、ルミノール誘導体、
イソルミノール誘導体、ジオキセタン誘導体等の、公知
の方法により検出可能な種々の化学発光物質から選ぶこ
とができる。また、それ自体は必ずしも化学発光性を示
すものではないが、化学発光物質へ容易に変換できる化
合物を用いてもよい。
【0025】これらのうち特に好ましいものは、下記式
(CL)で表される化学発光性基群から選ばれる基であ
る。尚、式中、Meはメチル基を表し、FSO3 -はフル
オロスルホネートイオンを表す(以下、同様)。
【0026】
【化10】
【0027】前記式(II)中、Bは一価の有機基であ
れば特に限定されないが、好ましくは下記一般式(B)
で示した有機基群から選ばれる有機基、又はジメチルア
ミノ基、ジエチルアミノ基等の3級アミノ基若しくはそ
れらの4級アンモニウム基である。式(B)中、kは、
1〜12の整数であり、好ましくは3〜6である。
【0028】
【化11】
【0029】[式(B)中、kは1〜12の整数を表
す。R0は有機基を表す。]
【0030】このような本発明のカルボジイミド化合物
としては、具体的には下記一般式(III)で表される
化合物又はその四級アンモニウム塩が挙げられる。
【0031】
【化12】
【0032】前記一般式(III)で表される化合物の
四級アンモニウム塩としては、下記一般式(III’)
で表される化合物が挙げられる。式(III’)中Ts
-は、トルエンスルホン酸イオンを表す。
【0033】
【化13】
【0034】(2)本発明の化学発光性基含有カルボジ
イミド化合物の製造方法 本発明の前記一般式(I)で表されるカルボジイミド
は、前記一般式(IV)で表されるカルボジイミド基含
有化合物と、前記一般式(V)で表されるハロゲン含有
化学発光性化合物とを反応させる工程を含む方法により
製造される。すなわち、一般式(IV)で表されるカル
ボジイミド基含有化合物は、末端にアルキルアミノ基を
有するものであり、一般式(V)で表されるハロゲン含
有化学発光性化合物の末端ハロゲン原子(X)と反応
し、リンカー(一般式(I)中のL)が形成される。こ
の反応を以下の反応式に示す。
【0035】
【化14】
【0036】一般式(IV)で表されるカルボジイミド
基含有化合物及び一般式(V)で表されるハロゲン含有
化学発光性化合物は、各々所望する化学発光性基含有カ
ルボジイミド化合物の構造に応じて適宜選択することが
できる。例えば、一般式(IV)で表されるカルボジイ
ミド基含有化合物の具体例としては、N−(3−ジメチ
ルアミノ)プロピル−N’−(3−モルホリノ)プロピ
ルカルボジイミド、1−エチル−3,3−ジメチルアミ
ノプロピルカルボジイミド、ビス−(3,3−ジメチル
アミノプロピル)カルボジイミド等が挙げられる。この
ようなカルボジイミド基含有化合物は、下記反応式で示
すように、先ず、ジアルキルアミノ基含有イソチオシア
ネート化合物(反応式中、a)をアルキルアミン(b)
と反応させてチオ尿素化合物(c)を合成した後、得ら
れたチオ尿素化合物について、酸化水銀、酸化鉛等を触
媒として脱硫反応を行うことにより得られる。
【0037】
【化15】
【0038】ここで用いるジアルキルアミノ基含有イソ
チオシアネート化合物及びアルキルアミンは、所望する
カルボジイミド基含有化合物の構造に応じて適宜選択す
ることができる。例えば、ジアルキルアミノ基含有イソ
チオシアネート化合物としては、3−ジメチルアミノプ
ロピルイソチオシアネート、3−(4−モルホリノ)プ
ロピルイソチオシアネート等が挙げられる。また、アル
キルアミンとしては、N−(3−アミノプロピル)モル
ホリン、N,N−ジメチルプロパンジアミン等が挙げら
れる。
【0039】次に、一般式(V)で表されるハロゲン含
有化学発光性化合物としては、下記式(V’)で表され
るアクリジニウムエステルの臭素体、ヨウ素体、塩化物
等が挙げられる。
【0040】
【化16】
【0041】これらのハロゲン含有化学発光性化合物
は、公知の方法により検出可能な種々の化学発光物質を
2−ブロモエチルアミン、2−イオドエチルアミン、2
−クロロエチルアミン等のハロゲン化試薬と反応させる
ことにより得ることができる。このような化学発光物質
としては、下記式(V’’)に示したアクリジニウムの
コハク酸イミドエステル誘導体、p−ニトロフェノール
誘導体等の化学発光物質エステル誘導体等が挙げられ
る。
【0042】
【化17】
【0043】これらの個々の反応工程は、例えば通常用
いられるジメチルホルムアミド(DMF)、アセトン、
塩化メチレン等の溶媒を用いて、公知の方法により行わ
れる。
【0044】本発明においては、このようにして得られ
る前記一般式(IV)で表されるカルボジイミド基含有
化合物と前記一般式(V)で表されるハロゲン含有化学
発光性化合物とを、ジメチルホルムアミド、塩化メチレ
ン等の通常用いられる溶媒を用いて反応させることによ
り所望の化学発光性基含有カルボジイミド化合物を得る
ことができる。
【0045】更に、得られる化学発光性基カルボジイミ
ド化合物を、ジメチルホルムアミド等の溶媒中でp−ト
ルエンスルホン酸メチル(TsOMe)、ヨウ化メチ
ル、ヨウ化エチル、ジメチル硫酸等と反応させることに
より、所望の四級アンモニウム塩とすることができる。
【0046】以上述べた方法により得られる本発明の化
学発光性基含有カルボジイミド化合物は、核酸検定法や
イムノアッセイ法において標識物質として好適に使用す
ることができる。その場合は、標識しようとするDNA
等の核酸又は抗原もしくは抗体等のタンパク質ととも
に、本発明の化学発光性基含有カルボジイミド化合物
を、溶媒中で混合させる等の方法で接触させることによ
り、前記核酸又はタンパク質に結合させることができ
る。すなわち、本発明の化学発光性基含有カルボジイミ
ド化合物を、核酸塩基と高い反応性を示すカルボジイミ
ド基において核酸又はタンパク質と結合させることによ
り、高感度な検出試薬として働く化学発光性物質をこれ
らに付加し、標識とすることができるのである。よっ
て、本発明の化学発光性基含有カルボジイミド化合物と
核酸又はタンパク質と結合させる場合には、カルボジイ
ミド基が反応しやすい条件下、例えばpH7.5〜8.
5程度のアルカリ性の条件下で両者を接触させるのが好
ましい。
【0047】(3)本発明の核酸検定法 本発明の化学発光性基含有カルボジイミド化合物は、標
識物質で標識した核酸を用いるハイブリダイゼーション
による核酸の検出法において、標識物質として用いるこ
とができる。すなわち、化学発光性基含有カルボジイミ
ド化合物で標識された核酸は、ハイブリダイゼーション
用のプローブとして用いることができる。測定対象であ
る核酸にプローブをハイブリダイズさせて、核酸−核酸
ハイブリッドを形成させ、系から遊離のプローブを除去
した後にハイブリッドに含まれる標識物質を検知するこ
とによって、測定対象の核酸を検出することができる。
本発明においては、標識物質である化学発光性基含有カ
ルボジイミド化合物は、化学発光測定装置、フォトカウ
ンター等を用いて化学発光強度等を測定することにより
検知することができる。測定対象である核酸は、通常、
ナイロンメンブレン、ニトロセルロース等の膜に固定化
されて用いられる。
【0048】本発明の核酸の検出法におけるハイブリダ
イゼーションは、核酸プローブの標識に化学発光性基含
有カルボジイミド化合物を用いる以外は、コロニーハイ
ブリダイゼーション、プラークハイブリダイゼーショ
ン、ドットブロットハイブリダイゼーション、サザンハ
イブリダイゼーション、ノーザンハイブリダイゼーショ
ン等の、通常の核酸のハイブリダイゼーションと特に変
わるところはない。測定対象である核酸は、DNAであ
ってもRNAであってもよく、プローブに用いる核酸も
またDNAであってもRNAであってもよい。
【0049】プローブに用いる核酸の標識は、上記の方
法によってポリヌクレオチド又はオリゴヌクレオチドを
標識することによって行うことが好ましいが、標識され
たヌクレオチドをポリメラーゼ反応によってポリヌクレ
オチド又はオリゴヌクレオチドに取り込ませることによ
って行うこともできる。
【0050】(4)本発明のイムノアッセイ法 本発明の前記化学発光性基含有カルボジイミド化合物
は、標識物質で標識した抗原又は抗体を用いるイムノア
ッセイ法において、前記標識物質として用いることがで
きる。
【0051】測定対象が抗原であるときは、その抗原に
特異的に結合する抗体を標識し、抗原−抗体複合体を形
成させ、系から遊離の抗体を除去した後に複合体に含ま
れる標識物質を検知することによって、測定対象の抗原
を検出することができる。本発明においては、標識物質
である化学発光性基含有カルボジイミド化合物は、化学
発光測定装置、フォトカウンター等を用いて化学発光強
度等を測定することにより検知することができる。ま
た、抗原に特異的に結合する第1の抗体を固相化してお
き、これに抗原を結合させ、抗原に特異的に結合する第
2の抗体を標識したものを結合させてもよい。この場
合、第1の抗体と第2の抗体は、同一のポリクローナル
抗体を用いてもよく、異なるモノクローナル抗体を用い
てもよい。さらに、一方をポリクローナル抗体とし、他
方をモノクローナル抗体としてもよい。各々の方法にお
いて、標識した抗体の代わりに未標識の抗体を用い、こ
れを抗原に結合させた後に、前記抗体に結合する二次抗
体を標識したものをさらに結合させてもよい。二次抗体
は、抗体の調製に用いた動物のイムノグロブリンで前記
動物と異なる動物を免疫することによって得られる。
【0052】測定対象が抗体であるときは、その抗原に
特異的に結合する抗原を標識し、抗原−抗体複合体を形
成させ、系から遊離の抗原を除去した後に複合体に含ま
れる標識物質を検知することによって、測定対象の抗体
を検出することができる。また、測定対象である抗体に
特異的に結合する抗体が得られる場合には、その抗体を
標識したものを用い、抗体−抗体複合体を形成させても
よい。
【0053】本発明のイムノアッセイ法は、抗原又は抗
体の標識に化学発光性基含有カルボジイミド化合物を用
いる以外は、通常のイムノアッセイ法と特に変わるとこ
ろはなく、抗原又は抗体の固相化、抗原抗体反応、洗浄
操作等は、通常行われているのと同様にして行えばよ
い。また、イムノアッセイ法の態様も、直接法、間接
法、競合法等、いずれの態様も適用され得る。
【0054】
【実施例】以下に、本発明の実施例を説明する。
【0055】
【実施例1】以下に示す方法で、本発明の化学発光性基
含有カルボジイミド化合物を合成した。尚、各々の反応
について、各項において反応式を示す。
【0056】(1)チオ尿素化合物の合成(反応式
(1)) 3−(ジメチルアミノプロピル)イソチオシアネート
1.4g(10mmol)を、無水塩化メチレン15m
lに溶解し、氷浴で冷却した。これにN−(3−アミノ
プロピル)モルホリン1.4g(10mmol)を加
え、室温で一晩撹拌した。反応混合物に水を加えた後、
塩化メチレンで抽出し(5ml×3回)、無水炭酸カリ
ウムで乾燥した後、濃縮してN−(3−ジメチルアミ
ノ)プロピル−N’−(3−モルホリノ)プロピルチオ
尿素(下記反応式(1)中、化合物−1。以下同様。)
2.7gを得た(収率98%)。
【0057】
【化18】
【0058】(2)カルボジイミド基含有化合物の合成
(反応式(2)) N−(3−ジメチルアミノ)プロピル−N’−(3−モ
ルホリノ)プロピルチオ尿素(化合物−1)2.7g
(10mmol)をアセトン35mlに溶解し、酸化水
銀4.2g(20mmol)を加えて、還流下、2時間
撹拌した。放冷後、反応混合物をろ過した後、溶媒を留
去して粗生成物を得た。減圧蒸留により、N−(3−ジ
メチルアミノ)プロピル−N’−(3−モルホリノ)プ
ロピルカルボジイミド(化合物−2)1.5gを得た
(収率60%)。このものの沸点(b.p.)は125
〜128℃/0.2mmHgであった。
【0059】
【化19】
【0060】(3)化学発光物質の臭素体の合成(反応
式(3)) アクリジニウムのコハク酸イミドエステル誘導体(化合
物−3)40mg(0.085mmol)を1Nホウ酸
ナトリウム緩衝液とメタノールの1:1混合液1mlに
溶解させた。この溶解液に2−ブロモエチルアミン塩酸
塩18mg(0.09mmol)を加え、18時間反応
させた。反応液を高速液体クロマトグラフィー(HPL
C)にかけた。カラムは商品名Puracil C-18(ウォータ
ース社製)を用い、水:メタノールの60:40〜4
0:60の勾配をかけ、紫外吸収380nmを追跡し
た。12分のピークを分取し、分取分を凍結乾燥し、ア
クリジニウムエステルの臭素体(化合物−4)を27m
g得た。
【0061】
【化20】
【0062】(4)化学発光性基含有カルボジイミド化
合物の合成(反応式(4)) アクリジニウムエステルの臭素体(化合物−4)27m
g(0.05mmol)をジメチルホルムアミド3ml
中に溶解し、これにN−3−ジメチルアミノプロピル−
N’−(3−モルホリノ)プロピルカルボジイミド(化
合物−2)12mg(0.05mmol)が溶解してい
るジメチルホルムアミド溶液2mlを加え、18時間室
温で撹拌した。反応溶媒を減圧留去し、残った反応混合
物を少量のジメチルホルムアミドに溶解させ、これをジ
メチルエーテル中に滴下した。析出した黄色結晶を濾別
後、乾燥させ、アクリジニウムエステル基を含有するカ
ルボジイミド化合物(化合物−5)を20mg得た。
【0063】
【化21】
【0064】(5)化学発光性基含有カルボジイミド化
合物の四級アンモニウム塩の合成(反応式(5)) アクリジニウムエステル基を含有するカルボジイミド化
合物(化合物−5)20mg(0.025mmol)を
ジメチルホルムアミド3mlに溶解し、p−トルエンス
ルホン酸メチル(TsOMe)5mg(0.025mm
ol)が溶解しているジメチルホルムアミド溶液2ml
を加え、18時間室温で撹拌した。反応溶媒を減圧留去
し、残った反応混合物を少量のジメチルホルムアミドに
溶解させ、これをジメチルエーテル中に滴下した。析出
した白色結晶を濾別後、乾燥させ、アクリジニウムエス
テル基を含有するカルボジイミド化合物の四級アンモニ
ウム塩(化合物−6)を13mg得た。
【0065】
【化22】
【0066】
【実施例2】前記実施例1において合成された化合物−
6を用いて、以下に示す方法により、DNAに化学発光
性基を導入して化学発光物質標識DNAを作製した。
【0067】反応溶液[ファージDNA(M13mp1
8複製型:宝酒造株式会社)1μg;0.1M ホウ酸
緩衝液(pH8,5);0.25%SDS;0.1Mの
アクリジニウムエステル基含有カルボジイミド化合物の
四級アンモニウム塩(化合物−6)]を85℃で1分間
インキュベートした。次に、未反応の化学発光性基含有
カルボジイミド化合物(化合物−6)を除去するため
に、試料の1/9倍量の3M酢酸ナトリウム、2倍量の
冷エタノールを加えて混合し、−80℃で45分間静置
した。遠心機(国産社製、H−1500FR)により、
4℃、12000rpmで15分間遠心して上層を除去
し、70%エタノール500μlを加えて更に4℃、1
2000rpmで1分30秒間遠心した。上層を除去し
た後、100μlの滅菌水に沈殿を溶解し、DNA濃度
をUV測定器(UV-VISIBLE RECORDING SPECTROPHOTOMET
ER UV-2100:島津製作所)によって調べ、−20℃で保
存した。
【0068】
【実施例3】実施例2で得られた化学発光標識DNAを
用いて、以下に述べるようにしてDNAの検出を行っ
た。
【0069】ファージDNA(M13mp18複製型D
NA:宝酒造(株)製)を100pg/mlから0.1
pg/mlとなるように希釈し、100℃で10分間熱
変性させ、96ウェルマイクロタイタープレートに吸着
固定した。洗浄後、100μlのプレハイブリダイゼー
ション溶液[5×SSC(1×SSC=0.15MNa
Cl、0.015M クエン酸ナトリウム)、5×デン
ハーツ(Denhardt's)溶液(0.02%ポリビニルピロ
リドン、0.02%フィコール、0.02%BSA)、
25mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH6.6)、50
%ホルムアミド、0.5mg/ml 変性サケ精子DN
A]を加え、60℃で2時間インキュベートした。
【0070】次いで100μlのハイブリダイゼーショ
ン溶液[5×SSC、1×デンハーツ溶液、25mMリ
ン酸ナトリウム緩衝液(pH6.6)、45%ホルムア
ミド、0.2mg/ml 変性サケ精子DNA、実施例
2で作製した化学発光物質標識DNAプローブ 10n
/ml]を加え、42℃で一晩インキュベートした。反
応混合物から上清を除去後、50℃の0.2×SSC、
0.1%SDSを加え、5分間インキュベート(洗浄)
した。この操作を5回繰り返した。
【0071】マイクロタイタープレートを個々のウェル
に切り離し、化学発光測定装置(ルミネッセンスリーダ
ーBLR−301:アロカ(株)製)に設置し、0.5
%過酸化水素/0.1規定硝酸溶液120μlを加え、
次いで0.125%セチルトリメチルアンモニウムクロ
ライド/0.25規定水酸化ナトリウム溶液120μl
を加え、生じる化学発光を2秒間測定したところ、0.
1pg/mlの未標識DNAを検出することができた。
【0072】
【実施例4】本発明の化学発光性基含有カルボジイミド
化合物を標識物質として、以下に示す方法で、化学発光
物質標識タンパク質を作製した。
【0073】反応溶液[抗ウサギIgG抗体(ヤギ)
(Anti-RABBIT-IgG(goat)、VECTER LABORATORIES社製)
100μg;0.1M ホウ酸緩衝液(pH9.0);
0.1Mの化学発光性基含有カルボジイミド化合物(実
施例1で得られた化合物−6)]を氷上で10分間静置
した。全量の0.3%になるように10%SDSを加
え、マイクロ遠心チューブ(商品名ウルトラフリーC3
LGC;ミリポア(MILLIPORE)社製)を用いて、500
0rpmで15分間遠心し、未反応のカルボジイミド化
合物を取り除いた。さらに、フィルターカップに100
mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.6)及び50m
MのNaClを各々50μl加え、5000rpmで1
0分間遠心した。同様の操作を再度行い、残渣をエッペ
ンドルフチューブに移し、100mMリン酸ナトリウム
緩衝液(pH7.6)及び50mMのNaClで0.1
Mの溶液に調整した後、4℃で保存した。
【0074】
【実施例5】実施例4で作製した化学発光物質標識タン
パク質の希釈系列を作り、化学発光測定装置(ルミネッ
センスリーダーBLR−301:アロカ(株)製)専用
のバイアルに10μlずつ分注した。このバイアルを前
記化学発光装置に設置し、0.5%過酸化水素/0.1
規定硝酸溶液300μlを加え、次いで0.125%セ
チルトリメチルアンモニウムクロライド/0.25規定
水酸化ナトリウム溶液300μlを加え、生じる化学発
光を2秒間測定したところ、0.1pg/mlの化学発
光物質標識抗ウサギIgG抗体(ヤギ)を検出すること
ができた。
【0075】
【発明の効果】本発明の化学発光性基含有カルボジイミ
ド化合物を用いれば、簡便な操作で高感度な核酸検出及
びイムノアッセイ法を行うことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松本 和子 東京都足立区西新井栄町1−18−1 日清 紡績株式会社東京研究センター内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で表される化学発光性
    基含有カルボジイミド化合物。 【化1】 B−N=C=N−L−CL ・・・(I) [式(I)中、Bはカルボジイミド基に結合する一価の
    有機基を表し、CLは化学発光性基を表し、Lはカルボ
    ジイミド基と前記化学発光性基とを連結するリンカーを
    表す。]
  2. 【請求項2】 下記一般式(II)で表される化合物で
    ある、請求項1記載の化学発光性基含有カルボジイミド
    化合物。 【化2】 [式(II)中、Rは水素原子又は炭素数1〜6の直鎖
    もしくは分岐のアルキル基、Xはハロゲン原子、pは1
    〜12の整数を表す。B及びCLは各々前記一般式
    (I)におけるのと同義である。]
  3. 【請求項3】 下記一般式(III)で表される化合物
    又はその四級アンモニウム塩である、請求項1又は2記
    載の化学発光性基含有カルボジイミド化合物。 【化3】 [式(III)中、Meはメチル基を表す。]
  4. 【請求項4】 下記一般式(IV)で表されるカルボジ
    イミド基含有化合物と、下記一般式(V)で表されるハ
    ロゲン含有化学発光性化合物とを反応させる工程を含
    む、請求項1〜3のいずれかに記載の化学発光性基含有
    カルボジイミド化合物の製造方法。 【化4】 [式(IV)中、Bは前記一般式(I)におけるのと同
    義である。R’は炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐のア
    ルキル基、pは1〜12の整数を表す。] 【化5】CL−X ・・・(V) [式(V)中、CLは前記一般式(I)におけるのと同
    義であり、Xはハロゲン原子を表す。]
  5. 【請求項5】 標識物質で標識した核酸を用いるハイブ
    リダイゼーションによる核酸の検出法において、前記標
    識物質として、請求項1〜3のいずれかに記載の化学発
    光性基含有カルボジイミド化合物を用いることを特徴と
    する方法。
  6. 【請求項6】 標識物質で標識した抗原又は抗体を用い
    るイムノアッセイ法において、前記標識物質として、請
    求項1〜3のいずれかに記載の化学発光性基含有カルボ
    ジイミド化合物を用いることを特徴とする方法。
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