JPH09330516A - 磁気記録媒体用基板の製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体用基板の製造方法

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JPH09330516A
JPH09330516A JP14632596A JP14632596A JPH09330516A JP H09330516 A JPH09330516 A JP H09330516A JP 14632596 A JP14632596 A JP 14632596A JP 14632596 A JP14632596 A JP 14632596A JP H09330516 A JPH09330516 A JP H09330516A
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substrate
grinding
recording medium
magnetic recording
mirror
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JP14632596A
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Yuzo Yamamoto
裕三 山本
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マイクロクラックを発生させること無く低表
面粗さを達成し得ると共に、基板の鏡面加工速度が向上
した磁気記録媒体用基板の製造方法を提供すること。 【解決手段】 本発明の磁気記録媒体用基板の製造方法
は、基板表面にレーザー光を照射して凹凸形状を形成し
た後、該表面を鏡面加工することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気記録媒体用基板
の製造方法に関するものであり、更に詳しくは、マイク
ロクラックを発生させること無く低表面粗さを達成し得
ると共に、基板の鏡面加工速度が向上した磁気記録媒体
用基板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
固定ディスク装置に用いられる磁気ディスク用基板とし
て、従来より用いられているアルミニウム合金基板より
も比重が小さく、機械的特性に優れた、カーボン基板や
ガラス基板等の脆性材料よりなる基板が注目されてい
る。固定ディスク装置の記録容量の増大による磁気ディ
スクの高記録密度化に伴い、これらの磁気ディスク用基
板に対する平滑性向上の要求は年々厳しくなってきてお
り、表面粗さが一層小さい磁気ディスク用基板が求めら
れている。これに伴い、磁気ディスク用基板の超鏡面加
工技術の開発がますます要請されている。
【0003】上記磁気ディスク用基板の鏡面加工技術と
しては、遊離砥粒を用いた研磨加工が一般的である。例
えば、磁気ディスク用カーボン基板の研磨方法として、
特開平6−339853号公報には、水、アルミナ砥粒
及び硝酸アルミニウムのような研磨助剤からなる研磨液
を用いた研磨方法が記載されている。
【0004】しかしながら、遊離砥粒を用いてカーボン
基板やガラス基板のような脆性材料からなる基板の研磨
を行うと、その脆さのために研磨時に基板表面にマイク
ロクラックが発生することがある。マイクロクラックが
発生した基板を用いて磁気ディスクを作製すると、記録
再生エラーが起きる大きな原因となる。
【0005】一方、遊離砥粒を使わないで基板を鏡面加
工する方法も種々検討されている。その一つとして、ダ
イヤモンド砥粒を金属バインダーや樹脂バインダーで固
定したダイヤモンドホイールのような固定砥粒を用いる
研削加工法が提案されている。この研削加工法によれば
クラックフリーの良質な鏡面が得られるが、被研削基板
の品質が悪い場合には、研削取り代を多くとる必要があ
るので、加工時間が長くなり生産性低下を招くことにな
る。またホイール負荷が増えるので、その寿命も短くな
ってしまう。
【0006】従って、本発明の目的は、マイクロクラッ
クを発生させること無く低表面粗さを達成し得ると共
に、基板の鏡面加工速度が向上した磁気記録媒体用基板
の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討し
た結果、基板の鏡面加工に先立ち、基板の表面にレーザ
ー光を照射して凹凸形状を形成することを特徴とする磁
気記録媒体用基板の製造方法が上記目的を達成しうるこ
とを知見した。
【0008】本発明は、上記知見に基づきなされたもの
で、基板表面にレーザー光を照射して凹凸形状を形成し
た後、該表面を鏡面加工することを特徴とする磁気記録
媒体用基板の製造方法を提供することにより、上記目的
を達成したものである。
【0009】また、本発明は、上記方法に好ましく用い
られる装置として、基板を保持・回転させる基板保持
部、固定砥粒からなる砥石により該基板を研削する研削
部、及びレーザー光の照射により該基板表面に凹凸形状
を形成するレーザー光照射部から構成されており、該レ
ーザー光照射部により該基板表面にレーザー光を照射し
て凹凸形状を形成し、引き続き、形成された該凹凸形状
部分を該研削部により研削して鏡面加工するようになさ
れていることを特徴とする磁気記録媒体用基板の鏡面加
工装置を提供するものである。
【0010】
【作用】本発明においては、基板の鏡面加工に先立ち、
基板の表面にレーザー光を照射して凹凸形状を形成し、
予め粗面化しておくことにより、鏡面加工時の材料除去
の負担が軽減され、鏡面加工速度が向上する。特に、ダ
イヤモンドホイール等の固定砥粒を用いた研削により鏡
面加工する場合には、研削時のホイール負荷を軽減させ
ることができ、ホイール寿命が向上する。
【0011】なお、本明細書において、「鏡面加工」と
は、研削及び研磨を含む基板の平滑化加工全般をいう。
また、「研削」とは、固定砥粒を用いた平滑化加工をい
い、「研磨」とは、遊離砥粒を用いた平滑化加工をい
う。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の磁気記録媒体用基
板の製造方法を、カーボン基板を例にとった好ましい実
施形態に基づき図面を参照して説明する。ここで、図1
は、本発明の磁気記録媒体用基板の製造方法に好ましく
用いられる鏡面加工装置の模式図であり、図2は、基板
が装着されたワークテーブルを表す平面図であり、図3
(a)〜(c)は、マスク材におけるスリットの形状を
表す要部平面図である。
【0013】図1に示す鏡面加工装置1は、ストレート
ホイールの外周を用いてトラバース研削を行うロータリ
ー平面加工機であって且つレーザー光の照射装置を備え
たものである。更に詳しくは、上記鏡面加工装置1は、
基板を保持・回転させる基板保持部10、固定砥粒から
なる砥石により該基板を研削する研削部20、及びレー
ザー光の照射により該基板表面に凹凸形状を形成するレ
ーザー光照射部30から構成されており、該レーザー光
照射部30により該基板表面にレーザー光を照射して凹
凸形状を形成し、引き続き、形成された該凹凸形状部分
を該研削部20により研削して鏡面加工するようになさ
れている。
【0014】上記基板保持部10は、研削すべきカーボ
ン基板を保持固定するためのワークテーブル11、該ワ
ークテーブル11を保持固定するためのチャック12、
及び該ワークテーブル11を図中矢印A方向(即ち、上
記カーボン基板の面内方向)に回転させるための第1ス
ピンドル13から構成されている。上記第1スピンドル
13は、第1スライドベース(図示せず)上に保持固定
されている。該第1スライドベースは、図中矢印X方向
に沿って移動可能になされており、これにより、上記ワ
ークテーブル11のトラバース送りが可能になされてい
る。
【0015】上記ワークテーブル11について図2を参
照して詳述すると、該ワークテーブル11には、研削す
べき基板100を装着するための装着部が所定の数設け
られている(図2においては8箇所)。該装着部には真
空吸引孔(図示せず)が設けられており、該真空吸引孔
は真空ポンプ(図示せず)に接続されている。該真空ポ
ンプを作動させ上記装着部を減圧にすることによって、
上記基板100は該装着部に真空チャック方式で保持固
定される。なお、上記ワークテーブル11は、上述の通
り図中矢印A方向に回転するようになされている。
【0016】上記研削部20は、図1に示すように、ス
トレートホイール21及び該ストレートホイール21を
図中矢印B方向に回転させるための第2スピンドル22
から構成されている。また、上記研削部20には、研削
の際の発熱を抑えるためのクーラントが、クーラント供
給管23を介して供給されるようになされている。該ク
ーラント供給管23には開閉バルブ24が装着されてお
り、該開閉バルブ24の開閉動作によりクーラントの供
給量が制御される。上記第2スピンドル22は、第2ス
ライドベース(図示せず)上に保持固定されている。該
第2スライドベースは、図中矢印Z方向に沿って移動可
能になされており、これにより、上記ストレートホイー
ル21の切り込み送りが可能になされている。
【0017】上記ストレートホイール21は、その外周
面上に砥粒がボンド剤によって分散固定されて形成され
た固定砥粒の層(砥石)25を有するものである。上記
砥粒の材質、形状及び粒度並びに上記ボンド剤の材質等
に特に制限は無く、鏡面加工の対象となる基板の材質、
レーザー光の照射により形成された凹凸形状の粗面化の
程度、及び加工取り代(ストレートホイール21の切り
込み深さ)等により適宜選択することができる。例え
ば、基板がカーボン基板であり、上記凹凸形状の中心線
平均粗さが100nm程度であり、加工取り代が20μ
m/片面程度である場合には、上記砥粒として平均粒径
が好ましくは1〜5μm(番手#20000〜#300
0)、より好ましくは1〜2.5μm(番手#2000
0〜#6000)である工業用ダイヤモンド砥粒が用い
られ、上記ボンド剤としてメタルボンド剤が用いられ
る。
【0018】上記レーザー光照射部30は、パルスレー
ザー31を発生するレーザー光源32、該パルスレーザ
ー31を多重ビームとなすマスク材33、該多重ビーム
を集光するレンズ34から構成されており、該多重ビー
ムは、基板に直角に照射されるようになされている。上
記レーザー光源32における光源としては、エキシマレ
ーザー、Nd:YAGレーザー、CO2 レーザー、半導
体レーザー等が挙げられ、基板の材質に応じて適宜選択
することができる。また、上記マスク材33としては、
例えば、図3(a)に示すような網目状マスクを用いる
ことができるが、これに限定されず、図3(b)に示す
ような十文字状のスリットが形成されたマスクや、図3
(c)に示すような互いに120度ずつ離れ、同じ長さ
を有し、一端が同一点上に位置する3本の直線からなる
スリット等も用いることができる。
【0019】図1に示す鏡面加工装置1においては、上
記ワークテーブル11に装着された基板は、まず、上記
レーザー光照射部30によって、その表面に凹凸形状が
形成される。形成された該凹凸形状は、引き続き、上記
研削部20によって研削され鏡面加工がなされる。この
ように、上記鏡面加工装置1においては、基板表面にレ
ーザー光を照射して凹凸形状を形成する工程と、形成さ
れた該凹凸形状を研削して鏡面加工する工程とがインラ
イン方式で行われるので、基板の生産効率が極めて向上
する。特に、上記基板と上記ストレートホイールの研削
面(砥石面)とは、線接触しつつ研削が進行するので、
上記凹凸形状の形成後に研削することで該基板及び該ス
トレートホイールの損傷が極めて低減され、該基板にお
けるマイクロクラックの発生が一層抑制されると共に、
該ストレートホイールの寿命が向上する。
【0020】次に、図1に示す鏡面加工装置を用いた鏡
面加工工程を含む、本実施形態のカーボン基板の製造方
法について説明する。まず、液状の原料樹脂に硬化剤を
添加・混合して、この混合物を一対のガラス板間に挟み
硬化させる。次いで、ガラス板間から取り出した所定厚
さの硬化樹脂をディスク状にコア抜きして多数のディス
ク状硬化樹脂を得る。該ディスク状硬化樹脂を焼成する
ことにより炭素化してガラス状のカーボンディスク基板
を得る。次いで、ダイヤモンド砥石等を用いて該カーボ
ン基板を粗研削し(一般に、中心線平均粗さRaを0.
05〜2μmとする)、基板表面の欠陥、うねり、そり
等を除去、低減する。この後、ディスクの内径及び外径
を所定の寸法にすると共に、ディスクの内周及び外周を
チャンファー加工して所定の量の面取りを行う。チャン
ファー加工後、図1に示す鏡面加工装置を用い、カーボ
ン基板の表面にレーザー光を照射して凹凸形状を形成す
ると共に、形成された該凹凸形状部分を研削することに
よって鏡面加工がなされ、所定の低表面粗さを有する最
終基板が得られる。
【0021】図1に示す鏡面加工装置を用いた鏡面加工
工程について更に詳述すると、まず、上記レーザー光照
射部30における上記レーザー光源32で発生したパル
スレーザー31は上記マスク材33を通過することによ
って多重ビームとなる。この多重ビームのパルスレーザ
ーは、上記レンズ34で集光されて所定のビーム径とさ
れた後、上記カーボン基板に照射される。パルスレーザ
ーが照射された部位には、該パルスレーザーのエネルギ
ーによる材料除去が起こり、凹凸形状が形成される。即
ち、パルスレーザーが照射された部位に光化学反応が生
じ、該部位の原子・分子間の結合が断ち切られ、原子・
分子が瞬時に分散・飛散することにより、上記凹凸形状
が形成される。パルスレーザーの個々のビームにより形
成された凹凸形状は、図4に示すように、いわゆるクレ
ーター状、即ち、その輪郭が平面視略円形であって且つ
凸状に隆起した輪郭部101と、該輪郭部101によっ
て取り囲まれ、凹状に陥没したピット102とから成っ
ており、本実施形態においては、パルスレーザーを多重
ビームとして照射しているので、パルスレーザーの個々
のビームにより形成された上記クレーター状の凹凸形状
103が、互いに重なり合った状態になっている。この
重なり合いの程度は、上記マスク材におけるスリットの
形状を変えることにより調整することができる。
【0022】パルスレーザーの照射は、図1に示す鏡面
加工装置1において、上記ワークテーブル11が図中矢
印A方向に回転しつつ、上記基板保持部10が図中矢印
X方向に沿って左から右に移動しながら行われる。その
結果、基板の全面に上記凹凸形状が形成される。
【0023】パルスレーザーの照射条件、例えば、パル
スレーザーのパルス周期、出力、照射数及び照射面積、
並びに上記ワークテーブルの回転数等は、基板の種類及
び凹凸形状の程度(粗面化の程度)等に応じて適宜選択
することができる。例えば、エキシマレーザーを用いて
カーボン基板の表面に凹凸形状を形成する場合には、パ
ルス周期は、50〜200kHzであることが好まし
く、出力は0.01〜1000mJであることが好まし
く、照射数は1000〜1000×106 回であること
が好ましい。照射面積は1〜80mm2 であることが好
ましい。また、上記ワークテーブルの回転数は、後述す
る研削工程におけるワークテーブルの回転数と同様にす
ることが好ましい。
【0024】上記パルスレーザーの照射による凹凸形状
の形成に引き続き、図1に示す鏡面加工装置1における
上記研削部20によって、該凹凸形状が形成された部分
が研削される。上記研削部20による研削は、上記ワー
クテーブル11が図中矢印A方向に回転すると共に上記
基板保持部10が図中矢印X方向に沿って左から右に移
動しつつ、上記研削部20が図中矢印Z方向に沿って上
記ワークテーブル11に接近し、上記研削部20におけ
る上記ストレートホイール21の切り込み深さが所定の
値となるように上記ストレートホイール21と上記基板
とが当接した状態で行われる。
【0025】上記研削には、研削条件によって延性モー
ド研削及び脆性モード研削等の研削モードがある。本発
明においては、かかる研削モードに特に制限はないが、
マイクロクラックの発生を抑制する点から、延性モード
研削により行われることが好ましい。本明細書において
「延性モード研削」とは、脆性材料においてもクラック
の発生を伴わない塑性流動的な除去加工、即ち脆性破壊
(破砕)ではなく材料の無損傷を特徴とする研削加工を
意味する。延性モード研削は、基板への個々の砥粒の切
り込み深さを常に延性−脆性遷移点(以下、「dc」と
もいう)以下に保つことにより達成される。延性モード
研削を達成する手段としては特に限定されるものではな
く、公知の方法を用いることができる。例えば、カーボ
ン及びガラス等の脆性材料の多くは、その延性−脆性遷
移点が2〜100nmであるため、延性モード研削の際
の砥粒の設定切り込み深さを好ましくは0.05〜20
μm、更に好ましくは0.1〜10μm、より好ましく
は0.1〜5μmとすればよい。認定切り込み深さと
は、上記ストレートホイール21を図1中矢印Z方向に
沿って上記ワークテーブル11に接近させて、該ワーク
テーブル11に取り付けられた被加工基板の最表面に接
触する点を0とし、その点から該ストレートホイール2
1をそれ以上に押し込んだ量をいう。
【0026】また、砥粒の設定切り込み深さに応じてス
トレートホイール(砥石)外周の肩部にR(曲率)をつ
けると、砥粒の設定切り込み深さが大きくてもマイクロ
クラックの発生が一層抑制された延性モード研削面が得
られるので、より好ましい。Rの形状等については、個
々の砥粒の切り込み深さdg が、基板のdcよりも小さ
くなるように(即ち、dg <dcとなるように)設定す
ることが好ましい。ここで、個々の砥粒の切り込み深さ
g は、下記式から算出される。
【0027】
【数1】
【0028】なお、上記延性モード研削における上記ス
トレートホイール(砥石)の研削負荷は、例えばホイー
ル幅1〜20mmのホイールを使用した場合には、1〜
60kgfであることが好ましく、1〜30kgfであ
ることが更に好ましい。また、上記ストレートホイール
(砥石)の周速度は、300〜5000m/分であるこ
とが好ましく、600〜2000m/分であることが更
に好ましい。また、上記ワークテーブルのX方向に沿う
送り速度(上記ストレートホイールの送り速度に相当す
る)は、10〜120mm/分であることが好ましく、
30〜60mm/分であることが更に好ましい。更に、
上記ワークテーブルの回転数は、50〜1000rpm
であることが好ましく、100〜500rpmであるこ
とが更に好ましい。
【0029】図1に示す鏡面加工装置を用いて、延性モ
ード研削により研削された基板表面の加工痕(研削痕)
は、図5に模式的に示すように扇形状である。かかる扇
形状の加工痕では、加工痕同士が交差することが無いた
め、マイクロクラックの発生が更に一層抑制されるので
好ましい。本明細書において、「扇形状の加工痕」と
は、図5に模式的に示すように、実質的に同心円状の円
弧を形成する加工痕をいう。該同心円の中心は基板上に
あってもよく、又は基板外にあってもよい。特に、基板
の半径r1 と加工痕の半径r 2 との間にr2 ≧r1 なる
関係があることが好ましく、とりわけワークテーブルへ
の基板の取り付け作業性及び鏡面加工装置の加工精度の
点から100r1 ≧r 2 ≧2r1 なる関係があることが
好ましい。なお、扇形状の加工痕が形成されるように研
削するためには、上記ワークテーブルに基板を装着する
際に、図2に示すように基板100の中心が上記ワーク
テーブル11の回転中心を含まないように偏心して装着
し、図1に示すように、上記ワークテーブル11を回転
させると共に上記ストレートホイール21を基板に当接
させつつ、上記ストレートホイール21を上記ワークテ
ーブル11に沿ってトラバース送りすればよい。
【0030】上述の方法により鏡面加工されたカーボン
基板においては、マイクロクラックの発生が極めて抑制
されると共に、その中心線平均粗さ(Ra)が好ましく
は200Å以下となり、更に好ましくは2〜50Åとな
り、一層好ましくは2〜10Åとなる。また、その最大
突起高さ(Rp)が好ましくは1000Å以下となり、
更に好ましくは5〜200Åとなり、一層好ましくは5
〜50Åとなる。なお、上記中心線平均粗さ(Ra)及
び最大突起高さ(Rp)の測定方法については後述の実
施例において詳述する。
【0031】次に、本発明の磁気記録媒体用基板の製造
方法の第2及び第3の実施形態を図6〜図8を参照して
説明する。ここで、図6は、電解インプロセスドレッシ
ングに用いられる研削装置を示す模式図であり、図7
は、カップホイールを示す模式図であり、図8は、多重
あやめ状の加工痕を模式的に示す平面図である。なお、
第2及び第3の実施形態においては、上記第1の実施形
態と異なる点についてのみ説明し、特に詳述しない点に
ついては上記第1の実施形態において詳述した説明が適
宜適用される。また、図6〜図8おいて、図1〜図5と
同じ部材については同じ符号を付した。
【0032】第2の実施形態においては、上記研削が電
解インプロセスドレッシング(以下「ELID」とい
う)を用いた延性モード研削により行われる。これによ
り一層高精度で一層高能率な研削を行うことができる。
ELIDには、図6に示すように、その外周面上に、砥
粒がメタルボンド剤で分散固定されて形成された固定砥
粒の層(砥石)25を有するストレートホイール21
と、電極27とから構成される研削装置が用いられる。
上記電極27は、絶縁体26によって保持固定されてお
り且つ上記砥石25の外周の一部を覆うように配設され
ている。上記電極27と上記砥石25との間の距離は、
隙間調整ネジ28によって所定の値に保たれている。ま
た、上記絶縁体26及び上記電極27を貫通するように
クーラント供給管29が形成されている。なお、上記メ
タルボンド剤としては、例えば、Fe(鋳鉄など)、C
u若しくはNi等の金属単体又はこれらの一種以上を含
む合金を用いることができる。
【0033】図6に示す研削装置を用いてELIDを行
う方法について説明すると、上記クーラント供給管29
から電解質を含んだ水溶液クーラントを、上記砥石25
と基板(図示せず)との間に供給しつつ、上記砥石25
にプラスの電場を印加すると共に上記電極27にマイナ
スの電場を印加する。この状態で、上記ストレートホイ
ール21と基板とを上記第1の実施形態の場合と同様に
回転させる。その結果、上記ストレートホイールにおけ
る上記砥石25の表面のメタルボンド剤がアノード溶解
し、砥粒が所定の量だけ表面に露出した状態で研削が進
行する。上記メタルボンド剤のアノード溶解は、研削に
伴う該メタルボンド剤の酸化による酸化被膜の形成によ
って停止するので、砥粒が必要以上に露出することはな
い。更に研削が進行して、砥粒が磨耗すると、それに伴
い上記酸化被膜も磨耗する結果、新しい(即ち、酸化さ
れていない)メタルボンド剤の表面が露出する。かかる
新しいメタルボンド剤の表面は上述の通りアノード溶解
する。以下、上述の機構、即ち、上記メタルボンド剤に
おける酸化被膜の形成、その磨耗、及びアノード溶解が
繰り返されることによって、常に砥粒が上記砥石25の
表面に露出し、一定の研削効率が維持される。その結
果、一層高精度で一層高能率な研削が行われる。なお、
ELIDに用いられる、電解質を含んだ水溶液クーラン
トとしては、例えば、(株)ノリタケカンパニーリミテ
ド製CEMやAFG−M、ユシロ化学(株)製 ELI
D No32,No35、大同化学工業(株)製シミロ
ンCG−6等が挙げられる。
【0034】第3の実施形態においては、第1の実施形
態における上記研削部に用いられているストレートホイ
ールに代えて、カップホイールが用いられている。即
ち、図7に示すように、該カップホイール21’は、円
筒形状のホイールの横方向切断面上に、砥粒がボンド剤
によって分散固定されて形成された固定砥粒の層(砥
石)25を有するものである。該カップホイール21’
を用いた研削においては、上記ワークテーブル11及び
該カップホイール21’を回転させつつ該カップホイー
ル21’を図7に示す矢印方向に所定の速度で送り(ホ
イール送り速度)、所定の時間研削を行う。この場合、
該カップホイール21’の回転方向と、該ワークテーブ
ル11との回転方向とは図7に示すように逆方向でもよ
く、或いは同方向でも良い。上記基板100をワークテ
ーブル11の中心に1枚セットした場合は、研削された
該基板100には、図8に示すような多重あやめ状の加
工痕が形成される。
【0035】以上、本発明の磁気記録媒体用基板の製造
方法をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発
明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変
更形態が可能である。例えば、本発明の方法は、炭素化
して得られたガラス状カーボン基板に直接適用してもよ
く(即ち、粗研削を行わずに)、或いは、粗研削及び中
間研削後のガラス状カーボン基板に、仕上げ研削として
本発明の方法を適用してもよい。また、基板として、カ
ーボン基板の他に、強化ガラスや結晶性ガラス等のガラ
ス基板等の脆性材料、あるいはアルミニウム合金基板等
を用いることができる。これらの基板のうち、カーボン
基板は、研削安定性に優れ、低表面粗さが得られるの
で、本発明の方法はカーボン基板への適用において特に
優れた効果がある。また、上記研削においては、上記ス
トレートホイールは、図1中矢印X方向に沿って1パス
のみ移動してもよく、又は2パス以上移動してもよい。
更に、2パス以上移動する場合には、パスを重ねる毎に
砥粒の番手を次第に大きくしていってもよい。また、基
板表面にレーザー光を照射して凹凸形状を形成する工程
と、該表面を鏡面加工する工程とは、別個の装置を用い
て行ってもよい。また、レーザー光の照射は、上記マス
ク材を用いないシングルビームとしての照射でもよく、
又は複数のレーザー光源を用いた多重ビームの照射でも
よい。また、レーザー光の照射後、研削による鏡面加工
に代えて、遊離砥粒を用いた研磨による鏡面加工を行っ
てもよい。かかる研磨による鏡面加工は、例えば、特開
平6−339853号公報の第5欄17〜22行及び第
7欄表1に記載の方法に従って行うことができる。ま
た、上記鏡面加工後には、必要に応じて超鏡面加工工程
を行ってもよい。
【0036】
【実施例1】次に、実施例により、本発明の磁気記録媒
体用基板の製造方法の有効性を例示する。しかしなが
ら、本発明の範囲は上記実施例に限定されるものではな
い。
【0037】〔実施例1〕フェノール樹脂を硬化させた
後、炭素化して得られたガラス状カーボン基板について
粗研磨及びチャンファー加工を行い、その中心線平均粗
さRaが約1000Åである直径1.8インチのガラス
状カーボン基板を得た。鏡面加工装置には、(株)日進
機械製作所製超精密横型平面研削装置(HPG−2A)
を用い、上記ガラス状カーボン基板9枚をワークテーブ
ルに装着させ、表1に示す条件下で、その表面にレーザ
ー光を照射すると共に研削した。なお、ストレートホイ
ールの平面部及び肩部は、#200ダイヤモンドホイー
ル〔(株)オリエンタルダイヤ工具研究所製 SD20
0 Q75M〕により精密ツルーイングを行い、図9に
示すように母線形状を整え、また、研削の際の個々の砥
粒の切り込み深さは、カーボン基板の延性−脆性遷移点
(dc)である約50nm以下となるように設定した。
また、上記ガラス状カーボン基板は、上記ワークテーブ
ルの装着部に多数設けられた真空吸引孔により真空チャ
ック方式で固定した。得られたガラス状カーボン基板に
ついて、表面の状態を光学顕微鏡及び原子間力顕微鏡
(AFM)により観察すると共に、中心線平均粗さRa
及び最大突起高さRp並びに研削速度を下記の方法によ
り測定した。その結果を表1に示す。
【0038】<中心線平均粗さRa及び最大突起高さR
pの測定方法>触針式表面粗さ計〔Tencor(株)
製、型式P2〕を用いて下記条件で測定した。 ・触針先端半径 :0.6μm ・触針押し付け圧力:7mg ・測定長 :250μm×8箇所 ・トレース速度 :2.5μm/秒 ・カットオフ :1.25μm(ローパスフィルタ
ー) <研削速度の測定方法> ストレートホイールの場合;ガラス状カーボン基板9枚
をワークテーブルにセットし、9枚を同時に研削加工し
た。該ガラス状カーボン基板の研削前後の板厚を(株)
ミツトヨ製精密マイクロメーターによりそれぞれ9ヶ所
測定し、その平均値の差を研削量とし、これを要した加
工時間で除することによって単位時間当たりの研削量と
しての研削速度を求めた。 カップホイールの場合;ガラス状カーボン基板1枚をワ
ークテーブルの中心にセットして研削した。研削量及び
研削速度はストレートホイールの場合と同様に求めた。
【0039】〔実施例2〜6〕表1に示す条件下で、レ
ーザー光を照射すると共に研削する以外は実施例1と同
様の操作によりガラス状カーボン基板を得た。なお、実
施例6におけるカップホイール研削には(株)不二越製
超精密ロータリー平面研削盤(HSG−10A2)を用
い、ガラス状カーボン基板1枚をセットして研削した。
カップホイールの研削条件は、ホイール回転数:250
0rpm、ワークテーブル回転数:300rpm、ホイ
ール送り速度:4μm/分であった。得られたガラス状
カーボン基板について、実施例1と同様の観察及び測定
をした。その結果を表1に示す。なお、カップホイール
の平面部は、実施例1と同様の方法により精密ツルーイ
ングを行い、肩部にはR900mm程度の円弧をつけ
た。なお、実施例2〜6におけるELIDの条件は下記
の通りである。 ・電源:新東ブレータ(株)製、パルス電源EDP−1
0A ・初期ドレッシング:3A×15分 ・ELID電圧:60V ・パルス(矩形波)サイクル:4マイクロ秒
【0040】〔比較例1〕レーザー光の照射を行わず且
つ表1に示す条件下で研削する以外は実施例6と同様の
操作によりガラス状カーボン基板を得た。得られたガラ
ス状カーボン基板について、実施例1と同様の観察及び
測定をした。その結果を表1に示す。なお、ELIDの
条件は実施例2〜6と同様である。
【0041】〔比較例2〕研削条件を下記の通りとする
以外は比較例1と同様の操作によりガラス状カーボン基
板を得た。得られたガラス状カーボン基板について、実
施例1と同様の観察及び測定をした。その結果を表1に
示す。 ホイール回転数:1000rpm ワークテーブル回転数:300rpm ホイール送り速度:1μm/分
【0042】
【表1】
【0043】表1に示す結果から明らかなように、本発
明の方法に従い、基板表面にレーザー光を照射して凹凸
形状を形成した後、該表面を研削して得られたガラス状
カーボン基板(実施例1〜6)は、レーザー光を照射す
ること無く研削して得られた比較例1のガラス状カーボ
ン基板に比して、マイクロクラックの発生が無く、低表
面粗さが達成されていると共に、研削負荷が下がり研削
速度も向上している。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、マイクロクラックを発
生させること無く低表面粗さを達成し得ると共に、基板
の鏡面加工速度が向上した磁気記録媒体用基板の製造方
法が提供される。特に、鏡面加工を延性モード研削で行
うことにより、とりわけ、加工痕が扇形状である延性モ
ード研削で行うことによりマイクロクラックの発生が一
層抑制される。また、本発明の方法によれば、上記鏡面
加工を、ダイヤモンドホイール等の固定砥粒を用いた研
削に行う場合に、研削時のホイール負荷を軽減させるこ
とができ、ホイール寿命が向上する。特に、ストレート
ホイールの砥石を用いることで、マイクロクラックの発
生が更に一層抑制されると共に、ホイール寿命が一層向
上する。本発明の方法は、カーボンやガラス等の脆性材
料からなる基板の鏡面加工に特に効果的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気記録媒体用基板の製造方法に用い
られる鏡面加工装置の模式図である。
【図2】基板が装着されたワークテーブルを表す平面図
である。
【図3】図3(a)〜(c)は、マスク材におけるスリ
ットの形状を表す要部平面図である。
【図4】基板に形成された凹凸形状を模式的に示す断面
図である。
【図5】扇形状の加工痕を模式的に示す平面図である。
【図6】電解インプロセスドレッシングに用いられる研
削装置を示す模式図である。
【図7】カップホイールを示す模式図である。
【図8】多重あやめ状の加工痕を模式的に示す平面図で
ある。
【図9】実施例で用いたストレートカップの要部を拡大
して示す図である。
【符号の説明】
1 鏡面加工装置 10 基板保持部 11 ワークテーブル 12 チャック 13 第1スピンドル 20 研削部 21 ストレートホイール 21’カップホイール 22 第2スピンドル 23 クーラント供給管 24 開閉バルブ 30 レーザー光照射部 31 パルスレーザー 32 レーザー光源 33 マスク材 34 レンズ 100 カーボン基板

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板表面にレーザー光を照射して凹凸形
    状を形成した後、該表面を鏡面加工することを特徴とす
    る磁気記録媒体用基板の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記凹凸形状の形成が材料除去により行
    われる、請求項1記載の磁気記録媒体用基板の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 上記鏡面加工が研削又は研磨である、請
    求項1又は2記載の磁気記録媒体用基板の製造方法。
  4. 【請求項4】 上記研削が延性モード研削により行われ
    る、請求項3記載の磁気記録媒体用基板の製造方法。
  5. 【請求項5】 上記延性モード研削による加工痕が扇形
    状である、請求項4記載の磁気記録媒体用基板の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 上記研削が電解インプロセスドレッシン
    グを用いた延性モード研削により行われる、請求項4又
    は5記載の磁気記録媒体用基板の製造方法。
  7. 【請求項7】 中心線平均粗さ(Ra)が200Å以下
    となり且つ最大突起高さ(Rp)が1000Å以下とな
    るように鏡面加工する、請求項1〜6の何れかに記載の
    磁気記録媒体用基板の製造方法。
  8. 【請求項8】 基板がカーボン基板である、請求項1〜
    7の何れかに記載の磁気記録媒体用基板の製造方法。
  9. 【請求項9】 基板を保持・回転させる基板保持部、固
    定砥粒からなる砥石により該基板を研削する研削部、及
    びレーザー光の照射により該基板表面に凹凸形状を形成
    するレーザー光照射部から構成されており、 該レーザー光照射部により該基板表面にレーザー光を照
    射して凹凸形状を形成し、引き続き、形成された該凹凸
    形状部分を該研削部により研削して鏡面加工するように
    なされていることを特徴とする磁気記録媒体用基板の鏡
    面加工装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013258365A (ja) * 2012-06-14 2013-12-26 Disco Abrasive Syst Ltd ウェーハの加工方法
KR20220063728A (ko) * 2020-11-10 2022-05-17 가부시기가이샤 디스코 웨이퍼의 가공 방법

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