JPH0933417A - 鋼管の周方向強度を求める試験方法およびその試験片 - Google Patents

鋼管の周方向強度を求める試験方法およびその試験片

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JPH0933417A
JPH0933417A JP18235895A JP18235895A JPH0933417A JP H0933417 A JPH0933417 A JP H0933417A JP 18235895 A JP18235895 A JP 18235895A JP 18235895 A JP18235895 A JP 18235895A JP H0933417 A JPH0933417 A JP H0933417A
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JP
Japan
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steel pipe
test
test piece
strength
tensile
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JP18235895A
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Inventor
Yoshiaki Kawaguchi
喜昭 川口
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】鋼管の内圧負荷状態での円周方向の降伏強さお
よび引張り強さを、鋼管の曲率を保ったままの引張り試
験片により簡易に求める試験方法を提供する。 【構成】鋼管から切りだした円弧状の試験体を通常の試
験機により周方向の降伏強さおよび引張り強さを求める
にあたり、円弧状の試験体の外周両端にピン穴を有する
タブ板2をとり付け、これらのピン穴中心を結ぶ直線5
が、円弧をなすパイプ肉厚中心線4に試験体中央6にお
いて接し、かつタブ板の取り付け部の両端の点7および
8の間を通るように製作された試験片を用いることを特
徴とする鋼管の周方向強度を求める試験方法。 【効果】ラインパイプの設計にあたり、使用する内圧条
件に適正な鋼管を選択できるとともに鋼管の状態で適正
な引張り性質を示す材料の開発に使用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋼管の内圧負荷状態で
の周方向の強度を正確に測定することにより、原油また
は天然ガスのパイプラインの設計にあたり、鋼管の材料
選定に有益な情報を提供することができる鋼管の引張り
試験法およびその試験片に関するものである。
【0002】
【従来の技術】鋼管の周方向の引張り試験法は、通常、
鋼管から切りだした円弧状の試験体を板状に平坦化した
後に、機械加工した板状試験片を用いた引張り試験によ
り評価する。例えば米国石油協会規格(American Petro
leum Instutute:Specificationfor Line Pipe, Sec.4
)にそのような試験法が示されている。この試験法に
よれば、円弧状の試験体を板状に平坦化するとき、肉厚
中心線より外側では圧縮変形を受け、内側では引張り変
形となる。このような状態のものを引張り試験すると、
各部分ごとに以下のような異なる現象が起きる。
【0003】圧縮変形を受けた後に引張り応力を受け
ると、引張り応力に対する降伏強さが低下する。これは
バウシンガ−効果と呼ばれ、一般に、最初の変形方向と
逆方向に応力が負荷されるとき、降伏強さが低下する現
象をいう。
【0004】引張り変形を受けた後、同じ方向に引張
り応力を受けるとき、加工硬化状態をそのまま継続した
引張り試験となるので降伏強さは向上する。
【0005】一つの引張り試験片のなかに降伏強さが低
く現れる部分と高く現れる部分が存在することとなり、
このような試験片を用いた引張り試験では鋼管が内圧を
受けた状態での真の強度、特に降伏強さを求めることは
できない。材料によって、バウシンガ−効果が加工硬化
を上回り降伏強さが低下する場合と逆に加工硬化がバウ
シンガ−効果を上回り降伏強さが上昇する場合がある。
【0006】そこで鋼管形状の素材を曲げ戻さないで試
験する方法として、フ−プテンション・テスタ−(平:
日本金属学会会報,14(1975),p.41)が提
案された。しかし、この試験法は試験片とそれを支える
治具との間の摩擦力が無視できないため、やや高めの降
伏強さ等を示すといわれ、現在ではほとんど用いられて
いない。
【0007】リング・エキスパンション試験(ASTM
A370)は輪切りにした鋼管に内圧を負荷させて変
形させるためにもっとも正確な試験といわれる。しか
し、設備が大がかりになることと試験能率が低いことに
加えて、降伏強さを超えて応力を増大させると試験体の
変形によりガスケットの油圧シ−ルを破損させる恐れが
あるために降伏強さのみを求める試験にとどまってい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来技術の問題点を解
消し大がかりな装置を要しないで、従来の試験機をその
まま用いることにより、鋼管の状態での周方向の降伏強
さおよび引張り強さを高精度で試験する方法を提供する
ことを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者はいくつかの形
状の試験片を用いて試験した結果、以下に示す試験片を
用いることにより、リング・エキスパンション試験での
降伏強さとほぼ同じ値が得られることを確認した。
【0010】本発明は以下に示す試験法およびそれに用
いる引張り試験片を要旨とする。(図1および2を参
照) (1)鋼管から切りだした円弧状の試験体を通常の試験
機により周方向の降伏強さおよび引張り強さを求めるに
あたり、円弧状の試験体の外周両端にピン穴を有するタ
ブ板(2)をとり付け、これらタブ板のピン穴中心を結
ぶ直線(5)が、円弧をなすパイプ肉厚中心線(4)に
試験体中央(6)において接し、かつタブ板の取り付け
位置端点(7)および(8)の間を通るように製作され
た引張り試験片を用いることを特徴とする鋼管の周方向
強度を求める試験方法。
【0011】(2)円弧状の試験体の外周両端にピン穴
のあいたタブ板(2)を有し、これらタブ板のピン穴中
心を結ぶ直線(5)が、試験体の円弧をなす肉厚中心線
(4)に試験体中央(6)において接し、かつタブ板の
試験体への取り付け位置端点(7)および(8)の間を
通ることを特徴とする引張り試験片。
【0012】
【作用】図1は、本発明に用いる引張り試験片の形状を
表す図面である。また、図2は同試験片のタブ板取り付
け部を拡大した図面である。本試験法の特徴は、両図に
示す独特の引張り試験片形状を用いることにある。元の
鋼管から切りだした円弧状の試験体から曲げや曲げ戻し
を行うことなく同じ曲率のまま両図に表す試験片を製作
する。製作はフライス加工または放電加工などにより行
う。留意すべきことは、加工中に温度を40℃以上に上
げないことである。それ以上の温度になるとバウシンガ
−効果の減少が起きるからである。温度を40℃以上に
上げずかつ曲げや曲げ戻しによる塑性変形を加えなけれ
ば、どのような加工であってもよい。試験片中央部の、
いわゆる平行部の幅は、通常の引張り試験片と同様に、
そこで破断が起きるように後述するタブ板取り付け位置
の幅よりも狭くする。標点はいずれも平行部の中にあっ
て、試験片中央に関して対称に外周部に印す。
【0013】図2に表すように、加工された試験片の両
端にピン穴のあるタブ板を取り付ける。このとき重要な
ことはピン穴の中心を結ぶ直線5が元の鋼管の肉厚中心
線4と試験片の中心部6で接することである。このよう
な配置にすることにより、ピンを介して応力が負荷され
るとき、試験片の中央では近似的にではあるが、曲げに
よる変形は生じない。ここで付加される条件として、標
点間の試験片表面にそう円弧は近似的に直線とみなせな
ければならない。この付加条件は鋼管の径が大きければ
近似的に満足される。通常の試験条件で、ピンのピン穴
内でのズレなどを考慮して、鋼管の径が標点間の直線距
離の10倍以上あれば近似的にこの条件は満足されると
みなすことができる。また、ピン径は出来るだけピン穴
径に近いものを用いる。通常、標点間距離は2インチ
( 50.8mm)にするので、この付加的な条件を満
たすためには鋼管の径は20インチ(508mm)以上
でなければならない。
【0014】タブ板の形状および取り付け位置について
は、引張り試験中にタブ板取り付け部に大きな曲げモ−
メントがかからないように、点7および8は、直線5を
はさんで互いに反対側に配置されなければならない。点
7について、そのような配置にしないと引張り応力負荷
中にタブ板の回りに回転のモ−メントがかかり試験片に
局所的に曲げモ−メントがかかり、直線5が曲線4と点
6で接するという条件が保たれなくなる。その結果、本
発明の目的が達成できなくなる。
【0015】タブ板はピン穴を介して応力が負荷されて
も塑性変形しないようピンと十分な接触面積を有してい
なければならない。そのためには厚さおよびピン径を十
分大きくとる必要がある。材質は厚さとの関係もある
が、強度は高いことが好ましい。後述するタブ板を溶接
によって取り付けることを考慮して、比較的炭素量の少
ない機械構造用鋼を焼入れ低温焼戻しにより調整したも
のを素材とすることが好ましい。
【0016】タブ板の取り付けは溶接によるのが、最も
簡便で信頼性が高い。しかし溶接にあたっては、平行部
の温度が40℃を超えないように平行部を冷却しつつ溶
接しなければならない。溶接法も入熱は小さく、かつ割
れにくい方法を採用しなければならない。極低水素系溶
接材料を用いた手溶接、TIG(Tungusten Inert Gas
)溶接あるいはMIG(Metal Inert Gas )溶接など
が好適である。
【0017】このようにして製作された試験片を通常の
引張りあるいは圧縮試験機等によりピンを介して負荷す
ることにより降伏強さおよび引張り強さを求める。
【0018】
【実施例】表1および2は、本発明法を適用した鋼管の
組成および製造法を示した表である。鋼管はいずれもU
OE製管法により製造されたが、素材である厚鋼板の製
造法は、鋼管 aでは制御圧延により、また鋼管 bおよび
cでは加速冷却後焼戻しによって製造した。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】図3は、鋼管 a(X80級、外径610m
m、肉厚11.5mm)について、本発明の試験法およ
び従来法の鋼管を平坦化した試験を適用したときの応力
−歪曲線を表した図面である。同図にはリング・エキス
パンション試験における降伏強さも同時に記入した。
【0022】本発明法における試験片は、平行部の直線
長さ57.2mm、標点間距離は直線距離(ノギス間距
離)で50.8mmまた平行部幅38.1mmとした。
また鋼管展伸による場合は、API規格に応じて平行部
57.2mm、標点間距離50.8mmおよび平行部幅
38.1mmとした。鋼管を展伸した試験法では降伏強
さ574MPa、引張り強さは730MPaであった。
リング・エキスパンション試験では降伏強さは713M
Paであった。リング・エキスパンション試験では引張
り強さは求めることができない。鋼管を平坦化した試験
法では明瞭な降伏点の見られない降伏が生じている。一
方、本発明に係る試験法では降伏強さは696MPaお
よび引張り強さは735MPaであり、降伏点および降
伏伸びの発生が明瞭に認められる。本発明法による降伏
強さはリング・エキスパンション試験のそれに近い。
【0023】表3は、鋼管 a、 bおよび cについて、本
試験法、鋼管を平坦化した試験法およびリング・エキス
パンション試験によって求めた降伏強さおよび引張り強
さを示す。本試験法による降伏強さはリング・エキスパ
ンション試験のそれに近い値を示す。これは、本方法が
鋼管の内圧負荷状態の強度を精度よく求めことができる
ことを明かにするものである。
【0024】
【表3】
【0025】
【発明の効果】本発明方法によれば大がかりな試験によ
らずに、パイプラインの設計において適正な鋼管を選択
することができる。さらに、鋼管での状態で適正な強度
を有する材料開発のための試験として用いることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る引張り試験片形状を表す図であ
る。
【図2】本発明に係る試験片のタブ板取り付け位置部分
を拡大した図である。
【図3】実施例のうち鋼管aについて行った本発明に係
る試験法による応力−歪曲線、鋼管を平坦化した試験に
よる応力−歪曲線、およびリング・エキスパンション試
験による降伏強さを表す図である。
【符号の説明】
1…鋼管から切りだした試験体、 2…タブ板、 3…
標点間距離 4…鋼管の肉厚中心線、 5…ピン穴中心を結ぶ直線、
6…試験片中央での接点、7…タブ板取り付け位置端
点、 8…タブ板取り付け位置端点、9…応力

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鋼管から切りだした円弧状の試験体を通常
    の試験機により周方向の降伏強さおよび引張り強さを求
    めるにあたり、円弧状の試験体の外周両端にピン穴を有
    するタブ板(2)をとり付け、これらタブ板のピン穴中
    心を結ぶ直線(5)が、円弧をなすパイプ肉厚中心線
    (4)に試験体中央(6)において接し、かつタブ板の
    取り付け位置端点(7)および(8)の間を通るように
    製作された引張り試験片を用いることを特徴とする鋼管
    の周方向強度を求める試験方法。
  2. 【請求項2】円弧状の試験体の外周両端にピン穴のあい
    たタブ板(2)を有し、これらタブ板のピン穴中心を結
    ぶ直線(5)が、試験体の円弧をなす肉厚中心線(4)
    に試験体中央(6)において接し、かつタブ板の試験体
    への取り付け位置端点(7)および(8)の間を通るこ
    とを特徴とする鋼管の周方向強度を求める引張り試験
    片。
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