JPH093536A - 溶接性に優れ音響異方性の小さい極厚高張力鋼の製造方法 - Google Patents
溶接性に優れ音響異方性の小さい極厚高張力鋼の製造方法Info
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- JPH093536A JPH093536A JP17563495A JP17563495A JPH093536A JP H093536 A JPH093536 A JP H093536A JP 17563495 A JP17563495 A JP 17563495A JP 17563495 A JP17563495 A JP 17563495A JP H093536 A JPH093536 A JP H093536A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、溶接性に優れ、かつ、音響異方性
の小さい極厚鋼板の製造方法を目的とする。 【構成】 所定成分組成の鋼片を、1100℃以上に加
熱する工程と、この鋼片を粗圧延せず、または、粗圧延
する工程と、続いてその鋼片をその表面温度が950℃
以下で、かつ、中心部の温度が1000℃以上となるよ
うに1℃/s以上の冷却速度で強制冷却する工程と、そ
の後直ちに圧延しその中心温度が950℃以上で圧延を
終了する工程。
の小さい極厚鋼板の製造方法を目的とする。 【構成】 所定成分組成の鋼片を、1100℃以上に加
熱する工程と、この鋼片を粗圧延せず、または、粗圧延
する工程と、続いてその鋼片をその表面温度が950℃
以下で、かつ、中心部の温度が1000℃以上となるよ
うに1℃/s以上の冷却速度で強制冷却する工程と、そ
の後直ちに圧延しその中心温度が950℃以上で圧延を
終了する工程。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建築、ペンストック、
重電機等で用いられる厚さ70mm以上の極厚鋼板のう
ち、引張強さ980N/mm2 級以上、かつ、溶接性に
優れ音響異方性の小さい極厚鋼板の製造方法に関するも
のである。
重電機等で用いられる厚さ70mm以上の極厚鋼板のう
ち、引張強さ980N/mm2 級以上、かつ、溶接性に
優れ音響異方性の小さい極厚鋼板の製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、980N/mm2 級高張力鋼は高
温域での粗圧延終了後に圧延を中断し、鋼板の温度が低
下するのを待って仕上圧延を行っている。しかしなが
ら、板厚70mm以上の極厚鋼板では、温度低下の待ち
時間が長く、オーステナイト粒の粗大化に起因する靱性
劣化を招いている。
温域での粗圧延終了後に圧延を中断し、鋼板の温度が低
下するのを待って仕上圧延を行っている。しかしなが
ら、板厚70mm以上の極厚鋼板では、温度低下の待ち
時間が長く、オーステナイト粒の粗大化に起因する靱性
劣化を招いている。
【0003】また、放冷による冷却では板厚方向の温度
分布が小さく、仕上圧延において板厚中心部の圧下が困
難であるため十分な細粒化が図れない問題があった。こ
れを解決する手段として鋼板表面を強制冷却した後に仕
上圧延を行う方法が知られている。通常、この技術では
板厚中心部が再結晶温度以下まで低下してから圧延する
ため、仕上圧延中に組織が伸張し、さらに、集合組織も
発達する。
分布が小さく、仕上圧延において板厚中心部の圧下が困
難であるため十分な細粒化が図れない問題があった。こ
れを解決する手段として鋼板表面を強制冷却した後に仕
上圧延を行う方法が知られている。通常、この技術では
板厚中心部が再結晶温度以下まで低下してから圧延する
ため、仕上圧延中に組織が伸張し、さらに、集合組織も
発達する。
【0004】これにより圧延方向振動の横波音速
(V1 )と圧延直角方向振動の横波音速(Vc)の比、
いわゆる音響異方性が大きくなり、溶接部の超音波探傷
の際に欠陥位置が正確に検出できない問題が生じてい
る。
(V1 )と圧延直角方向振動の横波音速(Vc)の比、
いわゆる音響異方性が大きくなり、溶接部の超音波探傷
の際に欠陥位置が正確に検出できない問題が生じてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は厚さ70mm
以上、引張強さ980N/mm2 級以上の高張力鋼の製
造において、鋼の成分組成の低炭素化を図ることによっ
て、溶接性を改善するとともに、950℃以上で板厚中
心部にも圧下を加えることにより音響異方性の小さい極
厚鋼板の製造方法を提供することを課題とするものであ
る。
以上、引張強さ980N/mm2 級以上の高張力鋼の製
造において、鋼の成分組成の低炭素化を図ることによっ
て、溶接性を改善するとともに、950℃以上で板厚中
心部にも圧下を加えることにより音響異方性の小さい極
厚鋼板の製造方法を提供することを課題とするものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記課題を
解決するために種々の検討を重ねた。その結果、溶接性
改善のためにCを下げた鋼材においても、Nb,Vの複
合添加による析出強化を利用することにより980N/
mm2 級以上の強度が得られることを見いだした。
解決するために種々の検討を重ねた。その結果、溶接性
改善のためにCを下げた鋼材においても、Nb,Vの複
合添加による析出強化を利用することにより980N/
mm2 級以上の強度が得られることを見いだした。
【0007】さらに、加熱後そのままもしくは粗圧延終
了後に鋼板表面温度が950℃以下でかつ板厚中心部の
温度が1000℃以上になるように強制冷却することに
よりオーステナイト粒の粗大化が防止できること、およ
び、板厚方向の温度分布が大きくなるため表層近傍が硬
化することにより仕上圧延中に板厚中心部にも圧下が加
えられることを見いだした。
了後に鋼板表面温度が950℃以下でかつ板厚中心部の
温度が1000℃以上になるように強制冷却することに
よりオーステナイト粒の粗大化が防止できること、およ
び、板厚方向の温度分布が大きくなるため表層近傍が硬
化することにより仕上圧延中に板厚中心部にも圧下が加
えられることを見いだした。
【0008】また、中心部の仕上圧延終了温度を950
℃以上とすることにより音響異方性を軽減できることを
見いだした。さらに、このようにして得られた鋼板は強
度・靱性ともに優れていることを見いだし、下記の発明
をするに至った。
℃以上とすることにより音響異方性を軽減できることを
見いだした。さらに、このようにして得られた鋼板は強
度・靱性ともに優れていることを見いだし、下記の発明
をするに至った。
【0009】(1)請求項1の発明は、下記の工程(成
分組成はwt%である)を備えたことを特徴とする溶接
性に優れ音響異方性の小さい極厚高張力鋼の製造方法で
ある。 (a)C:0.03〜0.05%、Si:0.1〜0.
6%、Mn:0.5〜2.0%、P:0.03%以下、
S:0.01%以下、Ni:2.5〜4.5%、Al:
0.01〜0.1%、Mo:0.2〜1.5%、Cr:
0.2〜2.0%、Cu:0.1〜0.5%、Nb:
0.01〜0.05%、V:0.01〜0.05%、N
b+V≧0.06%を含有し、残部が鉄および不可避的
不純物からなる鋼片を用意する工程と、(b)前記鋼片
を1100℃以上に加熱する工程と、(c)加熱した前
記鋼片を粗圧延せず又は粗圧延する工程と、(d)前記
鋼片又は粗圧延された鋼片を、その表面温度が950℃
以下でかつ中心部の温度が1000℃以上になるように
1℃/s以上の冷却速度で強制冷却する工程と、(e)
前記強制冷却された鋼片を直ちに圧延し、中心部温度が
950℃以上で圧延を終了する工程。
分組成はwt%である)を備えたことを特徴とする溶接
性に優れ音響異方性の小さい極厚高張力鋼の製造方法で
ある。 (a)C:0.03〜0.05%、Si:0.1〜0.
6%、Mn:0.5〜2.0%、P:0.03%以下、
S:0.01%以下、Ni:2.5〜4.5%、Al:
0.01〜0.1%、Mo:0.2〜1.5%、Cr:
0.2〜2.0%、Cu:0.1〜0.5%、Nb:
0.01〜0.05%、V:0.01〜0.05%、N
b+V≧0.06%を含有し、残部が鉄および不可避的
不純物からなる鋼片を用意する工程と、(b)前記鋼片
を1100℃以上に加熱する工程と、(c)加熱した前
記鋼片を粗圧延せず又は粗圧延する工程と、(d)前記
鋼片又は粗圧延された鋼片を、その表面温度が950℃
以下でかつ中心部の温度が1000℃以上になるように
1℃/s以上の冷却速度で強制冷却する工程と、(e)
前記強制冷却された鋼片を直ちに圧延し、中心部温度が
950℃以上で圧延を終了する工程。
【0010】(2)請求項2の発明は、前記鋼片を前記
圧延終了後、直ちに焼入を行った後、500〜650℃
の温度範囲で焼戻すことを特徴とする請求項1記載の溶
接性に優れ音響異方性のない極厚高張力鋼の製造方法で
ある。
圧延終了後、直ちに焼入を行った後、500〜650℃
の温度範囲で焼戻すことを特徴とする請求項1記載の溶
接性に優れ音響異方性のない極厚高張力鋼の製造方法で
ある。
【0011】
【作用】以下に本発明をさらに詳細に説明する。一般
に、直接焼入型高張力鋼では高強度、高靱性を得るため
に仕上圧延終了後の鋼板の組織の微細化が極めて重要な
因子である。しかし、一般に、熱間圧延においては粗圧
延終了後、放冷による鋼板の温度低下を待って仕上圧延
を開始するため、温度低下待ち時間が長く、オーステナ
イト粒の粗大化を招いていた。
に、直接焼入型高張力鋼では高強度、高靱性を得るため
に仕上圧延終了後の鋼板の組織の微細化が極めて重要な
因子である。しかし、一般に、熱間圧延においては粗圧
延終了後、放冷による鋼板の温度低下を待って仕上圧延
を開始するため、温度低下待ち時間が長く、オーステナ
イト粒の粗大化を招いていた。
【0012】特に、厚さ70mm以上の極厚鋼板におい
ては、放冷による冷却速度は極めて遅く、温度低下待ち
時間が非常に長いためオーステナイト粒の著しい粗大化
が生じていた。このように粗大化したオーステナイト組
織に仕上圧延を施した場合、仕上圧延終了後にフェライ
ト組織の粗大化や混粒が生じ強度、靱性を損なう場合が
あった。
ては、放冷による冷却速度は極めて遅く、温度低下待ち
時間が非常に長いためオーステナイト粒の著しい粗大化
が生じていた。このように粗大化したオーステナイト組
織に仕上圧延を施した場合、仕上圧延終了後にフェライ
ト組織の粗大化や混粒が生じ強度、靱性を損なう場合が
あった。
【0013】そこで、本発明者等はオーステナイト粒の
粗大化防止について種々の検討を加えた。その結果、加
熱後そのままもしくは圧延終了後に、鋼板表面温度が9
50℃以下でかつ中心部の温度が1000℃以上になる
ように1℃/s以上の冷却速度で強制冷却することによ
り、温度低下待ち時間を著しく短縮でき、オーステナイ
ト粒の粗大化を防止できるのみならず、板厚方向の温度
分布に起因する変形抵抗差を利用することにより中心部
にも1パス当たり20%程度の圧下率となる圧下が加え
られるという知見を得た。
粗大化防止について種々の検討を加えた。その結果、加
熱後そのままもしくは圧延終了後に、鋼板表面温度が9
50℃以下でかつ中心部の温度が1000℃以上になる
ように1℃/s以上の冷却速度で強制冷却することによ
り、温度低下待ち時間を著しく短縮でき、オーステナイ
ト粒の粗大化を防止できるのみならず、板厚方向の温度
分布に起因する変形抵抗差を利用することにより中心部
にも1パス当たり20%程度の圧下率となる圧下が加え
られるという知見を得た。
【0014】さらに、950℃以上で圧延を終了すれ
ば、オーステナイト未再結晶域で圧下が加えられること
がないため、オーステナイト粒の伸張を防止でき、音響
異方性が小さいことが明らかとなった。本発明は上記知
見に基づいて完成されたものである。まず、本発明にお
ける化学成分の限定理由について説明する。
ば、オーステナイト未再結晶域で圧下が加えられること
がないため、オーステナイト粒の伸張を防止でき、音響
異方性が小さいことが明らかとなった。本発明は上記知
見に基づいて完成されたものである。まず、本発明にお
ける化学成分の限定理由について説明する。
【0015】C:CはNb,Vと炭化物を形成し析出強
化に寄与する元素である。しかし、0.03%未満では
強度を確保することが困難であり、また、0.05%を
超えて添加した場合、溶接性が劣化する。従って、その
添加量は0.03%〜0.05%に限定する。
化に寄与する元素である。しかし、0.03%未満では
強度を確保することが困難であり、また、0.05%を
超えて添加した場合、溶接性が劣化する。従って、その
添加量は0.03%〜0.05%に限定する。
【0016】Si:Siは脱酸に必要な元素であるが、
その添加量が0.1%未満では効果が少なく、また0.
6%を超えて添加すると溶接性を劣化させる。従って、
その添加量は0.1〜0.6%に限定する。
その添加量が0.1%未満では効果が少なく、また0.
6%を超えて添加すると溶接性を劣化させる。従って、
その添加量は0.1〜0.6%に限定する。
【0017】Mn:Mnは強度および靱性の確保に必要
な元素であるが、その添加量が0.5%未満では効果が
得られない。しかし、2.0%を超えて添加すると焼入
れ性が増加して溶接性および靱性が低下する。従って、
Mn添加量は0.5%〜2.0%に限定する。
な元素であるが、その添加量が0.5%未満では効果が
得られない。しかし、2.0%を超えて添加すると焼入
れ性が増加して溶接性および靱性が低下する。従って、
Mn添加量は0.5%〜2.0%に限定する。
【0018】P:Pは粒界破壊を招く元素であるため、
その含有量は低いほど良い。従って、好ましくはP含有
量が0.01%以下であるが、0.03%までは顕著な
悪影響を及ぼさないため、0.03%以下に限定する。
その含有量は低いほど良い。従って、好ましくはP含有
量が0.01%以下であるが、0.03%までは顕著な
悪影響を及ぼさないため、0.03%以下に限定する。
【0019】S:Sの増加はMnSを増加させ靱性の劣
化を招く。しかし、0.01%までは顕著な悪影響を及
ぼさないため、その含有量は0.01%以下に限定す
る。
化を招く。しかし、0.01%までは顕著な悪影響を及
ぼさないため、その含有量は0.01%以下に限定す
る。
【0020】Ni:Niは溶接性を低下させることな
く、強度と靱性を確保するのに極めて重要な元素であ
る。このような効果を得るためには最低2.5%は必要
である。しかし、4.5%を超えて添加するとコストが
著しく高くなるため、その添加量は2.5〜4.5%に
限定する。
く、強度と靱性を確保するのに極めて重要な元素であ
る。このような効果を得るためには最低2.5%は必要
である。しかし、4.5%を超えて添加するとコストが
著しく高くなるため、その添加量は2.5〜4.5%に
限定する。
【0021】Al:Alは脱酸に必要な元素であるが、
その添加量が0.01%未満では効果が少なく、また
0.1%を超えて添加すると靱性を劣化させる。従っ
て、その添加量は0.01〜0.1%に限定する。
その添加量が0.01%未満では効果が少なく、また
0.1%を超えて添加すると靱性を劣化させる。従っ
て、その添加量は0.01〜0.1%に限定する。
【0022】Mo:Moは強度を向上させるのに必要な
元素である。このような効果を得るためには0.2%以
上必要である。しかし、1.5%を超えて添加すると溶
接性、靱性を劣化させる。従って、その添加量は0.2
〜1.5%に限定する。
元素である。このような効果を得るためには0.2%以
上必要である。しかし、1.5%を超えて添加すると溶
接性、靱性を劣化させる。従って、その添加量は0.2
〜1.5%に限定する。
【0023】Cr:Crは強度付与に必要な元素である
が、その添加量が0.2%未満では効果がなく、2.0
%を超えて添加すると溶接性が著しく劣化する。従っ
て、その添加量は0.2〜2.0%に限定する。
が、その添加量が0.2%未満では効果がなく、2.0
%を超えて添加すると溶接性が著しく劣化する。従っ
て、その添加量は0.2〜2.0%に限定する。
【0024】Cu:Cuは溶接性を低下させることな
く、強度を上昇させるのに有効な元素である。このよう
な効果を得るためには最低0.1%は必要である。しか
し、0.5%を超えて添加すると熱間圧延時に割れ性が
生じたり、溶接性が低下したりする。従って、その添加
量は0.1%〜0.5%に限定する。
く、強度を上昇させるのに有効な元素である。このよう
な効果を得るためには最低0.1%は必要である。しか
し、0.5%を超えて添加すると熱間圧延時に割れ性が
生じたり、溶接性が低下したりする。従って、その添加
量は0.1%〜0.5%に限定する。
【0025】Nb:Nbは析出強化による強度上昇に極
めて有効な元素である。980N/mm2 級以上の強度
を得るためには最低0.01%必要である。しかし、
0.05%を超えて添加すると未再結晶温度が上昇し、
950℃以上で圧延を終了してもオーステナイト粒が伸
張し音響異方性が大きくなる。従って、その添加量は
0.01%〜0.05%に限定する。
めて有効な元素である。980N/mm2 級以上の強度
を得るためには最低0.01%必要である。しかし、
0.05%を超えて添加すると未再結晶温度が上昇し、
950℃以上で圧延を終了してもオーステナイト粒が伸
張し音響異方性が大きくなる。従って、その添加量は
0.01%〜0.05%に限定する。
【0026】V:VはNbと同様に析出強化に有効な元
素であり、その効果を得るためには最低0.01%必要
である。しかし、0.05%を超えて添加すると溶接性
が劣化する。従って、その添加量は0.01〜0.05
%に限定する。また、Nb+Vは0.06以上満足する
ことが本発明の効果を得るために必要である。
素であり、その効果を得るためには最低0.01%必要
である。しかし、0.05%を超えて添加すると溶接性
が劣化する。従って、その添加量は0.01〜0.05
%に限定する。また、Nb+Vは0.06以上満足する
ことが本発明の効果を得るために必要である。
【0027】次に、本発明における冷却および圧延条件
の限定理由について説明する。鋼片を1100℃以上に
加熱するのは強度確保に必要なNbを鋼中に固溶させる
ためである。次に、加熱後の鋼板をそのまま、即ち粗圧
延せず、又は粗圧延し、その後に鋼板表面温度が950
℃以下でかつ中心部の温度が1000℃以上になるよう
に1℃/s以上の冷却速度で強制冷却する。
の限定理由について説明する。鋼片を1100℃以上に
加熱するのは強度確保に必要なNbを鋼中に固溶させる
ためである。次に、加熱後の鋼板をそのまま、即ち粗圧
延せず、又は粗圧延し、その後に鋼板表面温度が950
℃以下でかつ中心部の温度が1000℃以上になるよう
に1℃/s以上の冷却速度で強制冷却する。
【0028】この際に、鋼板表面温度が950℃より大
きいと板厚方向の変形抵抗差が小さくなり中心部の圧下
ができず、中心部の温度が1000℃より小さいと仕上
圧延がオーステナイト未再結晶域で行われるため、音響
異方性が大きくなる。また、冷却速度が1℃/s未満で
あると板厚方向の変形抵抗差が小さくなり中心部の圧下
ができない。
きいと板厚方向の変形抵抗差が小さくなり中心部の圧下
ができず、中心部の温度が1000℃より小さいと仕上
圧延がオーステナイト未再結晶域で行われるため、音響
異方性が大きくなる。また、冷却速度が1℃/s未満で
あると板厚方向の変形抵抗差が小さくなり中心部の圧下
ができない。
【0029】なお、本発明における強制冷却とは放冷よ
りも大きな冷却速度での冷却であり、冷媒、冷却方法に
ついては任意に選択できる。例えば、搬送中の鋼板の上
下面を水冷する等の方法がある。鋼板表面温度を950
℃以下とし、中心部の温度を1000℃以上とするため
には予め、例えば伝熱解析等により冷却条件と鋼板の温
度分布を定めておけばよい。
りも大きな冷却速度での冷却であり、冷媒、冷却方法に
ついては任意に選択できる。例えば、搬送中の鋼板の上
下面を水冷する等の方法がある。鋼板表面温度を950
℃以下とし、中心部の温度を1000℃以上とするため
には予め、例えば伝熱解析等により冷却条件と鋼板の温
度分布を定めておけばよい。
【0030】上記の強制冷却終了後、板厚方向の温度分
布があるままの状態、すなわち表層近傍が硬化した状態
で仕上圧延を行ない、強制冷却後直ちに仕上圧延を行
う。この際に、仕上圧延終了温度が950℃未満である
とオーステナイト粒が伸張し音響異方性が大きくなるた
め、仕上圧延終了温度は950℃以上でなければならな
い。
布があるままの状態、すなわち表層近傍が硬化した状態
で仕上圧延を行ない、強制冷却後直ちに仕上圧延を行
う。この際に、仕上圧延終了温度が950℃未満である
とオーステナイト粒が伸張し音響異方性が大きくなるた
め、仕上圧延終了温度は950℃以上でなければならな
い。
【0031】上記仕上圧延後は、そのまま放冷してもよ
いし、焼入れ焼き戻しを行ってもよい。本発明において
は強度と靱性のバランスを考慮し、500〜700℃の
範囲で焼き戻しすることが望ましい。
いし、焼入れ焼き戻しを行ってもよい。本発明において
は強度と靱性のバランスを考慮し、500〜700℃の
範囲で焼き戻しすることが望ましい。
【0032】
【実施例】本発明にかかる溶接性に優れ音響異方性のな
い極厚高張力鋼の製造方法の実施例について説明する
が、本発明は本実施例のみに限定されるものではない。
表1に示す成分組成を有する低合金鋼の鋼片に、表2に
示す条件の熱間圧延を施した後、直ちに焼入を行った
後、630℃で焼戻した。
い極厚高張力鋼の製造方法の実施例について説明する
が、本発明は本実施例のみに限定されるものではない。
表1に示す成分組成を有する低合金鋼の鋼片に、表2に
示す条件の熱間圧延を施した後、直ちに焼入を行った
後、630℃で焼戻した。
【0033】表2において強制冷却は、オンラインの直
接冷却装置において行なった。なお、熱間圧延前のスラ
ブ厚みは、210mmであった。得られた鋼板の板厚中
心部より試験片を採取し、引張特性、靱性および音響異
方性の評価を行った。その結果を表3に示す。音響異方
性の測定は、JIS Z 3060において規定する方
法によった。
接冷却装置において行なった。なお、熱間圧延前のスラ
ブ厚みは、210mmであった。得られた鋼板の板厚中
心部より試験片を採取し、引張特性、靱性および音響異
方性の評価を行った。その結果を表3に示す。音響異方
性の測定は、JIS Z 3060において規定する方
法によった。
【0034】即ち、鋼板の圧延面から超音波横波探触子
を用いて横波を入射し、L方向の振動の横波音速
(V1 )とC方向の振動の横波音速(Vc)を求め、下
式より横波音速比を求める。 横波音速比=V1 /Vc この横波音速比が1.02を超えると音響異方性がある
と判定される。
を用いて横波を入射し、L方向の振動の横波音速
(V1 )とC方向の振動の横波音速(Vc)を求め、下
式より横波音速比を求める。 横波音速比=V1 /Vc この横波音速比が1.02を超えると音響異方性がある
と判定される。
【0035】表3からも明らかなように、鋼番A1〜A
8の本発明例は高強度、高靱性を有するとともに音響異
方性も小さく、すべての特性がバランスよく達成されて
いる。それに対して、比較例である鋼番B1はC量が不
足しているため強度不足となり、鋼番B2ではCが過剰
に添加されているため靱性が低下した。
8の本発明例は高強度、高靱性を有するとともに音響異
方性も小さく、すべての特性がバランスよく達成されて
いる。それに対して、比較例である鋼番B1はC量が不
足しているため強度不足となり、鋼番B2ではCが過剰
に添加されているため靱性が低下した。
【0036】鋼番B3はNi量が不足しているため著し
い靱性劣化をきたし、鋼番B4はAlが過剰に添加され
ているため靱性が劣化した。また、鋼番B5およびB6
はそれぞれNbおよびVが不足しているため強度が低下
している。
い靱性劣化をきたし、鋼番B4はAlが過剰に添加され
ているため靱性が劣化した。また、鋼番B5およびB6
はそれぞれNbおよびVが不足しているため強度が低下
している。
【0037】鋼番B7は冷却が放冷であったためオース
テナイト粒が粗大化し強度、靱性が低下した。さらに鋼
番B8では冷却が放冷であったうえに仕上圧延終了温度
が950℃未満であったために強度、靱性が低下し、音
響異方性も大きくなった。
テナイト粒が粗大化し強度、靱性が低下した。さらに鋼
番B8では冷却が放冷であったうえに仕上圧延終了温度
が950℃未満であったために強度、靱性が低下し、音
響異方性も大きくなった。
【0038】鋼番B9,B12,B14はいずれも冷却
終了時の鋼板表面温度が950℃を超えたため、板厚方
向の変形抵抗差が小さくなり、板厚中心部が十分に圧下
できず強度、靱性が低下した。
終了時の鋼板表面温度が950℃を超えたため、板厚方
向の変形抵抗差が小さくなり、板厚中心部が十分に圧下
できず強度、靱性が低下した。
【0039】また、鋼番B10は冷却条件終了時の中心
部温度が1000℃未満であり、仕上圧延終了温度も9
20℃と低かったために、オーステナイト未再結晶域圧
延となったため、音響異方性が大きくなった。さらに、
B11とB13は仕上圧延終了温度が900℃と低く、
オーステナイト未再結晶域圧延が行われたため、音響異
方性が大きくなった。
部温度が1000℃未満であり、仕上圧延終了温度も9
20℃と低かったために、オーステナイト未再結晶域圧
延となったため、音響異方性が大きくなった。さらに、
B11とB13は仕上圧延終了温度が900℃と低く、
オーステナイト未再結晶域圧延が行われたため、音響異
方性が大きくなった。
【0040】溶接性については、最高硬さ試験、斜めy
割れ試験で評価を行った。発明鋼は、いずれも最高硬さ
試験でHv(10kg)=320程度、斜めy割れ試験
で100mm材は50℃、75mm材は25℃が割れ停
止予温度となり、良好な溶接性を示した。
割れ試験で評価を行った。発明鋼は、いずれも最高硬さ
試験でHv(10kg)=320程度、斜めy割れ試験
で100mm材は50℃、75mm材は25℃が割れ停
止予温度となり、良好な溶接性を示した。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
【表3】
【0044】
【発明の効果】本発明の極厚高張力鋼板の製造法によれ
ば、強度と靱性に優れ、かつ音響異方性の小さい極厚高
張力鋼板を製造できるという優れた効果を有する。かか
る極厚高張力鋼板は、溶接を伴う構造部材として使用さ
れても、超音波検査により溶接部の欠陥が完全に検出さ
れるため信頼性が高い。
ば、強度と靱性に優れ、かつ音響異方性の小さい極厚高
張力鋼板を製造できるという優れた効果を有する。かか
る極厚高張力鋼板は、溶接を伴う構造部材として使用さ
れても、超音波検査により溶接部の欠陥が完全に検出さ
れるため信頼性が高い。
Claims (2)
- 【請求項1】 下記の工程(成分組成はwt%である)
を備えたことを特徴とする溶接性に優れ音響異方性の小
さい極厚高張力鋼の製造方法。 (a)C:0.03〜0.05%、Si:0.1〜0.
6%、 Mn:0.5〜2.0%、P:0.03%以下、 S:0.01%以下、Ni:2.5〜4.5%、 Al:0.01〜0.1%、Mo:0.2〜1.5%、 Cr:0.2〜2.0%、Cu:0.1〜0.5%、 Nb:0.01〜0.05%、V:0.01〜0.05
%、 Nb+V≧0.06%を含有し、 残部が鉄および不可避的不純物からなる鋼片を用意する
工程と、(b)前記鋼片を1100℃以上に加熱する工
程と、(c)加熱した前記鋼片を粗圧延せず又は粗圧延
する工程と、(d)前記鋼片又は粗圧延された鋼片を、
その表面温度が950℃以下でかつ中心部の温度が10
00℃以上になるように1℃/s以上の冷却速度で強制
冷却する工程と、(e)前記強制冷却された鋼片を直ち
に圧延し、中心部温度が950℃以上で圧延を終了する
工程。 - 【請求項2】 前記圧延終了後、前記鋼片を直ちに焼入
を行った後、500〜650℃の温度範囲で焼戻すこと
を特徴とする請求項1記載の溶接性に優れ音響異方性の
ない極厚高張力鋼の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP17563495A JP3259604B2 (ja) | 1995-06-20 | 1995-06-20 | 溶接性に優れ音響異方性の小さい極厚高張力鋼の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP17563495A JP3259604B2 (ja) | 1995-06-20 | 1995-06-20 | 溶接性に優れ音響異方性の小さい極厚高張力鋼の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH093536A true JPH093536A (ja) | 1997-01-07 |
| JP3259604B2 JP3259604B2 (ja) | 2002-02-25 |
Family
ID=15999521
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP17563495A Ceased JP3259604B2 (ja) | 1995-06-20 | 1995-06-20 | 溶接性に優れ音響異方性の小さい極厚高張力鋼の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3259604B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN116175098A (zh) * | 2023-02-27 | 2023-05-30 | 鞍钢股份有限公司 | 一种冷作模具用特厚模块钢的生产方法 |
-
1995
- 1995-06-20 JP JP17563495A patent/JP3259604B2/ja not_active Ceased
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN116175098A (zh) * | 2023-02-27 | 2023-05-30 | 鞍钢股份有限公司 | 一种冷作模具用特厚模块钢的生产方法 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP3259604B2 (ja) | 2002-02-25 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| RVOP | Cancellation by post-grant opposition |