JPH0935549A - 複合多芯交流用超電導線とその製造方法 - Google Patents
複合多芯交流用超電導線とその製造方法Info
- Publication number
- JPH0935549A JPH0935549A JP7181421A JP18142195A JPH0935549A JP H0935549 A JPH0935549 A JP H0935549A JP 7181421 A JP7181421 A JP 7181421A JP 18142195 A JP18142195 A JP 18142195A JP H0935549 A JPH0935549 A JP H0935549A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- wire
- superconducting
- alloy
- matrix
- less
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
- 239000002131 composite material Substances 0.000 title claims description 12
- 238000004519 manufacturing process Methods 0.000 title claims description 5
- 239000011159 matrix material Substances 0.000 claims abstract description 43
- 239000002184 metal Substances 0.000 claims abstract description 29
- 229910052751 metal Inorganic materials 0.000 claims abstract description 29
- 229910052759 nickel Inorganic materials 0.000 claims abstract description 18
- 229910045601 alloy Inorganic materials 0.000 claims abstract description 12
- 239000000956 alloy Substances 0.000 claims abstract description 12
- 229910052748 manganese Inorganic materials 0.000 claims abstract description 3
- 229910052710 silicon Inorganic materials 0.000 claims abstract description 3
- 229910052718 tin Inorganic materials 0.000 claims abstract description 3
- 238000000034 method Methods 0.000 claims description 4
- 238000010791 quenching Methods 0.000 abstract description 39
- 229910000881 Cu alloy Inorganic materials 0.000 abstract description 18
- 230000000171 quenching effect Effects 0.000 abstract description 2
- 150000001875 compounds Chemical class 0.000 abstract 1
- 239000011295 pitch Substances 0.000 description 15
- 230000007423 decrease Effects 0.000 description 14
- 239000010949 copper Substances 0.000 description 13
- 238000013461 design Methods 0.000 description 7
- 230000008878 coupling Effects 0.000 description 6
- 238000010168 coupling process Methods 0.000 description 6
- 238000005859 coupling reaction Methods 0.000 description 6
- 238000005491 wire drawing Methods 0.000 description 5
- 238000001816 cooling Methods 0.000 description 4
- 238000001125 extrusion Methods 0.000 description 4
- 230000020169 heat generation Effects 0.000 description 3
- 239000007788 liquid Substances 0.000 description 3
- 238000005259 measurement Methods 0.000 description 3
- 230000002542 deteriorative effect Effects 0.000 description 2
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 2
- 238000010894 electron beam technology Methods 0.000 description 2
- 238000001513 hot isostatic pressing Methods 0.000 description 2
- 239000000463 material Substances 0.000 description 2
- 230000002093 peripheral effect Effects 0.000 description 2
- 238000012545 processing Methods 0.000 description 2
- 238000003466 welding Methods 0.000 description 2
- 229910000967 As alloy Inorganic materials 0.000 description 1
- 238000010622 cold drawing Methods 0.000 description 1
- 230000006866 deterioration Effects 0.000 description 1
- 238000011161 development Methods 0.000 description 1
- 238000009792 diffusion process Methods 0.000 description 1
- 238000002360 preparation method Methods 0.000 description 1
- 230000000087 stabilizing effect Effects 0.000 description 1
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E40/00—Technologies for an efficient electrical power generation, transmission or distribution
- Y02E40/60—Superconducting electric elements or equipment; Power systems integrating superconducting elements or equipment
Landscapes
- Superconductors And Manufacturing Methods Therefor (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 交流損失の1要素である結合損失を低減する
ために、安定化Cuを配しない高抵抗Cu合金1種類のみの
常電導マトリックスを用いた場合、加工性が悪く、且
つ、熱伝導率が極めて悪いため、わずかな発熱によって
クエンチを起こすと云う問題があった。 【解決手段】 超電導金属フィラメントが常電導金属マ
トリックス中に多数本埋め込まれた複合多芯超電導素線
において、常電導マトリックスがCuN合金(NはNi、Mn、
Si、Snから1種類以上選択)からなり、前記CuN合金の
4.2Kでの電気抵抗値が2×10-7Ω・m以上であり、超電
導金属フィラメントがNbTi合金であり、超電導金属フィ
ラメントのツイストピッチが素線径の4倍以上6倍以下
であると共に、素線断面の中心部に超電導金属フィラメ
ントを含まない常電導金属マトリックス領域が存在し、
その領域の半径が素線半径に対して4%以上20%以下で
あることを特徴とする複合多芯交流用超電導線とその製
造方法である。
ために、安定化Cuを配しない高抵抗Cu合金1種類のみの
常電導マトリックスを用いた場合、加工性が悪く、且
つ、熱伝導率が極めて悪いため、わずかな発熱によって
クエンチを起こすと云う問題があった。 【解決手段】 超電導金属フィラメントが常電導金属マ
トリックス中に多数本埋め込まれた複合多芯超電導素線
において、常電導マトリックスがCuN合金(NはNi、Mn、
Si、Snから1種類以上選択)からなり、前記CuN合金の
4.2Kでの電気抵抗値が2×10-7Ω・m以上であり、超電
導金属フィラメントがNbTi合金であり、超電導金属フィ
ラメントのツイストピッチが素線径の4倍以上6倍以下
であると共に、素線断面の中心部に超電導金属フィラメ
ントを含まない常電導金属マトリックス領域が存在し、
その領域の半径が素線半径に対して4%以上20%以下で
あることを特徴とする複合多芯交流用超電導線とその製
造方法である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高クエンチ抵抗を必要と
する超電導限流器等の電力応用分野で使用される超電導
線材に関するものである。
する超電導限流器等の電力応用分野で使用される超電導
線材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液体He中で用いる合金系の交流用超電導
線材としては、これまでNbTi超電導線が主に用いられて
いる。一般に、超電導線を商用周波数の50/60Hz
で用いるためには、交流損失を低減する必要がある。交
流損失は、超電導フィラメントに発生するヒステリシス
損失とフィラメント間に誘起される結合電流による結合
損失、常電導マトリックスに発生する渦電流損失とに分
けることができる。そこで、ヒステリシス損失低減のた
め超電導フィラメントをサブミクロンのオーダーまで細
径化し、結合損失低減のためフィラメント間の常電導マ
トリックスを高抵抗の銅合金とした超電導線が実用化さ
れつつある。さらに、高クエンチ抵抗を必要とする限流
器などに使用する超電導線では、内部に安定化Cuを全く
含まず常電導マトリックスを全て高抵抗のCu合金とし、
高クエンチ抵抗化をはかった超電導線の開発が進められ
ている。
線材としては、これまでNbTi超電導線が主に用いられて
いる。一般に、超電導線を商用周波数の50/60Hz
で用いるためには、交流損失を低減する必要がある。交
流損失は、超電導フィラメントに発生するヒステリシス
損失とフィラメント間に誘起される結合電流による結合
損失、常電導マトリックスに発生する渦電流損失とに分
けることができる。そこで、ヒステリシス損失低減のた
め超電導フィラメントをサブミクロンのオーダーまで細
径化し、結合損失低減のためフィラメント間の常電導マ
トリックスを高抵抗の銅合金とした超電導線が実用化さ
れつつある。さらに、高クエンチ抵抗を必要とする限流
器などに使用する超電導線では、内部に安定化Cuを全く
含まず常電導マトリックスを全て高抵抗のCu合金とし、
高クエンチ抵抗化をはかった超電導線の開発が進められ
ている。
【0003】しかし、一般に高抵抗のCu合金はCuに比べ
非常に硬く、加工性が悪化する。特に4.2Kでの電気抵抗
が2×10-7Ω・m以上のCu合金ではその加工性悪化が著し
いことが知られている。安定化Cuを常電導マトリックス
に全く含まない前述のような超電導線材では、一般的な
交流用線材の素線径である0.1〜0.3mmφ程度まで伸線す
るため、素線の外周部あるいは中心部に配置された低抵
抗のCu合金により、素線の等価縦抵抗率がフィラメン
ト間に配した高抵抗Cu合金の抵抗率よりも低下し、結
合損失の増大を招くという問題があった。また、限流器
などに使用する高クエンチ抵抗を必要とする超電導線で
は、このように加工性を確保するため外周部および中心
部に配置された低抵抗のCu合金によりクエンチ抵抗が
低下してしまし、所望のコイルクエンチ抵抗を得る線材
長が増加し、コイルの低交流損失化およびコンパクト化
を阻害するといった問題があった。
非常に硬く、加工性が悪化する。特に4.2Kでの電気抵抗
が2×10-7Ω・m以上のCu合金ではその加工性悪化が著し
いことが知られている。安定化Cuを常電導マトリックス
に全く含まない前述のような超電導線材では、一般的な
交流用線材の素線径である0.1〜0.3mmφ程度まで伸線す
るため、素線の外周部あるいは中心部に配置された低抵
抗のCu合金により、素線の等価縦抵抗率がフィラメン
ト間に配した高抵抗Cu合金の抵抗率よりも低下し、結
合損失の増大を招くという問題があった。また、限流器
などに使用する高クエンチ抵抗を必要とする超電導線で
は、このように加工性を確保するため外周部および中心
部に配置された低抵抗のCu合金によりクエンチ抵抗が
低下してしまし、所望のコイルクエンチ抵抗を得る線材
長が増加し、コイルの低交流損失化およびコンパクト化
を阻害するといった問題があった。
【0004】また、高抵抗のCu合金は熱伝導率がCuに比
べ1/1000と小さいため、安定化Cuを含まない前述のよう
な超電導線は冷却効率が悪く、わずかな発熱によりクエ
ンチを起こすという問題があった。さらに、低磁界領域
では通電できる交流電流(交流クエンチ電流Iq)が直
流臨界電流Icに比べて半分以下になるという問題があ
った。
べ1/1000と小さいため、安定化Cuを含まない前述のよう
な超電導線は冷却効率が悪く、わずかな発熱によりクエ
ンチを起こすという問題があった。さらに、低磁界領域
では通電できる交流電流(交流クエンチ電流Iq)が直
流臨界電流Icに比べて半分以下になるという問題があ
った。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明では、これらの
現状に鑑みて、素線中の高抵抗マトリックスの配置、素
線径、フィラメント径などの素線設計を最適化すること
により、安定化Cuを配しない高抵抗Cu合金1種類のみで
常電導マトリックスが構成される低交流損失化、高クエ
ンチ抵抗化をはかり、かつ高電流密度化をはかった超電
導線を提供することにある。
現状に鑑みて、素線中の高抵抗マトリックスの配置、素
線径、フィラメント径などの素線設計を最適化すること
により、安定化Cuを配しない高抵抗Cu合金1種類のみで
常電導マトリックスが構成される低交流損失化、高クエ
ンチ抵抗化をはかり、かつ高電流密度化をはかった超電
導線を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の主たる構成は以
下の通りである。 (1)超電導金属フィラメントが常電導金属マトリック
ス中に多数本埋め込まれた複合多芯超電導素線におい
て、常電導マトリックスが高抵抗化のため安定化Cuを
含まないCuN合金(NはNi、Mn、Si、Snから1種類以上選
択)からなり、このCuN合金の4.2Kでの電気抵抗値が2×
10-7Ω・m以上であり、超電導金属フィラメントがNbTi
合金であり、超電導金属フィラメントのツイストピッチ
が素線径の4倍以上6倍以下であると共に、素線断面の
中心部に超電導金属フィラメントを含まない常電導金属
マトリックス領域が存在し、その領域の半径が素線半径
に対して4%以上20%以下であることを特徴とする複合
多芯交流用超電導線。
下の通りである。 (1)超電導金属フィラメントが常電導金属マトリック
ス中に多数本埋め込まれた複合多芯超電導素線におい
て、常電導マトリックスが高抵抗化のため安定化Cuを
含まないCuN合金(NはNi、Mn、Si、Snから1種類以上選
択)からなり、このCuN合金の4.2Kでの電気抵抗値が2×
10-7Ω・m以上であり、超電導金属フィラメントがNbTi
合金であり、超電導金属フィラメントのツイストピッチ
が素線径の4倍以上6倍以下であると共に、素線断面の
中心部に超電導金属フィラメントを含まない常電導金属
マトリックス領域が存在し、その領域の半径が素線半径
に対して4%以上20%以下であることを特徴とする複合
多芯交流用超電導線。
【0007】(2)前項において、素線断面の外周部に
常電導金属マトリックス外皮が存在し、その片側の厚み
が素線半径の7%以上13%以下であることを特徴とする複
合多芯交流用超電導線。
常電導金属マトリックス外皮が存在し、その片側の厚み
が素線半径の7%以上13%以下であることを特徴とする複
合多芯交流用超電導線。
【0008】(3)前2項において、超電導素線径が
0.10mmφ以上0.3mmφ以下であり、超電導金
属フィラメント径が0.07μmφ以上0.2μmφ以
下であり、常電導金属マトリックスで隔てられた各超電
導金属フィラメント間の距離が0.05μmφ以上0.14μm以
下であることを特徴とする複合多芯交流用超電導線。
0.10mmφ以上0.3mmφ以下であり、超電導金
属フィラメント径が0.07μmφ以上0.2μmφ以
下であり、常電導金属マトリックスで隔てられた各超電
導金属フィラメント間の距離が0.05μmφ以上0.14μm以
下であることを特徴とする複合多芯交流用超電導線。
【0009】(4)NbTi合金からなる超電導金属線材を
2回のスタックを繰り返すことにより作製する場合にお
いて、1次スタック中に含まれる超電導金属フィラメン
ト本数が2次スタック中に含まれる1次スタックの数よ
りも多くして、フィラメントを制作する事を特徴とする
複合多芯交流用超電導線の製造方法。
2回のスタックを繰り返すことにより作製する場合にお
いて、1次スタック中に含まれる超電導金属フィラメン
ト本数が2次スタック中に含まれる1次スタックの数よ
りも多くして、フィラメントを制作する事を特徴とする
複合多芯交流用超電導線の製造方法。
【0010】
【作用】本発明では、常電導マトリックスに安定化Cuを
全く含まずCu合金の高抵抗マトリックスから構成される
場合、素線設計を最適化することにより、伸線性を犠牲
にすることなく高電流密度化および低交流損失化をはか
れることを見いだしたものである。
全く含まずCu合金の高抵抗マトリックスから構成される
場合、素線設計を最適化することにより、伸線性を犠牲
にすることなく高電流密度化および低交流損失化をはか
れることを見いだしたものである。
【0011】ここでいう高抵抗Cu合金とは、4.2Kでの電
気抵抗率が2×10-7Ω・m以上であるものをいう。この高
抵抗Cu合金のみを常電導マトリックスとして使用するこ
とで、実質的に線材の交流損失要素のうち結合損失およ
び渦電流損失を低減することができる。このような安定
化Cuを配さない高抵抗マトリックスのみで構成された超
電導線は、一般に加工性がわるく実用的な長尺材を得る
ことが困難であったが、素線設計中の高抵抗マトリック
スの配置の最適化により、伸線性を劣化させることなく
安定に実用レベルの長尺材が得られることを明らかにし
たものである。
気抵抗率が2×10-7Ω・m以上であるものをいう。この高
抵抗Cu合金のみを常電導マトリックスとして使用するこ
とで、実質的に線材の交流損失要素のうち結合損失およ
び渦電流損失を低減することができる。このような安定
化Cuを配さない高抵抗マトリックスのみで構成された超
電導線は、一般に加工性がわるく実用的な長尺材を得る
ことが困難であったが、素線設計中の高抵抗マトリック
スの配置の最適化により、伸線性を劣化させることなく
安定に実用レベルの長尺材が得られることを明らかにし
たものである。
【0012】すなわち、素線断面の中心部に配置された
高抵抗Cu合金常電導マトリックス領域、および外皮領域
を特定の範囲に規定することにより、伸線性を犠牲にす
ることなく、高い臨界電流特性を有することを見いだし
たものである。また、特に交流通電時においては、素線
径およびフィラメント径、フィラメント間隔がある特定
の範囲において、交流クエンチ電流密度が向上し、直流
臨界電流Icに対する交流クエンチ電流Iqの低下が抑
制され、かつ交流損失が低減できることを見いだした。
さらに、交流損失低減のためには素線のツイストピッチ
をできるだけ短くする必要があるが、前述のような超電
導線の場合、ある特定の範囲で断線などのツイスト加工
性を問題にすることなく、高い臨界電流密度を劣化させ
ることなく、交流損失を低減できることを明らかにし
た。
高抵抗Cu合金常電導マトリックス領域、および外皮領域
を特定の範囲に規定することにより、伸線性を犠牲にす
ることなく、高い臨界電流特性を有することを見いだし
たものである。また、特に交流通電時においては、素線
径およびフィラメント径、フィラメント間隔がある特定
の範囲において、交流クエンチ電流密度が向上し、直流
臨界電流Icに対する交流クエンチ電流Iqの低下が抑
制され、かつ交流損失が低減できることを見いだした。
さらに、交流損失低減のためには素線のツイストピッチ
をできるだけ短くする必要があるが、前述のような超電
導線の場合、ある特定の範囲で断線などのツイスト加工
性を問題にすることなく、高い臨界電流密度を劣化させ
ることなく、交流損失を低減できることを明らかにし
た。
【0013】以上のように本発明によれば、常電導マト
リックスが1種類の高抵抗Cu合金で構成されたNbTi複合
多芯交流用超電導線を加工性を問題にすることなく、安
定に長尺線材を提供することができ、かつ、高電流密度
化および低交流損失化をはかることができる。特に、常
電導マトリックスに安定化Cuを全く含まず、高抵抗C
u合金でのみ構成されるため、高クエンチ抵抗が得ら
れ、高クエンチ抵抗を必要とする限流器用超電導線材と
して最適な構造の線材を供給することができる。
リックスが1種類の高抵抗Cu合金で構成されたNbTi複合
多芯交流用超電導線を加工性を問題にすることなく、安
定に長尺線材を提供することができ、かつ、高電流密度
化および低交流損失化をはかることができる。特に、常
電導マトリックスに安定化Cuを全く含まず、高抵抗C
u合金でのみ構成されるため、高クエンチ抵抗が得ら
れ、高クエンチ抵抗を必要とする限流器用超電導線材と
して最適な構造の線材を供給することができる。
【0014】
(1)実施例1 試作した素線の設計諸元を表1に示す。交流損失低減の
ため、常電導マトリックスには安定化Cuを全く含まな
いCu-30wt%Niのみを使用した構造である。まず、本実施
例で試作した素線の製造方法を以下に示す。まず、フィ
ラメント径とフィラメント間隔の比が1:0.65とな
るように、外皮がCu-30wt%Niの六角のNbTi単芯セグメン
トを作製し、Cu-30wt%Niビレットにこの単芯六角セグメ
ントを1040本挿入し、真空中で電子ビーム熔接を実施
し、このビレットを熱間静水圧押出した。この後、この
押出したビレットを冷間で伸線加工を実施し、六角セグ
メント(1次スタック)を作製した。
ため、常電導マトリックスには安定化Cuを全く含まな
いCu-30wt%Niのみを使用した構造である。まず、本実施
例で試作した素線の製造方法を以下に示す。まず、フィ
ラメント径とフィラメント間隔の比が1:0.65とな
るように、外皮がCu-30wt%Niの六角のNbTi単芯セグメン
トを作製し、Cu-30wt%Niビレットにこの単芯六角セグメ
ントを1040本挿入し、真空中で電子ビーム熔接を実施
し、このビレットを熱間静水圧押出した。この後、この
押出したビレットを冷間で伸線加工を実施し、六角セグ
メント(1次スタック)を作製した。
【0015】この六角セグメントをCu-30wt%Niビレット
に中心部にCu-30wt%Niを配置しないで挿入した構造の素
線、および中心部Cu-30wt%Ni領域半径の素線半径に対す
る割合が表1に示すようになるよう配置し挿入した素線
を作成した。それぞれの素線における六角セグメントの
本数は表1のとうりである。なお、ここでそれぞれの素
線における六角セグメントの本数は、中心部に配置した
Cu-30wt%Ni領域の割合に応じて増減している。このビレ
ットを真空中にて電子ビーム熔接を実施し、熱間静水圧
押出した。この後、押出したビレットを冷間で伸線加工
し、0.2mmφでピッチが1.0mmとなるようにツイスト加
工、伸線を実施し、A〜Eの0.2mmφ素線を作製した。
に中心部にCu-30wt%Niを配置しないで挿入した構造の素
線、および中心部Cu-30wt%Ni領域半径の素線半径に対す
る割合が表1に示すようになるよう配置し挿入した素線
を作成した。それぞれの素線における六角セグメントの
本数は表1のとうりである。なお、ここでそれぞれの素
線における六角セグメントの本数は、中心部に配置した
Cu-30wt%Ni領域の割合に応じて増減している。このビレ
ットを真空中にて電子ビーム熔接を実施し、熱間静水圧
押出した。この後、押出したビレットを冷間で伸線加工
し、0.2mmφでピッチが1.0mmとなるようにツイスト加
工、伸線を実施し、A〜Eの0.2mmφ素線を作製した。
【0016】素線Aは中心部にCu-30wt%Ni領域を全く配
置しておらず、素線B、C、D、Eの順に徐々に中心部
のCu-30wt%Ni領域が増加しており、中心部Cu-30wt%Ni領
域半径の素線半径に対する割合は、素線Bが4%、素線C
が12%、素線Dが20%、素線Eが30%である。また、素線
外皮部の厚みは、後述するが加工性および特性面の観点
から、全ての素線で等しく、素線半径に対する割合を10
%としている。
置しておらず、素線B、C、D、Eの順に徐々に中心部
のCu-30wt%Ni領域が増加しており、中心部Cu-30wt%Ni領
域半径の素線半径に対する割合は、素線Bが4%、素線C
が12%、素線Dが20%、素線Eが30%である。また、素線
外皮部の厚みは、後述するが加工性および特性面の観点
から、全ての素線で等しく、素線半径に対する割合を10
%としている。
【0017】なお、ここで2回スタックを繰り返してい
るのは、数十万本の0.14μmφいったサブミクロンまで
細径化したNbTiフィラメントを1回のスタックで得るた
めには、非常に細い六角セグメントおよび非常に大径の
ビレットが必要となり実用には向かない。また、スタッ
ク回数を繰り返すことにより、ビレットの外皮分だけ素
線中の常電導マトリックスの割合が増大し、NbTiの占有
率が減少することとなり臨界電流値が減少することとな
るため、できるだけ少ないスタック回数で所望の素線を
得ることが必要となる。実用的に考えて、2回のスタッ
クが最小のスタック回数である。
るのは、数十万本の0.14μmφいったサブミクロンまで
細径化したNbTiフィラメントを1回のスタックで得るた
めには、非常に細い六角セグメントおよび非常に大径の
ビレットが必要となり実用には向かない。また、スタッ
ク回数を繰り返すことにより、ビレットの外皮分だけ素
線中の常電導マトリックスの割合が増大し、NbTiの占有
率が減少することとなり臨界電流値が減少することとな
るため、できるだけ少ないスタック回数で所望の素線を
得ることが必要となる。実用的に考えて、2回のスタッ
クが最小のスタック回数である。
【0018】また、1次スタック中に含まれるNbTiフィ
ラメントの本数は、2次スタック中に含まれる1次スタ
ックの数よりも多いことが好ましい。これは、線径、フ
ィラメント径など設計が同等な素線を作成する際、複数
のフィラメントで構成されている1次スタックはできる
だけ太径で組み立てるほうが、押出後の伸線性の面で好
ましいからである。
ラメントの本数は、2次スタック中に含まれる1次スタ
ックの数よりも多いことが好ましい。これは、線径、フ
ィラメント径など設計が同等な素線を作成する際、複数
のフィラメントで構成されている1次スタックはできる
だけ太径で組み立てるほうが、押出後の伸線性の面で好
ましいからである。
【0019】一般にビレットを構成する複数のフィラメ
ントを含むセグメント中のフィラメントの捻れなどは、
組立、押出後の伸線性を阻害するが、今回のような2次
スタックで構成される場合、1次スタック中を組み立て
る単芯セグメントは1本のフィラメントのみで構成され
るため問題はなく、この単芯セグメント複数本で構成さ
れた1次スタックのセグメントの捻れが最終的な伸線性
に影響を与える。すなわち、1次スタック中に含まれる
フィラメント本数が少なくなると、同設計の素線を作成
する際、必然的に2次スタック中に含まれる1次スタッ
クの数が増加することになる。これに伴って、1次スタ
ックの六角セグメントの寸法である対辺を小さくする必
要がある。 1次スタックは、複数の超電導フィラメン
トが埋め込まれた構造のものであり、2次スタック組立
時に捻れなどがあると、押出後の伸線性にとって好まし
くない。上述のように1次スタックの六角セグメント対
辺が小さくなるに従って、1次スタックセグメント作成
時の伸線工程などで捻れなどが発生する可能性が高くな
る。
ントを含むセグメント中のフィラメントの捻れなどは、
組立、押出後の伸線性を阻害するが、今回のような2次
スタックで構成される場合、1次スタック中を組み立て
る単芯セグメントは1本のフィラメントのみで構成され
るため問題はなく、この単芯セグメント複数本で構成さ
れた1次スタックのセグメントの捻れが最終的な伸線性
に影響を与える。すなわち、1次スタック中に含まれる
フィラメント本数が少なくなると、同設計の素線を作成
する際、必然的に2次スタック中に含まれる1次スタッ
クの数が増加することになる。これに伴って、1次スタ
ックの六角セグメントの寸法である対辺を小さくする必
要がある。 1次スタックは、複数の超電導フィラメン
トが埋め込まれた構造のものであり、2次スタック組立
時に捻れなどがあると、押出後の伸線性にとって好まし
くない。上述のように1次スタックの六角セグメント対
辺が小さくなるに従って、1次スタックセグメント作成
時の伸線工程などで捻れなどが発生する可能性が高くな
る。
【0020】このことから、1次スタック中のフィラメ
ント本数をできるだけ多くし、1次スタックセグメント
の寸法をできるだけ大きくする必要がある。実際に組立
することを考えると、1次スタック中に含まれるNbTiフ
ィラメントの本数が、2次スタック中に含まれる1次ス
タックの数よりも多いことが好ましい条件である。
ント本数をできるだけ多くし、1次スタックセグメント
の寸法をできるだけ大きくする必要がある。実際に組立
することを考えると、1次スタック中に含まれるNbTiフ
ィラメントの本数が、2次スタック中に含まれる1次ス
タックの数よりも多いことが好ましい条件である。
【0021】
【表1】
【0022】この設計の素線A〜E0.2mmφ素線1000mを
伸線し作製する際に発生した断線回数および得られた素
線について実施した直流臨界電流Ic測定(外部磁場0.5
T)の結果を表2に示す。
伸線し作製する際に発生した断線回数および得られた素
線について実施した直流臨界電流Ic測定(外部磁場0.5
T)の結果を表2に示す。
【0023】
【表2】
【0024】素線Aでは断線回数が>10回と非常に多く
の断線が発生した。これは、伸線中に加わる応力が中心
部に集中するため、中心部にNbTiフィラメントが配置さ
れている素線Aは、中心部のNbTiフィラメントに応力が
集中し不均一変形を起こし、ここが基点となって断線が
多発したものと考えられる。また、素線Bでも1回の断
線が見られたが、素線Aに比べると格段に伸線性が向上
していることが分かる。素線Cおよび素線D、Eでは無
断線と伸線性は非常に良好であった。
の断線が発生した。これは、伸線中に加わる応力が中心
部に集中するため、中心部にNbTiフィラメントが配置さ
れている素線Aは、中心部のNbTiフィラメントに応力が
集中し不均一変形を起こし、ここが基点となって断線が
多発したものと考えられる。また、素線Bでも1回の断
線が見られたが、素線Aに比べると格段に伸線性が向上
していることが分かる。素線Cおよび素線D、Eでは無
断線と伸線性は非常に良好であった。
【0025】また、外部磁場0.5Tにおける直流臨界電流
Icは、素線Aを除いて中心部のCu-30wt%Ni領域が増加
するに従って減少している。これは、中心部のCu-30wt%
Ni領域が増加するに従って、素線断面積当りのNbTiの超
電導占有率が低下するからである。なお、素線Aで直流
臨界電流Icが低いのは、素線断線が多発していること
から分かるように、素線中のNbTiフィラメントの断線が
起こっているためである。この結果より、中心部に配置
するNbTiを含まない常電導マトリックス領域半径の素線
半径に対する割合が、4%以上20%以下である場合、
伸線性を損なうことなく高い直流臨界電流Ic特性を有
することが判明した。
Icは、素線Aを除いて中心部のCu-30wt%Ni領域が増加
するに従って減少している。これは、中心部のCu-30wt%
Ni領域が増加するに従って、素線断面積当りのNbTiの超
電導占有率が低下するからである。なお、素線Aで直流
臨界電流Icが低いのは、素線断線が多発していること
から分かるように、素線中のNbTiフィラメントの断線が
起こっているためである。この結果より、中心部に配置
するNbTiを含まない常電導マトリックス領域半径の素線
半径に対する割合が、4%以上20%以下である場合、
伸線性を損なうことなく高い直流臨界電流Ic特性を有
することが判明した。
【0026】(2)実施例2 素線の外周部に配置された常電導マトリックス外皮厚を
変えた素線を作製した。外皮厚は、2次ビレット外皮の
肉厚を変えることにより調整した。表3に作製した素線
F〜Jの常電導マトリックス外皮厚の素線半径に対する
比率および、素線の作製状況、作製した素線について測
定したNbTiフィラメント当りの直流臨界電流密度Jcお
よび交流クエンチ電流密度Jqの結果を示す。なお、常
電導マトリックス材はCu-30wt%Niであり、素線径、フィ
ラメント径およびフィラメント間隔など他の素線設計諸
元は表1に示した素線Cとほぼ同じである。また、素線
単位断面積当りの直流臨界電流密度Jcは外部磁界0.5T
下にて測定し、素線単位断面積当りの交流クエンチ電流
密度Jqは外部ゼロ磁界下にて50Hzの正弦波電流を通電
し測定した。
変えた素線を作製した。外皮厚は、2次ビレット外皮の
肉厚を変えることにより調整した。表3に作製した素線
F〜Jの常電導マトリックス外皮厚の素線半径に対する
比率および、素線の作製状況、作製した素線について測
定したNbTiフィラメント当りの直流臨界電流密度Jcお
よび交流クエンチ電流密度Jqの結果を示す。なお、常
電導マトリックス材はCu-30wt%Niであり、素線径、フィ
ラメント径およびフィラメント間隔など他の素線設計諸
元は表1に示した素線Cとほぼ同じである。また、素線
単位断面積当りの直流臨界電流密度Jcは外部磁界0.5T
下にて測定し、素線単位断面積当りの交流クエンチ電流
密度Jqは外部ゼロ磁界下にて50Hzの正弦波電流を通電
し測定した。
【0027】
【表3】
【0028】Cu-30wt%Niマトリックス外皮厚(片側)の素
線半径に対する比率は、素線Fが最も小さく5%、素線
G、H、I、Jの順に外皮厚の比率が大きくなってい
る。最も外皮厚比率の小さい素線Fは、外皮厚が薄すぎ
るため熱間静水圧押出時および伸線加工時に外皮割れが
発生し、良好な断面を有する素線を得ることができなか
った。素線半径に対する外皮厚(片側)が7%以上である素
線G、H、I、Jでは、素線Fで見られたような外皮割
れは見られず加工性は良好であった。
線半径に対する比率は、素線Fが最も小さく5%、素線
G、H、I、Jの順に外皮厚の比率が大きくなってい
る。最も外皮厚比率の小さい素線Fは、外皮厚が薄すぎ
るため熱間静水圧押出時および伸線加工時に外皮割れが
発生し、良好な断面を有する素線を得ることができなか
った。素線半径に対する外皮厚(片側)が7%以上である素
線G、H、I、Jでは、素線Fで見られたような外皮割
れは見られず加工性は良好であった。
【0029】直流臨界電流密度Jcは、素線半径に対す
る外皮厚の割合が増加するに従って、僅かずつ減少する
傾向が見られるが、ほぼ同程度の値となっている。しか
し、交流クエンチ電流密度Jqは素線G〜Iにおいて徐
々に減少する傾向にある。すなわち、素線半径に対する
外皮厚の割合が7〜13%の領域では、外皮厚が増加するに
従って徐々に減少する傾向にある。しかし、素線半径に
対する外皮厚の割合が16%まで増加している素線Jにお
いては、素線G〜Iに比べて大幅に減少することが分か
った。
る外皮厚の割合が増加するに従って、僅かずつ減少する
傾向が見られるが、ほぼ同程度の値となっている。しか
し、交流クエンチ電流密度Jqは素線G〜Iにおいて徐
々に減少する傾向にある。すなわち、素線半径に対する
外皮厚の割合が7〜13%の領域では、外皮厚が増加するに
従って徐々に減少する傾向にある。しかし、素線半径に
対する外皮厚の割合が16%まで増加している素線Jにお
いては、素線G〜Iに比べて大幅に減少することが分か
った。
【0030】これは、一般に素線外周部に配置された常
電導マトリックス外皮厚が厚いほど、液体Heによる常
電導マトリックス外皮を通じた素線中のNbTiフィラメン
トの冷却効率が悪くなる。特に熱伝導率の良い安定化Cu
を用いず、常電導マトリックスが今回の実施例のように
Cu-30wt%Niのような熱伝導率の悪い高抵抗マトリックス
のみ構成されている場合は顕著に表れるからである。特
に交流通電を実施した場合は、外部磁界0T下においても
自己磁界による交流損失が発生し、素線内部よりこの交
流損失による発熱がおこる。直流臨界電流密度Jcで見
られた外皮厚による差よりも、交流クエンチ電流密度J
qで見られる差のほうが大きいのは、この交流通電時に
発生する自己磁場下での交流損失による発熱の拡散が外
皮厚に大きく依存するためと考えられる。
電導マトリックス外皮厚が厚いほど、液体Heによる常
電導マトリックス外皮を通じた素線中のNbTiフィラメン
トの冷却効率が悪くなる。特に熱伝導率の良い安定化Cu
を用いず、常電導マトリックスが今回の実施例のように
Cu-30wt%Niのような熱伝導率の悪い高抵抗マトリックス
のみ構成されている場合は顕著に表れるからである。特
に交流通電を実施した場合は、外部磁界0T下においても
自己磁界による交流損失が発生し、素線内部よりこの交
流損失による発熱がおこる。直流臨界電流密度Jcで見
られた外皮厚による差よりも、交流クエンチ電流密度J
qで見られる差のほうが大きいのは、この交流通電時に
発生する自己磁場下での交流損失による発熱の拡散が外
皮厚に大きく依存するためと考えられる。
【0031】すなわち、常電導マトリックスの外皮厚が
厚いと交流損失による発熱がうまく拡散できず、液体He
による冷却効率も悪化し、素線が温度上昇を起こし、こ
の温度上昇により交流クエンチ電流密度Jqが減少する
と考えられる。今回のように安定化Cuを含まない素線に
おいて、外周部の高抵抗Cu合金マトリックス外皮の片側
の厚みが、素線半径の7%以上13%以下である場合、加工
性を損なうことなく冷却特性劣化による交流クエンチ電
流密度Jqの低下が小さいことを見いだした。
厚いと交流損失による発熱がうまく拡散できず、液体He
による冷却効率も悪化し、素線が温度上昇を起こし、こ
の温度上昇により交流クエンチ電流密度Jqが減少する
と考えられる。今回のように安定化Cuを含まない素線に
おいて、外周部の高抵抗Cu合金マトリックス外皮の片側
の厚みが、素線半径の7%以上13%以下である場合、加工
性を損なうことなく冷却特性劣化による交流クエンチ電
流密度Jqの低下が小さいことを見いだした。
【0032】(3)実施例3 素線Cの素線径を種々変えたサンプルを作製した。な
お、各サンプルのツイストピッチは各素線径の5倍であ
る。これらのサンプルに対して、直流臨界電流Icおよ
び交流クエンチ電流Iq(外部磁界0T)および交流損失
(±0.5T、 0.5Hz)を測定した。交流損失の測定周波数
は0.5Hzであり、この条件はヒステリシス損失を測定し
ている。直流臨界電流Icおよび交流クエンチ電流Iq
の結果を図1に示す。また、交流クエンチ電流Iqを直
流臨界電流Icで除した結果を図2に示す。交流損失の
測定結果を表4に示す。
お、各サンプルのツイストピッチは各素線径の5倍であ
る。これらのサンプルに対して、直流臨界電流Icおよ
び交流クエンチ電流Iq(外部磁界0T)および交流損失
(±0.5T、 0.5Hz)を測定した。交流損失の測定周波数
は0.5Hzであり、この条件はヒステリシス損失を測定し
ている。直流臨界電流Icおよび交流クエンチ電流Iq
の結果を図1に示す。また、交流クエンチ電流Iqを直
流臨界電流Icで除した結果を図2に示す。交流損失の
測定結果を表4に示す。
【0033】
【表4】
【0034】交流クエンチ電流Iqは直流臨界電流Ic
よりも低い値であるが、その低下率は素線径が太いほど
大きく、素線径が細いほど小さいことがわかる。素線径
が0.3mmφ以下にすれば、直流臨界電流Icの50%以上の
交流クエンチ電流Iqが得られることが明らかとなっ
た。また、交流損失(ヒステリシス損失)はフィラメン
ト径が0.07μmφまではフィラメント径の細径化に伴っ
て低減されている。しかし、フィラメント径0.05μm
φ、フィラメント間隔0.03μmまで細径化したサンプル
では逆に増加することがわかった。これは、フィラメン
ト同士の近接効果によるものである。
よりも低い値であるが、その低下率は素線径が太いほど
大きく、素線径が細いほど小さいことがわかる。素線径
が0.3mmφ以下にすれば、直流臨界電流Icの50%以上の
交流クエンチ電流Iqが得られることが明らかとなっ
た。また、交流損失(ヒステリシス損失)はフィラメン
ト径が0.07μmφまではフィラメント径の細径化に伴っ
て低減されている。しかし、フィラメント径0.05μm
φ、フィラメント間隔0.03μmまで細径化したサンプル
では逆に増加することがわかった。これは、フィラメン
ト同士の近接効果によるものである。
【0035】これら交流クエンチ電流Iqおよび交流損
失の観点から、素線径としては0.1mmφ以上0.3mmφ以
下、フィラメント径としては0.07μmφ以上0.2μmφ以
下、フィラメント間隔としては0.05μm以上0.14μm以下
にすれば、直流臨界電流Icからの低下の小さい高い交
流クエンチ電流Iqを有し、かつ、交流損失が30kW/m3
以下に低交流損失化をはかることができることが明らか
となった。
失の観点から、素線径としては0.1mmφ以上0.3mmφ以
下、フィラメント径としては0.07μmφ以上0.2μmφ以
下、フィラメント間隔としては0.05μm以上0.14μm以下
にすれば、直流臨界電流Icからの低下の小さい高い交
流クエンチ電流Iqを有し、かつ、交流損失が30kW/m3
以下に低交流損失化をはかることができることが明らか
となった。
【0036】(4)実施例4 素線Cのツイストピッチを変えたサンプルを作製し、交
流クエンチ電流Iq測定を実施し、素線断面積当りの交
流クエンチ電流密度Jqを求めた。図3に交流クエンチ
電流密度Jqの結果を示す。作製したサンプルは、ツイ
ストピッチが素線径の3〜10倍である。ツイストピッチ
が素線径の3倍のサンプルは、Cu-30wt%Niマトリックス
の加工限界により、ツイスト加工時に連続的に断線が発
生した。ツイストピッチが素線径の3.5〜10倍ではツイ
スト加工が可能であったが、図3からわかるように、ピ
ッチが素線径の3.5倍のサンプルの交流クエンチ電流密
度Jqは、素線径の4倍以上のピッチの交流クエンチ電
流密度Jqに比べて大幅に低下している。超電導素線の
交流損失のうち結合損失はツイストピッチの2乗に比例
するため、低交流損失化をはかるためには、ツイストピ
ッチはできるだけ短いほうが好ましい。このため、交流
クエンチ電流密度Jqと低交流損失の観点から素線のツ
イストピッチは、素線径の4倍以上好ましくは6倍以下
にすれば、交流クエンチ電流密度Jqを低下させること
なく低交流損失化をはかれることが明らかとなった。
流クエンチ電流Iq測定を実施し、素線断面積当りの交
流クエンチ電流密度Jqを求めた。図3に交流クエンチ
電流密度Jqの結果を示す。作製したサンプルは、ツイ
ストピッチが素線径の3〜10倍である。ツイストピッチ
が素線径の3倍のサンプルは、Cu-30wt%Niマトリックス
の加工限界により、ツイスト加工時に連続的に断線が発
生した。ツイストピッチが素線径の3.5〜10倍ではツイ
スト加工が可能であったが、図3からわかるように、ピ
ッチが素線径の3.5倍のサンプルの交流クエンチ電流密
度Jqは、素線径の4倍以上のピッチの交流クエンチ電
流密度Jqに比べて大幅に低下している。超電導素線の
交流損失のうち結合損失はツイストピッチの2乗に比例
するため、低交流損失化をはかるためには、ツイストピ
ッチはできるだけ短いほうが好ましい。このため、交流
クエンチ電流密度Jqと低交流損失の観点から素線のツ
イストピッチは、素線径の4倍以上好ましくは6倍以下
にすれば、交流クエンチ電流密度Jqを低下させること
なく低交流損失化をはかれることが明らかとなった。
【0037】
【効果】以上のように本発明によれば、常電導マトリッ
クスが1種類の高抵抗Cu合金で構成されたNbTi複合多芯
交流用超電導線を加工性を問題にすることなく、安定に
長尺線材を提供することができ、かつ、高電流密度化お
よび低交流損失化をはかることができる。特に、常電導
マトリックスに安定化Cuを全く含まず、高抵抗Cu合
金のみで構成しているので、高クエンチ抵抗が得られる
ため、高クエンチ抵抗を必要とする限流器用超電導線材
として最適な構造の線材を供給することができる。
クスが1種類の高抵抗Cu合金で構成されたNbTi複合多芯
交流用超電導線を加工性を問題にすることなく、安定に
長尺線材を提供することができ、かつ、高電流密度化お
よび低交流損失化をはかることができる。特に、常電導
マトリックスに安定化Cuを全く含まず、高抵抗Cu合
金のみで構成しているので、高クエンチ抵抗が得られる
ため、高クエンチ抵抗を必要とする限流器用超電導線材
として最適な構造の線材を供給することができる。
【図1】本実施例における直流臨界電流Icおよび交流
クエンチ電流Iqの結果を示す。
クエンチ電流Iqの結果を示す。
【図2】本実施例における交流クエンチ電流Iqを直流
臨界電流Icで除した結果示す。
臨界電流Icで除した結果示す。
【図3】本実施例における交流クエンチ電流密度Jqの
ツイストピッチ依存性を示す。
ツイストピッチ依存性を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 謙一 大阪府大阪市此花区島屋一丁目1番3号 住友電気工業株式会社大阪製作所内
Claims (4)
- 【請求項1】 超電導金属フィラメントが常電導金属マ
トリックス中に多数本埋め込まれた複合多芯超電導素線
において、 常電導マトリックスがCuN合金(NはNi、Mn、Si、Snから
1種類以上選択)からなり、 前記CuN合金の4.2Kでの電気抵抗値が2×10-7Ω・m以上
であり、 超電導金属フィラメントがNbTi合金であり、 超電導金属フィラメントのツイストピッチが素線径の4
倍以上6倍以下であると共に、 素線断面の中心部に超電導金属フィラメントを含まない
常電導金属マトリックス領域が存在し、その領域の半径
が素線半径に対して4%以上20%以下であることを特徴
とする複合多芯交流用超電導線。 - 【請求項2】 素線断面の外周部に常電導金属マトリッ
クス外皮が存在し、その片側の厚みが素線半径の7%以上
13%以下である請求項1に記載の複合多芯交流用超電導
線。 - 【請求項3】 超電導素線径が0.10mmφ以上0.
3mmφ以下であり、超電導金属フィラメント径が0.
07μmφ以上0.2μmφ以下であり、常電導金属マ
トリックスで隔てられた各超電導金属フィラメント間の
距離が0.05μm以上0.14μm以下である請求項1又は請求
項2に記載の複合多芯交流用超電導線。 - 【請求項4】 NbTi合金からなる超電導金属線材を2回
のスタックを繰り返すことにより作製する場合におい
て、1次スタック中に含まれる超電導金属フィラメント
本数が2次スタック中に含まれる1次スタックの数より
も多くして、フィラメントを制作することを特徴とする
複合多芯交流用超電導線の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7181421A JPH0935549A (ja) | 1995-07-18 | 1995-07-18 | 複合多芯交流用超電導線とその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7181421A JPH0935549A (ja) | 1995-07-18 | 1995-07-18 | 複合多芯交流用超電導線とその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0935549A true JPH0935549A (ja) | 1997-02-07 |
Family
ID=16100483
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7181421A Pending JPH0935549A (ja) | 1995-07-18 | 1995-07-18 | 複合多芯交流用超電導線とその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0935549A (ja) |
-
1995
- 1995-07-18 JP JP7181421A patent/JPH0935549A/ja active Pending
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| JP4174824B2 (ja) | 超電導ケーブル | |
| JP5000252B2 (ja) | NbTi系超電導線材 | |
| EP0354636B1 (en) | Cryogenic conductors | |
| JP4414558B2 (ja) | 超電導ケーブル | |
| JPH0935549A (ja) | 複合多芯交流用超電導線とその製造方法 | |
| JP5117166B2 (ja) | パルス用NbTi超電導多芯線およびパルス用NbTi超電導成形撚線 | |
| JP3646059B2 (ja) | アルミ安定化超電導導体 | |
| JPH08203354A (ja) | 複合多芯交流用超電導線 | |
| WO1991002364A1 (en) | Superconductive wire | |
| JP2000348548A (ja) | 交流用超電導線とその製造方法 | |
| JPH09245539A (ja) | 超電導線 | |
| JP2876667B2 (ja) | アルミニウム安定化超電導線 | |
| JPH10321058A (ja) | 交流用超電導導体 | |
| JPH08212847A (ja) | 複合多芯超電導線 | |
| JP2932515B2 (ja) | NbTi多芯超電導線 | |
| WO2022075127A1 (ja) | NbTi超電導多芯線 | |
| Kanithi et al. | Fine filament NbTi Conductors for the SSC | |
| JPH08124433A (ja) | 超電導素線および超電導撚線 | |
| JP2926774B2 (ja) | 交流用Nb▲下3▼Sn多芯超電導線 | |
| JPH07272554A (ja) | Nb−Ti超電導線 | |
| JPH0589726A (ja) | NbTi超電導線 | |
| JPH10233130A (ja) | 交流用超電導多重撚線 | |
| JPH04132108A (ja) | Nb↓3Al系超電導導体 | |
| JPH0430124B2 (ja) | ||
| JPH10125149A (ja) | 超電導多重成形撚線 |