JPH093623A - 薄膜形成方法 - Google Patents

薄膜形成方法

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JPH093623A
JPH093623A JP14908895A JP14908895A JPH093623A JP H093623 A JPH093623 A JP H093623A JP 14908895 A JP14908895 A JP 14908895A JP 14908895 A JP14908895 A JP 14908895A JP H093623 A JPH093623 A JP H093623A
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和裕 野田
Yukio Murakami
雪雄 村上
武 ▲よし▼見
Takeshi Yoshimi
Kenichi Nishi
憲一 西
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ピンホールの発生を極力抑え、定量的生産管
理を容易に行うことのできる薄膜形成方法を提供するこ
とを目的とする。 【構成】 まずスパッタリング装置20にロールフィル
ム30及びターゲット物体を装着し、スパッタリング槽
27内を真空にし、アルゴン封入する。ロールフィルム
30を繰出しながら、スパッタリング部23で印加し
て、ブラッシングローラ25を回転してブラッシングし
つつ、1回目のスパッタリングを行う。次に、巻取ロー
ラ22に巻取られたフィルムを、フィルム繰出部21に
巻戻しながら、ブラッシングローラ26でブラッシング
しつつ2回目のスパッタリングを行う。2回目のスパッ
タリングを終えた後、再びフィルム繰出部21から繰出
し、巻取ローラ22に巻取りながら、ブラッシングロー
ラ25,26は用いず、3回目のスパッタリングを行
う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、基体上に金属又はその
化合物の薄膜を形成する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にプラスチックス,ガラス,セラミ
ックス等の基体上に金属又はその化合物の薄膜を形成す
る薄膜形成技術には、真空蒸着法,イオンプレーティン
グ法,スパッタリング法等が用いられてる。中でもスパ
ッタリング法は、比較的高い融点を持つ金属単体又はそ
の合金、化合物を幅広く用いて効率的に高品質の薄膜を
容易に形成することができるので、電子工業分野等で多
用されている。
【0003】ところで、薄膜形成技術の進歩により、高
品質の薄膜が容易に形成されるようになったとはいえ、
電子工業分野での品質性能に対する要求が極めて厳しい
ため、品質性能向上のために薄膜形成技術において様々
な改良工夫が試みられている。中でもピンホールについ
ては、皆無であることが要求されている現状であるた
め、薄膜形成時には、まずクリーンな環境をつくり、基
体自体を十分洗浄して可能な限り人手を使わず防塵服に
身を包むといった、あらゆる対策が講じられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな対策は未だ試行錯誤的であって、ピンホールを低減
させる決定的な解決策と言えるまでには到っていない実
状である。また更に、従来の薄膜形成方法では、ピンホ
ールが常に同じような状態に発生するのではなく、ピン
ホールの発生状況にバラツキがあるので、薄膜形成に対
して定量的生産管理ができないという問題も残ってい
る。
【0005】このようなピンホールの発生は、外観品質
もさることながら、薄膜の機能(例えばITO薄膜の場
合は電気抵抗性能、TiO2薄膜の場合は電気絶縁性能
等)に対して絶対的な欠陥をもたらすことになるので、
これを極力回避できる解決策が望まれている。本発明
は、このような課題に鑑み、ピンホールの発生を極力抑
え、定量的生産管理を容易に行うことのできる薄膜形成
方法を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、基体上に金属又はその化合
物の薄膜を形成する薄膜形成方法において、基体上に金
属又はその化合物の薄層を形成する第1の薄層形成工程
と、形成された薄層の表面を物理的手段でクリーニング
するクリーニング工程と、クリーニングされた薄層上
に、金属又はその化合物の薄層を形成する第2の薄層形
成工程と、を備えることを特徴としている。
【0007】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載の発明に対して、物理的手段が薄層の表面を繊維でブ
ラッシングすることを特徴としている。また、請求項3
記載の発明は、請求項1記載の発明に対して、物理的手
段が薄層の表面を超音波で洗浄することを特徴としてい
る。
【0008】
【作用】本発明者等は、基体上に金属又はその化合物の
薄膜を形成するときに発生するピンホールについて鋭意
検討した結果、基体上に薄層を形成し、その表面を繊維
でブラッシングしたり超音波で洗浄するといった物理的
手段でクリーニングし、更に薄層を重ねて形成すること
により、形成される薄膜のピンホールは極度に減少し、
しかもピンホールの発生率にバラツキが少ないという意
外な事実を見いだした。
【0009】これは、基体上に薄膜を形成する段階にお
いて、基体自身又は金属もしくはその化合物自身からピ
ンホールの原因となる不純物が発生するため、そのまま
更に薄層を重ねて形成してもピンホールの発生を防止で
きない一方、物理的手段でクリーニングすればその不純
物が除去されるので、その上に更に薄層を重ねて形成す
るとピンホールが極度に低減されるものと推測される。
【0010】請求項1記載の発明によれば、第1の薄層
形成工程で、基体上に金属又はその化合物の薄層が形成
され、クリーニング工程で、形成された薄層の表面が物
理的手段でクリーニングされる。そして、第2の薄層形
成工程で、クリーニングされた薄層上に、金属又はその
化合物の薄層が重ねて形成される。従って、ピンホール
の少ない薄膜が形成される。
【0011】また、クリーニング工程と第2の薄層形成
工程とを繰り返し実行すれば、更にピンホールの少ない
薄膜を形成することができる。また請求項2記載の発明
によれば、クリーニング工程では薄層の表面を繊維でブ
ラッシングし、また請求項3記載の発明によれば、薄層
の表面を超音波で洗浄する。
【0012】物理的手段の中でもこれらの手段を用いる
ことにより、薄膜のピンホールを低減させる効果は特に
大きなものとなる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の薄膜形成方法について具体的
に説明する。本発明の薄膜形成方法において用いる基体
は、プラスチックス,ガラス,セラミックス等を素材と
して一定の形状を有し、その一面上に薄膜を形成させる
電気絶縁体であって、一般にその形状は、フィルム状,
シート状,板状であるが用途によっては曲面構造を有し
ている場合もある。
【0014】また、本発明の薄膜形成方法において用い
る金属又は金属化合物は、薄膜形成技術即ち真空蒸着
法,イオンプレーティング法,化学気相成長法(CV
D),スパッタリング法等によって基体上に薄膜を形成
することのできる金属又はその化合物すべてが該当す
る。従って、本発明は、種々の用途に用いられる種々の
機能を持つ薄膜に適用することができる。
【0015】例えば、電子工業用途として、Cu,C
r,Ni,Au,Pt,Al/Si,Ti/Si等の合
金による薄膜が電極・配線膜に、Cr,Ta,Sn
2,ITO(酸化インジウム錫)等が抵抗膜に、Al
N,AlO2,TiO2,SiO2,BaTiO3,PbT
iO3等が誘電体膜に、Si34,TiO2,Si2等が
電気絶縁膜に、Fe,Co,Ni−Fe等が磁性膜に、
SiC,Ge等がセンサ膜に、Te−C,Te−Se等
が光記録膜に用いられている。
【0016】また、光学工業用途としては、SiO2
TiO2,ZrO2等が無反射耐摩耗コーティング膜に用
いられており、精密機械装飾用途としては、Cr,Ti
N,TiC,WC等が表面硬化膜に、Zn,Cd,T
i,Ta,TiN,SiC等が耐蝕耐熱膜に、Ag,A
u,TiC等が装飾膜に用いられている。ここで、異な
る2種以上の金属及び金属化合物を用いて形成される薄
膜にも本発明は適用することができる。
【0017】本発明において、クリーニングするための
物理的手段とは、薄層自体の表面状態には変化を与え
ず、薄層上のゴミ等、ピンホール発生の原因となるもの
を除去する各種の手段をいい、薄層表面を改質する等の
化学的手段や、溶剤等で薄層表面を溶解除去する等の物
理化学的や、光(コロナ,プラズマ,紫外線)によって
薄層表面を処理する手段とは異なるものである。
【0018】具体的には、繊維によって作られた布状物
品,ブラシ状物品,或は繊維自身(例えば綿状繊維)を
用いて薄層上をブラッシングしたり、これらと共に蒸留
水やアルコール類等を用いてブラッシングしたり、超音
波にかけて薄層面を振動洗浄したり、粘着性ローラで薄
層面をローリングしたり、ゴムシートを用いて薄層面上
をスクィーズしたり、高圧水を薄層面に噴射するといっ
た方法を挙げることができるが、その中でも繊維でブラ
ッシングする方法と超音波洗浄する方法が好ましく特に
前者が好ましい。
【0019】なお、繊維を用いてブラッシングする場
合、薄層面を傷つけないように繊維の形状やブラッシン
グの仕方等を工夫することが望まれる。物理的手段によ
るクリーニングの回数は、薄膜を形成する途中で少なく
とも1回行う必要がある。即ち、本発明の薄膜形成方法
は、基体上に薄層を形成する工程と、クリーニングする
工程と、クリーニングした薄層上に更に薄層を形成する
工程とを有する。従って少なくとも2回の薄層形成工程
を有するため、膜厚を調整することが容易であり、厚い
膜厚の膜を形成することもできる。
【0020】更に、クリーニングの回数を増やし、クリ
ーニング工程と薄層を形成する工程とを繰り返して行う
ことによって、ピンホールを低減する効果は更に大きく
なるが、実質的には、1回のクリーニングでもってピン
ホールの発生を大部分防止することができ、クリーニン
グの回数は実質的には3回以内で十分である。尚、前記
クリーニング工程と、前記第2の薄層形成工程とは基本
的には一体で行われるが、最終工程が該クリーニング工
程で終わってもかまわない。
【0021】又、第1,第2の薄層形成工程は、通常は
所定の時間、連続して1回実施されるが、所定の薄層厚
みが得られない場合には、第2の薄層形成工程の後に該
クリーニング工程を行うことなく、更に同様の薄層形成
工程を繰り返し、所定の厚みを得ることは可能である。
本発明の薄膜形成方法は、非連続式の装置を用いて行う
こともできる。例えばスパッタリング法の場合、真空槽
中にてスパッタリングで基体上に薄層を形成した後、一
旦真空槽から基体を取り出してクリーニングし、再び真
空槽中に入れてスパッタリングするという工程で行うこ
ともできる。
【0022】しかし、連続式の装置を用いて、薄層形成
とクリーニングの処理を真空槽内で連続的に行うことに
よって更に高品質の薄膜を得ることができる。例えば、
真空槽内にロール状のフィルム(例えばPETフィル
ム,ポリイミドフィルム)をセットしておいて、スパッ
タリングして薄層を形成すると共にクリーニングしなが
らこれを巻取り、逆に巻出しながらスパッタリングで薄
層を形成するという工程をとることによって、ピンホー
ルが皆無に近い高品質の薄膜を形成することができる。
【0023】以下、実施例1〜4及び比較例を挙げ、更
に詳しく説明するが、本発明はここに記載する内容に限
定されるものではない。 (実施例1)図1は、本発明の一実施例で用いられるス
パッタリング装置の概略構成図である。
【0024】図に示すように、スパッタリング装置1
は、基体11を装着する基体ホルダ2及びターゲット物
体12を装着するターゲット電極3が格納されたスパッ
タリング槽4と、スパッタリング槽4を高真空まで排気
することのできる真空ポンプ5と、スパッタリング槽4
に所望の圧力で希ガスを封入することのできる希ガス封
入部6と、基体11とターゲット物体12との間に直流
電圧を印加する直流グロー放電デバイス7等から構成さ
れている。
【0025】本実施例の薄膜形成方法では、基体11と
して、厚さ25μm,大きさ100mm×500mmの
ポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製,商品名:カ
プトン)を、ターゲット物体12として銅を用い、これ
をセットした。真空ポンプ5を作動させてスパッタリン
グ槽4内を真空にした後、希ガス封入部6でアルゴンガ
スを封入して圧力を2.0×10-3Torrに調整し、
直流グロー放電デバイス7により印加電力2.0kwで
10秒間放電を行うことによって、スパッタリングを行
った。スパッタリング槽4を大気圧に戻して基体11を
取り出し、形成された銅の薄層の膜厚を測定したところ
0.15μmであった。
【0026】次に、メタノールを含ませたガーゼにて手
動でゆっくりと銅薄層面を往復3回ブラッシングした。
そして再び、基体11をスパッタリング槽4内にセット
して上記と同一の条件でスパッタリング行うことによっ
て、基体11上に薄膜13が形成された。このようにし
て形成された薄膜の膜厚は0.31μmであり、顕微鏡
でピンホールをカウントしたところ、100mm×50
0mmの大きさの中に2個確認された。
【0027】(比較例1)本比較例の薄膜形成方法で
は、スパッタリング装置1を用いて実施例1と同様の方
法で行ったが、途中のガーゼでブラッシングする工程を
行うことなくスパッタリングを2回行った。なお、基体
としてのポリイミドフィルムは予め超音波洗浄を入念に
行いゴミなどの付着のない表面状態にしておいたものを
用いた。
【0028】このようにして基体上に形成された銅の薄
膜は、膜厚が0.33μmであり、顕微鏡でピンホール
をカウントしたところ、100mm×500mmの大き
さの中に290個確認された。 (実施例2)本実施例では、実施例1と同じスパッタリ
ング装置1を用いて行ったが、基体として厚さ9μm,
大きさ180mm×500mmのポリエチレンテレフタ
レートフィルムを用い、ターゲット物体としてITO
(酸化インジウム錫)を用いた。
【0029】本実施例の薄膜形成方法では、まず、スパ
ッタリング槽4内で実施例1と同様の条件で基体上にI
TO薄層を形成した。そして、スパッタリング槽4から
基体を取り出して、形成されたITO薄層の膜厚を測定
したところ0.12μmであった。次に蒸留水中で超音
波洗浄を1分間行った。そして、再び基体をスパッタリ
ング槽4内にセットして上記と同一の条件でスパッタリ
ングを行った。
【0030】このようにして基体上に形成されたITO
薄膜は、膜厚が0.23μmであり、顕微鏡でピンホー
ルをカウントしたところ、180mm×500mmの大
きさの中に5個確認された。 (比較例2)本比較例の薄膜形成方法では、スパッタリ
ング装置1を用いて実施例3と同様に行ったが、途中の
超音波洗浄を行うことなくスパッタリングを2回行っ
た。
【0031】このようにして基体上に形成されたITO
の薄膜は、膜厚が0.24μmであり、顕微鏡でピンホ
ールをカウントしたところ、100mm×500mmの
大きさの中に20個確認された。 (実施例3)本実施例は、イオンプレーティング法によ
って薄膜を形成する例である。
【0032】予め特に洗浄を行っていない直径3インチ
の円形シリコンウエーハ(N形)を基体として、膜材料
としてSiO2を用い、イオンプレーティング槽の中で
ウエーハ面にSiO2の絶縁薄層を形成した。そしてイ
オンプレーティング槽から基体を取り出して薄層の膜厚
を測定したところ0.11μmであった。そして、直ち
に極細繊維で作った布を用いて軽いタッチで、手動で薄
層面を往復3回ブラッシングした。
【0033】そして再び、基体をイオンプレーティング
槽内にセットして上記と同一の条件でイオンプレーティ
ングを行った。このようにして基体上に形成されたSi
O2薄膜は、外観が均一で美しく、その膜厚は0.2μ
mであり、微分干渉顕微鏡で薄膜を観察したところピン
ホールは皆無であった。
【0034】また更に形成された薄膜について次のよう
なチェックを行った。SiO2薄膜が形成されたシリコ
ンウエーハの両面(即ちSiO2薄膜面とその反対側の
面)にアルミニウムをスパッタリングして厚さ1μmの
電極層を形成した。そしてこれを真空中で300℃で3
0分間放置することによりアニーリング処理を行った。
なお、このアニーリング処理は、オーミック接触を形成
するために必要に応じて行われる処理である。
【0035】そして、形成した電極層に電流計を介して
リード線をつなぎ、電極間に200V(DC)の電圧を
印加したところ、電流計には1μA以下の電流しか流れ
なかった。この結果は、ほぼ完全にピンホールのないS
iO2薄膜が形成されていることを立証している。 (比較例3)予め超音波洗浄した以外は実施例3で用い
たものと同様の直径3インチの円形シリコンウエーハ
(N形)を基体として、実施例3の条件と同様に、膜材
料としてSiO2を用い、イオンプレーティング槽の中
でウエーハ面にSiO2の絶縁薄層を形成した。この膜
厚を測定したところ0.1μmであった。
【0036】次に3分間待って再び上記と同一の条件で
イオンプレーティングを行った。このようにして基体上
に形成されたSiO2薄膜は、その膜厚が0.21μm
であり、微分干渉顕微鏡で薄膜を観察したところ1.3
個/cm2の割合でピンホールが検出され、これが薄膜
のほぼ全面に均一に分布していた。また形成された薄膜
について、実施例3と同様に、アルミニウム電極層を形
成し、アニーリング処理を行い、電極間に200V(D
C)の電圧を印加するチェックを行ったところ、電流計
には20mAの電流が流れた。この結果は、SiO 2
膜に形成されたピンホールを通じて電流が流れているこ
とを示している。
【0037】上記実施例3の結果と比較することによ
り、シリコンウエーハ自身を予め十分洗浄し、且つイオ
ンプレーティングによる薄膜形成の途中でイオンプレー
ティング槽から取り出さないという配慮をしたとして
も、薄膜形成の途中で物理的手段によりクリーニングを
行う場合のようにピンホールを極度に低減させることが
できないことがわかる。
【0038】(実施例4)図2は、本実施例で用いられ
る連続式スパッタリング装置の概略構成図である。この
スパッタリング装置20は、基体となるロールフィルム
30を装着してこれを繰出すフィルム繰出部21と、繰
出されたフィルム31を巻取る巻取ローラ22と、ター
ゲット物体を装着しこれに印加してスパッタリングを行
うスパッタリング部23と、繰出されたフィルム31を
導く一対のガイドローラ24と、スパッタリングでフィ
ルム上に形成された薄層をブラッシングする一対のブラ
ッシングローラ25,26と、これらの各部を収納する
スパッタリング槽27と、槽内を真空にする真空ポンプ
28と、槽内に希ガスを封入する希ガス封入部29とか
ら構成されている。
【0039】一対のガイドローラ24は、スパッタリン
グ部23を挟んでその両側に配置されており、スパッタ
リング部23でスパッタリングできるようフィルム31
をガイドしている。また、ブラッシングローラ25,2
6は、極めてクッション性に富むローラの全周囲に、布
状の極細繊維をシームレス状に巻き付けたものであっ
て、ブラッシングローラ25は巻取ローラ22側に、ブ
ラッシングローラ26はフィルム装着部21側に設置さ
れている。
【0040】なお、図示はしないが、フィルム繰出部2
1,巻取ローラ22,ガイドローラ24は各々駆動モー
タにつながれ、回転速度を外部からコントロールできる
ようになっている。また、ブラッシングローラ25,2
6も各々駆動モータにつながれ、別の回路で外部からコ
ントロールできるようになっている。また、フィルム3
1の走行位置やテンションを調整するための補助ローラ
も適宜設置されている。
【0041】本実施例で用いるロールフィルム30は、
実施例1と同じ材質のポリイミドフィルムであって、幅
200mm,長さ10mのフィルムをロール状に巻き付
けたものである。またターゲット物体は実施例と同様、
銅を用いる。本実施例の薄膜形成方法は、まずスパッタ
リング装置20にロールフィルム30及びターゲット物
体を装着し、スパッタリング槽27内を真空にし、アル
ゴン封入して内圧を2×10-3Torrに調整した。
【0042】ロールフィルム30の繰出し速度を1.0
m/分、ブラッシングローラ25の回転数を300回/
分、スパッタリング部23での印加電力を2.0kw
(DC)に設定して、1回目のスパッタリングを開始し
た。このとき、ロールフィルム30から繰出されたフィ
ルム31には、スパッタリング部23を通過するときに
銅の薄層が形成され、形成された薄層面はブラッシング
ローラ25でブラッシングされ、フィルム31は巻取ロ
ーラ22で巻取られた。なお、ブラッシングローラ25
でブラッシングする圧力は、薄膜に傷がつかないよう適
当な圧力を予め求めておいて、その圧力となるように調
整した。
【0043】このようにフィルムを巻取りながらスパッ
タリングすることによって、巻取ローラ22には薄層が
形成された9mのフィルムが巻取られた。次に、巻取ロ
ーラ22に巻取られたフィルムを、フィルム繰出部21
に巻戻しながら、2回目のスパッタリングを行った。こ
こでの条件は1回目のスパッタリングと同様であるがブ
ラッシングローラ25を用いず、ブラッシングローラ2
6を用いてブラッシングした。
【0044】このようにして2回目のスパッタリングを
終えた後、再びフィルム繰出部21から繰出し、巻取ロ
ーラ22に巻取りながら3回目のスパッタリングを行っ
た。3回目のスパッタリングは、1回目のスパッタリン
グと同様の条件で行ったが、ブラッシングローラ25,
26は用いなかった。このようにして、巻取ローラ22
に巻取られたフィルムには、9mにわたって厚さ0.3
2μmの銅薄膜が形成されており、顕微鏡でピンホール
をカウントしたところ、全体の中に5個確認されただけ
であった。
【0045】以上の実施例1〜4及び比較例1〜3の薄
膜形成条件や効果について、表1にまとめた。
【0046】
【表1】 実施例1〜3と比較例1〜3とのピンホール発生結果を
比べると、実施例1〜3の薄膜形成方法では薄膜のピン
ホールが極度に減少していることがわかる。なお、上記
実施例1〜3及び比較例1〜3において測定した膜厚や
ピンホールの発生個数の値は、数回試験した平均値であ
って、実施例1〜3においてはピンホールの発生個数の
バラツキはほとんどなく、比較例1〜3においてはピン
ホールの発生率にバラツキが多いことも確認した。
【0047】(その他の事項)なお、本発明は、基材の
素材の種類に係わらず適用することができ、素材による
効果の差が見られないことも確かめた。また、薄膜形成
の途中で、薄膜の表面を化学的或は物理化学的な手段で
クリーニングする場合には、上記実施例のように物理的
手段でクリーニングする場合のように顕著な効果は得ら
れないことも確かめた。
【0048】このように、薄膜形成の途中で、しかも物
理的手段によるクリーニングによってはじめてピンホー
ル低減に対する大きな効果が生じるのは、ピンホール発
生の原因が、薄膜形成に伴って基体等から発生するもの
にあり、物理的手段によるクリーニングでそれが除かれ
るためと推測される。ただし、本発明による薄膜形成方
法を実施する上において、クリーンな環境で行い、基体
自身をクリーニングしておくことが好ましいことではあ
ることは勿論である。
【0049】
【発明の効果】本発明の薄膜形成方法によれば、薄膜形
成の途中で、薄層の表面を少なくとも1回、繊維でブラ
ッシングしたり超音波で洗浄する等、物理的手段でクリ
ーニングすることによって、従来から行われている薄層
形成前に行う物理的,物理化学的,或は化学的な手段で
基体自身をクリーニングしたり、環境をクリーンにした
りすることによっては達成できなかった顕著なピンホー
ル低減効果を達成することができ、高品質高性能の薄膜
を形成するのに大きく寄与する。
【0050】しかも如何なる薄膜形成条件においても最
終的に得ることのできる薄膜基体のピンホール欠点数
は、バラツクことなく常に管理状態にその品質が保持さ
れるので、定量的生産管理が可能となる。この薄膜形成
技術は、電子工業分野での品質性能に対する要求、中で
もピンホールに対する厳しい要求に対して応えることの
できるので、その実用的効果が大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例で用いられるスパッタリング
装置の概略構成図である。
【図2】実施例4で用いられる連続式スパッタリング装
置の概略構成図である。
【符号の説明】
1 スパッタリング装置 4 スパッタリング槽 7 直流グロー放電デバイス 20 連続式スパッタリング装置 23 スパッタリング部 25,26 ブラッシングローラ 27 スパッタリング槽
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H05K 3/16 6921−4E H05K 3/16 (72)発明者 西 憲一 滋賀県守山市森川原町163番地 グンゼ株 式会社滋賀研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体上に金属又はその化合物の薄膜を形
    成する薄膜形成方法において、 基体上に金属又はその化合物の薄層を形成する第1の薄
    層形成工程と、 形成された薄層の表面を物理的手段でクリーニングする
    クリーニング工程と、 クリーニングされた薄層上に、金属又はその化合物の薄
    層を形成する第2の薄層形成工程と、 を備えることを特徴とする薄膜形成方法。
  2. 【請求項2】 前記物理的手段が薄層の表面を繊維でブ
    ラッシングすることを特徴とする請求項1記載の薄膜形
    成方法。
  3. 【請求項3】 前記物理的手段が薄層の表面を超音波で
    洗浄することを特徴とする請求項1記載の薄膜形成方
    法。
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