JPH0937780A - 耐熱性マルトースホスホリラーゼ、その製造方法、その製造に使用する菌、および該酵素の使用方法 - Google Patents
耐熱性マルトースホスホリラーゼ、その製造方法、その製造に使用する菌、および該酵素の使用方法Info
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Abstract
ずれかの温度で15分処理後に無処理の80%以上の活
性を有する耐熱性トレハロースホスホリラーゼ、および
その製造方法、その製造に使用する菌、および該酵素を
用いるβ−グルコース−1−リン酸およびトレハロース
の製造方法。 【効果】 この酵素を用いて高い反応温度で酵素反応を
行うことにより、β−グルコース−1−リン酸またはト
レハロースを、雑菌汚染の低減、反応時間の短縮化を図
りつつ、工業的に有利に製造することができる。
Description
たマルトースホスホリラーゼ、その製造方法、その製造
に使用する菌、およびその使用方法に関するものであ
り、さらに詳しくは、バチルス属に属する好熱性細菌が
産生する高い熱安定性を有する新規なマルトースホスホ
リラーゼ、その製造方法、該好熱性細菌、および該酵素
を用いるβ−グルコース−1−リン酸またはトレハロー
スの製造方法に関する。
虫等に広く分布する二糖類で、他の二糖類に比べて安定
なことから蛋白質等の乾燥保護剤(特表昭63−500
562)としての利用等が考えられている有用な糖質で
ある。従来、トレハロースを調製する方法としては、酵
母からの抽出法(特開平5−292986)、細菌によ
る発酵法(特開平5−211882)等が知られてい
る。しかし、これらの方法で調製したトレハロースは、
大量生産が操作的、設備的に困難である、不純物除去工
程が複雑である等の理由から製造コストが高くなり、非
常に高価であるため食品用途には利用することができな
かった。
な方法として酵素法が挙げられる。その一つとして、マ
ルトースホスホリラーゼとトレハロースホスホリラーゼ
を用いた同時反応法がある(特公昭63−6099
8)。この方法は2種類のホスホリラーゼがそれぞれマ
ルトースとトレハロースに作用して可逆的に加リン酸分
解し、グルコースとβ−グルコース−1−リン酸を生じ
る反応を利用したもので、安価な原料であるマルトース
に両酵素を同時に作用させるとトレハロースが生成する
というものである。
リラーゼとしては、ラクトバチルス・ブレビス(Lac
tobacillus brevis)ATCC828
7(Agr.Biol.Chem,37(12),28
13〜2819,1973)、ラクトバチルス・サンフ
ランシスコ(Lactobacillus sanfr
ancisco)(特開平1−91778)、ラクトバ
チルス・ブレビス(Lactobacillus br
evis)DMS20054、NCIB8836、85
61、8562、ラクトバチルス・プランタルム(La
ctobacillus plantarum)DMS
20174、微工研菌寄第4628号、ラクトバチルス
・レウテリ(Lactobacillus reute
ri)DSM20016、ラクトバチルス・フエルメン
テユム(Lactobacillus ferment
um)DMS20052、ストレプトコックスspe
c.(Streptococcus spec.)微工
研菌寄第4624号、微工研菌寄第4625号、微工研
菌寄第4626号、微工研菌寄第4627号(特公昭6
0−54036)、プレシオモナス(Plesiomo
nas)SH−35(日本農芸化学会誌,69(臨時増
刊号),28,1995;Oyo Toshitsu
Kagaku,42(1),19〜25,1995)が
生産するものが挙げられる。
詳細に調べられているのはラクトバチルス・ブレビスA
TCC8287(Agr.Biol.Chem,37
(12),2813〜2819,1973)、ラクトバ
チルス・サンフランシスコ(特開平1−91778)、
およびプレシオモナスSH−35(日本農芸化学会誌,
69(臨時増刊号),28,1995)が生産するもの
だけである。これらの酵素の熱安定性は、いずれも40
℃以下と低く、これらの酵素を用いてトレハロース製造
を行った場合、反応温度が低いため製造工程での雑菌汚
染の可能性が高いといった問題があり、工業的製造条件
で利用するのは困難である。
に、且つ、工業的規模で製造する方法としてはマルトー
スを原料としてマルトースホスホリラーゼとトレハロー
スホスホリラーゼを用いた酵素法が最も有効であると考
えられる。一方、工業的に酵素反応で生産を行う場合、
雑菌汚染の低減の目的から、反応温度の高温化が一般的
に採られている。また、反応温度の高温化は、基質と生
産物の溶解度を上げて単位体積当たりの仕込量を多くす
ることができる、酵素反応速度が早くなり反応時間の短
縮化ができる等の利点があり、コスト的にも有利であ
る。このように高温での酵素反応でトレハロースの製造
を行うためには、高い熱安定性を有する耐熱性トレハロ
ースホスホリラーゼが要求される。しかし、前述のラク
トバチルス属およびプレシオモナス属起源のマルトース
ホスホリラーゼは熱安定性は必ずしも高くない。従っ
て、実際の高温酵素反応に適する酵素、具体的には55
℃以上で安定な酵素の提供が求められていた。
性を有し、マルトースからグルコースとβ−グルコース
−1−リン酸を生成する耐熱性マルトースホスホリラー
ゼを自然界より探索した結果、好熱性バチルス属細菌が
上記目的にかなう酵素をよく生産することを見出し、本
発明を完成した。そして、このような菌株を液体培養す
ることにより耐熱性マルトースホスホリラーゼを生産さ
せ、これを必要に即して精製、純化或いは固定化するこ
とにより、トレハロースの製造に利用することができる
ことを見出した。すなわち、本発明は、新規な耐熱性マ
ルトースホスホリラーゼ、該酵素の製造方法、該酵素の
製造に使用する菌、および該酵素を用いるβ−グルコー
ス−1−リン酸およびトレハロースの製造方法を提供す
るものである。
の性質は以下の通りである。耐熱性マルトースホスホリ
ラーゼとしては実施例1で得たバチルスsp.RK−1
より調製したものを使用した。なお、マルトースホスホ
リラーゼ活性は以下のように測定した。酵素溶液0.4
mlと0.5Mリン酸カリウム・クエン酸緩衝液(pH
6.0)0.06ml、2W/V %マルトース0.6m
l、蒸留水0.14mlを混合し、60℃、15分反応
後10分間の煮沸によって反応を停止させた。次に、こ
の反応停止液から0.02mlを採取し、グルコース検
査試薬(グルコースCII−テストワコー;和光純薬工業
(株))を3ml加え、室温で20分間反応させた後、
505nmでの吸光度を分光光度計を用いて測定し、該
測定値から反応液中の生成グルコース量を測定した。生
成したグルコースの量から、1分間に1μmolのマル
トースを加リン酸分解する酵素量を求め、これを1単位
とした。またホスホリラーゼであることを確認するため
反応終了後の反応液を陰イオン交換カラムで分離後、示
差屈折計を検出手段とする高速液体クロマトグラフィー
によりβ−グルコース−1−リン酸を定量した。
分解する。すなわち、リン酸存在下でマルトースに作用
させると、等モルのグルコースとβ−グルコース−1−
リン酸を生成し、グルコースとβ−グルコース−1−リ
ン酸に作用させると、等モルのトレハロースとリン酸を
生成する。
ルトース、セロビオース、スクロース、p−ニトロフェ
ニル−α−D−グルコシド、p−ニトロフェニル−β−
D−グルコシド等を基質として加リン酸分解反応を行っ
たところ、マルトース以外にはグルコースの生成がほと
んど認められなかった(表1)。 (3)至適温度 25mMリン酸カリウム・クエン酸緩衝液(pH6.
0)中で各種温度(40〜85℃)で反応させたとこ
ろ、マルトース加リン酸分解反応の至適温度は55℃〜
70℃付近で、50℃〜70℃の範囲で最高活性の約5
0%以上を示した(図1)。 (4)熱安定性 10mM酢酸緩衝液(pH6.0)中でインキュベート
し、残存活性を測定したところ、60℃、15分間処理
で無処理の80%以上の活性を示した(図2)。
〜8.0)または25mMトリス・塩酸緩衝液(pH
7.5〜9.0)を用いて反応を行ったところ、至適p
Hは6.0〜7.0であった(図3)。 (6)pH安定性 100mMリン酸カリウム・クエン酸緩衝液(pH4.
0〜8.0)と100mMトリス・塩酸緩衝液(pH
7.5〜9.0)を用いて4℃で24時間インキュベー
トし、各pHでの残存活性を測定したところ、本酵素は
pH5.5〜8.0で安定であった(図4)。 (7)分子量 Superdex200pg(ファルマシア バイオテ
ク(株))を用いたゲルろ過クロマトグラフィーによ
り、各種標準タンパク質との相対溶出保持時間から分子
量を求めた結果、本酵素の分子量は15万〜19万であ
った。また、SDSゲル電気泳動により、各種標準タン
パク質との相対移動度から分子量を求めた値は7.5万
〜9.5万であった。上記ゲルろ過クロマトグラフィー
とSDSゲル電気泳動の結果より、本酵素は通常2量体
を形成しているものと考えられる。 (8)失活 100℃、10分間の加熱で100%失活する。 (9)等電点 精製酵素をMono P HR5/20カラム(ファル
マシア バイオテク(株))による等電点クロマトグラ
フィーにかけ、展開緩衝液で活性が溶出された画分のp
Hから、等電点は4.7〜5.1であった。 (10)阻害剤 1mMのHgCl2 で99%、ZnSO4 で37%の活
性阻害が見られた(表2)。
および従来公知の微生物由来のマルトースホスホリラー
ゼの酵素学的性質を比較して表3および表4に示す。表
3および表4から明らかなように、本発明の耐熱性マル
トースホスホリラーゼは、既知のマルトースホスホリラ
ーゼと比べ、少なくとも起源とする菌種、至適温度及び
熱安定性が異なるので、新規であると判断された。
は耐熱性マルトースホスホリラーゼ産生能を有する微生
物を栄養培地に培養し、培養物から生成した耐熱性マル
トースホスホリラーゼを採取することによって製造され
る。製造に使用される微生物としてはバチルス属に属
し、耐熱性マルトースホスホリラーゼ産生能を有する微
生物であればいずれの微生物でもよい。具体的には、本
発明者らが茨城県の土壌より分離したRK−1株、およ
び千葉県の土壌より分離したMK−1株が挙げられる。
これらの菌株の菌学的性質は表5に示す通りである。こ
れらの性質より、「バージェーズ・マニュアル・オブ・
システマティック・バクテリオロジー」VOL2(19
86)に基づき、両菌株ともバチルス属に属する細菌で
あると同定したが、種については、これまでに報告され
たものと性状が一致せず、新規な種であると判断した。
すなわち、上記バージェース・マニュアルによると、バ
チルス属の菌で増殖可能な培養温度がRK−1株と一致
するものは、バチルス・コアギュランス(B.coag
ulans)およびバチルス・リッケンフォリミス
(B.licheniformis)である。しかし、
バチルス・リッケンフォリミスはpH5.7および7%
NaClで増殖する、プロピオン酸塩、クエン酸塩を利
用する、ゼラチンを液化するといった性質を示すためR
K−1株とは異なると判断できる。また、バチルス・コ
アギュランスはpH5.7で増殖し、5%NaClで増
殖しないことからRK−1株と異なると判断できる。ま
た、増殖可能な培養温度がRK−1株と一致するMK−
1株も、上記の点のいくつか等においてバチルス・コア
ギュランスおよびバチルス・リッケンフォリミスと異な
る。両菌株とも55℃の温度で増殖可能であったため、
好熱性細菌であり、それぞれバチルスsp.RK−1、
バチルスsp.MK−1と命名した。これらRK−1株
およびMK−1株は、通産省工業技術院生命工学工業技
術研究所に、それぞれFERM P15044およびF
ERM P15045として寄託されている。
ず、野性株例えば上記野性株を紫外線、エックス線、放
射線、薬品〔NTG(N−メチル−N´−ニトロ−N−
ニトロソグアニジン)、EMS(エチル メタンスルホ
ネート)等〕等を用いる既知の人工的変異手段で変異し
た変異株も、耐熱性マルトースホスホリラーゼ産生能を
有する限り使用できる。
源、窒素源、無機物、および必要に応じ使用菌株の必要
とする微量栄養素を程よく含有するものであれば、天然
培地、合成培地のいずれでもよい。炭素源としてはマル
トース、グルコース、フラクトース、糖 、デンプン、
デキストリン、グリセリン等の炭水化物等が用いられ
る。窒素源としては塩化アンモニウム、硫酸アンモニウ
ム、尿素、硝酸アンモニウム、硝酸ナトリウム、グルタ
ミン酸などのアミノ酸、尿酸などの無機有機窒素化合物
が用いられる。
肉エキス、酵母エキス、コーンスチープリカー、大豆
粉、大豆粕、乾燥酵母、カザミノ酸、ソリュブルベジタ
ブルプロテイン等の窒素含有天然物も使用できる。無機
物としてはリン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウ
ム、硫酸マグネシウム、硫酸第一鉄、硫酸マンガン、硫
酸亜鉛、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウ
ム等が用いられる。その他にビオチン、チアミン等の微
量栄養素を必要に応じ使用する。
をマルトースホスホリラーゼの誘導物質として存在せし
めることなしに、耐熱性マルトースホスホリラーゼを生
産することが可能であるが、マルトースの存在によっ
て、耐熱性マルトースホスホリラーゼの生成量を増加せ
しめることができる場合がある。
しくは通気攪拌培養法)がよく、工業的には通気攪拌培
養法が最も適している。培養温度は30〜60℃の範囲
で行うことができるが、50〜55℃が好適である。p
Hは6.5〜7.5が好適である。培養期間は培養条件
によって変わってくるが、通常15〜48時間程度であ
り、耐熱性マルトースホスホリラーゼの生成が確認され
たとき、好ましくは生成が最大に達したときに培養を停
止する。
の耐熱性マルトースホスホリラーゼを採取するには、ま
ず遠心分離法やろ過法などにより培養物を培養液画分と
菌体画分に分画する。耐熱性マルトースホスホリラーゼ
は前述の両画分に検出されるが、主に培養液画分から得
られるので、この画分をさらに、限外ろ過、塩析、透
析、溶媒沈澱、イオン交換クロマトグラフィー、疎水性
クロマトグラフィー、ゲルクロマトグラフィー、吸着ク
ロマトグラフィー、等電点クロマトグラフィー等の周知
の単離・精製方法の単独或いは組み合わせに付すことに
より、耐熱性マルトースホスホリラーゼの濃縮或いは精
製標品を得ることができる。本発明の耐熱性マルトース
ホスホリラーゼの単離・精製の具体例を実施例1に示
す。
で、50〜60℃のいずれかの温度で15分処理後に無
処理の80%以上の活性を有する耐熱性マルトースホス
ホリラーゼの存在下に、マルトースとリン酸もしくはリ
ン酸塩とを、水性媒体中で、55〜70℃、pH4.5
〜8.0で反応させることを特徴とするβ−グルコース
−1−リン酸の製造方法に関する。この場合に用いられ
る耐熱性マルトースホスホリラーゼとしては、pH6.
0の緩衝液、例えば10mMリン酸カリウム・クエン酸
緩衝液(pH6.0)中で、50〜60℃のいずれかの
温度で、好ましくは55〜60℃のいずれかの温度で、
特に60℃で、15分処理後に無処理の80%以上の活
性を有するものが好適に用いられる。具体的には上記
(1)〜(10)の酵素化学的性質のうち、少なくとも
(1)〜(6)、または少なくとも(1)〜(7)の性
質を有する酵素が挙げられる。これらの酵素は精製酵素
であっても、上記β−グルコース−1−リン酸の製造方
法に悪影響を及ぼさない他の酵素を含有した粗酵素であ
ってもよい。粗酵素としては上記培養液画分等の耐熱性
マルトースホスホリラーゼ含有画分から塩析または溶媒
沈澱により沈澱させた粗酵素、またはこれをさらに前記
のような精製手段で精製した精製途中段階の粗酵素が挙
げられる。さらにこれらの酵素を常法により担体に固定
化した固定化酵素を用いることも可能である。
トース含有物(例えばマルトース高含有糖液)を用いる
ことができる。リン酸塩としてはリン酸三カリウム(も
しくはナトリウム)、リン酸水素二カリウム(もしくは
ナトリウム)、リン酸二水素カリウム(もしくはナトリ
ウム)等の水溶性リン酸塩を用いることができる。水性
媒体としては水、緩衝液等が挙げられる。緩衝液として
は酢酸緩衝液、リン酸カリウム・クエン酸緩衝液、クエ
ン酸緩衝液、コハク酸緩衝液、トリス・塩酸緩衝液等を
用いることができる。
が、マルトース1gに対し、0.1〜50単位、好まし
くは1〜20単位使用するのが適当である。リン酸およ
び/またはリン酸塩はマルトースに対して、特に制限な
いが、0.1〜10倍モル、好ましくは0.5〜2倍モ
ル使用するのが適当である。なお、緩衝液がリン酸
(塩)を含有する緩衝液、例えばリン酸カリウム・クエ
ン酸緩衝液の場合には系中のリン酸およびリン酸塩の総
量が上記範囲であればよい。上記反応は雑菌汚染を避け
ると共に収率を上げるため55〜70℃、好ましくは5
5〜65℃、さらに好ましくは60〜65℃でおこな
う。pHは一般に4.5〜8.0、好ましくは5.0〜
6.0で行うのが適当である。さらに具体的には、温度
55〜60℃ではpH4.5〜5.0で、温度60〜6
5℃ではpH5.0〜5.5で、温度65〜70℃では
pH5.5〜6.5で行うのが、雑菌汚染の防止上さら
に好ましい。上記条件下で十分なβ−グルコース−1−
リン酸の生成が見られた時点で反応を終了するが、反応
は通常1〜144時間で終了する。
活、pHの低下(塩酸等の酸の添加)による酵素の失活
等の適当な手段で反応を停止させ、活性炭処理、イオン
交換樹脂処理等の単離・精製手段を適宜組み合わせて、
β−グルコース−1−リン酸を得ることができる。
で、50〜60℃のいずれかの温度で15分処理後に無
処理の80%以上の活性を有する耐熱性マルトースホス
ホリラ−ゼ、および耐熱性トレハロースホスホリラーゼ
の存在下に、マルトースとリン酸もしくはリン酸塩と
を、水性媒体中で、55〜70℃、pH4.5〜8.0
で反応させることを特徴とするトレハロースの製造方法
に関する。上記において耐熱性マルトースホスホリラー
ゼとしては、上記β−グルコース−1−リン酸の製造方
法におけると同様のものを用いることができる。耐熱性
トレハロースホスホリラーゼとしては、上記反応温度の
いずれかで、および上記pH範囲のいずれかで、耐熱性
マルトースホスホリラーゼの助力の下に、マルトースと
リン酸もしくはリン酸塩からトレハロースを産生し得る
ものであればよい。しかしながら、好適には、pH6.
0の緩衝液中で50〜65℃のいずれかの温度で、好ま
しくは55〜65℃のいずれかの温度で、さらに好まし
くは60〜65℃のいずれかの温度で、特に65℃で、
15分処理後に無処理の95%以上の活性を有する耐熱
性トレハロースホスホリラーゼを用いることができる。
かかる性質を有する耐熱性トレハロースホスホリラーゼ
の例として、本発明者らによって見出されたバチルス・
ステアロサーモフィラスSK−1(FERM P−14
567)が産生する耐熱性トレハロースホスホリラーゼ
を挙げることができる。この耐熱性トレハロースホスホ
リラーゼの製造例を実施例4(粗酵素)および参考例1
(精製酵素)に示す。この精製酵素の至適温度、熱安定
性、至適pHおよびpH安定性は以下の通りである。
0)中で各種温度(40〜90℃)で反応させたとこ
ろ、トレハロース加リン酸分解反応の至適温度は70℃
〜75℃付近で、60℃〜75℃の範囲で最高活性の約
50%以上を示した(図6)。 (2)熱安定性 10mMリン酸カリウム・クエン酸緩衝液(pH6.
0)中でインキュベートし、残存活性を測定したとこ
ろ、65℃、15分間処理で無処理の95%以上の活性
を示した(図7)。 (3)至適pH 25mMリン酸カリウム・クエン酸緩衝液(pH4.0
〜7.7)及び25mMトリス・塩酸緩衝液(pH7.
7〜9.0)を用いて60℃で反応を行ったところ、至
適pHは6.5〜7.5であった(図8)。 (4)pH安定性 100mMリン酸カリウム・クエン酸緩衝液(pH4.
0〜8.0)及び100mMトリス・塩酸緩衝液(pH
7.5〜9.0)を用いて60℃で24時間インキュベ
ートし、各pHでの残存活性を測定したところ、本酵素
はpH6.0〜8.0で安定であった(図9)。
性マルトースホスホリラーゼと同様、精製酵素であって
も粗酵素であってもよく、これらの精製酵素、粗酵素は
耐熱性マルトースホスホリラーゼの場合と同様にして得
ることができる。マルトース、リン酸もしくはリン酸
塩、および水性媒体としては、上記β−グルコース−1
−リン酸の製造方法におけると同様のものを用いること
ができる。
が、マルトース1gに対して、各酵素とも、0.1〜5
0単位、好ましくは1〜20単位使用するのが適当であ
る。また、耐熱性マルトースホスホリラーゼと耐熱性ト
レハロースホスホリラーゼとの使用比率は特に制限ない
が、単位の比で前者:後者=1:5〜5:1、好ましく
は1:2〜2:1が適当である。なお、トレハロースホ
スホリラーゼ活性は以下のように測定した。酵素溶液
0.4mlと0.5Mリン酸カリウム・クエン酸緩衝液
(pH6.0)0.06ml、2w/v %トレハロース
0.6ml、蒸留水0.14mlを混合し、60℃、2
0分反応後10分間の煮沸によって反応を停止させた。
次に、この反応停止液から0.02mlを採取し、グル
コース検査試薬(グルコースCII−テストワコー;和光
純薬工業(株))を3ml加え、室温で20分間反応さ
せた後、505nmでの吸光度を分光光度計を用いて測
定し、該測定値から生成グルコース量を求めた。またト
レハロースホスホリラーゼ活性の定義については、上記
測定条件下で1分間に1μmolのトレハロースを加リ
ン酸分解する酵素量を1単位とした。
トレハロースホスホリラーゼはマルトースに対して同時
に添加して反応を行ってもよく、マルトースにまず耐熱
性マルトースホスホリラーゼを作用させ、ついで耐熱性
トレハロースホスホリラーゼを添加して反応を行っても
よい。耐熱性トレハロースホスホリラーゼを後から添加
する場合、添加時期については特に制限ないが、効率
上、β−グルコース−1−リン酸の生成が最大になる時
点までには添加するのが好ましい。リン酸もしくはリン
酸塩のマルトースに対して、特に制限はないが、0.0
01〜1倍モル、好ましくは0.005〜0.5倍モル
使用するのが適当である。反応温度、反応pH、反応時
間はβ−グルコース−1−リン酸の製造の場合と同様に
して行うことができる。反応終了後のトレハロースの単
離・精製は活性炭処理、イオン交換処理、エタノール晶
出処理等の手段を適宜組み合わせて行うことができる。
する。 実施例1 バチルスsp.RK−1(FERM P−15044)
による耐熱性マルトースホスホリラーゼの製造及び精製
は以下のようにして行った。 (培養)酵母エキス1w/v %、ポリペプトン2w/v %、
マルトース1w/v %を含有する培地(pH7.0)10
0mlを500mlバッフル付きマイヤーフラスコに入
れ、121℃、20分間オートクレープ殺菌したもの
に、バチルスsp.RK−1を1白金耳植菌し、55℃
にて16時間振盪培養したものを種培養液とした。容量
5Lのファーメンターに、種培養の場合と同組成の培地
約3Lを入れて滅菌し、温度を55℃とした後、種培養
液2v/v %を接種し、55℃、pH6.0〜7.0に保
持しながら18時間通気攪拌培養した。
心分離して菌体を除去し、上清に硫安を40〜60%飽
和になるよう溶解し、生じたタンパク質の沈澱を遠心分
離によって回収して、10mM酢酸緩衝液(pH6.
0)に溶解後、同じ緩衝液に対して透析を行い、濃縮後
約300単位/mlの粗酵素液を20ml得た。 (イオン交換クロマトグラフィー)10mM酢酸緩衝液
(pH6.0)によって平衡化した、TSKgelDE
AEトーヨーパール650M(東ソー(株))を詰めた
カラムに、粗酵素液を添加し、0〜0.5M NaCl
の上昇濃度勾配によって溶出し、溶出液を分取した。活
性のある画分を合わせ、限外ろ過膜を用いて濃縮・脱塩
後、さらに、一連の同じクロマトグラフィー操作を行い
精製度を上げた。
NaClを溶解した10mM酢酸緩衝液(pH6.0)
によって平衡化したSuperdex200pgカラム
(ファルマシア バイオテク(株))に、上記部分精製
酵素液を添加し、同じ緩衝液で溶出し、溶出液を分取し
た。活性のある画分を、限外ろ過膜を用いて濃縮・脱塩
した。 (等電点クロマトグラフィー)25mMビス・トリス塩
酸緩衝液(pH7.1)によって平衡加したMonoP
HR5/20カラム(ファルマシア バイオテク
(株))に、上記部分精製酵素液を添加し、pH4.0
に調整した展開緩衝液(Polybuffer)(ファ
ルマシア バイオテク(株))で溶出し、溶出液を分取
した。活性のある画分を、限外ろ過膜を用いて濃縮・脱
塩した。 (ネイティブポリアクリルアミドゲル電気泳動)上記精
製酵素溶液をネイティブポリアクリルアミドゲル電気泳
動し、ゲルをCBB(クマシーブリリアントブルー)染
色してタンパク質のバンドを調べたところ、一本のバン
ドしか検出されず、単一タンパク質であることが確認で
きた。
精製酵素液0.4mlと0.5Mリン酸クエン酸緩衝液
(pH6.0)0.06ml、2w/v %マルトース0.
6ml、蒸留水0.14mlを混合し、60℃、15分
反応後、10分間の煮沸によって反応を停止させた。次
に、この反応停止液から0.02mlを採取し、グルコ
ース検査試薬(グルコースCII−テストワコー;和光純
薬工業(株))を3ml加え、室温で20分間反応させ
た後、505nmでの吸光度を分光光度計を用いて、反
応液中のグルコース量を測定した。また、反応停止液の
一部を陰イオン交換カラムを用いた高速液体クロマトグ
ラフィー〔TSKgel SAX(150×6.0mm
φ)(東ソー(株))、溶離液0.1M酢酸カリウム水
溶液(pH5.0)、流速1.0ml/min、カラム
温度30℃〕で分離後、示差屈折計〔Shodex(昭
和電工(株))〕でβ−グルコース−1−リン酸を検出
し、定量した。その結果、反応停止液中のグルコース含
量とβ−グルコース−1リン酸含有量は等しく、精製酵
素はマルトースホスホリラーゼであることが確認され
た。
による耐熱性マルトースホスホリラーゼの製造は以下の
ようにして行った。酵母エキス1w/v %、ポリペプトン
2w/v %、マルトース1w/v %を含有する培地(pH
7.0)100mlを500mlバッフル付きマイヤー
フラスコに入れ、121℃、20分間オートクレーブ殺
菌したものに、バチルスsp.MK−1を1白金耳植菌
し、55℃で16時間振盪培養したものを種培養液とし
た。容量5Lのファーメンターに、種培養の場合と同組
成の培地約3Lを入れて滅菌し、温度を55℃とした
後、種培養液2v/v %を接種し、55℃、pH6.0〜
7.0に保持しながら48時間通気攪拌培養した。培養
終了後、培養物を遠心分離して菌体を分離した。この菌
体を洗浄後、10mM酢酸緩衝液に懸濁し、超音波処理
によって細胞を破砕し、遠心分離によって固形分を除去
して粗酵素液20mlを調製した。この粗酵素液は約1
0単位/mlのマルトースホスホリラーゼ活性を有して
いた。
酵素液(硫安分画段階のもの)を用いて、基質のマルト
ースに作用させβ−グルコース−1−リン酸の生産を試
みた。反応液はマルトース濃度30w/v %、酵素10u/
g 、リン酸濃度0.5M、pH6.0となるように1M
リン酸カリウム緩衝液(pH6.0)で調整し、60℃
で4時間反応を行った。反応の停止は10分間100℃
に加熱して行った。反応終了後、反応液の一部を陰イオ
ン交換カラムを用いた高速液体クロマトグラフィー〔T
SKgel SAX(150×6.0mmφ)(東ソー
(株))、溶離液0.1M酢酸カリウム水溶液(pH
5.0)、流速1.0ml/min、カラム温度30
℃〕で分離後、示差屈折計〔Shodex(昭和電工
(株))〕に付して、β−グルコース−1−リン酸の定
量を行ったところ、β−グルコース−1−リン酸が4.
6w/v %生成していた。反応液をイオン交換カラムTS
Kgel SAX(200×55mmφ)(東ソー
(株))、溶離液0.1M酢酸カリウム水溶液(pH
5.0)、流速10.0ml/minの条件でクロマト
グラム分離し、β−グルコース−1−リン酸画分を分取
した。この溶液を20%NaOHでpHを8.5に調整
した後、2倍容量のエタノールを加え0〜4℃に24時
間放置して、沈澱してくるβ−グルコース−1−リン酸
2ナトリウム塩を遠心分離により回収した。その結果、
収率90%で純度95%以上のβ−グルコース−1−リ
ン酸2ナトリウム塩を得た。
0.12w/v %、ポリペプトン0.4w/v %、NaCl
0.2w/v%を含有する培地(pH7.0)100m
lを500mlバッフル付きマイヤーフラスコに入れ、
121℃、20分間オートクレーブ殺菌したものに、バ
チルス・ステアロサーモフィラスSK−1(FERM
P−14567)を1白金耳植菌し、55℃で16時間
振盪培養したものを種培養液とした。容量5Lのファー
メンターに、酵母エキス1w/v %、ポリペプトン2w/v
%、トレハロース1w/v %を含有する培地(pH7.
0)約3Lを入れて滅菌し、温度を55℃とした後、種
培養液2v/v %を接種し、55℃、pH6.0〜7.0
に保持しながら40時間通気攪拌培養した。培養終了
後、培養物を遠心分離して菌体を分離し、上清に硫安を
80%飽和になるように溶解し、析出したタンパク質を
遠心分離によって集めた。これを10mM酢酸緩衝液
(pH6.0)に溶解後、同じ緩衝液に対して透析を行
い、濃縮後、トレハロースホスホリラーゼ活性約220
単位/mlの粗酵素液を20ml得た。
応)このようにして調製した耐熱性トレハロースホスホ
リラーゼ粗酵素液と実施例1で調製した耐熱性マルトー
スホスホリラーゼ粗酵素(硫安分画段階のもの)を用い
て、基質のマルトースに作用させトレハロースへ変換さ
せた。すなわち、表6に示す、マルトース濃度(20ま
たは30w/w %)、リン酸濃度(5〜300mM)、各
酵素量(1〜10単位/g)(各酵素は同じ単位量使用し
た)、温度・pH・時間条件で酵素反応を行った。な
お、pH調整は酢酸緩衝液で行った。反応の停止は10
分間100℃に加熱して行った。反応終了後、各反応液
を、TSKgel Amido80カラム(東ソー
(株))、溶離液アセトニトリル/水(78/24)、
流速0.8ml/min、カラム温度80℃、示差屈折
計Shodex(昭和電工(株))を検出手段とする高
速液体クロマトグラフィーに付して、各反応液の糖組成
を定量した。また、β−グルコース−1−リン酸は反応
液を、実施例1と同様の陰イオン交換カラムを用いた高
速液体クロマトグラフィーにより定量した。結果を表6
に示す。反応温度60〜70℃、pH5.0〜6.0の
反応条件で18〜65%の収率でマルトースがトレハロ
ースに変換された。
その粉末の製造)コーンスターチにα−アミラーゼを作
用させた澱粉液化液に枝切り酵素(天野製薬(株)販売
/プルラナーゼ「アマノ」)とβ−アミラーゼ(長瀬産
業(株)販売/β−アミラーゼ)を作用させて調製した
マルトース高含有糖液(固形分30w/w %、固形分当た
りのマルトース純度80%)に、実施例1で調製したバ
チルスsp.RK−1の耐熱性マルトースホスホリラー
ゼ粗酵素液(硫安分画段階のもの)と実施例4で調製し
たバチルス・ステアロサーモフィラスSK−1の耐熱性
トレハロースホスホリラーゼ粗酵素液をそれぞれ固形分
1g当たり10単位になるように加え、さらに、リン酸
濃度10mMになるようにリン酸カリウムを加えて、6
0℃、pH5.0で72時間反応させ、次いで100℃
で10分間加熱して酵素を失活させた。
樹脂で脱塩した後、濃度約70%まで濃縮し、トレハロ
ース含有糖液を得た。この糖液を実施例4と同様に高速
液体クロマトグラフィーによって分析したチャートを図
5に示す。固形分当たりの割合(w/w)はグルコース1.
5%、トレハロース64.5%、マルトース18.0
%、マルトトリオース11.2%、その他マルトオリゴ
糖4.8%であった。また、前記反応液に固形分1g当
たり1単位になるようにグルコアミラーゼ(生化学工業
販売/グルコアミラーゼ)を加え、55℃で8時間反応
させ、次いで100℃で10分間加熱して酵素を失活さ
せた。この反応液を活性炭で脱色し、イオン交換樹脂で
脱塩した後、濃度約50%まで濃縮し、ナトリウム型イ
オン交換カラムで分離を行い、トレハロース画分を分取
した。この分取した糖液を濃縮し、固形分70%で固形
分当たり92%のトレハロースを含有するトレハロース
高含有糖液を得た。さらに、このトレハロース高含有糖
液を濃縮後乾燥することにより粉末トレハロースを得る
ことができた。
P−14567)による耐熱性トレハロースホスホリ
ラーゼの製造及び精製は以下のようにして行った。 (培養)SK−1株を、酵母エキス0.5w/v %、ポリ
ペプトン2w/v %、マルトース1w/v %(pH7.0)
からなる、121℃、20分間オートクレープ殺菌した
液体培地に1白金耳植菌し、55℃で72時間通気振盪
培養後、遠心分離によって菌体と培養液とを分離した。
40〜60%飽和になるよう溶解し、生じたタンパク質
の沈澱を遠心分離によって回収して、10mMリン酸カ
リウム・クエン酸緩衝液(pH6.0)に溶解後、同じ
緩衝液に対して透析を行い、粗酵素液とした。 (イオン交換クロマトグラフィー)10mMリン酸カリ
ウム・クエン酸緩衝液(pH6.0)によって平衡化し
た、TSKgelDEAEトーヨーパール650M(東
ソー(株))を詰めたカラムに、粗酵素液を添加し、5
カラム容量の0〜0.4M NaClの上昇濃度勾配に
よって溶出し、溶出液を分取した。活性のある画分を合
わせ、限外ろ過膜を用いて濃縮、脱塩後、さらに、一連
の同じクロマトグラフィー操作を行い精製度を上げた。
なるように硫酸アンモニウムを溶解した10mMリン酸
カリウム・クエン酸緩衝液(pH6.0)によって平衡
化した、TSKgelPhenylトーヨーパール65
0M(東ソー(株))を詰めたカラムに、上記部分精製
酵素液を添加し、8カラム容量の40〜0%飽和硫酸ア
ンモニウム溶液の下降濃度勾配によって溶出し、溶出液
を分取した。活性のある画分を合わせ、限外ろ過膜を用
いて濃縮、脱塩を行った。 (吸着クロマトグラフィー)0.3mMとなるようにC
aCl2 を溶解した10mMリン酸カリウム・クエン酸
緩衝液(pH6.0)によって平衡化した、PENTA
X GH−0810Mカラムに、上記部分精製酵素液を
添加し、10カラム容量の10〜300mMリン酸カリ
ウム・クエン酸緩衝液(pH6.0)の上昇濃度勾配に
よって溶出し、溶出液を分取した。活性のある画分を合
わせ、限外ろ過膜を用いて濃度、脱塩を行った。
となるようにNaClを溶解した10mMリン酸カリウ
ム・クエン酸緩衝液(pH6.0)によって平衡化し
た、Superdex200pg(ファルマシア バイ
オテク(株))を詰めたカラムに、上記部分精製酵素液
を添加し、同じ緩衝液で溶出し、溶出液を分取した。活
性のある画分を合わせ、限外ろ過膜を用いて濃縮・脱塩
を行った。 (ネイティブポリアクリルアミドゲル電気泳動)上記精
製酵素溶液をネイティブポリアクリルアミドゲル電気泳
動し、ゲルをCBB染色してタンパク質のバンドを調べ
たところ一本のバンドしか検出されず、単一タンパク質
であることが確認できた。
スホリラーゼは耐熱性を有し、マルトースおよびリン酸
からβ−グルコース−1−リン酸を生成する。この酵
素、またはこの酵素およびトレハロースホスホリラーゼ
を用いて、マルトースおよびリン酸から、それぞれβ−
グルコース−1−リン酸またはトレハロースを、雑菌汚
染の低減、反応時間の短縮化を図りつつ、工業的に有利
に製造することができる。
ーゼの至適温度を示す。
ーゼの熱安定性を示す。
ーゼの至適pHを示す。
ーゼのpH安定性を示す。
よび耐熱性トレハロースホスホリラーゼをマルトース高
含有糖液に作用させて得られたトレハロース含有糖液を
高速液体クロマトグラフィーにより分析したチャートを
示す(実施例5)。
によるトレハロースの製造に使用し得る、バチルス・ス
テアロサーモフィラスSK−1から得られた、耐熱性ト
レハロースホスホリラーゼの至適温度を示す。
ら得られた、耐熱性トレハロースホスホリラーゼの熱安
定性を示す。
ら得られた、耐熱性トレハロースホスホリラーゼの至適
pHを示す。
ら得られた、耐熱性トレハロースホスホリラーゼのpH
安定性を示す。
Claims (8)
- 【請求項1】 pH6.0の緩衝液中で、50〜60℃
のいずれかの温度で15分処理後に無処理の80%以上
の活性を有する耐熱性マルトースホスホリラーゼ。 - 【請求項2】 下記の酵素学的性質を有する耐熱性マル
トースホスホリラーゼ: (1)作用 マルトースを可逆的に加リン酸分解する。すなわち、リ
ン酸存在下でマルトースに作用させると、等モルのグル
コースとβ−グルコース−1−リン酸を生成し、グルコ
ースとβ−グルコース−1−リン酸に作用させると、等
モルのマルトースとリン酸を生成する。 (2)基質特異性 マルトースに特異的に作用する。 (3)至適温度 マルトース加リン酸分解反応の至適温度は55℃〜70
℃付近で、50℃〜70℃の範囲で最高活性の約50%
以上を示す。 (4)熱安定性 10mM酢酸緩衝液(pH6.0)中で、60℃、15
分間処理後に無処理の約80%の活性を有する。 (5)至適pH 6.0〜7.0。 (6)pH安定性 pH5.5〜8.0で安定。 (7)分子量 ゲル濾過クロマトグラフィーにより測定した値は15万
〜19万。 - 【請求項3】 下記の酵素学的性質を有する耐熱性マル
トースホスホリラーゼ: (1)作用 マルトースを可逆的に加リン酸分解する。すなわち、リ
ン酸存在下でマルトースに作用させると、等モルのグル
コースとβ−グルコース−1−リン酸を生成し、グルコ
ースとβ−グルコース−1−リン酸に作用させると、等
モルのトレハロースとリン酸を生成する。 (2)基質特異性 マルトースに特異的に作用する。 (3)至適温度 マルトース加リン酸分解反応の至適温度は55℃〜70
℃付近で、50℃〜70℃の範囲で最高活性の約50%
以上を示す。 (4)熱安定性 10mM酢酸緩衝液(pH6.0)中で、60℃、15
分間処理後に無処理の約80%の活性を有する。 (5)至適pH 6.0〜7.0。 (6)pH安定性 pH5.5〜8.0で安定。 (7)分子量 ゲル濾過クロマトグラフィーにより測定した値は15万
〜19万。 (8)失活 100℃、10分間の加熱で100%失活する。 (9)等電点 4.7〜5.1。 (10)阻害剤 HgCl2 で著しく活性が阻害される。 - 【請求項4】 マルトースホスホリラーゼ産生能を有す
るバチルス属細菌を栄養培地に培養し、培養物から生成
したマルトースホスホリラーゼを採取することを特徴と
するマルトースホスホリラーゼの製造方法。 - 【請求項5】 バチルスsp・RK−1(FERM P
−15044)もしくはマルトースホスホリラーゼ産生
能を有するその突然変異体。 - 【請求項6】 バチルスsp・MK−1(FERM P
−15045)もしくはマルトースホスホリラーゼ産生
能を有するその突然変異体。 - 【請求項7】 pH6.0の緩衝液中で、50〜60℃
のいずれかの温度で15分処理後に無処理の80%以上
の活性を有する耐熱性マルトースホスホリラーゼの存在
下に、マルトースとリン酸もしくはリン酸塩とを、水性
媒体中で、55〜70℃、pH4.5〜8.0で反応さ
せることを特徴とするβ−グルコース−1−リン酸の製
造方法。 - 【請求項8】 pH6.0の緩衝液中で、50〜60℃
のいずれかの温度で15分処理後に無処理の80%以上
の活性を有する耐熱性マルトースホスホリラ−ゼ、およ
び耐熱性トレハロースホスホリラーゼの存在下に、マル
トースとリン酸もしくはリン酸塩とを、水性媒体中で、
55〜70℃、pH4.5〜8.0で反応させることを
特徴とするトレハロースの製造方法。
Priority Applications (7)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21300595A JP3691875B2 (ja) | 1995-07-31 | 1995-07-31 | 耐熱性マルトースホスホリラーゼ、その製造方法、その製造に使用する菌、および該酵素の使用方法 |
| CA002182059A CA2182059A1 (en) | 1995-07-31 | 1996-07-25 | Heat resistant maltose phosphorylase, process for preparation thereof, bacteria used for preparation thereof, and methods for using the enzyme |
| US08/686,647 US5827715A (en) | 1995-07-31 | 1996-07-26 | Heat resistant maltose phosphorylase, process for preparation thereof, bacteria used for preparation thereof, and methods for using the enzyme |
| EP96112114A EP0757098B1 (en) | 1995-07-31 | 1996-07-26 | Heat resistant maltose phosphorylase, process for preparation thereof, bacteria used for preparation thereof, and methods for using the enzyme |
| DE69624993T DE69624993T2 (de) | 1995-07-31 | 1996-07-26 | Hitzebeständige Maltosephosphorylase, Prozess für ihre Herstellung, Bakterien,die für ihre Herstellung verwendet werden,und Methoden zur Verwendung des Enzyms |
| DK96112114T DK0757098T3 (da) | 1995-07-31 | 1996-07-26 | Varmebestandig maltosephophorylase, fremgangsmåde til dens fremstilling, bakterier anvendt til dens fremstilling og fremgangsmåder til anvendelse af enzymet |
| US09/131,732 US5939308A (en) | 1995-07-31 | 1998-08-10 | Heat resistant maltose phosphorylase, process for preparation thereof, bacteria used for preparation thereof, and methods for using the enzyme |
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| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21300595A JP3691875B2 (ja) | 1995-07-31 | 1995-07-31 | 耐熱性マルトースホスホリラーゼ、その製造方法、その製造に使用する菌、および該酵素の使用方法 |
Publications (2)
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|---|---|
| JPH0937780A true JPH0937780A (ja) | 1997-02-10 |
| JP3691875B2 JP3691875B2 (ja) | 2005-09-07 |
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ID=16631918
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Country Status (6)
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| CA (1) | CA2182059A1 (ja) |
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| DK (1) | DK0757098T3 (ja) |
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