JPH0937795A - ビリルビン測定用試薬および測定方法 - Google Patents

ビリルビン測定用試薬および測定方法

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JPH0937795A
JPH0937795A JP19465195A JP19465195A JPH0937795A JP H0937795 A JPH0937795 A JP H0937795A JP 19465195 A JP19465195 A JP 19465195A JP 19465195 A JP19465195 A JP 19465195A JP H0937795 A JPH0937795 A JP H0937795A
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acid
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幸男 森本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 総ビリルビンおよび直接型ビリルビンを低コ
ストで測定すること、さらに直接型ビリルビンのみを分
別定量することを課題とする。 【解決手段】 ビリルビンオキシダーゼを用いて総ビリ
ルビンおよび直接型ビリルビンを光学的に測定する際、
フェロシアン化カリウムおよび/またはフェリシアン化
カリウムとチオール化合物、スルフィド化合物、スルホ
キシド化合物、チオ尿素およびチオ尿素の誘導体から選
ばれる1種または2種以上との熟成物の存在下に総ビリ
ルビンおよび直接型ビリルビンを測定する。また、キレ
ート剤の1種または2種以上、好ましくは、さらに金属
イオン類の1種または2種以上を添加して直接型ビリル
ビンを測定する。 【効果】 総ビリルビンおよび直接型ビリルビンを低コ
ストで測定することができ、さらに直接型ビリルビンの
みを分別定量することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生体中の総ビリル
ビンおよび直接型ビリルビンの測定用試薬および測定方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】生体中のビリルビンは直接型ビリルビン
と間接型ビリルビンとに大別され、溶血性貧血や溶血性
黄疸等の病態では間接型ビリルビン量が増大し、閉塞性
黄疸等の病態では直接型ビリルビン量が増大することが
知られており、臨床診断上ビリルビンの分別定量は重要
である。臨床検査においてビリルビンを測定する試薬と
しては総ビリルビン測定用試薬と直接型ビリルビン測定
試薬が知られている。ビリルビンオキシダーゼを用いる
酵素法でビリルビンを測定する際に該酵素反応を促進す
る方法として、界面活性剤、芳香族カルボン酸、サルフ
ァ剤およびプロテアーゼよりなる群から選ばれる1種ま
たは2種以上の反応促進物質を用いる方法(特公平3−
36520)、フェリシアン化カリウムを配合する方法
(特公平3−79998)、フェノール類およびアニリン
類の1種または2種以上の化合物により促進させる方法
(特開平3−175997、特開平3−175998)、
等が知られている。しかし、これらの方法を用いてもp
Hが酸性域では反応促進効果は不十分で、また、フェリ
シアン化カリウムを用いて十分に反応を促進させようと
した場合にはフェリシアン化カリウムの添加量が多くな
り、有害物質の排出基準を越えてしまう欠点がある。
【0003】またビリルビンオキシダーゼを用いた酵素
法で直接型ビリルビンを測定する方法としては、pH
3.5〜4.5の緩衝液にビリルビンオキシダーゼを配合
し測定する方法(特公昭61−44000)、ビリルビン
オキシダーゼおよび陰イオン界面活性剤を含有するpH
5〜6の酸性緩衝液からなる試薬を作用させて測定する
方法(特公平5−9066)、pH9乃至11の範囲の緩
衝液中でビリルビンを含有する試料に陰イオン界面活性
剤の共存下でビリルビンオキシダーゼを作用させる方法
(特公平5−68240)、pH2.0乃至3.3のフェロ
シアン化カリウムおよび/またはフェリシアン化カリウ
ムを含む緩衝液中で測定する方法(特開昭64−549
9)、ビリルビンオキシダーゼを反応させてビリルビン
の変化を光学的に測定する直接型ビリルビン測定用試薬
において、フッ素化合物または還元剤を共存させ測定す
る方法(特開平5−276992)、等が知られている。
しかし、これらの測定法には直接型ビリルビンに対する
反応を十分にした場合、一部の間接型ビリルビンに対し
ても反応してしまうという問題や、分別性が十分得られ
る条件にした場合直接型ビリルビンに対する反応性が悪
くなる等の問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ビリルビンオキシダー
ゼを作用させて総ビリルビンおよび直接型ビリルビンを
光学的に測定する際、上述のような欠点のないより改良
された測定用試薬および測定方法の開発が望まれてお
り、とくにビリルビンオキシダーゼの必要量を少なくで
き、コストが低減された測定試薬および測定方法、さら
に、直接型ビリルビンのみを正確に定量する試薬および
方法の開発が望まれている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる要
望に答える改良されたビリルビン測定用試薬および測定
方法を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、ビリルビンオ
キシダーゼを作用させてビリルビンを測定する試薬にフ
ェロシアン化カリウムおよび/またはフェリシアン化カ
リウムとチオール化合物、スルフィド化合物、スルホキ
シド化合物、チオ尿素およびチオ尿素の誘導体から選ば
れる1種または2種以上との熟成物を添加することによ
り、ビリルビンオキシダーゼの反応性がはるかに強くな
ることを見いだし、さらに、間接型ビリルビンに対する
反応抑制作用を有するキレート剤の1種または2種以上
を添加することにより直接型ビリルビンに対する反応を
抑制することなく間接型ビリルビンに対する反応のみを
抑制することができることを見いだし、さらに、かかる
キレート剤の1種または2種以上を添加した試薬に該キ
レート剤の間接型ビリルビンに対する反応抑制作用を強
める作用を有する金属イオンおよび金属錯体(以下、単
に金属イオン類と称することがある)の1種または2種
以上を併用し添加することにより、間接型ビリルビンに
対する反応抑制作用が強くなることを見いだし、本発明
を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明は、(1) ビリルビンオ
キシダーゼを用いる総ビリルビン測定試薬において、反
応促進剤として、フェロシアン化カリウムおよび/また
はフェリシアン化カリウムとチオール化合物、スルフィ
ド化合物、スルホキシド化合物、チオ尿素およびチオ尿
素の誘導体から選ばれる1種または2種以上との熟成物
を配合することを特徴とする総ビリルビン測定用試薬、
(2) ビリルビンオキシダーゼを用いる直接型ビリルビ
ン測定試薬において、反応促進剤として、該熟成物、お
よびキレート剤の1種または2種以上を配合することを
特徴とする直接型ビリルビン測定用試薬、(3) 該熟成
物、キレート剤に加えて、さらに金属イオンおよび金属
錯体から選ばれる1種または2種以上を配合することを
特徴とする直接型ビリルビン測定用試薬、ならびに、こ
れらの試薬を用いた総ビリルビン測定方法および直接型
ビリルビン測定方法を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明は、ビリルビンオキシダー
ゼを作用させて総ビリルビンおよび直接型ビリルビンを
光学的に測定する際、特定の熟成物の存在下に測定する
ことを特徴とし、さらに、熟成物とキレート剤の存在下
に直接型ビリルビンを測定すること、および、熟成物と
キレート剤に加えて金属イオン類の存在下に直接型ビリ
ルビンを測定することを特徴とし、反応のpHは総ビリ
ルビンでは通常6.0〜9.0、好ましくは7.0〜8.0
とし、直接型ビリルビンは通常3.0から5.0、好まし
くは3.5〜4.5、さらに好ましくは3.5から4.0と
する。
【0008】本発明で用いるチオール化合物としてはL
−システイン、ジチオスレイトール、ジチオエリスリト
ール、N−アセチル−L−システイン、DL−ホモシス
テイン、還元型グルタチオン、2−メルカプト−1−メ
チルイミダゾール、2−メルカプトエタンスルホン酸ナ
トリウム、2−メルカプトベンズイミダゾール等、スル
フィド化合物としてはL−メチオニン、L−エチオニ
ン、3−メチルチオプロピオン酸、2−(エチルチオ)エ
タノール等、スルホキシド化合物としてはジメチルスル
ホキシド、テトラメチレンスルホキシド等、チオ尿素お
よびチオ尿素の誘導体としてはチオ尿素、チオシナミン
等が挙げられる。これらチオール化合物、スルフィド化
合物、スルホキシド化合物、チオ尿素およびチオ尿素の
誘導体(以下、単にチオ化合物類と称す)は、単独で、あ
るいは2種類以上を組み合わせて使用出来る。これらの
うちL−システイン、N−アセチル−L−システイン、
DL−ホモシステイン、ジチオエリスリトール、グルタ
チオン還元型、2−メルカプトエタンスルホン酸ナトリ
ウムは効果が大きく、この中でも還元性の弱いL−メチ
オニンは多量に入れてもビリルビンオキシダーゼの活性
を阻害しないので特に好ましい。
【0009】これらチオ化合物類の添加量は、十分に反
応促進効果が得られる量であり、また、ビリルビンオキ
シダーゼの活性を阻害しない量であれば特に限定するも
のではなく、一般に反応液中の最終濃度が1μM以上で
あれば、所望の効果が得られる。また、通常使用する濃
度としては、最終濃度として1μM〜100mM、好ま
しくは、2μM〜10mM、さらに好ましくは5μM〜
1mMである。
【0010】本発明で用いるキレート剤としては、ニト
リロトリス(メチレンホスホン酸)三ナトリウム塩(以下
NTPOと称す)、ジアミノプロパノール四酢酸(以下D
PTA−OHと称す)、ジエチレントリアミン五酢酸(以
下DTPAと称す)、エチレンジアミン二プロピオン酸
塩(以下EDDPと称す)、エチレンジアミン−N,N´
−ビス(メチレンホスホン酸)・1/2H2O(以下EDDP
Oと称す)、エチレンジアミンテトラキス(メチレンホス
ホン酸)(以下EDTPOと称す)、グリコールエーテル
ジアミン四酢酸(以下GEDTAと称す)、ビス(2−ヒ
ドロキシベンジル)エチレンジアミン二酢酸(以下HBE
Dと称す)、ヘキサメチレンジアミン四酢酸(以下HDT
Aと称す)、ニトリロ三酢酸(以下NTAと称す)、トリ
エチレンテトラミン六酢酸(以下TTHAと称す)、エチ
レンジアミン四酢酸二ナトリウム銅(II)(以下EDTA
−2Na−Cuと称す)、エチレンジアミン四酢酸二ナ
トリウム亜鉛(II)(以下EDTA−2Na−Znと称
す)、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウムニッケル(I
I)(以下EDTA−2Na−Niと称す)等が挙げられ
る。また、これらキレート剤は単独で、あるいは2種類
以上を組み合わせて使用できる。これらの中でもNTP
O、DPTA−OH、DTPA、EDDP、EDDP
O、EDTPO、HBED、TTHAは効果が大きく、
好ましいキレート剤であり、また、これらのうちNTP
Oが特に好ましい。
【0011】これらキレート剤の添加量は、間接型ビリ
ルビンの反応抑制効果が十分に得られ、直接型ビリルビ
ンの反応に影響を与えない量であれば特に限定するもの
ではなく、本発明のキレート剤を単独で用いる場合、反
応液中の最終濃度が5mM以上であれば、所望の効果が
得られる。通常使用する濃度としては、最終濃度として
10mM〜500mM、好ましくは20mM〜200m
M、さらに好ましくは50mM〜100mMである。ま
た、キレート剤を金属イオン類と組み合わせて用いる
と、キレート剤による間接型ビリルビンの反応抑制効果
は数段に強くなる。したがって、該併用の場合には、キ
レート剤の反応液中の最終濃度が1mM以上であれば所
望の効果が得られ、通常使用する濃度としては、最終濃
度として1mM〜50mM、好ましくは2mM〜25m
M、さらに好ましくは5mM〜15mMである。
【0012】本発明で用いる金属イオン類としては、二
価のマンガンイオン(硫酸マンガン(II)、塩化マンガン
(II)、マンガン(II)アセチルアセトネート、酢酸マンガ
ン(II)、ホウ酸マンガン(II)、炭酸マンガン(II)等)、
三価のマンガンイオン(マンガン(III)アセチルアセトネ
ート、酢酸マンガン(III)等)、二価の銅イオン(硫酸
銅、酢酸銅、銅(II)アセチルアセトネート等)、二価の
鉄イオン(硫酸第一鉄、リン酸第一鉄、塩化第一鉄等)等
の金属イオン、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウムマ
ンガン(II)(以下、EDTA−2Na−Mnと称す)また
はエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム銅(II)(以下、E
DTA−2Na−Cuと称す)等の金属錯体が挙げられ
る。また、本発明の金属イオン類は単独で、あるいは2
種類以上を組み合わせて使用出来る。これらのうち二価
のマンガンが特に好ましく、硫酸マンガン、塩化マンガ
ン、EDTA−2Na−Mnなどを用いるのが好まし
い。金属イオン類の添加量は、本発明のキレート剤と組
み合わせた場合に間接型ビリルビンに対する反応抑制効
果が十分に得られ、直接型ビリルビンに対する反応に影
響を与えない量であれば特に限定するものではなく、一
般に反応液中の最終濃度が0.25mM以上であれば所
望の効果が得られる。通常使用する濃度としては、最終
濃度として0.25〜50mM、好ましくは1〜20m
M、さらに好ましくは5〜15mMである。
【0013】ビリルビンオキシダーゼとしては公知の酵
素がいずれも用いられ、例えば、ミロセシウム(Myrothe
cium)属由来ビリルビンオキシダーゼ、エビタケ(Trachy
dermatsumodae)の産生するビリルビンオキシダーゼ等が
挙げられる。ビリルビンオキシダーゼの使用量は所望の
酵素活性を示す範囲で適宣用いられるが、通常、反応液
中に0.04〜10単位/ml、好ましくは、直接型ビリ
ルビン測定用には、0.1〜8単位/mlの範囲で用いら
れる。
【0014】本発明の直接型ビリルビン測定用試薬を用
いると、熟成物の存在下に本発明のキレート剤を5mM
以上添加することにより直接型ビリルビンに対する反応
を抑制することなく間接型ビリルビンに対する反応のみ
を抑制することができる。キレート剤の濃度は実用に際
してビリルビンオキシダーゼの作用を阻害しない範囲で
あれば特に規定されるものではない。また、本発明のキ
レート剤を添加した直接型ビリルビン測定用試薬に金属
イオン類を0.25mM以上共存させることにより間接
型ビリルビンの反応抑制効果は数段に強くなり、本発明
のキレート剤の必要量を少なくすることができる。
【0015】本発明において、ビリルビンオキシダーゼ
による酵素反応を促進させるために用いられるフェロシ
アン化カリウムおよび/またはフェリシアン化カリウム
とチオ化合物類とは、単に両者が存在すれば足りるもの
ではなく、両者を予め熟成させておく必要がある。熟成
とは、調製物質同士を適当な状態、好ましくは溶液下に
混合し、一定のpH、温度のもとで、適度な時間放置す
ることによって、その間にゆっくりと物理的または化学
的反応を行なわせ、目的の酵素の反応性を促進するとい
う性状を得ることである。本発明においては、フェロシ
アン化カリウムおよび/またはフェリシアン化カリウム
とチオ化合物類とから調製される熟成物を用いることに
より、それら両化合物を試薬使用時に単に混合して配合
した場合や、キット試薬において、別々に調製したもの
を用時配合した場合などに比べて、後記実施例にも示さ
れるように、より強いビリルビンオキシダーゼの反応促
進効果が達成される。
【0016】このような熟成物を調製するには、フェロ
シアン化カリウムおよび/またはフェリシアン化カリウ
ムとチオ化合物類から選ばれる1種または2種以上をそ
れぞれ適切な濃度になるように精製水で溶かし、乳酸、
塩酸、リン酸、硫酸等のpH調整剤を用いてpHを2.
0〜5.5、好ましくはpH3.0〜4.5、さらに好ま
しくはpH3.7に調整し、適度な温度で、通常5℃〜
50℃、好ましくは20℃〜37℃、さらに好ましくは
25℃〜30℃で、適度な時間、通常1日以上、好まし
くは2〜30日間、さらに好ましくは4〜14日間放置
することにより得られる。また、総ビリルビン測定用試
薬および直接型ビリルビン測定用試薬において熟成物
は、反応のpHを調製する第一試薬(緩衝液)とビリルビ
ンオキシダーゼを含有する第二試薬(酵素試薬)とを有す
る二試薬系の測定試薬に適用した場合、第一試薬と第二
試薬のどちらに添加しても効果は得られる。なお、本発
明の熟成物は、予め調製したものを試薬系に配合するの
が一般的であるが、試薬系で調製してもよい。例えば、
キット試薬において、上記の反応条件を満たすような第
一試薬(緩衝液)中にフェロシアン化カリウムおよび/ま
たはフェリシアン化カリウムとチオ化合物類の1種また
は2種以上を配合し、その試薬系で保存中に熟成物を生
成させてもよい。
【0017】本発明の方法において、直接型ビリルビン
測定用試薬の調製に用いる本発明のキレート剤や金属イ
オン類は、第一試薬と第二試薬とを有する二試薬系の測
定試薬に適用した場合、第一試薬と第二試薬のどちらに
添加しても効果は得られる。かくして、本発明の総ビリ
ルビン測定用試薬および直接型ビリルビン測定用試薬
は、所望の成分を、所望の量で混合、溶解等するごとき
常法により粉末等の固形状、液状等の試薬とすることが
できる。また、これらを個別の剤型にして組み合わせた
キットとすることもできる。また、必要により、本発明
の総ビリルビン測定用試薬および直接型ビリルビン測定
用試薬には、緩衝剤や防腐剤、界面活性剤、等の他の成
分を適宣添加ないしは組み合わせてもよい。
【0018】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。実施例における本発明の効果を調べるために使用
した処方(総ビリルビン測定用基本処方、直接型ビリル
ビン測定用基本処方)およびビリルビンの測定条件を次
に示す。
【0019】基本処方 総ビリルビン測定用基本処方:総ビリルビン測定用第一
試薬としては100mMリン酸緩衝液(pH7.2)にト
リトンX−100 0.05%、コール酸ナトリウム1
3.9mMを添加したものを用い、総ビリルビン測定用
第二試薬としては10mMビシン緩衝剤(pH10.0)
にビリルビンオキシダーゼ(ミロセシウム・ベルカリア
MT−1由来、天野製薬社製)0.5 U/mlを添加し
たものを用いた。
【0020】直接型ビリルビン測定用基本処方:直接型
ビリルビン測定用第一試薬としては400mMクエン酸
−乳酸緩衝液(pH3.7)にトリトン X−100 0.
05 %を添加しているものを用い、直接型ビリルビン
測定用第二試薬としては10mMビシン緩衝剤(pH1
0.0)にビリルビンオキシダーゼ(ミロセシウム・ベル
カリアMT−1由来、天野製薬社製)1 U/mlを添
加したものを用いた。
【0021】測定法 ビリルビン検体10μlに第一試薬270μlを添加
し、37℃で5分間インキュベートした後、第二試薬9
0μlを加えて5分間インキュベートする。この時の第
一試薬添加5分後と第二試薬添加2.5分後または5分
後における吸光度の変化(主波長450nm/副波長6
00nm)を測定し、予め測定しておいた該値のビリル
ビンの標準血清の吸光度の変化と対比させビリルビンの
濃度を測定した。
【0022】実施例1 熟成物によるビリルビンオキシダーゼの反応促進効果:
直接型ビリルビン測定用第一試薬にフェロシアン化カリ
ウム5μMとチオ化合物類50μMを含有するように調
整し、pH3.7で30℃5日間(チオ化合物としてDL
−ホモシステインを用いる場合は7日間)熟成させた試
薬を使用し、上記測定方法によりビリルビンの高値の検
体を測定した。その吸光度変化を直接型ビリルビン測定
用第一試薬にフェロシアン化カリウム5μMのみを添加
して上記熟成条件で処理した試薬を対照として比較し
た。その結果を表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】効果の有無の判定は第一試薬添加5分後か
ら第二試薬添加2.5分後までにおける吸光度の変化(主
波長450nm/副波長600nm)が対照と比較して
明らかに大きくなっているものを効果のあるものと判定
した。(表の吸光度変化が対照と比較して大きくなった
場合に反応は促進されたと判定する) 表1に示すごとく、フェロシアン化カリウムとチオ化合
物類を混合して熟成したもので反応促進効果があること
が認められた。
【0025】また、直接型ビリルビン測定用基本処方
(フェロ,メチオニン無添加)と、直接型ビリルビン測定
用第一試薬にフェロシアン化カリウム5μMおよびメチ
オニン50μMを添加した熟成前の試薬(フェロ,メチ
オニン熟成前)と直接型ビリルビン測定用第一試薬にフ
ェロシアン化カリウム5μMおよびメチオニン50μM
を添加しpH3.7で30℃5日間熟成させた試薬(フェ
ロ,メチオニン熟成後)とで反応性を比較した結果を図
1に示す。この図1よりフェロシアン化カリウム5μM
およびメチオニン50μMを直接型ビリルビン測定用第
一試薬に溶解しpH3.7で30℃5日間熟成させた場
合に、明らかに反応が促進されていることがわかる。
【0026】また、総ビリルビン測定用基本処方(フェ
ロ,メチオニン無添加)と、総ビリルビン測定用第一試
薬にフェロシアン化カリウム5μMおよびメチオニン5
0μMを添加した熟成前の試薬(フェロ,メチオニン熟
成前)と総ビリルビン測定用第一試薬にフェロシアン化
カリウム5μMおよびメチオニン50μMを添加しpH
3.7で30℃5日間熟成させた試薬(フェロ,メチオニ
ン熟成後)とで反応性を比較した結果を図2に示す。こ
の図2よりフェロシアン化カリウム5μMおよびメチオ
ニン50μMを総ビリルビン測定用第一試薬に溶解しp
H3.7で30℃5日間熟成させた場合、明らかに反応
が促進されていることがわかる。
【0027】実施例2 熟成物によりビリルビンオキシダーゼの反応を促進させ
た場合にキレート剤を添加した時の間接型ビリルビンに
対する反応抑制効果:直接型ビリルビン測定用第一試薬
にフェロシアン化カリウム5μMとL−メチオニン50
μMを添加し、pH3.7で30℃5日間熟成させた試
薬に、キレート剤を50mM含有するように調製し、キ
レート剤による間接型ビリルビンに対する反応抑制効果
を上記測定方法により測定し比較した。その結果を表2
に示す。
【0028】
【表2】
【0029】効果の有無の判定は直接型ビリルビンに対
する反応には影響を与えず、間接型ビリルビンに対する
反応のみ抑制するものを効果のあるものと判定した。
(表の吸光度変化が対照と比較して半分以下になった場
合に反応は抑制されたと判定する) 表2に示すごとく、キレート剤の中でもNTPO、DP
TA−OH、DTPA、EDDP、EDDPO、EDT
PO、GEDTA、HBED、HDTA、NTA、TT
HA、EDTA−2Na−Cu、EDTA−2Na−Z
n、EDTA−2Na−Ni等で直接型ビリルビンに対
する反応を抑制することなく間接型ビリルビンに対する
反応を抑制する効果があることが認められた。特にNT
POの効果が顕著であった。
【0030】実施例3 熟成物によりビリルビンオキシダーゼの反応を促進さ
せ、それに本発明のキレート剤を添加して間接型ビリル
ビンの反応を抑制した場合における、金属イオン類を添
加することによる間接型ビリルビンの反応抑制効果の向
上:直接型ビリルビン測定用第一試薬にフェロシアン化
カリウム25μMとL−メチオニン50μMを溶解しp
H3.7で30℃5日間熟成させた試薬に、キレート剤
としてNTPOを50mM含有するように調製し、それ
に各金属イオンおよび金属錯体を5mM含有するように
添加して、間接型ビリルビンの反応抑制効果を上記測定
方法により測定し比較した。その結果を表3に示す。
【0031】
【表3】
【0032】効果の有無の判定は、直接型ビリルビンに
対する反応には影響を与えず、間接型ビリルビンに対す
る反応のみ抑制するものを効果のあるものと判定した。
(表の吸光度変化が対照と比較して小さくなった場合に
反応は抑制されたと判定する) 表3に示すごとく、マンガンイオン、銅イオン、鉄イオ
ン等で直接型ビリルビンに対する反応を抑制することな
く間接型ビリルビンに対する反応を抑制する効果を促進
する効果があることが認められた。特にマンガンイオン
の効果が顕著であった。
【0033】実施例4 ジアゾ法(別法)による直接型ビリルビン測定用試薬(ジ
アゾ法)と、直接型ビリルビン測定用基本処方にフェロ
シアン化カリウム5μMとメチオニン50μMとをpH
3.7で30℃5日間熟成させた試薬にNTPO 10
mMを添加し、さらにEDTA−2Na−Mn 5mM
を添加した処方(本法)との相関関係を図3に示す。この
図3より、本法はジアゾ法と良い相関関係が得られるこ
とが示される。
【0034】実施例5 直接型ビリルビン測定用基本処方にフェロシアン化カリ
ウム5μMとメチオニン50μMを添加しpH3.7で
30℃、5日間熟成し、さらにNTPO 10mMおよ
びEDTA−2Na−Mn 5mMを添加した第一試薬
を7℃で保存し、その安定性を調べた。下記コントロー
ル血清(血清1,2,3)に、調製時の第一試薬または
それを7℃で4カ月または7カ月保存したものを添加
し、その5分後と第二試薬(ビリルビンオキシダーゼ含
有試薬)添加5分後の吸光度変化を測定した。 コントロール血清 血清1:国際試薬(株)製 ビリトロール Lot.3300 血清2:国際試薬(株)製 ビリトロール Lot.4112 血清3:三光純薬(株)製 EXA ビリルビン Lot.3
7011 その結果を表4に示す。表中の値は第一試薬添加5分後
と第二試薬添加5分後における吸光度変化を示す。この
表より7℃で4カ月および7カ月保存した試薬において
も調製時とほぼ同じ吸光度変化が得られることから、本
法を用いた試薬は溶液状態で7カ月間安定であることが
わかる。
【0035】
【表4】
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、ビリルビンオキシダー
ゼを用いて総ビリルビンおよび直接型ビリルビンを光学
的に測定する際、熟成物の存在下に測定することにより
ビリルビンオキシダーゼの必要量を少なくすることで
き、さらに、総ビリルビン測定用試薬および直接型ビリ
ルビン測定用試薬のコストを低減することができる。ま
た、熟成物とキレート剤の1種または2種以上の存在下
で直接型ビリルビンのみを測定することができる。さら
に、熟成物とキレート剤の1種または2種以上との存在
下に直接型ビリルビンを測定する際、金属イオン類の1
種または2種以上を存在させることにより、キレート剤
の必要量を少なくすることができ、さらに直接型ビリル
ビン測定用試薬のコストを低減することができる。ま
た、本発明の熟成物、キレート剤、および金属イオン類
は液状にしても安定なものなので、総ビリルビン測定用
試薬および直接型ビリルビン測定用試薬の液状試薬に有
効に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 直接型ビリルビンの測定において、本発明の
熟成物によるビリルビンオキシダーゼの反応促進効果を
示すための、時間の経過による吸光度変化を示すグラフ
である。
【図2】 総ビリルビンの測定において、本発明の熟成
物によるビリルビンオキシダーゼの反応促進効果を示す
ための、時間の経過による吸光度変化を示すグラフであ
る。
【図3】 直接型ビリルビン測定法において、本発明方
法と従来法のジアゾ法との相関関係を示すグラフであ
る。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビリルビンオキシダーゼを用いる総ビリ
    ルビン測定試薬において、反応促進剤として、フェロシ
    アン化カリウムおよび/またはフェリシアン化カリウム
    とチオール化合物、スルフィド化合物、スルホキシド化
    合物、チオ尿素およびチオ尿素の誘導体から選ばれる1
    種または2種以上との熟成物を配合することを特徴とす
    る総ビリルビン測定用試薬。
  2. 【請求項2】 ビリルビンオキシダーゼを用いる直接型
    ビリルビン測定試薬において、反応促進剤として、フェ
    ロシアン化カリウムおよび/またはフェリシアン化カリ
    ウムとチオール化合物、スルフィド化合物、スルホキシ
    ド化合物、チオ尿素およびチオ尿素の誘導体から選ばれ
    る1種または2種以上との熟成物、および間接型ビリル
    ビンに対する反応抑制作用を有するキレート剤の1種ま
    たは2種以上を配合することを特徴とする直接型ビリル
    ビン測定用試薬。
  3. 【請求項3】 チオール化合物がL−システイン、ジチ
    オスレイトール、ジチオエリスリトール、N−アセチル
    −L−システイン、DL−ホモシステイン、還元型グル
    タチオン、2−メルカプト−1−メチルイミダゾール、
    2−メルカプトエタンスルホン酸ナトリウムまたは2−
    メルカプトベンズイミダゾール、スルフィド化合物がL
    −メチオニン、L−エチオニン、3−メチルチオプロピ
    オン酸または2−(エチルチオ)エタノール、スルホキシ
    ド化合物がジメチルスルホキシドまたはテトラメチレン
    スルホキシド、チオ尿素の誘導体がチオシナミンである
    請求項1または2に記載の試薬。
  4. 【請求項4】 該熟成物がフェロシアン化カリウムとメ
    チオニンとの熟成物である請求項1に記載の試薬。
  5. 【請求項5】 該試薬が溶液状態である請求項4に記載
    の試薬。
  6. 【請求項6】 該キレート剤がニトリロトリス(メチレ
    ンホスホン酸)三ナトリウム塩(NTPO)、ジアミノプ
    ロパノール四酢酸(DPTA−OH)、ジエチレントリア
    ミン五酢酸(DTPA)、エチレンジアミン二プロピオン
    酸塩(EDDP)、エチレンジアミン−N,N'−ビス(メ
    チレンホスホン酸)・1/2H2O(EDDPO)、エチレン
    ジアミンテトラキス(メチレンホスホン酸)(EDTP
    O)、グリコールエーテルジアミン四酢酸(GEDT
    A)、ビス(2−ヒドロキシベンジル)エチレンジアミン
    二酢酸(HBED)、ヘキサメチレンジアミン四酢酸(H
    DTA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、トリエチレンテト
    ラミン六酢酸(TTHA)、エチレンジアミン四酢酸二ナ
    トリウム銅(II)(EDTA−2Na−Cu)、エチレンジ
    アミン四酢酸二ナトリウム亜鉛(II)(EDTA−2Na
    −Zn)またはエチレンジアミン四酢酸二ナトリウムニ
    ッケル(II)(EDTA−2Na−Ni)である請求項2ま
    たは3に記載の試薬。
  7. 【請求項7】 金属イオンおよび金属錯体から選ばれる
    1種または2種以上をさらに配合することを特徴とする
    請求項2,3または6に記載の試薬。
  8. 【請求項8】 該金属イオンが二価のマンガンイオン、
    三価のマンガンイオン、二価の銅イオンまたは二価の鉄
    イオン、金属錯体がエチレンジアミン四酢酸二ナトリウ
    ムマンガン(II)(EDTA−2Na−Mn)またはエチレ
    ンジアミン四酢酸二ナトリウム銅(II)(EDTA−2N
    a−Cu)である請求項7に記載の試薬。
  9. 【請求項9】 該熟成物がフェロシアン化カリウムとメ
    チオニンの熟成物であり、該キレート剤がニトリロトリ
    ス(メチレンホスホン酸)三ナトリウム塩(NTPO)およ
    びエチレンジアミン四酢酸二ナトリウムマンガン(II)
    (EDTA−2Na−Mn)である請求項2に記載の試
    薬。
  10. 【請求項10】 該試薬が溶液状態であることを特徴と
    する請求項9に記載の試薬。
  11. 【請求項11】 ビリルビンオキシダーゼを用いる総ビ
    リルビン測定方法において、反応促進剤として、フェロ
    シアン化カリウムおよび/またはフェリシアン化カリウ
    ムとチオール化合物、スルフィド化合物、スルホキシド
    化合物、チオ尿素およびチオ尿素の誘導体から選ばれる
    1種または2種以上との熟成物を添加することを特徴と
    する総ビリルビン測定方法。
  12. 【請求項12】 ビリルビンオキシダーゼを用いる直接
    型ビリルビン測定方法において、反応促進剤として、フ
    ェロシアン化カリウムおよび/またはフェリシアン化カ
    リウムとチオール化合物、スルフィド化合物、スルホキ
    シド化合物、チオ尿素およびチオ尿素の誘導体から選ば
    れる1種または2種以上との熟成物、および間接型ビリ
    ルビンに対する反応抑制作用を有するキレート剤の1種
    または2種以上を添加することを特徴とする直接型ビリ
    ルビン測定方法。
  13. 【請求項13】 金属イオンおよび金属錯体から選ばれ
    る1種または2種以上をさらに添加することを特徴とす
    る請求項12に記載の測定方法。
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