JPH0940964A - 液晶表示素子 - Google Patents

液晶表示素子

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JPH0940964A
JPH0940964A JP7193017A JP19301795A JPH0940964A JP H0940964 A JPH0940964 A JP H0940964A JP 7193017 A JP7193017 A JP 7193017A JP 19301795 A JP19301795 A JP 19301795A JP H0940964 A JPH0940964 A JP H0940964A
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JP
Japan
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liquid crystal
anthraquinone
dichroic dye
crystal display
voltage holding
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JP7193017A
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English (en)
Inventor
Katsuyuki Naito
勝之 内藤
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐光性、二色比および色調に優れ、アクティ
ブマトリックス駆動が可能であるとともに電圧保持率の
高く、かつ、コントラストの高いゲストホスト液晶表示
素子を提供する。 【解決手段】 少なくとも1つの基板上に透明電極を有
し、離間・対向して配置された第1および第2の基板
と、この基板の間に挟持された液晶層とを有する液晶表
示素子である。前記液晶層は、液晶化合物と複数のアン
トラキノン系二色性色素とを含む液晶組成物を含有し、
前記アントラキノン系二色性色素は、水素結合性置換基
の全ての水素原子が、分子内水素結合を形成することが
立体的に可能であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示素子に係
り、特に、複数のアントラキノン系色素を含む液晶組成
物を含有する液晶表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】薄膜トランジスタなどに用いられるアク
ティブマトリックス駆動液晶表示素子においては、液晶
材料はフレーム周波間の蓄積電荷を保持しなければなら
ないので、液晶材料として、電圧保持率の高い材料を用
いることが必須となっている。これらの液晶材料におい
ては、イオン性不純物を含みにくいフッ素原子、あるい
はトリフルオロメチル基等のフルオロメチル基;トリフ
ルオロメトキシ基等のフルオロメトキシ基などのフッ素
原子を含む置換基を有するフッ素系液晶材料が、従来の
シアノ基を含む液晶材料の代わりに用いられつつある。
【0003】しかしながら、このような液晶材料に二色
性色素を添加した場合には、ホスト液晶材料の有する電
圧保持率特性が大きく損なわれるという問題が生じてい
た(例えば、色材、第61巻、第4号、227頁、19
88年)。特に、黒表示や、所定のスペクトル特性を得
ることを目的として、複数の二色性色素を含有させた場
合には、電圧保持率特性が大きく損なわれることが多か
った。このような電圧保持率の低下は、アントラキノン
系色素の場合には、一般にはアゾ系色素より小さいもの
の、満足できる電圧保持率が得られない場合が多い。
【0004】また、対向配置された一対の電極の間に液
晶組成物を封入して得られた液晶セルを、複数層積層し
て積層液晶セルとした場合には、二色性色素を含有する
一つの液晶層の保持率特性が低下すると、積層液晶セル
全体の電圧保持特性が低下してしまうという問題があっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、耐光性、二
色比および色調に優れ、アクティブマトリックス駆動が
可能であるとともに電圧保持率が高く、かつ、コントラ
ストの高いゲストホスト液晶表示素子を提供することを
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、第1の発明は、少なくとも1つの基板上には透明電
極を有し、離間・対向して配置された第1および第2の
基板と、この基板の間に挟持された液晶層とを有し、前
記液晶層は、液晶化合物と複数のアントラキノン系二色
性色素をと含む液晶組成物を含有し、前記二色性色素
は、水素結合性置換基の全ての水素原子が、分子内水素
結合を形成することが立体的に可能であることを特徴と
する液晶表示素子を提供する。
【0007】また、第1の発明は、離間して配置された
一対の基板、およびこの基板間に挟持された液晶層を有
する液晶セルが複数層積層された多層液晶表示素子にお
いて、各液晶層には、液晶化合物と二色性色素とを含む
液晶組成物が含有され、液晶層全体としては複数のアン
トラキノン系二色性色素を含有し、かつ、前記アントラ
キノン系二色性色素は、水素結合性置換基の全ての水素
原子が、分子内水素結合を形成することが立体的に可能
であることを特徴とする液晶表示素子を提供する。
【0008】第2の発明は、少なくとも1つの基板上に
は透明電極を有し、離間・対向された第1および第2の
基板と、この基板の間に挟持された液晶層とを有し、前
記液晶層は、液晶化合物と複数のアントラキノン系二色
性色素とを含む液晶組成物を含有し、全てのアントラキ
ノン系二色性色素は、置換基のハメットシグマ値の総和
が−2以上0以下の範囲にあることを特徴とする液晶表
示素子を提供する。
【0009】さらに、第2の発明は、離間して配置され
た一対の基板、およびこの基板間に挟持された液晶層を
有する液晶セルが複数層積層された多層液晶表示素子に
おいて、各液晶層には、液晶化合物と二色性色素とを含
む液晶組成物が含有されて、液晶層全体としては複数の
アントラキノン系二色性色素を含有し、かつ、全てのア
ントラキノン系二色性色素は、置換基のハメットシグマ
値の総和が−2から0の範囲にあることを特徴とする液
晶表示素子を提供する。
【0010】以下、第1の発明に用いられる液晶組成物
を詳細に説明する。本発明者らは、多くの二色性色素の
中で、水素結合性置換基を有する二色性色素をホスト液
晶材料に添加した際に、電圧保持率特性が大きく損なわ
れることを見出だした。第1の発明は、以下のような知
見に基づくものである。すなわち、水酸基やアミノ基な
どの水素結合性置換基の水素原子は、カルボニル基など
と水素結合を生成し、このように水素結合を生成した水
素原子は、プロトンとして解離しやすい。水素結合が二
色性色素分子間で生じた場合には、分子の運動によっ
て、プロトンは液晶中を電位勾配にしたがって拡散し、
結果的に電圧保持率を低下させることになる。
【0011】しかも、このような水素結合性置換基を有
する二色性色素は、親水性が高いので、疎水性の高いフ
ッ素系液晶材料には溶解しにくい。このため、色濃度を
高くすることができず、十分なコントラストを得ること
ができない。
【0012】水素結合性置換基を有しない色素化合物の
みを液晶材料に添加すれば、電圧保持率の低下等の問題
を回避できるが、十分な耐光性および二色比を有し、色
調にも優れて現在最もよく使用されている色素化合物
は、アントラキノン系であり、これらのほとんどは、水
素結合性置換基を有している。また、複数の二色性色素
が使用される液晶表示素子においては、電圧保持率の低
下を避けるために水素結合性置換基を有しない二色性色
素のみを用いた場合には、耐光性等の面で所望の特性を
得ることが実際上困難である。
【0013】そこで、耐光性等の特性を維持しつつ、電
圧保持率の低下を避けるため、本発明においては、二色
性色素分子間での水素結合を完全に防止して、水素結合
性置換基に結合している全ての水素原子が、分子内水素
結合を形成することが可能な二色性色素を使用した。
【0014】すなわち、二色性色素分子が水素結合性置
換基を有しているので、耐光性、二色比等の特性を維持
することができる。さらに、色素分子内で水素結合を生
じさせることによって、プロトンは分子内に保持され、
分子全体としての電気的中性は保たれるため、電圧保持
率を高くすることができる。また、色素分子全体の電気
的中性が維持されることにより、色素分子の極性も低下
して疎水性の高いホスト液晶への溶解性も向上する。
【0015】なお、二色性色素分子に結合している置換
基が、立体的に分子内水素結合が可能であるかどうか
は、CPK分子模型による検討や、分子力学による計算
機を用いた解析によって可能である。また、実際に水素
結合したかどうかは、赤外吸収スペクトルやNMRスペ
クトルなどで調べることができる(例えば、荒木 崚、
益子洋一郎、訳「有機化合物のスペクトルによる同定
法」東京化学同人、第3版、1978年)。
【0016】第1の発明において、使用され得るアント
ラキノン二色性色素としては、例えば、下記化1および
2に示す式(1)〜(9)で表わされるような化合物が
挙げられる。
【0017】
【化1】
【0018】
【化2】
【0019】さらに、前述の化1および化2に示したア
ントラキノン系二色性色素に加えて、下記化3に示す式
(10)で表わされるようなアゾ系二色性色素を使用し
てもよい。
【0020】
【化3】
【0021】前述のような二色性色素を添加する液晶化
合物(ホスト液晶材料)としては、フッ素系液晶が最も
その効果が大きいが、シアノ系液晶、エステル系液晶を
用いても、電圧保持率および溶解性の向上を図ることが
できる。具体的には、例えば、下記化4に示す構造式で
表わされる化合物が挙げられる。これらの化合物は、単
独で、または複数種類を混合して使用することができ
る。
【0022】
【化4】 (上記式中、R´、Xは、それぞれ独立してアルキル
基、アルコキシ基、アルキルフェニル基、アルコキシア
ルキルフェニル基、アルコキシフェニル基、アルキシク
ロヘキシル基、アルコキシアルキルシクロヘキシル基、
アルキルシクロヘキシルフェニル基、シアノフェニル
基、シアノ基、ハロゲン原子、フルオロメチル基、フィ
リオロメトキシ基、アルキルフェニルアルキル基、アル
コキシアルキルフェニルアルキル基、アルコキシアルキ
ルシクロヘキシルアルキル基、アルキルシクロヘキシル
アルキル基、アルコキシアルコキシシクロヘキシルアル
キル基、アルコキシフェニルアルキル基、アルキルシク
ロヘキシルフェニルアルキル基を示し、Yは水素原子、
ハロゲン原子を示し、さらにこれらのアルキル鎖および
アルコキシ鎖中に光学活性中心を有していてもよい。ま
た、R´およびX中のフェニル基またはフェノキシ基
は、フッ素原子、塩素原子などのハロゲン原子で置換さ
れていてもよい。また、各式中のフェニル基は、1個ま
たは2個のフッ素原子、および塩素原子等のハロゲン原
子で置換されていてもよい。) 前記化4に示した構造式で表わされる液晶化合物は、い
ずれも誘電異方性が正のものであるが、第1の発明に使
用され得る化合物は、これらに限定されない。例えば、
誘電異方性が負の公知の液晶化合物を、誘電異方性が正
の液晶化合物と混合して、全体としての誘電異方性を正
として用いることができる。また、誘電異方性が負の液
晶化合物でも、適切な素子構成および駆動方式を用いる
ことによって、そのまま使用することができる。
【0023】第1の発明に用いられる液晶組成物は、前
述の二色性色素を前記液晶化合物に溶解することによっ
て調製することができる。色素の使用量は、液晶材料に
対して、好ましくは0.1〜20重量%であり、より好
ましくは0.3〜3重量%である。
【0024】なお、液晶化合物に添加される二色性色素
の種類は、所望の液晶表示素子の構成に応じて選択する
ことができる。例えば、単層セルの液晶表示素子に使用
する場合には、複数のアントラキノン二色性色素を使用
して液晶組成物を調製する。一方、積層液晶セルとする
場合には、液晶層全体として、複数のアントラキノン色
素を含有していることが必要とされるので、場合によっ
ては、各液晶層の液晶組成物に含有されるアントラキノ
ン色素は1種類でもよい。
【0025】かかる液晶組成物には、さらにコレステリ
ルノナノエートのような光学活性物質、紫外線吸収剤、
および酸化防止剤などの添加物を、必要に応じて含有さ
せてもよい。これらの添加剤の含有量は、適宜選択する
ことができる。
【0026】次に、第2の発明に用いられる液晶組成物
を詳細に説明する。本発明者らは、アゾ系色素が、アン
トラキノン系色素よりも電圧保持特性が劣っており、こ
の色素を液晶化合物に混合した場合にも電圧保持率特性
が低下することに注目し、この原因は色素の電子レベ
ル、すなわち、HOMO、LUMOレベルが関与すると
いう仮説をたてて第2の発明に到達した。
【0027】大気中に存在する種々の物質の中で、酸素
は電子アクセプターとして作用し、アミン類は電子ドナ
ーとして作用するので、ドナー性の大きい色素およびア
クセプター性の大きい色素は、それぞれ酸素およびアミ
ン類と電荷移動相互作用を起こす。そのような相互作用
の結果として、液晶中に不純物キャリアが生成し、電圧
保持率特性の低下の原因となる。
【0028】酸素やアミン類等の物質と色素との相互作
用は大きいために、真空に引いた程度では、完全には除
去することができない。二色性色素の場合には、特に酸
素の影響を強く受け、アゾ系色素が一般に電圧保持率特
性が劣っているのは、この色素がドナー性が大きいこと
に起因すると考えられる。
【0029】これに対して、アントラキノン系色素は、
アゾ系色素よりもドナー性が小さく、一般に酸素との相
互作用が小さいので、電圧保持率特性は比較的優れてい
る。しかしながら、アントラキノン系色素に結合してい
る置換基の種類や数によっては、ドナー性またはアクセ
プター性が大きくなって、電圧保持率特性が低下してし
まう。
【0030】また、複数の二色性色素を混合して用いた
場合には、電子準位が異なる色素間で光増感相互作用が
起こって、酸素等の影響をより受けやすくなるために、
電圧保持率特性が低下すると考えられる。
【0031】アントラキノン系二色性色素の電子準位
は、置換基によって決定され、その置換基の電子的性質
を最も定量的に表わしたものは、ハメットシグマ(σ)
値として知られている。なお、σ値は、ハメット則の中
で用いられる経験パラメータであり、ハメット則は、メ
タおよびパラ置換ベンゼン誘導体の反応速度または平衡
に及ぼす置換基の影響を定量化するために、L.P.H
ammettが提案した経験則である。σ値の基準は水
素原子(σ=0.00)であり、電子供与基は負の値、
電子吸引性基は正の値を示す。このσ値は、LANGE
´S HANDBOOK OF CHEMISTRY,
12th EDITION(3−134〜3−137
頁,1978年)に一覧表が示されている。一覧表に示
されていない置換基に関しては、色素骨格から離れてい
く置換基構造が最も類似した置換基のσ値を用いことが
できる。代表的な置換基のσ値を、下記表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】上記表1に示す2つのσ値は、アントラキ
ノン系色素に関しては、キノンカルボニル基に対してα
位がσparaであり、β位がσmetaに対応する。表1に示
すような置換基を有するアントラキノン系二色性色素に
ついて、電圧保持率の低下を検討したところ、本発明者
らは、色素分子に結合した置換基のハメットシグマ
(σ)値の総和が、−2から0の範囲内であれば、電圧
保持率特性の低下が小さいという知見を見出だした。さ
らに、このような範囲内のσ値を有するアントラキノン
系色素は、複数種類を混合して用いても、電圧保持率特
性が低下が小さい。なお、好ましくは、置換基のハメッ
トシグマ値の総和は、−1.5から−0.5の範囲内で
ある。
【0034】第2の発明において、使用され得る二色性
色素としては、第1の発明について説明した化1および
2に示した式(1)〜(9)で表わされるアントラキノ
ン系二色性色素が挙げられる。さらに、下記化5に示す
式(11)〜(14)で表わされる化合物を使用しても
よい。
【0035】
【化5】
【0036】また、これらの色素に加えて、第1の発明
の場合と同様に、前述の化3に示した式(10)で表わ
されるアゾ系二色性色素を同時に使用してもよい。第2
の発明で用いられる液晶化合物(ホスト液晶材料)とし
ては、フッ素系液晶が最もその効果が大きいが、シアノ
系液晶、エステル系液晶を用いても、電圧保持率および
溶解性の向上を図ることができる。すなわち、前述の化
4に示した構造式で表わされる化合物が挙げられる。こ
れらの化合物は、単独で、または複数種類を混合して使
用することができる。
【0037】第1の発明の場合と同様に、第2の発明に
おいても、例えば、誘電異方性が負の公知の液晶化合物
を、誘電異方性が正の液晶化合物と混合して、全体とし
ての誘電異方性を正として用いることができる。また、
誘電異方性が負の液晶化合物でも、適切な素子構成およ
び駆動方式を用いることによって、そのまま使用するこ
とができる。
【0038】第2の発明に用いられる液晶組成物は、第
1の発明の場合と同様に、前述の二色性色素を前記液晶
材料に溶解することによって調製することができる。色
素の使用量は、液晶材料に対して、好ましくは0.1〜
20重量%であり、より好ましくは0.3〜3重量%で
ある。
【0039】なお、液晶化合物に添加される二色性色素
の種類は、前述と同様に、所望の液晶表示素子の構成に
応じて選択することができる。例えば、単層セルの液晶
表示素子に使用する場合には、複数のアントラキノン二
色性色素を使用して液晶組成物を調製する。一方、積層
液晶セルとする場合には、液晶層全体として、複数のア
ントラキノン色素を含有していることが必要とされるの
で、場合によっては、各液晶層の液晶組成物に含有され
るアントラキノン色素は1種類でもよい。
【0040】かかる液晶組成物には、さらにコレステリ
ルノナノエートのような光学活性物質、紫外線吸収剤、
および酸化防止剤などの添加物を、必要に応じて含有さ
せることもできる。
【0041】前述のような特定の置換基を有する二色性
色素、または置換基のハメットシグマ値の総和が特定の
範囲内である二色性色素を含有する液晶組成物を用い
た、本発明の液晶表示素子は、例えば、図1に示すよう
な構成とすることができる。図1に示すように、液晶表
示素子10は、離間・対向配置され、ガラスまたはプラ
スチックフィルム等の光透過性の材料で形成された基板
11および12を有している。透明基板11および12
の厚さは、通常0.5〜2mm程度である。
【0042】前記基板11および12の内側には、それ
ぞれ、ITO等の透明電極13および14が設置されて
いる。これらの電極の内側には、絶縁層を形成してもよ
く、その場合には、配向処理を施すことが好ましい。さ
らに、前記基板11および12の間には、適切な厚みの
スペーサ(図示せず)を配置することによって、液晶組
成物16を封入するためのギャップが設けられている。
なお、ギャップの寸法は、通常50μm以下であり、好
ましくは5〜10μmである。
【0043】また、液晶組成物16を含有したギャップ
の両端は、エポキシ樹脂からなるシール剤15によって
封止されている。なお、前述の液晶組成物は、ゲスト−
ホスト効果を応用した各種の液晶表示素子に応用するこ
とができる。例えば、「液晶デバイスハンドブック」
(日本学術振興会第142委員会編、日刊工業新聞社発
行、第315項〜329項)に記載されているHeil
meier型ゲスト−ホスト、相転移型ゲスト−ホスト
や、「液晶デバイスハンドブック」(日本学術振興会第
142委員会編、日刊工業新聞社発行、第367項〜3
70項)に記載されている高分子分散型ゲスト−ホスト
などが挙げられる。
【0044】さらに、かかる液晶組成物は、ゲストホス
ト液晶組成物のみを電極間に挟持するという前述の使用
形態の他にも、いわゆるポリマー分散型液晶やマイクロ
カプセル化された液晶として使用することもできる。こ
の場合にも、前述と同様に、耐光性等の特性の維持と、
電圧保持率の低下の防止という効果を得ることができ
る。
【0045】また、本発明の液晶表示素子は、複数の液
晶セルを積層して積層液晶セルとしてもよい。図2に、
多層液晶セルの一例を模式的に表わした断面図を示す。
図2に示すように、液晶表示素子20は、離間・対向配
置された透明基板21、および透明薄板23を有してい
る。これらの基板等は、前述と同様のガラスまたはプラ
スチックで構成することができる。透明薄板23の厚さ
は、0.1〜0.7mmとすることが好ましい。
【0046】前記基板21および薄板23の対向するそ
れぞれの面には、ITO等の透明電極22が形成されて
いる。これらの電極の内側には、絶縁層を形成してもよ
く、その場合には、配向処理を施すことが好ましい。さ
らに、各基板の間には、適切な厚さのスペーサー24を
配置して、液晶組成物を注入するためのギャップが形成
されている。ギャップの寸法は、通常50μm以下であ
り、好ましくは5〜10μmである。
【0047】なお、図2に示す多層液晶セルにおいて
は、対向する2つの面に透明電極22が形成されたガラ
ス薄板23を使用しているが、これに限定されず、一方
の面のみに透明電極が形成されたガラス基板を貼り合わ
せて、同様の構造として使用することもできる。
【0048】図2に示す液晶表示素子においては、対向
配置されたガラス基板の間に、それぞれ第1の液晶層2
5、第2の液晶層26および第3の液晶層27の3つの
液晶層が形成され、各液晶層には、液晶化合物と二色性
色素とを含有する液晶組成物が注入されている。
【0049】このように多層液晶セルとする場合には、
液晶層全体として複数のアントラキノン系二色性色素が
含有されていれば、それ以外は、何等限定されるもので
はない。例えば、1つの液晶セルに注入された液晶化合
物中に複数のアントラキノン系二色性色素が含有されて
いてもよく、あるいは、1種類のアントラキノン系二色
性色素を含む液晶化合物を、複数の液晶セル中に注入す
ることもできる。かかる構成を満たしていれば、アント
ラキノン系二色性色素以外のアゾ系色素等を含有する液
晶組成物を、他の液晶セルに注入してもよい。
【0050】なお、図2に示したような3つの液晶層を
有する液晶表示素子とする場合には、各液晶層に含有さ
れる液晶組成物の二色性色素は、それぞれ、イエロー、
シアンおよびマゼンダの二色性色素とすることができ
る。例えば、イエローの二色性色素としては、式(1)
および式(11)で表わされる化合物が挙げられ、マゼ
ンダの二色性色素としては、式(2)および式(12)
で表わされる化合物が挙げられる。また、シアンの二色
性色素としては、式(3)、式(9)および式(14)
で表わされる化合物が挙げられる。
【0051】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例および比較
例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、その要旨
を越えない限り、以下に限定されるものではない。 (実施例I) (実施例I−1)式(1)、(2)および(3)で表わ
されるアントラキノン系二色性色素を、商品名ZLI−
4792(E.MERCK社製)として市販されている
フッ素系液晶材料を主成分とする液晶混合物に、それぞ
れ1重量%の濃度で混合溶解させて、液晶組成物を調製
した。
【0052】なお、式(1)と(2)および(3)で表
わされる化合物に結合している水素結合性置換基は、す
べて分子内水素結合を形成できる立体構造にある。得ら
れた液晶組成物を用いて、以下のようにして液晶表示素
子を製造した。すなわち、まず、2枚のガラス基板(厚
さ1mm)の一方の面にそれぞれ透明電極を形成し、さ
らに、ポリイミド系樹脂を塗布した。次いで、ラビング
処理を施し、各ガラス基板の透明電極側が対向するよう
に平行に離間して配置してギャップ9μmのセルを作製
した。このギャップに前述の液晶組成物を封入し、シー
ル剤によりギャップを封止して本発明の液晶表示素子を
得た。
【0053】この素子を110℃の恒温下で1時間ベー
クした後、100℃における液晶組成物の電圧保持率を
測定した。ホスト液晶のみの場合の電圧保持率を100
%としたときの比電圧保持率は96%であった。なお、
式(1)および(2)で表わされる二色性色素の上記ホ
スト液晶に対する溶解性は、20℃においてそれぞれ
3.2重量%および4.5重量%であった。
【0054】(比較例I−1)式(1)の二色性色素の
代わりに、下記化6に示す式(15)で表わされるアン
トラキノン系二色性色素を用いた以外は、前述の実施例
(I−1)と同様にして液晶表示素子を製造した。
【0055】
【化6】
【0056】なお、式(15)で表わされる二色性色素
に含まれる水素結合性置換基の水素原子の一つは、立体
的に分子内水素結合が不可能である。この素子を、実施
例(I−1)と同様の条件でベークし、同様にして電圧
保持率を測定したところ、ホスト液晶のみの場合の電圧
保持率を100%としたときの比電圧保持率は60%で
あった。また、式(15)で表わされる二色性色素のホ
スト液晶に対する溶解性は、20℃において1.5重量
%であった。
【0057】このように、分子内水素結合が立体的に不
可能な置換基を有する二色性色素は、ホスト液晶に対す
る溶解性が悪く、かつ、それを少量ホスト液晶に混合し
た場合にも、電圧保持率が大幅に低下した。
【0058】(実施例I−2)式(1)および(2)で
表わされる二色性色素の代わりに、式(4)および
(5)で表わされるアントラキノン系二色性色素を用い
た以外は、前述の実施例(I−1)と同様にして液晶表
示素子を製造した。
【0059】この素子を、実施例(I−1)と同様の条
件でベークし、同様にして電圧保持率を測定したとこ
ろ、ホスト液晶のみの場合の電圧保持率を100%とし
たときの比電圧保持率は98%であった。また、式
(4)および(5)で表わされる二色性色素のホスト液
晶に対する溶解性は、20℃において、それぞれ3.6
重量および4.5重量%であった。
【0060】(実施例I−3)式(1)および(2)で
表わされる二色性色素の代わりに、式(6)および
(7)で表わされるアントラキノン系二色性色素を用い
た以外は、前述の実施例(I−1)と同様にして液晶表
示素子を製造した。
【0061】この素子を、実施例(I−1)と同様の条
件でベークし、同様にして電圧保持率を測定したとこ
ろ、ホスト液晶のみの場合の電圧保持率を100%とし
たときの比電圧保持率は、94%であった。また、式
(6)および(7)で表わされる二色性色素のホスト液
晶に対する溶解性は、20℃において、それぞれ4.2
重量%および3.5重量%であった。
【0062】(比較例I−2)式(2)で表わされる二
色性色素の代わりに、前述の化6に示した式(16)で
表わされるアントラキノン系二色性色素を用いた以外
は、前述の実施例(I−1)と同様にして液晶表示素子
を作製した。
【0063】なお、式(16)で表わされる二色性色素
に含まれる水素結合性置換基の水素原子の1つは、立体
的に分子内水素結合が不可能である。この素子を、実施
例(I−1)と同様の条件でベークし、同様にして電圧
保持率を測定したところ、ホスト液晶のみの場合の電圧
保持率を100%としたときの比電圧保持率は、55%
であった。なお、式(16)で表わされる二色性色素の
ホスト液晶に対する溶解性は、20℃において1.2重
量%であった。
【0064】このように、分子内水素結合が立体的に不
可能な置換基を有する二色性色素は、ホスト液晶に対す
る溶解性が悪く、かつそれを少量ホスト液晶に混合した
場合にも、電圧保持率が大幅に低下した。
【0065】(実施例I−4)式(3)で表わされる二
色性色素の代わりに、式(8)で表わされるアントラキ
ノン系二色性色素を用いた以外は、前述の実施例(I−
1)と同様にして、液晶表示素子を作製した。
【0066】この素子を、実施例(I−1)と同様の条
件でベークし、同様にして電圧保持率を測定したとこ
ろ、ホスト液晶のみの場合の電圧保持率を100%とし
たときの比電圧保持率は97%であった。また、式
(8)で表わされる二色性色素のホスト液晶に対する溶
解性は、20℃において、3.1重量%であった。
【0067】(実施例I−5)式(1)で表わされる二
色性色素の代わりに、式(10)で表わされるアゾ系二
色性色素を用いた以外は、前述の実施例(I−1)と同
様にして液晶表示素子を作製した。
【0068】この素子を、実施例(I−1)と同様の条
件でベークし、同様にして電圧保持率を測定したとこ
ろ、ホスト液晶のみの場合の電圧保持率を100%とし
たときの比電圧保持率は90%であった。また、式(1
0)で表わされる二色性色素のホスト液晶に対する溶解
性は、20℃において、2.4重量%であった。
【0069】(実施例I−6)式(1)で表わされるイ
エローの二色性色素を、液晶混合物(ZLI−479
2)に1.5重量%の濃度で溶解させて第1の液晶組成
物を得、式(2)で表わされるマゼンダの二色性色素
を、液晶混合物(ZLI−4792)に1.5重量%の
濃度で溶解させて、第2の液晶組成物を得た。さらに、
式(3)で表わされるシアンの二色性色素と式(9)で
表わされるシアンの二色性色素とを、液晶混合物(ZL
I−4792)にそれぞれ1.0重量%の濃度で溶解さ
せて第3の液晶組成物を調製した。
【0070】得られた3種類の液晶組成物を用いて、図
2に示すような三層の積層液晶セルを製造した。なお、
この積層液晶セルは、以下のようにして作製した。すな
わち、厚さ0.5mmのガラス板23の両面にITO電
極を形成し、厚さ1mmのガラス板21の片面にITO
電極を形成した。この電極上にポリイミド膜を塗布した
後、ラビング処理を施した。さらに、9μmのスペーサ
ーを散布した後、図2に示すようにセルを組み立てた。
【0071】前述の第1、第2および第3の液晶組成物
を、それぞれ三層セルの第1層、第2層、および第3層
に封入し、各ギャップをシール剤により封止して、本発
明の液晶表示素子を製造した。
【0072】この素子を、110℃の恒温下で1時間ベ
ークした後、100℃での電圧保持率を測定した。ホス
ト液晶のみ電圧保持率を100%としたときの比電圧保
持率は三層とも95%であった。
【0073】(実施例I−7)式(1)で表わされる二
色性色素の代わりに、式(10)で表わされるアゾ系二
色性色素を用いた以外は、前述の実施例(I−6)と同
様にして液晶表示素子を作製した。
【0074】この素子を、実施例(I−1)と同様の条
件でベークし、同様にして電圧保持率を測定したとこ
ろ、ホスト液晶のみの場合の電圧保持率を100%とし
たときの比電圧保持率は三層とも90%であった。
【0075】(比較例I−3)式(1)で表わされる二
色性色素の代わりに、式(15)で表わされる二色性色
素を用いた以外は、前述の実施例(I−6)と同様にし
て液晶表示素子を製造した。
【0076】この素子を、実施例(I−1)と同様の条
件でベークし、同様にして電圧保持率を測定したとこ
ろ、ホスト液晶のみの場合の電圧保持率を100%とし
たときの比電圧保持率は、2および3層目は95%以上
であった。しかしながら、分子内水素結合が立体的に不
可能な置換基が結合した二色性色素を含有した第1層目
の比電圧保持率は、50%と著しく低かった。このた
め、液晶表示素子全体としては、TFT駆動に適さない
ことがわかった。
【0077】以上の結果から、全ての水素原子が分子内
水素結合が立体的に可能な置換基を有するアントラキノ
ン系二色性色素は、フッ素系のホスト液晶に対する溶解
性が大きく、しかも、添加後の電圧保持率の低下の極め
て小さいことがわかった。さらに、複数のアントラキノ
ン系二色性色素に加えて、アゾ系二色性色素を使用して
も、この効果には何等影響を及ぼさない。 (実施例II) (実施例II−1)式(11)、(12)および(3)で
表わされるアントラキノン系二色性色素を、商品名ZL
I−4792(E.MERCK社製)として市販されて
いるフッ素系液晶材料を主成分とする液晶混合物に、そ
れぞれ1%重量%の濃度で混合溶解させて、液晶組成物
を調製した。
【0078】なお、式(11)と(12)および(3)
で表わされる二色性色素のハメットシグマ値の合計は、
それぞれ−0.68、−1.32および−1.18であ
る。得られた液晶組成物を用いて、以下のようにして液
晶表示素子を製造した。すなわち、まず、2枚のガラス
基板(厚さ1mm)の一方の面にそれぞれ透明電極を形
成し、さらに、ポリイミド系樹脂を塗布した。次いで、
ラビング処理を施し、各ガラス基板の透明電極側が対向
するように平行に離間して配置してギャップ9μmのセ
ルを作製した。このギャップに前述の液晶組成物を封入
し、シール剤によりギャップを封止して本発明の液晶表
示素子を得た。
【0079】この素子を110℃の恒温下で1時間ベー
クした後、100℃における液晶組成物の電圧保持率を
測定した。ホスト液晶のみ電圧保持率を100%とした
ときの比電圧保持率は97%であった。
【0080】(比較例II−1)式(3)で表わされる二
色性色素の代わりに、前記化6に示した式(17)で表
わされるアントラキノン系二色性色素を用いた以外は、
前述の実施例(II−1)と同様にして液晶表示素子を作
製した。
【0081】なお、式(17)で表わされる化合物のハ
メットシグマ値の合計は、−2.02である。この素子
を、実施例(II−1)と同様の条件でベークし、同様に
して電圧保持率を測定したところ、ホスト液晶のみの場
合の電圧保持率を100%としたときの比電圧保持率は
68%であった。 (実施例II−2)式(11)および(12)で表わされ
る二色性色素の代わりに、式(5)および(13)で表
わされるアントラキノン系二色性色素を用いた以外は、
前述の実施例(II−1)と同様にして液晶表示素子を製
造した。式(5)および(13)で表わされる化合物の
ハメットシグマ値の合計は、それぞれ−0.34および
−0.52である。
【0082】この素子を、実施例(II−1)と同様の条
件でベークし、同様にして電圧保持率を測定したとこ
ろ、ホスト液晶のみの場合の電圧保持率を100%とし
たときの比電圧保持率は95%であった。
【0083】(実施例II−3)式(12)で表わされる
二色性色素の代わりに、式(7)で表わされるアントラ
キノン系二色性色素を用いた以外は、前述の実施例(II
−1)と同様にして液晶表示素子を作製した。式(7)
で表わされる化合物のハメットシグマ値の合計は、−
0.71である。
【0084】この素子を、実施例(II−1)と同様の条
件でベークし、同様にして電圧保持率を測定したとこ
ろ、ホスト液晶のみの場合の電圧保持率を100%とし
たときの比電圧保持率は97%であった。
【0085】(比較例II−2)式(11)で表わされる
二色性色素の代わりに、式(18)で表わされるアント
ラキノン系二色性色素を用いた以外は、前述の実施例
(II−1)と同様にして液晶表示素子を作製した。式
(18)で表わされる化合物のハメットシグマ値の合計
は、0.1である。
【0086】この素子を、実施例(II−1)と同様の条
件でベークし、同様にして電圧保持率を測定したとこ
ろ、ホスト液晶のみの場合の電圧保持率を100%とし
たときの比電圧保持率は59%であった。
【0087】このように、置換基のハメットシグマ値の
合計が0より大きい二色性色素は、少量ホスト液晶に混
合した場合でも、電圧保持率が大幅に低下することがわ
かる。
【0088】(実施例II−4)構造式(3)で表わされ
る二色性色素の代わりに、式(8)で表わされるアント
ラキノン系二色性色素を用いた以外は、前述の実施例
(II−1)と同様にして、液晶表示素子を作製した。式
(8)で表わされる化合物のハメットシグマ値の合計
は、−1.32である。
【0089】この素子を、実施例(II−1)と同様の条
件でベークし、同様にして電圧保持率を測定したとこ
ろ、ホスト液晶のみの場合の電圧保持率を100%とし
たときの比電圧保持率は94%であった。
【0090】(実施例II−5)式(11)で表わされる
二色性色素の代わりに、式(10)で表わされるアゾ系
二色性色素を用いた以外は、前述の実施例(II−1)と
同様にして、液晶表示素子を作製した。
【0091】この素子を、実施例(II−1)と同様の条
件でベークし、同様にして電圧保持率を測定したとこ
ろ、ホスト液晶のみの場合の電圧保持率を100%とし
たときの比電圧保持率は90%であった。
【0092】(実施例II−6)式(11)で表わされる
イエローの二色性色素を、液晶混合物(ZLI−479
2)に1.5重量%の濃度で溶解させて第1の液晶組成
物を得、式(12)で表わされるマゼンダの二色性色素
を、液晶混合物(ZLI−4792)に1.5重量%の
濃度で溶解させて、第2の液晶組成物を得た。さらに、
式(3)で表わされるシアンの二色性色素と式(14)
で表わされるシアンの二色性色素とを、液晶混合物(Z
LI−4792)にそれぞれ1.0重量%の濃度で溶解
させて第3の液晶組成物を調製した。なお、式(14)
で表わされる化合物のハメットシグマ値の合計は、−
0.76である。
【0093】前述の第1、第2および第3の液晶組成物
を、図2に示すような三層の積層液晶セルの第1層、第
2層、および第3層にそれぞれ封入し、各ギャップをシ
ール剤により封止して、本発明の液晶表示素子を製造し
た。
【0094】この素子を、実施例(II−1)と同様の条
件でベークし、同様にして電圧保持率を測定したとこ
ろ、ホスト液晶のみの場合の電圧保持率を100%とし
たときの比電圧保持率は三層とも94%であった。
【0095】(実施例II−7)式(11)で表わされる
二色性色素の代わりに、式(10)で表わされるアゾ系
二色性色素を用いた以外は、前述の実施例(II−6)と
同様にして液晶表示素子を作製した。
【0096】この素子を、実施例(II−1)と同様の条
件でベークし、同様にして電圧保持率を測定したとこ
ろ、ホスト液晶のみの場合の電圧保持率を100%とし
たときの比電圧保持率は、三層とも90%以上であっ
た。
【0097】(比較例II−3)式(3)で表わされる二
色性色素の代わりに、構造式(17)で表わされるアン
トラキノン系二色性色素を用いた以外は、前述の実施例
(II−6)と同様にして液晶表示素子を作製した。
【0098】この素子を、実施例(II−1)と同様の条
件でベークし、同様にして電圧保持率を測定したとこ
ろ、ホスト液晶のみの場合の電圧保持率を100%とし
たときの比電圧保持率は、第1および第2層では90%
以上であった。しかしながら、ハメットシグマ値の合計
が−2.02である式(17)の二色性色素を含有する
第3層は75%であり、液晶表示素子全体としては、T
FT駆動に適さないことがわかった。
【0099】以上の結果から、置換基のハメットシグマ
値の合計が、−2から0の範囲であるアントラキノン系
二色性色素は、フッ素系のホスト液晶に対する溶解性が
大きく、しかも、添加後の電圧保持率の低下の極めて小
さいことがわかった。さらに、複数のアントラキノン系
二色性色素に加えて、アゾ系二色性色素を使用しても、
この効果には何等影響を及ぼさない。
【0100】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
耐光性、二色比、色調に優れ、アクティブマトリックス
駆動が可能である、電圧保持率の高いゲストホスト液晶
表示素子が提供される。かかる液晶表示素子は、疎水性
の液晶材料にも高い溶解性を有しており、その工業的価
値は絶大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶表示素子の一例を模式的に示す断
面図。
【図2】本発明の液晶表示素子の他の例を模式的に示す
断面図。
【符号の説明】
10…液晶表示素子,11…透明基板,12…透明基
板,13…透明電極 14…透明電極,15…シール剤,16…液晶層,20
…液晶表示素子 21…ガラス基板,22…透明電極,23…ガラス薄
板,24…スペーサー 25…第1の液晶層,26…第2の液晶層,23…第3
の液晶層。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1つの基板上には透明電極を
    有し、離間・対向して配置された第1および第2の基板
    と、この基板の間に挟持された液晶層とを有し、 前記液晶層は、液晶化合物と複数のアントラキノン系二
    色性色素とを含む液晶組成物を含有し、前記アントラキ
    ノン系二色性色素は、水素結合性置換基の全ての水素原
    子が、分子内水素結合を形成することが立体的に可能で
    あることを特徴とする液晶表示素子。
  2. 【請求項2】 離間して配置された一対の基板、および
    この基板間に挟持された液晶層を有する液晶セルが複数
    層積層された多層液晶表示素子において、 各液晶層には、液晶化合物と二色性色素とを含む液晶組
    成物が含有され、液晶層全体としては複数のアントラキ
    ノン系二色性色素を含有し、かつ、前記アントラキノン
    系二色性色素は、水素結合性置換基の全ての水素原子
    が、分子内水素結合を形成することが立体的に可能であ
    ることを特徴とする液晶表示素子。
  3. 【請求項3】 少なくとも1つの基板上には透明電極を
    有し、離間・対向された第1および第2の基板と、この
    基板の間に挟持された液晶層とを有し、 前記液晶層は、液晶化合物と複数のアントラキノン系二
    色性色素とを含む液晶組成物を含有し、全てのアントラ
    キノン系二色性色素は、置換基のハメットシグマ値の総
    和が−2以上0以下の範囲にあることを特徴とする液晶
    表示素子。
  4. 【請求項4】 離間して配置された一対の基板、および
    この基板間に挟持された液晶層を有する液晶セルが複数
    層積層された多層液晶表示素子において、 各液晶層には、液晶化合物と二色性色素とを含む液晶組
    成物が含有されて、液晶層全体としては複数のアントラ
    キノン系二色性色素を含有し、かつ、全てのアントラキ
    ノン系二色性色素は、置換基のハメットシグマ値の総和
    が−2から0の範囲にあることを特徴とする液晶表示素
    子。
  5. 【請求項5】 3つの液晶層を有し、各液晶層に含有さ
    れる液晶組成物に含まれる二色性色素は、それぞれイエ
    ロー、シアンおよびマゼンダである請求項2または4に
    記載の液晶表示素子。
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