JPH0945161A - 超伝導配線 - Google Patents
超伝導配線Info
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- JPH0945161A JPH0945161A JP7190426A JP19042695A JPH0945161A JP H0945161 A JPH0945161 A JP H0945161A JP 7190426 A JP7190426 A JP 7190426A JP 19042695 A JP19042695 A JP 19042695A JP H0945161 A JPH0945161 A JP H0945161A
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- Y02E40/60—Superconducting electric elements or equipment; Power systems integrating superconducting elements or equipment
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- Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
- Superconductor Devices And Manufacturing Methods Thereof (AREA)
- Superconductors And Manufacturing Methods Therefor (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】LnBa2Cu3Ox(LnはYもしくはランタ
ノイド元素を表わす。)の組成で示される酸化物超伝導
体薄膜を用いた超伝導配線において、高い臨界電流密度
を実現できる構造の超伝導配線を提供する。 【解決手段】基板上に堆積された酸化物超伝導体薄膜に
より構成される超伝導配線であって、酸化物超伝導体薄
膜の結晶軸方位であるa軸もしくはb軸が基板主面に対
して配向し、かつ、c軸は面内に配向しており、c軸に
対して垂直方向に電流を流す構成とする。または、基板
上に堆積された酸化物超伝導体薄膜により構成される超
伝導配線であって、酸化物超伝導体薄膜の結晶軸方位で
あるa軸もしくはb軸が基板主面に対して配向し、か
つ、c軸が面内に配向した酸化物超伝導体薄膜が、常伝
導体薄膜を挟んで複数層積層され、c軸に対して垂直方
向に電流を流す構成とする。
ノイド元素を表わす。)の組成で示される酸化物超伝導
体薄膜を用いた超伝導配線において、高い臨界電流密度
を実現できる構造の超伝導配線を提供する。 【解決手段】基板上に堆積された酸化物超伝導体薄膜に
より構成される超伝導配線であって、酸化物超伝導体薄
膜の結晶軸方位であるa軸もしくはb軸が基板主面に対
して配向し、かつ、c軸は面内に配向しており、c軸に
対して垂直方向に電流を流す構成とする。または、基板
上に堆積された酸化物超伝導体薄膜により構成される超
伝導配線であって、酸化物超伝導体薄膜の結晶軸方位で
あるa軸もしくはb軸が基板主面に対して配向し、か
つ、c軸が面内に配向した酸化物超伝導体薄膜が、常伝
導体薄膜を挟んで複数層積層され、c軸に対して垂直方
向に電流を流す構成とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はLnBa2Cu3Ox
(LnはYもしくはランタノイド元素を表わす。)の組
成で示される酸化物超伝導体薄膜を用い、臨界電流を向
上させるのに好適な構造の超伝導配線に関する。
(LnはYもしくはランタノイド元素を表わす。)の組
成で示される酸化物超伝導体薄膜を用い、臨界電流を向
上させるのに好適な構造の超伝導配線に関する。
【0002】
【従来の技術】1986年に発見された、La2-xMxC
uO4(M:SrまたはBa、0<x<1)で示される
酸化物は、超伝導転移温度(Tc)が30Kから40K
であり、従来の金属超伝導体の超伝導転移温度と比較し
て著しく高いことから、より高温のTcとなる酸化物超
伝導体の探索が進められ、Tcが90K程度のLnBa
2Cu3Ox酸化物超伝導体(Ln:Yあるいはランタノ
イド元素)、Tcが110K程度のBiSrCaCuO
x系酸化物超伝導体、Tcが120K程度のTlBaC
aCuOx系酸化物超伝導体、Tcが160K程度のH
gBaCaCuOx系酸化物超伝導体等の発見が相次い
でいる。酸化物超伝導体を用いて超伝導配線を作製する
方法は、当初、銀シースを用いて行われた。これは、中
空の銀チューブに酸化物超伝導体の粉末を入れ、成形し
た後に酸素雰囲気中で熱処理し、超伝導配線とするもの
である。このような作製法では超伝導体が多結晶体とな
るため、超伝導体の結晶軸であるa軸、b軸とc軸方向
がランダムにチューブ内で配置される。酸化物超伝導体
は、結晶構造の異方性と共に、電流輸送特性に大きな異
方性があり、a軸とb軸方向には電流は流れ易いが、c
軸方向には流れにくいという特徴がある。この異方性の
ために、酸化物超伝導体の結晶軸方位がランダムな超伝
導配線では電流密度を高くすることができないという致
命的な欠点があった。この問題点を解決するために、薄
膜状の超伝導配線が作製されるようになった。薄膜状の
超伝導配線は、例えば、ハステロイテープ上に酸化物超
伝導体薄膜を蒸着することにより得られる。このような
薄膜状の超伝導配線では、その超伝導体薄膜が基板主面
(主要面)に対してc軸配向するように作製されてい
る。c軸配向膜においては、電流通電方向がa軸または
b軸方向となるため電流が流れ易く、結晶軸方位がラン
ダムな銀シース超伝導配線よりも高電流密度を実現する
ことができる。
uO4(M:SrまたはBa、0<x<1)で示される
酸化物は、超伝導転移温度(Tc)が30Kから40K
であり、従来の金属超伝導体の超伝導転移温度と比較し
て著しく高いことから、より高温のTcとなる酸化物超
伝導体の探索が進められ、Tcが90K程度のLnBa
2Cu3Ox酸化物超伝導体(Ln:Yあるいはランタノ
イド元素)、Tcが110K程度のBiSrCaCuO
x系酸化物超伝導体、Tcが120K程度のTlBaC
aCuOx系酸化物超伝導体、Tcが160K程度のH
gBaCaCuOx系酸化物超伝導体等の発見が相次い
でいる。酸化物超伝導体を用いて超伝導配線を作製する
方法は、当初、銀シースを用いて行われた。これは、中
空の銀チューブに酸化物超伝導体の粉末を入れ、成形し
た後に酸素雰囲気中で熱処理し、超伝導配線とするもの
である。このような作製法では超伝導体が多結晶体とな
るため、超伝導体の結晶軸であるa軸、b軸とc軸方向
がランダムにチューブ内で配置される。酸化物超伝導体
は、結晶構造の異方性と共に、電流輸送特性に大きな異
方性があり、a軸とb軸方向には電流は流れ易いが、c
軸方向には流れにくいという特徴がある。この異方性の
ために、酸化物超伝導体の結晶軸方位がランダムな超伝
導配線では電流密度を高くすることができないという致
命的な欠点があった。この問題点を解決するために、薄
膜状の超伝導配線が作製されるようになった。薄膜状の
超伝導配線は、例えば、ハステロイテープ上に酸化物超
伝導体薄膜を蒸着することにより得られる。このような
薄膜状の超伝導配線では、その超伝導体薄膜が基板主面
(主要面)に対してc軸配向するように作製されてい
る。c軸配向膜においては、電流通電方向がa軸または
b軸方向となるため電流が流れ易く、結晶軸方位がラン
ダムな銀シース超伝導配線よりも高電流密度を実現する
ことができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】酸化物超伝導体は、結
晶軸方位と共に、磁場に対しても大きな異方性を持つこ
とが分かってきた。図3および図4は、磁場中での酸化
物超伝導体の抵抗率の温度特性を示すグラフである。図
3は、電流通電方向がb軸方向で、磁場方向がc軸方向
の場合、図4は、電流通電方向がb軸方向で、磁場方向
がa軸方向とした場合の温度特性を示す〔Mukaida, P
hysical Review B50(1994)7124〕。なお、図中の各
線に付してある数字は、印加磁場〔単位 T(テス
ラ)〕を示している。図3と図4とを比べると明らかな
ように、磁場中での抵抗値が零(0)となる温度の低下
は、その磁場が印加されている結晶軸の方向に依存し、
磁場がc軸方向に印加されている時には大きく低下す
る。すなわち、一定温度において、c軸方向に磁場が印
加されると臨界電流密度が大きく低下するという重大な
問題があった。図5は、従来の超伝導配線を示す模式図
であって、基板上に酸化物超伝導体薄膜を形成し、その
結晶方位が基板主面に対してc軸配向した超伝導体薄膜
からなる超伝導配線であり、紙面に垂直方向に電流を通
電した場合の磁束線を描いたものである。図において、
7は基板、8はc軸配向した超伝導体薄膜、3は自己磁
場の磁束線である。上記超伝導体薄膜8中に示したa、
b、cは、それぞれ酸化物超伝導体薄膜の結晶軸方位を
示している。図5に示した超伝導体薄膜8からなる超伝
導配線の陵部分5では、磁束線が薄膜に垂直、すなわち
c軸方向に印加されている。このため、この部分で超伝
導臨界電流値が低下するという致命的な問題が生じる。
超伝導配線中の一部の臨界電流値が低下すると、超伝導
電流は低下していない部分へと移行し、移行した部分の
電流密度が上がる。移行した部分の臨界電流密度が臨界
値を越えると、超伝導配線は常伝導へと瞬時に転移(ク
エンチ)する。すなわち、電気抵抗ゼロであったケーブ
ルが抵抗体に変化して膨大な熱が発生するという重大な
問題が発生する。
晶軸方位と共に、磁場に対しても大きな異方性を持つこ
とが分かってきた。図3および図4は、磁場中での酸化
物超伝導体の抵抗率の温度特性を示すグラフである。図
3は、電流通電方向がb軸方向で、磁場方向がc軸方向
の場合、図4は、電流通電方向がb軸方向で、磁場方向
がa軸方向とした場合の温度特性を示す〔Mukaida, P
hysical Review B50(1994)7124〕。なお、図中の各
線に付してある数字は、印加磁場〔単位 T(テス
ラ)〕を示している。図3と図4とを比べると明らかな
ように、磁場中での抵抗値が零(0)となる温度の低下
は、その磁場が印加されている結晶軸の方向に依存し、
磁場がc軸方向に印加されている時には大きく低下す
る。すなわち、一定温度において、c軸方向に磁場が印
加されると臨界電流密度が大きく低下するという重大な
問題があった。図5は、従来の超伝導配線を示す模式図
であって、基板上に酸化物超伝導体薄膜を形成し、その
結晶方位が基板主面に対してc軸配向した超伝導体薄膜
からなる超伝導配線であり、紙面に垂直方向に電流を通
電した場合の磁束線を描いたものである。図において、
7は基板、8はc軸配向した超伝導体薄膜、3は自己磁
場の磁束線である。上記超伝導体薄膜8中に示したa、
b、cは、それぞれ酸化物超伝導体薄膜の結晶軸方位を
示している。図5に示した超伝導体薄膜8からなる超伝
導配線の陵部分5では、磁束線が薄膜に垂直、すなわち
c軸方向に印加されている。このため、この部分で超伝
導臨界電流値が低下するという致命的な問題が生じる。
超伝導配線中の一部の臨界電流値が低下すると、超伝導
電流は低下していない部分へと移行し、移行した部分の
電流密度が上がる。移行した部分の臨界電流密度が臨界
値を越えると、超伝導配線は常伝導へと瞬時に転移(ク
エンチ)する。すなわち、電気抵抗ゼロであったケーブ
ルが抵抗体に変化して膨大な熱が発生するという重大な
問題が発生する。
【0004】本発明の目的は、LnBa2Cu3Ox(L
nはYもしくはランタノイド元素を表わす。)の組成で
示される酸化物超伝導体薄膜を用いた超伝導配線におい
て、高い臨界電流密度を実現できる構造の超伝導配線を
提供することにある。
nはYもしくはランタノイド元素を表わす。)の組成で
示される酸化物超伝導体薄膜を用いた超伝導配線におい
て、高い臨界電流密度を実現できる構造の超伝導配線を
提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記本発明の目的を達成
するために、基本的には、基板上に形成した酸化物超伝
導体薄膜の結晶軸方位を、基板主面(基板の主要面)に
対してa軸またはb軸配向させ、かつ、c軸を面内で配
向させ、さらに、c軸に対して垂直方向へ電流を流す構
成とするものである。さらに、酸化物超伝導体薄膜と常
伝導薄膜とを複数層積層した多層膜構造の超伝導配線と
するものである。本発明の目的を達成するために、具体
的には、特許請求の範囲に記載のような構成とするもの
である。すなわち、本発明は請求項1に記載のように、
基板上に堆積された酸化物超伝導体薄膜により構成され
る超伝導配線であって、上記酸化物超伝導体薄膜の結晶
軸方位であるa軸もしくはb軸が基板主面に対して配向
し、かつ、c軸は面内に配向しており、該c軸に対して
垂直方向に電流を流す構成とするものである。また、本
発明は請求項2に記載のように、基板上に堆積された酸
化物超伝導体薄膜により構成される超伝導配線であっ
て、酸化物超伝導体薄膜の結晶軸方位であるa軸もしく
はb軸が基板主面に対して配向し、かつ、c軸が面内に
配向した酸化物超伝導体薄膜が、常伝導体薄膜を挟んで
複数層積層され、上記c軸に対して垂直方向に電流を流
す構造の多層膜構造の超伝導配線とするものである。ま
た、本発明は請求項3に記載のように、請求項1または
請求項2に記載の超伝導配線において、酸化物超伝導体
薄膜は、一般式LnBa2Cu3Ox〔式中、Lnはイッ
トリウム(Y)もしくはランタノイド元素を表わす。〕
で示される組成の薄膜を用いた超伝導配線とするもので
ある。また、本発明は請求項4に記載のように、請求項
1ないし請求項3のいずれか1項に記載の超伝導配線に
おいて、基板の表面結晶格子が矩形である基板を用いる
ものである。
するために、基本的には、基板上に形成した酸化物超伝
導体薄膜の結晶軸方位を、基板主面(基板の主要面)に
対してa軸またはb軸配向させ、かつ、c軸を面内で配
向させ、さらに、c軸に対して垂直方向へ電流を流す構
成とするものである。さらに、酸化物超伝導体薄膜と常
伝導薄膜とを複数層積層した多層膜構造の超伝導配線と
するものである。本発明の目的を達成するために、具体
的には、特許請求の範囲に記載のような構成とするもの
である。すなわち、本発明は請求項1に記載のように、
基板上に堆積された酸化物超伝導体薄膜により構成され
る超伝導配線であって、上記酸化物超伝導体薄膜の結晶
軸方位であるa軸もしくはb軸が基板主面に対して配向
し、かつ、c軸は面内に配向しており、該c軸に対して
垂直方向に電流を流す構成とするものである。また、本
発明は請求項2に記載のように、基板上に堆積された酸
化物超伝導体薄膜により構成される超伝導配線であっ
て、酸化物超伝導体薄膜の結晶軸方位であるa軸もしく
はb軸が基板主面に対して配向し、かつ、c軸が面内に
配向した酸化物超伝導体薄膜が、常伝導体薄膜を挟んで
複数層積層され、上記c軸に対して垂直方向に電流を流
す構造の多層膜構造の超伝導配線とするものである。ま
た、本発明は請求項3に記載のように、請求項1または
請求項2に記載の超伝導配線において、酸化物超伝導体
薄膜は、一般式LnBa2Cu3Ox〔式中、Lnはイッ
トリウム(Y)もしくはランタノイド元素を表わす。〕
で示される組成の薄膜を用いた超伝導配線とするもので
ある。また、本発明は請求項4に記載のように、請求項
1ないし請求項3のいずれか1項に記載の超伝導配線に
おいて、基板の表面結晶格子が矩形である基板を用いる
ものである。
【0006】次に、本発明の超伝導配線について、その
作用ならびに効果について説明する。本発明の超伝導配
線は、請求項1に記載のように、基板上に堆積された酸
化物超伝導体薄膜により構成される超伝導配線であっ
て、上記酸化物超伝導体薄膜の結晶軸方位であるa軸も
しくはb軸が基板主面に対して配向し、かつ、c軸は面
内に配向しており、該c軸に対して垂直方向に電流を流
す構造とするものである。このような構造とすることに
より、磁場が最強となる超伝導配線の陵部分において、
自己磁場の方向に対して超伝導配線を構成する酸化物超
伝導体薄膜のc軸が垂直となっているために、通常の磁
場がc軸方向に印加される超伝導配線の場合よりも格段
に高い臨界電流値を実現できる効果がある。また、本発
明の超伝導配線は、請求項2に記載のように、基板上に
堆積された酸化物超伝導体薄膜により構成される超伝導
配線であって、酸化物超伝導体薄膜の結晶軸方位である
a軸もしくはb軸が基板主面に対して配向し、かつ、c
軸が面内に配向した酸化物超伝導体薄膜が、常伝導体薄
膜を挟んで複数層積層され、上記c軸に対して垂直方向
に電流を流す多層膜構造の超伝導配線としている。この
ように、酸化物超伝導体薄膜と常伝導薄膜とを複数層積
層した多層膜構造とすることにより、超伝導体薄膜に侵
入した磁束量子に対してピンニングポテンシャルとして
上記積層界面が働くため磁束量子の運動が妨げられる。
これにより、磁束フローによる臨界電流値の低下を抑制
できる効果がある。また、本発明は請求項3に記載のよ
うに、請求項1または請求項2に記載の超伝導配線にお
いて、酸化物超伝導体薄膜は、一般式LnBa2Cu3O
x〔式中、Lnはイットリウム(Y)もしくはランタノ
イド元素を表わす。〕で示される組成の薄膜を用いるこ
とができ、超伝導転移温度Tcの高い超伝導を示す酸化
物超伝導体を使用することができる。また、本発明は請
求項4に記載のように、請求項1ないし請求項3のいず
れか1項に記載の超伝導配線において、基板の表面結晶
格子が矩形である基板を用いるものであって、基板とし
てLaSrGaO4(100)基板、K2NiF4型結晶
の(100)面基板や、LnGaO3(110)(L
n:ランタノイド元素)基板等の高性能の基板を選択使
用することができる。
作用ならびに効果について説明する。本発明の超伝導配
線は、請求項1に記載のように、基板上に堆積された酸
化物超伝導体薄膜により構成される超伝導配線であっ
て、上記酸化物超伝導体薄膜の結晶軸方位であるa軸も
しくはb軸が基板主面に対して配向し、かつ、c軸は面
内に配向しており、該c軸に対して垂直方向に電流を流
す構造とするものである。このような構造とすることに
より、磁場が最強となる超伝導配線の陵部分において、
自己磁場の方向に対して超伝導配線を構成する酸化物超
伝導体薄膜のc軸が垂直となっているために、通常の磁
場がc軸方向に印加される超伝導配線の場合よりも格段
に高い臨界電流値を実現できる効果がある。また、本発
明の超伝導配線は、請求項2に記載のように、基板上に
堆積された酸化物超伝導体薄膜により構成される超伝導
配線であって、酸化物超伝導体薄膜の結晶軸方位である
a軸もしくはb軸が基板主面に対して配向し、かつ、c
軸が面内に配向した酸化物超伝導体薄膜が、常伝導体薄
膜を挟んで複数層積層され、上記c軸に対して垂直方向
に電流を流す多層膜構造の超伝導配線としている。この
ように、酸化物超伝導体薄膜と常伝導薄膜とを複数層積
層した多層膜構造とすることにより、超伝導体薄膜に侵
入した磁束量子に対してピンニングポテンシャルとして
上記積層界面が働くため磁束量子の運動が妨げられる。
これにより、磁束フローによる臨界電流値の低下を抑制
できる効果がある。また、本発明は請求項3に記載のよ
うに、請求項1または請求項2に記載の超伝導配線にお
いて、酸化物超伝導体薄膜は、一般式LnBa2Cu3O
x〔式中、Lnはイットリウム(Y)もしくはランタノ
イド元素を表わす。〕で示される組成の薄膜を用いるこ
とができ、超伝導転移温度Tcの高い超伝導を示す酸化
物超伝導体を使用することができる。また、本発明は請
求項4に記載のように、請求項1ないし請求項3のいず
れか1項に記載の超伝導配線において、基板の表面結晶
格子が矩形である基板を用いるものであって、基板とし
てLaSrGaO4(100)基板、K2NiF4型結晶
の(100)面基板や、LnGaO3(110)(L
n:ランタノイド元素)基板等の高性能の基板を選択使
用することができる。
【0007】
〈実施の形態1〉図1は、本発明の実施の形態で例示す
る超伝導配線の構成の一例を示す模式図である。図にお
いて、1は、例えばLaSrGaO4(100)等の基
板、2は基板主面に対してa軸配向した酸化物超伝導体
薄膜、3は自己磁場の磁束線、5は超伝導配線の陵部
分、aは、超伝導配線を構成する酸化物超伝導体薄膜の
結晶軸方位のa軸方向、bはb軸方向、cはc軸方向を
示す。この超伝導配線に、電流を紙面に対し垂直方向に
流すと、自己磁場は、自己磁場の磁束線3で示すように
発生する。ここで注目すべき点は、酸化物超伝導体薄膜
からなる超伝導配線の陵部分5である。磁束密度が最強
となる超伝導配線の陵部分5では、自己磁場の磁束線3
が、酸化物超伝導体薄膜2の表面に対し垂直に印加され
ている。一方、結晶軸方位については、超伝導配線の陵
部分5において、基板1の表面に対して酸化物超伝導体
薄膜2のc軸が平行となっているため、酸化物超伝導体
薄膜2のc軸に対して自己磁場の磁束線3は垂直の配置
となる。これにより、通常のc軸配向膜を用いたときの
酸化物超伝導体薄膜2の結晶軸と、磁束線の配置に当た
る抵抗曲線(図3)に比べて、格段に高い温度にまで超
伝導電流を流せる抵抗曲線(図4)の配置を実現するこ
とができる。本実施の形態において、基板としてはLa
SrGaO4(100)基板を用いて説明したが、表面
格子が矩形である基板、例えばK2NiF4型結晶の(1
00)面基板やLnGaO3(110)(Ln:ランタ
ノイド元素)基板を用いても良いことを確認している。
る超伝導配線の構成の一例を示す模式図である。図にお
いて、1は、例えばLaSrGaO4(100)等の基
板、2は基板主面に対してa軸配向した酸化物超伝導体
薄膜、3は自己磁場の磁束線、5は超伝導配線の陵部
分、aは、超伝導配線を構成する酸化物超伝導体薄膜の
結晶軸方位のa軸方向、bはb軸方向、cはc軸方向を
示す。この超伝導配線に、電流を紙面に対し垂直方向に
流すと、自己磁場は、自己磁場の磁束線3で示すように
発生する。ここで注目すべき点は、酸化物超伝導体薄膜
からなる超伝導配線の陵部分5である。磁束密度が最強
となる超伝導配線の陵部分5では、自己磁場の磁束線3
が、酸化物超伝導体薄膜2の表面に対し垂直に印加され
ている。一方、結晶軸方位については、超伝導配線の陵
部分5において、基板1の表面に対して酸化物超伝導体
薄膜2のc軸が平行となっているため、酸化物超伝導体
薄膜2のc軸に対して自己磁場の磁束線3は垂直の配置
となる。これにより、通常のc軸配向膜を用いたときの
酸化物超伝導体薄膜2の結晶軸と、磁束線の配置に当た
る抵抗曲線(図3)に比べて、格段に高い温度にまで超
伝導電流を流せる抵抗曲線(図4)の配置を実現するこ
とができる。本実施の形態において、基板としてはLa
SrGaO4(100)基板を用いて説明したが、表面
格子が矩形である基板、例えばK2NiF4型結晶の(1
00)面基板やLnGaO3(110)(Ln:ランタ
ノイド元素)基板を用いても良いことを確認している。
【0008】〈実施の形態2〉図2は、本発明の実施の
形態において例示する多層膜構造の超伝導配線の構成を
示す模式図である。図において、1は、例えばLaSr
GaO4(100)等の基板、2は、基板主面に対して
a軸配向した酸化物超伝導体薄膜、3は自己磁場の磁束
線、4はc軸およびa軸が基板主面に対して配向したP
rBa2Cu3Ox常伝導体薄膜、6は超伝導配線の中央
部分、aは超伝導配線を構成する酸化物超伝導体薄膜2
の結晶のa軸方向、bはb軸方向、cはc軸方向を示
す。この超伝導配線に電流を紙面に対し垂直に流すと、
自己磁場の磁束線3に示すように磁束線が発生する。実
施の形態1と同様に、超伝導配線の陵部分5において、
基板1の表面に対して酸化物超伝導体薄膜2のc軸が平
行となっているため、酸化物超伝導体薄膜2のc軸に対
して自己磁場の磁束線3は平行となる。超伝導配線の中
央部分6は磁場強度は弱いが、c軸に平行に磁場が印加
されることになると、本発明の多層膜構造の超伝導配線
においては、常伝導部分に磁束が集中し、酸化物超伝導
体薄膜2に直接磁場が印加される割合が少なくなるた
め、c軸に平行に印加された磁場は無視できる。さら
に、酸化物超伝導体薄膜と常伝導体薄膜との界面は磁束
量子のピンニングポテンシャルとなり、磁束運動に対す
るバリアとなるので、いっそう臨界超伝導電流が増加す
るという付加的効果が生ずる。ここで、常伝導体薄膜と
してPrBa2Cu3Oxを用いて説明したが、動作温度
で超伝導とならないYBa2Cu3Ox型構造のものや、
Ln2CuO4(Ln:ランタノイド)等であっても、そ
の上に成長するLnBa2Cu3Ox(Ln:Yあるいは
ランタノイド元素)超伝導体薄膜が基板主面にa軸(ま
たはb軸)配向し、またc軸が面内配向すれば良いこと
はいうまでもない。
形態において例示する多層膜構造の超伝導配線の構成を
示す模式図である。図において、1は、例えばLaSr
GaO4(100)等の基板、2は、基板主面に対して
a軸配向した酸化物超伝導体薄膜、3は自己磁場の磁束
線、4はc軸およびa軸が基板主面に対して配向したP
rBa2Cu3Ox常伝導体薄膜、6は超伝導配線の中央
部分、aは超伝導配線を構成する酸化物超伝導体薄膜2
の結晶のa軸方向、bはb軸方向、cはc軸方向を示
す。この超伝導配線に電流を紙面に対し垂直に流すと、
自己磁場の磁束線3に示すように磁束線が発生する。実
施の形態1と同様に、超伝導配線の陵部分5において、
基板1の表面に対して酸化物超伝導体薄膜2のc軸が平
行となっているため、酸化物超伝導体薄膜2のc軸に対
して自己磁場の磁束線3は平行となる。超伝導配線の中
央部分6は磁場強度は弱いが、c軸に平行に磁場が印加
されることになると、本発明の多層膜構造の超伝導配線
においては、常伝導部分に磁束が集中し、酸化物超伝導
体薄膜2に直接磁場が印加される割合が少なくなるた
め、c軸に平行に印加された磁場は無視できる。さら
に、酸化物超伝導体薄膜と常伝導体薄膜との界面は磁束
量子のピンニングポテンシャルとなり、磁束運動に対す
るバリアとなるので、いっそう臨界超伝導電流が増加す
るという付加的効果が生ずる。ここで、常伝導体薄膜と
してPrBa2Cu3Oxを用いて説明したが、動作温度
で超伝導とならないYBa2Cu3Ox型構造のものや、
Ln2CuO4(Ln:ランタノイド)等であっても、そ
の上に成長するLnBa2Cu3Ox(Ln:Yあるいは
ランタノイド元素)超伝導体薄膜が基板主面にa軸(ま
たはb軸)配向し、またc軸が面内配向すれば良いこと
はいうまでもない。
【0009】
【発明の効果】以上詳細に説明したごとく、本発明の超
伝導配線では、磁場が最強となる配線の陵部分におい
て、自己磁場の方向に対して超伝導配線を構成する酸化
物超伝導体薄膜結晶のc軸が垂直となる構成をとるた
め、従来のc軸配向超伝導配線よりも格段に高い臨界電
流密度を実現することができる。
伝導配線では、磁場が最強となる配線の陵部分におい
て、自己磁場の方向に対して超伝導配線を構成する酸化
物超伝導体薄膜結晶のc軸が垂直となる構成をとるた
め、従来のc軸配向超伝導配線よりも格段に高い臨界電
流密度を実現することができる。
【図1】本発明の実施の形態1において例示した超伝導
配線の構成を示す模式図。
配線の構成を示す模式図。
【図2】本発明の実施の形態2において例示した超伝導
配線の構成を示す模式図。
配線の構成を示す模式図。
【図3】酸化物超伝導体YBa2Cu3Oxの磁場中にお
ける電気抵抗の温度特性を示すグラフ。
ける電気抵抗の温度特性を示すグラフ。
【図4】酸化物超伝導体YBa2Cu3Oxの磁場中にお
ける電気抵抗の温度特性を示すグラフ。
ける電気抵抗の温度特性を示すグラフ。
【図5】従来の超伝導配線の構成を示す模式図。
1…基板〔LaSrGaO4 :(100)〕 2…酸化物超伝導体薄膜〔c軸面内配向a軸配向〕 3…自己磁場の磁束線 4…常伝導体薄膜〔PrBa2Cu3Ox :c軸面内配向
a軸配向〕 5…超伝導配線の陵部分 6…超伝導配線の中央部分 7…基板 8…超伝導体薄膜〔c軸配向〕 a…超伝導配線を構成する酸化物超伝導体薄膜のa軸結
晶方位 b…超伝導配線を構成する酸化物超伝導体薄膜のb軸結
晶方位 c…超伝導配線を構成する酸化物超伝導体薄膜のc軸結
晶方位
a軸配向〕 5…超伝導配線の陵部分 6…超伝導配線の中央部分 7…基板 8…超伝導体薄膜〔c軸配向〕 a…超伝導配線を構成する酸化物超伝導体薄膜のa軸結
晶方位 b…超伝導配線を構成する酸化物超伝導体薄膜のb軸結
晶方位 c…超伝導配線を構成する酸化物超伝導体薄膜のc軸結
晶方位
Claims (4)
- 【請求項1】基板上に堆積された酸化物超伝導体薄膜に
より構成される超伝導配線であって、上記酸化物超伝導
体薄膜の結晶軸方位であるa軸もしくはb軸が基板主面
に対して配向し、かつ、c軸は面内に配向しており、該
c軸に対して垂直方向に電流を流す構成としてなること
を特徴とする超伝導配線。 - 【請求項2】基板上に堆積された酸化物超伝導体薄膜に
より構成される超伝導配線であって、酸化物超伝導体薄
膜の結晶軸方位であるa軸もしくはb軸が基板主面に対
して配向し、かつ、c軸が面内に配向した酸化物超伝導
体薄膜が、常伝導体薄膜を挟んで複数層積層され、上記
c軸に対して垂直方向に電流を流す構成としてなること
を特徴とする多層膜構造の超伝導配線。 - 【請求項3】請求項1または請求項2に記載の超伝導配
線において、酸化物超伝導体薄膜は一般式LnBa2C
u3Ox〔式中、Lnはイットリウム(Y)もしくはラン
タノイド元素を表わす。〕で示される組成の薄膜である
ことを特徴とする超伝導配線。 - 【請求項4】請求項1ないし請求項3のいずれか1項に
記載の超伝導配線において、基板の表面結晶格子が矩形
である基板を用いてなることを特徴とする超伝導配線。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7190426A JPH0945161A (ja) | 1995-07-26 | 1995-07-26 | 超伝導配線 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7190426A JPH0945161A (ja) | 1995-07-26 | 1995-07-26 | 超伝導配線 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0945161A true JPH0945161A (ja) | 1997-02-14 |
Family
ID=16257937
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7190426A Pending JPH0945161A (ja) | 1995-07-26 | 1995-07-26 | 超伝導配線 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0945161A (ja) |
-
1995
- 1995-07-26 JP JP7190426A patent/JPH0945161A/ja active Pending
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