JPH0945220A - 電子放出用冷陰極およびその製造方法 - Google Patents
電子放出用冷陰極およびその製造方法Info
- Publication number
- JPH0945220A JPH0945220A JP21011995A JP21011995A JPH0945220A JP H0945220 A JPH0945220 A JP H0945220A JP 21011995 A JP21011995 A JP 21011995A JP 21011995 A JP21011995 A JP 21011995A JP H0945220 A JPH0945220 A JP H0945220A
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- Japan
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- cold cathode
- emitter layer
- conductive layer
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 電子放出に適した構造をもつ電子放出用冷陰
極を容易に作成する。 【解決手段】 基板31上に窒化シリコンからなる絶縁
層を厚み200nm程度に堆積形成し、その上に、タン
タルからなる第1の導電層を厚み200nm程度に堆積
形成し、更にその上に、クロムからなる第2の導電層を
厚み数nm〜数10nm程度に堆積形成する。この第2
の導電層の上にレジスト層を形成し、所定のフォトマス
クを用いた露光を行い、これを現像し、レジスト層に開
口部を形成して第2の導電層の表面の一部を露出させ
る。クロムよりタンタルの方がエッチング速度が速いエ
ッチャントによりエッチングを行うと、供給用エミッタ
層33よりも端部が外側に突き出た放出用エミッタ層3
4が得られ、その端部は微小な曲率半径をもつ。供給用
エミッタ層33は、放出用エミッタ層34への電流供給
および放熱の機能を果たす。
極を容易に作成する。 【解決手段】 基板31上に窒化シリコンからなる絶縁
層を厚み200nm程度に堆積形成し、その上に、タン
タルからなる第1の導電層を厚み200nm程度に堆積
形成し、更にその上に、クロムからなる第2の導電層を
厚み数nm〜数10nm程度に堆積形成する。この第2
の導電層の上にレジスト層を形成し、所定のフォトマス
クを用いた露光を行い、これを現像し、レジスト層に開
口部を形成して第2の導電層の表面の一部を露出させ
る。クロムよりタンタルの方がエッチング速度が速いエ
ッチャントによりエッチングを行うと、供給用エミッタ
層33よりも端部が外側に突き出た放出用エミッタ層3
4が得られ、その端部は微小な曲率半径をもつ。供給用
エミッタ層33は、放出用エミッタ層34への電流供給
および放熱の機能を果たす。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子放出用冷陰極の
製造方法、特に、真空マイクロ素子などに用いる電子放
出用冷陰極を製造する方法に関する。
製造方法、特に、真空マイクロ素子などに用いる電子放
出用冷陰極を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体素子の普及に伴い、真空管の技術
は忘れ去られた存在となっていたが、ここ数年になって
この真空管の技術が再び注目を集めている。いわゆる真
空マイクロ素子の開発である。この真空マイクロ素子
は、長年にわたる半導体素子の研究で培われた半導体の
微細加工技術を利用して、同一基板上に微細な真空管を
集積したものである。すなわち、この素子は、冷陰極と
引出電極と陽極とを備え、引出電極によって冷陰極から
電子を引き出してこれを陽極へと放出させるものであ
る。引出電極に印加する電圧を制御することにより、冷
陰極から放出される電子の量を制御することができる。
は忘れ去られた存在となっていたが、ここ数年になって
この真空管の技術が再び注目を集めている。いわゆる真
空マイクロ素子の開発である。この真空マイクロ素子
は、長年にわたる半導体素子の研究で培われた半導体の
微細加工技術を利用して、同一基板上に微細な真空管を
集積したものである。すなわち、この素子は、冷陰極と
引出電極と陽極とを備え、引出電極によって冷陰極から
電子を引き出してこれを陽極へと放出させるものであ
る。引出電極に印加する電圧を制御することにより、冷
陰極から放出される電子の量を制御することができる。
【0003】半導体素子では、固体中を電子が移動する
ため、動作速度はその固体中の電子の移動度によって支
配される。これに対し、真空マイクロ素子では、真空中
を電子が移動するため、半導体素子に比べて非常に高速
な動作が可能であり、真空の利点を生かした電荷輸送媒
体として注目を集めている。また、この真空マイクロ素
子の研究にともなって冷陰極の開発が行われており、平
面ディスプレイ等への応用が期待されている。
ため、動作速度はその固体中の電子の移動度によって支
配される。これに対し、真空マイクロ素子では、真空中
を電子が移動するため、半導体素子に比べて非常に高速
な動作が可能であり、真空の利点を生かした電荷輸送媒
体として注目を集めている。また、この真空マイクロ素
子の研究にともなって冷陰極の開発が行われており、平
面ディスプレイ等への応用が期待されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、真空マ
イクロ素子は、原理的には真空管と同じではあるが、そ
の大きさは真空管とは比べ物にならないくらい微細なも
のであり、その製造には高度な微細加工技術が必要であ
る。特に、冷陰極は、電子を放出しやすい表面形状に加
工する必要がある。一般に、冷陰極への印加電圧をVと
したとき、冷陰極近傍の電界強度Eは、E=βVで表わ
され、βは電界集中定数と呼ばれている。この定数βが
大きいほど、低電圧で電界電子放出が起こることにな
る。電界集中定数βは、冷陰極の形状に大きく左右さ
れ、電子放出部先端の曲率半径が小さいほど、定数βの
値は大きくなる。このため、できるだけ電子を放出しや
すい冷陰極を実現するためには、電子放出部先端の曲率
半径をできるだけ小さくし、別言すれば、先端をできる
だけ尖鋭化する必要がある。
イクロ素子は、原理的には真空管と同じではあるが、そ
の大きさは真空管とは比べ物にならないくらい微細なも
のであり、その製造には高度な微細加工技術が必要であ
る。特に、冷陰極は、電子を放出しやすい表面形状に加
工する必要がある。一般に、冷陰極への印加電圧をVと
したとき、冷陰極近傍の電界強度Eは、E=βVで表わ
され、βは電界集中定数と呼ばれている。この定数βが
大きいほど、低電圧で電界電子放出が起こることにな
る。電界集中定数βは、冷陰極の形状に大きく左右さ
れ、電子放出部先端の曲率半径が小さいほど、定数βの
値は大きくなる。このため、できるだけ電子を放出しや
すい冷陰極を実現するためには、電子放出部先端の曲率
半径をできるだけ小さくし、別言すれば、先端をできる
だけ尖鋭化する必要がある。
【0005】従来、冷陰極の一般的な材料としては、
W,Ta,Mo,Crなどの金属が用いられており、こ
れらの金属に対して、蒸着法、スパッタ法、エッチング
法などを用いて尖鋭な端部をもった冷陰極を形成してい
る。しかしながら、真空マイクロ素子などに利用する冷
陰極としては、駆動電圧ができるだけ低いものが望まれ
ており、そのためには、μmオーダーの曲率半径では不
十分であり、nmオーダーの曲率半径をもった先端部を
形成することが要求される。このように、nmオーダー
の曲率半径をもった冷陰極を実現するためには、非常に
高度な微細加工技術が必要であり、これまでの技術で
は、量産が非常に困難であった。
W,Ta,Mo,Crなどの金属が用いられており、こ
れらの金属に対して、蒸着法、スパッタ法、エッチング
法などを用いて尖鋭な端部をもった冷陰極を形成してい
る。しかしながら、真空マイクロ素子などに利用する冷
陰極としては、駆動電圧ができるだけ低いものが望まれ
ており、そのためには、μmオーダーの曲率半径では不
十分であり、nmオーダーの曲率半径をもった先端部を
形成することが要求される。このように、nmオーダー
の曲率半径をもった冷陰極を実現するためには、非常に
高度な微細加工技術が必要であり、これまでの技術で
は、量産が非常に困難であった。
【0006】そこで本発明は、電子放出に適した構造を
もつ電子放出用冷陰極を提供するとともに、そのような
冷陰極を容易に作成する方法を提供することを目的とす
る。
もつ電子放出用冷陰極を提供するとともに、そのような
冷陰極を容易に作成する方法を提供することを目的とす
る。
【0007】
(1) 本発明の第1の態様は、冷陰極と引出電極と陽極
とを備え、引出電極によって冷陰極から電子を引き出し
てこれを陽極へと放出させる装置、に用いられる冷陰極
において、端部から電子放出を行うための放出用エミッ
タ層と、この放出用エミッタ層に対して電子を供給する
ための供給用エミッタ層と、をそれぞれ導電性材料によ
って形成し、放出用エミッタ層の端部は供給用エミッタ
層の端部より外側へ突出した構造とし、放出用エミッタ
層は、電子放出に適した曲率をもった尖鋭構造を、エッ
チング工程により端部に形成することができる厚みと
し、供給用エミッタ層は、放出電子に相当する電流を流
したときに、冷陰極としての機能を維持するために必要
な放熱効果が得られる厚みとし、放出用エミッタ層と供
給用エミッタ層とを積層させるようにしたものである。
とを備え、引出電極によって冷陰極から電子を引き出し
てこれを陽極へと放出させる装置、に用いられる冷陰極
において、端部から電子放出を行うための放出用エミッ
タ層と、この放出用エミッタ層に対して電子を供給する
ための供給用エミッタ層と、をそれぞれ導電性材料によ
って形成し、放出用エミッタ層の端部は供給用エミッタ
層の端部より外側へ突出した構造とし、放出用エミッタ
層は、電子放出に適した曲率をもった尖鋭構造を、エッ
チング工程により端部に形成することができる厚みと
し、供給用エミッタ層は、放出電子に相当する電流を流
したときに、冷陰極としての機能を維持するために必要
な放熱効果が得られる厚みとし、放出用エミッタ層と供
給用エミッタ層とを積層させるようにしたものである。
【0008】(2) 本発明の第2の態様は、上述の第1
の態様に係る冷陰極において、所定のエッチャントに対
して、放出用エミッタ層を構成する材質のエッチング速
度が、供給用エミッタ層を構成する材質のエッチング速
度よりも遅くなるように、各層を構成する材質を選択す
るようにしたものである。
の態様に係る冷陰極において、所定のエッチャントに対
して、放出用エミッタ層を構成する材質のエッチング速
度が、供給用エミッタ層を構成する材質のエッチング速
度よりも遅くなるように、各層を構成する材質を選択す
るようにしたものである。
【0009】(3) 本発明の第3の態様は、上述の第1
の態様に係る冷陰極において、所定のエッチャントに対
するエッチング速度が互いに異なる第1の材料および第
2の材料を用意し、一方の面へゆくほど第1の材料が支
配的になり、他方の面へゆくほど第2の材料が支配的に
なるように、第1の材料と第2の材料との組成比が厚み
方向に変化する組成変調膜によって放出用エミッタ層を
構成するようにしたものである。
の態様に係る冷陰極において、所定のエッチャントに対
するエッチング速度が互いに異なる第1の材料および第
2の材料を用意し、一方の面へゆくほど第1の材料が支
配的になり、他方の面へゆくほど第2の材料が支配的に
なるように、第1の材料と第2の材料との組成比が厚み
方向に変化する組成変調膜によって放出用エミッタ層を
構成するようにしたものである。
【0010】(4) 本発明の第4の態様は、上述の第1
〜第3の態様に係る冷陰極において、複数の放出用エミ
ッタ層と複数の供給用エミッタ層とを交互に積層するよ
うにしたものである。
〜第3の態様に係る冷陰極において、複数の放出用エミ
ッタ層と複数の供給用エミッタ層とを交互に積層するよ
うにしたものである。
【0011】(5) 本発明の第5の態様は、上述の第1
〜第4の態様に係る冷陰極において、放出用エミッタ層
と供給用エミッタ層とからなる積層構造の下面に、更
に、絶縁層を形成するようにしたものである。
〜第4の態様に係る冷陰極において、放出用エミッタ層
と供給用エミッタ層とからなる積層構造の下面に、更
に、絶縁層を形成するようにしたものである。
【0012】(6) 本発明の第6の態様は、冷陰極と引
出電極と陽極とを備え、引出電極によって冷陰極から電
子を引き出してこれを陽極へと放出させる装置、に用い
られる冷陰極を製造する方法において、所定のエッチャ
ントに対するエッチング速度が互いに異なり、それぞれ
導電性を有する第1の材料および第2の材料を用意する
段階と、基板もしくは所定の層上に、エッチング速度の
速い第1の材料を堆積させ、放出電子に相当する電流を
流したときに冷陰極としての機能を維持するために必要
な放熱効果が得られる厚みをもった第1の導電層を形成
する段階と、この第1の導電層上に、エッチング速度の
遅い第2の材料を堆積させ、エッチングにより、電子放
出に適した曲率をもった尖鋭構造が端部に形成できる厚
みをもった第2の導電層を形成する段階と、第2の導電
層上にエッチャントに対するレジスト層を形成し、この
レジスト層の所定領域に開口部を形成して第2の導電層
の上面の一部を露出させる段階と、開口部からエッチャ
ントを作用させてエッチングを行い、第2の導電層およ
び第1の導電層を部分的に除去し、第1の導電層の残存
部分から構成される第1のエミッタ層と、端部が第1の
エミッタ層の端部よりも外側へ突出し、かつ、この端部
が電子放出に適した曲率をもった尖鋭構造を有する第2
のエミッタ層と、を形成する段階と、を行うようにした
ものである。
出電極と陽極とを備え、引出電極によって冷陰極から電
子を引き出してこれを陽極へと放出させる装置、に用い
られる冷陰極を製造する方法において、所定のエッチャ
ントに対するエッチング速度が互いに異なり、それぞれ
導電性を有する第1の材料および第2の材料を用意する
段階と、基板もしくは所定の層上に、エッチング速度の
速い第1の材料を堆積させ、放出電子に相当する電流を
流したときに冷陰極としての機能を維持するために必要
な放熱効果が得られる厚みをもった第1の導電層を形成
する段階と、この第1の導電層上に、エッチング速度の
遅い第2の材料を堆積させ、エッチングにより、電子放
出に適した曲率をもった尖鋭構造が端部に形成できる厚
みをもった第2の導電層を形成する段階と、第2の導電
層上にエッチャントに対するレジスト層を形成し、この
レジスト層の所定領域に開口部を形成して第2の導電層
の上面の一部を露出させる段階と、開口部からエッチャ
ントを作用させてエッチングを行い、第2の導電層およ
び第1の導電層を部分的に除去し、第1の導電層の残存
部分から構成される第1のエミッタ層と、端部が第1の
エミッタ層の端部よりも外側へ突出し、かつ、この端部
が電子放出に適した曲率をもった尖鋭構造を有する第2
のエミッタ層と、を形成する段階と、を行うようにした
ものである。
【0013】(7) 本発明の第7の態様は、冷陰極と引
出電極と陽極とを備え、引出電極によって冷陰極から電
子を引き出してこれを陽極へと放出させる装置、に用い
られる冷陰極を製造する方法において、所定のエッチャ
ントに対するエッチング速度が互いに異なり、それぞれ
導電性を有する第1の材料および第2の材料を用意する
段階と、基板もしくは所定の層上に、エッチング速度の
速い第1の材料を堆積させ、放出電子に相当する電流を
流したときに冷陰極としての機能を維持するために必要
な放熱効果が得られる厚みをもった第1の導電層を形成
する段階と、この第1の導電層上に、下方へゆくほどエ
ッチング速度の速い第1の材料が支配的になり、上方へ
ゆくほどエッチング速度の遅い第2の材料が支配的にな
るように、第1の材料と第2の材料との組成比が厚み方
向に変化する組成変調膜からなる第2の導電層を形成す
る段階と、第2の導電層上にエッチャントに対するレジ
スト層を形成し、このレジスト層の所定領域に開口部を
形成して第2の導電層の上面の一部を露出させる段階
と、開口部からエッチャントを作用させてエッチングを
行い、第2の導電層および第1の導電層を部分的に除去
し、第1の導電層の残存部分から構成される第1のエミ
ッタ層と、端部が第1のエミッタ層の端部よりも外側へ
突出し、かつ、この端部が電子放出に適した曲率をもっ
た尖鋭構造を有する第2のエミッタ層と、を形成する段
階と、を行うようにしたものである。
出電極と陽極とを備え、引出電極によって冷陰極から電
子を引き出してこれを陽極へと放出させる装置、に用い
られる冷陰極を製造する方法において、所定のエッチャ
ントに対するエッチング速度が互いに異なり、それぞれ
導電性を有する第1の材料および第2の材料を用意する
段階と、基板もしくは所定の層上に、エッチング速度の
速い第1の材料を堆積させ、放出電子に相当する電流を
流したときに冷陰極としての機能を維持するために必要
な放熱効果が得られる厚みをもった第1の導電層を形成
する段階と、この第1の導電層上に、下方へゆくほどエ
ッチング速度の速い第1の材料が支配的になり、上方へ
ゆくほどエッチング速度の遅い第2の材料が支配的にな
るように、第1の材料と第2の材料との組成比が厚み方
向に変化する組成変調膜からなる第2の導電層を形成す
る段階と、第2の導電層上にエッチャントに対するレジ
スト層を形成し、このレジスト層の所定領域に開口部を
形成して第2の導電層の上面の一部を露出させる段階
と、開口部からエッチャントを作用させてエッチングを
行い、第2の導電層および第1の導電層を部分的に除去
し、第1の導電層の残存部分から構成される第1のエミ
ッタ層と、端部が第1のエミッタ層の端部よりも外側へ
突出し、かつ、この端部が電子放出に適した曲率をもっ
た尖鋭構造を有する第2のエミッタ層と、を形成する段
階と、を行うようにしたものである。
【0014】(8) 本発明の第8の態様は、上述の第6
または第7の態様に係る冷陰極の製造方法において、第
1の導電層と第2の導電層とを交互にそれぞれ複数層だ
け積層し、最上層の上にレジスト層を形成してエッチン
グを行うようにしたものである。
または第7の態様に係る冷陰極の製造方法において、第
1の導電層と第2の導電層とを交互にそれぞれ複数層だ
け積層し、最上層の上にレジスト層を形成してエッチン
グを行うようにしたものである。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明に係る冷陰極は、放出用エ
ミッタ層と供給用エミッタ層との積層構造を有する。こ
こで、放出用エミッタ層は、電子放出に適した曲率をも
った尖鋭構造を、エッチング工程により端部に形成する
ことができる厚みをもった導電性の層であり、供給用エ
ミッタ層は、放出電子に相当する電流を流したときに、
冷陰極としての機能を維持するために必要な放熱効果が
得られる厚みをもった導電性の層である。このように役
割分担した2層により冷陰極を構成するようにしたた
め、電子放出に適した構造を容易に得ることが可能にな
る。すなわち、放出用エミッタ層は、エッチング工程に
より端部に微細な曲率をもった尖鋭構造が形成されるよ
うな非常に薄い層であり、しかも端部が供給用エミッタ
層の端部より外側へ突出した構造をなしているため、電
子は、この放出用エミッタ層の端部から効率的に放出さ
れることになる。ただ、この放出用エミッタ層単独で
は、電子供給を十分に行うことができなくなる。厚みが
非常に小さいため、電気抵抗が大きくなり、大きな発熱
が起こるためである。そこで、本発明では、十分な放熱
効果が得られる厚みをもった供給用エミッタ層を放出用
エミッタ層に積層させた構造とし、電子放出の役割を放
出用エミッタ層に担わせ、電子供給の役割を供給用エミ
ッタ層に担わせるように役割分担を行っている。
ミッタ層と供給用エミッタ層との積層構造を有する。こ
こで、放出用エミッタ層は、電子放出に適した曲率をも
った尖鋭構造を、エッチング工程により端部に形成する
ことができる厚みをもった導電性の層であり、供給用エ
ミッタ層は、放出電子に相当する電流を流したときに、
冷陰極としての機能を維持するために必要な放熱効果が
得られる厚みをもった導電性の層である。このように役
割分担した2層により冷陰極を構成するようにしたた
め、電子放出に適した構造を容易に得ることが可能にな
る。すなわち、放出用エミッタ層は、エッチング工程に
より端部に微細な曲率をもった尖鋭構造が形成されるよ
うな非常に薄い層であり、しかも端部が供給用エミッタ
層の端部より外側へ突出した構造をなしているため、電
子は、この放出用エミッタ層の端部から効率的に放出さ
れることになる。ただ、この放出用エミッタ層単独で
は、電子供給を十分に行うことができなくなる。厚みが
非常に小さいため、電気抵抗が大きくなり、大きな発熱
が起こるためである。そこで、本発明では、十分な放熱
効果が得られる厚みをもった供給用エミッタ層を放出用
エミッタ層に積層させた構造とし、電子放出の役割を放
出用エミッタ層に担わせ、電子供給の役割を供給用エミ
ッタ層に担わせるように役割分担を行っている。
【0016】特に、放出用エミッタ層を構成する材質の
エッチング速度が、供給用エミッタ層を構成する材質の
エッチング速度よりも遅くなるように、各層を構成する
材質を選択すれば、供給用エミッタ層に対するエッチン
グがより活発に行われるようになり、エッチング速度の
遅い放出用エミッタ層の端部が、供給用エミッタ層の端
部より外側へ突出した構造を、容易に得ることができる
ようになる。また、第1の材料と第2の材料との組成比
が厚み方向に変化する組成変調膜によって放出用エミッ
タ層を構成するようにすれば、エッチング速度の差に基
いて、端部に尖鋭構造をもった放出用エミッタ層を容易
に形成させることができる。更に、放出用エミッタ層と
供給用エミッタ層とを交互に積層した構造にすれば、複
数の放出用エミッタ層の端部のいずれからも電子放出が
可能になり、冗長度を高めることができる。
エッチング速度が、供給用エミッタ層を構成する材質の
エッチング速度よりも遅くなるように、各層を構成する
材質を選択すれば、供給用エミッタ層に対するエッチン
グがより活発に行われるようになり、エッチング速度の
遅い放出用エミッタ層の端部が、供給用エミッタ層の端
部より外側へ突出した構造を、容易に得ることができる
ようになる。また、第1の材料と第2の材料との組成比
が厚み方向に変化する組成変調膜によって放出用エミッ
タ層を構成するようにすれば、エッチング速度の差に基
いて、端部に尖鋭構造をもった放出用エミッタ層を容易
に形成させることができる。更に、放出用エミッタ層と
供給用エミッタ層とを交互に積層した構造にすれば、複
数の放出用エミッタ層の端部のいずれからも電子放出が
可能になり、冗長度を高めることができる。
【0017】
【実施例】§1. 従来の一般的な冷陰極の構造 以下、本発明を図示する実施例に基づいて説明する。ま
ずはじめに、従来の一般的な真空マイクロ素子の構造に
ついて説明する。図1は、平板型のディスプレイを駆動
するための真空マイクロ素子の一般的な構造を示す断面
図である。ここでは、説明の便宜上、ディスプレイの1
画素分を駆動する構造のみを示し、各部の実際の寸法比
を無視して描いてある。ガラス基板1は、この素子を支
持するために十分な厚みを有し、その上に配線層2が形
成されている。この配線層2の上には、冷陰極3aおよ
び絶縁層4が形成され、絶縁層4の上には引出電極5が
形成されている。配線層2は、冷陰極3aに電圧を供給
するためのもので、ITO,ZnO:Alなどの透明導
電膜や、Al,Au,W,Mo,Ti,Ta,Nb,C
rなどの金属薄膜を、0.02〜1.0μm程度の厚み
に形成することによって構成されている。この上に形成
された冷陰極3aは、W,Ta,Mo,Crなどの金属
からなる円錐状の電極である。また、絶縁層4は、Si
O2,Al2O5などを0.5〜3.0μm程度の厚み
に堆積させることにより得られた層であり、引出電極5
は、Al,Au,W,Mo,Ti,Ta,Nbなどの金
属薄膜を、0.02〜1.0μm程度の厚みに形成した
ものである。引出電極5は、冷陰極3aの先端部の高さ
とほぼ同等の高さに位置する。
ずはじめに、従来の一般的な真空マイクロ素子の構造に
ついて説明する。図1は、平板型のディスプレイを駆動
するための真空マイクロ素子の一般的な構造を示す断面
図である。ここでは、説明の便宜上、ディスプレイの1
画素分を駆動する構造のみを示し、各部の実際の寸法比
を無視して描いてある。ガラス基板1は、この素子を支
持するために十分な厚みを有し、その上に配線層2が形
成されている。この配線層2の上には、冷陰極3aおよ
び絶縁層4が形成され、絶縁層4の上には引出電極5が
形成されている。配線層2は、冷陰極3aに電圧を供給
するためのもので、ITO,ZnO:Alなどの透明導
電膜や、Al,Au,W,Mo,Ti,Ta,Nb,C
rなどの金属薄膜を、0.02〜1.0μm程度の厚み
に形成することによって構成されている。この上に形成
された冷陰極3aは、W,Ta,Mo,Crなどの金属
からなる円錐状の電極である。また、絶縁層4は、Si
O2,Al2O5などを0.5〜3.0μm程度の厚み
に堆積させることにより得られた層であり、引出電極5
は、Al,Au,W,Mo,Ti,Ta,Nbなどの金
属薄膜を、0.02〜1.0μm程度の厚みに形成した
ものである。引出電極5は、冷陰極3aの先端部の高さ
とほぼ同等の高さに位置する。
【0018】一方、もう1枚のガラス基板6の下面に
は、陽極7および蛍光体層8が形成されている。陽極7
は、ITO,ZnO:Alなどの透明導電膜を0.3〜
1.0μm程度の厚みに形成したものであり、蛍光体層
8は、ZnO:Zn等の蛍光体により厚み10μm程度
の層を形成したものである。ガラス基板1の上面に形成
された構造体と、ガラス基板6の下面に形成された構造
体とは、図1に示すように、対向するように配置され、
両者間の空隙は真空状態に保たれる。
は、陽極7および蛍光体層8が形成されている。陽極7
は、ITO,ZnO:Alなどの透明導電膜を0.3〜
1.0μm程度の厚みに形成したものであり、蛍光体層
8は、ZnO:Zn等の蛍光体により厚み10μm程度
の層を形成したものである。ガラス基板1の上面に形成
された構造体と、ガラス基板6の下面に形成された構造
体とは、図1に示すように、対向するように配置され、
両者間の空隙は真空状態に保たれる。
【0019】このような構造をもった真空マイクロ素子
は、真空管と同様の動作を行う。すなわち、冷陰極3a
をカソード、陽極7をアノード、引出電極5をグリッ
ド、として各電極に所定の電圧をかければ、冷陰極3a
から電子を引き出し、これを陽極7へ放出させることが
でき、この電子の放出量を引出電極5に与える電圧によ
って制御することができる。蛍光体層8は、陽極7へ向
かった電子の衝突を受けて発光する。この発光は、陽極
7およびガラス基板6ごしに図面上方から観測される。
なお、図1には、平板状ディスプレイの1画素分に相当
する構造だけが示されているが、実際には、このような
構造が縦横に多数配列される。図2は、このように多数
の冷陰極3aを配列してなる電子放出素子10の斜視図
である。このような電子放出素子において重要な点は、
個々の冷陰極3aの加工精度をほぼ同じにすることであ
る。縦横に配列された複数の冷陰極3aの加工精度にム
ラが生じると、ディスプレイ画面としてムラのあるもの
になってしまう。
は、真空管と同様の動作を行う。すなわち、冷陰極3a
をカソード、陽極7をアノード、引出電極5をグリッ
ド、として各電極に所定の電圧をかければ、冷陰極3a
から電子を引き出し、これを陽極7へ放出させることが
でき、この電子の放出量を引出電極5に与える電圧によ
って制御することができる。蛍光体層8は、陽極7へ向
かった電子の衝突を受けて発光する。この発光は、陽極
7およびガラス基板6ごしに図面上方から観測される。
なお、図1には、平板状ディスプレイの1画素分に相当
する構造だけが示されているが、実際には、このような
構造が縦横に多数配列される。図2は、このように多数
の冷陰極3aを配列してなる電子放出素子10の斜視図
である。このような電子放出素子において重要な点は、
個々の冷陰極3aの加工精度をほぼ同じにすることであ
る。縦横に配列された複数の冷陰極3aの加工精度にム
ラが生じると、ディスプレイ画面としてムラのあるもの
になってしまう。
【0020】以上述べた冷陰極3aでは、円錐先端の尖
鋭部分から電子放出が起こる。このような構造の冷陰極
は、一般にスピント型と呼ばれている。この他にも、種
々の構造をもった冷陰極が知られている。たとえば、図
3に示す冷陰極3bは、ウエッジフィールド型と呼ばれ
る構造の冷陰極で、いわゆるテント型の形状をもった冷
陰極である。このような冷陰極3bでは、頂辺の両端点
から電子放出が起こる。また、図4に示す冷陰極3cお
よび3dは、横型エミッタと呼ばれている冷陰極であ
り、一般に、図4(a) に示す構造のものは櫛型、図4
(b) に示す構造のものは星型と呼ばれている。冷陰極3
cの下方には絶縁層9cが形成され、冷陰極3dの下方
には絶縁層9dが形成されている。このように絶縁層上
に形成された冷陰極に対しては、別途、所定の配線層が
接続されることになる。このような横型エミッタの構造
をもった冷陰極では、上面の角の尖鋭部分から電子放出
が起こる。図5(a) ,(b) は、図4(a) ,(b) に示す冷
陰極3c,3dの上面図であり、図に小さな円で囲った
部分が電子放出が起こる尖鋭部分である。
鋭部分から電子放出が起こる。このような構造の冷陰極
は、一般にスピント型と呼ばれている。この他にも、種
々の構造をもった冷陰極が知られている。たとえば、図
3に示す冷陰極3bは、ウエッジフィールド型と呼ばれ
る構造の冷陰極で、いわゆるテント型の形状をもった冷
陰極である。このような冷陰極3bでは、頂辺の両端点
から電子放出が起こる。また、図4に示す冷陰極3cお
よび3dは、横型エミッタと呼ばれている冷陰極であ
り、一般に、図4(a) に示す構造のものは櫛型、図4
(b) に示す構造のものは星型と呼ばれている。冷陰極3
cの下方には絶縁層9cが形成され、冷陰極3dの下方
には絶縁層9dが形成されている。このように絶縁層上
に形成された冷陰極に対しては、別途、所定の配線層が
接続されることになる。このような横型エミッタの構造
をもった冷陰極では、上面の角の尖鋭部分から電子放出
が起こる。図5(a) ,(b) は、図4(a) ,(b) に示す冷
陰極3c,3dの上面図であり、図に小さな円で囲った
部分が電子放出が起こる尖鋭部分である。
【0021】以上述べた種々の冷陰極を製造する上で、
最も困難な部分は、電子放出が起こる尖鋭部分の加工で
ある。比較的低い電界による電子の放出を可能にするた
めには、この尖鋭部分をかなり鋭くする必要があるが、
そのような微細加工は非常に困難である。しかも、前述
したように、平板状ディスプレイなどにこの冷陰極を用
いる場合、平面上に配列された多数の冷陰極について、
ほぼ同じ精度で加工が行われる必要がある。本発明は、
電子放出に適した新規な冷陰極の構造を提供するもので
あり、また、その製造方法を提供するものである。
最も困難な部分は、電子放出が起こる尖鋭部分の加工で
ある。比較的低い電界による電子の放出を可能にするた
めには、この尖鋭部分をかなり鋭くする必要があるが、
そのような微細加工は非常に困難である。しかも、前述
したように、平板状ディスプレイなどにこの冷陰極を用
いる場合、平面上に配列された多数の冷陰極について、
ほぼ同じ精度で加工が行われる必要がある。本発明は、
電子放出に適した新規な冷陰極の構造を提供するもので
あり、また、その製造方法を提供するものである。
【0022】§2. 本発明の第1の実施例に係る冷陰
極およびその製造方法 図6は、本発明の第1の実施例に係る冷陰極30の構造
を示す側断面図である。この冷陰極30は、基板31上
に形成されており、絶縁層32、供給用エミッタ層3
3、放出用エミッタ層34の3層から構成されている。
ここで、絶縁層32は、窒化シリコン(SiN)からな
る厚み200nm程度の層、供給用エミッタ層33は、
タンタル(Ta)からなる厚み200nm程度の層、放
出用エミッタ層34は、クロム(Cr)からなる厚み数
nm〜数10nm程度の層である。供給用エミッタ層3
3および放出用エミッタ層34は、いずれも導電性の層
であるが、それぞれ冷陰極として異なる役割を果たすこ
とになる。
極およびその製造方法 図6は、本発明の第1の実施例に係る冷陰極30の構造
を示す側断面図である。この冷陰極30は、基板31上
に形成されており、絶縁層32、供給用エミッタ層3
3、放出用エミッタ層34の3層から構成されている。
ここで、絶縁層32は、窒化シリコン(SiN)からな
る厚み200nm程度の層、供給用エミッタ層33は、
タンタル(Ta)からなる厚み200nm程度の層、放
出用エミッタ層34は、クロム(Cr)からなる厚み数
nm〜数10nm程度の層である。供給用エミッタ層3
3および放出用エミッタ層34は、いずれも導電性の層
であるが、それぞれ冷陰極として異なる役割を果たすこ
とになる。
【0023】まず、放出用エミッタ層34は、非常に厚
みの小さな層であり、後述するようなエッチング法によ
り形成すれば、その端部の曲率半径は、その厚みに応じ
た非常に小さな値(数nm〜数10nm程度)になる。
このため、この放出用エミッタ層34の端部は電子放出
に適した曲率をもった尖鋭構造をなし、しかも放出用エ
ミッタ層34の端部は供給用エミッタ層33の端部より
も外側へ突出した構造となっているため、端部近傍の電
界集中定数βはかなり大きな値になる。したがって、冷
陰極への印加電圧Vが比較的低くても、効率的な電子放
出が行われることになる。このように、放出用エミッタ
層34は、端部から電子放出を行うための層として機能
することになる。
みの小さな層であり、後述するようなエッチング法によ
り形成すれば、その端部の曲率半径は、その厚みに応じ
た非常に小さな値(数nm〜数10nm程度)になる。
このため、この放出用エミッタ層34の端部は電子放出
に適した曲率をもった尖鋭構造をなし、しかも放出用エ
ミッタ層34の端部は供給用エミッタ層33の端部より
も外側へ突出した構造となっているため、端部近傍の電
界集中定数βはかなり大きな値になる。したがって、冷
陰極への印加電圧Vが比較的低くても、効率的な電子放
出が行われることになる。このように、放出用エミッタ
層34は、端部から電子放出を行うための層として機能
することになる。
【0024】一方、供給用エミッタ層33は、放出用エ
ミッタ層34に比べれば非常に厚い層であり、その電気
抵抗値は放出用エミッタ層34に比べて非常に小さくな
る。この供給用エミッタ層33は、放出用エミッタ層3
4へ供給する電流を流すための機能と、この電流によっ
て発生した熱を発散させる放熱機能と、を果たすことに
なる。要するに、供給用エミッタ層33は、放出用エミ
ッタ層34に対して電子を供給するための層として機能
することになる。
ミッタ層34に比べれば非常に厚い層であり、その電気
抵抗値は放出用エミッタ層34に比べて非常に小さくな
る。この供給用エミッタ層33は、放出用エミッタ層3
4へ供給する電流を流すための機能と、この電流によっ
て発生した熱を発散させる放熱機能と、を果たすことに
なる。要するに、供給用エミッタ層33は、放出用エミ
ッタ層34に対して電子を供給するための層として機能
することになる。
【0025】このように、互いに役割分担を行った2層
構造により冷陰極を構成するようにしたため、十分な電
流供給能力、放熱能力を有しながら、電子放出部が非常
に尖鋭な構造をもった冷陰極が容易に実現できることに
なる。なお、各層の厚みは、上述した例に限定されるも
のではなく、要するに、放出用エミッタ層34は、電子
放出に適した曲率をもった尖鋭構造を、エッチング工程
により端部に形成することができる厚みをもっていれば
よく、供給用エミッタ層33は、放出電子に相当する電
流を流したときに、冷陰極としての機能を維持するため
に必要な放熱効果が得られる厚みをもっていればよい。
構造により冷陰極を構成するようにしたため、十分な電
流供給能力、放熱能力を有しながら、電子放出部が非常
に尖鋭な構造をもった冷陰極が容易に実現できることに
なる。なお、各層の厚みは、上述した例に限定されるも
のではなく、要するに、放出用エミッタ層34は、電子
放出に適した曲率をもった尖鋭構造を、エッチング工程
により端部に形成することができる厚みをもっていれば
よく、供給用エミッタ層33は、放出電子に相当する電
流を流したときに、冷陰極としての機能を維持するため
に必要な放熱効果が得られる厚みをもっていればよい。
【0026】図7は、図4(a) に示す櫛型をした横型エ
ミッタ構造の冷陰極に本発明を適用した実施例を示す斜
視図であり、その側断面は図6に示す構造になる。この
櫛型の冷陰極30では、図5(a) の上面図において、図
に小さな円で囲った部分が電子放出が起こる尖鋭部分に
なるが、この尖鋭部分の側断面は、図6に示すように曲
率半径が非常に小さくなり、電子が非常に放出しやすい
構造が得られる。もっとも、図6に側断面を示す本発明
の構造は、櫛型の冷陰極への適用に限定されるものでは
なく、図4(b) に示す星型の冷陰極をはじめ、種々の形
状の冷陰極に適用可能である。要するに、本発明に係る
冷陰極の特徴は、側断面が図6に示す2層構造(供給用
エミッタ層33および放出用エミッタ層34)となって
いれば足り、平面形状はどのようなものであってもよ
い。また、絶縁層32は、必要に応じて設ければよく、
必ずしも必要なものではない。
ミッタ構造の冷陰極に本発明を適用した実施例を示す斜
視図であり、その側断面は図6に示す構造になる。この
櫛型の冷陰極30では、図5(a) の上面図において、図
に小さな円で囲った部分が電子放出が起こる尖鋭部分に
なるが、この尖鋭部分の側断面は、図6に示すように曲
率半径が非常に小さくなり、電子が非常に放出しやすい
構造が得られる。もっとも、図6に側断面を示す本発明
の構造は、櫛型の冷陰極への適用に限定されるものでは
なく、図4(b) に示す星型の冷陰極をはじめ、種々の形
状の冷陰極に適用可能である。要するに、本発明に係る
冷陰極の特徴は、側断面が図6に示す2層構造(供給用
エミッタ層33および放出用エミッタ層34)となって
いれば足り、平面形状はどのようなものであってもよ
い。また、絶縁層32は、必要に応じて設ければよく、
必ずしも必要なものではない。
【0027】続いて、図6に示すような構造をもった冷
陰極の製造方法の一例を示しておく。まず、基板31上
に窒化シリコンからなる絶縁層を厚み200nm程度に
堆積形成する。続いて、その上に、タンタルからなる第
1の導電層を厚み200nm程度に堆積形成し、更にそ
の上に、クロムからなる第2の導電層を厚み数nm〜数
10nm程度に堆積形成する。次に、この第2の導電層
の上にレジスト層を形成し、所定のフォトマスク(たと
えば、図5(a) に示すような櫛型パターンのマスク)を
用いた露光を行い、これを現像し、レジスト層に開口部
を形成して第2の導電層の表面の一部を露出させる。そ
して、過塩素酸と硝酸第2セリウムアンモニウムとを主
成分とするエッチング液(ザ・インクテック株式会社
製:商品名「MR−ES」)をエッチャントとして用い
て、この開口部から露出したクロムからなる第2の導電
層をパターニングする。
陰極の製造方法の一例を示しておく。まず、基板31上
に窒化シリコンからなる絶縁層を厚み200nm程度に
堆積形成する。続いて、その上に、タンタルからなる第
1の導電層を厚み200nm程度に堆積形成し、更にそ
の上に、クロムからなる第2の導電層を厚み数nm〜数
10nm程度に堆積形成する。次に、この第2の導電層
の上にレジスト層を形成し、所定のフォトマスク(たと
えば、図5(a) に示すような櫛型パターンのマスク)を
用いた露光を行い、これを現像し、レジスト層に開口部
を形成して第2の導電層の表面の一部を露出させる。そ
して、過塩素酸と硝酸第2セリウムアンモニウムとを主
成分とするエッチング液(ザ・インクテック株式会社
製:商品名「MR−ES」)をエッチャントとして用い
て、この開口部から露出したクロムからなる第2の導電
層をパターニングする。
【0028】次に、CF4とO2との混合ガスをエッチ
ャントとして用いたドライエッチング(高周波をかけて
プラズマ化する)を行い、タンタルからなる第1の導電
層および窒化シリコンからなる絶縁層をエッチングす
る。すると、このエッチャントに対するクロムのエッチ
ング速度は、タンタルや窒化シリコンのエッチング速度
よりも遅いため、タンタルからなる第1の導電層および
窒化シリコンからなる絶縁層の方が、クロムからなる第
2の導電層よりも積極的にエッチング除去されることに
なる。その結果、図6に示すように、絶縁層32および
供給用エミッタ層33に比べて、放出用エミッタ層34
の端部が外側へと突出した構造が得られることになる。
また、放出用エミッタ層34の端部は、エッチングによ
り、曲率半径が非常に小さい尖鋭構造をもったものにな
る。
ャントとして用いたドライエッチング(高周波をかけて
プラズマ化する)を行い、タンタルからなる第1の導電
層および窒化シリコンからなる絶縁層をエッチングす
る。すると、このエッチャントに対するクロムのエッチ
ング速度は、タンタルや窒化シリコンのエッチング速度
よりも遅いため、タンタルからなる第1の導電層および
窒化シリコンからなる絶縁層の方が、クロムからなる第
2の導電層よりも積極的にエッチング除去されることに
なる。その結果、図6に示すように、絶縁層32および
供給用エミッタ層33に比べて、放出用エミッタ層34
の端部が外側へと突出した構造が得られることになる。
また、放出用エミッタ層34の端部は、エッチングによ
り、曲率半径が非常に小さい尖鋭構造をもったものにな
る。
【0029】§3. 本発明の第2の実施例に係る冷陰
極およびその製造方法 図8は、本発明の第2の実施例に係る冷陰極40の構造
を示す側断面図である。この冷陰極40は、基板41上
に形成されており、絶縁層42、供給用エミッタ層4
3、放出用エミッタ層44の3層から構成されている。
ここで、絶縁層42は、窒化シリコン(SiN)からな
る厚み200nm程度の層、供給用エミッタ層43は、
銅(Cu)からなる厚み200nm程度の層、放出用エ
ミッタ層44は、クロム(Cr)と銅(Cu)との組成
変調膜からなる厚み数nm〜数10nm程度の層であ
る。供給用エミッタ層43および放出用エミッタ層44
は、いずれも導電性の層であるが、§2で述べた第1の
実施例と同様に、放出用エミッタ層44は、端部から電
子放出を行う機能を果たし、供給用エミッタ層43は、
この放出用エミッタ層44に対して電子を供給する機能
を果たす。
極およびその製造方法 図8は、本発明の第2の実施例に係る冷陰極40の構造
を示す側断面図である。この冷陰極40は、基板41上
に形成されており、絶縁層42、供給用エミッタ層4
3、放出用エミッタ層44の3層から構成されている。
ここで、絶縁層42は、窒化シリコン(SiN)からな
る厚み200nm程度の層、供給用エミッタ層43は、
銅(Cu)からなる厚み200nm程度の層、放出用エ
ミッタ層44は、クロム(Cr)と銅(Cu)との組成
変調膜からなる厚み数nm〜数10nm程度の層であ
る。供給用エミッタ層43および放出用エミッタ層44
は、いずれも導電性の層であるが、§2で述べた第1の
実施例と同様に、放出用エミッタ層44は、端部から電
子放出を行う機能を果たし、供給用エミッタ層43は、
この放出用エミッタ層44に対して電子を供給する機能
を果たす。
【0030】この第2の実施例は、放出用エミッタ層4
4が組成変調膜によって構成されている点において、前
述の第1の実施例と異なる。ここで、組成変調膜とは、
一方の面へゆくほど第1の材料が支配的になり、他方の
面へゆくほど第2の材料が支配的になるように、第1の
材料と第2の材料との組成比が厚み方向に変化する膜を
いう。具体的には、図8に示す実施例における放出用エ
ミッタ層44は、クロムと銅とを構成材料とする層であ
り、クロム:銅の組成比は、上面においては100%:
0%、下面においては0%:100%となっており、両
面の中間部分においては、上面へゆくほどクロムが支配
的になり、下面へゆくほど銅が支配的になるように、厚
み方向に徐々に変化する組成比となっている。しかも、
クロムと銅とは、所定のエッチャント(この例では、過
塩素酸と硝酸第2セリウムアンモニウムとを主成分とす
るエッチング液(ザ・インクテック株式会社製:商品名
「MR−ES」))に対するエッチング速度が異なる
(銅のエッチング速度の方が速い)。
4が組成変調膜によって構成されている点において、前
述の第1の実施例と異なる。ここで、組成変調膜とは、
一方の面へゆくほど第1の材料が支配的になり、他方の
面へゆくほど第2の材料が支配的になるように、第1の
材料と第2の材料との組成比が厚み方向に変化する膜を
いう。具体的には、図8に示す実施例における放出用エ
ミッタ層44は、クロムと銅とを構成材料とする層であ
り、クロム:銅の組成比は、上面においては100%:
0%、下面においては0%:100%となっており、両
面の中間部分においては、上面へゆくほどクロムが支配
的になり、下面へゆくほど銅が支配的になるように、厚
み方向に徐々に変化する組成比となっている。しかも、
クロムと銅とは、所定のエッチャント(この例では、過
塩素酸と硝酸第2セリウムアンモニウムとを主成分とす
るエッチング液(ザ・インクテック株式会社製:商品名
「MR−ES」))に対するエッチング速度が異なる
(銅のエッチング速度の方が速い)。
【0031】このような組成変調膜によって構成された
放出用エミッタ層44を、エッチング処理によって形成
すると、その端部に、曲率半径が非常に小さな尖鋭な構
造が得られる。なぜなら、放出用エミッタ層44の下方
へゆくほど銅の組成比が高くなるため、エッチング処理
を行うと、下方へゆくほどエッチング速度が速くなり、
図8に示すように、放出用エミッタ層44の端部は上方
ほど外側へと突き出たテーパー構造になるからである。
このテーパー構造における最上端部は非常に尖鋭なもの
になり、電子放出に適した構造になる。
放出用エミッタ層44を、エッチング処理によって形成
すると、その端部に、曲率半径が非常に小さな尖鋭な構
造が得られる。なぜなら、放出用エミッタ層44の下方
へゆくほど銅の組成比が高くなるため、エッチング処理
を行うと、下方へゆくほどエッチング速度が速くなり、
図8に示すように、放出用エミッタ層44の端部は上方
ほど外側へと突き出たテーパー構造になるからである。
このテーパー構造における最上端部は非常に尖鋭なもの
になり、電子放出に適した構造になる。
【0032】もちろん、この図8に示すような構造は、
図4(a) に示す櫛型の冷陰極、図4(b) に示す星型の冷
陰極をはじめ、どのような形状の冷陰極に対しても適用
可能である。
図4(a) に示す櫛型の冷陰極、図4(b) に示す星型の冷
陰極をはじめ、どのような形状の冷陰極に対しても適用
可能である。
【0033】続いて、図8に示すような構造をもった冷
陰極の製造方法の一例を示しておく。まず、基板41上
に窒化シリコンからなる絶縁層を厚み200nm程度に
堆積形成する。続いて、その上に、銅からなる第1の導
電層を厚み200nm程度に堆積形成し、更にその上
に、銅とクロムとの組成変調膜からなる第2の導電層を
厚み数nm〜数10nm程度に堆積形成する。このよう
な組成変調膜を形成するには、クロムと銅とを同時にス
パッタあるいは蒸着できるような環境において、膜の形
成初期においては、銅の供給割合を100%、クロムの
供給割合を0%とし、徐々に銅の供給割合を減少させる
とともにクロムの供給割合を増加させてゆき、膜の形成
完了時においては、銅の供給割合を0%、クロムの供給
割合を100%とするようにすればよい。
陰極の製造方法の一例を示しておく。まず、基板41上
に窒化シリコンからなる絶縁層を厚み200nm程度に
堆積形成する。続いて、その上に、銅からなる第1の導
電層を厚み200nm程度に堆積形成し、更にその上
に、銅とクロムとの組成変調膜からなる第2の導電層を
厚み数nm〜数10nm程度に堆積形成する。このよう
な組成変調膜を形成するには、クロムと銅とを同時にス
パッタあるいは蒸着できるような環境において、膜の形
成初期においては、銅の供給割合を100%、クロムの
供給割合を0%とし、徐々に銅の供給割合を減少させる
とともにクロムの供給割合を増加させてゆき、膜の形成
完了時においては、銅の供給割合を0%、クロムの供給
割合を100%とするようにすればよい。
【0034】次に、この第2の導電層の上にレジスト層
を形成し、所定のフォトマスク(たとえば、図5(a) に
示すような櫛型パターンのマスク)を用いた露光を行
い、これを現像し、レジスト層に開口部を形成して第2
の導電層の表面の一部を露出させる。そして、過塩素酸
と硝酸第2セリウムアンモニウムとを主成分とするエッ
チング液(ザ・インクテック株式会社製:商品名「MR
−ES」)をエッチャントとして用いて、この開口部か
ら露出した組成変調膜からなる第2の導電層をパターニ
ングする。このとき、エッチャントとしてのMR−ES
は、銅からなる第1の導電層に対しても作用するので、
第1の導電層と第2の導電層とが同時にエッチングされ
てゆくことになる。ところが、第2の導電層の上方部分
へゆくほど、エッチング速度の遅いクロムの含有率が高
くなってくるため、エッチングの進行は遅くなる。その
結果、図8に示すように、供給用エミッタ層43に比べ
て、放出用エミッタ層44の端部が外側へと突出し、か
つ、放出用エミッタ層44の端部は上方へゆくほど外側
へと突き出たテーパー構造が得られることになる。最後
に、CF4とO2との混合ガスなどをエッチャントとし
たドライエッチングを行い、絶縁層をエッチングし、絶
縁層42を形成すればよい。
を形成し、所定のフォトマスク(たとえば、図5(a) に
示すような櫛型パターンのマスク)を用いた露光を行
い、これを現像し、レジスト層に開口部を形成して第2
の導電層の表面の一部を露出させる。そして、過塩素酸
と硝酸第2セリウムアンモニウムとを主成分とするエッ
チング液(ザ・インクテック株式会社製:商品名「MR
−ES」)をエッチャントとして用いて、この開口部か
ら露出した組成変調膜からなる第2の導電層をパターニ
ングする。このとき、エッチャントとしてのMR−ES
は、銅からなる第1の導電層に対しても作用するので、
第1の導電層と第2の導電層とが同時にエッチングされ
てゆくことになる。ところが、第2の導電層の上方部分
へゆくほど、エッチング速度の遅いクロムの含有率が高
くなってくるため、エッチングの進行は遅くなる。その
結果、図8に示すように、供給用エミッタ層43に比べ
て、放出用エミッタ層44の端部が外側へと突出し、か
つ、放出用エミッタ層44の端部は上方へゆくほど外側
へと突き出たテーパー構造が得られることになる。最後
に、CF4とO2との混合ガスなどをエッチャントとし
たドライエッチングを行い、絶縁層をエッチングし、絶
縁層42を形成すればよい。
【0035】§4. 本発明の第3の実施例に係る冷陰
極およびその製造方法 図9は、本発明の第3の実施例に係る冷陰極50の構造
を示す側断面図である。この冷陰極50は、§2で述べ
た第1の実施例に係る冷陰極30における2層構造を繰
り返し配置したものである。すなわち、基板51の上
に、窒化シリコン(SiN)からなる絶縁層52が厚み
200nm程度の層として形成され、その上に銅(C
u)からなる供給用エミッタ層53が厚み200nmの
程度の層として形成されている。更にその上に、クロム
からなる放出用エミッタ層54と銅からなる供給用エミ
ッタ層53とが、それぞれ厚み数nm〜数10nm程度
の層として交互に積層された構造となっている。ここ
で、放出用エミッタ層54は、いずれも端部が供給用エ
ミッタ層53の端部よりも外側に突出しており、かつ、
その曲率半径は非常に小さく尖鋭構造をなしている。
極およびその製造方法 図9は、本発明の第3の実施例に係る冷陰極50の構造
を示す側断面図である。この冷陰極50は、§2で述べ
た第1の実施例に係る冷陰極30における2層構造を繰
り返し配置したものである。すなわち、基板51の上
に、窒化シリコン(SiN)からなる絶縁層52が厚み
200nm程度の層として形成され、その上に銅(C
u)からなる供給用エミッタ層53が厚み200nmの
程度の層として形成されている。更にその上に、クロム
からなる放出用エミッタ層54と銅からなる供給用エミ
ッタ層53とが、それぞれ厚み数nm〜数10nm程度
の層として交互に積層された構造となっている。ここ
で、放出用エミッタ層54は、いずれも端部が供給用エ
ミッタ層53の端部よりも外側に突出しており、かつ、
その曲率半径は非常に小さく尖鋭構造をなしている。
【0036】このように、放出用エミッタ層54を多層
設けることにより、電子放出部の冗長度を高めることが
できる。すなわち、いずれかの放出用エミッタ層54の
端部が劣化して、もはやそこからは電子放出が得られな
い状態になったとしても、別な放出用エミッタ層54の
端部からの電子放出が期待できるので、冷陰極として
は、長期間にわたって安定した電子放出が可能になる。
図9では、放出用エミッタ層54を3層にした例を示し
たが、より多層の構造をもった冷陰極では、冗長度を更
に高めることができる。もちろん、この図9に示すよう
な構造は、図4(a) に示す櫛型の冷陰極、図4(b) に示
す星型の冷陰極をはじめ、どのような形状の冷陰極に対
しても適用可能である。
設けることにより、電子放出部の冗長度を高めることが
できる。すなわち、いずれかの放出用エミッタ層54の
端部が劣化して、もはやそこからは電子放出が得られな
い状態になったとしても、別な放出用エミッタ層54の
端部からの電子放出が期待できるので、冷陰極として
は、長期間にわたって安定した電子放出が可能になる。
図9では、放出用エミッタ層54を3層にした例を示し
たが、より多層の構造をもった冷陰極では、冗長度を更
に高めることができる。もちろん、この図9に示すよう
な構造は、図4(a) に示す櫛型の冷陰極、図4(b) に示
す星型の冷陰極をはじめ、どのような形状の冷陰極に対
しても適用可能である。
【0037】続いて、図9に示すような構造をもった冷
陰極の製造方法の一例を示しておく。まず、基板51上
に窒化シリコンからなる絶縁層を厚み200nm程度に
堆積形成する。続いて、その上に、銅からなる第1の導
電層を厚み200nm程度に堆積形成する。更にその上
に、クロムからなる第2の導電層を厚み数nm〜数10
nm程度に堆積形成し、銅からなる第1の導電層を厚み
数nm〜数10nm程度(場合によっては、数100n
m程度にしてもよい)に堆積形成する処理を、合計3回
繰り返して実行する。
陰極の製造方法の一例を示しておく。まず、基板51上
に窒化シリコンからなる絶縁層を厚み200nm程度に
堆積形成する。続いて、その上に、銅からなる第1の導
電層を厚み200nm程度に堆積形成する。更にその上
に、クロムからなる第2の導電層を厚み数nm〜数10
nm程度に堆積形成し、銅からなる第1の導電層を厚み
数nm〜数10nm程度(場合によっては、数100n
m程度にしてもよい)に堆積形成する処理を、合計3回
繰り返して実行する。
【0038】次に、最上層の上にレジスト層を形成し、
所定のフォトマスク(たとえば、図5(a) に示すような
櫛型パターンのマスク)を用いた露光を行い、これを現
像し、レジスト層に開口部を形成して、過塩素酸と硝酸
第2セリウムアンモニウムとを主成分とするエッチング
液(ザ・インクテック株式会社製:商品名「MR−E
S」)をエッチャントとして用いて、この開口部からエ
ッチングを行う。これにより、銅からなる第1の導電層
とクロムからなる第2の導電層とがエッチングされるこ
とになるが、銅のエッチング速度の方がクロムのエッチ
ング速度よりも速いので、銅の方がより積極的にエッチ
ングされることになる。その結果、図9に示すように、
供給用エミッタ層53に比べて、放出用エミッタ層54
の端部が外側へと突出し、かつ、放出用エミッタ層54
の端部は非常に尖鋭な構造をもったものになる。最後
に、CF4とO2との混合ガスなどをエッチャントとし
たドライエッチングを行い、絶縁層をエッチングし、絶
縁層52を形成すればよい。
所定のフォトマスク(たとえば、図5(a) に示すような
櫛型パターンのマスク)を用いた露光を行い、これを現
像し、レジスト層に開口部を形成して、過塩素酸と硝酸
第2セリウムアンモニウムとを主成分とするエッチング
液(ザ・インクテック株式会社製:商品名「MR−E
S」)をエッチャントとして用いて、この開口部からエ
ッチングを行う。これにより、銅からなる第1の導電層
とクロムからなる第2の導電層とがエッチングされるこ
とになるが、銅のエッチング速度の方がクロムのエッチ
ング速度よりも速いので、銅の方がより積極的にエッチ
ングされることになる。その結果、図9に示すように、
供給用エミッタ層53に比べて、放出用エミッタ層54
の端部が外側へと突出し、かつ、放出用エミッタ層54
の端部は非常に尖鋭な構造をもったものになる。最後
に、CF4とO2との混合ガスなどをエッチャントとし
たドライエッチングを行い、絶縁層をエッチングし、絶
縁層52を形成すればよい。
【0039】以上は、§2で述べた第1の実施例におけ
る供給用エミッタ層と放出用エミッタ層とを複数回積層
させた実施例であるが、同様に、§3で述べた第2の実
施例における供給用エミッタ層と放出用エミッタ層とを
複数回積層させることも可能である。
る供給用エミッタ層と放出用エミッタ層とを複数回積層
させた実施例であるが、同様に、§3で述べた第2の実
施例における供給用エミッタ層と放出用エミッタ層とを
複数回積層させることも可能である。
【0040】
【発明の効果】以上のとおり本発明によれば、端部から
電子放出を行うための導電性をもった放出用エミッタ層
と、この放出用エミッタ層に対して電子を供給するため
の導電性をもった供給用エミッタ層と、の少なくとも2
層構造により冷陰極を構成するようにしたため、電子放
出に適した構造をもつ電子放出用冷陰極を容易に作成す
ることが可能になる。
電子放出を行うための導電性をもった放出用エミッタ層
と、この放出用エミッタ層に対して電子を供給するため
の導電性をもった供給用エミッタ層と、の少なくとも2
層構造により冷陰極を構成するようにしたため、電子放
出に適した構造をもつ電子放出用冷陰極を容易に作成す
ることが可能になる。
【図1】平板型のディスプレイを駆動するための真空マ
イクロ素子の一般的な構造を示す断面図である。
イクロ素子の一般的な構造を示す断面図である。
【図2】多数の冷陰極3aを配列してなる電子放出素子
10の斜視図である。
10の斜視図である。
【図3】ウエッジフィールド型と呼ばれる構造の従来の
一般的な冷陰極を示す斜視図である。
一般的な冷陰極を示す斜視図である。
【図4】横型エミッタと呼ばれる構造の従来の一般的な
冷陰極を示す斜視図である。
冷陰極を示す斜視図である。
【図5】図4に示す冷陰極の上面図である。
【図6】本発明の第1の実施例に係る冷陰極の構造を示
す側断面図である。
す側断面図である。
【図7】図6に示す冷陰極の斜視図である。
【図8】本発明の第2の実施例に係る冷陰極の構造を示
す側断面図である。
す側断面図である。
【図9】本発明の第3の実施例に係る冷陰極の構造を示
す側断面図である。
す側断面図である。
1…ガラス基板 2…配線層 3a〜3d…冷陰極 4…絶縁層 5…引出電極 6…ガラス基板 7…陽極 8…蛍光体層 9c,9d…絶縁層 10…電子放出素子 20…電子受入素子 30…冷陰極 31…基板 32…絶縁層(SiN) 33…供給用エミッタ層(Ta) 34…放出用エミッタ層(Cr) 40…冷陰極 41…基板 42…絶縁層(SiN) 43…供給用エミッタ層(Cu) 44…放出用エミッタ層(Cr/Cu) 50…冷陰極 51…基板 52…絶縁層(SiN) 53…供給用エミッタ層(Cu) 54…放出用エミッタ層(Cr)
Claims (8)
- 【請求項1】 冷陰極と引出電極と陽極とを備え、引出
電極によって冷陰極から電子を引き出してこれを陽極へ
と放出させる装置、に用いられる冷陰極であって、 端部から電子放出を行うための放出用エミッタ層と、こ
の放出用エミッタ層に対して電子を供給するための供給
用エミッタ層と、を有し、これら各層は導電性材料から
構成され、 前記放出用エミッタ層の端部は前記供給用エミッタ層の
端部より外側へ突出した構造をなし、 前記放出用エミッタ層は、電子放出に適した曲率をもっ
た尖鋭構造を、エッチング工程により端部に形成するこ
とができる厚みをもち、 前記供給用エミッタ層は、放出電子に相当する電流を流
したときに、冷陰極としての機能を維持するために必要
な放熱効果が得られる厚みをもち、 前記放出用エミッタ層と前記供給用エミッタ層とを積層
させたことを特徴とする電子放出用冷陰極。 - 【請求項2】 請求項1に記載の冷陰極において、 所定のエッチャントに対して、放出用エミッタ層を構成
する材質のエッチング速度が、供給用エミッタ層を構成
する材質のエッチング速度よりも遅くなるように、各層
を構成する材質を選択したことを特徴とする電子放出用
冷陰極。 - 【請求項3】 請求項1に記載の冷陰極において、 所定のエッチャントに対するエッチング速度が互いに異
なる第1の材料および第2の材料を用意し、 一方の面へゆくほど第1の材料が支配的になり、他方の
面へゆくほど第2の材料が支配的になるように、第1の
材料と第2の材料との組成比が厚み方向に変化する組成
変調膜によって放出用エミッタ層を構成したことを特徴
とする電子放出用冷陰極。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の冷陰極
において、 複数の放出用エミッタ層と複数の供給用エミッタ層とを
交互に積層したことを特徴とする電子放出用冷陰極。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の冷陰極
において、 放出用エミッタ層と供給用エミッタ層とからなる積層構
造の下面に、更に、絶縁層を形成したことを特徴とする
電子放出用冷陰極。 - 【請求項6】 冷陰極と引出電極と陽極とを備え、引出
電極によって冷陰極から電子を引き出してこれを陽極へ
と放出させる装置、に用いられる冷陰極を製造する方法
において、 所定のエッチャントに対するエッチング速度が互いに異
なり、それぞれ導電性を有する第1の材料および第2の
材料を用意する段階と、 基板もしくは所定の層上に、エッチング速度の速い第1
の材料を堆積させ、放出電子に相当する電流を流したと
きに冷陰極としての機能を維持するために必要な放熱効
果が得られる厚みをもった第1の導電層を形成する段階
と、 この第1の導電層上に、エッチング速度の遅い第2の材
料を堆積させ、エッチングにより、電子放出に適した曲
率をもった尖鋭構造が端部に形成できる厚みをもった第
2の導電層を形成する段階と、 前記第2の導電層上に前記エッチャントに対するレジス
ト層を形成し、このレジスト層の所定領域に開口部を形
成して前記第2の導電層の上面の一部を露出させる段階
と、 前記開口部から前記エッチャントを作用させてエッチン
グを行い、前記第2の導電層および前記第1の導電層を
部分的に除去し、前記第1の導電層の残存部分から構成
される第1のエミッタ層と、端部が前記第1のエミッタ
層の端部よりも外側へ突出し、かつ、この端部が電子放
出に適した曲率をもった尖鋭構造を有する第2のエミッ
タ層と、を形成する段階と、 を有することを特徴とする電子放出用冷陰極の製造方
法。 - 【請求項7】 冷陰極と引出電極と陽極とを備え、引出
電極によって冷陰極から電子を引き出してこれを陽極へ
と放出させる装置、に用いられる冷陰極を製造する方法
において、 所定のエッチャントに対するエッチング速度が互いに異
なり、それぞれ導電性を有する第1の材料および第2の
材料を用意する段階と、 基板もしくは所定の層上に、エッチング速度の速い第1
の材料を堆積させ、放出電子に相当する電流を流したと
きに冷陰極としての機能を維持するために必要な放熱効
果が得られる厚みをもった第1の導電層を形成する段階
と、 この第1の導電層上に、下方へゆくほどエッチング速度
の速い第1の材料が支配的になり、上方へゆくほどエッ
チング速度の遅い第2の材料が支配的になるように、第
1の材料と第2の材料との組成比が厚み方向に変化する
組成変調膜からなる第2の導電層を形成する段階と、 前記第2の導電層上に前記エッチャントに対するレジス
ト層を形成し、このレジスト層の所定領域に開口部を形
成して前記第2の導電層の上面の一部を露出させる段階
と、 前記開口部から前記エッチャントを作用させてエッチン
グを行い、前記第2の導電層および前記第1の導電層を
部分的に除去し、前記第1の導電層の残存部分から構成
される第1のエミッタ層と、端部が前記第1のエミッタ
層の端部よりも外側へ突出し、かつ、この端部が電子放
出に適した曲率をもった尖鋭構造を有する第2のエミッ
タ層と、を形成する段階と、 を有することを特徴とする電子放出用冷陰極の製造方
法。 - 【請求項8】 請求項6または7に記載の冷陰極の製造
方法において、 第1の導電層と第2の導電層とを交互にそれぞれ複数層
だけ積層し、最上層の上にレジスト層を形成してエッチ
ングを行うことを特徴とする電子放出用冷陰極の製造方
法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21011995A JPH0945220A (ja) | 1995-07-26 | 1995-07-26 | 電子放出用冷陰極およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21011995A JPH0945220A (ja) | 1995-07-26 | 1995-07-26 | 電子放出用冷陰極およびその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0945220A true JPH0945220A (ja) | 1997-02-14 |
Family
ID=16584116
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP21011995A Pending JPH0945220A (ja) | 1995-07-26 | 1995-07-26 | 電子放出用冷陰極およびその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0945220A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007080626A (ja) * | 2005-09-13 | 2007-03-29 | Toppan Printing Co Ltd | 電子放出型電極及びその製造方法 |
-
1995
- 1995-07-26 JP JP21011995A patent/JPH0945220A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007080626A (ja) * | 2005-09-13 | 2007-03-29 | Toppan Printing Co Ltd | 電子放出型電極及びその製造方法 |
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