JPH0794084A - 電子放出素子の製造方法 - Google Patents
電子放出素子の製造方法Info
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- JPH0794084A JPH0794084A JP25904593A JP25904593A JPH0794084A JP H0794084 A JPH0794084 A JP H0794084A JP 25904593 A JP25904593 A JP 25904593A JP 25904593 A JP25904593 A JP 25904593A JP H0794084 A JPH0794084 A JP H0794084A
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- electron
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 できるだけマスク合わせの工程を省き、電子
放出素子を容易に製造することができる方法を提供す
る。 【構成】 ガラス基板11上にITO層12,タンタル
層13b,酸化タンタル層13a,アルミニウム冷陰極
17を形成し、基板全面にレジストを塗布する。基板裏
面側からの背面露光を行い現像すると、不透明な冷陰極
17近傍のレジスト層18aだけが残る。基板全面に絶
縁層19およびゲート電極層20を形成した後、レジス
ト層18aをリフトオフし、その上にのっている絶縁層
19およびゲート電極層20を一緒に除去すれば、中央
の冷陰極17を取り囲むようにゲート電極層20が配さ
れた電子放出素子が得られる。
放出素子を容易に製造することができる方法を提供す
る。 【構成】 ガラス基板11上にITO層12,タンタル
層13b,酸化タンタル層13a,アルミニウム冷陰極
17を形成し、基板全面にレジストを塗布する。基板裏
面側からの背面露光を行い現像すると、不透明な冷陰極
17近傍のレジスト層18aだけが残る。基板全面に絶
縁層19およびゲート電極層20を形成した後、レジス
ト層18aをリフトオフし、その上にのっている絶縁層
19およびゲート電極層20を一緒に除去すれば、中央
の冷陰極17を取り囲むようにゲート電極層20が配さ
れた電子放出素子が得られる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子放出素子の製造方
法、特に、真空マイクロ素子などに用いる電子放出素子
を製造する方法に関する。
法、特に、真空マイクロ素子などに用いる電子放出素子
を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体素子の普及に伴い、真空管の技術
は忘れ去られた存在となっていたが、ここ数年になって
この真空管の技術が再び注目を集めている。いわゆる真
空マイクロ素子の開発である。この真空マイクロ素子
は、長年にわたる半導体素子の研究で培われた半導体の
微細加工技術を利用して、同一基板上に微細な真空管を
集積したものである。すなわち、この素子は、冷陰極と
引出電極と陽極とを備え、引出電極によって冷陰極から
電子を引き出してこれを陽極へと放出させるものであ
る。引出電極に印加する電圧を制御することにより、冷
陰極から放出される電子の量を制御することができる。
は忘れ去られた存在となっていたが、ここ数年になって
この真空管の技術が再び注目を集めている。いわゆる真
空マイクロ素子の開発である。この真空マイクロ素子
は、長年にわたる半導体素子の研究で培われた半導体の
微細加工技術を利用して、同一基板上に微細な真空管を
集積したものである。すなわち、この素子は、冷陰極と
引出電極と陽極とを備え、引出電極によって冷陰極から
電子を引き出してこれを陽極へと放出させるものであ
る。引出電極に印加する電圧を制御することにより、冷
陰極から放出される電子の量を制御することができる。
【0003】半導体素子では、固体中を電子が移動する
ため、動作速度はその固体中の電子の移動度によって支
配される。これに対し、真空マイクロ素子では、真空中
を電子が移動するため、半導体素子に比べて非常に高速
な動作が可能であり、真空の利点を生かした電荷輸送媒
体として注目を集めている。また、この真空マイクロ素
子の研究にともなって冷陰極の開発が行われており、平
面ディスプレイ等への応用が期待されている。
ため、動作速度はその固体中の電子の移動度によって支
配される。これに対し、真空マイクロ素子では、真空中
を電子が移動するため、半導体素子に比べて非常に高速
な動作が可能であり、真空の利点を生かした電荷輸送媒
体として注目を集めている。また、この真空マイクロ素
子の研究にともなって冷陰極の開発が行われており、平
面ディスプレイ等への応用が期待されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一般的な電子デバイス
は、多数のマスクを用いたフォトリソグラフィ工程によ
って製造される。したがって、上述したような真空マイ
クロ素子に用いられる電子放出素子も、フォトリソグラ
フィ工程を経て製造されるのが一般的である。しかしな
がら、真空マイクロ素子は、原理的には真空管と同じで
はあるが、その大きさは真空管とは比べ物にならないく
らい微細なものである。したがって、フォトリソグラフ
ィ工程を行う場合のマスク合わせを高精度で行う必要が
あり、その製造には高度な技術が必要になり、コストが
高くなるという問題がある。
は、多数のマスクを用いたフォトリソグラフィ工程によ
って製造される。したがって、上述したような真空マイ
クロ素子に用いられる電子放出素子も、フォトリソグラ
フィ工程を経て製造されるのが一般的である。しかしな
がら、真空マイクロ素子は、原理的には真空管と同じで
はあるが、その大きさは真空管とは比べ物にならないく
らい微細なものである。したがって、フォトリソグラフ
ィ工程を行う場合のマスク合わせを高精度で行う必要が
あり、その製造には高度な技術が必要になり、コストが
高くなるという問題がある。
【0005】そこで本発明は、できるだけマスク合わせ
の工程を省き、電子放出素子を容易に製造することがで
きる方法を提供することを目的とする。
の工程を省き、電子放出素子を容易に製造することがで
きる方法を提供することを目的とする。
【0006】
(1) 本願第1の発明は、冷陰極と引出電極とを備え、
引出電極によって冷陰極から電子を引き出してこれを放
出させる電子放出素子の製造方法において、透明な絶縁
性基板上に透明な導電膜を形成し、この導電膜上に不透
明な導電性の冷陰極を形成し、基板全面にレジスト層を
形成し、絶縁性基板の下面側から光を照射する背面露光
を行い、レジスト層のうちの露光部を除去して非露光部
を残し、基板全面に絶縁層を形成し、この絶縁層上に導
電層を形成し、レジスト層の非露光部を、その上方に形
成された各層とともに除去し、残った導電層を引出電極
とするようにしたものである。
引出電極によって冷陰極から電子を引き出してこれを放
出させる電子放出素子の製造方法において、透明な絶縁
性基板上に透明な導電膜を形成し、この導電膜上に不透
明な導電性の冷陰極を形成し、基板全面にレジスト層を
形成し、絶縁性基板の下面側から光を照射する背面露光
を行い、レジスト層のうちの露光部を除去して非露光部
を残し、基板全面に絶縁層を形成し、この絶縁層上に導
電層を形成し、レジスト層の非露光部を、その上方に形
成された各層とともに除去し、残った導電層を引出電極
とするようにしたものである。
【0007】(2) 本願第2の発明は、冷陰極と引出電
極とを備え、引出電極によって冷陰極から電子を引き出
してこれを放出させる電子放出素子の製造方法におい
て、互いに異なるエッチング特性を有し、かつ、それぞ
れの酸化物同士も互いに異なるエッチング特性を有する
ような第1の金属材料と第2の金属材料とであって、し
かも、少なくとも第2の金属材料自身は不透明であり、
第1の金属材料の酸化物は透明であるような2つの金属
材料を用意し、透明な絶縁性基板上に透明な導電膜を形
成し、この導電膜上に第1の金属材料層を形成し、この
第1の金属材料層上に第2の金属材料層を形成し、第2
の金属材料層に対してエッチングを施して第2の金属材
料からなる錐状電極を形成し、第1の金属材料層の露出
領域のすべての厚み部分および錐状電極の表面部分を酸
化することにより、第1の金属材料酸化膜および第2の
金属材料酸化膜を形成し、第2の金属材料酸化膜をエッ
チング除去することにより第2の金属材料からなる冷陰
極を形成し、基板全面にレジスト層を形成し、絶縁性基
板の下面側から光を照射する背面露光を行い、レジスト
層のうちの露光部を除去して非露光部を残し、基板全面
に絶縁層を形成し、この絶縁層上に導電層を形成し、レ
ジスト層の非露光部を、その上方に形成された各層とと
もに除去し、導電層を引出電極とするようにしたもので
ある。
極とを備え、引出電極によって冷陰極から電子を引き出
してこれを放出させる電子放出素子の製造方法におい
て、互いに異なるエッチング特性を有し、かつ、それぞ
れの酸化物同士も互いに異なるエッチング特性を有する
ような第1の金属材料と第2の金属材料とであって、し
かも、少なくとも第2の金属材料自身は不透明であり、
第1の金属材料の酸化物は透明であるような2つの金属
材料を用意し、透明な絶縁性基板上に透明な導電膜を形
成し、この導電膜上に第1の金属材料層を形成し、この
第1の金属材料層上に第2の金属材料層を形成し、第2
の金属材料層に対してエッチングを施して第2の金属材
料からなる錐状電極を形成し、第1の金属材料層の露出
領域のすべての厚み部分および錐状電極の表面部分を酸
化することにより、第1の金属材料酸化膜および第2の
金属材料酸化膜を形成し、第2の金属材料酸化膜をエッ
チング除去することにより第2の金属材料からなる冷陰
極を形成し、基板全面にレジスト層を形成し、絶縁性基
板の下面側から光を照射する背面露光を行い、レジスト
層のうちの露光部を除去して非露光部を残し、基板全面
に絶縁層を形成し、この絶縁層上に導電層を形成し、レ
ジスト層の非露光部を、その上方に形成された各層とと
もに除去し、導電層を引出電極とするようにしたもので
ある。
【0008】(3) 本願第3の発明は、冷陰極と引出電
極とを備え、引出電極によって冷陰極から電子を引き出
してこれを放出させる電子放出素子の製造方法におい
て、透明な絶縁性基板上に、不透明な導電性の冷陰極
と、少なくとも背面露光に必要な透光性を有する導電膜
とを形成し、基板全面にレジスト層を形成し、絶縁性基
板の下面側から光を照射する背面露光を行い、レジスト
層のうちの露光部を除去して非露光部を残し、基板全面
に絶縁層を形成し、この絶縁層上に導電層を形成し、レ
ジスト層の非露光部を、その上方に形成された各層とと
もに除去し、残った導電層を引出電極とするようにした
ものである。
極とを備え、引出電極によって冷陰極から電子を引き出
してこれを放出させる電子放出素子の製造方法におい
て、透明な絶縁性基板上に、不透明な導電性の冷陰極
と、少なくとも背面露光に必要な透光性を有する導電膜
とを形成し、基板全面にレジスト層を形成し、絶縁性基
板の下面側から光を照射する背面露光を行い、レジスト
層のうちの露光部を除去して非露光部を残し、基板全面
に絶縁層を形成し、この絶縁層上に導電層を形成し、レ
ジスト層の非露光部を、その上方に形成された各層とと
もに除去し、残った導電層を引出電極とするようにした
ものである。
【0009】(4) 本願第4の発明は、冷陰極と引出電
極とを備え、引出電極によって冷陰極から電子を引き出
してこれを放出させる電子放出素子の製造方法におい
て、互いに異なるエッチング特性を有し、かつ、それぞ
れの酸化物同士も互いに異なるエッチング特性を有する
ような第1の金属材料と第2の金属材料とであって、し
かも、少なくとも第2の金属材料自身は不透明であり、
第1の金属材料の酸化物は透明であるような2つの金属
材料を用意し、透明な絶縁性基板上に第1の金属材料層
を形成し、この第1の金属材料層上に第2の金属材料層
を形成し、第2の金属材料層に対してエッチングを施し
て第2の金属材料からなる錐状電極を形成し、第1の金
属材料層の露出領域の表面部分および錐状電極の表面部
分を酸化することにより、第1の金属材料酸化膜および
第2の金属材料酸化膜を形成し、第2の金属材料酸化膜
をエッチング除去することにより第2の金属材料からな
る冷陰極を形成し、基板全面にレジスト層を形成し、絶
縁性基板の下面側から光を照射する背面露光を行い、レ
ジスト層のうちの露光部を除去して非露光部を残し、基
板全面に絶縁層を形成し、この絶縁層上に導電層を形成
し、レジスト層の非露光部を、その上方に形成された各
層とともに除去し、導電層を引出電極とするようにした
ものである。
極とを備え、引出電極によって冷陰極から電子を引き出
してこれを放出させる電子放出素子の製造方法におい
て、互いに異なるエッチング特性を有し、かつ、それぞ
れの酸化物同士も互いに異なるエッチング特性を有する
ような第1の金属材料と第2の金属材料とであって、し
かも、少なくとも第2の金属材料自身は不透明であり、
第1の金属材料の酸化物は透明であるような2つの金属
材料を用意し、透明な絶縁性基板上に第1の金属材料層
を形成し、この第1の金属材料層上に第2の金属材料層
を形成し、第2の金属材料層に対してエッチングを施し
て第2の金属材料からなる錐状電極を形成し、第1の金
属材料層の露出領域の表面部分および錐状電極の表面部
分を酸化することにより、第1の金属材料酸化膜および
第2の金属材料酸化膜を形成し、第2の金属材料酸化膜
をエッチング除去することにより第2の金属材料からな
る冷陰極を形成し、基板全面にレジスト層を形成し、絶
縁性基板の下面側から光を照射する背面露光を行い、レ
ジスト層のうちの露光部を除去して非露光部を残し、基
板全面に絶縁層を形成し、この絶縁層上に導電層を形成
し、レジスト層の非露光部を、その上方に形成された各
層とともに除去し、導電層を引出電極とするようにした
ものである。
【0010】(5) 本願第5の発明は、上述の第1〜第
4の発明において、更に、冷陰極の表面に異なる材料か
らなる膜を形成する工程を付加したものである。
4の発明において、更に、冷陰極の表面に異なる材料か
らなる膜を形成する工程を付加したものである。
【0011】(6) 本願第6の発明は、上述の第1〜第
4の発明において、更に、絶縁層に対するエッチング工
程を付加し、絶縁層の冷陰極対向面に空洞部を形成する
ようにしたものである。
4の発明において、更に、絶縁層に対するエッチング工
程を付加し、絶縁層の冷陰極対向面に空洞部を形成する
ようにしたものである。
【0012】
【作 用】本願発明によれば、絶縁性基板および導電膜
として、いずれも透明な材料が用いられ、この導電膜上
に不透明な導電性の冷陰極が形成される。したがって、
この冷陰極をマスクとして用いた背面露光を行うことが
できる。この背面露光により、不透明な冷陰極形成部に
のみレジストを残すことができる。この後、基板全面に
絶縁層および導電層が形成されるが、レジストを剥離す
ることにより、冷陰極上に形成された絶縁層および導電
層は除去される。このように背面露光を利用できるよう
にしたため、レジストに対するフォトリソグラフィ工程
では、マスク合わせを行う必要がなくなり、製造プロセ
スが単純化される。
として、いずれも透明な材料が用いられ、この導電膜上
に不透明な導電性の冷陰極が形成される。したがって、
この冷陰極をマスクとして用いた背面露光を行うことが
できる。この背面露光により、不透明な冷陰極形成部に
のみレジストを残すことができる。この後、基板全面に
絶縁層および導電層が形成されるが、レジストを剥離す
ることにより、冷陰極上に形成された絶縁層および導電
層は除去される。このように背面露光を利用できるよう
にしたため、レジストに対するフォトリソグラフィ工程
では、マスク合わせを行う必要がなくなり、製造プロセ
スが単純化される。
【0013】
【実施例】以下、本発明を図示する実施例に基づいて説
明する。まずはじめに、従来の一般的な真空マイクロ素
子の構造について説明する。図1は、平板型のディスプ
レイを駆動するための真空マイクロ素子の一般的な構造
を示す断面図である。ここでは、説明の便宜上、ディス
プレイの1画素分を駆動する構造のみを示し、各部の実
際の寸法比を無視して描いてある。ガラス基板1は、こ
の素子を支持するために十分な厚みを有し、その上に配
線層2が形成されている。この配線層2の上には、冷陰
極3および絶縁層4が形成され、絶縁層4の上には引出
電極5が形成されている。配線層2は、冷陰極3に電圧
を供給するためのもので、ITO,ZnO:Alなどの
透明導電膜や、Al,Au,W,Mo,Ti,Ta,N
b,Crなどの金属薄膜を、0.02〜1.0μm程度
の厚みに形成することによって構成されている。この上
に形成された冷陰極3は、W,Ta,Moなどの高融点
金属からなる円錐状の電極である。また、絶縁層4は、
SiO2,Al2O5などを0.5〜3.0μm程度の
厚みに堆積させることにより得られた層であり、引出電
極5は、Al,Au,W,Mo,Ti,Ta,Nbなど
の金属薄膜を、0.02〜1.0μm程度の厚みに形成
したものである。引出電極5は、冷陰極3の先端部の高
さとほぼ同等の高さに位置する。以上の構造体が、本発
明の適用対象となる電子放出素子である。
明する。まずはじめに、従来の一般的な真空マイクロ素
子の構造について説明する。図1は、平板型のディスプ
レイを駆動するための真空マイクロ素子の一般的な構造
を示す断面図である。ここでは、説明の便宜上、ディス
プレイの1画素分を駆動する構造のみを示し、各部の実
際の寸法比を無視して描いてある。ガラス基板1は、こ
の素子を支持するために十分な厚みを有し、その上に配
線層2が形成されている。この配線層2の上には、冷陰
極3および絶縁層4が形成され、絶縁層4の上には引出
電極5が形成されている。配線層2は、冷陰極3に電圧
を供給するためのもので、ITO,ZnO:Alなどの
透明導電膜や、Al,Au,W,Mo,Ti,Ta,N
b,Crなどの金属薄膜を、0.02〜1.0μm程度
の厚みに形成することによって構成されている。この上
に形成された冷陰極3は、W,Ta,Moなどの高融点
金属からなる円錐状の電極である。また、絶縁層4は、
SiO2,Al2O5などを0.5〜3.0μm程度の
厚みに堆積させることにより得られた層であり、引出電
極5は、Al,Au,W,Mo,Ti,Ta,Nbなど
の金属薄膜を、0.02〜1.0μm程度の厚みに形成
したものである。引出電極5は、冷陰極3の先端部の高
さとほぼ同等の高さに位置する。以上の構造体が、本発
明の適用対象となる電子放出素子である。
【0014】一方、この電子放出素子の上方には、電子
受領素子ともいうべき構造体が配置される。この構造体
を構成するガラス基板6の下面には、陽極7および蛍光
体層8が形成されている。陽極7は、ITO,ZnO:
Alなどの透明導電膜を0.3〜1.0μm程度の厚み
に形成したものであり、蛍光体層8は、ZnO:Zn等
の蛍光体により厚み10μm程度の層を形成したもので
ある。ガラス基板1の上面に形成された電子放出素子
と、ガラス基板6の下面に形成された電子受領素子と
は、図1に示すように、対向するように配置され、両者
間の空隙は真空状態に保たれる。
受領素子ともいうべき構造体が配置される。この構造体
を構成するガラス基板6の下面には、陽極7および蛍光
体層8が形成されている。陽極7は、ITO,ZnO:
Alなどの透明導電膜を0.3〜1.0μm程度の厚み
に形成したものであり、蛍光体層8は、ZnO:Zn等
の蛍光体により厚み10μm程度の層を形成したもので
ある。ガラス基板1の上面に形成された電子放出素子
と、ガラス基板6の下面に形成された電子受領素子と
は、図1に示すように、対向するように配置され、両者
間の空隙は真空状態に保たれる。
【0015】このような構造をもった真空マイクロ素子
は、真空管と同様の動作を行う。すなわち、冷陰極3を
カソード、陽極7をアノード、引出電極5をグリッド、
として各電極に所定の電圧をかければ、冷陰極3から電
子を引き出し、これを陽極7へ放出させることができ、
この電子の放出量を引出電極5に与える電圧によって制
御することができる。蛍光体層8は、陽極7へ向かった
電子の衝突を受けて発光する。この発光は、陽極7およ
びガラス基板6ごしに図面上方から観測される。
は、真空管と同様の動作を行う。すなわち、冷陰極3を
カソード、陽極7をアノード、引出電極5をグリッド、
として各電極に所定の電圧をかければ、冷陰極3から電
子を引き出し、これを陽極7へ放出させることができ、
この電子の放出量を引出電極5に与える電圧によって制
御することができる。蛍光体層8は、陽極7へ向かった
電子の衝突を受けて発光する。この発光は、陽極7およ
びガラス基板6ごしに図面上方から観測される。
【0016】さて、このような構造をもった真空マイク
ロ素子のうち、ガラス基板1上に形成された電子放出素
子は、中心部に冷陰極3が配置され、その周囲を絶縁層
4が取り囲み、更にこの絶縁層4の上部に引出電極5が
形成されているという立体的な構造を有する。このよう
な電子放出素子を生成する上での技術的な第1の問題点
は、各層をパターニングするためのマスク合わせを、い
かに精度良く行うかという点である。たとえば、冷陰極
3と引出電極5との位置関係が少しでもずれると、引出
電極5に対して冷陰極3は偏心して配置されることにな
り、正しい電子放出が行われなくなる。したがって、こ
れらの位置合わせは、サブミクロン単位の精度で行う必
要がある。第2の問題点は、先端部が鋭利な錐状の冷陰
極3をいかにして形成するかという点である。比較的低
い電界による電子の放出を可能にするためには、冷陰極
3の先端を鋭くする必要があるが、そのような微細加工
は非常に困難である。しかも、図1には、平板状ディス
プレイの1画素分に相当する構造だけが示されている
が、実際には、このような構造が縦横に多数配列され、
それぞれの冷陰極3の加工精度をほぼ同じ精度にする必
要がある。縦横に配列された複数の冷陰極3の加工精度
にムラが生じると、ディスプレイ画面としてムラのある
ものになってしまう。
ロ素子のうち、ガラス基板1上に形成された電子放出素
子は、中心部に冷陰極3が配置され、その周囲を絶縁層
4が取り囲み、更にこの絶縁層4の上部に引出電極5が
形成されているという立体的な構造を有する。このよう
な電子放出素子を生成する上での技術的な第1の問題点
は、各層をパターニングするためのマスク合わせを、い
かに精度良く行うかという点である。たとえば、冷陰極
3と引出電極5との位置関係が少しでもずれると、引出
電極5に対して冷陰極3は偏心して配置されることにな
り、正しい電子放出が行われなくなる。したがって、こ
れらの位置合わせは、サブミクロン単位の精度で行う必
要がある。第2の問題点は、先端部が鋭利な錐状の冷陰
極3をいかにして形成するかという点である。比較的低
い電界による電子の放出を可能にするためには、冷陰極
3の先端を鋭くする必要があるが、そのような微細加工
は非常に困難である。しかも、図1には、平板状ディス
プレイの1画素分に相当する構造だけが示されている
が、実際には、このような構造が縦横に多数配列され、
それぞれの冷陰極3の加工精度をほぼ同じ精度にする必
要がある。縦横に配列された複数の冷陰極3の加工精度
にムラが生じると、ディスプレイ画面としてムラのある
ものになってしまう。
【0017】本発明は、上述の2つの問題点のうち、第
1の問題点を解決するための技術思想についてのもので
あるが、以下に述べる実施例では、この第1の問題点が
解決されるとともに、第2の問題点も同時に解決される
ことになる。第2の問題点を解決するための技術思想に
ついては、本願と同時に提出した「発明の名称:電子放
出用冷陰極の製造方法」なる特許出願(整理番号A05
063)に開示されている。ただ、以下に述べる実施例
では、この別出願に開示されている技術思想(以下、新
規な冷陰極の製造方法と言う)をも利用しているため、
ここではその原理を簡単に説明しておく。
1の問題点を解決するための技術思想についてのもので
あるが、以下に述べる実施例では、この第1の問題点が
解決されるとともに、第2の問題点も同時に解決される
ことになる。第2の問題点を解決するための技術思想に
ついては、本願と同時に提出した「発明の名称:電子放
出用冷陰極の製造方法」なる特許出願(整理番号A05
063)に開示されている。ただ、以下に述べる実施例
では、この別出願に開示されている技術思想(以下、新
規な冷陰極の製造方法と言う)をも利用しているため、
ここではその原理を簡単に説明しておく。
【0018】はじめに、図2(a) に示すように、錐状電
極9を形成する。この錐状電極9は、最終的に形成すべ
き冷陰極の粗形状をなすものであり、ほぼ錐形をしてい
るが、先端部分は鋭利ではない。図の例では、錐状電極
9は、いわゆる裁頭円錐形をしており、先端部分は直径
Dの円形となっている。このように、先端部が平坦な錐
形構造をもった錐状電極9は、比較的容易に形成でき
る。先端部の形状にはそれほど高い加工精度は要求され
ないからである。新規な冷陰極の製造方法では、このよ
うな粗形状をなす錐状電極9を形成した後、その表面を
酸化させるのである。図2(b) は、こうして表面を酸化
させた状態の断面図である。図にハッチングを施した部
分に酸化膜9aが形成されており、酸化を受けなかった
部分が内部電極9bとして残ることになる。本願発明者
は、こうして形成される内部電極9bが、鋭利な先端部
をもった錐状構造をなすことを見出だしたのである。す
なわち、酸化を行った後、酸化膜9aのみを除去し、内
部電極9bを残すようにすれば、この内部電極9bを冷
陰極として用いることができるのである。こうして形成
された冷陰極は、先端部が尖鋭化されており、電子の放
出に適した形状となっている。この方法による先端部の
尖鋭化は、従来のエッチング法による尖鋭化よりも微細
なものである。
極9を形成する。この錐状電極9は、最終的に形成すべ
き冷陰極の粗形状をなすものであり、ほぼ錐形をしてい
るが、先端部分は鋭利ではない。図の例では、錐状電極
9は、いわゆる裁頭円錐形をしており、先端部分は直径
Dの円形となっている。このように、先端部が平坦な錐
形構造をもった錐状電極9は、比較的容易に形成でき
る。先端部の形状にはそれほど高い加工精度は要求され
ないからである。新規な冷陰極の製造方法では、このよ
うな粗形状をなす錐状電極9を形成した後、その表面を
酸化させるのである。図2(b) は、こうして表面を酸化
させた状態の断面図である。図にハッチングを施した部
分に酸化膜9aが形成されており、酸化を受けなかった
部分が内部電極9bとして残ることになる。本願発明者
は、こうして形成される内部電極9bが、鋭利な先端部
をもった錐状構造をなすことを見出だしたのである。す
なわち、酸化を行った後、酸化膜9aのみを除去し、内
部電極9bを残すようにすれば、この内部電極9bを冷
陰極として用いることができるのである。こうして形成
された冷陰極は、先端部が尖鋭化されており、電子の放
出に適した形状となっている。この方法による先端部の
尖鋭化は、従来のエッチング法による尖鋭化よりも微細
なものである。
【0019】このような原理に基づいて冷陰極を製造す
れば、電子放出に適した尖鋭な先端構造をもつ電子放出
用冷陰極を容易に作成することができるようになる。同
一基板上に多数の冷陰極を形成する場合であっても、こ
の基板に対して一様に酸化を行うようにすれば、ほぼ均
一な先端構造をもった冷陰極の形成が可能になる。ここ
で、形成される酸化膜9aの厚みは、酸化を行うプロセ
スの条件によって決定される。特に、錐状電極9aとし
て金属材料を用い、陽極酸化法(錐状電極9に正の電圧
を印加しながら行う酸化方法)を用いた酸化プロセスを
行えば、酸化膜9aの厚みは、化成電圧(錐状電極9に
印加する電圧)によって制御することができる。一般
に、ある層を酸化して酸化膜を形成すると、この酸化膜
の厚みはもとの層の厚みよりも大きくなる。別言すれ
ば、酸化により、層は厚み方向に膨らむことになる。す
なわち、酸化は内方向と外方向との双方に向かって行わ
れることになる。図2(b) において、もとの錐状電極9
の形状が破線で示されているが、この破線で示した輪郭
よりも外側の部分が外方向に向かって酸化した部分であ
り、内側の部分が内方向に向かって酸化した部分であ
る。内部電極9bの先端部の尖鋭化に関与するのは、内
方向に向かう酸化である。そこで、ここでは、内方向に
向かう酸化により形成された酸化膜9aの厚み部分を、
内方向酸化膜厚dと呼ぶことにする(図2(b) 参照)。
この内方向酸化膜厚dの値がある一定のレベルを越える
と、内部電極9bの先端部が尖鋭化されることになる。
一般的な基準としては、内方向酸化膜厚d=(錐状電極
先端部直径D)/2程度となるような条件で酸化を行え
ば、十分に尖鋭化された内部電極9bを得ることができ
る。
れば、電子放出に適した尖鋭な先端構造をもつ電子放出
用冷陰極を容易に作成することができるようになる。同
一基板上に多数の冷陰極を形成する場合であっても、こ
の基板に対して一様に酸化を行うようにすれば、ほぼ均
一な先端構造をもった冷陰極の形成が可能になる。ここ
で、形成される酸化膜9aの厚みは、酸化を行うプロセ
スの条件によって決定される。特に、錐状電極9aとし
て金属材料を用い、陽極酸化法(錐状電極9に正の電圧
を印加しながら行う酸化方法)を用いた酸化プロセスを
行えば、酸化膜9aの厚みは、化成電圧(錐状電極9に
印加する電圧)によって制御することができる。一般
に、ある層を酸化して酸化膜を形成すると、この酸化膜
の厚みはもとの層の厚みよりも大きくなる。別言すれ
ば、酸化により、層は厚み方向に膨らむことになる。す
なわち、酸化は内方向と外方向との双方に向かって行わ
れることになる。図2(b) において、もとの錐状電極9
の形状が破線で示されているが、この破線で示した輪郭
よりも外側の部分が外方向に向かって酸化した部分であ
り、内側の部分が内方向に向かって酸化した部分であ
る。内部電極9bの先端部の尖鋭化に関与するのは、内
方向に向かう酸化である。そこで、ここでは、内方向に
向かう酸化により形成された酸化膜9aの厚み部分を、
内方向酸化膜厚dと呼ぶことにする(図2(b) 参照)。
この内方向酸化膜厚dの値がある一定のレベルを越える
と、内部電極9bの先端部が尖鋭化されることになる。
一般的な基準としては、内方向酸化膜厚d=(錐状電極
先端部直径D)/2程度となるような条件で酸化を行え
ば、十分に尖鋭化された内部電極9bを得ることができ
る。
【0020】さて、それでは、上述した新規な冷陰極の
製造方法を採り入れた本発明の最適な実施例のプロセス
を、断面図を参照しながら詳述する。なお、以下の断面
図においては、図示の便宜上、各部の寸法比を無視して
描いてある。
製造方法を採り入れた本発明の最適な実施例のプロセス
を、断面図を参照しながら詳述する。なお、以下の断面
図においては、図示の便宜上、各部の寸法比を無視して
描いてある。
【0021】<基本的な実施例>まず、図3に示すよう
に、透明な絶縁性基板として、ガラス基板11を用意
し、この上に、透明な導電膜としてITO層12を成膜
する。このように基板と導電膜とがいずれも透明である
点が本発明の重要な特徴となる。続いて、その上に、第
1の金属材料層としてタンタル層13を、第2の金属材
料層としてアルミニウム層14を、それぞれ成膜する
(各層の厚みに関しては後述する)。各層の成膜には、
たとえばスパッタ法や、真空蒸着法を用いればよい。第
1の金属材料と第2の金属材料は、このようにタンタル
とアルミニウムに限るものではなく、次のような条件を
満足する金属であれば、どのような組み合わせのものを
用いてもよい。まず、2つの材料同士が互いに異なるエ
ッチング特性を有し、かつ、それぞれの酸化物同士も互
いに異なるエッチング特性を有する必要がある。しか
も、少なくとも第2の金属材料自身は不透明であり、第
1の金属材料の酸化物は透明である必要がある。第1の
金属材料としてのタンタルと、第2の金属材料としての
アルミニウムと、の組み合わせは、このような条件を満
足している。すなわち、タンタルとアルミニウムとは互
いに異なるエッチング特性を有しており、酸化タンタル
と酸化アルミニウムとはやはり互いに異なるエッチング
特性を有している。しかも、アルミニウムはそれ自身不
透明であり、酸化タンタルは透明である。
に、透明な絶縁性基板として、ガラス基板11を用意
し、この上に、透明な導電膜としてITO層12を成膜
する。このように基板と導電膜とがいずれも透明である
点が本発明の重要な特徴となる。続いて、その上に、第
1の金属材料層としてタンタル層13を、第2の金属材
料層としてアルミニウム層14を、それぞれ成膜する
(各層の厚みに関しては後述する)。各層の成膜には、
たとえばスパッタ法や、真空蒸着法を用いればよい。第
1の金属材料と第2の金属材料は、このようにタンタル
とアルミニウムに限るものではなく、次のような条件を
満足する金属であれば、どのような組み合わせのものを
用いてもよい。まず、2つの材料同士が互いに異なるエ
ッチング特性を有し、かつ、それぞれの酸化物同士も互
いに異なるエッチング特性を有する必要がある。しか
も、少なくとも第2の金属材料自身は不透明であり、第
1の金属材料の酸化物は透明である必要がある。第1の
金属材料としてのタンタルと、第2の金属材料としての
アルミニウムと、の組み合わせは、このような条件を満
足している。すなわち、タンタルとアルミニウムとは互
いに異なるエッチング特性を有しており、酸化タンタル
と酸化アルミニウムとはやはり互いに異なるエッチング
特性を有している。しかも、アルミニウムはそれ自身不
透明であり、酸化タンタルは透明である。
【0022】続いて、アルミニウム層14上にフォトレ
ジストを塗布して特定形状にパターニングを行い、図4
に示すようなレジスト層15を形成する。この実施例
は、円錐形の冷陰極を形成させる例であるため、レジス
ト層15は平面的には円形パターンであるが、角錐形の
冷陰極を形成させるのであれば、それに応じて多角形パ
ターンとすればよい。次に、このレジスト層15をマス
クとして用い、アルミニウム層14に対するエッチング
を行う。この実施例では、アルミニウム用エッチング溶
液(菱江化学株式会社製 MR−ALE)を約40℃ま
で加熱維持し、この溶液中に基板全体を約4.5分間浸
漬させることにより、エッチングを行った。なお、タン
タルは異なるエッチング特性を有するため、アルミニウ
ム用エッチング溶液ではエッチングされない。この結
果、図5に示すように、アルミニウム層14の一部分が
錐状電極16として残ることになる。この錐状電極16
は、いわゆる裁頭円錐形をしており、製造すべき冷陰極
の粗形状をなすものである。続いて、十分な水洗を行っ
た後に乾燥させ、レジスト層15を除去する。
ジストを塗布して特定形状にパターニングを行い、図4
に示すようなレジスト層15を形成する。この実施例
は、円錐形の冷陰極を形成させる例であるため、レジス
ト層15は平面的には円形パターンであるが、角錐形の
冷陰極を形成させるのであれば、それに応じて多角形パ
ターンとすればよい。次に、このレジスト層15をマス
クとして用い、アルミニウム層14に対するエッチング
を行う。この実施例では、アルミニウム用エッチング溶
液(菱江化学株式会社製 MR−ALE)を約40℃ま
で加熱維持し、この溶液中に基板全体を約4.5分間浸
漬させることにより、エッチングを行った。なお、タン
タルは異なるエッチング特性を有するため、アルミニウ
ム用エッチング溶液ではエッチングされない。この結
果、図5に示すように、アルミニウム層14の一部分が
錐状電極16として残ることになる。この錐状電極16
は、いわゆる裁頭円錐形をしており、製造すべき冷陰極
の粗形状をなすものである。続いて、十分な水洗を行っ
た後に乾燥させ、レジスト層15を除去する。
【0023】続いて、前述した新規な冷陰極の製造方法
の特徴となる酸化工程を行う。この実施例では、酸化膜
厚の制御を容易に行うことができる陽極酸化法を用いて
酸化を行っている。すなわち、電解質溶液として、5%
(重量%)のホウ酸アンモニウム水溶液を用意し、攪拌
したこの電解質溶液中に、十分に乾燥させた基板全体を
浸漬させる。一方、対極としてプラチナ板を同様に浸漬
させ、この対極と錐状電極16との間に、錐状電極16
側が陽極となるように電圧を印加して、室温において
0.5mA/cm2という定電流密度で酸化を行った。
印加電圧を0Vから所定の化成電圧まで上昇させてゆ
き、後述する所定の膜厚の酸化膜が得られるまで酸化を
行った。なお、この陽極酸化に用いる電解質溶液は、上
述したホウ酸アンモニウム水溶液に限られるものではな
く、この他にも種々の電解質溶液を用いることができ
る。たとえば、電解質溶液に用いる溶媒としては、水の
他、種々の有機溶媒(エチレングリコール、メタノー
ル、グリセリン、プロピオン酸など)を用いることがで
きるし、溶質としては、クエン酸、アジピン酸、ホウ
酸、乳酸、アクリル酸などの中性有機酸や、ホウ砂、ク
エン酸アンモニウム、酒石酸アンモニウム、リン酸二水
素アンモニウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、
硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸
カリウムなどの中性、弱酸性、あるいは弱アルカリ性の
塩を用いることができる。また、対極としては、プラチ
ナの代わりに、アルミニウム、ステンレス、炭素などを
用いることも可能である。
の特徴となる酸化工程を行う。この実施例では、酸化膜
厚の制御を容易に行うことができる陽極酸化法を用いて
酸化を行っている。すなわち、電解質溶液として、5%
(重量%)のホウ酸アンモニウム水溶液を用意し、攪拌
したこの電解質溶液中に、十分に乾燥させた基板全体を
浸漬させる。一方、対極としてプラチナ板を同様に浸漬
させ、この対極と錐状電極16との間に、錐状電極16
側が陽極となるように電圧を印加して、室温において
0.5mA/cm2という定電流密度で酸化を行った。
印加電圧を0Vから所定の化成電圧まで上昇させてゆ
き、後述する所定の膜厚の酸化膜が得られるまで酸化を
行った。なお、この陽極酸化に用いる電解質溶液は、上
述したホウ酸アンモニウム水溶液に限られるものではな
く、この他にも種々の電解質溶液を用いることができ
る。たとえば、電解質溶液に用いる溶媒としては、水の
他、種々の有機溶媒(エチレングリコール、メタノー
ル、グリセリン、プロピオン酸など)を用いることがで
きるし、溶質としては、クエン酸、アジピン酸、ホウ
酸、乳酸、アクリル酸などの中性有機酸や、ホウ砂、ク
エン酸アンモニウム、酒石酸アンモニウム、リン酸二水
素アンモニウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、
硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸
カリウムなどの中性、弱酸性、あるいは弱アルカリ性の
塩を用いることができる。また、対極としては、プラチ
ナの代わりに、アルミニウム、ステンレス、炭素などを
用いることも可能である。
【0024】図6は、上述した酸化工程が完了したとき
の状態を示す断面図である。錐状電極16の表面は酸化
により酸化膜16a(Al2O3)が形成されており、
酸化を受けなかった部分が内部電極16bとして残るこ
とになる。なお、上述した酸化工程では、錐状電極16
とともにタンタル層13の露出領域も酸化を受けること
になる。このため、タンタル層13の露出領域は酸化膜
13a(Ta2O5)となり、非露出領域がタンタル層
13bとして残ることになる。タンタル層13を形成し
ておくのは、上述した陽極酸化の工程により、ITO層
12が損傷を受けるのを保護するためである。ここで注
目すべき点は、タンタル層13の露出領域については、
すべての厚み部分が酸化されている点である。別言すれ
ば、タンタル層13の露出領域は、表面だけではなく、
深部に至るまで酸化が行われており、すべてが酸化膜1
3aに変わっている。これは、タンタルの酸化物(Ta
2O5)が透光性を有するという性質に着目し、後の工
程において、本発明の特徴となる背面露光を可能にする
ための配慮である。すなわち、タンタル自体は透光性を
有しないため、後に背面露光を行うためには、タンタル
層13の露出領域については、すべての厚みにわたって
酸化させ、透光性を有する酸化膜13aに変えておく必
要があるのである。
の状態を示す断面図である。錐状電極16の表面は酸化
により酸化膜16a(Al2O3)が形成されており、
酸化を受けなかった部分が内部電極16bとして残るこ
とになる。なお、上述した酸化工程では、錐状電極16
とともにタンタル層13の露出領域も酸化を受けること
になる。このため、タンタル層13の露出領域は酸化膜
13a(Ta2O5)となり、非露出領域がタンタル層
13bとして残ることになる。タンタル層13を形成し
ておくのは、上述した陽極酸化の工程により、ITO層
12が損傷を受けるのを保護するためである。ここで注
目すべき点は、タンタル層13の露出領域については、
すべての厚み部分が酸化されている点である。別言すれ
ば、タンタル層13の露出領域は、表面だけではなく、
深部に至るまで酸化が行われており、すべてが酸化膜1
3aに変わっている。これは、タンタルの酸化物(Ta
2O5)が透光性を有するという性質に着目し、後の工
程において、本発明の特徴となる背面露光を可能にする
ための配慮である。すなわち、タンタル自体は透光性を
有しないため、後に背面露光を行うためには、タンタル
層13の露出領域については、すべての厚みにわたって
酸化させ、透光性を有する酸化膜13aに変えておく必
要があるのである。
【0025】酸化工程終了後、基板全体を十分に水洗
し、乾燥させ、アルミニウムの酸化膜16aの剥離を行
う。この実施例では、剥離溶液として、5%リン酸+2
%クロム酸水溶液を用意し、この水溶液を約85℃まで
加熱維持し、基板全体を約15分間浸漬させることによ
り剥離を行った。この結果、図7に示すように、アルミ
ニウムの酸化膜16aだけが剥離除去され、露出した内
部電極16bは冷陰極17を形成する。この剥離工程で
は、タンタルの酸化膜13aは全く影響を受けない。
し、乾燥させ、アルミニウムの酸化膜16aの剥離を行
う。この実施例では、剥離溶液として、5%リン酸+2
%クロム酸水溶液を用意し、この水溶液を約85℃まで
加熱維持し、基板全体を約15分間浸漬させることによ
り剥離を行った。この結果、図7に示すように、アルミ
ニウムの酸化膜16aだけが剥離除去され、露出した内
部電極16bは冷陰極17を形成する。この剥離工程で
は、タンタルの酸化膜13aは全く影響を受けない。
【0026】続いて、本発明の特徴となるレジストに対
する背面露光工程を行う。まず、図8に示すように、レ
ジスト層18を形成する。このレジスト層18は、少な
くとも冷陰極17が完全に覆われる程度の厚みが必要で
ある。レジスト塗布後、プリベークを行い、ここで本発
明の特徴となる背面露光を行う。すなわち、図の下方か
ら光を照射してレジスト層18を感光させるのである。
前述したように、ガラス基板11およびITO層12は
透明であり、また、タンタルの酸化膜13aも透光性を
有する。したがって、基板裏面側からの背面露光を行う
と、タンタル層13bおよびアルミニウムの冷陰極17
をマスクとした露光を行うことができ、現像を行うこと
により、図9に示すように、冷陰極17の形成領域にの
みレジスト層18aを残すことができる。このような背
面露光は、特別なマスク板を必要としないため、マスク
合わせの作業は不要になる。しかも、いわゆるセルフア
ライメントが行われるため、位置合わせ誤差は全く生じ
ない。
する背面露光工程を行う。まず、図8に示すように、レ
ジスト層18を形成する。このレジスト層18は、少な
くとも冷陰極17が完全に覆われる程度の厚みが必要で
ある。レジスト塗布後、プリベークを行い、ここで本発
明の特徴となる背面露光を行う。すなわち、図の下方か
ら光を照射してレジスト層18を感光させるのである。
前述したように、ガラス基板11およびITO層12は
透明であり、また、タンタルの酸化膜13aも透光性を
有する。したがって、基板裏面側からの背面露光を行う
と、タンタル層13bおよびアルミニウムの冷陰極17
をマスクとした露光を行うことができ、現像を行うこと
により、図9に示すように、冷陰極17の形成領域にの
みレジスト層18aを残すことができる。このような背
面露光は、特別なマスク板を必要としないため、マスク
合わせの作業は不要になる。しかも、いわゆるセルフア
ライメントが行われるため、位置合わせ誤差は全く生じ
ない。
【0027】続いて、図10に示すように、基板全面に
絶縁層19を形成する。この絶縁層19としては、たと
えば、SiO2,Al2O3,ショットガラスなどをス
パッタ法あるいは真空蒸着法を用いて成膜すればよい。
更にその上に、図11に示すように、ゲート電極層20
を形成する。このゲート電極層20としては、たとえ
ば、Al,Au,W,Mo,Ti,Ta,Nbなどの金
属材料をスパッタ法あるいは真空蒸着法を用いて成膜す
ればよい。最後に、レジスト層18aの剥離(いわゆる
リフトオフ)を行い、十分な水洗と乾燥を行えば、図1
2に示す構造を得る。この構造は図1の下部に示した電
子放出素子の構造と等価である。レジスト層18aの剥
離には、たとえば、アセトンなどの剥離液を用いればよ
い。もちろん、剥離液としては、他の構造部分に影響を
与えずにレジスト層18aの剥離を行うことのできるも
のであれば、どのようなものを用いてもかまわない。
絶縁層19を形成する。この絶縁層19としては、たと
えば、SiO2,Al2O3,ショットガラスなどをス
パッタ法あるいは真空蒸着法を用いて成膜すればよい。
更にその上に、図11に示すように、ゲート電極層20
を形成する。このゲート電極層20としては、たとえ
ば、Al,Au,W,Mo,Ti,Ta,Nbなどの金
属材料をスパッタ法あるいは真空蒸着法を用いて成膜す
ればよい。最後に、レジスト層18aの剥離(いわゆる
リフトオフ)を行い、十分な水洗と乾燥を行えば、図1
2に示す構造を得る。この構造は図1の下部に示した電
子放出素子の構造と等価である。レジスト層18aの剥
離には、たとえば、アセトンなどの剥離液を用いればよ
い。もちろん、剥離液としては、他の構造部分に影響を
与えずにレジスト層18aの剥離を行うことのできるも
のであれば、どのようなものを用いてもかまわない。
【0028】続いて、上述した工程における各層の厚み
および陽極酸化の条件に関して検討を行う。まず、図3
におけるITO層12,タンタル層13,アルミニウム
層14の厚みについて考えてみる。ITO層12は、冷
陰極に対する配線層として機能する導電膜であるため、
配線層として適当な厚みであれば、特に制約はない。こ
の実施例では、0.1〜0.5μm程度の厚みでITO
層12を形成した。これに対して、タンタル層13およ
びアルミニウム層14は、形成する冷陰極17の大きさ
および陽極酸化の条件を考慮して最適な厚みを決定する
のが好ましい。まず、アルミニウム層14の厚みは、形
成する冷陰極17の直径の半分程度の厚みにするのが好
ましい。たとえば、直径5μmの円錐状の冷陰極17を
形成するのであれば(レジスト層15の直径が5μ
m)、アルミニウム層14の厚みは2.5μm程度にす
るのが好ましい。このような厚みにしておけば、図5に
示すようなエッチングにより、先端がある程度尖った錐
状電極16を形成することができる。
および陽極酸化の条件に関して検討を行う。まず、図3
におけるITO層12,タンタル層13,アルミニウム
層14の厚みについて考えてみる。ITO層12は、冷
陰極に対する配線層として機能する導電膜であるため、
配線層として適当な厚みであれば、特に制約はない。こ
の実施例では、0.1〜0.5μm程度の厚みでITO
層12を形成した。これに対して、タンタル層13およ
びアルミニウム層14は、形成する冷陰極17の大きさ
および陽極酸化の条件を考慮して最適な厚みを決定する
のが好ましい。まず、アルミニウム層14の厚みは、形
成する冷陰極17の直径の半分程度の厚みにするのが好
ましい。たとえば、直径5μmの円錐状の冷陰極17を
形成するのであれば(レジスト層15の直径が5μ
m)、アルミニウム層14の厚みは2.5μm程度にす
るのが好ましい。このような厚みにしておけば、図5に
示すようなエッチングにより、先端がある程度尖った錐
状電極16を形成することができる。
【0029】一方、タンタル層13の厚みは、陽極酸化
の条件に基づいて決定する必要がある。なぜなら、前述
したように、陽極酸化が完了した時点において、タンタ
ル層13の露出領域はすべての厚み部分について酸化が
行われている必要がある(その理由は、後に背面露光を
行えるように、すべての厚み部分を透光性をもった酸化
膜に変えておく必要があるためである)。ところで、陽
極酸化の条件は、図2(b) に示す内方向酸化膜厚dに基
づいて決定すべきであり、この内方向酸化膜厚dの値
は、図2(a) に示す錐状電極9の裁頭部の直径Dを考慮
して決定すべきである(前述のように、d=D/2程度
であれば、先端部が十分に鋭利な内部電極9bが得られ
る)。
の条件に基づいて決定する必要がある。なぜなら、前述
したように、陽極酸化が完了した時点において、タンタ
ル層13の露出領域はすべての厚み部分について酸化が
行われている必要がある(その理由は、後に背面露光を
行えるように、すべての厚み部分を透光性をもった酸化
膜に変えておく必要があるためである)。ところで、陽
極酸化の条件は、図2(b) に示す内方向酸化膜厚dに基
づいて決定すべきであり、この内方向酸化膜厚dの値
は、図2(a) に示す錐状電極9の裁頭部の直径Dを考慮
して決定すべきである(前述のように、d=D/2程度
であれば、先端部が十分に鋭利な内部電極9bが得られ
る)。
【0030】いま、より具体的に、直径5μmの円錐状
の冷陰極17を形成する場合を例にとって、陽極酸化の
最適条件およびタンタル層13の厚みの最適値を決定し
てみる。図5において、直径5μmの円形パターンをも
ったレジスト層15を用いてエッチングを行った場合、
得られる錐状電極16の裁頭部の直径Dは0.24μm
程度であることが、実験により確認できている。したが
って、図2(b) に示す内方向酸化膜厚dの値はほぼ0.
12μm程度とするのが好ましい。ここで、陽極酸化を
行う上での化成電圧(酸化時に印加する電圧)と形成さ
れる酸化膜の膜厚との関係を求めてみると、図13に示
す表のような関係が得られる。この表における化成電圧
は、酸化工程時に錐状電極に印加する電圧値を示してお
り、陽極酸化膜厚は、各化成電圧を印加したときに得ら
れる酸化膜の厚みをアルミニウム酸化膜とタンタル酸化
膜とのそれぞれについて示しており、内方向酸化膜厚d
は、酸化によって得られるアルミニウム酸化膜の内方向
酸化膜厚を示している。
の冷陰極17を形成する場合を例にとって、陽極酸化の
最適条件およびタンタル層13の厚みの最適値を決定し
てみる。図5において、直径5μmの円形パターンをも
ったレジスト層15を用いてエッチングを行った場合、
得られる錐状電極16の裁頭部の直径Dは0.24μm
程度であることが、実験により確認できている。したが
って、図2(b) に示す内方向酸化膜厚dの値はほぼ0.
12μm程度とするのが好ましい。ここで、陽極酸化を
行う上での化成電圧(酸化時に印加する電圧)と形成さ
れる酸化膜の膜厚との関係を求めてみると、図13に示
す表のような関係が得られる。この表における化成電圧
は、酸化工程時に錐状電極に印加する電圧値を示してお
り、陽極酸化膜厚は、各化成電圧を印加したときに得ら
れる酸化膜の厚みをアルミニウム酸化膜とタンタル酸化
膜とのそれぞれについて示しており、内方向酸化膜厚d
は、酸化によって得られるアルミニウム酸化膜の内方向
酸化膜厚を示している。
【0031】上述したように、直径5μmの円形パター
ンを用いた場合、内方向酸化膜厚dの値は0.12μm
程度とするのが好ましい。したがって、この表によれ
ば、化成電圧150Vという条件で陽極酸化を行えばよ
いことがわかる。こうして、陽極酸化の最適条件が決定
できる。一方、この化成電圧150Vという陽極酸化条
件では、タンタル層の酸化膜厚は、図13の表によると
約0.25μmとなっている。タンタルの場合、0.2
5μmの厚みの酸化膜を形成したとき、この0.25μ
mのうちの0.1μmが内方向酸化膜厚となる。したが
って、もとのタンタル層13の厚みは0.1μmとする
のが好ましいことがわかる。
ンを用いた場合、内方向酸化膜厚dの値は0.12μm
程度とするのが好ましい。したがって、この表によれ
ば、化成電圧150Vという条件で陽極酸化を行えばよ
いことがわかる。こうして、陽極酸化の最適条件が決定
できる。一方、この化成電圧150Vという陽極酸化条
件では、タンタル層の酸化膜厚は、図13の表によると
約0.25μmとなっている。タンタルの場合、0.2
5μmの厚みの酸化膜を形成したとき、この0.25μ
mのうちの0.1μmが内方向酸化膜厚となる。したが
って、もとのタンタル層13の厚みは0.1μmとする
のが好ましいことがわかる。
【0032】<変形例1>続いて、本発明のいくつかの
変形例を述べておく。図14に示す変形例は、上述の方
法で生成した冷陰極の表面に対して、更に別な金属によ
る表皮膜21をスパッタ法や真空蒸着法によって成膜し
たものである。たとえば、アルミニウムの冷陰極を形成
した場合、一般にアルミニウムは融点が比較的低く、酸
化しやすいという性質を有するため、電子放出用の冷陰
極としては必ずしも適当な材料ではない。そこで、この
アルミニウムの冷陰極の表面に、タンタルなどの金属膜
を成膜して表皮膜21として用いるようにすれば、電子
放出により適した冷陰極が生成できる。この表皮膜21
の厚みを0.05μm程度に抑えれば、冷陰極の先端部
の尖鋭度に影響を与えることはない。表皮膜21の材質
としては、タンタル(Ta)の他、W,Mo,Ti,N
b,Hf,Cr,Pt,Auなどの金属、TiN,Fe
Nなどの窒化物、WC,NbC,HfCなどの炭化物、
などを用いることができる。
変形例を述べておく。図14に示す変形例は、上述の方
法で生成した冷陰極の表面に対して、更に別な金属によ
る表皮膜21をスパッタ法や真空蒸着法によって成膜し
たものである。たとえば、アルミニウムの冷陰極を形成
した場合、一般にアルミニウムは融点が比較的低く、酸
化しやすいという性質を有するため、電子放出用の冷陰
極としては必ずしも適当な材料ではない。そこで、この
アルミニウムの冷陰極の表面に、タンタルなどの金属膜
を成膜して表皮膜21として用いるようにすれば、電子
放出により適した冷陰極が生成できる。この表皮膜21
の厚みを0.05μm程度に抑えれば、冷陰極の先端部
の尖鋭度に影響を与えることはない。表皮膜21の材質
としては、タンタル(Ta)の他、W,Mo,Ti,N
b,Hf,Cr,Pt,Auなどの金属、TiN,Fe
Nなどの窒化物、WC,NbC,HfCなどの炭化物、
などを用いることができる。
【0033】<変形例2>図15に示す変形例は、絶縁
層19に対するエッチング工程を付加し、絶縁層19の
冷陰極17の対向面に空洞部19zを形成するようにし
たものである。たとえば、絶縁層19としてSiO2を
用いていた場合、BHF溶液(28mlのHF+170
mlのH2O+113gのNH4F)に1分間浸漬させ
れば、絶縁層19の側部が0.1μm程度エッチングに
より除去され、空洞部19zが形成されることになる。
このように、冷陰極17を取り囲む部分に空洞部19z
を形成しておくと、冷陰極17とゲート電極層20との
間の絶縁性を更に向上させるメリットが得られる。
層19に対するエッチング工程を付加し、絶縁層19の
冷陰極17の対向面に空洞部19zを形成するようにし
たものである。たとえば、絶縁層19としてSiO2を
用いていた場合、BHF溶液(28mlのHF+170
mlのH2O+113gのNH4F)に1分間浸漬させ
れば、絶縁層19の側部が0.1μm程度エッチングに
より除去され、空洞部19zが形成されることになる。
このように、冷陰極17を取り囲む部分に空洞部19z
を形成しておくと、冷陰極17とゲート電極層20との
間の絶縁性を更に向上させるメリットが得られる。
【0034】<変形例3>この変形例3は、前述した基
本的な実施例において、ITO層12を不要とする例で
ある。まず、図16に示すように、透明なガラス基板1
1を用意し、この上に、第1の金属材料層としてタンタ
ル層13を、第2の金属材料層としてアルミニウム層1
4をそれぞれ成膜する。この構造は、図3に示す基本的
な実施例の構造において、ITO層12を省略したもの
である。このように、変形例3では、ITO層12が不
要になる点に特徴がある。その理由については後述す
る。また、タンタル層13の厚みも、基本的な実施例と
は若干異なる。すなわち、基本的な実施例では、タンタ
ル層13の厚みを0.1μmとしたが、この変形例3で
は、これを0.12〜0.125μm程度とし、若干厚
めに設定してある。この理由についても後述する。
本的な実施例において、ITO層12を不要とする例で
ある。まず、図16に示すように、透明なガラス基板1
1を用意し、この上に、第1の金属材料層としてタンタ
ル層13を、第2の金属材料層としてアルミニウム層1
4をそれぞれ成膜する。この構造は、図3に示す基本的
な実施例の構造において、ITO層12を省略したもの
である。このように、変形例3では、ITO層12が不
要になる点に特徴がある。その理由については後述す
る。また、タンタル層13の厚みも、基本的な実施例と
は若干異なる。すなわち、基本的な実施例では、タンタ
ル層13の厚みを0.1μmとしたが、この変形例3で
は、これを0.12〜0.125μm程度とし、若干厚
めに設定してある。この理由についても後述する。
【0035】続いて、アルミニウム層14上にフォトレ
ジストを塗布して特定形状にパターニングを行い、図1
7に示すようなレジスト層15を形成し、このレジスト
層15をマスクとして用い、アルミニウム層14に対す
るエッチングを行い、図18に示すように、錐状電極1
6をもった構造を得る。この工程は、前述の基本的な実
施例の工程と全く同様である。この後、レジスト層15
を除去して陽極酸化を行う点も、前述の基本的な実施例
と同様である。陽極酸化の条件は、やはり化成電圧15
0Vに設定して行った。ただ、基本的な実施例と異なる
点は、上述したように、タンタル層13の厚みがやや厚
く設定されている点である。このため、同じ条件で陽極
酸化を行ったとしても、この変形例3では、タンタル層
13は全厚みに関して完全な酸化は行われず、基板側の
一部分が酸化を受けなかった層として残ることになる。
図19は、この陽極酸化終了後の状態を示している。内
部電極16bで覆われている非露出部分にタンタル層1
3bが残る点は、基本的な実施例と同様であるが、それ
以外の露出した部分については、表面側は酸化を受けて
酸化膜13aが形成されるが、基板側は酸化を受けずに
残存タンタル層13cとして残ることになる。この実施
例では、厚み0.025μm程度の残存タンタル層13
cが残った。
ジストを塗布して特定形状にパターニングを行い、図1
7に示すようなレジスト層15を形成し、このレジスト
層15をマスクとして用い、アルミニウム層14に対す
るエッチングを行い、図18に示すように、錐状電極1
6をもった構造を得る。この工程は、前述の基本的な実
施例の工程と全く同様である。この後、レジスト層15
を除去して陽極酸化を行う点も、前述の基本的な実施例
と同様である。陽極酸化の条件は、やはり化成電圧15
0Vに設定して行った。ただ、基本的な実施例と異なる
点は、上述したように、タンタル層13の厚みがやや厚
く設定されている点である。このため、同じ条件で陽極
酸化を行ったとしても、この変形例3では、タンタル層
13は全厚みに関して完全な酸化は行われず、基板側の
一部分が酸化を受けなかった層として残ることになる。
図19は、この陽極酸化終了後の状態を示している。内
部電極16bで覆われている非露出部分にタンタル層1
3bが残る点は、基本的な実施例と同様であるが、それ
以外の露出した部分については、表面側は酸化を受けて
酸化膜13aが形成されるが、基板側は酸化を受けずに
残存タンタル層13cとして残ることになる。この実施
例では、厚み0.025μm程度の残存タンタル層13
cが残った。
【0036】次に、基本的な実施例と同様に、図19に
示すアルミニウムの酸化膜16aを剥離除去して、図2
0に示すように、冷陰極17を露出させる。そして、図
21に示すように、全面にレジスト層18を形成し、背
面露光によって、このレジスト層18の一部を感光させ
る。ただ、この背面露光の条件は、基本的な実施例とは
若干異なる。基本的な実施例では、図8に示すような構
造において背面露光が行われており、この構造では、I
TO層12および酸化膜13aがいずれも透明であるた
め、レジスト層18のうち、タンタル層13bおよび冷
陰極17によって影になる部分が非露光部、それ以外の
部分が露光部となった。ところが、この変形例3では、
図21に示すような構造において背面露光が行われてお
り、本来露光されるべき部分(レジスト層18のうち、
タンタル層13bおよび冷陰極17によって影になる部
分以外の部分)に照射される光が、残存タンタル層13
cによって遮光されることになる。残存タンタル層13
cは、タンタルの金属層であるため酸化層のような透光
性は有しない。ただ、前述のように、厚みが0.025
μm程度の非常に薄い膜であるため、完全な遮光性をも
っているわけでもない。したがって、本来露光されるべ
き部分には、基本的な実施例と比べれば弱いものの、こ
の背面露光によって光が照射されることになる。そこ
で、この変形例3では、背面露光の時間を長めにとるこ
とにより、レジスト層18が十分に感光するようにし
た。具体的には、基本的な実施例における背面露光が数
秒であったのに対し、この変形例3における背面露光で
は、3分間ほどの時間をとることにより、十分な露光を
行うことができた。
示すアルミニウムの酸化膜16aを剥離除去して、図2
0に示すように、冷陰極17を露出させる。そして、図
21に示すように、全面にレジスト層18を形成し、背
面露光によって、このレジスト層18の一部を感光させ
る。ただ、この背面露光の条件は、基本的な実施例とは
若干異なる。基本的な実施例では、図8に示すような構
造において背面露光が行われており、この構造では、I
TO層12および酸化膜13aがいずれも透明であるた
め、レジスト層18のうち、タンタル層13bおよび冷
陰極17によって影になる部分が非露光部、それ以外の
部分が露光部となった。ところが、この変形例3では、
図21に示すような構造において背面露光が行われてお
り、本来露光されるべき部分(レジスト層18のうち、
タンタル層13bおよび冷陰極17によって影になる部
分以外の部分)に照射される光が、残存タンタル層13
cによって遮光されることになる。残存タンタル層13
cは、タンタルの金属層であるため酸化層のような透光
性は有しない。ただ、前述のように、厚みが0.025
μm程度の非常に薄い膜であるため、完全な遮光性をも
っているわけでもない。したがって、本来露光されるべ
き部分には、基本的な実施例と比べれば弱いものの、こ
の背面露光によって光が照射されることになる。そこ
で、この変形例3では、背面露光の時間を長めにとるこ
とにより、レジスト層18が十分に感光するようにし
た。具体的には、基本的な実施例における背面露光が数
秒であったのに対し、この変形例3における背面露光で
は、3分間ほどの時間をとることにより、十分な露光を
行うことができた。
【0037】こうして、レジスト層18に対する背面露
光が完了したら、これを現像することにより、図22に
示す構造を得ることができる。この図22の構造は基本
的な実施例における図9に示す構造と等価である。すな
わち、図9に示す構造におけるITO層12の役割を、
残存タンタル層13cが果たしていることになる。そも
そも、基本的な実施例においてITO層12を形成した
のは、冷陰極17に対する配線層として機能させるため
である。ところが、この変形例3においては、残存タン
タル層13cに冷陰極17に対する配線層としての機能
を果たさせることができるため、ITO層12を設ける
必要はなくなるのである。なお、図22の構造が得られ
た後は、基本的な実施例と同様に、絶縁層19およびゲ
ート電極層20が形成される。
光が完了したら、これを現像することにより、図22に
示す構造を得ることができる。この図22の構造は基本
的な実施例における図9に示す構造と等価である。すな
わち、図9に示す構造におけるITO層12の役割を、
残存タンタル層13cが果たしていることになる。そも
そも、基本的な実施例においてITO層12を形成した
のは、冷陰極17に対する配線層として機能させるため
である。ところが、この変形例3においては、残存タン
タル層13cに冷陰極17に対する配線層としての機能
を果たさせることができるため、ITO層12を設ける
必要はなくなるのである。なお、図22の構造が得られ
た後は、基本的な実施例と同様に、絶縁層19およびゲ
ート電極層20が形成される。
【0038】要するに、この変形例3の特徴は、タンタ
ル層13の基板側の一部を酸化せずに残存タンタル層1
3cとして残し、この残存タンタル層13cを基本的な
実施例におけるITO層12の代わりとして用いる点に
ある。このとき、残存タンタル層13cの厚みの設定が
重要である。残存タンタル層13cがあまり厚くなりす
ぎると、光の透過率が低下してくるため、背面露光の工
程においてレジスト層18を十分に感光させることがで
きなくなるために問題である。逆に、残存タンタル層1
3cがあまり薄くなりすぎると、導電層としての抵抗率
が高くなってくるため、冷陰極17に対する配線層とし
ての機能に問題が生じる。そこで、0.12μmの厚み
のタンタル層を表面側から陽極酸化する場合に、陽極酸
化時の化成電圧(これは、残存タンタル層の厚みを左右
する条件となる)と、残存タンタル層の透過率との関係
を実験により調べてみた。図23は、この実験結果を示
すグラフである。横軸に化成電圧、縦軸に透過率をと
り、それぞれの関係が示されている。化成電圧が高くな
るほど、透過率は増加することがわかる。これは、化成
電圧が高いほど、陽極酸化が進行し、残存タンタル層の
厚みが小さくなるためである。本変形例における陽極酸
化時の化成電圧は150Vであり、この条件による酸化
では、配線層として十分に機能し得る厚みの残存タンタ
ル層13cが得られるとともに、この厚みの残存タンタ
ル層13cにおいて、背面露光により十分に感光させる
ことができる透過率が得られている。
ル層13の基板側の一部を酸化せずに残存タンタル層1
3cとして残し、この残存タンタル層13cを基本的な
実施例におけるITO層12の代わりとして用いる点に
ある。このとき、残存タンタル層13cの厚みの設定が
重要である。残存タンタル層13cがあまり厚くなりす
ぎると、光の透過率が低下してくるため、背面露光の工
程においてレジスト層18を十分に感光させることがで
きなくなるために問題である。逆に、残存タンタル層1
3cがあまり薄くなりすぎると、導電層としての抵抗率
が高くなってくるため、冷陰極17に対する配線層とし
ての機能に問題が生じる。そこで、0.12μmの厚み
のタンタル層を表面側から陽極酸化する場合に、陽極酸
化時の化成電圧(これは、残存タンタル層の厚みを左右
する条件となる)と、残存タンタル層の透過率との関係
を実験により調べてみた。図23は、この実験結果を示
すグラフである。横軸に化成電圧、縦軸に透過率をと
り、それぞれの関係が示されている。化成電圧が高くな
るほど、透過率は増加することがわかる。これは、化成
電圧が高いほど、陽極酸化が進行し、残存タンタル層の
厚みが小さくなるためである。本変形例における陽極酸
化時の化成電圧は150Vであり、この条件による酸化
では、配線層として十分に機能し得る厚みの残存タンタ
ル層13cが得られるとともに、この厚みの残存タンタ
ル層13cにおいて、背面露光により十分に感光させる
ことができる透過率が得られている。
【0039】<変形例4>前述した変形例1では、最後
の工程において、冷陰極17の表面に別な金属膜を表皮
膜21として形成した。ここで述べる変形例4は、この
表皮膜21の形成を最後の工程で行うのではなく、上述
した変形例3の工程中において形成するものである。し
たがって、図20に示す構造が得られる段階までは、上
述した変形例3と全く同じ工程を行う。そして、図20
に示す構造が得られたら、図24に示すように、基板上
全面にネガ型レジスト層22を形成する。レジスト層を
形成するという点では、上述した変形例3の次工程と全
く同じであるが、変形例3では図21に示すように、ポ
ジ型のレジスト層18が形成されたのに対し、この変形
例4の次工程では、図24に示すように、ネガ型レジス
ト層22を形成する。より具体的には、ネガ型レジスト
として、東京応化株式会社製:OMR−8510cpを
用い、スピンナーによって、500rpmの回転数で5
秒間塗布した後、2000rpmの回転数で40秒間塗
布することにより、厚み0.2μmほどのネガ型レジス
ト層22を形成した。
の工程において、冷陰極17の表面に別な金属膜を表皮
膜21として形成した。ここで述べる変形例4は、この
表皮膜21の形成を最後の工程で行うのではなく、上述
した変形例3の工程中において形成するものである。し
たがって、図20に示す構造が得られる段階までは、上
述した変形例3と全く同じ工程を行う。そして、図20
に示す構造が得られたら、図24に示すように、基板上
全面にネガ型レジスト層22を形成する。レジスト層を
形成するという点では、上述した変形例3の次工程と全
く同じであるが、変形例3では図21に示すように、ポ
ジ型のレジスト層18が形成されたのに対し、この変形
例4の次工程では、図24に示すように、ネガ型レジス
ト層22を形成する。より具体的には、ネガ型レジスト
として、東京応化株式会社製:OMR−8510cpを
用い、スピンナーによって、500rpmの回転数で5
秒間塗布した後、2000rpmの回転数で40秒間塗
布することにより、厚み0.2μmほどのネガ型レジス
ト層22を形成した。
【0040】続いて、図24に示す状態で、基板裏面側
から、第1回目の背面露光を行い、ネガ型レジスト層2
2を部分的に露光させる。変形例3において述べたよう
に、残存タンタル層13cは、厚みが0.025μm程
度の非常に薄い膜であるため、いくらか透光性をもって
おり、タンタル層13bの部分は影になって非露光部と
なるが、残存タンタル層13cの部分は一部の光が通過
して露光部となる。具体的には、10〜20分間程度の
露光時間をとることにより、ネガ型レジスト層22を十
分に感光させることができた。次に、このネガ型レジス
ト層22を現像すると、ネガ型であるため、露光部分は
残り、非露光部分が除去されることになる。図25は、
現像後の状態を示しており、露光部分であるレジスト層
22aだけが残っている。
から、第1回目の背面露光を行い、ネガ型レジスト層2
2を部分的に露光させる。変形例3において述べたよう
に、残存タンタル層13cは、厚みが0.025μm程
度の非常に薄い膜であるため、いくらか透光性をもって
おり、タンタル層13bの部分は影になって非露光部と
なるが、残存タンタル層13cの部分は一部の光が通過
して露光部となる。具体的には、10〜20分間程度の
露光時間をとることにより、ネガ型レジスト層22を十
分に感光させることができた。次に、このネガ型レジス
ト層22を現像すると、ネガ型であるため、露光部分は
残り、非露光部分が除去されることになる。図25は、
現像後の状態を示しており、露光部分であるレジスト層
22aだけが残っている。
【0041】次に、この図25に示す状態において、基
板上全面にタンタルやタングステンなどの金属(表皮膜
を形成する金属)をスパッタ法により堆積させ、厚み
0.01〜0.05μm程度の表皮膜23を形成する。
そして、レジスト層22aをリフトオフにより剥離すれ
ば、図27に示すように、冷陰極17の表面上に形成さ
れた表皮膜23だけが残ることになる。この後は、図2
8に示すように、全面にポジ型のレジスト層18を形成
し、第2回目の背面露光によって、このレジスト層18
の一部を感光させる。具体的には3分間ほどの時間で、
十分な露光を行うことができた。
板上全面にタンタルやタングステンなどの金属(表皮膜
を形成する金属)をスパッタ法により堆積させ、厚み
0.01〜0.05μm程度の表皮膜23を形成する。
そして、レジスト層22aをリフトオフにより剥離すれ
ば、図27に示すように、冷陰極17の表面上に形成さ
れた表皮膜23だけが残ることになる。この後は、図2
8に示すように、全面にポジ型のレジスト層18を形成
し、第2回目の背面露光によって、このレジスト層18
の一部を感光させる。具体的には3分間ほどの時間で、
十分な露光を行うことができた。
【0042】こうして、レジスト層18に対する背面露
光が完了したら、これを現像することにより、図29に
示す構造を得ることができる。この図29の構造は変形
例3における図22に示す構造において、更に、冷陰極
17の表面に表皮層23を形成したものである。この後
は、基本的な実施例と同様に、絶縁層19およびゲート
電極層20が形成される。
光が完了したら、これを現像することにより、図29に
示す構造を得ることができる。この図29の構造は変形
例3における図22に示す構造において、更に、冷陰極
17の表面に表皮層23を形成したものである。この後
は、基本的な実施例と同様に、絶縁層19およびゲート
電極層20が形成される。
【0043】変形例1では、最後の工程において、冷陰
極17の表面に別な金属膜を表皮膜21として形成した
が、この場合、この表皮膜21の形成工程において、冷
陰極17とゲート電極層20とが短絡するおそれがあ
る。ここで述べた変形例4による方法では、このような
問題は生じない。なお、この変形例4は、上述した変形
例3の工程途中に表皮膜を形成する工程を組み込んだも
のであるが、基本的な実施例の工程途中に表皮膜を形成
する工程を組み込むことも可能である。この場合は、I
TO層12を予め形成しておき、陽極酸化の工程におい
て、残存タンタル層13cを残さずにすべて酸化してし
まえばよい。
極17の表面に別な金属膜を表皮膜21として形成した
が、この場合、この表皮膜21の形成工程において、冷
陰極17とゲート電極層20とが短絡するおそれがあ
る。ここで述べた変形例4による方法では、このような
問題は生じない。なお、この変形例4は、上述した変形
例3の工程途中に表皮膜を形成する工程を組み込んだも
のであるが、基本的な実施例の工程途中に表皮膜を形成
する工程を組み込むことも可能である。この場合は、I
TO層12を予め形成しておき、陽極酸化の工程におい
て、残存タンタル層13cを残さずにすべて酸化してし
まえばよい。
【0044】<変形例5>この変形例5は、表皮膜21
を変形例3の工程途中で形成する別な方法である。ま
ず、図22に示す構造が得られる段階までは、前述した
変形例3と全く同じ工程を行う。そして、図22に示す
構造が得られたら、図30に示すように、基板上全面に
ネガ型レジスト層22を形成する。より具体的には、ネ
ガ型レジストとして、東京応化株式会社製:OMR−8
5 35cpを用い、スピンナーによって、500rp
mの回転数で5秒間塗布した後、2000rpmの回転
数で40秒間塗布することにより、厚み0.6μmほど
のネガ型レジスト層22を形成した。そしてこの状態
で、第2回目の背面露光を行い、現像すると、ネガ型レ
ジスト層22の非露光部が除去され、露光部のみがレジ
スト層22aとして残る。なお、このネガ型レジストに
対する現像により、ポジ型のレジスト層18aも一緒に
除去されてしまう。したがって、現像後は図31に示す
構造が得られる。
を変形例3の工程途中で形成する別な方法である。ま
ず、図22に示す構造が得られる段階までは、前述した
変形例3と全く同じ工程を行う。そして、図22に示す
構造が得られたら、図30に示すように、基板上全面に
ネガ型レジスト層22を形成する。より具体的には、ネ
ガ型レジストとして、東京応化株式会社製:OMR−8
5 35cpを用い、スピンナーによって、500rp
mの回転数で5秒間塗布した後、2000rpmの回転
数で40秒間塗布することにより、厚み0.6μmほど
のネガ型レジスト層22を形成した。そしてこの状態
で、第2回目の背面露光を行い、現像すると、ネガ型レ
ジスト層22の非露光部が除去され、露光部のみがレジ
スト層22aとして残る。なお、このネガ型レジストに
対する現像により、ポジ型のレジスト層18aも一緒に
除去されてしまう。したがって、現像後は図31に示す
構造が得られる。
【0045】次に、この図31に示す状態において、基
板上全面にタンタルやタングステンなどの金属(表皮膜
を形成する金属)をスパッタ法により堆積させ、図32
に示すように、厚み0.01〜0.05μm程度の表皮
膜23を形成する。そして、レジスト層22aをリフト
オフにより剥離すれば、上述の変形例4の方法と同様
に、図27に示す構造が得られる。すなわち、冷陰極1
7の表面上に形成された表皮膜23だけが残ることにな
る。この後は、図28に示すように、全面にポジ型のレ
ジスト層18を形成し、第3回目の背面露光によって、
このレジスト層18の一部を感光させる。こうして、レ
ジスト層18に対する背面露光が完了したら、これを現
像することにより、図29に示す構造を得ることがで
き、更に、絶縁層19およびゲート電極層20を形成す
る。
板上全面にタンタルやタングステンなどの金属(表皮膜
を形成する金属)をスパッタ法により堆積させ、図32
に示すように、厚み0.01〜0.05μm程度の表皮
膜23を形成する。そして、レジスト層22aをリフト
オフにより剥離すれば、上述の変形例4の方法と同様
に、図27に示す構造が得られる。すなわち、冷陰極1
7の表面上に形成された表皮膜23だけが残ることにな
る。この後は、図28に示すように、全面にポジ型のレ
ジスト層18を形成し、第3回目の背面露光によって、
このレジスト層18の一部を感光させる。こうして、レ
ジスト層18に対する背面露光が完了したら、これを現
像することにより、図29に示す構造を得ることがで
き、更に、絶縁層19およびゲート電極層20を形成す
る。
【0046】この変形例5も、上述した変形例3の工程
途中に表皮膜を形成する工程を組み込んだものである
が、基本的な実施例の工程途中にこの変形例5による表
皮膜を形成する工程を組み込むことも可能である。この
場合は、ITO層12を予め形成しておき、陽極酸化の
工程において、残存タンタル層13cを残さずにすべて
酸化してしまえばよい。
途中に表皮膜を形成する工程を組み込んだものである
が、基本的な実施例の工程途中にこの変形例5による表
皮膜を形成する工程を組み込むことも可能である。この
場合は、ITO層12を予め形成しておき、陽極酸化の
工程において、残存タンタル層13cを残さずにすべて
酸化してしまえばよい。
【0047】
【発明の効果】以上のとおり本発明によれば、背面露光
を利用して電子放出素子を製造できるようにしたため、
できるだけマスク合わせの工程を省き、電子放出素子を
容易に製造することができるようになる。
を利用して電子放出素子を製造できるようにしたため、
できるだけマスク合わせの工程を省き、電子放出素子を
容易に製造することができるようになる。
【図1】従来の一般的な縦型真空マイクロ素子の構造を
示す断面図である。
示す断面図である。
【図2】本発明に関連した電子放出用冷陰極の新規な製
造方法の基本原理を示す図である。
造方法の基本原理を示す図である。
【図3】本発明の実施例において、基板上に3層構造を
形成した状態を示す断面図である。
形成した状態を示す断面図である。
【図4】図3に示す状態において、円形パターンをもっ
たレジスト層15を形成した状態を示す断面図である。
たレジスト層15を形成した状態を示す断面図である。
【図5】図4に示す状態において、レジスト層15をマ
スクとしたエッチングを行い、錐状電極16を形成した
状態を示す断面図である。
スクとしたエッチングを行い、錐状電極16を形成した
状態を示す断面図である。
【図6】図5に示す錐状電極16に対して、陽極酸化を
行った状態を示す断面図である。
行った状態を示す断面図である。
【図7】図6に示す酸化膜16aを除去した状態を示す
断面図である。
断面図である。
【図8】図7に示す状態において、レジスト層18を形
成した状態を示す断面図である。
成した状態を示す断面図である。
【図9】図8に示す状態において、背面露光を行いレジ
スト層のパターニングを行った状態を示す断面図であ
る。
スト層のパターニングを行った状態を示す断面図であ
る。
【図10】図9に示す状態において、更に絶縁層19の
形成を行った状態を示す断面図である。
形成を行った状態を示す断面図である。
【図11】図10に示す状態において、更にゲート電極
層20の形成を行った状態を示す断面図である。
層20の形成を行った状態を示す断面図である。
【図12】図11に示す状態において、レジスト層18
aの剥離を行った状態を示す断面図である。
aの剥離を行った状態を示す断面図である。
【図13】陽極酸化の種々の条件(化成電圧と酸化膜厚
との関係)を示す表である。
との関係)を示す表である。
【図14】図12に示す状態において、冷陰極17の表
面に更に表皮膜21を形成した変形例1の構造を示す断
面図である。
面に更に表皮膜21を形成した変形例1の構造を示す断
面図である。
【図15】図12に示す状態において、更に絶縁層19
に対するエッチングを行い、空洞部19zを形成した変
形例2の構造を示す断面図である。
に対するエッチングを行い、空洞部19zを形成した変
形例2の構造を示す断面図である。
【図16】本発明の変形例3において、基板上に2層構
造を形成した状態を示す断面図である。
造を形成した状態を示す断面図である。
【図17】図16に示す状態において、円形パターンを
もったレジスト層15を形成した状態を示す断面図であ
る。
もったレジスト層15を形成した状態を示す断面図であ
る。
【図18】図17に示す状態において、レジスト層15
をマスクとしたエッチングを行い、錐状電極16を形成
した状態を示す断面図である。
をマスクとしたエッチングを行い、錐状電極16を形成
した状態を示す断面図である。
【図19】図18に示す錐状電極16およびタンタル層
13の表面部分に対して、陽極酸化を行った状態を示す
断面図である。
13の表面部分に対して、陽極酸化を行った状態を示す
断面図である。
【図20】図19に示す酸化膜16aを除去した状態を
示す断面図である。
示す断面図である。
【図21】図20に示す状態において、レジスト層18
を形成した状態を示す断面図である。
を形成した状態を示す断面図である。
【図22】図21に示す状態において、背面露光を行い
レジスト層のパターニングを行った状態を示す断面図で
ある。
レジスト層のパターニングを行った状態を示す断面図で
ある。
【図23】タンタル層に対する陽極酸化時の化成電圧
と、酸化されずに残った残存タンタル層の透過率との関
係を示すグラフである。
と、酸化されずに残った残存タンタル層の透過率との関
係を示すグラフである。
【図24】本発明の変形例4において、図20に示す状
態にネガ型レジスト層22を形成した状態を示す断面図
である。
態にネガ型レジスト層22を形成した状態を示す断面図
である。
【図25】図24に示す状態において、背面露光を行い
レジスト層のパターニングを行った状態を示す断面図で
ある。
レジスト層のパターニングを行った状態を示す断面図で
ある。
【図26】図25に示す状態において、表皮層23を形
成した状態を示す断面図である。
成した状態を示す断面図である。
【図27】図26に示す状態において、レジスト層22
aを剥離除去した状態を示す断面図である。
aを剥離除去した状態を示す断面図である。
【図28】図27に示す状態において、レジスト層18
を形成した状態を示す断面図である。
を形成した状態を示す断面図である。
【図29】図28に示す状態において、背面露光を行い
レジスト層のパターニングを行った状態を示す断面図で
ある。
レジスト層のパターニングを行った状態を示す断面図で
ある。
【図30】本発明の変形例5において、図22に示す状
態にネガ型レジスト層22を形成した状態を示す断面図
である。
態にネガ型レジスト層22を形成した状態を示す断面図
である。
【図31】図30に示す状態において、背面露光を行い
レジスト層のパターニングを行った状態を示す断面図で
ある。
レジスト層のパターニングを行った状態を示す断面図で
ある。
【図32】図31に示す状態において、表皮層23を形
成した状態を示す断面図である。
成した状態を示す断面図である。
1…ガラス基板 2…配線層 3…冷陰極 4…絶縁層 5…引出電極 6…ガラス基板 7…陽極 8…蛍光体層 9…錐状電極 9a…酸化膜 9b…内部電極 11…ガラス基板 12…ITO層 13…タンタル層 13a…タンタルの酸化膜 13b…タンタル層 14…アルミニウム層 15…レジスト層 16…錐状電極 16a…アルミニウムの酸化膜 16b…内部電極 17…冷陰極 18,18a…レジスト層 19…絶縁層 19z…空洞部 20…ゲート電極層 21…表皮膜 22,22a…ネガ型レジスト層 23…表皮膜
Claims (6)
- 【請求項1】 冷陰極と引出電極とを備え、引出電極に
よって冷陰極から電子を引き出してこれを放出させる電
子放出素子の製造方法において、 透明な絶縁性基板上に透明な導電膜を形成し、前記導電
膜上に不透明な導電性の冷陰極を形成し、基板全面にレ
ジスト層を形成し、前記絶縁性基板の下面側から光を照
射する背面露光を行い、前記レジスト層のうちの露光部
を除去して非露光部を残し、基板全面に絶縁層を形成
し、この絶縁層上に導電層を形成し、前記レジスト層の
非露光部を、その上方に形成された各層とともに除去
し、残った導電層を引出電極とすることを特徴とする電
子放出素子の製造方法。 - 【請求項2】 冷陰極と引出電極とを備え、引出電極に
よって冷陰極から電子を引き出してこれを放出させる電
子放出素子の製造方法において、 互いに異なるエッチング特性を有し、かつ、それぞれの
酸化物同士も互いに異なるエッチング特性を有するよう
な第1の金属材料と第2の金属材料とであって、しか
も、少なくとも第2の金属材料自身は不透明であり、第
1の金属材料の酸化物は透明であるような2つの金属材
料を用意し、透明な絶縁性基板上に透明な導電膜を形成
し、この導電膜上に第1の金属材料層を形成し、この第
1の金属材料層上に第2の金属材料層を形成し、前記第
2の金属材料層に対してエッチングを施して第2の金属
材料からなる錐状電極を形成し、前記第1の金属材料層
の露出領域のすべての厚み部分および前記錐状電極の表
面部分を酸化することにより、第1の金属材料酸化膜お
よび第2の金属材料酸化膜を形成し、前記第2の金属材
料酸化膜をエッチング除去することにより第2の金属材
料からなる冷陰極を形成し、基板全面にレジスト層を形
成し、前記絶縁性基板の下面側から光を照射する背面露
光を行い、前記レジスト層のうちの露光部を除去して非
露光部を残し、基板全面に絶縁層を形成し、この絶縁層
上に導電層を形成し、前記レジスト層の非露光部を、そ
の上方に形成された各層とともに除去し、前記導電層を
引出電極とすることを特徴とする電子放出素子の製造方
法。 - 【請求項3】 冷陰極と引出電極とを備え、引出電極に
よって冷陰極から電子を引き出してこれを放出させる電
子放出素子の製造方法において、 透明な絶縁性基板上に、不透明な導電性の冷陰極と、少
なくとも背面露光に必要な透光性を有する導電膜とを形
成し、基板全面にレジスト層を形成し、前記絶縁性基板
の下面側から光を照射する背面露光を行い、前記レジス
ト層のうちの露光部を除去して非露光部を残し、基板全
面に絶縁層を形成し、この絶縁層上に導電層を形成し、
前記レジスト層の非露光部を、その上方に形成された各
層とともに除去し、残った導電層を引出電極とすること
を特徴とする電子放出素子の製造方法。 - 【請求項4】 冷陰極と引出電極とを備え、引出電極に
よって冷陰極から電子を引き出してこれを放出させる電
子放出素子の製造方法において、 互いに異なるエッチング特性を有し、かつ、それぞれの
酸化物同士も互いに異なるエッチング特性を有するよう
な第1の金属材料と第2の金属材料とであって、しか
も、少なくとも第2の金属材料自身は不透明であり、第
1の金属材料の酸化物は透明であるような2つの金属材
料を用意し、透明な絶縁性基板上に第1の金属材料層を
形成し、この第1の金属材料層上に第2の金属材料層を
形成し、前記第2の金属材料層に対してエッチングを施
して第2の金属材料からなる錐状電極を形成し、前記第
1の金属材料層の露出領域の表面部分および前記錐状電
極の表面部分を酸化することにより、第1の金属材料酸
化膜および第2の金属材料酸化膜を形成し、前記第2の
金属材料酸化膜をエッチング除去することにより第2の
金属材料からなる冷陰極を形成し、基板全面にレジスト
層を形成し、前記絶縁性基板の下面側から光を照射する
背面露光を行い、前記レジスト層のうちの露光部を除去
して非露光部を残し、基板全面に絶縁層を形成し、この
絶縁層上に導電層を形成し、前記レジスト層の非露光部
を、その上方に形成された各層とともに除去し、前記導
電層を引出電極とすることを特徴とする電子放出素子の
製造方法。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の方法に
おいて、更に、冷陰極の表面に異なる材料からなる膜を
形成する工程を付加したことを特徴とする電子放出素子
の製造方法。 - 【請求項6】 請求項1〜4のいずれかに記載の方法に
おいて、更に、絶縁層に対するエッチング工程を付加
し、絶縁層の冷陰極対向面に空洞部を形成するようにし
たことを特徴とする電子放出素子の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP25904593A JPH0794084A (ja) | 1993-09-22 | 1993-09-22 | 電子放出素子の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP25904593A JPH0794084A (ja) | 1993-09-22 | 1993-09-22 | 電子放出素子の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0794084A true JPH0794084A (ja) | 1995-04-07 |
Family
ID=17328571
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP25904593A Pending JPH0794084A (ja) | 1993-09-22 | 1993-09-22 | 電子放出素子の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0794084A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100442840B1 (ko) * | 2001-01-05 | 2004-08-02 | 삼성에스디아이 주식회사 | 삼극관 탄소나노튜브 전계방출 어레이의 제조 방법 |
| JP2006040863A (ja) * | 2004-07-26 | 2006-02-09 | Samsung Sdi Co Ltd | 炭素ナノチューブエミッタを備える電界放出ディスプレイ及びその製造方法 |
| US7169536B2 (en) | 2002-12-13 | 2007-01-30 | Sharp Kabushiki Kaisha | Manufacturing method and manufacturing apparatus of field emission display |
| KR100786833B1 (ko) * | 2001-07-30 | 2007-12-20 | 삼성에스디아이 주식회사 | 전계방출 디스플레이장치 및 이의 제조방법과 전계방출디스플레이장치의 노말 게이트 구조 형성방법 |
-
1993
- 1993-09-22 JP JP25904593A patent/JPH0794084A/ja active Pending
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100442840B1 (ko) * | 2001-01-05 | 2004-08-02 | 삼성에스디아이 주식회사 | 삼극관 탄소나노튜브 전계방출 어레이의 제조 방법 |
| KR100786833B1 (ko) * | 2001-07-30 | 2007-12-20 | 삼성에스디아이 주식회사 | 전계방출 디스플레이장치 및 이의 제조방법과 전계방출디스플레이장치의 노말 게이트 구조 형성방법 |
| US7169536B2 (en) | 2002-12-13 | 2007-01-30 | Sharp Kabushiki Kaisha | Manufacturing method and manufacturing apparatus of field emission display |
| JP2006040863A (ja) * | 2004-07-26 | 2006-02-09 | Samsung Sdi Co Ltd | 炭素ナノチューブエミッタを備える電界放出ディスプレイ及びその製造方法 |
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