JPH0948951A - 着色コーティング用組成物及びそれを用いた着色ガラスとその製造方法 - Google Patents

着色コーティング用組成物及びそれを用いた着色ガラスとその製造方法

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JPH0948951A
JPH0948951A JP22264395A JP22264395A JPH0948951A JP H0948951 A JPH0948951 A JP H0948951A JP 22264395 A JP22264395 A JP 22264395A JP 22264395 A JP22264395 A JP 22264395A JP H0948951 A JPH0948951 A JP H0948951A
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glass
polysilazane
colored
composition
ceramic
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JP22264395A
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Inventor
Tomonori Ishikawa
智規 石川
Tatsuro Nagahara
達郎 長原
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Tonen General Sekiyu KK
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Tonen Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な工程で且つ低温で、しかも薄膜でも濃
色の発色が可能な着色シリカ質セラミックス膜に転化し
得る着色コーティング用組成物、該組成物を用いた着色
ガラス及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 ポリシラザン(変性物)と無機若しくは
有機着色剤及びその溶媒若しくは分散媒を主成分とした
着色コーティング用組成物、該組成物をガラスに塗布し
セラミックス化した着色コーティング被膜とガラスとか
らなる着色ガラス及び該組成物をガラスに塗布し、セラ
ミックス化する着色ガラスの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、着色コーティング
用組成物及びそれを用いた着色ガラスとその製造方法に
関し、詳しくはポリシラザンを含有する着色コーティン
グ用組成物及び該組成物をガラスに塗布しセラミックス
化してなる着色ガラスとその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ガラス、セラミックス、プラスチ
ック、金属等の材料分野において、着色処理技術は極め
て重要な基本技術の一つであり、情報表示、カラーフィ
ルター、ミラー等の光学部品や自動車用ランプ(ヘッド
ライト及びフォグランプバルブの黄色化、ブレーキラン
プの赤色化、フラッシャーランプの黄色若しくはアンバ
ー色化等)、こたつ用の赤外線ランプ(赤色、黄色)、
装飾用ガラス、自動車用ないし建材用ガラス(ブロンズ
系、グレー系、ブルー系、グリーン系等)などに広く使
用されている。特に、厳しい高温、摩耗、腐触等の環境
下におかれる部品には、耐熱性基体(例えばガラス、金
属)上に無機着色剤含有セラミックスをコーティングす
る技術が採用されている。
【0003】例えばガラスを着色する場合においては、
溶融状態でガラスに金属イオンを注入して発色させ、
バルク状の発色ガラスを得るか、融点以上の温度で着
色低融点ガラスをガラス上にコーティングするか、ある
いは低温化のためにガラス質ではなくアクリル樹脂、
エポキシ樹脂等の樹脂類を着色し、それをガラス上にコ
ーティングし凝似着色ガラスを得るというような方法が
とられてきた。従って、及びの方法では焼成温度が
高いという欠点があり、またの方法では得られる製品
の耐環境性が劣るという欠点がある。
【0004】そこで、二酸化珪素の過飽和状態となった
珪弗化水素酸水溶液に有機着色剤を添加した処理液を、
基体(ガラス)と接触させる方法や、該処理液を粉粒体
と接触させてシリカ被覆粉粒体を得、これを透明な分散
媒中に分散した後、基体上に塗布してなる着色被覆物
(特開平4−91171号公報)が提案されている。た
だ、この方法は、該公報に述べられているように、前記
処理液を単に基体と接触させた場合では、カラーフィル
ターなどの着色度の濃い用途では厚い膜厚が必要とな
り、膜形成に長時間を要するので、前記処理液を粉粒体
と接触させて粉粒体上に着色シリカ被覆を形成させ、そ
れを透明な分散媒中に分散させた処理液を基体と接触さ
せるという複雑な工程を必要とするという難点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来技術
の実状に鑑みてなされたものであって、簡単な工程で且
つ低温で、しかも薄膜でも濃色の発色が可能な着色シリ
カ質セラミックス膜に転化し得る着色コーティング用組
成物、該組成物を用いた着色ガラス及びその製造方法を
提供することを、その目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明によれ
ば、第一に、ポリシラザン若しくはその変性物と無機若
しくは有機着色剤及びその溶媒若しくは分散媒とを主成
分とすることを特徴とする着色コーティング用組成物が
提供される。第二に、前記第一に記載の組成物をガラス
に塗布し、これをセラミックス化した着色セラミックス
被覆とガラスとからなることを特徴とする着色ガラスが
提供される。第三に、前記第一に記載の組成物をガラス
に塗布し、これをセラミックス化することを特徴とする
着色ガラスの製造方法が提供される。
【0007】本発明の着色コーティング用組成物は、シ
リカ質セラミックス形成成分としてポリシラザン若しく
はその変性物を含有したものとしたことから、簡単な工
程で且つ低温でしかも薄膜でも濃色の発色が可能な、着
色シリカ質セラミックス膜を基体(ガラス)上に形成し
得るものとなる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳しく説明
する。本発明の着色コーティング用組成物は、ポリシラ
ザン若しくはその変性物と無機若しくは有機着色剤及び
その溶媒若しくは分散剤とを主成分とする、すなわちセ
ラミックス形成成分としてポリシラザン若しくはその変
性物を含有することを特徴とする。本発明で使用される
ポリシラザン及びその変性物は、主として下記一般式
(I)
【化1】 (式中、R1、R2及びR3は、それぞれ独立に水素原
子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、ア
リール基、若しくはこれらの基以外でフルオロアルキル
基等のケイ素に直結する基が炭素である基、アルキルシ
リル基、アルキルアミノ基又はアルコキシ基を表す。但
し、R1、R2及びR3の少なくとも1つは水素原子であ
る。)で表される構造単位からなる骨格を有する数平均
分子量が約100〜50,000のポリシラザン又はこ
れに金属等を添加して変性したポリシラザンである。
【0009】すなわち、本発明で用いるポリシラザン
は、分子内に少なくともSi−H結合、あるいはN−H
結合を有するポリシラザンであればよく、ポリシラザン
単独は勿論のこと、ポリシラザンと他のポリマーとの共
重合体やポリシラザンと他の化合物との混合物でも利用
できる。用いるポリシラザンには、鎖状、環状、あるい
は架橋構造を有するもの、あるいは分子内にこれら複数
の構造を同時に有するものがあり、これら単独でもある
いは混合物でも利用できる。
【0010】用いるポリシラザンの代表例としては下記
のようなものがあるが、これらに限定されるものではな
い。一般式(I)でR1、R2及びR3に水素原子を有す
るものは、ペルヒドロポリシラザンであり、その製造方
法は例えば特開昭60−145903号公報、D.Se
yferthらCommunication of A
m.Cer.Soc.,C−13,January 1
983.に報告されている。これらの方法で得られるも
のは、種々の構造を有するポリマーの混合物であるが、
基本的には分子内に鎖状部分と環状部分を含み、
【化2】 の化学式で表すことができる。
【0011】ペルヒドロポリシラザンの構造の一例を示
すと下記の如くである。
【化3】
【0012】一般式(I)でR1及びR2に水素原子、R
3にメチル基を有するポリシラザンの製造方法は、D.
SeyferthらPolym.Prepr.Am.C
hem.Soc.,Div.Polym.Chem,.
25,10(1984)に報告されている。この方法に
より得られるポリシラザンは、繰り返し単位が−(Si
2NCH3)−の鎖状ポリマーと環状ポリマーであり、
いずれも架橋構造をもたない。
【0013】一般式(I)でR1及びR2に水素原子、R
3に有機基を有するポリオルガノ(ヒドロ)シラザンの
製造法は、D.SeyferthらPolym.Pre
pr.Am.Chem.Soc.,Div.Poly
m.Chem,.25,10(1984)、特開昭61
−89230号公報に報告されている。これら方法によ
り得られるポリシラザンには、−(R2SiHNH)−
を繰り返し単位として、主として重合度が3〜5の環状
構造を有するものや(R3SiHNH)x〔(R2SiH)
1.5N〕1-X(0.4<X<1)の化学式で示される分子
内に鎖状構造と環状構造を同時に有するものがある。
【0014】一般式(I)でR1に水素原子、R2、R3
に有機基を有するポリシラザン、またR1及びR2に有機
基、R3に水素原子を有するものは−(R12SiN
3)−を繰り返し単位として、主に重合度が3〜5の
環状構造を有している。
【0015】次に、用いるポリシラザンの内、一般式
(I)以外のものの代表例を挙げる。ポリオルガノ(ヒ
ドロ)シラザンの中には、D.SeyferthらCo
mmunication of Am.Cer.So
c.C−132,July 1984.が報告されてい
る様な分子内に架橋構造を有するものもある。一例を示
すと下記の如くである。
【化4】
【0016】また、特開昭49−69717号公報に報
告されている様なR1SiX3(X:ハロゲン)のアンモ
ニア分解によって得られる架橋構造を有するポリシラザ
ンR1Si(NH)x、あるいはR1SiX3及びR2 2Si
2の共アンモニア分解によって得られる下記の構造を
有するポリシラザンも出発材料として用いることができ
る。
【化5】
【0017】用いるポリシラザンは、上記の如く一般式
(I)で表される単位からなる主骨格を有するが、一般
式(I)表される単位は、上記にも明らかな如く環状化
することがあり、その場合にはその環状部分が末端基と
なり、このような環状化がされない場合には、主骨格の
末端はR1、R2、R3と同様の基又は水素原子であるこ
とができる。
【0018】また、ポリシラザン変性物として、例えば
下記の構造(式中、側鎖の金属原子であるMは架橋をな
していてもよい)のように金属原子を含むポリメタロシ
ラザンも出発材料として用いることができる。
【化6】
【0019】その他、特開昭62−195024号公報
に報告されているような繰り返し単位が〔(SiH2n
(NH)m〕及び〔(SiH2rO〕(これら式中、
n、m、rはそれぞれ1、2又は3である)で表される
ポリシロキサザン、特開平2−84437号公報に報告
されているようなポリシラザンにボロン化合物を反応さ
せて製造する耐熱性に優れたポリボロシラザン、特開昭
63−81122号、同63−191832号、特開平
2−77427号各公報に報告されているようなポリシ
ラザンとメタルアルコキシドとを反応させて製造するポ
リメタロシラザン、特開平1−138108号、同1−
138107号、同1−203429号、同1−203
430号、同4−63833号、同3−320167号
各公報に報告されているような分子量を増加させたり
(上記公報の前4者)、耐加水分解性を向上させた(後
2者)、無機シラザン高重合体や改質ポリシラザン、特
開平2−175726号、同5−86200号、同5−
331293号、同3−31326号各公報に報告され
ているようなポリシラザンに有機成分を導入した厚膜化
に有利な共重合シラザン、特開平5−238827号公
報、特願平4−272020号、同5−93275号、
同5−214268号、同5−30750号、同5−3
38524号に報告されているようなポリシラザンにセ
ラミックス化を促進するための触媒的化合物を付加又は
添加したプラスチックスやアルミニウムなどの金属への
施工が可能で、より低温でセラミックス化する低温セラ
ミックス化ポリシラザンなども同様に使用できる。
【0020】本発明では、更に、以下のような低温セラ
ミックス化ポリシラザンを使用することできる。例え
ば、本願出願人による特願平4−39595号明細書に
記載されているケイ素アルコキシド付加ポリシラザンが
挙げられる。この変性ポリシラザンは、前記一般式
(I)で表されるポリシラザンと、下記一般式(IV): Si(OR44 (IV) (式中、R4は、同一でも異なっていてもよく、水素原
子、炭素原子数1〜20個を有するアルキル基又はアリ
ール基を表し、少なくとも1個のR4は上記アルキル基
又はアリール基である)で表されるケイ素アルコキシド
を加熱反応させて得られる、アルコキシド由来ケイ素/
ポリシラザン由来ケイ素原子比が0.001〜3の範囲
内且つ数平均分子量が約200〜50万のケイ素アルコ
キシド付加ポリシラザンである。
【0021】低温セラミックス化ポリシラザンの別の例
として、本出願人による特開平6−122852号公報
に記載されているグリシドール付加ポリシラザンが挙げ
られる。この変性ポリシラザンは、前記一般式(I)で
表されるポリシラザンとグリシドールを反応させて得ら
れる、グリシドール/ポリシラザン重量比が0.001
〜2の範囲内且つ数平均分子量が約200〜50万のグ
リシドール付加ポリシラザンである。
【0022】低温セラミックス化ポリシラザンの更に別
の例として、本願出願人による特願平5−35604号
明細書に記載されているアセチルアセトナト錯体付加ポ
リシラザンが挙げられる。この変性ポリシラザンは、前
記一般式(I)で表されるポリシラザンと、金属として
ニッケル、白金、パラジウム又はアルミニウムを含むア
セチルアセトナト錯体を反応させて得られる、アセチル
アセトナト錯体/ポリシラザン重量比が0.00000
1〜2の範囲内且つ数平均分子量が約200〜50万の
アセチルアセトナト錯体付加ポリシラザンである。前記
の金属を含むアセチルアセトナト錯体は、アセチルアセ
トン(2,4−ペンタジオン)から酸解離により生じた
陰イオンacac-が金属原子に配位した錯体であり、
一般に式(CH3COCHCOCH3nM〔式中、Mは
n価の金属を表す〕で表される。
【0023】低温セラミックス化ポリシラザンのまた別
の例として、本願出願人による特願平5−93275号
明細書に記載されている金属カルボン酸塩付加ポリシラ
ザンが挙げられる。この変性ポリシラザンは、前記一般
式(I)で表されるポリシラザンと、ニッケル、チタ
ン、白金、ロジウム、コバルト、鉄、ルテニウム、オス
ミウム、パラジウム、イリジウム、アルミニウムの群か
ら選択される少なくとも1種の金属を含む金属カルボン
酸塩を反応させて得られる、金属カルボン酸塩//ポリ
シラザン重量比が0.000001〜2の範囲内且つ数
平均分子量が約200〜50万の金属カルボン酸塩付加
ポリシラザンである。上記金属カルボン酸塩は、式(R
COO)nM〔式中、Rは炭素原子数1〜22個の脂肪
族基又は脂環式基であり、Mは上記金属群から選択され
る少なくとも1種の金属を表し、そしてnは金属Mの原
子価である〕で表される化合物である。上記金属カルボ
ン酸塩は無水物であっても水和物であってもよい。ま
た、金属カルボン酸塩/ポリシラザン重量比は好ましく
は0.001〜1、より好ましくは0.01〜0.5で
ある。金属カルボン酸塩付加ポリシラザンの調製につい
ては、上記特願平5−93275号明細書を参照された
い。
【0024】更に、本発明においては、前記一般式
(I)で表される構成単位からなる主骨格を有するポリ
シラザン又はその変性物に、アミン類又は/及び酸類を
添加した組成物を出発原料として用いることもできる。
このアミン類/酸類添加ポリシラザンは低温且つ高速で
シリカ系セラミックスに転化し得るという利点を有す
る。添加されるアミン類としては、一般式R678
(式中R6〜R8はアルキル基、アルケニル基、シクロア
ルキル基、アリール基、アルキルシリル基、アルキルア
ミノ基、アルコキシ基又は水素原子を表す。)で表され
る第一、第二、第三アミン類の他に、ピリジン類やDB
U、DBN等があり、また添加される酸類には、酢酸、
プロピオン酸、マレイン酸等の有機酸や塩酸、硝酸、硫
酸等の無機酸がある。なお、これらのアミン類又は/及
び酸類は、後記するエステル系溶媒に原料ポリシラザン
を溶解後、添加してもよい。
【0025】このようなポリシラザン又はその変性物
は、液状のものはそのまま本発明の着色コーティング用
組成物に供される。また、固体状のものは、通常は適当
な溶剤、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の炭
化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化
水素、アセトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)
などのケトン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソブチ
ルなどのエステル、その他塩化メチメン、クロロホル
ム、テトラヒドロフラン(THF)、アミン類、ピリジ
ンなどに溶解して、コーティング組成物に供される。
【0026】本発明の着色コーティング用組成物におけ
る着色剤としては、無機及び有機着色剤のいずれもが用
いられ、要求される色調、耐色性等の点から任意のもの
が選択される。無機着色剤としては、例えば、酸化物
系、クロム酸モリブデン酸系、硫化物セレン化物系、フ
ェロシアン化物系、ケイ酸アルミ系、金属粉、カーボン
などが挙げられる。
【0027】また、有機着色剤としては、顔料、染料な
どがあり、その具体例としては、以下のようなものが挙
げられる。 顔料:アゾ系、ピロロピロール系、アンスラキノン系、
フタロシアニン系、ペリノン系、ペリレン系、キナクリ
ドン系、ジオキサジン系、チオインジゴ系、イソインド
リノン系など。 染料:アゾ系、アンスラキノン系、ペリノン系、キノフ
タロン系、ニグロシン系など。
【0028】着色剤の溶媒若しくは分散媒としては、例
えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トル
エン、キシレン、アセトン、メチルイソブチルケトン、
酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソブチル、塩化メチレ
ン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、アミン類、ピ
リジンなど。なお、本発明の着色コーティング用組成物
には、もちろん必要に応じて、形成色調に悪影響を与え
ない各種の添加剤、充填材を含めることができる。
【0029】また、本発明によれば、、上記の着色コー
ティング用組成物をガラスに塗布し、これをセラミック
ス化した着色セラミックス被膜とガラスとからなる着色
ガラス及びその製造方法が提供される。上記のコーティ
ング用組成物をガラス基板に塗布し、セラミックス化す
ることは、該組成物をガラス基板に1回又は2回以上繰
り返し塗布した後、焼成することによって達成される。
【0030】着色コーティング用組成物を塗布する基板
としては、任意のガラスを使用することができるが、特
に高温処理を加えられない強化ガラスの管合に、本発明
は有利に適用される。また、着色コーティング用組成物
の塗布手段としては、通常の塗布方法、例えば浸漬、ロ
ール塗り、バー塗り、刷毛塗り、スプレー塗り、フロー
塗り等が用いられる。
【0031】このような方法で着色コーティング用組成
物をガラス上に塗布し、充分乾燥させた後、加熱、焼成
する。この焼成によって、ポリシラザンは架橋、縮合、
あるいは焼成雰囲気によっては、酸化、加水分解して硬
化し、強靱な被膜を形成する。上記焼成条件は、用いる
ポリシラザン又はコーティング用組成物によって異な
る。昇温速度は特に限定しないが、0.5〜10℃/分
の緩やかな昇温速度が好ましい。好ましい焼成温度は室
温〜約250℃である。焼成雰囲気は酸素中、空気中あ
るいは不活性ガス等のいずれであってもよいが、空気中
がより好ましい。
【0032】上記の温度での熱処理によって、通常Si
−O結合を主体とする強靱なセラミックス被膜の形成が
可能である。ただ、使用するポリシラザン(変性物)の
種類あるいは着色コーティング用組成物の組成によって
は、上記温度での熱処理では、Si−O結合以外にSi
−N、Si−H、N−H結合等が未だ存在するものが形
成される場合がある。これは未だセラミックスへの転化
が不完全であることを示す。このような場合には、次の
方法を採用することによって、低温でセラミックスに完
全に転化させることができる。
【0033】 加圧飽和水蒸気雰囲中での熱処理 圧力は特に限定されるものてはないが、1〜3気圧が現
実的に適当である。温度は室温以上で効果的であるが、
室温〜250℃が好ましい。相対湿度は特に限定されな
いが、10%RH〜100%RHが好ましい。熱処理時
間は特に限定されるものではないが、10分〜30日が
現実的に適当である。加圧飽和水蒸気雰囲気中での熱処
理により、ポリシラザン又はポリシラザンの変性物の酸
化あるいは水蒸気との加水分解が進行し、上記のような
低い焼成温度でSi−O結合を主体とする強靱なセラミ
ックス被膜の形成が可能となる。
【0034】 触媒を含有した蒸留水中に浸す。 触媒としては、酸、塩基が好ましく、その種類について
は特に限定されないが、例えば、トリエチルアミン、ジ
エチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールア
ミン、トリエタノールアミン、n−ヘキシルアミン、n
−ブチルアミン、ジ−n−ブチルアミン、トリ−n−ブ
チルアミン、グアニジン、ピグアニン、イミダゾール、
1,8−ジアザビシクロ−〔5,4,0〕−7−ウンデ
セン、1,4−ジアザビシクロ−〔2,2,2〕−オク
タン等のアミン類;水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、水酸化リチウム、ピリジン、アンモニア水等のアル
カリ類;リン酸等の無機酸類;氷酢酸、無水酢酸、プロ
ピオン酸、無水プロピオン酸のような低級モノカルボン
酸、又はその無水物、シュウ酸、フマル酸、マレイン
酸、コハク酸のような低級ジカルボン酸又はその無水
物、トリクロロ酢酸等の有機酸類;過塩素酸、塩酸、硝
酸、硫酸、スルホン酸、パラトルエンスルホン酸、三フ
ッ化ホウ素及びその電子供与体との錯体、等;SnCl
4、ZnCl2、FeCl3、AlCl3、SbCl3、T
iCl4などのルイス酸及びその錯体等を使用すること
ができる。触媒の含有割合としては0.01〜50重量
%、好ましくは1〜10重量%である。保持温度として
は、室温から沸点までの温度にわたって有効である。保
持時間としては特に限定されるものではないが、10分
〜30日が現実的に適当である。
【0035】触媒を含有した蒸留水中に浸すことによ
り、ポリシラザン又はポリシラザン変性物の酸化あるい
は水との加水分解が、触媒の存在により更に加速され、
上記のような低い焼成温度でSi−O結合を主体とする
強靱なセラミックス被膜の形成が可能となる。なお、上
記の2つの方法を併用することも、セラミックス化には
当然有効である。(触媒は酸、塩酸など限定されない
が、特に塩酸が好ましい)
【0036】 Pd2+イオンを含む水溶液に浸漬す
る。 Pd2+イオンの供給方法は特に限定されないが、例え
ば、酢酸パラジウム、アセチルアセトネートパラジウ
ム、塩化パラジウム、水酸化パラジウム、ヨう化パラジ
ウム、硝酸パラジウム、酸化パラジウムなどのパラジウ
ム化合物(パラジウム塩)を水に溶解したり、金属パラ
ジウムを塩酸、硝酸などの酸水溶液に添加(溶解)した
り、水溶液中で金属パラジウムに電圧を印加してPd2+
イオンを溶出させるなどの方法を採用できる。また、パ
ラジウム化合物を含むポリシラザンを水と接触させた
り、金属パラジウムを含むポリシラザンを酸(一般に水
溶液)と接触させるなどの方法でもよい。
【0037】Pd2+イオンの供給量は、シリカ(SiO
2)組成に近いセラミックスを得るためには、ポリシラ
ザンのSi−H基及びSi−N基の総和の等モル以上が
好ましい。但し、(イ)反応系内にCuCl2などのP
0(0価パラジウム)の酸化触媒を添加した場合、あ
るいは(ロ)電気化学的にPd0を酸化するなどの操作
を同時に行った場合には、Pd2+イオン量は上記より少
なくても同等の効果が得られる。しかし、Pd2+イオン
は少量でもそれなりの効果が得られるので、上記の好ま
しい供給量に限定されるわけではない。従って、上記
(イ)、(ロ)の操作をしない場合で、ポリシラザンの
Si−H基及びSi−N基の総和のモル数に対し一般的
に1/100モル以上、好ましくは1/10モル以上、
そしてより好ましくは1モル以上、実用的には1/10
モル以上のPd2+を供給する。Pdの添加量が上記1/
10モルの場合、便宜的にはポリシラザンのSi(ケイ
素)のモル量の0.2倍すればPdの添加重量になる。
【0038】水の供給方法はポリシラザンを水中に浸漬
する、水を霧化してポリシラザンに吹き付ける、ポリシ
ラザンを水蒸気に暴露するなどによることができる。こ
のとき、水にPd2+イオンを溶解しておくことができ
る。水の供給量は、シリカ(SiO2)組成に近いセラ
ミックスを得るためには、ポリシラザンのSi−H基及
びSi−N基の総和と等モル以上が好ましい。通常の大
過剰の水を用いる。
【0039】このポリシラザンのセラミックス化の反応
条件として、Pd2+イオンを含む水溶液のpH、反応温
度、反応圧力、反応雰囲気など特に限定されない。但
し、反応温度としては必要に応じて加温するが、100
℃以下の低温で十分に反応が進行する。例えば80℃以
下、更には40℃以下でも可能である。このポリシラザ
ンをPd2+イオンと水と接触させる方法によれば、低温
下でシリカを主成分とするセラミックスが一般的に生成
され、特にシリカコーティング膜の低温形成方法として
適している。
【0040】本発明の着色コーティング組成物は、前記
の光学部品、自動車ランプ、自動車用ないし建築用ガラ
ス等の標準的な着色用途の他に、次のような機能的な用
途に適用することができる。 ・赤外線吸収;ナフタレン系の赤外線吸収色素を用いれ
ば、若干青みがかった赤外線吸収ガラスのコーティング
が可能になる。また、自動車や建材などに使用すれば、
太陽光の熱線をガラスで遮断し省エネルギー効果が期待
できる。 ・電磁波吸収;酸化鉄やカーボンブラックを色素として
用いることにより、電磁波吸収ガラスのコーティングが
可能になる。インテリジェントビルの機密情報漏洩防止
の観点から注目されている分野であって、電磁波カット
と共に直射日光を遮るため、省エネ効果を合わせ持つと
言える。 ・フォトクロミック;スピロ系等のフォトクロミック色
素を用いれば、太陽光の強さにより色調の変わるフォト
クロミックガラスのコーティングが可能になる。自動車
用、建材用のほか眼鏡等の小物のコーティングにも適用
できる。
【0041】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明の技術的範囲がこれらにより限定される
ものではない。
【0042】実施例1 東燃(株)製ペルヒドロポリシラザンType−1(P
HPS−1;数平均分子量900)の20%キシレン溶
液10gにプロピオン酸パラジウム(II)〔エヌ・イー
・ケムキット(株)製〕の0.5%キシレン溶液4gを
添加し、更にキシレンを6g加え、大気中、20℃で3
時間撹拌しながら反応を行った。更に濃縮して濃度20
重量%の溶液を調製した(A液)。本溶液の数平均分子
量はGPCにより測定したところ961であった。
【0043】モレキュラーシーブを入れて十分に脱水し
た後濾過したメタキシレンに、赤色としてジアゾ系染料
を、青色としてフタロシアニン系染料を、黄色としてピ
ラゾロン系染料を、各々5、10、15、20、25、
30重量%溶解した着色キシレンを調整した(各々B
液、C液、D液)。
【0044】A液とB液、A液とC液、A液とD液を重
量比で1対1になるように混合し着色膜用コーティング
液とした。得られたコート液を4インチ光学ガラスに2
000rpmの回転速度で30秒間スピンコートし、そ
の後150℃で1時間加熱して厚さ約1μm〜2μmの
膜を得た。
【0045】得られた着色ガラスについて、塗布膜の外
観、耐擦傷性、鉛筆硬度及び耐退色性を下記の測定方法
及び基準に従って評価した。それらの結果を表1に示
す。 耐擦傷性 テスター産業(株)製 AB−101テーバー摩耗試験
機を使用して、テーバー摩耗試験(500g、1000
回)を実施し、試験前のヘイズ値(曇り具合い)と、試
験後のヘイズ値を比較して耐擦傷性とした。なお、ヘイ
ズ値は、日本電飾(株)製ヘイズメーター NDH30
0−Aを使用して測定した。 耐退色性 サンシャインウエザーメータ促進耐候性試験100時間
を行った。評価基準は、試験前と試験後の特定吸収波長
の吸光度から判断する。吸光度は、試験前のガラスの吸
光度を100%とした場合の、ポリシラザン着色ガラス
と、アクリル樹脂に同色素を混入させた着色アクリル樹
脂との、吸光度を比べた。
【0046】
【表1】
【0047】実施例2 東燃(株)製ペルヒドロポリシラザンType−1(P
HPS−1;数平均分子量900)の20%キシレン溶
液を調整し、これに無機顔料として酸化鉄微粒子を混合
した。これを実施例1と同様に、4インチ光学ガラスに
200rpmの回転速度で30秒間スピンコートし、そ
の後、200℃で1時間焼成して厚さ約1μm〜2μm
の膜を得た。これは、アンバー色の耐熱着色ガラスとな
った。
【0048】
【発明の効果】本発明の着色コーティング用組成物は、
シリカ質セラミックス形成成分としてポリシラザン若し
くはその変性物を含有するものとしたことから、次のよ
うな卓越した効果を奏し、簡単な操作で高品質の着色ガ
ラスを安価に得ることができる。 (イ)250℃以下、焼成方法によっては100℃前後
の温度で、且つ簡単な工程で、着色シリカ質セラミック
ス被膜を形成することができる。 (ロ)低い温度でセラミックス被膜を形成できるため、
基板となるガラスのゆがみが発生しない。 (ハ)着色剤の溶融限界が高いため、薄膜でも鮮明且つ
濃色の発色が可能である。 (ニ)透明な基板に任意の色の被膜を形成できるため、
バルクで色ガラスを製造しなくても、無色のガラスにコ
ーティングで発色できる。従って、着色ガラスの製造
上、溶融釜のコンタミネーションや色ガラスの在庫負担
が無くなるといった利点が生じる。 (ホ)樹脂被膜に比べ、非常に硬い、耐候性に優れた被
覆が得られる。 (ヘ)着色剤として有機染料を用いた場合には、発色性
が良く着色剤粒子の凝集が皆無である。通常有機染料は
耐熱性に劣るためガラス質の膜の着色に使用することは
困難であったが、本発明の組成物では低温でセラミック
ス被膜を形成することができるので、無機ガラスの有機
染料による着色が可能になる。 (ト)着色剤として無機顔料を用いた場合には、優れた
耐熱性や遮蔽性を有するセラミックス被膜を形成するこ
とができるので、電球の着色やLCDカラーフィルター
のブラックマトリックスに好適に適用できる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリシラザン若しくはその変性物と無機
    若しくは有機着色剤及びその溶媒若しくは分散媒とを主
    成分とすることを特徴とする着色コーティング用組成
    物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の組成物をガラスに塗布
    し、これをセラミックス化した着色セラミックス被膜と
    ガラスとからなることを特徴とする着色ガラス。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の組成物をガラスに塗布
    し、これをセラミックス化することを特徴とする着色ガ
    ラスの製造方法。
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