JPH0949065A - 伸びフランジ性にすぐれる耐摩耗用熱延鋼板及びその製造方法 - Google Patents
伸びフランジ性にすぐれる耐摩耗用熱延鋼板及びその製造方法Info
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- JPH0949065A JPH0949065A JP20089695A JP20089695A JPH0949065A JP H0949065 A JPH0949065 A JP H0949065A JP 20089695 A JP20089695 A JP 20089695A JP 20089695 A JP20089695 A JP 20089695A JP H0949065 A JPH0949065 A JP H0949065A
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Landscapes
- Heat Treatment Of Steel (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】すぐれた加工性を保持しながら、耐摩耗性を付
与し得る熱間圧延鋼板とその製造方法を提供することに
ある。 【構成】本発明による伸びフランジ性にすぐれる耐摩耗
用熱延鋼板は、重量%にてC 0.20〜0.33%、S
i 0.01〜0.5%、Mn 0.15〜0.8%、P 0.
03%以下、S 0.02%以下、sol.Al 0.08%
以下、Cr 0.15〜0.7%、N 0.01%以下、を
含み、残部鉄及び不可避的不純物よりなり、パーライト
を含んでいてよいフェライト・ベイナイト混合組織を有
することを特徴とする。このような熱延鋼板は、上記化
学成分を有する鋼をAr3点以上の仕上温度で熱間圧延
し、その後、巻取温度まで、平均冷却速度20〜80℃
/秒にて冷却した後、400〜600℃の範囲の温度で
巻取ることによって得ることができる。
与し得る熱間圧延鋼板とその製造方法を提供することに
ある。 【構成】本発明による伸びフランジ性にすぐれる耐摩耗
用熱延鋼板は、重量%にてC 0.20〜0.33%、S
i 0.01〜0.5%、Mn 0.15〜0.8%、P 0.
03%以下、S 0.02%以下、sol.Al 0.08%
以下、Cr 0.15〜0.7%、N 0.01%以下、を
含み、残部鉄及び不可避的不純物よりなり、パーライト
を含んでいてよいフェライト・ベイナイト混合組織を有
することを特徴とする。このような熱延鋼板は、上記化
学成分を有する鋼をAr3点以上の仕上温度で熱間圧延
し、その後、巻取温度まで、平均冷却速度20〜80℃
/秒にて冷却した後、400〜600℃の範囲の温度で
巻取ることによって得ることができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、伸びフランジ性を
はじめとする加工性にすぐれ、しかも、成形加工後の焼
き入れ処理等によってすぐれた耐摩耗性を付与し得る耐
摩耗用熱延鋼板とその製造方法に関する。
はじめとする加工性にすぐれ、しかも、成形加工後の焼
き入れ処理等によってすぐれた耐摩耗性を付与し得る耐
摩耗用熱延鋼板とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車のオートマチック・トランスミッ
ション部品やそのトルクコンバータ部品等を含む種々の
駆動伝達部品は、従来、プレス成形後に、表面硬化によ
って耐摩耗性を付与するために、浸炭窒化処理、ガス軟
窒化処理、塩浴窒化処理等をしたり、或いは焼き入れ焼
戻し処理を行ない、更に、熱処理歪み取りを行なって、
高強度材とする方法にて製造されている。
ション部品やそのトルクコンバータ部品等を含む種々の
駆動伝達部品は、従来、プレス成形後に、表面硬化によ
って耐摩耗性を付与するために、浸炭窒化処理、ガス軟
窒化処理、塩浴窒化処理等をしたり、或いは焼き入れ焼
戻し処理を行ない、更に、熱処理歪み取りを行なって、
高強度材とする方法にて製造されている。
【0003】しかし、これらの種々の熱処理は、プレス
成形後の部品の全表面を硬化させるので、その後の工程
として、溶接を必要とする場合には、その部位の硬化部
を切削によって削除する方法等が採られており、製造工
程数が多く、製造費用を高くしている。また、熱処理に
よって発生する形状変形をプレス等で手直しを行なう場
合、そのための切削工程も、製造費用を高めることとな
る。
成形後の部品の全表面を硬化させるので、その後の工程
として、溶接を必要とする場合には、その部位の硬化部
を切削によって削除する方法等が採られており、製造工
程数が多く、製造費用を高くしている。また、熱処理に
よって発生する形状変形をプレス等で手直しを行なう場
合、そのための切削工程も、製造費用を高めることとな
る。
【0004】そこで、近年、自動車の軽量化や製造費用
の低減を図るために、上述したような自動車用の種々の
駆動伝達部品の製造方法の見直しがなされた結果、必要
な部位のみを表面硬化させて、耐摩耗性を付与する急速
加熱焼き入れ法が検討されている。
の低減を図るために、上述したような自動車用の種々の
駆動伝達部品の製造方法の見直しがなされた結果、必要
な部位のみを表面硬化させて、耐摩耗性を付与する急速
加熱焼き入れ法が検討されている。
【0005】しかし、従来の鋼板では、加工性を考慮し
て、炭素の添加量が極力低く抑えられているので、この
ような鋼板については、これに急速加熱焼入れを行なっ
ても、必要とする表面硬さを得ることができない。この
ような従来の鋼板に急速加熱焼入れによって所要の部位
のみを硬化させるには、鋼板における炭素の量をはじめ
とする化学成分量を高めて、焼入れ性を向上させること
が必要となる。しかし、このように、焼入れ性を向上さ
せるために、炭素やその他の合金成分の添加量を高めれ
ば、反面、鋼板の加工性、特に、バーリング加工におい
て、穴緑部から割れが発生して、加工できないという欠
点がある。
て、炭素の添加量が極力低く抑えられているので、この
ような鋼板については、これに急速加熱焼入れを行なっ
ても、必要とする表面硬さを得ることができない。この
ような従来の鋼板に急速加熱焼入れによって所要の部位
のみを硬化させるには、鋼板における炭素の量をはじめ
とする化学成分量を高めて、焼入れ性を向上させること
が必要となる。しかし、このように、焼入れ性を向上さ
せるために、炭素やその他の合金成分の添加量を高めれ
ば、反面、鋼板の加工性、特に、バーリング加工におい
て、穴緑部から割れが発生して、加工できないという欠
点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、自動車用駆
動伝達部品の製造における従来の方法における上述した
ような問題を解決するためになされたものであって、鋼
の化学成分を適切に選択すると共に、その製造条件を適
切に選択することによって、すぐれた加工性を保持しな
がら耐摩耗性を付与し得る熱間圧延鋼板と、そのような
熱間圧延鋼板の製造方法を提供することを目的とする。
動伝達部品の製造における従来の方法における上述した
ような問題を解決するためになされたものであって、鋼
の化学成分を適切に選択すると共に、その製造条件を適
切に選択することによって、すぐれた加工性を保持しな
がら耐摩耗性を付与し得る熱間圧延鋼板と、そのような
熱間圧延鋼板の製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明による伸びフラン
ジ性にすぐれる耐摩耗用熱延鋼板は、重量%にてC
0.20〜0.33%、Si 0.01〜0.5%、Mn 0.1
5〜0.8%、P 0.03%以下、S 0.02%以
下、sol.Al 0.08%以下、Cr 0.15〜0.7%、
N 0.01%以下、を含み、残部鉄及び不可避的不純
物よりなり、パーライトを含んでいてよいフェライト・
ベイナイト混合組織を有することを特徴とする。
ジ性にすぐれる耐摩耗用熱延鋼板は、重量%にてC
0.20〜0.33%、Si 0.01〜0.5%、Mn 0.1
5〜0.8%、P 0.03%以下、S 0.02%以
下、sol.Al 0.08%以下、Cr 0.15〜0.7%、
N 0.01%以下、を含み、残部鉄及び不可避的不純
物よりなり、パーライトを含んでいてよいフェライト・
ベイナイト混合組織を有することを特徴とする。
【0008】このようなパーライトを含んでいてよいフ
ェライト・ベイナイト混合組織を有して、伸びフランジ
性にすぐれる耐摩耗用熱延鋼板は、本発明に従って、上
記化学成分を有する鋼をAr3点以上の仕上温度で熱間圧
延し、その後、巻取温度まで、平均冷却速度20〜80
℃/秒にて冷却した後、400〜600℃の範囲の温度
で巻取ることによって得ることができる。
ェライト・ベイナイト混合組織を有して、伸びフランジ
性にすぐれる耐摩耗用熱延鋼板は、本発明に従って、上
記化学成分を有する鋼をAr3点以上の仕上温度で熱間圧
延し、その後、巻取温度まで、平均冷却速度20〜80
℃/秒にて冷却した後、400〜600℃の範囲の温度
で巻取ることによって得ることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】先ず、本発明による鋼の化学成分
の限定理由について説明する。Cは、鋼板の強度を高め
るために有効な元素であり、また、低温変態生成物であ
るベイナイトを生成させるための必須元素であり、更
に、焼入れ性を高める作用を有する。本発明において
は、このような効果を有効に得るために、特に、急速加
熱焼入れによって、所要の表面硬さを確保するために
も、添加量は少なくとも0.20%が必要である。しか
し、添加量が過多になれば、延性と伸びフランジ性、更
に、溶接性も劣化するので、添加量の上限は0.33%と
する。
の限定理由について説明する。Cは、鋼板の強度を高め
るために有効な元素であり、また、低温変態生成物であ
るベイナイトを生成させるための必須元素であり、更
に、焼入れ性を高める作用を有する。本発明において
は、このような効果を有効に得るために、特に、急速加
熱焼入れによって、所要の表面硬さを確保するために
も、添加量は少なくとも0.20%が必要である。しか
し、添加量が過多になれば、延性と伸びフランジ性、更
に、溶接性も劣化するので、添加量の上限は0.33%と
する。
【0010】Siは、本発明における混合組織を得るた
めに必要であり、また、強度と延性を高めるのに有用な
元素であり、更に、溶鋼の脱酸や焼入れ性にも、有用な
元素である。このような効果を有効に得るためには、少
なくとも0.01%の添加が必要であるが、しかし、過多
に添加するときは、熱間圧延時にSiスケールが発生し
やすくなり、鋼板の表面性状が劣化するので、上限を0.
5%とする。
めに必要であり、また、強度と延性を高めるのに有用な
元素であり、更に、溶鋼の脱酸や焼入れ性にも、有用な
元素である。このような効果を有効に得るためには、少
なくとも0.01%の添加が必要であるが、しかし、過多
に添加するときは、熱間圧延時にSiスケールが発生し
やすくなり、鋼板の表面性状が劣化するので、上限を0.
5%とする。
【0011】Mnは、焼入れ性を向上させ、強度を高め
る元素であると共に、未変態のオーステナイトをベイナ
イトに変態させるのにも必要である。これらの効果を有
効に得るためには、少なくとも0.15%の添加を必要と
する。しかし、0.8%を超えるときは、強度が高くなる
ので、添加量の上限を0.7%とする。Pは、これを0.0
3%を超えて多量に添加するときは、絞り加工後の遷移
温度を上昇させるので、0.03%以下の範囲とする。
る元素であると共に、未変態のオーステナイトをベイナ
イトに変態させるのにも必要である。これらの効果を有
効に得るためには、少なくとも0.15%の添加を必要と
する。しかし、0.8%を超えるときは、強度が高くなる
ので、添加量の上限を0.7%とする。Pは、これを0.0
3%を超えて多量に添加するときは、絞り加工後の遷移
温度を上昇させるので、0.03%以下の範囲とする。
【0012】Sは、これを0.02%を超えて多量に添加
させるときは、伸びフランジ性を劣化させるので、0.0
2%以下とする。sol.Alは、鋼の脱酸剤として添加さ
れるが、しかし、過多に添加するときは、鋼の清浄度が
悪くなり、靱性が低下するので、0.8%以下とする。
させるときは、伸びフランジ性を劣化させるので、0.0
2%以下とする。sol.Alは、鋼の脱酸剤として添加さ
れるが、しかし、過多に添加するときは、鋼の清浄度が
悪くなり、靱性が低下するので、0.8%以下とする。
【0013】Crは、鋼の強度及び焼入れ性を高める元
素であり、この観点からは、少なくとも0.15%を添加
することが必要であるが、しかし、過多に添加するとき
は、溶接性を悪くするので、上限を0.7%とする。N
は、多量に含有させるときは、加工性が劣化すると共
に、BNを形成して、焼入れ性を劣化させるので、0.0
1%以下とする。
素であり、この観点からは、少なくとも0.15%を添加
することが必要であるが、しかし、過多に添加するとき
は、溶接性を悪くするので、上限を0.7%とする。N
は、多量に含有させるときは、加工性が劣化すると共
に、BNを形成して、焼入れ性を劣化させるので、0.0
1%以下とする。
【0014】本発明においては、上記した元素に加え
て、鋼にCu 0.5%以下、Ni 0.3%以下、Mo
0.05〜0.30%、Ca 0.0005〜0.01%よりな
る群から選ばれる少なくとも1種の元素を添加すること
ができる。
て、鋼にCu 0.5%以下、Ni 0.3%以下、Mo
0.05〜0.30%、Ca 0.0005〜0.01%よりな
る群から選ばれる少なくとも1種の元素を添加すること
ができる。
【0015】Niは、強度や靱性、更には、焼入れ性を
向上させる効果を有しているので、鋼板により高度の靱
性や焼入れ性を要求される場合に、必要に応じて、添加
される。しかし、添加量が0.5%以上では、その効果が
飽和するので、鋼製造の経済性を考慮して、添加量は、
0.3%以下の範囲とする。Moは、焼入れ性を向上さ
せ、また、焼入れ後の靱性を向上させる元素であって、
これらの効果を有効に得るためには、少なくとも0.05
%の添加を必要とする。しかし、添加量が0.3%を超え
るときは、強度が高くなるので、添加量の上限は0.30
%とする。
向上させる効果を有しているので、鋼板により高度の靱
性や焼入れ性を要求される場合に、必要に応じて、添加
される。しかし、添加量が0.5%以上では、その効果が
飽和するので、鋼製造の経済性を考慮して、添加量は、
0.3%以下の範囲とする。Moは、焼入れ性を向上さ
せ、また、焼入れ後の靱性を向上させる元素であって、
これらの効果を有効に得るためには、少なくとも0.05
%の添加を必要とする。しかし、添加量が0.3%を超え
るときは、強度が高くなるので、添加量の上限は0.30
%とする。
【0016】Cuは、Niとほぼ同様の効果を有し、よ
り一層の強度や焼入れ性が要求され場合に、必要に応じ
て、添加される。しかし、過剰の添加は、熱間加工にお
いてCuヘゲが発生し、製造困難となるため、添加量は
0.5%以下とする。Caは、硫化物を展伸状から球状に
する形態制御を通じて、鋼板の機械的異方性を小さく
し、延性と靱性を改善する効果がある。この効果を有効
に得るためには、少なくとも0.0005%以上の添加が
必要であるが、しかし、0.01%を超えるときは、鋼中
の非金属介在物が増大して、延性や靱性が低下する。
り一層の強度や焼入れ性が要求され場合に、必要に応じ
て、添加される。しかし、過剰の添加は、熱間加工にお
いてCuヘゲが発生し、製造困難となるため、添加量は
0.5%以下とする。Caは、硫化物を展伸状から球状に
する形態制御を通じて、鋼板の機械的異方性を小さく
し、延性と靱性を改善する効果がある。この効果を有効
に得るためには、少なくとも0.0005%以上の添加が
必要であるが、しかし、0.01%を超えるときは、鋼中
の非金属介在物が増大して、延性や靱性が低下する。
【0017】本発明による熱延鋼板は、このように、パ
ーライトを含んでいてよいフェライト・ベイナイト混合
組織を有する。このようなフェライト中に生成するベイ
ナイトは、鋼板の強度を確保しつつ、強度と共に伸びフ
ランジ性をバランスよく向上させるのに有用な組織であ
る。これに対して、マルテンサイト組織やパーライト組
織が生じた場合には、高強度化し、これに伴って伸びフ
ランジ性を劣化させる。
ーライトを含んでいてよいフェライト・ベイナイト混合
組織を有する。このようなフェライト中に生成するベイ
ナイトは、鋼板の強度を確保しつつ、強度と共に伸びフ
ランジ性をバランスよく向上させるのに有用な組織であ
る。これに対して、マルテンサイト組織やパーライト組
織が生じた場合には、高強度化し、これに伴って伸びフ
ランジ性を劣化させる。
【0018】従って、本発明による熱延鋼板は、フェラ
イト・ベイナイト混合組織を主体とし、パーライトを含
んでいてもよく、このパーライトには、擬似パーライト
を含むものとするが、しかし、好ましくは、パーライト
を含まず、フェライト・ベイナイト混合組織からなるも
のである。
イト・ベイナイト混合組織を主体とし、パーライトを含
んでいてもよく、このパーライトには、擬似パーライト
を含むものとするが、しかし、好ましくは、パーライト
を含まず、フェライト・ベイナイト混合組織からなるも
のである。
【0019】本発明によれば、このような熱延鋼板は、
前述したような所定の化学成分を有する鋼をAr3点以上
の仕上温度で熱間圧延し、その後、巻取温度まで、平均
冷却速度20〜80℃/秒にて冷却した後、400〜6
00℃の範囲の温度で巻取ることによって得ることがで
きる。
前述したような所定の化学成分を有する鋼をAr3点以上
の仕上温度で熱間圧延し、その後、巻取温度まで、平均
冷却速度20〜80℃/秒にて冷却した後、400〜6
00℃の範囲の温度で巻取ることによって得ることがで
きる。
【0020】熱間圧延において、仕上温度はオーステナ
イト域、即ち、Ar3点以上の温度域である。仕上温度が
Ar3点よりも低いときは、2相域圧延となり、フェライ
ト粒の加工組織が残存して、得られる熱延鋼板の特性を
極端に劣化させる。
イト域、即ち、Ar3点以上の温度域である。仕上温度が
Ar3点よりも低いときは、2相域圧延となり、フェライ
ト粒の加工組織が残存して、得られる熱延鋼板の特性を
極端に劣化させる。
【0021】本発明によれば、このような熱間圧延の
後、巻取温度まで、平均冷却速度20〜80℃/秒にて
冷却した後、400〜600℃の範囲の温度で巻取る。
巻取温度が400℃よりも低いか、又は巻取までの平均
冷却速度が80℃/秒を超えるときは、ミクロ組織中に
マルテンサイトが生成し、強度が高くなり、延性が劣化
する。他方、巻取温度が600℃よりも高いか、又は巻
取までの平均冷却速度が20℃/秒未満のときは、ミク
ロ組織中にベイナイトが生成せず、代わりにパーライト
が生成して、伸びフランジ性が低下する。即ち、目的す
るフェライト・ベイナイト混合組織を主体とする熱延鋼
板を得ることができない。
後、巻取温度まで、平均冷却速度20〜80℃/秒にて
冷却した後、400〜600℃の範囲の温度で巻取る。
巻取温度が400℃よりも低いか、又は巻取までの平均
冷却速度が80℃/秒を超えるときは、ミクロ組織中に
マルテンサイトが生成し、強度が高くなり、延性が劣化
する。他方、巻取温度が600℃よりも高いか、又は巻
取までの平均冷却速度が20℃/秒未満のときは、ミク
ロ組織中にベイナイトが生成せず、代わりにパーライト
が生成して、伸びフランジ性が低下する。即ち、目的す
るフェライト・ベイナイト混合組織を主体とする熱延鋼
板を得ることができない。
【0022】このような本発明による熱延鋼板は、伸び
フランジ性がすぐれており、高加工を伴うプレス成形の
用途に好適に用いることができ、しかも、高周波、電子
ビーム、レザー等の急速加熱焼入れによって、所要の部
位に所要の表面硬さを与えて、耐摩耗性とすることがで
きる。
フランジ性がすぐれており、高加工を伴うプレス成形の
用途に好適に用いることができ、しかも、高周波、電子
ビーム、レザー等の急速加熱焼入れによって、所要の部
位に所要の表面硬さを与えて、耐摩耗性とすることがで
きる。
【0023】
【実施例】表1に示す化学成分を有する供試鋼を溶製
し、表2に示す熱延条件で熱間圧延し、巻取って、熱延
鋼板を製造した。表1中、供試鋼番号1〜3及び6〜9
は本発明鋼であり、他の供試鋼番号4、5、10及び1
1は比較鋼である。得られた熱延鋼板について、引張特
性及び穴拡げ率(λ)を求め、更に、ミクロ組織を調べ
た。ここに、穴拡げ率(λ)とは、直径60mmの鋼板の
中央部に直径10mmの穴を打抜き、これを押し拡げて、
板厚方向にクラックが貫通するまで、穴拡げを行なっ
て、最初の打抜き穴の直径をd0 (mm)とし、クラック
が発生したときの穴の直径をd(mm)とするとき、λ=
〔(d−d0 )/d0 〕×100(%)で表わされる。
し、表2に示す熱延条件で熱間圧延し、巻取って、熱延
鋼板を製造した。表1中、供試鋼番号1〜3及び6〜9
は本発明鋼であり、他の供試鋼番号4、5、10及び1
1は比較鋼である。得られた熱延鋼板について、引張特
性及び穴拡げ率(λ)を求め、更に、ミクロ組織を調べ
た。ここに、穴拡げ率(λ)とは、直径60mmの鋼板の
中央部に直径10mmの穴を打抜き、これを押し拡げて、
板厚方向にクラックが貫通するまで、穴拡げを行なっ
て、最初の打抜き穴の直径をd0 (mm)とし、クラック
が発生したときの穴の直径をd(mm)とするとき、λ=
〔(d−d0 )/d0 〕×100(%)で表わされる。
【0024】また、得られた熱延鋼板について、カップ
状の絞り成形を行ない、成形品を150KHzで925
〜980℃の表面温度に加熱し、5秒間保持した後、水
冷する高周波焼入れを施し、その表面硬さ(HRC)を
測定した。その結果を表2及び表3に示す。表2及び表
3において、試験番号5、6、13及び14は、用いた
鋼の化学成分が本発明で規定する範囲外にあり、試験番
号15〜18は、熱間圧延の条件が本発明で規定する範
囲外にある。
状の絞り成形を行ない、成形品を150KHzで925
〜980℃の表面温度に加熱し、5秒間保持した後、水
冷する高周波焼入れを施し、その表面硬さ(HRC)を
測定した。その結果を表2及び表3に示す。表2及び表
3において、試験番号5、6、13及び14は、用いた
鋼の化学成分が本発明で規定する範囲外にあり、試験番
号15〜18は、熱間圧延の条件が本発明で規定する範
囲外にある。
【0025】表2に示す結果から、本発明の熱延条件で
得られた本発明鋼(試験番号1〜4及び7〜12)は、
その組織がベイナイト・フエライト混合組織であり、λ
は74%以上、延性は29%以上であって、すぐれた特
性を有する。これに対して、比較鋼(試験番号5及び1
4)では、熱延条件が本発明で規定する範囲内にあって
も、λは60%以下の低いレベルにとどまっている。ま
た、高周波焼入れによる表面硬さは、本発明鋼では十分
な硬さを得ることができる。しかし、比較鋼(試験番号
6及び13においては、λ値は比較的高いが、表面硬さ
が低いので、耐摩耗性が劣る。
得られた本発明鋼(試験番号1〜4及び7〜12)は、
その組織がベイナイト・フエライト混合組織であり、λ
は74%以上、延性は29%以上であって、すぐれた特
性を有する。これに対して、比較鋼(試験番号5及び1
4)では、熱延条件が本発明で規定する範囲内にあって
も、λは60%以下の低いレベルにとどまっている。ま
た、高周波焼入れによる表面硬さは、本発明鋼では十分
な硬さを得ることができる。しかし、比較鋼(試験番号
6及び13においては、λ値は比較的高いが、表面硬さ
が低いので、耐摩耗性が劣る。
【0026】また、第3表に示すように、熱間圧延後の
冷却速度が本発明で規定する下限より遅いときは、試験
番号15から理解されるように、その組織がフェライト
・パーライト組織であるために、λが45%と低い。他
方、熱間圧延後の冷却速度が本発明で規定する上限より
早いときは、試験番号16にみられるように、組織がフ
ェライト・ベイナイト・マルテンサイト組織であり、強
度が高すぎて、延性が低く、加工性に劣る。巻取温度が
本発明で規定する下限よりも低いときは、試験番号17
から明らなように、延性が劣る。しかし、試験番号18
にみられるように、巻取温度が本発明で規定する上限よ
りも高いときは、フェライト・パーライト組織となり、
λ値が低い。
冷却速度が本発明で規定する下限より遅いときは、試験
番号15から理解されるように、その組織がフェライト
・パーライト組織であるために、λが45%と低い。他
方、熱間圧延後の冷却速度が本発明で規定する上限より
早いときは、試験番号16にみられるように、組織がフ
ェライト・ベイナイト・マルテンサイト組織であり、強
度が高すぎて、延性が低く、加工性に劣る。巻取温度が
本発明で規定する下限よりも低いときは、試験番号17
から明らなように、延性が劣る。しかし、試験番号18
にみられるように、巻取温度が本発明で規定する上限よ
りも高いときは、フェライト・パーライト組織となり、
λ値が低い。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】
【表3】
Claims (4)
- 【請求項1】重量%にてC 0.20〜0.33%、 Si 0.01〜0.5%、 Mn 0.15〜0.8%、 P 0.03%以下、 S 0.02%以下、 sol.Al 0.08%以下、 Cr 0.15〜0.7%、 N 0.01%以下、を含み、残部鉄及び不可避的不純
物よりなり、パーライトを含んでいてよいフェライト・
ベイナイト混合組織を有することを特徴とする伸びフラ
ンジ性にすぐれる耐摩耗用熱延鋼板。 - 【請求項2】重量%にて(a) C 0.20〜0.33%、 Si 0.01〜0.5%、 Mn 0.15〜0.8%、 P 0.03%以下、 S 0.02%以下、 sol.Al 0.08%以下、 Cr 0.15〜0.7%、 N 0.01%以下を含み、更に、(b) Cu 0.5%以
下、 Ni 0.3%以下、 Mo 0.05〜0.30%、 Ca 0.0005〜0.01%よりなる群から選ばれる少
なくとも1種の元素を含み、残部鉄及び不可避的不純物
よりなり、パーライトを含んでいてよいフェライト・ベ
イナイト混合組織を有することを特徴とする伸びフラン
ジ性にすぐれる耐摩耗用熱延鋼板。 - 【請求項3】重量%にてC 0.20〜0.33%、 Si 0.01〜0.5%、 Mn 0.15〜0.8%、 P 0.03%以下、 S 0.02%以下、 sol.Al 0.08%以下、 Cr 0.15〜0.7%、 N 0.01%以下、を含み、残部鉄及び不可避的不純
物よりなる鋼をAr3点以上の仕上温度で熱間圧延し、そ
の後、巻取温度まで、平均冷却速度20〜80℃/秒に
て冷却した後、400〜600℃の範囲の温度で巻取る
ことを特徴とするパーライトを含んでいてよいフェライ
ト・ベイナイト混合組織を有する伸びフランジ性にすぐ
れる耐摩耗用熱延鋼板。 - 【請求項4】重量%にて(a) C 0.20〜0.33%、 Si 0.01〜0.5%、 Mn 0.15〜0.8%、 P 0.03%以下、 S 0.02%以下、 sol.Al 0.08%以下、 Cr 0.15〜0.7%、 N 0.01%以下を含み、更に、(b) Cu 0.5%以
下、 Ni 0.3%以下、 Mo 0.05〜0.30%、 Ca 0.0005〜0.01%よりなる群から選ばれる少
なくとも1種の元素を含み、残部鉄及び不可避的不純物
よりなる鋼をAr3点以上の仕上温度で熱間圧延し、その
後、巻取温度まで、平均冷却速度20〜80℃/秒にて
冷却した後、400〜600℃の範囲の温度で巻取るこ
とを特徴とするパーライトを含んでいてよいフェライト
・ベイナイト混合組織を有する伸びフランジ性にすぐれ
る耐摩耗用熱延鋼板。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20089695A JPH0949065A (ja) | 1995-08-07 | 1995-08-07 | 伸びフランジ性にすぐれる耐摩耗用熱延鋼板及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20089695A JPH0949065A (ja) | 1995-08-07 | 1995-08-07 | 伸びフランジ性にすぐれる耐摩耗用熱延鋼板及びその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0949065A true JPH0949065A (ja) | 1997-02-18 |
Family
ID=16432062
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP20089695A Pending JPH0949065A (ja) | 1995-08-07 | 1995-08-07 | 伸びフランジ性にすぐれる耐摩耗用熱延鋼板及びその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0949065A (ja) |
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2007116599A1 (ja) | 2006-03-31 | 2007-10-18 | Jfe Steel Corporation | ファインブランキング加工性に優れた鋼板およびその製造方法 |
| WO2010094075A1 (en) * | 2009-02-20 | 2010-08-26 | Bluescope Steel Limited | A hot rolled thin cast strip product and method for making the same |
| WO2010123315A3 (ko) * | 2009-04-23 | 2011-03-10 | 주식회사 포스코 | 고강도 고인성 강선재 및 그 제조방법 |
| WO2012141297A1 (ja) * | 2011-04-13 | 2012-10-18 | 新日本製鐵株式会社 | ガス軟窒化用熱延鋼板及びその製造方法 |
| CN103459648A (zh) * | 2011-04-13 | 2013-12-18 | 新日铁住金株式会社 | 热轧钢板及其制造方法 |
| CN116240460A (zh) * | 2023-03-03 | 2023-06-09 | 武汉钢铁有限公司 | 采用CSP产线生产屈服强度≥550MPa级经济型磁轭钢及生产方法 |
-
1995
- 1995-08-07 JP JP20089695A patent/JPH0949065A/ja active Pending
Cited By (15)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2007116599A1 (ja) | 2006-03-31 | 2007-10-18 | Jfe Steel Corporation | ファインブランキング加工性に優れた鋼板およびその製造方法 |
| AU2010215076B2 (en) * | 2009-02-20 | 2016-02-04 | Nucor Corporation | A hot rolled thin cast strip product and method for making the same |
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| CN103534379A (zh) * | 2011-04-13 | 2014-01-22 | 新日铁住金株式会社 | 气体氮碳共渗用热轧钢板及其制造方法 |
| CN103459648A (zh) * | 2011-04-13 | 2013-12-18 | 新日铁住金株式会社 | 热轧钢板及其制造方法 |
| US9453269B2 (en) | 2011-04-13 | 2016-09-27 | Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation | Hot-rolled steel sheet for gas nitrocarburizing and manufacturing method thereof |
| US9752217B2 (en) | 2011-04-13 | 2017-09-05 | Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation | Hot-rolled steel sheet and method of producing the same |
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| CN116240460A (zh) * | 2023-03-03 | 2023-06-09 | 武汉钢铁有限公司 | 采用CSP产线生产屈服强度≥550MPa级经济型磁轭钢及生产方法 |
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