JPH0949121A - ポリエステル組成物、モノフィラメントおよび工業用織物 - Google Patents

ポリエステル組成物、モノフィラメントおよび工業用織物

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JPH0949121A
JPH0949121A JP8051774A JP5177496A JPH0949121A JP H0949121 A JPH0949121 A JP H0949121A JP 8051774 A JP8051774 A JP 8051774A JP 5177496 A JP5177496 A JP 5177496A JP H0949121 A JPH0949121 A JP H0949121A
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豊彦 増田
Yuhei Maeda
裕平 前田
Kei Horii
慶 堀井
Tadanori Iwama
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 各種工業用織物等として、優れた防汚性と耐
加水分解性を兼ね備え、かつ必要十分な強度を有するポ
リエステル繊維、及びその組成物を提供する。 【解決手段】 4フッ化エチレン、6フッ化プロピレン
およびフッ化ビニリデンとの共重合体を0.1〜30重
量%含有するポリエステル組成物、ポリエステルモノフ
ィラメントおよび該モノフィラメントを用いたマルチフ
ィラメントあるいは抄紙ドライヤーキャンバス、抄紙ワ
イヤー、フィルターもしくはサーマルボンド法不織布熱
接着工程用コンベアネット等の工業用織物。ないしは、
ポリマ成分が、末端カルボキシル基濃度が10当量/1
6 g以下のポリエステル99.9〜70重量%と、4
フッ化エチレン、6フッ化プロピレンおよびフッ化ビニ
リデンとの共重合体を0.1〜30重量%含有し、該ポ
リマ成分が未反応の状態のカルボジイミド化合物を0.
005〜1.5重量%含有するポリエステル組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、防汚性に優れ、さ
らには優れた防汚性と耐加水分解性とを兼ね備えたポリ
エステル組成物、ポリエステル繊維、ポリエステルモノ
フィラメントおよび該ポリエステルモノフィラメントを
用いた工業用織物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエステルは、優れた抗張力・耐酸性
・寸法安定性を有するため、各種工業用部品、衣料用お
よび工業用繊維材料、各種織物などに広く使用されてき
た。例えば、モノフィラメントとして、抄紙ドライヤー
キャンバス、サーマルボンド法不織布の熱接着工程用ネ
ットコンベア、抄紙ワイヤー、フィルター、各種ブラ
シ、筆毛、印刷スクリーン紗などに用いられてきた。
【0003】しかしながら、ポリエステル製品は、汚れ
やすいことと、高温・高湿度雰囲気下で加水分解を起こ
しやすいという問題を有していたため、従来から種々の
改善が行なわれてきた。
【0004】汚れやすい例として、例えば、ポリエステ
ルモノフィラメント製の抄紙ワイヤー(パルプの漉上げ
工程用織物)や抄紙ドライヤーキャンバス(紙の乾燥工
程用織物)等では、木材ピッチ、回収古紙に使用されて
いた糊剤、パルプ、製紙原液中に添加されている添料、
サイズ剤、紙力増強剤、インクなどからなる汚れが付着
・蓄積するため、これらワイヤーおよびキャンバスの洗
浄を頻繁に行なうことを余儀なくされる。また、例え
ば、サーマルボンド法不織布の熱接着工程用ネットコン
ベアでは融着したポリエチレン等がベルト布に付着・蓄
積したものが、別の不織布製品に付着して製品品位が低
下したりするなどの問題がを有していた。更に、フィル
ターに用いた場合、汚れ付着のためにケーキの剥離性が
悪く、濾過効率が低くなるという問題を有していた。
【0005】従って、ポリエステルの汚れやすいという
欠点を改善するため、例えば、フッ素を含有する化合物
でポリエステル繊維を後処理する技術(特開昭52−5
400号公報、特開昭58−46123号公報)、ポリ
エステルにパーフルオロアルキルスルホン酸塩(モノマ
ー)を添加する技術(特開昭59−66449号公
報)、ポリエステルにエチレンとモノクロルトリフルオ
ロエチレンをブレンドする技術(特開平5−30221
2号公報)などが知られている。
【0006】一方、加水分解しやすい例としては、例え
ば、ポリエステルモノフィラメントを抄紙ドライヤーキ
ャンバスの構成素材として使用した場合は、使用中にポ
リエステルモノフィラメントが加水分解劣化による強度
低下を起こすため、長期間の使用に耐えることが困難で
あった。このため、このポリエステルモノフィラメント
の耐加水分解性を改善するための種々の提案がなされて
きた。
【0007】ポリエステルモノフィラメントの耐加水分
解性を向上させるための手段の一例として、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ−4−メチルペ
ンテン1、ポリスチレン等を特定量添加するポリエステ
ルモノフィラメント(特開昭51−136923号公
報)が知られているが、この技術で得られるものフィラ
メントは強度が低く、かつ耐加水分解性が向上効果も小
さく、実用的でない。
【0008】また、エポキシ化合物を添加してポリエス
テルの加水分解性を向上せしめる方法が知られている。
例えば、ポリエステルにグリシジルフタルイミドを添加
する方法(特公昭61−4843号公報)、ポリエステ
ルにアルカリ金属の存在下、エポキシ化合物を添加する
方法(特公昭61−42728号公報)、ポリエステル
にオキサゾリン化合物を方法(特公昭63−8133号
公報、特公昭61−48531号公報、特公昭61−5
7182号公報、特公昭57−161122号公報、特
公昭61−48532号公報)が知られており、それな
りの耐加水分解性向上効果は得られるが、現在求められ
ている高いレベルの耐加水分解性を満足することはでき
ない。
【0009】また、カルボジイミド化合物を添加するこ
とによりポリエステルの耐加水分解性を向上せしめる方
法が知られている。例えば、モノまたはビスカルボジイ
ミド化合物を添加し、短時間で混練紡糸し未反応カルボ
ジイミドを含有しないフィラメントを形成させる方法
(特開昭50−95517号公報)、分子内に3個以上
のカルボジイミド基を有するポリカルボジイミド化合物
を添加する方法(特公昭38−15220号公報)、カ
ルボキシル末端基がカルボジイミドとの反応でキャップ
され、遊離のモノ及び/又はビスカルボジイミド化合物
30〜200ppmと遊離のポリカルボジイミド又はな
お反応性を有するポリカルボジイミド基を含む反応生成
物を少なくとも0.02重量%含有するポリエステル繊
維及びフィラメント(特開平4−289221号公報)
が提案されている。また、特定量のリンを含むポリエス
テルに特定のカルボジイミド化合物を添加する工業用ポ
リエステルモノフィラメントの製造方法(特開昭57−
205518号公報)および特定のカルボジイミド化合
物を未反応の状態で特定量残存させた抄紙キャンバス用
ポリエステルモノフィラメント(特開昭58−2391
6号公報)を提案するなど種々の改善がなされてきた。
さらに、本願発明者らは、本願の組成物およびモノフィ
ラメントの構成要件の一つである、ポリマ成分が、末端
カルボキシル基濃度が10当量/106 g以下のポリエ
ステルと、弗素原子を含有しない熱可塑性ポリマからな
り、該ポリマ成分が未反応の状態のカルボジイミド化合
物を特定量含有するポリエステル組成物およびポリエス
テルモノフィラメントを提案し、近年要求される極めて
高いレベルの耐加水分解性ポリエステルを提供すること
を可能にした(特開平7−258524号公報) 。ま
た、ポリエステルに優れた防汚性と耐加水分解性の両性
能を同時に発現せしめる技術として、末端カルボキシル
基濃度が10当量/ポリエステル106 g以下であっ
て、カルボジイミド化合物を未反応の状態で0.005
〜1.5重量%含有し、かつエチレン・テトラフルオロ
エチレン共重合体等の出願時点で入手可能な弗素系重合
体を0.01〜30重量%含有したポリエステルモノフ
ィラメント(国際公開番号 WO 92/07126号
公報)を提案し広く使用されてきた。
【0010】しかしながら、近年、資源保護の見地から
回収古紙のリサイクルの普及による抄紙ワイヤーおよび
抄紙ドライヤーキャンバスへの古紙由来の汚れ付着の増
加、および紙の生産性を高めるための抄紙速度アップに
伴うドライヤー温度の高温化が進み、従来より更に優れ
た防汚性と耐加水分解性を兼ね備えたポリエステル素材
の提供が強く求められるようになった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記した要求
に鑑み、従来のものより更に一層優れた防汚性と極めて
高いレベルの耐加水分解性を兼ね備えたポリエステル組
成物、ポリエステル繊維、ポリエステルモノフィラメン
トおよび該ポリエステルモノフィラメントを使用した各
種工業用織物、抄紙用ドライヤーキャンバスに関するも
のである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の前記した目的
は、新規な弗素樹脂を使用した技術、すなわち、 1.ポリエステル99.9〜70重量%と、4フッ化エ
チレン、6フッ化プロピレンおよびフッ化ビニリデンを
主体とする共重合体を0.1〜30重量%含有すること
を特徴とするポリエステル組成物、ポリエステル繊維、
ポリエステルモノフィラメント、工業用織物、抄紙ドラ
イヤーキャンバス、抄紙ワイヤー、フィルターもしくは
サーマルボンド法不織布熱接着工程用ネットコンベアな
いしは、 2.ポリエステルの末端カルボキシル基濃度が10当量
/106 g以下であり、該ポリエステル組成物が未反応
の状態のカルボジイミド化合物を0.005〜1.5重
量%含有する上記のポリエステル組成物、ポリエステル
繊維、ポリエステルモノフィラメント、工業用織物、抄
紙ドライヤーキャンバス、抄紙ワイヤー、フィルターも
しくはサーマルボンド法不織布熱接着工程用ネットコン
ベアないしは、3.ポリエステルがポリエチレンテレフ
タレートである上記のポリエステル組成物、ポリエステ
ル繊維、ポリエステルモノフィラメント、工業用織物、
抄紙ドライヤーキャンバス、抄紙ワイヤー、フィルター
もしくはサーマルボンド法不織布熱接着工程用ネットコ
ンベアによって達成される。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
本発明のポリエステルはポリエチレンテレフタレート
(以下、PETという)、およびポリブチレンテレフタ
レートを主体とするものが好ましく、PETがより好ま
しいものであるが、そのジカルボン酸成分の一部をイソ
フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−
シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン
酸、ダイマー酸、スルホン酸金属塩置換イソフタル酸な
どで置き換えてもよく、グリコール成分の一部をジエチ
レングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−シ
クロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタ
ノール、ポリアルキレングリコールなどで置き換えても
よい。更に、ペンタエリスリトール、トリメチロールプ
ロパン、トリメリット酸、トリメシン酸、硼酸などの鎖
分岐剤を少量併用することもできる。
【0014】また、好ましいポリエステルとしては上記
のポリエステル以外に、ポリエチレンナフタレートおよ
びポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレートを挙げ
ることができるが、そのジカルボン酸成分の一部をイソ
フタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、アジ
ピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、スルホン酸金属塩置
換イソフタル酸などで置き換えてもよく、グリコール成
分の一部をジエチレングリコール、ネオペンチルグリコ
ール、1,4−シクロヘキサンジオール、ポリアルキレ
ングリコールなどで置き換えてもよい。また本発明に使
用するポリエステルには、酸化チタン、酸化ケイ素、炭
酸カルシウム、チッ化ケイ素、クレー、タルク、カオリ
ン、ジルコニウム酸などの各種無機粒子や架橋高分子粒
子、各種金属粒子などの粒子類のほか従来公知の抗酸化
剤、金属イオン封鎖剤、イオン交換剤、着色防止剤、耐
光剤、難燃剤、包接化合物、帯電防止剤、各種着色剤、
ワックス類、シリコーンオイル、各種フッ素系界面活性
剤、各種強化繊維類などが添加されていてもよい。
【0015】該ポリエステルの極限粘度は、通常は0.
6以上であればよいが、0.7以上あると、強度に優れ
るため好ましい。ここで極限粘度はオルソクロロフェノ
ール溶液中25℃で測定した粘度より求めた極限粘度で
あり、〔η〕で表わされる。該ポリエステルの末端カル
ボキシル基濃度が10当量/106 g以下であると耐加
水分解性が良好なものとなるため好適である。(末端カ
ルボキシル基濃度はPohlにより、Anal. Chem. ,24 161
4 (1954)に記載された方法で測定される。)末端カルボ
キシル基濃度が10当量/106 g以下のポリエステル
組成物およびポリエステルモノフィラメントを得るに
は、末端カルボキシル基濃度が10当量/106 gより
多いポリエステルを固相重合することで、末端カルボキ
シル基濃度を10当量/106 g以下にしてもよく、ま
た、溶融状態のポリエステルに、モノまたはジエポキシ
化合物、あるいはモノまたはビスオキサゾリン化合物、
あるいはカルボジイミド化合物を適量反応させてもよい
が、本発明のポリエステル組成物、ポリエステル繊維、
ポリエステルモノフィラメント等が未反応のカルボジイ
ミド化合物を0.005重量%以上含有するものである
場合には、カルボジイミド化合物を使用するのが有利で
ある。
【0016】カルボジイミド化合物としては、1分子中
に1個または2個以上のカルボジイミド基を有する化合
物であればいかなるものでもよいが、例えば、N,N´
−ジ−o−トリイルカルボジイミド、N,N´−ジフェ
ニルカルボジイミド、N,N´−ジオクチルデシルカル
ボジイミド、N,N´−ジ−2,6−ジメチルフェニル
カルボジイミド、N−トリイル−N´−シクロヘキシル
カルボジイミド、N,N´−ジ−2,6−ジイソプロピ
ルフェニルカルボジイミド、N,N´−ジ−2,6−ジ
−tert. −ブチルフェニルカルボジイミド、N−トリイ
ル−N´−フェニルカルボジイミド、N,N´−ジ−p
−ニトロフェニルカルボジイミド、N,N´−ジ−p−
アミノフェニルカルボジイミド、N,N´−ジ−p−ヒ
ドロキシフェニルカルボジイミド、N,N´−ジ−シク
ロヘキシルカルボジイミド、N,N´−ジ−p−トリイ
ルカルボジイミド、p−フェニレン−ビス−ジ−o−ト
リイルカルボジイミド、p−フェニレン−ビス−ジシク
ロヘキシルカルボジイミド、ヘキサメチレン−ビス−ジ
シクロヘキシルカルボジイミド、エチレン−ビス−ジフ
ェニルカルボジイミド,下記一般式で示される芳香族ポ
リカルボジイミドなどが挙げられる。
【0017】
【化1】 (式中のRは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基
を表し、nは2〜20の整数を表す) これらのカルボジイミド化合物の中から1種または2種
以上の化合物を任意に選択しポリエステルに含有させれ
ばよいが、ポリエステルに添加後の安定性から、芳香族
骨格を有する化合物が有利な傾向にあり、中でもN,N
´−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミ
ド、N,N´−ジ−2,6−ジ−tert.−ブチルフェニ
ルカルボジイミド、N,N´−ジ−2,6−ジメチルフ
ェニルカルボジイミド、N,N´−ジ−o−トリイルカ
ルボジイミドなどが有利な傾向にあり、特にN,N´−
ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミド
(以下、TICという)が好適である。
【0018】本発明のポリエステル組成物、ポリエステ
ル繊維あるいはポリエステルモノフィラメントのポリマ
成分が、未反応の状態の該カルボジイミド化合物を0.
005重量%以上、1.5重量%以下含有するものであ
ると、耐加水分解性が優れたものとなるため好適であ
る。また、未反応の状態の該カルボジイミド化合物の含
有量が、0.01重量%以上、1.2重量%以下である
と更に好適である。未反応の状態の該カルボジイミド化
合物の含有量が0.005重量%より少ない場合は耐加
水分解性を一層向上させる効果が少なく、1.5重量%
より多い場合は物性が低下しやすくなる。ここで、本発
明における未反応の状態のカルボジイミド化合物の含有
量は、ポリマ成分に対する外割りの重量%である。
【0019】本発明にいうポリエステル組成物、ポリエ
ステル繊維あるいはポリエステルモノフィラメント中の
未反応の状態のカルボジイミド化合物の含有量は次の方
法で測定したものである。 (1)100mlメスフラスコに試料約200mgを秤
取する。 (2)ヘキサフルオロイソプロパノール/クロロホルム
(容量比1/1)2mlを加えて試料を溶解させる。 (3)試料が溶解したら、クロロホルム8mlを加え
る。 (4)アセトニトリル/クロロホルム(容量比9/1)
を徐々に加えポリマを析出させながら100mlとす
る。 (5)試料溶液を目開き0.45μmのディスクフィル
ターで濾過し、HPLCで定量分析する。HPLC分析
条件は次の通り。 カラム:Inertsil ODS−2 4.6mm
×250mm 移動相:アセトニトリル/水(容量比94/6) 流 量:1.5ml/min. 試料量:20μl 検出器:UV(280nm) ポリエステルに未反応の状態の該カルボジイミド化合物
を0.005重量%以上、1.5重量%以下含有させる
には、原料となるポリエステルの末端カルボキシル基濃
度および反応条件などから、反応後のポリエステル中
の、未反応で残存する該カルボジイミド化合物が0.0
05重量%以上、1.5重量%以下の濃度になる量の該
カルボジイミド化合物をポリエステルに添加し、反応さ
せればよい。 本発明のポリエステル組成物、ポリエス
テル繊維あるいはポリエステルモノフィラメントが、未
反応の状態の該カルボジイミド化合物を0.005重量
%以上、1.5重量%以下含有するものである場合に
は、本発明の効果を効率よく発現させるために、ポリエ
ステル中にリン化合物を、リン原子として50ppm 以下
で、かつ下記の一般式の範囲内の量含有させることがで
きる。 5×10-3≦P≦M+8×10-3 (式中のPはポリエステルを構成する二塩基酸に対する
リン原子のモル%であり、Mはポリエステル樹脂中の金
属で、周期律表II族、VII 族、VIII族でかつ第3,4周
期の内より選択された1種もしくは2種以上の金属原子
のポリエステルを構成する二塩基酸に対するモル%であ
る。また、M=0であってもよい。)
【0020】本発明で用いる4フッ化エチレン、6フッ
化プロピレンおよびフッ化ビニリデンを主体とする共重
合体(以下、フッ素系三元共重合体という)は、4フッ
化エチレン、6フッ化プロピレンおよびフッ化ビニリデ
ンの3成分が共重合されていれば該3成分の共重合比率
はいかなるものでもよいが、4フッ化エチレン5〜80
モル%、6フッ化プロピレン2〜35モル%およびフッ
化ビニリデン5〜90モル%からなるフッ素系三元共重
合体が好ましく、4フッ化エチレン30〜70モル%、
6フッ化プロピレン10〜30モル%およびフッ化ビニ
リデン10〜50モル%からなるフッ素系三元共重合体
がさらに好ましい。上記3成分に加えて他の成分を共重
合したものでもよい。他の共重合成分としては、例え
ば、エチレンなどのα−オレフィン類、トリフルオロモ
ノクロルエチレンおよびトリフルオロパーフルオロオキ
シエチレンなどを挙げることができる。該フッ素系三元
共重合体の融点はおよそ70℃〜200℃の範囲である
が、100℃〜190℃の融点を示すものが好ましい傾
向にある。
【0021】該フッ素系三元共重合体の製造は、乳化重
合法、懸濁重合法、溶液重合法などの公知のラジカル重
合法により製造することができるが、工業的には乳化重
合法、懸濁重合法が好適である。また、該フッ素系三元
共重合体は市販品として、THVTM(住友スリーエム
(株)製品)が知られている。
【0022】本発明のポリエステル組成物、ポリエステ
ル繊維およびポリエステルモノフィラメントに含まれる
該フッ素系三元共重合体は、0.1重量%以上、30重
量%以下であることが必要であり、0.3重量%以上、
25重量%以下がより好ましく、0.5重量%以上、1
5重量%以下が更に好ましい。0.1重量%より少ない
場合は防汚性が不十分であり、また30重量%より多い
場合はモノフィラメントの物性を損なう。
【0023】ポリエステルとフッ素系三元共重合体との
混合は、重縮合反応終了直後の溶融状態のポリエステル
にフッ素系三元共重合体を添加し混練させる方法、ポリ
エステルのチップにフッ素系三元共重合体のチップある
いは粉体を添加・混合した後に混練缶あるいはエクスト
ルダなどで混練させる方法などにより行うことができ
る。本発明のポリエステル組成物は上記した方法でポリ
エステルとフッ素系三元共重合体とを混練した後、任意
の形状に成形することにより行なうことができる。 ま
た、本発明のポリエステル組成物、ポリエステル繊維お
よびモノフィラメント等が未反応のカルボジイミド化合
物を含有する場合には、エクストルダの入り口またはベ
ント部等から所定量のカルボジイミド化合物を添加しな
がら、該カルボジイミド化合物とポリエステルチップと
フッ素系三元共重合体の所定量とをエクストルダ中で混
練した後、任意の形状に成形することにより行なうこと
ができる。例えば、ポリエステル繊維およびモノフィラ
メント等の場合には、ポリエステル、フッ素系三元共重
合体および未反応のカルボジイミド化合物を予め溶融混
練して作成したペレットを用いて、公知の方法で紡糸・
延伸・熱セット等を行なう方法、あるいは、フッ素系三
元共重合体および未反応のカルボジイミド化合物をエク
ストルダ中で混練した後、エクストルダ先端に設けた紡
糸口金より紡出し、公知の条件で冷却・延伸・熱セット
を行なう方法により製造する方法を挙げることができ
る。また紡出前に“スタティックミキサー”や“ハイミ
キサー”等の流線入替器を組み合わせ使用することもで
きる。
【0024】本発明のポリエステル組成物中におけるフ
ッ素系三元共重合体は、組成物が延伸を伴わない成形品
の場合にはポリエステル樹脂中にフッ素系三元共重合体
が複数の略粒子状に分散して存在し、繊維およびモノフ
ィラメントのように延伸を受けたものである場合には、
ポリエステル中で延伸方向に複数の細く寸断された筋状
で存在する。
【0025】また本発明のポリエステル組成物、ポリエ
ステル繊維およびポリエステルモノフィラメントには、
ポリエステル、フッ素系三元共重合体、未反応カルボジ
イミド化合物以外に、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、
各種ゴム、ポリウレタン等をブレンドすることもでき
る。
【0026】本発明のポリエステル繊維としては、マル
チフィラメントおよびモノフィラメントである。
【0027】また、本発明のモノフィラメントとは、1
本の単糸からなる連続糸である。
【0028】該ポリエステル繊維およびモノフィラメン
トの繊維軸方向に垂直な断面の形状(以下、断面形状も
しくは断面という)は、円、扁平、正方形、半月状、三
角形、5角以上の多角形、多葉状、ドッグボーン状、繭
型などいかなる断面形状を有するものでもよい。本発明
のモノフィラメントを工業用織物の構成素材として用い
る場合には、該モノフィラメントの断面形状が円もしく
は扁平の形状が好ましい。特に、該モノフィラメントが
抄紙用ドライヤーキャンバスの経糸である場合には、防
汚性を有効に発現させることとキャンバスの平坦性とい
う観点から該モノフィラメントの断面形状が扁平なもの
が好ましく用いられる。本発明における扁平とは、楕
円、正方形もしくは長方形のことであるが、数学的に定
義される正確な楕円、正方形もしくは長方形以外に、概
ね楕円、正方形もしくは長方形に類似した形状、例えば
正方形および長方形の4角を丸くした形状を含むもので
ある。また、楕円の場合は、該楕円の中心で直角に交わ
る長軸の長さ(LD)と短軸の長さ (SD)とが次式
を満足する関係にあり、正方形もしくは長方形の場合
は、長方形の長辺の長さ(LD)と短辺の長さ(SD)
とが次式を満足する関係にあることが好ましい。 1.0≦LD/SD≦10 該モノフィラメント断面の重心を通る線分の長さは、用
途によって適宜選択できるが、0.05〜2.5mmの
範囲が好ましい。また、糸の必要強度は用途により異な
るが、概ね3.0g/デニール以上であることが好まし
い。
【0029】また、本発明のポリエステル繊維およびポ
リエステルモノフィラメントは、ポリエステルとフッ素
系三元共重合体とからなる単一構造糸以外に、フッ素系
三元共重合体を含まないポリエステルを芯成分とし、フ
ッ素系三元共重合体を含有するポリエステルを鞘成分と
する芯鞘複合構造糸であってもよい。
【0030】本発明のポリエステル組成物、ポリエステ
ル繊維およびポリエステルモノフィラメントは、不織
布、ステープルファイバーおよび綿状などの繊維状、コ
ネクター、自動車ワイパーなどの成形物、ボトル、フィ
ルム、シート等いかなる形状の物でもよく、優れた防汚
性と耐加水分解性とを有しているため、衣料用および各
種工業用織物、電子部品、自動車部品、ボトル、フィル
ム、シート等に好ましく用いることができる。
【0031】本発明のポリエステル繊維は、優れた防汚
性あるいは優れた防汚性と耐加水分解性を有しているた
め、スキーウエア、柔道着、トレーニングウエア、サッ
カー・バレーボール等の各種スポーツ用ユニホーム等の
スポーツ衣料およびクリーン作業着、食品業用作業着、
エプロン、テーブルクロス、不織布製各種フィルターお
よび高温の水蒸気中で滅菌消毒が行われる医療用着衣、
医療器具等の用途に好適に用いることができる。
【0032】本発明の工業用織物とは、本発明のポリエ
ステルモノフィラメントを少なくとも一部に使用した、
抄紙ワイヤー(紙漉き用の網)、抄紙ドライヤーキャン
バス、サーマルボンド法不織布の熱接着工程用ネットコ
ンベア、各種フィルター等のことであり、本発明のポリ
エステルモノフィラメントを少なくとも一部の構成素材
として用いることにより、汚れにくく、洗浄により汚れ
の落ちやすい防汚性に優れた工業用織物あるいは防汚性
と共に、高温・多湿な雰囲気で使用した時の加水分解劣
化が大幅に抑制された工業用織物となる。
【0033】ここで抄紙ワイヤーとは、一重織、二重織
および三重織など様々な織物として、紙の漉き上げ工程
で使用される織物のことで長網あるいは丸網などとして
用いられるものである。また、抄紙ドライヤーキャンバ
スとは、一重織、二重織および三重織など様々な織物と
して、抄紙機のドライヤー内で紙を乾燥させるために使
用される織物のことである。また、サーマルボンド法不
織布の熱接着工程用ネットコンベアとは、不織布を構成
する低融点のポリエチレンのような熱接着性繊維を融着
させるために不織布を炉中に通過させるための織物であ
り、一重織、二重織などの織物である。
【0034】
【実施例】以下、実施例によって本発明を更に詳しく説
明する。以下の実施例においては、本発明のポリエステ
ル組成物の好ましい一形態例であるモノフィラメント、
工業用織物の好ましい一形態例である抄紙ドライヤーキ
ャンバスおよびポリエステル繊維の好ましい一形態例で
あるタフタについて具体的に説明する。なお、以下の実
施例における特性値は、各実施例の中で特に記さない限
り、次に示す方法によって測定したものである。
【0035】1.モノフィラメントの防汚性評価 (1)汚染液の調整 タルク 1 重量部 アルキルケテンダイマー 0.5重量部 アクリルアミド 0.5重量部 水 98 重量部 (2)上記調整汚染液を300rpmで撹拌しながら、
秤量済みのモノフィラメントを浴比1:5000で5秒
間浸漬し70℃で1分間乾燥する操作を10回繰り返
し、汚れ付着サンプルを得た。 (3)汚れの付着したサンプルを秤量し、汚れ付着量を
求めた。 (4)汚れ量は、フッ素系三元共重合体を含有しないP
ETモノフィラメントの汚れ付着量を100とした時の
指数で比較した。
【0036】2.タフタの汚染・洗浄性評価 (1)汚染剤 A.油性汚染剤 (a)ステアリン酸 12.5重量% (b)オレイン酸 12.5重量% (c)硬化油 12.5重量% (d)オリーブ油 12.5重量% (e)セチルアルコール 8.5重量% (f)固形パラフィン 21.5重量% (g)コレステロール 5.0重量% (h)カーボンブラック 15.0重量% B.乾性汚染剤 (a)粘土 55.0重量% (b)ポルトランドセメント 17.0重量% (c)シリカゲル 17.0重量% (d)酸化第2鉄 0.5重量% (e)n−デカン 8.75重量% (f)カーボンブラック 1.75重量% (2)試験手順 A.約45cm×45cmの試験試料を1枚採取す
1)
【0037】B.自動反転渦巻き式電気洗濯機の洗濯槽
に40±2℃の0.2%弱アルカリ性合成洗剤 (JIS
K3371 弱アルカリ性・第1種) 液25リットル
を入れ、さらに試験試料と追加布2)を合わせた重さが約
500gになるように調整した後、洗たく機の強条件で
25分間洗濯する。
【0038】C.試験試料と追加布を洗たく機付属の遠
心脱水機3)に移し、約30秒間脱水後、再び常温水を満
たした洗濯槽3)に移す。水をオーバーフローさせながら
10分間すすぐ。この操作を2度繰返す。
【0039】D.試験試料をしぼらずに取り出し、たて
方向を垂直にし、一辺を吊り下げて自然乾燥する。
【0040】E.洗たく後の試験試料から5cm×10
cmの試験片を5枚採取する。その内の1枚を汚染判定
用標準試験片とする。
【0041】F.ラウンダメータ形洗たく試験機4)付属
の450ml試験ビンに汚染液5)50mlと直径6.4
mmのステンレス鋼球10個を入れて40±2℃に予熱す
る。
【0042】G.試験ビンに、あらかじめ水で湿潤させ
た試験片4枚を入れて密閉し試験機に取り付けて40±
2℃で20分間回転する。
【0043】H.試験ビンから試験片を取り出し、約3
リットルの常温水で1分間すすぎ、試験片をろ紙で押え
て表面に付着している余分の汚れを取り除く。この操作
をもう一度繰返し、水平状態で24時間以上放置して自
然乾燥する。
【0044】I.汚染後の試験片とE項の汚染判定用標
準試験片との間に見える色の開きと、汚染用グレースケ
ールの各色票間に見える色の開きとを比較して、
汚染の程度を等級区分し、汚染性を4枚の平均値で表
わす(1級(汚大)〜5級(汚小))。
【0045】J.引き続き、自動反転渦巻き式電気洗濯
機の洗濯槽に40±2℃の0.2%弱アルカリ性合成洗
剤 (JIS K3371 弱アルカリ性・第1種) 液2
5リットルを入れ、汚染後の試験片2枚と追加布2)を合
わせた重さ500gの布を入れて、洗濯機の強条件で5
分間洗う。
【0046】K.試験試料と追加布を洗たく機付属の遠
心脱水機に移し、約30秒間脱水後、再び常温水を満た
した洗濯槽に移す。水をオーバーフローさせながら2分
間水洗する。この操作を2度繰返す。
【0047】L.試験片をしぼらずに取り出し、ろ紙で
軽く押さえて水を切り水平状態で自然乾燥する。
【0048】M.汚染後の試験片とE項の汚染判定用標
準試験片との間に見える色の開きと、汚染用グレースケ
ールの各色票間に見える色の開きとを比較して、
洗浄の程度を等級区分し、洗浄性を2枚の平均値で表
わす(1級(汚大)〜5級(汚小))。
【0049】注 1)洗たく中に端糸がほつれる場合は縁
かがりミシンなどで端糸のほつれを防止する。
【0050】2)約45cm×約45cmの試験試料と同程度の布
を適当な枚数使用する。
【0051】3)洗たく槽および脱水槽に洗剤が残らない
ように、あらかじめよく洗浄する。
【0052】4)JIS L0821に規定されているも
の。
【0053】5)弱アルカリ性合成洗剤 (JIS K33
71 弱アルカリ性・第1種) と次に示す汚染剤の重量
比が7:3になるように秤量し、洗剤を乳鉢ですりつぶ
し、それに汚染剤を加えてねり合わせた後、少量の水を
数回に分けて加えながらさらにねり合わせて、汚染剤濃
度が0.075%になるように希釈する。汚染剤は、上
記した油性汚染剤と乾性汚染剤を3:1の割合で十分混
合したもの用いる。
【0054】3.モノフィラメントの撥水・撥油性 扁平(略長方形)断面モノフィラメントの接触角を次に
示す方法で測定した。 接触角が大きいほど撥水・撥油
性が高いことを表す。 (1)(株)エルマ光学社製ゴニオメーター式接触角測
定装置使用 (2)水接触角:蒸留水, 油接触角:デカリン使用 (3)液滴量:5μl (4)測定温度:20℃
【0055】4.モノフィラメントの引張試験 JIS L1013−1992に準拠して行なった。 (1)サンプルつかみ間隔 25cm (2)引張速度 30cm/min. (3)試験温度 20℃
【0056】5.モノフィラメントの耐加水分解性試験 モノフィラメントを100リットルオートクレーブに入
れ、121℃飽和水蒸気中 で10日間、12日間、1
5日間処理した後、該処理後のモノフィラメントの 強
力を上記のモノフィラメントの引張試験により求め、処
理前のモノフィラメ ントの強力と比較した強力保持率
を耐加水分解性の尺度とした(以下、加水分 解後の強
力保持率という)。加水分解後の強力保持率が高いほど
耐加水分解性 が優れることを表す。
【0057】実施例1,比較実施例1 極限粘度0.93、末端カルボキシル基濃度13当量/
106 gのPET乾燥チップを準備した(以下、PET
チップという)。一方、フッ素系三元共重合体として4
フッ化エチレン約60モル%、6フッ化プロピレン約2
0モル%およびフッ化ビニリデン約20モル%からなる
共重合体(THVTM500G(住友スリーエム(株)製
品),融点約175℃,265℃荷重5KgにおけるM
FR約10g/10分)(以下、THV500Gとい
う)を準備した。本発明のポリエステル組成物の代表例
として、次の方法でモノフィラメントの製造と評価を行
なった。
【0058】PETチップとTHV500Gチップと
を、重量比でPET/THV500G=93/7の割合
で混合してエクストルダに供給した。280℃で3分間
溶融混練された溶融ポリマをギアポンプを経て紡糸パッ
ク内の濾過層および流線入替器(米国ケミックス社の
「スターティックミキサー」)を通して扁平断面糸用紡
糸口金より紡出した。紡出モノフィラメントを80℃の
湯浴で冷却後、常法に従い合計5.0倍に延伸および熱
セットを行ない、長辺0.56mm、短辺0.28mm
の略長方形断面(扁平断面)のモノフィラメントを得
た。このモノフィラメントの強度、接触角測定結果、防
汚性の評価結果を表1に示す。比較のためにTHV50
0Gを用いないこと以外は実施例1と同様に行なって得
たモノフィラメントの結果を比較実施例1として表1に
併示する。
【0059】実施例2〜9,比較実施例2〜3 実施例1におけるPETチップとTHV500Gチップ
との配合量を表1記載のように変更したこと以外は実施
例1と同様に行なって得たモノフィラメントの結果を表
1に併示する。
【0060】比較実施例4 実施例2におけるTHV500Gチップをエチレン・テ
トラフルオロエチレンランダム共重合体(ダイキン工業
(株)製品、ネオフロンTMEP−521、以下、EP−
521という)に変更したこと以外は実施例2と同様に
行なって得たモノフィラメントの結果を表1に併示す
る。
【0061】実施例10〜11 実施例1におけるTHV500Gチップを、4フッ化エ
チレン約50モル%、6フッ化プロピレン約20モル%
およびフッ化ビニリデン約30モル%からなる共重合体
(THVTM400G(住友スリーエム(株)製品),融
点約155℃,265℃荷重5KgにおけるMFR約1
0g/10分)(以下、THV400Gという)に変更
したこと(実施例10)以外は実施例1と同様に行なっ
て得たモノフィラメントの結果を表1に併示する。同様
に4フッ化エチレン約40モル%、6フッ化プロピレン
約20モル%およびフッ化ビニリデン約40モル%から
なる共重合体(THVTM200G(住友スリーエム
(株)製品),融点約120℃,265℃荷重5Kgに
おけるMFR約20g/10分)(以下、THV200
Gという)に変更したこと(実施例10)以外は実施例
1と同様に行なって得たモノフィラメントの結果を表1
に併示する。
【0062】
【表1】 以上の結果から、本発明のポリエステルモノフィラメン
トは撥水・撥油性と防汚性に優れ、十分な強度を有して
いることがわかる。
【0063】実施例12〜17、比較実施例5 実施例1における、PETチップとTHV500Gチッ
プとを1軸エクストルダに供給する際に、該1軸エクス
トルダの入り口で液体TICを表2に示す重量比となる
ように計量しながら供給したこと以外は、実施例1と同
様に行なって扁平断面モノフィラメントを得た。このモ
ノフィラメントの強伸度、接触角測定結果、防汚性指
数、該モノフィラメント中の未反応カルボジイミド化合
物(以下、未反応TICという)含有量、COOH末端
基濃度および加水分解後の強力保持率等の特性を表2に
示す。比較のために実施例15におけるTHV500G
チップを加えずに、THV500G相当量のPETチッ
プを加えたこと以外は実施例15と同様にして得たモノ
フィラメントの結果を表2に併示する。
【0064】
【表2】 以上の結果から、本発明のポリエステル組成物の好まし
い一形態例であるモノフィラメントが未反応TICを
0.005〜1.5重量%含有すると、優れた防汚性と
十分な強伸度に加えて、優れた耐加水分解性を兼ね備え
ているものであることと、該モノフィラメントの未反応
TIC含有量が0.01〜1.2重量%であると、防汚
性と耐加水分解性と強伸度とのバランスが一層優れたも
のであることがわかる。
【0065】実施例18、比較実施例6 工業用織物としての適性を評価するために、実施例1で
得たモノフィラメントを経糸および緯糸に用いて平織物
を作成した。この平織物の一部を切り取り、前記した汚
染液に浸漬した後、100℃で30分間乾燥して汚れた
平織物の重量を測定した。この汚れカンバスを中性界面
活性剤0.5重量%を含有する水中で超音波洗浄を3分
間行ない、水洗後乾燥して洗浄後の平織物の重量を測定
した。洗浄前後の重量差から求めた汚れ付着量は0.7
重量%であった。(実施例18) 比較のために実施例18におけるモノフィラメントを比
較実施例1で得たモノフィラメントに変更したこと以外
は実施例18と同様に行なった場合の汚れ付着量は2.
1重量%であった。(比較実施例7) この結果から、本発明のモノフィラメントを用いた工業
用織物は防汚性に優れるものであることがわかる。
【0066】実施例19 実施例15におけるモノフィラメントの紡糸に用いた扁
平断面糸用口金を円形断面糸用口金に変更して、直径
0.46mmの円形断面を有するモノフィラメントを製
造した。
【0067】この円形断面モノフィラメントを緯糸に用
い、実施例15で得た扁平断面を有するモノフィラメン
トを経糸に用いて抄紙ドライヤー用綾織キャンバス(以
下、キャンバスという)を作成した。このキャンバスを
中性紙抄紙機のドライヤーに装着し、140℃で8か月
間、紙の乾燥に使用した後、キャンバスを取り外した。
この使用後のキャンバスにおける経糸の、使用前のキャ
ンバスにおける経糸の強力に対する強力残存率は74%
であった。また、この使用後のキャンバスの一部を切り
取り重量を測定後、中性界面活性剤0.5重量%を含有
する水中で超音波洗浄を3分間行ない、水洗後乾燥して
洗浄後の平織物の重量を測定する方法で求めた汚れ付着
率は1.1重量%であった。
【0068】比較実施例7 比較実施例4におけるモノフィラメントの紡糸に用いた
扁平断面糸用口金を円形断面糸用口金に変更して、直径
0.46mmの円形断面を有するモノフィラメントを製
造した。この円形断面モノフィラメントを緯糸に用い、
比較実施例4で得た扁平断面を有するモノフィラメント
を経糸に用いてキャンバスを作成した。このキャンバス
を中性紙抄紙機のドライヤーに装着し、140℃で8か
月間紙の乾燥に使用した後、キャンバスを取り外した。
この使用後のキャンバスにおける経糸の、使用前のキャ
ンバスにおける経糸の強力に対する強力残存率は70%
であった。また、この使用後のキャンバスの一部を切り
取り重量を測定後、中性界面活性剤0.5重量%を含有
する水中で超音波洗浄を3分間行ない、水洗後乾燥して
洗浄後の平織物の重量を測定する方法で求めた汚れ付着
率は3.5重量%であった。
【0069】以上の結果から、本発明の抄紙ドライヤー
キャンバスは、優れた耐加水分解性と防汚性とを兼ね備
えたものであることがわかる。
【0070】実施例20〜22、比較実施例8 極限粘度0.65のPETチップを準備した。このPE
TチップとTHV500Gチップ、THV400G、T
HV200Gとを第3表に示す重量比で混合してエクス
トルダ型紡糸機に供給し、290℃のポリマ温度で、
0.3mmφ×16孔数の紡糸口金より紡出させ、速度
800m/分で巻き取った。次いで延伸温度120℃、
延伸倍率3.5倍で延伸し、75D/16フィラメント
の延伸糸を得た。この延伸糸を緯糸に用いてタフタに製
織した。このタフタの汚染・洗浄性評価結果を表3に示
す。
【0071】
【表3】 以上の結果から、本発明のマルチフィラメントは、優れ
た防汚性を有するものであることがわかる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D21F 1/10 D21F 1/10 7/08 7/08 A //(C08L 67/02 27:12) (72)発明者 堀井 慶 静岡県三島市4845番地 東レ株式会社三島 工場内 (72)発明者 岩間 忠則 愛知県岡崎市昭和町字河原1番地 東レ・ モノフィラメント株式会社

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステル99.9〜70重量%と、
    4フッ化エチレン、6フッ化プロピレンおよびフッ化ビ
    ニリデンを主体とする共重合体を0.1〜30重量%含
    有することを特徴とするポリエステル組成物。
  2. 【請求項2】 ポリエステルの末端カルボキシル基濃度
    が10当量/106 g以下であり、該ポリエステル組成
    物が未反応の状態のカルボジイミド化合物を0.005
    〜1.5重量%含有する請求項1記載のポリエステル組
    成物。
  3. 【請求項3】 ポリエステルがポリエチレンテレフタレ
    ートである請求項1、2のいずれか1項記載のポリエス
    テル組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項記載のポリ
    エステル組成物からなるポリエステル繊維。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のいずれか1項記載のポリ
    エステル組成物からなるポリエステルモノフィラメン
    ト。
  6. 【請求項6】 モノフィラメントの繊維軸方向に垂直な
    断面の形状が円もしくは扁平である請求項5記載のポリ
    エステルモノフィラメント。
  7. 【請求項7】 織物を構成する緯糸または経糸の少なく
    とも一部に、請求項4〜6のいずれか1項記載のポリエ
    ステル繊維を使用した工業用織物。
  8. 【請求項8】 工業用織物が、抄紙ドライヤーキャンバ
    ス、抄紙ワイヤー、フィルターもしくはサーマルボンド
    法不織布熱接着工程用ネットコンベアである請求項7記
    載の工業用織物。
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