【発明の詳細な説明】
補助的駆動装置
本発明は、自転車及び車椅子のような乗物用の補助的駆動装置、及びかかる補
助的駆動装置が取り付けられた乗物に関する。
非常に多くの型式の補助的駆動装置が公知である。特別に良好な結果の得られ
る型式の駆動装置は、当該出願人/譲受人による米国特許第5,078,227号の明細
書に記載されている。その他の関連する従来技術の特許は、当該特許にて引用し
た文献に記載されている。
本発明は、補助的駆動装置にして、瞬間的な荷重の関数として、例えば、タイ
ヤ又は車輪のような被動部材に関するその駆動係合方向を自動的に調節し、これ
により、駆動効率及びエネルギ効率を考慮して、必要に応じて駆動装置と被動部
材との間のけん引力ないしトラクション(traction)を自動的に増減さ
せる、改良に係る補助的駆動装置を提供することを目的とする。
本明細書及び請求の範囲の目的上、別段の明示がない限り、「車輪」という語
は、通常の意味よりも広い意味で使用し、タイヤ、リム及びその他のあらゆる被
動の回転要素及びその表面を含むものとする。
本発明の好適な実施例によれば、回転軸線を有する車輪と駆動係合し得るよう
に配置された第一及び第二の車輪係合要素を備える、補助的駆動装置であって、
該車輪係合要素の少なくとも一方がモータにより駆動され得るようにモータに結
合され、該第一及び第二の車輪係合要素の各々が、第一及び第二の係合要素の回
転軸線のそれぞれ一方を中心として回転可能に配置され、第一及び第二の車輪係
合要素が、車輪とのその有効な係合けん引力ないしトラクションが車輪の回転抵
抗の増大に伴って、自動的に増大し、また、車輪の回転抵抗の減少に伴って自動
的に減少するように取り付けられる補助的駆動装置が提供される。
該モータは、電気モータであることが望ましい。しかしながら、これと代替的
に、該モータは、小型の内燃機関、液圧モータ、又は空圧エンジンのような適当
な任意のモータとすることが出来る。
本発明の好適な実施例によれば、第一及び第二の車輪係合要素の取り付けは、
車輪の回転軸線に対して平行に位置する第一及び第二の車輪係合要素の回転軸線
間の分離距離(the component of the separati
on)が可変であるように、取り付けられる。この分離距離は、車輪の回転抵抗
の増大に伴って自動的に短くなり、また、車輪の回転抵抗の減少に伴って自動的
に長くなるようにすることが望ましい。
本発明の好適な実施例によれば、モータによって駆動される第一及び第二の車
輪係合要素の各々が車輪に係合する位置は、車輪の回転抵抗の増大に伴って車輪
の動く方向の反対方向に動く傾向となり、また、車輪の回転抵抗の減少に伴って
車輪の動く方向に動く傾向となる。
本発明の好適な実施例によれば、モータにより駆動される係合要素は、第一及
び第二の車輪係合要素の回転軸線に対して略平行な枢軸線を中心として枢動可能
に、モータと共に、取り付けられる。また、モータにより駆動されない係合要素
は、枢動軸線を中心として回転可能に取り付けられる。
この「略平行(generally parallel)」という語は、枢動
のためには、実質的に平行(substantially parallel)
な方向が必ずしも必要ではない状況を意味するものとする。
本発明の一つの好適な実施例によれば、該モータは、支持ブラケットに取り付
けられる一方、該支持ブラケットは、対応する車輪係合要素の車輪係合要素回転
軸線よりも車輪から更に遠方に配置された枢軸線を中心として枢動可能に取り付
けられる。
本発明の代替的な実施例によれば、該モータは、対応する車輪係合要素の車輪
係合要素回転軸線よりも車輪により近い位置にある枢軸線を中心として回転可能
に取り付けられる。この場合、該モータには、枢動軸線上への偏心取り付け具が
設けられることが望ましい。
本発明の一つの実施例によれば、双方の車輪係合要素は、モータで駆動される
型式であり、その双方が上述のように枢動可能に取り付けられる。これと代替的
に、該車輪係合要素の一方のみをモータ駆動型としてもよい。かかる場合、モー
タで駆動されない要素はモータで駆動される要素に関して固定し、また、該モー
タで駆動される要素と共に枢動可能に取り付けられる。これと代替的に、モータ
で駆動されない要素の回転軸線は、固定してもよい。
本発明の好適な実施例によれば、第一及び第二の車輪係合要素は、歯車のかみ
合いによって結合される。本発明の好適な実施例によれば、車輪の面内に位置し
、又は該面と平行に位置する枢軸線を中心として第一及び第二の係合要素が枢動
可能に取り付けられる。この特徴は、車輪がその両側部に取り付けられた同一の
モータにより駆動されないとき、また、車輪の偏心度を考慮するため、補助的駆
動装置により車輪の両側部に加えられる力を均衡させるのに効果的である。
図面の簡単な説明
本発明は、添付図面と共に以下の詳細な説明から、一層良く理解されよう。該
添付図面において、
図1A及び図1Bは、本発明の好適な実施例に従って構成され且つ作用可能な
補助的駆動装置の二つの実施例を示す図解図、
図1Cは、図1Aの装置の作用を示す概略図、
図2は、本発明の好適な実施例により構成され且つ作用可能な補助的駆動装置
が車輪と作用可能に係合した状態を示す、一部切欠き図解図、
図3A及び図3Bは、それぞれ低負荷及び高負荷状況における図2の装置の作
用を示す簡略化した図解図、
図4は、本発明のもう一つの好適な実施例に従って構成され且つ作用可能な補
助的駆動装置が車輪と作用可能に係合した状態を示す一部切欠き図解図、
図5A及び図5Bは、それぞれ低負荷及び高負荷状況における図4の装置の作
用を示す簡略化した図解図、
図6は、本発明の更に別の好適な実施例に従って構成され且つ作用可能な補助
的駆動装置が車輪と作用可能に係合した状態を示す一部切欠き図解図、
図7A及び図7Bは、それぞれ低負荷及び高負荷状況における図6の装置の作
用を示す簡略化した図解図、
図8は、本発明の更に別の好適な実施例に従って構成され且つ作用可能な補助
的駆動装置が車輪と作用可能に係合した状態を示す一部切欠き図解図、
図9A及び図9Bは、それぞれ低負荷及び高負荷状況における図8の装置の作
用を示す簡略化した図解図、
図10は、本発明の更に別の好適な実施例に従って構成され且つ作用可能な補
助的駆動装置が車輪と作用可能に係合した状態を示す一部切欠き図解図、
図11A及び図11Bは、それぞれ低負荷及び高負荷状況における図10の装
置の作用を示す簡略化した図解図、
図12は、本発明の好適な実施例に従って構成され且つ作用可能な補助的駆動
装置が車輪と作用可能に係合した状態を示す一部切欠き図解図、
図13は、図12の線XIII−XIIIに沿った簡略化した図、
図14A及び図14Bは、それぞれ低負荷及び高負荷状況における図12及び
図13の装置の作用を示す簡略化した図解図、
図15A及び図15Bは、本発明の更に別の好適な実施例に従って構成され且
つ作用可能な補助的駆動装置が車輪と作用可能に係合した状態を示す、それぞれ
一部切欠き側面図及び平面図、
図16A及び図16Bは、図15Aの線XVI−XVIに沿ったそれぞれ低負荷及び
高負荷状況における図15A及び図15Bの装置の作用を示す簡略化した図解図
、
図17は、本発明の更に好適な実施例に従って構成され且つ作用可能な補助的
駆動装置が車輪と作用可能に係合した状態を示す一部切欠き図解図、
図18A及び図18Bは、それぞれ低負荷及び高負荷状況における図17の装
置の作用を示す簡略化した図解図、
図19は、本発明の更に好適な実施例を示す分解図、
図20は、車輪と作用可能に係合したときの図19の装置の図である。
参照符号14、16でそれぞれ示した、本発明の好適な実施例による補助的駆
動装置を備える、自転車10及び車椅子12の一部を示す、図1A及び図1Bに
関して説明する。本発明は、自転車及び車椅子、並びにこれらに使用される補助
的駆動装置にのみ限定されるものではなく、本発明は、その一又は複数の車輪に
駆動可能に係合する補助的駆動装置により駆動され、又はかかる補助的駆動装置
の支援を受けることの出来る適当な任意の型式の乗物にも適用可能であることを
理解すべきである。
図1Cには、図1の補助的駆動装置14の更に詳細が示してあり、また、該装
置は、実線で示した車輪係合方向と、仮想線で示した係合解除方向との間で枢軸
線15を中心として手で枢動可能であることを示す。図示するように、取り付け
部材19の縁部に着脱可能に係合する一体に形成されたフック18により、摺動
可能なハンドル要素17が装置14をその非係合位置に保持する働きをする。
次に、自転車に適用することを目的とする、本発明の好適な実施例及びその作
用を示す図2、図3A及び図3Bに関して説明する。支持ブラケット20は、自
転車のフレームに一体に形成され、又はボルト22等により該自転車のフレーム
に固定される。自転車の車輪26の面内に位置することが望ましい枢軸線24を
中心として回転し得るように、基部要素28が支持ブラケット20に枢動可能に
取り付けられ、該自転車の車輪は、枢軸線24に対して垂直で且つ図面の面に対
して平行な回転軸線を有する(図示せず)。
基部要素28を枢軸線24を中心として枢動可能に取り付けることは、本発明
の補助的駆動装置が、自転車の車輪26の偏心度に対応して動くことを可能にす
ることを目的とするものであることを理解すべきである。また、この枢動可能な
取り付けは、補助的駆動装置により車輪の両側部に加えられる力を均衡させる効
果もある。
第一の電気モータ30は、基部要素28に固定状態に取り付けられる一方、第
二の電気モータ32は、枢動ブラケット34に固定状態に取り付けられ、該枢動
ブラケットは、枢軸線36を中心として枢動可能に基部要素28に取り付けられ
る。枢軸線36は、枢軸線24に対して垂直で且つ該枢軸線24から横方向にず
らした位置にあり、また、枢軸線24と反対のモータ32の側部に位置すること
が望ましい。
これらのモータ30、32は、それぞれの出力シャフト38、40を有してお
り、該出力シャフトには、それぞれ車輪係合要素42、44が取り付けられる。
枢動ブラケット34は、矢印46で示した方向にばね45により付勢され、これ
により、車輪係合要素44を付勢して乗物の車輪と摩擦駆動係合させることが望
ましい。
図示した実施例において、車輪係合要素42、44は、高摩擦の外面を有する
略円筒状ローラであることが望ましい。モータ30、32により駆動されて自転
車が安定状態で走行する間、車輪係合要素42、44の配置状態は、略図3Aに
示した状態であることが望ましく、この場合、車輪係合要素42、44は、双方
共、タイヤ48の側部に力を加えてタイヤを変形させ、また、車輪の相対的な線
速度は、矢印50で示してある。
車輪26に大きい荷重が加わり、車輪の前進方向への駆動回転を妨げ、矢印5
2で示すその線速度を低下させたとき、車輪26と摩擦係合した車輪係合要素4
4をモータで駆動して回転させることにより、該車輪係合要素が自動的に動いて
車輪26とより強固に摩擦係合するようにしたことが、本発明の特別な一つの特
徴である。図示した実施例において、これは、枢軸線36を中心として矢印46
で示した方向にブラケット34を回転させることにより、自動的に行われる。
モータ速度が増して、被動車輪係合要素の表面速度が増したときに、本発明の
同様の作用が行われること、および、何らかの理由により、該係合要素が係合し
た車輪26の対応する表面速度がこれに応じて速くならないことが理解される。
通常、モータ速度の増大直後の短時間に亙ってかかる増速が生じる。
このように、被動車輪係合要素の表面速度が該係合要素と係合した車輪26の
対応する表面速度よりも速くなったときに、本発明に従い、大きいけん引力ない
しトラクションが提供されることが理解されよう。
図3Bに示すように、この軸線36を中心とする回転により、車輪係合要素4
2、44は、車輪26の回転軸線に対して平行な方向に向け互いに接近し、その
結果、タイヤ48に加わる締め付け力(squeezing force)及び
モータ30、32と車輪26との間のけん引力ないしトラクションが増大する。
軸線36を中心として回転することは、第一及び第二の車輪係合要素の回転軸
線、即ち、車輪26の回転軸線に対して平行に位置するシャフト38、40間の
分離距離(the component of the separation
)が車輪の回転抵抗の増大に伴い、自動的に減少する一方、車輪の回転抵抗の減
少
に伴い、自動的に増大するようにする効果がある。
この分離距離の変化は、図3Aの要素42、44間の垂直距離Dを図3Bの垂
直距離D−dと比較することにより、明確に理解される。ブラケット28を枢軸
線24を中心として枢動可能に取り付ける結果、要素42、44により車輪の両
側部に加えられる力は、略等しくなる。
その結果、大きいけん引力ないしトラクション及び駆動力が必要とされ、また
、必要とされるときに限り、かかる大きいけん引力ないしトラクション及び及び
駆動力が自動的に調節する状態で自動的に提供される。
次に、図2、図3A、図3Bの構造体と同様の構造体を示す図4、図5A、図
5Bに関して説明するが、ここで、モータ30は除去し、その代わり、ブラケッ
ト61により基部材28に固定されたシャフト60が使用され、また、被動の車
輪係合要素42に代えて、シャフト60に回転可能に取り付けられたダミーの非
被動の車輪係合要素62が使用される。図5A及び図5Bを参照することにより
理解されるように、図4、図5A及び図5Bの装置の作用は、単一のモータ駆動
装置が設けられる点を除いて、図2、図3A及び図3Bの装置の作用と同一であ
る。ブラケット28を枢軸線24を中心として枢動可能に取り付ける結果、要素
42、44により車輪の両側部に加えられる力は略等しくなる。
この場合にも、分離距離の変化は、図5Aの要素62、44間の垂直距離Dを
図5Bの垂直距離D−dと比較することにより、明確に理解される。
次に、図2、図3A及び図3Bの構造体と同様の構造体を示す、図6、図7A
及び図7Bに関して説明するが、この場合、枢動ブラケット34は除去し、一対
のモータ70、72が各々基部材68に枢動可能に且つ偏心状態に取り付けられ
る一方、該基部材は、枢軸線64を中心として枢動可能に支持ブラケット20に
取り付けられる。
図6、図7A及び図7Bに示した実施例において、モータ70、72は、典型
的に平行なそれぞれの枢軸線74、76を中心として枢動可能に基部材68に取
り付けられる。これらの枢軸線74、76は、枢軸線64に対して垂直であり、
また、車輪26の回転軸線が位置する面に対して略平行、又は同一面である面内
に位置することが望ましい。
モータ70、72は、それぞれの出力シャフト78、80を有しており、該シ
ャフトには、略円筒状の形状の車輪係合要素82、84がそれぞれ取り付けられ
ている。シャフト78、80により画成された車輪係合要素の回転軸線が枢軸線
74、76に対して略平行ではあるが、該枢軸線と同軸状でないことが、この実
施例の一つの特別な特徴である。この偏心状の取り付け関係の結果、図2、図3
A、図3Bの取り付け配置状態により提供されるのと同様に、けん引力ないしト
ラクションを自動的に調節する機能が得られる。
図示した実施例において、車輪係合要素82、84は、車輪26に摩擦可能に
且つ駆動可能に係合する高摩擦の外面を有する略円筒状ローラであることが望ま
しい。これと代替的に、枢軸線74、76は、平行でないように選択することも
出来る。かかる場合、円錐形ローラが使用される。
モータ70、72により駆動されて自転車が安定状態で走行する間、車輪係合
要素82、84の配置状態は、略図7Aに示す通りであり、この場合、車輪係合
要素82、84の双方がタイヤ48の側部に力を加えてタイヤを変形させ、また
、車輪の相対的な線速度が矢印90で示してある。
車輪26に大きい荷重が加えられ、車輪の前方への駆動回転を妨害し、矢印9
2で示すその線速度を遅くするとき、車輪係合要素82、84が車輪26と摩擦
係合してモータにより駆動されて回転する結果、これらの係合要素が自動的に移
動して、車輪26とより強固に摩擦係合することが、本発明の特別な特徴である
。図示した実施例において、これは、モータ70、72の各々をそれぞれ矢印9
4、96で示した方向にそれぞれの枢軸線74、76を中心として回転させるこ
とにより、自動的に行われる。
図7Bに示すように、この回転により、車輪係合要素82、84は接近し、こ
れにより、タイヤ48に加わる締め付け力ないし圧迫力、及びモータ70、72
と車輪26との間のけん引力ないしトラクションが増大する。この回転は、第一
及び第二の車輪係合要素の回転軸線、即ち、車輪の回転軸線に対して平行に位置
するシャフト78、80間の分離距離が車輪の回転抵抗の増大に伴い、自動的に
減少し、また、車輪回転の抵抗の減少に伴い、自動的に増大するようにする効果
がある。
その結果、大きいけん引力ないしトラクション及び駆動力が必要とされ、また
、必要とされるときに限り、かかる大きいけん引力ないしトラクション及び大き
い駆動力を自動的に調節する状態で自動的に提供される。次に、図6、図7A及
び図7Bの構造体と同様の構造体を示す、図8、図9A及び図9Bに関して説明
するが、この場合、モータ70は除去し、その代わりに、基部材68に固定した
シャフト100が使用され、また、被動の車輪係合要素82に代えて、シャフト
100に回転可能に取り付けられたダミーの非被動の車輪係合要素102が使用
される。図9A及び図9Bを参照することにより理解されるように、図8、図9
A及び図9Bの装置の作用は、単一の駆動モータが設けられ、また、車輪係合要
素102の位置が変化しない点を除いて、図6、図7A及び図7Bの装置と同一
である。基部材68を枢軸線64を中心として枢動可能に取り付ける結果、要素
82、84により車輪の両側に加えられる力は略等しくなる。
次に、図6、図7A及び図7Bの構造体と同様の構造体を示す、図10、図1
1A及び図11Bに関して説明するが、この場合、モータ70は、基部材68に
枢動可能にではなくて、基部材68に固定される。図11A及び図11Bを参照
することにより理解されるように、図10、図11A及び図11Bの装置の作用
は、車輪係合要素82の位置が変化しない点を除いて、図6、図7A及び図7B
の装置と同一である。
基部材68を枢軸線64を中心として枢動可能に取り付ける結果、要素82、
84により車輪の両側に加えられる力は略等しくなる。
この場合にも、図7Aの要素82、84間の垂直距離Dを図7Bの垂直距離D
−dと比較することにより、分離距離の変化が明確に理解される。
次に、単一のモータによる補助的駆動構造体を示す図12、図13、図14A
、図14Bに関して説明するが、この場合、モータ130は、中間ブラケット1
33上にブラケット132により枢動可能に取り付けられる一方、該中間ブラケ
ットは、ボルト136等により自転車のフレームに固定された支持ブラケット1
3
5上に軸線134を中心として枢動可能に取り付けられている。この枢動可能に
取り付ける枢動軸線134は、本発明の駆動装置が自転車の車輪26の偏心度に
対応して動くことが出来るようにし、また、車輪26の両側部に加わる力を等し
くすることを目的とするものである。
モータ130には、歯車142に接続された出力シャフト140が設けられて
いる。該歯車142は、歯車144に係合する一方、該歯車144は、駆動シャ
フト148を介して車輪係合要素146に結合されている。また、出力シャフト
140は、車輪係合要素150に直接、係合されている。これらの歯車142、
144は、シャフト140の軸線を中心として回転可能なハウジング152内に
収容されている。
図13及び図14Aを参照することにより、車輪係合要素146、150は、
車輪26の両側面に接触した状態で反対方向に回転し、従って、その双方が、車
輪を矢印160で示した方向に駆動することに関与することが理解される。
図示した実施例において、車輪係合要素146、150は、高摩擦の外面を有
する略円筒状ローラであることが望ましい。モータ130により駆動されて自転
車が安定状態で走行する間、車輪係合要素146、150の配置状態は、図14
Aに略示した通りであることが望ましく、この場合、車輪係合要素146、15
0は、共に、タイヤ48の側部に力を加えてタイヤを変形させ、また、車輪の相
対的な線速度が矢印160で示してある。
車輪26に大きい荷重が加えられて、車輪の前進方向への駆動回転が妨げられ
、矢印162で示すその線速度が低下するとき、車輪係合要素146、150が
車輪26と摩擦係合状態でモータにより駆動されて回転する結果、これらの係合
要素が自動的に動いて車輪26とより強固に摩擦係合するため、歯車ハウジング
152は、図14Bに示す方向に回転する傾向となることが本発明の特別な一つ
の特徴である。図示した実施例において、これは、歯車144、シャフト148
及び車輪係合要素146をシャフト140の軸線を中心として矢印170で示し
た方向に回転させることにより、自動的に行われる。
図14Bに示すように、この回転の結果、車輪係合要素146は車輪係合要素
150により接近し、これにより、タイヤ48に対する締め付け力ないし圧迫力
及びモータ130と車輪26との間のけん引力ないしトラクションが増大する。
この回転は、第一及び第二の車輪係合要素の回転軸線、即ち、車輪の回転軸線に
対して平行に位置するシャフト140、148間の分離距離が、車輪の回転抵抗
の増大に伴い、自動的に短くなり、また、車輪の回転抵抗の減少に伴い、自動的
に長くなるようにする効果がある。
その結果、大きいけん引力ないしトラクション及び駆動力が必要とされ、また
、必要とされるときに限り、かかる大きいけん引力ないしトラクション及び大き
い駆動力が自動的に調節する状態で自動的に提供される。
この場合にも、図14Aの要素146、150間の垂直距離Dを図14Bの垂
直距離D−dと比較することにより、分離距離の変化が明確に理解される。
図12乃至図14Bに示した歯車機構に代えて、ベルトを含むような別の型式
の同等の伝達装置を使用することも可能であることが理解される。
次に、特に、車椅子に使用するのに適した別の単一のモータによる補助的駆動
構造体を示す、図15A、図15B、図16A、図16Bに関して説明するが、
この場合、モータ180は、ブラケット組立体182により、第一の枢軸線18
4を中心として枢動可能に第二のブラケット組立体186に取り付けられる一方
、該第二のブラケット組立体は、ボルト190等により略垂直のシャフト188
に固定状態に取り付けられる。該シャフト188は、車椅子又はその他の適当な
乗物の一部を形成することが出来る。
車輪係合要素196から一定距離の位置に配置されたダミー車輪係合要素19
4を回転可能に支持する支持アーム192がブラケット組立体182に固定され
、該車輪係合要素は、モータ180の出力シャフト198により駆動される。
図示した実施例において、車輪係合要素194、196は、車輪200に摩擦
可能に且つ駆動可能に係合する高摩擦の外面を有する略円錐形ローラであること
が望ましい。この場合、車輪係合要素194、196のそれぞれの枢軸線202
、204は、同一面の高さではあるが、平行ではない。これと代替的に、枢軸線
202、204は、平行であるように設定してもよい。かかる場合、円筒状ロー
ラ
が使用される。
モータ180で駆動される車椅子が安定状態で走行する間、車輪係合要素19
4、196の配置は、略図16Aに示す通りであり、この場合、車輪係合要素1
94、196の双方が、タイヤ210の双方に力を加えてタイヤを変形させ、車
輪の相対的な線速度が矢印212で示してある。
車輪200に大きい荷重が加えられ、車輪の前進方向への駆動回転が妨げられ
、矢印214で示すその線速度が低下するとき、車輪係合要素196が車輪20
0と摩擦係合する状態でモータにより駆動されて回転する結果、これらの係合要
素194、196は、自動的に動いて車輪200とより強固に摩擦係合すること
が本発明の特別な一つの特徴である。図示した実施例において、これは、ブラケ
ット組立体182、従って、モータ180、アーム192、車輪係合要素194
、196を枢軸線184を中心として矢印220で示した方向に回転させること
により、自動的に行われる。
図16Bに示すように、かかる回転の結果、車輪係合要素194、196は、
タイヤ210を横断して共により接近し、これにより、タイヤに対する締め付け
力ないし圧迫力及びモータ180と車輪200との間のけん引力ないしトラクシ
ョンが増大する。この回転は、車輪の回転軸線に対して平行に位置する第一及び
第二の車輪係合要素の回転軸線202、204間の分離距離が車輪の回転抵抗の
増大に伴い自動的に短くなり、また、車輪の回転抵抗の減少に伴い、自動的に長
くなるようにする効果がある。
その結果、大きいけん引力ないしトラクション及び駆動力が必要とされ、また
必要とされるときに限り、かかる大きいけん引力ないしトラクション及び大きい
駆動力が自動的に調節する状態で自動的に提供される。
次に、本発明の更に好適な実施例に従って構成され且つ作用可能な補助的駆動
装置が車輪と作用可能に係合した状態を示す、図17、図18A及び図18Bに
関して説明する。図17、図18A、図18Bの装置は、モータの異なる偏心状
に取り付けられること、及び円錐形ローラが採用される点を除いて、図10、図
11A、図11Bの装置と同様である。
図17、図18A、図18Bに示した実施例において、モータ270、272
は、枢軸線64を中心として枢動可能に支持要素20に取り付けられた基部材2
68上に取り付けられている。モータ270が基部材268上に固定状態に取り
付けられる一方、モータ272は、枢軸線274を中心として枢動可能に且つ偏
心状態に基部材上に取り付けられる。枢軸線274は、枢軸線64に対して垂直
であり且つ車輪26の回転軸線が位置する面に対して略平行に又は該面と同一面
の面内に位置することが望ましい。
モータ270、272は、それぞれの出力シャフト278、280を有し、略
円錐形の形状の車輪係合要素282、284が、該出力シャフトにそれぞれ取り
付けられる。シャフト280により画成された車輪係合要素回転軸線が、枢軸線
274に対して略平行ではあるが、該枢軸線274と同軸状でないことが、この
実施例の特別な特徴である。この偏心状の取り付け状態でも、図10、図11A
、図11Bの取り付け状態により提供されるものと同様のけん引ないしトラクシ
ョンの自動的な調節機能が得られる。
図示した実施例において、車輪係合要素282、284は、車輪26に摩擦可
能に且つ駆動可能に係合する高摩擦の外面を有する略円錐形ローラであることが
望ましい。これと代替的に、相互に平行な駆動シャフトにより駆動される場合に
は、円筒状ローラを使用してもよい。
モータ270、272により駆動されて自転車が安定状態で走行する間、車輪
係合要素282、284の配置状態は、図18Aに示したものと略同様であり、
この場合、車輪係合要素82、84の双方は、タイヤ48の側部に力を加えてタ
イヤを変形させ、また、車輪の相対的な線速度が矢印290で示してある。
車輪26に大きい荷重が加えられて、車輪の前進方向への駆動回転が妨げられ
、矢印292で示すその線速度が低下するとき、車輪係合要素284が車輪26
と摩擦係合した状態でモータにより駆動されて回転する結果、これらの係合要素
284が自動的に動いて車輪26とより強固に摩擦係合することが本発明の特別
な特徴の一つである。図示した実施例において、これは、モータ272の各々を
枢軸線274を中心として矢印293で示した方向に回転させることにより、自
動
的に行われる。
図18Bに示すように、かかる回転の結果、車輪係合要素282、284は、
より接近し、これにより、タイヤ48に対する締め付け力ないし圧迫力及びモー
タ270、272と車輪26との間のけん引力ないしトラクションが増大する。
この回転は、第一及び第二の車輪係合要素の回転軸線、即ち、車輪の回転軸線に
対して平行に位置するシャフト278、280間の分離距離が車輪の回転抵抗の
増大に伴い、自動的に短くなり、また、車輪の回転抵抗の減少に伴い、自動的に
長くなるようにする効果がある。
その結果、大きいけん引力ないしトラクション及び駆動力が必要とされ、また
必要とされるときに限り、かかる大きいけん引力ないしトラクション及び大きい
駆動力が自動的に調節する状態で自動的に提供される。基部材268を枢軸線6
4を中心として枢動可能に取り付ける結果、要素282、284により車輪の両
側部に加えられる力は、略等しくなる。この場合にも、図18Aの要素282、
284間の垂直距離Dを図18Bの垂直距離D−dと比較することにより、分離
距離の変化が明確に理解される。
次に、本発明の更に別の好適な実施例を示す、図19及び図20に関して説明
する。該駆動装置及びその全体的な作用は、図6に示した装置と最も良く似てい
るが、図示した何れの実施例のものとも略同一とすることが出来る。
図19及び図20の実施例において、補助的駆動装置を手で枢動させて車輪と
係合させ、また、その係合の解除を可能にするのみならず、上述した枢軸線64
と同等である枢軸線を中心として補助的駆動装置が枢動するのを可能にするのに
十分に緩い枢動組立体が提供され、これにより、車輪係合要素302、304に
より車輪の両側部に加えられる力は、略等しくなり、車輪の偏心度に対応するこ
とが可能となる。
図19に示すように、支持ブラケット組立体310は、ボルト312により自
転車に取り付けることが出来、また、該支持ブラケット組立体は、上述した図1
Cの実施例における枢軸線15と同等と見なすことの出来る枢軸線316を画成
する一対のブッシュ314を備えている。
モータ320、322は、図6の全体的な方法で取り付け要素326に枢動可
能に且つ偏心状に取り付けられ、該取り付け要素は、手で回転可能なブラケット
組立体328上で支持されている。手で回転可能なブラケット組立体328は、
ハンドル部分330を備えており、該ハンドル部分は、取り付け要素326に固
定状態に取り付け、また、該ハンドル部分は、穴334が貫通するブッシュ33
2と固定状態に関係することが望ましい。ボルト336、及び関係する座金33
8及びナット340は、ブラケット組立体を支持ブラケット組立体310上で軸
線316を中心として回転可能に取り付けて、手で車輪係合要素302、304
を枢動させて、車輪26と係合させたり、その係合を解除することが可能である
ようにする。
図19及び図20の実施例の特別な特徴は、ブラケット組立体328及び支持
ブラケット組立体310の枢動可能な係合が十分に緩く、軸線316に対して垂
直に伸長する軸線を中心として、制限されるが、十分である枢動を可能にする点
であり、この枢動により、上述の実施例における枢軸線64を中心とする枢動可
能な取り付けによって実現される機能が得られる、即ち、車輪の両側部に加わる
力を均等にし、また、車輪の偏心度に対応することが可能となる。この追加的な
枢動は、図20に参照符号350の仮想線で示してある。
図示した実施例において、望ましい緩い取り付け状態は、ボルト336の外径
よりも十分に大きい径の穴334を形成することで実現される。その他の構造体
を採用して同等の結果を得ることも考えられる。
当業者には、本発明は、具体的に図示し且つ説明した内容にのみ限定されるも
のではないことが理解されよう。本発明の範囲は、請求の範囲の記載によりのみ
判断されるべきである。