【発明の詳細な説明】
配向液晶性熱硬化樹脂に基づく複合材の製造方法
本発明は、連続繊維強化複合材を製造する際に液晶性熱硬化性樹脂マトリック
スを配向させる方法と該方法により得られる複合材とに関する。
Bhama 及び Stuppは、Polymer Engineering and Science、第30巻、第4番、
第 228〜233 頁(1990年2月)に、温度転移形液晶ポリエステル中に分散された
炭素繊維が、配向を誘発するために磁場を印加した場合に該ポリエステルの配向
に影響を及ぼすことを記載している。炭素繊維が内部に分散していると、溶融し
たポリエステルにおける磁場誘発配向速度が高くなることが観測された。さらに
、Bhama 及び Stuppは、Polymer Engineering and Science、第30巻、第10番、
第 603〜608 頁(1990年5月)に、温度転移形液晶ポリエステルでグラフトされ
た炭素繊維が、複合材の界面領域における結合性及び分子配向を制御するのに有
用となりうることについても記載している。
Buckley らは、米国特許第 4,479,999号(1984年10月30日)に、可融性繊維と
不融性繊維とを含み、該可融性繊維が温度転移形液晶ポリマーを含む布帛につい
て記載している。該液晶繊維を加熱すると、溶融押出により該繊維に付与された
配向が実質的に失われることなく、隣接する不融性繊維への融着が誘発される。
Chung,Gurion 及び Stamatoffは、Polymer Compositions、第6巻、第3番、
第 181〜184 頁(1986年7月)に、連続炭素繊維を用いて製造された圧縮成形複
合材において、予備延伸された温度転移形液晶コポリエステルフィルムが該炭素
繊維軸に平行に選択的に配
向することについて記載している。この平行配向は、液晶コポリエステルフィル
ムの予備延伸の初期方向とは無関係に起こる。
上記はいずれも複合材を形成するために温度転移形液晶熱可塑性マトリックス
ポリマーを使用するものである。複合マトリックス材料としては熱硬化樹脂が広
く用いられているので、複合材形成時に液晶性熱硬化樹脂マトリックスを実質的
に配向させる方法を提供できれば非常に望ましい。そうなれば、このような複合
材は、従来の熱硬化樹脂系複合材よりも高い耐腐食性と共に、必要な物理的、機
械的及び/又は熱的特性の向上を提供するであろう。
複合材系において配向液晶マトリックスを達成するための現在の方法は、(A
)温度転移形液晶熱可塑性樹脂と細断繊維強化材とのブレンドを射出成形もしく
は押出する方法、又は(B)温度転移形液晶熱可塑性樹脂と連続繊維強化材との
延伸フィルムを団結する方法のいずれかに基づくものである。射出成形法又は押
出法では、細断繊維強化材の量は、加工性を維持するために通常は30重量%以
下に制限されている。この制限のため、実現可能な強化量が大幅に制限されてい
る。温度転移形液晶熱可塑性樹脂の延伸フィルムを団結する方法では、フィルム
を溶融することなく繊維の浸潤性を達成することができない。溶融、流動により
繊維を浸潤させると、全部ではなくても部分的な配向の損失をもたらす可能性が
ある。
本発明は、連続繊維強化複合材を製造する際に液晶性熱硬化性樹脂マトリック
スを配向させる方法を提供するものである。本発明の方法によると、液晶性熱硬
化樹脂を含有する熱硬化性混合物を用いて、その硬化した樹脂が配向マトリック
スを提供する複合材が製造される。さらに、本発明の方法によると、多量(50重
量%以上)の繊維強化材を使用することができ、しかもマトリックスの配向前及
び/又は配向中に繊維の浸潤が実現される。
連続繊維で強化された配向したメソゲン含有樹脂マトリックス複合材を形成す
るための方法であって、
(A)(1)1分子当たり平均して1個を上回るビシナルエポキシド基、チイラン基
、シアネート基又はビニルエステル基を含有する少なくとも一種のメソゲン含有
樹脂と、必要に応じて、
(2)硬化量の少なくとも一種の硬化剤及び/又はそのための硬化触媒とを含む
硬化性組成物を連続繊維基材に含浸させる工程;
(B)工程(A)で形成された一種以上の含浸連続繊維基材を所望の形状に加工する
工程;
(C)工程(B)で加工された含浸連続繊維基材を、前記メソゲン含有樹脂を液晶状
態に転移させる温度に暴露する工程;
(D)工程(C)で加熱後の加工済含浸連続繊維基材に、前記連続繊維基材の隙間に
おいて流動誘発剪断を生ぜしめるに十分な圧力を加える工程;
(E)工程(D)の連続繊維基材を、工程(D)において加圧しながら及び/又は前記
加圧の後に、硬化条件に暴露する工程;並びに
(F)工程(E)の硬化した連続繊維強化複合材を室温まで冷却させる工程を含み、
よって配向したメソゲン含有樹脂マトリックスを含有する硬化連続繊維強化複合
材を形成する方法。
本発明の別の態様は、上記方法で得られる配向熱硬化液晶性樹脂及び連続繊維
強化複合材並びにこれらから製造される製品に関する。液晶性熱硬化性樹脂
本発明の複合材を製造するための本発明の方法には、1分子当たり少なくとも
一つの液晶性部分と平均して1個を上回るエポキシド基、チイラン基、シアネー
ト基又はビニルエステル基を含有するいずれのエポキシ、チイラン、シアネート
又はビニルエステル樹脂でも使用することができる。1分子当たり少なくとも一
つの液晶性部
分を含有する好適な熱硬化性樹脂を下式I、II又はIIIに示す。
上式中、各Yは各々独立に
であり、
Dは−O−又は−S−であり、D1は−OH又は−SHであり、D2は
又は -O-C≡N
であるが、但し、D2が−O−C≡Nである場合にはpの値は0であり、またD2
が
であり且つpの値が0よりも大きい場合にはD1は−OHであり、
Mは、各々独立に、
(a)−O−、−S−、−NR2−もしくは−CO−O−〔但し、−CO−O−の
炭素原子に結合している単結合酸素原子は、
に結合されている〕、又は(b)
〔但し、単結合酸素原子は
に結合されている〕であり、
Raは、各々独立に、水素又は炭素原子数1〜2個のアルキルもしくはハロア
ルキル基であるが、但し、Raは1個だけしかハロアルキル基であることはでき
ず、
mは1〜100 、好ましくは1〜20、より好ましくは1〜10、最も好ましくは1
〜5であり、
Aは、各々独立に、直接単結合、
であり、
A’は、各々独立に、炭素原子数1〜10、好ましくは1〜4個の2価のヒドロ
カルビル基であり、
A1は、各々独立に、
であり、
Rは、各々独立に、水素、炭素原子数1〜10、好ましくは1〜4個のヒドロカ
ルビルもしくはヒドロカルビルオキシ基、ハロゲン原子(好ましくは塩素もしく
は臭素)、ニトロ基、ニトリル基、フェニル基又は−CO−R1基であり、
R1は、各々独立に、水素又は炭素原子数1〜3個のヒドロカルビル基であり
、
R2は、各々独立に、炭素原子数1〜6個のヒドロカルビル基であり、
Zの値は1又は2であり、
nの値は0又は1であり、
pの値は0〜30、好ましくは0〜5であり、そして
p1の値は1〜30、好ましくは0〜3である。
式IIIの芳香族環又はA’ヒドロカルビル基は、N、O又はSから選ばれた異
種原子を一種以上さらに含有することもできる。
本明細書中の用語「ヒドロカルビル」とは、脂肪族基、環式脂肪族基、芳香族
基、アリール置換された脂肪族もしくは環式脂肪族基又は脂肪族もしくは環式脂
肪族置換された芳香族基を意味する。該脂肪族基又は環式脂肪族基は飽和基であ
っても不飽和基であってもよい。式IIIのA’基に適用される場合、該ヒドロカ
ルビル基は、N、O又はSから選ばれた異種原子を一種以上さらに含有すること
ができる。同様に、用語「ヒドロカルビルオキシ」とは、ヒドロカルビル基とそ
れが結合されている炭素原子との間に酸素連結部を有するヒドロカルビル基を意
味する。
用語「硬化性」と「熱硬化性」は一貫して同義語として用いられており、該組
成物が、これを硬化又は熱硬化状態にさせる条件に晒されうることを意味する。
用語「硬化」と「熱硬化」は一貫して同義語として用いられている。用語「熱
硬化」は、Whittington's Dictionary of Plastics(1968)の第239頁にL.R.Whit
tingtonによって「最終状態の最終製品として実質的に不融性且つ不溶性である
樹脂又はプラスチックス」と定義されている。熱硬化性樹脂は、その製造時又は
加工時の何らかの段階で液体である場合が多く、熱、触媒又はその他何らかの化
学的手段によって硬化される。完全に硬化した後には、熱硬化樹脂が熱によって
再軟化されることはない。通常は熱可塑性であるプラスチックスの中には、別の
物質で架橋することによって熱硬化
性にすることができるものもある。
液晶性部分を含有するエポキシ樹脂には、例えば、上記式I、II又はIIIで表
されるものであって、該分子の80%以上が橋架け基(−A−)とpの値が0より
大きい場合に存在するエポキシド又はチイラン基を含有する置換基
及び第二ヒドロキシル又はチオールアルキリデン基を含有する置換基
との両方によってパラ置換されているものが含まれる。
液晶性部分を含有するシアネート樹脂には、例えば、上記式I、II又はIIIで
表されるものであって、該分子の80%以上が橋架け基(−A−)とシアネート基
を含有する置換基との両方によってパラ置換されているものが含まれる。
液晶性部分を含有するビニルエステル樹脂には、例えば、上記式I、II又はII
Iで表されるものであって、該分子の80%以上が橋架け基(−A−)とビニルエ
ステル基を含有する置換基
との両方によってパラ置換されているものが含まれる。
式IIIについては、パラ置換とは芳香族環間の直接結合に対するものであるこ
とが理解される。橋架け基(−A−)は芳香族環対間に硬い中心結合を形成する
。前記液晶性又は硬質棒状官能価のアスペクト比を最適化するために、芳香族環
置換基(上記式I、II及びIII中のR)は水素又はメチル基であることが好まし
い。
本明細書中の用語「液晶性」とは、低分子量物質の場合に液晶相の形成に有利
であることがわかっている硬質棒状構造単位を一つ以上含有する化合物を意味す
る。このように、メソゲン又は液晶性部分は分子の秩序化を担う構造である。用
語「液晶性」については、R.A.Weiss(編)及びC.K.Ober(編)によってLiqui d-Crystalline Polymers
,ACS Symposium Series 435(1989)の第1〜2頁に「
液晶挙動を担う硬質単位をメソゲンという」、「液晶秩序は硬質棒状分子にある
ような唯一分子形状の異方性の結果である・・・」及び「液晶は、三次元秩序結
晶状態と不規則又は等方性流体状態との間の中間状態である部分秩序流体相を示
す物質を記述するために現在一般に用いられている用語である。一次元又は二次
元において位置及び/又は配向に関して長距離の秩序を有する相を中間相と呼ぶ
。分子秩序の結果、液晶相は異方性を示す、すなわち、その特性には方向性があ
る。」と定義されている。さらに、用語「液晶性」の定義を、Polymeric Liquid Crystals
,Alexandre Blumsteln(編)、(1983)、第2〜3頁の、「小分子温度
転移形液晶を形成する化合物
は以下の特徴的分子構造を有する:長さ/幅(軸)比が高いこと、1,4-フェニレ
ン、1,4-ビシクロオクチル、1,4-シクロヘキシル、等の硬質単位を含むこと、環
間に-COO-、-CH=CH-、-N=NO-、-N=N-、等の硬質中心連結部を含むこと、異方性
分子極性を示すこと」に見ることもできる。
液晶性部分を含有する代表的なエポキシ樹脂の例として、4,4'-ジヒドロキシ
ビフェニル、4,4'-ジヒドロキシスチルベン、4,4'-ジヒドロキシ-ジフェニルア
セチレン、4,4'-ジヒドロキシジフェニルアゾメチン、4,4'-ジヒドロキシアゾベ
ンゼン、4,4'-ジヒドロキシアゾキシベンゼン、4,4'-ビス((4-ヒドロキシ)フェ
ノキシ)ジフェニル、3,3',5,5'-テトラメチル-4,4'-ジヒドロキシジフェニル、3
,3',5,5-テトラクロロ-4,4'-ジヒドロキシジフェニル、2,2',6,6-テトラメチル-
4,4'-ジヒドロキシジフェニル、ビス(4-ヒドロキシフェニル)テレフタレート、N
,N'-ビス(4-ヒドロキシフェニル)テレフタルアミド、4-ヒドロキシフェニル-4-
ヒドロキシベンゾエート、4,4'-ジヒドロキシベンズアニリド、N-メチル-4,4'-
ジヒドロキシベンズアニリド、4,4'-ジヒドロキシ-α-シアノスチルベン、2,2'-
ジメチル-4,4'-ジヒドロキシアゾキシベンゼン、4,4'-ジヒドロキシ- α,α'-
ジメチルスチルベン、4,4"-ジヒドロキシビフェニルベンゾエート、4,4'-ジヒド
ロキシ- α,α'-ジエチルスチルベン、ビス(4'-ヒドロキシフェニル)-1,4-ベン
ゼンジイミン、ビス(4'-ヒドロキシビフェニル)テレフタレート、並びに下式で
示される二価フェノールのジグリシジルエーテル及びジチイランエーテルが挙げ
られる:
上式中、n’の値は1〜10である。さらに、前記ジエポキシド又はジチイランを
、例えば前記ジフェノール前駆体のすべてを含む芳香族ジヒドロキシル又はジカ
ルボン酸含有化合物で、液晶部分を含有するジエポキシド又はジチイランにまで
進化させて得られる生成物、或いはこれらいずれの組合せでも好適である。
液晶性部分を含有するさらに別の代表的エポキシ樹脂の例として、N,N'-ジエ
チル-4,4'-ジアミノスチルベン、N,N'-ジメチル-4,4'-ジアミノスチルベン、N,N
'-ジメチル-4,4'-ジアミノベンズアニリド、N'-メチル-4'-アミノフェニル-N-メ
チル-4-アミノベンゾエートのジグリシジルアミン及びジチイラングリシジルア
ミン;4,4'-スチルベンジチオール、4,4'-α-メチルスチルベンジチオール、4,4
'-ベンズアニリドジチオールのグリシジルチオエーテル及びジチイラングリシジ
ルチオエーテル;4,4'-スチルベンジカルボン酸、4,4'-α-メチルスチルベンジ
カルボン酸、4,4'-ベンズアニリドジカルボン酸のジグリシジルエステル及びジ
チイラングリシジルエステル;4,4'-ジヒドロキシスチルベン、4,4'-ジヒドロキ
シ-α-メチルスチルベンのビス(2-ヒドロキシエチルエーテル)のジグリシジルエ
ーテル及びジチイラングリシジルエーテル;4,4'-スチルベンジチオール、4,4'-
α-メチルスチルベンジチオールのビス(2-ヒドロキシエチルチオエーテル)のジ
グリシジルチオエーテルエーテル及びジチイラングリシジルチオエーテルエーテ
ル;4,4'-スチルベンジカルボン酸、4,4'-α-メチルスチルベンジカルボン酸の
ビス(2-ヒドロキシエチルチオエステル)のジグリシジルエステルエーテル及びジ
チイラングリシジルエステルエーテル;N,N'-ジメチル-4,4'-ジアミノスチルベ
ン、N,N'-ジエチル-4,4'-ジアミノスチルベン、N'-メチル-4'-アミノフェニル-N
-メチル-4-アミノベンゾエートのビス(2-ヒドロキシエチルアミン)のジグリシ
ジ
ルアミンエーテル及びジチイラングリシジルアミンエーテル;又はこれらいずれ
かの組合せが挙げられる。さらに、前記エポキシ樹脂を芳香族ジヒドロキシル又
はジカルボン酸含有化合物で進化させて得られる生成物も好適である。
液晶性部分を含有する代表的なシアネート樹脂の例として、メソゲン含有ジグ
リシジルエーテルを製造するために用いられる前記メソゲン含有ジフェノールの
ジシアネートが挙げられる。
液晶性部分を含有する代表的なビニルエステル樹脂の例として、前記メソゲン
含有ジグリシジルエーテルのアクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルが挙
げられる。エポキシ樹脂の合成
本発明で用いられるエポキシ樹脂を合成するために用いられるジヒドロキシ及
びポリヒドロキシ芳香族化合物(又はジカルボン酸及びポリカルボン酸もしくは
ビス(第二アミノ)芳香族化合物)のエポキシ化は、Handbook of Epoxy Resins
(Lee and Neville,1967,McGraw-Hill);特開昭62-86484号公報;欧州特許第88
-008358/92号及びJournal of Applied Polymer Science,Vol.23,1355-1372,
(1972)に記載されている既知の方法によって実施することができる。この方法は
、一般に、対応するジヒドロキシ及びポリヒドロキシ芳香族化合物(又はジカル
ボン酸及びポリカルボン酸もしくはビス(第二アミノ)芳香族化合物)を、過剰
量のエピハロヒドリン、例えばエピクロロヒドリン又はメチルエピクロロヒドリ
ンと、約0℃〜約100℃、好ましくは約20℃〜約65℃の温度で反応させた後、塩
基性物質、例えばアルカリ金属水酸化物、典型的には水酸化ナトリウムを用いて
約0℃〜約100℃、好ましくは約20℃〜約65℃の温度で脱ハロゲン化水素反応を
させ、最後に、得られたグリシジルエーテル生成物を回収する方法である。特殊
なエポキシ化反応で採用さ
れる反応条件下で加水分解を受けやすい官能基又は連結部を有するジヒドロキシ
及びポリヒドロキシ芳香族化合物からポリエポキシドを製造するために、別の合
成技法を採用してもよい。典型例として、Dheinらの米国特許第 4,762,901号に
、下式で示される、加水分解を受けやすいことが知られているエステル結合を含
む化合物であるビスフェノールのジグリシジルエーテルの、無水エポキシ化法に
よる合成法が記載されている。
この技法は、エピクロロヒドリンと、ジフェノールと、ベンジルトリメチルアン
モニウムクロリドのような相間移動触媒とから成り、さらに必要に応じて溶媒を
含む反応混合物に水酸化ナトリウム水溶液を制御しながら添加すると同時に、水
/エピクロロヒドリンを共沸除去する方法である。このような無水エポキシ化反
応は、水の共沸除去を促進するために真空下で実施することが有利である。水の
共沸除去は、一般に約20℃〜約 100℃、好ましくは約30℃〜約65℃の温度で行わ
れる。また、アルカリ金属水酸化物反応体として水を含まない水酸化ナトリウム
を利用することも可能であり、また有利である。反応の発熱を制御するため、典
型的には固体水酸化ナトリウムを粉末として少量ずつエポキシ化反応混合物へ加
える。典型的な無水エポキシ化法については、Wangらの米国特許第 4,499,255号
に記載されている。
別の特殊な無水エポキシ化法として、ジヒドロキシル及びポリヒドロキシル含
有化合物を、エピハロヒドリンと、典型的には触媒として上記ハロゲン化アンモ
ニウムの一種以上を用いて触媒カップリングさせる方法がある。次いで、得られ
た過剰量のエピハロヒドリ
ン中に含まれるハロヒドリンの溶液を、微粉砕炭酸カリウムで処理して脱ハロゲ
ン化水素を起こさせてエポキシ樹脂にする。
エポキシ樹脂は、その内部のエポキシド基を、適当な硫黄含有化合物、例えば
、無機チオシアネート、チオ尿素、N-メチルベンゾチアゾル-2-チオン/トリフ
ルオロ酢酸のようなN-アルキルベンゾチアゾル-2-チオン又はトリフェニルホス
フィンスルフィド/トリフルオロ酢酸のようなホスフィンスルフィドと反応させ
ることによりチイラン樹脂(ポリチイラン化合物)に転化させることができる。
この反応は、一般には5℃〜 100℃、好ましくは20℃〜60℃の温度で反応を完
結させるに十分な時間、通常は1時間〜48時間、好ましくは4〜24時間行われる
。一般に、反応温度が高いほど反応の完結に必要な時間は短くなり、反対に反応
温度が低いほど必要な時間は長くなる。
これらの反応条件は、Walter de Gruyterによる Crosslinked Epoxides,Sedl
acek and Kahwec(編),New York(1987)の第3〜26頁のBell及びKuの論文「Epoxy
/Episulfide Resins」並びに第73〜80頁のVecera及びSpacekの論文「Preparatio
n and Reactivity of Thiiranes」に;Chan and Finkenbine,Journal of the A
merican Chemical Society,94,2880(1972)に;並びにCalo,Lopez,Marchese
and Pesce,Journal of the Chemical Society,Chemical Communications,621
(1975)に報告されている。先進エポキシ樹脂
液晶性部分を含有するエポキシ樹脂を、1分子当たり平均して1個を上回る活
性水素原子を有する一種以上の化合物と先進的に反応させることは、上記のHand
book of Epoxy Resinsに記載されている既知の方法によって実施することができ
る。この方法は、一般に、エポキシド又はチイラン基と反応する基が1分子当た
り平均して1
個を上回る化合物とエポキシ樹脂とを組み合わせると共に加熱、混合して先進反
応を起こさせるものである。この先進反応を促進させるため、触媒を添加する場
合が多い。
エポキシド又はチイラン基と反応する基が1分子当たり平均して1個を上回る
化合物とエポキシ樹脂との反応は、エポキシド又はチイラン基1個当たり活性水
素原子が好適には0.001:1〜0.95:1、より好適には0.01:1〜0.7:1、最も好適には
0.05:1〜0.50:1付与される量で行われる。
「活性水素原子が1分子当たり平均して1個を上回る化合物」との用語は、該
化合物が、エポキシド又はチイラン基と反応する水素原子を含有することを意味
する。
本発明において有用な先進樹脂を製造する際に用いることができる活性水素原
子が1分子当たり平均して1個を上回る好適な化合物は、液晶性部分を一つ以上
含有してもよいし、また前記部分を含有しなくてもよい。該先進樹脂を製造する
際に用いることができる活性水素原子が1分子当たり平均して1個を上回る好適
な化合物の例として、ジフェノール、チオジフェノール、ジカルボン酸及び下式
IV、V、VI又はVIIで表されるもののような一つの第一アミンもしくはアミド基
又は二つの第二アミン基が挙げられる。
上式中、Xは各々独立に-OH、-COOH、-SH 又は-NHR1基であり、qの値は1であ
るが、但し一つのq=1且つ一つのq=0である場合、一つのXは-NH2、H2N-SO2
-、H2N-CO- 又はH2N-R3-O- であることができ且つ他方のXはRとなり、R3は
炭素原子数1〜12個、好ましくは1〜4個の脂肪族、環式脂肪族、多環式脂肪族
又はアルキル置換された環式脂肪族基又は多環式脂肪族基であり、qの値は0又
は1であり、Yは各々独立に
であり、Aは各々独立に直接単結合、炭素原子数1〜約20個、好ましくは1〜約
14個の二価ヒドロカルビル基、
であり、そしてA’、A1、R1、z及びnについては既に定義したとおりである
。また、芳香族環はN、O又はSから選ばれた異種原子を一種以上含有すること
ができる。
特に好適なヒドロキシル含有化合物の例として、ヒドロキノン、ビスフェノー
ルA、4,4'-ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4'-チオジフェノール、4,4'-ス
ルホニルジフェノール、4,4'-ジヒドロキシジフェニルオキシド、4,4-ジヒドロ
キシベンゾフェノン、1,1-ビス(4-ヒドロキシ-フェニル)-1-フェニルエタン、3,
3',5,5'-テトラクロロビスフェノールA、3,3'-ジメトキシビスフェノールA、4
,4'-ジヒドロキシビフェニル、4,4'-ジヒドロキシ-α,α'-ジエチルスチルベン
、4,4'-ジヒドロキシ-α-メチルスチルベン、4,4'-ジヒドロキシベンズアニリド
、4,4'-ジヒドロキシ-2,2'-ジメチルアゾキシベンゼン、4,4'-ジヒドロキシ-α-
シアノスチルベン、ビス(4-ヒドロキシーフェニル)テレフタレート、N,N'-ビス(
4-ヒドロキシ-フェニル)テレフタレート、ビス(4'-ヒドロキシビフェニル)テレ
フタレート、4,4'-ジヒドロキシフェニルベンゾエート、ビス(4'-ヒドロキシフ
ェニル)-1,4-ベンゼンジイミン、4,4"-ジヒドロキシビフェニルベンゾエート、1
,4-ビス(4'-ヒドロキシ-フェニル-1'-カルボキサミド)ベンゼン、1,4-ビス(4'-
ヒドロキシ-フェニル-1'−カルボキシ)ベンゼン、4,4'-ビ
ス(4"-ヒドロキシ-フェニル-1"-カルボキシ)ビフェニル、又はこれらいずれかの
組合せが挙げられる。
特に好適なチオール含有化合物の例として、4,4'-ジチオジフェニルメタン、4
,4'-イソプロピリデンジチオフェノール、4,4'-ジチオ-α-メチルスチルベン、
又はこれらいずれかの組合せが挙げられる。
特に好適なカルボン酸含有化合物の例として、テレフタル酸、4,4'-ベンズア
ニリドジカルボン酸、4,4'-フェニルベンゾエートジカルボン酸、4,4'-スチルベ
ン-ジカルボン酸、又はこれらいずれかの組合せが挙げられる。
特に好適な第一アミンもしくはアミド含有化合物又は第二アミン基を含有する
化合物の例として、アニリン、4'-スルホンアミド-N-フェニルベンズアミド、4'
-スルホンアミド-N'-フェニル-4-クロロベンズアミド、4-アミノ-1-フェニルベ
ンゾエート、4-アミノ-N-フェニルベンズアミド、N-フェニル-4-アミノ-フェニ
ル-1-カルボキサミド、フェニル-4-アミノベンゾエート、ビフェニル-4-アミノ
ベンゾエート、1-フェニル-4'-アミノフェニルテレフタレート、N,N'-ジメチル-
4,4'-ジアミノスチルベン、又はこれらいずれかの組合せが挙げられる。
この先進反応は適当な促進触媒、例えばホスフィン、第四アンモニウム化合物
、ホスホニウム化合物、第三アミン又はこれらいずれかの組合せの存在下で行う
ことができる。特に好適な触媒の例として、エチルトリフェニルホスホニウムク
ロリド、エチルトリフェニルホスホニウムブロミド、エチルトリフェニルホスホ
ニウムヨージド、エチルトリフェニルホスホニウムジアセテート(エチルトリフ
ェニルホスホニウムアセテート酢酸複合体)、エチルトリフェニルホスホニウム
ホスフェート、テトラブチルホスホニウムクロリド、
テトラブチルホスホニウムブロミド、テトラブチルホスホニウムヨージド、テト
ラブチルホスホニウムジアセテート(テトラブチルホスホニウムアセテート酢酸
複合体)、ブチルトリフェニルホスホニウムテトラブロモビスフェネート、ブチ
ルトリフェニルホスホニウムビスフェネート、ブチルトリフェニルホスホニウム
ビカルボネート、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、テトラメチルアン
モニウムヒドロキシド、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルア
ミン、2-メチルイミダゾール、ベンジルジメチルアミン又はこれらいずれかの組
合せが挙げられる。これら触媒の多くは米国特許第 3,306,872号、同第 3,341,5
80号、同第 3,379,684号、同第 3,477,990号、同第 3,547,881号、同第 3,637,5
90号、同第 3,843,605号、同第 3,948,855号、同第 3,956,237号、同第 4,048,1
41号、同第 4,093,650号、同第 4,131,633号、同第 4,132,706号、同第 4,171,4
20号、同第 4,177,216号及び同第 4,366,295号明細書に記載されている。
促進触媒の量は、使用する個々の反応体及び触媒によって変わるが、一般に、
エポキシド又はチイラン含有化合物の重量に対して、0.03〜3重量%、好ましく
は0.03〜1.5 重量%、最も好ましくは0.05〜1.5 重量%の量で用いられる。この
先進反応は、大気圧下、過圧下又は減圧下、20℃〜260 ℃、好ましくは80℃〜24
0 ℃、より好ましくは100℃〜200 ℃の温度で行うことができる。この先進反応
を完結させるに必要な時間は、採用する温度に依存する。温度が高いほど必要な
時間は短くなり、反対に温度が低いほど必要な時間は長くなる。しかしながら、
一般に、5分〜24時間、好ましくは30分〜8時間、より好ましくは30分〜3時間
が適当である。
所望であれば、この先進反応を一種以上の溶媒の存在下で行うことができる。
このような溶媒の好適な例として、グリコールエーテ
ル、脂肪族及び芳香族系炭化水素、脂肪族エーテル、環状エーテル、ケトン、エ
ステル、アミド、又はこれらいずれかの組合せが挙げられる。特に好適な溶媒の
例として、トルエン、ベンゼン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブ
チルケトン、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールメ
チルエーテル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N-メチルピロリ
ジノン、テトラヒドロフラン、プロピレングリコールメチルエーテル、又はこれ
らいずれかの組合せが挙げられる。溶媒は、反応混合物の重量に対して0〜80重
量%、好ましくは20〜60重量%、より好ましくは30〜50重量%の量で使用するこ
とができる。
液晶性部分を一つ以上含有するエポキシ樹脂を、1分子当たり平均して1個を
上回る活性水素原子を有する化合物で先進反応させて、該樹脂を連鎖延長及び/
又は枝分かれさせる。メソゲン含有樹脂組成物の中には、液晶性を獲得するため
にこの連鎖延長及び/又は枝分かれ反応が必要なものがある。また、液晶性エポ
キシ樹脂の先進を利用して、個々の樹脂が液晶性である温度範囲を調節したり、
最終硬化の際の架橋度を制御することもできる。シアネート樹脂の合成
本発明において用いられるポリシアネートは、一つ以上の液晶性部分を含有す
る一種以上のポリフェノールを、-OH 基1個当たり化学量論量又は化学量論的に
若干過剰量(最大で20%過剰)のシアンハロゲン化物と、-OH 基1個当たり化
学量論量又は化学量論的に若干過剰量(最大で20%過剰)の塩基の存在下且つ
適当な溶媒の存在下で反応させることにより合成される。
反応温度は、−40℃〜60℃が使用可能であり、中でも−15℃〜10℃が好ましい
。反応時間は、例えば、使用される反応体、反応温度、用いられる溶媒又は反応
の規模によって幅広く異なりうるが、一般
には15分〜4時間であり、中でも30分〜90分の反応時間が好ましい。
好適なシアンハロゲン化物にはシアン塩化物及びシアン臭化物が含まれる。別
法として、John Wiley and Sons より出版されているOrganic Synthesis, Vol.
61,pp.35-68(1983)に記載されているMartinとBauer の方法を利用して、塩素
や臭素のようなハロゲンとシアン化ナトリウムとから必要なシアンハロゲン化物
を現場で合成することができる。
好適な塩基化合物には、無機塩基及び第三アミンの両方、例えば、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム、トリメチルアミン、トリエチルアミン、又はこれらい
ずれかの組合せが含まれる。塩基として最も好ましいものはトリエチルアミンで
ある。
シアノ化反応に好適な溶媒には、水、脂肪族ケトン、塩素化炭化水素、脂肪族
及び環状脂肪族エーテル及びジエーテル、芳香族炭化水素、又はこれらいずれか
の組合せが含まれる。溶媒として最も好ましいものはアセトン、メチルエチルケ
トン、塩化メチレン及びクロロホルムである。ビニルエステル樹脂の合成
本発明に用いられるビニルエステル樹脂は、一つ以上の液晶性部分を含有し、
必要に応じて一種以上のモノエポキシドを含有する一種以上のジグリシジルエー
テルを、一種以上の重合可能な一不飽和モノカルボン酸と反応させることにより
合成される。エポキシド基1個当たりの一不飽和モノカルボン酸のモル比は0.9
〜1.1 であることが好ましく、中でも0.95〜1.0 であることが最も好ましい。
ジグリシジルエーテル(必要に応じて一種以上のモノエポキシドを含有する)
との反応に好適な一不飽和モノカルボン酸の例として、アクリル酸、メタクリル
酸、シアノアクリル酸、クロトン酸、α-フェニルアクリル酸、メトキシアクリ
ル酸、α-4-フェニルフェニ
ルアクリル酸、フマル酸のモノメチルエステル、
又はこれらいずれかの組合せが挙げられる。
エポキシド基とカルボン酸基との間の反応は、一種以上の触媒の存在下で行う
ことが典型的である。触媒としては三塩化クロム及びトリス(ジメチルアミノエ
チル)フェノールが最も好ましい。触媒の適量は0.01〜2重量%であることがわ
かっており、中でも全反応体の0.1〜0.3 重量%の濃度が最も好ましい。
エポキシド基とカルボン酸基との間の反応にはゲル化(ビニルエステルの単独
重合及び/又はビニルエステルと未反応一不飽和モノカルボン酸との共重合)を
防止するために適当な反応抑制剤を使用することが典型的である。使用する全反
応体の重量に対して100〜500 ppmの濃度における空気で活性化されたヒドロキノ
ンが最も好ましい抑制剤である。
一つ以上の液晶性部分を含有するビニルエステル樹脂を製造するための反応は
、必要に応じて、他の反応体に対して不活性である一種以上の有機溶媒の中で行
われる。有機溶媒に関する用語「不活性」とは、ジグリシジルエーテル(必要に
応じて一種以上のモノエポキシドを含有する)、一不飽和モノカルボン酸又はそ
れらのビニルエステルとの間の反応が、採用された反応条件下で、起こったとし
てもほとんどないことを意味する。不活性有機溶媒の典型例は、メチルイソブチ
ルケトンのような脂肪族ケトン、ペルクロロエチレンのような塩素化脂肪族化合
物、及びトルエンのような芳香族炭化水素である。
ビニルエステルを製造するための反応は、50〜125 ℃、好ましく
は80〜120 ℃の温度で、90〜720 分、好ましくは 120〜420 分行うことが普通で
ある。反応時間と反応温度は実質的に変化しうるが、液晶性部分を含有する最も
好ましいビニルエステル組成物は、特別の転化率、典型的にはカルボン酸 1.5〜
0.25%まで反応させることにより得られる。
得られた一つ以上の液晶性部分を含有するビニルエステルは、一種以上の重合
可能なエチレン系不飽和モノマーと組み合わせることができる。ここで使用可能
な好適なエチレン系不飽和モノマーは、既知の多種多様な重合性ビニルモノマー
の中から選ぶことができる。このような好適なモノマーの例として、スチレン、
α-メチルスチレン、ビニルトルエン、ハロゲン化スチレン、t-ブチルスチレン
、ジビニルベンゼン又はこれらいずれかの組合せのようなモノマーを含むビニル
芳香族化合物が挙げられる。その他好適なモノマーとして、アクリル酸又はメタ
クリル酸のメチル、エチル、イソプロピル、オクチル、等のエステル;アクリル
酸、メタクリル酸及びクロトン酸のような酸性モノマー;アクリルアミド及びN-
アルキルアクリルアミドのようなアミド系モノマー;ジアリルフタレート、トリ
アリルイソシアヌレート、ジアリルマレエート、ジメタアリルフマレート又はこ
れらいずれかの組合せが挙げられる。
エチレン系不飽和を含む好ましい重合性モノマーの例として、スチレン、p-ビ
ニルトルエン、o-,m-,p-ハロスチレン、ビニルナフタレン、酢酸ビニル、各種
α-置換スチレン、各種ジ-、トリ-及びテトラ-ハロスチレン並びに飽和アルコー
ル系エステル及びヒドロキシアルキル系エステルのどちらも含むアクリル酸系、
メタクリル酸系及びクロトン酸系エステルが挙げられる。硬化剤及び/又は触媒
本発明において有用なエポキシ樹脂は、エポキシ又はチイラン樹
脂を硬化させるのに好適ないずれの硬化剤及び/又は硬化触媒によっても、例え
ば、第一及び第二ポリアミン、カルボン酸及びその無水物、芳香族ヒドロキシル
含有化合物、イミダゾール、グアニジン、ユリア-アルデヒド樹脂、メラミン-ア
ルデヒド樹脂、アルコキシル化ユリア-アルデヒド樹脂、アルコキシル化メラミ
ン-アルデヒド樹脂、脂肪族アミン、環式脂肪族アミン、芳香族アミン又はこれ
らいずれかの組合せによって硬化させることができる。特に好適な硬化剤の例と
して、メチレンジアニリン、ジシアンジアミド、エチレンジアミン、ジエチレン
トリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ユリア-ホ
ルムアルデヒド樹脂、メラミン-ホルムアルデヒド樹脂、メチロ-ル化ユリア-ホ
ルムアルデヒド樹脂、メチロ-ル化メラミン-ホルムアルデヒド樹脂、フェノール
-ホルムアルデヒドノボラック樹脂、クレゾール-ホルムアルデヒドノボラック樹
脂、スルファニルアミド、置換スルファニルアミド、ジアミノジフェニルスルホ
ン、ジエチルトルエンジアミン、t-ブチルトルエンジアミン、ビス-4-アミノシ
クロヘキシルメタン、イソホロンジアミン、ジアミノシクロヘキサン、ヘキサメ
チレンジアミン、ピペラジン、アミノエチルピペラジン、2,5-ジメチル-2,5-ヘ
キサンジアミン、1,12-ドデカンジアミン、トリス-3-アミノプロピルアミン又は
これらいずれかの組合せが挙げられる。
硬化剤及び/又は硬化触媒は、エポキシ又はチイラン樹脂を効果的に硬化させ
る量で用いられるが、これらの量は個々のエポキシ樹脂又はチイラン樹脂及び使
用する硬化剤及び/又は硬化触媒によって変わる。一般に、硬化剤の適量は、例
えば、樹脂1当量当たり硬化剤当量で0.05:1〜1.2:1、好ましくは0.90:1〜1.
1:1である。一般に、硬化触媒の適量は、例えば、エポキシ又はチイラン樹脂の
重量に対して 0.00001〜5、好ましくは 0.1〜1重量%である。
本発明において有用なチイラン樹脂は、チイラン部分の反応が起こるまでに「
自己硬化」、すなわち熱を受けることもできる。自己硬化は、チイラン環が最初
に開環して安定なスルフィドイオンを形成し、これが続いて別のチイラン環をア
ニオンとして攻撃することで起こると考えられる。一つ以上の液晶性部分を含有
するポリチイランを部分的に(B-段階)又は完全に(自己硬化)単独重合させて
液晶性を示す樹脂組成物を製造することは有益である。
本発明において有用なポリシアネートは、必要に応じて適当な触媒を存在させ
て、50℃〜400 ℃、好ましくは100℃〜250 ℃に加熱することによって硬化させ
ることができる。好適な触媒の例として、酸、塩基、塩、窒素化合物及びリン化
合物、例えば、AlCl3、BF3、FeCl3、TiCl4、ZnCl2、SnCl4のようなルイス酸;HC
l、H3PO4のようなプロトン酸;フェノール、p-ニトロフェノール、ピロカテコー
ル、ジヒドロキシナフタレンのような芳香族ヒドロキシ化合物;水酸化ナトリウ
ム、ナトリウムメチラート、ナトリウムフェノラート、トリメチルアミン、トリ
エチルアミン、トリブチルアミン、ジアザビシクロ-(2.2.2)-オクタン、キノリ
ン、イソキノリン、テトラヒドロイソキノリン、テトラエチルアンモニウムクロ
リド、ピリジン-N-オキシド、トリブチルホスフィン、オクタン酸亜鉛、オクタ
ン酸錫、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、アセチルアセトン酸コバルト、
又はこれらいずれかの組合せが挙げられる。また、触媒としては金属キレート、
例えば、遷移金属と二座又は三座配位子とのキレート、具体的には鉄、コバルト
、亜鉛、銅、マンガン、ジルコニウム、チタン、バナジウム、アルミニウム及び
マグネシウムのキレートも好適である。これら及びその他の使用可能な触媒につ
いては米国特許第 3,694,410号及び同第 4,094,852号明細書に記載されている。
最も好ましい触媒はナフテン酸コバルト、オクタン
酸コバルト及びアセチルアセトン酸コバルトである。使用する場合の触媒使用量
は、硬化すべきポリシアネートの構造や硬化時間に依存する。一般には 0.001〜
2重量%の触媒濃度が好ましい。
本発明において用いられるポリシアネートのB-段階化又は予備重合は、より低
い温度及び/又はより短い硬化時間を使用することによって行うことができる。
このように形成されたB-段階(予備硬化)シアネート樹脂を、B-段階化(予備硬
化)直後に又はその後に該温度及び/又は時間を増加させることにより硬化させ
ることができる。
本発明において有用なビニルエステル組成物は、必要に応じてラジカル生成触
媒を存在させ、加熱及び/又は加圧することによって硬化させることができる。
硬化用として使用可能な触媒は、過酸化物系触媒、例えば過酸化ベンゾイル、過
酸化ラウロイル、t-ブチルヒドロペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシ
ド、t-ブチルペルベンゾエート、過硫酸カリウム又はこれらいずれかの組合せで
あることが好ましい。触媒の添加量は 0.1〜2重量%、好ましくは0.75〜1.5 重
量%である。使用温度は相当に広い範囲で変化しうるが、一般には20℃〜250 ℃
の範囲にある。ビニルエステル組成物中に存在する液晶性部分に関連する相転移
温度及び相対溶解度に依存して、硬化製品の分子異方性を高めるために高温で硬
化することが特に望ましい場合もある。
さらに、ナフテン酸鉛、ナフテン酸コバルト、N,N-ジメチルアニリン又はこれ
らいずれかの組合せのような促進剤を、一般に0.01〜2重量%、好ましくは0.05
〜0.5 重量%の濃度範囲で添加することによってビニルエステル組成物をさらに
迅速に硬化させることができる。モノエポキシド及びモノチイラン化合物
本発明において有用なエポキシ又はチイラン樹脂のための反応性希釈剤として
モノチイラン及び/又はモノエポキシド化合物を使用することができる。このモ
ノエポキシド及び/又はモノチイラン化合物は、一つ以上の液晶性部分を含有し
てもしなくてもよい。本発明において反応性希釈剤として使用可能な液晶性単位
を含有するモノチイラン化合物の合成については、Scherowsky及びGay のLiquid Crystals
,5,4,1253(1989)に教示されている。
モノエポキシド及び/又はモノチイラン化合物は、該組成物を使用する個々の
目的に望まれる粘度や反応性のプロフィールを該組成物に付与する量で用いられ
る。一般に、モノエポキシド及び/又はモノチイラン化合物の量は、エポキシド
基及び/又はチイラン基を含有するすべての化合物の合計重量に対して1〜99重
量%、好ましくは5〜40重量%である。非液晶性熱硬化性樹脂
本発明に用いられる液晶性熱硬化性樹脂は、非液晶性熱硬化性樹脂によって付
与される特性を改良する目的で使用することもできる。一般に、液晶性熱硬化性
樹脂の適量は、組み合わされた樹脂の全重量に対して1〜99重量%、より好適に
は10〜80重量%、最も好適には10〜50重量%である。
該液晶性樹脂との配合が可能な好適なエポキシ樹脂には、1分子当たり平均し
て1個を上回るビシナルエポキシド基を含有するいずれの化合物でも含まれる。
このようなエポキシ樹脂の好適な例として、芳香族エポキシド、脂肪族エポキシ
ド、環式脂肪族エポキシド、又はこれらいずれかの組合せが挙げられる。特に好
適なエポキシ樹脂として、(a)1分子当たり1個以上の芳香族環及び2個以上の
芳香族ヒドロキシル基を含有する化合物、(b)アルキレンオキシド又はモノグリ
シジルエーテル化合物と(a)の化合物とを反応させて得
られる化合物、(c)エーテル酸素原子を含有するか又は含有しない脂肪族ジオー
ル、或いは(d)1分子当たり1個を上回るヒドロキシル基を含有する環式脂肪族
化合物、のジグリシジルエーテルが含まれる。
特に好適なエポキシ樹脂の例として、(a)レソルシノール、ビスフェノールA
、4,4'-ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4'-ジヒドロキシベンゾフェノン、3,
3',5,5-テトラブロモビスフェノールA、4,4-チオジフェノール、4,4'-スルホニ
ルジフェノール、4,4'-ジヒドロキシジフェニルオキシド、1,1-ビス(4-ヒドロキ
シフェニル)-1-フェニルエタン、3,3',5,5-テトラクロロビスフェノールA、3,3
'-ジメトキシビスフェノールA、4,4'-ジヒドロキシ-α-メチルスチルベン、4,4
'-ジヒドロキシベンズアニリド、4,4'-ジヒドロキシアゾキシベンゼン、4,4'-ジ
ヒドロキシビフェニルのジグリシジルエーテル;(b)トリス(ヒドロキシフェニ
ル)メタンのトリグリシジルエーテル;(c)フェノール又はアルキルもしくはハ
ロゲン置換フェノール-アルデヒド酸触媒縮合生成物(ノボラック樹脂)のポリ
グリシジルエーテル;ジシクロペンタジエン又はそのオリゴマー及びフェノール
又はアルキルもしくはハロゲン置換フェノールの縮合生成物のポリグリシジルエ
ーテル;(d)上記ジ-及びポリ-グリシジルエーテルと、例えば、ビスフェノールA
(4,4'-イソプロピリデンジフェノール)、o-,m-,p-ジヒドロキシベンゼン、2,4
-ジメチルレソルシノール、4,4'-ジヒドロキシビフェニル、4,4'-ジヒドロキシ-
α-メチルスチルベン、4,4'-ジヒドロキシベンズアニリド、4-クロロレソルシノ
ール、テトラメチルヒドロキノン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、1,
1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1-フェニルエタン、4,4'-ジヒドロキシジフェニ
ルエーテル、3,3',5,5−テトラメチルジヒドロキシジフェニルエー
テル、3,3',5,5'-ジクロロジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4'-ビス-(p-ヒ
ドロキシフェニルイソプロピル)ジフェニルエーテル、4,4'-ビス-(p-ヒドロキシ
フェノキシ)ベンゼン、4,4'-ビス-(p-ヒドロキシフェノキシ)ジフェニルエーテ
ル、4,4'-ビス(4(4-ヒドロキシフェノキシ)フェニルスルホン)ジフェニルエー
テル、4,4'-ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4'-ジヒドロキシジフェニルス
ルフィド、4,4'-ジヒドロキシジフェニルジスルフィド、2,2-ジヒドロキシジフ
ェニルスルホン、4,4'-ジヒドロキシジフェニルメタン、1,1-ビス(p-ヒドロキシ
フェニル)シクロヘキサン、4,4'-ジヒドロキシベンゾフェノン、フロログルシノ
ール、ピロガロール、2,2',5,5'-テトラヒドロキシジフェニルスルホン、トリス
(ヒドロキシフェニル)メタン、ジシクロペンタジエンジフェノール、トリシク
ロペンタジエンジフェノールをはじめとする芳香族ジヒドロキシルもしくはポリ
ヒドロキシル又はカルボン酸含有化合物との先進反応生成物;及び(e)上記エポ
キシ樹脂のいずれかの組合せ、が挙げられる。
液晶性樹脂との配合が可能な好適なシアネート樹脂には、1分子当たり平均し
て1個を上回るシアネート基を含有するいずれの化合物でも含まれる。このよう
なシアネート樹脂の好適な例として、芳香族ジシアネート及びポリシアネート並
びに芳香族シアネートを末端基とするオリゴマー及びポリマーが挙げられる。特
に好適なシアネート樹脂は芳香族ジシアネートである。
特に好適なシアネート樹脂の例として、メソゲンを含まないエポキシ樹脂を合
成するために用いられる上記のメソゲン不在ジフェノールのジシアネートが挙げ
られる。
液晶性樹脂との配合が可能な好適なビニルエステル樹脂には、1分子当たり平
均して1個を上回るビニルエステル基を含有するいず
れの化合物でも含まれる。このような好適なビニルエステル樹脂の例として、芳
香族エポキシド、脂肪族エポキシド、環式脂肪族エポキシド又はこれらいずれか
の組合せのビニルエステルが挙げられる。特に好適なビニルエステルとして、(a
)1分子当たり1個以上の芳香族環及び2個以上の芳香族ヒドロキシル基を含有
する化合物、(b)アルキレンオキシド又はモノグリシジルエーテル化合物と(a)の
化合物とを反応させて得られる化合物、(c)エーテル酸素原子を含有するか又は
含有しない脂肪族ジオール、或いは(d)1分子当たり1個を上回るヒドロキシル
基を含有する環式脂肪族化合物、のジグリシジルエーテルのビニルエステルが挙
げられる。
特に好適なビニルエステルの例として、上記メソゲン不在ジグリシジルエーテ
ル、トリグリシジルエーテル、ポリグリシジルエーテル並びに上記ジ-及びポリ-
グリシジルエーテルの先進反応生成物のビニルエステル樹脂が挙げられる。連続強化材料
本発明において使用可能な連続強化材料には、織物、マット、モノフィラメン
ト、マルチフィラメント、一方向繊維またはこれらいずれかの組合せが含まれる
。好適な強化材料として、ガラス、セラミックス、ナイロン、レーヨン、コット
ン、アラミド、カーボン(グラファイト)、炭化ケイ素、ポリベンゾオキサゾー
ル、ポリアルキレンテレフタレートのようなポリエステル、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、酸化アルミニウム、ボロン、又はこれらいずれかの組合せもしくは
ハイブリッドが挙げられる。
本発明の複合材において用いられる連続強化繊維の量は、使用する熱硬化性樹
脂の種類、使用する硬化剤及び/又は触媒の種類、使用する処理温度、使用する
連続強化繊維の種類、使用する処理方法及びその他既知の変数によって幅広く変
化しうる。一般に、連続強
化繊維は、全複合材の重量に対して好適には 0.5〜90重量%、より好適には1〜
80重量%、最も好適には2〜70重量%の量で使用することができる。複合材処理法
連続繊維強化材と液晶性熱硬化樹脂とを組み合わせる方法は、連続繊維強化複
合材を製造するための当該技術分野で周知の方法である。これらの方法は、マト
リックス材料として用いられる熱硬化性樹脂と必要な硬化剤及び/又は触媒とを
溶融状態で、粉末として、或いは一種以上の溶媒中で、連続繊維強化材に適用す
る方法に基づくものである。この処理工程では、連続繊維強化材と硬化性液晶性
熱硬化樹脂系とを組み合わせることで、直後に使用し又は保存した後に使用して
所望の部品を形成することができる、すぐに成形が可能なシート(プレプレグ)
を製造することができる。別法として、樹脂トランスファー成形、フィラメント
巻き成形及び引抜成形において行われるように、連続繊維強化材と組み合わせる
際に最終複合材の成形を行うこともできる。これらの加工処理法については、Ma
rcel Dekker 社、New York,New York(1988)の刊行物である、Fiber-Reinforc ed Composites:Materials,Manufacturing,and Design
(P.K.Mallick,Chapt
er 5,pp.319-379)に詳細に教示されている。
連続繊維強化材との組合せの後に、又は必要によりその前に、硬化性液晶性熱
硬化樹脂系を、硬化時に液晶性が存在するか又は発生する温度に加熱する。マト
リックス樹脂の液晶状態が得られたら、加圧することにより連続繊維強化材の隙
間に流動誘発剪断を発生させる。複合材を団結させる際に加圧を可能にする処理
法として、オートクレーブ法及び/又は減圧バッグ成形法、圧縮成形法、樹脂ト
ランスファー成形法及びローリング法が含まれる。これら処理法に
ついては上記の刊行物Fiber-Reinforced Composites:Materials,Manufacturin g,and Design
に詳細に教示されている。流動誘発剪断応力を発生させた後、マ
トリックス樹脂において生じた配向状態で熱硬化を固定させるために十分な時間
を設ける。その後、必要であれば、複合材の温度を上昇させてマトリックス樹脂
の硬化を完結させてもよい。
マトリックス樹脂の配向を誘発させるために圧力をかける際の温度は、主とし
て使用する硬化性液晶性熱硬化樹脂系に依存する。典型的に使用される温度は、
好ましくは20℃〜260 ℃、より好ましくは60℃〜240 ℃、最も好ましくは80℃〜
200 ℃である。
硬化性液晶性熱硬化樹脂系の種類によっては、流動誘発剪断応力を加える前に
特定の温度で保持することが必要となるものがある。これは、樹脂のB-段階化(
予備重合)の結果起こる液晶性を発生させるために必要である。液晶性を発生さ
せるために典型的には存在するB-段階化の時間は、使用する個々の硬化性液晶性
熱硬化樹脂系及び使用する温度によって1分〜24時間の範囲をとりうる。
マトリックス樹脂の流動誘発剪断応力を発生させるのに必要な圧力は、主とし
て硬化性液晶性熱硬化樹脂系のそれが液晶状態にあるときの粘度に依存する。典
型的に用いられる圧力は、好ましくは0〜約6894.8 N/cm2(0〜10,000 psig)、
より好ましくは約0.7〜約689.5 N/cm2(1〜1000 psig)、最も好ましくは約3.4〜
約68.9 N/cm2(5〜100 psig)の範囲にある。別の配向法
複合材を処理及び/又は硬化して部品にする際に、内部に含まれ又は発生され
且つ連続繊維強化材の隙間に流動誘発剪断応力によって配向された液晶部分の配
向をさらに配向又は調整する目的で、電場及び/又は磁場を印加することができ
る。これらの方法の具体例
として、Finkelmannら(Macromol.Chem.,Volume 180,pp.803-806,March 197
9)は、電場の中で柔軟性スペーサーを介して主鎖から脱離した液晶性側鎖を含有
する温度転移形メタクリレートコポリマーにおいて配向を誘発させている。磁場
の中で柔軟性スペーサーを介してポリマー主鎖から脱離した液晶性側鎖基の配向
についてはRoth及びKruecke(Macromol.Chem.,Volume 187,pp.2655-2662,No
vember 1986)に例示されている。液晶性主鎖含有ポリマーの磁場誘発配向につい
てはMooreら(ACS Polymeric Material Sciences and Engineering, Volume 52,
pp.84-86,April-May 1985)に例示されている。低分子量液晶性化合物の磁場及
び電場配向についてはW.R.Krigbaum(Polymer Liquid Crystals,pp.275-309
,1982,Academic Press,Inc.)に記載されている。他の成分
本発明において用いられる液晶性熱硬化樹脂並びに必要な硬化剤及び/又は硬
化触媒には、溶媒もしくは希釈剤、充填剤、顔料、染料、流動調整剤、増粘剤、
強化剤、離型剤、湿潤剤、安定剤、難燃剤、界面活性剤又はこれらいずれかの組
合せを配合することができる。
これらの添加剤は作用的に等価な量で添加される。例えば、顔料及び/又は染
料は、組成物に所望の色を付与する量で添加される。しかしながら、これらは全
配合組成物の重量に対して0〜20重量%、より好適には 0.5〜5重量%、最も好
適には 0.5〜3重量%の量で使用することが適当である。
本発明において使用可能な溶媒又は希釈剤の例として、炭化水素、ケトン、グ
リコールエーテル、脂肪族エーテル、環状エーテル、エステル、アミド又はこれ
らいずれかの組合せが挙げられる。特に好適な溶媒又は希釈剤の例として、トル
エン、ベンゼン、キシレン、
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチレングリコールメチルエ
ーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジメチルホルムアミド、N-メ
チルピロリジノン、テトラヒドロフラン、プロピレングリコールメチルエーテル
又はこれらいずれかの組合せが挙げられる。
増粘剤、流動調整剤、等の調整剤は、全組成物重量に対して0〜10重量%、よ
り好適には 0.5〜6重量%、最も好適には 0.5〜4重量%の量で好適に使用する
ことができる。
本発明において使用可能な好適な充填剤の例として、無機酸化物、セラミック
微小球、プラスチック微小球、ガラス微小球、無機ウィスカー、CaCO3、又はこ
れらいずれかの組合せが挙げられる。
充填剤は、使用する液晶性熱硬化樹脂並びに必要な硬化剤及び/又は硬化触媒
の重量に対して好適には0〜50重量%、より好適には1〜25重量%、最も好適に
は2〜10重量%の量で使用することができる。
以下の実施例は本発明を例示するものであって、その範囲を限定するものと解
釈すべきものではまったくない。
実施例1
A: 4,4'-ジヒドロキシ-α-メチルスチルベンの合成
フェノール(752.8グラム、8.0 モル)、クロロアセトン(384.77グラム、クロロ
アセトンとして4.0 モル)及び塩化メチレン(600グラム)を反応器に入れ、窒素雰
囲気下、-10 ℃に冷却した。使用したクロロアセトンはクロロアセトン96.25%、
アセトン0.05%、1,1-ジクロロアセトン3.05% 及び酸化メシチル0.60% を含有す
る市販グレードとした。攪拌下の溶液に濃硫酸(392.32 グラム、4.0 モル)を40
分かけて滴下し、反応温度を-11℃〜-9℃の範囲に維持した。温度範囲-11℃〜-9
℃の後反応が150分経過した後、その粘性の高
いオレンジ色の油状生成物に氷冷した脱イオン水(1000 ミリリットル)を混合し
た。その油状生成物を分離した後、第二部分(1000 ミリリットル)の脱イオン水
で洗浄し、次いで第三部分(1000 ミリリットル)の脱イオン水で洗浄した。分離
後、回収した油状生成物を一対の2リットルビーカーにエタノール(250ミリリッ
トル)と一緒に添加して攪拌し、溶液を得た。攪拌下の溶液に脱イオン水(250ミ
リリットル)を加え、そして加熱を開始した。混合物の温度が上昇するにつれ、
攪拌下の溶液が透明になり始めた。透明化が認められた毎に、曇りを発生させる
に十分量の脱イオン水を添加し、次いで混合と加熱を継続した。温度が90℃に達
すると、白色の板状結晶が大量に析出し、その後その析出生成物はすぐに凝集し
て油状物となった。水層をデカントして油層を回収し、そしてエタノール(250ミ
リリットル)を添加した。加熱を開始しながら、その攪拌下の溶液に、透明化が
認められた毎に、曇りを発生させるに十分量の脱イオン水を再度添加した。温度
が70℃に達すると、再び白色の板状結晶が大量に析出した。今度は、攪拌を停止
し、どちらのビーカーにもこれを満たすに十分量の脱イオン水を加え、そしてそ
の結晶性スラリーを4℃に冷却し、その中で16時間保持した。冷却した結晶性ス
ラリーを濾過してその結晶性生成物を回収し、脱イオン水(1000 ミリリットル)
と一緒にビーカーに加え、次いで100 ℃に加熱しなから攪拌した。攪拌下のスラ
リーを 100℃で30分間維持した後、濾過により結晶性生成物を回収し、次いで再
度脱イオン水(1000 ミリリットル)と組み合わせて 100℃に加熱しながら攪拌し
た。濾過により結晶性生成物を回収し、次いで 100℃、5mmHg の真空炉内で乾燥
して 478.8グラムの一定重量を得た。プロトン核磁気共鳴分光分析法と赤外分光
光度分析法により生成物の構造を確認した。
B: 4,4'-ジヒドロキシ-α-メチルスチルベンのエポキシ化
上記A項に記載した方法で合成された4,4'-ジヒドロキシ-α-メチルスチルベ
ン(452.58グラム、ヒドロキシル当量4.0)、エピクロロヒドリン(1850.6 グラム
、20.0モル)、脱イオン水(160.9グラム、使用したエピクロロヒドリンの 8.0重
量%)及びイソプロパノール(996.5グラム、使用したエピクロロヒドリンの35重
量%)を反応器に加え、窒素雰囲気下、攪拌しながら50℃に加熱した。反応温度
が50℃になったら、脱イオン水(576グラム)に溶解させた水酸化ナトリウム(144.
0グラム、3.60モル)を反応器に45分かけて滴下して、59℃に至る発熱反応による
温度上昇を誘発させ、その後は55℃の温度を維持した。水酸化ナトリウム水溶液
の添加を完了して10分後、攪拌を停止し、そして反応混合物から分離した水層を
ピペットで除去して廃棄した。攪拌を再開し、そして最初の水酸化ナトリウム水
溶液の添加完了時から合計して20分後に、脱イオン水(256.0グラム)に溶解させ
た水酸化ナトリウム(64.0 グラム、1.60モル)の第二溶液を55℃の反応温度を維
持しながら20分かけて反応器に添加した。この水酸化ナトリウムの添加完了時か
ら15分後に、回収した反応混合物を分離漏斗に入れ、そして1500ミリリットルの
脱イオン水で洗浄した。分離した有機層に二回目の洗浄(1500 ミリリットルの脱
イオン水)を施し、これを回収し、その後最終条件を150℃、1mmHgとする真空下
で120分間のロータリーエバポレーターによる処理を施した。回収された生成物(
651.0グラム)は、エポキシ当量(EEW)180.51を示すオフホワイト色の結晶性固体
であった。
C: 4,4'-ジヒドロキシ-α-メチルスチルベンのジグリシジルエーテルの液晶性 についての特性決定
上記Bで得られたジグリシジルエーテルのクロス偏光顕微鏡による分析を、加
熱速度10℃/分を用いてプログラム可能な高温ステージを具備した顕微鏡によっ
て実施した。結果を表1に報告する。
このジグリシジルエーテルはネマティック組織を示す単変液晶であることが顕
微鏡分析で観測された。
D: 4,4'-ジヒドロキシ-α-メチルスチルベン及びスルファニルアミドのジグリ シジルエーテルに基づく一方向グラファイトプレプレグテープの製造
上記Bで得られた4,4'-ジヒドロキシ-α-メチルスチルベンのジグリシジルエ
ーテルの一部(500.0グラム)を金属容器に移した後、160℃に予備加熱しておい
た炉の中に配置した。樹脂の溶融が完了した後、その金属容器を炉から取り出し
て加熱マントル内に配置し、150 ℃の加熱を維持した。樹脂温度 150℃において
、攪拌し且つ温度 150℃を維持しながらスルファニルアミド(119.2グラム)を加
えて樹脂中に溶解させた。樹脂とスルファニルアミドの均質配合物が得られたら
、加熱マントルから金属容器を取り出して一部を周囲温度(23 ℃)の水浴中に浸
漬することにより該配合物を90℃まで冷却させた。この硬化段階では半透明液体
である樹脂配合物を、続いて一方向グラファイトプレプレグ製造用に設計された
装置に移した。プレプレグ装置の運転条件は、ニップ温度92℃、定盤温度139 ℃
と
した。このテープを製造するために用いた一方向グラファイト繊維は Amoco Per
formance Products 社製のT-650/42 12K(サイジング処理前)とした。得られた
一方向グラファイトテープ(約32cm×約12.8m(1.05フィート×42フィート))は、4
,4'-ジヒドロキシ-α-メチルスチルベン/スルファニルアミドのジグリシジルエ
ーテルを平均して30.6重量%含有した。このプレプレグを厚紙上の剥離紙の間に
集めた後、複合材を製造するために用いる前に-17.8℃(0°F)で保存しておいた
。
E:剪断誘発配向の受けやすさを測定するための4,4'-ジヒドロキシ-α-メチル スチルベンとスルファニルアミドのジグリシジルエーテルの硬化中の顕微鏡観察
上記Bで得られた4,4'-ジヒドロキシ-α-メチルスチルベンのジグリシジルエ
ーテルの一部(4.7970 グラム)を、150 ℃に予備加熱しておいた炉の中に配置し
た。樹脂の溶融が完了した後、樹脂にスルファニルアミド(1.1441 グラム)を加
え、そしてその混合物を周期的に攪拌した。18分後、すべてのスルファニルアミ
ドが溶解し、次いでその均質樹脂配合物を炉から取り出して室温(23 ℃)まで冷
却させた。樹脂及び硬化剤の配合物の試料を二枚のスライドガラス間に配置した
後、129.4 ℃に予備加熱しておいた高温ステージの中に挿入した。高温ステージ
上の配合物を、クロス偏光源を用い、光学顕微鏡で倍率70×で観察した。配合物
を高温ステージ上に配置した後、複屈折のない半透明液体が観察された。129.4
℃で保持すると、23分後に複屈折相が発生した。129.4 ℃で加熱を続けると、複
屈折相が増加し、液晶組織が観察された。129.4 ℃で45分後、底部のスライドガ
ラスを固定しながら上部のスライドガラスを一方向に移動させることにより樹脂
に剪断応力を加えた。この剪断応力を加えた後、液晶領域の一方向配向が観測さ
れた。
F:一方向グラファイトプレプレグテープからの配向複合材の加工
上記Dで得られた一方向グラファイトプレプレグテープを手で8層に積層し、
約30.5cm×約30.5cm(12インチ×12インチ)の複合材を製造した。次いで、その
正方形の積層体を、オートクレーブ内で処理するための真空装置においてバッグ
成形した。こうして製造された真空バッグ積層体の形状は、フルオロ系剥離フィ
ルムの間に挟まれ且つその内部に粘着テープダムで維持され、次いで組織化され
た剥離プライの層の間に挟まれた積層体から成った。集成体の最上部になるよう
に設計された表面模様付き剥離プライの層の上に当て板を、次いでブリーザーを
、さらに次いで外部ナイロンバギングを載せた。底部のフルオロ系剥離フィルム
と表面模様付き剥離プライ層との接合部にブリーダーを配置した。以下のパラメ
ーターを記載順に使用してオートクレーブ内で真空バッグ成形複合材を処理し硬
化させた。
248°F(120 ℃)における保持時間45分は、この特定の硬化性樹脂が、グラフ
ァイト繊維間の隙間に強制流入させることにより起こる剪断応力による後の配向
にとって十分な液晶性を実現するための最短時間であった。
G:機械特性の試験
上記Fで製造された複合材から得られた試験片の曲げ特性を、インストロン装
置と標準試験法(ASTM D 790)により測定した。複合材から調製した試験片は、長
手(繊維)方向のものと、横断(繊維に
垂直な)方向のものとした。これらの結果を表2に示す。
比較実験A最小の配向を示す一方向グラファイトプレプレグテープからの複合材の加工
実施例1−Fの方法と材料を用いて手で積層することにより複合材を製造した
。以下のパラメーターを記載順に使用してオートクレーブ内で真空バッグ成形複
合材を処理し硬化させた。
実施例1−Fの方法を用い、複合材から得られた試験片の曲げ特性を測定した
。複合材から調製した試験片は、長手(繊維)方向のものと、横断(繊維に垂直
な)方向のものとした。これらの結果を表2に示す。
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フロントページの続き
(72)発明者 ヘフナー,ロバート イー.,ジュニア
アメリカ合衆国,テキサス 77566,レイ
ク ジャクソン,ウェッジウッド 109