JPH09500645A - 制御放出タクリン薬物送達システムおよびその製造方法 - Google Patents

制御放出タクリン薬物送達システムおよびその製造方法

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JPH09500645A JP7505224A JP50522494A JPH09500645A JP H09500645 A JPH09500645 A JP H09500645A JP 7505224 A JP7505224 A JP 7505224A JP 50522494 A JP50522494 A JP 50522494A JP H09500645 A JPH09500645 A JP H09500645A
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ヤン,エス・シヤーリー
ボイスバート,ウエイン
ムハマツド,ナウマン・エイ
ワイス,ジエイ
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ワーナー−ランバート・コンパニー
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、速放性組成物および徐放性組成物からなる制御放出タクリン薬物送達システムに関し、(1)速放性組成物の重量%で:(A)(a)約25%〜約75%の量のノンパレイユ・シード;(b)約10%〜約80%の量のタクリン;および(c)約1%〜約10%の量の結合剤;および(B)(a)約6%までの量のシール剤、および(b)約5%までの量の第一可塑剤からなる速放性ペレット上のシール層からなる速放性組成物;および(2)徐放性組成物の重量%で、(A)速放性組成物;および(B)(a)約40%〜約90%の量の水不溶性重合体;(b)約10%までの量の水溶性重合体;および(c)約10%までの量の第二可塑剤からなる速放性組成物上の徐放性層からなる徐放性組成物であり、而して徐放性層および速放性組成物は徐放性組成物中にそれぞれ約1:9乃至約4:6の重量比で存在し、また速放性組成物および徐放性組成物は薬物送達システム中にそれぞれ約0.01:1乃至約1:1の重量比で存在している。

Description

【発明の詳細な説明】 制御放出タクリン薬物送達システム およびその製造方法 技術分野 本発明は、制御放出タクリン薬物送達システムに関する。新規な薬物送達シス テムは速放性組成物(immediate release composition)および徐放性組成物(sust ained release composition)を含有している。治療上有効な量の薬物送達システ ムは、薬物添加制御放出組成物を調製するのに種々の製薬上許容し得る担体で利 用することができる。本発明はまたこれらの薬物送達システムおよびこのシステ ムを使用し得る薬物添加制御放出組成物を製造し、使用する方法に関する。 背景技術 タクリン(tacrine)(1,2,3,4−テトラヒドロ−9−アクリジンアミン塩酸塩 )は、術後鎮静の拮抗およびスクシニルコリンの筋弛緩効果の延長のため、臨床 麻酔学で呼吸興奮薬として用いられる可逆性コリンエステラーゼ阻害剤である。 近年、タクリンは認識賦活剤であって、アルツハイマー患者のいくつかの症状を 改善することが判明した。タクリンの吸収および排除半減期から、薬物は急速に 吸収、排除され、治療上の血中濃度を維持するのにひんぱんな投与が必要なこと がわかった。アルツハイマー病の治療は時間がかかるので、ひんぱんにタクリン を投与するのは不便であり、また血中濃度が巾広く変動することによって不利な 効果を生じることもある。従って、薬物を長期にわたって均一に放出する制御放 出形態のタクリンが通常の剤形よりも一層有利である。 薬物を連続して、あるいは定時に放出するための徐放性組成物は当該分野で周 知である。一般に、この組成物は、胃および(または)小腸で選択された時間の 間分解または崩壊に対する抵抗性を有する被覆材料と混和するか、またはそれで 被覆された薬物粒子(通常、1日2、3回に分けた用量で投与)を含有している 。薬物の放出は、被覆材料の性状および厚みに基づいて、浸出、侵食、破壊、拡 散または類似の作用により生じる。 徐放性組成物の分野でよくみられる問題は、多くの水混和性薬物は経口剤形を 摂取した後初めの1〜2時間の間に体内に放出されるかまたは急増する傾向を有 していることである。この問題は徐放性組成物が食物と共に投与されるときに特 に急激である。 Mehta等に付与された米国特許第4,728,512号には、薬物を含む3種の球状体を 含む治療組成物が開示されている。第1のタイプの球状体は被覆されてなく、速 放性形態となり、第2のタイプの球状体はpH感受性材料例えばメタクリル酸とメ タクリル酸メチルエステルとの共重合体またはポリビニルアセテートフタレート で被覆され、また第3のタイプの球状体はヒドロキシプロピルメチルセルロース およびカルボキシメチルセルロースまたはでんぷんグリコール酸ナトリウムを含 むヒドロキシプロピルメチルセルロースからなる群から選択される下塗およびポ リメタクリル酸エステルを基とする中性重合体の上塗を有するpH非依存性材料で 被覆されている。 上述した徐放性組成物は徐放活性をある程度改善しているが、上述の組成物は 完全に満足すべきものはない。本発明によれば、これまで知られていた製品の不 利な特性を伴わない、改善された制御放出タクリン薬物投与システムが提供され る。本発明によれば、これ らの改善された制御放出薬物送達システムおよびそれを用いることができる薬物 添加徐放性組成物も提供される。 発明の開示 本発明は速放性組成物および徐放性組成物からなる制御放出タクリン薬物送達 システムに関し:該システムは、 (1) 速放性組成物の重量%で: (A) 次のものからなる速放性ペレット: (a) 約25%〜約75%量のノンパレイユ・シード(nonpareil seeds); (b) 約10%〜約80%量のタクリン;および (c) 約1%〜約10%量の結合剤;および (B) 次のものからなる速放性ペレット上のシール層: (a) 約6%までの量のシール剤、および (b) 約5%までの量の第一可塑剤 からなる速放性組成物;ならびに (2) 徐放性組成物の重量%で、 (A) 速放性組成物;および (B) 次のものからなる速放性組成物上の徐放性層; (a) 約40%〜約90%量の水不溶性重合体; (b) 約10%までの量の水溶性重合体;および (c) 約10%までの量の第二可塑剤 からなる徐放性組成物 からなり、而して徐放性層および速放性組成物は徐放性組成物中にそれぞれ約1 :9乃至約4:6の重量比で存在し、また速放性組成物および徐放性組成物は薬 物送達システム中にそれぞれ約0.01:1 乃至約1:1の重量比で存在している。本発明は更にまたこれらの薬物送達シス テムおよびそれらを使用し得る薬物添加制御放出組成物を製造、使用する方法に 関する。 図面の簡単な説明 第1図は、タクリンCRカプセル(CR1、CR3、CR4およびCR5)を健康な年配のボ ランティアに40mg単一用量で投与した後の平均血漿タクリン濃度を示すグラフで ある。上部:半対数スケール;下部:一次スケール。 第2図は、タクリンCRカプセル(CR1、CR3、CR4およびCR5)を健康な年配のボ ランティアに40mg単一用量で投与した後の平均血漿1−OHタクリン濃度を示すグ ラフである。上部:半対数スケール;下部:一次スケール。 第3図は、タクリンCRカプセル(CR1、CR2、CR6およびCR7)を健康な年配のボ ランティアに40mg単一用量で投与した後の平均血漿1−OHタクリン濃度を示すグ ラフである。上部:半対数スケール;下部:一次スケール。 第4図は、タクリンCRカプセル(CR1、CR2、CR6およびCR7)を健康な年配のボ ランティアに40mg単一用量で投与した後の平均血漿1−OHタクリン濃度を示すグ ラフである。上部:半対数スケール;下部:一次スケール。 第5図は、タクリンCRカプセル(CR1、CR3、CR4およびCR5)を健康な年配のボ ランティアに40mg単一用量で投与した後の平均血漿1−OHタクリン濃度を示すグ ラフである。上部:一次スケール;下部:半対数スケール。 第6図は、7種のタクリン処方物(CR1、CR2、CR4、CR5、CR8、 CR9およびCR10)について、時間の関数としての溶解用量の%を示すグラフである 。 第7図は、7種のタクリン処方物(CR1、CR3、CR4、CR5、CR8、CR9およびCR10) について、時間の関数としての未溶解用量の%を示すグラフである。記号:観察 日;実線:式2に適応させた日。上部:一次スケール;下部:半対数スケール。 第8図は、タクリン処方物(CR1、CR3、CR4およびCR5)について、溶出速度の 関数としての平均吸収速度定数を示すグラフである。ポイントはスプライン・フ ァンクション(spline function)により連結されている。CR1、CR3、CR4およびCR 5に対する日による最小二乗線形回帰線を挿入図に示す。 第9図は、タクリン処方物(CR1、CR3、CR4およびCR5)について、平均吸収時 間対平均溶出時間を示すグラフである。 第10図は、模擬血漿タクリン濃度(CR1、CR3、CR8、CR9およびCR10)を示すグ ラフである。上部:一次スケール;下部:半対数スケール。 第11図は、タクリン処方物(CR1、CR3、CR4およびCR5)について、MATの関数 として模擬Frelを示すグラフである。ポイントはスプライン・ファンクションに より連結されている。 第12図は、模擬血漿タクリン濃度(CR1、CR3、CR8、CR9およびCR10)を示すグラ フである。上部:100%相対バイオアベイラビリティー(第6図から);下部: 第7図に従って調整したバイオアベイラビリティー。 本発明は、速放性組成物および徐放性組成物を有する制御放出タクリン薬物送 達システムに関する。速放性組成物は、ノンパレイユ・ シード、タクリン、および結合剤を含有する速放性ペレットならびに該ペレット をカバーしているシール剤からなる。徐放性組成物は徐放性層で被覆された速放 性組成物からなる。徐放性層は、水不溶性重合体、水溶性重合体および可塑剤を 包含する。水不溶性重合体はタクリンのための拡散バリヤーを提供し、その放出 速度を調節し、また水溶性重合体は徐放性被膜の透過性を増大させる。本発明者 等は、徐放性組成物中の水溶性重合体対水不溶性重合体の比を慎重に調節するこ とにより、タクリンカプセル剤の放出特性を最適化し得ることを見い出した。タ クリン送達システムは、製薬カプセルの形態であるいは種々の製薬上許容し得る 担体と共に用いて、薬物添加制御放出組成物を製造することができる。本発明は また、このような制御放出タクリン送達システム、ならびに該システムを使用し 得る薬物添加制御放出組成物を製造し、使用する方法に関する。 本発明によれば、制御放出タクリン薬物送達システムは、速放性組成物および 徐放性組成物を含有する。速放性組成物はシール層で被覆された速放性ペレット からなる。速放性ペレットはノンパレイユ・シード、タクリン、および結合剤を 包含する。一般に、ノンパレイユ・シードは約25〜75%の量で存在し得る。 タクリン(1,2,3,4−テトラヒドロ−9−アクリジンアミン塩酸塩)は、近年 、認識賦活剤であって、アルツハイマー病患者で若干の症状を改善することがわ かった。タクリンは製薬分野で周知である多くの異った物理的形態で使用して、 医薬の初期用量および(または)医薬の更に時間差放出形態とすることができる 。これらに限定されることなく、このような物理的形態は遊離形態およびカプセ ル化形態、およびその混合物を包含する。 本発明で使用されるタクリンの量は、推奨もしくは承認された治療用用量に基 づいて変り得る。一般には、タクリンの存在量は所望の結果を得るのに必要な通 常の用量である。このような用量は医療分野での習熟した医師には既知であり、 本発明の一部を構成するものではない。好ましい態様では、タクリンは、速放性 組成物の重量%で、約10〜80%、好ましくは約15〜60%、更に好ましくは約20〜 50%の量で速放性組成物中に存在している。 結合剤とは、分子間に強力な物理化学的引力を発揮する化合物である。本発明 の適当な結合剤には、ポリビニルピロリドン、アラビアゴム、ゼラチン、ブドウ 糖、グアルゴム、α−デンプン、およびアルギン酸ナトリウム、ならびにセルロ ース誘導体例えばエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキ シプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース ナトリウム等、およびこれらの混合物が包含される。好ましくは、結合剤はポリ ビニルピロリドンである。 ポビドン(Povidone)(VSP/NF、1−エテニル−2−ピロリドン重合体、ポリ ビニルピロリドン、PVP)は、水および有機溶媒に可溶の、易流動性無晶性粉末で ある。ポビドンは線状1−ビニル−2−ピロリドン基からなる合成重合体である 。重合度により約10,000〜約700,000の範囲の分子量を有する重合体が得られる 。ポビドンは次の式で表わすことができる。 速放性ペレット中の結合剤の量は、速放性ペレットを製造するのに有効な量で ある。結合剤の有効量とは、タクリンをノンパレイユ・シードに結合し、これに より速放性組成物を提供する量である。結合剤の量は選択事項であり、使用する ノンパレイユ・シードのタイプ、ポビドンの正確な使用タイプおよび量、および 薬物送達システム中の他の成分のような要素に従うものである。すなわち、最終 生成物で所望される結果を得るために、結合剤の量を変えることができる。一般 には、結合剤は速放性組成物の重量%で約1〜10%、好ましくは約2〜8%、更 に好ましくは約2〜5%の量で存在する。 好ましい態様では、速放性組成物は更に付着防止剤を包含する。付着防止剤( 分散剤)は、極めて微細な(コロイド状)固体粒子の均一な分離を促進するため に懸濁剤に添加し得る界面活性剤である。本発明での適当な付着防止剤には、重 合体性電解質、縮合シリケート、ポリりん酸塩、ステアリン酸アルミニウムを包 含するリグニン誘導体、ラウリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、 ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、タルク、カオリン、ヒュームドシ リカ等およびその混合物が包含される。好ましくは、付着防止剤はタルクである 。速放性組成物中に存在する場合の付着防止剤は、速放性組成物の重量%で、約 20%まで、好ましくは約2〜15%、更に好ましくは約5〜10%の量で存在する。 上述の如く、薬物送達システムの速放性ペレットは、流れを改善し、摩砕によ る薬物の損失を防止し、加工処理中の静電荷を低減するために、シール層で被覆 する。シール層はシール剤および第一の可塑剤を包含する。 本発明での適当なシール剤は、セルロース誘導体例えばヒドロキ シプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等、およびその混 合物を包含する。好ましくは、シール剤はヒドロキシプロピルメチルセルロース である。シール剤は、速放性組成物の重量%で、約6%まで、好ましくは約4% まで、更に好ましくは約0.5〜3%の量で存在する。 シール層はまた第一可塑剤を包含する。可塑剤は、重合体分子を内部変換(溶 媒和)することにより最終生成物の柔軟性および靭性を増大させることにより加 工処理を容易にするべく重合体に加えられる有機分子である。可塑剤は、可塑化 することを企図した重合体に可溶でなければならないし、また企図した用途で安 全でなければならない。本発明での適当な第一可塑剤は非揮発性有機液体および 低融点固体例えばフタル酸、アジピン酸およびセバシン酸のエステル、およびポ リオール例えばエチレングリコール、ポリエチレングリコールおよびそれらの誘 導体、トリクレジルホスフェート、ヒマシ油等、ならびにこれらの混合物がある 。使用し得るその他の適当な部分水溶性−水不溶性第一可塑剤はセバシン酸ジブ チル、クエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、トリアセチン、およびアセチ ル化モノ−、ジ−およびトリグリセライド等ならびにこれらの混合物である。そ の他の適当な第一可塑剤は、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸アセチルト リブチル等およびこれらの混合物である。好ましくは、第一可塑剤はポリエチレ ングリコールである。第一可塑剤は速放性組成物の重量%で約5%まで、好まし くは約4%まで、更に好ましくは約0.1%〜約1%の量で存在する。 速放性組成物に加えて、本発明の制御放出タクリン薬物送達システムは徐放性 組成物をも包含する。徐放性組成物は徐放性層で被覆 された速放性組成物からなる。徐放性層は水不溶性重合体、水溶性重合体および 第二可塑剤を包含する。 徐放性層に有用な水不溶性重合体はフィルム形成性重合体であり、これら重合 体は好ましくは直径約1μ未満、典型的には直径約0.1μ未満の球形、固体もし くは半固体粒子を含有する水性コロイド分散液として利用し得る。水性コロイド 混合物は一般には約20%〜約40%の濃度で非常に流動性である。本発明の適当な フィルム形成性重合体はセルロース誘導体例えばエチルセルロース等およびこれ らの混合物を包含する。本発明でのその他の適当なフィルム形成性重合体はアク リル樹脂水性分散液例えばポリアクリルアミド、ポリアクリルデキストラン、ポ リアルキルシアノアクリレート、ポリメチルメタクリレート等およびこれらの混 合物を包含する。好ましい態様では、フィルム形成性重合体はエチルセルロース のようなセルロース誘導体である。更に好ましい態様では、フィルム形成性重合 体は、FMC Corporation,Princeton,New Jerseyにより商品名AQUACOAT(24.5〜 30%エチルセルロース)として製造されている市販の水性重合体分散液である。 更に他の好ましい態様では、フィルム形成性重合体は、Colorcon,Inc.,West P oint,Pennsylvaniaにより商品名SURELEASE(24.5〜29.5%エチルセルロース、可 塑剤としてジブチルセバケートおよびオレイン酸、および付着防止剤としてヒュ ームドシリカを含有)として製造されている市販の水性重合体分散液である。 徐放性層に有用な他の水不溶性重合体は、アクリル重合体のようなpH非依存性 水不溶性重合体である。適当な水不溶性重合体は、水性アクリル樹脂分散液例え ばポリアクリルアミド、ポリアクリル デキストラン、ポリアルキルシアノアクリレート、ポリメチルメタクリレート、 メタクリル樹脂共重合体等およびこれらの混合物が包含される。好ましい樹脂は 、Rohm Pharmaにより製造されるEudragitsTM(メタクリル樹脂共重合体)である 。Eudragit NE30DTMが極めて好ましい。 徐放性組成物中の水不溶性重合体の量は、徐放性層を製造するのに有効な量で ある。水不溶性重合体の有効量は、タクリンについて満足するに足る拡散バリヤ ーを提供し、これによりその放出速度をコントロールする量である。水不溶性重 合体の量は選択の問題であり、使用する水不溶性重合体のタイプ、使用する水溶 性重合体の正確なタイプおよび量および薬物送達システム中のその他の成分のよ うな要素に従うものである。それで、水不溶性重合体の量は最終生成物で所望さ れる結果を得るために変化させることができる。一般に、水不溶性重合体は徐放 性組成物の重量%で約40%〜約90%、好ましくは約45%〜約85%、更に好ましく は約50%〜約80%の量で存在する。 徐放性層に有用な水溶性重合体は、セルロース誘導体例えばヒドロキシプロピ ルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロ ースナトリウム等およびこれらの混合物が包含される。好ましい態様では、フィ ルム形成性重合体はヒドロキシプロピルメチルセルロースである。 徐放性組成物中の水溶性重合体の量は徐放性層を製造するのに有効な量である 。水溶性重合体の有効な量は、徐放性被覆の透過性を改善し、それによってその 放出速度をコントロールする量である。水溶性重合体の量は選択の問題であり、 使用する水溶性重合体のタ イプ、使用する水不溶性重合体の正確なタイプおよび量、および薬物送達システ ム中のその他の成分のような要素に従うものである。それで、水溶性重合体の量 は最終生成物で所望される結果を得るために変化させることができる。一般に、 水溶性重合体は徐放性組成物の重量%で約10%まで、好ましくは約5%まで、更 に好ましくは約0.5%〜約1.5%の量で存在する。 徐放性層はまた第二の可塑剤を包含する。本発明の適当な第二可塑剤は不揮発 性有機液体および低融点固体、例えばフタル酸、アジピン酸、およびセバシン酸 のエステル、およびポリオール例えばエチレングリコール、ポリエチレングリコ ールおよびこれらの誘導体、トリクレジルホスフェート、ヒマシ油等およびこれ らの混合物である。使用し得るその他の部分水溶性−水不溶性第二可塑剤は、ジ ブチルセバケート、クエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、トリアセチンお よびアセチル化モノ−、ジ−およびトリグリセライド等およびこれらの混合物で ある。その他の適当な第二可塑剤は、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸ト リエチル、クエン酸アセチルトリブチル、クエン酸トリブチル等およびこれらの 混合物を包含する。好ましくは、第二可塑剤はクエン酸トリエチルである。第二 可塑剤は、徐放性組成物の重量%で約10%まで、好ましくは約1%〜約6%、更 に好ましくは約1%〜約5%の量で存在する。 本発明の制御放出タクリン薬物送達システムでの速放性組成物および徐放性組 成物はまた通常の賦形剤および加工処理または保存を容易にするよう機能する添 加剤を含有していてよい。それで、消泡剤、賦形剤、可塑剤、着色剤、着香剤、 香料、甘味料、界面活性剤、滑沢剤、安定剤、粘着防止剤等およびこれらの混合 物を使用し得 る。 徐放性組成物中の徐放性層対速放性組成物の重量比は、治療上使用に不適なほ ど大きい組成物を形成することなく、速放性組成物からの医薬の早すぎる放出の 可能性を防止するのに十分な徐放性層を含む比である。一般に、徐放性組成物中 の徐放性層対速放性組成物の重量比はそれぞれ約1:9〜約4:6、好ましくは 約1:9〜約3:7、更に好ましくは約1:9〜約2:8である。 制御放出タクリン薬物送達システム中の速放性組成物対徐放性組成物の重量比 は、延長された時間にわたって薬物を均一に放出させるのに十分な徐放性組成物 を含有する比である。一般に、薬物送達システム中の速放性組成物対徐放性組成 物の重量比はそれぞれ、約0.01:1〜約1:1、好ましくは約1:9〜約2:8 、更に好ましくは約2:8〜約4:6である。 本発明は制御タクリン送達システムの製造方法にも係るものである。一般に、 薬物送達システムは、流動床接線被覆装置を用いて、タクリン塩酸塩一水和物を 含む芯ペレットを形成させることにより製造される。芯ペレットを次に徐放性層 の成分で被覆して種々の制御放出プロフィールを付与する。速放性ペレットを徐 放性ペレットもしくは延長放出性ペレットと同一カプセル中で組み合せて初回量 とすることにより、追加の制御放出溶解プロフィールが得られる。これらの処方 物の各々のペレットは、サイズ2の硬ゼラチンカプセルを充填してタクリンベー ス40mg/カプセルとするまでに発展させることができる。 本発明の薬物送達システムは、当業者に既知の標準技術および装置を用いて製 造することができる。芯ペレットは、当業者に既知の 標準技術および装置を用いて、懸濁層形成(layering)、粉末層形成または押出 /球状化(spheronization)技術あるいは他の標準技術と装置によって製造する ことができる。芯ペレットを、流動床接線被覆(fluid-bed tangential coating )、パン被覆あるいは他の標準技術と装置を用いる被覆操作によって被覆するこ とができる。ペレットを形成、被覆するための正確な条件は、選択された特別な 装置で変化し、不当な実験を要せずして、当業者が容易に決定できる。流動床接 線被覆およびパン被覆は当該分野で周知であり、それ故特定の装置の選択は当業 者に自明である。 特定の態様において、本発明は速放性組成物および徐放性組成物を包含する制 御放出タクリン薬物送達システムを製造する方法に係り、この方法は次の工程か らなることを特徴とする: (i) 次の成分を提供し: (1) 速放性組成物の重量%で: (A) 次のものからなる速放性ペレット: (a) 約25%〜約75%量のノンパレイユ・シード; (b) 約10%〜約80%量のタクリン;および (c) 約1%〜約10%量の結合剤;および (B) 次のものからなる速放性ペレット上のシール層: (a) 約6%までの量のシール剤、および (b) 約5%までの量の第一可塑剤 からなる速放性組成物;ならびに (2) 徐放性組成物の重量%で、 (A) 速放性組成物;および (B) 次のものからなる速放性組成物上の徐放性層; (a) 約40%〜約90%量の水不溶性重合体; (b) 約10%までの量の水溶性重合体;および (c) 約10%までの量の第二可塑剤 からなる徐放性組成物 からなり、而して徐放性層および速放性組成物は徐放性組成物中にそれぞれ約 1:9乃至約4:6の重量比で存在し、また速放性組成物および徐放性組成物は 薬物送達システム中にそれぞれ約0.01:1乃至約1:1の重量比で存在している ; (ii) 工程(i)(1)(A)からのタクリンおよび結合剤の水性懸濁液を形成させ、 そしてこの懸濁液をノンパレイユ・シードに積層させて速放性ペレットを形成さ せ; (iii) 工程(i)(1)(B)からのシール剤および第一可塑剤の水性混合物を形成 させ、そして速放性ペレットを被覆して速放性組成物を形成させ; (iv) 工程(i)(2)(B)からの水不溶性重合体、水溶性重合体および第二可塑剤 の水性分散液を形成させ、そして速放性組成物の一部分を被覆して徐放性組成物 を形成させ;そして (v) 速放性組成物と徐放性組成物とをそれぞれ約0.01:1〜約1:1の重量比 で混合して制御放出タクリン薬物送達システムを形成させる。 一旦製造すると制御放出タクリン薬物送達システムは今後の使用のために保存 することもできるし、また通常の添加剤例えば製薬上許容し得る担体と共に処方 して、特別な適用例に適合させた様々の薬物添加制御放出組成物を製造すること もできる。 新規な薬物添加制御放出組成物はまた医薬懸濁剤の形態であって もよい。本発明の医薬懸濁剤は、医薬調剤の分野で長く確立されている通常の方 法により製造することができる。懸濁剤は当該分野で懸濁液を処方するのに使用 される補助物質を含有することができる。本発明の懸濁剤は次のものを包含する ことができる: (a) 保存剤例えば安息香酸、ソルビン酸、メチルパラベンおよびプロピルパラ ベン。保存剤は一般には懸濁剤の重量%で約1%まで、好ましくは約0.05%〜約 0.5%の量で存在する; (b) 緩衝剤例えばクエン酸−クエン酸ナトリウム、りん酸−りん酸ナトリウム 、および酢酸−酢酸ナトリウム、これらは懸濁液の重量%で約1%まで、好まし くは約0.05%〜約0.5%の量で存在してよい; (c) 懸濁剤または増粘剤例えばメチルセルロースのようなセルロース系誘導体 、アルギン酸およびその誘導体、キサンタンゴム、ゼラチン、アラビアゴムのよ うなカラゲナン、および微細結晶セルロース、これらは懸濁液の重量%で約20% まで、好ましくは約1%〜約15%の量で存在してよい; (d) 消泡剤例えばジメチルポリシロキサン、これらは懸濁液の重量%で約0.2 %まで、好ましくは約0.01%〜約0.1%の量で存在してよい; (e) 甘味剤例えば当該分野で周知の甘味剤(天然および人工双方の甘味剤を包 含)。甘味剤例えば単糖類、二糖類および多糖類例えばキシロース、リボース、 グルコース(デキストロース)、マンノース、ガラクトース、フルクトース(レ ブロース)、スクロース(砂糖)、マルトース、転化糖(スクロースから誘導さ れるフルクトースとグルコースとの混合物)、部分加水分解でんぷん、 コーンシロップ固形分、ジヒドロカルコン、モネリン、ステビオシド、グリチル リチン、および糖アルコール例えばソルビット、マンニット、マルチトール、水 添でんぷん加水分解物およびこれらの混合物は懸濁液の重量%で約60%まで、好 ましくは約20%〜約50%の量で利用することができる。水溶性人工甘味料例えば 可溶性サッカリン塩すなわちサッカリンナトリウムまたはカルシウム塩、シクラ メート塩、3,4−ジヒドロ−6−メチル−1,2,3−オキサチアジン−4−オン−2, 2−ジオキサイドのナトリウム、アンモニウムまたはカルシウム塩、3,4−ジヒド ロ−6−メチル−1,2,3−オキサチアジン−4−オン−2,2−ジオキサイドのカリ ウム塩(Acesulfame-K)、サッカリンの遊離酸形態等を懸濁液の重量%で約0.00 1%〜約5%の量で使用し得る; (f) 着香剤例えば当業者に周知の着香剤例えば天然および人工着香剤およびミ ント例えばペパーミント、メントール、かんきつ着香剤例えばオレンジおよびレ モン、人工バニラ、シナモン、種々のフルーツ着香剤を、個々に、また混合した もの等を懸濁液の重量により約0.5%〜約5%の量で使用し得る; (g) 着色剤、例えば顔料、懸濁液の重量により約6%までの量で混入し得る。 好ましい顔料、二酸化チタンを懸濁液の重量により約2%まで、好ましくは約1 %未満の量で混入し得る。着色剤はまた食品、医薬および化粧品の適用に適した 天然の食品着色剤および染料をも包含し得る。これらの着色剤はF.D.&C.染 料およびレーキとして知られている。前述の用途に許容し得る物質は好ましくは 水溶性である。かかる染料は一般には懸濁液の重量%で約0.25%まで、好ましく は約0.05%〜約0.2%の量で存在す る; (h) 脱色剤例えばメタ重亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸等を経時による変 色を防止するために懸濁液に混入することができる。一般に、脱色剤は懸濁剤の 重量%で約0.25%まで、好ましくは約0.05%〜約0.2%の量で使用し得る;そし て (i) ビヒクル例えばプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、食用油 例えば動物、植物油および鉱物油等を着香剤を可溶化するのに使用し得る。一般 に、ビヒクルは懸濁液の重量%で約10%まで、好ましくは約2%〜約5%の量で 使用し得る。 本発明の製薬懸濁剤は次の如くして製造し得る: (A) 約40℃〜約95℃、好ましくは約40℃〜約70℃の温度に加熱したビヒクルと 増粘剤とを混和して、増粘剤がビヒクルに可溶のときは、分散液また、増粘剤が 可溶物に可溶のときは、溶液を形成させ; (B) 甘味剤をビヒクルと混和して溶液を形成させ; (C) 制御放出組成物を増粘剤−ビヒクル混和物と混和して均一な増粘剤−制御 放出組成物を形成させ; (D) 甘味剤溶液と増粘剤−制御放出組成物とを合し、そして均一となるまで混 合し;そして (E) 工程(D)の混合物と任意の補助物質例えば着色剤、着香剤、脱色剤、可溶 化剤、消泡剤、緩衝剤および追加のビヒクルと混和して懸濁液を形成させる。 制御放出処方物で許容し得る安定性および品質、ならびに良好な味覚および口 あたりを達成するのに、いくつかの考察が重要である。これらの考察には、活性 物質/錠剤の量、使用する着香剤、錠剤の 圧縮度および製薬組成物の器官感覚受容性が入る。 本願全体にわたって、様々の刊行物が引照されている。これらの刊行物の記述 を、技術水準を更に詳述するために、参考として本文に組み入れる。 次の実施例により本発明を更に説明するが、これらの実施例は請求の範囲の有 効範囲を限定することを企図していない。実施例、また明細書および請求の範囲 での部および%はいずれも、他に指定のない限り、最終組成物の重量部および重 量%である。 発明を実施するための最良の形態 実施例1〜7 以下の実施例は、便宜を計り、患者のコンプライアンスを改善するために、投 薬ひん度を低減するタクリン塩酸塩一水和物のための制御放出ペレット処方物を 開発する目的で実施された。タクリン塩酸塩一水和物を含有する芯ペレットは流 動床接線コーチング装置を用いて製造した。次に、芯ペレットを様々な制御放出 プロフィールを付与する異ったタイプの重合体で被覆した。水溶性重合体被膜( ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910)はペレットに速放性(IR)溶解プロ フィールを付与する。水不溶性重合体被膜(エチルセルロース水性分散物)はペ レットに徐放(SR)特性を付与し、この特性は被膜の厚さおよび被覆組成物の処 方でコントロールできる。酸不溶であるが、アルカリ性可溶の重合体被膜(Eudra git L30D、ポリメタクリル酸とアクリル酸エステルとの共重合体)はペレットにp H依存性腸溶性放出(ER)プロフィールを付与する。これらの被覆ペレットをそ れぞれIR、SRおよびERペレットと称する。同一カプセル中でIRペレットをSRおよ び(または)ERペレットと組み合せて当 初の充填用量とすることにより、追加の制御放出溶解プロフィールが得られた。 これらの処方のそれぞれのペレットをサイズ2の硬ゼラチンカプセルに適切に充 填するようにしてタクリン塩基40mg/カプセルとした。 次の表に、このセクション全体にわたって言及する生成物を記載する。 集約して、これらの生成物をコントロール放出カプセルと称する。 芯ペレット 流動床接線コーチング装置を用いて、懸濁−施行方法により製造した。この方 法は無塵の、迅速かつ効率の良いものである。水中にタクリン塩酸塩一水和物(1 5%w/w)、スプレータルク(spray talc)(7.5%w/w)およびポビドン(1.5%w/w) を含む懸濁液を20〜25メッシュの球形の糖に塗布して20%の概算薬物量を有する 芯ペレットを得た。ポビドンはバインダーとして使用し、そしてスプレータルク は層形成工程の間粘着性を減らす抗接着性として使用した。 タクリン塩基40mgを含有する芯ペレットの組成を表1に示す。 CR1カプセル(処方37) 流れを改善し、またプロセス過程での静電荷電を除去するために、水溶性重合 体で芯ペレットを被覆して、IRペレットを製造した。被覆製剤は、ヒドロキシプ ロピルメチルセルロース(HPMC)2910(6%w/w)、ポリエチレングリコール(P EG)3350(15w/w)、スプレータルク(1%w/w)および水(92.0%w/w)からなっ ていた。芯ペレットを流動床接線被覆装置を用いて被覆し2%重量増とした。芯 ペレットおよびIRペレットともに速放性特性を示した。 CR2カプセル(処方38) ペレットをEudragit L30D、ポリメタクリル酸およびアクリル酸エステルを基 とする共重合体を含む水性懸濁液(30%w/w)で被覆して製造した。この共重合体 はpH5.5以下で不溶である。共重合体はpH5.5以上で可溶であるが、溶解速度は溶 解媒質のpHの関数である。pHが増大するにつれて、この重合体の溶解速度が増大 し、その結果、現在のUSP<724>の腸溶性被覆した物品のpH(pH6.8)では溶解は 迅速である。被覆処方物は、Eudragit L30D(40%w/w)、クエン酸トリ エチル(3%w/w)、スプレータルク(0.75%w/w)、および水(56.25%w/w)からな っていた。流動床接線被覆装置を用いて、芯ペレットを被覆して15.7%重量増と した。 CR3カプセル(処方39) 水不溶性重合体、エチルセルロース、および水溶性重合体、ヒドロキシプロピ ルメチルセルロースを含む水性懸濁液(30%w/w)で芯ペレットを被覆してSRIペレ ット(処方39)を製造した。被覆処方物は、エチルセルロース水性分散液(37.6 %w/w)、クエン酸トリエチル(2.82%w/w)、スプレータルク(0.15%w/w)、ヒドロ キシプロピルメチルセルロース2910(0.75%w/w)および水(58.68%w/w)からなっ ていた。被覆処方物を流動床接線被覆装置を用いて芯ペレットに塗布して15%重 量増とした。次に、被覆ペレットを処方37と同じ処方でオーバーコートとして粘 着性を弱くした。完成ペレットを被覆装置中60℃製品温度で30〜60分間流動化し 、その後すぐにフィルム被膜融合を促進するために徐放性コーチングをした。 CR4カプセル(処方40) 処方39について記載したのと同様な方法でSR2ペレット(処方40)を製造した 。SR被覆処方物はエチルセルロース水性分散液(38.08%w/w)、クエン酸トリエチ ル(3.34%w/w)、スプレータルク(0.15%w/w)および水(58.34%w/w)からなってい た。SR被覆処方物を芯ペレットに塗布して15%重量増とした。次に、エチルセル ロース被覆ペレットを処方39で前述したのと同じオーバーコート処方物でオーバ ーコートし、そして同じ装置を使用して同様に硬化させた。徐放性被膜中にヒド ロキシプロピルセルロースの不存在により、処方39に比して、処方40の溶解速度 が結果的に一層遅くなった。 CR5カプセル(処方41) SR3ペレットの処方(処方物41)は処方40と非常に似ている。処方40について前 述したのと同じSR被覆処方物およびオーバーコート処方物を同一のプロセスパラ メーターを用い、また同じ装置を使って芯ペレットに塗布した。但し、徐放性被 膜は25%重量増となるよう適用した。厚さが一層厚い放出被膜のために、処方41 は3種のSRペレットのうちで、最も遅い溶解速度を示した。 CR6カプセル(処方42) 処方42のためのペレットは、IRペレット(処方37)およびERペレット(処方38 )を混合することによって製造し、その結果各部分量はタクリン塩基20mg/カプ セルとなった。従って、各CR6カプセルは初回量20mgおよび遅発量20mgを含有す る。 CR7カプセル(処方43) 処方43のためのペレットは、IRペレット(処方37)およびSR3ペレット(処方4 1)を混合することによって製造し、その結果各部分量はタクリン塩基20mg/カ プセルとなった。従って、各CR7カプセルは初回量20mgおよび遅発量20mgを含有 する。 カプセル製品のための量的処方 製造方法 次の製造操作は、芯ペレット、各々の処方物に対する種々のフィルム被覆操作 および被覆ペレットのカプセル封入について記述する。 芯ペレットの製造 a.総所要精製水の約20%にポビドンを溶解する。 b.残りの水にタクリン塩酸塩一水和物を溶解する。 c.工程aからの溶液を工程bからの溶液に加える。 d.工程cからの混合物にスプレータルクを加え、そして撹拌を続ける。 e.流動床接線被覆装置に糖球状体を充填し、そして工程dからの混合物をスプ レーする。 f.工程e直後約5分間流動化するか、あるいは強制通風炉でトレー乾燥するこ とにより芯ペレットを乾燥する。 g.16〜20メッシュの画分を分離し、保持する。 芯ペレット被覆 処方37 a.撹拌機を用いてヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびポリエチレング リコールを精製水に溶解する。 b.工程aからの溶液にスプレータルクを加え、そして撹拌を続ける。 c.芯ペレットを流動床接線被覆装置に充填し、そして工程bからの被覆混合物 を塗布する。 処方38 a.撹拌機を用いてクエン酸トリエチルを精製水に分散する。 b.工程aからの溶液にEudragit L30Dを加え、そして少くとも15分間撹拌を続 ける。 c.工程bからの混合物にスプレータルクを加え、そして撹拌を続ける。 d.芯ペレットを流動床接線被覆装置に充填し、そして工程cからの被覆混合物 を塗布する。 処方39 a.徐放性被覆製剤について、撹拌機を用いて精製水総量の約10%にヒドロキシ プロピルメチルセルロースを溶解する。 b.撹拌機を用いて残りの精製水にクエン酸トリエチルを分散させる。 c.エチルセルロース分散液を工程bからの溶液に加え、そして少くとも30分間 撹拌を続ける。 d.工程aからの溶液およびスプレータルクを工程cからの混合物に加え、そし て撹拌を続ける。 e.オーバーコート製剤のために、ミキサを用いて、ヒドロキシプロピルメチル セルロースおよびポリエチレングリコールを精製水に溶解し、次にスプレータル クを加え、そして撹拌を続ける。 f.芯ペレットを流動床接線被覆装置に充填し、そして工程dからの徐放性被覆 製剤を塗布する。 g.同じ流動床接線被覆装置を用いて工程eからのオーバーコート製剤を塗布す る。 h.工程gの完了時、60℃の生成物温度で約30〜60分間流動化を続ける。 処方40および41 a.徐放性被覆製剤のために、撹拌機を用いてクエン酸トリエチルを精製水に分 散する。 b.エチルセルロース分散液を工程aからの溶液に加え、そして少くとも30分間 撹拌を続ける。 c.スプレータルクを工程bからの混合物に加え、そして撹拌を続ける。 d.撹拌機を用いてヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびポリエチレング リコールを精製水に溶解し、次にスプレータルクを加え、そして撹拌を続けるこ とによりオーバーコートを製造する。 e.芯ペレットを流動床接線被覆装置に充填し、そして工程cからの徐放性被覆 製剤を塗布する。 f.同じ流動床接線被覆装置を用いて、工程dからのオーバーコート製剤を塗布 する。 g.工程fの完了時、60℃の生成物温度で約30〜60分間流動化を続ける。 処方42 a.処方37に用いた操作に従って、芯ペレットの一部分をフィルムコーチングす る。 b.処方38に用いた操作に従って、芯ペレットの他の部分を腸溶性被覆する。 c.工程aおよび工程bからの被覆ペレットを等量のタクリン塩基を含有する比 率で配合する。 処方43 a.処方37に用いた操作に従って、芯ペレットの一部分をフィルムコーチングす る。 b.処方39に用いた操作に従って、芯ペレットの他の部分を徐放性被覆する。 c.工程aおよび工程bからの被覆ペレットを等量のタクリン塩基を含有する比 率で配合する。 カプセル封入 a.ペレット充填付属装置のついたカプセル充填機を用いて表2にリストしたペ レット量を硬ゼラチンカプセル中にカプセル封入する。 b.生成物の総収率は、総ユニット数を求め、そしてバッチ式から理論上予想さ れる収量と比較して算出する。 実施例8〜10 次の実施例は、投薬ひん度を低減して便宜さおよび患者のコンプライアンスを 改善するタクリン塩酸塩一水和物用の制御放出ペレット処方物を開発するために 実施し、ここでは薬物添加量は実施例1〜7で報告したものより50%大であった 。タクリン塩酸塩一水和物を含む芯ペレットを流動床接線被覆装置を用いて製造 した。 薬物ペレットを、徐放性被膜を形成するためのエチルセルロースを含む水性分 散液で流動床ロータ中で粒状に被覆した。被覆分散液は、それぞれCR8、CR9およ びCR10と称する処方物のための36.1%、34.5%および33.2%(w/w)Aquacoatを含 有していた。不溶性、フィルム形成性重合体、Aquacoat中のエチルセルロース、 はタクリンのための拡散バリヤーを提供するものであり、薬物担有ペレットから のその放出速度を調節する。被覆分散液は、それぞれ、CR8、CR9およびCR10のた めの0.6%、1.0%および1.4%(w/w)ヒドロキシプロピルメチルセルロースも含 有していた。ヒドロキシプロピルセルロース、水溶性重合体を被覆分散液に混入 して徐放性被膜の浸透性を増大させた。更に、被覆分散液はいずれも3.4%w/wの クエン酸トリエチル、エチルセルロースの可塑剤、0.15%w/wミストロン・スプ レータルク(mistron spray talc)、付着防止剤および0.05%w/w消泡エマルジョ ンを含有する。 CR8、CR9およびCR10についての被覆ペレットを次に5.2%w/wヒドロキシプロピ ルメチルセルロース、0.9%w/wポリエチレングリコール3350、0.9%ミストロン ・スプレータルクおよび0.04%w/w消泡エマルジョンを含む水性分散液でオーバ ーコートした。このオーバーコートはペレットを粘着から防止し、取り扱いおよ び貯蔵中の摩耗 を低減させる。フィルム融合を促進するためにオーバーコートプロセス直後に、 仕上りペレットを被覆装置で1時間60℃で流動化して硬化させた。 次の表にこのセクション全体を通して開示した生成物を示す。 集約して、これらの生成物をコントロール放出カプセルと称する。 カプセル製品の量的処方 以下に示す量的処方は1000カプセル当りの成分量を示す。製造指示書にあげた 装置およびパラメータ(例えば、装置のサイズおよびブランド、芯薬物ペレット の製造ならびにペレットの被覆に用いたパラメータ)はバッチ式に基づくもので ある。 芯ペレット、フィルム被覆およびカプセル封入を実施例1〜7に記載の操作に 従って実施した。 実施例11 制御放出処方物CR1、CR3、CR4およびCR5の薬物動態評価 制御放出(CR)処方物を徐放性(SR)重合体システムにより速放性(IR)芯ペ レット(CR1と称する)を被覆することによって製造した。イン・ビトロでのCR1 からのタクリン放出速度は極めて早く(10分で100%)、市販のタクリンカプセル からの放出速度と同様であった。SR被覆は水溶性重合体(ヒドロキシプロピルメ チルセルロース:HPMC)と水不溶性重合体(Aquacoat、エチルセルロース)との 組み合せであった。二種の高分子および被覆レベルの相対量を変えて、イン・ビ トロでの異ったタクリン放出速度(放出速度:CR3>CR4>CR5)を有する3種の 基本型処方物(表3、CR3、CR4およびCR5)を製造した。溶解度の検討では、次 の順序で遅れ時間(最初の定量可能な濃度に先行する時間)を示した。CR5>CR4 >CR3。 CR3、CR4およびCR5の薬物動態を芯ペレットのそれと比較してSR処方組成物お よび被覆レベルの効果を求めた。研究の目的は、CR1および3種の40mg基本型カ プセルの相対バイオアベイラビリティおよびイン・ビボ放出特性を測定してタク リンCR処方の開発の助けとすることにある。16人の健康なボランティアに単一40 mg用量をCR1、CR3、CR4またはCR5カプセルのいずれか一つとして無作為化した4 −ウエイ・クロスオーバー・デザインに従って投与した。被験者の年令構成は50 〜72才(平均=62才)であった。被験者は全員が喫煙者ではなかった。各投与量 に従って24時間まで連続して血液サンプルをとり出し、次にタクリンについて分 析した。 タクリンおよび1−OHタクリンについて、処理平均血漿濃度対時間プロフィー ルをそれぞれ第3図および第4図に示す。薬物動態および統計上の結果の要約を 表4に示す。タクリン市販カプセルについての生物学的同等性の研究からの薬物 動態データの検討により、本願での研究で観察されたCR1薬物動態は市販カプセ ルでのそれと同等であり、それ故市販カプセルのそれの代表例であることがわか った。 CR3、CR4およびCR5についての平均血漿プロフィールは相互に区別でき、またC R1のそれとも区別できた(第3図)。処方物CR3、CR4およびCR5からのタクリン 吸収は、tmax値の増大、Cmax値の低減および12、16および24時間での比較的に高 い血漿濃度によって証される如く、CR1と対比して制御(遅延)されていた。平 均プロフィールでの処方間で観察される徐放のパターンは個々の被験者について 矛盾なく観察された。末端速度定数(ラムダz)値はCR1よりも3種の CRカプセル基本型の方が著しく低いものであり、吸収速度がCR処方からのタクリ ンの放出速度により制限されていることがわかる。すなわち、ラムダz値は脱離 速度よりもむしろ吸収速度を反映していた(「フリップフロップ」(flip-flop)動 力学)。結果から、イン・ビボタクリン放出速度はイン・ビトロで観察されたの と同じ順序(CR3>CR4>CR5)で減退した。 投与量投与と見かけの吸収開始との間の遅れ時間(tlag)は、最初の定量可能 な濃度の時間の直前のサンプリング時間として測定した。見かけの吸収速度が低 下するにつれて、tlag値は増加した。平均tlag値はCR3についての0.8時間乃至CR 5についての3.1時間の範囲にあった。同一のランク順序が溶解試験データで観察 され、CR処方からの放出が律速である更なる証拠となった。全ての4種の処方に ついて、被験者相互の(inter-subject)変動性(%RSD)は著しく低い。tmax、 ラムダzおよびtlag値での低変動性は処方制御薬物動態と一致していた。 吸収の程度はAUC(O−tldc)の評価により査定された。吸収程度の対応する低 下がラムダzの低下により観察された。AUC(O−tldc)比の平均値を基にして、C R3、CR4およびCR5のCR1と関連するバイオアベイラビリティはそれぞれ75%、58 %および56%であった(表5)。AUC(O−∞)に基づく吸収値の相対範囲はAUC( O−tldc)を基にしたのと同様であった。 全てのCR処方について、CmaxおよびAUC(O−tldc)に対する被験者相互の変動 性は高い(%RSD=40〜60%)ものであった。この変動性は処方それ自体に帰するこ とかできなかった。その理由は、高い変動性がCR1でも、また先のタクリン研究 での他の剤形でも観察さ れたからである。CmaxおよびAUC(O−tldc)値は、タクリンの吸収量に関して、 個々で著しく差異があることを示唆している。飽和可能な初回通過タクリン代謝 ならびに吸収、代謝、および(または)分布量での被験者相互の変化は、この変 動性に寄与してきた可能性がある。静脈内投薬による薬物動態データは、変動性 の源を定めるのに必要である。 血漿1−OHタクリン濃度は処方のいずれでもタクリンのそれよりも約2倍であ つた。1−OHタクリン濃度対時間プロフィール(第4図)はタクリンのそれらと 近似している。この結果は、1−OHタクリン薬物動態もCR処方物からの放出速度 によってコントロールされることを示唆している。 要約するに、基本型40mgカプセル処方物CR3、CR4およびCR5の単一投与量投与 についての薬物動態はタクリンの制御放出を示している。イン・ビボでの相対吸 収速度は溶解試験での相対タクリン速度を反映している。CR3、CR4およびCR5カ プセルのバイオアベイラビリティはCR1、速放性剤形のそれに関連して75%、58 %および56%である。 実施例12 制御放出処方物CR1、CR2、CR6およびCR7の薬物動態評価 制御放出(CR)処方物を、徐放性(SR)または腸溶放出液(ER)重合体システ ムで速放性(IR)芯ペレット(CRIと称する)を被覆して製造した。イン・ビト ロでのCR1からのタクリン放出速度は極めて早く(10分で100%)、市販のタクリン カプセルからの放出速度と同様であった。CR1のイン・ビボでの効能は市販タク リンカプセルの効能を代表するものと予想されていた。 ERシステムは、ポリメタクリレート共重合体を用いてpH依存性薬物放出をする ようにデザインされていた。ER処方物からのタクリンの放出は酸性媒質中では最 小であり(2時間で<3%)、pH6.8では迅速であった(15分で>95%)。ERペレ ットは、ペレットが小腸に達するまでタクリン放出を遅延させるようデザインさ れていた。ERペレットのみを含有するカプセル(CR2)およびIRおよびERペレット の同等部分を含有するカプセル(CR6)を製造した。 SR3と称するSRシステムは、水不溶性重合体(Aquacoat:エチルセルロース)に よるIRペレットの被覆を伴っていた。溶離の検討から、SR3ペレットからのタク リンの緩徐な放出、ならびらに1〜2時間の遅れ時間が明らかとなった。SR3ペ レットで完全に充填したカプセルは、先行する検討(970−36)での試験した最も 緩徐な放出処方物を示していた。CR7と称する等部分のIRおよびSR3ペレットを含 有するカプセルを現在の検討の評価のために調製した。 検討の目的は、タクリン制御放出処方物の開発援助のため、40-mgタクリンIR カプセル(CR1)および3種の基本型40-mgタクリンCRカプセル(CR2、CR6およびC R7)の相対バイオアベイラビリティおよ びイン・ビボ放出特性を測定することであった。16人の健康なボランティアに、 無作為の4−ウエイ・クロスオーバー・デザインに従ってCR1、CR2、CR6またはC R7の単一40mgタクリン用量を投与した。被験者は年令が59〜77才の範囲にあった (平均=67)。被験者10は唯一の喫煙者であった。各投与に次いで、24時間まで 連続した血液サンプルをとり、次にタクリン、1−OHタクリン、2−OHタクリン および4−OHタクリンについて分析した。15人の被験者についてタクリンおよび 1−OHタクリンの結果を以下に論述する。 タクリンおよび1−OHタクリンについての処理平均血漿濃度対時間プロフィー ルをそれぞれ第3図および第4図に示す。薬物動態および統計上の結果を表7に 示す。CR1薬物動態は、タクリン市販カプセルの生物学的同等性の検討からのデ ータとの比較によって示される如く、市販カプセルのそれと類似していた。 CR2についての平均濃度−時間プロフィールはCR1とは区別可能であった。個々 の濃度−時間プロフィールの差異はCR2について著しく大きいものであり、それ 故に平均プロフィールはいずれの所定の 被験者についての代表例ではなかった。変動の主要な源は、用量投与と見かけの 吸収の開始との間の時間(tlag)にあると考えられた。平均tlagはCR2について は1.0時間であり、このパラメーターでの被験者間変動率(%RSD)はCR1と同様で あった。tlagの調整後、CR2の平均tmax値はCR1と同様であった。CR2およびCR1に ついての平均ラムダz値も同様であった。合わせて、これらの検討から、CR2お よびCR1は同様の吸収および脱離速度を有し、pH依存性(腸溶性)放出と一致した 。高い被験者間変動率は、胃中の移行時間および胃腸管pHの差異に因るものとさ れてきた可能性がある。 CR2に対するCmax値はCR1に対する値よりも小さく、CR1と比較してCR2のバイオ アベイラビリティがより低いことを示唆していた。吸収程度は、AUC(O−tldc )の評価によって評価され、CR2のバイオアベイラビリティはCR1に対して82%で あることがわかった。 CR6に対する平均濃度−時間プロフィールはCR1と区別可能であった。個々の濃 度−時間プロフィール間の差異はCR6について著しく大きく、それ故平均プロフ ィールはいずれかの所定の被験者の代表例ではなかった。CR6のIR成分からのタ クリンの速放は、CR6に対するtlagが存在しないことで明らかであった。tlag値 を例外として、CR2とCR6との薬物動態は相互に同様であった。AUC(O−tldc)に 基づくCR6の吸収程度は、CR1に比較して75%であった。CR6の薬物動態は、CR1と CR2との複合体で予測されるよりも更にCR2に類似していた。換言すれば、CR6薬 物動態はCR1とCR2との単なる一次組み合せではなかった。性能が一致しなかった ことは、ER処方物双方(CR2およびCR6)がCR剤形としての可能性が限られているこ とを示唆している。 CR7カプセルの平均プロフィールはCR1と区別可能であった。CR7からのタクリ ン吸収は、12、16および24時間での比較的高い血漿濃度で実証されるように、CR 1に対比して制御されていた。CR7のIR成分からのタクリンの速放はtlagの見かけ の不存在で明らかであった。投薬後の血漿タクリン濃度の当初の上昇次いで徐放 血漿濃度のパターンは個々の被験者について一貫して観察された。CR7に対する 平均ラムダz値はCR7についてよりもCR1について有意に小さく、CR7のSR3成分か らのタクリン徐放と一致していた。AUC(O−tldc)に基づく、CR7の吸収程度は CR1に比して58%であった。CR7についての薬物動態は各成分の寄与を表わしてい るが、この薬物動態は、970-36で調査した如く、純粋なIRおよびSR3に相当する ものの単なる組み合せではなかった。 CmaxおよびAUC値についての被験者相互の変動率は4種のCR処方全てについて 高いものであった(%RSD=70〜95%)。静脈内投薬による薬物動態は変動率の源を 定めるのに必要である。1−OHタクリンについての血漿濃度は、処方のいずれも のタクリンについての濃度よりも約3倍高いものであった。1−OHタクリン濃度 対時間プロフィール(第4図)は、すべての処方について同様な如く、タクリン のそれと近似していた。 要約すると、3種の基本型CR処方物および参照(CR1)カプセルの薬物動態は相 互に別個であった。 腸溶性被覆処方物(CR2およびCR6)についての結果はpH依存性放出と一致して いた。しかし、これらの処方は、不規則なイン・ビボ性能に因り、更に開発する のには適していない。CR6およびCR7の薬物動態はこれらの2種の成分の寄与を表 わしているが、個々の成分 の薬物動態と単に関連しているものではない。CR1に関連するCR2、CR6およびCR7 についてのバイオアベイラビリティ値はそれぞれ82%、75%および58%であった 。 実施例13 タクリンCRカプセルのインビトロ/インビボ相関関係 この研究は、ヒト・インビボ試験を最小限とし、また処方および薬物の薬物動 態特性にどのような制約が存在するかを識別するために、製品のインビトロ溶解 とそのインビボ性能との関係を理解する べく実施した。 制御放出(CR)タクリン処方物は、速放性芯ペレット(CR1)を徐放性(SR)重 合体システムで被覆することにより調製した。3種のSR処方物(CR3、CR4および CR5)およびCR1の単一用量をインビボで試験した。結果から、CR3、CR4およびCR 5からのタクリンの制御放出がわかった(第5図)。吸収はCR3、CR4およびCR5か らのタクリン放出速度により制限されていた(「フリップフロップ」動力学)。 イン・ビボ吸収速度は、インビトロタクリン放出速度が減少するのと同じランク 順序で減少した。また、吸収速度が減少するにつれて、バイオアベイラビリティ が減少した。 SR処方システムを、徐放性を維持しながらバイオアベイラビリティを増大させ る目的で更に開発した。ペレット芯へのタクリン添加を、処方CR1、CR3、CR4お よびCR5と比較して、50%だけ増加することによってより小さいカプセルサイズ で、より大きい投与量を可能とした。 本文中に報告した計算の目的は、1)タクリンCR処方物についてインビトロ溶解 データとインビボ吸収データとを相関させ、そして2)インビトロ/インビボ相関 関係に基づいてCR8、CR9およびCR10のインビボ吸収速度を予測することにある。 方法 吸収速度:速放性処方物CR1について、個々の被験者データを基にしてWagner- Nelson解析を行った。未吸収量対各被験者の時間の半対数プロットの負のスロー プから、一次吸収速度定数kAの概算が得られた。CR3、CR4およびCR5については 、ラムダz値はCR1よりも有意に小さく、ラムダzがkAであることを示し、そし て個々のラム ダz値をkA値の概算として用いた。各処方物について、平均kA値を求めた。平均 吸収時間(MAT)は吸収されるタクリン分子の平均時間を反映し、平均速度定数(3 ,4)の逆数として概算した: 溶解速度:CR1、CR3、CR4、CR5、CR8、CR9およびCR10の処方物からのタクリン の溶解を、50rpmで回転しているパドルを備えたUSP装置IIを用いて37℃の水中で 測定した(第6図)。各処方物の溶解データは、溶解遅れ相の後に生じる一次薬 物放出についての次の方程式で特徴を表わした: (式中kDは一次溶解速度定数である(3,4)。平均溶解時間(MDT)は、一旦吸収 が始まったら溶解するタクリン分子の平均時間を反映し、(3.4)の如く概算し た: インビトロ/インビボ相関関係:CR1、CR3、CR4およびCR5に対応するMAT値とM DT値との間の見かけの直線関係の特徴を表わすのに最小二乗回帰を用いた。処方 物CR8、CR9およびCR10について、測定MDT値からMAT値を予測するのに、線形回帰 パラメーターを用いた。次に、予測kA値を方程式(1)で算出した。 シミュレーション:単一用量に対する濃度−時間プロフィールを次の方程式を 用いてシミュレーションした: (式中、F=バイオアベイラビリティ、F/V=0.625/l、用量= 40mg、およびkE=0.274時間-1)。 シミュレーションした濃度を正規化し、それによりCR1に対するCmax値(16.2ng/ ml)を100の相対濃度値とした。溶解の研究により、遅れ時間(最初の定量可能な 濃度に先行する時間)はCR3<CR4<CR5の順序で増大することがわかった。吸収 遅れ時間(用量投与と吸収の見かけ上の開始との間の時間)にも同じ傾向がみら れた。CR8、CR9およびCR10について、溶解遅れ時間はみられなかった。この一連 のシミュレーションで、遅れ時間は0に等しいものと考えられた。 0の時間から最後の検知可能な濃度までの平均AUC、AUC(O−tldc)、を経口 バイオアベイラビリティの尺度として用いた。相対バイオアベイラビリティ(Fr el)をCR1について平均AUC(O−tldc)の%で表わした。CR8、CR9およびCR10の予 測Frel値は第11図に示す関係を精査することによって定めた。50%より大きい添 加はこの関係を改変しないものと考えられた。 結果および考察 未吸収量対時間のWagner-Nelsonプロットは対数直線であって、一次吸収を示 していた。タクリン吸収速度は一次速度定数kAによって特徴付けられた。未溶解 %対時間のプロットは対数直線(第7図)であり、CR処方物からの一次放出が0〜 2時間の遅れ相によることを示していた。タクリン溶解速度は、一次インビトロ 速度定数kDにより特徴が示され、対応するMATおよびMDT値を表9に要約する。 インビトロ/インビボ相関関係:kAとkDとの曲線関係を第8図に示す。この関 係は、CR3、CR4およびCR5につていの値で定義される限定された範囲にわたって 直線に近くすることができる。MAT値およびMDT値の直線関係(第9図)は次の方 程式で定義される: MAT=0.80時間+2.435*MDT(R2=0.998) (5) 方程式5に基づくCR8、CR9およびCR10の予測MAT値および対応するkA値を括弧内 の数値として上掲の表に示す。 結果から、CR10からのタクリン吸収が迅速であることが示唆され、kA値が大き くなるにつれて、予測吸収速度が速くなる。CR8からのタクリン吸収はCR3から観 察されたのと同様であると予測される。CR9からの吸収はCR3より速くなるであろ う。CR8およびCR9からの吸収は、kA<kEの故に制限された溶解速度であるものと 予測される。予測値からの偏差はペレット芯のタクリン添加の差異から生じ得る 。 新規な処方物が同一のバイオアベイラビリティーを有し、また吸収のための遅 れ時間が0であると仮定して、単一用量による血漿濃度(Cp)は方程式(4)を用 いてシミュレーションした(第10図)。相対(絶対ではない)Cp値を示すこれら のシミュレーションは各処方物における時間推移の形状の比較に有用である。シ ミュレーションにより、新規処方物についての濃度一時間プロフィールは相互に 異っていることがわかる。吸収速度が減少するにつれて(kA値を減少する)、Cm axが減少し、そして>8時間の時々の濃度は増加する傾向がある。 バイオアベイラビリティー:結果から、Frelおよび吸収速度は曲線であること がわかり(第7図);FrelはMATが増加するにつれて減少する。吸収速度の低減に よるバイオアベイラビリティーの減少は非線形初回通過代謝と一致している。CR 8についてのFrelとMATとの関係はCR3のそれと同様であろうし、一方CR9およびCR 10についてはより高くなろう。すべての新しい処方物はCR1より低いバイオアベ イラビリティーを持つと予測される。単一用量による濃度−時間プロフィールに 対するFrelの効果は第12図にシミュレーションされ、そこでは第7図で予測され たFrelを考慮に入れた処方物のプロフィ ールを比較している。シミュレーションから、CR3、CR8およびCR9の12時間血漿 レベルは極めて類似し、CR9がこれらの3種の処方物の最高のFrelを有すること がわかる。 要約すると、タクリンCR処方物の単一用量投与に続く報告されている溶解デー タおよび濃度−時間結果は、タクリン溶解および吸収が一次プロセスであること を指示している。平均溶解時間(インビトロ)と平均吸収時間(インビボ)との 間に強い正の相関関係が存在する。相関関係および相対バイオアベイラビリティ ーと吸収速度との間の関係に基づく、単一用量のシミュレーションは、基本型CR 8の薬物動態がCR3について先に報告した値と類似していることを指示している。 基本型CR9およびCR10はCR3よりも高いバイオアベイラビリティーおよびCmax値を 有するものと予測され、速放性処方物に関連して徐放特性を保持している。 本発明を上述の如く開示したが、本発明は多くの方法で変化させ得ることが明 白である。このような変化は本発明の精神および範囲から逸脱しているものと解 すべきではなく、このような変化はいずれも請求の範囲の範囲内に包含されるも のと企図されている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ムハマツド,ナウマン・エイ アメリカ合衆国ニユージヤージー州 07853.ロングバリー.クウエイルラン44 (72)発明者 ワイス,ジエイ アメリカ合衆国ニユージヤージー州 08810.イーストブランズウイツク.イン デイペンデンスドライブ63

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.速放性組成物および徐放性組成物からなる制御放出タクリン薬物送達システ ムにおいて、 (1) 速放性組成物の重量%で: (A) 次のものからなる速放性ペレット: (a) 約25%〜約75%量のノンパレイユ・シード; (b) 約10%〜約80%量のタクリン;および (c) 約1%〜約10%量の結合剤;および (B) 次のものからなる速放性ペレット上のシール層: (a) 約6%までの量のシール剤、および (b) 約5%までの量の第一可塑剤 からなる速放性組成物;ならびに (2) 徐放性組成物の重量%で、 (A) 速放性組成物;および (B) 次のものからなる速放性組成物上の徐放性層; (a) 約40%〜約90%量の水不溶性重合体; (b) 約10%までの量の水溶性重合体;および (c) 約10%までの量の第二可塑剤 からなる徐放性組成物 からなることを特徴とし、而して徐放性層および速放性組成物は徐放性組成物 中にそれぞれ約1:9乃至約4:6の重量比で存在し、また速放性組成物および 徐放性組成物は薬物送達システム中にそれぞれ約0.01:1乃至約1:1の重量比 で存在していることを特徴とする上記薬物送達システム。 2.タクリンが速放性組成物中に重量%で約15%〜約60%の量で存 在する請求項1の薬物送達システム。 3.結合剤が速放性組成物中に重量%で約2%〜約8%の量で存在する請求項1 の薬物送達システム。 4.速放性組成物中の結合剤がポビドンである請求項1の薬物送達システム。 5.シール剤が速放性組成物中に重量%で約4%までの量で存在する請求項1の 薬物送達システム。 6.速放性組成物中のシール剤がヒドロキシプロピルメチルセルロースである請 求項1の薬物送達システム。 7.速放性組成物中の第一可塑剤がポリエチレングノコールである請求項1の薬 物送達システム。 8.速放性組成物が更に付着防止剤を包含する請求項1の薬物送達システム。 9.水不溶性重合体が徐放性組成物中に重量%で約45%〜約85%の量で存在する 請求項1の薬物送達システム。 10.水不溶性重合体が徐放性組成物中に重量%で約50%〜約80%の量で存在する 請求項9の薬物送達システム。 11.徐放性組成物中の水不溶性重合体がエチルセルロースである請求の範囲1の 薬物送達システム。 12.水溶性重合体が徐放性組成物中に重量%で約10%までの量で存在する請求項 1の薬物送達システム。 13.水溶性重合体が徐放性組成物中に重量%で約5%までの量で存在する請求項 12の薬物送達システム。 14.徐放性組成物中の水溶性重合体がヒドロキシプロピルメチルセルロースであ る請求項1の薬物送達システム。 15.徐放性組成物中の第二可塑剤がクエン酸トリエチルである請求の範囲1の薬 物送達システム。 16.徐放性層および速放性組成物が徐放性組成物中にそれぞれ約1:9〜約3: 7の重量比で存在する請求項1の薬物送達システム。 17.徐放性層および速放性組成物が徐放性組成物中にそれぞれ約1:9〜約2: 8の重量比で存在する請求項16の薬物送達システム。 18.速放性組成物および徐放性組成物が薬物送達システム中にそれぞれ約1:9 〜約2:8の重量比で存在する請求項1の薬物送達システム。 19.速放性組成物および徐放性組成物が薬物送達システム中にそれぞれ約2:8 〜約4:6の重量比で存在する請求項18の薬物送達システム。 20.速放性組成物および徐放性組成物からなる制御放出タクリン薬物送達システ ムの製造方法において、次の工程からなることを特徴とする上記製造方法: (i) 次の成分を提供し: (1) 速放性組成物の重量%で: (A) 次のものからなる速放性ペレット: (a) 約25%〜約75%量のノンパレイユ・シード; (b) 約10%〜約80%量のタクリン;および (c) 約1%〜約10%量の結合剤;および (B) 次のものからなる速放性ペレット上のシール層: (a) 約6%までの量のシール剤、および (b) 約5%までの量の第一可塑剤 からなる速放性組成物;ならびに (2) 徐放性組成物の重量%で、 (A) 速放性組成物;および (B) 次のものからなる速放性組成物上の徐放性層; (a) 約40%〜約90%量の水不溶性重合体; (b) 約10%までの量の水溶性重合体;および (c) 約10%までの量の第二可塑剤 からなる徐放性組成物 からなり、而して徐放性層および速放性組成物は徐放性組成物中にそれぞれ 約1:9乃至約4:6の重量比で存在し、また速放性組成物および徐放性組成物 は薬物送達システム中にそれぞれ約0.01:1乃至約1:1の重量比で存在してい る; (ii) 工程(i)(1)(A)からのタクリンおよび結合剤の水性懸濁液を形成させ 、そしてこの懸濁液をノンパレイユ・シードに積層させて速放性ペレットを形成 させ; (iii) 工程(i)(1)(B)からのシール剤および第一可塑剤の水性混合物を形 成させ、そして速放性ペレットを被覆して速放性組成物を形成させ; (iv) 工程(i)(2)(B)からの水不溶性重合体、水溶性重合体および第二可塑 剤の水性分散液を形成させ、そして速放性組成物の一部分を被覆して徐放性組成 物を形成させ;そして (v) 速放性組成物と徐放性組成物とをそれぞれ約0.01:1〜約1:1の重量 比で混合して制御放出タクリン薬物送達システムを形成させる。
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