JPH09502133A - 主軸受ピンへ焼嵌めする前にクランクスローのボアを降伏応力まで半径方向に加圧する方法 - Google Patents

主軸受ピンへ焼嵌めする前にクランクスローのボアを降伏応力まで半径方向に加圧する方法

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Abstract

(57)【要約】 クランクスローは2本のアーム(1)と、1本のクランクピン(3)とを備えている。各アームは主軸受ピンのピン部分が焼嵌めされるボア(2)を含んでいる。シャフトを組みつける前に該ボア(2)に該ボアを囲繞する材料の少なくとも一部における応力を該材料の降伏応力まで上昇させることのできるレベルの半径方向圧力が加えられる。応力が緩和された後で、ボア周辺近傍の材料中に圧縮応力が残存して、組み立てられたシャフトに生じる応力レベルを低減する。

Description

【発明の詳細な説明】 主軸受ピンへ焼嵌めする前にクランクスローのボアを 降伏応力まで半径方向に加圧する方法 本発明は、軸線方向に伸長する主軸受ピンを介して相互連結された複数のクラ ンクスロー(crank throw)から構成された半組立または完全組立の クランクシャフトに使用するクランクシャフト部品を製造する方法に関する。前 記クランクスローの各々は、2本のアームと、該アームを相互に連結する連接棒 ピンとを備えており、前記各アームがボア(穴)内に焼嵌めされるピン部分から なる焼嵌め連結により、好適にはクランクアームのボアに焼嵌めされる主軸受ピ ン部から成る焼嵌め連結により、関連する主軸受ピンに連結される。 半組立クランクシャフトとはクランクスローが連接棒ピンに焼嵌めされる2本 のアームから構成される完全組立シャフトとは相反して各クランクスローが一体 に製造されるシャフトのことである。双方のタイプのシャフトの場合、エンジン のシリンダ数に対応する数のクランクスローが主軸受ピンにより1本の完全なシ ャフトに組み立てられる。通常、主軸受ピンの端部がクランクアームの関連する ボア内に焼嵌めされるが、この例はデンマーク特許第108,246号を含めた 幾つかの特許に記載されているが、デンマーク特許第128,428号に記載さ れている如く、2本の隣接するアームを2つの隣接するピン部の周りに配置され た接合リング内のボアに焼嵌めされる軸線方向に突出したピン部を備えたそれぞ れのクランクスロー内に配置するようにデザインすることが可能である。 縮み圧力は、シャフトの組立後に降伏がボアの内部表面の直近、即ち、接合表 面近傍の材料中にのみ生じると言った条件により制限されるが、これは公知の半 組立クランクシャフトや完全組立クランクシャフトにおいて共通の特徴となって いる。縮み圧力が高く、エンジン作動中にシャフト材料中においてより大きな降 伏が生じる場合には、シャフトが加えられたトルクを伝達しようとすると許容を 超えて変形してしまう。縮み圧力により個々のシャフト部品を互いに固定し、従 って、縮み表面と共にシャフトの伝達できるトルクの大きさを決定する。前記し た如くシャフトの寸法は作動中は安定していると言った事実により縮み圧力の最 大レベルが制限されることから、シャフトにより大きなトルクを伝達させようと する場合には、公知のシャフトにおいては、縮み表面積、従って、軸線方向及び /または変形方向のシャフト寸法を増大する必要がある。これはクランクシャフ ト及びエンジンに隣接する部品がより大きな空間を必要とし、また、重量が増大 することで、エンジンが高価になり且つ効率が低下することを意味する。 本発明の目的はシャフトの寸法に比べてより大きなトルクを伝達できるクラン クシャフトの製造を可能にする方法を提供することである。 本目的を達成するために、本発明による方法は、関連するピン部分が焼嵌めさ れる前に、ボアを囲繞する材料の少なくとも一部における応力が該材料の降伏応 力まで増大される大きさの半径方向に指向された圧力を該ボアが受けることを特 徴とする。 縮み前に加えられた半径方向に指向された圧力は環状領域内のボアを囲繞する 材料中に降伏応力を発生するが、ボア周辺から離間する方向に向かった半径方向 の範囲は加えられた圧力の大きさにより決定される。加えられた圧力が解放され ると、環状領域の応力が弾性緩和されて、加えられた圧力が完全に解放された時 に圧縮応力がボア周辺に最も近い材料領域に残存する。続いてピン部分がボア内 に焼嵌めされると、圧縮応力が縮み圧力により材料中に生じた応力を相殺して、 組み立てられたシャフトの全応力レベルが一定の縮み圧力に低減される。 本発明の方法は、加えられた縮み圧力を増大して寸法を変更することなくクラ ンクシャフトのトルク伝達能力を高めるのに、または、トルク伝達能力を変更す ることなく寸法を低減するのに、または、これらの組み合わせに使用することが 可能である。縮み圧力が高くなると縮み領域が低減、従って、シャフト長が短く なる機会が生じるが、応力レベルが低下する結果としてボアを囲繞する収縮補強 材の厚さを低減することが可能となる。 好適な方法では、クランクアームのボアの場合には、使用される圧力はアーム の外側がボアまでの最短距離となる領域における該アームの外側の材料において 降伏点に達するような大きさとなる。この方法で加える圧力をアームの全厚に亙 って材料が可塑性を有するまで増大することにより、圧力解放時に取得できる最 大圧縮応力がボア周辺近傍の材料中で生じる。本発明の効果をこのように最大限 利用することで、クランクシャフトの幾何学的形状を変更せずに縮み圧力を公知 のシャフトに比べて85パーセントまで増大することが可能となり、これにより シャフトのトルク伝達能力を約85パーセント高めることが可能となる。 半径方向に指向された圧力は異なる方法により加えることが可能である。ボア 内に伸縮自在の心棒を挿入することで純然たる機械的な方法で圧力をかけること が可能であるが、圧力はボアの横に並んだアームの両側にシール用カバーを配置 し、カバー間の空隙に加圧流体を充填し、該流体の圧力を所望レベルまで上昇さ せ、該圧力を解放し、そしてカバーを取り除くことで加えるようにするのが好適 である。加圧流体の使用により純然たる機械的方法では得ることのできないボア 周辺が全領域に亙って完全に均一な圧力の影響を受けるといった効果を得ること が可能となる。これは、マンドレルは半径方向外側に押圧される幾つかの部品で 構成されなければならないし、該部品は外側に押圧されると互いに若干離間する ようになり、ボア周辺に加えられる圧力が前記部品間の遷移領域において変動す るからである。更に、導入される流体中の圧力を制御することで加えられた圧力 レベルを調整するのが非常に簡単になる。 本発明はまた前記方法において使用される装置にも関し、該装置はボアより小 径のピンと、ボアより大径の2つのカバーと、該2つのカバーをボアの両側に該 ボア内に略同軸状に位置決めされたピンで取り付ける少なくとも1つの締付け部 材と、装置に取り付けられた位置において前記ピンと前記ボアの内側との間の空 隙に連通する流体インレットとを備えていることを特徴とする。該装置は簡単な 設計で構成され且つ取付、使用及び取り外しが迅速に行えて、本発明の方法を使 用することで実質的なコスト増大を防止し、反対に、所定のトルクを伝達するこ とができるシャフトの製造に使用する材料の量を大幅に節約できる。ピンの径が クランクアーム内のボアまたは接合リングより小さいことから、1つ及び同一の 装置を異なる寸法のシャフトに使用することが可能となる。 好適な実施例では、アームに面する側では各カバーが装置に取り付けられた位 置においてそれぞれクランクアームの側部表面とピンの端部表面とに密封接触す る2つの環状シール手段を備えている。該シール手段は流体圧力をシール手段間 に位置する環状カバー領域にのみ作用するようにさせ、これによりカバーに作用 する力を低減して、カバーの厚さのみならず締付け部材のサイズを低減して装置 の重量を軽くして操作を容易にしている。 本発明を非常に簡単な添付図面を参照しつつ下記に更に詳細に説明する。同図 面中、 図1は半組立シャフト用クランクスローのアームの側面図であり、 図2乃至図4はそれぞれ従来技術により組立られたシャフトのアーム材料にお ける応力の状態、本発明により製造されたアームの収縮前における応力状態、及 び図3の収縮組立後のアームにおける応力状態をしめした図であり、 図5は本発明がシャフトの材料の量を低減するのに用いられた図1のクランク アームに対応する図であり、 図6はクランクアームに取り付けられた状態で示された本発明による装置の断 面図である。 図1は図示しない主軸受ピン上のピン部分のためのボア(穴)2を備えたクラ ンクアーム1を示しており、該主軸受ピンは、中央軸受部分と、シャフトが組つ けられた時にそれぞれのクランクスローの関連するボア2に焼嵌めされる2つの 端部部分を備えている。クランクスローは半組立シャフト用のものであり、該ス ローの2本のアーム1と一体に形成された連接棒ピン3を有している。ボアの該 ピン3から離間する方の側ではボア2は収縮補強材と呼ばれる環状アーム材料4 により囲繞されている。 ピン部分が公知の方法によりボア内に焼嵌めされる場合には、図2に示した応 力はシャフトの組みつけ後に収縮補強材中に生じる。横座標軸はボア中心からの 距離を示している。ボアの周表面は中心と一定の距離aで隔置されており、bは 領域5におけるアームの外側までの距離を示しており、該領域においてはアーム の外側とボア、即ち、収縮材料の半径方向外側端との距離が最短になっている。 収縮補強材の半径方向厚さは従ってb−aである(図6参照)。 縮み圧力によりアーム材料中に半径方向応力σR及び接線方向応力σTの双方が 惹起され、総応力状態、即ち基準応力はσref=σR+σTとなる。半径方向応力 σRはボア周辺の縮み圧力に相当し、アームの外側ではσR=0となる。図2から 縮み圧力が非常に高いのでボア周へ近傍の材料における応力が降伏点にあるのが 分かる。 図6はピン部分が焼嵌めされる前にボア2を囲繞する材料を加圧する装置を示 している。最初に、ボア2より小径のピン6がボア内部に位置決めされ、カバー 7及び8がボルト9等の締付け手段により該ピンに固定され且つ締め付けられて アームの側部10及び11と密封接触されてボアの端部が閉鎖されて、ピンが環 状空隙12により囲繞される。加圧流体の供給源が空隙12に至る導管を備えた ネジの切られた穴の形態を取る流体インレット13に接続される。流体の導入圧 力は例えば所望の圧力より高い圧力を有する供給源及び調整自在の圧力低減弁を 備えた供給導管により制御することが可能となる。あるいは、流体を供給圧力が 調整自在となる加圧ポンプから供給することが可能である。使用される流体は通 常油または水等の液体である。 空隙12が流体で充満し、且つ、圧力が上昇すると、ボア周辺の材料中の応力 が先ず材料の降伏応力σfまで上昇し、空隙内の圧力が引き続き上昇すると、ボ ア周辺から離れた位置で塑性化される。所望の範囲の可塑化が達成されると、空 隙内の圧力が解放され、これにより材料中に真の弾性応力緩和が生じて、装置が ボア2から取り外されて、次いで該ボアへの通常の方法によるピン部分の焼嵌め が可能となる。 圧力が解放された後では、図3においてσrefで示す如く、ボアの周辺に最も 近い材料の一部に圧縮応力が発生する一方で、アーム1の外側及び接合リング近 傍には引張応力が存在することになる。図4は、縮み圧力の大きさが図2の圧縮 応力の大きさと同一の場合の組立シャフトにおける応力状態を示している。残留 応力は、図3に示した残留応力の合計として表され、ボア周辺の近傍領域におけ るσrefが材料の降伏応力σfより略低く、且つ、アームの外側近傍領域のσref は図2の場合のσrefよりも高いことが理解できる。流体圧力の最大値を適当に 選択することで組立られたシャフトがa及びb間に位置決めされた材料中におい て大幅に一定した応力σrefを達成することが可能となり、従って、材料強度の 最適な利用が可能となる。 組立シャフトの応力レベルを低くすれば縮み圧力が増大し、変化しない縮み領 域においてシャフトのトルク伝達能力を高めることが可能となる。あるいは、ボ アの径を小さくし、且つ/または、アームの軸線方向幅を小さくして縮み領域を 低減することが可能となる。また、収縮補強材4の厚さを薄くすることでシャフ トの重量を軽くすることが可能である。図5は本発明を利用してシャフトの重量 を軽くしたクランクアームを示している。該シャフトで図1に示したシャフトと 同一のトルクを伝達することが可能であり、材料が相当節約できたことが理解で きる。 シャフトが完全に組み立てられる場合には、連接棒ピン用のボアを主軸受ピン 用のボア2と同様な方法で事前に装填しておくことが可能である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.軸線方向に伸長する主軸受ピンを介して相互連結された複数のクランクスロ ーから構成された半組立または完全組立のクランクシャフトに使用するクランク シャフト部品を製造する方法であって、前記クランクスローの各々が2本のアー ムと、該アームを相互に連結する連接棒ピンとを備えており、且つ、前記各アー ムが、ボア内に焼嵌めされるピン部分、好適には前記クランクアームのボアに焼 嵌めされる主軸受ピン部分から成る収縮連結により関連する主軸受ピンに連結さ れるクランクシャフト部品を製造する方法において、関連するピン部分が焼嵌め される前に、前記ボアが、該ボアを囲繞する材料の少なくとも一部における応力 が該材料の降伏応力まで増大する大きさの半径方向に指向された圧力を受けるこ とを特徴とするクランクシャフト部品を製造する方法。 2.クランクアームのボアの場合には、使用される圧力は前記アームの外側がボ アまでの最短距離となる領域における該アームの外側の材料において降伏点に到 達するような大きさであることを特徴とする請求項1に記載の方法。 3.シール用カバーが前記ボアと整列して前記アームの両側に配置され、該カバ ー間に位置する空隙に加圧流体が充填され、該流体の圧力が所望のレベルまで増 大され、且つ、該圧力が解放されて前記カバーが取り外されることを特徴とする 請求項1または請求項2に記載の方法。 4.前記ボアより小径のピンと、前記ボアより大径の2つのカバーと、該2つの カバーをボアの両側に該ボア内に略同軸状に位置決めされたピンで取り付ける少 なくとも1つの締付け部材と、装置に取り付けられた位置において前記ピンと前 記ボアの内側との間の前記空隙に連通する流体インレットとを備えていることを 特徴とする請求項1乃至3に記載のいずれかの方法に使用される装置。 5.前記アームに面する側で、各カバーが、装置に取り付けられた位置において 、それぞれ前記クランクアームの側部表面と前記ピンの端部表面とに密封接触す る2つの環状シール手段を備えていることを特徴とする請求項4に記載の装置。
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