JPH09503123A - ウイルス除去のための方法および組成物ならびにその使用 - Google Patents

ウイルス除去のための方法および組成物ならびにその使用

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JPH09503123A JP7504655A JP50465595A JPH09503123A JP H09503123 A JPH09503123 A JP H09503123A JP 7504655 A JP7504655 A JP 7504655A JP 50465595 A JP50465595 A JP 50465595A JP H09503123 A JPH09503123 A JP H09503123A
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Abstract

(57)【要約】 調製物から、レトロウイルスおよびウイルスベクターを含むウイルスを分離するために有用な方法および組成物が開示される。オリゴサッカライド1gあたり少なくとも約6μモルの硫酸基を有する硫酸化オリゴサッカライドが提供される。1つの局面では、本発明の硫酸化オリゴサッカライドは、脂質エンベロープウイルスのようなウイルスの精製に使用され得る。本発明は、生物学的治療剤のような調製物から汚染ウイルスを除去するための方法を開示する。

Description

【発明の詳細な説明】 ウイルス除去のための方法および組成物ならびにその使用技術分野 本発明は、一般に、生物学的および化学的調製物からの、レトロウイルスを含 むウイルスの除去に関する。より詳細には、本発明は、高度に硫酸化された炭水 化物をベースにしたマトリックスを用いる調製物からのウイルスの除去方法;お よびウイルスを精製するためのまたはウイルスを含む調製物から汚染物を取り除 くためのそのような方法の使用に関する。発明の背景 ウイルスは、過去において、および予測可能な未来に、動物、植物またはその 他に関わらず、生物に顕著に影響し続ける。ウイルスは、恐らく、真核生物また は原核生物細胞内で複製し得る感染因子として最も良く知られている。何千年も の間、ウイルスは猛烈な割合でおよびさほど劇的でないスケールで疾患を引き起 こした。より最近、ウイルスまたはウイルスの一部分を生物に有益な方法で使用 するための可能性が発見されそして広がっている。例えば、非毒性(non-virulen t)ウイルスが、細胞にDNA分子を送達するための安全で有効な手段と考えられて いる。この観点から、精製ウイルスの需要がある。培養系からの初期ウイルス回 収物は、通常、宿主タンパク質および核酸を含む複合混合物の一部分としてウイ ルスを含んでいる。ウイルスを濃縮および精製する従来の手段は、超遠心分離お よび密度勾配分離方法を含む。これらの方法は、時間がかかり、面倒であり、そ して健康を害する危険がある。ポリエチレングリコールまたは硫酸アンモニウム 沈殿のような他の手法はまた、ウイルス感染性の損失を導き得る。ウイルスを濃 縮および精製する現在のアプローチにおける困難性のため、当該分野で改良方法 に対する必要性が存在する。 生物製品のような調製物のウイルス汚染が重要な問題である。例えば、輸血用 のHIV汚染血液の使用は、受容体に悲劇的な結果をもたらす。生物製品の可能な ウイルスの汚染は、供給源材料または培養プロセスに導入された外来因子から生 じ得る。ウイルスを含まない調製物を調製する現在のアプローチの困難性のため 、当該分野で改良法に対する必要性が存在する。 本発明はこれらの必要性を満たし、そして他の関連する利点をさらに提供する 。発明の要旨 要約すれば、本発明は、調製物から、脂質エンベロープウイルス、例えばレト ロウイルスを分離する組成物および方法を提供する。1つの局面では、硫酸化オ リゴサッカライドが提供され、ここで硫酸化オリゴサッカライドは、セルロース 1gあたり少なくとも約6μモルの硫酸基(sulfate)を持つ。1つの実施態様では 、硫酸化オリゴサッカライドは、セルロース1gあたり約6から18μモルの硫酸 基を持つ。別の実施態様では、セルロース1gあたり約10μモルより多い硫酸基 を持つ。 別の局面では、本発明は、汚染物質からのウイルスの精製方法を提供する。1 つの局面では、この方法は以下の工程を包含する: (a)脂質エンベロープウイルスが硫酸化オリゴサッカライドに結合するに十分 な条件下および時間、脂質エンベロープウイルスを含む調製物を硫酸化オリゴサ ッカライドと接触させる工程、ここで、上記硫酸化オリゴサッカライドは、オリ ゴサッカライド1gあたり約6μモルから18μモルの硫酸基を持つ; (b)上記硫酸化オリゴサッカライドから、この硫酸化オリゴサッカライドに結 合していない調製物の部分を分離する工程;および (c)上記硫酸化オリゴサッカライドから結合した脂質エンベロープウイルスを 溶出し、それによって、この硫酸化オリゴサッカライドに結合し得ない基質(su bstrates)が実質的にない脂質エンベロープウイルスを回収する工程。 別の実施態様では、本発明の方法は以下の工程を包含する: (a)レトロウイルスが硫酸化オリゴサッカライドに結合するに十分な条件下お よび時間、レトロウイルスを含む調製物を硫酸化オリゴサッカライドと接触させ る工程、ここで、上記硫酸化オリゴサッカライドは、オリゴサッカライド1gあ たり約6μモルから18μモルの硫酸基を持つ; (b)上記硫酸化オリゴサッカライドから、この硫酸化オリゴサッカライドに結 合していない調製物の部分を分離する工程;および (c)上記硫酸化オリゴサッカライドから結合したレトロウイルスを溶出し、そ れによって、この硫酸化オリゴサッカライドに結合し得ない物質が実質的にない レトロウイルスを回収する工程。 別の局面では、本発明は、調製物から汚染ウイルスを除去する方法を提供する 。1つの実施態様では、この方法は以下の工程を包含する: (a)脂質エンベロープウイルスが硫酸化オリゴサッカライドに結合するに十分 な条件下および時間、脂質エンベロープウイルスを含むと推測される調製物を硫 酸化オリゴサッカライドと接触させる工程、ここで、上記硫酸化オリゴサッカラ イドは、オリゴサッカライド1gあたり少なくとも約6μモルの硫酸基を持つ; および (b)上記硫酸化オリゴサッカライドから、この硫酸化オリゴサッカライドに結 合していない調製物の部分を分離する工程。 別の実施態様では、本発明の方法は以下の工程を包含する: (a)レトロウイルスが硫酸化オリゴサッカライドに結合するに十分な条件下お よび時間、レトロウイルスを含むと推測される調製物を硫酸化オリゴサッカライ ドと接触させる工程、ここで、上記硫酸化オリゴサッカライドは、オリゴサッカ ライド1gあたり少なくとも約6μモルの硫酸基を持つ;および (b)上記硫酸化オリゴサッカライドから、この硫酸化オリゴサッカライドに結 合していない調製物の部分を分離する工程。 なお、別の局面では、本発明は、硫酸化オリゴサッカライドに結合したレトロ ウイルスを用いる方法および組成物を提供する。1つの実施態様では、この組成 物は、硫酸化オリゴサッカライドを含み、ここでこのオリゴサッカライドは、オ リゴサッカライド1gあたり少なくとも約6μモルの硫酸基を含み、かつそれに 結合したレトロウイルスを有する。別の実施態様では、この組成物は、温血動物 にレトロウイルスを送達するために、硫酸化オリゴサッカライドを含み、ここで このオリゴサッカライドは、オリゴサッカライド1gあたり少なくとも約6μモ ルの硫酸基を含み、かつそれに結合したレトロウイルスを有する。なお別の実施 態様では、上記組成物は、薬剤の製造において使用するために、硫酸化オリゴサ ッカライドを含み、ここでこのオリゴサッカライドは、オリゴサッカライド1g あたり少なくとも約6μモルの硫酸基を含み、かつそれに結合したレトロウイル スを有する。 本発明の他の局面は、以下の詳細な説明を参照すれば明確である。発明の詳細な説明 上記のように、本発明は、調製物からのウイルスの分離または温血動物への送 達のために有用な組成物および方法に関する。本発明で開示されるように、中程 度から高度に硫酸化されたオリゴサッカライドは、ウイルスの精製、調製物中の ウイルス汚染物の除去、およびウイルスの送達を含む種々の目的に有用である。 本発明の硫酸化オリゴサッカライドは、中程度に硫酸化されたオリゴサッカラ イドおよび高度に硫酸化されたオリゴサッカライドの両方を含む。本明細書で使 用されるとき、中程度に硫酸化されたオリゴサッカライドとは、オリゴサッカラ イド1gあたり少なくとも約6μモルの硫酸基〜1gあたり約15μモルの硫酸基を 有するオリゴサッカライドをいう。高度に硫酸化されたオリゴサッカライドは、 オリゴサッカライド1gあたり約15μモルより多い硫酸基を含む。一般に、硫酸 化の最大レベルは約20μモルである。適切なオリゴサッカライドは、アルキルオ リゴサッカライドを含み、セルロース、ヘパリン、およびアガロースが好適なオ リゴサッカライドである。その天然の構造を保持する結晶性セルロースが特に好 適である。 種々のオリゴサッカライドが、中程度または高度に硫酸化された形態で調製さ れ得ることは当業者に明らかである。本発明の硫酸化オリゴサッカライドは、代 表的には、オリゴサッカライドの化学的処理により調製される。化学的合成では 、クロロスルホン酸または無水硫酸のような硫酸化剤が硫酸化を行う。例えば、 クロロスルホン酸を、一般に0℃未満の低温を維持しながらピリジンに滴下して 添加する。この混合物を、ピリジンの沸点未満の温度(一般に65〜70℃の間)まで 加熱し、そしてオリゴサッカライドを添加する。この温度を維持し、そして反応 混合物を撹拌し、オリゴサッカライドを液相中に懸濁したままにする。反応を数 時 間、一般に4〜6時間進行させる。高度に硫酸化されたオリゴサッカライドは、 さらに硫酸化剤を含ませることおよび反応時間を増加することにより調製され得 る。終了した反応混合物を冷却し(一般にほぼ室温(例えば、25℃)まで)、そして 塩基(一般に10% NaOH)で中和する。中和されたゲルは、例えば、(焼結ガラスフ ィルターのような)濾過により回収し得る。残存塩基を除去するためおよび試料 適用用のゲルを調製するために、ゲルを、多量の塩含有緩衝液(一般にNaCl含有 緩衝液)で洗浄することが望ましい。硫酸化オリゴサッカライドは、例えば、ク ロマトグラフィー手順用のカラムに添加され得るか、またはバッチ手順で使用さ れ得る。 硫酸化オリゴサッカライドのウイルスに対する最大結合能力(capacity)が測定 され得る。要約すれば、硫酸化オリゴサッカライドの1mlカラムが使用される。 低濃度塩(50mM〜0.5M未満)による洗浄の後、ウイルス溶液の1mlのアリコート( 好ましくは既知の力価のウイルスを含む)が添加される。カラム流出液(efflue nt)を集める。この手順を、ウイルスがすべてのカラム結合部位を飽和し、そし てカラムボイド(void)に直接溶出される(「ウイルス貫通(viral breakthrough) 」まで繰り返す。カラムに添加された試料中のウイルス量およびウイルス貫通ま でに添加されたウイルス試料の容量を測定することにより、硫酸化オリゴサッカ ライドの相対能力が測定され得る。カラムの結合能力が決定されると、試料のウ イルス全含有量を結合するために必要な硫酸化オリゴサッカライドの総量が決定 され得る。硫酸化オリゴサッカライドの全結合能力の75%を超えないで使用する ことが好ましい。 硫酸化オリゴサッカライドに対するウイルスの結合強さが測定され得る。要約 すれば、硫酸化オリゴサッカライドの2mlカラムが使用される。低濃度の塩によ る洗浄後、ウイルス溶液の1mlのアリコート(好ましくは既知の力価のウイルス を含む)が添加される。カラム流出液を集める。ますます多量の塩を含む緩衝化 溶液の2m1の試料を添加する。カラム溶離液(eluent)を集める。ウイルス含有 量およびイオン強度の両方についてカラム溶離液をアッセイすることにより、結 合ウイルスを結合するために必要な最小塩濃度が決定され得る。 本発明の硫酸化オリゴサッカライドの1つの使用は、ウイルスの精製における 使用である。好ましい使用は、レトロウイルスを基礎にした遺伝子療法ベクター における使用である。一般に、中程度に硫酸化されたオリゴサッカライドが好ま しい。何故なら、オリゴサッカライド上の硫酸基量をさらに増加すると、結合ウ イルスを取り出すために必要なイオン強度もさらに増加するからである。 硫酸化オリゴサッカライドに結合し得るいずれものウイルスが精製の候補であ る。候補ウイルスが硫酸化オリゴサッカライドに結合する能力が容易に試験され 得ることは当業者に明らかである。例えば、ウイルス含有調製物を、硫酸化オリ ゴサッカライドと接触させ、このオリゴサッカライドを洗浄して非結合ウイルス を除去し、そして洗浄液中のウイルス量を、初期調製物中のウイルス量と比較し 得る。本明細書で用いられる用語「ウイルス」は、DNAウイルス、RNAウイルス、 レトロウイルス、およびレトロウイルスベクターのようなウイルスベクターを含 む。適切なウイルスは、ネズミ白血病ウイルス(MLV)、HIV、およびネズミレトロ ウイルスのような、脂質エンベロープウイルスを含む。好ましいウイルスはレト ロウイルスを含む。特に好ましいウイルスは、MLV、ヘルペスウイルス、およびD 型肝炎ウイルスを含む。 ウイルスは種々のタイプの調製物から精製され得る。例えば、ウイルスを含む 細胞非含有上清が調製物であり得る。あるいは、ウイルスは血液製品のような他 の調製物から精製され得る。 本発明の硫酸化オリゴサッカライドは、ウイルスの精製において、種々のフォ ーマットで使用され得る。例えば、硫酸化オリゴサッカライドはカラム中に配置 され得る。この硫酸化オリゴサッカライドは固相カラムマトリックスである。ウ イルス含有調製物はカラムを通過し、そしてウイルスは硫酸化オリゴサッカライ ドに吸着する。カラムの性能の最適化が試料容積および流速に依存することは当 業者に理解される。硫酸化オリゴサッカライドに結合しない調製物中の物質はカ ラムを通過する。例えば、アルブミン、発熱物質(pyrogen)、およびDNAは結合し ない。すべての非結合物質が除去されることを確実にするためにカラムを1回以 上洗浄することが望ましい。硫酸化オリゴサッカライドに結合しているウイルス は、高イオン強度緩衝液(例えば、緩衝化溶液中の約0.5M〜3Mの塩)を用いてカラ ムから脱吸着される。ウイルスの溶出に先立って、カラムに弱く結合しているい かなる物質をも除去するために、別の緩衝溶液(適用強度より大きいが、ウイル スの溶出に必要な強度より小さいイオン強度を有する)で洗浄することが望まし い。ウイルスの精製において、本発明の硫酸化オリゴサッカライドの使用が、標 準のクロマトグラフィー技法のような他の精製技法と組み合わせてなされ得るこ とは当業者に明らかである。そのような技法は、例えば、イオン交換クロマトグ ラフィーおよびゲル濾過クロマトグラフィーを含む。複数工程の手順では、硫酸 化オリゴサッカライドを利用する工程は、初期工程、最終工程であり得るか、ま たは他工程の間に位置し得、そして繰り返され得る。 本発明の硫酸化オリゴサッカライドのカラムクロマトグラフィーにおける使用 とは別の使用は、バッチフォーマットにおける使用である。バッチ適用には、硫 酸化オリゴサッカライドは、ウイルス含有調製物に直接添加され得る。硫酸化オ リゴサッカライドのウイルスとの相互作用を最大にするために、反応混合物を緩 やかに撹拌すべきである。硫酸化セルロースへのウイルス吸着の後(例えば、室 温、穏やかな撹拌で30分間)、結合していない調製物の部分は、種々の方法で硫 酸化オリゴサッカライドを含むウイルスから分離され得る。例えば硫酸化オリゴ サッカライドは、遠心分離(例えば、1000×gで5分間)、濾過、または沈降(例え ば、1×gで2時間)により分離され得る。硫酸化オリゴサッカライドに結合して いるウイルスは、高イオン強度緩衝液を用いることにより脱吸着される。さらに 、上記のように、硫酸化オリゴサッカライドを、ウイルスの溶出に先立って1つ またはそれ以上の溶液で洗浄することか望ましい。 カラムまたはバッチ溶出物(eluate)中のウイルスの存在のモニタリングは、種 々の技法により実施され得る。そのような技法は、本明細書に記載のようなプラ ークアッセイおよびコロニー形成単位(CFU)アッセイを含む。 本発明の硫酸化オリゴサッカライドの他の使用は、調製物を汚染しているウイ ルスの除去である。そのような調製物は、抗体試料、血液、生物製品、および他 の生物薬剤製品のような生物学的試料を含む。中程度に硫酸化されたオリゴサッ カライドが使用され得るが、高度に硫酸化されたオリゴサッカライドが好適であ る。高度に硫酸化されたオリゴサッカライドは、そのより大きなウイルス結合能 力のために、汚染ウイルスの大量除去に特に有利である。さらに、オリゴサッカ ライド上の硫酸基の量の増加がまた、ウイルスの結合に実質的に影響し得るので 、高度に硫酸化されたオリゴサッカライドの使用がより望ましい。しかし、オリ ゴサッカライド上の硫酸基の量の増加はまた、硫酸化オリゴサッカライドからの ウイルスの除去に必要なイオン強度を増加するので、それに結合したウイルスを 含む非常に高度に硫酸化されたオリゴサッカライドは、再生しようと試みるより むしろ捨てることが望ましい。 ウイルスの精製における使用と同様に、本発明の硫酸化オリゴサッカライドは 、調製物から汚染ウイルスを除去するための種々のフォーマットにおいて使用さ れ得る。例えば、硫酸化オリゴサッカライドは、カラム上に配置され得、または バッチ手順中の調製物に直接添加され得る。ウイルスを含むと推測される調製物 を、本発明の硫酸化セルロースと接触させ、硫酸化セルロースにウイルスを結合 させる。例えば、硫酸化オリゴサッカライドが調製物に直接添加される場合、組 み合わせを、代表的には、緩やかに撹拌しながら室温付近で約30分間混合させる 。結合の後、調製物と硫酸化オリゴサッカライドとが分離される。例えば、硫酸 化オリゴサッカライドを調製物に直接添加する場合、硫酸化セルロースに結合し ていない調製物の部分は、遠心分離、濾過、および沈降を含む種々の手段により 硫酸化セルロースから分離され得る。結合および分離工程が同時に起こり得るこ とは当業者に明らかである。例えば、硫酸化オリゴサッカライドがカラム中で用 いられる場合、調製物はカラムを通過し、硫酸化オリゴサッカライドへのウイル ス結合および結合していない調製物の部分の分離の両方を行う。 本発明の硫酸化オリゴサッカライドのなお別の使用は、ヒトを含む温血動物へ のウイルス(レトロウイルスのような)の送達である。1つの実施態様では、硫 酸化オリゴサッカライドマトリックスは、ウイルス抗原を送達するための媒体( vehicle)として働く。例えば、未知のウイルスが、製品供給流れ(product feed stream)における低レベルの汚染物であると推測される。このウイルスの存在に ついて試験するために、製品供給流れは、最初、硫酸化オリゴサッカライドカラ ムを通過させ、試料中のウイルスを結合させ、そしてそれ故濃縮する。結合すれ ば、ウイルス含有硫酸化オリゴサッカライドを、動物(ウサギなど)に直接注入 し抗体を産生させる。抗体刺激の後、取り込んだ動物に由来する血清を用いて、 既知の ウイルス特異的抗原の存在について、例えば従来のウェスタンアッセイでスクリ ーニングする。 本明細書の開示を見れば、本発明の硫酸化オリゴサッカライドが薬剤の製造を 含む他の使用を有することは、当業者によって認識される。以下の実施例は、例 示により、そして制限によりではなく提供される。 実施例 実施例1 硫酸化オリゴサッカライドの調製 ピリジン(600ml)に、クロロスルホン酸(117g)を、反応温度を0℃未満に保ち ながら滴下により添加する。添加終了後、混合物を65℃〜70℃まで加温する。加 熱混合物に、その天然の構造を保持する80gの結晶性セルロース(例えば、Sterog ene、Arcadia、CA製の非誘導体化ハイフローカタログ番号CN 10099;Underivati zed Hiflow Catalogue #CN 10099)を添加する。このセルロース含有混合物を、6 5℃〜70℃に維持し、そして撹拌して添加セルロースを液相中に懸濁したままに する。反応を4〜6時間進行させる。反応が終了したとき、反応混合物を25℃ま で冷却する。反応混合物を10% NaOHで中和する。中和ゲルは濾過により集め得 る。誘導体化ゲルをO.2M NaClを含む多量の緩衝液で洗浄する。 上記で調製された硫酸化セルロースは以下の特性を有する。平均粒子サイズは 5×50μmである。活性化された基は、0.01N NaOHを用いた滴定に基づいて樹脂 1gあたり6〜9μモルの硫酸基を含む硫酸エステルである。硫酸化セルロース の1mlは、約105〜108コロニー形成単位(CFU)のMLVを結合する。このセルロース は、0.15N NaOHで滅菌可能であり、そして中性pHの懸濁液で120℃、30分間オー トクレーブ可能である。このセルロースは、4℃で貯蔵され得、0.02%NaN3また は20%エタノールのいずれかを含む脱イオン水中で予備膨潤され得る。 実施例2 硫酸化オリゴサッカライドカラム A.スラリー調製 1.実施例1からのゲルの適切な量を秤量し、そして0.5〜3.0Mの塩を含む緩 衝化溶液(例えば、0.1M Tris、pH 7.2)の2〜3倍容量中に入れる。数時間の規 則的な間隔で、硫酸化セルロース溶液を穏やかに撹拌する。この平衡化工程を室 温で約12時間進行させる。バッチ処理では、ゲルは、5〜10倍容量の、50mM〜0. 5M未満のNaClを含む緩衝化溶液(低塩緩衝液)を用いて平衡化する。 2.ゲルスラリーを真空下に置くことにより脱気する。 B.カラム操作 1.標準のクロマトグラフィーカラムを準備する。カラムの出口は塞いでおく 。 2.上記のゲルスラリーの十分な量をカラムに注ぐ。カラムの実際のベッドの 高さは、ゲル容量に依存する。ゲル容量は、上記のように実験的に決定する。一 般に、ゲルは、ゲルベッドがカラム操作の間に乱されないように、十分なベッド 高さまでカラム中に詰められるべきである。必要であれば、クロマトグラフィー カラムに接続した充填チューブが、適切なカラムパッキングに必要である。 3.カラムパッキングの後、10カラム容量の脱着緩衝液(以下に記載する)を、 予期される操作速度(100〜250cm/時間)より25%大きい直線速度でゲルマトリッ クスを通過させる。 4.カラムをパッキングした後、カラム上に適切なカラム入口を設置する。 5.試料をのせる前に、5〜10カラム容量の低塩濃度緩衝液(吸着緩衝液)を通 過させることによりカラムを再生する。カラムマトリックスはセルロースベース であるので、カラムを通過する緩衝液は、少なくとも50mM NaClに等価なイオン 強度を有することが重要である。イオン強度がより小さな溶液は、ゲルを膨潤さ せ、ゲルマトリックスを通過する溶液の直線流れを顕著に減少させる。ゲル調製 の後、直ちにカラムへの試料の付与が可能である。 C.再生 カラムへのレトロウイルス吸着の後、硫酸セルロースマトリックスは、マトリ ックスを通じて数倍容量の高イオン強度(2.0〜3.0 M)の緩衝液(脱着緩衝液)を通 過させることにより再生し得る。次いで、カラムは、上記のカラム操作で記載さ れるように再生すべきである。 バッチレトロウイルス吸着の後、硫酸セルロースは、マトリックスを、高イオ ン強度緩衝液に曝すことにより同様に再生され得る。高塩濃度洗浄の後、セルロ ースマトリックスは、上記のカラム操作で記載されたように再生し得る。 高濃度塩洗浄によりマトリックスの特性が再生しない場合は、NaOHを用いるこ とにより、より攻撃的な洗浄を試み得る。セルロースマトリックスは、高濃度の NaOH中では安定ではない。従って、洗浄は0.15N以上のNaOHを含むべきてはなく 、そして曝露時間は30分を超えるべきではない。 実施例3 試料中の生物学的に活性なベクター粒子の存在についての力価アッセイ l.0 目的 ヒト細胞へのneor遺伝子の移入および発現(「導入」)に対するベクター試験試 料の能力を定量する。 2.0 原理 組換えレトロウイルス「ベクター」を、標的細胞中にDNA配列を導入するため に使用し得る。試験細胞株をこのベクターに曝し、そしてこのベクターDNAをそ れらのゲノム中に取り込んだ細胞の数を定量することにより、試験試料中の生物 学的に活性なベクター粒子の数を定量することが可能である。neor遺伝子を含む ベクターが導入された真核生物細胞は、ネオマイシン様の抗生物質G418の毒性レ ベルに耐性を示す。導入および引き続くG4l8中の選択の後、個々の導入細胞を、 0.2%クマシーブルー染色による染色後裸眼で観察可能である、コロニー形成単 位まで増殖させる。このことは、CFU/mlでベクターの活性の直接定量を可能にす る。 3.0 範囲 この試験方法は、処理前材料、濃縮処理材料、透析処理材料、および/または 処理後材料について適用可能である。 4.0 参考文献/利用可能な書類 4.1 「高効率レトロウイルス介在遺伝子導入後のマウスにおける遺伝子発現 」 Science、Vol.230、1985年、12月20日。 4.2 「レトロウイルスベクターを用いるクローン化遺伝子の移入および発 現」 Bio Techniques、Vol.4、No.6(1986)。 5.0 安全注意事項 最低限、すべての手順は、滅菌技法手順の下、層流フード(laminar flow hood )中で実施されねばならない。すべての廃棄物は、適切な方法により廃棄される べきである。 6.0 妨害物 6.1 細胞培養物に感染する、菌類、細菌、または酵母のようないかなるも の汚染がアッセイを妨害し得る。 6.2 細胞は、成長段階に起因する細胞の導入能またはクローン化能におけ るいかなる変動をも克服するために、25〜75%集密のフラスコから採取されるべ きである。 6.3 細胞増殖を妨害するいかなるもの(残存G418または他の抗生物質)も、 コロニー形成を妨げる。 7.O 制限 7.1 アッセイの厳密さは、力価が増加するにつれ、より大きな希釈が必要 となる(ランダム誤差の機会を増やす)ために低下する。従って、別個の希釈液が 、各試験試料について3回調製されなければならない。試験試料は、6cmのプレ ートあたり、10以上および150以下のコロニーを生じるように希釈されなければ ならない。10以下のコロニーは、統計学的に有意なデータを生じず、そしてクロ ーン化効率を特徴付けられない。150を上回るコロニーでは、複数重複コロニー が単一コロニーとして計測されるという実質的な危険性が存在する。 8.0 材料および装置 8.1 10%CO2インキュベーター 8.2 バイオフード(Biological Hood) 8.3 真空排気ライン 8.4 -70℃フリーザー 8.5 リピートピペッター 8.6 滅菌ピペット(1、2、5、10、および25ml) 8.7 マイクロピペッター(20、200、1000μl) 8.8 滅菌プラスチックピペットチップ 8.9 滅菌6cm組織培養プレート 8.10 10×の対物レンズを備えた光学顕微鏡 8.11 血球計 8.12 96ウェルマイクロタイタープレート 8.13 アイスバケット 9.0 試薬(Sigma Chemical Co., St.Louis, MO;Irvine Scientific, Irvine, CA;またはHyclone,Logan,UTから入手)。 9.1 L-グルタミン200mM:-10℃未満で貯蔵 9.2 Hepes緩衝溶液1M:2℃〜8℃で貯蔵 9.3 非必須アミノ酸100×:2℃〜8℃で貯蔵 9.4 飽和 NaHCO3中のゲニチシン(G418のストック溶液)100mg/ml:-20℃で 貯蔵 9.5 成長培地:2℃〜8℃で貯蔵および30日以内に使用 500ml容瓶のダルベッコの改変イーグル培地(DME) 50mlの非照射、非加熱、不活性化ウシ胎児血清(FBS) 5ml L-グルタミン 5ml Hepes緩衝液 5ml 非必須アミノ酸 9.6 0.2%トリパンブルー溶液;0.4%トリパンブルー染色液を生理食塩水 で1:2希釈。室温貯蔵。 9.7 G418 800μg/ml:4.52mlのG418ストック溶液を、成長培地の瓶に添加 する。2℃〜8℃で貯蔵および30日以内に使用。 9.8 G418 600μg/ml:3.38mlのG418ストック溶液を、成長培地の瓶に添加 する。2℃〜8℃で貯蔵および30日以内に使用。 9.10 クマシーブルー染色液:室温で貯蔵 10%酢酸 50%メタノール 0.05%のクマシー染色液は酢酸を含み、そしてフード下で使用されなけ ればならない。 9.11 ポリブレン4mg/ml:2〜8℃で保存 9.12 陽性コントロール:液体N2中に濃縮マスターストックを貯蔵。サブマ スターストックを、緩衝溶液中で10倍希釈する。液体N2中に貯蔵。実験ストック を調製するために、サブマスターストックを緩衝溶液中で100倍希釈する。液体N2 中に貯蔵。 9.13 HT1080細胞(ATCC CCL121):解凍し、そして解凍後48時間以後、30日 以内に使用する。 9.13a 陽性コントロール:パッケージ化し得、そして選択マーカー遺 伝子(例えば、細菌TN-5遺伝子)を含むベクターを生成し得るネズミレトロウイ ルス(ATCC)。セクション4.0参照。 9.14 緩衝溶液 150mM NaCl 25mM Tris pH 7.2 10mg/ml マンニトール(Manitol) 1mg/ml アルブミン 0.45μフィルターを通じて濾過そしてオートクレーブ。陽性コントロールを調 製する必要に応じて用時調製。 10.0 手順 10.1 HT1080細胞株(ATCC CCL121)を増殖させる: 10.1.1 HT1080細胞は、単相培養として成長するヒト線維肉腫系である 。 10.1.2 ATCCガイドラインは、1週間に2回の分注および/または培地 交換を示唆している。成長培地についてはセクション9.5を参照。 10.1.3 細胞は、集密状態に到達したとき、1:4〜1:8の継代培養比で分 注されるべきである。細胞を集密を超えるようにしてはならない。 10.1.4 細胞は、ストックから新たな解凍を受けた後、1カ月以内に増 殖されるべきである。この期間中に気づかれた細胞株の特性の任意の変化(すな わち、シンシチウム(syncitia)形成、成長速度の突然の変化など)は、新しい細 胞の使用を要求し得る。 10.1.5 細胞の分注: 1.古い成長培地を吸引する。 2.5mlのPBSでフラスコまたはプレートを洗浄する。 3.EDTAを細胞に付与し、そして室温または37℃で細胞がフラスコ表 面上から離れるまてインキュベートする。 4.細胞を滅菌チューブ中にピペットで移し、等容量の成長培地を添 加し、そして細胞を、適切な数の新しいフラスコに、10mlの各成長培地(9.5参照 )と1:4または1:8の比を用いて分注する(9.5参照)。 5.37℃、10%CO2で24時間インキュベートする。 10.2 第1日目:プレートに接種する 10.2.1 準集密(25%〜75%)状態からHT1080細胞を回収する。細胞は解 凍され、そして解凍後48時間以後30日以内に使用されるべきである。 10.2.2 トリパンブルー染色を用いて生存細胞数を測定する(9.6参照) 。力価検定されるべき各試料について、4mlの成長培地+4μg/mlポリブレン中 、1×105の生存HT1080細胞/プレートで9つの6cmプレートに接種する。各3 つのプレートを試料名、日付、およびプレートを感染するために使用する容量、 即ち、4μl、20μlおよび100μlでラベルする。 10.2.3 陽性コントロール用に3つの余分のプレートに接種する。 10.2.4 プレートを、37℃、7%〜10%CO2で24時間インキュベートす る。 10.3 第2日目:プレートを感染する 10.3.1 既知の逆転写酵素(RT)濃度から、以下の実験式を用いておおよ その力価を計算する: 力価(CFU/ml)=RT(cpm/3μl)×(5×102)。 例: RT=20,000cpm/3μl おおよその力価=(2×104)×(5×102)=1×107 10.3.2 おおよその力価から、1μlあたり2.5個のコロニーを与えるた めに必要な希釈を計算する。希釈ファクターは:力価×(1/103)×(1/2.5)=希 釈ファクターである。 例: おおよその力価=106CFU/ml。 試料の希釈:(4.0×10-4)×1×106)=400倍。 10.3.3 各試料を、3つの別の時間に24ウェルのマイクロタイタープレ ート中でDMEMを用いて連続希釈する(試料はすべての時間で氷上に保つべきであ る)。各希釈を移入前にマイクロピペットを用いて均一に混合する。一般の希釈 は、約104倍(ほぼ1×108の力価について)である。これは、2回の連続する100 倍希釈、即ち、A:1.0ml中10μlおよび1.0ml中10μlのA(1×104倍希釈)で達 成され得、その後適切な希釈により10.3.2で計算されるように2.5CFU/μlが達成 される(力価が1×108の場合100μlを400μlに、力価が3.0×108の場合100μlを 1.2mlに、など)。 10.3.4 プレートを3回感染するために、4、20、および100の最終希 釈を使用する。 添加容量 予想されるコロニー数/プレート 4 10 20 50 100 250 10.3.5 陽性コントロールプレートを3回感染するために5μlの実行 陽性コントロールを使用する(約100 CFU)。 10.3.6 プレートを37℃、7%〜10%CO2で24時間インキュベートする 。 10.4 第3日目:プレートを選択する 10.4.1 パスツールピペットの末端に滅菌ピペットチップを備えた滅菌 パスツールピペットを用いてすべてのプレートから培地を吸引する。試料の交差 汚染を避けるために各プレートごとにチップを交換する。 10.4.2 4ml/プレートのG418 800μg/ml培地(9.7)を添加。 10.4.3 37℃、7%〜10%CO2で5日間インキュベート。 10.5 第8日目:プレートに再供給する 10.5.1 パスツールピペットの末端に滅菌ピペットチップを備えた滅菌 パスツールピペットを用いてすべてのプレートから培地を吸引する。試料の交差 汚染を避けるために各プレートごとにチップを交換する。 10.5.2 4ml/プレートのG418 600μg/ml培地(9.8)をプレートに再供給 。 10.5.3 37℃、7%〜10%CO2で5日間インキュベート。 10.6 第13〜14日目:プレートを染色する。 10.6.1 すべてのプレートから培地を吸引する。 10.6.2 クマシー染色液(9.10)の1.5〜2.0mlで各プレートを染色する。 10.6.3 15〜20分後、染色液を除去しそして冷水道水中でプレートを注 意深く(コロニーがはがれるのを避けるため)すすぐ。 10.6.4 プレートを室温で乾燥するためにセットする。 10.6.5 青色のコロニーをすべて数え、そしてすべてのプレート(それ らの3回の平均はプレートあたり10〜100コロニーである)について力価をCFU/ml で計算する(以下を参照のこと)。 11.0 データ分析 11.1 CFU/mlで表した力価は、以下で与えられる式から計算される: CFU/ml=(コロニーの数/試験されたμl数)×(感染希釈ファクター)×10 00μl/ml。 例; 希釈ファクター=400 コロニーの数=50 試験された容量=20μl 力価=50CFU/20μl×400×1000 =1.0×106CFU/ml 11.2 各試料についてすべての受容可能な希釈(少なくとも3つ)の平均をと り、標準偏差を計算する。標準偏差が70%以上の場合、繰り返す。 11.3 陽性コントロールは、1×104〜8×104CFU/mlの間でなければならな い。さもなくば試験は繰り返されなければならない。 実施例4 レトロウイルス検出アッセイ 1.0 目的 標準S+/L-ウイルスの目的は、複製能力のある感染性ウイルスが試験試料 中に存在するかどうか決定することである。 2.0 原理 このアッセイは、感染性ネズミレトロウイルスは指標細胞株MiCl1(ATCC#CCL 64.1)上に病巣を生じるという実験的観察に基づく。MiCl1(ATCC#CCL64.1)細胞株 は、ネズミ肉腫ウイルス(MSV)を用いた導入によるMvlLu(ATCC CCL64)ミンク細胞 株由来である。それはネズミ肉腫プロウイルス(MSV)を含む非生産の非形質転換 復帰変異クローンである。この細胞は肉腫を形成し(S+)MSVゲノムの存在を示す が、白血病(L-)を起こさず複製能力のあるウイルスの不在を示す。ネズミレト ロウイルスの感染は、特定の方法でMSVゲノムを「活性化」し、顕微鏡的に観察 し得る病巣を生じる「形質転換」の引き金となる。 3.0 範囲 この試験方法は、予備処理されたおよび処理されたベクターならびに組織培 養試料の試験に適用可能である。 4.0 参考文献/利用可能な書類 4.1 P.T.Peeb1es,Virology 67:288(1975)。 4.2 Bassin,R.H.,N.Tuttle,およびP.J.Fischinger,Int.J.Cancer6: 95-107。 4.2.1 Bassin,R.H.,N.Tuttle,およびP.J.Fischinger,Nature 229 :564-566。 4.2.2 Coffin,Teich,Varmus,Weiss,RNA Tumor Viruses。 5.0 安全注意事項 5.1 最低限、この標準試験方法に含まれるすべての手順は、滅菌技法手順 の下、BL-2組織培養実験室中の層流フード内で実施されねばならない。 5.2 陽性コントロール(およびおそらく試験試料)は、ヒト細胞中で感染お よび複製し得る、複製能力のある感染性ネズミ両種性レトロウイルスを含む。ヒ トにおけるその病原性能力は未知であり、そしてそれ故、注意深く使用されるべ きである。 6.0 妨害物 6.1 マイコプラズマ汚染は、偽陰性の結果を与え得る。細胞培養物に感染 する、菌類、酵母、または細菌のようないかなる汚染物質もアッセイを妨害する 。細胞培養物が汚染される場合このアッセイは繰り返されるべきである。 6.2 過剰の酸、代謝副産物、または残存抗生物質(例えば、G418)は細胞を 殺し、そしてそれ故アッセイを妨害し、従って、培地交換のスケジュールがアッ セイを通じて遵守されねばならない。 6.3 試料中の通常にない高力価の両種性レトロウイルスベクターが、細胞 表面上のレトロウイルスレセプターに対して競合することによって妨害し得、従 って、試験結果の有効性を示すためにMAウイルスをスパイクした試料(妨害コン トロール)を試験試料と平行して実施する。 6.4 試験試料(例えば、細胞上清)中の形質転換細胞が病巣を、そしてそれ 故偽陽性結果を生じ得る。これらの試料は、生存細胞を取り除くために、凍結− 解凍または0.45μmフィルターを通じて濾過されるべきである。 7.0 制限 7.1 陽性コントロールウイルスは、より低い検出限度を示すために、1mlあ たり2病巣形成単位(FFU)まで連続的に希釈(滴定)されるべきである。陽性コン トロールの力価は、力価がマーカーレスキュー(rescue)によって測定されるウイ ルス検出を伴うmus dunni細胞における終点希釈により決定される独立のアッセ イにより確認される。 8.0 材料および装置 8.1 6ウェルの組織培養プレート 8.2 リピートピペッター:P1000、P200、P20 8.3 ピペッター用の黄色チップおよび青色チップ(滅菌) 8.4 滅菌ピペット(1ml、5ml、10ml、25ml) 8.5 パスツールピペット 8.6 10mlシリンジおよび0.45μシリンジフィルター 8.7 カメラ装着部を備えた顕微鏡 8.8 組織培養フローフード 8.9 血球計 8.10 リピートピペッターおよび滅菌アダプター 8.11 10%CO2インキュベーター 9.0 試薬 9.1 MiCl1細胞株(ATCC):細胞を解凍し、そして少なくとも24時間および30 日以内の培養後、アッセイにおいて使用する。次いで細胞の新しいバイアルを解 凍する。各解凍後、細胞は、ストックが消耗しないように凍結すべきである。 9.2 DMEM 9.3 ウシ胎児血清(FBS) 9.4 トリプシン 9.5 リン酸緩衝化生理食塩水(PBS) 9.6 トリパンブルー試薬 9.7 試験試料調製物:試験下の細胞株から採った10mlの上清を、15mlの滅 菌、円錘チューブ中に置く。試料は、試験されるまで-80℃で凍結され得る。新 しい試料が用いられるべき場合は、試料を0.45μフィルターを通じて濾過し、い かなる形質転換細胞をも取り除く。 9.8 マロニー両種性(MA)ウイルス陽性コントロール:液体N2中で既知の(確 認された)力価の濃縮ストックを貯蔵する。DME培地(9.2)中に実験ストック希釈 液(200、20、および2ffu/ml)を調製する。1.5mlエッペンドルフチューブ中に分 注し、そして-80℃で3カ月まで貯蔵する。 9.9 ポリブレンストック、培地中4μg/ml 10.0 手順 注意:このアッセイを通じて、常に、陽性および妨害コントロールの組織培養 プレートを取り扱う前に試験および陰性コントロールのプレートをインキュベー ターに戻すこと。 10.1 第1日目 10.1.1 DMEM+10%FBS+8μg/mlポリブレン中の培地2mlあたり105Mi Cl1細胞の細胞懸濁液を調製する。セクション9.1に記載のようにストックフラス コからMiCl1細胞を取り出す。トリプシン溶液から細胞を遠心分離した後、10mlD MEM中に細胞ペレットを再懸濁する。細胞計測を実施する。DMEM+10%FBS+8μ g/mlポリブレン中、5×104MiCl1細胞/ml(105/2ml)に細胞懸濁液を希釈(または 濃縮)をする。 10.1.2 各試験試料について、ウェルあたり2mlのMiCl1細胞懸濁液で 6ウェル組織培養プレートの2つのウェルに接種する。1つのプレートを「試験 」とそしてもう一つのプレートを「妨害」とラベルする。 10.1.3 上記のように陰性コントロール用に別のプレートの3つのウェ ルに接種する。 10.1.4 上記のように陽性コントロール用に別のプレートの5つのウェ ルに接種する。 10.1.5 10%CO2インキュベーター中、37℃で16〜24時間プレートをイ ンキュベートする。 10.2 第2日目 10.2.1 試験試料の1mlを、「試験」プレートとラベルされたプレート 上の1つのウェル、および「妨害」とラベルされたプレートの1つのウェルに添 加する。 10.2.2 陰性コントロールとラベルされたウェルのそれぞれに1mlのDM EM(9.2)を添加する。 10.2.3 「試験」および「陰性」コントロールのプレートをCO2インキ ュベーターに戻す。 10.2.4 「妨害」とラベルされたウェルのそれぞれに20FFUのMAウイル スを添加する。 10.2.5 3つの陽性コントロールウェルに2FFUのMA、1つの陽性コン トロールウェルに20FFU、および1つの陽性コントロールウェルに200FFUを添加 する。 10.2.6 「妨害」および陽性コントロールのプレートをCO2インキュベ ーターに戻す。すべてのプレートを10%CO2中37℃で16〜24時間インキュベート する。 10.3 第3日目 10.3.1 滅菌パスツールピペットの末端に滅菌した黄色チップをつけ、 そして各ウェルから培地を吸引する。他の試料との交差汚染を避けるために各ウ ェルについて別の黄色ピペットチップを使用する。 10.3.2 培地をウェルあたり3mlのDMEM(9.2)で置き換える。 注意:陽性コントロールを取り扱う前に、「試験」および陰性 コントロールのプレートをインキュベーターに戻すこと。 10.4 第7日目 10.4.1 細胞の単層上で病巣形成について試験をチェックする。陽性コ ントロールウェルを最初にチェックし、初期の病巣形成に十分な時間が経過した ことを確実にする。形質転換細胞または病巣は、単層を覆って生育しそして付着 した状態である、クラスターをなした、屈折性の細胞として見える。各ウェルを 顕微鏡下で観察した後、第3日目のように各ウェルについて培地を交換し、そし てインキュベーターに戻す。陽性コントロールウェルで病巣形成が観察された後 、さらに7日間細胞をインキュベートする。 10.5 第14日目:第7日目を繰り返す。培養物を捨てる。 11.0 データ分析 11.1 以下のすべてが適用される場合、試験は有効と考えられる: (1)3つの陰性コントロールがすべて陰性である(病巣が存在しない)。 (2)2FFUのMAウイルスで感染した3つの陽性コントロールの少なくとも 1つが病巣形成を示す。 (3)20FFUのMAウイルスでスパイクした妨害コントロール試験試料は、個 々の試験試料について病巣形成を示さねばならない。上記の基準のすべてに合 致しない試験は繰り返されるべきである。 11.2 試験試料ウェルに1つまたはそれ以上の病巣が存在する場合、その試 料はヘルパーウイルスについて陽性として計測される。 実施例5 モノクローナル抗体からの汚染レトロウイルスの除去 抗体産生性ネズミハイブリドーマ細胞を、15%ウシ胎児血清(FBS)を添加したR PMI培地中で生育させる。抗体を含む細胞上清(外来のネズミレトロウイルスで汚 染されている)を、遠心分離(1000×gで5分間)によりネズミ細胞から分離する。 この時点での細胞上清はモノクローナル抗体および汚染レトロウイルスの両方を 含有している。 汚染レトロウイルスを除去するために、細胞上清を、最初、細胞残渣を除去す るために濾過(0.45μ)する。濾過された細胞上清(なお汚染レトロウイルスを含 む)を、次いで実施例2に記載されるように調製された硫酸化セルロースカラム を直接通過させる。その結果、ネズミレトロウイルスはカラムマトリックスに結 合しそして所望のモノクローナル抗体がカラムマトリックスを通過する。この時 点で、レトロウイルスを含まないモノクローナル抗体が、標準のクロマトグラフ 技法(DEAE、プロテインAまたはG、あるいはゲル濾過クロマトグラフィーを含 有する)を用いてさらに精製される。 汚染レトロウイルスの除去は、上記実施例3および4で記載されるようなアッ セイを用いて確認され得る。 実施例6 汚染タンパク質からのレトロウイルスベクターの分離 産生細胞株(ウシ胎児血清を添加したDMEM成長培地中で生育させた)から生産さ れたレトロウイルスベクターを細胞上清とともに集める。集めた上清をまず濾過 (0.45μ)して細胞残渣を除去し、そして次いで実施例2に記載のように硫酸化セ ルロースマトリックスを直接通過させる。細胞を含まない上清中の汚染タンパク 質(アルブミンなど)は、マトリックスに結合せず、そしてカラムを直接通過する 。 試料をのせた後、カラムを低イオン強度緩衝液で洗浄し、残りの非結合タンパク 質を除去する。レトロウイルスを、次いで、高イオン強度緩衝液(0.5〜3.0M塩を 含む緩衝化溶液)を用いることによりカラムから取り出す。集めたレトロウイル スベクターは、次いで、従来のクロマトグラフ法によりさらに精製され得る。 先行する記載から、本発明の特定の実施態様が、本明細書に例示の目的で記載 されるが、本発明の思想および範囲から逸脱することなく種々の改変がなされ得 ることが明らかである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.汚染物質からレトロウイルスを精製する方法であって、以下の工程を包含 する方法: (a)レトロウイルスが硫酸化オリゴサッカライドに結合するに十分な条件下お よび時間、該レトロウイルスを含む調製物を該硫酸化オリゴサッカライドと接触 させる工程、ここで該硫酸化オリゴサッカライドは、オリゴサッカライド1gあ たり約6μモルから18μモルの硫酸基を持つ; (b)該硫酸化オリゴサッカライドから、該硫酸化オリゴサッカライドに結合し ていない調製物の部分を分離する工程;および (c)該硫酸化オリゴサッカライドから結合レトロウイルスを溶出し、それによ って、該硫酸化オリゴサッカライドに結合し得ない物質が実質的にないレトロウ イルスを回収する工程。 2.汚染物質から脂質エンベロープウイルスを精製する方法であって、以下の 工程を包含する方法: (a)脂質エンベロープウイルスが硫酸化オリゴサッカライドに結合するに十分 な条件下および時間、該脂質エンベロープウイルスを含む調製物を該硫酸化オリ ゴサッカライドと接触させる工程、ここで該硫酸化オリゴサッカライドは、オリ ゴサッカライド1gあたり約6μモルから18μモルの硫酸基を持つ; (b)該硫酸化オリゴサッカライドから、該硫酸化オリゴサッカライドに結合し ていない調製物の部分を分離する工程;および (c)該硫酸化オリゴサッカライドから結合脂質エンベロープウイルスを溶出し 、それによって、該硫酸化オリゴサッカライドに結合し得ない物質が実質的にな い脂質エンベロープウイルスを回収する工程。 3.調製物からレトロウイルスを除去する方法であって、以下の工程を包含す る方法: (a)レトロウイルスが硫酸化オリゴサッカライドに結合するに十分な条件下お よび時間、該レトロウイルスを含むと推測される調製物を該硫酸化オリゴサッカ ライドと接触させる工程、ここで、該硫酸化オリゴサッカライドは、オリゴサッ カライド1gあたり少なくとも約6μモルの硫酸基を持つ;および (b)該硫酸化オリゴサッカライドから、該硫酸化オリゴサッカライドに結合し ていない調製物の部分を分離する工程。 4.前記硫酸化オリゴサッカライドが、オリゴサッカライド1gあたり10μモ ルより多い硫酸基を有する、請求項3に記載の方法。 5.調製物から脂質エンベロープウイルスを除去する方法であって、以下の工 程を包含する方法: (a)脂質エンベロープウイルスが硫酸化オリゴサッカライドに結合するに十分 な条件下および時間、該脂質エンベロープウイルスを含むと推測される調製物を 該硫酸化オリゴサッカライドと接触させる工程、ここで、該硫酸化オリゴサッカ ライドは、オリゴサッカライド1gあたり少なくとも約6μモルの硫酸基を持つ ;および (b)該硫酸化オリゴサッカライドから、該硫酸化オリゴサッカライドに結合し ていない調製物の部分を分離する工程。 6.前記硫酸化オリゴサッカライドがオリゴサッカライド1gあたり10μモル より多い硫酸基を有する、請求項5に記載の方法。 7.前記硫酸化オリゴサッカライドが硫酸化セルロースである、請求項1、2 、3、4、5、または6のいずれかに記載の方法。 8.オリゴサッカライド1gあたり約6μモルから18μモルの硫酸基を持つ硫 酸化オリゴサッカライド。 9.オリゴサッカライド1gあたり10μモルより多い硫酸基を持つ硫酸化オリ ゴサッカライド。 10.前記硫酸化オリゴサッカライドが硫酸化セルロースである、請求項8また は9のいずれかに記載の硫酸化オリゴサッカライド。 11.硫酸化オリゴサッカライドであって、該オリゴサッカライドはオリゴサッ カライド1gあたり少なくとも約6μモルの硫酸基を含み、そしてそれに結合し たレトロウイルスを有する、硫酸化オリゴサッカライド。 12.温血動物にレトロウイルスを送達するための硫酸化オリゴサッカライドで あって、該オリゴサッカライドはオリゴサッカライド1gあたり少なくとも約6 μモルの硫酸基を含み、そしてそれに結合したレトロウイルスを有する、硫酸化 オリゴサッカライド。 13.薬剤を製造するための硫酸化オリゴサッカライドの使用であって、該オリ ゴサッカライドはオリゴサッカライド1gあたり少なくとも約6μモルの硫酸基 を含み、そしてそれに結合したレトロウイルスを有する、使用。
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