【発明の詳細な説明】
紙塗被組成物用のバインダー混合物
本発明は、オフセット印刷のための、
A) ガラス転移温度−80〜+25℃を有する、アクリル酸又はメタクリル酸
とC4〜C12−アルカノールとのエステルを基礎とするポリマー
1〜49重量%及び
B) ブタジエンを基礎とするポリマー
51〜99重量%
(この際、重量表示は、A)+B)の合計に対する)
を含有する、バインダーを基礎とする紙塗被組成物で塗被されている紙の使用に
関する。
塗被紙上のオフセット印刷の際に、屡々、当業界でこの印刷法に特殊な“まだ
ら着色(Mottling)”と言われる印刷不均一の問題が起こる。このことは、今日
まで、この分野での未解決の問題に属し、かつ同様に製紙業者及び印刷業者をわ
ずらわしている。この現象とは、殊に多色オフセット印刷の際に、いわゆる中間
色調で起こり、かつ色刷り中の1種の曇りとして現われる作用のことである。印
刷表示における不均一性は、その紙の上で印刷インキが、多くの場所で良好に、
他の場所であまり良くなく吸収されることによって、
極めて明らかに起こる。
この不均一なインキ吸収の原因は、今日まで、明白には解明されていない。
熱心な努力にも拘らず、この現象についての良好な理解が今までなぜ得られな
かったのかについての理由は、一方では確かに、オフセット印刷の複雑な方法に
、他方では、印刷物としての紙の同じように複雑な構造に求められる。
紙並びに印刷インキの特性の最適化と共に、これらの成分が互いに調和し、か
つオフセット印刷の方法にも適合しなければならない。
製紙業者の視角に関しては、塗被紙の場合について、紙の塗被工程の際に方法
技術的パラメーターが大きな影響を有するばかりでなく、この際、塗被成分の物
理−化学的特性も、決定的な役割を果たす。特に、塗被インキ(Streichfarben
)中に使用されるバインダーは、特に重要である。
紙塗被組成物用のバインダーとして、天然産物、例えば澱粉のほかに、主に、
スチロール及びブタジエン、もしくはスチロール及びアクリルエステルを基礎と
するポリマー分散液が使用される。
塗被オフセット紙用の、ブタジエン−(コ)ポリマー、例えばスチロール−ブ
タジエン−コポリマーを基礎とするバインダーを使用する場合には、アクリレー
ト−(コ)ポリマー、例えばスチロール−アクリレー
ト−コポリマーに比較して、明らかにより高いまだら着色傾向が生じることは公
知である。
また、スチロール/ブタジエンを基礎とする分散液を、アクリルエステル−分
散液と混合させることも公知である。
特開平(JP−OS)2−169800号公報中に、ブタジエンコポリマー及
びアクリレートコポリマーからなる紙塗被用のラテックス混合物が記載されてお
り、これは、紙塗被中で、均一な印刷インキ吸収作用をする。ラテックス混合物
は、アルキルアクリレート成分20〜50重量%及び最低被膜形成温度35〜8
0℃の範囲を有するアクリレートコポリマーを含有する。
特開昭(JP−OS)57−191392号公報から、ブタジエンコポリマー
及びアクリルニトリルコポリマーから成り、かつ塗被紙に、高い印刷光沢を与え
る、紙塗被物用のポリマー混合物が公知である。
更に、欧州特許(EP−A)第099792号明細書から、ブタジエン/スチ
ロールコポリマー及びC1〜C8−アルカノールを有するアクリル酸エステルから
なる混合物を含有する、水性ポリマー分散液並びに接着剤中のその使用が公知で
ある。
1988年の特開昭63−27579号公報から、前記種類のコポリマーA)
及びB)を含有する紙塗被組成物のためのバインダーが公知である。そのように
塗被された紙は、凹版印刷法に好適である。しかしながら、凹版印刷法は、オフ
セット印刷法と、原則的に異なり、それに伴なって、紙及び紙塗被組成物の要求
も異なる。オフセット印刷法の場合には、印刷版面の印刷部分及び非印刷部分が
、同一平面である。印刷版面のインキ付けの場合には、印刷インキ及び水(非印
刷部分の湿潤化)の間の非相容性が必要である。従って、印刷すべき紙は、凹版
印刷の場合には起こらないような印刷インキ/水系の作用をうける。
本発明の課題は、特にオフセット印刷の際に、全体に良好な特性プロフィール
で、改善された一様の印刷性を可能とする、要するにできるだけ少ないまだら着
色傾向を有する、紙塗被組成物に好適なバインダーを見い出すことであった。
相応して、冒頭で定義した使用を見い出した。
紙塗被組成物のための混合物成分として、次に記載のコポリマーを使用する:
成分(A)は、アクリル酸及び/又はメタクリル酸と、C4〜C12−アルカノ
ールとのエステル又はそのようなエステルの混合物を基礎とするポリマーであり
、この際、ポリマーは、−80〜25℃、殊に−60〜0℃、特に有利に−50
〜−15℃の範囲の算出された(Foxにより)ガラス転移温度Tgを有する。好
適なアルカノールは、殊に、ブタノール又は2−エチルヘキサノール、しかしま
たイソーブタノール、t−
ブタノール、n−ペンタノール、イソ−アミルアルコルール、n−ヘキサノール
、シクロヘキサノール、オクタノール又はラウリルアルコールである。
ガラス転移温度は、Foxにより算出される(T.G.Fox,Bull.Am.Phys.Soc
.(Ser.II)1,123[1956])。それにより、次の式が、コポリマー
のガラス転移温度に、良好な近似であてはまる:
[この際、X1,X2...Xn=モノマー1,2,...nの質量分率
Tg1,Tg2,...Tgn=モノマー1,2,...nのガラス転移温度
(ケルビン度)]。
本質のモノマーのTgは公知であり、例えば、“J.Brandrup,E.H.Immergu
t,Polymer Handbook,Ist Ed.,J.Wiley & Sons,New York 1966”に挙げ
られている。
最低被膜形成温度(MFT)は、有利に、0℃以下である。最低被膜形成温度
は、通例、Tgと同一の高さであるが、多分、乳化剤又は水が軟化剤として用い
られる故に、場合により、実際には、より低いことがありうる(Ullmanns Encyk
lopaedie,A21巻、169頁、5版 参照)。
ポリマーA)は水に不溶性である。
(a1) 前記の、アクリル酸及び/又はメタクリル酸のC4〜C12−アルキル
エステル50〜100重量%、有利に50〜99重量%、特に有利に80〜99
重量%、
(a2) 20個までのC−原子を有するビニル芳香族化合物0〜50重量%、
有利に、ビニル芳香族化合物、例えばα−メチルスチロール、p−メチルスチロ
ール、ビニルトルオール又は特にスチロール0〜35重量%、特に有利に0〜2
0重量%、
(a3) 他のオレフィン系不飽和モノマー0〜15重量%、有利に1〜5重量
%
からなるポリマーA)を使用するのが有利である。
有利に、1種又は数種の不飽和カルボン酸及び/又はそのアミド及び/又は無
水物、例えばアクリル酸、アクリルアミド、メタクリル酸、メタクリルアミド又
はイタコン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニルスルホン酸、ビニルホスホン酸又
はアクリルアミドプロパンスルホン酸及びその水溶性塩が重要である。不飽和酸
の割合は、この際、特に有利に4重量%以下である。
更に、モノマー(a3)として、ラジカル重合可能なモノマー、例えば、オレ
フィン、例えばエチレン、ビニル−及びビニリデンハロゲン、例えば、ビニル−
及びビニリデンクロリド、ビニルアルコール及び1〜
18個のC−原子を有するモノカルボン酸のエステル、例えば、ビニルアセテー
ト、ビニルプロピオネート、ビニル−n−ブチレート、ビニルラウレート及びビ
ニルステアレート、α,β−モノエチレン系不飽和ジカルボン酸、例えば、マレ
イン酸、フマル酸及びイタコン酸と、一般に1〜12、殊に1〜9及び特に1〜
4個のC−原子を有するアルカノールとのエステル、例えば、マレイン酸ジメチ
ルエステル又はマレイン酸−n−ブチルエステルが重要である。また、塩基性モ
ノマー、例えば:
[式中、
R1は、H又はCH3を表わし、
R2は、1〜4個の炭素原子を有するアルキレン基を表わし、かつ
R3及びR4は、H又は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を表わす]
又は、他の塩基性の中心を含有するラジカル重合可能な、N−プロトン化又はN
−アルキル化された形で存在することもできるモノマー、例えば、化合物ジアリ
ルジメチルアンモニウムクロリドも挙げられる。
更に、架橋作用モノマーが、ラジカル重合可能な基のほかに、更にもう1個の
架橋作用の官能基を有するモノマーとして、0〜10重量%の量で、ポリマーA
)中に存在し得る。そのようなモノマーとしては、C4〜8−共役ジエン、例えば
、1,3−ブタジエン及びイソプレン、並びに、少なくとも1個のエポキシ−、
ヒドロキシ−、N−アルキロール−、N−アルコキシ−、カルボニル基、アミジ
ン基又は少なくとも2個の非共役エチレン系不飽和二重結合を有する、ラジカル
重合可能なモノマーが挙げられる。勿論、このような化合物の組合せも可能であ
る。エポキシ基含有のモノマーの例は、グリシジルアクリレート、グリシジルメ
タクリレート及びビニルグリシジルエーテルである。
有利なN−アルキロール化合物は、アルキル基中に
1〜4個のC−原子を有するエチレン系不飽和カルボン酸のN−アルキロールア
ミド、例えばN−メチロールアクリルアミド、N−エタノールアクリルアミド、
N−プロパノールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−エタ
ノールメタクリルアミド、N−メチロールマレインイミド、N−メチロールマレ
インアミド及びN−メチロール−p−ビニルベンズアミドである。
好適なN−アルコキシメチルアクリレート及び−メタクリレートは、第1に、
アルコキシ基中に1〜8個のC−原子を有する化合物、例えば、N−(メトキシ
メチル)アクリルアミド、N−(ブトキシメチル)アクリルアミド、N−(メト
キシメチル)メタクリルアミド及びN−(ブトキシメチル)メタクリルアミド及
びメチロールアリルカルバメート(そのメチロール基は、C1〜C8−アルキルに
よってエーテル化されていてよい)である。カルボニル基含有のモノマーとして
は、有利にアクロレイン、ジアセトンアクリルアミド、ホルミルスチロール、ビ
ニルアルキルケトン及び(メタ)アクリルオキシアルキルプロパナール(欧州特
許(EP)第0003516号明細書に依る)、ジアセトンアクリレート、アセ
トニルアクリレート、ジアセトン(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピ
ルアクリレートアセチルアセテート及びブタンジオール−1,4−アクリレート
アセチルアセテートが挙げ
られる。
アジリジン基含有のモノマーとして、2−(1−アジリジニル)エチルメタク
リレートが挙げられる。
少なくとも2個のアクリル−、メタクリル−、アルキル−又はビニル基又は相
応する組合せを有する架橋結合成分としては、アルキレングリコールジ(メタ)
アクリレート、例えばエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレング
リコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート及びトリエチレ
ングリコールジメタクリレート、1,3−グリセリンジメチルアクリレート、1
,1,1−トリメチロールプロパンジメタクリレート、1,1,1−トリメチロ
ールエタンジアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ソルビ
タンペンタメタクリレート、メチレンビスアクリルアミド及び−メタクリルアミ
ド、ジビニルベンゾール、ビニルメタクリレート、ビニルクロトネート、ビニル
アクリレート及びジビニルアジペート、ジアリルフタレート、アリルメタクリレ
ート、アリルアクリレート、ジアリルマレエート、ジアリルイタコネート、ジア
リルマロネート、ジアリルカルボネート、トリアリルシトレート、ジビニルエー
テル、エチレングリコールジビニルエーテル及びシクロペンタジエニルアクリレ
ートもしくは−メタクリレートが挙げられる。
他の好適なモノマーは、SiR1R2R3−基[基中
、R1,R2及びR3は、相互に独立して、C1〜C4−アルキル−又はアルコキシ
基、例えば、メチル−、エチル−、メトキシ−及びエトキシ基を表わす]を有す
るもの、例えば、ビニルトリアルコキシシラン、アクリルオキシシラン、例えば
γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン及びメタクリルオキシエチル
トリメチルシランである。
そのような架橋結合モノマーの使用に加えて、一定の条件下で、ポリマー薄膜
の内部強度が、重合後に、金属塩、例えばCa−、Mg−、Zn−塩の添加によ
って(それがこれらの塩との結合能力を有する基、例えば、カルボキシル基を含
有する限り)高められ得る;更に、ヒドラジン誘導体、アミノオキシアルカン、
並びにホルムアルデヒド、メラミン、フェノール及び/又は尿素を基礎とする縮
合生成物を、重合後に、添加することが可能である。
成分(A)は、通例、アクリルニトリル又はメタクリルニトリルを、5重量%
よりも少ない量で、有利に2重量%よりも少ない量で含有する。
有利な実施態様においては、分子量調整物質、例えば、t−ドデシルメルカプ
タン、四塩化炭素、四臭化炭素、トリクロルブロムメタン、ブチルメルカプタン
、アリルアルコール、ポリ−THF−ビス−チオール、メルカプトエタノール、
アセチルアセトン、チオグリコール酸又はチオグリコール酸エステルの存在で製
造されたポリマーA)を使用する。このような物質は、殊に、重合すべきモノマ
ーと混合して、反応混合物に添加される。
好適なポリマーA)は、通例、50〜1000nm、特に80〜500nm、特に
有利に100〜300nmの範囲の数平均粒度を有する。また、二重モード又は多
重モードの粒度分布が有利でありうる。
好適なポリマーBは、有利に、ブタジエン10〜100、特に20〜80、特
に有利に20〜50重量%、並びにスチロール又は前記のビニル芳香族体0〜9
0、特に20〜80、特に有利に50〜80重量%並びに、他のコモノマー、例
えば一重又は多重に不飽和のカルボン酸及び/又はそのアミド及び/又はその無
水物、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸又は(メタ)アクリルア
ミド0〜10重量%から成る。
更に、成分(B)は、他のコモノマー、有利に、アクリルニトリル及び/又は
メタクリルニトリル及び/又は(メタ)アクリル酸とC1〜C12−アルカノール
とのエステル0〜10重量%を含有しうる。
ポリマー(B)の製造のために、分子量調整物質を、使用されるモノマー量に
対して、0〜5重量%の量で、使用しうる。好適な物質は、成分(A)の製造の
範囲に挙げられている。
ポリマー成分A)及びB)の製造は、常法で、溶液
−又は乳化重合によって、常用のラジカル重合開始剤の使用下で実施されうる。
ポリマーB)は、同様に、水に不溶である。
ラジカル重合開始剤として、ラジカル水性乳化重合を開始させることができる
、全てのものがこれに該当する。その際、ペルオキシド、例えば、アルカリ金属
ペルオキソジスルフェート、ジベンゾイルペルオキシド、γ−ブチルペルピバレ
ート、t−ブチルペル−2−エチルヘキサノエート、2,5−ジメチル−2,5
−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、クモールヒドロペルオキシド、並びに
、アゾ化合物、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2
−アミジノプロパン)二塩酸塩も重要でありうる。
少なくとも1種の有機還元剤及び少なくとも1種のペルオキシド及び/又はヒ
ドロペルオキシドから組成されている組合せ系、例えば、t−ブチルヒドロペル
オキシド及びヒドロキシメタンスルフィン酸のナトリウム金属塩又は過酸化水素
及びアスコルビン酸も好適である。更に、そのほかに、重合媒体中に可溶の金属
化合物(その金属成分が多数の原子価段階を有しうる)の少量を含有する組合せ
系、例えば、アスコルビン酸/硫酸鉄(II)/過酸化水素が好適であり、またこ
の際、屡々、アスコルビン酸の代りに、ヒドロキシメタンスルフィン酸のナトリ
ウム金属塩、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム又はメタ重亜硫酸ナトリ
ウ
ムが、かつ過酸化水素の代りに、t−ブチルヒドロペルオキシド又はアルカリ金
属ペルオキソジスルフェート及び/又はアンモニウムペルオキソジスルフェート
が使用される。通例、使用されるラジカル重合開始剤の量は、重合すべきモノマ
ーの総量に対して、0.1〜3重量%である。重合開始剤としては、アンモニウ
ム−及び/又はアルカリ金属ペルオキソジスルフェートそれ自体又は組合せ系の
成分として、特に有利に使用される。ナトリウムペルオキソジスルフェートが特
に有利に使用される。
ラジカル重合開始剤系を、本発明によるラジカル水性乳化重合中に、重合容器
に添加する方法は、平均的な当業者に公知である。重合容器中に完全に前もって
装入することも、ラジカル水性乳化重合の間にその消費程度に応じて連続的に又
は段階的に使用することもできる。これは、詳細は、平均的当業者に自体公知の
方法で、重合開始剤系の化学的特性並びに重合温度に依存する。一部分を前もっ
て装入し、かつ残分を、消費の程度に依り、重合帯域に供給するのが有利である
。
乳化重合の場合には、通例、公知のイオン性及び/又は非イオン性の乳化剤及
び/又は保護コロイドもしくは安定剤を使用することができる。
この種の界面活性物質としては、原則的に、分散剤として常用される保護コロ
イド及び乳化剤が、これに
該当する。好適な保護コロイドの詳細な記載は、Houben−Weyl,Methoden der o
rganischen Chemie,XI V/1巻,Makromolekulare Stoffe,Georg−Thieme−V
erlag,Stuttgart,1961年,411〜420頁に記載されている。随伴する
乳化剤として、陰イオン性、陽イオン性並びに非イオン性の乳化剤が使用される
。随伴する界面活性物質として、独占的に、その相対分子量が、保護コロイドと
異なり、通例2000以下にある乳化剤を使用するのが有利である。勿論、界面
活性物質の混合物の使用の場合には、単一成分は相互に相容性でなければならず
、このことは、疑わしい場合には、少しの予備試験によって、調べることができ
る。随伴する界面活性物質として、陰イオン及び非イオン乳化剤が、有利に使用
される。慣用の随伴乳化剤は、例えば、エトキシル化脂肪アルコール(EO−度
:3〜50、アルキル基;C8〜C36)、エトキシル化モノ−、ジ−及びトリ−
アルキルフェノール(EO−度:3〜50、アルキル基:C4〜C9)、スルホコ
ハク酸のジアルキルエステルのアルカリ金属塩並びに、アルキルスルフェートの
(アルキル基:C8〜C12)、エトキシル化アルカノールの(EO−度:4〜3
0、アルキル基:C12〜C18)、エトキシル化アルキルフェノールの(EO−度
:3〜50)アルキル基、C4〜C9)、アルキルスルホン酸の(アルキル基:C12
〜C18)及びアルキルアリールスルホン酸の(アルキ
ル基:C9〜C18)アルカリ金属−及びアンモニウム塩である。
他の好適な分散剤は、一般式II:
[式中、R5及びR6は、水素又はC4−〜C14−アルキルを表わし、かつ同時に
は水素ではなく、かつX及びYは、アルカリ金属イオン及び/又はアンモニウム
イオンであってよい]の化合物である。R5、R6は、殊に、6〜18個のC−原
子を有する直鎖又は分枝鎖のアルキル基又は水素及び特に6、12及び16個の
C−原子を有する直鎖又は分枝鎖のアルキル基を表わし、この際、R5及びR6は
、両方が同時に水素ではない。X及びYは、有利に、ナトリウム、カリウム又は
アンモニウムイオンであり、この際、ナトリウムが特に有利である。特に、式中
X及びYがナトリウムであり、R5が12個のC−原子を有する分枝鎖のアルキ
ル基であり、かつR6が水素又はR5である化合物IIが有利である。モノアルキル
化生成物50〜90重量%
1(Dow Chemical Companyの商標)が屡々使用される。
他の好適な乳化剤は、Houben−Weyl,Methoden derorganischen Chemie,XI
V/1巻,Makromolekulare Stoff,Georg Thieme Verlag,Stuttgart,196
1年,192〜208頁に記載されている。
分散液は、存在すべき乳化剤に付加的に保護コロイドの使用下で、又は乳化剤
を放棄して、製造され得、この際、保護コロイドの量は、使用モノマーの量に対
して、100重量%まで、有利に0.5〜30重量%であってよい。
この保護コロイドは、方法技術的に、完全に又は部分的に、同時に又は時間を
ずらして、モノマーと一緒に又は別々に、添加され得る:この際、モノマーに対
して、保護コロイド30重量%まで、殊に10重量%までを水溶液中に前もって
入れておくことが有利でありうる。
天然の保護コロイドとしては、澱粉、カゼイン、ゼラチン及びアルギネート、
変性された天産物としては、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース及
びカルボキシメチルセルロース並びに陽イオン性の変性澱粉が挙げられる。好適
な合成保護コロイドは、ポリアクリル酸及びその塩、ポリアクリルアミド、水溶
性のアクリル酸コポリマー、水溶性のアクリルアミドコポリマー、ポリビニルピ
ロリドン、ポリビニルアルコール及び部分鹸化のポリビニルアルコールを包含す
る。
この際、保護コロイドの一部を、ポリマーにグラフトさせることが有利であり
うる。
乳化重合は、通例、30〜95、殊に75〜90℃で行なわれる。重合媒体は
、水からのみ成り立っても、水及びそれと混合可能な液体、例えばメタノールか
らなる混合物から成り立ってもよい。水のみを使用するのが有利である。乳化重
合は、バッチ法でも、段階−又は傾斜法を包含する流入法の形でも、実施されう
る。重合成分の一部を前もって装入し、重合温度に加熱し、重合を開始し、かつ
引続いて重合成分の残りを、通例、いくつかの空間的に分けられた流入路(その
うち1つ又はいくつかは、モノマーを純粋で又は乳化された形で含有する)を経
て、重合の保持下で、連続的に、段階的に、又は濃度傾斜の重ね合せ下で、重合
帯域に供給する、流入法が有利である。
勿論、本発明によるラジカル水性乳化重合を、高めた又は減らした圧力下で行
なうこともできる。
本発明による水性重合分散液は、通例、総固体含量15〜65重量%、有利に
40〜60重量%で製造される。
ラテックスは、常用の助剤、例えば、中和剤としての苛性カリ、アンモニア又
はエタノールアミン、抑泡剤としてのシリコーン化合物、殺生物剤並びに粘性を
下げるためのシリコーン油又は蝋を含有し得る。
バインダー混合物は、成分A)を、A)+B)の合
計に対して、1〜49重量%、殊に1〜19重量%、特に有利に5〜15重量%
の量で含有する。成分B)は、A)+B)の合計に対して、51〜10重量%、
有利に81〜99重量%、特に有利に85〜95重量%の量で含有されていて、
この際、A)及びB)の量は加算して100になる。
紙塗被組成物に好適なバインダー混合物中での混合成分A)及びB)の使用は
、殊に、水性分散液の形で行なわれる。
このバインダー混合物の水性分散液は、固体含量を、15〜65重量%、有利
に40〜60重量%の範囲で有する。バインダー混合物の水性分散液の製造は、
殊に、室温で撹拌下で、単一成分の分散液の混合によって行なわれる。
紙塗被組成物は、請求されたバインダー混合物を、紙塗被組成物の顔料含量に
対して、1〜20、有利に5〜15重量%の量で含有する。
通例、顔料は、紙塗被組成物の主成分である。慣用される顔料は、例えば、硫
酸バリウム、炭酸カルシウム、カルシウムスルアルミネート、カオリン、タルク
、二酸化チタン、酸化亜鉛、チョーク又は塗被粘土である。
更に、紙塗被組成物は、常用の分散剤を含有しうる。好適な分散剤は、例えば
ポリ燐酸又はポリアクリル酸のポリアニオン(ポリ塩)であり、これは、通例、
顔料量に対して、0.1〜3重量%の量で含有されている。
更に、紙塗被組成物は、いわゆる“コ−バインダー”を含有しうる。天然のコ
バインダーとしては、澱粉、カゼイン、ゼラチン及びアルギネートが挙げられ、
変性天産物として、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース及びカルボ
キシメチルセルロース並びに陽イオン性変性澱粉が挙げられる。しかし、例えば
、ビニルアセテート又は−アクリレートを基礎とする常用の合成コバインダーを
使用することもできる。
これは、顔料量に対して、0.1〜10重量%の量で含有されていてよい。
紙塗被組成物は、常法により、例えば、塗被すべき紙上に塗布され得る(Ullm
ann′s Encyklopaedie der Technischen Chemie,4版,17巻,603頁以降
、参照)。
このように塗被された紙は、オフセット印刷法における引き続く印刷工程で、
すなわち、印刷インキ/水−系と接触して、良好な均一の印刷可能性、即ち極め
て僅少な“まだら着色−傾向”を有する。
例1
混合物成分A1の製造
前与物:
ラウリル硫酸ナトリウム(水中10%
の) 14.00g
C−12−アルキルジフェニルエーテ
ルジスルフェート−Na−塩(水中
45%の) 2.222g
流入物1 82.10g
流入物2 6.25g
完全脱塩水 296.00g
流入物1:
Na−ピロホスフェート 2.000g
ラウリル硫酸ナトリウム(水中10%
の) 16.00g
C−12−アルキルジフェニルエーテ
ルジスルフェート−Na−塩(水中
45%の) 11.11g
アクリル酸 30.93g
n−ブチルアクリレート 900.00g
スチロール 100.00g
t−ドデシルメルカプタン 2.000g
完全脱塩水 100.00g
流入物2:
ナトリウムペルオキソジスルフェート 5.000g
完全脱塩水 120.00g
流入物3:
t−ブチルヒドロペルオキシド(水中
10%の) 10.00g
流入物4:
ヒドロキシメチルスルフィン酸−Na
−塩(水中10%の) 10.00g
前与物を85℃に加熱し、かつ15分間重合させた。引続いて、85℃で、先
ず、2時間の間に残りの流入物1を、かつ流入物1と同時に開始して、2.5時
間の間に残りの流入物2を添加した。引続いて、反応混合物を更に1時間85℃
で後撹拌し、25℃に冷却し、かつその後に、流入物3及び4を加えた。固体含
量51.3重量%及びpH2.4を有する分散液を得た。粒度(Malvern Autosize
r):151nm。Foxにより計算されたガラス転移温度:−28℃、最低被膜形成
温度:<0℃。
最低被膜形成温度は、DIN53787(1974)により、乾燥被膜厚20
μmで、温度21℃の1300l/時の空気流で測定した。
例2
混合物成分A2の製造
前与物:
ラウリル硫酸ナトリウム(水中10%
の) 10.50g
C−12−アルキルジフェニルエーテ
ルジスルフェート−Na−塩(水中
45%の) 1.667g
流入物1 61.33g
流入物2 5.19g
完全脱塩水 220.00g
流入物1:
Na−ピロホスフェート 1.500g
ラウリル硫酸ナトリウム(水中10%
の) 12.00g
C−12−アルキルジフェニルエーテ
ルジスルフェート−Na−塩(水中
45%の) 8.333g
アクリル酸 23.20g
エチルヘキシルアクリレート 675.00g
スチロール 75.00g
t−ドデシルメルカプタン 1.500g
完全脱塩水 430.00g
流入物2:
ナトリウムペルオキソジスルフェート 3.750g
完全脱塩水 100.00g
流入物3:
t−ブチルヒドロペルオキシド(水中
10%の) 7.500g
ヒドロキシメチルスルフィン酸−Na
−塩(水中10%の) 7.500g
前与物を85℃に加熱し、かつ15分間重合させた。引続いて、85℃で、2
時間以内に、残りの流入物1を添加し、かつ流入物1と同時に開始して、2.5
時間以内に、残りの流入物2を添加した。反応混合物
を、更に1時間、85℃で撹拌し、その後に、25℃冷却した。その後に、流入
物3及び流入物4を、1時間以内で、添加した。そうして得た分散液は、固体含
量50.3重量%を有した。
粒度:164nm
Foxにより計算されたガラス転移温度:−41℃、最低被膜形成温度(MFT)
:<0℃。
例3
混合物成分A3の製造
製造は、例1と同様に、しかしながら、調整剤としての、t−ドデシルメルカ
プタンを使用せずに行なった。固体含量50.9重量%の分散液を得た。
粒度:164nm
ガラス転移温度:(計算):−28℃
MFT:<0℃。
例4
混合物成分A4の製造
製造は、例2と同様に、しかしながら、調整剤としてのt−ドデシルメルカプ
タンを使用せずに行なった。固体含量50.2重量%の分散液を得た。
粒度:164nm
ガラス転移温度:(計算):−41℃
MFT:<0℃
例5
ブタジエン−スチロール一分散液の製造
ラウリル硫酸ナトリウム(水中10
重量%の) 0.25kg
流入物1 3.88kg
流入物2 1.05kg
完全脱塩水 19.40kg
流入物1:
ラウリル硫酸ナトリウム(水中10
重量%の) 2.75kg
t−ドデシルメルカプタン 0.50kg
アクリル酸 1.50kg
ブタジエン 17.50kg
スチロール 31.00kg
完全脱塩水 24.25kg
流入物2:
ナトリウムペルオキソジスルフェート 0.40kg
完全脱塩水 4.85kg
前与物を85℃に加熱し、かつ15分間重合させた。引続いて、残りの流入物
1を5時間の間に、かつ流入物1と同時に開始して、流入物2を5.5時間の間
に添加した。
粒度:170nm
固体含量50重量%
Tg(DSC−測定):17℃
pH−値:2.1
例6
バインダー混合物の製造
混合物の製造は、ブタジエン−スチロール−コポリマー分散液(例5)及び混
合物成分A1〜A4の相応する量割合(次の第1表を参照)の混合によって、行
なった。
第1表中に記載したバインダー混合物もしくは例5中に記載したブタジエン−
スチロール−分散液(比較例)を、次に挙げた組成の紙塗被組成物中で、バイン
ダーとして使用した。
微粉末チョーク 60部
微粉末粘土 40部
カルボキシメチルセルロース 1部
分子量4000のポリアクリル酸の
ナトリウム塩(Polysalz BASF) 0.6部
バインダー分散液(混合物1〜6
もしくは例5) 12部
固体含量:66重量%
pH値:8.5〜9(NaOHで調整)
原紙として、木質繊維を含まない、比表面重量70g/m2の塗被原紙を使用し
た。塗被組成物の塗布は、工業用塗布機(塗布法:ローラー、配量法:ナイフ)
で、速度1000m/分で、両側に、各々13g/m2で行なわれた。紙ウエブを
、IR−乾燥ユニット及び空気乾燥で、紙湿5.5%に調整した。
最高ウエブ温度は、100℃であった。
紙ウエブを、スーパーカレンダーに1回かけることによって、光沢を付けた。
この際、ニップ圧は250kN/m、ウエブ速度は300m/分及び温度は80
℃であった。
印刷画像を、視覚的に判定し、かつまだら着色傾向について評価した。評価目
盛り1〜6、1=極めて良好、6=極めて劣悪。それに平行して、まだら着色−
スキャン−値を、“Tobias-Testers”によって調べた。(測定法は、Philipp E
.Tobias et.al.,Tappi Journal,72巻,No.5,1989年5月に記載され
ている)。まだら着色−スキャン−値を、シート送りオフセット印刷法(Bogen
−offsetdruckverfahren)で、4色オフセット印刷機上で、カラー・シアン(Fa
rbe Cyan)の最大インキ被覆90%のインキ被覆で、印刷されたインキ面で測定
した。
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(72)発明者 ベルトルト シュトゥルム
ドイツ連邦共和国 D―67550 ヴォルム
ス リヒャルト―クニース―シュトラーセ
46
(72)発明者 ディルク ラフレンツ
ドイツ連邦共和国 D―67133 マックス
ドルフ ヴァルトシュトラーセ 22
(72)発明者 ベルンハルト シューラー
ドイツ連邦共和国 D―68199 マンハイ
ム ブルンヒルデシュトラーセ 7アー