JPH09507154A - 全血白血球除去及び血小板フィルター - Google Patents
全血白血球除去及び血小板フィルターInfo
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Abstract
(57)【要約】
新規な血球分画手段が、フィルター表面からの溶出を防止するために架橋された高分子量ポリエチレンオキシド誘導体によって被覆された慣用のフィルターを利用する。これらの分画手段は、赤血球と血小板とが流出相とともに通過することを同時に許容しつつ全血から白血球を結合するのに特別な効果を有する。
Description
【発明の詳細な説明】
全血白血球除去及び血小板フィルター
本発明の背景
患者への療法的投与のための全血処理において、様々な細胞成分を分離するこ
とが望ましい。特に、同種感作等のような有害な臨床上の事象を引き起こす可能
性がある免疫学的反応を仲介するそれらの役割のために、白血球を除去すること
が望ましい。輸血に対する有害な臨床上の後遺症の総説については、The Role o
f Leucocyte Depletion in Blood Transfusion Practice(1988)からのSekiguchi
,et al.,Leucocyte-depleted blood products and their clinical usefulnes
s,Ch.5,pg.26〜33を見よ。更に、白血球は、患者における血小板と赤血球に
関する細胞欠乏の治療的補充のためには必須でない。従って、血小板又は赤血球
の通過を後の回収のため許容しつつ白血球を除去するためのフィルターシステム
が、血液細胞通過のために考案されてきた。
白血球除去のために報告されたおびただしい数のアプローチがある。米国特許
番号4,330,410は、酢酸セルロース、アクリロニトリル、ポリアミド、又はポリ
エステルの繊維を含む白血球除去性を有する、充填された繊維塊を開示する。米
国特許番号4,925,572は、赤血球(RBC)と血小板の接着を妨げるためのゼラチンコ
ーティングの使用を開示している。白血球除去は繊維本体内の細胞の物理的捕獲
によって主として達成され、そしてRBCと血小板の接着はゼラチンコーティング
によってもたらされる。米国特許番号4,936,998は
、ヒドロキシル又はアミド基及び第1級又は第2級アミノ基等のような官能性窒
素含有基を含む親水モノマーが、ポリエステル、ポリアミド等のような既知の繊
維のフィルターマトリックス上へと被覆される、白血球除去のための戦略を開示
している。
繊維表面の変性も、また改善された細胞分離性を有する材料を得るために用い
られてきた。例えば、米国特許番号4,130,642が、RBCがカラムを容易に通過する
ように脱脂されそして漂白されたエジプト綿を充填材料が含むところの、充填さ
れたカラムを開示している。
幾つかの分離戦略は複数のステップを含む。米国特許番号4,925,572が、ゲル
の除去のための上流多孔性要素、凝集した物質の除去のための一層微細な多孔性
の第二の要素、そして通常の繊維(その表面張力減少及び改善されたぬれが生体
適合性部分の照射グラフトによって得られる。)を含む最終濾過ステップを含む
複数ステップの法を開示している。更なる白血球除去法の記述がThe Role of Le ucocyte Depletion in Blood Transfusion Practice
(1988)からのRikumaru,et
al.,Advanced methods for leukocyte removal by blood filtration,Ch.6,
pgs.35〜40中に含まれている。
その一つのゴールが血小板とRBCの良好な回収を得ることである白血球除去
の戦略を設計するに際して血小板又は補体を活性化せずに分離を達成することが
、最も重要である。回収された細胞は患者へ血管内の投与することが意図されて
いるので、分離を高めるために利用されたいかなるコーティングも溶液中へと溶
出しないということも重要である。あるアプローチは、2乃至15繰り返し単位
を有するポリエチレンオキシド鎖と窒素含有官能基を結合するコー
ティングを持つ、連続した孔構造を有する多孔性ポリマー材料からなるフィルタ
ーを具体化している(日本国 特開平第5−194243号(1993年)を見よ)。この材
料は、血小板の高収率を与えつつ白血球を捕まえると言われている。
血液の細胞成分と体液成分を活性化すること及び免疫応答を刺激することにお
けるその低い生物学的活性のために、ポリアルキレンオキシドポリマーの使用は
生体適合性材料の構成においてよく知られている。しかしながら、分離パラメー
ターを高める官能基と結合されない限り、ポリアルキレンオキシドポリマーの不
活性性はまた、細胞分離フィルターによって得ることができる分離度をも損なう
かもしれない。全血から、半精製細胞懸濁混合物とは異なった細胞分離に効果的
な、コーティング成分の適した組み合わせがこれまで開発されなかった。
本発明の要約
細胞分離のための源として利用できるほとんどの血は全血であり、予備分画さ
れていない。通常それは、一つのユニット(約350〜450ml)プラスチックバッグ中
に包囲されており、そして凝固を防止するためにクエン酸添加されている。一度
、血液が新鮮な輸血において用いられるのに古くなったら、それは分画すること
ができる。血液が部分的に分画されるまで待つよりもむしろ、そのような血液貯
蔵から直接的かつすぐさま白血球除去しそして血小板とRBCを分離できることは
非常に好ましいであろう。
従って、本発明の一目的は、血小板と赤血球の高収率における回収を許容しつ
つ、全血から白血球を除去するための血液細胞分画手段を提供することである。
本発明の更なる一目的は、差別的分離を
容易にするコーティング材料の溶出を伴うことなしにフィルターによって効果的
な細胞分画を得ることである。更なる一目的は、(差別的細胞分離の目的を妨害
し又は挫折させるかもしれない特定の官能基を要求する)フィルターマトリック
スそれ自身との共有結合性相互作用なしに永続性が達成されるように、フィルタ
ーと他の細胞分画手段を被覆することができることである。
簡潔に要約すると、本発明は第一の求電子的に活性な高分子量ポリアルキレン
オキシドと第二の高分子量ポリアルキレンオキシド誘導体(それはテトラアミノ
ポリアルキレンオキシド又は2官能性ジヒドロキシポリオキシアルキレン誘導体
又はジアミノポリオキシアルキレン誘導体のいずれか、又はそれらの組み合わせ
である)とのそのままの位置での反応によって調製された化学的縮合生成物によ
って被覆された、フィルターマトリックス、(好ましくは、繊維性の構造を有す
る。)を含む血液細胞分画手段を提供する。代わりに、他の一具体例においては
、コーティングが放射線への暴露によって重合された高分子量テトラアクリレー
トポリアルキレンオキシドのイソポリマーであってよい。
縮合反応はそのままの位置で起こる。即ち一ポリマーが繊維状分画マトリック
ス上へと乾燥された後、次いで第二のポリマーが該マトリックスと接触させられ
、そして縮合反応は5°C乃至約200°Cの間の温度で自然に起こる。この求
電子的に活性な、高分子量ポリアルキレンオキシド化合物は、一般構造Y−PE
O−R−PEO−Y〔ここに、Yは、オキシカルボニルイミダゾール;トレシル
活性化エステル、トシル活性化エステル、N-ヒドロキシスクシンイミジル活性化
エステル、そしてp-ニトロフェニル活性化エステル;
アクリレート類;グリシジルエーテル類;そしてアルデヒド類より選ばれた反応
性部分である。詳細な明細書から明らかになるであろうように、オキシカルボニ
ルイミダゾール脱離基が好ましく、RはビスフェノールA(4,4'-(1-メチルエチ
リデン)ビスフェノール)又はビスフェノールB(4,4'-(1-メチルプロピリデン)
ビスフェノール)よりなるスペーサー分子(化学的な背骨)であり、そしてPEO
はポリアルキレンオキシドを表す。〕を有する。
本発明の細胞分画手段を用意する方法において、ここに上で示されたような末
端脱離基(オキシカルボニルイミダゾールが好ましい)を有する、求電子的に活
性な、高分子量ポリアルキレンオキシド化合物を含む第一のポリマーが細胞分画
手段マトリックスの表面へ適用され、次いでマトリックス上へと第一のポリマー
を乾燥し、それに続いてテトラアミノ−ポリアルキレンオキシド、ジアミノ−ポ
リアルキレンオキシド、又はジヒドロキシ−ポリアルキレンオキシド、又はそれ
らの組み合わせを含む第二のポリマーを適用する。それらポリマー間の反応が自
然に起こり、そして約5°Cから約200°Cまでの温度でのインキュベーショ
ンが架橋の実質的完了を得るのに十分な時間続けられる。
本発明に従って細胞分離を実施するにあたって、血液画分又は副画分又は全血
それ自身の形の、血球の混合物を含む試料が、繊維状構造よりなる細胞分離手段
(ここに上で規定された化学構造のコーティングを有する)と接触させられ、白
血球が接着した細胞分離手段を除去し、それにより赤血球と血小板から白血球を
分離する。好ましい具体例において、細胞分離手段はフィルターであり、それを
通して血液又は他の細胞混合物が通過させられ、血小板と赤血球細
胞の実質的損失なしに白血球の除去がもたらされる。この方法で、投与の際に完
全に機能性であるが、有害な免疫学的事象の危険性の大きく減少された、輸血可
能な未分画血液が調製できる。
図面の簡単な記述
図1は、好ましい具体例のポリマーの化学構造式である。
図2は、PEO被覆された及び被覆されていないAsahi R-2000フィルターにつ
いての相対白血球(WBC)除去率を図解する。除去率の対数値が図の右側に示
される。
図3は、PEO被覆された及び被覆されていないAsahi R-2000フィルターによ
って得られた相対血小板回収率を図解する。
好ましい具体例の詳細な記述
本発明は、繊維状構造を有するマトリックスを含む血液細胞分画手段を含み、
そして該マトリックスは、それと接触する、血球含有液の細胞接着に関してその
表面性質を変化させる、それに適用されたコーティングを有することで更に特徴
付けられる。好ましい具体例においては液体と接触する固体マトリックスの他の
構成も本発明の範囲内であるが、マトリックスはカラム内に収容された充填材料
、又はフィルターの形へと圧縮されそして慣用的設計と構成のフィルターハウジ
ング内に保持された繊維状材料である。
マトリックス繊維上に全体として分子的に連続したポリマー表面を作りだすた
めに行われるポリマーのコーティングと化学反応は、マトリックスの本来の表面
上に存在するいかなる化学的部分との共有結合的の又は非共有結合的相互作用を
要求しないことから、このコーティングそれ自身はマトリックスの化学的及び物
理的性格からは独立している。従って、このコーティングは、細胞分離技術にお
いて利用しうるいかなるフィルターにも普遍的に適用可能であると意図される。
実施例はガラスファイバーマットの形のような高ガラス含有率を有するフィルタ
ー、ガラスとポリエステルの混合物を含むフィルター等のような一層小さいガラ
ス含有率を有するまたは全くガラスを含まないフィルター、そしてヒドロキシエ
チルメチル−メタクリレートによって被覆されたポリエチレンテレフタレート血
小板フィルター等を、限定されることなく、含む。
好都合に用いることができるフィルターハウジングが慣用的に製造される。そ
のようなハウジングの例は、Gelman、Pediatric Enterprise Housings、又はInt
ermediate Enterprise Housingsによって製造されているSwinneyプラスチックマ
ニホールドである。対応して適したハウジングへのフィルターの正しいサイズ相
関関係は当業者に明らかであろう。
血球分画手段への適用可能な唯一の制限は、ポリマー溶液と非相溶性の表面で
ある。分子濡れがポリマー溶液によって得られない場合であっても、乳化剤と相
透過剤を利用する技術が十分なコーティングを達成するのに有用であろう。出願
人の知識では、現在商業的に入手可能な血球分画フィルター材料のいずれも、本
発明への適用性から除外されない。
製造の容易性のために、夫々のポリマーの化学縮合反応がそのままの位置で実
施される。即ち第一の遊離ポリマーがマトリックス上におかれそして乾燥され、
そして次いで第二がマトリックスと溶液中で接触される。次いで、続く反応がマ
トリックスの表面において共重合した材料の皮膚様シート又は層をつくる。好ま
しい具体例中のこの反応は5乃至200°Cの範囲内の温度において自然に進行
する。熱力学的速度論原理に従って、反応の完了のための時間が一層高い温度に
おけるよりも一層低い温度におけるときは僅かに長くなることは明らかである。
一般に、これらの反応は、実施例中に開示されているように、室温において実施
できるが、反応時間を特定の所望の反応温度に対して調整するために実験が当業
者によって必要とされることは殆どない。
浸して(飽和させる等によって)フィルターと接触させるための第一のポリマ
ーは、高分子量の求電子的に活性なポリアルキレンオキシドである。「求電子的
に活性」は、ポリアルキレンオキシドポリマーが、第二のポリマー中に含まれる
アミノ基又はヒドロキシル基等のような求核中心と反応性のオキシカルボニル部
分を含むことを意味する。特に好ましい具体例中では、求核剤として働く第一級
アミンが、反応により、N-置換されたカルバメート結合(架橋剤からのカルボニ
ル部分が新しい結合中へ導入される)を形成するためにイミダゾール−ポリアル
キレンオキシドポリマーのカルボニル基と反応する。これらのポリマー物質は、
約13,000から24,000ダルトンの範囲、好ましくは約20,000ダルトンの高分子量で
なければならない。こうして図1中に示された、マトリックス上での反応のため
に好ましい分子は約100〜225のn値を有するであろう。低分子量物質が血
小板回収を著しく減少する傾向があると経験的に決定されたので、ここに定義さ
れた高分子量が重要である。
第一の求電子ポリアルキレンオキシドポリマーは、アミン基又はヒドロキシル
基含有の第二のポリアルキレンオキシドと反応性の末端脱離基を有するであろう
。許容し得る化学縮合を達成するための、第一のポリマー上の適した脱離基は、
イミダゾイル、トレシル、
トシル、アクリロイル、そしてN-ヒドロキシスクシンイミジルである。加えて、
求電子性ポリマーの構造は一般的表現によって更に定義できる。即ち、Y−PE
O−R−PEO−Y(ここに、Yは、オキシカルボニルイミダゾール、トレシル
−活性化エステル、トシル−活性化エステル、N-ヒドロキシスクシンイミジル−
活性化エステル、そしてp-ニトロフェニル−活性化エステル;アクリレート;グ
リシジルエーテル;そしてアルデヒドよりなる群より単一で又は組み合わせて選
ばれるものであり、そしてRは、二のポリアルキレンの腕が取り付けられた背骨
として定義されるスペーサーであり、ビスフェノールA又はBを好ましくは含む
。ビスフェノールAが図1の構造中に示されるように、好ましい。)である。
おそらく反応が幾分よく進行するためか又はおそらく残留未反応基が白血球接
着を改良するために、我々はまた、イミダゾールより誘導されるポリアルキレン
オキシドが最良の結果を与えるということをも決定した。いずれにせよ、出願人
はいかなる特定の理論に拘束されると希望しないが、当該技術において経験され
たものへのガイドとして結果を開示する。ポリエチレン又はポリプロピレンが生
体適合性の適用において用いられる最もよく知られたポリアルキレンオキシドで
あるので、一般にポリアルキレンはポリエチレン又はポリプロピレンを意味する
。しかしながら、出願人は、ポリブチレンオキシドまでの他のポリアルキレンオ
キシドを本発明の範囲内であるとみなす。
一層少ない具体例においては、ポリアリレンオキシドのテトラ又はジアクリレ
ート末端誘導体が、最初にマトリックスと接触させ、続いてフリーラジカル重合
を行うためにUV光又はγ線によって照
射することによって、イソポリマー化できる。得られる被覆されたフィルターマ
トリックスは血小板と赤血球の十分な回収を伴って白血球除去性であるが、ここ
に示した本発明の他の具体例ほどには効果的ではない。
本発明の方法においては、そのままの位置での化学縮合が、マトリックス繊維
ベッドの輪郭に対してコポリマー外皮を成形するために実施される。求電子的に
活性なポリアルキレンオキシドが、最初にマトリックス上へ沈着され、乾燥され
、そして次いで第二のアミノ基又はヒドロキシ基含有求核ポリマーと更に接触さ
せられることが重要である。この教示は、どの方法ステップが血小板とRBC回収
そして白血球除去に関して最良の結果を与えるかについての経験的観察から生じ
たものでありこの観察結果についての機械的又は分子的基礎は出願人には未知で
ある。乾燥ステップにおいて、周囲の空気中で乾燥することはポリマーを定まっ
た位置に「固定」するには適しているが、5%湿度未満に下げた様々な湿度又は真
空において、僅か乃至中程度の熱が製造の流れにおいて乾燥ステップを速めるた
めに適用されてよい。
この共重合された材料は、実施例中に示されるように、溶出には高度に安定で
ある。125Iによって標識された、濾液中へと容易に溶出される未反応単一ポリマ
ーに比して、本発明の方法に従ってつくられる完全に共重合された材料は溶出に
対して高度に抵抗性であり、そして治療上許容可能な細胞画分の調製のために安
定である。
本発明に従った細胞分離の方法においては、細胞懸濁液又は全血が、開示され
たポリマーコーティングを有するフィルターを通過して濾過される。白血球は接
着し、そして血小板とRBCは濾液中に通
過する。フィルターと細胞含有液体との接触の一層一般化された方法も本発明に
よって想定される。例えば、充填されたカラムを通過する又は溶液中に分散され
たマトリックスとバルクの形で細胞を混合することによる接触が用いられるかも
しれない。
本発明の他の利点が続く実施例から明らかになろう。
実施例1
平均分子量20,000ダルトンを有するオキシカルボニルイミダゾール−ポリエチ
レンオキシド(Imz-PEO)(Sigma Chemical Company)が、フィルターマットをImz
-PEOの2.5%溶液中に浸すことによって現在のAsahi R-2000フィルター上へと最初
に被覆された。マットは真空下に乾燥された。マットへと結合されたImz-PEOの
量は約70mg/g-フィルターマットであった。乾燥されたImz-PEO被覆されたマットはSigma
Chemical Companyから得られたビス〔ポリオキシエチレンビス(アミン)〕(TA
PEO,20,000ダルトン)で架橋された。架橋反応は、Imz-PEO被覆されたマットを
、結合したImz-PEOに対して2.5〜5.0倍モル過剰のTAPEOの水−メタノール(1:1)
溶液中に浸すことによって実施された。反応を少なくとも24時間進行させた。マ
ットは真空下に再び乾燥された。乾燥され架橋されたマットは、全ての未結合PE
Oを除去するために水に幾度も浸されることによって徹底的に洗浄された。最後
の洗浄の後、マットは高真空下に再び乾燥された。架橋されたマットは、血液濾
過のために用いられるまで、室温で貯蔵された。この実施例において、マットは
、Interstate Blood Bankから得られた、プールされた(ABO適合させた)、一日経
た、ヒト全血と共に用いられた。プールされた全血は、フィルターユニットの上
方約3フィートにつり下げられ、そして血液は、異な
ったタイプのPEO−フィルターマットの各々を通じて重力によって流された。
全血の一部(20〜30ml)が濾過前にユニットから採られ、そして対照(前サンプ
ル)として確保された。濾過された血液(後サンプル)と前サンプルはSysmex K
-1000細胞カウンターによって血小板につきカウントされ、そしてWBC濃度は(サ
ンプル溶解後)プロピジウムヨードによるWBC核の染色及びFacScanフローサ
イトメーターによる染色されたサンプルの分析によって測定された。WBC除去と
血小板回収の結果は、それぞれ図2と図3中に図解されている。血小板回収の度
合いは、Imz-PEO被覆されたマットでは75〜80%にわたり、これに対して未被覆の
マットでは0.5%であった。WBC除去の量は、全てのマットについて対数値3〜4の
範囲内で、不変にとどまった(表1)。
実施例2
この実施例中においては、血液の経過期間と貯蔵温度等のような変数が評価さ
れた。上で記述された同じPEO被覆されたAsahi R-20
00フィルターマットがこれらの研究のために使用された。全血のユニットが社内
で新らたに得られ、そして使用されるまで室温で貯蔵された(約2時間)。室温
又は4°Cで貯蔵された1日経た血液もInterstate Blood Bankから得られた。
各ユニットは各PEO被覆されたフィルターを通して流されそしてサンプルが上で
記述されたように分析された。表2中にまとめられた結果は、異なった条件下で
貯蔵された全血のさまざまなユニットの利用にもかかわらず、PEO被覆されたAsa
hi R-2000フィルターから得られた血小板の収率は、未被覆のマット(2%)と比較
して劇的に改善(68〜83%)されることを示唆している。
実施例3
この実施例中では、テトラアクリレートPEO誘導体が、Shearwater Polymer
Inc.から得られまたはSigmaから得られた20,000ダルトンのPEOから合成された
(図1)。アクリレート−PEO誘導体が、実施例1中に記述されたのと同じ手
順によってコンポジットマット上へと被覆された。乾燥されたアクリレート−P
EO−被覆されたマットは、PEOコーティングの架橋を促進するために低吸収
線量(2×106rad)でγ線照射された。乾燥された、被覆されたマットは約1.50イ
ンチの円へと切断され、そしてマットの3層が全血評価のために小さな小児科サ
イズのハウジング中へと配置された。Interstate Blood Bankから得られた一日
経たプールされた全血が使用された。ハウジング当たり使用された血液の最終体
積は約75mlであった。表3中にまとめられたこれらの実験の結果は、PEO誘導
体によるマットのコーティングによる血小板回収における改善を示す。しかしな
がら、アクリレートPEO誘導体によって見られる
血小板回収における改善は、Imz-PEO被覆されたマットによって観察されたもの
ほどは良くない。
実施例4
これらPEOコーティングの安定性が放射性標識された125I-Imz-PEOと125I-
テトラアミノ-PEOとを用いて研究された。Imz-PEOまたはテトラアミノ-PEO誘導
体の構造中のビスフェノールA単位の存在が、125Iとヨウ素ビーズ(Pierce Chem
ical Co.)を使用する、これらの分子の慣用的標識を許容した。第一の組の実験
においては125I-Imz-PEOがマット上へと最初に被覆されそして未標識のテトラア
ミノ-PEOと架橋された。第二の組の実験においては未標識のImz-PEOがマット上
へと被覆されそして次いで125I-テトラアミノ-PEOと架橋された。各125I-PEO被
覆されたマットが、新鮮な全血によって
Swinneyハウジング(直径約1cmのフィルターを用いた)中で評価された。血液濾
液の4画分(各〜1ml)が採取されそしてγ計数管によって125I-PEO誘導体の存在
についてカウントされた。各125I-PEO被覆されたフィルターマットも、濾過の前
後で放射能についてカウントされた。全血濾過後にマット上に回収された標識さ
れたPEOの量は、87%から95%まで変化した。対照的に、架橋反応が実施されてい
ないフィルターマットからは、標識されたImz-PEOの35%が溶出された。
実施例5
上の実験からのさまざまな「前」と「後」の血液サンプルが、C3aとC5aを測定
すること(RIAにより)によって補体の活性化につき、及び活性化マーカーCD62に
ついて陽性の血小板の割合を測定することによって血小板の活性化につき、更に
評価された。PLS10A血小
板フィルター(Asahi)が、比較のための対照としてこの分析中に含められた。C3a
とC5aについての結果が表5中にまとめられる。
高レベルのC3aとC5aがAsahi血小板フィルターPLS-10Aから得られた血液サンプ
ル中に見出された。これらPLS-10Aフィルターは全血と共に用いられていないが
、PLS-10Aは対応する前サンプルと比べてC3aとC5aのレベルの少なくとも2〜4
倍の上昇をつくりだすようである。C3aとC5aのこれらのレベルは、PEO被覆され
たAsahi R-2000によってつくられるC3aとC5aの量よりも一層高い。これらの結果
は、PEO被覆されたAsahi R-2000フィルターが血小板濃縮のために用いられるPLS
-10A商用フィルターよりも一層生適合性であるということを示唆する。
活性化マーカーCD62を発現する血小板の割合は、血小板活性化の程度の敏感な
尺度である。全血のサンプルが、CD62について陽性の血小板の割合を決定するた
めに、FacScanフローサイトメーターを用いて(濾過の前と後に)分析された。
この分析は、研究されたいかなるマットによる濾過の間にもCD62陽性血小板の割
合の上昇が起こらなかったことを明らかにした(表6)。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.血球分画手段であって、 繊維状構造を有するフィルターマトリックスと、そして、 その上のコーティングであって、 第一の求電子的に活性な高分子量ポリアルキレンオキシドと、 テトラアミノポリアルキレンオキシドと2官能性ジヒドロキシ又はジア ミノポリオキシアルキレンオキシド誘導体よりなる群より選ばれた第二の高分子 量ポリオキシアルキレン誘導体と、 のその位置での縮合生成物を含む、その上のコーティングと、 を含む、血球分画手段。 2.血球分画手段であって、 繊維状構造を有するフィルターマトリックスと、そして、 高分子量テトラアクリレートポリアルキレンオキシドの放射線照射された縮 合生成物を含む、その上のコーティングと、 を含む、血球分画手段。 3. 該求電子的に活性な高分子量ポリアルキレンオキシド化合物が、一般構 造Y−PEO−R−PEO−Y(ここに、Yは、オキシカルボニルイミダゾール ;トレシル活性化エステル、トシル活性化エステル、N-ヒドロキシスクシンイミ ジル活性化エステル、及びp-ニトロフェニル活性化エステル;アクリレート類; グリシジルエーテル類;そしてアルデヒド類よりなる群より選ばれた反応性部分 であり、ここにRは、炭素原子、窒素原子、酸素原子、及び/又は硫黄原子を含 む化合物から選ばれたスペーサーであり、そしてここ にPEOは高分子量ポリアルキレンオキシドである。)を有するものである、請 求項1に記載の血球分画手段。 4. 該スペーサーRが、ビスフェノールA又はビスフェノールBである、請 求項3に記載の血球分画手段。 5. 架橋された共重合物によって繊維状構造表面をコーティングする方法で あって、 イミダゾイル、トレシル、トシル、アクリロイル、及びN−ヒドロキシ スクシンイミジルよりなる群より選ばれた末端脱離基を持つ求電子的に活性な高 分子量ポリアルキレンオキシド化合物を含む第一のポリマーを適用し、 該第一のポリマーを該表面上へ乾燥し、 テトラアミノポリアルキレンオキシド、ジアミノポリアルキレンオキシ ド、又はジヒドロキシポリアルキレンオキシドよりなる第二のポリマーを適用し 、 約5°Cから約200°Cまでの温度において架橋の実質的完了を得る ために十分な時間インキュベートすること を含む方法。 6.血球を分離する方法であって、 繊維状構造とその上のコーティングとから本質的に構成された細胞分離手段 であって、該コーティングが求電子的に活性な高分子量ポリアルキレンオキシド 化合物と、テトラアミノポリアルキレンオキシド及び2官能性ジヒドロキシ又は ジアミノポリアルキレンオキシドよりなる群より選ばれた高分子量ポリアルキレ ンオキシド誘導体との共重合体である、細胞分離手段と血球とを接触させ、 該細胞分離手段を除去し、それによって該細胞分離手段に接着 しない赤血球と血小板とから該細胞分離手段に接着する白血球を、分離すること を含む方法。
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