JPH09507490A - 増殖性障害、転移および薬物耐性腫瘍の治療用バナジン酸塩化合物 - Google Patents

増殖性障害、転移および薬物耐性腫瘍の治療用バナジン酸塩化合物

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JPH09507490A JP7518749A JP51874995A JPH09507490A JP H09507490 A JPH09507490 A JP H09507490A JP 7518749 A JP7518749 A JP 7518749A JP 51874995 A JP51874995 A JP 51874995A JP H09507490 A JPH09507490 A JP H09507490A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、バナジン酸塩化合物またはバナジン酸塩化合物の誘導体またはアナログの抗増殖剤および抗転移剤としてのおよび/または動物における薬物耐性腫瘍を治療するための用途、かかる用途に適合するバナジン酸塩化合物を含有する組成物、増殖性障害の治療方法、腫瘍の転移能を減少させる方法、および薬物耐性腫瘍の治療方法に関する。また、本発明は細胞増殖に影響を及ぼす物質の試験方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】 増殖性障害、転移および薬物耐性腫瘍の治療用バナジン酸塩化合物発明の分野 本発明は、バナジン酸塩化合物またはバナジン酸塩化合物の誘導体またはアナ ログの抗増殖剤および抗転移剤としてのおよび/または動物における薬物耐性腫 瘍を治療するための用途、かかる用途に適合するバナジン酸塩化合物を含有する 組成物、増殖性障害の治療方法、腫瘍の転移能を減少させる方法、および薬物耐 性腫瘍の治療方法に関する。また本発明は、細胞増殖に影響を及ぼす物質の試験 方法に関する。発明の背景 癌は毎年世界中の推定590万人を冒す世界的課題である。多数の型の癌があ り、北米で最も一般的なもののいくつかには、乳癌、肺癌、結腸癌およびリンパ 管癌が含まれる。ここ30年間で化学療法は癌患者の生存率に好ましい影響を及 ぼしているが、ほとんどのヒト癌は化学療法に対して耐性であるか耐性となる。 したがって、より有効で薬物耐性腫瘍に作用しうる抗癌薬が大いに必要とされて いる。 癌細胞の2つの重要な特徴は、腫瘍形成および増殖につながるその異常増殖能 、および転移につながる他の組織への侵入能である。特定の遺伝子に対する遺伝 的損傷がヒトにおける細胞の形質転換および癌の発生の原因となると考えられて いる。ヒト癌細胞で見いだされている遺伝的損傷は、2つの型に分類できる。そ の第1は、連続的な癌原遺伝子活性化につながる癌遺伝子の突然変異を含む。そ の第2は、腫瘍抑制遺伝子の機能喪失につながる腫瘍抑制遺伝子の突然変異を含 む。癌原遺伝子または腫瘍抑制遺伝子に対する遺伝的損傷は、刺激の非存在下で 癌遺伝子活性化に、また非制御細胞増殖につながる。損傷は、種々のヒト悪性癌 においてある程度一貫して1つまたは別の癌原遺伝子および腫瘍抑制遺伝子で見 いだされている。 2個の癌遺伝子転写因子fosおよびjunが、細胞増殖および特に多数の腫 瘍細胞系での細胞増殖に関与する遺伝子の誘導に関与しており、これに必要であ ることが示されている。これら2個の遺伝子の発現の阻害は、細胞増殖の阻害に つながる。癌の最も生命を脅かす側面の1つは転移の発生である。一般に、ほと んどの固形腫瘍は主要部位から外科的に除去でき、局所的に治癒する。しかし、 癌細胞が血管チャンネルに侵入し異なる器官に転移すれば、完全治癒の可能性は 減少する。したがって、癌細胞の転移性を減少させる薬剤があれば癌の治療に有 用である。 転移において重要な役割を果たしていると考えられる細胞過程には、細胞接着 の増大、宿主組織の腫瘍細胞タンパク質分解、腫瘍細胞移動およびコロニー形成 が含まれる。これらの過程は連続的に起こる。第1に、基底膜中のコラーゲン、 ラミニン、フィブロネクチンなどのリガンドに対してインテグリンおよび非イン テグリン型の表面受容体を介して腫瘍細胞が基底膜に接着する。接着後、基底膜 の溶解の局所域は細胞接着点で生じる。腫瘍細胞は、基底膜を分解し宿主器官へ の腫瘍細胞の湿潤および移動を許容するコラゲナーゼ、ゲラチナーゼなどの分解 酵素を生成し分泌する。腫瘍攻撃性と細胞が侵入過程に関与する1群の酵素、マ トリックスメタロプロテアーゼを生成する能力との間には正の相関がある。メタ ロプロテアーゼ、セリンプロテアーゼなどのある種のプロテアーゼの阻害が侵入 および転移を防ぐことが示されている(アルバレズ(Alvarez)ら、1990.J.Na t.Cancer Inst.82: 589-595; シュルツ(Schultz)ら1988、Cancer Res.48, 5539-5545、およびワン(Wang)およびスターンズ(Stearns)1988、Cancer Res .48,6262-6271)。 チオ硫酸塩または亜硫酸塩化合物と組み合わせたバナジル、バナジン酸塩など のイオン性バナジウム化合物が老年の悪性腫瘍、動脈硬化症および精神性症候群 の治療に有用であると報告されている(カプラン(Kaplan)に対する米国特許第 5,045,316号)。カプラン(Kaplan)は、バナジルまたはバナジン酸塩0 .0043mg/kg〜0.14mg/kgの1日用量を開示する。開示されてい る治療におけるバナジン酸塩およびチオ硫酸塩の作用機構についてはカプランは 全く開示していない。 カプランの特許の発明の背景において、バナジウム塩が抗腫瘍作用を有するこ とがカプラン以外の者により報告されており、食餌性硫酸バナジルがラットにお いて化学的に誘導された乳房発癌を抑制すると報告されていることが開示されて いる。 サクセナ(Saxena)ら(Biochem.Pharmacology 45(3): 539-542,1993)は、 対照およびアロキサン糖尿病ラット肝臓の抗酸化状態に対するバナジン酸塩のイ ンビボ効果について検討した。飲料水中のオルトバナジン酸塩0.6mg/ml を糖尿病ラットに投与した。本発明者がオルトバナジン酸塩0.5mg/mlの 動物への経口投与が胃毒性につながることを見いだした(本明細書中実施例9参 照)ことは注目されるべきである。 β−カロテン、α−トコフェロール、ビタミンE、ビタミンC、グルタチオン などの抗酸化剤は、抗癌活性を有すると報告されている(ジー・シュクラー(G .Shklar)ら、Nutrition and Cancer,1993,p.145)。また、抗酸化剤(β− カロテン、dl−α−トコフェロール酸スクシナート(ビタミンE)、ビタミンC および還元型グルタチオン)の混合物がインビボ癌モデルにおける発癌の予防に 非常に有効であり、癌化学予防剤としての該混合物の個々の成分より有効であっ たと開示されている。発明の概要 本発明者は、細胞内のスーパーオキシドまたはH22の濃度がfosおよびj un発現の誘導において重要な役割を果たしていることを見いだした。ジフェニ ルヨードニウム(DPI)でH22の生成を阻害することにより、またはN−ア セチルシステイン、オルトバナジン酸塩などの細胞内還元剤の濃度を増加させる ことによりH22濃度を減少させることは、IL1、アラキドン酸などの因子に 応答したfosおよびjun発現を完全に阻害することが示された。検討したす べての条件下、fosおよびjun発現の阻害によりコラゲナーゼ発現が阻害さ れた。 また本発明者は、オルトバナジン酸塩およびそのアナログが、正常非増殖性細 胞に対し非毒性な濃度において、増殖性細胞系に対し非常に毒性であることを見 いだした。これは、オルトバナジン酸塩が化学療法剤として有用であり得ること を示すものである。また、本発明者は重要なことに、オルトバナジン酸塩がコル ヒチン、ビンブラスチン、ドキソルビシンなどの通常の薬物に耐性の細胞系に作 用することを見いだした。これは、該薬物が薬物耐性腫瘍の治療に有用であるこ とを示すものである。薬物耐性癌細胞から化学療法剤を通常に除去する機構は該 バナジン酸塩化合物を認識しない。 また、オルトバナジン酸塩およびそのアナログが、インビボ動物モデル(MD AY−D2モデル)における腫瘍増殖を抑制することが示された。動物血清中の オルトバナジン酸塩またはそのアナログの癌細胞に非常に毒性な濃度に達するた めには、少なくとも0.2mg/kgの用量を要した。 抗酸化剤であるN−アセチルシステインと組み合わせてオルトバナジン酸塩が 投与された場合に、腫瘍増殖の有意な阻害が観察された。オルトバナジン酸塩お よびN−アセチルシステインの作用は、オルトバナジン酸塩単独の場合に比べ、 インビボでの腫瘍増殖の阻害により有効であった。 また本発明者は、オルトバナジン酸塩または硫酸バナジルを投与された動物は 検出可能な程度の転移を有さないことを見いだした。 したがって幅広く言えば、本発明は、過酸化水素濃度を調節することによりf osおよびjun発現を調節する方法に関する。 本発明の具体例に従えば、過酸化水素および/またはスーパーオキシドを減少 させるために化合物を使用して細胞増殖を減少させる。好ましくは、該化合物は バナジン酸塩化合物またはその誘導体またはアナログである。 また本発明は、細胞増殖を減少させるのに有効な一定量のバナジン酸塩化合物 またはその誘導体またはアナログ、および1個以上の医薬上許容される担体、希 釈剤または賦形剤よりなる増殖性障害治療用医薬組成物も含む。本発明の好まし い具体例においては、該医薬組成物は腫瘍増殖を減少させるのに使用される。さ らに、本発明は、細胞増殖を減少させるのに有効な一定量のバナジン酸塩化合物 またはその誘導体またはアナログを投与することを特徴とする増殖性障害の治療 方法も含む。 細胞増殖を減少させるのに有効なバナジン酸塩化合物またはその誘導体または アナログの量は、少なくとも5μM、好ましくは5〜50μM、最も好ましくは 10〜30μMの、血清、脳脊髄液、滑液などの細胞外体液中の該化合物の濃度 を与える量である。一般に、ヒトおよび他の動物では少なくとも0.2mg/k g、好ましくは0.2mg/kg〜25mg/kg、最も好ましくは0.2mg/ kg〜20mg/kgの投与量で適切な濃度となるであろう。本発明の好ましい 具体例においては、少なくとも1mg/kg、好ましくは1.0mg/kg〜2 5mg/kgの投与量のバナジン酸塩化合物またはその誘導体またはアナログを 使用して最適投与量を得る。 また本発明は、薬物耐性腫瘍の増殖を減少させるまたは阻害するのに有効な一 定量のバナジン酸塩化合物またはその誘導体またはアナログを投与することを特 徴とする薬物耐性腫瘍の増殖を減少させるまたは阻害する方法に関する。さらに 本発明は、転移を減少させるまたは阻害するのに有効な一定量のバナジン酸塩化 合物またはその誘導体またはアナログを投与することを特徴とする転移を減少さ せるまたは阻害する方法も含む。 また本発明は、バナジン酸塩化合物またはその誘導体またはアナログ、および バナジン酸塩化合物の抗増殖および抗転移作用を増強し細胞増殖および転移を減 少させる少なくとも1個の抗酸化剤、好ましくはN−アセチルシステインよりな る組成物も含む。また、本組成物を使用して増殖性障害を治療および予防し、薬 物耐性腫瘍を治療し、転移を減少させる方法が提供される。 また本発明は、細胞増殖を減少させる活性について薬物を試験する方法に関す る。 本発明のこれらのおよび他の態様は、以下の詳細な記載および添付図面を参照 することにより明らかとなるであろう。また本明細書中、種々の公開物を出典明 示することによりこれを本明細書の一部とする。図面の簡単な記載 本発明のさらに詳細は下記添付図面中の例示を参照して以下に記載される。 図1は、IL1に応答したスーパーオキシド生成およびDPIによるNADP Hオキシダーゼの阻害のFACS分析を示すグラフである。 図2は、fosおよびコラゲナーゼ発現におけるスーパーオキシド生成の役割 を示すノーザンブロットである。 図3は、過酸化水素がfos発現を刺激することを示すノーザンブロットであ る。 図4は、オルトバナジン酸塩がfos、junおよびコラゲナーゼ発現を阻害 することを示すノーザンブロットである。 図5は、N−アセチルシステインがfosおよびコラゲナーゼ発現のIL−1 誘導を阻害することを示すノーザンブロットである。 図6は、増殖性細胞に対するオルトバナジン酸塩の効果を示すグラフである。 図7は、オルトバナジン酸塩がMDAY−D2およびHTB14細胞に毒性で あることを示すグラフである。 図8は、細胞毒性に対する種々の形態のオルトバナジン酸塩の効果を示すグラ フである。 図9は、H22がオルトバナジン酸塩毒性を増強させることを示す棒グラフで ある。 図10は、オルトバナジン酸塩が種々の薬物耐性の細胞系に毒性であることを 示すグラフである。 図11は、非処理およびオルトバナジン酸塩処理マウスからの腫瘍の写真であ る。 図12は、オルトバナジン酸塩投与がインビボで腫瘍増殖を抑制することを示 すグラフである。 図13は、インビボ腫瘍増殖に対するオルトバナジン酸塩、硫酸バナジルおよ びバナジルヒロドペルオキシド投与のインビボでの効果を示すグラフである。 図14は、オルトバナジン酸塩およびN−アセチルシステイン投与がインビボ で腫瘍増殖を完全に阻害することを示すグラフである。 図15は、MDAY−D2細胞による肝臓転移を示す写真である。 図16は、転移に対するオルトバナジン酸塩および硫酸バナジルの効果を示す 写真である。 図17は、先行技術の処理と本発明のオルトバナジン酸塩/N−アセチルシス テイン処理との比較を示すグラフである。 図18は、IL−1、PMAおよびAA誘導c−fosおよびc−jun発現 のオルトバナジン酸塩阻害を示すノーザンブロットである。 図19は、c−fos mRNA濃度(A)に対するH22の効果、および抗酸 化剤NACおよびAscがTNF−αおよびbFGF誘導c−fos mRNA 濃度(B)を抑制することを示すノーザンブロットである。 図20は、DPIが軟骨細胞におけるTNF−αおよびbFGF誘導ROS生 成を阻害することを示すグラフである。 図21は、DPIがTNF−アルファおよびbFGFによるc−fos発現の 誘導を阻害することを示す免疫ブロットである。 図22は、細胞増殖に対するDPIの効果を示すグラフである。 図23は、腫瘍増殖に対するBMOVの効果を示すグラフである。発明の詳細な記載 上記のとおり、本発明は、過酸化水素濃度を調節することによるfosおよび jun発現の調節方法に関する。過酸化水素濃度を増加させることは、fosお よびjunの発現の増加、したがって細胞増殖の増加につながるはずである。細 胞増殖の増加は、障害細胞を含む状態の治療に有用であり、特に、関節障害、骨 吸収、炎症性疾患、中枢神経系変性障害などの組織変性が生じる状態の治療およ び創傷治癒促進に有用でありうる。 本発明の具体例によれば、過酸化水素および/またはスーパーオキシドを減少 させるために化合物を使用して細胞増殖を減少させる。好ましくは、該化合物は 、バナジン酸塩化合物またはその誘導体またはアナログである。本発明での使用 に適切なバナジン酸塩化合物は酸化型のバナジン酸塩、好ましくはオルトバナジ ン酸塩である。また、バナジン酸塩化合物の誘導体、好ましくは、カリウム塩お よびナトリウム塩、およびアミノ酸、炭水化物および脂肪酸複合体、例えばシス テイン、ジヒドロキシアマートおよびグルクロナートと複合したバナジン酸塩を 含 む、バナジン酸塩化合物の医薬上許容される塩、エステルおよび複合体を本発明 で使用してもよい。好ましい具体例においては、有機バナジウム化合物であるB MOVが本発明で使用される。 過酸化水素と相互作用してヒドロキシルラジカルを生成する能力、または一般 に過酸化水素を還元する能力を含む、バナジン酸塩化合物に対する官能基類似性 に基づき適切なアナログが選択されてもよい。かかる化合物としては、例えば、 鉄、チタン、コバルト、ニッケルおよびクロム複合体、スズ、グルタチオン、ジ フェニルヨードニウムなどの金属イオンが挙げられる。バナジン酸塩化合物のア ナログもまた、バナジン酸塩化合物に対する三次元構造類似性に基づき選択され てもよい。例えば、本発明ではバナジル型のバナジウム、好ましくは硫酸バナジ ルを使用してもよい。 また本発明では、酵素を含有するフラベノイドの阻害剤などの過酸化水素およ び/またはスーパーオキシドの合成に影響を及ぼす化合物を使用して細胞増殖を 調節してもよい。例えば、本発明においてDPIを使用してもよい。 最も好ましくは、オルトバナジン酸塩化合物および硫酸バナジルを本発明の医 薬組成物、治療および方法に使用する。 選択されたバナジン酸塩化合物の誘導体およびアナログは、動物モデルにおい て、それが過酸化水素を減少させる能力、それが増殖性細胞系、非増殖性細胞系 および薬物耐性細胞系の増殖に作用する能力、およびそれが腫瘍増殖または転移 を阻害する能力について本明細書の記載に従い試験されてもよい。 本発明の組成物は、バナジン酸塩化合物またはそのアナログまたは誘導体と組 み合わされた1個以上の抗酸化剤を含有していてもよい。該抗酸化剤は、本明細 書に記載の方法を用いて、それが該バナジン酸塩化合物の効力を増加させ、正常 細胞に対する毒性を減少させる能力に基づき選択される。本発明の組成物を増強 させるのに使用される適切な抗酸化剤としては、例えば、N−アセチルシステイ ン、グルタチオン、ビタミンE(アルファ−トコフェロール)、ビタミンC(ア スコルビン酸)、ベータ−カロテン、エルゴチオネイン、亜鉛、セレニウム、銅 、マンガン、フラボノイド、エストロゲンまたはそれらの誘導体、好ましくはN − アセチルシステインが挙げられる。 本明細書に記載の形式および方法でのバナジン酸塩化合物またはそのアナログ または誘導体および所望により使用する1個以上の抗酸化剤の投与は、過酸化水 素を減少させて細胞増殖を減少させ、また、腫瘍の転移も減少させる。したがっ て、該組成物は、白血病、リンパ腫(ホジキンおよび非ホジキン)、肉腫、メラ ノーマ、アデノーマ、固形組織の癌腫、低酸素腫瘍、口、喉、咽頭および肺の扁 平上皮癌、頚部癌、膀胱癌などの尿生殖器癌、造血癌、頭部および頸部癌、神経 系癌などの種々の型の癌、乳頭腫などの良性障害、関節硬化症、血管形成、ウイ ルス感染症、特にHIV感染症などを含む増殖性障害の治療に使用しうる。本発 明の組成物は、造血腫瘍、ヒト神経膠腫および星状細胞腫原発性腫瘍の増殖の阻 害に特異的に有効であることが示されている。 本明細書に記載の組成物中のバナジン酸塩化合物またはそのアナログまたは誘 導体および所望により用いる1個以上の抗酸化剤は薬物耐性腫瘍の治療にも使用 しうる。薬物耐性腫瘍としては、例えば、コルヒチン、ビンブラスチン、ドキソ ルビシンなどの複数の抗癌薬に対する耐性を付与することが知られている高レベ ルのp−糖タンパク質を発現する腫瘍、またはアール・デーリー(R.Deeley)ら 、Science,258: 1650-1654,1992に記載されているとおりの多剤薬物耐性タン パク質を発現する腫瘍である。 本発明の組成物は、バナジン酸塩化合物またはその誘導体またはアナログ、お よび所望により1個以上の抗酸化剤を単独でまたは他の物質と共に含有する。か かる医薬組成物は、局所、非経口(静脈内、皮下、筋肉内または脊髄内)または 局所で使用しうる。好ましくは、有効成分の遅い連続的放出につながる投与方法 が使用される。これは、静脈内投与、皮下投与によりまたはインプラント、ポン プなどの放出制御機構を用いることにより行ってもよい。放出制御方法は、一般 に、放出制御ポリマーを使用し、有効成分の放出は溶解特性、ポリマーの孔径お よび有効成分に基づく。 非経口投与の場合、上記使用に適切であり生理学的流体に適合する浸透圧モル 濃度を有する1個以上の医薬上許容される賦形剤、希釈剤を使用して、バナジン 酸塩化合物および/またはその誘導体およびまたはアナログおよび所望により用 いる抗酸化剤の溶液剤、懸濁剤、乳剤または散剤を使用することができる。局所 使用には、局所用クリーム剤または軟膏剤の形態のまたはスプレー剤形態の製剤 が考慮されるべきである。 本発明の製剤は、ヒトおよびヒツジ、ウシ、ウマ、ブタ、イヌ、ネコなどの他 の種々の哺乳動物への投与が意図されうる。 細胞増殖を減少させ、および/または転移を減少させ、または薬剤耐性腫瘍を 治療するのに有効なバナジン酸塩化合物またはその誘導体またはアナログの量は 、細胞増殖の減少、転移および/または薬物耐性腫瘍の増殖の減少または阻害を 得るのに適した最小用量である。細胞増殖を減少させ、これにより増殖性障害の 有効な治療をするためには、血清、滑液、脳脊髄液などの細胞外体液中の該化合 物の濃度が少なくとも5μM、好ましくは5〜50μM、最も好ましくは10〜 30μMとなる用量が必要である。一般に、少なくとも0.2mg/kg、好ま しくは0.2mg/kg〜25mg/kg、最も好ましくは0.2mg/kg〜2 0mg/kgの用量が、ヒトおよび他の哺乳動物において適当な濃度を与えるで あろう。本発明の具体例においては、少なくとも1.0mg/kgおよび好まし くは1.0mg/kg〜25mg/kgの用量がヒトおよび他の哺乳動物におい て最適投与量を与えるであろう。転移を減少させ薬物耐性腫瘍を治療するのに上 記用量を使用してもよい。また、選ばれた用量は、個々の必要性および投与法に 依存する。 該バナジン酸塩化合物またはその誘導体またはアナログの細胞外体液中の濃度 を定量するのに標準的な方法を使用してもよいと理解されるであろう。 該バナジン酸塩化合物またはそのアナログまたは誘導体を1個以上の抗酸化剤 と組み合わせて使用する場合、該バナジン酸塩化合物またはそのアナログまたは 誘導体および抗酸化剤の用量は、該バナジン酸塩化合物および抗酸化剤が単独で は完全な効果を示さないように選ばれる。一般に、バナジン塩化合物および抗酸 化剤の有効用量は、抗増殖性または抗転移作用を増強させるのに適当な最小用量 である。該バナジン酸塩化合物および抗酸化剤は、同時に、別々にまたは連続的 に投与されてもよい。 該バナジン酸塩化合物および抗酸化剤は複合体として調製、投与されてもよい 。例えば、バナジン酸塩はグルタチオンまたはN−アセチルシステインと複合化 してもよい。 本発明の具体例においては、少なくとも5μM、好ましくは5〜50μM、最 も好ましくは10〜30μMの、血清、滑液、脳脊髄液などの細胞外体液中のオ ルトバナジン酸塩化合物の濃度を与える該化合物の用量を投与する。オルトバナ ジン酸塩の投与前(好ましくは20分前)および投与中に、0.5mM〜15.0 mM、好ましくは5mM〜12.5mMのN−アセチルシステインの濃度を与え る用量にてN−アセチルシステインを投与する。一般に、40.0mg/kg〜 1000mg/kgのN−アセチルシステインの用量がヒトおよび他の哺乳動物 において適当な濃度を与えるであろう。 該組成物は、患者に投与できる医薬上許容される組成物の調製のための自体公 知の方法により、有効物質の有効量を医薬上許容される賦形剤との混合物中に組 み合わせて調製することができる。適切な賦形剤は、例えばレミントンズ・ファ ーマシューティカル・サイエンシーズ(Remington's Pharmaceutical Sciences)( Remington's Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Company,Easton,Pa .,USA 1985)に記載されている。これに基づけば、該医薬組成物としては、1個 以上の医薬上許容される賦形剤または希釈剤と組み合わされ、適当なpHおよび 生理学的流体と等張の緩衝液に含有されている該バナジン酸塩化合物、その誘導 体またはアナログの溶液などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。 該組成物および治療法は、単独または他の治療剤または他の形式の治療法と組 み合わされた治療剤または治療法として示される。特に、本明細書に記載の組成 物および治療法は、他の治療剤の毒性を減少させるのに使用してもよい。例えば 、本発明の組成物は、ホジキン病のための多薬剤化学療法または組み合わせ放射 線療法、乳癌の治療のための化学療法などの放射線療法または化学療法と組み合 わせて使用してもよい。 本明細書中に既に記載したとおり、本発明はまた、細胞増殖に影響を及ぼす物 質を検定する方法に関する。該方法は、非増殖性細胞の増殖に対する該物質の効 果の測定、および該効果と増殖性細胞で該物質について観察された効果との比較 を含む。1つの具体例においては、非増殖性の、好ましくはヒトまたはウシの軟 骨細胞または脂肪細胞を高細胞密度にて、好ましくは6ウェル平板上2×106 〜4×106細胞/ウェルにて平板培養することにより非増殖性初代細胞培養を 調製し、増殖性細胞、好ましくは軟骨細胞を低密度にて、好ましくは6ウェル平 板上5×105〜1×106細胞/ウェルにて平板培養することにより増殖性細胞 培養を調製し、細胞増殖に影響を及ぼすことが疑われている物質を含有する培地 中で該細胞培養の各々を好ましくは1〜48時間、約37℃でインキュベートし 、細胞を収穫し、生存細胞数を定量し、増殖性および非増殖性細胞培養中の生存 細胞数を比較することにより、細胞増殖に影響を及ぼすことが疑われている物質 が検定される。 下記の実施例により本発明を例示するが、本発明はこれらに限定されるもので はない。実施例 実施例1 fos、junおよびコラゲナーゼ発現を調節するシグナリング機構の同定 fos、jun発現の刺激の原因となる事象の順序または二次メッセンジャー について調べた。A.IL1はfosおよびjun mRNAの一時的増加を誘導する サイトカインインターロイキン−1(IL1)を用いて、fosおよびjun の発現を調節する中間体二次メッセンジャーを同定した。IL1を用いる理由は 、それがfosおよびjun発現を刺激し、マトリックス金属プロテアーゼの発 現に必要なシグナルのすべてを生成することが示されているからである。IL1 は、fosおよびjun mRNAレベルの一時的な増加を誘導することが判明 した。そのピークは30分ないし1時間までであり、一方、コラゲナーゼmRN Aの出現は9時間までに検出され、12時間まで増加し続ける。こ のデータは、fosおよびjun発現がコラゲナーゼ生成に必要とされることを 示す研究と矛盾しない。B.IL1は反応性酸素中間体の生成を刺激する 軟骨細胞(すなわち、カンデル,アール・エイ(Kandel R.A.)ら、バイオキ ミ・バイフィジ・アクタ(Biochim.Biophys.Acta)第1053巻、130〜13 4頁、1990年に記載されたようにプレーティングされたウシ・軟骨細胞)を ジヒドロオキシローダミンと共に5分間(DHR)、あるいはIL1の不存在下 (−IL1)または存在下(+IL1)、あるいはIL1およびHADPH阻害 剤であるジフェニルヨードニウム存在下(+IL1,+DPI)で4時間インキ ュベーションした。図1は、FACS分析によれば、IL1が反応性酸素中間体 の生成を剌激することを示す。NADPHオキシダーゼ阻害剤であるDPI(ジ フェニルヨードニウム)は、軟骨細胞において、構成的かつIL1により誘導さ れた反応性酸素中間体を完全に阻害する。これらのデータは、IL1が細胞内ス ーパーオキシドおよび酸素反応性中間体の生成を刺激することを示す。C.IL1により誘導されるfosおよびjun mRNAレベルに対するDP Iの効果 IL1はスーパーオキシド生成を刺激したが、IL1誘導fosおよびjun 発現がスーパーオキシド生成に依存的か否かは知られていなかった。この可能性 を明らかにするために、IL1により誘導されるfosおよびjunのmRNA レベルに対するDPIの効果を調べた。DPI存在下および不存在下でIL1で 処理された軟骨細胞からのRNAを、fosまたはコラゲナーゼいずれかのcD NAプローブを用いるノーザンブロット分析により分析した。その結果は、fo sおよびコラゲナーゼのIL1誘導がDPIにより抑制されることを示し、その ことは、スーパーオキシド生成がこれらの遺伝子の誘導において何らかの役割を 果たしていることを示すものであった(図2)。同様のデータがIL1誘導ju n発現について得られた。さらに、DPIによるfosおよびjun発現の阻害 は、IL1に誘導される構造的なコラゲナーゼ発現を抑 制するに十分であった。これらのデータは、スーパーオキシドまたはH22生成 の阻害が、fos、junおよびコラゲナーゼ発現を防止することを示す。D.過酸化水素はfos発現の誘導においてIL1の効果を模倣する スーパーオキシドは細胞中でスーパーオキシドジスムターゼにより迅速に過酸 化水素に変換されるので、過酸化水素がfos発現の誘導においてIL1の効果 を模倣するか否かを調べた。30、60および90分間H22処理されたRNA を軟骨細胞(カンデルら、前掲)から抽出し、fos cDNAプローブを用い るノーザンブロット分析により試験した。図3に示すように、軟骨細胞へのH2 2の添加もfosの発現を剌激し、そのことは転写因子であるfosおよびj unの誘導においてこの分子が鍵二次メッセンジャーでありうることを示すもの であった。E.fos、junおよびコラゲナーゼ発現に対するオルトバナジン酸塩および N−アセチルシステインの効果 fos、junおよびコラゲナーゼ発現に対するオルトバナジン酸塩およびN −アセチルシステインの効果を調べた。ウシ関節軟骨細胞を既に記載されている とおりに単離しプレーティングした(カンデル,アール・エイ(Kandel R.A.) ら、バイオキミ・バイフィジ・アクタ(Biochim.Biophys.Acta)第1053巻、 130〜134頁、1990年)。IL1およびPMA(ホルボールエステル) により誘導される応答に対するオルトバナジン酸塩の効果を調べるために、軟骨 細胞をオルトバナジン酸塩(100μM)と共に2時間インキュベーションし、 次いで、IL1(10ng/ml)またはPMA(100mg/ml)で刺激し た。軟骨細胞をIL1またはPMAとともに24時間インキュベーションするこ とによりコラゲナーゼ生成を調べ、既に記載されているように(カンデルら、上 記)ELISA法を用いて細胞ならし培地をコラゲナーゼ活性に関してアッセイ した。3H−アラキドン酸(3H−AA)を細胞中に取り込ませることによりPL A2活性を測定し、次いで、既に記載されているとおりに(コンカー,J.A. (Conquer,J.A.)、1992年、バイオキミ・バイオフィジ・アクタ、第113 4巻、1〜6頁)、1mg/ml BSA含有培 地で、細胞のみ、またはIL1もしくはPMA存在下で細胞を10分間インキュ ベーションした。上清中に遊離した3H−AA量を測定した。PGE2生成を測定 するために、軟骨細胞をハム(Ham)のF12培地で、軟骨細胞のみ、またはI L1もしくはPMAとともに6時間インキュベーションした。PGE2に特異的 な抗体(エス・エイ・ジョーンズ(S.A.Jones)博士、カナダ、トロント(Toron to)のマウント・シナイ・ホスピタル(Mount Sinai Hospital))を用いるRI Aにより上清を分析した。c−fosおよびc−junの発現を調べるために、 軟骨細胞をIL1、PMAまたはAA(3μM)存在下で1時間インキュベーシ ョンした。軟骨細胞をPBS中で洗浄し、以前に記載されているようにして(ク ルス(Cruz)ら、1991年、バイオケミストリー・ジャーナル(Biochem.J.) 第277巻、327〜330頁)全RNAを抽出した。RNA試料をホルムアミ ドアガロースゲル上で泳動し、c−fosおよびc−junに対するプローブを 用いるノーザンブロット分析用のナイロン膜に移した。 IL1およびPMAは3H−AAの誘導ならびに単層培養物における軟骨細胞 によるPGE2とコラゲナーゼの生成を誘導した。オルトバナジン酸塩(100 μM)はコラゲナーゼ生成を完全に阻害したが、IL1またはPMAにより誘導 される3H−AAの遊離またはPGE2生成を阻害しなかった。これらのデータは 、オルトバナジン酸塩の効果が3H−AA遊離の下流で起こるか、またはPLA2 活性ならびにPGE2生成を調節する機構がコラゲナーゼ生成を調節する機構と は別個のものであるかのいずれかであることを示すものであろう。c−fosお よびc−junの発現は、ウシ軟骨細胞において、IL1、PMA、ならびにA A自身により刺激された。オルトバナジン酸塩は、IL1、PMAおよびAAに より誘導されるc−fosおよびc−junの発現を完全に阻害し、それは、コ ラゲナーゼ生産の阻害の原因でありうる。これらのデータ(図4および18参照 )は、コラゲナーゼ生成のオルトバナジン酸塩阻害が、軟骨細胞におけるC−f osおよびc−jun発現を阻害することによりIL1誘導3H−AA遊離の下 流で生じている可能性があることを示唆する。オル トバナジン酸塩がfos、junおよびコラゲナーゼ発現の強力な阻害剤である ことを示す該データは、細胞中のH22濃度を減少させる薬剤がfosおよびj unの発現の強力な阻害剤として働き得ることを示す。 また、細胞を上記のとおり20mM N−アセチルシステインと共に20分間 インキュベートし、ついでIL−1と共にさらに1または12時間インキュベー トした。RNAを抽出し、c−fosおよびコラゲナーゼについてのcDNAプ ローブを使用するノーザンブロット分析により検討した。細胞内でGSHに変換 されるN−アセチルシステインはIL−1に応答してfosおよびコラゲナーゼ 発現のレベルを減少させることが見いだされた(図5)。おそらく、GSHのよ り高い細胞内濃度がH22およびスーパーオキシド濃度を減少させ、fosおよ びコラゲナーゼ発現を抑制したのであろう。 要約すると、得られた結果は、N−アセチルシステインおよびオルトバナジン 酸塩が共に間接的に細胞内のスーパーオキシドおよびH22の濃度を減少させる ことを示す。実施例2 インビトロでの強力な化学療法剤としてのバナジン酸塩化合物 インビトロでの細胞増殖に対する一群のバナジル誘導体の効果を以下に記載す る。A.正常な非増殖性および増殖性細胞に対するバナジル誘導体のインビトロ効果 実施例1に記載のとおり、オルトバナジン酸塩はfos、junおよびコラゲ ナーゼ発現を阻害した。細胞増殖にfosおよびjun発現が必要であれば、オ ルトバナジン酸塩は軟骨細胞増殖を阻害するはずである。非増殖性および増殖性 軟骨細胞に対するオルトバナジン酸塩の効果を比較するために、軟骨細胞を高細 胞密度(6ウェル平板上2×106〜4×106細胞/ウェル)(非増殖性)および より低い細胞密度(6ウェル平板上5×105〜1×106細胞/ウェル)(増殖 性)でプレーティングし、ついで48時間維持した。ついで該細胞を、0〜50 μMオルトバナジン酸塩を含有する培地(HAMS F12)中でさらに48時 間インキュベートした。該細胞を収穫し、生存細胞数を測定した。 図6は、オルトバナジン酸塩が高細胞密度で平板培養された軟骨細胞には影響 を及ぼさなかったが、低細胞密度で平板培養された細胞には毒性であったことを 示す。これらのデータは、増殖細胞がオルトバナジン酸塩に感受性であり、一方 、非増殖性細胞はオルトバナジン酸塩毒性に抵抗性であることを示唆する。B.増殖性腫瘍細胞系に対するオルトバナジン酸塩のインビトロ効果 fosおよびjun活性も多数の腫瘍細胞系における細胞増殖に必要である。 したがって、接着細胞および細胞懸濁液に対するオルトバナジン酸塩の効果を検 討した。MDAY−D2(懸濁液中で増殖したマウスリンパ様細胞系)およびH TB14細胞(接着性ヒト初代星状細胞腫細胞系)を、0〜50μMオルトバナ ジン酸塩を含有する培地中で48時間インキュベートした。該細胞を収穫し、生 存細胞数を測定した。図7は、HTB14およびMDAY−D2細胞に対するオ ルトバナジン酸塩の効果を示す。 オルトバナジン酸塩処理により、細胞死が濃度依存的に増加した。細胞型によ りオルトバナジン酸塩に対する感受性に若干の相違があったが、検討したすべて の細胞系は、正常非増殖性細胞で研究した場合に使用した濃度(上記)より5〜1 0倍低い濃度のオルトバナジン酸塩により死亡した。オルトバナジン酸塩誘導細 胞死は24時間まで観察され、連続処理の3日以内に完結(98%以上)した。結 局、オルトバナジン酸塩による癌細胞系の処理により、正常な非増殖性細胞に対 する有意な毒性作用を及ぼさない濃度にて細胞死が得られた。実施例3 種々の形態のオルトバナジン酸塩の効力 癌細胞系の生存能に対する効果について、3個の異なる形態のバナジル化合物 を検討した。0〜50μMオルトバナジン酸塩、硫酸バナジルまたはバナジルヒ ドロペルオキシドを含有する培地中、MDAY−D2細胞を48時間インキュベ ートした。該細胞を収穫し、生存細胞数を測定した。図8は、MDAY−D2細 胞に対するオルトバナジン酸塩、硫酸バナジルおよびバナジルヒドロペルオキシ ドの効果を示す。得られた結果は、これらすべての薬剤がこれらの細胞を殺すの に同等に有効であったことを示す。感受性に若干の相違があったが、全体の細胞 死は同様であった。実施例4 実施例1〜3に記載の研究を考慮して、オルトバナジン酸塩はH22と反応し て非常に毒性であるヒドロキシルラジカルを形成すると考えられた。該オルトバ ナジン酸塩誘導ヒドロキシルラジカル形成が細胞毒性の原因となるのであれば、 外因性H22の添加によりオルトバナジン酸塩の効果が増強されるはずである。 したがって、培地単独または1mM H22または10μMオルトバナジン酸塩 またはその両方を含有する培地中で細胞を24時間インキュベートした。該細胞 を収穫し、細胞生存能を決定した。図9は、細胞毒性に対する低濃度のオルトバ ナジン酸塩とH22との組み合わせ効果を示す。H22単独の添加によりわずか な効果が得られたが、オルトバナジン酸塩と組み合わせたH22の添加により、 オルトバナジン酸塩単独の場合に比べて細胞毒性が有意に増加した。H22によ る細胞毒性の増強は、オルトバナジン酸塩処理により生成したヒドロキシルフリ ーラジカルが細胞死の原因となりうることを示唆する。実施例5 オルトバナジン酸塩は薬物耐性細胞系に毒性である 多数の異なる癌では、腫瘍細胞は通常の化学療法剤によっては排除されず、こ れらの腫瘍は薬物耐性と称される。この過程に関与している機構はよくわかって いないが、これらの癌細胞は、細胞内から薬物を除去しその細胞内毒性を減少さ せるタンパク質を発現すると考えられている。薬物耐性腫瘍を有する患者は予後 が非常に悪い。したがって、薬物耐性腫瘍に毒性である薬剤は、これらの患者の 治療のための貴重な化学療法剤となるであろう。 親細胞系KB3−1に対してそれぞれ薬物耐性が増大している3個の卵巣癌細 胞系KB8、KB8−5およびKB85−11に対するオルトバナジンの効果を 比較した。これらの薬物耐性細胞系は、コルヒチン、ビンブラスチン、ドキソル ビシンなどの数群の化学療法剤によっては死なかった。この研究では、0〜50 μMオルトバナジン酸塩を含有する培地(DMEM)中、薬物耐性を増加させる 細胞系(KB8、KB8−5およびKB−85−11)および親細胞系KB3− 1を48時間インキュベートした。該細胞を収穫し、生存細胞数を測定した。図 10に示されるとおり、オルトバナジン酸塩はすべての薬物耐性細胞系を殺すの に同等に有効であった。オルトバナジン酸塩に対する感受性の小さな相違が細胞 系間で観察されたが、それはそれらの薬物耐性特性に依存せず、オルトバナジン 酸塩投与の3日までにほとんどの細胞が死んだため、これらの相違は明らかでは なかった。 結局、データが示すところによれば、オルトバナジン酸塩は薬物耐性細胞系に 致命的であり、薬物耐性腫瘍の治療に特に有用でありうる。実施例6 バナジル化合物による治療のインビボ効果 バナジル化合物が腫瘍形成、増殖および転移を減少させる能力を検討するため に、同じ動物でこれらの過程のすべての研究を許容する特定の動物モデルを選ん だ。このモデルは、転移造血細胞系MDAY−D2のマウスへの皮下注射を含む 。これらの細胞は注射部位に腫瘍を形成し、その大きさは簡単に測定できる。ま た、これらの細胞は肝臓に転移し、17〜19日後に転移は組織学的に検出でき る。このモデルは、腫瘍増殖および転移に対するバナジル化合物の作用を研究す るための非常に鋭敏で再現性のあるアプローチである。A.インビボでの腫瘍増殖に対するオルトバナジン酸塩処理の効果 上記動物モデルを使用し、腫瘍増殖に対するオルトバナジン酸塩の皮下投与の 効果を調べた。1日目に合計15匹のマウスに1×105個のMDAY−D2細 胞を皮下注射した。5日目に、注射部位に小さな腫瘍を観察することができた。 5匹のマウスに毎日50μlの水を単独で注射し、10匹のマウスに毎日10m g/mlのオルトバナジン酸塩を含有する水を注射した。14日目に、該マウス を犠牲にした。すべての動物から腫瘍を除去し、写真撮影し、秤量した。図11 で、2匹の非処理および2匹のオルトバナジン酸塩処理マウスからの腫瘍の大き さを比較する。オルトバナジン酸塩処理マウスの腫瘍は検出不可能な大きさであ るか、それよりずっと小さかった。図12は、各マウスの腫瘍の大きさ示す。水 単独で処理された動物では、4匹のマウスが1.18〜1.68グラムの腫瘍を有 していた。オルトバナジン酸塩処理マウスでは、2匹が検出可能な腫瘍を有して おらず、5匹のマウスが0.16グラム未満の大きさの腫瘍を有していた。B.インビボでの腫瘍増殖の減少に対するオルトバナジン酸塩、硫酸バナジルお よびバナジルヒドロペルオキシド投与の効力 同じ動物モデルを用いる別の実験で、インビボでの腫瘍増殖に対するオルトバ ナジン酸塩、硫酸バナジルおよびバナジルヒドロペルオキシド投与の効果を検討 した。1日目に、20匹のマウスに2×105個のMDAY−D2細胞を皮下注 射した。該マウスを5匹のマウスの4群に分けた。5日目に、該動物に、50μ lの水単独または10mg/mlのオルトバナジン酸塩、10mg/mlの硫酸 バナジルまたは10mg/mlのバナジルヒドロペルオキシドを含有する水を皮 下注射した。この処理を16日間毎日継続した。21日目に、該マウスを犠牲に し、腫瘍を切断し秤量した。オルトバナジン酸塩および硫酸バナジル処理の各群 では1匹の動物が死亡し、バナジルヒドロペルオキシド処理群では5匹全部が死 亡した。 図13に示されるとおり、非処理マウスでは、2.32〜4.79グラムの腫瘍 がひろがった。硫酸バナジル処理の効果は非常に変化しやすいが、該処理はすべ ての動物で腫瘍の大きさを減少させた。該腫瘍は0.14グラム〜2.18グラム の大きさであった。オルトバナジン酸塩処理群では、1匹のマウスは検出可能な 腫瘍を有しておらず、残りの3匹のマウスは0.15〜0.38グラムの大きさの 腫瘍を有していた。これらのデータが示すところによれば、オルトバナジン酸塩 は腫瘍増殖を減少させる最大効力を有し、硫酸バナジルはそれほど有効ではなく 、バナジルヒドロペルオキシドは非常に毒性でありその効力を評価できなかった 。実施例7 オルトバナジン酸塩およびN−アセチルシステインの併用療法は腫瘍増殖およ び形成を完全に抑制した。 上記実施例に記載の研究は、オルトバナジン酸塩がマウスでの腫瘍増殖を抑制 するのに80〜100%有効であることを示した。N−アセチルシステインは細 胞内でグルタチオンに変換されるため、より高濃度のグルタチオンはオルトバナ ジン酸塩誘導毒性を減少させうるだけでなく、腫瘍形成をも減少させうる。した がって、オルトバナジン酸塩と組み合わせたN−アセチルシステインの投与が、 インビボでの動物毒性および腫瘍増殖を減少させるのにより有効であるか否かを 検討した。 1日目に20匹のマウスに2×105個の細胞を皮下注射した。4日目に、該 マウスを5匹のマウスの4群に分けた。第1群(対照)は50μlの水の皮下注 射を受けた。第2群は毎日250mM N−アセチルシステインの50μlの腹 腔内注射を受けた。第3群は毎日10mg/mlのオルトバナジン酸塩の50μ lの皮下注射を受けた。第4群は毎日250nM N−アセチルシステインの5 0μlの腹腔内注射を受け、20分後、10mg/mlのオルトバナジン酸塩5 0μlの皮下注射を受けた。10日目に処理を中止した。13日目に該動物を犠 牲にし、腫瘍増殖について分析した。1匹のオルトバナジン酸塩処理動物が実験 中に死亡した。 対照マウスおよびオルトバナジン酸塩(VO4)またはN−アセチルシステイ ン(NAC)またはその両方(NAC/VO4)で処理されたマウスから腫瘍を 切断した。図14に示すデータは各腫瘍の重量を表す。図14に示されるとおり 、非処理マウスは0.87〜1.69グラムの大きさの腫瘍を有していた。これに 対し、N−アセチルシステイン処理マウスは0.23〜1.18グラムの腫瘍を有 していた。これは、この薬剤が単独で腫瘍増殖をある程度減少させる能力を有す ることを示している。4匹のオルトバナジン酸塩処理マウスのうち、2匹は検出 可能な腫瘍を全く有さず、残りの2匹は0.13〜0.35クラムの腫瘍を有して いた。一方、オルトバナジン酸塩およびN−アセチルシステイン投与を受けた5 匹の動物はすべて、検出可能な腫瘍を全く有さなかった。これらの実験は、オル トバナジン酸塩およびN−アセチルシステインの併用療法がインビボで腫瘍増殖 を阻害する最も有効な療法であることを明らかに示す。さらに、N−アセチルシ ステインは、オルトバナジン酸塩単独で処理された動物で観察されたわずかの毒 性作用を減少させるようである。実施例8 抗転移剤としてのバナジル化合物 バナジン酸塩化合物は、他の器官に侵入する能力を減少させることにより細胞 系の転移潜在能を阻害することが見いだされた。特に、MDAY−D2細胞の転 移が実施例6に記載の動物モデルで起こることが見いだされた。図15は、対照 肝臓および転移を有する肝臓を示す。転移肝臓は、MDAY−D2細胞の投与の 24日後の動物から得た。その結節は非常に多く大きい。19〜23日の間に犠 牲にされた動物では、結節の数および大きさが動物により非常に変化に富んでい た。これは、オルトバナジン酸塩の抗転移潜在能を検討するためには、動物はM DAY−D2細胞の注射後最低23日間保たれるべきであることを示すものであ る。 上記実施例6に記載の実験の1つの後で得られた肝臓の組織学的検査からの予 備的結果は、オルトバナジン酸塩および硫酸バナジルが共に転移を防ぐのに有効 であることを示唆した。肝臓を上記のとおり処理された動物から除去し、組織学 的検査のために調製した。図16では、非処理(C)、オルトバナジン酸塩(V O)(500μg/日)および硫酸バナジル(VS)(50μg/日)で処理された動 物からの肝臓断面が比較されている。結節が矢印で特定されている。MDAY− D2の湿潤およびコロニー形成が非処理動物で観察された。オルトバナジン酸塩 および硫酸バナジル投与動物は、検出可能な程度の転移を有さなかった。実施例9 オルトバナジン酸塩0.5mg/mlの経口投与により実験マウスにおいて胃 毒性が示されることが判明した。さらに、高用量のオルトバナジン酸塩の腹腔内 投与も該動物に毒性であることが判明した。しかし、500μg以下のオルトバ ナジン酸塩の皮下注射は該動物において耐性であった。該オルトバナジン酸塩を ゆっくり投与すると毒性が減少し、該動物はより高い用量で耐性でありうる。実施例10 カプラン(Kaplan)の米国特許第5,045,316号との比較 カプランが使用したバナジン酸塩の濃度は、非常に低くて腫瘍増殖または転移 の阻害に有効でないことが判明した。カプランの最適条件が有効であるか否かを 決定するために、オルトバナジン酸塩単独、またはチオ硫酸塩単独または一緒に 投与されるオルトバナジン酸塩およびチオ硫酸塩の最高濃度のマウスにおける腫 瘍増殖に対する効果を調べた。カプランは、1日用量0.0043mg/kg〜 0.14mg/kgのバナジルまたはバナジン酸塩が治療に必要であると報告し ている。体液中の分布が同等で水分含量が56%であると仮定すると、この用量 での投与時の血清中オルトバナジン酸塩の最大濃度は0.04μM〜1.3μMで ある。 図17に示されるとおり、カプランに記載の用量のカプランに記載のいずれの 薬剤の単独使用または併用によっても、腫瘍増殖の減少は全く観察されなかった 。本発明の最適治療条件下では、腫瘍増殖は明らかには認められないかまたは対 照の80%未満であった。実施例11 図19は、c−fos発現に対するH22および抗酸化剤の効果を示す。特に 、図19Aは、c−fos mRNA濃度に対するH22の効果を示す。示され ている異なる時点で軟骨細胞培養をH22(100μM)で剌激した。図19B は、抗酸化剤NACおよびAscがTNFαおよびbFGF誘導c−fos m RNAレベルを阻害することを示す。bFGF(10ng/ml)またはTNF α(30ng/ml)の添加前(30分間)に、軟骨細胞培養をNAC(30m M)またはAsc(100μM)と2時間、前インキュベートした。ヒト組換え TNFαおよびbFGFを共に、0.1%ウシ血清アルブミンリン酸を含有する 緩衝食塩水に溶解した。まずNACおよびAscを5%(v/v)ウシ胎児血清 を含有するハム(Ham's)F12培地に溶解し、ついで水酸化ナトリウムで中和 した。ウシ関節軟骨細胞からの全RNAを単離し、本明細書に記載のノーザンブ ロット分析によりc−fos mRNA濃度を測定した。該ブロットから順次D NAを取り出し、32P標識ラットβチューブリンcDNAで再プローブ化した。実施例12 図20は、DPIが軟骨細胞でTNFαおよびbFGF誘導ROS生成を阻害 することを示す。パネルaからcに示されるとおり、時間と共にDHR単独で右 方向への蛍光の移動が生じた。点線は、DHR単独の対照(パネルc)の平均蛍 光強度を通って引かれている。DHRの存在下TNFαまたはbFGFと共に4 時間インキュベートした後、パネルdまたはfに示されるとおり、対数蛍光強度 がさらに移動した。パネルeおよびgでは、DPIがそれぞれTNFαおよびb FGFにより剌激された蛍光の移動を打ち消した。実施例13 図21は、ジフェニレンヨードニウムもTNFαおよびbFGFによるc−f os発現の誘導を阻害することを示す。TNFα(30ng/ml)またはbF GF(10ng/ml)の添加前(30分間)、軟骨細胞培養をDPI(2μM) で30分間前処理した。c−fosおよびチューブリン mRNA濃度の測定は 実施例11に記載のとおりに行った。実施例14 図22は、細胞増殖に対するジフェニルヨードニウム(DPI)の効果を示す 。非増殖性細胞(軟骨細胞)および増殖性接着細胞(HTB14)または懸濁液 (MDAY−D2)を2mMジフェニルヨードニウムの存在下または非存在下で 24時間インキュベートした。培地を該軟骨細胞およびHTB14細胞培養から 除き、トリプシン処理し遠心分離した。該MDAY−D2細胞を遠心分離した。 トリパンブルーを含有するPBS中に細胞を再懸濁し、細胞生存度を光学顕微鏡 で測定した。結果は4重の典型実験を表す。実施例15 図23は、MDAY−D2腫瘍増殖に対する有機バナジウム化合物ビス(マル トラート)オキソバナジウム(IV)(BMOV)の効果を示す。マウスに5×105 個のMDAY−D2細胞を皮下注射した。5日後、毎日2回、該動物を250 μgのBMOVで処理した。16日目に該動物を犠牲にし、その腫瘍を取り出し 秤量した。結果は、各動物の腫瘍重量を表す。 上記から、本発明の特定の具体例が例示のために本明細書に記載されているが 本発明の精神および範囲から逸脱しなければ種々の修飾を行ってもよいと理解さ れるであろう。したがって、本発明は添付物による以外には限定されない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI A61K 31/375 9454−4C A61K 31/375 31/415 9454−4C 31/415 31/565 9454−4C 31/565 33/04 33/04 33/30 33/30 33/32 33/32 33/34 33/34 45/06 ADS 8615−4C 45/06 ADS (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ),AM, AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C N,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE ,HU,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK, LR,LT,LU,LV,MD,MG,MN,MW,M X,NL,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD ,SE,SI,SK,TJ,TT,UA,US,UZ, VN

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.バナジン酸塩化合物またはその誘導体またはアナログの細胞外濃度が少な くとも5μMとなる一定量のバナジン酸塩化合物またはその誘導体またはアナロ グを投与することを特徴とする哺乳動物における増殖性障害の治療方法。 2.バナジン酸塩化合物の濃度が5μM〜50μMである請求項1記載の方法 。 3.バナジン酸塩化合物がオルトバナジン酸塩または硫酸バナジルである請求 項1記載の方法。 4.薬物耐性腫瘍の増殖を減少させるまたは阻害するのに有効な一定量のバナ ジン酸塩化合物またはその誘導体またはアナログを哺乳動物に投与することを特 徴とする哺乳動物における薬物耐性腫瘍の増殖を減少させるまたは阻害する方法 。 5.転移を減少させるのに有効な一定量のバナジン酸塩化合物またはその誘導 体またはアナログを哺乳動物に投与することを特徴とする患者において転移を減 少させる方法。 6.バナジン酸塩化合物またはその誘導体またはアナログおよび少なくとも1 個の抗酸化剤および1個以上の医薬上許容される担体、希釈剤または賦形剤より なる、抗増殖および抗転移剤としての使用のための医薬組成物。 7.バナジン酸塩化合物がオルトバナジン酸塩であり、抗酸化剤がN−アセチ ルシステインである請求項6記載の組成物。 8.各投与単位についてバナジン酸塩化合物またはその誘導体またはアナログ の濃度が少なくとも1.0mg/kg体重で抗酸化剤の濃度が約40.0mg/k g〜1000mg/kg体重である、1個以上の投与単位を含有する請求項6記 載の医薬組成物。 9.有効量のバナジン酸塩化合物またはその誘導体またはアナログおよび少な くとも1個の抗酸化剤を投与することを特徴とする増殖性障害を治療し、薬物耐 性腫瘍を治療し、または転移を減少させる方法。 10.バナジン酸塩化合物がオルトバナジン酸塩または硫酸バナジルである請 求項8記載の方法。 11.抗酸化剤がN−アセチルシステイン、グルタチオン、ビタミンE(アル ファ−トコフェロール)、ビタミンC(アスコルビン酸)、ベータ−カロテン、 エルゴチオネイン、亜鉛、セレニウム、銅、マンガン、フラボノイドまたはエス トロゲンである請求項8または請求項9記載の方法。 12.オルトバナジン酸塩の投与前または投与中にN−アセチルシステインを 投与する請求項9記載の方法。 13.オルトバナジン酸塩を少なくとも5μMの細胞外濃度を与える用量にて 投与し、N−アセチルシステインを0.5〜15mMの細胞外濃度を与える用量 にて投与する請求項10記載の方法。 14.増殖性障害治療用、薬物耐性腫瘍治療用または転移を減少させるための 医薬組成物の製造におけるバナジン酸塩化合物またはその誘導体またはアナログ 、および少なくとも1個の抗酸化剤の使用。
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