JPH09508884A - セルロース廃液のガス化に関連する方法 - Google Patents

セルロース廃液のガス化に関連する方法

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Abstract

(57)【要約】 この発明は、好ましくはパルプの漂白への使用を意図した過酸化水素の製造方法に関するもので、過酸化水素を製造するのに必要な水素ガスが、セルロース廃液のガス化または部分的な燃焼により全部または部分的に発生する。

Description

【発明の詳細な説明】 セルロース廃液のガス化に関連する方法 本発明は、水素ガスを含有するガス状生成物が製造されるセルロース廃液の部 分的な酸化の手段によるセルロース廃液からの過酸化水素の製造方法に関する。 ガス状生成物は、水素に関連して精製され且つ濃縮され、この精製された水素は 、過酸化水素を製造するために粗原料として全部または部分的に用いられる。 発明の背景 化学パルプの製造に関する現在および将来の環境的な要望を満足するために、 パルプの最終の脱リグニン化および漂白のための新規な方法が開発されているか 、または開発中である。 数十年の間、塩素および塩素化合物がセルロースの漂白に利用されてきたが、 しかし、益々増大している環境についての意識および益々増大している規模、こ れにより漂白から回収系への残留生成物の戻しを一層困難にしていることに対し てパルプ製造処理を止めようとする風潮は、塩素を含有しない漂白化学剤が現在 、益々一層大きな規模で使用されている結果をもたらしている。 最近数年間に、蒸解器室内における脱リグニン化に続くアルカリ性酸素漂白工 程のさらに一層広範な使用は、最終漂白についての漂白化学剤の必要を顕著に減 少させている。それにも拘らず、漂白化学剤は、依然として漂白されたパルプを 製造するコストのかなりの部分に責を負っている。 塩素含有漂白化学剤の選択は、今世紀の初め以来、工業的漂白に使用されてき ている例えば過酸化水素のような、過酸化化合物の異なる形態を使用することで ある。 しかしながら、過酸化物によるだけでパルプを漂白することは、なかんずく輝 度について市場に設けられた要求に合わせるのには通常、不十分である。 例えばオゾンのような、他の塩素フリーの漂白化学剤と組み合わせての過酸化 物の使用が急速に根拠を得ており、そして輝度および強度の両者について良好な パルプ品質を提供している。 過酸化水素や過酸化ナトリウムのような無機過酸化物および過酢酸のような有 機過酸化物の両者を包含する過酸化物の使用が、漂白するパルプとの関係で有利 な結果を試験で出している。 しかしながら、過酸化水素は最も頻繁に用いられる化合物であり、そして環境 的な観点並びに良好な商業的有用性からいくつかの利点を有している。 しかしながら、所与の輝度に対する漂白の総コストの大部分が負っている過酸 化水素のコストは、重要な不利点を表している。結果として、それらの利点にも 拘らず過酸化物は、これまでパルプを漂白するのに、そして次いで通常、漂白処 理の最終工程において、小規模で利用されているにすぎないのである。 本発明の主要な目的は、漂白する紙パルプとの関連で環境的に有利な過酸化水 素を使用するために欠くことができない条件を改善することである。本発明の助 力により、非常に有利且つ多少驚異的方法で、容易に入手できる粗原料から出発 する作業所内で、主として過酸化水素を製造するのに必要な水素ガスを発生させ るためにセルロース廃液のガス化または部分的な燃焼により過酸化物を製造こと ができることが見出されている。 現在では、過酸化水素を製造するのに断然最も一般的に行われている方法は、 いわゆるAO処理、またはアントラキノン処理である。AO処理において、アル キルアントラキノンが、触媒の存在において水素添加されて相当するハイドロキ ノンを与え、そして順に酸素または空気により酸化されて過酸化水素を形成する 。過酸化水素は水で抽出され、そして再形成されるキノンが、水素添加工程に戻 され、これにより環を完成する。この処理が商業的に数年間実施されており、そ して現在、良く定着している。 水中過酸化水素の溶液は、90重量%までの濃度で商業的に入手可能であるが 、しかし35〜70%強度の溶液が、漂白に関連して最も普通である。 過酸化水素製造のための出発原料は、水素および酸素、または空気である。酸 素は、現在、セルロース工業内、特にパルプの脱リグニン化について益々増大す る規模で使用され、このため殆どの工場で入手できる。水素は通常存在せず、そ して現在ではセルロース工業内で使用されていない。水素の工業的な製造は、主 として石油化学工業および塩化アルカリ金属工業内で起こり、水素使用の主な領 域は、アンモニアおよびメタノールの製造である。 水素は普通、例えばタール、液化石油ガスまたは無煙炭のような異なる炭化水 素のガス化により製造される。これらの粗原料からの水素ガス製造の不利点は、 同時に製造される二酸化炭素(CO2)がバイオマス燃料から発生しないことで ある。非バイオマス燃料のガス化または燃焼から発生する二酸化炭素の発散は、 大気に一層望ましくない貢献を行うと考えられ、そしてこのために多くの国で非 難に付されている。原則的に、水素を含有する全ての粗原料は、ガス化により水 素ガスを製造するのに使用することができ、そして1988年以来、フィンラン ドのガス化プラントは、とりわけピートからの水素ガス製造を実施中である。 原則的に、全てのガス化処理を水素ガスを製造するために利用することができ る。最高の収率は、高温にて酸素を用いてガス化することにより得られ、主要な 水素および一酸化炭素を含有する合成ガスが得られる。一酸化炭素は水と反応( 置換)して、水ガス反応により水素と二酸化炭素の形成ができる。この反応は、 連続的に結合した1個以上の置換反応器中で行われる。 硫酸セルロース法に基づく木材の脱リグニン化において、水含有残留生成物が 得られ、これはまた、主にリグニン化合物、酸化された炭水化物および有機の抽 出された物質から構成される有機留分およびアルカリ金属塩を含有する無機留分 も含有する。普通には、これがそれ故にバイオマス燃料である残留生成物または 木酢酸鉄液を燃焼して周知且つ確立された技術に基づいてエネルギーおよび化学 薬品を回収する。 しかしながら、木酢酸鉄液の部分的な燃焼またはガス化が重要な利点を提供し 得ることが明らかになっている。本発明に適用する場合、特に好適である部分的 燃焼またはガス化のための技術は、なかんずく米国特許第4601786号公報 、米国特許第4808264号公報およびスエーデン特許第466268号公報 に記載されているいわゆるCHEMREC技術である。 しかしながら、例えば流動床におけるガス化のような他のガス化技術もまた、 本発明を適用する場合に使用することができる。 木酢酸鉄液のガス化は、既に今日、商業的規模で行われており、そして重要性 が増大することが期待されている。セルロース工業、例えば漂白プラント廃液濃 縮物内で生ずる他の廃液およびリグニン含有原料もまた、エネルギーおよび化学 薬品の両者を回収するための好適な装置でガス化することができ、もしくは別法 として、本発明に基づいて水素ガスを製造するために使用することができる。 これらの粗原料をガス化する場合に発散するガスが、経済的に魅力的な方法で 、水素のその含量について精製し且つ濃縮できることが明らかになっている。こ の方法で得られた精製され且つ濃縮された水素は、過酸化水素を製造するための 出発原料として高度に好適であり、本発明の主目的物の達成、即ち工場内での過 酸化水素を製造する機会を作り出すそれをもたらす。 本発明の特に好ましい具体例において、木酢酸鉄液が反応器中で主に精製酸素 からなる酸素含有ガスの同時添加によりガス化され、部分的に酸化されている木 酢酸鉄液をもたらす。酸素含有ガスを、木酢酸鉄液を完全に酸化するのに必要な 酸素必要量の20〜70%に相当する量で供給する。部分的な酸化またはガス化 は、約850℃の温度において且つ約1〜25バール、好ましくは3〜10バー ルの圧力下に行われる。これらの条件下生ずる熱い水素含有処理ガスを、冷却液 との直接接触により冷却し、そこで液体無機ナトリウム化合物を溶解し、且つ分 別してクッキング化学薬品を調製する。冷却したガスが、連続的に結合した3個 の転換反応器中で水蒸気と熱交換および反応し、そこで一酸化炭素と水が反応し て水素と二酸化炭素を形成する。 置換したガスは、続いてアミン溶液(例えばMEA)モノエタノールアミン) で洗浄し、ガス中の二酸化炭素と硫化水素の含量を0.1%未満に減少させる。 この方法で精製され、且つ主に水素を含有する合成ガスを、過酸化水素を製造す るためのプラントに移転する。 他の具体例によれば、ガス状生成物は吸着処理、好ましくはPSA処理(圧力 振動吸着)の手段により水素に富んでいる。PSAプラントは、主に一定温度で 操作し、そしてガス分離は、高い操作圧力および高い分圧で吸着され且つ適当な 吸着等温曲線に基づく低い操作圧力で脱着される分離すべき成分による異なるガ スの分圧差に基づいている。 過酸化水素は、好適にはアントラキノン処理に基づくプラントで製造され、そ の処理において作業溶液に溶解したアントラキノン誘導体は、交互に水素添加お よび酸化に付される。 この方法で得られた過酸化水素生成物を移転し、そして紙パルプを漂白するの に使用する。 前述した利点の他に、この方法における過酸化水素の製造は、粗原料としてバ イオマス燃料の使用に基づいている。これに加えて、工場内の過酸化水素の製造 もまた、殆どの工場が、セルロース廃液の燃焼/ガス化からのエネルギー過剰を 有する事実の観点でエネルギー的に有利であることも指摘されるべきである。 いくつかの種類のセルロースおよびリグニン含有粗原料を、本発明に基づく水 素を製造ために使用することができる。特に好ましい粗原料としては、硫酸塩、 硫化物およびソーダ処理からの廃液が挙げられる。ガス化のために、液の乾燥物 質含量が、できるだけ高く、好ましくは65%以上であるべきであり、そして完 全に乾燥した液もまた、本発明を適用する場合に使用することができる。 他の好適な粗原料としては、例えば酸素脱リグニン化、塩素含有漂白プラント 廃液または過酸化物/オゾン漂白プラントからの廃液のような有機物質を含有す る異なる種類の漂白プラント廃液が挙げられる。ガス化について、廃液の乾燥物 質含量はできるだけ高くあるべきであり、そして完全に乾燥した濃縮物もまた、 本発明を適用する場合に使用できる。 殆どの漂白プラント廃液濃縮物は低エネルギー値を有しており、そしてそれは 、そのために一定の場合において、支持燃料、例えば天然ガスをガス化中に供給 することが適当である。 本発明に基づく方法を使用する2つの実施例を以下に与える。 実施例 実施例1 工場内での過酸化水素製造用の水素を製造するために、硫酸塩パルプ作業所に おける木酢酸鉄液フローの成分流れをガス化器に引く。 ガス化器への導入において、高い乾燥物質含量に蒸発させた木酢酸鉄液は次の パラメータを有している。 フロー 1000kg/h(乾燥物質) 乾燥物質含量 70% 温度 140℃ 熱量 乾燥物質の14.4MJ/kg 100℃の温度において精製酸素(99%)を、液と一緒にガス化器の反応帯 域に供給し、そこで900℃の温度を、液の部分的な酸化により維持する。酸素 フローは300Nm3/hである。ガス化反応器中の圧力は、約6バールである 。 次の組成を本質的に有する合成ガスを製造する。: CO 29.6%乾燥ガス H2 41.7% 〃 CH4 0.1% 〃 H2S 0.8% 〃 CO2 残り そのガスを、水含有冷却液との直接的な接触により冷却および洗浄し、その間 、ガス中の硫黄およびナトリウム化合物の含量の殆どを除去する。 このガスを、蒸気を添加し且つガスの一酸化炭素含量の約95%を反応、 CO+H2O H2+CO2 に基づいて水素に転換する連続的に結合した3個の断熱置換反応器中で、熱交換 および置換する。 反応は、250℃の温度において、コバルト、モリブデンおよびニッケルを含 有する触媒により行う。 置換反応後、そのガスをもう一度アミン洗液で洗浄して二酸化炭素を除去する 。 得られた粗水素ガス中の水素の総含量は、その時90%以上であり、そして時 間当たり約32キロモルH2のフローに相当する。 別法として、粗処理ガスをPSAプラント(圧力振動吸着)に供給し、そして 99%を越える純度に濃縮することができる。 精製水素ガスを、過酸化水素を製造するためのAOプラントに移動する。 得られる過酸化水素(975kg/h、100%溶液として計算)を硫酸パル プ作業所の漂白プラントに移動する。 実施例2 硫酸パルプ作業所は、木酢酸鉄液をガス化するためのプラントを備えており、 そのガス化器は、作業所の回収ボイラーの負荷を減少させるために据付られてい る。ガス化プラントの能力は、時間当たり約10トンの乾燥物質であり、約28 000Nm3/時間の処理ガス製造を行う。 工場内で過酸化水素を製造するために、処理ガスの成分流れ(5600Nm3 /時間)を、水素製造のための主要処理ガス流れから引く。 ガス組成: CO 12%乾燥ガス H2 14% CO2 15% CH4 1% H2S 0.5% N2 残り そのガスを、連続的に結合した3個の置換反応器中で精製および熱交換および 次いで置換を行い、そこでガスの一酸化炭素含量の約95%が水素に転換される 。これにより得られた粗水素ガス(50キロモル/時間)を精製のためのPSA プラントに供給する。 精製水素ガスをAOプラントに移転して約1.5トンの過酸化水素/時間を製 造する。 本発明は前記した実施例により限定されず、次の特許請求の範囲の範囲内で変 更することができるものである。従って、比較的小部分の水素ガスを、記載し且 つ選択するもの以外の原料、例えば外部的に製造した水素ガスで満たされるバッ ファ−タンクから収集できたことは、当業者に自明である。全体の経済の観点か ら、しかしながら、過酸化水素の貯蔵バッファーを有することが一層好都合であ る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AT,AU,BB,BG,BR,BY, CA,CH,CZ,DE,DK,ES,FI,GB,H U,JP,KP,KR,KZ,LK,LU,MG,MN ,MW,NL,NO,NZ,PL,PT,RO,RU, SD,SE,SK,UA,US,VN (72)発明者 ワラーゴード,オーブ スウェーデン国、エス―440 74 ヒェル テビュー、アガトベーゲン 1

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.過酸化水素を製造するのに必要な水素ガスを、セルロース廃液のガス化また は部分的な燃焼により全部または部分的に発生させることを特徴とする好ましく はパルプを漂白するのに使用することを意図する過酸化水素の製造方法。 2.セルロース廃液を、酸素含有ガスが同時に供給される反応器に供給し、その 反応器中でセルロース廃液が部分的に酸化されて水素ガスを含有するガス状生成 物を形成させることを特徴とする請求の範囲1に記載の方法。 3.酸素含有ガスが、セルロース廃液の完全な酸化のために化学量論的に必要な 20〜70%に相当する量で供給されることを特徴とする請求の範囲2に記載の 方法。 4.酸素含有ガスが、主として酸素または酸素に富む空気からなることを特徴と する請求の範囲2または3に記載の方法。 5.500℃を越える温度が反応器中で維持されることを特徴とする請求の範囲 3または4に記載の方法。 6.大気圧を越える圧力が反応器中で維持されることを特徴とする請求の範囲3 、4または5に記載の方法。 7.部分的な酸化で得られたガス状生成物が、水含有冷却液と直接接触すること により冷却されることを特徴とする請求の範囲1に記載の方法。 8.部分的な酸化で得られたガス状生成物を、吸収液との直接の接触によりガス 状硫化水素のその含量について洗浄し且つ精製することを特徴とする前記請求の 範囲の一に記載の方法。 9.ガス状生成物の一酸化炭素含量が、水との反応により全部または部分的に水 素と置換することを特徴とする請求の範囲8に記載の方法。 10.ガス状生成物が、吸着処理、好ましくはPSA処理により精製され且つ水 素に富んでいることを特徴とする請求の範囲9に記載の方法。 11.ガス状生成物が、アミン溶液で洗浄されることにより水素に富んでいるこ とを特徴とする請求の範囲9に記載の方法。 12.クッキング化学薬品を調製するのに作用し得る無機化学薬品を含有する使 用した洗浄液および/または冷却液が、セルロース作業所の化学的回収系に、全 部または部分的に戻されることを特徴とする前記請求の範囲の一に記載の方法。 13.ガス化または部分的な酸化中に作用する固体または溶解相が、ガス状生成 物から分離し、そして固体または溶解形で排出されることを特徴とする前記請求 の範囲1に記載の方法。 14.セルロース廃液が硫酸、硫化物またはソーダ処理からの廃液からなること を特徴とする前記請求の範囲1に記載の方法。 15.セルロース廃液が作業所内で製造され、そして少なくとも主として過酸化 水素が、作業所内でパルプ漂白のために用いられることを特徴とする前記請求の 範囲1に記載の方法。 16.セルロース廃液が、酸素−脱リグニン化からの漂白プラント廃液および/ またはパルプの最終漂白の濃縮物の全部または一部からなることを特徴とする前 記請求の範囲1に記載の方法。 17.セルロース廃液が、漂白プラント廃液の塩素含有濃縮物の全部または一部 からなることを特徴とする前記請求の範囲16に記載の方法。 18.過酸化水素が、アントラキノン処理により製造され、その処理において、 作業溶液に溶解したアントラキノン誘導体が、交互に水素添加および酸化に付さ れることを特徴とする前記請求の範囲の一に記載の方法。
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