JPH09509441A - エマルジョンポリマーの製造方法 - Google Patents

エマルジョンポリマーの製造方法

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JPH09509441A JP7521551A JP52155195A JPH09509441A JP H09509441 A JPH09509441 A JP H09509441A JP 7521551 A JP7521551 A JP 7521551A JP 52155195 A JP52155195 A JP 52155195A JP H09509441 A JPH09509441 A JP H09509441A
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アイケン、ウルリッヒ
エンゲルス、トーマス
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ヘンケル・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェン
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、第1および第2の安定剤の存在下にエマルジョンポリマーを製造する方法であって、第2安定剤がスルホ基を含むジカルボン酸、スルホ基を含まないジカルボン酸およびジオールからなるポリエステルである方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】 エマルジョンポリマーの製造方法 発明の分野 本発明は、第1および第2の安定剤(改善された生物学的分解性を有する、ス ルホ基を含むポリエステルの形態にある)の存在下にエマルジョンポリマーを製 造する方法に関する。 従来の技術 ポリマー分散液は、通常、水不溶性モノマーを乳化または分散助剤の存在下に 水相中で重合させる乳化重合法によって製造される。この方法は、実質的に全て の水不溶性または部分的水溶性のモノマー、例えばアクリルもしくはメタクリル 酸エステル、ビニルエステル、スチレン、ブタジエン、クロロプレン、アクリロ ニトリルまたは塩化ビニルなどからポリマー分散液を製造するために使用するこ とができる。 一般に、使用される乳化剤は、重合過程を制御し、生成した生成物を安定化す る界面活性物質である。安定化とは、分散液中の個々のポリマー粒子が凝集して 比較的大きな凝塊を形成するのを妨げることを意味する。乳化重合法は数10年 前から既知であり、一般的な文献に十分詳細に記載されている[例えば、レンプ ルラーク(Thieme Verlag)、第2巻、1159頁およびこれに引用されている文献を参 照]。 乳化重合は、例えばペイントまたは接着剤用のバインダーにおいて分散剤とし て、および、そのままでプラスチックまたはエラストマーの供給源として利用さ れるポリマーの製造のために使用される。 そのままでプラスチックまたはエラストマーを製造する際には、通常、ポリマ ー分散液を乾燥して、存在する水を除去し、プラスチックまたはエラストマーを 純粋な形態で回収する。多くの場合、このプラスチックまたはエラストマーは、 噴霧乾燥によって、または凝集とその後の乾燥によって回収される。この方法に おける分散液の必要な破壊は、ポリマー分散液が特に安定であるべきではないこ とを意味する。即ち、分散液を困難なく製造することができるが、後の破壊を不 必要に困難にすることのない乳化剤を使用するのが好ましい。界面活性および安 定化の性質を完全に失うように特異的かつ化学的に改変することができる乳化剤 によって特別の利点がもたらされる。このようにして、最終生成物に対する、残 存する乳化剤の通常の望ましくない作用(例えば、水に対する感受性または耐熱 性の欠如)を避けることができる。 この方法は、特に、使用される乳化剤が、pH低下によって非界面活性化合物に 変換することができる脂肪石鹸または樹脂石鹸である場合のエラストマー製造に 使用される。石鹸を用いて製造および安定化されたラテックスは、pH低下によっ て完全または部分的に凝集させることができ、乳化剤としての悪影響を持たない 望ましい添加物として脂肪酸がエラストマー中に残存する。 しかし、アルキルスルフェートまたはスルホネートなどの他の通常の乳化剤と 比較すると、石鹸は比較的劣った乳化剤である。即ち、これらを使用して重合を 行うことはできるが、かなりの割合の凝集ポリマーが、剪断力、煮沸過程または その他の機械的作用の結果としてエマルジョンの製造中または残留モノマーの除 去中に現実に生じる。この凝集した分画は各バッチ毎に重合反応器を汚染するの で、これを絶えず清浄にしなければならない。反応器の清浄化はその能力を低下 させるので、第2の安定剤(共安定剤)の使用によって凝集物の形成を減少させる 試みが為されている。 ナフタレンスルホン酸/ホルムアルデヒド縮合物型の水溶性の第2安定剤が、 スチレン、ブタジエンおよびクロロプレンを用いるラテックスの合成に対して以 前に既知であった。これらの第2安定剤は、ラテックスの製造前、製造中または 製造後に加える。これらは乳化重合中の大量の凝集物の生成を妨げるが、乳化剤 とは対照的に、ラテックス中のポリマー粒子の表面に極めて弱く吸着されるにす ぎないので、ラテックスを凝集させてエラストマーを回収した後に再び洗い落と すことができる。 ナフタレンスルホン酸/ホルムアルデヒド縮合物を利用するためのいくつかの 方法が文献に記載されている。この第2の安定剤は、スチレンまたはスチレン/ ブタジエン系において約0.05〜0.5%の濃度で使用される。配合例は、US-P S 2,470,629およびケミカル・エコノミカル・ハンドブック(Chemical Economica l Handbook)、スチレン-ブタジエン-エラストマー、1991年4月、525.3600Gに見 ることができる。 0.75%までの第2安定剤を、ポリクロロプレンの製造に用いる[ウルマンズ ・ der Technischen Chemie)、第3版、第9巻、337頁を参照]。ポリクロロプレンを 回収するために、初めにラテックスを酸性化によって脱安定化し、次いで凍結凝 固によって沈澱させる[Ind.Eng.Chem.,40,2193(1948)およびChem.Eng.Prog.,4 3,391(1947)の記載のように]。次いで、この凍結凝固させたエラストマーを洗 浄し、第2安定剤を除去する。 凝集工程の後に集めた洗浄水は、重合工程に添加した第2安定剤の大部分を含 有する。これらは洗浄水において優れた分散剤として作用し、あらゆる可能な疎 水性粒子を可溶化することができる。特にこれら物質が下水処理プラントに入る 場合には、懸濁物質の粒子が沈澱するのを妨げることができる。ナフタレンスル ホン酸/ホルムアルデヒド縮合物は生分解性ポリマーではないので、下水処理過 程の全体にわたってその効果を保持する。処理したスラッジが沈澱するのを妨げ ることによって、これらは下水処理プラントの効果を重大に損なうことがある。 従って、ナフタレンスルホン酸/ホルムアルデヒド縮合物の種類を、同様に有 効であるが一層容易に生分解し得る物質によって置換するのが環境学的立場から 望ましいであろう。 例としてクロロプレンの製造に関連して、乳化重合安定剤のための相応の代替 物を見い出す試みがDE-OS 2 210 957に記載されている。 最も適当な物質はオクチルスルフェートであるとされており、これはラテック スを十分に安定化し、洗い落とすことができ、そしてわずかに起泡するのみであ る。この特性スペクトルにもかかわらず、この生成物はナフタレンスルホン酸/ ホルムアルデヒド縮合物の置換物として実際には適していない。その理由は、オ クチルスルフェートとは対照的に、後者生成物が表面張力を低下させないためで ある。 スルホコハク酸単位を含有するポリエステルも知られている。 スルホコハク酸とC6〜C18ジオールからなるポリエステルがUS-PS 2,454,546 に記載されている。これらポリエステルは、o/wエマルジョンを安定化するた めに、および、特に重合前に重合可能な原料を安定化するために使用することが できる。重合を行うために使用する操作の詳細な説明は、この文献に挙げられて いない。 US-PS 2,489,943は、黄化や変色などのスルホン化ホルムアルデヒド/ナフタ レン縮合物の不都合な点を何も持たない非起泡性の乳化重合分散剤として、2− エチルヘキサン−1,3−ジオールとスルホコハク酸のポリエステルを記載して いる。この文献の教示によれば、このポリエステルは乳化重合過程における唯一 の乳化剤として使用される。これらの生物学的分解性は記載されていない。 スルホコハク酸とC2〜C4ジオールからなるポリエステルが、DE-OS 16 17 12 3に清浄剤用の再沈澱抑制剤として特許請求されている。 DE-OS 25 06 156は、ジオール、不飽和ジカルボン酸および飽和ジカルボン酸 からなるポリエステルであって、これに不飽和ジカルボン酸の二重結合への亜硫 酸水素の付加によってスルホ基が導入されたポリエステルを記載している。この ポリエステルは、固体の水性分散液の製造のために、および、特に織物繊維の染 色用の助剤として使用される。 DE-OS 29 04 395は、2〜8個の炭素原子を含有するジオール、所望により環 状ジオールもしくはポリアルキレングリコール、不飽和ジカルボン酸、所望によ り飽和ジカルボン酸、およびリノール酸へのアクリル酸の付加によって得られる ジカルボン酸からなるポリエステルを記載している。不飽和ジカルボン酸の二重 結合への亜硫酸水素の付加によって、このポリマー中にスルホ基が導入されてい る。このポリエステルは、染料の水性分散液の製造のために使用される。通常、 このポリエステルは容易に分解するとこの文献に記載されている。これが生物学 的分解性を意味するものであることを示すものあるいは実験的証拠はない。 DE-OS 35 19 678は、石炭懸濁液用の分散剤として、カルボン酸ジアルカノー ルアミドとスルホジカルボン酸からなるポリエステルを記載している。 DE-OS 39 39 918は、乳化重合用の適切な乳化剤として、スルホコハク酸など のジカルボン酸と2,000〜100,000の分子量を有するジオールから製造 されるポリエステルを記載している。しかし、安定剤として、これらは第1安定 剤(例えば、石鹸)と同様の凝塊を形成するので、多くとも50%のモノマーがス ルフェートまたはスルホネート基を含有する。このポリエステルは、その凝塊の 故に第2安定剤としては不適切である。 本発明の指向する課題は、バランスの取れた比率の加水分解安定性(従って、 安定化活性)と加水分解不安定性(従って、生物学的分解性)を有する第2の安定 剤を、第1の安定剤に加えて用いるエマルジョンポリマーの製造方法を提供する ことであった。 この第2の安定剤が満たすことが求められる他の要件は、それがポリマー分散 液を安定化するものであり、洗浄によって凝集物から除去し得るものであり、水 の表面張力をあるとしても無視できるほどに低下させるにすぎず、即ち、湿潤特 性を全くまたはわずかしか持たず、さらに、反応混合物の粘度を付加的に増加さ せないことである。 発明の説明 本発明により、この課題は、第1安定剤および第2安定剤の存在下にエマルジ ョンポリマーを製造する方法であって、 (a)ジオール、 (b)ジカルボン酸の全体量を基準に、99〜70モル%の量のスルホ基を含む ジカルボン酸、および (c)ジカルボン酸の全体量を基準に、1〜30モル%の量のスルホ基を含まな いジカルボン酸、 からなるポリエステルを第2安定剤として使用することを特徴とする方法によっ て解決された。 本発明の方法のためのポリエステルの製造は、自体既知の方法によって行うこ とができる。 例えば、スルホ基を含むジカルボン酸、スルホ基を含まないジカルボン酸およ びジオールを、エステル化反応で反応させてポリエステルを得ることができる。 また、このポリエステルは、上記のジカルボン酸と低級アルコール(例えば、 メタノール、エタノール、プロパノールおよびブタノール)とのエステルとジオ ールのエステル交換反応によっても製造することができる。 また、スルホ基は、オレフィン二重結合を含むジカルボン酸残基への亜硫酸水 素残基の付加によって導入することもできる。この目的に必要な二重結合を含む ポリエステルは、オレフィン二重結合を含むジカルボン酸、スルホ基を含まない ジカルボン酸およびジオールから、エステル化またはエステル交換によって既知 のように製造することができる。 好ましい2〜10個の炭素原子を含有する直鎖または分岐鎖ジオールは、エタ ン−1,2−ジオール、プロパン−1,2−ジオール、プロパン−1,3−ジオー ル、ブタン−1,2−ジオール、ブタン−1,3−ジオール、ブタン−1,4−ジ オール、ペンタン−1,5−ジオール、2−メチルブタン−1,4−ジオール、2 ,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオール、ヘキサン−1,6−ジオール、デカ ン−1,10−ジオールおよび1,4−ジヒドロキシメチルシクロヘキサンまたは これらの混合物である。また、上記ジオールとエチレンオキシドまたはプロピレ ンオキシド1〜5モルの付加物も適している。 また、2価フェノール、例えば、ヒドロキノン、レゾルシノール、ビスフェノ ールA、ビスフェノールFまたはビスフェノールSとエチレンオキシドおよび/ またはプロピレンオキシドの付加物も使用することができる。 市販のビスフェノールAとエチレンおよび/またはプロピレンオキシドの付加 物を用いるのが好ましい。 スルホ基を含む脂肪族ジカルボン酸、および芳香族ジカルボン酸、例えばスル ホイソフタル酸の両方を用いることができる。スルホコハク酸を用いるのが好ま しい。 スルホ基を含むジカルボン酸のモル量は、ジカルボン酸の全体量を基準に、7 0〜99モル%、好ましくは90〜99モル%である。 オレフィン二重結合を含まないジカルボン酸の例は、シュウ酸、マロン酸、グ ルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、1,11−ウンデカンジオン 酸、1,12−ドデカンジオン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ヘ キサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸またはダイマー脂肪酸である。1〜 3個または5〜18個の炭素原子を含有する直鎖の脂肪族ジカルボン酸が好まし く、アジピン酸が特に好ましい。 スルホ基を含まないジカルボン酸のモル量は、ジカルボン酸の全体量を基準に 、1〜30モル%、好ましくは1〜10モル%である。 スルホ基をオレフィン二重結合への亜硫酸水素の付加によって導入しようとす るときには、オレフィン二重結合を含むジカルボン酸またはその機能的誘導体、 例えば無水物または低級アルコールのエステルを、ポリエステル製造のための他 のオレフィン二重結合を含まないジカルボン酸と混合して用いることができる。 オレフィン二重結合を含むジカルボン酸のモル量は、ジカルボン酸の全体量を 基準に、70〜99モル%、好ましくは90〜99モル%である。 オレフィン二重結合を含む好ましいジカルボン酸はマレイン酸またはフマル酸 である。無水マレイン酸が特に好ましい。 ジオールとジカルボン酸のエステル化におけるCOOHとOHの当量比は、通 常は2:1〜1:2であり、好ましくは1.5:1〜1:1.5である。既に知ら れているように、得られるポリエステルの分子量は、エステル化反応における変 換率によって、およびカルボキシル基とヒドロキシル基のモル比によって調節す ることができる。 本発明の方法において用いるスルホ基を含むポリエステルは、1,000〜2 5,000、好ましくは2,000〜10,000の範囲内の分子量(数平均)を有 する。 エステル化は、通常の方法により、ジオールとジカルボン酸の混合物を100 〜250℃の温度に加熱し、反応水を除去することによって行うことができる。 オレフィン二重結合を含むジカルボン酸は高いエステル化温度で重合する傾向 があるので、適当な重合抑制剤を添加するのが望ましい。当業者がよく使う抑制 剤は、例えば、置換もしくは未置換フェノール、例えばヒドロキノン、2,4− t−ブチルフェノールおよびイオノールまたはフェノチアジンまたはトリフェニ ルホスファイトである。これら重合抑制剤は、混合物全体を基準に、0.001 〜1重量%の量で添加してよい。 強酸、例えば硫酸、リン酸またはトルエンスルホン酸などの通常の触媒を、混 合物全体を基準に、0.1〜5重量%の量で添加して反応を促進することができ る。また、エステル化反応を促進する通常のスズ化合物、例えばチンジオクトエ ート、チンオキサレート、チンオキシド、さらにスズ粉砕物の形態のスズ元素も 、混合物全体を基準に、0.01〜0.2重量%の量で添加することができる。 水との共沸混合物を形成する有機溶媒を用いて反応水を除去することができる 。この目的に周知の溶媒は、例えば、トルエン、シクロヘキサン、n−ヘキサン またはキシレンである。 エステル化反応に次いで行うポリエステル中のジカルボン酸単位の二重結合へ の亜硫酸水素イオンの付加において、シス置換された二重結合を用いたときに反 応がより迅速に起こる。従って、シス置換された二重結合の含有率の高いポリエ ステルを製造するのが有利であろう。 1つの好ましい態様においては、特に高い割合のこれら二重結合を、熱力学的 により安定なトランス置換された生成物を与える異性化が有意の程度ではないよ うにエステル化温度を選択することによって達成する。これは、比較的低温でエ ステル化反応を行うことによって達成することができる。この場合、比較的低沸 点の溶媒(例えば、トルエン、シクロヘキサンまたは80〜150℃の沸点を有 する石油分画)、および/または比較的多量(例えば、ジオールとジカルボン酸の 合計を基準に1〜5重量%)の酸性エステル化触媒を用いて反応水を除去する。 シスまたはトランス置換された二重結合の割合は、当業者に既知の方法、より 具体的には1H−NMRスペクトルの評価によって決定することができる。シス またはトランス置換された二重結合のプロトンは非常に異なる化学シフトを示す ので、シス二重結合の相対含有量はシグナルの積分によって容易に決定すること ができる。 ジカルボン酸またはその無水物のエステル化に加えて、ジカルボン酸エステル (例えば、マレイン酸ジメチルエステルまたはジエチルエステル)とジオールのエ ステル交換によっても、ポリエステルを製造することができる。この場合には、 反応水の代わりに、生成したアルコール、例えばメタノールまたはエタノールを 除去する。 スルホ基は、亜硫酸化剤としての亜硫酸またはピロ亜硫酸のアルカリ金属、ア ルカリ土類金属またはアンモニウム塩、例えば亜硫酸水素ナトリウムまたは重亜 硫酸ナトリウムの反応によって既知のように、ポリエステル中のジカルボン酸単 位のオレフィン二重結合に亜硫酸水素を付加することによってポリエステル中に 導入することができる。1モルの重亜硫酸ナトリウムが、亜硫酸化反応において 2モルの亜硫酸水素に対応する。重亜硫酸ナトリウム(Na225)を用いるのが 好ましい。 通常、亜硫酸水素または重亜硫酸水素の量は、二重結合を基準に50〜200 モル%、好ましくは75〜100モル%の亜硫酸水素イオンが反応に利用可能と なるように合わせる。 ポリエステル(その二重結合に亜硫酸水素を付加する)は、少なくとも部分的に 水と混和する有機溶媒中の溶液の形態で用いてよい。 水と混和する溶媒の例は、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール 、2−ブタノール、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、プロピ レングリコールモノメチルエーテル、ブチルグリコール、ジエチレングリコール 、ジエチレングリコールジメチルエーテル、N−メチルピロリドンおよびスルホ ランである。 好ましくは水溶液の形態にある亜硫酸化剤を、一度にまたは連続的に加え、亜 硫酸水素が全ての二重結合に付加されるまで、または、一定の亜硫酸水素含有量 が得られるまで、80〜105℃の温度で撹拌する。 亜硫酸水素含有量は、当業者に既知の方法によって、例えばヨウ素滴定によっ て容易に測定することができる。 スルホ基を含む乳化剤、好ましくはアルカリ金属との塩の形態にあるスルホコ ハク酸のエステルを、亜硫酸化反応の開始時にポリエステルに添加するのが望ま しいであろう。特に適したスルホコハク酸のエステルは、ナトリウム塩の形態に あるジオクチルエステルまたはトリデシルエステルである。また、本発明の方法 のためのスルホ基を含むポリエステルを、例えば前のバッチから、亜硫酸化反応 の開始時に添加することもできる。添加する乳化剤の量は、亜硫酸化するポリエ ステルを基準に、0.1〜10重量%、好ましくは1〜5重量%である。 別の方法において、スルホ基を含むポリエステルは、オレフィン二重結合を含 むジカルボン酸を用いるエステル化とその後の亜硫酸化によるだけではなく、ス ルホコハク酸の低分子量エステルまたはその塩、例えばスルホコハク酸ジメチル エステルまたはスルホコハク酸ジオクチルエステルのナトリウム塩を用いるアル コール成分のエステル交換によっても製造することができる。この場合には、低 分子量アルコールの脱離によってポリエステルを合成する。適当なエステル交換 条件は、100〜250℃の温度、常圧または減圧、および、通常のエステル交 換触媒(例えば、アルカリ金属水酸化物もしくはアルコキシドまたはチタン化合 物またはスズ化合物)の存在である。反応の終点に向かって、減圧にしてアルコ ールの除去を促進するのが望ましいであろう。 エステル基とヒドロキシル基の当量比COOR:OHは、2:1〜1:2、好 ましくは1.5:1〜1:1.5であってよい。 スルホ基を含む芳香族ジカルボン酸またはスルホコハク酸を基本とするポリエ ステルを製造するときには、スルホ基を含む芳香族ジカルボン酸、スルホ基を含 まないジカルボン酸およびジオールの混合物を、撹拌しながら不活性ガス雰囲気 中で100〜250℃の温度に加熱し、反応水を除去するのが望ましい。 本発明に係るポリエステルは、ペーストまたは溶液の形態で蓄積する。溶媒の 除去によって固体または粘稠ペーストが残る。 本発明の方法は、エマルジョンポリマー、より具体的にはポリスチレン、スチ レン含有コポリマー、例えばスチレン/ブタジエンコポリマー、ポリクロロプレ ンまたはクロロプレン含有コポリマーのエマルジョンポリマーの製造に適してい る。 スチレン含有コポリマーは、スチレン/ブタジエン、アクリロニトリル/ブタ ジエン/スチレン(ABS)またはスチレン/アクリロニトリルから選択してよい 。スチレン成分は、スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレンまたはビニ ルトルエンから選択される。 第1安定剤の例は、従来技術から周知である。これらの第1安定剤は、天然ま たは合成の脂肪酸を基本とする石鹸(例えば、オレイン酸カリウム)または樹脂酸 を基本とする石鹸(例えば、アビエチン酸/ロジン酸のナトリウム塩)から選択さ れる。これら第1安定剤の含有率は、安定化しようとする系の全体量を基準に、 0.01〜5重量%、好ましくは0.01〜3重量%である。 スルホ基を含むポリエステルを、第2安定剤として、安定化しようとする系の 全体量を基準に、0.01〜1重量%、好ましくは0.1〜0.5重量%の量で用 いる。しかし、第2安定剤の含有率は、ポリマー分散液の凝集が完全に妨げられ るほど高いものであるべきではない。 本発明によれば、スルホ基を含むポリエステルは、その安定化挙動において、 硫酸オクチルの湿潤特性を持つことのないナフタレンスルホン酸/ホルムアルデ ヒド縮合物とほぼ同一である。 一般に、合成ポリマーは生分解性ではない。全ポリマーの生物学的分解のため の必須条件は、実際の代謝の前に、それらが代謝過程に入り得る比較的小さな断 片に切断され得るものであるべきである点である。 C−C結合で結合したナフタレンスルホン酸/ホルムアルデヒド縮合物の場合 、下水処理プラントにおいて普及している条件下では切断は不可能である。対照 的に、ポリエステルは、化学または酵素反応において切断され得るエステル結合 を含んでいる。 しかし、第2安定剤として使用するためには、ポリエステルは、乳化重合の条 件下のみでは切断されることのない、従ってその有効性を失うことのない安定な 結合を含んでいなければならない。しかし、他方で、この結合は、下水プラント において活性微生物と接触したときに結合の切断が全く起こらないほど安定なも のであるべきではない。即ち、加水分解安定性と加水分解不安定性のバランスの 取れた比が要求される。 スルホコハク酸またはマレイン酸またはフマル酸単位だけを含むポリエステル は、加水分解に対して極めて耐性が高く、従って生分解性に劣ることがわかって いる。他のジカルボン酸単位を導入することによって、第2安定剤としてのポリ エステルの有効性を損なうことなく加水分解を促進することができる。 本発明の方法において水溶性オリゴマーのスルホコハク酸エステルを使用する ことにより、既知の乳化重合法において発生する問題、特に安定剤の生物学的分 解性およびその湿潤作用に関連する問題が解決される。さらに、本発明の方法に おいて使用されるオリゴマーのスルホコハク酸エステルは、その安定化特性にお いては、ナフタレンスルホン酸/ホルムアルデヒド縮合物と少なくとも同一であ る。 以下に挙げる実施例は、本発明を説明するためのものであって、いかなる意味 においても本発明を限定するものではない。 実施例 他に記すことがなければ、全てのパーセント表示は重量%である。 実施例1 ヘキサン−1,6−ジオール(194.7g、1.65モル)、無水マレイン酸(1 39.7g、1.425モル)、アジピン酸(11.0g、0.075モル)、トルエン スルホン酸水和物(6.0g)、トリフェニルホスファイト(0.5g)およびトルエン (50g)を、1Lの三口フラスコに入れ、溶融した。次いで、フラスコの内容物 を窒素雰囲気中、115℃で還流下に撹拌し、生成した反応水を共沸留去した。 この反応を、<3の酸価になるまで続けた。次いで、トルエンを除去し、生成物 を室温まで冷却した。 このポリエステル(150g)およびダウアノール(Dowanol)PM(メトキシプロ パノール)(150g)を、撹拌機、熱センサー、コンデンサー、滴下ロートおよび 窒素入口を装着した1Lの四口フラスコに入れた。スルホコハク酸ジエチルヘキ シル(0.25g)を加え、この混合物を75℃に加熱した。Na225(58.3g 、0.307モル)を水(105g)に溶解し、得られた溶液を反応混合物に滴下し 、続いて75℃で5時間撹拌した。固体含有量52%の水溶性ポリエステルが得 られた。 実施例2 ヘキサン−1,6−ジオール(97.4g、0.825モル)、デカン−1,10− ジオール(143.6g、0.825モル)、無水マレイン酸(139.7g、1.42 5モル)およびアジピン酸(11.0g、0.075モル)を実施例1のように反応さ せてポリエステルを得、この150gをNa225(51.2g、0.269モル)で 亜硫酸化した。固体含有量57%のポリエステルが得られた。 実施例3 ネオペンチルグリコール(171.6g、1.65モル)、無水マレイン酸(139 .7g、1.425モル)およびアジピン酸(11.0g、0.075モル)を実施例1 のように反応させてポリエステルを得、この150gをNa225(62.5g、0 .329モル)で亜硫酸化した。固体含有量59%のポリエステルが得られた。 実施例4 ヘキサン−1,6−ジオール(194.7g、1.65モル)、無水マレイン酸(1 32.3g、1.35モル)およびアジピン酸(21.9g、0.15モル)を実施例1 のように反応させてポリエステルを得、この150gをNa225(54.7g、0 .288モル)で亜硫酸化した。固体含有量57%のポリエステルが得られた。 実施例5 ヘキサン−1,6−ジオール(194.7g、1.65モル)、無水マレイン酸(1 17.6g、1.2モル)およびアジピン酸(43.8g、0.3モル)を実施例1のよ うに反応させてポリエステルを得、この150gをNa225(47.7g、0.2 51モル)で亜硫酸化した。固体含有量56%のポリエステルが得られた。 実施例6 ダイアノール(Dianol)22[ビスフェノールAとのエチレンオキシド2モルの 付加物](660.0g、1.65モル)、無水マレイン酸(139.7g、1.425モ ル)およびアジピン酸(11.0g、0.075モル)を実施例1のように反応させて ポリエステルを得、この150gをNa225(24.6g、0.13モル)で亜硫酸 化した。固体含有量60%のポリエステルが得られた。 実施例7 撹拌機、窒素入口および還流コンデンサー+水分離器を装着した1Lの三口フ ラスコにおいて、スルホイソフタル酸ナトリウム(268.0g、1モル)、ジエチ レングリコール(212.0g、2モル)およびスウェドキャット4(Swedcat 4R)[ スウェドスタブ(Swedstab)製造の市販触媒](1.4g)を、キシレン(50ml)とと もに150℃に加熱した。水(43ml)を、4時間にわたって撹拌しながら除去し た。次いで、アジピン酸(110.0g、0.75モル)を加え、さらに水(29ml) を200℃の温度まで撹拌しながら除去した。 比較例1 ヘキサン−1,6−ジオール(194.7g、1.65モル)および無水マレイン酸 (147g、1.5モル)を実施例1のように反応させてポリエステルを得、この1 50gをNa225(59.0g、0.31モル)で亜硫酸化した。固体含有量52% のポリエステルが得られた。 安定化特性の試験 オリゴマーのスルホコハク酸エステルの安定性を、DE-OS 2 210 957に記載の 方法と同様の方法を用いる一連の試験において確かめた。オレイン酸カリウムの みで安定化したスチレンラテックスを、種々の量の第2安定剤の存在下に酢酸で 酸性化し、系の安定性を凝集量によって評価した[Ind.Eng.Chem.,40(1948)21 93を参照]。 ポリスチレンラテックスは、開始剤として4,4’−アゾ−ビス−(4−シアノ 吉草酸)を用いて、スチレン、オレイン酸カリウムおよび水から重合した。固体 含有量30%および粒子サイズ約100nmのラテックスが得られた。このラテッ クス(50ml)は10%酢酸(2.5ml)の添加によって完全に凝集したが、これは 、オレイン酸カリウムがオレイン酸に変換され、その結果として安定化が損なわ れたことによるものと考えられる。DE-OS 2 210 957に記載されている試験と同 様 に、第2の安定剤を種々の濃度でこのラテックスに加える。酸性化の後の凝集量 から、第2安定剤がこの適用にいかに適しているかを評価することができる。 この結果を表1に示す。 加水分解安定性は、50℃でポリエステルの5%水溶液を保存することによっ て測定した。示した時間の後に、pH値と酸価(AV)を測定した。酸価および/ またはpH値の増加は加水分解を示すものである。 生物学的分解性を、ツァーン-ヴェレンス(Zahn-Wellens)試験(OECD試験3 02B)によって測定した。この結果を表3に示す。 ツァーン-ヴェレンス試験に予め適合させた接種物を用い、実施例1のポリエ ステルの生物学的分解性を、密閉ボトル試験(OECD試験301D)において比 較例1のポリエステルと比較することによって試験した。この結果を表4に示す 。 この直接比較は、本発明のポリエステルの改善された分解性を示す。
【手続補正書】特許法第184条の8 【提出日】1996年4月19日 【補正内容】 請求の範囲 1.天然または合成の脂肪酸または樹脂酸を基本とする石鹸からなる第1安定 剤および第2安定剤の存在下にエマルジョンポリマーを製造する方法であって、 以下の成分からなるポリエステル: (a)ジオール、 (b)ジカルボン酸の全体量を基準に99〜70モル%の量の、マレイン酸およ び/またはフマル酸から選択されるオレフィン二重結合を含むジカルボン酸であ って、ポリエステル中に存在する二重結合を含むジカルボン酸の50〜100モ ル%が亜硫酸化されたジカルボン酸、および (c)ジカルボン酸の全体量を基準に1〜30モル%の量の、2、3または5〜 18個の炭素原子を含有するスルホ基を含まず、かつオレフィン二重結合を含ま ないジカルボン酸、 を生物学的分解性の第2安定剤として使用することを特徴とする方法。 2.2〜10個の炭素原子を含有するジオールまたはそのエチレンおよび/ま たはプロピレンオキシド1〜5モルの付加物を用いることを特徴とする請求項1 に記載の方法。 3.2価フェノールとエチレンおよび/またはプロピレンオキシドの付加物を ジオールとして用いることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。 4.ジカルボン酸の全体量を基準に、マレイン酸および/またはフマル酸を9 9〜90モル%の量で用い、一方、スルホ基も二重結合も含まないジカルボン酸 を1〜10モル%の量で用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載 の方法。 5.COOHとOHの当量比が2:1〜1:2、好ましくは1.5:1〜1: 1.5であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の方法。 6.ポリスチレン、スチレン含有コポリマー、ポリクロロプレンまたはクロロ プレン含有コポリマーのエマルジョンポリマーを製造するための請求項1〜5の いずれかに記載の方法。 7.スチレン含有コポリマーが、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン( ABS)およびスチレン/アクリロニトリルから選択され、スチレン成分が、ス チレン、α−メチルスチレン、クロロスチレンまたはビニルトルエンから選択さ れることを特徴とする請求項6に記載の方法。 8.第1安定剤を、安定化しようとする系の全体量を基準に、0.01〜5重 量%の量で用いることを特徴とする請求項7に記載の方法。 9.第2安定剤を、安定化しようとする系の全体量を基準に、0.01〜1重 量%の量で用いることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 エンゲルス、トーマス ドイツ連邦共和国 デー−50226 フレッ ヒェン、フライハイツリング 42番

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.第1安定剤および第2安定剤の存在下にエマルジョンポリマーを製造する 方法であって、 (a)ジオール、 (b)ジカルボン酸の全体量を基準に、99〜70モル%の量のスルホ基を含む ジカルボン酸、および (c)ジカルボン酸の全体量を基準に、1〜30モル%の量のスルホ基を含まな いジカルボン酸、 からなるポリエステルを第2安定剤として使用することを特徴とする方法。 2.2〜10個の炭素原子を含有するジオールまたはそのエチレンおよび/ま たはプロピレンオキシド1〜5モルの付加物を用いることを特徴とする請求項1 に記載の方法。 3.2価フェノールとエチレンおよび/またはプロピレンオキシドの付加物を ジオールとして用いることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。 4.スルホコハク酸を、スルホ基を含むジカルボン酸として用いることを特徴 とする請求項1〜3のいずれかに記載の方法。 5.1〜3個または5〜18個の炭素原子を含有するジカルボン酸、好ましく はアジピン酸を、スルホ基を含まないジカルボン酸として用いることを特徴とす る請求項1〜4のいずれかに記載の方法。 6.ジカルボン酸の全体量を基準に、スルホ基を含むジカルボン酸を99〜9 0モル%の量で、そして、スルホ基を含まないジカルボン酸を1〜10モル%の 量で用いることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の方法。 7.COOHとOHの当量比が2:1〜1:2、好ましくは1.5:1〜1: 1.5であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の方法。 8.ポリスチレン、スチレン含有コポリマー、ポリクロロプレンまたはクロロ プレン含有コポリマーのエマルジョンポリマーを製造するための請求項1〜7の いずれかに記載の方法。 9.スチレン含有コポリマーが、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン( ABS)およびスチレン/アクリロニトリルから選択され、スチレン成分が、ス チレン、α−メチルスチレン、クロロスチレンまたはビニルトルエンから選択さ れることを特徴とする請求項8に記載の方法。 10.第1安定剤が、天然または合成の脂肪酸または樹脂酸を基本とする石鹸か ら選択されることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の方法。 11.第1安定剤を、安定化しようとする系の全体量を基準に、0.01〜5重 量%の量で用いることを特徴とする請求項10に記載の方法。 12.第2安定剤を、安定化しようとする系の全体量を基準に、0.01〜1重 量%の量で用いることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の方法。 13.乳化重合において第1安定剤に追加する第2安定剤としての、 (a)ジオール、 (b)ジカルボン酸の全体量を基準に、99〜70モル%の量のスルホ基を含む ジカルボン酸、および (c)ジカルボン酸の全体量を基準に、1〜30モル%の量のスルホ基を含まな いジカルボン酸、 からなるスルホ基を含むポリエステルの使用。
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