【発明の詳細な説明】新規なタンパク質/ポリペプチド及びコトランスフェクションプラスミド並びに その組換え生キャリヤー
本発明はコロナウイルス、特に、ネコの感染性腹膜炎ウイルスに対しネコ(ネ
コ科)の免疫を刺激することができるように抗原活性であるタンパク質/ポリペ
プチド、このような抗原活性タンパク質/ポリペプチドをコードする塩基配列の
調製及びクローニング、このような抗原活性タンパク質/ポリペプチドをコード
する塩基配列を有するコトランスフェクションベクター、このような抗原活性タ
ンパク質/ペプチドを発現するための組換え生キャリヤー、並びにこのような組
換え生キャリヤーを有するワクチンに関する。
ネコ科の感染性腹膜炎(FIP)は通常致死性の感染性ネコ科疾患である。FIP は
ネコ科の感染性腹膜炎ウイルス(FIPV)として知られているコロナウイルスにより
ひき起こされる。感染は二つの経路、即ち、子宮内伝染、及び経口/鼻口摂取の
一つにより起こる。
FIPVはウイルスのコロナウイルス科ファミリーに属する。コロナウイルス科フ
ァミリーのゲノムプラスストランドRNAは約27〜31キロ塩基対(kbp)であり、
それをRNAウイルスの中で最大にする。ファミリーのその他の員の中で、ネコ
科の腸炎コロナウイルス(FECV)が最も密接に関係する。
コロナウイルスは脂質含有エンベロープにより包まれるらせん状ヌクレオキャ
プシドを有する球形粒子である。これらのウイルスは、ここに関係する4種のタ
ンパク質を含む。これらのタンパク質はヌクレオキャプシド(N)タンパク質(こ
れはサイズが約40〜50K(キロダルトン)である);スパイク(S)タンパク質として
知られている膜タンパク質(これはサイズが約180 〜200Kである);マトリック
ス(M)タンパク質として知られている膜タンパク質(これはサイズが約25〜30K
である);及び小膜(SM)タンパク質として知られているその他の膜タンパク質(
これはサイズが約10K である)である。
コロナウイルス、特にFIP に対するワクチンを開発するのに試みられた古典的
アプローチとして、弱毒化生FIPV及び異種生コロナウイルスによる予防接種が挙
げられる。しかしながら、このようなワクチンの使用により得られた体液性抗体
は殆ど有効ではないことが判明した。実際に、初期感染の結果としてFIPVに対し
抗体を発生したネコ科はしばしば臨床上の現象及び病変を極めて早く発生し、こ
うして治療されなかったネコ科よりも(“早死に”症候群として知られている現
象において)極めて短い期間にわたって感染の発症を乗り切るであろう。
“早死に”症候群は、おそらく、抗体依存性強化(ADE)として知られている現
象の結果である。この現象はヘルペスウイルス科、ポックスウイルス科、ラブド
ウイルス科、フラビウイルス科、アルファウイルス科、レオウイルス科及びバン
ヤウイルス科中のカウンターパートを見出す。この現象はマクロファージのFc受
容体へのウイルス抗体複合体の結合に基いていると考えられる。試験管内で、ネ
コ科マクロファージ感染性のADE は3成分複合体:ウイルス/抗ウイルス抗体/
マクロファージフラグメントc受容体(FcR)の形成を伴うことが実証された。こ
のような結合は抗体の仲介なしにマクロファージとウイルスの結合よりも有効で
あると言われている。その結果は、ウイルスが複合体形成されていない形態で結
合する時よりもウイルスが複合体形成された形態で結合する時に、感染が更に迅
速かつ有効に起こることである。この複合体はマクロファージによるウイルスの
摂取及びその更なる複製を強化し、FIP のADE の生体内の媒介を示唆する。その
後、これらのマクロファージはネコ科中のウイルスの播種のベクターのように挙
動する。
デュファー・インターナショナル・リサーチ名義の欧州特許出願第411,684 号
明細書は、抗原がFIPVのMタンパク質またはNタンパク質により構成される組換
えワクチンを開示している。ワクチンはタンパク質を適当なキャリヤーにカップ
リングすることにより調製される。種々の好適な組換え生キャリヤーの使用がま
たその中に開示されている。
デュファー・インターナショナル・リサーチ名義の欧州特許出願第264,979 号
明細書は、抗原がSタンパク質またはその或る種のフラグメントにより構成され
るFIPV用の組換えワクチンを開示している。ワクチンは適当なキャリヤーにカッ
プリングされているSタンパク質またはそのフラグメントで調製される。組換え
生キャリヤーの使用がまた開示されている。
PCT 特許出願第92/08487号明細書はこのウイルスにより導入された組換えワク
チン中のFIPV Sタンパク質の使用を開示している。
欧州特許出願第510,773 号明細書は、イヌのコロナウイルスのSタンパク質の
少なくとも一種の抗原決定基を有するポリペプチドをその中に含むイヌのコロナ
ウイルス用のワクチンを開示している。そのイヌのコロナウイルスワクチンがま
た感染性腹膜炎に対しネコを保護することがその中に記載されている。
欧州特許出願第310,362 号明細書は、温度感受性FIP ウイルス、そのウイルス
を含むワクチン及びFIP 感染に対しネコ科を免疫感作することにおけるその使用
を開示している。そのワクチンは特定の無病原体のネコに部分的な保護を与える
。不運なことに、コロナウイルス科ファミリーにおける高率の突然変異及び自然
組換えはワクチンとしてのこのような突然変異FIVP株の使用のリスクに相当する
。
コロナウイルス、特にFIVPに対しネコ(ネコ科)の免疫を刺激するタンパク質
/ポリペプチドの如き新規な抗原活性薬剤に対する要望がある。更に、その疾患
に対し哺乳類(例えば、ネコ科)を保護することができるとともに抗体依存性強
化の現象を避けるワクチン(組換え生キャリヤーを有するワクチンを含む)中の
このようなタンパク質/ポリペプチドを提供することにつき要望がある。
本発明の主目的は、コロナウイルス、特にFIPVに対し抗原活性である新規なタ
ンパク質/ポリペプチドを同定し、提供することである。
本発明の別の主目的は、抗体依存性強化を生じることができるその領域がADE
不活性であり、それにより抗体依存性強化を避けるように修飾され、またはそれ
から欠失されるように修飾されたこのようなタンパク質/ポリペプチドを提供す
ることである。
本発明の別の主目的は、新規な抗原活性タンパク質/ポリペプチドをコードす
る塩基配列を決定し、提供し、かつこれをクローン化して抗原活性タンパク質/
ポリペプチドを提供することである。
本発明の更に別の主目的は、本発明のタンパク質/ポリペプチドを含む抗原活
性タンパク質/ポリペプチドの発現に有益なプラスミド(コトランスフェクショ
ン及び発現プラスミド)を調製し、提供することである。
本発明の更に別の主目的は、組換え生キャリヤー(LRC)の調製に有益なプラス
ミド(コトランスフェクションプラスミド)を調製し、提供することである。
本発明の更に別の主目的は、本発明の新規な抗原活性タンパク質/ポリペプチ
ドを含む抗原活性タンパク質/ポリペプチドをコードする塩基配列を含むコトラ
ンスフェクションプラスミドを提供することであり、そのコトランスフェクショ
ンプラスミドは標的動物中で生体内で抗原活性タンパク質/ポリペプチドを発現
することができる組換え生キャリヤーを生成するようにFHV-1 DNA の如きウイル
スDNAによるコトランスフェクションに使用し得る。
本発明の更に別の目的は、標的動物中で生体内で本発明の抗原活性タンパク質
/ポリペプチドを含む種々の抗原活性タンパク質/ポリペプチドを発現ための組
換え生キャリヤーを提供することである。
本発明の更に別の主目的は、コロナウイルスに対する哺乳類の保護、特にFIPV
に対するネコ科の保護のためのワクチンにこのような抗原活性タンパク質/ポリ
ペプチドを製剤化することである。
本発明の特別な目的は、その一部として組換え生キャリヤーを含む、コロナウ
イルスに対する哺乳類の保護、特にFIPVに対するネコ科の保護のためのこのよう
なワクチンを提供することである。
本発明の教示によれば、新規なタンパク質/ポリペプチドが本明細書に開示さ
れる。これらのタンパク質/ポリペプチドは、ADE を誘発しないでコロナウイル
ス(例えば、FIPV)に対し哺乳類(例えば、ネコ科)を保護するために抗原活性
である。
本明細書に開示されたタンパク質として、修飾コロナウイルスSタンパク質[
本発明者らがADE を誘発すると考える領域(フラグメント)を含み得るその或る
領域(フラグメント)が修飾され、かつ/またはそれから欠失されて不在である
タンパク質]が挙げられる。種々のこれらの修飾コロナウイルスSタンパク質は
、A1抗原領域、A2抗原領域またはD抗原領域の少なくとも一つが修飾され(ADE
不活性であるように)、またはそれから除去(欠失)され、その結果、前記領域
はADE 不活性である。一つの実施態様において、修飾コロナウイルスSタンパク
質は、A1抗原領域またはA2抗原領域が修飾され、またはそれから除去され、その
結果、前記領域はADE 不活性である。別の実施態様において、修飾コロナウイル
スSタンパク質は、A1抗原領域及びD抗原領域が修飾され、またはそれから除
去され、その結果、前記領域はADE 不活性である。更に別の実施態様において、
修飾コロナウイルスSタンパク質は、A2抗原領域及びD抗原領域が修飾され、ま
たはそれから除去され、その結果、前記領域はADE 不活性である。本発明の修飾
コロナウイルスSタンパク質は、A1抗原領域、A2抗原領域及びD抗原領域が修飾
され、またはそれから除去されていることが最も好ましく、その結果、前記領域
はADE 不活性である。
このようなタンパク質/ポリペプチドは本明細書中で時々一般に“ADE-エピト
ープ欠失Sタンパク質”と称される。
本発明の修飾コロナウイルスタンパク質は修飾Sタンパク質であることが好ま
しい。これに関して、修飾FIPV Sタンパク質が最も好ましく、この場合、A1抗原
領域、A2抗原領域またはD抗原領域の少なくとも一つが修飾され、またはそれか
ら除去されており、その結果、前記修飾領域はADE 不活性である。
“抗原活性”という用語は、言及される物質または物体(例えば、タンパク質
及び/またはポリペプチド、及び/またはその部分(これは一種以上のエピトー
プを含む)が宿主の免疫系を誘導または刺激して体液性及び/または細胞性の抗
原特異性応答(例えば、FIPVまたはFHV-1 に対する)を生じることを意味する。
“一つ以上の抗原領域”という用語は、例えば、宿主の免疫系を誘導または刺
激して体液性及び/または細胞性の抗原特異性応答(例えば、FIPVまたはFHV-1
に対する)を生じるタンパク質/ポリペプチドのアミノ酸配列(一種以上のエピ
トープを含む)を意味する。
“抗原”という用語は、宿主の免疫系を刺激して体液性及び/または細胞性の
抗原特異性応答を生じる一種以上のエピトープを有する分子(例えば、タンパク
質/ポリペプチド)を意味する。
“ADE 不活性”という用語は、言及される物質または物体(例えば、修飾タン
パク質及び/またはポリペプチド及び/または修飾タンパク質及び/またはポリ
ペプチドの領域)が抗体依存性強化(ADE)を誘発しないことを意味する。本明細
書に使用されるこの用語は、依然として抗原活性であってもよく、またそうでな
くてもよい物質または物体を表し得る。本明細書に使用されるこの用語は、ADE-
エピトープ(A1抗原領域及び/またはA2抗原領域及び/またはD抗原領域の)が
修飾され、またはそれから除去されており、その結果、このような領域がADE を
誘発しないSタンパク質の一つ以上の領域を特に表す。
“エピトープ”という用語は、特定の抗体分子が結合する抗原の部位を表す。
また、本発明の新規な抗原活性タンパク質として、Sタンパク質がそのシグナ
ルペプチドをそれから(例えば、開裂により)除去された修飾コロナウイルスS
タンパク質が挙げられる。このようなタンパク質/ポリペプチドは本明細書中“
欠失Sタンパク質”及び“del S タンパク質”と種々に称される。このような修
飾コロナウイルスSタンパク質は修飾FIPV Sタンパク質であることが好ましい。
更に、本発明の新規な抗原活性タンパク質として、図1のアミノ酸配列と実質
的に相同であるアミノ酸配列を有する実質的に純粋なコロナウイルスSMタンパク
質が挙げられる。特に、新規な抗原活性タンパク質として、実質的に純粋なFIPV
SM タンパク質が挙げられる。
本発明の組換え生キャリヤー及びワクチンに使用される好ましい抗原活性タン
パク質(先に説明した修飾コロナウイルスSタンパク質及びコロナウイルスSMタ
ンパク質に加えて、コロナウイルスSタンパク質及びコロナウイルスMタンパク
質を含む)は全てFIPVの核酸配列から誘導される。本発明のSMタンパク質及びM
タンパク質はプラスミドB12 のFIPV核酸配列から誘導され、またS(スパイク)
タンパク質はpUCE2 のFIPV核酸配列から誘導されることが好ましい。
本明細書に使用される“から誘導される”という用語は、タンパク質/ポリペ
プチドのアミノ酸配列及びそれらをコードする核酸配列に関して使用される時に
、言及されるアミノ酸配列及びヌクレオチド配列(その修飾の前)がそれらが誘
導されると同定される特別なタンパク質/ポリペプチド及び/または微生物(例
えば、FIPV及び/またはFHV-1)に自生であることを意味する。
本明細書に使用される“Mタンパク質”という用語は、欧州特許出願第411,68
4号明細書においてMタンパク質と称される同タンパク質を表すのに使用される
。完全アミノ酸配列だけでなく、それをコードする完全ヌクレオチド配列がまた
欧州特許出願第411,684 号明細書に開示されており、その開示の全てが参考とし
て本明細書に含まれる。
本明細書に使用される“SMタンパク質”という用語は、その単離クローニング
及び構造が本明細書に記載されているFIPVの新規な小膜タンパク質を表す。この
SMタンパク質の完全アミノ酸配列(配列番号3)、それをコードする完全ヌクレ
オチド配列(配列番号1)、及びアミノ酸(配列番号2)へのその核酸配列の翻
訳が図1に示される。
本明細書に使用される“Sタンパク質”という用語は、欧州特許出願第264,97
9 号明細書においてSタンパク質と称される同タンパク質を表すのに使用される
。完全アミノ酸配列だけでなく、それをコードする完全ヌクレオチド配列がまた
欧州特許出願第264,979 号明細書に記載されている。S遺伝子のコード配列はそ
の中に表示されたような位置367-369 のATG コドンで開始し、その中に表示され
たような位置4723-4725 の終止コドンで終止する。こうして、S遺伝子のコード
部分は4356塩基対を含み、かつ1452アミノ酸のタンパク質をコードする。その欧
州特許出願の全てが参考として本明細書に含まれる。
本明細書に使用される“A1抗原領域”という用語は、位置1963-1965 のGCT コ
ドン〜位置2029-2031 のCTA コドンで開始する欧州特許出願第264,979 号明細書
に表示されたようなFIPV Sタンパク質の塩基配列によりコードされたアミノ酸残
基を表すのに使用される。
本明細書に使用される“A2抗原領域”という用語は、位置2116-2118 のACT コ
ドン〜位置2176-2178 のGCT コドンで開始する欧州特許出願第264,979 号明細書
に表示されたようなFIPV Sタンパク質の塩基配列によりコードされたアミノ酸残
基を表すのに使用される。
本明細書に使用される“D抗原領域”という用語は、位置1489-1491 のTCA コ
ドン〜位置1570-1572 のTAC コドンで開始する欧州特許出願第264,979 号明細書
に表示されたようなFIPV Sタンパク質の塩基配列によりコードされたアミノ酸残
基を表すのに使用される。
本明細書に使用される“ADE-エピトープ欠失Sタンパク質”という用語は、そ
のA1抗原領域、A2抗原領域及び/またはD抗原領域の少なくとも一つが修飾、欠
失またはそれから不在であり、その結果、このような領域がADE 不活性であるよ
うなSタンパク質を表すのに使用される。
本明細書に使用される“delSタンパク質”という用語は、欧州特許出願第264,
979 号明細書に表示されたようなFIPV Sタンパク質の塩基配列(その中に表示さ
れたように位置367-369 のATG コドンで開始し、そしてその中に表示されたよう
に位置4723-4725 の終止コドンで終止する)によりコードされるが、位置370-37
2 のATT コドン〜位置421-423 のAGT コドン(を含む)で開始するアミノ酸配列
がそれから欠失されたアミノ酸残基を表すのに使用される。これに関して、delS
タンパク質はSタンパク質と同じであるが、そのシグナル配列を含まないことが
注目される。
本明細書に使用される“ADE-エピトープ欠失”という用語は一般に抗体依存性
強化(ADE)を生じ得るその少なくとも一つのエピトープが修飾され、またはそれ
から欠失され、その結果、前記エピトープがADE 不活性であるタンパク質(ADE-
エピトープ欠失Sタンパク質を含む)を表すのに使用される。
本発明が関するタンパク質は夫々抗原活性であるが、ADE を誘発しない少なく
とも一つの領域を更に有する。
本発明のタンパク質/ポリペプチドは、ペプチド及びタンパク質の調製につき
知られている通常の方法に従って調製し得る。このような方法として、個々のア
ミノ酸または小さいペプチドフラグメントから開始する既知の技術によるその合
成調製が挙げられる。
また、抗原活性の一種以上のタンパク質/一種以上のポリペプチドは、例えば
、
a)本発明の抗原活性タンパク質/ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を
有する適当な(即ち、発現)ベクターによる宿主細胞の形質転換;
b)抗原活性タンパク質/ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を発現し;
c)細胞培養物を回収し、そして
d)発現された抗原活性タンパク質/ポリペプチドを単離すること
により組換えDNA技術及び発現系を使用して生合成により得られてもよい。
それ故また、本発明は本発明の抗原活性(コロナウイルスに対し)の一種以上
の修飾Sタンパク質/ポリペプチドをコードするDNA分子の調製方法に関する
。このような方法は、
a)所望のコロナウイルスSタンパク質(例えば、FIPV Sタンパク質)をコードす
る発現カセットを単離する工程;
b)修飾または欠失されることが所望されるSタンパク質の関係する一つ以上の領
域(即ち、少なくとも一つの抗原領域)をコードするヌクレオチド塩基配列の位
置を決定する工程;及び
c)関係する少なくとも一つの領域をコードするヌクレオチド塩基配列を修飾また
は欠失する工程
を含む。
好ましい実施態様において、関係する一つ以上の領域はSタンパク質のシグナ
ルペプチド配列である。その実施態様において、シグナルペプチド配列をコード
するヌクレオチド塩基配列がそれから欠失され、その結果、シグナルペプチドは
ヌクレオチド配列によりコードされない。
別の好ましい実施態様において、関係する一つ以上の領域は抗原領域の少なく
とも一つである。これらの実施態様において、関係する抗原領域の少なくとも一
つをコードするヌクレオチド塩基配列は修飾され、またはそれから欠失されてお
り、その結果、それによりコードされたタンパク質の相当する領域はADE 不活性
である。関係する一つ以上のこれらの抗原活性領域はA1抗原領域、A2抗原領域及
びD抗原領域の少なくとも一つであることが好ましい。抗原活性領域はA1抗原領
域、A2抗原領域及びD抗原領域の全部であることが最も好ましい。
本明細書に使用される“関係するタンパク質”という用語は、場合によって発
現され、かつ/または修飾され、かつ/または欠失されることが所望されるタン
パク質を表す。
本明細書に使用される“関係する抗原領域”という用語は、修飾され、かつ/
または発現すべきタンパク質/ポリペプチドから欠失されることが所望されるこ
れらの抗原領域を表す。
更に、本発明の教示に従って、ADE の不在下で(ADE を誘発することを避けて
、またはそれを誘発しないで)コロナウイルス(例えは、FIPV)に対し哺乳類(
例えば、ネコ科)を保護するのに有効であるコロナウイルスワクチン(例えば、
FIPVワクチン)が本明細書に開示される。
好ましい実施態様において、ワクチンは適当なキャリヤー中に新規な抗原活性
の一種以上のコロナウイルスタンパク質/一種以上のポリペプチド(コロナウイ
ルスに対して)を含む。これらの抗原活性の一種以上のタンパク質/一種以上の
ポリペプチドはFIPVから誘導されることが好ましい。フラグメントが全タンパク
質に代えて使用される場合、それらは当業者に公知の様式で適当な既知キャリヤ
ーにカップリングされて使用し得る。このようなキャリヤーの例はKLH またはBS
A である。
ワクチンはコロナウイルスSタンパク質を含むことが好ましい。最も好ましい
実施態様において、コロナウイルスSタンパク質は修飾コロナウイルスSタンパ
ク質である。これに関して、修飾コロナウイルスSタンパク質は、ADE 不活性で
あるようにそのA1抗原領域、A2抗原領域またはD抗原領域が修飾され、またはそ
れから欠失されるように修飾されることが更に好ましい。また、修飾コロナウイ
ルスSタンパク質はシグナルペプチド配列がそれから欠失されるように修飾され
ることが好ましい。
別の好ましい実施態様において、ワクチンは本発明の新規なコロナウイルスSM
タンパク質またはコロナウイルスMタンパク質を含む。
所望により、ワクチンは上記の抗原活性コロナウイルスタンパク質/ポリペプ
チドの2種以上のあらゆる組み合わせを含んでいてもよい。
別の好ましい実施態様において、ワクチンは組換え生キャリヤーを含むように
製剤化され、それによりそれを必要とする宿主生物中の生体内の抗原活性の一種
以上のタンパク質/一種以上のポリペプチドの発現が得られる。
これに関して、上記のようにして得られたDNA分子が発現ベクターにそれ自
体既知の様式で挿入されてもよく、その結果、組換え発現ベクターが生成される
。次いでこのベクターが、例えば、形質転換またはコトランスフェクションによ
り適当な宿主細胞に挿入し得る。
本明細書に開示されたワクチンは、生き残る宿主細胞及び/または宿主生物中
で前記の一種以上のペプチドまたは一種以上のタンパク質を発現することができ
るワクチンを生産する目的で組換え生キャリヤー(LRC)にとり込まれた本発明の
抗原活性の一種以上のタンパク質/一種以上のポリペプチドをコードするDNA
配列(分子)を含むことが特に好ましい。このようにして、本発明の抗原活性の
一種以上のタンパク質/一種以上のポリペプチドが標的動物中で生体内で発現さ
れる。この目的のために、SMタンパク質及び/または修飾Sタンパク質(または
その部分)をコードするヌクレオチド塩基配列が組換え生キャリヤー(LRC)にと
り込まれてもよい。このような適当なLRC の例はワクシニアLRC、ヘルペスLRC、
アデノLRC、アデノ関連LRC、シンドビス(sindbis)LRC、コロナLRC 及び細菌LRC
である。
本発明の更に別の教示に従って、FHV-1 を含む組換え生キャリヤーが本明細書
に開示され、そのゲノムは修飾コロナウイルスSタンパク質をコードするDNA
配列を有し、A1抗原領域、A2抗原領域またはD抗原領域をコードする少なくとも
一つのDNA配列は修飾され、またはそれから除去され、その結果、それにより
コードされたタンパク質の前記領域はADE 不活性である。この組換え生キャリヤ
ーにおいて、A1抗原領域、A2抗原領域及びD抗原領域をコードするDNA配列は
全て修飾され、またはそれから除去されていることが好ましく、その結果、それ
によりコードされた修飾Sタンパク質の前記A1抗原領域、A2抗原領域及びD抗原
領域は全てADE 不活性である。修飾コロナウイルスSタンパク質は修飾FIPVS タ
ンパク質であることが更に好ましい。
本発明の教示に更に従って、ゲノムが修飾コロナウイルスSタンパク質、更に
好ましくは、シグナルペプチドが修飾され、またはそれから除去された修飾FIPV
S タンパク質をコードするDNA配列を有するFHV-1 を含む組換え生キャリヤー
がまた本明細書に開示される。
本発明の教示に更に従って、ゲノムがコロナウイルスSMタンパク質、更に特別
にはFIPV SM タンパク質をコードするDNA配列を有するFHV-1 を含む組換え生
キャリヤーがまた本明細書に開示される。この様式において、組換え生キャリヤ
ーはコロナウイルスSMタンパク質を発現する。
本発明の更に別の教示に更に従って、ゲノムがコロナウイルスMタンパク質、
更に好ましくはFIPV Mタンパク質をコードするDNA配列を有するFHV-1 を含む
組換え生キャリヤーが本明細書に開示される。この様式において、組換え生キャ
リヤーはコロナウイルスSMタンパク質を発現する。
本発明の別の局面において、標的哺乳類中の関係する少なくとも一種のタンパ
ク質/ポリペプチドの生体内発現のための組換え生キャリヤーが開示される。こ
の組換え生キャリヤーはウイルス株を含む。この組換え生キャリヤーは、ウイル
ス株のゲノムにとり込まれたRSV またはHCMV及びSV40から誘導されたDNA発現
配列(シグナル)を更に有する。最後に、この組換え生キャリヤーは、関係する
タンパク質が組換え生キャリヤーにより発現されるために、ウイルス株のゲノム
にまたとり込まれた関係するタンパク質(例えば、コロナウイルスタンパク質)
をコードするヌクレオチドコード配列を更に有する。ウイルス株はFHV-1 である
ことが好ましく、またヌクレオチドコード配列が抗原活性コロナウイルスタンパ
ク質をコードすることが好ましい。
これに関して、更に本発明は生き残りの宿主細胞及び/または宿主生物(動物
)中で関係するタンパク質/ポリペプチドを発現することができる組換え生キャ
リヤーの生産のためのウイルスDNA(例えば、FHV-1 のDNA)によるコトラ
ンスフェクションに有益なコトランスフェクションベクターを含む。
本発明の教示に更に従って、ウイルスDNAによるコトランスフェクションの
ためのコトランスフェクションプラスミドが本明細書に開示される。このコトラ
ンスフェクションプラスミドはウイルスゲノム中で挿入部位に隣接するDNA配
列(隣接配列)の部分を少なくとも含む。更に、このコトランスフェクションプ
ラスミドはRSV またはHCMV及びSV40から誘導された発現配列(シグナル)を含む
。最後に、このコトランスフェクションプラスミドは、このコトランスフェクシ
ョンプラスミドを使用して生産される組換え生キャリヤーにより発現される関係
するタンパク質のコード配列を有する。関係するタンパク質はFIPVタンパク質で
あることが好ましい。これらの発現配列(シグナル)及びコード配列は互いに操
作により結合されることが好ましい。
“挿入部位”という用語は、関係するタンパク質/ポリペプチド(例えば、コ
ロナウイルスタンパク質)をコードするヌクレオチド配列を少なくとも含むヌク
レオチド配列が挿入されるウイルスゲノムのその部位を意味する。
“隣接配列”という用語は、挿入部位に隣接して下流及び上流に配置されるヌ
クレオチド配列の部分を表す。
隣接配列のとり込みは、コトランスフェクションプラスミドがそれでコトラン
スフェクトされるウイルスDNA(FHV-1)と成功して組換えることを可能にする
。
これに関して、ウイルスDNA(コトランスフェクトされる)及びコトランスフ
ェクションプラスミドの隣接配列がFHV-1 DNAから誘導されることが更に好ま
しい。隣接配列は、それでトランスフェクトされるウイルス株(即ち、FHV-1)の
チミジンキナーゼ遺伝子から誘導されたヌクレオチド配列を含むことが最も好ま
しい。
関係するタンパク質/ポリペプチドは抗原活性コロナウイルスタンパク質/ポ
リペプチド、更に特別には抗原活性FIPVタンパク質/ポリペプチドであることが
好ましい。
好ましいコトランスフェクションプラスミドにおいて、関係するタンパク質の
コード配列は修飾コロナウイルスSタンパク質、更に特別には修飾FIPV Sタンパ
ク質をコードすることが好ましい。
一つの好ましい実施態様において、修飾コロナウイルスSタンパク質(関係す
るタンパク質)のコード配列は、シグナルペプチドがそれから欠失された修飾コ
ロナウイルスSタンパク質をコードする。このような場合において、コトランス
フェクションプラスミドpdTKHCMVSIG 及びpdTKSIGLAC及びpdTKRSVSSIG 並びにpd
TKRSVSSIGLACが特に好ましい。
別の好ましい実施態様において、修飾コロナウイルスSタンパク質(関係する
タンパク質)のコード配列は、その抗原領域の少なくとも一つが修飾され、また
はそれから欠失された修飾コロナウイルスSタンパク質をコードし、その結果、
それによりコードされたタンパク質の前記領域はADE 不活性である。これに関し
て、関係する好ましい抗原領域は修飾され、またはそれから欠失されたA1抗原領
域、A2抗原領域またはD抗原領域の少なくとも一つであり、その結果、前記領域
はADE 不活性である。このような場合において、コトランスフェクションプラス
ミドpdTKHCMVSDAD及びpdTKSDADLAC 及びpdTKRSVSDAD 並びにpdTKRSVSDADLACが特
に好ましい。
更に別の好ましい実施態様において、関係するタンパク質のコード配列はコロ
ナウイルスSタンパク質、更に好ましくはFIPV Sタンパク質をコードする。この
ような場合において、コトランスフェクションプラスミドpdTKHCMVS 及びpdTKSL
AC及びpdTKRSMVS 並びにpdTKRSVSLAC が特に好ましい。
更に別の好ましい実施態様において、関係するタンパク質のコード配列はコロ
ナウイルスSMタンパク質、更に好ましくはFIPV SM タンパク質をコードする。こ
のような場合において、コトランスフェクションプラスミドpdTKHCMVMS及びpdTK
SMLAC 及びpdTKRSVMS 並びにpdTKRSVMSLACが特に好ましい。
更に別の好ましい実施態様において、関係するタンパク質のコード配列はコロ
ナウイルスMタンパク質、更に好ましくはFIPV Mタンパク質をコードする。この
ような場合において、コトランスフェクションプラスミドpdTKHCMVM 及びpdTKML
AC及びpdTKRSVM並びにpdTKRSVMLAC が特に好ましい。
本発明の新規な抗原活性の一種以上のタンパク質/一種以上のポリペプチドを
含む抗原活性の一種以上のタンパク質/一種以上のポリペプチドを単離、精製し
、次いで精製された一種以上のタンパク質/一種以上のポリペプチドを医薬上許
されるキャリヤー中で製剤化することによる本発明のワクチンの調製方法が本明
細書に更に開示されている。
本発明の抗原活性の一種以上のタンパク質/一種以上のポリペプチドを含む所
望の抗原活性の一種以上のタンパク質/一種以上のポリペプチドをコードするD
NAヌクレオチド塩基配列を単離、精製し、次いで前記ヌクレオチド塩基配列を
生キャリヤーの生産のためにウイルスDNAにとり込むことを特徴とする本発明
のワクチンの調製方法が本明細書に更に開示される。
上記に関して、
a)抗原活性コロナウイルスタンパク質をコードするDNA配列を単離、精製する
工程;
b)抗原活性コロナウイルスタンパク質をコードするDNA配列を有するコトラン
スフェクションプラスミドを生成する工程;
c)標的動物中で生体内で抗原活性コロナウイルスタンパク質を発現するために抗
原活性コロナウイルスタンパク質をコードすることができる組換え生キャリヤー
を生成するように、コトランスフェクションプラスミド及びFHV-1 ウイルスDN
Aをコトランスフェクトする工程;及び
d)組換え生キャリヤーを医薬上許されるキャリヤーと合わせる工程
を含むコロナウイルスワクチンの調製方法が本明細書に開示される。
更に、上記に関して、
a)抗原活性であるFIPV Sタンパク質をコードするDNA配列を単離する工程;
b)FIPV Sタンパク質のA1抗原領域、A2抗原領域またはD抗原領域をコードするD
NA配列を修飾する工程(その結果、それによりコードされたタンパク質の前記
の修飾抗原領域の少なくとも一つはADE 不活性である);
c)修飾FIPV Sタンパク質をコードするDNA配列を有するコトランスフェクショ
ンプラスミドを生成する工程;
d)標的動物中で生体内で抗原活性修飾FIPV Sタンパク質を発現するために抗原活
性修飾FIPV Sタンパク質をコードすることができる組換え生キャリヤーを生成す
るように、FHV-1 ウイルスDNAをコトランスフェクションプラスミドでコトラ
ンスフェクトする工程;及び
e)組換え生キャリヤーを医薬上許されるキャリヤーと合わせる工程
を含むFIPVワクチンの調製方法が本明細書に更に開示される。
本明細書に使用される場合、“クローン化される”、“サブクローン化される
”、“導入される”、“つながれる”、“挿入される”等の用語は、DNAフラ
グメントにつき言及される時に、必要な場合に、ドナー及び/または受容体DN
A配列の消化(制限)、その突出3'付着末端及び5'付着末端の処理(必要とされ
、かつ/または所望される場合)、サイズ(またはヌクレオチド配列)によるこ
のようなフラグメントの分離及び/またはこのようなフラグメントの抽出(単離)
(必要とされ、かつ/または所望される場合)、直線状にされたベクターを含むこ
のようなフラグメントの脱リン酸化(必要とされ、かつ/または所望される場合
)及び組換え分子を生成するためのこのようなフラグメントの互いの連結反応を
意味する。このような定義はこのような組換え分子による宿主細胞の形質転換、
このような形質転換体の選択並びにこのような宿主細胞からの組換えDNA分子
(例えば、プラスミド)の単離及び精製を更に含む。
本明細書に使用される“発現カセット”という用語は、宿主中の構造遺伝子に
よりコードされたタンパク質/ポリペプチドの転写及び翻訳に必要とされる構造
遺伝子及び発現配列を含む、DNAのこれらの領域(ヌクレオチド配列)を含む
別個のDNA配列を表す。
本明細書に使用される“発現配列”という用語は、宿主細胞中でコード配列の
転写及び翻訳を集約的に与えるプロモーター配列、リボソーム結合部位及びポリ
アデニル化シグナルを集約して表す。
“プロモーター配列”という用語は、RNAポリメラーゼの結合及びコード配
列の転写が起こることを可能にする構造遺伝子のコード配列(関係するタンパク
質/ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列)の上流の配列を意味する。
“構造遺伝子”という用語は、RNAの合成の鋳型として利用でき、かつその
宿主による関係するタンパク質の合成を可能にするヌクレオチド配列を意味する
。
本発明の別の局面において、本発明のコロナウイルスワクチンを調製し、それ
を必要とする哺乳類、特に、ネコ科に治療有効量のワクチンを投与することを特
徴とするコロナウイルス感染、特に、FIPVに対する哺乳類、特に、ネコ科の免疫
感作方法が本明細書に開示される。
本発明の更に別の局面において、本明細書に開示されたFIPVワクチンを調製す
る工程、及びそれを必要とするネコ科に治療有効量のワクチンを投与する工程を
含むFIPVからのネコ科の保護方法が本明細書に開示される。
組換え生キャリヤーを含む本発明のワクチンの標的動物への投与は、全ての感
染細胞中の本発明のSMタンパク質及び/または修飾Sタンパク質、及び/または
Mタンパク質及び/またはSタンパク質を含む挿入遺伝子の発現をもたらす。
図1はSMタンパク質のアミノ酸配列及びSMタンパク質をコードする相当するヌ
クレオチド塩基配列である。
図2はpdTKの制限地図である。
図3はpSV40 ポリAEの制限地図である。
図4はpSV40 ポリALの制限地図である。
図5はpHCMV ポリAEの制限地図である。
図6はpHCMV ポリALの制限地図である。
図7はpRSVポリALの制限地図である。
図8はpRSVポリAEの制限地図である。
図9はpSVLACE の制限地図である。
図10はpHCMVLACE の制限地図である。
図11はpdTKSVLAC の制限地図である。
図12はpdTKCMVLACの制限地図である。
図13はpHCMVMS の制限地図である。
図14はpHCMVMの制限地図である。
図15はpRSVMSの制限地図である。
図16はpRSVM の制限地図である。
図17はpdTKHCMVM の制限地図である。
図18はpdTKHCMVMSの制限地図である。
図19はpdTKMLACの制限地図である。
図20はpdTKMSLAC の制限地図である。
図21はpdTKRSVMの制限地図である。
図22はpdTKRSVMS の制限地図である。
図23はpdTKRSVMLAC の制限地図である。
図24はpdTKRSVMSLACの制限地図である。
図25はpHCMVSの制限地図である。
図26はpRSVS の制限地図である。
図27はpdTKHCMVS の制限地図である。
図28はpdTKSLACの制限地図である。
図29はpdTKRSVSの制限地図である。
図30はpdTKRSVSLAC の制限地図である。
図31はpHCMVSIGの制限地図である。
図32はpRSVSIG の制限地図である。
図33はpdTKHCMVSIG の制限地図である。
図34はpdTKSIGLACの制限地図である。
図35はpdTKRSVSIGの制限地図である。
図36はpdTKRSVSIGLAC の制限地図である。
図37はpHCMVSDAD の制限地図である。
図38はpRSVSDADの制限地図である。
図39はpdTKHCMVSDADの制限地図である。
図40はpdTKSDADLAC の制限地図である。
図41はpdTKRSVSDAD の制限地図である。
図42はpdTKRSVSDADLACの制限地図である。
本発明に使用されるDNAクローニング及び配列決定技術及び操作は、分子ク
ローニング--実験マニュアル、第二編、コールド スプリング ハーバー ラボ
ラトリー プレス(1989)においてSambrookらにより記載される技術及び操作であ
る。
本発明に使用される細胞及び組織の培養技術及び操作は、細胞及び組織の培養
:実験操作、ジョン ウィリイ パブリッシング(1993)においてDoyle らにより
記載される技術及び操作である。
本発明が下記の特別な実施例を参考にして更に詳しく説明されるであろう。
実施例1−ネコ科のヘルペスウイルス1(FHV-1)の増殖
使用したFHV-1 ウイルス株は、(1)に記載された方法、及び(1)により開示され
たパラメーターを使用してトレードマーク ドハイバックCHとしてソルベイ デ
ュファーにより販売された鼻内投与用の二価ネコカリチヘルペスウイルスネコ科
ワクチンから単離された弱毒生ワクチン株であった。
そのウイルスをクランデルネコ科腎臓(CRFK)細胞(受理番号CCL 94としてATCC
に寄託された)で増殖させた。細胞を3%のCO2を有する雰囲気中で(1)アール塩
、2.2 g/l のNaHCO3及びL−グルタミン(ギブコ)を含む培地199 500 ml、(2)
L−グルタミン(ギブコ)を含むハムF12 500 ml、(3)ラクトアルブミン加水分
解産物(ギブコ)25ml、ウシ胎児血清(ギブコ)25ml、及びフラクトース溶液(2
00g のフラクトース/lの濃度)5mlの培地中で37℃で増殖させた。次いで細胞を
目視観察して約50%〜80%の細胞集密度(本明細書の実施例で使用される100%
の集密度は105の細胞/1cm2のプレートと定義される)で約0.01のウイルス粒子
/細胞で感染させた。
次いで感染されたCRFK細胞を3%のCO2を有する雰囲気中で上記と同じ組成を
有する培地中で37℃で2〜3日インキュベートした。
実施例2−FHV-1 ウイルスDNAの精製
実施例1に上記されたようにして標本から得られたFHV-1 で感染させたCRFK細
胞の上澄みを、その後、目視観察により測定して、細胞変性効果がほぼ完全であ
る時に回収した。上澄みを最初に500G(重力)で10分間の遠心分離により清澄に
した。次いで清澄にした上澄みを25000RPM(SW28ベックマンローター)で4℃で
1時間にわたって遠心分離し、ウイルス粒子を含むペレットを生じた。
次いでウイルス粒子を含むペレットを10mMのトリスpH7.5、1mMのEDTA、0.1%
(v/v)のノニデットP-40(シグマ)中で再度懸濁させた。次いでこの懸濁液をト
リス10mM pH7.5、EDTA1mM中30%(w/v)の蔗糖のクッションに添加し、25000 RP
M(SW28 ローター)で4℃で2時間にわたって遠心分離し、キャプシドペレット
を生じた。次いでキャプシドペレットをトリス10mM pH8.3 、EDTA1mM、1%(w
/v)のSDS(ドデシル硫酸ナトリウム)、500 μg のプロテイナーゼK(ベーリンガ
ー)/懸濁液1ml中で再度懸濁させ、50℃で2時間インキュベートした。
次いでウイルスDNAを連続のフェノール/クロロホルム抽出及びエタノール
沈殿により精製した。
実施例3−FHV-1 TK領域の配列を有するpdTK中間移入プラスミドの構築
FHV-1 SalI Aフラグメントはチミジンキナーゼ(TK)遺伝子を含むことが既に報
告されていた(2)。このFHV-1 SalI Aフラグメント及びそのチミジンキナーゼ遺
伝子が(2)に詳細に記載されている。
実施例2に上記されたようにして得られた精製FHV-1 ウイルスDNAをSalIに
より消化し、得られたフラグメントをコスミドpHC79(ベーリンガーカタログ番号
567795)中でクローン化した。19キロ塩基対(kbp)SalI A フラグメントを含むこ
のクローニングからの一種のコスミドを制限分析により同定し、その後の構築に
使用した。
次いで19kbp SalI Aフラグメントを含むコスミドをSalI及びBamHI で二重消化
にかけ、チミジンキナーゼ遺伝子を有するSalI Aフラグメントの5.6 kbp SalI-B
amHI 中間部フラグメントを単離した。次いでこの5.6 kbp SalI-BamHIフラグメ
ントをpHC79 中でサブクローン化してコスミドpFHVA1を得た。
次いでpFHVA1をSalI及びHindIII で消化にかけ、3.8 kbp SalI-HindIIIフラグ
メントをそれから単離した。その他のpFHVA-1 コスミドをHindIII 及びBamHI で
消化にかけてpFHVA1の1.8kbp HindIII-BamHIフラグメントをそれから単離した。
そのTK遺伝子を前記の3.8 kbp SalI-HindIIIフラグメントと1.8kbp HindIII-Bam
HIフラグメントの間で分断した。次いで3.8 kbp SalI-HindIIIフラグメント及び
1.8kbp Hind III-BamHIフラグメントを夫々のpBSLK2プラスミド(欧州特許出願
第517,292 号明細書に記載されている)中でサブクローン化して、プラスミドpT
KN1(3.8kbp SalI-HindIIIフラグメントを有する)及びプラスミドpTKC1(1.8kbp
HindIII-BamHI フラグメントを有する)を夫々得た。
pBSLK1(欧州特許出願第517,292 号明細書にまた記載されている)をBclIで消
化し、T4 DNAポリメラーゼで処理し、次いでXbaIで消化した。
次いでpTKN1 の1.5 kbp XbaI-EcoRVフラグメントを得、上記のようにして処理
されたpBSLK1中でクローン化した。得られたプラスミドはpTKN2 であった。
次いでpTKC1 をSmaI及びFspIで二重消化にかけて、1Kbp SmaI-FspI フラグメ
ントをそれから単離した。
次いでpdTK移入プラスミドをpTKN2(これはSmaIで既に消化されていた)のSmaI
部位への1 Kbp SmaI-FspI フラグメントの挿入により得た。pdTKの制限地図が図
2を参照して見られる。
pTKN2への1 Kbp SmaI-FspI フラグメントの挿入は得られた移入プラスミドpdT
Kのチミジンキナーゼ遺伝子中の約0.4 kbp 〜0.5 kbp(456 bp)中間部EcoRV-SmaI
欠失を生じた。また、pdTKはチミジンキナーゼコード配列中に導入された特異な
BamHI 部位を含む。この部位を外来遺伝子の挿入に使用する。挿入部位付近の配
列(配列番号4)は、
である。
太字のヌクレオチドはチミジンキナーゼ遺伝子配列から誘導される。ヌクレオ
チド座標352 及び808 は(2)により公表された配列中に記載されたのと同じヌク
レオチド座標を表す。
実施例4−FHV-1 gG領域の配列を有するpdgG中間移入プラスミドの構築
実施例2に上記されたようにして得られた精製FHV-1 ウイルスDNAをEcoRI
で消化し、4.3 kbp EcoRI M フラグメント((5)により表示されている)を含む得
られたフラグメントをコスミドpHC79(ベーリンガー)中でクローン化した。次い
で4.3 kbp EcoRI M フラグメントを含むコスミドを制限酵素分析により同定し、
その後の構築に使用した。単純ヘルペスウイルス型1(HSV-1)及びウマヘルペス
ウイルス-1(EHV-1)(ヌクレオチド配列はHSV-1 につき受理番号X14112、D00317及
びD00374、またEHV-1 につきM86664としてゲンバンク核酸配列データバンクで入
手し得る)中のgG(糖タンパク質G)相同遺伝子の位置との類似性により、FHV-
1gG(FHV-1 糖タンパク質G)コード配列はこのEcoRI M フラグメントに位置さ
れるものと推測された。
次いでEcoRI M フラグメントを含むコスミドをEcoRI で消化し、4.3 kbp EcoR
I-EcoRI フラグメントをそれから単離した。次いでこの4.3 kbp EcoRI-EcoRI フ
ラグメントをpBSLK2(その構築が欧州特許出願第517,292 号明細書に記載されて
いる)のEcoRI 部位にサブクローン化して、プラスミドpECOM を得た。次いでpE
COMをEcoRI 及びSacIで二重消化にかけ、EcoRI M フラグメントの一部を含む1 k
bp EcoRI-SacIフラグメントをそれから単離した。次いでこのEcoRI-SacIフラグ
メントを、EcoRI 及びSacIで既に消化されたプラスミドpBSLK1(実施例3を参照
のこと)中でサブクローン化した。pECOMd1 と称される得られたプラスミドはEc
oRI M フラグメントの一部を含んでいた。
移入プラスミドpdgGを以下のようにして得た。pECOM をSacI及びAvaIで消化し
、T4 DNAポリメラーゼで処理し、次いでBamHI で消化した。次いで1.1 kbp SacI
-BamHI pECOM フラグメントをそれから単離した。次いでこの1.1 kbp SacI- Bam
HIフラグメントをBamHI で既に消化されたプラスミドpECOMd1 中でクローン化し
、T4 DNAポリメラーゼで処理し、次いでBgIII で消化した。得られたpdgG移入プ
ラスミドは外来遺伝子の挿入のための特異なBamHI 部位を含む。この部位は、pd
gGプラスミドの部分配列決定及びその他のヘルペスウイルスの公表されたgG遺伝
子配列(例えば、HSV-1 につき受理番号X14112、D00317及びD00374、またEHV-1
につきM86664としてゲンバンク核酸配列データバンクで入手し得るヌクレオチド
配列)との比較から演繹されるように、gG遺伝子中に配置される。
実施例5−外来遺伝子の発現遺伝子を有する中間プラスミドの構築
発現シグナルを有する6種の異なるプラスミド:pSV40 ポリAE、pSV40 ポリAL
、pHCMV ポリAE、pHCMV ポリAL、pRSVポリAE及びpRSVポリALを構築した。
pSV40 ポリAE及びpSV40 ポリALはシミアンウイルス40(SV40)初期プロモーター
配列を含む。ポリアデニル化シグナル配列として、pSV40 ポリAEはSV40初期転写
ポリアデニル化配列を含み、またpSV40 ポリALはSV40後期転写ポリアデニル化配
列を含む。
pHCMV ポリAE及びpHCMV ポリALはヒトサイトメガロウイルス主要即時初期遺伝
子プロモーター(HCMVIE)配列並びに夫々、SV40初期ポリアデニル化シグナル及び
SV40後期ポリアデニル化シグナルを含む。
pRSVポリAE及びpRSVポリALはラウス肉腫レトロウイルス(RSV)長末端リピート(
LTR)プロモーター並びに夫々、SV40初期及び後期の転写及びポリアデニル化配列
を含む。
SV40配列を市販のプラスミドpSVK3(ファーマシア、カタログ番号274511)から
得た。
HCMVIE配列を市販のプラスミドpOG44(ストラタゲン、カタログ番号218401)か
ら得た。
RSV プロモーター配列を市販のプラスミドpOPI3CAT(ストラタゲン、LAC スイ
ッチ(商標)誘導哺乳類発現系、カタログ番号217450)から得た。
発現シグナルを有するプラスミドは、前記発現シグナルの制御のもとに発現さ
れるべきである外来ペプチドをコードするコード配列のその中のその後の挿入を
可能にするために、プロモーターとポリアデニル化配列の間に配置された特異な
BgIII 部位を含む。これらの発現シグナル及びペプチドコード配列の両方を有す
る遺伝子発現カセットを、その後、BcI-BamHI フラグメントで単離し、pdTKまた
はpdgGのBamHI 部位に挿入できる。
pSV40 ポリAEの詳細な説明
pSV40 ポリAEを、供給業者の推奨(バイオラド ムタ−ジーンファージミド試
験管内突然変異誘発キット、カタログ番号170-3581)に従って、pSVK3 ウラシル
化一本鎖DNAにつき行った部位誘導突然変異誘発により構築した。下記の4種
の合成プライマー(ユーロゲンテック)を使用して突然変異誘発を行った。
得られたプラスミドはpSVK3mutであった。次いでpSVK3mutをBgIII で消化し、
中間部の約1 kbp BgIII フラグメントをそれから除去するために自己連結して、
pSV40 ポリAEを生じた(図3を参照のこと)。
プラスミド座標 配列の性質及び起源
1-22 SV40配列;pSVK3 からのヌクレオチド1〜22
23-28 TGATCAリンカー配列
29-350 SV40起源及び初期プロモーター
(プラスミドpSVK3 からのヌクレオチド23〜344)
351-356 AGATCTリンカー配列
357-468 SV40初期転写ポリアデニル化配列
(pSVK3 からのヌクレオチド1295〜1406)
469-2981 pSVK3 からのベクター配列(ヌクレオチド1407〜3919を含
む)
pSV40 ポリALの詳細な説明
pSVK3mutをBgIII で消化し、中間部の約1 kbp BgIII フラグメントを反転する
ために自己連結して、pSVK3muti を生じた。次いでpSVK3muti をBamHI で消化し
、自己連結して中間部の1 kbp 及び0.2 kbp のBamHI フラグメントをそれから除
去した。得られたプラスミドはpSV40 ポリALである(図4を参照のこと)。
プラスミド座標 配列の性質及び起源
1-22 SV40配列(pSVK3 からのヌクレオチド1〜22)
23-28 TGATCAリンカー配列
29-350 SV40起源及び初期プロモーター
(プラスミドpSVK3 からのヌクレオチド23〜344)
351-356 AGATCTリンカー配列
357-450 SV40後期転写ポリアデニル化配列
(pSVK3 からのヌクレオチド1294〜1201)
451-2969 pSVK3 からのベクター配列(ヌクレオチド1401〜3919を含
む)
pHCMV ポリAEの詳細な説明
最初に、pOG44 をAvaIで消化し、T4 DNAポリメラーゼで処理し、最後にXbaIで
消化した。次いで、HCMVIE配列を含む約0.9 kbp XbaI-AvaI フラグメントを同定
し、それから単離した。次いでこの0.9 kbp XbaI-AvaI フラグメントをpBSLK2(
欧州特許出願第517,292 号明細書に記載されたようにして得た)のSmaI-XbaI部
位にクローン化して、pHCMV を生じた。次いでウラシル化一本鎖DNAをpHCMV
から調製し、下記の合成プライマーを用いる部位誘導突然変異誘発のための鋳型
として使用した。
得られたプラスミドはpHCMVmutであった。次いでpHCMVmutをBclI及びBgIII で
消化し、約0.6 kbp BclI-BgIIIフラグメントを同定し、それから単離した。次い
で0.6 kbp BclI-BgIIIフラグメントをpSV40 ポリAEからの2.6 kbp BclI-BgIIIフ
ラグメント中でクローン化して、pHCMV ポリAEを生じた(図5を参照のこと)。
プラスミド座標 配列の性質及び起源
1-22 pSVK3 からのベクター配列(ヌクレオチド1〜22を含む)
23-28 TGATCAリンカー配列
29-616 ヒトサイトメガロウイルス即時初期遺伝子プロモーター
配列(pOG44 からのヌクレオチド361〜948)
617-630 ヒトサイトメガロウイルス即時初期遺伝子配列(ヌクレオ
チド1129〜1142を含む)から得られたGTTTAGTGAACCGT(配
列番号11)
631-636 AGATCTリンカー配列
637-748 SV40初期転写ポリアデニル化配列(pSVK3 からのヌクレオ
チド1295〜1406)
749-3261 pSVK3 からのベクター配列(ヌクレオチド1407〜3919を含
む)
ヒトサイトメガロウイルス即時初期遺伝子プロモーターに関する座標はEMBL核
酸配列データバンクで入手できる配列、受理番号X03922を表す。
pHCMV ポリALの詳細な説明
pHCMVmutをBclI及びBgIII で消化することによりpHCMV ポリALを調製し、約0.
6 kbp BclI-BgIIIフラグメントを同定し、それから単離した。次いで0.6 kbp Bc
lI-BgIIIフラグメントをpSV40 ポリALからの2.6 kbp BclI-BgIIIフラグメント中
でクローン化して、pHCMV ポリALを生じた(図6を参照のこと)。
プラスミド座標 配列の性質及び起源
1-22 pSVK3 からのベクター配列(ヌクレオチド1〜22を含む)
23-28 TGATCAリンカー配列
29-616 ヒトサイトメガロウイルス即時初期遺伝子プロモーター
配列(pOG44 からのヌクレオチド361〜948)
617-630 ヒトサイトメガロウイルス即時初期遺伝子配列(ヌクレオ
チド1129〜1142を含む)からのGTTTAGTGAACCGT配列
631-636 AGATCTリンカー配列
637-730 SV40後期転写ポリアデニル化配列(pSVK3 からのヌクレオ
チド1294〜1201)
731-3249 pSVK3 からのベクター配列(ヌクレオチド1401〜3919を含
む)
ヒトサイトメガロウイルス即時初期遺伝子プロモーターに関する座標はEMBL核
酸配列データバンクで入手できる配列、受理番号X03922を表す。
pRSVポリALの詳細な説明
pOPI3CAT(ストラタゲン、カタログ番号217450)をBstXI で消化し、T4 DNAポ
リメラーゼで処理し、続いてBgIII で消化し、RSV LTR プロモーター配列を含む
約0.6 kbp フラグメントを同定し、それから単離した。次いでこの0.6 kbp フラ
グメントを、SpeIで既に消化されたpHCMVLACE(実施例6に以下に記載されたよう
にして得られた)の約5.7 kbp フラグメント中にクローン化し、T4 DNAポリメラ
ーゼで処理し、最後にBgIII で消化した。得られたプラスミドはpRSVLACEである
。次いでpRSVLACEをBgIII 及びScaIで消化し、約2.2 kbp BgIII-ScaIフラグメン
トを同定し、それから単離した。次いでこの2.2 kbp BgIII-ScaIフラグメントを
pSV40 ポリALの約1.1 kbp BgIII-ScaIフラグメント中にクローン化して、pRSVポ
リALを生じた(図7を参照のこと)。
プラスミド座標 配列の性質及び起源
1-22 SV40配列(pSVK3 からのヌクレオチド1〜22を含む)
23-28 TGATCAリンカー配列
29-50 ヒトサイトメガロウイルス即時初期遺伝子プロモーター
配列(pOG44 からのヌクレオチド541 〜562を含む)
51-621 RSV プロモーター配列(pOPI3CAT からのBstXI-BgIII フラ
グメント)
622-715 SV40後期転写ポリアデニル化配列(pSVK3 からのヌクレオ
チド1294〜1201)
716-3234 pSVK3 からのベクター配列(ヌクレオチド1407〜3919を含
む)
ヒトサイトメガロウイルス即時初期遺伝子プロモーターに関する座標はEMBL核
酸配列データバンクで入手できる配列、受理番号X03922を表す。
pRSVポリAEの詳細な説明
pRSVLACEをBgIII 及びScaIで消化し、約2.2 kbp BgIII-ScaIフラグメントを同
定し、それから単離した。次いでこの2.2 kbp BgIII-ScaIフラグメントをpSV40
ポリAEの約1.1 kbp BgIII-ScaIフラグメント中にクローン化して、pRSVポリAEを
生じた(図8を参照のこと)。
プラスミド座標 配列の性質及び起源
1-22 SV40配列(pSVK3 からのヌクレオチド1〜22を含む)
23-28 TGATCAリンカー配列
29-50 ヒトサイトメガロウイルス即時初期遺伝子プロモーター
配列(pOG44 からのヌクレオチド541 〜562 を含む)
51-621 RSV プロモーター配列(pOPI3CAT からのBstXI-BgIII フラ
グメント)
622-733 SV40初期転写ポリアデニル化配列(pSVK3 からのヌクレオ
チド1295〜1406)
734-3246 pSVK3 からのベクター配列(ヌクレオチド1407〜3919を含
む)
ヒトサイトメガロウイルス即時初期遺伝子プロモーターに関する座標はEMBL核
酸配列データバンクで入手できる配列、受理番号X03922を表す。
実施例6−LacZ発現カセットを有するpSVLACE 及びpHCMVLACE 中間プラスミド の構築
FHV-1 ゲノムへのFIPV遺伝子(以下に詳しく説明される)のペプチドコード配
列の発現カセットと共にLacZ発現カセットの同時挿入は組換えウイルスのスクリ
ーニングを促進する。
LacZ発現カセットを有する2種の中間プラスミド:pSVLACE(図9を参照のこと
)及びpHCMVLACE(図10を参照のこと)を、スクリーニングを促進するために構築し
た。これらのプラスミドを、pSV40 ポリAE(pSVLACE を得るため)及びpHCMV ポ
リAE(pHCMVLACE を得るため)の特異なBgIII 部位へのLacZコード配列の一部を
含む約3.1 kbp BgIII-BamHI フラグメント(BgIII 及びBamHI によるpBSMUTLACZ
2の二重消化及びそれからの単離により得られた)の挿入により得た。
プラスミドpBSMUTLACZ2 は、LacZ遺伝子中に配置されたBclI部位が部位誘導突
然変異誘発により除去されたプラスミドpBSMUTLACZ1 の誘導体(欧州特許出願第
517,292 号明細書に記載されている)である。
実施例7−pdTKSVLAC 、pdTKCMVLAC、pdgGSVLAC 及びpdgGCMVLACコトランスフ ェクションプラスミドの構築
4種のLacZコトランスフェクションプラスミドを、以下に説明される予防接種
研究における対照としての使用のためのFHV-1 ウイルスDNAによるコトランス
フェクションのために構築した。これらのLacZコトランスフェクションプラスミ
ドはpdTKSVLAC(図11を参照のこと)、pdTKCMVLAC(図12を参照のこと)、pdgGSVL
AC 及びpdgGCMVLACである。
pdTKSVLAC 及びpdgGSVLAC を、夫々、pdTK(実施例3に上記されたようにして
得られた)及びpdgG(実施例4に上記されたようにして得られた)の特異なBamH
I部位への約3.5 kbp BclI-BamHI LacZ 発現カセット(pSVLACE からBclI及びBam
HIによるその二重消化により誘導された)の挿入により得た。
pdTKCMVLAC及びpdgGCMVLACを、夫々、pdTK(実施例3に上記されたようにして
得られた)及びpdgG(実施例4に上記されたようにして得られた)の特異なBamH
I部位への約3.8 kbp BclI-BamHI LacZ 発現カセット(実施例6に上記されたよ
うにして得られたpHCMVLACE からBclI及びBamHI によるその二重消化により誘導
された)の挿入により得た。
実施例8−SMまたはM発現カセットを有するpHCMVM、pHCMVMS 、pRSVM 及びpR SVMS中間プラスミドの構築
FIPV SM タンパク質及びFIPV Mタンパク質をコードする配列をプラスミドB12
((3)及び欧州特許出願第441684号明細書により記載されている)から得、単離
した。次いでこれらのSMコード配列及びMコード配列を、SM発現カセットまたは
M発現カセットを有する中間プラスミドpHCMVM、pHCMVMS 、pRSVM 及びpRSVMSを
生じるためにpHCMV ポリALまたはpRSVポリAL中でサブクローン化した。
SMコード配列及びMコード配列を含むプラスミドB12 からのフラグメントを、
1.3 kbp HincII-HindIIIフラグメントを生じるHincII及びHindIII によるプラス
ミドB12 の二重消化及びその単離により得た。次いでこの1.3 kbp HincII-HindI
II フラグメントをpBSLK2(欧州特許出願第517,292 号明細書を参照のこと)のH
incII-HindIII部位中でクローン化して、プラスミドB12 からのSMコード配列及
びMコード配列をまた有するpBSMを生じた。
SM遺伝子またはM遺伝子を含むDNAフラグメントを、以下に説明されるよう
にしてpBSMにつき行ったポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により生産した。PCR に使
用したプライマー(ユーロゲンテック、ベルギー)は、Mフラグメント
SMフラグメント
であった。
増幅後に、PCR 産物をBamHI 及びBgIII で消化して、下記のフラグメント(発
現プラスミドのBgIII 部位におけるそれらのその後のクローニングを促進するた
めにその端に制限部位を有する)を生じ、次いでこれらをアガロースゲルで単離
し、精製した。
クローン化フラグメントの5'末端及び3'末端の配列は以下のとおりである。SMフラグメント(0.3 kbp)
Mフラグメント(0.8 kbp)
次いで以下のようにして上記のSMコード配列及びM配列を使用してpHCMVMS 、
pHCMVM、pRSVMS及びpRSVM を構築した。
pHCMVMS(図13を参照のこと)を実施例5に上記されたpHCMV ポリALのBgIII 部位
への約0.3 kbp BgIII-BamHI SMフラグメントの挿入により構築した。
pHCMVM(図14を参照のこと)を実施例5に上記されたpHCMV ポリALのBgIII 部位
への約0.8 kbp BamHI-BamHI Mフラグメントの挿入により構築した。
pRSVMS(図15を参照のこと)を実施例5に上記されたpRSVポリALのBgIII 部位へ
の約0.3 kbp BgIII-BamHI SMフラグメントの挿入により構築した。
pRSVM(図16を参照のこと)を実施例5に上記されたpRSVポリALのBgIII 部位への
約0.8 kbp BamHI-BamHI Mフラグメントの挿入により構築した。
実施例9−pdTKMLAC、pdTKMSLAC 、pdTKRSVMLAC 及びpdTKRSVMSLACコトランス フェクションプラスミドの構築
M発現カセットを含む約1.5 kbp BclI-BamHIフラグメントをpHCMVM(実施例8
に上記されたようにして得られた)から単離した。同様に、SM発現カセットを含
む約0.9 kbp BclI-BamHIフラグメントをpHCMVMS(実施例8に上記されたようにし
て得られた)から単離した。
次いでM発現カセット及びSM発現カセットの夫々を夫々のpdTKプラスミド(実
施例3に上記されたようにして得られた)のBamHI 部位でクローン化し、夫々、
pdTKHCMVM(図17を参照のこと)及びpdTKHCMVMS(図18を参照のこと)を得た。所
望により、これらのプラスミドの夫々を、組換えウイルスベクターを生産するた
めにFHV-1 ウイルスDNAによるコトランスフェクションに使用し得る。
これらのプラスミド及びFHV-1 ウイルスDNAによるコトランスフェクション
後の組換えウイルスのスクリーニングを促進するためのマーカーを得るために、
3.5 kbp BclI-BamHI LacZ 発現カセットをBclI及びBamHI によるpSVLACE(実施例
6に上記されたようにして得られた)の二重消化により得、それから単離した。
次いで夫々の3.5 kbp BclI-BamHI LacZ 発現カセットをpdTKHCMVM 及びpdTKHCMV
MSの特異なBamHI 部位にクローン化して、夫々、コトランスフェクションプラス
ミドpdTKMLAC(図19を参照のこと)及びpdTKMSLAC(図20を参照のこと)を得た。
M発現カセットを含む約1.5 kbp BclI-BamHIフラグメント及びSM発現カセット
を含む約0.9 kbp BclI-BamHIフラグメントをpRSVM 及びpRSVM(実施例8に上記さ
れたようにして得られた)から夫々単離した。次いでこれらのカセットを夫々のp
dTKプラスミド(実施例3に上記されたようにして得られた)のBamHI 部位中で
クローン化して、夫々pdTKRSVM(図21を参照のこと)及びpdTKRSVMS(図22を参照
のこと)を生じた。所望により、これらのプラスミドの夫々は、組換えウイルス
ベクターを生産するためにFHV-1 ウイルスDNAによるコトランスフェクション
に使用し得る。
これらのプラスミド及びFHV-1 ウイルスDNAによるコトランスフェクション
後の組換えウイルスのスクリーニングを促進するためのマーカーを得るために、
3.8 kbp BclI-BamHI LacZ 発現カセットをBclI及びBamHI によるpHCMVLACE(実施
例6に上記されたようにして得られた)の二重消化により得、それから単離した
。次いで夫々の3.8 kbp BclI-BamHI LacZ 発現カセットをpdTKRSVM及びpdTKRSVM
Sの特異なBamHI 部位にクローン化して、夫々、コトランスフェクションプラス
ミドpdTKRSVMLAC(図23を参照のこと)及びpdTKRSVMSLAC(図24を参照のこと)を生
じた。
実施例10−pdgGMLAC及びpdgGMSLAC コトランスフェクションプラスミドの構築
M発現カセットを含む約1.5 kbp BclI-BamHIフラグメントをpHCMVM(実施例8
に上記されたようにして得られた)から単離した。同様に、SM発現カセットを含
む約0.9 kbp BclI-BamHIフラグメントをpHCMVMS(実施例8に上記されたようにし
て得られた)から単離した。
次いでM発現カセット及びSM発現カセットの夫々を夫々のpdgGプラスミド(実
施例4に上記されたようにして得られた)のBamHI 部位中でクローン化して、夫
々、pdgGHCMVM 及びpdgGHCMVMSを生じた。所望により、これらのプラスミドの夫
々は、組換えウイルスベクターを生産するためにFHV-1 ウイルスDNAによるコ
トランスフェクションに使用し得る。
これらのプラスミド及びFHV-1 ウイルスDNAによるコトランスフェクション
後の組換えウイルスのスクリーニングを促進するためのマーカーを得るために、
BclI-BamHI LacZ 発現カセットを含む約3.5 kbp BclI-BamHIフラグメントをBclI
及びBamHI によるpSVLACE(実施例6に上記されたようにして得られた)の二重消
化により得、それから単離した。次いで夫々の3.5 kbp BclI-BamHIフラグメント
をpdgGHCMVM 及びpdgGHCMVMSのBamHI 部位にクローン化して、夫々、コトランス
フェクションプラスミドpdgGMLAC及びpdgGMSLAC を生じた。
実施例11−S発現カセットを有するpHCMVS及びpRSVS 中間プラスミドの構築
FIPVスパイク(S)コード配列((4)及び欧州特許出願第264,979 号明細書の両方
に記載されている)を含むpUCE2((4)に記載されている)をBamHI で消化し、全S
コード配列を有する約4.3-4.4 kbp BamHI フラグメントをそれから単離した。
次いでこの4.3-4.4 kbp BamHI フラグメントをpHCMV ポリAL(実施例5に上記
されたようにして得られた)のBgIII 部位中でクローン化して、pHCMVS(図25を
参照のこと)を生じた。
同様にまた、この4.3-4.4 BamHI フラグメント(pUCE2 から)をpRSVポリAL(
実施例5に上記されたようにして得られた)のBgIII 部位中でクローン化してpR
SVS(図26を参照のこと)を生じた。
実施例12−pdTKSLAC、pdgGSLAC及びpdTKRSVSLAC コトランスフェクションプラ スミドの構築
約5.2 kbp のBclI-BamHI S発現カセットをBclI及びBamHI によるpHCMVS(実施
例11に上記されたようにして得られた)の二重消化により得、それから単離した
。次いでこれらの5.2 kbp BclI-BamHI発現カセットをpdTK(実施例3に上記され
たようにして得られた)のBamHI 部位、またpdgG(実施例4に上記されたように
して得られた)のBamHI 部位に挿入して、夫々、pdTKHCMVS(図27を参照のこと)
及びpdgGHCMVS を得た。所望により、これらのプラスミドの夫々は、組換えウイ
ル
スベクターを生産するためにFHV-1 ウイルスDNAによるコトランスフェクショ
ンに使用し得る。
これらのプラスミド及びFHV-1 ウイルスDNAによるコトランスフェクション
後の組換えウイルスのスクリーニングを促進するためのマーカーを得るために、
pSVLACE(実施例6に上記されたようにして得られた)から単離された夫々の3.5 k
bp BclI-BamHI LacZ 発現カセットを、その後、pdTKHCMVS 及びpdgGHCMVS のBam
HI 部位に挿入して、夫々、コトランスフェクションプラスミドpdTKSLAC(図28
を参照のこと)及びpdgGSLACを生じた。
別のコトランスフェクションプラスミドを、最初にpRSVS(実施例11に上記され
たようにして得られた)から単離された5.2 kbp BclI-BamHI S発現カセットをプ
ラスミドpdTKのBamHI 部位に挿入して、pdTKRSVS(図29を参照のこと)を生じる
ことにより構築した。所望により、このプラスミドは、組換えウイルスベクター
を生産するためにFHV-1 ウイルスDNAによるコトランスフェクションに使用し
得る。
このプラスミド及びFHV-1 ウイルスDNAによるコトランスフェクション後の
組換えウイルスのスクリーニングを促進するためのマーカーを得るために、pHCM
VLACE(実施例6に上記されたようにして得られた)から単離された3.8 kbp BclI-
BamHI LacZ 発現カセットを、その後、pdTKRSVSのBamHI 部位に挿入して、コト
ランスフェクションプラスミドpdTKRSVSLAC(図30を参照のこと)を生じた。
実施例13−delS発現カセットを有するpHCMVSIG及びpRSVSIG 中間プラスミドの 構築
次いでpHCMVSIGを、シグナルペプチドがそれから欠失されたFIPV Sタンパク質
(シグナル配列欠失S遺伝子)の発現のために、下記のようにして調製し、その
結果、Sタンパク質はそのN末端シグナル配列を含まないでそれにより生産され
る。
最初に、FIPVスパイク(S)タンパク質のコード配列を含むpHMCMVS(実施例11に
上記されたようにして得られた)を鋳型として使用して下記のプライマーFIPSIG1
及びFIPSIG2(ユーロゲンテック、ベルギー)を用いるPCR 増幅を行った。これら
のプライマーから開始して、約0.5 kbp DNAフラグメントをPCR(パーキン
エルマー)により増幅した。
増幅した約0.5 kbp フラグメントをpBSLK1(欧州特許出願第517,292 号明細書
に記載されている)のSmaI部位中でクローン化してpBSMUTS を生じた。次いでプ
ラスミドpHCMVSの約0.5 kbp SacII-EcoRI フラグメントをpBSMUTS からの約0.4
kbp Sac II-EcoRIフラグメントと交換して、Sタンパク質のシグナルペプチドが
欠失されているpHCMVSIG(図31を参照のこと)を生じた。
次いでまた、RSV プロモーターの制御下のシグナルペプチド欠失Sタンパク質
の発現のためのプラスミドを構築した。pHCMVSIGをSacII 及びBamHI による二重
消化にかけて、約4.5 kbp SacII-BamHI フラグメントをそれから単離した。また
、pRSVS(実施例11に上記されたようにして得られた)をSacII 及びBamHI による
二重消化にかけて、pRSVS の約3.2 kbp SacII-BamHI フラグメントをそれから単
離した。次いで4.5 kbp SacII-BamHI フラグメントを3.2 kbp SacII-BamHI フラ
グメントとつないで、pRSVSIG(図32を参照のこと)を生じた。
実施例14−pdTKSIGLAC、pdTKRSVSIGLAC 及びpdgGSIGLACコトランスフェクショ ンプラスミドの構築
シグナル配列欠失S遺伝子の3種のコトランスフェクションプラスミドを構築
した。
FHV-1 チミジンキナーゼ中の挿入のための第一コトランスフェクションプラス
ミドを以下のようにして構築した。約5.1 kbp BclI-BamHIシグナル配列欠失S遺
伝子発現カセットをpHCMVSIG(実施例13に上記されたようにして得られた)から
単離し、pdTK(実施例3に上記されたようにして得られた)のBamHI 部位にクロ
ーン化して、pdTKHCMVSIG(図33を参照のこと)を生じた。所望により、このプラ
スミドは、組換えウイルスベクターを生産するためにFHV-1 ウイルスDNAによ
るコトランスフェクションに使用し得る。
このプラスミド及びFHV-1 ウイルスDNAによるコトランスフェクション後の
組換えウイルスのスクリーニングを促進するためのマーカーを得るために、pSVL
ACE(実施例6に上記されたようにして得られた)からの3.5 kbp BclI-BamHI LacZ
発現カセットを、その後に得て、pdTKHCMVSIG のBamHI 部位に挿入して、コト
ランスフェクションプラスミドpdTKSIGLAC(図34を参照のこと)を得た。
FHV-1 チミジンキナーゼ遺伝子中の挿入のための第二コトランスフェクション
プラスミドを以下のようにして構築した。約5.1 kbp BclI-BamHIシグナル配列欠
失S遺伝子発現カセットをpRSVSIG(実施例13に上記されたようにして得られた)
から単離し、pdTK(実施例3に上記されたようにして得られた)のBamHI 部位に
クローン化して、pdTKRSVSIG(図35を参照のこと)を生じた。所望により、この
プラスミドは、組換えウイルスベクターを生産するためにFHV-1 ウイルスDNA
によるコトランスフェクションに使用し得る。
このプラスミド及びFHV-1 ウイルスDNAによるコトランスフェクション後の
組換えウイルスのスクリーニングを促進するためのマーカーを得るために、pHCM
VLACE(実施例6に上記されたようにして得られた)からの3.8 kbp BclI-BamHI La
cZ発現カセットをその後pdTKRSVSIGのBamHI 部位に挿入して、コトランスフェク
ションプラスミドpdTKRSVSIGLAC(図36を参照のこと)を生じた。
FHV-1 gG遺伝子中の挿入のための第三コトランスフェクションプラスミドを以
下のようにして構築した。約5.1 kbp BclI-BamHIシグナル配列欠失S遺伝子発現
カセットをpHCMVSIG(実施例13に上記されたようにして得られた)から単離し、
pdgG(実施例4に上記されたようにして得られた)のBamHI 部位にクローン化し
て、pdgGHCMVSIG を生じた。所望により、このプラスミドは、組換えウイルスベ
クターを生産するためにFHV-1 ウイルスDNAによるコトランスフェクションに
使用し得る。
このプラスミド及びFHV-1 ウイルスDNAによるコトランスフェクション後の
組換えウイルスのスクリーニングを促進するためのマーカーを得るために、pSVL
ACE(実施例6に上記されたようにして得られた)からの3.5 kbp BclI-BamHI LacZ
発現カセットをその後pdgGHCMVSIG のBamHI 部位に挿入して、コトランスフ
ェクションプラスミドpdgGSIGLACを生じた。
実施例15−ADEエピトープ欠失S発現カセットを有するpHCMVSDAD 及びpRSVSDA D中間プラスミドの構築
本発明者らがSタンパク質の抗体依存性強化(ADE)エピトープコード配列であ
ると考えるものの欠失を、供給業者の推奨(バイオラド ムタ−ジーン ファー
ジミド試験管内突然変異誘発キット、カタログ番号170-3581)に従って、ウラシ
ル化一本鎖pHCMVS(実施例11に上記されたようにして得られた)DNAに対する
部位誘導突然変異誘発により直接行った。下記の4種の合成プライマー(ユーロ
ゲンテック)を使用して突然変異誘発を行った。
生じたプラスミド、pHCMVSDAD(図37を参照のこと)は、Sタンパク質のDエピ
トープ、A1エピトープ及びA2エピトープがそれから欠失されていた。
また、RSV プロモーターの制御下のADE エピトープ欠失Sタンパク質の発現の
ためのその他のプラスミド、pRSVSDAD(図38を参照のこと)を、PstI及びBamHI
によるpHCMVSDAD(実施例15に上記されたようにして得られた)の二重消化及びそ
れからの単離により約3.5 kbp PstI-BamHIフラグメント(S発現カセットを有す
る)を得ることにより構築した。約4.2 kbp PstI-BamHIフラグメントをPstI及び
BamHI によるpRSVS(実施例11に上記されたようにして得られた)の二重消化及び
それからの単離により得た。
次いで3.5 kbp PstI-BamHIフラグメントをpRSVS の4.2 kbp PstI-BamHIフラグ
メントでクローン化して、ADE エピトープ欠失S発現カセットを含むpRSVSDADを
生じた。
実施例16−pdTKSDADLAC 、pdgGSDADLAC 及びpdTKRSVSDADLACコトランスフェク ションプラスミドの構築
夫々のADE エピトープ欠失S発現カセットを含む約5.1 kbp BclI-BamHIフラグ
メントをBclI及びBamHI によるpHCMVSDAD 及びpRSVSDAD(これらの両方が実施例
15に上記されたようにして得られた)の夫々の二重消化及びそれからのフラグメ
ントの単離により得た。
次いでpHCMVDADからの夫々の5.1 kbp BclI-BamHIフラグメントを、pdTK(実施
例3に上記されたようにして得られた)のBamHI 部位及びpdgG(実施例4に上記
されたようにして得られた)のBamHI 部位に挿入して、夫々、pdTKHCMVSDAD(図
39を参照のこと)及びpdgGHCMVSDADを生じた。所望により、これらのプラスミド
は、組換えウイルスベクターを生産するためにFHV-1 ウイルスDNAによるコト
ランスフェクションに使用し得る。
これらのプラスミド及びFHV-1 ウイルスDNAによるコトランスフェクション
後の組換えウイルスのスクリーニングを促進するためのマーカーを得るために、
夫々の約3.5 kbp BclI-BamHI LacZ 発現カセットをその後pSVLACE(実施例6に上
記されたようにして得られた)から単離し、続いてpdTKHCMVSDAD及びpdgGHCMVSDA
DのBamHI 部位中でクローン化して、夫々、コトランスフェクションプラスミドp
dTKSDADLAC(図40を参照のこと)及びpdgGSDADLAC を得た。
pRSVSDADからの夫々の5.1 kbp BclI-BamHIフラグメントをpdTK(実施例3に上
記されたようにして得られた)のBamHI 部位でクローン化して、pdTKRSVSDAD(図
41を参照のこと)を生じた。所望により、このプラスミドは、組換えウイルスベ
クターを生産するためにFHV-1 ウイルスDNAによるコトランスフェクションに
使用し得る。
このプラスミド及びFHV-1 ウイルスDNAによるコトランスフェクション後の
組換えウイルスのスクリーニングを促進するためのマーカーを得るために、pHCM
VLACE(実施例6に上記されたようにして得られた)からの3.8 kbp BclI-BamHI La
cZ発現カセットをpdTKRSVSDAD のBamHI 部位に挿入して、コトランスフェクショ
ンプラスミドpdTKRSVSDADLAC(図42を参照のこと)を生じた。
実施例17−FHV-1 組換え生キャリヤーの生産
次いで組換え生キャリヤーを精製FHV-1 DNA(実施例2に記載されたようにして
得られた)及びコトランスフェクションプラスミドpdTKCMVLAC(図42を参照のこ
と)(これは実施例7に上記されたようにして得られた)によるCRFK細胞(実施例
1を参照のこと)のコトランスフェクション(以下に記載されるような)により
得た。
トランスフェクションを供給業者の推奨に従ってリポフェクチン試薬(ギブコB
RL)を用いて行った。クランデルネコ科腎臓(CRFK)細胞を、血清が省かれ、リポ
フェクチン20〜25μg 、ウイルスDNA1〜15μg 及びプラスミド/ウイルスD
NAモル比1〜20を与えるのに必要な量のプラスミドDNAを添加した実施例1
に上記された培地中で25cm2のフラスコ中で、50%〜80%の集密度(目視測定し
た)でトランスフェクトした。製造業者の仕様に従って、全容積は培地約1.8 ml
であった。トランスフェクションの期間は5〜24時間であった。
トランスフェクション後に、夫々の試料のトランスフェクション培地を除去し
、CRFK培地約5mlと交換した。次いで細胞を37℃で48時間インキュベートした。
続いて細胞をトリプシン処理後に75cm2のフラスコに通し、細胞変性効果が目視
観察されるまで37℃で再度インキュベートした。
次いで細胞及び培地を凍結−解凍の1サイクル後に回収した。このウイルス株
をトランスフェクション株と称する。
組換えFHV-1 ウイルスの存在に関するトランスフェクション株のスクリーニン
グはLacZ遺伝子の発現に基いていた。組換えウイルスを含むプラークを以下のよ
うにして簡単なプラークアッセイにより視覚化した。
CRFK細胞を25cm2のペトリ皿中で約50%の集密度(目視測定した)で増殖培地
(実施例1を参照のこと)中に接種し、次いでトランスフェクション株(上記さ
れた)の約103〜104の感染性ウイルス粒子で感染させた。
37℃で約5〜8時間にわたる3%のCO2と一緒のインキュベーション後に、液
体増殖培地を除去し、水に融解した2%(w/v)のアガロース(シー・プラーク(商
標)アガロース、FMC バイオプロダクツ、USA)1容積と50%(v/v)の培地199 2x(
ギブコBRL)、2.5 %(v/v)のラクトアルブミン加水分解産物(ギブコBRL)、5%(v
/v)のウシ胎児血清(ギブコBRL)及び15mMのHEPES pH7.2 1容積の混合物5mlと交
換した。次いでウイルスプラークが発生するまで、ペトリ皿を約48時間にわたっ
て37℃で3%のCO2と一緒にインキュベートした。次いでペトリ
皿を、1%(w/v)の融解アガロース及び0.3 mg/ml のX-gal(5−ブロモ−4−ク
ロロ−3インドリル−β−D−ガラクトシド、ベーリンガー・マンハイム)を含
むPBS 溶液(ギブコBRL)2mlでオーバーレイした。
LacZコードされたβ−ガラクトシダーゼ酵素を発現するプラークは青色に変化
した。次いで青色のプラークをパスツールピペットでつついて、新しいCRFK細胞
に移し、均一性が得られるまで連続の青色のプラーク分離により精製した。次い
で組換えウイルスの大きい株を50%〜80%の集密度(目視観察した)及び0.01の
多重感染度におけるCRFK細胞の感染により生産した。
48〜72時間後に、細胞変性効果が殆ど完全であった時に、細胞及び増殖培地を
凍結及び解凍の1サイクルにかけた。次いで細胞懸濁液を500Gで10分間遠心分離
し、次いでウイルスを含む上澄みを回収した。次いでこの株をその後の予防接種
実験に使用した。
以上から、pdTKCMVLACを上記の様式で使用して、TKLAC と称される組換えFHV-
1 生キャリヤーが生成されたことがわかる。本発明の抗原活性タンパク質/ポリ
ペプチドを発現するその他の種々の組換え生キャリヤーの生産のために、実施例
1に上記されたようにして得られたFHV-1 ウイルスDNAを実施例7、9、10、
12、14及び16に上記された種々の上記のコトランスフェクションプラスミドで、
この実施例に丁度記載された様式でコトランスフェクトすることのみが単に必要
とされ、この場合、関係する抗原活性タンパク質/ポリペプチド(本発明のもの
を含む)はLacZ遺伝子を含むコトランスフェクションプラスミドにとり込まれ、
または関係する抗原活性タンパク質/ペプチド(本発明のものを含む)はLacZ遺
伝子に代えてコトランスフェクションプラスミドにとり込まれる。
実施例18−対照によるネコの予防接種
この実施例は、基準として、ネコ科の鼻気管炎に対する保護及びβ−ガラクト
シダーゼに対する免疫応答を使用してFHV/LACZ組換え体の予防接種力を評価する
ために設計された。これに関して、HCMVプロモーターの制御下にLacZ遺伝子を有
する、実施例17に上記されたようにして得られた組換えFHV-1 株(TKLAC と称さ
れる)を、ネコ予防接種試験で評価し、親株と比較した。
生後約10週の特定の病原体を含まない(SPF)ネコを、夫々の鼻孔にウイルス懸
濁液0.5 mlを適用することにより、実施例17に上記されたようにして得られたTK
LAC FHV-1 組換え体(LacZ グループ、5匹のネコ)、または実施例1に上記され
たようにして得られた親株(親グループ、5匹のネコ)の投薬量当たり約105.5T
CID50で3週間間隔で2回口鼻に予防接種した。第三グループ(対照グループ、
5匹のネコ)を、対照としてアール塩を含む最小必須培地(ギブコBRL 、カタロ
グ番号21090-010)からなるワクチン希釈液0.5 mlで夫々の鼻孔に接種した。
次いで三つのグループの夫々の標本の全てに第二予防接種の2週後に口鼻に抗
原投与した。これらの抗原投与を、夫々の鼻孔にウイルス懸濁液0.5 mlを適用す
ることにより、毒性FHV-1 株B927(これは単離され、(6)及び(7)により記載され
た)の約107TCID50で接種により行った。
平均直腸温度及び鼻気管炎の臨床上の兆候(食欲、鬱病、くしゃみ、眼鼻の排
泄物、潰瘍、過流涎、結膜炎、呼吸困難、歯肉炎、神経病の兆候、下痢)の発生
を抗原投与後2週間の期間にわたって監視した。夫々の臨床上の兆候を0(臨床
上の兆候の不在)〜5(非常にひどい臨床上の兆候)のスケールで任意にスコア
ーをつけた。
結果
ワクチンの二つのグループは抗原投与後の最初の2〜4日で軽度の発熱(本明
細書に使用される“発熱”という用語は39.2℃以上の温度と定義される)を示し
た(表1を参照のこと)。対照的に、対照グループは抗原投与後の3〜4日目及
び7〜8日目にひどい発熱を生じた。
抗原投与後のネコの臨床上のスコアリングの結果を表2に示す。対照は予想さ
れた広範囲の臨床上の兆候を示し、337 の高い合計スコアーを生じた。二つの予
防接種されたグループは対照グループと比較してスコアーの同じ強い低下を示し
、非常に軽度の臨床上の兆候はくしゃみ及び結膜炎を含んでいた。
臨床上の観察は、対照標本と比較して予防接種した標本において鼻気管炎の有
意な兆候を検出しなかった。
これらの結果は、TKLAC 組換え体が野生型ウイルスによる苛酷な抗原投与に対
しSPF ネコをかなり保護すること、そしてその保護が親ワクチン株で得られたの
と同じ位に良好であることを示す。
血液試料を実験の終了まで最初の予防接種の直前に採取した。血清をFHV-1 に
対する血清中和力価並びにFHV-1 及びβ−ガラクトシダーゼに特異性のIgG につ
き分析した。
表3は血清中和力価の発生を要約する。これらの値は全ての個々のネコ血清に
関する最高の血清中和希釈の逆に相当する。全ての予防接種されなかったネコは
抗原投与の前に血清反応陰性のままであった。全ての予防接種されたネコは最初
の予防接種後に血清変換し、その大半が第二予防接種後そして再度抗原投与後に
力価の小さい上昇を示した。
表4は血清IgA のELISA 分析を要約する。これらの値は平均光学密度x1000 を
表す。血清を全IgA 並びにFHV-1 及びβ−ガラクトシダーゼ(β-GAL)に特異性
のIgA につき試験した。特異性抗β-GAL IgAはTKLAC 組換え体で予防接種したグ
ループ中でかなりの増加(β−ガラクトシダーゼに対する血清力価)を示し、La
cZインサートが生体内で発現されることを示した。
本明細書に記載された(そして関係するタンパク質のコード配列を有する本発
明のコトランスフェクションプラスミドでFHV-1 ウイルスDNAによるコトラン
スフェクションにより形成された)組換え生キャリヤーは生体内で関係するタン
パク質を発現することができることが上記の結果から明らかである。それ故、こ
の組換え生キャリヤーは、生体内で発現されることが所望され得るその他のタン
パク質/ポリペプチドではなく本明細書に記載されたタンパク質/ポリペプチド
との使用に丁度適しないであろう。
実施例19−組換え生キャリヤーによるネコの予防接種
この実験は毒性FIPVによる抗原投与後にネコを保護する際の実施例17からのFI
PV/FHV組換え生キャリヤーの効力を評価するために設計される。
生後9〜10週の特定の病原体を含まないネコを予防接種する。別の予防接種を
最初の予防接種の3週間後に投与する。全ての予防接種を実施例17に上記された
ようにして得られた株からの組換えFIPV/FHVウイルスの105〜107TCID50/ネコで
鼻経路により行う。予防接種されなかったネコのグループは対照として利用でき
るであろう。最後の予防接種の2〜4週間後に、ネコに毒性FIPV株の102〜105TC
ID50/ ネコで抗原経口投与する。
FIP の臨床上の兆候を抗原投与後の連続8週にわたって評価する。血液試料を
実験の終了まで最初の予防接種の時点から毎週採取する。血清をFHV-1 に対する
血清中和力価及びβ−ガラクトシダーゼ特異性抗体につき分析する。
臨床上の観察は、予防接種された標本中のFIP の臨床上有意な兆候が存在しな
いか、または対照標本と比較して改善されることを示す。β−ガラクトシダーゼ
に対する血清力価を、対照の予防接種されなかった標本と比較して予防接種され
た標本中で評価する。
上記の結果は、予防接種された標本が免疫保護応答を示したことを示す。
本明細書に記載された全ての刊行物及び特許出願明細書は、夫々の個々の刊行
物または特許出願明細書が参考として含まれるように詳細かつ個々に示されたの
と同じ程度に参考として本明細書に含まれる。
本発明が充分に説明されたので、請求の範囲の精神及び/または範囲から逸脱
しないで、変化及び改良が本発明になし得ることは当業者に明らかであろう。
図面中に使用した略号のリスト
下記のものは図面中(出願明細書中)に使用された略号のリストである。
ori プラスミド複製開始点(ColE1)
ori F1 f1複製開始点
bla アンピシリン耐性を与えるβ−ラクタマーゼ遺伝子
LacZ E.coliβ−ガラクトシダーゼコード配列
HCMVp ヒトサイトメガロウイルス即時初期遺伝子プロモーター配列
RSVp ラウス肉腫ウイルス長末端リピートプロモーター配列
SV40p SV40初期プロモーター配列
Ae SV40初期転写ポリアデニル化シグナル
A1 SV40後期転写ポリアデニル化シグナル
M FIPVマトリックスタンパク質コード配列
MS FIPV小膜タンパク質コード配列
S FIPVスパイクタンパク質コード配列
SDAD FIPV抗体依存性強化エピトープ欠失スパイクタンパク質コード配列
SIG FIPVシグナル配列欠失スパイクタンパク質コード配列
FSu 5'上流挿入部位隣接配列
FSd 3'下流挿入部位隣接配列
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(51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI
C12P 21/02 9637−4B C12P 21/02 C
//(C12N 15/09 ZNA
C12R 1:92)
(C12P 21/02
C12R 1:92)
(72)発明者 コロー ディディエール
ベルギー ベー1390 グレーズ ドワソー
リュー ド ペティ サール 48
(72)発明者 ルー サランビアン フィリップ
フランス エフ‐75020 パリ リュー
プランシャ 42ビス