JPH09511120A - バイアス終端pnpトランジスタ連鎖を使用した静電放電保護回路 - Google Patents

バイアス終端pnpトランジスタ連鎖を使用した静電放電保護回路

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JPH09511120A JP7525249A JP52524995A JPH09511120A JP H09511120 A JPH09511120 A JP H09511120A JP 7525249 A JP7525249 A JP 7525249A JP 52524995 A JP52524995 A JP 52524995A JP H09511120 A JPH09511120 A JP H09511120A
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Abstract

(57)【要約】 ESD保護を必要とする装置において、バイアス回路網(26)を使用してダイオード連鎖を増大させてダイオードに小さいが有効な順方向電流を配送する。また、バイポーラICにおける信号の増幅のためではなくESD保護のためにPNPダーリントン利得ブロックを設けるカンチレバー・ダイオード(30)の使用も採用する。一実施形態では、終端が装置の新規性の主要要素であり、デバイスを「スタンド・アロン」にするものである。この終端は、限られた時間のあいだ利得ブロックに最終ベース電流を供給して、ESD電荷を無害にPNP連鎖に分流させることができるようにするが、この構造が安定電源から長期間電流を引き出さないように保証する。この構造全体が雑音スパイクとESDパルスを吸収することができる。終端には、標準化試験に必要なように、ESDパルス間にそのキャパシタを放電するための備えもある。本発明は、IC電源クランプとしての価値があり、徹底的なESD試験中にIC電源にしばしば見られる損傷を減少させる。

Description

【発明の詳細な説明】 バイアス終端PNPトランジスタ連鎖を使用した静電放電保護回路発明の分野 本発明は、静電放電保護回路の分野に関する。特定的には、本発明は、CMO S集積回路における電源バス間に保護を与える静電放電装置に係わる。発明の背景 静電荷の蓄積により、集積回路(IC)の近傍ではきわめて高い電圧(たとえ ば10,000ボルト以上)が発生する場合があることが、長年にわたり知られ ている。静電放電(ESD)とは、ICパッケージ上または人間やIC取扱い機 械など近くの物体上に静電荷が蓄積した結果、集積回路のパッケージ・ノードで 高電流で短期間の放電が生じる現象を指す。静電放電は、集積回路全体を使用不 能にしたり破壊したりする可能性があるため、半導体デバイスにとって重大な問 題である。ESD事象はパッケージ・ノードに装着されたシリコン回路に最も頻 繁に発生するため、回路設計者はこれらの敏感な回路の十分な保護機構を開発す ることに注力してきた。ESD保護装置は、非破壊的方式で短時間に大電流を通 すことによって、考えられるあらゆる静電放電からICを保護することができる ことが理想的である。 ESD回路の設計における1つの困難な点は、満たさなければならない性能要 件が厳しいことである。たとえば、ESD耐性を測定する主要な業界標準の1つ であるMIL−STD−883C方式3015.7通告8(1989年)および その後続のEOS/ESD協会の標準第5.1号(1993年)では、多数のピ ンと電源の組合せとなり得るものについてESD「ザップ」を要求している。従 来、ESD保護回路は、これらの厳しい軍標準性能要件を満たすと同時に十分な 耐雑音性を維持することが困難であった。 集積回路は、電源レールの反復ストレスのためにこれらの人体モデル(HBM )ESD試験を強制されており、その結果、たとえばVcc線上など様々なブレ ー クダウン点が損耗する。ESDストレスをかける間、Vccバスの残りの部分か ら電圧を取り除くために、信頼性のある電源クランプ装置が必要である。 以下でわかるように、本発明は、複数の電源の使用により、業界の性能目標を 超えると同時に十分な耐雑音余裕度と製品互換性の実現を可能にするESD保護 回路を提供する。 1993年10月15日に出願された係属出願第08/138472号は、静 電放電(ESD)から集積回路(IC)を保護する装置に関する。前記係属出願 に記載されている1つの装置の基本設計は、様々な異なる回路保護要件のために 実施することができる。たとえば、1つの実施形態では、開示されている装置を 使用して、入力バッファのみをESD事象から保護することができる。他の実施 形態では、集積回路の出力バッファを保護することができる。さらに他の実施形 態では、ESD保護回路を使用して、外部信号として入力信号の受信と出力信号 の供給の両方が可能な集積回路の端子を保護することができる。 各事例において、前記係属出願で開示されている装置は、集積回路の内部供給 電位間に結合されることが好ましい自己トリガ式シリコン制御整流デバイス(S CR)を主要な特徴として備える。このSCRのアノードが第1の供給電位に結 合されそのカソードが第2の内部供給電位に結合されていると、SCRはESD 事象中に所定の電圧でトリガされる電流対電圧特性の急な回復を示す。チップ・ キャパシタンス両端間に大電圧が蓄積されると、ICの内部接合部を破壊的逆ブ レークダウンから保護する十分な低さの電位でSCRの所定電圧がトリガされる 。トリガする時点で、SCRは第1の供給電位と第2の供給電位の間に低抵抗経 路を設ける。 1つの実施形態では、SCRはp基板内に配置されたn−ウェルを含むpnp n半導体構造を備える。第1のn+領域とp−形領域が共にn−ウェル内に配置 される。このn+領域とp−形領域は間隔があけられ、電気的に接続されてSC Rのアノードを形成する。また、第2のn+領域も備える。しかし、いくつかの 理由により、SCRを電源クランプとして使用することから生じるトリガ上の難 点がある。まず、電源バスの残りの部分にn+接合ブレークダウン電圧に近い最 小SCRトリガ電圧があり、ESD電流が通常、電源バスに接続されている他の 回路と共有されることになる。また、各SCRクランプは低電圧状態の場合に最 小トリガ電流を有する。したがって、電源バスは、SCRが低電圧状態に達する ことができないために(より高い)トリガ電圧付近で「ハングアップ」する可能 性があり、電源バス全体と電流が共有されることになる。 ESC保護を設けるためにSCRを電源クランプとして使用するほかに、ここ 数年間、インテル・コーポレイション製の80486SL(エンハンスト)など の製品における通常のESD保護の一部として、特に電源間にダイオード連鎖を 備えることが一般的になっている。 ダイオード連鎖は、ESD事象中に周辺電源をそれぞれの対応するコア電源に 結合すると同時に、通常動作中には望ましくない結合を防止するのに十分な電圧 分離を実現するために使用されて成功している。ダイオード連鎖は、「電荷結合 器」としての役割を果たして帯電デバイス・モデル(CDM)性能を向上させて いる。より明白には、複数の電気的に分離された電源を備えた製品が、最も一般 的な業界標準試験であるHBM ESD試験の複数ピン組合せ試験に合格するの を容易にしているという事実がある。逆に言えば、何らかの理由でダイオード連 鎖を使用していなかった複数の電気的に分離された電源を有するほとんどの製品 は、HBMピン組合せ試験に合格するのが困難であった。そのような事例では、 障害は、突きとめにくいことが多く、周辺電源バスの「損耗」のためにランダム に発生するように思われる。より有効な電源クランプと、「安全な」放電経路へ のより有効な電荷結合が必要であると思われる。これをダイオード連鎖によって いかに実現するか、また、ある種の改善をいかに用いてESD保護を拡大し、向 上させることができるかを、以下に説明する。 ダイオード連鎖の典型的な例は、第1a図に示すようにコアすなわち基板Vss に二重クランプされたVsso(たとえば有雑音出力供給)である。この単一ダイ オードは、当然p−基板上のn+接合であり、4個のダイオードのスタックはダ イオード連鎖セルである。第1b図には、VccoとコアVccの間の典型的なダイ オード連鎖も図示されている。このVsso−Vss配置構成は(寄生ダイオードの ために)双方向であるが、Vcco−Vcc結合は単方向である。 ダイオード連鎖レイアウトは、第2図の略平面図に示すダイオードのようなサ ブセルから始まる。基本pn接合は、密接した間隔の最小幅p−拡散と浮動n− ウェルのn+タップで作られる。これらのセルの並列組合せによって、金属接触 n+タップ・フィンガと向かい合った金属接触p+フィンガの合計の長さを計算 に入れて計測した所望の面積を有するダイオードを形成する。このようにして、 電流密度を1ミクロン当たりの電流で計る。次に、第3図の断面図に示すように ダイオードを直列に接続する。各n−ウェルを次のダイオードのp+接合につな いで給電する。(後述するようにリターン減少点があるが)このようにして任意 の数のpn接合を連結することができ、この説明では、一般的な選定である4段 の場合を図示し、説明する。 第3図で、浮動ウェルは基板との避けられない整流接合も形成し、その結果、 この「ダイオード連鎖」は実際には第4図に略図で示すようなダーリントン結合 PNPトランジスタの連鎖となる。これによって、ダイオード連鎖の動作に及ぼ される垂直電流利得(β)の影響の問題が定期され、この影響はかなり大きい可 能性がある。実際に、この電流利得を使用して効率と融通性を向上させた設計を 定式化することができる。しかし、まずpnダイオードの等式と温度依存性につ いて説明する必要がある。 以下に、温度依存と電流対電圧の関係の点から見た基本ダイオード動作につい て説明し、本発明を理解するために必要な詳細な背景を示す。 a.温度依存性 pn接合I−V関係から始めると I=Is(exp(qV/nkT)−1)となり、ここでIs=Io exp (−Eg(T)/kT)である。 [式1] 上式でnはダイオード理想因子(ほとんど1)、Eg(T)はバンドギャップ 、Tは絶対温度、kはボルツマン定数、qは電荷である。V>3kT/qである 限り−1項は無視することができる。Vは典型的な製品温度範囲の場合約100 mVである。Ioの温度依存性よりそれに続く指数因子の温度依存性の方が重要 である。したがって、式1は以下のように書くことができる。 ln(lI/Io)=(qV−nEg(T))/nkT [式2] この数量は定電流Iの場合の温度にはほとんど依存しない。問題の典型的な製品 温度範囲(−55℃〜125℃)では、シリコン・バンドギャップはEg(T) =Ego−bTであった。ここで、Y.P.ツィビディスによる「Accura te Analysis of Temperature Effects i n Ic−Vbe Characteristids with Applic ation to Bandgap Reference Sources」( IEEE J.Solid State Circuits,SC−15,10 76−1084(1980年))に記載されているように、Ego=1.206 eVであり、b=2.7325x10-4eV/Kである。 室温より下でのみ適用されるわずかな二次温度修正を無視すると、Egoは外 挿0Kバンドギャップであり、以下ではボルト単位で表す。式2を展開した場合 、線形係数bは右辺の温度依存性にはまったく影響を与えず、したがってもう1 つの温度依存量は (qV−nEgo)/nkT であることに留意されたい。これは、絶対温度T0でのダイオードの順方向電圧 Vfがわかれば、以下のように、他の温度T1の場合の同じ順方向電流での電圧 を容易に算出することができることを意味する。 Vf(T1)=nEgo+(T1/T0)(Vf(T0)−nEgo)[式3] したがって、Vfの温度係数は負になる。一般に、T0は室温であり、Vfは 1−10μAの順方向電流の場合約0.55〜0.6Vであって、Vfの温度係 数は約−2.2mV/Kになる。 b.電流対電圧 ダイオード理想因子は、ダイオードI対Vの半対数プロットから測ることがで き、HP4145半導体パラメータ・アナライザで行うと最も好都合である。理 想ダイオード(n=1)は、室温で低電流の場合、周知の60mV/デカード勾 配を示す(0.060V=300K ln(10)/q)。 単一ダイオード理想因子が得られると、ダイオード連鎖の半対数I−V勾配が 対象になる。m個の一連のダイオードの場合、低電流I−V勾配は1デカード当 たりmnkT ln(10)/qボルト、すなわち室温で理想ダイオードの場合 、 mx60mV/デカードであることがわかる。この結果は、βが電流に依存しな い限り、有限PNP電流利得βについても当てはまる。後述するように、バイポ ーラ電流利得は、β自体にのみ依存する所与の電圧で流れる電流を増幅するに過 ぎない。 トランジスタ作用の影響、すなわちリーク状況のモデリングと、ESD状況に おける電流利得とモデリングは、本発明を正しく理解するのにさらに役立つ。 リーク状況における電流利得およびモデリング ダイオード連鎖のパフォーマンスに及ぼされるPNPバイポーラ電流利得すな わちβの影響の解析ために、第5図に単一段の直列ダーリントン結合を通常のエ ミッタ電流とベース電流とコレクタ電流の関係と共に示す。 次のダイオード段ではそのエミッタに流れ込む電流が減少しているため、以下 のように、段2における順方向電圧はβに依存する量だけ減少することになる。 ln(I1/Is)=qV1/nkT; ln(I2/Is)=qV2/nkT= ln(I1/((β+1)Is)=ln(I1/Is)−ln(β+1) [式4] したがって、 V2=V1−(nkT/q)ln(β+1)、またはV2=V2−ln(10) (nkT/q)log(β+1)となる。 いま、Vo=ln(10)(nkT/q)とし、室温Tでの理想ダイオードを 60mVとする。式4の解析を複数段に適用して各段での追加のVo*log( β+1)の損失を求めると、電流I1でのm個の同一のダイオードの連鎖の合計 電圧Vtは以下のようになる。 Vt=mV1−V0log(β+1)(m(m−1)/2) [式5] 上式で、V1はエミッタ電流I1での(コレクタとベースを短絡させた)1個の ダイオードのベース−エミッタ間電圧である。明らかに、このモデルは定数βに 依存し、低リーク電流範囲では通例であるが、直列抵抗の影響がない。ダイオー ド連鎖の効率に対する温度の影響を、第6図にわかりやすく示す。この図は2つ の温度について式5をプロットしたものである。 基準温度(室温Tなど)での所与の電流の場合の理想因子および順方向電圧の ような何らかのベースライン・ダイオード・データを仮定すれば、当該の温度で のV1を算出することができ、式5を適用することができる。式5と同式を導く ための加算が示すように、βがかなりの大きさであれば各後続のダイオード段ご とに追加の電圧が減少していく。その理由は、最終段のエミッタ電流がますます 少なくなるためであり、その結果その段の電圧降下がますます少なくなる。この モデルは、その電圧が、式1の−1項が再び実効的になり各追加段の電圧がゼロ になるほど低くなるとブレークダウンする。追加のダイオードがVtから実際に 差し引くことは決してない。 ESD状況における電流利得とモデリング ESDパルスがダイオード/トランジスタを通過するとき、電流密度は前述の リーク状況の場合より数デカードも高い。最初のダイオード段ではマイクロアン ペア単位のリークではなく、p+フィンガ長の1ミクロン当たりミリアンペア単 位のリークがある。この状況では、ダイオード抵抗の影響が重要になり、電流利 得が減少する。 電流密度に対してプロットしたβの期待関数形状を第7図に示す。エミッタ電 流密度である対数Jeに対して対数βをプロットすると、線形下降勾配になる。 これによってモデリングも簡略化される。コレクタ電流密度に伴うβの下降は、 すべてのバイポーラ・トランジスタにおいて予想される(S.M.Sze,Ph ysics of Semiconductor Devices,2nd e dition(Wiley,1981)pp.142−143で引用されている W.M.Webster,「On the Variaton of Junc tion−transistor Current Amplificatio n Factor with Emitter Current」,Proc. IRE 42,914(1954)参照)。その結果、低電流で高いβがあり、 これはダイオード・リークのために望ましくなく、高電流で低いβになり、その 場合、βによってESD電流が基板に流れる。それにもかかわらず、この設計オ プションの賢明な使用により、使用可能面積内で競争力のある保護装置を考案す ることができる。 発明の簡単な概要 本発明は、1993年10月15日出願の係属出願第08/138472号に 記載されているESD保護の改良である。 静電放電(ESD)が集積回路に修復不能な損傷を与える場合があることはよ く知られている。集積回路は、典型的には2.5〜5Vの、比較的低い電圧供給 を使用して動作するように設計される。この損傷は、集積回路の入力バッファま たは出力バッファに高い電位を加えると発生し、集積回路の入力バッファまたは 出力バッファに電気的に接触しているパッケージ・ピンに人間が触れるだけでも 発生することがある。 ESD保護を備える回路は多数存在するが、新しい集積回路プロセスが使用さ れるに伴い、人体モデル(HBM)でのきわめて高いESD試験電圧に個別に合 格した標準セルを使用しても十分な保護が実現されず、その結果として集積回路 障害を起こすため、標準セルをESD保護する新しい手段の採用が必要になる場 合が多い。これらの障害における共通のテーマは、たとえばSQEPパッケージ におけるVcc電源バス間の分離と、多数の必要なピン組合せを試験した後の結 果としてのVccリーク障害であった。この障害は、試験分割、すなわち最新の 業界試験標準に従って多くの必要な「ザップ」をいくつかの構成要素に分散させ ることによって回避可能な場合もあるが、これが有効なのはほぼ半数の場合に過 ぎない。 必要なのは、ESDセルのための標準セル方法で「モジュール性」を回復する ことである。試験チップ上で1組の標準入出力デバイスが正常に機能する場合、 それらを様々な製品で使用しても同様の結果が得られることが保証されなければ ならない。1つの電源から他の電源までのESD電流経路(第8図参照)のため にこれまでは製品ESD性能が一様ではなかった。これは障害分析と、すべての 電源を人為的に一緒に短絡させて電流経路を標準セル・モジュール自体と同じ程 度に少なくするとすべてのESD問題が消えるという事実によって証明されてい る通りである。したがって、適切な1組の電源クランプ・モジュールが、電源経 路の当該部分を処理することができ、ESD試験で製品が希望通りに動作するこ とができるようにするために必要なものであることが明らかである。第8図に、 電源結合によってESD電流が所望の電流経路を通るようにする方法を示す。 入力保護装置は、電源クランプとして使用すると、トリガ上の難点があり、I Cを保護するのに必要なすべてのESD電流を吸収しない。現在使用されている ダイオード連鎖内にあるバイポーラ作用は、電源クランプとしてきわめて有益で あることがわかっている。現在、これらのダイオード連鎖デバイスは1つの電源 バスを他の電源バスにブリッジし、交差結合が有害にならないように2つの電源 が常に十分に近接した間隔を保って進む場合にのみ使用することができる。本発 明は、このバイポーラ作用原理に基づいて動作する電源クランプを「スタンド・ アロン」にし、基板に対して特定の電源バスをクランプすることができるように することによって、その有用性を拡大する。 本発明は、第14図に示すように、ダイオードに小さいが実効的な順方向電流 を分配するダイオード連鎖を大きくするために使用するバイアス回路網、または 第19図に示すようにPNPダーリントン利得ブロックを形成するカンチレバー ・ダイオードと、第20図a〜第20図cに示す終端(termination)を主要要 素として使用する。第14図の実施形態では、新規な主要要素は、多段ダーリン トン・トランジスタを、バイポーラIC内の信号を増幅するためではなくESD 保護に使用する点にある。第19図の実施形態では、終端が装置の新規性の主要 要素であり、保護装置を「スタンド・アロン」にする。この終端は、(pゲート ・プルアップのRC時定数に応じて)限られた時間のあいだ利得ブロックに最終 ベース電流を供給してESD電荷を無害にPNP連鎖で分流することができるよ うにするが、この構造が安定電源から長期間電流を引き出さないように保証する 。この構造全体がノイズ・スパイクもESDパルスも吸収することができる。ま た、この終端には、標準化試験に必要なように、ESDパルス間にそのキャパシ タを 放電するための備えがある。 本発明は、IC電源クランプとしての価値があり、徹底的なESD試験中にI C電源にしばしば見られる損傷を減少させる。今日のデバイスは、ピン数と複数 の電源線のために、ESDの業界標準人体モデル(HBM)で数百あるいは数千 回のストレスを受ける。本明細書で述べている種類のPNP連鎖デバイスが、製 品ESD試験における初めての成功にとって不可欠であることと、わずかな構成 要素サンプルだけでHBM試験の合格を可能にすることを示唆する証拠がすでに ある。これによって、ESD認定試験プロセスが大幅に簡略化される。 図面の簡単な説明 本発明は、以下の詳細な説明と添付図面からよりよく理解されよう。しかし、 図面は、本発明を図示されている特定の実施態様に限定するものととるベきでは なく、例示と理解を目的とするに過ぎない。たとえば、図面で示されている相対 的な層厚は、実際の厚さを表すものと解釈すべきものではない。 第1a図および第1b図は、周辺電源とコア電源の間の典型的なダイオード連 鎖を示す配線略図である。 第2図は、ダイオード・サブセル・レイアウトを示す典型的平面図である。 第3図は、p基板CMOSにおける4段ダイオード連鎖の断面図である。 第4図は、PNPトランジスタとして示された、第3図の4段ダイオード連鎖 である。 第5図は、1段のダイオード段によって形成されたバイポーラ・トランジスタ における電流利得降下を示す図である。 第6図は、β=6の場合の2つの温度でのダイオード連鎖ターンオン電圧をプ ロットしたグラフである。 第7図は、典型的なダイオード連鎖PNPトランジスタのコレクタ電流密度の 対数と対照してプロットした電流利得の対数を示すグラフである。 第8図は、Vssについて正の静電放電事象中に本発明の回路の好ましいESD 電流経路を示す図である。 第9図は、MIL−STD 883Cの3015.7方式通告第8号の静電放 電試験回路を示す図である。 第10(a)図は、バイアス・ダイオード連鎖とカンチレバー・ダイオード連 鎖を有する本発明の静電放電保護回路を示す回路略図である。 第10(b)図は、本発明による汎用静電放電保護回路を示す回路略図である 。 第11図は、本発明の一実施形態で使用する、第3図と類似したダイオード電 源クランプの断面図である。 第12図は、入力専用ピンのESD保護を行う本発明の他の実施形態を示す回 路略図である。 第13図は、周辺Vssについて負の静電放電事象中に本発明の回路を通る電流 経路を示す図である。 第14図は、ΔV/R=2.5/Rのリーク電流が流れる温度を最大化すると 同時に、最小の合計抵抗を使用するように設計された、6ダイオード混在電源ク ランプ連鎖のバイアス回路網を示す図である。 第15図は、第14図の回路網と同じ目標で設計された、8ダイオード混在電 源クランプ連鎖のバイアス回路網を示す図である。 第16図は、第14図に図示するような3.0〜5.5Vの6段クラッド・ダ イオード連鎖の測定リークを示す図である。値は、最大100Cまでの低リーク が可能なように選定されている。 第17図は、6段混在電源クランプ連鎖のためにpチャネルFETで実施され たバイアス回路網の図である。 第18図は、pゲートのターンオフのために増幅されたn−ウェル・リークを 制限することを目的とした、クラッド・ダイオード連鎖の他のpチャネル・ゲー ト配置を示す図である。 第19図は、本発明によって、特定的にはPNPダーリントン利得ブロックを 設けるカンチレバー・ダイオードによって、使用される主要要素を示す図である 。 第20(a)図〜第20(e)図は、本発明で使用するカンチレバー・ダイオ ード連鎖と共に使用することができる様々な終端を示す図である。 第21図は、2段RC遅延回路を示す図である。 第22図は、抵抗バイアス回路網と第20(c)図と類似した終端回路とを有 する6段カンチレバー・ダイオード連鎖を示す図である。 第23a図〜第23d図は、損傷したカンチレバー・ダイオード終端回路を示 す図である。 第24図は、β向上のための上面集電を可能にする、PPNセル・レイアウト を示す図である。 第25図は、垂直βを向上させることを企図してn−ウェル内に注入されたp −ウェルを使用する様子を示す図である。 発明の詳細な説明 CMOS、特にn−ウェル、p基板CMOS、集積回路で使用する強固な静電 放電(ESD)保護回路について説明する。以下の説明では、本発明を十分に理 解することができるように、回路構成、導電率タイプ、電流、電圧など、多くの 特定の詳細を記載する。しかし、当業者には、これらの特定の詳細は本発明を実 施するために不可欠のものではないことは明らかであろう。他の場合には、本発 明が無用にわかりにくくならないように、周知の回路要素および構造については 特に詳細には説明していない。 第9図に、MIL−STD−883Cの3015.7方式の通告第8号を満た すために用いる人体モデル(HBM)パルス試験を図示する。この試験によると 抵抗器R1、R2、スイッチS1、およびキャパシタC1を含む回路網を介して調整 高圧電源11にデバイス12が結合される。100ピコファラッドのキャパシタ ンスを有するキャパシタC1によって放電パルスすなわち「ザップ」が発生され る。抵抗器R1を介して数千ボルトまで荷電される。抵抗器R1は1〜10Mオー ムの値を有する。 試験の実施中、まず、キャパシタC1がR1を介して荷電され、次に、キャパシ タC1が抵抗器R2を介してデバイス12に結合されるようにリレーS1が切り換 えられる。するとキャパシタC1の電位が抵抗器R2(1.5Kオーム)を介して 被験ピンに放電される。MIL−STDは、可能なすべての放電組合せについて 、ザップを正で3回、負で3回加えることを要求している。これらの組合せは以 下の通りである。 1.接地された別々の各電源についてすべての信号ピン。 2.それぞれが接地された別々の電源を有するすべての電源ピン相互について 。 3.接地された他のすべての信号ピンについてすべての信号ピン。 次に第10(a)図を参照すると、バイアス・ダイオード連鎖(BDS)とカ ンチレバー・ダイオード連鎖(CDS)の両方を使用した本発明のESD保護回 路の回路略図が図示されている。最も一般的な事例では、第10(a)図の回路 は、入出力(I/O)バッファのESD保護を行うために使用され、分離された Vcc電源とVss電源を使用する。これらの分離された電源は、Vcc1およ びVss1として表され、内部回路と対立するものとしての周辺回路のための電 源回路であることを示している。第10(a)図の回路は、保護する集積回路を 形成する同じシリコン基板内に形成されているので有利である。したがって、本 発明のESD保護回路は、通常の集積回路製造工程の一環として容易に製作され る。 以下に、典型的な入出力ピンの保護に際して使用する主要回路要素について詳 細に説明する。これらの回路要素は、個別デバイスと寄生構造体の組合せを含む 。 第10(a)図のESD保護回路について第1に注目すべき点の1つは、分離 された電源を使用する点である。たとえば、周辺電源Vcc1とVss1はそれぞれノ ード44と45に結合され、内部電源VccとVssはそれぞれのノード33と34 に結合されている。各周辺電源はそれに対応する内部電源にダイオード・クラン プを介して結合されている。たとえば、バイアス・ダイオード連鎖(BDS)2 6はノード44をノード33に接続し、ダイオード連鎖(DS)27はノード4 5をノード34に接続する。第10(a)図では、通常はICの人出力回路の一 部を形成するバッファ回路が、PMOSトランジスタ42とNMOSトランジス タ41の組合せによって示されていること留意されたい。トランジスタ41と4 2はノード45と44の間に直列に結合されている。 当業者なら、本発明では第10(a)図に図示されている入出力バッファ回路 が周辺電源に結合されることがわかるであろう。これは、I/Oデバイスによっ て発生された雑音がICの内部供給線から効果的に分離されることを意味する。 ダイオード連鎖26および27はそれぞれダイオード・クランプとして動作して 、有雑音周辺供給線と内部電源との間の分離を維持する。また、このダイオード ・クランプ機構は、チップの周辺電源とコア電源の間に、可能な最低インピーダ ン スを与える。ダイオード連鎖26および27は、2つの電源の間の望ましい雑音 分離レベルに応じて、1つまたは複数のダイオードを直列に含むことができる。 たとえば、VccpとVccの間に少なくとも2.0ボルトの雑音分離をもたらすこ とが望ましい場合には、ダイオード連鎖26は直列に結合された少なくとも4個 のダイオードを含む必要がある。 第11図は、直列に結合された4個のダイオードから成るダイオード・クラン プ構造の断面図である。ダイオードは、基板50内に配置された1組の別々の構 造体から成る。各構造体は、浮動n−ウェル89内に配置されたp+拡散領域と n+拡散領域(それぞれ93および94)の両方を含む。4個の別々のn−ウェ ル領域89a〜89dはそれぞれp形基板50に形成されている。たとえば、列 内の第1のダイオードは拡散領域93aおよび94aを含み、p+拡散領域93 aが周辺電源Vccpに結合されている。 ダイオード・クランプを備える別々のダイオードの直列接続は、任意の使用可 能な金属層を使用して互いに結合することができる。この金属接続は常に前のダ イオード段のn+領域から次段のp+領域に行われる。すなわち、n+領域94 aはp+領域93bに結合され、n+領域94bはp+領域93cに結合され、 以下同様に結合される。ダイオード・クランプのカソード端子で、n+領域94 dが内部電源Vccに結合される。電源ダイオード連鎖27は、第3図および第1 1図に図示するものと同じ浮動n−ウェル概念を用いて実施することができるこ とに留意されたい。しかし、ダイオード27の場合、p+側が周辺Vssp電源に 接続され、ダイオードのn+側がVssに接続されている。ダイオード連鎖26お よび27は、静電放電事象中の電流経路を設けるように設計される。 第10(a)図のESD保護回路の主要要素として、ダイオード・バイアス、 テーパリング(先細り化)、およびカンチレバー・ダイオードの使用がある。 カンチレバー・ダイオード連鎖30の動作は、内部チップ・キャパシタンスか ら破壊的電流を分流し、それによってICのコアを保護するように機能する。 第10(a)図を続けて参照すると、パッドと入力ゲートとの間の接続は、抵 抗器Rs(抵抗器37として符号が付けられている)とダイオード23、24とを 含むローカル入力ゲート・クランプ回路網を介して行われる。抵抗器37の典型 的な値は、100オーム程度である。ほとんどの場合、ダイオード23および2 4は最も適切なように入力ゲート回路に隣接して配置されて、ゲート付近の低電 圧を維持する。ローカル入力ゲート・クランプは、電圧降下回路網として機能し 、I/Oバッファの入力側のゲート電圧を許容可能なレベルにクランプする。た とえば、このレベルは、入力バッファまたは出力バッファのゲート絶縁破壊電圧 とすることができる。一実施形態では、抵抗器37は通常のポリシリコン抵抗器 を含む。さらに、ダイオード23および24は通常はサイズが小さく(たとえば 30ミクロン幅)であり、ダイオード連鎖26および27の製作に使用するのと 同じダイオード・セルで製作することができる。 サリサイド拡散領域を含む従来技術の設計の問題の1つは、I/Oバッファに 付随するトランジスタ・デバイスの損傷の問題である。ドレイン拡散領域に関連 する通常の抵抗が本質的にサリサイド形成によって取り除かれるため、これらの 技法では電流の広がりがなくなり、ソース領域とドレイン領域の両方に損傷が発 生する可能性がある。 再び第10(a)図を参照すると、まだ説明していない残りの回路要素として ダイオード21、22、および25が含まれる。ダイオード22は、パッドとノ ード44の間に結合され、パッドまたはピンが正にザップされると電源Vccpに 電流を分流する。ダイオード22のアノードとトランジスタ42のドレインとの 間の抵抗を最小化するために、ダイオード22はトランジスタ42に隣接して配 置することが好ましい。同様に、図のダイオード21はパッドとノード34の間 に結合されている。ダイオード21は、出力バッファのレイアウトに本質的なも のであり、パッドがVssに対して負にザップされると、ESD事象から保護する 。ダイオード25も出力バッファのレイアウトに本質的なものであり、VssとV sspの間に接続される。ダイオード21と25は両方とも、nチャネルのドレイ ン/ソース・トランジスタ領域とp基板の間に形成された大型の垂直ダイオード を含む。 第12図に、典型的な入力専用ピンのための本発明のESD保護回路の他の実 施形態を示す。出力トランジスタ41および42がないため、第12図の回路は かなり単純化されている。トランジスタ41、42と、付随する抵抗器38およ びダイオード25が含まれていないことを除けば、第11図の同じ基本構造が第 12図でも保たれていることに留意されたい。また、第12図の回路は入力専用 信号を扱うように設計されているため、別々の電源とクランプ・ダイオード26 および27を必要としない。入力ピンは通常、内部電源と結合されるため、特別 なESD電源ダイオード・クランプが不要になっている。その他のすべての点で は、第12図の回路は第11図について前述したのと同じである。当業者なら、 MOS出力ドライバの除去によって、壊れやすい薄いゲートがなくなり、したが ってセル・キャパシタンスが減少することがわかるであろう。 本発明がESD事象中にどのように機能するかをさらに説明するために、例と して第8図および第13図を示す。第8図には、Vssに関する正のESDザップ 時に第10(a)図の回路を流れる電流経路を示したものである。一方、第13 図は周辺Vsspに対する負のESDザップ時の電流経路を示したものである。 この理論を第10(a)図のI/O ESD保護回路に適用すれば、ESD事 象時に電流がどこを流れるかを容易に識別することができる。たとえば、第8図 で、ピンがVssに対する正のザップを受けたときのESD事象時にとられる電流 経路が矢印47によって示されている。この場合、ダイオード22とバイアス・ ダイオード連鎖26がオンになり、電流がコアに分流され、チップ・キャパシタ が荷電され、Vssに至る。この大型キャパシタ(マイクロプロセッサについて1 0,000ピコファラッド)は、荷電するとESDエネルギーのほとんどを消散 する。ESDザップ電圧が上昇すると、その結果としてチップ・キャパシタンス 両端間の電位が最終的に12〜13ボルトに達する。この時点で、カンチレバ・ ダイオード連鎖30が動作してVssへの低インピーダンス経路を与える。 第13図に、I/Oピンが周辺電源Vsspに対して負のザップを受ける、逆の 場合を示す。この場合、電流は周辺Vss1からダイオード・クランプ27を通っ てVssに流れる。次に、放電電流経路はnチャネル・ドレイン・ダイオード21 を通り、最終的にピンに出力される。 ESD保護を実施する場合、接続がこの回路の成功に重要な役割を果たすこと を理解されたい。第10(a)図のESD電源保護の場合、電源クランプ・ダイ オード連鎖26および27と、カンチレバー・ダイオード連鎖30は、それらが 保護するように設計されている実際のI/Oバッファから離れた位置に配置する ことができる。しかし、回路の電流経路インピーダンスは、他の寄生経路が好都 合な放電経路にならないように最小限に維持しなければならない。一方、電圧降 下を最小限にするために、ダイオード23および24は入力デバイス・ノード3 5に可能な限り近く配置することが好ましい。 さらに、瞬間的なESDザップ電流は数アンペアを容易に超えることがあり、 数ナノ秒間続くことがあるため、金属幅が重要な問題になる。たとえば、ボンド ・パッドからノード35のI/Oセルまで延びる金属(「リードウェイ金属」と 呼ぶ)は、金属幅が十分でないとESD事象中に溶融する可能性がある。この理 由から、リードウェイ金属は、大きな放電事象に十分に対処するように十分な幅 を持っていなければならない。 第10(b)図に本発明の一般化した実施態様を示す。任意選択、または必須 ではない要素は点線で図示してある。パッドは周辺電源Vcc1およびVcc2までの pチャネル・デバイス22を有していてもいなくても構わないが、接続する場合 第10(b)図に示す方向を有する。同様に、常に存在する内部電源デバイスV ssに対する周辺電源Vss1またはVss2電源のみが、基板ダイオード27に対する 自然ウェルである。しかし、Vss1またはVss2からVssまでの(非バイアス)ダ イオード連鎖28は任意選択である。第10(b)図に図示されている本発明の 新規な態様は、カンチレバー・ダイオードまたはバイアス・ダイオード連鎖であ るVccからVssまでのクランプ32と、Vcc1およびVcc2からVccまでのバイア ス・ダイオード連鎖26である。矢印のないデバイス21は、ESD電流を通す ことができるという点で双方向である。 p基板CMOS内の浮動n−ウェルから作られた静電放電(ESD)保護のた めのダイオード連鎖の、リーク電流状況とESD電流状況における動作について 説明する。バイポーラPNP作用は、望ましくない低電圧条件だけでなく、電源 過電圧の非常に望ましいクランプを生じさせる。 前述のように、本発明は集積回路(IC)における静電放電(ESD)保護を 向上させる回路である。この回路は、主としてCMOS(主としてn−ウェル、 p基板CMOS)集積回路上の電源バス間にESD保護を与えることを意図して いる。本発明は、ダイオード・バイアス、テーパリング(先細り化)、およびカ ンチレバー・ダイオードによってβを利用し、その望ましくない作用を制限し、 PPNセルを使用してβを向上させる特定の設計強化策を採用する。 βの利用とその望ましくない作用の制限 前述のように、PNP電流利得はダイオード連鎖の性能に対して以下のような 作用がある。 a)低電流βは、連鎖のターンオン電圧をカットするため望ましくない。 b)高電流βは、ダイオード連鎖を、他の電源バスを荷電する単なる回路とし ての役割を超える、基板Vssに対するきわめて有効な電源クランプに変えるため 、きわめて有益である。 βは残念ながら低電流のときに高くなるが、βをESDクランプに使用すると 同時に、リーク状況においてダイオード連鎖の性能に及ぼすその作用を最小限に する方法はいくつかある。ESD性能を犠牲にすることなく、βの望ましくない 作用をなくすことを目標とするこれらの技法の概要を以下に示す。 i. ダイオード・テーパリング(先細り化) 式5は、1組の同じダイオードの合計ダイオード連鎖電圧Vtを規定する。し かし、後続のダイオード/PNP段の面積(すなわちp+フィンガ長)は変わる ことがある。たとえばダイオード連鎖の各後続のPNP段の面積が正確に(β+ 1)分の1に減少するとする。その場合、各ダイオードでの電流密度は正確に同 じになり、連鎖両端間でmV1の全電圧が得られる。式5は、以下の式の特殊な 場合と見ることができる。 [式6] 上式で、Liは最初の段を基準としてi番目の段のフィンガ長(ダイオード面積 )であり、すなわちL1=1である。したがって、βの期待値に従って、ダイオ ード/PNP連鎖をある程度まで先細りさせると、第2項はゼロになるか、また は少 なくとも減少する。適切に先細りさせたダイオード連鎖によって、βに付随する 分離電圧問題が解消されるだけでなく、使用面積が少なくなる。 しかし、ダイオードのコンダクタンスが制限されるため、ESD電流状況はあ る程度のサイズのダイオリードを必要とすることに留意されたい。高電流β(低 い)を顧慮して連鎖を先細りさせても、各ダイオードに同様の抵抗降下があり、 それは許容可能な場合もそうでない場合もある。 ii. バイアス回路網 ダイオード連鎖両端間の増分電圧を逓減させる理由は、当然、接地への電流の 流れのために、後段になるほど電流密度が低くなることである。したがって、後 方の段の電流密度を上昇させて、所望の合計電圧降下が使用可能な段の間でほぼ 当分に分割されるようにすることが有効な目標である。これはテーパリング(先 細り)によって実現されるが、テーパリングに伴う重要な問題は、前述のように 、この方法を使用してダイオード連鎖内のリークを最小化することはESD性能 の最大化と両立しないことである。しかし、バイアス回路網を使用してダイオー ドに小さいが有効な順方向電流を配送してダイオード連鎖を増大せることによっ て、ESD性能にまったく影響を与えずに第6図の下降曲線を上昇させる他の方 法がある。その結果のダイオード連鎖をクラッドと言うことがあり、便宜上、こ の連鎖をクラッド・ダイオードと呼ぶ。第14図に図示する種類の回路網によっ て、1つまたは複数のダイオードのセグメントにしたダイオードにバイアスを加 え、連鎖両端間の到達可能電圧がセグメントの電圧の倍数になるようにすること ができる。その場合、リーク電流要件は広い温度範囲にわたって比較的一定にな る。 第14図には、3.3〜5Vの混在電源の両極値を加えたバイアス・ダイオー ド連鎖が示されている。PNPトランジスタの通常の連鎖が、共通コレクタとし て分布接地を使用したダイオードとして示されている。この場合、バイアス回路 網の各設計選定は、使用面積を最小化するという希望による。すなわち、関与す る合計抵抗と、抵抗器の総数を最小限にすることである。抵抗器の最も有効な選 定は、長チャネルPMOSデバイスである。所与の温度(たとえば100℃)で 第14図の連鎖両端間で所望の2.5Vを実現するためには、その高い目標温度 でΔV/3=2.5/3=0.833Vでバイアスをかけた2つのPNPダイオ ード/トランジスタが必要とする電流Ioを特定する必要がある。次に、Ioが ダイオードの各対を流れるように、すなわちΔV/3R=2.5/3R=Ioお よび2.5/R=3Ioが合計リークとなるように、Rを選定する。これは以下 のように作用する。2Ioが第1の抵抗器を流れ、次にIoが第2のダイオード の対に分流され(各セグメントの後にダイオード電流が残らないように、最悪の 場合に無限のPNP利得を想定)、第2の抵抗器に同じ電圧降下IoRが現れる 。最後に、予め計算したIoが最後の2個のダイオードを流れる。したがって、 1つのセグメントへのIoが少なくともΔV/3を生じさせる限り、ダイオード 連鎖を流れる合計電流は3Io=ΔV/R以下である(ここでΔV=5.5V− 30V=2.5V)。 この単純化された考え方は、βが大きく、次のダイオード・セグメントに渡さ れる電流量が無視できるほどであると仮定した最悪の場合の設計方法であるが、 これが常に当てはまるとは限らない。より詳細なモデリングによって正確な答え が得られるが、有限のβはダイオード連鎖のリーク性能しか向上させない。 ESDモードでダイオード連鎖が、きわめて低い電流を常に通すほど大きいバ イアス抵抗器の導入による影響をいかに受けないかに留意されたい。抵抗デバイ スが、容易に起動される寄生ブレークダウン・モードを持たないようにすること が重要であるが、ダイオード連鎖が低電圧でクランプすることができるため、こ れが可能である。 次に、高温で電源間をさらに分離する(電流を少なくする)ことを可能にする 8ダイオード連鎖について考察することによってこの方法の一般化を試みるため に、第15図に示すように2個ずつのダイオードから成る4つのセグメントにす ることが魅力的である。 この場合も(単純化した)合計電流はΔV/Rであるが、今度はこれは4Io である。ここでセグメントへのIoによってΔV/4となり、すなわちこの場合 は2.5/4ボルトとなる。現れるパターンは明らかである。電圧をダイオード 連鎖のn個の等しいセグメントに等分配する場合、抵抗器シーケンスは、連鎖の 正の端から始まって以下のようになる。 セグメントを流れる強制Io(=In/n)が少なくともΔV/nボルトを生じ させる限り、合計電流InはΔV/Rを超えない。右から始まる抵抗器シーケン スは、以下のような数学者が調和級数と呼ぶものに従う。 抵抗器クラッド化方式は、最初は3車線、次に2車線、次に所与の方向の1車 線になる、市街地から延びる高速道路になぞらえることができる。電流ユニット がダイオード・セグメントにバイアスを加えて次の抵抗器と同じ電圧にするため 、次の抵抗器では等しい電圧を確立するためにそれに付随する「車線」を必要と しない。この方式によって、前述のように目標温度でリーク電流目標と電圧目標 を達成するのに必要な最低合計抵抗(これは使用pチャネル面積になる)が可能 になる。各セグメントへの別々の抵抗は、効果的ではあるが、同じ結果を達成す るのにはるかに多くのオーム(少なくとも(n−1)倍、nはセグメント数)を 必要とすることが容易に証明できる。これは、同じ方向にあるいくつかの行先に 向かう別々の高速道路を建設するのと似ている。 ダイオード・セグメント電圧は結局は電流密度に依存するため、ダイオード・ テーパリングを組み込む場合には抵抗器の調和級数値に何らかの調整を加えなけ ればならない。電流の導電「車線」が多数ある各バイアス抵抗器にもう一度注目 すると、電圧の等分配を保持して合計リーク電流を最小化することを希望する場 合は、その電流の送り先のセグメントのスケーリングに合わせて各「車線」のコ ンダクタンスを減少させなければならない。 抵抗器の調和級数の使用は、高温リークが問題であることと、電圧目標を仮定 して特定のリーク電流目標が達成される温度を最大限にする必要があるという前 提に基づく。余裕が豊富にあり、何らかの安定化が必要な場合は、異なる一連の 連鎖を使用することもできる。たとえば、セグメント電圧Voのn倍が目標高温 でΔVよりもかなり大きい場合、すべてのバイアス抵抗器をRに設定することが でき、最後のセグメントだけがオンになる。他のセグメントはオフになり、以下 のようになる。 これによって、Inが達成される温度は最大限にはならないが、これを使用し て目標温度での電流を最小化することができる。同じ種類の分析は、クラッド・ ダイオードを高温のための調和級数限界で設計したときの低温の事例にも適用さ れる。この場合も、最後のセグメントを除くすべてのセグメントが実質的にオフ になる。これは、第14図の6ダイオード連鎖が(ダイオードにあまりバイアス をかけずに)抵抗器両端間でΔVの3分の2未満をサポートし、合計1.5Rで 、総リークがΔV/Rの9分の4未満になることを意味し、正確な値は低温での Voによって決まる。しかし、これは高温リークよりも劇的に低いわけではなく 、バイアス回路網によって回路の温度変化に対する感度が低下することを示して いる。 実験によると、第16図に示すように、タップ可能ダイオード連鎖に抵抗器を 付加すると期待通りに作用する。 クラッド・ダイオード連鎖抵抗器は、前述のようにpチャネルFETを使用し て実装する。第17図に、ゲート酸化膜電圧が3.6Vを超えることができず、 したがってpチャネル抵抗器ゲートが3Vとして示されている6ダイオード連鎖 を図示する。これによって、いずれにしてもゲートが0Vである場合よりコンダ クタンスが低いため、より好都合な(より小さい)サイズのpチャネル・デバイ スの使用が可能になる。3Vと0Vへの抵抗接続が、薄いゲート酸化膜にインピ ーダンスのない電源電圧が現れるのを妨げる。Vss(接地)への抵抗接続は、n チャネル・デバイスを使用して行うことができる。これを行わないと、ゲート酸 化膜に電源電圧が現れることになる。 この抵抗バイアス回路網は、ダーリントンPNPトランジスタ連鎖の動作に対 して、最大電圧電源から離れた所にある浮動n−ウェル(トランジスタ・ベース )にリーク電流を供給するという他の利点をもたらす。これは高温では特に重要 である。n−ウェル・リークは通常、高い動作温度でも数十ナノアンペアに過ぎ ないが、その電流がいくつかの増幅PNP段を介して遠隔にあるn−ウェルに供 給 されないようにすることが重要である。総リークは基本リークに(β+1)を数 回掛けた積になる。第17図の構成によって、浮動n−ウェル・リークが最大で も1段のPNPを介して送られるだけであるため、その効果によって総リークは 低く維持される。ダイオードが光(特に障害分析中の顕微鏡の光)にさらされる とn−ウェル「リーク」がかなりの光電流になるため、室温で、等しいVccであ ってもこの問題は重大になる可能性がある。その結果、光ダーリントン効果が生 じ、光電流を増幅器を介して供給しなければならないためVcc−Vss電流が巨大 になる。適切なバイアス回路網によって、総電流を減少させ、障害分析者の注意 をこれから引き離すことができる。 任意選択であるが、第17図の2つの電源を3.3Vに設定すると興味深い状 況が現れる。pチャネル・バイアス抵抗器デバイスがオフになり、しきい値下の リークのみ(おそらく不十分な)をn−ウェルに送ればよい。n−ウェルは、リ ーク電流を5番目のダイオードに送るために3.3Vより低い自己バイアスをか ける。5番目のダイオードは、3.3Vに対してバック・バイアスを獲得する。 しかし、幸いにも、PNPのβが約3であるために、そのような条件下でのリー クは100℃で8個の152μmのダイオードの場合でも100nA未満である 場合がある。より高いβ(たとえば7)とより薄い酸化膜によるプロセスによっ て、pチャネルのターンオフ問題を回避することができる。その理由は、薄い酸 化膜に全5.5Vが現れることができるため、pゲートを0Vにすることができ るからである。高βのPNPデバイスとゲート酸化膜電圧が低い値に制限されて いる考えられる将来のプロセスでは、リークにより引き起こされる連鎖内の電圧 降下に何らかの制限を加えるように第17図の構成を調整しなければならないで あろう。第18a図に、n−FETを設計し直して長チャネル「リーカ対」を形 成し、p抵抗器ゲートについてVlowより低い電圧を確立してp抵抗器ゲートが 決してオフにならず、しかも決して絶縁破壊を受けないようにすることによって 、Vhigh=Vlowの場合に過度に増幅されたリーク(光電流を含む)を防止す機 構を示す。このリーカ対は、Vlowからの最小リークを必要とするように設計す ることができる。 バイアス・ダイオード連鎖に印加される電圧は、混在電源チップ上の2つのV ccx電源からの電圧であるとは限らないことに留意されたい。VccとVssの間と することもでき、たとえばコアVccは最も可能性の高い選定である。技術が進歩 し、ICがますます低い電圧で動作するようになり、バーンイン電圧がそれに応 じて低くなるに伴い、この種の電源クランプは明確な可能性を持つものである。 たとえば8個のダイオードの連鎖を、2.5〜3Vの電源を低リークでクランプ し、先進技術に見られる少なくとも比較的低いPNPベータ値で、高温(125 〜150℃)までの3〜3.6Vのバーンインに耐えられるように構成すること ができる。 バーンイン(その温度ではpnpベータが上昇する)でその最大差分電圧を維 持するそのような長いダイオード連鎖については、余分の電流を中間の段に送り 込む何らかの方法が望ましい場合がある。しかし、以上に述べたバイアス方式に 何らかの改良を加えない限り、高温での電流補給とバーンイン電圧によって、よ り低い温度とより低い電圧で製品性能がなはだしく損なわれる可能性がある。 第18b図に、連鎖の下流への電圧の等分配を確立するために使用するバッフ ァ電圧ドライバの概念を示す。この実施形態は、どのようなバイアス・ダイオー ド連鎖にも適用可能であり、バッファリングは連鎖内の任意の数の中間段に適用 可能である。連鎖に常に実質的な差分電圧があるため、Vcc−Vssクランプは最 高の候補である。ドライバを流れるスタンバイ・リーク電流を低くし、たとえば 高温などで必要でなければ増幅器についてはVccから電流をほとんど供給しない ことが望ましいであろう。これによって、わずかな余分の回路を設けるだけで第 16図に示すようにすべての温度でリーク電流が低減されることになる。第18 c図に、このような方式をCMOS回路に実施する様子を示す。 リーカ対T1およびT2は常にオンであるが、きわめて長いチャネルのデバイ スであるため、有意なIccを引き出さない。高温で、4番目のダイオードに続く ノードがVoutよりも低いしきい値に下がると、連鎖のより低い部分に十分に補 給されるまで、ソース・ホロワT3(高マイクロアンペアの電流が可能な強力な デバイス)がオンになる。しかし、Vccが低電流で容易にサポートされる低温で は、T3は完全にオフになるかまたはごく少量の電流を供給する。T3における 人体効果はそのトリップ点に影響を与えるが、リーカ対はそれを念頭に置いて設 計することができることが多い。 PNPトランジスタ連鎖にバイアスをかける上記の概念の新規性は重要である 。前述のようにバイアス方式を使用するだけで、ESD保護と温度依存電圧−電 流目標がすべて満たされ、可能になる。ダーリントン・トランジスタは新しいも のではないが、そのようなデバイスに関する従来の技術はESD保護を備えず、 バイポーラICにおける信号の増幅に使用される2段ダーリントンを備えるもの である{たとえばP.HorowitsおよびW.HIllのThe Art of Electronics,2nd edition(Cambridge University Press,1989)の94〜95ページと、P. GrayおよびR.MeyerのAnalysis and Design o f Analog Integrated Circuits,3rd edi tion(Wiley,1993)の223ページ}。この場合、(第1のトラ ンジスタのエミッタと第2のトランジスタのベースの間に)バイアス抵抗器を配 置して、主としてデバイスを高速化し、付随的に増幅リーク電流を回避する。「 バイアス回路網」という用語は、この文献から採ったもので、本明細書で説明し ている新規な回路の一部を簡潔に説明するものとして選定した。本明細書で述べ ている多段ダーリントン構成には周知の先例はなく(信号スイッチにとっては低 速で不利となる)、多段ダーリントンのためのESD保護の適用の先例もない。 iii. カンチレバー・ダイオード ダイオード・テーパリングでは、ダイオード/PNP連鎖が後段に行くに従っ て必要電力が少なくなることが認められる。この事実は他の点でも有用である。 第4図に示すPNP連鎖を参照すると、各段での電流利得のために、出力での電 力は入力電流の(β+1)4分の1である。したがって、かなり低いβでも電流 の大部分は基板に流れる。中程度のβの場合は、10未満であっても、出力で必 要なベース電流は出力を他の電源に接続する以外の代替方法を考慮することがで きるほど低い。ある種の小さな回路で十分な場合があり、ユーザは2つの電源が 常に電圧限界内にあるように保証する必要がなくなる。電源をダイオード連鎖の 末端で固定させないという概念が、カンチレバー式、またはカンチレバー・ダイ オードとして知られるようになっている。これをダイオード・テーパリングおよ びバイアス回路網と組み合せて、より効果的でより用途の広いダイオード連鎖設 計を実現することができる。 カンチレバー・ダイオードの終端は出力での単純なキャパシタで十分であるが 、キャパシタはパルスが終わるたびにリセットしなければならず、そうしなけれ ば荷電してダイオード連鎖をオフにしてしまう。これは、電源が(直接と間接と を問わず)数秒間隔で数百回または数千回ストレスを受けるHMB試験の反復パ ルスによるものである。キャパシタは、1秒以内に放電するために入力に小型の プルアップ・ダイオードを必要とすることがある。ウェル・リークは不十分な可 能性がある。 カンチレバー・ダイオードの構造上の利点は無視できないと判断されている。 うまく設計されたダイオード/PNP連鎖はあらゆる温度で3.0〜5.5Vの 電源差にも耐えることができ、電源投入順序付けオプションによって、所与の製 品で使用されるのを防ぐことができる。また、スタンドアロン・ダイオード方式 がなければ、ダイオード連鎖を使用してコアVccを保護する方法は(ほとんど) ない。十分な大きさの周辺Vccがあればダイオード連鎖を逆方向にして終端とし て使用することができるようになるであろう。βのためにほとんどの電流が基板 に長れ、周辺Vccが脅かされることはない。コアVccは通常、チップ上で最良の Vccであり、ESDに対してきわめて耐性があるが、C.Duvvury、R. N.Rountree、およびO.Adamsが「Internal Chip ESD Phenomena Beyond the protection Circuit」(Proceedings of the IEEE In ternational Reliability Physics Symp osium,1988,19〜25ページ)で指摘しているように、常にそうで あるとは限らない。優れたコア電源クランプは、C.Duvvury等と、C. C.Johnson,S.Qawami,およびがT.J.Maloneyが「 Two Unusual Failure Mechanisms on a Mature CMOS Process」(1993 EOS/ESD Sy mposium Proceedings、225〜231ページ)で述べて いる種類の曖昧な弱点を許容することができるであろう。 ESDパルスの期間にわたってかなりの量のベース電流をシンクするがそれ自 体が長期間オフになるカンチレバー・ダイオード終端を第19図に示す。図示さ れているのは4段だが、それ以上の段を追加することができる。キャパシタのた めに最初はそのゲートが接地されているp−FET(T1)を介して、最大数m Aまでのベース電流が低減される。酸化薄膜キャパシタは約1pFであり、メガ オーム範囲の等化抵抗で長チャネルp−FET(T3)によってプルアップされ て、1マイクロ秒以上のRC時定数を示す。T2は、リーク電流を連鎖の終端に 供給して増幅リーク電流問題を防ぐもう1つの長チャネル・デバイスである。T 2には、前項で述べたように、ダイオード連鎖の中間に接続することによって追 加の抵抗デバイスを付けることができる。T4はT2およびT3のゲートを接地 する小型のnFETである。RCにより誘起される遅延時間後、T1がオフにな り、接地への長期間の導通はなくなる。入力へのT3のp−ダイオードによって 、キャパシタ電圧が入力より高くならないことが保証される。このようなダイオ ードがなければ反復パルスによってキャパシタ電圧が入力より高くなることにな る。したがって、Vccx上のリークのために各パルス後に回路が緩和する。 様々なカンチレバー・ダイオード終端の例を第20(a)〜20(e)に示す 。第20(a)図には(緩和のためのプルアップ・ダイオードを備えた)単純な キャパシタを図示し、第20(b)図には第19図の回路を図示する。Vccxよ り低い電圧に接続することによってキャパシタのそれぞれの抵抗プルアップFE Tを小さくする方法については後述する。しかし、第20(b)図に図示する構 成は、Vccxが公称5Vにされるプロセスでは、接地ゲートを有する長チャネル p−FETにおけるゲート絶縁破壊のために不可能である。第20(c)図の構 成は、リーカ対を使用してVcc(コアVccは公称3.3Vに制限される)より低 い所望のp−FET電圧を確立するため、第19図に類似している。ここで、す べてのFETゲート電圧は適法であるが、T1のp−FETのゲートからドレイ ンまでと、キャパシタ両端間にVccxがあり、どちらの要素も第19図にはない 。したがって、キャパシタは単一の薄いゲート酸化膜とすることはできない。直 列に接続された2つのこのようなデバイスが恐らく最善の実施形態であり、第2 0 (c)図に図示されている。キャパシタは、通常、基板上またはn−ウェル上の ポリ・ゲートで作られ、2つのこのようなデバイスを直列にし、ポリ・ゲートを 共通端子として、均一でないリークを避け、電圧がキャパシタ間で真に分割され るようにする。残念ながら、累積キャパシタを(接地したn−ウェル上のポリ・ ゲート)を形成する通常の実施態様は、この「背面結合」方式の両方のデバイス にとって効果がなく、その結果、少なくとも1つの反転デバイスを使用しなけれ ばならない。T1 p−FETはゲートとウェルの間に5Vの電圧がないが、ゲ ートとドレインの間のエッジに5Vの静電電圧がある。これは、絶縁破壊規則に よって許容される場合もされない場合もある。許容されない場合は、T1のスタ ックした位置換えが必要である。これらの複雑さのために、ある種のプロセスで 高圧Vccxを保護する好ましい方法は、前述のバイアス回路網の場合のように、 Vccへのバイアス・ダイオード連鎖の使用である。 第20(d)図に、nチャネル・デバイスを使用してカンチレバー終端を実施 する方法を図示する。Vccへのキャパシタは、p基板/n−ウェルCMOSにお ける累積キャパシタとすることはできないが、大きな終端デバイスで単位長当た りのコンダクタンスが大きくなるなど、nチャネル実施形態にとって利点がある 。 最後に、第20(e)図に、BiCMOSプロセスにおいてきわめて有効なバ イポーラNPN終端を示す。この種のバイポーラ・トランジスタは、単位面積当 たりの高利得と高コンダクタンスを有し、FETの二乗ターンオン電圧がなく、 数十分の1ボルトで電圧をクランプする(飽和)。しかし、この場合、Vcc上の 通常のRC回路は、バイポーラ・トランジスタに十分なベース電流を流すことが できるように、図のようにバッファリングする必要がある。 有効に機能すると思われる他の1つの注目すべきカンチレバー・ダイオード終 端を、第21図に示す。これは、2段のRC遅延を有し、6段の低減ダイオード 連鎖を終端させる。 元の6段の第22図のカンチレバー・ダイオードば、バイアス回路網、または 、VccxへのOUTノードをブートストラップし、高温で必要なリーク電流を供 給する、少なくとも第19図に示す種類のVccxへの長チャネルp−FETを使 用することもできた。30を超える(高温ではそれ以上)低電流βと、数十ナノ ア ンペア単位のp−FETからのしきい値下のリーク電流により、このデバイスの 1つのバージョンは自己加熱して125℃の周囲温度で熱暴走し、それ自体が焼 き切れた。これは、PNPトランジスタ連鎖の強力な増幅力を示す望ましくない 証拠であった。バイアス回路網を実装し、増幅リーク電流を防ぐだけで、過度の リーク電流と熱暴走を回避することができる。第22図は、バイアス回路網と終 端回路を備える6段カンチレバー・ダイオード連鎖の例である。キャパシタ・プ ルアップは、確実に起動されるようにOUTよりも電圧が高くなるが、この電圧 は図からわかるようにVccxよりも低く、合計ゲート電圧が低くなり、FET抵 抗が高くなるようになっている。 カンチレバー・ダイオード終端回路を使用した場合に避けるべきいくつかの設 計上の着想が、第23a図〜第23d図に図示されていることにも留意されたい 。n−FETについて人体効果を考慮した場合でもしばしばそうであるように、 n−FETの|Vt|が短チャネルp−FETよりも小さい場合は、第23(a )図のようにプルアップとして長チャネルn−FETを使用することが魅力的で あるように思われるであろう。しかし実際には、試験構造体上に見られる問題が ある。明らかにn−FET上のスタートアップ過渡により、Vccxがパルスされ ると直ちにキャパシタが電荷と電圧を獲得する。キャパシタ・ノードからソース に電子が流れ込み、チャネルを満たす。したがって、ソース(pまたはn)を電 源に接続したままにしておくことが望ましい。 第23(b)図の回路は、キャパシタと短チャネルp−FETとに給電する長 チャネルp−FETがVccxよりも1VT下に固定され、定常状態で必要な短チ ャネルp−FETのオフが不可能になるため望ましくない。キャパシタの抵抗プ ルアップは、第20(c)図のように長チャネルp−FETゲート上の接地を使 用するとより安定であるが、第23(c)図の堅固な接地はVccxと接地の間に 小さな薄い酸化膜エッジしかないため避けるべきである。この酸化膜はそれと並 列しているもののために、あらゆるCDM ESD事象に耐えるが、それらの並 列要素を保証することはできない。最後に、第23(d)図に示す回路は、FE Tのチャネル電流がバイアス抵抗器によって供給され、ゲート電圧が接地よりも 多少低くなり、デバイスがオンになると、終端の短チャネルp−FET上の数百 mVで固定される可能性がある。これは、ゲート上にデプレション・キャパシタ がある場合に 室内灯で発生するのが見られる。光によってn形ポリ・キャパス タ・プレートが接地より下になると考えられると同時に、長チャネルp−FET がしきい値下になり、キャパシタ・ノードをプルアップしてチャネルをオフにす る。(第19図および第22図のように)長チャネルp−FETを明白により高 い電圧にすることが好ましい。バイアス抵抗器を介して供給されるチャネル電流 によって、長チャネルp−FETはオンになるのに十分な高さまで自動的に引き 上げられ、大型のp−FETのゲートが遮断される。 カンチレバー・ダイオード連鎖は、その入力接続部の電圧が突然上昇すると常 にオンになるため、ESD電荷を分流する。接地に通ずる有効な入力保護デバイ スとならないのはこのためである。これは、変化する信号への交流短絡のような ものである(したがってスイッチング雑音を減衰するのに役立つことさえある) 。電源クランプとして、ダイオード連鎖にはトリガ電圧またはオーバーシュート 問題がなく、Vccスタートアップ過渡が許容可能である限り優れている。幸いに もHBMのESD電荷は100pF×2000V=0.2μC程度であり、CD Mの場合はさらに低いため、ダイオード/PNP連鎖は数マイクロクーロン程度 しか導電せず、効果的なESDクランプとして機能する。3.6μCが10-9A −hr、すなわち約10-9のバッテリ・チャージであるため、スタートアップ過 渡は製品の動作にとって軽微な問題であり、恐らくVcc上の他の多くのスタート アップ過渡の中では微々たるものである。 カンチレバー・ダイオードは単一の電源から基板に接続され、きわめて有効な 電源ESDクランプとして機能し、TFOまたはSCR電源クランプのようなト トリガに関する難点がまったくない。単一のVcc接続により、雑音のための十分 な電源分離、電源投入順序付け、または混在電源の両極値の問題がなく、PNP 電流利得のために付随的難点がない。実際に、電流利得は十分に利用され、その 動作にとって不可欠である。ウェブスター効果(高電流でのβ損失)は所望の条 件に反するが、通常は、出力ベース電流を小さな回路で供給することができるよ うにする多段PNP連鎖から得られる十分な利得があるはずである。 半導体デバイスおよびエレクトロニクス全般の歴史では、得られる利得をあら ゆる問題の解決のために使用する事例が豊富である。このPNPトランジスタの ダーリントン結合連鎖は利得ブロックであるが、いかなる種類のものでも従来の 増幅器としての性能は劣り、したがってこれまでチップ設計では一般的には見ら れなかった。しかし、その電流利得のために、複数電源クランプの重大なESD 保護問題の解決に役立ち始めている。カンチレバー・ダイオードは、「スタンド ・アロン」状態と応用の容易さのために、カンチレバー・ダイオードをそのため に設計することができるプロセスにおいて最も重要な電源ESDクランプになり 得る。 βの向上方法 以上の説明は、可能な限り多くのプロセスでカンチレバー・ダイオードを設計 することがいかに望ましいかを示している。しかし、カンチレバー・ダイオード 連鎖はある一定の量のPNP電流利得、すなわちβを必要とする。このβは、高 電流であらゆるプロセスで自動的に現れるわけではない。βが有用であることは 確認されているため、設計に組み込む価値が十分にあるであろう。通例、プロセ スを固定したものとみなしてレイアウトによって得ることができるデバイスの利 点は、正当なものである。そのための明確な手法を第25図に示す。これは、基 本ダイオード・サブセルをPPN様式に修正して、「水平」集電と「垂直」集電 を可能にしたものである。 上面PNPの狭いベース幅によって、安定状態のβをより迅速に達成すること もできる。しかし、1つのプロセスでは、面積を30%犠牲にすればβを10% 向上させることができた。時間依存作用については綿密には研究しなかったが、 その利益が大きいとも予想されない。その1つのプロセスでは明らかではなかっ たが、PPN構造には、上面コレクタの面積が裏面コレクタよりも狭いため電流 が上面コレクタに流れると過熱による損傷を受けるある程度のリスクがある。電 圧降下のため、逆方向バイアスがかかったコレクタベース接合では順方向方向バ イアスがかかったエミッタベース接合よりもはるかに多くの熱が放散される。 βを増大させる他の方法は、p−epiとp+基板を使用するCMOSプロセ スで現在一般的に行われている、p−epiへのp−ウェルの注入を利用するこ とである。この注入はn−ウェルより浅いところで終わり、(従来とは異なって )n−ウェル内に入れた場合、n−ウェルを逆ドープすることになる。したがっ て、従来のダイオード構造、またはPPN構造内の、p+接合をp−ウェル注入 によって深くし、より狭いベース幅を可能にすることができる(第25図)。し かし、エミッタ効率、直列抵抗、およびレイアウト面積に及ぼす影響があらゆる 利点よりも大きい可能性があるため、この概念全体は計測によって実証されるま では推論的なままである。 以上の説明を読めば、当業者には本発明の多くの変更および修正が疑いなく明 らかになろうし、例示のために図示し、説明した特定の実施形態は決して限定的 であることを意図したものではない。したがって、好ましい実施形態の詳細は特 許請求の範囲を限定するものではなく、特許請求の範囲自体は本発明にとって本 質的なものとみなされる特徴のみを記載したものである。
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Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.入出力バッファを有する集積回路を静電放電から保護する装置であって、前 記入出力バッファは、前記集積回路のパッドに結合されたアノードと第1の周辺 供給電位に結合されたカソードとを有する第1のダイオード(22)と、前記集 積回路の入力ノードに結合されたアノードと第1の内部供給電位に結合されたカ ソードとを有する第2のダイオード(24)と、第2の内部供給電位に結合され たアノードと前記入力ノードに結合されたカソードとを有する第3のダイオード (23)と、前記第2の内部供給電位に結合されたアノードと第2の周辺供給電 位に結合されたカソードとを有する第4のダイオード(25)と、前記集積回路 の前記パッドと前記入力ノードとの間に接続された抵抗(37)とを備え、前記 保護装置は、 前記第1の周辺供給電位と前記内部供給電位との間に雑音分離を与えるダイオ ード・クランプとして機能するバイアス・ダイオード連鎖(26)を備え、前記 バイアス・ダイオード連鎖は前記第1の周辺供給電位に結合されたアノードと前 記第1の内部供給電位に結合されたカソードとを有する保護装置。 2.前記バイアス・ダイオード連鎖(26)が、1組のバイアス抵抗と、対応す る1組の少なくとも2個の直列接続されたダイオードとを使用し、各バイアス抵 抗は前記対応する組の少なくとも2個の直列接続されたダイオードのうちの1組 に並列接続されていることを特徴とする請求項1に記載の保護装置。 3.バイアス連鎖内の各前記1組の少なくとも2つの直列接続されたダイオード に電圧の等分配があることを特徴とする請求項2に記載の保護装置。 4.少なくとも2つの直列接続されたダイオードから成る各組の抵抗が、連鎖の 正の端から始まる というシーケンスによって規定されることを特徴とする請求項3に記載の保護装 置。 5.各後段のp+フィンガ長がその前段のp+フィンガ長以下であり、前記段の うちの少なくとも1段のp+フィンガ長が前記前段のうちの少なくとも1段のp +フィンガ長未満であるように、前記バイアス・ダイオード連鎖が先細りになっ ていることを特徴とする請求項1に記載の保護装置。 6.前段よりも小さいp+フィンガ長を有する各後段のp+フィンガ長が所定の 率で縮小することを特徴とする請求項5に記載の装置。 7.所定の率が静電放電試験状況のための電流依存PNPのβおよびデバイス抵 抗と、デバイスの動作状況のための温度を超える所望のリーク作用とを考慮に入 れたデバイス・モデリングによって決定されることを特徴とする請求項6に記載 の装置。 8.バッファ電圧ドライバを使用して少なくとも2つの直列接続されたダイオー ドの前記各組に電圧の等分配を行うことを特徴とする請求項3に記載の装置。 9.バッファ電圧ドライバが、前記ダイオード連鎖の中間に余分のバイアス電流 を供給するように動作することを特徴とする請求項8に記載の装置。 10.バッファ電圧ドライバが、必要なときに前記余分のバイアス電流を供給す るためにトランジスタのリーカ対とソース・ホロワ・トランジスタとを備えるこ とを特徴とする請求項8に記載の装置。 11.静電放電から保護された電源を有する集積回路を保護する装置であって、 前記電源が、前記集積回路のパッドに結合されたアノードと第1の周辺供給電位 に結合されたカソードとを有する第1のダイオード(22)と、前記第1の周辺 供給電位に結合されたアノードと第1の内部供給電位に結合されたカソードとを 有する第2のダイオード(26)とを備え、前記保護装置は、 電源静電放電クランプとして動作するカンチレバー・ダイオード連鎖(30) を備え、前記カンチレバー・ダイオード連鎖は、前記第1の内部供給電位に結合 されたアノードと第2の内部供給電位に結合されたカソードとを有する保護装置 。 12.前記カンチレバー・ダイオード連鎖(30)が1組のバイアス抵抗と対応 する1組の直列接続されたダイオードとを使用し、各バイアス抵抗が対応するダ イオードの組に並列に結合されていることを特徴とする請求項11に記載の保護 装置。 13.定常状態時に、カンチレバー・ダイオード連鎖内の各前記ダイオードの組 においてほぼ同じ電圧に達することを特徴とする請求項12に記載の保護装置。 14.各ダイオードの対の抵抗が、連鎖の正の端から始まる というシーケンスによって規定されることを特徴とする請求項13に記載の保護 装置。 15.各後段のp+フィンガ長がその前段のp+フィンガ長以下であり、前記段 のうちの少なくとも1段のp+フィンガ長が前記前段のうちの少なくとも1段の p+フィンガ長未満であるように、前記カンチレバー・ダイオード連鎖が先細り になっていることを特徴とする請求項11に記載の保護装置。 16.各後段のp+フィンガ長が所定の率で縮小することを特徴とする請求項1 5に記載の保護装置。 17.所定の率が静電放電試験状況のための電流依存PNPのβおよびデバイス 抵抗と、デバイスの動作状況のための温度を超える所望のリーク作用とを考慮に 入れたデバイス・モデリングによって決定されることを特徴とする請求項16に 記載の保護装置。 18.カンチレバー・ダイオード連鎖が電源供給固定手段としてキャパシタを使 用することを特徴とする請求項11に記載の保護装置。 19.カンチレバー・ダイオード連鎖が電源固定手段としてトランジスタ回路網 を使用することを特徴とする請求項11に記載の保護装置。 20.前記トランジスタ回路網が、 a)そのゲートがキャパシタンスに結合され、そのソースとドレインが前記カ ンチレバー・ダイオード連鎖の出力端とVssとの間に結合されている第1のp− FETデバイスと、 b)前記キャパシタンスによって形成されたノードと前記第1のデバイスのゲ ートとの間に結合され、少なくとも1マイクロ秒のRC時定数を示す抵抗を形成 するように調整された第2のp−FETデバイスと、 c)そのソースとドレインが前記カンチレバー・ダイオード連鎖の出力端とV ccx との間に結合され、前記カンチレバー・ダイオード連鎖の出力端に所定のリ ーク電流を供給するように調整された第3のp−FETデバイスと、 d)そのソースとドレインが前記第2および第3のFETデバイスのゲートと Vssとの間に結合されたn−FETデバイスとを備え、前記RC誘起遅延時間後 に、前記第1のp−FETデバイスがオフになり、前記第2のp−FETデバイ スが、前記キャパシタンスの電圧が前記ダイオード連鎖に入力される電圧以下に なることを保証するように動作することを特徴とする請求項19に記載の保護装 置。 21.キャパシタンスが少なくとも2つの直列に接続されたキャパシタンスを備 えることを特徴とする請求項20に記載の保護装置。 22.トランジスタ回路網がnチャネル・デバイスであることを特徴とする請求 項19に記載の保護装置。 23.トランジスタ回路網が2段RC遅延回路を備えることを特徴とする請求項 19に記載の保護装置。
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