JPH09511399A - アファミン:ヒト血清アルブミン様タンパク質 - Google Patents

アファミン:ヒト血清アルブミン様タンパク質

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JPH09511399A JP7525892A JP52589295A JPH09511399A JP H09511399 A JPH09511399 A JP H09511399A JP 7525892 A JP7525892 A JP 7525892A JP 52589295 A JP52589295 A JP 52589295A JP H09511399 A JPH09511399 A JP H09511399A
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Abstract

(57)【要約】 この発明は、ヒト血清アルブミン、ヒトαフェトプロテイン、又はヒトビタミンD結合タンパク質と共通の1つ以上の活性を有し、且つSDS−PAGEによる見掛け分子量が87kdであるAFMと称する新規のヒト血清タンパク質と、その変異体と、関連する遺伝子、ベクター、細胞、並びに方法に係わる。

Description

【発明の詳細な説明】 アファミン:ヒト血清アルブミン様タンパク質 発明の分野 本発明は概して、関連するタンパク質:ヒト血清アルブミン(ALB)、ヒト α−フェトプロテイン(AFP)及びビタミンD結合タンパク質(VDB)に機 能的、構造的に類似のヒト血清タンパク質の分野に関する。発明の背景 ヒト血清タンパク質アルブミン(ALB)、α−フェトプロテイン(AFP) 及びビタミンD結合タンパク質(VDB)は、多遺伝子ALBファミリーのメン バーであることが知られている。3種のタンパク質はいずれも血清中に認められ 、血清中で多様なリガンドの輸送を媒介する。ALBは、脂肪酸、アミノ酸、ス テロイド、グルタチオン、金属、ビリルビン、リゾレシチン、ヘマチン、プロス タグランジン及び医薬剤に結合する(総説については文献1を参照)。AFPは 、脂肪酸、ビリルビン及び金属に結合する(2、3参照)。VDBは、ビタミン D及びその代謝産物並びに脂肪酸、アクチン、C5a、及びC5aのArg欠失 体に結合する(4〜7参照)。 ALBファミリーのタンパク質は、その輸送能力に加えて、多岐にわたる他の 機能活性を有している。ALBは、血漿のコロイド浸透圧に主に寄与し、酸素遊 離ラジカルのスカベンジャーとして作用し、銅刺激による脂質の過酸化、過酸化 水素の放出及び好中球の拡散を阻害し得る(1、8〜10参照)。AFPは、免 疫過程の調節(11〜14参照)に係わりがあり、VDBは、好中球の共走化性 因子(6及び15参照)として、またマクロファージの活性化因子(16参照) として作用し得る。 ALBファミリータンパク質の血清レベルが種々の病的症状に敏感であること も知られている。ALBは、ストレスを受けるとそのレベルが減少する陰性急性 期タンパク質(17参照)である。ある種の発育障害(18、19参照)を有す る胎児を孕んでいる女性、及び肝癌、奇形癌、遺伝性チロシン血症又は毛細管拡 張性運動失調(20〜24参照)に罹患している患者ではAFPレベルが増大す る。VDBレベルは、敗血症性ショック(25参照)又は電撃性肝性壊死(26 、27参照)に罹患している患者では減少する。 ALBファミリーのメンバーは有意な構造類似性をも有 している。既に一次アミノ酸配列レベルにおいて相同性が認められており、また 十分に保存されたパターンのCys残基も存在するので、類似の二次構造が予測 される(28〜32参照)。ALBファミリー遺伝子は、類似のエキソン/イン トロン構造(33〜36参照)を有し、いずれもヒト4番染色体の4q11〜q 22領域内にマッピングされている(37、38参照)。 ヒト「アファミン」(Afamin)(「AFM」と略記する)は、分子量8 7,000ダルトンの新規な血清タンパク質である。AFMはアルブミンファミ リーのメンバーと極めて類似しており、該ファミリーに認められる特徴的なパタ ーンのジスルフィド結合を有している。さらに、該遺伝子は、アルブミン遺伝子 ファミリーの他のメンバーと同様、4番染色体に位置する。従って、AFMはア ルブミンファミリータンパク質の第4のメンバーである。AFMのcDNAをチ ャイニーズハムスターの卵巣細胞に安定にトランスフェクトし、組換えタンパク 質(rAFM)をならし培地から精製した。rAFM及びヒト血清から精製した AFMはともに、AFMの推定アミノ酸配列から誘導された合成ペプチドに対し て産生されたポリクローナル抗 体と反応する。AFMは、ALB、AFP及びVDBと共通の特性及び生物学的 活性を有していると予測される。 「発明の背景」に記載された刊行物 以下の項は、ALB、AFP及びVDBに関して現在入手し得る背景情報の要 約及びこれらの公知タンパク質に関する追加刊行物のリストを含む。 I.ヒト血清アルブミン ヒト血清アルブミンは、血漿のコロイド浸透圧に寄与することにより血漿の量 及び組織液の平衡の調節を司る重量な因子である。通常、アルブミンは、血漿タ ンパク質の50〜60%を構成し、その比較的低い分子量(66,300〜69 ,000)のために、血液のコロイド浸透圧の80〜80%を付与する。 ALBの最も良く知られている機能には、血管通過液の流れ、従って血管内及 び血管外の液量並びに脂質及び脂質可溶性物質の輸送の調節が含まれる。ALB 溶液は、やけど、手術、出血、又は循環量の不足が存在する他の外傷若しくは症 状を含む特定のタイプのショック又は切迫ショックの治療における血漿量の増大 及び心拍出量の維持に用いられることが多い。赤血球欠乏の程度によっては、全 血又は赤血球の輸血も必要となり得る。 ALB濃厚溶液を静脈内(IV)投与すると、間質空間からの体液が循環系に移 動するようになり、血漿タンパク質 の濃度が僅かに増大する。各容量の25%ALB溶液を、十分に水分を補給した 患者に静脈内投与すると、15分以内に約3.5容量の追加液が循環系に吸い込 まれ、血液濃度及び血液粘度が下がる。循環血液量が低減した(出血又は滲出物 を介して若しくは血管外空間への体液の流失による)患者においては、血液希釈 は何時間も続くが、正常な血液量を有する患者では、過剰の体液及びタンパク質 は数時間内に循環系から失われる。一般に脱水症状の患者の場合、追加液を投与 しない限り、ALBによる臨床的な改善は殆ど又は全く得られない。 ALBは結合アミノ酸をいくらか含んではいるが、それは、限られた栄養効果 を提供するに過ぎない。ALBは中間代謝物(ビリルビンを含む)、微量金属、 ある種の薬剤、染料、脂肪酸、ホルモン及び酵素に結合し、それらのキャリヤー として機能し、従って、組織産物の輸送、失活及び/又は交換に作用する。 ALBは、他の多くの生体機能にも関与するが、該機能のいくつかが最近にな って示唆されたに過ぎず、おそらく他の機能は未だ認識されていない。アルブミ ンの独特な特性の中で認識されたものには:(a)毒性産物の結合、従 ってその失活;(b)血漿、並びに内在性及び外から投与された物質や薬剤の血 漿及び間質液濃度の調節;(c)抗凝血への関与;(d)タンパク質に対する微 小血管透過性の維持;及び(e)遊離ラジカルの捕集及び脂質の過酸化の阻止が 含まれる。この最後の特性は、特に、遊離ラジカルが、組織の酸化による直接的 な損傷、またa1−PI及びAT−IIIのような重要な抗プロティナーゼの失活に よる間接的な組織損傷における主因であると考えられる炎症性疾患症状において 極めて重要であることがわかる。 以下は、文献に報告されているALBの多くの有用性についてのより詳細な要 約である。 A.ALBの機能 ・ コロイド浸透圧に寄与し、それによって循環系からの水分の流失を阻止する ; ・ 恐らく内皮上で同定された特異的アルブミンレセプターを介して、脂肪酸( 主として長鎖のもの)、アミノ酸(Cys及びTrp)、ステロイド、グルタチ オン、金属(Ca、Zn)、ビリルビン、リゾレシチン、ヘマチン、プロスタグ ランジン及び医薬品の肝臓、腸、腎臓及び脳への輸送、分配、代謝を助ける; ・ 血管内及び血管外の脂肪酸の貯蔵所としての役割を果たす(ALBの60% は血管外に認められる); ・ ALBの同様な使用を示唆する、ウシ血清アルブミン(BSA)に結合させ ることによるドキソルビシン(DXR)の修飾、及びDXRのみ(動物モデルの )の場合と比較した、おそらくBSA−DXRの排出の減少によると考えられる DXRの化学療法効能の改善; ・ Cuにより刺激される脂質の過酸化及び赤血球膜の溶血を阻止する(酸化防 止剤として作用する); ・ HOCl及びペルオキシラジカルを捕集する; ・ 脂肪酸に結合して該酸の過酸化を防止する; ・ 内因性酸化防止作用を殆ど有していない体液(例えば、眼液及び能脊髄液) 中で保護作用を付与し得る; ・ 尿における高レベルのALBは、糖尿病の初期腎性病変を検出するための診 断薬である; ・ ショック症状をなくすための投与及び呼吸窮迫症候群に罹患している新生児 に対する投与; ・ 急性間欠性ポルフィリン症を治療するためのヘマチン用ビヒクルとして投与 ; ・ 全血清の代わりに組織培養に使用; ・ スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)に結合すると、血清半減期の増大 によりSODの効果を高める; ・ 微小球状ALBは治療薬の担体として有用である; ・ 過酸化水素の放出及び好中球の拡散を阻止する。 B.ALBに関する刊行物 II.α−フェトプロテイン α−フェトプロテイン(AFP;分子量 70,000)は、発育中に産生さ れる主要な血清タンパク質であり、主として胎児の肝臓及び卵黄嚢細胞で産生さ れる。その合成は、出生後には著しく減少し、大人の血清中には微量存在するに 過ぎない。大人の血清レベルの増大は肝癌又は卵黄嚢腫瘍の徴候である。という のは、これらの腫瘍がAFPを産生するからである。AFPと胎児の発育並びに 上記タイプの悪性腫瘍との特異的な関係は多大な興味の対象となり、AFPの構 造及びその遺伝子、遺伝子発現の調節並びに生物学的機能について多くの研究が 行われている。 ALBと同様にAFPは、不飽和脂肪酸、エストロゲン、ビリルビン、銅及び ニッケルイオンなどのような種々のリガンドに結合することが示された。さらに AFPは、多くの異なる実験室からの多様な系における免疫過程を調節するとも 言われているが、その結果は論議の的である。 以下は、文献で入手可能なAFPの有用性についてのより詳細なリストである : A.AFPの機能 ・ 不飽和脂肪酸、エストロゲン、ビリルビン、Cu、N iに結合する; ・ 胎児の発育不全を示す妊娠中の女性の羊水レベルの増大; ・ 遺伝性チロシン血症又は毛細管拡張性運動失調(胸腺及び肝臓の組織分化に おける欠陥を特徴とする常染色体の劣性障害)にも認められる高レベル; ・ NK細胞活性を阻害する; ・ サプレッサーT細胞を誘発させる; ・ PHA及びConAに対するリンパ球のマイトジェン応答を阻害する; ・ Ia決定基に対するT細胞増殖を阻害する; ・ マクロファージ貧食作用及びIa発現を低下させる; ・ ブタ顆粒膜細胞によるFSH媒介エストラジオールの産生を阻害する; ・ ブタ顆粒膜細胞の成長因子媒介細胞増殖を促進する。 B.AFPに関する刊行物 III.ビタミンD結合タンパク質 グループ特異的成分(Gc;VDB)は、分子量51,000のα2−グロブ リンである。VDBは、肝臓で合成される、血漿中の主要ビタミンD結合タンパ ク質である。VDBは、ヒト母集団中に3種の共通な遺伝表現型:Gc1、Gc 2及びGc2−1として出現する。VDBはG−アクチンにも結合し、リンパ球 膜上のIgGと空間的に会合しているとも報告されている。 以下は、文献で入手可能なVDBの有用性についての詳細なリストである:A.VDBの機能 ・ 恐らく血漿中での輸送のために、セコステロイド、ビタミンD並びにその誘 導体25−ヒドロキシビタミンD及び1,25−ヒドロキシビタミンDに結合す る; ・ 1,25−ビタミンDは単球を分化し、VDBはこれを阻害する; ・ アクチンと結合する(アクチン重合体の組み立てを妨げる); ・ 不飽和脂肪酸(例えば、アラキドン酸)に結合する; ・ C5a及びC5aのArg欠失体に結合し、好中球の 共走化性因子として作用する; ・ マクロファージの活性化因子として作用する。 B.VDBに関する刊行物 51.Watt,G.H.ら,Circulatory Shock 28,279−291(1989). 本発明のタンパク質、AFM、は、ALB、AFP及びVDBと極めて類似し た構造を有し、従って、上記の公知タンパク質が有する上記の有用性及び活性を 共有していると考えられる。発明の要旨 本出願人は、リポ多糖(LPS)でコーティングした赤血球がヒトマクロファ ージに結合することを阻害し得る血清タンパク質を精製するための実験の間に、 アポリポタンパク質A1(ApoA1)と同時精製される新規のヒトタンパク質 を精製した。この新規タンパク質は、SDS−PAGEにかけると、87,00 0の見かけ分子量を有しており、AFMと称される。本出願人は、本明細書にA FMのcDNAのクローン化を記載し、AFMが構造的にも機能的にもALBフ ァミリーの他のメンバーに極めて類似し ていることを示す。さらに、本出願人は、AFMのcDNAでトランスフェクト したCHO D-細胞の無血清ならし培地からAFMを精製し、それによって、A poA1の不在下のAFMの研究を可能にした。 本発明は、上記に基づき、新規のヒトポリペプチド「AFM」、AFMとAp oA1及び/又は脂質との複合体、及びAFMに特異的な1種以上の生物学的活 性又は特性を示すそのポリペプチド変異体(断片及び類似体を含む)、をコード する精製・単離ポリヌクレオチド(例えば、そのDNA配列及びRNA転写体) を提供する。 本発明の好ましいDNA配列には、ゲノム及びcDNA配列、並びに全体又は 一部が化学的及び/又は酵素的に合成されたDNA配列及びその生物学的レプリ カが含まれる。本発明はさらに、そのような配列を組み込んだプラスミド及びウ イルスDNAベクター、特に、AFM又はAFM変異体をコードするDNAが内 因性又は外因性発現調節DNA配列に作動可能に結合しているベクターのような 自律複製組換え構築物を提供する。 本発明の別の態様により、宿主細胞、特に単細胞宿主細胞、例えば、原核及び 真核細胞を、AFM及びその変異体 を内部で発現させ得るように、本発明のDNA配列で安定に形質転換する。 本発明の宿主細胞は、細胞を適切な培養培地中で増殖させ、所望のポリペプチ ド産物を細胞又は増殖培地から単離する、AFM及びAFM変異体の大量製造法 に有用である。 本発明の新規のAFM及びAFM変異体産物は、天然の細胞源からの単離体と して得ることもできるが、本発明の宿主細胞を含む組換え法により製造するのが 好ましい。該産物は、組換え体の産生及び/又は単離後のプロセシング用に選択 された宿主細胞に応じて、完全又は部分的グリコシル化、部分的又は完全脱グリ コシル化、あるいは、非グルコシル化形態で得ることができる。該産物は、他の 分子、例えば、細胞誘導脂質及び/又はApoA1に結合していてもよい。 本発明の産物には、本明細書の図1に記載の−21〜578番目のアミノ酸残 基配列を有するポリペプチドモノマー及びマルチマーが含まれる。以下に詳細に 説明するように、この配列は、「成熟」タンパク質配列の前にあって、−21( Met)〜−1(Thr)残基を含み、その後に1(Leu)〜578(Asn )残基にわたる成熟タンパ ク質が続く推定シグナル又はリーダー配列を含む。アミノ酸組成に基づいて計算 されたグリコシル化又は他の翻訳後修飾を欠く成熟タンパク質の分子量は、約6 6,576ダルトンである。 本発明のAFM変異体は、本明細書に特定されている1つ以上の領域を含むフ ラグメントを含むが、該変異体は、さらに1種以上の特定のアミノ酸が、(1) 実質的な欠損無しに、好ましくはAFMに特異的な1種以上の生物学的活性又は 免疫学的特性が増強されるか;又は(2)特定のリガンド/レセプター結合機能 の特異的調節を伴うように、欠失又は置換されたポリペプチド類似体を含んでい てもよい。マルチマーの形成を容易にする、追加のアミノ酸残基(例えば、リシ ン)を含むポリペプチド類似体も考慮に含まれる。 本発明により、抗体(例えば、モノクローナル又はポリクローナル抗体、単鎖 抗体、キメラ抗体、CDRグラフト抗体など)又はAFM若しくはAFM変異体 に特異的な他の結合タンパク質も考慮に含まれる。抗体は、単離された天然又は 組換えAFM若しくはAFM変異体を用いて産生させ得る。 該抗体は、免疫感作用複合体並びに本発明のポリペプチドの精製に有用である 。該抗体はまた、AFMが係わるリガンド/レセプター結合反応の調節(即ち、 ブロッキング、阻害又は刺激)にも有用である。 抗AFM抗体に特異的な抗イディオタイプ抗体及び治療における該抗体の使用 も考慮に含まれる。細胞表面上及び血清のような体液中でのAFMの検出及び定 量アッセイには、単一抗体又は「サンドイッチ」アッセイ法における多重抗体が 関与し得る。 本発明のDNA及びアミノ酸配列の有用性は様々である。例えば、AFMのc DNA配列がわかれば、AFMをコードし、プロモーター、オペレーターなどの ようなAFM発現制御調節配列を特定するゲノムDNA配列のDNA/DNAハ イブリダイゼーションによる単離が可能になる。本発明のDNA配列を用い、ス トリンジェントな条件下に実施されるDNA/DNAハイブリダイゼーション法 によっても、AFMの対立遺伝子変異体、AFMの生物学的及び/又は免疫学的 特異性を共有する他の構造的に関連したタンパク質、並びに非ヒト種からの(特 に他の哺乳動物からの)AFMと同種のタンパク質をコードするDNAを単離 し得る。本発明のDNAは、細胞のAFM合成能を検出するDNA/RNAハイ ブリダイゼーションアッセイに有用である。AFMの種々の特定の有用性を以下 に開示する。これらの有用性は、主として上記の同種アルブミンタイプのポリペ プチドの公知有用性に基づいている。 さらに本発明により、通常、AFMを発現する細胞によるAFMの発現調節に 関連したアンチセンスポリヌクレオチド(例えば、DNA及びRNA)を得るこ とができる。さらに、AFMのDNA及びアミノ酸配列がわかれば、組換え手段 による、AFMタンパク質配列及び免疫グロブリンの重鎖定常領域及び/又はヒ ンジ領域の存在を特徴とするハイブリッド融合タンパク質の産生が可能になる。 Caponら,Nature,337;525−531(1989);Ashk enaziら,P.N.A.S.(USA),88,10535−10539( 1991);及び1989年4月6日に公開されたPCT WO 89/0292 2を参照されたい。 図面の簡単な説明 従って、本発明の多くの他の態様及び利点は、図面を参照して以下の詳細な説 明を考慮すれば明らかになるであろ う。 図1は、AFMのヌクレオチド及び推定アミノ酸配列を示す。推定シグナル配 列は小文字で示されている。アスタリスクは、推定N−グリコシル化部位を示し ている。これらは配列番号1及び配列番号2としても示す。 図2A及び図2Bは、ALBファミリーのアミノ酸配列の比較を示す。図2A はALBファミリータンパク質の整列を示す。配列は、MegAlignプログ ラム(DNASTAR)のClustal法を用いて整列させた。同一アミノ酸 残基はボックスで囲まれている。コンセンサス(Consensus)とは、4 つの配列全てにおいて同一の残基を示す。マジョリティー(Majority) とは、4つの配列全てにおいて2又は3個の残基が同一であることを示す。図2 Bは、ALBファミリーメンバー間の類似率(対角線の右側)及び同一率(対角 線の左側)を示す。類似性はGCG GAPプログラムを用いて決定した。以下 のような比較タンパク質の配列も提供する:血清アルブミン、配列番号3;α− フェトプロテイン、配列番号4;及びビタミンD結合タンパク質、配列番号5。 図3は、ALBファミリータンパク質中に保存されてい るCysパターンを示す。成熟形のALBファミリータンパク質は、単一のCy s残基を表す細い垂直線と−Cys−Cys−配列を表す太い垂直線とで示され ている。 図4は、AFMの推定ジスルフィド結合パターンを示す。ドメイン及び二重ル ープの構造は、初期にALBについて提案されたように描かれている。 図5は、安定にトランスフェクトされたCHO D-細胞におけるrAFMの発 現を示す。試料を、還元条件下にSDS−PAGEにかけ、次いで、電気泳動さ せてニトロセルロースに移す。スキムミルクでブロッキングした後、膜をAM3 39抗体でプローブし、その後、ドンキーラビット抗Igと共にインキュベート した。免疫反応性タンパク質を化学発光により視覚化した。レーン1、AFMの cDNAでトランスフェクトしたCHO D-細胞からの80mlならし培地(C M);レーン2、トランスフェクトしていないCHO D-細胞からの80ml CM;レーン3、ヒト血漿から精製した100ng AFM。サイズマーカー( kDa)は左側に示されている。 図6は、rAFMの精製を示す。AFMのcDNAでトランスフェクトしたC HO D-細胞から精製した試料を、 等量の2×試料緩衝液(125mM トリス−HCl,pH6.8,4% SDS ,0.005% ブロモフェノールブルー,10%グリセロール)で調整し、還 元条件下に4〜20%ポリアクリルアミド勾配ゲル(Novex)を用い、SD S−PAGEで分析した。ゲルはクーマシーブリリアントブルーで染色した。レ ーン1及び6、10mg Mark−12分子量マーカー(Novex,Inc .);レーン2、濃縮CMに硫酸アンモニウムを添加した後の50mg 総タン パク質(上清をPBSに対して透析し、次いでゲル上に加えた);レーン3、2 5mg フェニルセファロース水溶出物;レーン4、10mg Q セファロース 精製rAFM;レーン5、Superdex 200で精製したrAFM1mg 。 好ましい実施態様の詳細な説明 AFMの定義 AFMは、図1のAFMと共通の定性的生物学的活性又は特性を有するポリペ プチドと定義される。 上記定義のAFMの範囲に含まれるのは、図1に記載のAFMのアミノ酸配列 、配列番号2を有するAFM;AFMのグリコシル化、脱グリコシル化又は非グ リコシル化誘 導体;及びAFMの脂質化(lipidated)又は脱脂質化形態である。 さらに該AFM範囲に含まれるのは、ヒト、マウス、ラット、ブタ、ウサギ、 サル、イヌなどを非限定的に含む任意の種由来のAFMである。ヒト形態のAF Mが特に好ましい。AFM変異体 AFM変異体には、図1のAFMと共通の生物学的活性又は特性を示し得る、 図1の配列の相同アミノ酸配列変異体及びAFMの相同in vitro産生変 異体及びAFM誘導体が含まれる。 本明細書に用いられている「相同」という用語は、配列を整列し、必要な場合 には最大比率の相同性を達成すべくギャップを導入した後の、図1のAFM配列 の残基と同一の候補配列の残基を指す。 AFMの生物学的活性又は特性は、(1)少なくとも1つのAFMエピトープ との免疫学的交差反応性、又は(2)AFMと定性的に共通の少なくとも1つの 調節又はエフェクター機能を有することと定義する。これらの活性の例は、本明 細書にAFMの有用性について記載した項に見ること ができる。 本明細書に用いられている「免疫学的に交差反応性」とは、候補ポリペプチド が、この活性を有するAFM又はAFM変異体の定性的生物学的活性を、公知活 性類似体に対して産生されたポリクローナル抗血清と競合して阻害し得ることを 意味する。そのような抗血清は、ヤギ又はウサギのような動物に、例えば、フロ イントの完全アジュバント中の既知活性類似体を皮下注射し、次いで、フロイン トの不完全アジュバントを腹腔内又は皮下注射して免疫追加することにより慣用 法で調製する。ポリクローナル抗血清産生の例は、後述の実施例の項に示す。 AFMのアミノ酸配列変異体は、その結合パートナーに対するAFMの親和性 の増強、安定性の促進、AFMの精製及び作製などを含む種々の目的を考慮して 作製する。 AFMのアミノ酸配列変異体は、3つのクラス:挿入、置換又は欠失変異体の 1つ以上を包含する。これらの変異体は、通常、AFMをコードするDNAのヌ クレオチドの部位特異的突然変異誘発により変異体をコードするDNAを得、そ の後で、組換え細胞培養中でDNAを発現させる。しかし、最大約100〜15 0個のアミノ酸残基を有する 変異体AFMフラグメントはin vitro合成により作製するのが便利であ る。 AFMのアミノ酸配列変異体は、天然又は天然産生対立遺伝子中には認められ ない予決定変異体である。AFM変異体は、典型的には天然産生AFM分子と同 じ定性的生物学的活性を示す。しかし、AFM変異体及び、そのリガンドに結合 し得ない誘導体は、(a)AFM又は抗AFM抗体についての診断アッセイにお ける試薬として、(b)公知方法では溶解しない場合に、抗血清又はハイブリド ーマ培養上清から抗AFM抗体を精製するための物質として、及び(c)少なく とも1つのAFMエピトープが活性を保つ限り、抗AFM抗体を産生させるため の免疫原として、又は免疫アッセイキットの成分(天然AFMの場合は競合試薬 として標識して、又はAFMアッセイの場合には標準として無標識で)として有 用である。 アミノ酸配列変異を導入する部位は予決定するが、突然変異それ自体を予決定 する必要はない。例えば、所定部位における突然変異の成果を最適にするために 、ランダム又は飽和突然変異誘発(20個の可能な残基全てを挿入する場合)を 標的コドンで実施し、発現されたAFM変異体を 所望活性の最適な組合わせについてスクリーニングする。そのようなスクリーニ ングは当業者が熟知するところである。 アミノ酸の挿入は通常一般に約1〜10個程度のアミノ酸残基であり、置換は 典型的には単一の残基に導入し、欠失は一般に約1〜30個の残基の範囲である 。欠失又は挿入は隣接する塩基対、即ち、2個の残基を欠失させるか又は2個の 残基を挿入して行うのが好ましい。以下の説明から、置換、欠失、挿入又はその 任意の組合わせを、最終構築物となるように導入するか又は組み合わせることは 明らかであろう。 AFMの挿入アミノ酸配列変異体は、AFMに対して外来の1個以上のアミノ 酸残基を標的AFMの予決定部位に導入し、既に存在している残基と置換するも のである。一般に、挿入変異体は、AFMのアミノ又はカルボキシル末端基と、 異種タンパク質又はポリペプチドとの融合体である。そのような変異体は、AF Mと、通常AFMの挿入位置に認められるものとは異なる配列を含むポリペプチ ドとの融合体と称される。本明細書では、いくつかの融合体群が企図されている 。 免疫活性AFM誘導体及び融合体はAFMと、非AFMエピトープを有するポ リペプチドとを含み、これらの誘導体及び融合体は本発明の範囲内である。非A FMエピトープとは、免疫学的にコンピテントな任意のポリペプチド、即ち融合 体を投与するべき動物において免疫応答を引き出し得るか、または非AFMポリ ペプチドに対する抗体よって結合され得る任意のポリペプチドのことである。典 型的な非AFMエピトープは、アレルゲン、自己免疫エピトープ、またはtrp LE、β−ガラクトシダーゼといった細菌ポリペプチド、ヘルペスgDタンパク 質などのウイルスポリペプチド等を含めた、融合体受容体に予め存在する抗体に よって認識される他の有効免疫原もしくは抗原が保持するものである。 免疫原融合体はin vitro架橋によって、または免疫原ポリペプチドを コードするDNAで形質転換した組み換え細胞の培養によって製造する。免疫原 融合体は、その免疫原配列が(1個以上の)ペプチド結合によってAFMまたは AFMフラグメントに結合しているかまたは挿入されているものが好ましい。従 ってこの生成物は、AFMエピトープを有し、かつAFMにとって外来のエピト ープ を少なくとも1個有するポリペプチド直鎖から成る。エピトープをAFM分子ま たはそのフラグメント中の任意の位置に導入することは本発明の範囲内であると 理解される。 上記のような融合体は組み換え宿主細胞において、または二価性架橋剤の使用 によって製造すれば都合が好い。AFMと免疫原ポリペプチドとの融合に架橋剤 を用いることは直鎖状融合体を得ることほど望ましくなく、なぜなら架橋生成物 は構造的に均質な形態で合成することがさほど容易でないからである。 上記のような免疫原挿入体は、医薬的に許容可能なキャリヤ(または担体)中 に配合して、AFMに対する抗体を産生させるべく被検者に投与すれば特に有用 であり、その際前記抗体自体は診断薬に、またはそれ自体公知である免疫親和性 技術によるAFM精製に有用である。診断薬用途では抗体を、典型的には検出可 能基に結合させるかまたは前記基と関連付けるが、前記基の例は当業者には良く 知られている。免疫親和性技術は例えばAFM精製に用い得る。 免疫活性であってもなくてもよいその他の融合体には、成熟AFM配列とAF Mにとって異種であるシグナル配列との融合体、及びAFMと免疫グロブリン鎖 またはそのフ ラグメントなどの、(通常約20時間を越える)長い血漿半減期を有するポリペ プチドとの融合体が含まれる。 シグナル配列融合体は、AFMの分泌をより迅速に行なわせるべく用いる。異 種シグナルが天然のAFMシグナルに置き換わり、得られる融合体が宿主細胞に よって認識されれば、即ちプロセシング及び切断されればAFMが分泌される。 シグナルは使用する宿主細胞に基づいて選択し、細菌配列、酵母配列、哺乳動物 配列及びウイルス配列などをシグナルとし得る。天然AFMシグナルまたはヘル ペスgD糖タンパク質シグナルは哺乳動物発現系での使用に適する。 実質的価値のある変異体は、図2の配列中の少なくとも1個の残基が除去され 、その位置に異なる残基が挿入されたものである。このような置換は、AFMの 特性を微妙に調節することが望ましい場合は通常、次の表1に従って行なう。 表1のものほど保存性でない置換を選択することによって、即ち(a)ポリペ プチド主鎖の置換領域の、例えばシートまたはヘリックスコンホーメーションと しての構造、(b)分子の標的部位の電荷もしくは疎水性、または(c) 側鎖の嵩高さの維持に及ぼす影響がはるかに甚だしく異なる残基を選択すること によって、機能または免疫学的同等性をかなり変更することができる。AFM特 性を最も変化させると通常考えられるのは、(a)親水性残基、例えばセリルま たはトレオニルで疎水性残基、例えばロイシル、イソロイシル、フェニルアラニ ル、バリルまたはアラニルを(またはこの逆に)置換するか、(b)システイン またはプロリンで他の任意の残基を(またはこの逆に)置換するか、(c)正荷 電側鎖を有する残基、例えばリシル、アルギニルまたはヒスチジルで負荷電残基 、例えばグルタミルまたはアスパルチルを(またはこの逆に)置換するか、また は(d)嵩高い側鎖を有する残基、例えばフェニルアラニンで側鎖を有しない残 基、例えばグリシンを(またはこの逆に)置換する置換である。 欠失、挿入及び置換には、AFM分子の特性に根底的な変化を生じさせないも のも有る。しかし、置換、欠失または挿入の実施前にその影響を正確に予測する ことが困難である場合、例えばAFM細胞外ドメインまたは免疫エピトープを修 飾する場合に通常のスクリーニングアッセイによって影響を評価することは、当 業者には理解されよう。 別種のAFM変異体に、欠失変異体が有る。欠失は、AFM配列からの1個以 上のアミノ酸残基の除去によって特徴付けられる。AFMの生物活性または免疫 交叉反応性を保存する、AFMのC末端またはN末端からの欠失が適当である。 システインまたは他の不安定な残基の欠失も、例えばAFMの酸化安定性を向 上させる場合などに望ましい。潜在的タンパク質分解部位、例えばArg−Ar gの欠失または置換は、いずれか1個の塩基性残基を欠失させるか、またはグル タミニルもしくはヒスチジル残基によって置換することにより行なえる。 好ましい変異体は、保存性置換を行なったものである。変異体によっては生物 活性を僅かしか、または全く示さないことがあると理解される。しかしそのよう な変異体は、AFMの免疫エピトープを少なくとも1個保持していれば、AFM に関するイムノアッセイにおいて標準として有用である。 グリコシル化変異体もAFMの範囲内に含まれる。この変異体には、グリコシ ル化を完全に欠く(非グリコシル化)変異体、及び天然形態と比べてグリコシル 化されていない 部位を少なくとも1個有する(脱グリコシル化)変異体、並びにグリコシル化部 分が変化した変異体が含まれる。加えて、天然AFMのアミノ酸配列を有する非 グリコシル化AFMは組み換え原核細胞培養物において産生され、なぜなら原核 生物はポリペプチドにグリコシル化を導入し得ないからである。 グリコシル化変異体は適当な宿主細胞の選択によって、またはin vitr o方法によって製造する。例えば、酵母は哺乳動物系とは著しく異なるグリコシ ル化を導入する。同様に、AFM起源とは異なる種(例えばハムスター、マウス 、昆虫、ブタ、ウシまたはヒツジ)または組織(例えば肺、リンパ様組織、間葉 組織または表皮組織)に由来する哺乳動物細胞は、例えばマンノースレベルの上 昇、またはマンノース、フコース、シアル酸及び哺乳動物の糖タンパク質中に典 型的に見出される他の糖の変異比率によって特徴付けられる、変異体グリコシル 化を導入する能力に関して通常のようにスクリーニングする。AFMのin v itroプロセシングは典型的には、酵素加水分解、例えばノイラミニダーゼ消 化によって実現する。 天然源から単離したかまたは組み換え技術で製造したA FMは通常、結合脂質を有する。結合脂質の性質はAFM源に依存すると考えら れる。脱脂質化型(delipidated versions)のAFMは当 分野、特に脱脂質化が通常の操作とされるALB関連分野において知られている 標準的な脱脂質化法によって製造できる。好ましい一方法では、AFMの水溶液 を1−ブタノールまたはジイソプロピルエーテルといった、脂質が溶解し得る溶 媒で抽出する。脱脂質化法の特定例の一つを実施例8に示す。 発現されるポリペプチドに組み換え宿主細胞が作用する結果として、或る種の 翻訳後誘導体化が生起する。グルタミニル及びアスパラギニル残基はしばしば翻 訳後に脱アミド化されて、対応するグルタミル及びアスパルチル残基となる。あ るいは他の場合には、上記残基は弱酸性条件下に脱アミド化される。いずれの形 態の上記残基も本発明の範囲内である。 その他の翻訳後修飾には、プロリン及びリシンのヒドロキシル化、セリルまた はトレオニル残基のヒドロキシル基のリン酸化、リシン、アルギニン及びヒスチ ジン側鎖のα−アミノ基のメチル化(T.E.Creighton,“Prot eins: Structure and M olecular Properties,”pp.79−86,W.H.Fr eeman & Co.,San Francisco,1983)、N末端ア ミンのアセチル化、及び場合によってはC末端カルボキシルのアミド化が含まれ る。AFMに関連するオリゴヌクレオチド FMをコードするDNAはin vitro方法によって合成し、またはヒト 肝臓cDNAライブラリーから容易に取得する。AFMをコードするDNAを手 作業で、または自動装置を用いて合成創出する手段は通常、特に本明細書の教示 に照らして当業者には公知である。ポリヌクレオチド合成に関する従来技術の例 としては、Maniatis等,“Molecular Cloning−A Laboratory Manual,”Cold Spring Harbo r Laboratory,1984及びHorvath等,“An Auto mated DNA Synthesizer Employing Deox ynucleoside 3′−Phosphoramidites,”Met hods in Enzymology 154,pp.313−326, 1987が挙げられる。 あるいはまた、AFMの好ましい具体例のための完全DNA配列が得られるの でマウスまたはヒト以外の供給源からAFMコーディングDNAを得る場合には 、標識したAFMコーディングDNAまたはその断片(普通約20bpより大き く、通常は約50bp)を用いてハイブリダイゼーションスクリーニングを行な い、それによって当該動物の肝臓に由来するcDNAライブラリー中で相同配列 を有するクローンを検出し、その後クローンを制限酵素分析及び核酸配列決定に より分析して完全長クローンを同定しさえすればよい。ライブラリー中に完全長 クローンが存在しない場合は、様々なクローンから適当な断片を回収し、これら の断片をその共通する制限部位において連結して完全長クローンを形成する。他 の動物種に由来するAFMコーディングDNAは、当該種由来のライブラリーを ヒト配列をプローブとして探索するか、または当該遺伝子をin vitro合 成することによって取得する。 ストリンジェントな条件下に図1のDNA配列の断片とハイブリダイズする核 酸配列も本発明の範囲内に含まれ、その際前記断片は約10bpより大きく、好 ましくは20 〜50bpより、更には100bpより大きい。ストリンジェントな条件下にA FMの断片とハイブリダイズする核酸配列も本発明の範囲内に含まれる。「スト リンジェント」という語は、当分野でストリンジェントであると共通に理解され ている条件を差すのに用いてある。そのような一連の条件の例に、60〜70℃ (好ましくは約65℃)の温度、及び0.70〜0.80M(好ましくは約0. 75M)の塩濃度などが有る。 ストリンジェントな条件下にAFMのcDNAと、またはAFMのゲノム遺伝 子(イントロン、及び約5,000bpの隣接遺伝子まで伸長する5′側及び3 ′側隣接領域のいずれか大きい方を含む)とハイブリダイズし得る核酸プローブ も本発明の範囲内に含まれる。AFMの組み換え発現 本発明に有用なベクターの構築では通常、DNA配列のクローニングに原核生 物を用いる。例えば、大腸菌K12株294(ATCC No.31446)が 特に有用である。用い得る他の微生物株には大腸菌B及び大腸菌X1776(A TCC No.31537)などが有る。あるいは他の場合には、in vit roクローニング方法、 例えばポリメラーゼ連鎖反応が適当である。 本発明のAFMはN末端メチオニル類似体として、またはAFMにとって異種 のポリペプチド、好ましくはシグナル配列、もしくはAFMのN末端の特異的切 断部位を有する他のポリペプチドとの融合体として、組み換え細胞培養物におい て直接発現される。宿主の原核生物がAFMシグナルのプロセシングを行なわな い場合はシグナルを、例えばアルカリホスファターゼ、ペニシリナーゼ、及び熱 安定エンテロトキシンIIリーダーの中から選択した原核生物シグナルによって置 換する。酵母分泌のためには、ヒトAFMシグナルを酵母インベルターゼ、α因 子または酸性ホスファターゼリーダーによって置換し得る。哺乳動物細胞発現で は哺乳動物AFMのための天然シグナルで十分であるが、他の哺乳動物分泌タン パク質シグナルも、ウイルス分泌リーダー、例えばヘルペスシンプレックスgD シグナル同様適当である。 AFMは任意の宿主細胞において発現され得るが、好ましくは哺乳動物宿主に おいて合成される。しかし、原核生物、真菌類、酵母、昆虫等に由来する宿主細 胞も発現のために用いられる。原核生物の例には、大腸菌W3110(F −; 1−; 原栄養株; ATCC No.7325)、Serratia marescansなど他の腸内細菌科菌、Bacillus属菌及び様々なP seudomonas属菌などの、クローニングに適した株が有る。好ましくは 宿主細胞は、タンパク質分解酵素を極少量しか分泌しないものであるべきである 。 発現宿主は典型的には、発現ベクター中に連結したAFMコーディングDNA で形質転換する。上記ベクターは通常、複製部位を有する(染色体組み込みが生 起する場合は不要であるが)。発現ベクターは、後段に詳述する形質転換細胞に おける表現型選択を可能にするマーカー配列も含む。発現ベクターは好ましくは 、転写及び翻訳の制御に有用な配列、例えばプロモーター及びシャイン−ダルガ ーノ配列(原核生物の場合)、またはプロモーター及びエンハンサー(哺乳動物 細胞の場合)も有する。プロモーターは誘導性であってもよいが、これは必須で はない。 宿主を原核生物とする場合に用いるのに適したプロモーター例には、β−ラク タマーゼ及びラクトースプロモーター系(Chang等,Nature 275 ,p.615,1978及びGoeddel等,Natur e 281,p.544,1979)、アルカリホスファターゼ、トリプトファ ン(trp)プロモーター系(Goeddel,Nucleic Acids Res.8,p.4057,1980及びヨーロッパ特許出願公開第36,77 6号)、及びtacプロモーター(H.de Boer等,Proc.Natl. Acad.Sci.USA 80,pp.21−25,1983)などのハイブ リッドプロモーターが含まれる。しかし、他の機能性細菌性プロモーターも適当 である。それらのヌクレオチド配列は通常公知であり、従って、必要な制限部位 を供給するリンカーまたはアダプターを用いれば、当業者は当該プロモーターを AFMコーディングDNAに作動可能に連結することができる(Siebenl ist等,Cell 20,p.269,1980)。細菌系用のプロモーター は、AFMコーディングDNAに作動可能に連結されたシャイン−ダルガーノ( SD)配列も有する。 原核生物に加えて、酵母や糸状菌類といった真核微生物も十分用い得る。最も 普通に用いられる真核微生物はSaccharomyces cerevisi aeであるが、他の幾つかの株も通常利用可能である。 宿主を酵母とする場合に用いるのに適したプロモーター配列には、3−ホスホ グリセリン酸キナーゼ用のプロモーター(Hitzeman等,J.Biol. Chem.255,p.2073,1980)、またはエノラーゼ、グリセルア ルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ、ヘキソキナーゼ、ピルビン酸デカルボ キシラーゼホスホフルクトキナーゼ、グルコース−6−リン酸イソメラーゼ、3 −ホスホグリセリン酸ムターゼ、ピルビン酸キナーゼ、トリオースリン酸イソメ ラーゼ、ホスホグルコースイソメラーゼ及びグルコキナーゼなど、他の解糖系酵 素用のプロモーター(Hess等,J.Adv.Enzyme Reg.7,p .149,1968; 及びHolland,Biochemistry 17 ,p.4900,1978)が含まれる。 転写が増殖条件によって制御されるという付加的な利点を有する誘導性プロモ ーターである他の酵母プロモーターに、アルコールデヒドロゲナーゼ2、イソシ トクロムC、酸ホスファターゼ、窒素代謝に関連する分解用酵素、メタロチオネ イン、グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ、並びにマルトース及 びガラクトース利用の原因 となる酵素用のプロモーター領域が有る。酵母発現に用いるのに適したベクター 及びプロモーターは、R.Hitzeman等のヨーロッパ特許出願公開第73 ,657A号にも開示されている。 発現制御配列は、真核生物では既知である。実質的に総ての真核生物遺伝子が 、転写開始部位の約25〜30塩基上流にATに富む領域を有する。多くの遺伝 子の転写開始部位の70〜80塩基上流に別の配列のCXCAAT領域が見出さ れ、この領域のXは任意のヌクレオチドであり得る。ほとんどの真核生物遺伝子 の3′末端にAATAAA配列が有り、この配列はコーディング配列の3′末端 へのポリAテールの付加のためのシグナルであり得る。これらの配列はいずれも 哺乳動物発現ベクターに挿入する。 哺乳動物宿主細胞におけるベクターからの転写の制御に適したプロモーターは 様々な供給源、例えばポリオーマウイルス、SV40、アデノウイルス、MMV (ステロイド誘導性)、レトロウイルス(例えばHIVのLTR)、B型肝炎ウ イルス、及び最も好ましくはサイトメガロウイルスなどのウイルスのゲノムから 、または異種哺乳動物プロモーター、例えばβ−アクチンプロモーターから容易 に得 られる。SV40の初期及び後期プロモーターは、SV40ウイルス複製開始点 も含むSV40制限断片として好ましく得られる。Fiers等,Nature 273,p.113,1978参照。ヒトサイトメガロウイルスの即時型初期 プロモーターはHindIII E制限断片として好ましく得られる。P.J.G reenaway等,Gene 18,pp.355−360,1982参昭。 比較的高等な真核生物によるAFMコーディングDNAの転写は、ベクターに エンハンサー配列を挿入することによって促進できる。エンハンサーとは、DN Aの転写を促進するべくプロモーターに作用する、普通10〜300bpのシス 作用性DNA要素である。エンハンサーは向き及び位置から比較的独立であり、 転写単位の5′側(L.Laimins等,PNAS 78,p.993,19 81)及び3′側(M.L.Lusky等,Mol.Cell Bio.3,p. 1108,1983)、イントロン中(J.L.Banerji等,Cell 3 3,p.729,1983)、並びにコーディング配列自体の中(T.F.Os borne等,M ol.Cell Bio.4,p.1293,1984)にも見出されている。 現在では、哺乳動物遺伝子(グロビン、エラスターゼ、アルブミン、α−フェト プロテイン及びインシュリン)に由来するエンハンサー配列が多数知られている 。しかし、典型的には真核細胞ウイルス由来のエンハンサーが用いられる。その 例には、複製開始点の後期側に位置するSV40エンハンサー(bp100〜2 70)、サイトメガロウイルス初期プロモーターエンハンサー、複製開始点の後 期側に位置するポリオーマエンハンサー、及びアデノウイルスエンハンサーが含 まれる。 真核宿主細胞(酵母、真菌類、昆虫、植物、動物、ヒト、または他の多細胞生 物由来の有核細胞)において用いる発現ベクターは、mRNA発現に影響し得る 転写の終結に必要な配列も含む。このような領域は、AFMコーディングmRN Aの非翻訳部分のポリアデニル化セグメントとして転写される。3′非翻訳領域 には転写終結部位も含まれる。 発現ベクターは、選択マーカーとも呼称される選択遺伝子を含み得る。哺乳動 物細胞に適する選択マーカーの例には、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR) 、チミジンキナーゼ(TK)またはネオマイシンが有る。 AFMの発現に適する真核宿主細胞には、SV40で形質転換したサル腎細胞 CV1系(COS−7; ATCCCRL 1651); ヒト胚性腎細胞系[ 293、または浮遊培養での増殖のためにサブクローン化した293細胞(F. L.Graham等,J.Gen.Virol.36,p.59,1977)] ; ベビーハムスター腎細胞(BHK; ATCC CCL 10); チャイ ニーズハムスター卵巣細胞−DHFR[CHO; Urlaub及びChasi n,PNAS(USA)77,p.4216,1980]; マウスセルトリ細 胞(TM4; J.P.Mather,Biol.Reprod.23,pp. 243−251,1980); サル腎細胞(CV1; ATCC CCL 7 0); アフリカミドリザル腎細胞(VERO−76; ATCC CRL 1 587); ヒト子宮頸癌細胞(HeLa; ATCC CCL 2); イヌ 腎細胞(MDCK; ATCC CCL 34); バッファローラット肝細胞 (BRL 3A; ATCC CRL 1442); ヒト肺細胞(W138; ATCC CCL 75); ヒト肝細胞(Hep G2; HB 8065) ; マウス乳癌細胞(MMT 060562; ATCC CCL 51); 及び TRI細胞(J.P.Mather等,Annals N.Y.Acad.Sc i.383,pp.44−68,1982)が含まれる。 所望のコーディング配列及び制御配列を含む適当なベクターの構築には、標準 的な連結技術を用いる。単離したプラスミドまたはDNA断片を切断し、適宜処 理し、かつ所望の形態で再連結して必要なプラスミドを形成する。 宿主細胞を本発明の発現ベクターで形質転換し、プロモーターの誘導、形質転 換体の選択、またはAFM遺伝子の増殖のために適宜改質した通常の栄養培地中 で培養する。温度、pH等といった培養条件は、発現用に選択した宿主細胞に関 して従来用いられているものとし、そのような条件は当業者には明らかであろう 。 本明細書の開示で言及する宿主細胞は、in vitro培養細胞も宿主動物 を構成する細胞も包含する。 「形質転換」という語は、生物にDNAを染色体外要素として、または染色体 への組み込みにより、該DNAが複製可能であるように導入することを意味する 。本発明で宿主細胞の形質転換に用いる方法は、例えばF.Grah am及びA.van der Eb,Virology 52,pp.456− 457,1973の方法であり得る。しかし、細胞へのDNA導入には核への注 入やプロトプラスト融合によるものなど、他の方法を用いることも可能である。 原核細胞、または堅固な細胞壁構造を有する細胞を用いる場合、好ましいトラン スフェクション法はF.N.Cohen等,Proc.Natl.Acad.S ci.(USA)69,p.2110,1972に記載されている、塩化カルシ ウムを用いるカルシウム処理である。 「トランスフェクション」という語は、究極的にコーディング配列が発現する かどうかにかかわらず宿主細胞にDNAを導入することを意味する。多くのトラ ンスフェクション法、例えばCaPO4及びエレクトロポレーションが当業者に 公知である。宿主細胞の形質転換はトランスフェクションの成功を指示する。AFMの回収及び精製 組み換え細胞培養物からAFMを、硫酸アンモニウムまたはエタノール沈澱、 酸抽出、アニオンまたはカチオン交換クロマトグラフィー、ホスホセルロースク ロマトグラフ ィー、免疫親和性クロマトグラフィー、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィ ー、レクチンクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー及びゲル 濾過クロマトグラフィーを含めた公知方法で回収及び精製する。本発明の範囲内 に有る他の公知精製方法では、例えば固定化した炭水化物、上皮細胞増殖因子、 または相補的ドメインを用いる。更に、逆相HPLC、及び抗AFM抗体を用い るクロマトグラフィーもAFMの精製に有用である。AFMは好ましくは、PM SFなどのプロテアーゼ阻害剤の存在下に精製する。特に好ましいAFM精製方 法を実施例1に示す。AFMの用途 先に述べたように、AFMとALB、AFP及びVDBそれぞれとの相同性か らして、AFM及びその変異体は同等または類似の生物活性及び用途を有すると 考えられる。通常、アルブミンファミリーに属するタンパク質は、脂肪酸、ホル モン、酵素、色素、微量金属及び薬物を含めたきわめて様々な物質に結合して当 該物質を体中に運搬する高い傾向を示す。内在脂質を除去したAFMの製剤は、 急性膵炎、ARDS、敗血症及びアテローム性動脈硬化症など の疾患状態に見出される遊離脂肪酸の高い濃度(高脂血症)を低下させるのに用 い得る。 ALBに関して提案される機能に類似して、AFMは場合によっては酸化防止 剤としても用い得る。AFMは、金属イオンを封鎖して該イオンが遊離基反応( 即ち脂質過酸化物のペルオキシ及びアルコキシラジカルへの分解;過酸化水素か らのヒドロキシルラジカルの生成)を加速するのを防止することにより酸化防止 剤として機能すると考えられ、あるいはまたAFMは、過酸化水素、ヒドロキシ ルラジカル及び次亜塩素酸を直接不活性化するべく機能し得る。AFMによる酸 素代謝物の無毒化は、有益な抗プロテアーゼ(α1−抗プロテイナーゼ及びα1− 抗トリプシン)の不活性化並びにDNA、タンパク質及び脂質の傷害において遊 離の酸素代謝物が有する有害な作用を制限し得る。即ち、AFMは、虚血−再灌 流損傷、慢性関節リウマチ、ARDS、心肺バイパス、敗血症、並びに白血球及 び/またはアラキドン酸代謝由来の酸素代謝物の過剰生成により惹起される他の 任意の疾患または組織傷害を改善するのに用い得る。 AFMの更に別の用途は、アルブミンファミリーのタン パク質は人工薬物を含めたきわめて様々な有毒生成物と結合して当該生成物を無 毒化するという発見に基づく。即ち、AFMは、炎症の結果として放出される有 毒な血漿物質の作用を改善し得、また有毒な医薬と結合して薬物の有害な活性を 最小限に留め得る。 AFMは、ALBに関して報告されているような抗凝血特性も有し得る。AF Mは血小板凝集を抑制し得、即ち敗血症、出血性ショック及び熱傷などの、血小 板凝集の亢進を特徴とする疾患状態において蘇生液への有用な添加物となり得る 。 血中AFMレベルは、AFPに関して観察されているように、特定の病的状態 に起因して上昇または低下し得る。即ち、実施例11に述べた抗体を利用しての 血中AFMレベルの算出は、特定のヒト疾患の診断に有用である。AFMの投与 in vivo投与のためには、AFMを滅菌等張製剤中に存在させ、当業者 に良く知られた標準的な手段で投与する。AFMの製剤は好ましくは液剤で、そ の際通常はpH6.8〜7.6の0.5〜10mMカルシウム非リン酸塩緩衝液 を含有する生理的塩溶液であり、または前記製剤 は凍結乾燥散剤であり得る。 治療投与のための主要な経路として考えられるのは、静脈内送達、またはカテ ーテルもしくは他の管状外科器具を介しての送達である。他の経路には、錠剤等 、液剤用の市販ネブライザー、及び凍結乾燥またはエアゾル化レセプターの吸入 などが有る。液剤は、散剤から再構成した液剤も用い得る。 AFMは、マイクロスフェア、リポソーム、他の微粒状送達系、または血液を 含めた或る特定の組織中に配置した徐放製剤を介しても投与可能である。 AFMの投与量は、医師であれば十分理解できるように、用いるAFMの特性 、例えばその活性及び生物学的半減期、製剤のAFM濃度、AFM投与経路、投 与部位及び投与速度、投与を受ける患者の臨床的許容量、患者が罹患した病的状 態等に依存する。 AFMは、抗生物質、抗炎症薬及び抗腫瘍薬など、他の薬物と共に投与するこ とも可能である。AFMをγ−インターフェロンその他の免疫調節剤と共に投与 することも有用であり得る。AFMのリガンド 本発明のAFMが1個以上の付加的な天然リガンド(本明細書に検討した脂質 以外)を有すること、及びそのリガンドがin vivoでAFMの生物活性を 調節し得ることも可能である。当業者であれば、本発明の教示を用いてここに開 示したAFMのリガンドをスクリーニングし、検出したリガンドを、例えば固体 支持体に結合させたAFMまたはその変異体を用いる免疫クロマトグラフィーに よって単離及び精製し得よう。AFMに対する抗体 AFMまたはその変異体に特異的である抗体(例えばモノクローナル及びポリ クローナル抗体、1本鎖抗体、キメラ抗体、CDRグラフト抗体等)または他の 結合タンパク質も、本発明の範囲内に含まれる。抗体は、天然または組み換えA FMもしくはAFM変異体、またはその表面において前記のような分子を発現さ せる細胞を用いて開発することができる。このようにして得られる抗体の活性フ ラグメントも本発明の一部である。 上記抗体は、本明細書に開示したポリペプチドの精製、またはその表面に前記 ポリペプチドを産生する細胞の同定及び精製に有用である。上記抗体は、AFM に結合するリ ガンドの調節(例えば遮断、抑制または刺激)にも用い得る。抗イディオタイプ 抗体も本発明の範囲内である。細胞表面上、及び体液(血清、血液、脳脊髄液、 尿、精液、乳及び涙)中に存在するAFMを検出及び定量するアッセイでは、単 一抗体、または「サンドイッチ」アッセイ方式を用い得る。 本発明の教示を特定の問題または状況に適用することは、本明細書に含まれる 教示を参照すれば当業者には可能であると理解される。本発明の生成物の例、並 びにそれらを単離、使用及び製造する代表的な方法を後段に示す。引用した文献 及び特許は総て明らかに本明細書に参考として含まれる。実施例 実施例1 リポ多糖類(LPS)中和アッセイ A. ELPSの形成 最初にヒツジ赤血球を上記の通りにS.minnesota Re595 L PS(List Biological)で被覆する(J.Ex.Med.17 0:1231)。赤血球を被覆するのに使用するLPSの濃度は赤血球8x107 個当たり10mgである。LPSで被覆した後に、150mM NaCl、0 .1%ゼラチン、及び、1mM EDTA(EDTAGVB2-)を含む5mMベ ロナール緩衝液(pH 7.5)中に、1x108細胞/mLの濃度で赤血球を 再懸濁させる。 B. ELPSのオプソニン作用 オプソニン作用タンパク質(septin)源として正常ヒト血漿(NHP) を使用してELPSをオプソニン化する(J.Ex.Med.176:1231 )。1mM EDTA(PDEDTA)を含むリン酸緩衝塩水液(二価カチオン は含まない)中でNHPを1:100に希釈し、ELPS(1×108細胞/m L)と1:1で混合する。この混合液を37℃ で10分間インキュベートし、スイング型バケット遠心分離機で800×gで1 分間遠心分離する。細胞をEDTAGVE2-で2回洗浄し、EDTAGVB2-中 に1×108細胞/mLの最終濃度に再懸濁させる。上記の通りに処理した赤血 球をE−septinと呼ぶ。 C. LPS中和活性を調べるための試料アッセイ 次に説明するステップは、CD−14に依存した仕方でマクロファージに結合 するLPS被覆赤血球の結合量を低減させる所与の試料の能力を測定する。 試験対象試料の希釈液をPDEDTA中で作る。E−septinを試料希釈 液と1:1で混合し、40分間37℃でインキュベートする。対照試料として、 E−septinをPDEDTAだけと共にインキュベートする試料を1つ含む 。インキュベーションの後で、E−septinをスイング型バケット遠心分離 機で800×gで1分間遠心し、EDTAGVB2-中に1x108細胞/mLの 最終濃度に再懸濁させる。このように処理したE−septinをE−sept in1と呼ぶ。再懸濁させたE−septin15mLを、60穴terasak i plate(NUNC,Inc.)内のマクロファージ 単層に加える。このプレートを室温で20分間インキュベートし、その後で反転 させ、更に室温で12分間インキュベートし、非結合E−septin1をマク ロファージから分離させる。プレートを、アジド0.001%を含む冷PBS( 二価カチオンは含まない)を入れたビーカーの中に浸し、非結合赤血球を洗浄し て取り除く。E−septin1の結合を位相差顕微鏡で調べる。結合を、マク ロファージ100個当たりの結合赤血球数を表す付着指数(attachmen t index)として表す。PDEDTA中の試料希釈液と共にインキュベー トしたE−septin1の結合を、PDEDTAだけと共にインキュベートし たE−septin1の結合と比較することによって、試料のLPS中和活性を 評価する。この活性を単位/mLとして測定する。これは、試料が標準的アッセ イでE−septin1結合を50%低減させる希釈度を表す。 D. マクロファージ単層 単核細胞誘導マクロファージを、上記の通りにテフロンビーカー中でヒト単核 細胞を培養することによって得る(J.Ex.Med.159:1149)。上 記アッセイの当日に、マクロファージをビーカーから取り出し、二価カチオンを 含むPBS (PBS2+)で洗浄し、ヒト血清アルブミン(Armour Pharm.)0 .5mg/mLとアプロチニン(Sigma)0.3U/mLと3mMグルコー ス(HAP緩衝液)を含むPBS2+ 中に1x106細胞/mLの濃度に再懸濁 させる。上記terasaki plateにE−septin1を加える30 分前に、細胞5mLとHAP緩衝液5mLとを各々のプレート穴に加えることに よってマクロファージ単層を形成する。E−septin1を加える直前に、プ レートをPDEDTAであふれさせ、穴を僅かに吸引する。実施例2 AFMの精製 特記した場合を除いて、室温に調整した温度で全てのステップを行った。全て の緩衝液を、発熱物質を含まない水で作り、使用前に滅菌濾過した。新鮮な凍結 血漿(FFP)1単位を、室温の水浴中にパケットを浸すことによって解凍した 。解凍した血漿を最初にメスシリンダーに移して、体積を測定し、ビーカーの中 に注入した。その後で、ビーカーを氷水浴中に浸けたままFFPを磁気撹拌した 。十分な量の3.9M硫酸アンモニウム(4℃)をFFPにゆっくりと加え、1 .6Mの最終硫酸 アンモニウム濃度を得た。この混合物を4℃で更に4時間撹拌した。混合物を6 0分間10,000Xgで遠心した。上清液を回収し、室温の水浴中に浸けるこ とによって室温にした。 この硫酸アンモニウム上清液の一部(250mL)を、50mMリン酸ナトリ ウムと1.6M硫酸アンモニウム(pH7.5)とで予め平衡化したPheny l Sepharose HPカラム(2.6x10cm)上にロードした。ロ ーディングと洗浄と溶出を40cm/時の直線流速で行った。試料添加の後に、 50mMリン酸ナトリウムと1.6M硫酸アンモニウム(pH7.5)と50m M硫酸ナトリウム(pH7.5)でカラムを洗浄した。水を導入することによっ て活性画分の溶出(実施例1を参照されたい)を完了させた。0.1Mトリス塩 基で水溶出液のpHを8.2に調整し、20mMトリス塩酸(pH8.2)で予 め平衡化したQ Sepharose HPカラム(2.6x10cm)上に1 50cm/時の流速でロードした。試料添加の後に、最初に20mMトリス塩酸 でカラムを十分に洗浄し(pH8.2)し、更に、0.1M塩化ナトリウムと2 0mMトリス塩酸(pH8.2)で洗浄した。その後で、0.1Mから0.3M の範囲内の塩化ナトリウムの 0.33mM/mL直線勾配でカラムから溶出分離させ、更にその後で、20m Mトリス塩酸(pH8.2)中の0.3Mから1.0Mの範囲の塩化ナトリウム の7mM/mL直線勾配によってカラム溶出分離させた。活性画分をプールした (30mL)。 こうして得た活性画分プールの1/3を、リン酸緩衝塩水液(pH7.4)で 予め平衡化したSuperdex 200分取カラム(2.6×10cm)上に ロードした。カラムのローディングと溶出分離とを、1mL/分の流速で行った 。還元SDS−PAGEによって画分の活性を分析した。還元SDS−PAGE によって、適切な画分のプール(8mL)が、分子量87kdと分子量28kd の2つの主要なタンパク質バンドを示した。上記プールの2ミリリットルを配列 分析のために使用した。28kdタンパク質はApoA1と同じN末端を有し、 87kdタンパク質は新たなN末端を有した(下記を参照)。Superdex 200 分取カラムからの溶出液プールの残りの6mLを、1%デオキシコー ル酸ナトリウムと0.15M塩化ナトリウムと50mMトリス塩酸(pH8.5 )とで予め平衡化したSuperdex 200 分取カラム(2.6 ×60cm)上にロードした。カラムのローディングと溶出分離を1mL/分の 流速で行った。画分をSDS−PAGEで分析した。87kdタンパク質に相当 する画分と28kdタンパク質に相当する画分を別々にプールした(各々16m L)。 各プール4ミリリットルを50mMトリス塩酸(pH8.5)に対し透析濾過 して、過剰のデオキシコール酸ナトリウムを取り除き、約0.1mg/mLに濃 縮した。実施例3 精製AFMのN末端とタンパク質加水分解フラグメントのアミノ酸配列分析 N末端配列を得るために、10μgの精製AFMを、プレサイクル二相配列決 定カラム(precycled biphasic sequencing c olumn)の逆相部分にロードした。このカラムを、Hewlett Pac kard G1004A タンパク質シークエンサーにロードし、Hewlet t Packard 1090 高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)に よるオンラインのフェニルチオヒダントインアミノ酸分析を行った。このタンパ ク質から得たN末端アミノ酸配列は次の通りであり、 この配列中の「X」は確定不可能なアミノ酸を表す。 AFMのトリプシン消化ペプチドから配列を得るために、100mgのAFM を、0.4M炭酸水素アンモニウムと共に8M尿素中に溶解した後、DTTで還 元し、ヨード酢酸でカルボキシメチル化した。その後で、試料を水で希釈し、尿 素濃度を2Mに調整し、1:50の「酵素」対「基質」の比で18時間に亙って 37℃で配列決定グレードのトリプシン(sequencing grade trypsin)(Boehringer Mannheim)で消化した。消 化したタンパク質を4.6x250mm C−18逆相カラム(Vydac)を 備えたHewlett Packard 1090 HPLC上に注入した。0 .75mL/分の流速で、トリフルオロ酢酸0.1%を含むアセトニトリルの直 線勾配を使用して溶出分離を行った。溶出を214nmで監視し、画分を集めた 。選択した画分を上記の通りにHewlett Packard G1004A タンパク質シークエンサーにかけた。選択したトリプシン消化フラグメントか ら得たアミノ酸配列を下記の表1に要約した。 実施例4 AFM cDNAの単離 正確なプローブを誘導することが可能なAFM遺伝子の一部を増幅するために 、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を使用した。最初に、N末端アミノ酸配列Q KFIEDN(配列番号:15)[5′ACG CTG AAT TCG CC A (GA)AA (GA)TT (CT)AT (ATC)GA (GA)G A (CT)AA](配列番号:16)をコードするセンス鎖と、FX29トリ プシン消化ペプチド配列IVQIYKD(配列番号:17)[5′ACG CT A AGC TTG C(GA)T C(CT)T T(GA)T A(GAT)A T(C T)T G(AGCT)A C(GAT)A T](配列番号:18)をコード するアンチセンス鎖とを特定する完全縮重プライマーを使用して、PCR(PC R1)を行った。1ngのQuick Clone Human liver cDNA(Clontech,cat.no.7113−1)を、各縮重プライ マー1mMを使用して標準緩衝液(Perkin−Elmer Cetus)中 で行った100mL PCRにおいて鋳型として使用した。このPCRで使用し たサイクリングパラメーターは次の通りである:95℃、8分(1サイクル); 94℃、1分、34℃、10分、72℃、2分(3サイクル);94℃、1分、 50℃、1分、72℃、2分(45サイクル);72℃、5分(1サイクル)。 PCR1のアガロースゲル分析では特定の生成物の増幅を示さなかったので、 ネストした(nested)プライマー対を使用する第2のPCR(PCR2) のための鋳型としてPCR1のアリコートを使用した。この実験のために、N末 端アミノ酸配列DNIEYIT(配列番号:19)[5′ACG CTG AA T TCG CGA(CT)AA(CT)AT (ATC)GA (GA)TA (CT)AT (ATC)AC](配列番号: 20)をコードするセンス鎖と、FX20トリプシン消化ペプチド配列FTFE YS(配列番号:21)[5′ACG CTA AGC TTG C(GATC )G A(GA)T A(CT)T C(GA)A A(ACGT)G T(G A)A A](配列番号:22)をコードするアンチセンス鎖とを特定する完全 縮重プライマーを使用した。その後で、PCR2を、ヒト肝臓cDNAの代わり に1mLのPCR1を使用したことを除いて、PCR1と同じ反応混合物とサイ クリングパラメーターを使用して、PCR2を行った。アガロースゲル電気泳動 によるPCR2分析は、1kb生成物の増幅を示した。 DNA配列決定のためのPCR2を準備するために、縮重プライマーの中に組 み込まれたEcoR I部位とHindIII部位を使用した。これらの部位を 、上記フラグメントをmp19(Boehringer Mannheim)の 中にクローニングするために使用した。その後で、mp19(mp19 AFM )中にクローニングされた1kb PCR2生成物を、両方の鎖から全体の配列 を決定した。上記フラグメント のヌクレオチド配列分析によって、すでに配列決定された3つのトリプシン消化 ペプチドをコードするオープンリーディングフレームをその配列が有することが 判明した(表1、Fxs27、45、53)ので、AFM cDNAのセグメン トが増幅されたことが確認できた。1kbフラグメントのヌクレオチド配列を、 Genbankデータベースのすべての配列と比較し、ユニークであることを発 見した。本出願人は更に、部分AFM cDNAが、ALBファミリータンパク 質(ALB、AFP、VDB)に関して報告されているcDNAと著しい相同性 を有することを発見した。従って、AFMをコードする全長cDNAを単離して 、他のALBファミリー遺伝子とハイブリダイズする可能性を最小化するために 、ALB、AFP、VDBと高い相同性を持たないAFM配列セグメントから誘 導した正確な18マーのオリゴヌクレオチド(5′TAT GTG CTA T GG AGG GGC)(配列番号:23)でヒト肝臓cDNAライブラリーを スクリーニングした。このオリゴヌクレオチドを32iで末端標識し、ヒト肝臓 cDNAライブラリー(Clontech,cat.no.HL1115a)を スクリーニングするために使用した。陽性のクローンを 精製し、同じオリゴヌクレオチドプローブを使用して再選別した。2.3kbの 挿入体を有する単一の陽性クローン(17AFM)を、更に調査を行うために選 択し、ファージDNAを調製した。その後で、上記2.3kb挿入体を両方の鎖 から全体の配列を決定し、AFMをコードすることを検証した。 このアプローチによって、全長AFM cDNAを含むラムダファージ(17 AFM)を単離することが可能になった。実施例5 AFMの特性決定 17AFM中の挿入体は、317bpの5′非翻訳領域と、599アミノ酸の タンパク質をコードする1797bpの配列と、173bpの3′非翻訳領域と から成る、2287bpである(図1)。AFMの推定アミノ酸配列が、上記精 製タンパク質から事前に配列決定されていたトリプシン消化ペプチドの全て(表 1を参照されたい)を含むことを見出した。AFM cDNA配列の翻訳によっ て、実験によって確定した成熟AFMのN末端の前に21アミノ酸疎水性リーダ ーペプチドが位置することが判明した。成熟AFMが578アミノ酸を有し、計 算上のMrが66576でpIが5.65であると予測される。 AFMの計算上のMrとSDS−PAGEによる見掛け分子量との間の差異は、 グリコシル化に起因すると考えられる。AFMは、4つのN−グリコシル化可能 部位を有し(図1)、還元SDS−PAGEによる分析(データは示していない )では、N−グリカナーゼ処理がAFMの見掛けMrを65000に低減させた 。 推定AFMアミノ酸配列と他のALBファミリータンパク質配列の比較を図2 に示す。AFMと他のALBファミリータンパク質との間では、そのタンパク質 全体に亙って著しい類似性があることが明らかである。保存アミノ酸を考慮に入 れると、AFPに対するAFMの相同性は60.4%であり、ALBに対するA FMの相同性は54.8%であり、VDBに対するAFMの相同性は41.2% である。ALBファミリーのメンバーではCys残基の分布が保存される。AF M Cys残基の位置は明らかにこの配置と一致している(図3)。更に、3つ の構造ドメインを画定する一連の9つの二重ループとしてこれらのタンパク質が 表されることを可能にするジスルフィド架橋パターンを、ALBファミリータン パク質中のCys残基が形成するということも主張されている。AFM中の34 個の Cys残基を、他のALBファミリータンパク質に認められるドメイン構造に対 応する17個のジスルフィド結合対のパターンの形に配列することが可能である ことを、図4は示している。実施例6 染色体マッピング 遺伝子の染色体位置を特定するために体細胞雑種(Bios Laborat ories,cat.no.CP2−02)のパネル上でPCRを行った。PC Rのために、AFM cDNA内のヌクレオチド1790とヌクレオチド187 8との間の88bpフラグメントを増幅すると予測されるプライマー(5′CA A CCC TGC TGT GGA CCA C;5′GCA CAT AT G TTT TAT CAG CTT T)(配列番号:24、及び、配列番号 :25)を使用した。体細胞雑種DNA上での各々のPCRを、250ngのD NAを含み且つ各プライマーの最終濃度が0.1mMである標準100mL反応 混合液(Perkin−Elmer Cetus)中で行った。サイクリングパ ラメーターは次の通りである:95℃、5分(1サイクル);94℃、1分、5 6℃、1分、72℃、1分(25サイクル);72℃、5分(1 サイクル)。 市販品の体細胞雑種パネル上でPCRを行った(データは示していない)時に は、2つの雑種において増幅生成物を検出しただけだった。この2つの雑種は両 方ともヒト染色体4、5及び8番由来の共通のDNAを有していた。染色体5及 び8番由来のDNAを含む雑種に対して行ったPCRでは増幅生成物が得られな かったので、AFMが他のALBファミリー遺伝子と共にヒト染色体4番上に存 在すると結論付けた。実施例7 rAFMの安定発現 AFM cDNA配列全体に及ぶ2つのオーバーラップフラグメントを生じさ せるために、2つの別々のPCRをAFM cDNA上で行った。第1のPCR で使用したオリゴヌクレオチド対(5′TCA CCT CTA GAC CA C CAT GAA ACT ACT AAA ACT TAC AG + 5 ′AAT TTC TCA GGA GAT CTT TGT ATA)(配列 番号:26、及び、配列番号:27)は、AFM開始コドンの前にXba I部 位と完全なKozak配列とを導入した。その後で、増幅生成物をpGEMT (Promega)中にクローニングし、pDJ11を生じさせた。第2のPC Rで使用したオリゴヌクレオチド対(5′AAA TAT ACA AAG A TC TCC TGA GAA + 5′TCC CGG TCG ACT C AG TTG CCA ATT TTT GGA C)(配列番号:28、及び 、配列番号:29)は、AFM内の天然の停止コドンの後にSal I部位を導 入し、生成物をpGEMT中にクローニングし、pDJ13を生じさせた。その 後で、pDJ13からのBgl II−Sal Iフラグメントを、Bgl I IとSal Iとで消化しておいたpDJ11の中に結合させることによって、 AFMの3′末端を5′末端に結合させた。その結果得たプラスミド(pDJ1 4)をXba IとSal Iとで消化し、AFM cDNA全体を単一のXb a I部位とSal I部位を含むように改変した哺乳動物発現ベクターpDS Ra(欧州特許出願公開第20398753号)中にクローニングした。このA FM発現ベクターを、ジヒドロ葉酸レダクターゼが欠損したチャイニーズハムス ター卵巣(CHO)細胞系(CHO D-)をトランスフェクションさせるため に使用した。ヒポキサンチンとチミジンとを欠く培地 中でトランスフェクタントを選択した。AFM特異性mRNAを有するトランス フェクタントを選別するスクリーニングを行うために、RNase保護アッセイ を使用した。rAFMを含むならし培地(CM)を生じさせるために、上記の通 りに単一のクローンを血清なしで成長させた(Bourdrel,L.他,Pr otein Expression Purif.4:130(1993)を参 照されたい)。 高レベルのAFM特異mRNAを発現させる1つの安定トランスフェクタント を単離した。AM399を使用して行った免疫ブロット(実施例12参照)は、 この抗体が、そのトランスフェクタントから生じたrAFMと、ヒト血漿から単 離した天然AFMとの両方を認識することを実証している(図5)。このトラン スフェクタントから得たCMからrAFMを精製し(図6)、SDS−PAGE によって、rAFMの純度が95%よりも高く、血漿から精製したAFMと同じ N末端を有することが明らかになった(データは示していない)。実施例8 タンパク質精製 血清を含まないCMを10倍に濃縮し、10K分子量カット オフフィルターを装着したFiltron限外濾過装置を使用して、25mMリ ン酸ナトリウム(pH7.5)に対して透析濾過した。その後で、最終硫酸アン モニウム濃度が1.6MとなるようにCMを3.9M硫酸アンモニウムで調整し た。この混合液を0.5時間攪拌した。沈殿物は全く観察できなかった。その後 で、0.45mmフィルターと0.22mmフィルターを連続して通過させるこ とによって溶液を濾過した。その結果得られた濾液を、50mMリン酸ナトリウ ムと1.6M硫酸アンモニウム(pH7.5)とで予め平衡化したPhenyl Sepharose HPカラム上にロードした。ローディングと洗浄と溶出 を40cm/時の直線流速で行った。試料添加の後に、カラムを50mMリン酸 ナトリウムと、1.6M硫酸アンモニウム(pH7.5)と、50mMリン酸ナ トリウム(pH7.5)で連続的に洗浄した。rAFMを水で溶出させ、免疫ブ ロットで検出した(下記参照)。 0.1Mトリス塩基で水溶出液のpHを8.0に調整し、20mMトリス塩酸 (pH8.0)で予め平衡化したQ Sepharose HPカラム上に10 0cm/時の流速でロードした。試料添加の後に、最初に20mMトリス塩酸 (pH8.2)でカラムを十分に洗浄し、更に、0.1M塩化ナトリウムと20 mMトリス塩酸(pH8.2)で洗浄した。その後で、20mMトリス塩酸(p H8.0)中の0Mから0.3Mの範囲内の塩化ナトリウムの3カラム体積(C V)直線勾配でカラムの溶出分離を行い、更にその後で、20mMトリス塩酸( pH8.0)中の0.3Mから1.0Mの範囲の塩化ナトリウムの1CV直線勾 配によってカラムの溶出分離を行った。rAFMを含む画分をプールし、リン酸 緩衝塩水液(pH7.4)で予め平衡化したSuperdex 200カラム上 にロードした。カラムローディングと溶出分離を流速1mL/分で行った。実施例9 AFMの脱脂質化 1容のタンパク質溶液に2.5容の1−ブタノール/ジイソプロピルエーテル (40:60)を加えた。その混合液を室温で30分間静かに攪拌した後、50 0×gで5分間遠心した。水層を回収し、この水層に別の2.5容の1−ブタノ ール/ジイソプロピルエーテル(40:60)を加えた。上記の通りに試料を処 理し、水相を回収した。2回抽出した水相に、1容の ジイソプロピルエーテルを加え、混合液を振とうし、すぐに250×gで5分間 遠心した。水層を回収し、実質的に脱脂質化した状態で使用した。実施例10 免疫ブロッティング 免疫ブロッティング用の試料の全てを、4−20% SDSポリアクリルアミ ドゲル(Novex)上で電気泳動した後に、ニトロセルロース膜(Schle icher and Schuell,cat.no.BA83)上に電気泳動 によって移動させた。最初にフィルターを、AFM中のアミノ酸304−319 から誘導した合成ペプチド(DLSLREGKFTDSENVC)(配列番号: 30)に対してウサギ体内で産生させたポリクローナル抗体AM339で処理し 、更にその後で、セイヨウワサビペルオキシダーゼに結合したロバ抗ウサギ I g(donkey anti−rabbit Ig)で処理した。製造者(Am ersham)の指示に従って増強化学発光によって免疫複合体を視覚化した。実施例11 ヌクレオチド配列の比較 Genetics Computer Group(GCG),Inc.(M adison,WI)のFASTAプログラム中のPearson及びLipm anの方法(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84,2444 −2448(1988))を使用して、ヌクレオチド配列をGenbank(R elease 78.0)配列と比較した。比較結果を図2Aに示す。実施例12 AFM特異性ペプチド抗体の作製 AFMがアルブミンファミリーの3つ以上のメンバーに類似していたので、こ のタンパク質全体に対して作製した抗体が他のアルブミンファミリータンパク質 と交差反応すると考えられる。AFM特異性抗体を作製するために、他のアルブ ミンファミリータンパク質に見出されるペプチド配列に類似していないAFMの 特異的ペプチドを同定した。その後で、こうしたペプチド配列を合成し、その合 成ペプチドをウサギに注射して、各ペプチドに対するポリクローナル抗血清を得 た。合成したAF Mペプチドは次の通りである。 AFM中のaa43−56 対応する抗体をAM384と呼ぶ。 AFM中のaa292−308 対応する抗体をAM609と呼ぶ。 AFM中のaa304−319 対応する抗体をAM339と呼ぶ。 AFM中のaa319−334 対応する抗体をAM1104と呼ぶ。実施例13 AFMに対するポリクローナル抗血清の作製 ウサギポリクローナル抗血清を、当業界で標準的な方法によって精製AFMか ら作製した。この抗血清がAFMに特異的に結合することが判明した。実施例の考察 ALBファミリータンパク質は3つの相同な折りたたみドメインから構成され 、6つのジスルフィド架橋によって形成される3つの二重ループを含む約190 アミノ酸の単一ドメインタンパク質をコードした先祖遺伝子から進化してきたと 推測されている。ALBファミリータンパク質の遺伝子は4番染色体の4q11 −q22領域に全てマッピングされている。AFMはALBファミリータンパク 質と著しく高い相同性を有し、類似の3つのドメイン構造全体と一致したCys 残基を有する。これに加えて、AFMは4番染色体に局在化されている。従って 、AFMがALBファミリーの第4のメンバーであるという確実な証拠がある。 ALBファミリーのメンバー相互間には幾つかの注目すべき相違点がある。成 人血清中のAFP濃度は50ng/mLであり、VDB濃度は350mg/mL であり、ALB濃度は40mg/mLであり、AFM濃度は30mg/mLであ る(免疫ブロット分析で得たデータ)。ALBはグリコシル化されず、AFPと VDBは各々に1つのN−グリコシル化可能部位を有するが、AFMは4つのN −グリコシル化可能部位を有する。 ALBは、Cys、グルタチオン、水銀剤(mercurial)、及び、金化合物との錯 体形成に関連した1つの遊離チオール基を発現させる。これとは対照的に、AF PとVDBは偶数個のCys残基を有し、一方、遊離チオールを持たないと考え られている。AFMは偶数個のCys残基を有し、これは、AFMが遊離チオー ルを持たず、ALBとは違ってグルタチオンと水銀剤とに結合し得ないことを示 唆している。 更に、ALBファミリーメンバー間では、ドメイン内ジスルフィド結合パター ンに差異がある。VDBが二重ループ1Aにジスルフィド架橋を有することが推 測されている。この架橋はALBとAFPとAFMには存在しない。ジスルフィ ド架橋ドメイン2CはALBとVDBとAFMには共通であるが、AFPには存 在しない。従って、これらの4つのALBファミリータンパク質は進化的には関 連しているが、これらのタンパク質の分子構造には明らかな相違がある。 AFMと他のALBファミリーメンバーとの間の構造的類似性は、AFMが様 々なリガンドを捕捉又は輸送することが可能であることを示唆している。本出願 人は、ALBファミリータ ンパク質の配列内の既知のリガンド結合部位がAFM中にも存在するかどうかを 調べた。VDBは、アミノ酸35−49の間のステロール結合部位とアミノ酸3 73−403の間のアクチン結合部位とを有する。GCG GAPプログラムと 図2Aの整列させた配列とを使用すると、AFMがVDBアミノ酸35−49の 間には60%の類似性と40%の同一性を有するが、VDBアミノ酸373−4 03の間には32%の類似性と10%の同一性しか有しない。従って、AFMが ステロール結合部位を有する(例えば、VDBのアミノ酸35−49に対応する AFM中のアミノ酸)ことはあり得るが、アクチンに結合する可能性は考えられ ない。ドメイン2A内のアミノ酸186−260の間でALBが様々なリガンド (アスピリン、ワルファリン、IS、DIS、TIB、ビリルビン)と結合し、 ドメイン3A内のアミノ酸379−455の間でALBが一連のリガンド(アス ピリン、ジアゼパム、ジギトキシン、クロフィブレート、イブプロフェン、IS 、DIS、TIB、長鎖脂肪酸)と結合することを示すために、ALBのX線結 晶構造を使用した。AFM中の類似領域の間のGCG GAP比較によって、 AFMがドメイン2A内に54%の類似性と35%の同一性を有し、ドメイン3 A内に45%の類似性と25%の同一性を有することが明らかになった。こうし た中等度の類似性は、AFMがドメイン2Aとドメイン3AとにおいてALBと 同じリガンドに結合すると結論付けることはできないまでも、そうであると推定 することを可能にする。略語 上記実施例で使用した略語は次の通りである。AFM=アファミン、AFP= α-フェトプロテイン、ALB=ヒト血清アルブミン、CHO=チャイニーズハ ムスター卵巣、CM=ならし培地、CV=カラム体積、DIS=3,5−ジヨー ドサリチル酸、DTT=ジチオトレイトール、HPLC=高性能液体クロマトグ ラフィー、IS=5−ヨードサリチル酸、PAGE=ポリアクリルアミドゲル電 気泳動、PBS=リン酸緩衝水類液、PCR=ポリメラーゼ連鎖反応、r=組換 え、TIB=2,3,5−トリヨード安息香酸、VDP=ビタミンD結合タンパ ク質 上記では本発明を詳細に説明してきたが、本明細書で説明する通りの本発明の 思想と範囲から逸脱することなしに本発明に 対して様々な変形と変更を加えることが可能なことが当業者には明らかだろう。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI C12P 21/02 9358−4B C12P 21/08 21/08 7823−4B C12Q 1/68 A C12Q 1/68 0276−2J G01N 33/53 D G01N 33/53 0276−2J 33/577 B 33/577 9282−4B C12N 5/00 B (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ,UG), AM,AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,C H,CN,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB ,GE,HU,JP,KE,KG,KP,KR,KZ, LK,LR,LT,LU,LV,MD,MG,MN,M W,MX,NL,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TT, UA,UG,UZ,VN (72)発明者 リチエンステイン,ヘンリ・ステイーブン アメリカ合衆国、カリフオルニア・93004、 ベンチユラ、ルーサーン・ストリート・ 9586 (72)発明者 ライオンズ,デイビツド・エドウイン アメリカ合衆国、カリフオルニア・91320 −1789、サウザンド・オークス、トウルエ ツト・サークル・2027 (72)発明者 ワーフエル,マーク・マツオ アメリカ合衆国、ニユー・ヨーク・10021、 ニユー・ヨーク、イースト・セブンテイ・ ストリート・420 (72)発明者 ライト,サミユエル・ドナルド アメリカ合衆国、ニユー・ヨーク・10538、 ラーチモント、ブライアー・クローズ・2

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. AFMポリペプチド、又はAFMに対して特異的な生物活性を有するその 変異体、をコードする精製単離されたポリヌクレオチド。 2. DNA配列である請求項1に記載のポリヌクレオチド。 3. cDNA配列又はその生物学的レプリカである請求項2に記載のDNA配 列。 4. AFMをコードする請求項3に記載のcDNA配列。 5. ゲノムDNA配列又はその生物学的レプリカである請求項3に記載のDN A配列。 6. 更に内在性発現調節DNA配列も含む請求項3に記載のDNA配列。 7. 部分的に又は全体的に化学合成されたDNA配列又はその生物学的レプリ カである請求項3に記載のDNA配列。 8. 請求項3に記載のDNA配列を含むDNAベクター。 9. 前記DNA配列が発現調節DNA配列に作動可能に結合されている請求項 8に記載のベクター。 10. AFMポリペプチド、又はAFMに対して特異的な生 物活性を有するその変異体、がその宿主細胞中で発現することを可能にするよう に請求項3に記載のDNA配列によって安定的に形質転換又はトランスフェクシ ョンされた宿主細胞。 11. 適切な栄養培地中で請求項8に記載の宿主細胞を成長させて、AFMポ リペプチド、又はAFMに対して特異的な生物活性を有するその変異体、を前記 宿主細胞又は前記成長培地から単離することを含む、AFMポリペプチド又はそ の変異体を製造する方法。 12. 精製単離されたAFMポリペプチド、又はAFMに対して特異的な生物 活性を有するその変異体。 13. 図2のアミノ酸残基1からアミノ酸残基578までを含む請求項12に 記載のポリペプチド。 14. 図2のアミノ酸残基−23からアミノ酸残基578までを含む請求項1 2に記載のポリペプチド。 15. アポリポタンパク質A1と複合体形成した精製単離されたAFMポリペ プチド。 16. AFM又はその変異体に対して特異的な抗体。 17. 請求項16に記載のモノクローナル抗体。 18. 請求項16又は17に記載のヒト抗体化抗体。 19. 請求項16又は17に記載の抗体とAFMを接触させることを含む、A FMの生物活性を調節するための方法。 20. 検出可能なAFMコーディングポリヌクレオチド又はその断片をその細 胞のRNAとハイブリダイズさせることを含む、細胞のAFM合成能を検出する ための方法。 21. その細胞によって産生されるポリペプチドと請求項16に記載の抗体を 反応させることを含む、細胞のAFM合成能を検出するための方法。 22. 請求項16に記載の抗体と試料体液を接触させることを含む、試料体液 中のAFMの存在を測定するための方法。 23. AFMコーディングポリヌクレオチドのアンチセンスポリヌクレオチド 。 24. AFMの内在性発現調節DNA配列を特定するDNAのアンチセンスポ リヌクレオチド。 25. AFMポリペプチド、又はAFMに対して特異的な生物活性を有するそ の変異体、をアミノ末端に有し、且つ、免疫グロブリン重鎖又はその対立遺伝子 変異体の少なくとも1つの定常ドメインをカルボキシ末端に有する、ハイブリッ ド融合ポリペプチド。 26. 請求項25に記載のハイブリッド融合タンパク質をコードするポリヌク レオチド。 27. AFMに対して特異的な生物活性を有するポリペプチドをコードし、且 つ、 (a)図1に示すDNA配列、 (b)ストリンジェントな条件下で(a)のDNAとハイブリダイズするDN A、及び、 (c)遺伝コードの縮重がなければストリンジェントな条件下で(a)又は( b)のDNA配列とハイブリダイズするDNA配列 から成る群から選択される、DNA配列。
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