【発明の詳細な説明】
エリスロマイシンおよびアジスロマイシンの3”−デスメトキシ誘導体発明の分野
本発明は、抗生物質に関し、特に、3”−デスメトキシアジスロマイシン、3
”−デスメトキシエリスロマイシンおよびこれらの誘導体に関する。これら新規
化合物は、ヒトを含む哺乳類の抗菌剤として有用である。発明の背景
エリスロマイシンは、米国特許No.2,653,899に教示されているように、適当
な培地中での菌株ストレプトマイセスエリスレウス(Streptomyces erythreus)の
培養の間に形成される抗生物質である。エリスロマイシンは、2つの形態Aおよ
びBで生産され、以下の構造(I):
によって表される。
この構造は、この抗生物質が3つの主要な部分:クラデイノースとして公知の
糖フラグメント、デソスアミンとして公知の塩基性アミノ置換基を含有する第2
の糖部分、および、エリスロノリドAもしくはB、または、マクロライド環と称
される14員環ラクトン環を含むことを現す。アジスロマイシンは、エリスロマ
イシンAより誘導される広域スペクトル抗菌化合物である9a−アザ−9a−メ
チル−9−デオキソ−9a−ホモエリスロマイシンAに対するU.S.A.N.
(一般名)である。アジスロマイシンは、Brightの米国特許No.4,474,768およ
びKobrehel et al.の米国特許No.4,517,359によって独立に発見され、これら両
特許は、参考のために、本明細書で引用するが、これら特許において、N−メチ
ル−11−アザ−10−デオキソ−10−ジヒドロ−エリスロマイシンAと命名
された。それは、従来使用されているナンバリングシステムを示す以下の構造(
II):
を有する。
上記特許は、また、(II)およびそのある種の誘導体が抗菌性を有すること
を開示している。
ヨーロッパ特許出願0508699A1、0503932A1および0503949A1(Merk & Co.Inc.)
は、式:
[式中、Rは、水素、置換もしくは未置換(C1〜C10)アルキル、(C2〜C10
)アルケニル、または、アリールスルホニルであり、(とりわけ)R’および
R”の一方は、水素であり、その他方は、ヒドロキシル、アラルキルカルボニル
オキシ、アミノ、または、(C1〜C10)アルキルカルボニル、アリールカルボ
ニル、アリール(C1〜C10)アルキルカルボニル、(C1〜C10)アルコキシカ
ルボニル、アリール(C1〜C10)アルコキシカルボニル、ヘテロアリールカル
ボニル、ヘテロアリールアルキルカルボニルまたはアリールスルホニルのいずれ
かによって置換されたアミノである。]
を有するもの、および、その薬学的に許容可能な塩およびエステルを含む9−デ
オキソ−8a−アザ−8a−ホモエリスロマイシンA誘導体に関する。発明の概要
本発明は、式:
[式中、Zは、CH2−N(CH3)、N(CH3)−CH2またはC=Oであり
;
R1およびR2は、
(1)R1およびR2の一方がOHであり、R1およびR2の他方が(C1〜C6)
アルキル、(C2〜C6)アルケニル、または、フェニルであり、ただし、Zは、
COでない;
(2)R1およびR2の一方がHであり、R1およびR2の他方がNR5R6{式中
、R5およびR6は、独立に、Hおよび(C1〜C6)アルキルから選択される。}
であるか、または、OR7{式中、R7は、Hまたは(C1〜C6)アルキルである
。}である;および、
(3)R1およびR2は、合わさって、オキソまたはオキシム基を形成する;
から選択され;
R3およびR4は、各々、ヒドロキシルであるか、または、合わさって、カーボ
ネートまたはチオカーボネート基を形成する。]
を有する化合物、および、それらの薬学的に許容可能な塩を提供する。
本発明は、さらに、細菌性感染症を治療するのに適当な医薬組成物であって、
式IV(式中、全ての置換基は先に定義した通りである。)で表される化合物ま
たはその薬学的に許容可能な塩、および、薬学的に許容可能な希釈剤または担体
を含む組成物を提供する。
本発明は、さらに、哺乳類の細菌性感染症を治療する方法であって、哺乳類に
、抗菌的に有効量の式IVで表されるマクロライド抗生物質化合物またはその薬
学的に許容可能な酸付加塩{式中、全ての置換基は先に定義した通りである。}
を投与することを含む方法を提供する。
ZがCH2−N(CH3)である時、特許請求する化合物は、9−デオキソ−8
a−アザ−8a−ホモエリスロマイシンAマクロライド環を有する、すなわち、
上記式(III)のマクロライド環として示したタイプの3”−デスメトキシ誘
導体に対応する。
ZがN(CH3)−CH2である時、特許請求する化合物は、9a−アザ−9a
−メチル−9−デオキソ−9a−ホモエリスロマイシンAマクロライド環を有す
る、すなわち、上記式(II)のマクロライド環として示したタイプの3”−デ
スメトキシ誘導体に対応する。
ZがC=Oである時、特許請求する化合物は、エリスロマイシンマクロライド
環を有する、すなわち、上記式(I)のマクロライド環として示したタイプの3
”−デスメトキシ誘導体に対応する。
上記R3およびR4が合わさってカーボネートまたはチオカーボネート基を形成
するとは、適当な炭素数を有する部分構造において、構造:
(式中、Jは、OまたはSである。)
を有することをいう。
本発明の化合物は、広域スペクトル抗生物質として有用である。これらは、一
般にヒトを含む哺乳類に使用することのできる抗菌剤であり、したがって、ヒト
および獣医学向けの医薬品において有用である。詳細な説明
式(IV)で表される化合物は、構造的に類似の化合物を製造するための本化
学分野で公知の方法を含む方法によって製造することができる。式(IV)で表
される化合物を製造するためのこのような方法は、本発明のさらなる特徴として
提供され、以下の処理法によって示され、以下の処理法において、一般基の意味
は、特に断らない限りは、上記与えた通りである。本方法は、式(IV)で表さ
れる化合物に対して、一般的に実施することができる:
(A)R1およびR2が合わさってオキソ基を形成する場合、式(V):
を有する化合物のサマリウムヨーダイド(Sm2I)による脱酸素(すなわち、
3”−メトキシ基の除去)を行うことによって行われる。反応は、J.Org.Chem
.51,1135-1138,(1986)に示された系統に沿って行うことができる。反応は、適
当な溶剤または溶剤混合物、例えば、テトラヒドロフラン(THF)またはTH
Fとメタノールとの混合物中、温度−78℃で行われる。生成物は、従来通りの
有機化学上のワークアップ、例えば、炭酸塩(炭酸カリウム)水溶液でクエンチ
し、蒸発させてTHFを除去し、水相を酢酸エチルで抽出し、酢酸エチル層を分
離し、酢酸エチル層を水で洗浄し、従来の乾燥剤、例えば、無水硫酸ナトリウム
または硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発させて生成物を得ることによって単離す
ることができる。
(B)R1およびR2が合わさってオキソ基を形成する場合、式:
[式中、R8は、(C2〜C4)アルキルカルボニルである。]
を有する化合物を対応する2’−ヒドロキシ化合物に転化することによって行わ
れる。R8は、好ましくは、アセチルである。この転化は、低級アルコール、例
えば、メタノールまたはエタノールで、室温、または、反応速度を速めるために
それ以上の温度でソルボリシスすることによる簡単な脱アセチルとして行うこと
ができる。一般に、転化は、式(VI)で表される化合物をアルコールに数分〜
数時間の範囲の時間単に溶解することによって行うことができる。所望される生
成物は、例えば、蒸発により、溶剤を除去することによって単離することができ
る。
(C)R1およびR2が合わさって4”−オキシム(=N−OH)基を形成する
場合、対応する4”−オキソ化合物をヒドロキシルアミン塩酸塩で処理すること
によって行うことができる。反応は、例えば、Hauskeに対する米国特許4,512,98
2に示された系統に沿って実施することができ、この特許は、参考のため、本明
細書で引用する。反応は、適当な溶剤、例えば、(C1〜C3)アルコール、具体
的には、メタノール中、室温で、数時間で行うことができる。反応は、場合によ
っては、塩基、例えば、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属炭酸塩、好まし
くは、炭酸バリウムの存在で、行うのがよい。ヒドロキシルアミンは、当量使用
することもできるが、好ましくは、過剰に使用される。典型的には、ヒドロキシ
ルアミンは、4”−オキソ化合物1当量当たり5当量使用される。ワークアップ
は、従来通りであり、例えば、アルコール溶剤を(例えば、蒸発により)減圧で
除去し、所望とあらば、水と酢酸エチルとの混合物を添加することにより行われ
る。生成物は、酢酸エチル層を取り出し、蒸発させることによって単離すること
ができる。
(D)R1およびR2の一方がHであり、R1およびR2の他方がアミノである場
合、対応する4”−オキシムを適当な還元剤、例えば、ラネーニッケル触媒上の
水素で還元することによって行われる。この化学は、本質的に、上記’982 Hauk
eの特許に示されたのと同一である。反応は、典型的には、室温で、4”−オキ
シムを溶剤、例えば、(C1〜C3)アルコール、具体的には、エタノール中、ラ
ネーニッケル上、低圧水素下、典型的には、50psiで振盪することによって行
われる。ワークアップは、従来通りであり、濾過によって触媒を除去し、続いて
、アルコール溶剤を蒸発させることによって行うことができる。
(E)R1およびR2の一方がHであり、R1およびR2の他方がNR5R6{式中
、R5およびR6は、独立に、Hおよび(C1〜C6)アルキルから選択され、ただ
し、R5およびR6の少なくとも1つがH以外である。}である場合、対応する4
”−アミノ化合物を対応する(C1〜C6)アルデヒドで、適当な溶剤、例えば、
塩素化された炭化水素(例:塩化メチレンまたはジクロロエタン)中、適当な還
元剤、例えば、ナトリウムボロハイドライド、ナトリウムシアノボロハイドライ
ドたはナトリウムトリアセチルボロハイドライドの存在、および、有機酸、例え
ば、酢酸またはプロピオン酸の存在で、室温で行うことにより実施される。R5
およびR6の一方がHであり、他方が(C1〜C6)アルキルである場合には、1
当量の(C1〜C6)アルデヒドが使用される。各R5およびR6が(C1〜C6)ア
ルキルであり、同一である場合には、2当量の(C1〜C6)アルデヒドを使用す
る必要がある。R5およびR6がともに(C1〜C6)アルキルであるが異なる場合
には、2つの対応する(C1〜C6)アルデヒド、各1当量を、逐次使用する必要
がある。ワークアップは、水でクエンチし、酢酸エチルで抽出し、溶剤を蒸発さ
せることによって行うことができる。
(F)R1およびR2の一方がHであり、R1およびR2の他方がOR7{式中、
R7は(C1〜C6)アルキルである。}である場合、式(VII):
[式中、R8は、(C2〜C4)アルキルカルボニルである。]
で表される化合物を対応する2’−ヒドロキシ化合物に転化することによって行
われる。R8は、好ましくは、アセチルである。この転化は、(B)について上
記したように、低級アルコールでの単なる脱アシル化として行うことができる。
生成物を単離するためのワークアップは、溶剤蒸発によって行うことができる。
(G)R1およびR2の一方がHであり、R1およびR2の他方がOHである場合
、式(VIII):
で表される対応する4”−オキソ化合物を適当な還元剤、例えば、ナトリウムボ
ロハイドライドまたは式:LiAl(OR9)3H{式中、R9は、(C2〜C4)
アルキル基である。}で表される還元剤、好ましくは、リチウムアルミニウムト
リ−t−ブトキシハイドライドで還元することによって行われる。この還元は、
溶剤、例えば、THFまたはジエチルエーテル中、典型的には、0℃〜室温で、
数分〜数時間で行うことができる。還元剤は、当量比少なくとも1:1で存在し
、典型的には、過剰、例えば、当量比5:1で存在する。式(VIII)で表さ
れる出発物質4”−オキソ化合物は、また、(D)に記載したように、ラネーニ
ッケルの存在中、水素で還元することもできる。ワークアップは、従来通りであ
り、触媒を除去する必要がある場合、先に濾過し、濾過工程に続き、酢酸エチル
/水抽出システムを使用して行うことができる。
(H)R1およびR2の一方がOHであり、R1およびR2の他方がR10{式中、
R10は、(C1〜C6)アルキル、(C2〜C6)アルケニルまたはフェニルである
。}であるが、ただし、ZがC=Oでない場合、式(VIII)で表される対応
す
る化合物を式:R10MgX(式中、Xは、ハロ基であり、典型的には、臭素また
は塩素である。)で表されるグリニヤール試薬と反応させることによって行われ
る。反応は、適当な溶剤、例えば、THFまたはジエチルエーテル中、過剰のグ
リニヤール試薬、典型的には、化合物(VIII)の1当量当たり5当量の試薬
を使用して行うことができる。典型的には、ジエチルエーテル中の式(VIII
)で表される出発物質に、グリニヤール試薬の溶液を加え、混合物を、典型的に
は、約1時間〜数時間以下、例えば、一晩、室温で撹拌する。ついで、塩化アン
モニウムの飽和水溶液を加え、水溶液をクロロホルムまたは酢酸エチルで抽出す
る。ついで、有機層を取り出し、蒸発させて生成物を得る。
(I)R3およびR4が合わさってカーボネートまたはチオカートボネ基を形成
する場合には、式(IV){式中、R3およびR4は、ヒドロキシ基である。}で
表される対応する化合物を、それぞれ、エチレンカートボネまたは1,1−チオ
カルボニルジイミダゾールと、適当な溶剤、例えば、酢酸エチル、ベンゼンまた
は塩素化された低級炭化水素中で反応させることによって行われる。カーボネー
ト(またはチオカーボネート)は、典型的には、式(IV)で表される化合物で
形成されるが、それは、また、例えば、式(V)、(VI)、(VII)(VI
II)または(IX)(式中、R3およびR4は、ヒドロキシである。)で表され
る化合物を使用して、いずれかの中間段階で形成することもできる。反応は、典
型的には、還流温度で約3〜6時間行われる。マクロライド出発物質に対して3
〜5倍過剰のカーボネートまたはジイミダゾールを使用して、反応を実質的に確
実に完了させることが好ましい。この過剰は、反応の開始時に加えてもよく、ま
たは、反応期間中、少量づつ小分けして加えてもよい。反応時間が完了すると、
水を加え、生成物を反応溶剤中に抽出する。溶剤を実質的に除き、残留生成物は
、従来の手段によって精製する。
上記(A)または(B)に使用される出発物質は、Bright et al.,J.Antibi
ot.,XLI(8),1029-1047,(1988)に示されている方法によって、式(IX):
で表される対応する化合物より製造することができる。式(IX)で表される化
合物を製造するために、式(I)、(II)または(III)で表される対応す
る公知の出発物質は、標準処理法に従い、出発物質をアシルアンハイドライド、
例えば、無水酢酸または無水プロピオン酸で適当な溶剤、例えば、クロロホルム
中、室温で、数時間アシル化することによって選択的に保護される。ついで、反
応は、水でクエンチし、pHは、1NHClで2.5に調整し、有機層を除き、
廃棄する。ついで、水溶液pHは、アルカリ金属水酸化物で塩基性(例えば、p
H9.5)に調整し、1種以上の追加量の有機溶剤で抽出する。ついで、有機抽
出層を合わせ、(例えば、無水塩、具体的には、無水硫酸ナトリウムを介して濾
過することにより)乾燥し、蒸発により生成物を単離する。さて、2’位をアシ
ル基で保護された生成物は、ついで、改良Moffat-Pfitner条件[上記Bright et
al.に記載された系統に沿って、ピリジニウムトリフルオロアセテートの存在に
おけるDMSOおよび1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボ
ジイミド]下、典型的には、1〜数時間撹拌しつつ酸化され、4”−ヒドロキシ
基を4”−オキソに酸化する。反応は、水でクエンチされ、生成物[すなわち、
式(IX)で表される]は、水性反応媒体のpHを塩基性(約9.5)に調整し
た後、酢酸エチルに抽出され、溶液は、無水塩(例えば、無水硫酸マグネシウム
)を介して濾過することによって乾燥され、溶剤蒸発によって単離される。
式(IX)で表される化合物は、(B)に記載したように、低級アルコールで
脱アシルされ、上記(A)の出発物質として使用される式(V)で表される化合
物とされる。これとは別に、式(IX)で表される化合物は、(A)に記載した
ように、最初に、サマリウムヨーダイドで処理し、(B)の出発物質として使用
される式(VI)で表される化合物とされる。サマリウムヨーダイドおよび脱ア
シル工程に使用される順序は、かくして、重要ではない。
式(IX)で表される化合物に対して脱アシルおよびサマリウムヨーダイド還
元を行うと、生成物は、(C)に対しての出発物質となり、これは、ひいては、
(D)に対して出発物質となり、これは、ひいては、(E)に対して出発物質と
なる。
(G)または(H)に使用される式(VIII)で表される出発物質は、(B
)に記載したように、式(VI)で表される適当な化合物を脱アシル(すなわち
、ソルボリシス)するか、または、(A)に記載したように、式(V)で表され
る適当な出発物質を脱酸素することによって製造することができる。
(G)のように製造された生成物は、(F)に使用される式(VII)で表さ
れる対応する出発物質を製造するために使用することができる。出発物質は、最
初に、(G)に記載したようにして製造された対応する化合物、すなわち、式中
、R1およびR2の一方がHであり、R1およびR2の他方がOHである化合物の2
’−ヒドロキシ基を選択的にアシル化し、続いて、得られた2’−アシル化され
た化合物を式:R7X{式中、Xは、ハロ基、典型的には、塩素または臭素であ
り、R7は、(C1〜C6)アルキルである。}で表される対応するアルキル化剤
で処理することによって製造することができる。選択的なアシル化は、Bright e
t al.,J.Antibiot.XLI(8),1029-1047,(1988)に記載したように、および、
上記したようにして、達成することができる。ついで、アルキル化は、適当な溶
剤、例えば、DMSO、ジアルキルエーテル、例えば、ジエチルエーテル、TH
F、または、塩素化された炭化水素、例えば、塩化メチレン、1,1−ジクロロ
エチレンまたはトリクロロエチレン中で、従来通りに行うことができる。反応は
、塩基、例えば、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属カーボネート(例えば
、炭酸ナトリウム)の存在で行われる。反応は、典型的には、数分〜数時間、温
度0℃〜溶剤還流温度で行われる。
本発明に従う化合物を製造するのに有用な化学は、以下のスキーム1に示され
ているように、フローチャートの形態で系統だてることができる。スキーム1に
おいて、従来通りの記号を使用したが、炭素原子よりの1本の直線は、立体化学
的には、紙面に対して上面または下面であってもよい単結合を示すことを強調し
て置く。
前述したように、本発明の抗菌剤とそれらを製造するために使用される中間体
は、全て、例えば、所定の製造反応が完了しない場合、マクロライド化合物に対
する標準処理法によって、製造後、残留物質より精製または分離することができ
る。このような処理法としては、再結晶、カラムクロマトグラフィー、製造用薄
層クロマトグラフィーおよび向流分配法が挙げられる。精製の好ましい様式とし
ては、固定相としてシリカゲルを、溶離液としてクロロホルム、メタノールおよ
び30%水酸化アンモニウム水溶液の混合物(例えば、J.T.Bakerより市販さ
れている)を使用するカラムクロマトグラフィーが挙げられる。典型的には、水
酸化アンモニウムは、溶離液中に、0.1〜2体積%の量存在し、メタノールは
、1〜10体積%の量存在し、クロロホルムが残りを構成する。
式(IV)で表される抗菌性化合物は、塩基性であり、したがって、これらは
、酸付加塩を形成する。このような塩は、全て、本発明の範囲内に入り、これら
は、マクロライド化合物に対する標準処理法によって製造することができる。こ
れら化合物は、1個より多い塩基性中心を含有し、したがって、多重付加塩を製
造することができる。一般に、酸付加塩を製造するためには、式(IV)で表さ
れる化合物は、不活性溶剤中適当な酸の化学量論量と合わせられ、ついで、塩は
、溶剤蒸発、塩が自然に沈殿する場合には、濾過、または、非溶剤を使用して沈
殿させ、続く、濾過によって回収される。製造することのできる典型的な塩とし
ては、硫酸塩、塩酸塩、臭素酸塩、硝酸塩、リン酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、
パーモエート(pamoate)、スルホサリチル酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼン
スルホン酸塩および4−トルエンスルホン酸塩が挙げられる。
式(IV)で表される化合物は、in vitroおよびin vivoで抗菌剤として有効
であり、それらの活性スペクトルは、他の公知のマクロライド抗生物質のそれと
同等である。これらは、同様に使用することができ、公知の抗生物質、例えば、
エリスロマイシンAおよびアジスロマイシンと同目的で使用することができる。
一般に、式(IV)で表される化合物およびそれらの塩は、種々のグラム陽性
微生物、例えば、スタフィロコッカスアウレウス(Staphylococcus aureus)およ
びストレプトコッカスパイオゲン(Streptococcus pyogenes)、および、ある種の
グラム陰性微生物、例えば、E.Coliに対するin vitro活性を示す。これら活性
は、通常の2倍連続希釈技術によるブレイン−ハートインフュジョン培地(brain
-heart infusion medium)中での種々の微生物に対する標準in vitro試験、例え
ば、Brightに対する米国特許4,526,889に記載の試験によって容易に示され、こ
の米国特許は、参考のために、本明細書で全て引用する。これらのin vitro活性
は、局所的な適用;滅菌目的、例えば、病室用品;および、工業的な抗微生物剤
、例えば、水処理、スライム調節およびペイントならびに木材保存剤として、そ
れらを有用とする。局所的な適用に対しては、式(IV)で表される化合物を薬
学的に許容可能な担体または希釈剤と、例えば、軟膏およびクリームの形態で合
わせた医薬組成物を製造するのが通常便利である。これら目的に対する適当な担
体および希釈剤としては、鉱油および植物油、および、溶剤、例えば、水、アル
コール類およびグリコール類、ならびに、それらの混合物が挙げられる。このよ
うな医薬組成物は、通常、薬学的に許容可能な担体および式(IV)で表される
化合物を重量比4:1〜1:4の範囲で含有する。
哺乳類、特に、ヒトの細菌性感染症を治療するためにin vivoで使用される時
、式(IV)で表される化合物は、それ自体または薬学的に許容可能な塩の形態
で、単独投与されるか、または、本化合物および薬学的に許容可能な希釈剤また
は担体を含む医薬組成物の形態で投与される。このような組成物は、例えば、錠
剤またはカプセルとして経口的に、または、皮下および筋肉内注射等で非経口的
に投与することができる。薬学的に許容可能な担体は、投与の意図する様式に依
存する。例えば、ラクトース、クエン酸ナトリウムおよびリン酸の塩類を崩壊剤
(例えば、澱粉)および滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫
酸ナトリウムおよびタルク)と合わせて、錠剤における薬学的に許容可能な担体
として使用することができる。また、カプセルの使用に対しては、有効な薬学的
に許容可能な担体は、ラクトースおよび高分子量ポリエチレングリコール類(例
えば、分子量2,000〜4,000を有する)である。非経口使用に対しては
、薬学的に許容可能な担体が水性(例えば、水、等張の食塩水または等張のデキ
ストロース)または非水性(例えば、植物起源の脂肪油、例えば、綿実油もしく
はピー
ナッツ油、または、ポリオール類、例えば、グリセロールもしくはプロピレング
リコール)である滅菌溶液または懸濁液を調製することができる。
式(IV)で表される化合物またはその塩のin vivoにおける使用に対しては
、医薬組成物は、通常、薬学的に許容可能な担体および式(IV)で表される化
合物またはその塩を重量比4:1〜1:4の範囲で含有する。
哺乳類における細菌性感染症を経口または非経口的に治療するためにin vivo
で使用する時、通常の1日当たりの投薬量は、5〜100mg/kg体重の範囲内で
あり、特に、10〜50mg/kg体重であり、一括または小分けして投薬される。
以下の実施例および製造例は、ほんの追加の例を示すだけのものである。プロ
トンおよび炭素−13核磁気共鳴スペクトル(1H−NMRおよび13C−NMR
)は、重水素化されたクロロホルム(CDCl3)の溶液として測定し、判定吸
収のピーク位置は、ppmで報告する。一般に、内部標準は、添加しなかった。周
知の試薬および化学薬品に対しては、標準的な略号を使用した:Et3N(トリ
エチルアミン);MeOH(メタノール);EtOH(エタノール);EtOA
c(酢酸エチル);およびTHF(テトラヒドロフラン)。実施例 1 3”R−3”−デスメトキシ−4”−デオキシ−4”−オキソ−9−デオキソー 9a−アザ−9a−メチル−9a−ホモエリスロマイシンA
Sm2IのTHF溶液(0.1M,170ml)溶液に、窒素でガス抜きした2
’−アセチル−4”−デオキシ−4”−オキソ−9−デオキソ−9a−アザ−9
a−メチル−9aホモエリスロマイシンA(4.55g,5.77mmol)のメタ
ノール(15ml)溶液を加えた。5分後、炭酸カリウムの飽和水溶液(10ml)
と水(30ml)とを加え、スラリーを室温まで徐々に暖めた。ロータリーエバポ
レータで減圧下THFを除去し、続いて、酢酸エチル(30ml)を加えた。セラ
イトを介して混合物を濾過し、濾液を分離した。有機層を塩水で洗浄し、硫酸マ
グネシウム上で乾燥し、濃縮すると、粗製の2’−アセチル−3”−デスメトキ
シ−4”−デオキシ−4”−オキソ−9−デオキソ−9a−アザ−9a−メチル
−9a−ホモエリスロマイシンを白色の固体として与えた。この固体をメタノー
ルに溶解した。溶液を3時間還流し、室温で一晩撹拌した。溶剤を減圧で除去す
ると、白色固体4.11g(5.73mmol,99%収率)として標題化合物を与
え、これは、主生成物として3”R−異性体を含有する。
クロマトグラフィーによる精製(シリカゲル、溶離液として体積%でMeOH
/CHCl3/NH4OH:4:95.9:0.1を使用)後、純粋な3”R試料
mp.113−117℃を得た。X線分析は、酢酸エチル−ヘキサンより成長さ
せた単結晶で行った。13
C−NMR(CDCl3):215.0(s),178.3(s),103.8(d),97.4(d),85.2(d),79.
0(d),78.1(d),75.6(d),74.5(s),73.6(s),72.0(d),71.2(d),70.4(t),69.4(d),65.
4(d),62.1(d),44.6(d),42.3(t),40.5(q),39.4(d),37.4(d),36.9(q),35.3(t),29.
2(t),26.9(q),26.7(d),21.9(q),21.5(q),21.1(t),16.4(q),16.3(q),15.8(q),13.
4(q),11.3(q),9.5(q),7.7(q)。
FABHRMS:m/e717.4920(M++H,C37H69N2O11計算値717.4901)。実施例 2 3”R,4”R−3”−デスメトキシ−9−デオキソ−9a−アザ−9a−メチ ル−9a−ホモエリスロマイシンA
実施例1の標題化合物(470mg,0.655mmol)のTHF(30ml)−7
8℃溶液に、リチウムトリ−t−ブトキシ−アルミニウムハイドライドのTHF
溶液(1.0M,1.0ml)を加えた。反応混合物を0℃で3.5時間撹拌し、
ついで、室温で30分間撹拌した。反応液を30mlのH2Oで希釈し、ついで、
減圧で濃縮して、THFを除去した。得られた塩基性水溶液をEtOAc(3×
30ml)で抽出した。合わせた有機抽出物を塩水で洗浄し、(MgSO4で)乾
燥し、濃縮すると、白色固体として粗製の生成物を与えた。粗製の生成物は、シ
リカゲル上、溶離液としてMeOH−CHCl3−NH4OH(4:95.9:0
.1)でクロマトグラフィーにかけた。3つの画分を収集した。蒸発の際の速い
移動画分は、白色固体、mp.120−123℃、215.5mg(0.30mmol
,46%収率)として標題化合物(4”R−異性体)を与えた。遅い移動画分は
、実施例3の標題化合物(4S”−異性体)95mg(0.132mmol,20%収
率)
を与えた。また、中間の画分よりこれら2つの異性体の混合物(132mg,0.
183mmol,28%収率)が得られた。
4”R−異性体のスペクトルデータ:13
C−NMR(CDCl3):177.3(s),105.4(d),96.4(d),90.2(d),84.4(d),
77.7(d),75.4(d),75.3(d),74.0(s),72.9(s),71.9(d),71.4(d),70.8(t),
68.8(d),63.9(d),62.2(d),44.0(d),41.9(t),40.8(q),36.6(d),36.5(q),
32.6(t),31.5(t),28.1(d),26.2(d),26.0(q),21.3(q),20.9(q),20.6(t),
17.3(q),15.9(q),15.7(q),10.8(q),9.1(q),7.2(q)。
HREIMS:m/e718.5049(C37H70N2O11に対するM+計算値718.4961)
。実施例 3 3”R,4”S−3”−デスメトキシ−9−デオキソ−9a−アザ−9a−メチ ル−9a−ホモエリスロマイシンA
方法A:実施例2に記載したように、リチウムトリ−t−ブトキシ−アルミニ
ウムハイドライドで還元し、続いて、クロマトグラフィーにより、標題化合物を
得た。
スペクトルデータ:13
C−NMR(CDCl3):177.7(s),102.8(d),95.9(d),85.4(d),81.5(d),
77.6(d),75.4(d),74.4(d),74.2(s),73.2(s),71.0(d),70.6(t),70.4(d),
68.7(d),65.9(d),62.1(d),44.4(d),41.9(t),40.5(q),37.9(d),36.7(t),
36.6(q),31.38d),29.9(t),26.45(q),26.4(d),21.5(q),21.2(q),20.8(t),
18.5(q),16.0(q),15.9(q),13.1(q),11.0(q),9.1(q),7.5(q)。
FABHRMS:m/e719.5055(M++H,C37H71N2O11計算値719.5039)。
方法B:実施例1の標題化合物(52mg,0.073mmol)のメタノール(1.
5ml)とエチレングリコール(1ml)との0℃溶液に、ナトリウムボロハイドライ
ド(16mg,0.422mmol)を加えた。反応混合物は、0℃で30分間、ついで
、室温で30分間撹拌した。反応液を1mlのH2Oで希釈し、減圧で濃縮した。
H2O−EtOAcの添加および分離後、有機層を塩水で洗浄し、(MgSO4で
)乾燥し、減圧で濃縮すると、白色固体51mg(0.071mmol,97%収率)
と
して標題化合物を与えた。それは、方法Aに従い得られた物と同一であった。実施例 4 3”R−3”−デスメトキシ−4”−デオキシ−4”−オキシイミノ−9−デオ キソ−9a−アザ−9a−メチル−9a−ホモエリスロマイシンA
実施例1の標題化合物(428mg,0.60mmol)とNH2OH・HCl(20
8mg,3.0mmol)とのメタノール(10ml)溶液を室温で48時間撹拌した。
溶剤を減圧で除去した。140mlのEtOAc−H2O(1:1)を添加後、p
Hを9.8(飽和K2CO3)に調整した。分離後、水層を酢酸エチル(2×20
ml)で抽出した。合わせた有機抽出物を塩水で洗浄し、(MgSO4で)乾燥し
、濃縮すると、主生成物、mp.123〜128℃、412mg(0.56mmol,
94%収率)として立体異性体の一方を含有する白色固体として標題化合物を与
えた。
FABHRMS:m/e732.4967(M++H,C37H70N3O11計算値732.4992)
主異性体の純粋な試料(41mg)は、シリカゲル上のクロマトグラフィー(4
0%Et3Nトルエン)後、(速い移動画分より)得られた。
主異性休のスペクトルデータ:13
C−NMR(CDCl3):177.7(s),160.0(s),102.6(d),96.0(d),85.4(d),
82.4(d),77.8(d),75.8(d),74.4(s),73.4(s),71.5(d),70.9(t),68.8(d),
65.8(d),65.4(d),62.3(d),44.4(d),42.0(t),40.7(q),40.1(t),37.7(d),
36.9(q),30.7(t),30.1(d),26.5(d),21.7(q),21.4(q),21.0(t),16.4(q),
16.3(q),16.2(q),11.2(q),9.3(q),7.8(q)。実施例 5 3”R−3”−デスメトキシ−4”−デオキシ−4”−アミノ−9−デオキソ− 9a−アザ−9a−メチル−9a−ホモエリスロマイシンA
実施例4の標題化合物(540mg,0.738mmol)のEtOH(15ml)溶液
を周囲温度で25時間水素化した(50psi圧力,ラネーニッケル触媒0.8g)。
追加の1.15gのラネーニッケルを加え、水素化をさらに24時間継続した。
セライトを介して反応混合物を濾過し、濾液を濃縮すると、344mgの粗製の生
成物を与えた。シリカゲル上、CHCl3−MeOH−NH4OH(93.9:6
:0.1)を溶離液としてクロマトグラフィーにかけることによって、4”Rお
よび4”S異性体の(1:1)混合物、mp.133〜137℃、216mg(0
.301mmol,41%収率)として標題化合物を与えた。
FABHRMS:m/e717.5117(M++H,C37H71N3O10計算値717.5121)。実施例 6 3”R,4”R−3”−デスメトキシ−4”−メチル−9−デオキソ−9a−ア ザ−9a−メチル−9a−ホモエリスロマイシンA
実施例1の標題化合物(480mg,0.669mmol)のTHF(20ml)溶液に、メ
チルマグネシウムブロマイドのエーテル溶液(3.0M,1.5mmol)を加え、反
応混合物を室温で1時間撹拌した。反応液は、飽和NH4Cl水溶液でクエンチ
し、減圧で濃縮した。H2O(20ml)を加え、pHを9.5(K2CO3)に調
整した。これをEtOAcで抽出し、合わせた有機抽出物を塩水で洗浄し、(M
gSO4で)乾燥し、濃縮すると、粗製の生成物を与え、これは、シリカゲル上
、クロマトグラフィーにかけた。2%Et3N−トルエンを溶離液として、シリ
カゲルより速い移動画分を収集し、これは、白色固体、mp.103〜106℃
、173mg(0.236mmol,35%収率)として標題化合物(4”S−異性体
)を与えた。溶離液として8%Et3N−トルエンを使用して遅い移動画分を収
集すると、これは、170mgの4”R−異性体を与え、これは、さらに、シリカ
ゲルを介するクロマトグラフィー(CHCl3−MeOH−NH4OH:95.6
/4/0.1)によって精製すると、純粋な試料、mp.110〜115℃、4
5mg(9.2%収率)を与えた。また、4”Rおよび4”S異性体の混合物10
5mg(0.143mmol,21.4%収率)が中間画分より得られた。
4”R異性体のスペクトルデータ:13
C−NMR(CDCl3):177.6(s),106.1(d),96.7(d),90.5(d),84.9(d),
80.2(d),78.0(d),76.2(d),74.4(s),73.1(s),72.4(d),71.2(t),70.8(s),
69.1(d),64.0(d),62.4(d),44.2(d),42.1(t),41.4(q),37.0(q),36.6(d),
34.5(t),32.8(t),32.2(d),26.4(d),26.0(q),21.9(q),21.6(q),21.2(q),
20.9(t),16.1(q),14.74(q),14.7(q),11.2(q),9.5(q),7.7(q)。
FABHRMS:m/e733.5207(M++H,C38H73N2O11計算値733.5195)。実施例 7 3”R,4”S−3”−デスメトキシ−4”−メチル−9−デオキソ−9a−ア ザ−9a−メチル−9a−ホモエリスロマイシンA
標題化合物の製造は、実施例6に記載されている。
スペクトルデータ:13
C−NMR(CDCl3):178.0(s),104.2(d),97.5(d),86.2(d),81.4(d),
77.8(d),75.2(d),74.4(s),73.5(s),72.6(d),72.1(s),71.1(d),70.3(t),
69.0(d),65.5(d),62.0(d),44.7(d),42.5(t),40.5(q),39.3(d),36.7(q),
35.6(d),34.5(t),29.7(t),26.8(q),26.6(d),21.7(q),21.6(q),21.3(q),
21.0(t),16.2(q),16.0(q),15.7(q),13.7(q),11.1(q),9.5(q),7.8(q)。
FABHRMS:m/e733.5158(M++H,C38H73N2O11計算値733.5195)。実施例 8 3”R−3”−デスメトキシ−4”−デオキシ−4”−オキソ−エリスロマイシ ンA
実施例1の処理法に従い、2’−アセチル−4”−デオキシ−4”−オキソ−
エリスロマイシンA(4.73g,6.11mmol)をメタノール中SmI2(0.
1M,THF溶液,190ml)で処理して、4.22gの粗製の2’−アセチル
−3”S−3”−デスメトキシ−4”−デオキシ−4”−オキソ−エリスロマイ
シンAを与えた。ついで、これをメタノールに溶解し、室温で一晩撹拌した。メ
タノールの除去後、粗製の生成物は、シリカゲル上、(溶離液として、CHCl3
−MeOH−NH4OH:96.9/3/0.1を用い)クロマトグラフィーに
かけ、白色固体、mp.106〜111℃、2.66g(3.79mmol,62%収
率)として標題化合物を与えた。13
C−NMR(CDCl3):222.0(s),214.9(s),175.5(s),104.0(d),98.1(d)
,84.1(d),79.7(d),77.0(d),75.0(s),74.8(s),71.6(d),70.9(d),69.4(d)
,69.0(d),65.3(d),45.4(d),44.6(d),40.3(q),38.7(t),38.1(d),37.3(d)
,
37.1(q),35.0(t),28.6(t),26.7(q),21.5(q),21.2(t),18.5(q),16.3(q),
16.0(q),15.7(q),13.2(q),12.1(q),10.7(q),9.2(q)。
FABHRMS:m/e702.4464(M++H,C36H64NO12計算値702.4411)。実施例 9 3”R−3”−デスメトキシ−エリスロマイシンA
実施例8の標題化合物(1.6g,2.28mmol)のTHF(20ml)室温溶液
に、リチウムトリ−t−ブトキシ−アルミニウムハイドライドのTHF溶液(1
.0M,3.42ml)を加えた。反応混合物を周囲温度で30分間撹拌した。ワ
ークアップは、実施例2の処理法に従った。粗製の生成物は、シリカゲル上、溶
離液としてMeOH−CHCl3−NH4OH(3:96.9:0.1)を使用し
てクロマトグラフィーにかけた。速い移動画分は、白色固体、mp.116〜1
19℃、143mg(0.203mmol,9%収率)として標題化合物を与えた。13
C−NMR(CDCl3):221.9(s),175.2(s),105.2(d),96.7(d),87.4(d),
83.8(d),76.9(d),75.2(d),74.7(s),74.6(s),71.6(d),71.5(d),69.3(d),
69.2(d),64.5(d),45.3(d),44.2(d),40.8(q),38.4(t),37.9(d),37.4(d),
33.1(t),30.7(t),28.5(d),26.3(q),21.23(q),21.2(t),17.9(q),17.2(q),
16.3(q),16.1(q),15.3(q),12.0(q),10.6(q),9.2(q)。
FABHRMS:m/e704.4615(M++H,C36H66NO12計算値704.4567)。実施例 10 3”R−3”−デスメトキシ−4”−デオキシ−4”−オキシイミノ−エリスロ マイシンA
実施例8の標題化合物(566mg,0.81mmol)、NH2OH・HCl(1
12mg,1.61mmol)およびBaCO3(637mg,3.23mmol)のメタノ
ール(10ml)溶液を周囲温度で2.5時間撹拌した。ワークアップは、実施例
4の処理法に従った。主生成物として立体異性体の一方を含有する粗製の生成物
は、シリカゲル上、溶離液としてMeOH−CHCl3−NH4OH(3:96.
9:0.1)を使用してクロマトグラフィーにかけた。2つの画分を収集した。
遅い移動画分は、標題化合物、mp.148〜151℃、203mg(0.283
mmol,56%収率)の主要な異性体を与えた。速い移動画分は、4”(E)およ
び4”(Z)異性体の混合物325mg(0.45mmol,35%収率)を生成した
。
主異性体のスペトルデータ:13
C−NMR(CDCl3):175.3(s),161.5(s),102.7(d),96.8(d),83.2(d),
82.4(d),77.3(d),76.8(d),74.8(d),74.7(s),70.9(d),69.2(d),68.9(d),
65.5(d),65.2(d),45.4(d),44.3(d),40.4(q),39.6(t),38.4(t),37.7(d),
30.0(d),29.4(t),26.8(q),21.5(q),21.1(t),18.2(q),16.6(q),16.3(q),
15.8(q),15.6(q),12.1(q),10.6(q),9.1(q)。
FABHRMS:m/e717.4489(M++H,C36H65N2O12計算値717.4520)。実施例 11 3”R−3”−デスメトキシ−4”−デオキシ−4”−アミノ一エリスロマイシ ンA
実施例5の処理法に従い、EtOH(25ml)中の実施例10の標題化合物(
1.00g,1.39mmol)を(50psi圧力,1.0gラネーニッケル触媒)周
囲温度で12時間水素化すると、4”Rおよび4”S異性体の混合物(約1:1
)、mp.108〜113℃、729mg(1.037mmol,74.6%収率)と
して標題化合物を与えた。
EI−HRMS:m/e703.4709(M+,C36H67N2O11計算値703.4727)。実施例 12 3”R−3”−デスメトキシ−4”−デオキシ−4”−オキソ−(11−O,1 2−O−オキソメチレン)エリスロマイシンA
実施例8の標題化合物(203mg,0.283mmol)、エチレンカーボネート
(249mg,1.42mmol)およびK2CO3(196mg,1.42mmol)のベ
ンゼン溶液を一晩還流した。ベンゼンの除去後、生成物混合物は、CHCl3に
溶解し、10%K2CO3水溶液、水および塩水で洗浄し、(MgSO4で)乾燥
し、濃縮すると、3”Rおよび3”S−異性体の混合物(78:22)、mp.
99〜104℃、198mg(0.266mmol,94%収率)として標題化合物を
与えた。
3R”異性体のスペトルデータ:13
C−NMR(CDCl3):215.5(s),177.1(s),153.2(s),103.7(d),95.7(d
),85.0(d),84.9(d),77.2(d),76.5(s),75.9(d),73.2(s),71.2(d),70.3(d
),69.2(d),67.2(d),65.1(d),60.9(d),44.7(d),41.0(d),40.2(q),37.1(d
),34.9(t),34.1(q),29.5(t),28.5(t),26.3(q),26.1(d),21.8(t),21.7(q
),21.1(q),15.7(q),14.4(q),14.0(q),12.9(q),11.7(q),10.2(q),5.4(q)
。
FABHRMS:m/e743.4703(M++H,C38H67N2O12計算値743.4676)。実施例 13 3”R−3”−デスメトキシ−(11−O,12−O−オキソメチレン)エリス ロマイシンA
実施例12の処理法に従い、実施例9の標題化合物(1.13g,1.57mmo
l)を還流ベンゼン中エチレンカーボネート(1.33g,18.1mmol)と反
応させると、白色固体、mp.96〜99℃、1.06g(1.42mmol,91
%収率)として標題化合物を与えた。13
C−NMR(CDCl3):175.5,153.4,105.6,96.7,90.1,86.2,84.9,
84.0,77.2,75.8,75.5,72.9,72.0,71.6,69.1,67.9,64.2,61.7,44.1,
42.1,41.1,37.1,34.8,32.8,31.6,28.3,26.0,25.7,21.7,21.4,21.1,
17.4,15.9,13.5,10.5,9.5。
FABHRMS:m/e745.4910(M++H,C38H69N2O12計算値745.4832)。実施例 14 3”R,4”R−3”−デスメトキシ−4”−フェニル−9−デオキソ−9a− アザ−9a−メチル−9a−ホモエリスロマイシンA
実施例1の標題化合物(205mg,0.286mmol)のTHF(10ml)溶液
に、フェニルマグネシウムブロマイドのTHF溶液(3.0M,0.62ml)を
加えた。反応混合物を室温で20時間撹拌した。ワークアップは、実施例6の処
理法に従った。粗製の生成物は、シリカゲル上、(CHCl3−MeOH−NH4
OH95.9/4/0.1を使用して)クロマトグラフィーにかけると、4”S
および4”R異性体の混合物(約1:1)、40mg(0.05mmol,18%収率)
として標題化合物を与えた。
FABHRMS:m/e795.5360(M++H,C43H75N2O11計算値795.5351)。
【手続補正書】
【提出日】1996年9月9日
【補正内容】
特許請求の範囲を次のように補正する。
『1. 式:
[式中、Zは、CH2−N(CH3)、N(CH3)−CH2またはC=Oであり
;
R1およびR2は、
(1)R1およびR2の一方がOHであり、R1およびR2他方が(C1〜C6)ア
ルキル、(C2〜C6)アルケニル、または、フェニルであり、ただし、Zは、C
Oでない;
(2)R1およびR2の一方がHであり、R1およびR2の他方がNR5R6{式中
、R5およびR6は、独立に、Hおよび(C1〜C6)アルキルから選択される。}
であるか、または、OR7{式中、R7は、Hまたは(C1〜C6)アルキルである
。}である;および、
(3)R1およびR2は、合わさって、オキソまたはオキシム基を形成する;
から選択され;
R3およびR4は、各々、ヒドロキシルであるか、または、合わさって、カーボ
ネートまたはチオカーボネート基を形成する。]
を有する化合物、および、それらの薬学的に許容可能な塩。
2. ZがN(CH3)−CH2である、請求の範囲第1項に記載の化合物。
3. ZがC=Oである、請求の範囲第1項に記載の化合物。
4. 細菌性感染症の治療をするのに適当な医薬組成物であって、請求の範囲第
1項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩、および、薬学的に許容可
能な希釈剤または担体を含む組成物。
5. ZがN(CH3)−CH2である、請求の範囲第4項に記載の組成物。
6. ZがC=Oである、請求の範囲第4項に記載の組成物。
7. 式:
[式中、R8は、(C2〜C4)アルキルカルボニルであり、R3、R4およびZ
は、請求の範囲第1項に記載する通りである。]
を有する化合物。
8. 式:
[式中、R8は、(C2〜C4)アルキルカルボニルであり、R7は、(C1〜C6
)アルキルであり、R3、R4およびZは、請求の範囲第1項に記載する通りであ
る。]
を有する化合物。』