【発明の詳細な説明】
ヒトDNASE
本発明は、新たに同定したポリヌクレオチド配列、このような配列によりコー
ドされるポリペプチド、このようなポリヌクレオチドおよびポリペプチドの使用
、ならびにこのようなポリヌクレオチドおよびポリペプチドの生産に関する。よ
り特定すると、本発明のポリペプチドは、ヒトデオキシリボヌクレアーゼ(DNas
e)である。本発明はまた、このようなポリペプチドの作用を阻害することに関
する。
DNaseは、ポリデオキシリボ核酸を加水分解し得るホスホジエステラーゼであ
る。これは、DNAに作用して、DNAを広範囲にかつ非特異的に分解し、そしてこの
点に関して、DNaseは、相対的に限定され、配列特異的な制限エンドヌクレアー
ゼと区別される。上記の分解活性は、非特異的である。しかし、DNaseはまた、
2本鎖DNAを分解して、5'オリゴヌクレオチドを生成する。DNaseIおよびDNaseI
Iの2つのタイプのDNaseが存在する。DNaseIは、中性付近に至適pHを有し、2
価カチオンを必須的に要求し、そしてDNAの加水分解に際して5'リン酸化ヌクレ
オチドを生成する。DNaseIIは、酸性の至適pHを示し、2価カチオンにより活性
化され得、そしてDNAの加水分解に際して3'リン酸化ヌクレオチドを生成する。
複数の分子形態のDNaseIおよびDNaseIIもまた、知られている。
DNaseIは、主として、消化性酵素である。しかし、DNaseIと同様な活性が、
他の組織において見出されている。このことは、他の機能を有し得ることを示唆
する(Laskowski、参照1971)。例えば、DNaseは、アクチンの多量体化(polimer
ization)において役割を果たし得ると考えられてきた(Suckら、参照1981)。原
核生物細胞におけるDNaseは、種々の代謝機能に関与し、それには、遺伝子組み
換え、DNA損傷の修復、外来DNAの制限およびDNAの細胞内への輸送が挙げられる
。
種々の種由来のDNaseが、種々の程度に精製されてきた。ウシDNase A、B、C、
およびDが精製され、そして1973年という初期に完全に配列決定が行われた(Lia
oら、J.Biol.Chem. 248:1489[1973])。ブタおよびウシのDNaseが精製され
、そして完全に配列決定された(Paudelら、J.Biol.Chem. 261:16001[1986]
)。ヒト尿のDNaseを電気泳動的に均一状態にまで精製し、そしてN末端アミノ
酸がロイシンであると観測されたことが報告された;他の配列は報告されなかっ
た(Itoら、J.Biol.Chem.95:1399[1984])。
近年、PCT国際出願番号PCT/US89/05744(Genentic,Inc.により出願された)
に示されるように、ウシおよびヒトのDNaseI遺伝子がクローン化され、そして
発現された。これは、ヒトDNaseが膵臓から単離されたことを開示している。
Shieldsらの参考文献は、ウシDNaseIの遺伝子の一部分の発現クローニング(e
xpression cloning)ならびに、E.coliでの生物学的および免疫学的に活性である
融合タンパク質の発現を記載した(Biochem.Soc.Trans. 16:195[1988])。し
かし、ShieldsらのDNase産物は、宿主細胞に対して毒性的であり、そして誘導性
プロモーターの使用により得られ得たに過ぎなかった。さらに、いずれか一方の
クローンからプラスミドDNAを単離する試みにおいて、大きな困難(クローン由
来のDNsaeの構成的なレベルの発現に起因する障害)に遭遇した。その結果、こ
れらの著者は、DNaseをコードする核酸の配列を決定し得なかった。Shieldsらに
よれば、プラスミドが回収できないことは、プロモーターが低温で抑制されてい
る場合でさえも、DNaseの構成的な発現の結果であった。このことは、相当の障
害を生み出した。なぜなら、Shieldsらは発現クローニングにより確認したにす
ぎないが、このことは、何らかの性質のプロモーターの制御下にDNaseを配置す
ることを必然的に要求する。
DNaseは、多くの公知の利用性を見出し、そして治療目的のために使用されて
きた。おもな治療使用は、肺炎、嚢胞性線維症のような疾患における肺分泌物の
粘性を減少させ、それによって呼吸気道の清掃(cleaning)を援助することである
。分泌物による気道の閉塞は、呼吸困難を引き起こし得、そして場合によっては
、呼吸不全および死に至らし得る。
本発明の1つの局面によれば、DNaseである新規なポリペプチド、ならびにそ
のアナログおよび誘導体が提供される。本発明のDNaseは、ヒト起源である。
本発明の別の局面によれば、このようなポリペプチドをコードするポリヌクレ
オチド(DNAまたはRNA)が提供される。
本発明のさらに別の局面によれば、このようなポリペプチドを組換え技術によ
り生成する手順が提供される。
本発明のなおさらなる局面によれば、このようなポリペプチド、またはこのよ
うなポリペプチドをコードするDNA配列を、治療の目的で(例えば、気管支肺の
分泌物の粘性を酵素的に改変するために)利用するプロセスが提供される。
本発明のこれらの局面および他の局面は、本明細書中の教示により当業者には
明らかであるべきである。
以下の図面は、本発明の実施態様の例示であり、そして請求の範囲により含ま
れる本発明の範囲を限定することを意図しない。
図1は、本発明のヒトDNaseのアミノ酸配列およびDNA配列を示す。アミノ酸配
列を、それらの標準的な1文字略号により示す。示されたタンパク質は、プロセ
ス前の形態のタンパク質である。
図2は、異なる時間間隔で、可溶性画分と対照的に、細菌発現系のペレット画
分から遊離したDNaseの量を示す。
図3は、異なる培地における、そして異なるpHでのDNaseの精製の成功の割合
を示す。
図4は、ノーザンブロット分析の使用によるDNaseの組織分布を示す。これは
、DNaseが、肺および心臓で優勢であることを示す。
図5は、2本鎖DNAを消化するDNaseの能力を示す。
図6は、DNase活性を示す。DNAを、32P-dCTPで標識した。次いで、DNaseを、
所定量の標識DNAと共にインキュベートし、そしてサンプルを取り出して液体シ
ンチレーションにより計数した。
図7は、pQE-9ベクターの模式図である。
本発明の1つの局面によれば、図1の図面に記載するようなDNA配列(および
対応するRNA配列)および/または図1の図面の配列と同じポリペプチドをコー
ドするDNA(RNA)配列、ならびにこのような配列のフラグメント部分、誘導体、
アナログ、およびすべての対立遺伝子変異体が提供される。図1のポリペプチド
は、プロセス前の形態のタンパク質であって、リーダー配列を有する。プロセス
形態または成熟形態は、アミノ酸19で始まる。
本発明の別の局面によれば、1993年8月4日に寄託された、ATCC寄託番号7551
5として寄託されたcDNAクローンのポリヌクレオチドと同じポリペプチドをコー
ドするポリヌクレオチド、および/またはこのようなポリヌクレオチドのフラグ
メント、アナログ、誘導体または対立遺伝子変異体が提供される。
ポリヌクレオチド(DNAまたはRNA、好ましくはDNA)は、ポリペプチドのコー
ド部分を少なくとも含み、このコード部分は、寄託したクローンにおける部分と
同一であり得るか、または同一のポリペプチドもしくはその対立遺伝子変異体に
ついてコードされる場合、寄託したクローンにおける部分と異なり得る。コード
部分は、好ましくは、本発明のポリペプチドの成熟形態を少なくともコードする
。
本発明はさらに、配列間に少なくとも50%、および好ましくは少なくとも70%
の同一性がある場合、本明細書中上記のポリヌクレオチド配列にハイブリダイズ
するポリヌクレオチド配列に関する。好ましい別の実施態様において、本発明は
、本明細書中上記のポリヌクレオチド配列にストリンジェントな条件下でハイブ
リダイズするポリヌクレオチド配列に関する。本明細書中で用いられる用語「ス
トリンジェントな条件」は、ハイブリダイゼーションが、セグメント間に少なく
とも95%、および好ましくは少なくとも97%の同一性がある場合に生じることを
意味する。従って、本発明は、図1のDNAによりコードされるペプチドの対立遺
伝子変異体の形態をコードするDNA(RNA)配列を包含する。従って、本発明は、
天然に存在するヒトポリペプチド(これはDNaseである)、ならびにその対立遺
伝子変異体をコードする単離されたDNA(RNA)を提供する。DNA(RNA)は、好ま
しくは、精製された形態および単離された形態で提供される。
本発明はさらに、DNaseであり、そして図1に示す構造を有するポリペプチド
、ならびにその対立遺伝子変異体、およびそのアナログ、そのフラグメント、そ
の誘導体およびその対立遺伝子変異体、および天然に存在するポリペプチドと同
一の機能を有するポリペプチドに関する。
本発明はさらに、1993年8月4日に、ATCC番号75515として寄託されたクロー
ン中に含有されるDNAによりコードされるポリペプチド、ならびにそのアナログ
、そのフラグメント、その誘導体、およびその対立遺伝子変異体に関する。
これらの寄託物は、特許手続きの目的のための微生物の寄託の国際的承認に関
するブダペスト条約の条件下に維持される。これらの寄託物は、当業者に便宜上
のみ提供されるだけであり、そして米国特許法第112条の下で寄託が必要とされ
ることを容認するものではない。寄託物に含まれるポリヌクレオチドの配列、な
らびにそれによりコードされるポリペプチドのアミノ酸配列は、本明細書中に参
考として援用され、そして本明細書中の配列の記載とのいかなる不一致の事象に
おいても管理されている。寄託物を製造し、使用し、または販売するためには実
施許諾が必要とされ得、そしてこのような実施許諾は本明細書によって与えられ
るわけではない。
本発明のポリペプチドは、好ましくは単離された形態で提供され、そして好ま
しくは精製される。
用語「単離された」は、物質がその本来の環境(例えば、天然に存在する場合
は、天然の環境)から取り出されていることを意味する。例えば、生きている動
物に存在する天然のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、単離されていない
が、天然系において共存する物質の幾らかまたは全部から分離された同一のポリ
ヌクレオチドまたはDNAまたはポリペプチドは、単離されている。このようなポ
リヌクレオチドは、ベクターの一部であり得、および/またはこのようなポリヌ
クレオチドまたはポリペプチドは、組成物の一部であり得、そしてさらにこのよ
うなベクターまたは組成物がその天然の環境の一部ではないため単離されている
。
好ましい実施態様において、DNaseは、全長の成熟ヒトDNaseまたはその対立遺
伝子変異体またはそのグリコシル化変異体である。ポリヌクレオチドはまた、成
熟タンパク質のようにプロセスされ、そして哺乳動物細胞から分泌されるプレタ
ンパク質をコードし得る。プレタンパク質は、プロセスされ、成熟タンパク質と
して哺乳動物細胞から分泌される。
本発明のポリヌクレオチド配列は、ポリペプチドの成熟体をコードし得るか、
またはリーダー配列をコードし得る。例えば、所望のDNA配列は、同じリーディ
ングフレーム内で、ポリペプチドの発現および分泌を補助するDNA配列(例えば
、宿主細胞からのポリペプチドの輸送を制御するための分泌配列として機能する
リーダー配列)に融合され得る。リーダー配列を有するタンパク質は、プレタン
パ
ク質であり、そして宿主細胞により切断されて、成熟形態のタンパク質を形成す
るリーダー配列を有し得る。本発明のポリヌクレオチドはまた、本発明のポリペ
プチドの精製を可能にするマーカー配列(例えば、ヘキサヒスチジンタグ)にイ
ンフレームで融合され得る。
従って、本発明のポリペプチドは、本発明のDNaseの成熟形態であり得る;ま
たは、プレタンパク質もしくはプレポリペプチドの形態であり得る(ここで、DN
aseは、リーダー配列もしくは分泌配列を含有する);または、融合タンパク質
の形態であり得る(ここで、例えばポリペプチドの精製において援助する付加的
なアミノ酸が、その3'末端もしくは5'末端のいずれかで、成熟タンパク質もしく
はプレタンパク質に融合される)。
好ましい実施態様において、マーカー配列はヘキサヒスチジンタグであり、こ
れは、プラスミドpQE-9により供給される。
本明細書上記のように、本発明はまた、図1のDNAによりコードされるポリペ
プチドの変異体または、および寄託されたクローン中に含有されるDNAの変異体
(DNaseであるようなポリペプチドの定性的な活性を保持する)を含む。変異体
は、置換(substitutional)変異体、または挿入変異体、または欠失変異体であり
得る。このような変異体は、天然に存在する対立遺伝子変異体(例えば、アミノ
酸レベルでの異なるグリコシル化パターンまたはアミノ酸レベルでの置換または
アミノ酸レベルでの欠失を有する変異体)であり得る。
このような変異体はまた、部位特異的変異誘発により産生され得る。置換変異
は、保存アミノ酸の置換または非保存アミノ酸の置換であり、そして好ましくは
保存アミノ酸であり得る。
本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、以下の組織の1つか
ら調製した1つ以上のライブラリーから入手し得る:心臓、肺、幼児の脳、およ
び胎盤。本ヌクレオチドは298アミノ酸のオープンリーディングフレームを含有
し、これは、ヒト膵臓DNaseと非ヒト膵臓DNaseの両方に対していくらかの相同性
を示す、プロセス前の形態をコードする。最高の組合せ(match)においては、以
下の通りである:282アミノ酸の広がり(stretch)にわたって、ヒト膵臓DNaseに
対して、34%の同一性および53%の類似性。コード配列はまた、ブタ由来のDNas
eIに60%の同一性および75%の類似性の領域を含有し、そして全体で54%の類
似性性である。アミノ酸組成に基づいて予想される分子量は、33kDaである。
宿主細胞は、本発明の発現ベクターを用いて形質転換され、そしてプロモータ
ーを誘導し、形質転換体を選択し、またはDNase遺伝子を増幅するために適切に
改変した従来の栄養培地中で培養される。培養条件(例えば、温度、pHなど)は
、発現のために選択される宿主細胞で以前に使用された条件であり、そして当業
者には明らかである。
「形質転換」は、DNAを生物中に導入し、その結果、DNAは、染色体外エレメン
トとしてか、または染色体への組込みによるかのいずれかで、複製可能であるこ
とを意味する。特に示さない限り、宿主細胞の形質転換のために本明細書中で使
用される方法は、Graham,F.およびdan der Eb,A.、Virology 52:456-457(197
3)の方法である。しかし、DNAを細胞に導入する他の方法(例えば、核注入によ
る、またはプロトプラスト融合による)もまた、使用され得る。実質的に細胞壁
構築物を含む、1つまたは複数の原核生物細胞を使用する場合、トランスフェク
ションの好ましい方法は、Cohen,F.N.ら、Proc.Natl.Acad.Sci. (USA)、69
:2110(1972)の記載のような、塩化カルシウムを用いるカルシウム処理である。
「トランスフェクション」は、任意のコード配列が最終的に発現されるかどう
かに関係なく、DNAを宿主細胞中に導入することを示す。細胞は、自然には、DNA
を取り込まない。従って、種々の技術的な「トリック」を利用して、遺伝子導入
を可能にしてきた。多くの方法のトランスフェクションが、当業者には公知であ
る(例えば、CaPO4およびエレクトロポレーション)。宿主細胞の形質転換は、
首尾良くいくトランスフェクションの証である。
本発明のポリヌクレオチドは、組換え技術によりポリペプチドを生成するため
に用いられ得る。従って、例えば、ポリヌクレオチド配列は、ポリペプチドを発
現するための種々の発現ベクターまたはプラスミドのいずれか1つに含まれ得る
。このようなベクターは、染色体、非染色体、および合成DNA配列を包含し、例
えば、SV40の誘導体;細菌のプラスミド;ファージDNA;酵母プラスミド;プラ
スミドおよびファージDNAの組み合わせに由来するベクター、ワクシニア、アデ
ノウイルス、鶏痘ウイルス、および仮性狂犬病のようなウイルスDNAである。
適切なDNA配列は、種々の手順によりベクターに挿入され得る。一般的に、DNA
配列は、当該分野で公知の手順により適切な制限エンドヌクレアーゼ部位(1つ
または複数)に挿入される。このような手順および他の手順は、当業者に公知の
範囲内であると考えられる。
発現ベクター中のDNA配列は、適切な発現制御配列(プロモーター)(1つま
たは複数)に作動可能に連結され、mRNAの合成を指示する。このようなプロモー
ターの代表的な例としては、以下が挙げられ得る:LTRまたはSV40プロモーター
、E.coli lacまたはtrp、λファージPLプロモーター、および原核細胞または真
核細胞あるいはそれらのウイルス内で遺伝子の発現を制御することが公知である
他のプロモーター。発現ベクターはまた、翻訳開始のためのリボソーム結合部位
、および転写ターミネーターを含有する。ベクターはまた、発現を増幅するため
の適切な配列を含有し得る。
さらに、発現ベクターは、好ましくは、形質転換された宿主細胞の選択のため
の表現型特性(例えば、真核細胞培養物についてはジヒドロ葉酸レダクターゼ耐
性またはネオマイシン耐性、またはE.coliにおけるテトラサイクリン耐性また
はアンピシリン耐性)を提供する1つの遺伝子を含有する。
本明細書中上記のような、適切なDNA配列ならびに適切なプロモーター配列ま
たは制御配列を含むベクターは、適切な宿主を形質転換して宿主にタンパク質を
発現させるために用いられ得る。細菌の発現系(例えば、E.coli)から発現され
るような本発明のヒトDNaseを、図2および図3(レーン5)に示す。適切な宿
主の代表的な例としては、以下が挙げられ得る:細菌細胞(例えば、E.coli、S almonella
typhimurium);真菌細胞(例えば、酵母);動物細胞(例えば、Cos
-7細胞、CHO、またはBowes黒色腫);植物細胞など。適切な宿主の選択は、本明
細書中の教示により当業者の範囲内であると考えられる。
本発明のDNaseを、ヘキサヒスチジンタグに対して高い親和性を有するニッケ
ルキレート樹脂の使用によりE.coli宿主より精製した。
さらに特定すると、本発明はまた、上で広範に記載した1つ以上の配列を含む
組換え構築物を包含する。構築物は、ベクター(例えば、プラスミドベクターま
たはウイルスベクター)を包含し、このベクターの中には本発明の配列が正方向
または逆方向に挿入されている。この実施態様の好ましい局面において、構築物
はさらに、配列に作動可能に連結された調節配列(例えば、プロモーターを包含
する)を含む。多数の適切なベクターおよびプロモーターが当業者には公知であ
り、そして購入可能である。以下のベクターが例として提供される。細菌性:pQ
E-9(Qiagen)、pBs、phagescript、pD10、PsiXI74、pbluescript SK、pBsKS、P
NH8A、PNE16A、PNH18A、PNH46A(Stratagene);Ptrc99a、PKK223-3、PKK233-3
、PDR540、PRIT5(Pharmacia)。真核性:pWLneo、PSV2CAT、POG44、PXTI、pSG
(Stratagene)、PSVK3、PBPV、PMSG、PSVL(Pharmacia)。また、宿主において
複製可能で、そして生存可能である限り、任意の他のプラスミドまたはベクター
も使用され得る。
プロモーター領域は、CAT(クロラムフェニコールアセチルトランスフェラー
ゼ)ベクターまたは選択可能なマーカーを有する他のベクターを使用して、任意
の所望の遺伝子から選択され得る。2つの適切なベクターは、PKK232-8およびPC
M7である。特に示される細菌プロモーターには、lacl、lacZ、T3、T7、gpt、λPR
、およびtrcが挙げられる。真核プロモーターには、CMV即時型初期、HSVチミジ
ンキナーゼ、初期SV40および後期SV40、レトロウイルス由来のLTR、およびマウ
スメタロチオネインIが挙げられる。適切なベクターおよびプロモーターの選択
は、十分に当業者のレベル内にある。
さらなる実施態様では、本発明は上記の構築物を含有する宿主細胞に関する。
宿主細胞は、高等真核細胞(例えば、哺乳動物細胞)または下等真核細胞(例え
ば、酵母細胞)であり得るか、または宿主細胞は、原核細胞(例えば、細菌細胞
)であり得る。構築物の宿主細胞への導入は、リン酸カルシウムトランスフェク
ション、DEAEデキストラン媒介トランスフェクション、またはエレクトロポレー
ションにより達成され得る(Davis,L.、Dibner,M.、Battey,I.、Basic Metho ds in Molecular Biology
、1986)。
宿主細胞中の構築物は、組換え配列によりコードされる遺伝子産物を産生する
ために、従来の方法で使用され得る。あるいは、コードされるポリペプチドは、
従来のペプチド合成機により合成的に生成され得る。
成熟タンパク質は、哺乳動物細胞、酵母、細菌、または他の細胞中で適切なプ
ロモーターの制御下で発現され得る。無細胞翻訳系もまた、このようなタンパク
質を生成するために、本発明のDNA構築物に由来するRNAを使用して用いられ得る
。原核宿主および真核宿主で使用される適切なクローニングベクターおよび発現
ベクターは、Sambrookら、Molecular Cloning: A Laboratory Manual、第2版(
Cold Spring Harbor、N.Y.、(1989)に記載され、この開示は、本明細書中に参
考として援用される。
本発明のポリペプチドをコードするDNAの高等真核生物による転写は、ベクタ
ーにエンハンサー配列を挿入することにより増大される。エンハンサーはDNAの
シス作用因子であり、通常は約10〜約300bpであり、これはプロモーターに作用
してその転写を増大させる。例としては、複製起点の後期側のSV40エンハンサー
(bp100〜270)、サイトメガロウイルスの初期プロモーターエンハンサー、複製
起点の後期側のポリオーマエンハンサー、およびアデノウイルスエンハンサーが
挙げられる。
一般に、組換え発現べクターは、複製起点および宿主細胞の形質転換を可能と
する選択マーカー(例えば、E.coliのアンピシリン耐性遺伝子およびS.cerevi siae
のTRP1遺伝子)および下流の構造配列の転写を指示する高発現遺伝子に由来
するプロモーターを含有する。このようなプロモーターは、特に解糖酵素(例え
ば、3-ホスホグリセリン酸キナーゼ(PGK)、α因子、酸性ホスファターゼ、ま
たは熱ショックタンパク質など)をコードするオペロンに由来し得る。異種構造
配列は、翻訳開始配列および翻訳終止配列、および好ましくは翻訳されたタンパ
ク質をペリプラズマ空間または細胞外の培地へ分泌することを指示し得るリーダ
ー配列と適切な相内で組立てられる。
細菌での使用に有用な発現ベクターは、機能的なプロモーターを伴う作動可能
な読みとり相で、所望のタンパク質をコードする構造DNA配列を適切な翻訳開始
シグナルおよび翻訳終止シグナルと共に挿入することにより構築される。ベクタ
ーは、1つ以上の表現型選択マーカー、ならびに、ベクターの維持を保証するた
め、および所望により宿主内での増幅を提供するために複製起点を含有する。形
質転換のために適切な原核宿主には、E.coli、Bacillus subtilis、Salmonella typhimurium
、ならびにPseudomonas属、Streptomyces属、およびStaphylococcu
s属の種々の種が挙げられるが、他の種もまた選択対象として用いられ得る。
代表的であるが、限定しない例として、細菌での使用に有用な発現ベクターは
、周知のクローニングベクターPBR322(ATCC 37017)の遺伝エレメントを含む市
販のプラスミドに由来する選択マーカーおよび細菌の複製開始点を含有し得る。
このような市販のベクターは、例えば、PKK223-3(Pharmacia Fine Chemicals、
Uppsala、Sweden)およびGEM1(Promega Biotec、Madison、WI、USA)が挙げら
れる。これらのPBR322「骨格」部分は、適切なプロモーターおよび発現されるべ
き構造配列と組み合わされる。適切な宿主株の形質転換および適切な細胞密度へ
の宿主株の増殖に続いて、選択されたプロモーターは、適切な手段(例えば、温
度シフトまたは化学的誘導)により脱抑制され、そして細胞はさらなる期間培養
される。細胞は、代表的には遠心分離により集められ、物理的手段または化学的
手段により破砕され、そして得られた粗抽出物はさらなる精製のために保持され
る DNaseは、ヒト、ウシ、ヒツジ、またはブタDNaseについてそれ以前に使用さ
れた方法により、組換え細胞培養物から精製される。この方法には、硫安沈殿ま
たはエタノール沈殿、酸抽出、陰イオンまたは陽イオン交換クロマトグラフィー
、リン酸セルロースクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、
アフィニティークロマトグラフィー(例えば、固体担体上のDNAまたはヌクレオ
チドを用いる)、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィー、およびレクチン
クロマトグラフィーが挙げられる。さらに、逆相HPLCおよび抗DNase抗体を用い
るクロマトグラフィーは、DNaseの精製に有用である。以前に記載(Priceら、J .Biol.Chem.
、244:917[1969])のように、精製の間に存在する低濃度(約0.1
〜5mM)のカルシウムイオンを有することが好ましい。DNaseを安定化させる他の
2価陽イオンもまた、同様に利用される。DNaseは、PMSFのようなプロテアーゼ
インヒビターの存在下で精製され得る。
種々の哺乳動物細胞の培養系もまた、組換えタンパク質を発現するために用い
られ得る。哺乳動物発現系の例には、Gluzman、Cell、23:175(1981)に記載さ
れているサル腎臓繊維芽細胞のCOS-7株、および適合性のベクターを発現し得る
他の細胞株(例えば、C127、3T3、CHO、HeLa、およびBHK細胞株)が挙げられる
。哺乳動物発現ベクターは、複製起点、適切なプロモーターおよびエンハンサー
、
ならびにまた、任意の必要なリボソーム結合部位、ポリアデニル化部位、スプラ
イスドナー部位およびスプライスアクセプター部位、転写終止配列、および5’
フランキング非転写配列を含有する。SV40ウイルスゲノム(例えば、SV40オリジ
ン部位、初期プロモーター部位、エンハンサー部位、スプライス部位、およびポ
リアデニル化部位)由来のDNA配列は、必要な非転写遺伝エレメントを提供する
ために使用され得る。
細菌培養で産生する組換えタンパク質は、通常、細胞ペレットから最初に抽出
することにより単離され、続いて1回以上の塩析、水性のイオン交換クロマトグ
ラフィー工程またはサイズ排除クロマトグラフィー工程が行われる。必要に応じ
て、タンパク質の再折りたたみ(refolding)工程が、成熟タンパク質の配置を
完全にするために使用され得る。最終的に、高速液体クロマトグラフィー(HPLC
)が、最終精製工程に用いられ得る。タンパク質の発現に用いた細菌細胞は、凍
結融解の繰り返し、超音波、機械的破砕、または細胞溶解剤の使用を含む、任意
の従来方法により破砕され得る。
本発明のポリペプチドは、天然の精製された産物、または化学合成手順の産物
であり得るか、あるいは原核宿主または真核宿主(例えば、培養物中の細菌、酵
母、高等植物、昆虫、および哺乳動物細胞)から、本発明のポリヌクレオチド配
列の組換え技術により生成され得る。組換え産生手順に用いられる宿主に依存し
て、本発明のポリペプチドは、哺乳動物の炭水化物または他の真核性の炭水化物
でグリコシル化され得るか、あるいはグリコシル化され得ない。本発明のポリペ
プチドはまた、開始メチオニンアミノ酸残基を(1位に)含有し得る。
ポリペプチドの天然に存在する対立遺伝子形態に加えて、本発明はまた、その
アナログおよびフラグメントを包含する。従って、例えば、ポリペプチドの1つ
以上のアミノ酸残基は、保存アミノ酸残基により置換され得る。
本発明の精製DNaseを用いて、上記のような方法で粘液の粘性を酵素的に低減
し得る。この活性に基づき、肺疾患を有する患者の処置に特に有用である。この
ような患者は、急性または慢性の気管支肺疾患(感染性肺炎、気管支炎、または
気管気管支炎、気管支拡張、襄胞性腺維種、ぜん息、TB、またはカビ感染)、気
管または気管支の衝撃による肺拡張不全および気管切開による合併症のような状
態で、異常な、粘稠性の、稠厚性の気管支分泌物を有する。このような治療のた
めに、ヒトDNaseの溶液または細かく分けた乾燥調製物を、例えば、DNase溶液の
エアロゾル投与により、気管支内に従来の方式で注入する。
これらの直接的な使用に加えて、DNaseは、密閉空間の感染、気種、髄膜炎、
腹膜炎、副鼻腔炎、耳炎、歯周炎、膵炎、胆石症、エンドクロジティス(endocro
ditis)、および敗血性関節炎の膿腫の管理のために、ならびに種々の炎症および
感染性損傷(例えば、皮膚および/または粘膜の感染性損傷)、外傷、潰瘍性損
傷および火傷における局所的処置での補助的な処置を有する。
ヒトDNaseは、体腔を連絡する医療的導管において流れを維持することにおい
て有用性を見出す。このような導管は、外科的ドレナージ管、尿カテーテル、腹
膜透析ポート、および気管内酸素カテーテルを包含する。
本発明のDNaseはまた、感染において抗生物質の効率を改善し得る。DNaseはま
た、薬学的調製物中のDNA混入物の分解において有用であり得る。最後に、DNase
は、細胞破片(細胞DNAを含む)が蓄積する非感染状態の処置において有用であ
り得る。例えば、腎孟腎炎および尿細管間質性腎臓病(tubulo-interstitial kid
ney disease)の処置における系統的な投与後、DNaseは有用である。
本発明のポリペプチドはまた、本発明に従って、インビボでのこのようなポリ
ペプチドの発現により使用され得る。これはしばしば「遺伝子治療」と呼ばれる
。
従って、例えば、細胞(例えば、肺細胞および心臓細胞)は、ポリペプチドを
コードするポリヌクレオチド(DNAまたはRNA)を用いてエキソビボで形質導入され
得、次いで、形質導入細胞はこのポリペプチドで処置されるべき患者に提供され
る。このような方法は当該分野で周知である。例えば、細胞は、本発明のポリペ
プチドをコードするRNAを含有するレトロウイルス粒子の使用により、当該分野
で公知の手順によって形質導入され得る。
同様に、細胞の形質導入は、インビボでのポリペプチドの発現のために、例え
ば、当該分野で公知の手順によりインビボで達成され得る。当該分野で公知のよ
うに、本発明のポリペプチドをコードするRNAを含有するレトロウイルス粒子を
産生するための産生細胞は、インビボで形質導入およびインビボでのポリペプチ
ドの発現のために患者に投与され得る。
このような方法により本発明のポリペプチドを投与するためのこれらの方法お
よび他の方法は、本発明の教示から当業者には明らかであるはずである。例えば
、形質導入する細胞のための発現ビヒクルは、レトロウィルス粒子以外、例えば
アデノウィルスであり得る。
例えば、本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、アデノウィ
ルスベクター内に連結される。次いで、アデノウィルスベクターは送達ベヒクル
(例えば、エアロゾル散布)中にパッケージされ得、そして鼻腔または口腔を通
じて肺内へ噴霧することにより患者に投与され得る。次いで、細胞は、本発明の
ポリペプチドをコードするDNA配列によりインビボでトランスフェクトされてDNa
seを産生する。この方法では、DNaseは、例えば肺炎において、肺中の過剰に分
泌された粘液を分解して、呼吸を容易にする。
本発明のポリペプチドは、適切な薬学的キャリアと組み合わせて用いられ得る
。このような組成物は、治療有効量のタンパク質、および薬学的に受容可能なキ
ャリアまたは賦形剤を包含する。このようなキャリアは、生理食塩液、緩衝化生
理食塩液、デキストロース、水、グリセロール、エタノール、およびそれらの組
み合わせを包含するが、これらに限定されない。処方物は、投与の態様に適合さ
せるべきである。
例えば、本発明のヒトDNaseは、必要とする補助因子とともに、治療的処方物
に置かれる。DNaseの処方物は液体、凍結乾燥粉末であり得るか、またはDNaseは
フッ素化炭素の処方物および計量用量吸入器を用いてエアロゾル化され得るか、
または凍結乾燥粉末および製粉粉末として吸入され得る。
本発明のDNaseが、上記のように薬剤として使用される場合、例えば、少なく
とも約10μg/kg体重の適切な用量で投与される。そしてほとんどの場合、1日
当たり約8mg/kg体重を超えない量で、例えば、投与経路、病状などを考慮して
、約2.5mg/人/日の用量で投与される。
本発明はまた、本発明の薬学的組成物の1つ以上の成分で満たされた1つ以上
の容器を含有する薬学的パックまたはキットを提供する。このような容器は、薬
剤または生物学的製品の製造、使用、または販売を統制する政府機関により規定
された形式の通知と関連し得る。この通知はヒトへの投与についての製造、使用
、
または販売における機関による認可を反映する。さらに、本発明のポリペプチド
は、他の治療用化合物と併用して用いられ得る。
本明細書中で同定されたcDNA配列のそれぞれまたはその一部分は、ポリヌクレ
オチド試薬として様々な方法で使用され得る。この配列は、特定の細胞タイプに
おける特異的なmRNAの存在についての診断プローブとして使用され得る。さらに
、これらの配列は、遺伝子連鎖分析(多型)における使用に最適な診断プローブ
として使用され得る。
本発明の配列はまた、染色体の同定に有益であり得る。この配列は、個々のヒ
ト染色体上の特定の位置を特異的に標的化し、そしてその位置でハイブリダイズ
し得る。さらに、現在は染色体上の特定の部位を同定する必要がある。現在、染
色体位置の標識に利用可能な実際の配列データ(反復多型)に基づいた染色体標
識試薬はほとんどない。本発明によるcDNAの染色体へのマッピングは、これらの
配列と疾患に関する遺伝子との相関付けにおいて重要な、第1の工程である。
簡略に述べれば、配列は、cDNAからPCRプライマー(好ましくは15〜25bp)を
調製することにより染色体にマップされ得る。cDNAのコンピューター解析は、ゲ
ノムDNA内で1つより多いエキソンにまたがらず、したがって増幅プロセスを複
雑化しないプライマーを迅速に選択するために使用される。次いで、これらのプ
ライマーは、個々のヒト染色体を含有する体細胞ハイブリッドのPCRスクリーニ
ングに使用される。プライマーに対応するヒト遺伝子を含有するハイブリッドの
みが増幅フラグメントを生じる。
体細胞ハイブリッドのPCRマッピングは、特定の染色体に特定のDNAを割り当て
るための迅速な手順である。同じオリゴヌクレオチドプライマーと共に本発明を
使用して、特定の染色体由来のフラグメントのパネルまたは類似の様式の大きな
ゲノムクローンのプールを用いて部分的位置決め(sublocalization)が達成され
得る。染色体にマップするために同様に使用され得る他のマッピング戦略は、ハ
イブリダイゼーション、フローサイトメトリーで選別した(flowsorted)標識染
色体を用いるプレスクリーニング、および染色体特異的cDNAライブラリーを構築
するためのハイブリダイゼーションによるプレ選択を包含する。
cDNAクローンの中期染色体展開物への蛍光インサイチュハイブリダイゼーショ
ン(FISH)は、1工程で正確な染色体位置を提供するために使用され得る。この技
術は、500または600塩基ほどの短いcDNAで使用され得る;しかし、2,000bpより
も大きいクローンの方が、簡便な検出では十分なシグナル強度で独特の染色体位
置に結合しやすい。FISHは、ESTが由来するクローンの使用を必要とし、そして
このクローンは長いほど好ましい。例えば、2,000bpが良好であり、4,000bpはよ
り良好であり、そして4,000bpを超える長さは、時間の合理的な割合で(a reson
able percentage of the time)良好な結果を得るためにおそらく必ずしも必要
でない。この技術の総説については、Vermaら、Human Chromosomes:a Manual o f Basic Techniques
、Pergamon Press、New York(1988)を参照のこと。
一旦配列が正確な染色体位置にマップされると、染色体上での配列の物理的な
位置を遺伝的地図のデータと相関させ得る。(このようなデータは、例えば、V.
McKusick、Mendelian Inheritance in Man に見出される(Johns Hopkins Univ
ersity Welch Medical Libraryからオンラインで入手可能である))。次いで、
同一の染色体領域にマップされている遺伝子と疾患との関係が、連鎖解析(物理
的に隣接した遺伝子の同時遺伝)により同定される。
次に、罹患個体と非罹患個体との間のcDNAまたはゲノム配列の差異を決定する
必要がある。変異が、いくつかまたはすべての罹患個体に観察されるが、正常な
個体には観察されない場合、この変異は疾患の原因因子であると思われる。
物理的マッピングおよび遺伝的マッピング技術の現在の解像度では、疾患に関
する染色体領域に正確に位置決めされたcDNAは、50と500との間の潜在的原因遺
伝子の1つであり得る。(これは、1メガ塩基のマッピング解像度で、そして20
kbあたり1遺伝子と仮定する。)
罹患個体と非罹患個体との比較は、一般に、まず染色体の構造変化(例えば、
染色体展開物から目視可能であるか、あるいはそのcDNA配列に基づくPCRを使用
して検出可能である欠失または転座)を探す工程を包含する。最終的には、変異
の存在を確認し、そして変異を多型から区別するために、数個体由来の遺伝子を
完全に配列決定する工程が必要とされる。
このタンパク質、そのフラグメントまたは他の誘導体、またはそれらのアナロ
グ、あるいはそれらを発現する細胞は、それらに対する抗体を生成させるための
免疫原として使用され得る。これらの抗体は、例えば、ポリクローナル抗体また
はモノクローナル抗体、キメラ抗体、単鎖抗体、Fabフラグメント、またはFab発
現ライブラリーの産物であり得る。当該分野で公知の種々の手順が、このような
ポリクローナル抗体の生成のために使用され得る。
本発明の配列に対応するポリペプチドに対して生成される抗体は、動物へのポ
リペプチドの直接注射により、または動物へのポリペプチドの投与により得られ
得る。この動物は、好ましくはヒトではない。次いで、このようにして得られた
抗体は、ポリペプチド自体に結合する。この方法では、ポリペプチドのフラグメ
ントのみをコードする配列でさえも、天然のポリペプチド全体に結合する抗体を
生成するために使用され得る。次いで、このような抗体は、ポリペプチドを発現
する組織からそのポリペプチドを単離するために使用され得る。さらに、このよ
うな抗体(非常に数多くのポリペプチドに特異的な)のパネルを用いて、このよ
うな組織を同定し得、そして区別し得る。
モノクローナル抗体の調製のために、連続的な細胞株培養により産生される抗
体を提供する任意の技術が使用され得る。例としては、ハイブリドーマ技術(Ko
hlerおよびMilstein、1975、Nature、256:495-497)、トリオーマ技術、ヒトB
細胞ハイブリドーマ技術(Kohlerら、1983、Immunology Today 4:72)、および
ヒトモノクローナル抗体を生成するためのEBVハイブリドーマ技術(Coleら、198
5、Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy、Alan R.Liss,Inc.、77-96頁
)が挙げられる。
単鎖抗体を生成するために記載された技術(米国特許第4,946,778号)を、本
発明の免疫原性ポリペプチド産物に対する単鎖抗体を生成するために適合させ得
る。
抗体は、本発明のタンパク質配列の局在化および活動度に関連する方法におい
て、例えば、適切な生理学的サンプルにおいてこれらのタンパク質を画像化し、
それらのレベルを測定するためになど、使用され得る。
本発明を以下の実施例を参照にしてさらに記載するが、本発明はこのような実
施例に限定されないことを理解されたい。すべての部分または量は、他に明記し
ない限り重量基準である。
以下の実施例の理解を容易にするために、頻繁に現れる特定の方法および/ま
たは用語を記載する。
「プラスミド」は、小文字のpの前および/または後の大文字および/または
数字により示される。本明細書中の出発プラスミドは、市販であるか、制限基準
なく公的に入手可能であるか、または公表された手順に従って入手可能なプラス
ミドから構築され得るかのいずれかである。さらに、記載されるプラスミドと等
価なプラスミドが当該分野で公知であり、そして当業者には明らかである。
DNAの「消化」は、DNA中の特定の配列でのみ作用する制限酵素でそのDNAを触
媒反応的に切断することをいう。本明細書中で使用される種々の制限酵素は、市
販されており、そしてそれらの反応条件、補助因子、および他の必要条件は当業
者に公知のものが使用された。分析目的には、代表的には1μgのプラスミドま
たはDNAフラグメントを、約20μlの緩衝溶液中で約2単位の酵素とともに使用す
る。プラスミド構築のためのDNAフラグメントを単離する目的のために、代表的
には5〜50μgのDNAを、より大きな容量中で20〜250単位の酵素で消化する。特
定の制限酵素に関する適切な緩衝液および基質量は、製造者により特定される。
37℃での約1時間またはそれより長いインキュベーション時間が通常使用される
が、これは供給者の説明書に従って変化し得る。消化後、反応物をアガロースゲ
ルで直接電気泳動して所望のフラグメントを単離する。
切断されたフラグメントのサイズ分離は、0.8〜2.0%ポリアガロースを使用し
て行われる。(Maniatis)
「オリゴヌクレオチド」は、1本鎖ポリデオキシヌクレオチドまたは2つの相
補的なポリデオキシヌクレオチド鎖のいずれかをいい、これらは化学的に合成さ
れ得る。このような合成オリゴヌクレオチドは、5’リン酸を有さず、従ってキ
ナーゼの存在下でリン酸とATPとを添加しなければ別のオリゴヌクレオチドに連
結しない。合成オリゴヌクレオチドは、脱リン酸化されていないフラグメントに
連結する。
「連結」は、2つの2本鎖核酸フラグメントの間でリン酸ジエステル結合を形
成するプロセスをいう(Maniatis,T.ら、前出、146頁)。他に提供しない限り
、連結は、ほぼ等モル量の連結されるべきDNAフラグメント0.5μgあたり10単位
のT
4 DNAリガーゼ(「リガーゼ」)で、公知の緩衝液および条件を用いて達成され
得る。
実施例1 ヒトDNaseの細菌発現および精製
ヒトDNaseをコードするDNA配列(pBLSKDNase(ATCC # 75515))を、DNA配列
の5'および3'末端に対するPCRオリゴヌクレオチドプライマーを用いて最初に
増幅して、挿入フラグメントを合成する。5'オリゴヌクレオチドプライマーは
、配列 GACGCCGGATCCCACTACCCAACTGCAを有し、BamHI制限酵素部位を含み、その
後ろに開始コドンに続くDNaseコード配列の15ヌクレオチドを含む;3'配列(5'
-GGCTGCTCTAGACAGCGTAGTCTGGCAGGTCGTATGGGTACTTCAGCTCCACCTCCACGGGGTAG-3')
は、XbaI部位に対する相補的配列を含み、そして、この遺伝子の3'非翻訳領域内
にある。制限酵素部位は、細菌発現ベクターpQE-9(Qiagen,Inc.9259 Eton Av
enue, Chatsworth,CA,91311)上の制限酵素部位に対応する。プラスミドベク
ターは、抗生物質耐性(Ampr)、細菌の複製開始点(ori)、IPTG制御可能なプ
ロモーター/オペレーター(P/O)、リボゾーム結合部位(RBS)、6-ヒスチジン
タグ(6-His)および制限酵素クローニング部位をコードする。pQE-9ベクターを
、BamHIおよびXbaIで消化し、次いで挿入フラグメントを細菌性RBSで始まるリー
ディングフレームを有するpQE-9ベクター内に連結した。図7に、この配置の模
式図を示す。次いで連結混合物を用いて、m15/rep4の商標でQiagenから入手可能
なE.coli株を形質転換した。M15/rep4は多コピーのプラスミドpREP4を含む。pRE
P4は、lacIリプレッサーを発現し、そしてさらにカナマイシン耐性(Kanr)を付
与する。形質転換体を、AmpおよびKanの両方を含有するLBプレート上で増殖する
それらの能力により同定した。所望の構築物を含有するクローンを、Amp(100μ
g/ml)およびKan(25μg/ml)の両方を補充したLB培地での液体培養で一晩(O/N
)増殖させた。O/N培養物を用いて、1:100〜1:250の比で大規模培養に播種する
。細胞を、0.4と0.6との間の600nmでの光学密度(O.D.600)まで増殖させた。次
いてIPTG(「イソプロピル-β-D-チオガラクトピラノシド」)を、1mMの最終濃
度で添加した。IPTGは、lacIリプレッサーを不活性化し、P/Oリーディング(lead
ing)を解
放(clearing)して遺伝子発現の増大を導く。細胞をさらに2〜4時間増殖させ
た。次いで細胞を遠心分離により採集した。DNaseの発現を、一部のE.coliを可
溶化し、そしてSDSポリアクリルアミドゲルで分析することにより試験した。誘
導後の33kdに対応する新しいタンパク質の存在は、DNaseの発現を表す。(図2
)。
タンパク質の精製を、pQE-9ベクターによりDNase配列に加えられたヘキサヒス
チジン配列を利用することにより達成した。細胞の誘導後、E.coliペレットを6
M塩酸グアニジン中で可溶化した。DNaseを、ヘキサヒスチジンタグに対して高
い親和性を有するニッケルキレート樹脂カラムを用いて精製した。(Hachuli,E
.ら、Genetic Engineering,Principle and Methods、12:87-98 Plenum Press
、New York(1990))。次いでカラムを洗浄し、そしてDNaseをpH 5で溶出した。
塩酸グアニジンからのタンパク質の再生を、いくつかのプロトコルで実施し得た
。(Jaenicke,R.ら、Protein Structure - a practical approach IRL Press、
New York(1990))。最初に、透析工程を用いて、GnHClを除いた。あるいは、Ni
キレートカラムからの精製タンパク質単離物は、第2のカラムに結合し得る。こ
のカラムに、減少する直線勾配のGnHClを流す。タンパク質を、カラムに結合さ
せたままで再生し、続いてGnHCl(pH 5.0)で溶出する。最後に、可溶性タンパ
ク質を、140mM NaCl、20mM NaPO4および10% w/vグリセロール(Glyconol)を含有
する保存緩衝液に対して透析する。精製タンパク質を、SDS-PAGEにより分析した
。
実施例2 COS細胞におけるDNaseの発現
発現プラスミド(soCMVDNase HA)は、以下を含むベクターSoCMVIN/Ampに由来
する:1)SV40複製開始点、βグロビンイントロン、2)アンピシリン耐性遺伝子
、3)E.coli複製開始点、4)CMVプロモーター、それに続くポリリンカー領域、S
V40イントロンおよびポリアデニル化部位である。(Ruben,S.ら、Molecular an d Cellular Biology
、444-454(1992))。完全なDNaseおよびその3'末端にイン
フレームで融合したHAタグをコードするDNAフラグメントを、ベクターのポリリ
ンカー領域にクローン化した。従って、組み換えタンパク質発現は、CMVプロモ
ー
ター下の支配を受ける。HAタグは、以前に記載されたインフルエンザ血球凝集素
タンパク質由来のエピトープ(MYPYDVPDYA)に対応する(I.Wilsonら、Cell 37
:767(1984))。本発明者の標的タンパク質に対するHAタグの融合は、HAエピト
ープを認識する抗体を用いる組み換えタンパク質の安易な検出を可能にする。
プラスミド構築ストラテジーを以下に記す:
DNA挿入物を、2つのプライマーを用いて、元のEST上でPCRにより構築した:5'
プライマー配列(GACGCCGGATCCCACTACCCAACTGCA)は、BamHI部位およびその後に
開始コドンから始まるDNaseコード配列の15ヌクレオチドを含有する;3'配列(
GGCTGCTCTAGACAGCGTAGTCTGGCAGGTCGTATGGGTACTTCAGCTCCACCTCCACGGGGTAG)は、X
BaI部位、翻訳ストップコドン、HAタグ、および膵臓のDNase末端残基に相当する
DNaseコード領域の23ヌクレオチド(ストップコドンを含まない)に対して相補
的な配列を含有する。従って、PCR産物は、BamHI部位、DNaseコード配列、イン
フレームに融合したHAタグ、それに続くHAタグに隣接する翻訳停止ストップコド
ン、およびXbaI部位を含有する。PCR増幅DNAフラグメントおよびベクター(SoCM
VIN/amp)を、BamHIおよびXbaI制限酵素で消化し、そして連結した。連結混合物
を、SUREの商標で入手可能なE.coli株に形質転換した。形質転換培養物をアンピ
シリン培地プレート上に塗布して、そして耐性コロニーを選択した。プラスミド
DNAを、形質転換体から単離して、正しいフラグメントの存在に対する制限分析
により試験した。組み換えDNaseの発現のために、COS細胞を、DEAEデキストラン
法により発現ベクターでトランスフェクトした(J.Sambrook、E.Fritsch、T. Maniatis、Molecular Cloning:A Laboratory Manual
、Cold Spring Laboratory
Press、1989)。DNase-HAタンパク質の発現を、放射性標識法および免疫沈降法
により検出した。細胞を、トランスフェクションの2日後に35S-システインで8
時間標識した。(E.Harlow、D.Lane、Antibodies:A Laboratory Manual、Col
d Spring Harbor Laboratory Press、(1988))。次いで培養培地を採集し、そし
て細胞を界面活性剤で溶解した(RIPA緩衝液(150mM NaCl、1%NP-40、0.1%SD
S、1%NP-40、0.5%DOC、50mM Tris、pH 7.5))(I.Wilsonら、前出37:767(
1984))。細胞溶解物および培養培地の両方を、HA特異的モノクローナル抗体で
沈澱させた。沈澱したタンパク質を、15%SDS-PAGEゲルで分析した。
実施例3 DNaseの組織分布
DNaseの組織分布を示すために、ノーザンブロット分析を行った。全RNAを種々
のヒト組織から調製し、そして変性アガロースゲルで電気泳動した。RNAを、ナ
イロン膜に上にブロットし、そしてランダムプライミングにより調製したpBLSKD
NaseのEcoRI〜XhoIフラグメントに対応するDNase cDNAプローブでプローブした
。フィルムへのブロットの感光により、DNaseは心臓および肺由来の組織におい
て最も多く、脾臓においていくらかの発現を示した(図4)。全細胞RNAサンプ
ルを、RNAzolTMBシステム(Biotecx Laboratories,Inc.、6023 South Loop Eas
t、Houston、TX 77033)を用いて単離した。ヒトの特定化した各組織から単離さ
れた約10μgの全RNAを、1%アガロースゲルで分離し、そしてナイロンフィルタ
ー上にブロットした(Sambrook、Fritsch、およびManiatis、Molecular Cloning
、Cold Spring Harbor Press、(1989))。標識反応を、Stratagen Prime-itキッ
トに従って、pBL sle DNase DNAフラグメントのEcoRI〜XhoIフラグメントの50ng
を用いて行った。標識DNAを、Seclect-G-50カラムで精製した。(3 Prime-3 Pri
me,Inc.5603 Arapahoe Road、Boulder、CO 80303)。次いでフィルターを、放
射性標識した全長のトロンビンインヒビター遺伝子を用いて、0.5M NaPO4およ
び7%SDS中の1,000,000cpm/mlで、一晩、65℃でハイブリダイズした。0.5×SSC
、0.1%SDSを用いて、室温で2回、そして60℃で2回洗浄した後、次いでフィル
ターを増感スクリーンを用いて-70℃で一晩感光させた。(図4)。
実施例4 DNase活性のアッセイ
いくつかのアッセイが、DNase活性を測定するために利用可能である。第1の
アッセイは、32P標識DNAの加水分解を測定する。
32P-DNAの分解物を、32P-dCTP、非放射性dGTP、dTTP、dATPおよびExo(-)クレ
ノウ酵素を用いるランダムプライム標識キット(StrategeneのPrime It II)を
用いて調製した。1μlのテンプレート(25ng)、10μlのランダムオリゴヌクレ
オ
チドプライマーおよび23μlの水を混合し、そして100℃で5分間インキュベート
した。10μlの5×dCTPプライマー緩衝液、5μlの32P-dCTP(3,000Ci/mMole)
および1μlのExo(-)クレノウ酵素(5U/μl)を反応混合物に加え、そして37℃
で15分間インキュベートした。遊離のヌクレオチドを、セファデックスG-50カラ
ムにより遠心分離によって、標識DNAから分離した。
次いで、100μlの総容量でDNase緩衝液(40mM TRIS-HCl(pH 7.6)、50mM NaCL
、0.1mM DTT、6mM MgCl2、1mM CaCl2)中に、5×105cpmの32P-DNAおよび20μl
のタンパク質をインキュベートすることにより、DNase活性を測定した。時間点
0およびその後の各時間点について、20μlを取り出した。
TCA沈澱のカウントを用いて、%活性を測定した。(図6)。
20μlのDNaseアッセイ反応混合物に、20μlの10%TCAを添加し、混合した。20
μlを、ガラスフィルターディスク上にスポットした(非取り込みカウント)。
残りの20μlに、10%TCAをさらに200μl加え、次いで真空マニホルド上の予め湿
らしたガラスフィルターディスクに添加し、減圧した。ディスクを、3mlの10%
TCAで2回、次いで3mlの100%エタノールで2回洗浄した。そしてフィルターを
乾燥させた。次いで、フィルターディスクを、3mlの液体シンチレーションカク
テルを含有する液体シンチレーションバイアル内に入れ、そして32Pのカウント
を液体シンチレーションカウンターで測定した。取り込みパーセント=取り込み
カウント/非取り込みカウント。
第2のアッセイは、2本鎖DNAをニックし、そして消化するDNaseの能力を利用
する。スーパーコイル状プラスミドDNAをDNaseとともにインキュベートし、そし
てサンプルを、DNaseの添加後の時間点で取り出す。サンプルをアガロースゲル
で電気泳動し、そしてスーパーコイルから弛緩型DNAへの変換を、DNaseを添加し
て、観測する(図5)。
迅速なプレートDNaseアッセイもまた、使用し得る。このアッセイでは、試験
寒天はDNAおよびメチルグリーンの両方を含む。トランスフェクト細胞由来の精
製タンパク質または上清を、標準量のウシDNaseとともに、プレート上にスポッ
トする。プレート上の透明帯の大きさを可視化することにより、DNase活性を測
定する。
本発明の種々の改変および変化が、上記教示に照らして可能であり、従って、
添付した請求の範囲内で、本発明は、特記された以外にも実施され得る。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI
A61K 38/46 ABE 9284−4C A61K 39/395 ACDD
39/395 ACD 8615−4C C07H 21/04 B
C07H 21/04 9356−4H C07K 16/40
C07K 16/40 8827−4B C12N 9/22
C12N 5/10 7823−4B C12Q 1/68 A
9/22 9282−4B C12N 5/00 B
C12Q 1/68 9051−4C A61K 37/54 ABE
//(C12N 9/22
C12R 1:91)
(72)発明者 ルベン, スティーブン
アメリカ合衆国 メリーランド 20832,
オルニー,ヘリテージ ヒルズ ドライ
ブ 18528
(72)発明者 アダムス, マーク ディー.
アメリカ合衆国 メリーランド 20878,
ノース ポトマック,ダフィーフ ドラ
イブ 15205