JPH0955195A - アルカリ電池 - Google Patents
アルカリ電池Info
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- JPH0955195A JPH0955195A JP7283504A JP28350495A JPH0955195A JP H0955195 A JPH0955195 A JP H0955195A JP 7283504 A JP7283504 A JP 7283504A JP 28350495 A JP28350495 A JP 28350495A JP H0955195 A JPH0955195 A JP H0955195A
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- Japan
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- chelating agent
- negative electrode
- alkaline battery
- electrolytic solution
- creep
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- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
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- Sealing Battery Cases Or Jackets (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 内部電解液のクリープ現象による漏出を抑制
及び電池内部の局部電池によるガス発生量を抑制。 【解決手段】 封口ガスケット20と負極缶22との境
界面には、キレート剤として1−ニトロソ−2−ナフト
ールが添加されたシール剤が塗布される。また、負極缶
22は、組立前に予めキレート剤として1−ニトロソ−
2−ナフトールが溶解した溶液中に浸漬され、その表面
にはキレート被膜が形成される。負極缶22の表面にキ
レート被膜が形成されることによって、内部電解液のク
リープは抑制される。
及び電池内部の局部電池によるガス発生量を抑制。 【解決手段】 封口ガスケット20と負極缶22との境
界面には、キレート剤として1−ニトロソ−2−ナフト
ールが添加されたシール剤が塗布される。また、負極缶
22は、組立前に予めキレート剤として1−ニトロソ−
2−ナフトールが溶解した溶液中に浸漬され、その表面
にはキレート被膜が形成される。負極缶22の表面にキ
レート被膜が形成されることによって、内部電解液のク
リープは抑制される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内部電解液の漏出
が防止されるアルカリ電池に係り、特に、電解液のクリ
ープやガス発生が抑制されるアルカリ電池に関する。
が防止されるアルカリ電池に係り、特に、電解液のクリ
ープやガス発生が抑制されるアルカリ電池に関する。
【0002】
【従来の技術】筒形アルカリ電池は、一般的に図1に示
すように、有底円筒形の正極缶1内に正極合剤2、セパ
レータ3、ゲル状負極4が同軸状に装填され、さらに電
解液が注入され、正極缶1の開口部が封口ガスケット5
と負極端子板6とによって密閉されている。また、封口
ガスケット5の中心のボス部5aには金属集電棒7が貫
通し、その金属集電棒7の上端が負極端子板6の内面に
溶接接続されているとともに、その下端側がゲル状負極
4に挿入されている。
すように、有底円筒形の正極缶1内に正極合剤2、セパ
レータ3、ゲル状負極4が同軸状に装填され、さらに電
解液が注入され、正極缶1の開口部が封口ガスケット5
と負極端子板6とによって密閉されている。また、封口
ガスケット5の中心のボス部5aには金属集電棒7が貫
通し、その金属集電棒7の上端が負極端子板6の内面に
溶接接続されているとともに、その下端側がゲル状負極
4に挿入されている。
【0003】ところで、アルカリ電池は、長期間にわた
って高温高湿の環境下に放置されると、内部電解液が漏
出することがある。例えば、図1に示したアルカリ電池
においては、封口ガスケット5と正極缶1との境界面や
同じく封口ガスケット5と負極端子板6との境界面を通
じて漏出しやすくなっている。これは、アルカリ電池で
は、一般的に、電解液が電極部品の表面に沿って這いあ
がるというクリープ現象があるからである。このクリー
プ現象とは、例えば、図1のアルカリ電池では内部に貯
留された電解液が金属集電棒7の表面を伝わって自然と
這いあがることである。このクリープ現象により、封口
ガスケット5のボス部5aと金属集電棒7との境界面を
通じて、電解液が負極端子板6側へ染み出し易くなり、
これが電解液の漏出に大きく起因していることが分かっ
ている。
って高温高湿の環境下に放置されると、内部電解液が漏
出することがある。例えば、図1に示したアルカリ電池
においては、封口ガスケット5と正極缶1との境界面や
同じく封口ガスケット5と負極端子板6との境界面を通
じて漏出しやすくなっている。これは、アルカリ電池で
は、一般的に、電解液が電極部品の表面に沿って這いあ
がるというクリープ現象があるからである。このクリー
プ現象とは、例えば、図1のアルカリ電池では内部に貯
留された電解液が金属集電棒7の表面を伝わって自然と
這いあがることである。このクリープ現象により、封口
ガスケット5のボス部5aと金属集電棒7との境界面を
通じて、電解液が負極端子板6側へ染み出し易くなり、
これが電解液の漏出に大きく起因していることが分かっ
ている。
【0004】そこで、前記アルカリ電池では、金属集電
棒7と封口ガスケット5とを密着させることで、漏液を
防止するような構成になっている。即ち、金属集電棒7
の外径をボス部5aの内径よりも適宜大きく設定し、こ
れをボス部5aに圧入して金属集電棒7の外周面とボス
部5aの内周面とをしっかり密着させたり、さらにこれ
らの境界面にシール剤を塗布して高いシール性を確保し
たりするようになっている。これに加えて、ボス部5a
の外側には金属筒8がはめ込まれてボス部5aを外側か
ら圧迫し、さらに金属集電棒7の外周面とボス部5aの
内周面との密着性を向上させるような構成になってい
る。
棒7と封口ガスケット5とを密着させることで、漏液を
防止するような構成になっている。即ち、金属集電棒7
の外径をボス部5aの内径よりも適宜大きく設定し、こ
れをボス部5aに圧入して金属集電棒7の外周面とボス
部5aの内周面とをしっかり密着させたり、さらにこれ
らの境界面にシール剤を塗布して高いシール性を確保し
たりするようになっている。これに加えて、ボス部5a
の外側には金属筒8がはめ込まれてボス部5aを外側か
ら圧迫し、さらに金属集電棒7の外周面とボス部5aの
内周面との密着性を向上させるような構成になってい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
たように、金属集電棒7と封口ガスケット5とを互いに
密着させて電解液の漏液を防止する構成では、実際にシ
ール剤に塗布むらがあると漏液してしまうなど、構造的
に電解液の漏液を防ぐには限界があった。
たように、金属集電棒7と封口ガスケット5とを互いに
密着させて電解液の漏液を防止する構成では、実際にシ
ール剤に塗布むらがあると漏液してしまうなど、構造的
に電解液の漏液を防ぐには限界があった。
【0006】他方、ボス部5aの外周にはめ込まれる金
属筒8を用いるにあたって、その外周面には亜鉛メッキ
がされ、その内周面には亜鉛メッキがされない。この場
合、金属筒8の内周面にクリープしてきた電解液が直接
接触し、負極の亜鉛と局部電池を構成し、ガスの発生量
が増大するという新たな問題が生じていた。
属筒8を用いるにあたって、その外周面には亜鉛メッキ
がされ、その内周面には亜鉛メッキがされない。この場
合、金属筒8の内周面にクリープしてきた電解液が直接
接触し、負極の亜鉛と局部電池を構成し、ガスの発生量
が増大するという新たな問題が生じていた。
【0007】さらに、近年、ボタン形アルカリ電池は無
水銀化されるようになり、負極合剤と接触する負極端子
内面が銅表面のままでは電池の自己消耗が激しく、また
水素ガスが発生することから、負極端子部材など電極部
品の表面がスズメッキされるようになった。しかしなが
ら、負極部品の表面材質が銅に代わってスズになると、
電解液のクリープの速度が銅に比べて極めて速くなり、
電解液の漏出問題が新たに浮上して深刻になっていた。
水銀化されるようになり、負極合剤と接触する負極端子
内面が銅表面のままでは電池の自己消耗が激しく、また
水素ガスが発生することから、負極端子部材など電極部
品の表面がスズメッキされるようになった。しかしなが
ら、負極部品の表面材質が銅に代わってスズになると、
電解液のクリープの速度が銅に比べて極めて速くなり、
電解液の漏出問題が新たに浮上して深刻になっていた。
【0008】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であって、その目的は、内部電解液のクリープ現象によ
る漏出を抑制して電池の耐漏液性を向上させるととも
に、電池内部の局部電池によるガス発生量を抑制できる
アルカリ電池を提供することにある。
であって、その目的は、内部電解液のクリープ現象によ
る漏出を抑制して電池の耐漏液性を向上させるととも
に、電池内部の局部電池によるガス発生量を抑制できる
アルカリ電池を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
アルカリ電池にあっては、キレート剤が添加された合成
樹脂で成形された封口ガスケットを備えている。これに
より、封口ガスケットに接触する金属部品の表面には、
キレート剤がキレート結合することでキレート被膜が形
成される。即ち、封口ガスケットに隣接する集電体やリ
ード部品などといった電極部品の表面には、キレート被
膜が形成される。このキレート被膜によって電池内部か
ら電極部品の表面に沿ってクリープしてきた電解液はそ
の進行が抑制される。このキレート被膜によるクリープ
抑制によって、内部電解液の漏出を阻止することがで
き、電池の耐漏液性を向上させることができる。また、
キレート被膜によって局部電池におけるガスの発生は抑
制される。
アルカリ電池にあっては、キレート剤が添加された合成
樹脂で成形された封口ガスケットを備えている。これに
より、封口ガスケットに接触する金属部品の表面には、
キレート剤がキレート結合することでキレート被膜が形
成される。即ち、封口ガスケットに隣接する集電体やリ
ード部品などといった電極部品の表面には、キレート被
膜が形成される。このキレート被膜によって電池内部か
ら電極部品の表面に沿ってクリープしてきた電解液はそ
の進行が抑制される。このキレート被膜によるクリープ
抑制によって、内部電解液の漏出を阻止することがで
き、電池の耐漏液性を向上させることができる。また、
キレート被膜によって局部電池におけるガスの発生は抑
制される。
【0010】また、本発明の請求項2に係るアルカリ電
池にあっては、キレート剤が添加されたシール剤によっ
て電極部品と封口ガスケットとがシールされてなる。こ
れにより、集電体やリード部品などといった電極部品の
表面には、キレート剤とキレート結合したことによりキ
レート被膜が形成される。このキレート被膜は、前述記
載の通り、電池内部から電極部品に沿ってクリープして
きた電解液の進行を抑制するので、内部電解液の漏出を
阻止でき、電池の耐漏液性を向上させることができる。
池にあっては、キレート剤が添加されたシール剤によっ
て電極部品と封口ガスケットとがシールされてなる。こ
れにより、集電体やリード部品などといった電極部品の
表面には、キレート剤とキレート結合したことによりキ
レート被膜が形成される。このキレート被膜は、前述記
載の通り、電池内部から電極部品に沿ってクリープして
きた電解液の進行を抑制するので、内部電解液の漏出を
阻止でき、電池の耐漏液性を向上させることができる。
【0011】ここで、前記シール剤が主に可撓性エポキ
シ樹脂からなれば、シール剤は硬化後においてもあたか
もゴムのようなフレキシブルな性状となり、電極部品と
の密着性が高められる。これにより、電極部品の表面に
おけるキレート被膜の形成が継続して十分なされ、この
キレート被膜による電解液のクリープ抑制作用を増大さ
せることができるので、電池の耐漏液性能をさらに向上
させることができる。
シ樹脂からなれば、シール剤は硬化後においてもあたか
もゴムのようなフレキシブルな性状となり、電極部品と
の密着性が高められる。これにより、電極部品の表面に
おけるキレート被膜の形成が継続して十分なされ、この
キレート被膜による電解液のクリープ抑制作用を増大さ
せることができるので、電池の耐漏液性能をさらに向上
させることができる。
【0012】特に、前記キレート剤は、前記可撓性エポ
キシ樹脂からなる前記シール剤100重量部に対して1
乃至5重量部添加されることで、十分な抑制作用を得る
ことができ、電池の耐漏液性能をさらに向上させること
ができる。
キシ樹脂からなる前記シール剤100重量部に対して1
乃至5重量部添加されることで、十分な抑制作用を得る
ことができ、電池の耐漏液性能をさらに向上させること
ができる。
【0013】本発明の請求項5に係るアルカリ電池にあ
っては、キレート剤によってキレート被膜がその表面に
形成された電極部品を備えたことで、内部電解液のクリ
ープは抑制されるので、電解液の漏出を阻止でき、電池
の耐漏液性を向上させることができる。
っては、キレート剤によってキレート被膜がその表面に
形成された電極部品を備えたことで、内部電解液のクリ
ープは抑制されるので、電解液の漏出を阻止でき、電池
の耐漏液性を向上させることができる。
【0014】特に、前記キレート被膜層が負極集電体ま
たは負極リード部品に形成されれば、電解液のクリープ
速度が相当速くても電解液は十分抑制され、電池の耐漏
液性を向上させることができる。
たは負極リード部品に形成されれば、電解液のクリープ
速度が相当速くても電解液は十分抑制され、電池の耐漏
液性を向上させることができる。
【0015】前記キレート剤として1−ニトロソ−2−
ナフトールあるいは8−ヒドロキシキノリンが採用され
れば、表面材質がスズである電極部品に対し、電解液の
クリープを相当抑制することができる。
ナフトールあるいは8−ヒドロキシキノリンが採用され
れば、表面材質がスズである電極部品に対し、電解液の
クリープを相当抑制することができる。
【0016】また、前記キレート剤として、サリチルア
ルデヒド,エチレンジアミン,ジエチレントリアミン,
トリエチレンテトラアミンの中の少なくとも1つが採用
されれば、表面材質が銅である電極部品に対し、電解液
のクリープを相当抑制することができる。
ルデヒド,エチレンジアミン,ジエチレントリアミン,
トリエチレンテトラアミンの中の少なくとも1つが採用
されれば、表面材質が銅である電極部品に対し、電解液
のクリープを相当抑制することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係るアルカリ電
池の実施の形態について添付図面に基づき詳述する。本
発明に係るアルカリ電池では、電解液のクリープ現象を
抑制するとともにガス発生を抑制するためにキレート剤
を利用することが特徴であり、このキレート剤を利用方
法が各々相違する3つのアルカリ電池について以下に説
明する。
池の実施の形態について添付図面に基づき詳述する。本
発明に係るアルカリ電池では、電解液のクリープ現象を
抑制するとともにガス発生を抑制するためにキレート剤
を利用することが特徴であり、このキレート剤を利用方
法が各々相違する3つのアルカリ電池について以下に説
明する。
【0018】まず、アルカリ電池の第1の実施形態につ
いて詳述する。このアルカリ電池は、図1に示した円筒
形アルカリ電池であり、従来と同じ構成を有している。
即ち、この円筒形アルカリ電池では、有底円筒形の正極
缶1内に正極合剤2、セパレータ3、ゲル状負極4が同
軸状に装填されるとともに、正極缶1の内部に電解液が
注入されて、正極缶1の開口部が封口ガスケット5と負
極端子板6とで封口されている。また、封口ガスケット
5の中心のボス部5aには、金属集電棒7が貫通され、
その金属集電棒7の上端が負極端子板6の内面に溶接さ
れ、他方、金属集電棒7の下端側はゲル状負極4に挿入
されている。また、ボス部5aの下方外周には真鍮製の
金属筒8がはめ込まれ、ボス部5aを外側から圧迫して
いる。金属筒8の内周面は、従来と同様、亜鉛メッキが
されていない。なお、この金属筒8は、従来と比較する
ために装着されているもので、この種のアルカリ電池に
おいては必ずしも不可欠な部品ではない。
いて詳述する。このアルカリ電池は、図1に示した円筒
形アルカリ電池であり、従来と同じ構成を有している。
即ち、この円筒形アルカリ電池では、有底円筒形の正極
缶1内に正極合剤2、セパレータ3、ゲル状負極4が同
軸状に装填されるとともに、正極缶1の内部に電解液が
注入されて、正極缶1の開口部が封口ガスケット5と負
極端子板6とで封口されている。また、封口ガスケット
5の中心のボス部5aには、金属集電棒7が貫通され、
その金属集電棒7の上端が負極端子板6の内面に溶接さ
れ、他方、金属集電棒7の下端側はゲル状負極4に挿入
されている。また、ボス部5aの下方外周には真鍮製の
金属筒8がはめ込まれ、ボス部5aを外側から圧迫して
いる。金属筒8の内周面は、従来と同様、亜鉛メッキが
されていない。なお、この金属筒8は、従来と比較する
ために装着されているもので、この種のアルカリ電池に
おいては必ずしも不可欠な部品ではない。
【0019】殊に、このアルカリ電池においては、キレ
ート剤が添加された合成樹脂によって前記封口ガスケッ
ト5が成形されている点で従来と異なる。即ち、キレー
ト剤は、封口ガスケット5が成形される前に、加熱溶融
された合成樹脂に添加される。本第1の実施形態では、
合成樹脂としてポリプロピレンが用いられ、キレート剤
としてはサリチルアルデヒドが用いられている。このサ
リチルアルデヒドとは、銅系キレート剤としてすでに良
く知られているもので、常温で液体状である。
ート剤が添加された合成樹脂によって前記封口ガスケッ
ト5が成形されている点で従来と異なる。即ち、キレー
ト剤は、封口ガスケット5が成形される前に、加熱溶融
された合成樹脂に添加される。本第1の実施形態では、
合成樹脂としてポリプロピレンが用いられ、キレート剤
としてはサリチルアルデヒドが用いられている。このサ
リチルアルデヒドとは、銅系キレート剤としてすでに良
く知られているもので、常温で液体状である。
【0020】ここで、前記サリチルアルデヒドがポリプ
ロピレンに0.05重量%添加されて成形された封口ガ
スケット5を用いて、図1に示したアルカリ電池を組み
立て、この組立品を本発明品と称する。一方、キレート
剤を添加していない従来のポリプロピレン製の封口ガス
ケット5を用いて組み立てたアルカリ電池を比較品と称
する。そして、このように本発明品及び比較品とから耐
漏液性能を比較する比較試験を行った。本発明品におい
ては、封口ガスケット5に添加されたキレート剤によっ
て、金属集電棒7などの電極部品の表面にはキレート被
膜が形成される。尚、キレート剤の添加による違いを明
確にするために、本発明品及び比較品には、各々従来例
で示したシール剤は用いなかった。
ロピレンに0.05重量%添加されて成形された封口ガ
スケット5を用いて、図1に示したアルカリ電池を組み
立て、この組立品を本発明品と称する。一方、キレート
剤を添加していない従来のポリプロピレン製の封口ガス
ケット5を用いて組み立てたアルカリ電池を比較品と称
する。そして、このように本発明品及び比較品とから耐
漏液性能を比較する比較試験を行った。本発明品におい
ては、封口ガスケット5に添加されたキレート剤によっ
て、金属集電棒7などの電極部品の表面にはキレート被
膜が形成される。尚、キレート剤の添加による違いを明
確にするために、本発明品及び比較品には、各々従来例
で示したシール剤は用いなかった。
【0021】試験にあたっては、本発明品および比較品
は各々100個用意された。この比較試験は、70℃の
高温下で15時間放置した後、30分かけて−10℃ま
で冷却してそのまま8時間放置し、さらに30分かけて
70℃まで加熱して15時間放置するという加熱・冷却
サイクルを繰り返し行い、1サイクルごとに電解液の漏
出の有無調べた。その結果、比較品については、4サイ
クル後に2個、5サイクル後に4個、6サイクル後に9
個、7サイクル後に32個、8サイクル後に89個と、
サイクル数が増加するほど漏液するものが増えてゆき、
最終的に9サイクル後において100個全てに漏液が生
じてしまった。これに対し、本発明品では、100個全
てが10サイクル経てもまったく漏液が生じなかった。
このことから、キレート剤が添加された封口ガスケット
5を備えた本発明品では、キレート剤が添加されない封
口ガスケット5を備えた比較品に比べ、電解液の漏出が
防止されており、耐漏液性能が向上しているということ
が確認できた。
は各々100個用意された。この比較試験は、70℃の
高温下で15時間放置した後、30分かけて−10℃ま
で冷却してそのまま8時間放置し、さらに30分かけて
70℃まで加熱して15時間放置するという加熱・冷却
サイクルを繰り返し行い、1サイクルごとに電解液の漏
出の有無調べた。その結果、比較品については、4サイ
クル後に2個、5サイクル後に4個、6サイクル後に9
個、7サイクル後に32個、8サイクル後に89個と、
サイクル数が増加するほど漏液するものが増えてゆき、
最終的に9サイクル後において100個全てに漏液が生
じてしまった。これに対し、本発明品では、100個全
てが10サイクル経てもまったく漏液が生じなかった。
このことから、キレート剤が添加された封口ガスケット
5を備えた本発明品では、キレート剤が添加されない封
口ガスケット5を備えた比較品に比べ、電解液の漏出が
防止されており、耐漏液性能が向上しているということ
が確認できた。
【0022】また、前記本発明品と前記比較品とに対し
ガス発生試験を行った。この試験は、良く知られている
ように、封口部の一部を壊した電池を60℃に加熱した
流動パラフィン中につけて、発生したガスをメスピペッ
トで計量するという方法で行った。図2は、その結果を
グラフに示したものである。このグラフから明らかなよ
うに、本発明品のガス発生量は比較品のガス発生量と比
較して約半分となった。従って、金属筒8の内周面に亜
鉛メッキをしなかった場合でも、キレート剤が添加され
た封口ガスケット5を備えたアルカリ電池においては、
局部電池反応によるガス発生を抑制されるということが
確認できた。
ガス発生試験を行った。この試験は、良く知られている
ように、封口部の一部を壊した電池を60℃に加熱した
流動パラフィン中につけて、発生したガスをメスピペッ
トで計量するという方法で行った。図2は、その結果を
グラフに示したものである。このグラフから明らかなよ
うに、本発明品のガス発生量は比較品のガス発生量と比
較して約半分となった。従って、金属筒8の内周面に亜
鉛メッキをしなかった場合でも、キレート剤が添加され
た封口ガスケット5を備えたアルカリ電池においては、
局部電池反応によるガス発生を抑制されるということが
確認できた。
【0023】なお、キレート剤の添加量の設定は、封口
ガスケット5の材質や形状、または封口ガスケット5に
対する金属集電棒7や金属筒8の接触面積や接触圧力な
ど、漏液やガス発生に影響を与える要因を考慮するとと
もに漏液試験を適宜行うことによりなされる。
ガスケット5の材質や形状、または封口ガスケット5に
対する金属集電棒7や金属筒8の接触面積や接触圧力な
ど、漏液やガス発生に影響を与える要因を考慮するとと
もに漏液試験を適宜行うことによりなされる。
【0024】次いで、アルカリ電池の第2の実施形態に
ついて説明する。この第2の実施形態のアルカリ電池で
は、封口ガスケットと、負極缶や負極端子板、負極集電
体などといった電極部品とが、キレート剤が添加された
シール剤によってシールされている点で従来と異なって
いる。
ついて説明する。この第2の実施形態のアルカリ電池で
は、封口ガスケットと、負極缶や負極端子板、負極集電
体などといった電極部品とが、キレート剤が添加された
シール剤によってシールされている点で従来と異なって
いる。
【0025】第2の実施形態においては、図3に示すよ
うなボタン型アルカリ電池10の場合について例示し説
明する。このボタン型アルカリ電池10は、一般的に良
く知られているもので、上端面が開放された内部中空筒
体状の正極缶12の内側に、正極合剤14、セパレータ
16及び負極合剤18が積層されて配設されている。正
極缶12の上端開口部は、封口ガスケット20と負極合
剤18の上側に配置された負極缶22とによって封口さ
れ、正極缶12の内部は密閉されている。
うなボタン型アルカリ電池10の場合について例示し説
明する。このボタン型アルカリ電池10は、一般的に良
く知られているもので、上端面が開放された内部中空筒
体状の正極缶12の内側に、正極合剤14、セパレータ
16及び負極合剤18が積層されて配設されている。正
極缶12の上端開口部は、封口ガスケット20と負極合
剤18の上側に配置された負極缶22とによって封口さ
れ、正極缶12の内部は密閉されている。
【0026】図3の中からボタン型アルカリ電池10の
構成部品である負極缶22を取り出し、まず、電解液の
クリープ試験を行った。図4は、この電解液のクリープ
試験の様子を示したものである。この電解液のクリープ
試験において、前記負極缶22は図3の状態から反転さ
れて上下逆さまな状態で水平面上に載置された。負極合
剤18を収容する負極缶22の内面は上方へと開放さ
れ、負極缶22の上端面は凹状の窪み24となる。負極
缶22の周縁部22aは、外側に折り曲げられている。
構成部品である負極缶22を取り出し、まず、電解液の
クリープ試験を行った。図4は、この電解液のクリープ
試験の様子を示したものである。この電解液のクリープ
試験において、前記負極缶22は図3の状態から反転さ
れて上下逆さまな状態で水平面上に載置された。負極合
剤18を収容する負極缶22の内面は上方へと開放さ
れ、負極缶22の上端面は凹状の窪み24となる。負極
缶22の周縁部22aは、外側に折り曲げられている。
【0027】ここで、負極缶22の材質構成は、Cu/
SUS/Niからなる三層構造のクラッド材の表面に、
電池の自己消耗及び水素ガス発生を抑制するためにスズ
メッキ処理が施されたもので、窪み24の内面から順に
Sn/Cu/SUS/Niからなる四層構造となってい
る。
SUS/Niからなる三層構造のクラッド材の表面に、
電池の自己消耗及び水素ガス発生を抑制するためにスズ
メッキ処理が施されたもので、窪み24の内面から順に
Sn/Cu/SUS/Niからなる四層構造となってい
る。
【0028】そして、この負極缶22の窪み24内に、
電解液であるKOH溶液(水酸化カリウム溶液)26を
貯留させるとともに、負極缶22の上端折曲部に沿って
シール剤28を付着させて試験を行った。ここで用いら
れたシール剤28は、ピッチ、エポキシ樹脂及び硬化剤
がそれぞれ32:65:3の比率で配合されてなる混合
物に対して、キレート剤がそれぞれ0.5重量%、1.
0重量%、3.0重量%及び5.0重量%添加されたも
のと、全く添加されない現行シール剤とが用意され、各
々負極缶22に付着された。キレート剤としては、負極
缶22の内表面材質がスズであることからスズ系キレー
ト剤が適用され、その中でも1−ニトロソ−2−ナフト
ールが採用された。また、前記エポキシ樹脂としてはビ
スフェノールA型エポキシ樹脂が用いられた。
電解液であるKOH溶液(水酸化カリウム溶液)26を
貯留させるとともに、負極缶22の上端折曲部に沿って
シール剤28を付着させて試験を行った。ここで用いら
れたシール剤28は、ピッチ、エポキシ樹脂及び硬化剤
がそれぞれ32:65:3の比率で配合されてなる混合
物に対して、キレート剤がそれぞれ0.5重量%、1.
0重量%、3.0重量%及び5.0重量%添加されたも
のと、全く添加されない現行シール剤とが用意され、各
々負極缶22に付着された。キレート剤としては、負極
缶22の内表面材質がスズであることからスズ系キレー
ト剤が適用され、その中でも1−ニトロソ−2−ナフト
ールが採用された。また、前記エポキシ樹脂としてはビ
スフェノールA型エポキシ樹脂が用いられた。
【0029】試験は、シール剤28より外側に位置する
負極缶22の周縁部22aの外周面22b上のA点の位
置にフェノール溶液を付着させ、そのフェノール反応の
有無を調べることにより行われた。このフェノール反応
があれば、負極缶22の凹状窪み24内に貯留していた
KOH溶液26が負極缶22内面上をクリープしてシー
ル剤28を越えてA点に達したことを意味することにな
る。他方、反応がなければ、KOH溶液26がまだA点
に達していないことを意味することになる。キレート剤
が添加されたシール剤を用いていた負極缶22において
は、キレート剤によりキレート被膜が形成される。そし
て、試験は、前記各々シール剤28が付着された負極缶
22を、温度20℃の常温環境下で十数日間貯蔵し、フ
ェノール反応の有無を毎日調べることで行われた。その
結果、表1に示すようになった。
負極缶22の周縁部22aの外周面22b上のA点の位
置にフェノール溶液を付着させ、そのフェノール反応の
有無を調べることにより行われた。このフェノール反応
があれば、負極缶22の凹状窪み24内に貯留していた
KOH溶液26が負極缶22内面上をクリープしてシー
ル剤28を越えてA点に達したことを意味することにな
る。他方、反応がなければ、KOH溶液26がまだA点
に達していないことを意味することになる。キレート剤
が添加されたシール剤を用いていた負極缶22において
は、キレート剤によりキレート被膜が形成される。そし
て、試験は、前記各々シール剤28が付着された負極缶
22を、温度20℃の常温環境下で十数日間貯蔵し、フ
ェノール反応の有無を毎日調べることで行われた。その
結果、表1に示すようになった。
【0030】
【表1】 この表1においては、フェノール反応があったものを
×、無かったものを○として示した。この表1から、ま
ず、現行シール剤では2日目から、またキレート剤を
0.5重量%添加したものでは3日目からフェノール反
応があった。これに対し、キレート剤を1.0重量%,
3,0重量%または5.0重量%添加したものでは12
日間経過してもフェノール反応がなかった。つまり、こ
れらのことから、キレート剤が添加されたシール剤28
では、現行シール剤とは異なり、電解液のクリープを抑
制する作用があることが確認できた。即ち、シール剤に
添加されたキレート剤によって、負極缶22の表面には
キレート被膜が形成され、このキレート被膜が電解液の
クリープを抑制することが認められた。また、キレート
剤の添加量もクリープ抑制の能力に影響があり、本第2
の実施形態では、0.5重量%の添加量ではあまりクリ
ープ抑制されず、これに対してキレート剤1.0重量
%、3.0重量%または5.0重量%の添加量では、相
当なクリープ抑制作用が認められた。このことから、シ
ール剤に対するキレート剤の添加量は1.0〜5.0重
量%の範囲が好ましいことが分かった。
×、無かったものを○として示した。この表1から、ま
ず、現行シール剤では2日目から、またキレート剤を
0.5重量%添加したものでは3日目からフェノール反
応があった。これに対し、キレート剤を1.0重量%,
3,0重量%または5.0重量%添加したものでは12
日間経過してもフェノール反応がなかった。つまり、こ
れらのことから、キレート剤が添加されたシール剤28
では、現行シール剤とは異なり、電解液のクリープを抑
制する作用があることが確認できた。即ち、シール剤に
添加されたキレート剤によって、負極缶22の表面には
キレート被膜が形成され、このキレート被膜が電解液の
クリープを抑制することが認められた。また、キレート
剤の添加量もクリープ抑制の能力に影響があり、本第2
の実施形態では、0.5重量%の添加量ではあまりクリ
ープ抑制されず、これに対してキレート剤1.0重量
%、3.0重量%または5.0重量%の添加量では、相
当なクリープ抑制作用が認められた。このことから、シ
ール剤に対するキレート剤の添加量は1.0〜5.0重
量%の範囲が好ましいことが分かった。
【0031】尚、キレート剤の添加量を5.0重量%以
上設定しなかった理由は、これ以上添加すると塗布前の
シール剤が硬化してしまい、シール剤の塗布作業におい
て支障を来すためである。
上設定しなかった理由は、これ以上添加すると塗布前の
シール剤が硬化してしまい、シール剤の塗布作業におい
て支障を来すためである。
【0032】次いで、実際にシール剤を図3に示したボ
タン型アルカリ電池10に適用して、その耐漏液性能試
験を行った。ここで、図3のボタン型アルカリ電池10
の構成についてより具体的に詳述すると、前記正極合剤
14は、二酸化マンガンと黒鉛より構成されたものであ
り、また前記負極合剤18は、亜鉛粉とCMCよりなる
合剤に水酸化カリウム水溶液が注入されて構成されたも
のである。また、セパレータ16はセロハンからなり、
封口ガスケット20はナイロン製である。さらに、前記
正極缶12は鋼板にニッケルメッキ処理が施されたもの
である。図示されていないシール剤は、封口ガスケット
20と負極缶22との境界面に沿って介在し、封口ガス
ケット20と負極缶22とをシールしている。
タン型アルカリ電池10に適用して、その耐漏液性能試
験を行った。ここで、図3のボタン型アルカリ電池10
の構成についてより具体的に詳述すると、前記正極合剤
14は、二酸化マンガンと黒鉛より構成されたものであ
り、また前記負極合剤18は、亜鉛粉とCMCよりなる
合剤に水酸化カリウム水溶液が注入されて構成されたも
のである。また、セパレータ16はセロハンからなり、
封口ガスケット20はナイロン製である。さらに、前記
正極缶12は鋼板にニッケルメッキ処理が施されたもの
である。図示されていないシール剤は、封口ガスケット
20と負極缶22との境界面に沿って介在し、封口ガス
ケット20と負極缶22とをシールしている。
【0033】このシール剤としては、前述と同様、キレ
ート剤として1−ニトロソ−2−ナフトールが1.0重
量%、3.0重量%、5.0重量%各々添加されたもの
と、全く添加されていない現行のものとが用意され、こ
れら各種シール剤が用いられてそれぞれ50個ずつ図3
に示したボタン型アルカリ電池10が組み立てられた。
尚、本第2の実施形態の耐漏液性能試験は、前記負極缶
22で認められたキレート剤によるクリープ抑制作用
が、実際の製品であるボタン型アルカリ電池10におい
ても反映されるか否かを確認する目的でなされたもので
あり、クリープ抑制作用が認められなかったキレート剤
0.5重量%添加のシール剤については試験対象から除
外した。
ート剤として1−ニトロソ−2−ナフトールが1.0重
量%、3.0重量%、5.0重量%各々添加されたもの
と、全く添加されていない現行のものとが用意され、こ
れら各種シール剤が用いられてそれぞれ50個ずつ図3
に示したボタン型アルカリ電池10が組み立てられた。
尚、本第2の実施形態の耐漏液性能試験は、前記負極缶
22で認められたキレート剤によるクリープ抑制作用
が、実際の製品であるボタン型アルカリ電池10におい
ても反映されるか否かを確認する目的でなされたもので
あり、クリープ抑制作用が認められなかったキレート剤
0.5重量%添加のシール剤については試験対象から除
外した。
【0034】耐漏液性能試験は、温度60℃湿度90%
という高温高湿の一定環境下において、前記シール剤が
用いられて組み立てられたボタン型アルカリ電池10を
数十日間貯蔵し、10日目、20日目、40日目、60
日目における電解液の漏出具合を調べて行われた。その
結果、表2に示すようになった。
という高温高湿の一定環境下において、前記シール剤が
用いられて組み立てられたボタン型アルカリ電池10を
数十日間貯蔵し、10日目、20日目、40日目、60
日目における電解液の漏出具合を調べて行われた。その
結果、表2に示すようになった。
【0035】
【表2】 この表2から、現行シール剤でシールされたボタン型ア
ルカリ電池10では、10日目、20日目において50
個中いずれも電解液の漏出はなかったものの、40日目
で13個が漏出し、さらに60日目では50個全てが漏
出した。これに対して、キレート剤が添加されたシール
剤によりシールされたボタン型アルカリ電池10では、
添加量1.0重量%、3.0重量%、5.0重量%いず
れにおいても、60日経過後でも50個いずれも漏出は
なかった。このことから、キレート剤が添加されたシー
ル剤によって、電解液のクリープが抑制され、これによ
って電池の耐漏液性能が向上することが確認できた。
ルカリ電池10では、10日目、20日目において50
個中いずれも電解液の漏出はなかったものの、40日目
で13個が漏出し、さらに60日目では50個全てが漏
出した。これに対して、キレート剤が添加されたシール
剤によりシールされたボタン型アルカリ電池10では、
添加量1.0重量%、3.0重量%、5.0重量%いず
れにおいても、60日経過後でも50個いずれも漏出は
なかった。このことから、キレート剤が添加されたシー
ル剤によって、電解液のクリープが抑制され、これによ
って電池の耐漏液性能が向上することが確認できた。
【0036】尚、本第2の実施形態では、アルカリ電池
としてボタン型アルカリ電池10を取り上げて試験を行
ったが、キレート剤による効果が得られるのは、勿論こ
のボタン型アルカリ電池10に限られることなく、アル
カリ電池であれば同様の作用・効果が得られる。
としてボタン型アルカリ電池10を取り上げて試験を行
ったが、キレート剤による効果が得られるのは、勿論こ
のボタン型アルカリ電池10に限られることなく、アル
カリ電池であれば同様の作用・効果が得られる。
【0037】さらに、好ましくは、キレート剤が添加さ
れる前記シール剤は主に可撓性エポキシ樹脂からなる。
ここで、可撓性エポキシ樹脂とは、可撓化処理が施され
たエポキシ樹脂のことで、一般的に良く知られた単なる
エポキシ樹脂とは異なる。即ち、単なるエポキシ樹脂
は、網状構造硬化物であり、本質的に可撓性に乏しく、
また樹脂骨格中に剛直なベンゼン核を持っているため脆
性も大きい上、硬化収縮や冷却収縮などによる内部応力
の貯蓄などが原因となり、ひび割れなどを生じやすくな
っている。これに対して、可撓性エポキシ樹脂は、架橋
密度を粗にする処理が施されたり、生樹脂に対し柔らか
いセグメントが導入されたり、また、相溶性のよいエラ
ストマーが添加されるなどして可撓性化処理されて、硬
化後あたかもゴムのようなフレキシブルな性状を有する
ようになっている。このことからシール剤は、可撓性エ
ポキシ樹脂からなることで、負極缶や負極端子板、負極
集電体などといった電極部品との密着性が高まり、電極
部品の表面にキレート被膜を十分形成できて電解液のク
リープ抑制作用を増大させ、電池の耐漏液性能をさらに
向上させることができるはずである。
れる前記シール剤は主に可撓性エポキシ樹脂からなる。
ここで、可撓性エポキシ樹脂とは、可撓化処理が施され
たエポキシ樹脂のことで、一般的に良く知られた単なる
エポキシ樹脂とは異なる。即ち、単なるエポキシ樹脂
は、網状構造硬化物であり、本質的に可撓性に乏しく、
また樹脂骨格中に剛直なベンゼン核を持っているため脆
性も大きい上、硬化収縮や冷却収縮などによる内部応力
の貯蓄などが原因となり、ひび割れなどを生じやすくな
っている。これに対して、可撓性エポキシ樹脂は、架橋
密度を粗にする処理が施されたり、生樹脂に対し柔らか
いセグメントが導入されたり、また、相溶性のよいエラ
ストマーが添加されるなどして可撓性化処理されて、硬
化後あたかもゴムのようなフレキシブルな性状を有する
ようになっている。このことからシール剤は、可撓性エ
ポキシ樹脂からなることで、負極缶や負極端子板、負極
集電体などといった電極部品との密着性が高まり、電極
部品の表面にキレート被膜を十分形成できて電解液のク
リープ抑制作用を増大させ、電池の耐漏液性能をさらに
向上させることができるはずである。
【0038】そこで、この可撓性エポキシ樹脂からなる
シール剤を用いて、前記現行シール剤で行われた前記試
験よりも過酷な環境下において電解液のクリープ試験を
行った。試験では、図5に示すような試験検体50を用
い、これを温度20℃湿度90%という常温高湿の環境
下に放置して行った。この試験検体50は、容器52内
に亜鉛粉54とアルカリ電解液56とが収容され、これ
ら亜鉛粉54及びアルカリ電解液56の中にはSn(ス
ズ)メッキ棒58の下端部が挿入されてなる。容器52
の上端開口部の上方はナイロン製の蓋部材60で覆われ
ていて、高湿という環境下において前記電解液56によ
る空気中水分の吸収を軽減するようになっている。Sn
メッキ棒58の上端部は蓋部材60に形成された貫通孔
に挿通されて蓋部材60より突出している。蓋部材60
とSnメッキ棒58との境界には各試験用シール剤62
が塗布され、Snメッキ棒58の外周面に位置する蓋部
材60の上端面より上方部位B点において電解液のクリ
ープ現象の有無を検出するようにした。
シール剤を用いて、前記現行シール剤で行われた前記試
験よりも過酷な環境下において電解液のクリープ試験を
行った。試験では、図5に示すような試験検体50を用
い、これを温度20℃湿度90%という常温高湿の環境
下に放置して行った。この試験検体50は、容器52内
に亜鉛粉54とアルカリ電解液56とが収容され、これ
ら亜鉛粉54及びアルカリ電解液56の中にはSn(ス
ズ)メッキ棒58の下端部が挿入されてなる。容器52
の上端開口部の上方はナイロン製の蓋部材60で覆われ
ていて、高湿という環境下において前記電解液56によ
る空気中水分の吸収を軽減するようになっている。Sn
メッキ棒58の上端部は蓋部材60に形成された貫通孔
に挿通されて蓋部材60より突出している。蓋部材60
とSnメッキ棒58との境界には各試験用シール剤62
が塗布され、Snメッキ棒58の外周面に位置する蓋部
材60の上端面より上方部位B点において電解液のクリ
ープ現象の有無を検出するようにした。
【0039】ここで、前記可撓性エポキシ樹脂としては
FLEP50(商品名)が採用され、硬化剤が混合され
たFLEP50に対してキレート剤が添加された。ま
た、前記試験用シール剤62としては、FLEP50に
対するキレート剤の添加量が各々異なるもの4種類、ま
たこれらと比較するためにピッチ、エポキシ樹脂及び硬
化剤からなる前記現行シール剤と、この現行シール剤に
対しキレート剤が添加されたものとが用意された。ここ
で添加されたキレート剤は、1−ニトロソ−2−ナフト
ールである。FLEP50に対するキレート剤の添加量
はFLEP50が100重力部に対して0.5,1.
0,3.0及び5.0重量部、また、現行シール剤に対
しては現行シール剤が100重量部に対してキレート剤
が1.0重量部に設定された。
FLEP50(商品名)が採用され、硬化剤が混合され
たFLEP50に対してキレート剤が添加された。ま
た、前記試験用シール剤62としては、FLEP50に
対するキレート剤の添加量が各々異なるもの4種類、ま
たこれらと比較するためにピッチ、エポキシ樹脂及び硬
化剤からなる前記現行シール剤と、この現行シール剤に
対しキレート剤が添加されたものとが用意された。ここ
で添加されたキレート剤は、1−ニトロソ−2−ナフト
ールである。FLEP50に対するキレート剤の添加量
はFLEP50が100重力部に対して0.5,1.
0,3.0及び5.0重量部、また、現行シール剤に対
しては現行シール剤が100重量部に対してキレート剤
が1.0重量部に設定された。
【0040】そして、試験検体50を試験開始より6日
目から毎日、各試験検体50における前記B点でフェノ
ール反応の有無を調べた。フェノール反応があったもの
を×、無かったものを○としてその結果を表3に示し
た。
目から毎日、各試験検体50における前記B点でフェノ
ール反応の有無を調べた。フェノール反応があったもの
を×、無かったものを○としてその結果を表3に示し
た。
【0041】
【表3】 この表3から、現行シール剤については、既に6日目初
日から反応が見られた。また、キレート剤が添加された
現行シール剤では、試験が厳しい環境下で行われたため
か、前試験の結果とは異なり9日目から反応が見られ
た。他方、FLEP50にキレート剤が添加されて形成
されたシール剤は、0.5重量部添加されたものが14
日目で反応が見られたものの、他の1.0,3.0及び
5.0重量部添加されたものについては30日経過して
も反応が見られなかった。
日から反応が見られた。また、キレート剤が添加された
現行シール剤では、試験が厳しい環境下で行われたため
か、前試験の結果とは異なり9日目から反応が見られ
た。他方、FLEP50にキレート剤が添加されて形成
されたシール剤は、0.5重量部添加されたものが14
日目で反応が見られたものの、他の1.0,3.0及び
5.0重量部添加されたものについては30日経過して
も反応が見られなかった。
【0042】この結果から、ピッチ、エポキシ樹脂及び
硬化剤からなる現行シール剤よりも、FLEP50、即
ち可撓性エポキシからなるシール剤の方が、同じキレー
ト剤が添加された場合でも、電解液のクリープ抑制作用
が大きいことが認められた。
硬化剤からなる現行シール剤よりも、FLEP50、即
ち可撓性エポキシからなるシール剤の方が、同じキレー
ト剤が添加された場合でも、電解液のクリープ抑制作用
が大きいことが認められた。
【0043】また、硬化剤が混合されたFLEP50を
100重量部とした場合、キレート剤の添加量は1.0
〜5.0重量部の範囲内に設定されるのが好ましいこと
が分かった。尚、キレート剤が5.0重量部より大量に
添加されなかったのは、FLEP50に対する溶解が十
分行われず、塊が生じてしまうためであった。
100重量部とした場合、キレート剤の添加量は1.0
〜5.0重量部の範囲内に設定されるのが好ましいこと
が分かった。尚、キレート剤が5.0重量部より大量に
添加されなかったのは、FLEP50に対する溶解が十
分行われず、塊が生じてしまうためであった。
【0044】次いで、実際に前記各試験用シール剤を、
図3に示したアルカリボタン型電池に適用して耐漏液性
能試験を行った。尚、ここで、キレート剤が無添加の現
行シール剤でなるものについては除外した。試験は、前
記各試験用シール剤ごとに電池が50個ずつ用意され、
温度60℃湿度90%という高温高湿の環境下に電池が
放置されて行われた。試験開始から40日目、60日
目、80日目及び100日目において電解液の漏出具合
を調べ、漏出が確認できた電池の個数を表4にまとめ
た。
図3に示したアルカリボタン型電池に適用して耐漏液性
能試験を行った。尚、ここで、キレート剤が無添加の現
行シール剤でなるものについては除外した。試験は、前
記各試験用シール剤ごとに電池が50個ずつ用意され、
温度60℃湿度90%という高温高湿の環境下に電池が
放置されて行われた。試験開始から40日目、60日
目、80日目及び100日目において電解液の漏出具合
を調べ、漏出が確認できた電池の個数を表4にまとめ
た。
【0045】
【表4】 この表4から、各電池について60日目まで漏液が確認
できなかったものの、80日目になると、キレート剤の
添加された現行シール剤を用いた電池で12個、また、
FLEP50にキレート剤が0.5重量部添加されたも
のを用いた電池で8個漏液が確認できた。これに対し
て、FLEP50にキレート剤が1.0,3.0及び
5.0重量部添加されたものでは1個も確認できなかっ
た。しかしながら、100日目になると、キレート剤の
添加された現行シール剤を用いた電池で50個全て、他
方FLEP50にキレート剤が添加されたものを用いた
電池については、0.5重量部のもので28個、1.0
重量のもので7個、3.0重量部のもので4個、5.0
重量部のもので5個漏液が確認できた。
できなかったものの、80日目になると、キレート剤の
添加された現行シール剤を用いた電池で12個、また、
FLEP50にキレート剤が0.5重量部添加されたも
のを用いた電池で8個漏液が確認できた。これに対し
て、FLEP50にキレート剤が1.0,3.0及び
5.0重量部添加されたものでは1個も確認できなかっ
た。しかしながら、100日目になると、キレート剤の
添加された現行シール剤を用いた電池で50個全て、他
方FLEP50にキレート剤が添加されたものを用いた
電池については、0.5重量部のもので28個、1.0
重量のもので7個、3.0重量部のもので4個、5.0
重量部のもので5個漏液が確認できた。
【0046】この結果から、電解液のクリープ抑制作用
については、現行シール剤よりもFLEP50、即ち可
撓性エポキシからなるシール剤にキレート剤を添加した
ものの方が大きいことが確認できた。このことから、可
撓性エポキシ樹脂からなるシール剤を用いることで、電
池の耐漏液性能をさらに向上させることができることが
分かった。
については、現行シール剤よりもFLEP50、即ち可
撓性エポキシからなるシール剤にキレート剤を添加した
ものの方が大きいことが確認できた。このことから、可
撓性エポキシ樹脂からなるシール剤を用いることで、電
池の耐漏液性能をさらに向上させることができることが
分かった。
【0047】また、キレート剤の添加量については、硬
化剤が混合されたFLEP50を100重量部としたと
き、1.0〜5.0重量部の範囲内に設定することが好
ましいことが分かった。
化剤が混合されたFLEP50を100重量部としたと
き、1.0〜5.0重量部の範囲内に設定することが好
ましいことが分かった。
【0048】さらに、本発明に係るアルカリ電池の第3
の実施形態について説明する。この第3の実施形態のア
ルカリ電池では、負極端子板や負極集電体、負極リード
部品などといった電極部品の表面に、キレート剤によっ
てキレート被膜層が形成されている点で従来と異なる。
本第3の実施形態では、キレート剤が溶解した溶液中に
電極部品が浸漬されたり、またキレート剤が溶解した溶
液が電極部品に対して塗布されたりして、電極部品の表
面にキレート被膜が形成される。
の実施形態について説明する。この第3の実施形態のア
ルカリ電池では、負極端子板や負極集電体、負極リード
部品などといった電極部品の表面に、キレート剤によっ
てキレート被膜層が形成されている点で従来と異なる。
本第3の実施形態では、キレート剤が溶解した溶液中に
電極部品が浸漬されたり、またキレート剤が溶解した溶
液が電極部品に対して塗布されたりして、電極部品の表
面にキレート被膜が形成される。
【0049】まず、キレート剤により表面にキレート被
膜が形成された負極缶22を用いて、前述同様、図4に
示すような電解液のクリープ試験を行った。負極缶22
は、予めキレート剤が溶解された溶液中に浸漬され、浸
漬後乾燥されて用いられる。ここで、キレート剤として
は、負極缶22の内表面材質がスズであることから、ス
ズ系キレート剤として前記1−ニトロソ−2−ナフトー
ルと、またこの他8−ヒドロキシキノリンをも採用し
た。これら2つのスズ系キレート剤は、共に常温粉末状
態であるため、クロロホルムやエタノールなどの溶液に
溶解されて用いられた。つまり、1−ニトロソ−2ナフ
トールと8−ヒドロキシキノリンとは、それぞれクロロ
ホルム100mlに対し10g添加され、これら2種類
の溶液中にそれぞれ負極缶22が浸漬された。
膜が形成された負極缶22を用いて、前述同様、図4に
示すような電解液のクリープ試験を行った。負極缶22
は、予めキレート剤が溶解された溶液中に浸漬され、浸
漬後乾燥されて用いられる。ここで、キレート剤として
は、負極缶22の内表面材質がスズであることから、ス
ズ系キレート剤として前記1−ニトロソ−2−ナフトー
ルと、またこの他8−ヒドロキシキノリンをも採用し
た。これら2つのスズ系キレート剤は、共に常温粉末状
態であるため、クロロホルムやエタノールなどの溶液に
溶解されて用いられた。つまり、1−ニトロソ−2ナフ
トールと8−ヒドロキシキノリンとは、それぞれクロロ
ホルム100mlに対し10g添加され、これら2種類
の溶液中にそれぞれ負極缶22が浸漬された。
【0050】1−ニトロソ−2−ナフトールの溶液に浸
漬され処理された負極缶22を、1−ニトロソ−2−ナ
フトール処理品と称し、また、8−ヒドロキシキノリン
の溶液に浸漬され処理された負極缶22を、8−ヒドロ
キシキノリン処理品と称し、これらを一括して本発明品
と総称した。他方、何ら浸漬処理されていない負極缶を
従来品と称した。試験は、前述同様、負極缶22の上端
折曲部に沿ってキレート剤が添加されていないシール剤
が付着され、この負極缶22を温度20℃の常温環境下
で十数日間貯蔵し、図4の負極缶22のA点においてフ
ェノール反応の有無を毎日調べることで行われた。その
結果、表5に示すようになった。
漬され処理された負極缶22を、1−ニトロソ−2−ナ
フトール処理品と称し、また、8−ヒドロキシキノリン
の溶液に浸漬され処理された負極缶22を、8−ヒドロ
キシキノリン処理品と称し、これらを一括して本発明品
と総称した。他方、何ら浸漬処理されていない負極缶を
従来品と称した。試験は、前述同様、負極缶22の上端
折曲部に沿ってキレート剤が添加されていないシール剤
が付着され、この負極缶22を温度20℃の常温環境下
で十数日間貯蔵し、図4の負極缶22のA点においてフ
ェノール反応の有無を毎日調べることで行われた。その
結果、表5に示すようになった。
【0051】
【表5】 この表5から、従来品では2日目でフェノール反応があ
ったのに対し、8−ヒドロキシキノリン処理品では10
日目でフェノール反応があり、また1−ニトロソ−2−
ナフトール処理品では12日経過してもフェノール反応
はなかった。このことから、キレート被膜層が形成され
ていない負極缶22を備えた従来品に対して、キレート
被膜層が形成された負極缶22を備えた本願発明品で
は、電解液のクリープを抑制する作用が認められた。ま
た、同じスズ系キレート剤であっても、8−ヒドロキシ
キノリンに比べ1−ニトロソ−2ナフトールの方が抑制
効果が高いことが判明した。
ったのに対し、8−ヒドロキシキノリン処理品では10
日目でフェノール反応があり、また1−ニトロソ−2−
ナフトール処理品では12日経過してもフェノール反応
はなかった。このことから、キレート被膜層が形成され
ていない負極缶22を備えた従来品に対して、キレート
被膜層が形成された負極缶22を備えた本願発明品で
は、電解液のクリープを抑制する作用が認められた。ま
た、同じスズ系キレート剤であっても、8−ヒドロキシ
キノリンに比べ1−ニトロソ−2ナフトールの方が抑制
効果が高いことが判明した。
【0052】さらに、実際に図3に示すボタン型アルカ
リ電池10に適用して前述同様耐漏液性能試験を行っ
た。1−ニトロソ−2−ナフトール及び8−ヒドロキシ
キノリンの溶液にそれぞれ浸漬された負極缶22を各々
用いてボタン型アルカリ電池10を50個ずつ組み立
て、組み立てられたボタン型アルカリ電池10をそれぞ
れ1−ニトロソ−2−ナフトール処理品及び8−ヒドロ
キシキノリン処理品と称し、これらを本発明品と総称し
た。また、何らキレート被膜層が形成されなかった負極
缶22を用いて組み立てられたボタン型アルカリ電池1
0を従来品とし50個用意した。試験は、前述同様、温
度60℃湿度90%という高温高湿の一定環境下におい
て、各ボタン型アルカリ電池を数十日間貯蔵し、10日
目、20日目、40日目、60日目における電解液の漏
出具合を調べることで行われた。その結果、表6に示す
ようになった。
リ電池10に適用して前述同様耐漏液性能試験を行っ
た。1−ニトロソ−2−ナフトール及び8−ヒドロキシ
キノリンの溶液にそれぞれ浸漬された負極缶22を各々
用いてボタン型アルカリ電池10を50個ずつ組み立
て、組み立てられたボタン型アルカリ電池10をそれぞ
れ1−ニトロソ−2−ナフトール処理品及び8−ヒドロ
キシキノリン処理品と称し、これらを本発明品と総称し
た。また、何らキレート被膜層が形成されなかった負極
缶22を用いて組み立てられたボタン型アルカリ電池1
0を従来品とし50個用意した。試験は、前述同様、温
度60℃湿度90%という高温高湿の一定環境下におい
て、各ボタン型アルカリ電池を数十日間貯蔵し、10日
目、20日目、40日目、60日目における電解液の漏
出具合を調べることで行われた。その結果、表6に示す
ようになった。
【0053】
【表6】 この表6から、従来品では、10日目及び20日目で電
解液の漏出が確認されなかったものの、40日目で50
個中13個漏液し、60日経過した後では50個全てが
漏液した。これに対して、8−ヒドロキシキノリン処理
及び1−ニトロソ−2−ナフトール処理された負極缶2
2を備えた電池では、60日経過後でも50個中いずれ
においても漏液は生じなかった。これらのことから、キ
レート被膜が形成されていない従来の負極缶22を備え
た電池10に比べ、キレート剤によりキレート被膜が表
面に形成された負極缶を備えた電池10は、耐漏液性能
が向上していると認められる。
解液の漏出が確認されなかったものの、40日目で50
個中13個漏液し、60日経過した後では50個全てが
漏液した。これに対して、8−ヒドロキシキノリン処理
及び1−ニトロソ−2−ナフトール処理された負極缶2
2を備えた電池では、60日経過後でも50個中いずれ
においても漏液は生じなかった。これらのことから、キ
レート被膜が形成されていない従来の負極缶22を備え
た電池10に比べ、キレート剤によりキレート被膜が表
面に形成された負極缶を備えた電池10は、耐漏液性能
が向上していると認められる。
【0054】尚、本第3の実施形態では具体的に説明し
ていないが、塗布方法によってキレート被膜層を形成し
た場合でも、前述同様、キレート剤により電池の耐漏液
性能が向上することが確認できた。ただし、塗布方法で
は、キレート剤を50重量%以上添加すると、被膜形成
が均一にできなかったり、塗布乾燥後被膜にクラック、
即ちひび割れや凸凹が発生しやすいので、溶媒に対して
は30重量%の添加量が適切であることが認められた。
ていないが、塗布方法によってキレート被膜層を形成し
た場合でも、前述同様、キレート剤により電池の耐漏液
性能が向上することが確認できた。ただし、塗布方法で
は、キレート剤を50重量%以上添加すると、被膜形成
が均一にできなかったり、塗布乾燥後被膜にクラック、
即ちひび割れや凸凹が発生しやすいので、溶媒に対して
は30重量%の添加量が適切であることが認められた。
【0055】次いで、図6に示すような、円筒形アルカ
リ電池に似せた試験セル30を用いて、クリープ速度試
験を行った。図6の試験セル30は、上端面が開放され
た内部中空筒体状の正極缶32の内側に、正極合剤3
4、セパレータ36、ゲル状負極合剤38が同軸状に装
填され、これらの上側から封口ガスケット40が覆い、
負極集電棒42が封口ガスケット40を貫通し、ゲル状
負極合剤38に挿通されている。正極合剤34は、二酸
化マンガンと黒鉛とから構成されたものであり、また負
極合剤38は、亜鉛粉とポリアクリル酸と水酸化カリウ
ム水溶液からなってゲル状に構成されている。セパレー
タ36はビニロンとパルプからなる不織布で、封口ガス
ケット40はポリプロピレン製である。さらに、正極缶
32はニッケルメッキ鋼板(NPS)で、負極集電棒4
2は真鍮製である。
リ電池に似せた試験セル30を用いて、クリープ速度試
験を行った。図6の試験セル30は、上端面が開放され
た内部中空筒体状の正極缶32の内側に、正極合剤3
4、セパレータ36、ゲル状負極合剤38が同軸状に装
填され、これらの上側から封口ガスケット40が覆い、
負極集電棒42が封口ガスケット40を貫通し、ゲル状
負極合剤38に挿通されている。正極合剤34は、二酸
化マンガンと黒鉛とから構成されたものであり、また負
極合剤38は、亜鉛粉とポリアクリル酸と水酸化カリウ
ム水溶液からなってゲル状に構成されている。セパレー
タ36はビニロンとパルプからなる不織布で、封口ガス
ケット40はポリプロピレン製である。さらに、正極缶
32はニッケルメッキ鋼板(NPS)で、負極集電棒4
2は真鍮製である。
【0056】このように構成される負極集電棒42にお
いて、キレート剤の溶液中に浸漬して、その表面にキレ
ート被膜層を形成したものと、全くキレート被膜層が形
成されない従来品とで電解液のクリープ試験を行った。
ここで、前記キレート剤としては、負極集電棒42が銅
と亜鉛との合金である真鍮で形成されていることから、
銅系のキレート剤が適用され、サリチルアルデヒド、エ
チレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレン
テトラアミンが採用された。従来品としては、負極集電
棒42の表面が化学研磨処理されたものと、この化学研
磨処理に加えベンゾトリアゾールにより防錆処理が施さ
れたものと、2種類用意した。試験は、前述同様、温度
20℃の常温環境下に十数日間貯蔵され、封口ガスケッ
ト40から突出した負極集電棒42の先端位置において
フェノール反応の有無が毎日調べられて行われた。その
結果、表7に示すようになった。
いて、キレート剤の溶液中に浸漬して、その表面にキレ
ート被膜層を形成したものと、全くキレート被膜層が形
成されない従来品とで電解液のクリープ試験を行った。
ここで、前記キレート剤としては、負極集電棒42が銅
と亜鉛との合金である真鍮で形成されていることから、
銅系のキレート剤が適用され、サリチルアルデヒド、エ
チレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレン
テトラアミンが採用された。従来品としては、負極集電
棒42の表面が化学研磨処理されたものと、この化学研
磨処理に加えベンゾトリアゾールにより防錆処理が施さ
れたものと、2種類用意した。試験は、前述同様、温度
20℃の常温環境下に十数日間貯蔵され、封口ガスケッ
ト40から突出した負極集電棒42の先端位置において
フェノール反応の有無が毎日調べられて行われた。その
結果、表7に示すようになった。
【0057】
【表7】 この表7から、化学研磨処理のみ及び化学研磨処理に加
えて防錆処理が施された従来品では、4日目及び5日目
でフェノール反応が確認された。これに対して、サリチ
ルアルデヒド、エチレンジアミン、ジエチレントリアミ
ン、トリエチレンテトラアミンにより処理された本願発
明品では、12日経過後いずれれもフェノール反応が確
認されなかった。このことから、本願発明品では、キレ
ート剤によってキレート被膜層が形成された負極集電棒
42を備えたことにより、電解液のクリープが抑制さ
れ、耐漏液性能が向上したと確認できる。また、キレー
ト剤として、サリチルアルデヒド、エチレンジアミン、
ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミンいず
れも、電解液のクリープを抑制するには有効であること
が認められた。
えて防錆処理が施された従来品では、4日目及び5日目
でフェノール反応が確認された。これに対して、サリチ
ルアルデヒド、エチレンジアミン、ジエチレントリアミ
ン、トリエチレンテトラアミンにより処理された本願発
明品では、12日経過後いずれれもフェノール反応が確
認されなかった。このことから、本願発明品では、キレ
ート剤によってキレート被膜層が形成された負極集電棒
42を備えたことにより、電解液のクリープが抑制さ
れ、耐漏液性能が向上したと確認できる。また、キレー
ト剤として、サリチルアルデヒド、エチレンジアミン、
ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミンいず
れも、電解液のクリープを抑制するには有効であること
が認められた。
【0058】尚、銅系キレート剤は全て常温液体であ
り、エタノールなどに溶解させて希釈したり、原液その
ままの溶液として用いられる。
り、エタノールなどに溶解させて希釈したり、原液その
ままの溶液として用いられる。
【0059】
【発明の効果】以上発明の実施の形態で詳述したよう
に、本発明の請求項1に係るアルカリ電池によれば、キ
レート剤が添加された封口ガスケットを備えることで、
電極部品の表面にキレート被膜が形成され、このキレー
ト被膜が電解液のクリープを抑制するので、電解液の漏
出を防止でき、電池の耐漏液性を向上させることができ
る。
に、本発明の請求項1に係るアルカリ電池によれば、キ
レート剤が添加された封口ガスケットを備えることで、
電極部品の表面にキレート被膜が形成され、このキレー
ト被膜が電解液のクリープを抑制するので、電解液の漏
出を防止でき、電池の耐漏液性を向上させることができ
る。
【0060】また、本発明の請求項2に係るアルカリ電
池によれば、キレート剤が添加されたシール剤によって
封口ガスケットと電極部品とがシールされることで、電
極部品の表面にはキレート被膜が形成され、このキレー
ト被膜が電解液のクリープを抑制するので、電解液の漏
出を防止でき、電池の耐漏液性を向上させることができ
る。
池によれば、キレート剤が添加されたシール剤によって
封口ガスケットと電極部品とがシールされることで、電
極部品の表面にはキレート被膜が形成され、このキレー
ト被膜が電解液のクリープを抑制するので、電解液の漏
出を防止でき、電池の耐漏液性を向上させることができ
る。
【0061】前記シール剤が主に可撓性エポキシ樹脂か
らなれば、シール剤は硬化後においてもあたかもゴムの
ようなフレキシブルな性状となり、電極部品との密着性
が高められ、電極部品の表面におけるキレート被膜の形
成が十分なされる。これにより、電解液のクリープ抑制
作用を増大させることができ、電池の耐漏液性能をさら
に向上させることができる。
らなれば、シール剤は硬化後においてもあたかもゴムの
ようなフレキシブルな性状となり、電極部品との密着性
が高められ、電極部品の表面におけるキレート被膜の形
成が十分なされる。これにより、電解液のクリープ抑制
作用を増大させることができ、電池の耐漏液性能をさら
に向上させることができる。
【0062】特に、前記キレート剤は、前記可撓性エポ
キシ樹脂からなる前記シール剤100重量部に対して1
乃至5重量部添加されることで、電解液のクリープ抑制
作用を十分得ることができ、電池の耐漏液性能を向上さ
せることができる。
キシ樹脂からなる前記シール剤100重量部に対して1
乃至5重量部添加されることで、電解液のクリープ抑制
作用を十分得ることができ、電池の耐漏液性能を向上さ
せることができる。
【0063】また、本発明の請求項5に係るアルカリ電
池によれば、電極部品の表面にキレート剤によってキレ
ート被膜が形成されることで、このキレート被膜が電解
液のクリープを抑制するので、電解液の漏出を防止で
き、電池の耐漏液性を向上させることができる。
池によれば、電極部品の表面にキレート剤によってキレ
ート被膜が形成されることで、このキレート被膜が電解
液のクリープを抑制するので、電解液の漏出を防止で
き、電池の耐漏液性を向上させることができる。
【0064】特に、キレート被膜層が負極集電体または
負極リード部品に形成されると、電解液のクリープ速度
が相当速くても電解液を十分抑制でき、電池の耐漏液性
を向上させることができる。
負極リード部品に形成されると、電解液のクリープ速度
が相当速くても電解液を十分抑制でき、電池の耐漏液性
を向上させることができる。
【0065】前記キレート剤として、1−ニトロソ−2
−ナフトールあるいは8−ヒドロキシキノリンが採用さ
れれば、メッキ処理が施されたことで表面材質がスズと
なった電極部品に対し、電解液のクリープを相当抑制す
ることができる。
−ナフトールあるいは8−ヒドロキシキノリンが採用さ
れれば、メッキ処理が施されたことで表面材質がスズと
なった電極部品に対し、電解液のクリープを相当抑制す
ることができる。
【0066】他方、前記キレート剤として、サリチルア
ルデヒド,エチレンジアミン,ジエチレントリアミン,
トリエチレンテトラアミンの中の少なくとも1つが採用
されれば、表面材質が銅である電極部品に対し、電解液
のクリープを相当抑制することができる。
ルデヒド,エチレンジアミン,ジエチレントリアミン,
トリエチレンテトラアミンの中の少なくとも1つが採用
されれば、表面材質が銅である電極部品に対し、電解液
のクリープを相当抑制することができる。
【図1】本発明および従来に共通するアルカリ電池の代
表的な構造を示す縦断面図である。
表的な構造を示す縦断面図である。
【図2】本発明品と比較品とのガス発生試験結果を示す
グラフである。
グラフである。
【図3】本発明に係る代表的なボタン型アルカリ電池の
内部構造を示した縦断面図である。
内部構造を示した縦断面図である。
【図4】電解液のクリープ試験の様子を示した図であ
る。
る。
【図5】試験検体の内部構造を示した縦断面図である。
【図6】試験セルの内部構造を示した縦断面図である。
1 正極缶 2 正極合剤 3 セパレータ 4 ゲル状負極 5 封口ガスケット 5a ボス部 6 負極端子板 7 金属集電棒 8 金属筒 10 ボタン型
アルカリ電池 12 正極缶 14 正極合剤 16 セパレータ 18 負極合剤 20 封口ガスケット 22 負極缶
(電極部品) 22a 周縁部 22b 外周面 24 窪み 26 KOH溶
液 28 シール剤 30 試験セル 32 正極缶 34 正極合剤 36 セパレータ 38 ゲル状負
極合剤 40 封口ガスケット 42 負極集電
棒(電極部品) 50 試験検体 52 容器 54 亜鉛粉 56 アルカリ
電解液 58 Snメッキ棒 60 蓋部材 62 シール剤
アルカリ電池 12 正極缶 14 正極合剤 16 セパレータ 18 負極合剤 20 封口ガスケット 22 負極缶
(電極部品) 22a 周縁部 22b 外周面 24 窪み 26 KOH溶
液 28 シール剤 30 試験セル 32 正極缶 34 正極合剤 36 セパレータ 38 ゲル状負
極合剤 40 封口ガスケット 42 負極集電
棒(電極部品) 50 試験検体 52 容器 54 亜鉛粉 56 アルカリ
電解液 58 Snメッキ棒 60 蓋部材 62 シール剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西田 国良 東京都港区新橋5丁目36番11号 富士電気 化学株式会社内 (72)発明者 泉 彰英 東京都港区新橋5丁目36番11号 富士電気 化学株式会社内 (72)発明者 成田 望 東京都港区新橋5丁目36番11号 富士電気 化学株式会社内 (72)発明者 美和 俊之 東京都港区新橋5丁目36番11号 富士電気 化学株式会社内
Claims (8)
- 【請求項1】 キレート剤が添加された合成樹脂で成形
された封口ガスケット(5)を備えたことを特徴とする
アルカリ電池。 - 【請求項2】 キレート剤が添加されたシール剤によっ
て電極部品(22)と封口ガスケット(20)とがシー
ルされてなることを特徴とするアルカリ電池。 - 【請求項3】 前記シール剤は、主に可撓性エポキシ樹
脂からなることを特徴とする請求項2記載のアルカリ電
池。 - 【請求項4】 前記キレート剤は、前記可撓性エポキシ
樹脂からなる前記シール剤100重量部に対して1乃至
5重量部添加されることを特徴とする請求項3記載のア
ルカリ電池。 - 【請求項5】 キレート剤によってキレート被膜がその
表面に形成された電極部品(22,42)を備えたこと
を特徴とするアルカリ電池。 - 【請求項6】 前記電極部品は、負極集電体(42)ま
たは負極リード部品であることを特徴とする請求項2乃
至5の何れか1項記載のアルカリ電池。 - 【請求項7】 前記キレート剤が1−ニトロソ−2−ナ
フトールあるいは8−ヒドロキシキノリンであることを
特徴とする請求項1乃至6の何れか1項記載のアルカリ
電池。 - 【請求項8】 前記キレート剤がサリチルアルデヒド,
エチレンジアミン,ジエチレントリアミン,トリエチレ
ンテトラアミンの中の少なくとも1つであることを特徴
とする請求項1乃至6の何れか1項記載のアルカリ電
池。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7283504A JPH0955195A (ja) | 1994-11-24 | 1995-10-31 | アルカリ電池 |
Applications Claiming Priority (5)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP28952694 | 1994-11-24 | ||
| JP14324295 | 1995-06-09 | ||
| JP6-289526 | 1995-06-09 | ||
| JP7-143242 | 1995-06-09 | ||
| JP7283504A JPH0955195A (ja) | 1994-11-24 | 1995-10-31 | アルカリ電池 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0955195A true JPH0955195A (ja) | 1997-02-25 |
Family
ID=27318600
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7283504A Pending JPH0955195A (ja) | 1994-11-24 | 1995-10-31 | アルカリ電池 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0955195A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2005100761A (ja) * | 2003-09-24 | 2005-04-14 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | アルカリ乾電池 |
-
1995
- 1995-10-31 JP JP7283504A patent/JPH0955195A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2005100761A (ja) * | 2003-09-24 | 2005-04-14 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | アルカリ乾電池 |
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