JPH0956192A - ブラシレス直流モータの駆動方法 - Google Patents

ブラシレス直流モータの駆動方法

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JPH0956192A
JPH0956192A JP7210423A JP21042395A JPH0956192A JP H0956192 A JPH0956192 A JP H0956192A JP 7210423 A JP7210423 A JP 7210423A JP 21042395 A JP21042395 A JP 21042395A JP H0956192 A JPH0956192 A JP H0956192A
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JP
Japan
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motor
voltage
brushless
time
value
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JP7210423A
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English (en)
Inventor
Yukio Kawabata
幸雄 川端
Naoki Yamamoto
直樹 山本
Yuuhachi Takakura
雄八 高倉
Yasuo Notohara
保夫 能登原
Kazuo Tawara
和雄 田原
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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  • Control Of Motors That Do Not Use Commutators (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】モータが高出力,高回転の場合でも、モータの
巻線電流の電圧的位相遅れによるモータ効率低下を防ぐ
と共に電圧の時間に対する変化量から直流ブラシレスモ
ータのロータ位置を検出精度よく検出し、良質の制御が
可能なモータ速度制御装置を提供する。 【構成】モータの端子電圧より、精度良く誘起電圧情報
を検出し、電圧の時間に対する変化量から直流ブラシレ
スモータのロータ位置を精度良く検出し、更に誘起電圧
に対する巻線電流の位相補正をすることによりモータ効
率の低下を招くことがなく次回転流タイミングを決定す
る構成になっており、良質な速度制御を実現する。 【効果】モータが高出力,高回転の場合でも、電圧の時
間に対する変化率からロータの位置を精度良く算出・推
定すると共に巻線電流の位相遅れを考慮することにより
モータ効率を低下させないで直流ブラシレスモータの良
質な速度制御を実現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ブラシレス直流モータ
の駆動方法に係わり、特に回転子の位置検出をホール素
子等の磁気検出手段を用いることなく行うことができ
る、いわゆるセンサレス直流ブラシレスモータの駆動方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にブラシレス直流モータの駆動制御
は、ロータの磁極位置と通流すべき巻線の位置とを密接
に関係付けて行う必要がある。そして、モータの出力ト
ルクは、ロータの有する磁極の磁束とステータの有する
巻線に流す電流との相互作用によって発生する。このた
め、ブラシレス直流モータの駆動は、ロータの磁極から
発生する磁束が最大となる付近に存在する相の巻線に電
流を流すことにより最大のトルクを発生させてモータを
回転させるようにすることが必要である。また、ブラシ
レス直流モータの駆動制御は、ロータの磁極位置の回転
に従って、電流を流すべき相を時々刻々に切り替えてい
くことにより行われるが、この相の切り替えである転流
のタイミングが磁極最大位置よりも大幅にずれた場合、
これによって発生するトルクが減少し、最大の場合、モ
ータは脱調し停止に至ることになる。従って、ブラシレ
スモータの駆動制御は、何らかの手段によってロータの
磁極位置を検出して、これにより制御を行う必要があ
る。
【0003】この値のセンサレス形ブラシレスモータの
ロータの磁極位置検出回路に関する従来技術として、例
えば、特開平7−123773 号等に記載された技術が知られ
ている。
【0004】この従来技術は、モータの無通電相のモー
タ端子電圧をフィルタを用いることなく直接サンプリン
グして検出するA/D変換器と、このサンプリング値か
ら検出電圧の時間に対する変化率を求めて、これを外挿
補間することによって誘起電圧情報を得、この誘起電圧
情報に基づいてロータの位置を推定し、その結果から転
流位相の進み,遅れ等を含めたモータ電流の転流タイミ
ングを推定し適切な時刻に転流を行うというものであ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記従来技術は、モー
タの無通電相のモータ端子電圧をフィルタを用いること
なく直接サンプリングして検出電圧の時間に対する変化
率を求めて、これを外挿補間することによって誘起電圧
情報を得、この誘起電圧情報に基づいてロータの位置を
推定している。しかし、この従来技術は、モータの出力
が大きい場合や高速回転で用いるモータの場合でも1相
の通流期間にしめる巻線の電気的時定数の割合が大きく
なり、誘起電圧に対して巻線電流の位相が遅れる現象が
生じ、充分な出力トルクが得られず、モータ駆動効率の
低下を招くという問題点を有している。
【0006】さらに、モータ制御中に何らかの要因で、
転流タイミングが大きくずれた場合において、電機子巻
線に過電流が流れて、電機子巻線及びインバータ回路が
破壊されるという問題を有している。
【0007】本発明の目的は、前述した従来技術の問題
点を解決し、モータの出力が大きい場合や高速回転の場
合においても効率よくモータを速度制御し、モータ制御
中に電機子巻線に過電流が流れ、電機子巻線及びインバ
ータ回路が破壊されることなく良質なブラシレス直流モ
ータの駆動方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば上記目的
は、モータの無通電相のモータ端子電圧をフィルタを用
いることなく直接サンプリングして検出するA/D変換
器と、このサンプリング値から検出電圧の時間に対する
変化率を求め、求めた検出電圧の時間に対する変化率を
外挿補間することによって誘起電圧情報を得、この誘起
電圧情報に基づいてロータの位置を推定すると共に巻線
電流の位相を推定し、その結果から転流位相の進み,遅
れ、及び電気的時定数による位相の遅れ等を含め適切な
転流タイミングを推定し、転流を行い、検出電圧が、モ
ータに印加する直流電圧に相当する電圧になった場合、
或いは、一通流期間中の前記検出電圧の数をカウント
し、モータ回転中に一通流期間中の検出電圧の数が、モ
ータ回転数から算出される検出回数から大幅に、ずれて
いた場合に通電を停止するようにブラシレス直流モータ
を駆動する制御部を備えることにより達成される。
【0009】
【作用】前記A/D変換器は、モータの無通電相のモー
タ端子電圧をサンプリングして検出して、制御部は、A
/D変換器により離散的に取り込まれた電圧値の時間に
対する変化率に基づいて、検出電圧値に対して外挿補間
を行うことにより誘起電圧情報を演算し、その情報によ
り転流タイミングを演算して、モータを駆動するインバ
ータのトライバを駆動し、最終的にモータを回転させて
いる。また、前記制御部は、取り込んだ検出電圧値、時
間を記憶しておくメモリ機能,その情報と前記電圧値の
時間に対する変化率を演算する機能,前記電圧値から誘
起電圧に対する巻線電流の位相を算出する機能,前記変
化率及び前記誘起電圧に対する巻線電流の位相から転流
タイミングを算出する機能,モータ回転数から検出電圧
のサンプリング回数を算出する機能,モータに印加する
直流電圧と検出電圧を比較する機能,前記各機能の情報
を基にモータを停止する機能等を有する。前述により、
本発明は、インバータ回路を用いた直流ブラシレスモー
タの良質な駆動制御を行うことができる。
【0010】
【実施例】以下、本発明によるブラシレス直流モータの
駆動方法の一実施例を図面により詳細に説明する。
【0011】図1は本発明による駆動方法を適用される
ブラシレス直流モータのシステム構成を示すブロック
図、図2はモータに対して理想的な転流タイミングで通
流が制御され、モータが一定速度で回転している状態に
おけるモータの誘起電圧,検出端子電圧,処理電圧の波
形を模式化して示す図、図3は検出端子電圧波形の拡大
図、図4は転流タイミングの位相の進み,遅れを説明す
る処理電圧波形を示す図、図5は誘起電圧と端子電圧及
び巻線電流の位相遅れを表す図、図6は図5中のtz期
間におけるインバータ回路電流経路の等価回路である。
図1において、1は直流電源、2はインバータ回路、3
はセレクタ、4はA/D変換器、5は制御部、6はドラ
イバ回路部、7はステータ、8はロータ、9は負荷であ
る。
【0012】本発明が適用されるブラシレス直流モータ
システムは、図1に示すように、直流電源1,インバー
タ回路2,3相の巻線の内の無通電相の1相を選択する
セレクタ3,選択した端子の端子電圧のアナログ値を電
子計算機で演算できるようにディジタル値へ変換するA
/D変換器4,検出された電圧からその変化率に基づき
転流に最適なロータ位置を推定し、誘起電圧に対する巻
線電流分を考慮し、位相補正してから転流時刻を決定
し、インバータ回路2を制御するドライバに信号を出力
する制御部5,インバータ回路2のドライバ回路部6,
U,V,W相の巻線が一端で結線された3相の直流ブラ
シレスモータのステータ7,永久磁石を用いた磁極を有
するロータ8,モータ結合される負荷9により構成され
ている。
【0013】以後の説明における本発明の一実施例によ
るモータの駆動方法は、高出力トルクを得ることのでき
る120度通電形駆動とし、また、モータの制御方法
は、直流電圧の通流率を制御するいわゆるPWM制御で
あり、チョッピングを行うスイッチング素子は、直流電
源1の正電圧側に接続されているものとする。
【0014】なお、チョッピングを行うスイッチング素
子が、直流電源1の負電圧側に接続されていてもよく、
また、インバータ回路2は、図には省略されているが、
各相の巻線に対応するように、3組のスイッチング素子
を備えて構成されている。
【0015】一般に、インバータ回路2により全波駆動
される直流モータにおいて、巻線からの有効な誘起電圧
情報は、3相の巻線の内の常時1相の通電されていない
巻線からの誘起電圧のみであり、インバータ回路による
チョッピングが行われていない期間の誘起電圧情報が有
効である。このため、セレクタ3は、通流モードに合わ
せて検出される相の端子を切り替えるスイッチング機
能,A/D変換器4は、PWM信号に同期してアナログ
値である電圧値をディジタル値に変換するいわゆるA/
D変換機能を有するものである。
【0016】制御部5は、前述の誘起電圧の検出値を入
力として、それに基づいて電圧の時間に対する変化率即
ち電圧の傾きを算出する機能,この傾きから目的の電圧
の値になるまでの時間を算出する機能,前述の誘起電圧
の検出値から巻線電流の位相遅れ時間を算出する機能,
インバータ回路2のスイッチング素子を制御するドライ
バ回路6を制御する信号を出力する機能及び前述の検出
値及び傾きを記憶しておく機能を有するマイクロコンピ
ュータにより構成される。
【0017】また、ドライバ回路部6は、制御部5から
の信号に応じてインバータ回路2を構成するスイッチン
グ素子を駆動する機能を有する。
【0018】なお、前述した本発明の一実施例は、制御
部5とインバータ回路2のスイッチング素子のドライバ
回路部6とを別の回路により構成しているが、これらの
機能を一つに纏めたマイクロコンピュータを制御部とし
て用いてもよい。
【0019】モータを構成するステータ7は、電流を流
すことによって磁極化される巻線U,V,Wの3相の巻
線をもって構成され、それらの巻線の一端がお互いに結
線されている。また、ロータ8は、磁極化された永久磁
石であり、前述したステータの順当な磁極位置の変化に
応じて回転する。
【0020】次に、前述のように構成されるブラシレス
直流モータにおいて、ステータ7の各巻線が理想的な転
流タイミングで通流制御され、モータが一定速度で回転
しているものとして、その動作状態を図2を参照して説
明する。
【0021】図2(a)は、この状態の場合に、物理現
象として生じる各相の誘起電圧波形、図2(b)は、全
波駆動において検出される各相の巻線の端子電圧波形、
図2(c)は、本発明において、端子電圧波形をPWM
信号に同期して検出して検出不能な点について、検出値
の時間に対する変化量から外挿補間して得ることのでき
る信号波形である。
【0022】図2に示すように、モータが理想的な転流
タイミングで転流し、一定速度で回転している場合、物
理的現象として図2(a)に示すような電圧が誘起され
る。この誘起電圧は、ロータの磁極によって誘起される
ものであり、そのPeak To Peak値はモータの回転数に比
例し、過渡値は、ロータの磁極位置と相関で決まる。通
常、モータの転流タイングは、この誘起電圧情報に基づ
いて決定することができる。
【0023】即ち、一般的にモータの理想的な(最大値
に出力を引き出すことができる)転流タイミングは、そ
れぞれ隣り合う相の誘起電圧が交差する図示の点tp1
及びtp2である。しかし、モータの出力が大きい場合
や高速回転で用いるモータでは1通流期間に対して巻線
の電気的時定数のしめる割合が大きくなり、誘起電圧に
対して巻線電流の位相が遅れる現象があることから最終
的な転流タイミングは、この電流位相を補正したもので
ある。本発明の一実施例は、この時の電圧を、上に凸な
変曲点である電圧の最大値e(tp1),下に凸な変曲点
である電圧の最小値e(tp2)として求め、検出した端
子電圧を基に電流位相分を見積もり補正するものであ
る。なお、モータが一定速度で回転している場合、その
時の前述の電圧の最大値と最小値とは、どの隣り合う相
においてもほぼ等しくなる。
【0024】一方、現実の系として検出できるのは、モ
ータのステータ巻線の端子電圧であり、図2(b)に示す
ような波形となる。この検出波形は、直流電源のマイナ
ス側と各相巻線の端子との間の電圧を示しており、モー
タを回転させるために印加する駆動電圧と誘起電圧とが
混在したものである。そして、モータの120度通電形
駆動において、有効な誘起電圧情報は、図2(b)に示す
期間Tsであり、常時3相の内1相のみである。
【0025】さらに、有効な誘起電圧情報の期間Tsに
おいても、転流時にフリーホイリングダイオードに電流
が流れる区間では、その電位が直流電圧の正又は負の値
に固定され、また、インバータ回路がPWM信号を行っ
ている時には、チョッピングが行われているため、図2
(b)に示す様な連続するものとはならない。このため、
何らかの方法で誘起電圧を検出し、転流タイミングを、
その情報を基に演算処理を行って決定する必要がある。
【0026】そこで、本発明の一実施例は、有効な誘起
電圧情報が、前述したように120度通電形駆動におい
て図2(b)に示す期間Tsでかつ常時3相の内1相のみ
からしか得ることができないことから、セレクタ3によ
り、通流モードに応じてモータの3相巻線の内の通電し
ていない1相を切り替え選択し、図3に示す検出波形の
拡大図の中に示されているように、インバータ回路2に
おける還流ダイオードに電流が流れておらず、かつ、チ
ョッピングオフ時の端子電圧e(t1)及びe(t2),e
(t3),e(t(tn−m))等をサンプリングすることに
より、離散的であるが、端子電圧から直接誘起電圧情報
をピックアップするようにしている。
【0027】さらに、本発明の一実施例は、制御部5で
離散的に得られ球誘起電圧情報から電圧の時間に対する
変化率Δv/Δtを算出し、離散値間(図示の波線部
分)の誘起電圧を外挿補間して求め、これを3相分連続
的につなげて、図2(c)に示すような三角波信号波形を
有する処理波形情報を得ている。
【0028】図2により説明したように、理想的な転流
タイミングで各相の巻線に対する通流が制御され、モー
タが一定速度で回転している状態では、図2(c)に示す
ように、それぞれ隣り合う相の誘起電圧が交差する点
(上に凸な変曲点である電圧の最大値,下に凸な変曲点
である最小値)の電圧が、それぞれどの隣り合う相にお
いてもほぼ一定になり、この時のこの信号の各変曲点の
電圧値から処理波形のemax及びeminを求めることができ
る。このことから、誘起電圧情報から得ることができる
最適な転流タイミングを求めるには、それぞれの相にお
ける誘起電圧を検出し、その時の時間に対する変化率か
ら得られる誘起電圧がemax及びeminとなる時刻を求めれ
ばよいことになる。また、emax, eminの更新時には、平
均的な位相の進み,遅れを補正する効果があることか
ら、emax, eminの更新の間隔が短い場合には、転流位相
の補正は特に必要でないが、emax, eminの更新前に生じ
た転流タイミングの位相に遅れ,進みを補正する場合、
図4(b),図4(c)に示すように、現在の誘起電圧の変
化率による前回転流点における電圧値r(t′41)及び
e(t′42)と前回転流時における電圧値e(t41)及
びe(t42)の差を取り、現在あるいは前回の誘起電圧
の変化率情報に基づいて前回の転流時t41及びt42
における電流値e(tpb)の最適値を推定し比較すること
により、前回の転流時間の遅れ,進み時間Δtbd を推定
し、転流時刻誤差を蓄積することなく次回の転流点にお
いて補正を行う。
【0029】ここまで述べたことは、端子電圧から誘起
電圧情報のみを抽出した場合であるが、このほか、転流
時にフリーホイリングダイオードに電流が流れ、端子電
圧が電源電圧の負に固定されている期間を検出し、この
期間から誘起電圧に対する巻線電流の位相遅れ分を算
出,補正して、最終的に最適な転流タイミングを決定す
る。
【0030】本発明の一実施例は、前述の補正を繰り返
すことにより、転流タイミングを最終的に最適な転流時
刻に近付けていくことができる。また、誘起電圧情報
は、ロータの回転数及び磁極位置に依存するため、本発
明の一実施例は、前述の補正により、モータに回転脈動
が生じた場合においても、この回転脈動によって誘起電
圧も変化するので常に適正な転流タイミングを推定する
ことができる。
【0031】以下、前述した転流時刻を求める処理につ
いてさらに詳細に説明する。
【0032】今、モータに対する負荷9が、周期的な負
荷変動を持たない一定負荷とし、モータを定速制御して
回転させるものとする。この場合、誘起電圧として、図
3に示すような電圧波形が検出される。この電圧波形か
ら誘起電圧情報を得るためのサンプリングは、インバー
タ回路2のPWM出力のON期間を同期し、かつ、転流
時のフリーホイリングダイオードに電流が流れていない
期間のみのデータを有効とし、巻線電流の位相遅れ情報
を得るためのサンプリングは、インバータ回路2のPW
M出力のON期間に同期し、かつ、転流時のフリーホイ
リングダイオードに電流が流れ、直流電源電圧の負に固
定されている期間のデータを有効として行われる。
【0033】そして、前述した誘起電圧情報の無効期間
のデータは、検出した電圧値及び時間からその変化率Δ
v/Δtを用い外挿補間によって算出される。このよう
に、無効期間の電圧値を外挿補間によって得ることによ
り、この結果による時間あるいは電圧から各通流期間毎
に連続的にロータ位置を推定することが可能となる。ま
た、転流時刻の推定は、現時刻を基準にして求めた誘起
電圧の変化率Δv/Δtから前回1回転時に求めておい
た上に凸な変曲点である最大値emaxあるいは、下に凸な
変曲点である最小値の電圧eminになるまでの時間を基準
時間tbm として算出し、さらに、emax, eminが更新され
るまでは、前回転流点の情報を基に転流位相の進み,遅
れ時間tbd を推定し、前述の基準時間tbm を前回の転流
時刻の進み,遅れを時間tbd で補正するという方法によ
り行われる。さらに、巻線電流の位相遅れ分に関して
は、転流直後にフリーホイリングダイオードに電流が流
れ、直流電源電圧の負に固定されている期間を算出し補
正する。
【0034】実際には、検出できる領域の電圧値が時間
に対する一次関数の近似式で表されるものとして取り扱
い、時間に対する変化率K=Δv/Δtは、図3に示す
ようにサンプリングした電圧値e(t1),e(t2),e
(t(n−1)),e(tn)等から式(1)により求める。
【0035】 K=Δv/Δt={e(tn)−e((n−m))}/(tn−t(n−m))…(1) このとき、mは整数であり、A/D変換器の分解能を考
慮し回転数に応じて変えることが望ましい。さらに本実
施例では、emax, eminの更新時に位相補正と同様の効果
が得られることや各通流相の発電定数の違いによるばら
つきや直流電源電圧変動の影響を抑えるために、時間に
対する電圧の変化率は、emax, eminを算出し、更新する
までの期間の平均値Kav式(2)で算出し、この値を用
いた。
【0036】 Kav=(ΣK)/u …(2) このときのuは、emax, eminを更いするまでの通流回数
である。
【0037】本実施例では、emax, eminを1回転毎に更
新したことから、この時のuは、3相モータの極数Pと
で式(3)で表されるが、1回転中の平均値以外でも通
流期間でのばらつきや直流電源電圧変動が直接反映され
ないような方法であれば同様の効果が得られる。
【0038】 u=3・P …(3) 次に、現時刻tnを基準にして前回1回転時に求めてお
いた上に凸な変曲点である最大値の電圧になるまでの時
間である次回転流基準時間tbm を変化率Kav及び現時刻
での電圧値e(tn)に基づいて、式(4)により求める。
この時、e(tn)は、emaxからeminの時間幅の中の最も直
線近傍が有効な1/5〜4/5の位置の電圧値とするこ
とが望ましい。
【0039】式(4)は、最大値の場合を記したが、最
小値の場合も同様である。そして、図4(a)に示すよ
うに転流タイミングの位相に、進み,遅れがなければ隣
り合う相の電圧値が転流時刻において一致し、前述した
変化率Kavに基づいて連続的にロータ位相を推定し、転
流タイミングを決定することができる。
【0040】 tbm={emax−e(tn)}/Kav …(4) また、図4(b),図4(c)に示すように、前回の転
流時に生じた転流位相に遅れ,進みがあり、emax, emin
の更新前に位相補正を行う場合、その補正時間tbd は、
現在の変化率Kav及び前回転流時刻を求めた変化率Kb
からそれぞれ前回転流点における電圧値を推定し、その
電圧値が一致する時間とする。即ち、まず、フリーホイ
リングダイオードに電流が流れている期間である前回の
転流時刻における電圧e(t′41)、式(5)により推
定する。
【0041】 e(t′41)=e(tn)−(tn−t41)・Kav …(5) さらに、予め前回の転流時刻算出に用いた変化率Kb よ
り求めておいた、前回転流時刻における推定電圧e(t
41)との差を取り、その1/2に位置する電圧e(tpb)
を誘起電圧が交差した際の電圧値と想定し、その電圧
値と現在の変化率Kavから求めた電圧e(t′41)から
前回の位相遅れ時間t′bd(n) を式(6)のように算出
する。
【0042】 t′bd(n)={e(t′41)−e(tpb)}/Kav …(6) 最終的な補正時間tbd(n) は、式(7)に示すように前
回の位相時間tbd(n−1) を加え、この結果を前回転流
点における位相遅れ時間とする。このときの補正時間tb
d(n) は、t′bd(n) 及びtbd(n−1) に重みづけし、
徐々に補正していく方法も有効である。
【0043】 tbd(n)=t′bd(n)+tbd(n−1) …(7) そして、誘起電圧情報のみによる次回転流時刻までの時
間tbは、次回転流基準時刻tbm を位相遅れ時間tbd で
式(8)により補正した時間である。
【0044】 tb=tbm+tbd(n) …(8) 前述の説明は、図4(b)に示す転流位相遅れの場合で
あるが、図4(c)に示すような位相進みの場合、変化
率が負の場合も同様である。
【0045】なお、前述の補正時間tbd(n) による位相
補正を行わず、基準時間tbm のみで時間tbを決定した
場合でも、算出した電圧e(tpb) を理想的な転流タイミ
ングにおける電圧値として取り扱い、emax及びeminの更
新時に反映させることにより、emax及びeminの更新毎に
平均的な位相補正を行った場合と同様の効果が得られ
る。
【0046】一方、前述のように誘起電圧の交点におい
て転流を行った場合でも、図5(a)の誘起電圧に対し
て、図5(b)のように転流し通流相に電圧を印加した
場合、巻線電流im(t)は、最終到達電流Irと電気回
路的な時定数Trとで式(9)に示すように表される。
この時im(t)は、式(9)で示すように過渡応答する
ため最終電流値に達するまでに時間的な遅れを伴い、図
5(c)に示すように誘起電圧に対して電気的な位相遅
れを生じる。
【0047】 im(t)=Ir・{1−exp(−t/Tr)} …(9) さらに、転流の直後は、図5中のtzの期間は図6の等
価回路で示すようにフリーホイリングダイオードに電流
が流れ、その間端子電圧は、直流電源電圧の負に固定さ
れる。この時のtzは、回路定数が同じであれば、電流
の大きさに比例し、モータ電流の大きさがモータ出力に
比例することから、前述したように、モータ出力が大き
い場合や高速回転の場合には、1相の通流期間に対して
電流の立ち上がり時間がしめる割合が大きくなることか
ら、巻線電流の位相遅れが大きく影響し、充分なモータ
トルクが得られない。この時制御側では、モータ出力を
保つため或いは速度を一定に保つためにさらに電流を多
く流そうとし、結果的に巻線電流の位相遅れがモータ駆
動効率の低下を招く。これを防ぐため、端子電圧から誘
起電圧情報を検出する方法と同様の方法によってサンプ
リングし、直流電源電圧の負に固定されている期間を電
流の位相遅れの時間情報として検出し、モータ効率の低
下が極力起きないように位相を進ませ最適な転流タイミ
ングを決定する。
【0048】本実施例では、emax, eminの算出と同様に
1回転中の平均値を用い、その時の位相進ませ時間tad
は、3相モータの極数P,PWM周期Tpwm , 検出数Z
nより式(10)のように算出し、時刻tnから転流タ
イミングまでの時間tnb は、前述の時間tbと進ませ時
間tad とで式(11)のように再度算出する。
【0049】 tad=[Σ{Zn・Tpwm/2}]/(3・P/2) …(10) tnb=tb−tad …(11) 最終的に、時刻tnから次回転流タイミングまでの時間
tnb に決定し、他の通流相においても同様にして順次転
流していく。この時、フリーホイリングダイオードに、
電流が流れている時間を端子電圧から検出しているた
め、あらかじめ決められた設定値等を用いることなく、
回転数及び負荷が変化した場合においても、良質な制御
が可能である。
【0050】本実施例は、モータ制御が正常に行われて
いる場合には、図3に示すように通常、無通電相には、
前述したようにモータの回転によっておおよそ時間に対
する一次関数で表されるような誘起電圧が反映される。
しかし、正常にモータの転流制御が行われず、転流タイ
ミングが大きくずれた場合には、これとは、違った電圧
が検出される。
【0051】このことから、モータに印加している直流
電圧に相当するような電圧が検出された場合には、モー
タ回転数の急激な変化もしくは、脱調現象が起きた場合
であることから、通電を停止する。或いは、モータ制御
中に周期的に最新の回転数及び端子電圧検出のサンプリ
ング周期から一通流期間におけるおおよそのサンプリン
グ回数を算出しておき、このサンプリング回数と実際に
検出電圧の個数を比較し、この数に大きなひらきが生じ
た場合に通電を停止する。これによって、転流タイミン
グがずれた場合においても、巻線電流に過大な電流が流
れることによって誤ってインバータ素子を損傷すること
を防ぐ事ができる。
【0052】以上述べたように、低回転域から高回転
域、更に低負荷時から高負荷時に至るまで精度良くモー
タの制御ができる。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、モ
ータの出力が大きい場合や高速回転の場合でも巻線電流
の位相遅れによる効率低下を招くことなく、端子電圧の
時間に対する変化率から、ロータ位置を安定性良く推定
することを可能とし、低回転域から高回転域或いは低負
荷時から高負荷時に至るまで精度良くモータ制御ができ
ると共に推定した転流タイミングが適切な転流タイミン
グから大きくずれた場合においてもインバータ回路を損
傷することのない、良質なモータ制御装置を構成でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による駆動方法が適用されるブラシレス
直流モータのシステム構成を示すブロック図である。
【図2】モータに対して理想的な転流タイミングで通流
が制御され、モータが一定速度で回転している状態にお
けるモータの誘起電圧,検出端子電圧,処理電圧の波形
を模式化して示す図である。
【図3】検出端子電圧波形の拡大図である。
【図4】転流タイミングの位相の進み,遅れを説明する
処理電圧波形を示す図である。
【図5】誘起電圧と端子電圧及び巻線電流の位相遅れを
示す図である。
【図6】図5中のtz期間におけるインバータ回路電流
経路の等価回路を示す図である。
【符号の説明】
1…直流電源、2…インバータ回路、3…セレクタ、4
…A/D変換器、5…制御部、6…ドライバ回路部、7
…ステータ、8…ロータ、9…負荷、tp1,e(tp
1),tp2,e(tp2)…最適な転流タイミングとそ
の時の電圧値、Ts…誘起電圧情報有効期間、emax…誘起
電圧の上に凸な変曲点電圧、emin…誘起電圧の下に凸な
変曲点電圧、t1,t2,tn,t(n−1),t(n−
m)…サンプリング時刻、e(t1),e(t2),e(t
n),e(t(n−1)),e(t(n−m))…サンプリング
電圧、Δv…電圧変化量、Δt…時間変化量、e(tpb)
…理想的な前回転流時の誘起電圧、e(tp)…理想的な
次回転流時の誘起電圧、e(t41),e(t42)…前回転流
時に求めた変化率より算出される前回転流点での推定電
圧、e(t′41),e(t′42)…次回転流タイミング
を決定するために求めた変化率による前回転流点での推
定電圧、tn…計算処理に入った時刻、tbm …計算処理
に入った時刻から次回転流推定時刻までの基準時間、e
(tpb) …前回変化率及び現在時刻における変化率から求
めた前回推定理想電圧、tbd(n) …前回転流時刻から前
回推定理想転流時刻までの位相進み,遅れ補正時間、t
b…誘起電圧情報のみから得られる次回転流推定時刻ま
での時間、tnb …巻線電流の位相遅れを考慮して得られ
る次回転流推定時刻までの時間。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 能登原 保夫 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 田原 和雄 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】永久磁石と電機子巻線とを有し、電機子巻
    線の各相の一端部が共通接続されて構成されるブレシレ
    ス直流モータの無通電相の端子電圧を検出し、検出され
    た端子電圧の時間に対する変化率に基づいて転流タイミ
    ングを決定するブラシレス直流モータの駆動方法におい
    て、前記検出電圧より環流期間を検出することを特徴と
    するブラシレス直流モータの駆動方法。
  2. 【請求項2】永久磁石と電機子巻線とを有し、電機子巻
    線の各相の一端部が共通接続されて構成されるブレシレ
    ス直流モータの無通電相の端子電圧を検出し、検出され
    た端子電圧の時間に対する変化率に基づいて転流タイミ
    ングを決定するブラシレス直流モータの駆動方法におい
    て、検出された前記環流期間に基づいて転流位相の補正
    を行うことを特徴とするブラシレス直流モータの駆動方
    法。
  3. 【請求項3】永久磁石と電機子巻線とを有し、電機子巻
    線の各相の一端部が共通接続されて構成されるブレシレ
    ス直流モータの無通電相の端子電圧を検出し、検出され
    た端子電圧の時間に対する変化率に基づいて転流タイミ
    ングを決定するブラシレス直流モータの駆動方法におい
    て、前記検出した電圧値或いはその数よりモータが正常
    に回転制御されているか否かを判定することを特徴とす
    るブラシレス直流モータの駆動方法。
  4. 【請求項4】前記ブラシレス直流モータの駆動がインバ
    ータ回路を用いて行われることを特徴とする請求項1な
    いし3記載のブラシレス直流モータの駆動方法。
  5. 【請求項5】前記端子電圧の検出が、インバータ回路を
    制御するPWM信号に同期して行われ、検出電圧の時間
    に対する変化率により外挿補間を行うことにより、検出
    不能時のロータ位置を連続的に推定することを特徴とす
    る請求項4記載のブラシレス直流モータの駆動方法。
  6. 【請求項6】それぞれ隣り合う相の端子電圧の検出値に
    対する補間値が交差する点を転流時刻として転流タイミ
    ングを決定することを特徴とする請求項5記載のブラシ
    レス直流モータの駆動方法。
  7. 【請求項7】前記端子電圧の時間に対する変化率に基づ
    いて算出した隣り合う相の電圧補間値の交点の電圧値の
    最大値及び最小値がそれぞれ一定になるようにモータの
    出力トルクを制御することを特徴とする請求項5または
    6記載のブラシレス直流モータの駆動方法。
  8. 【請求項8】前記補間値の時間に対する変化率を連続的
    なモータの速度変化情報として取り扱って、モータの駆
    動制御を行うことを特徴とする請求項5記載のブラシレ
    ス直流モータの駆動方法。
  9. 【請求項9】前記補間値を基に推定した転流タイミング
    における電圧値から算出した電圧補間値の交点の電圧値
    を請求項6記載の最大値及び最小値電圧に反映させるこ
    とを特徴とする請求項5ないし8記載のブラシレス直流
    モータの駆動方法。
  10. 【請求項10】前記外挿補間が、検出電圧の直線性の良
    い部分の変化率に基づいて行われることを特徴とする請
    求項5ないし9のうち1記載のブラシレス直流モータの
    駆動方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6111333A (en) * 1998-03-13 2000-08-29 Hitachi, Ltd. Magnetic bearing, rotating machine mounting the same, and method for driving rotating machine
US6879129B2 (en) * 2001-03-29 2005-04-12 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Brushless motor control method and controller
KR100645363B1 (ko) * 1998-03-23 2006-11-14 가부시끼가이샤 히다치 세이사꾸쇼 무브러시 모터의 제어장치 및 이 모터를 사용한 기기
US9515587B2 (en) 2014-03-06 2016-12-06 Ricoh Company, Ltd. Phase detector, motor drive controller, motor device, and method of detecting phase of rotor
CN115395850A (zh) * 2022-08-26 2022-11-25 北京合康新能变频技术有限公司 电机参数辨识方法、装置、存储介质及电子设备

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