JPH0957338A - 鋼板コイルの巻き戻し装置 - Google Patents

鋼板コイルの巻き戻し装置

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JPH0957338A
JPH0957338A JP21494195A JP21494195A JPH0957338A JP H0957338 A JPH0957338 A JP H0957338A JP 21494195 A JP21494195 A JP 21494195A JP 21494195 A JP21494195 A JP 21494195A JP H0957338 A JPH0957338 A JP H0957338A
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Sadao Fujita
定雄 藤田
Masaki Aihara
正樹 相原
Hiromitsu Nakano
博充 中野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】巻き戻す途中での鋼板の突っ掛かりを確実に防
止でき、しかも大幅なコストアップ等の不利益を招くこ
とがない鋼板コイルの巻き戻し装置を提供することを目
的としている。 【解決手段】左右のテーブルローラ8間には、溝9に沿
って長手方向に往復走行可能な鋼板展開用セルフクラン
プ装置としてのクランパ10を設け、巻き戻される鋼板
Sの端部をそのクランパ10で挟み込んで鋼板Sの巻き
戻し方向に引っ張るようにした。なお、クランパ10の
移動速度で決まる鋼板Sの引っ張り速度は、ピンチロー
ル3の回転速度で決まる鋼板Sの巻き戻し速度よりも5
%程度速い速度とする。また、クランパ10には、鋼板
Sの端部の幅方向全体を下面側から支えるガイドプレー
トを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、コイル状に巻き
取られた鋼板の少なくとも一部分を平らな状態に巻き戻
す鋼板コイルの巻き戻し装置に関し、特に、鋼板コイル
の表面の状態を検査する表面検査設備に好適な構造とし
たものである。
【0002】
【従来の技術】従来の表面検査設備に用いられていた鋼
板コイルの巻き戻し装置は、概ね図9に示すような構成
であった。即ち、この巻き戻し装置は、巻き戻される鋼
板コイル1が挿入されて回転駆動可能なリール2と、こ
のリール2に同期して回転駆動可能なピンチロール3
と、このピンチロール3に連続して配設されたレベラロ
ール4と、複数の従動式のテーブルローラ5及びエプロ
ン6を交互に配設してなる展開テーブル7とから構成さ
れている。
【0003】そして、巻き戻される鋼板コイル1をリー
ル2に挿入し、そのリール2を回転させることにより鋼
板コイル1の端部を巻き戻してピンチロール3に噛み込
ませ、その後は、ピンチロール3をリールに同期させて
同じ方向に回転させ、鋼板Sをレベラロール4を通過さ
せることにより矯正して平坦に戻し、さらに鋼板コイル
1を巻き戻して鋼板Sを展開テーブル7のテーブルロー
ラ5上を進行させて、展開テーブル7上に鋼板Sを検査
に必要な長さ(例えば30m程度)だけ水平に展開する
ようにしていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような従来の鋼板コイルの巻き戻し装置にあっては、
リール2及びピンチロール3を回転駆動させることによ
り鋼板Sを後ろから押すようにして展開テーブル7上に
展開させる構成であったため、側面図である図10及び
斜視図である図11に示すように、鋼板Sの端部がテー
ブルローラ5とエプロン6との間に突っ掛かり鋼板Sの
進行が妨げられてしまうことが度々発生していた。この
ため、鋼板Sの突っ掛かりが発生した時点で巻き戻しを
一旦停止し、突っ掛かりを解消してから再び巻き戻しを
行わなければならず、表面検査の準備に長時間を要して
しまうことがあった。このような問題点は、特に、板厚
の薄い鋼板や板幅の広い鋼板のように端部が垂れ下がり
易い鋼板、並びに端部形状がテーブルローラ5及びエプ
ロン6間に突っ掛かり易い形状の鋼板等を展開する場合
に比較的多く発生していた。
【0005】そして、かかる問題点については、テーブ
ルローラ5を送り方向に回転駆動させて対処していた
が、これでも特に板厚の薄い鋼板を展開する場合には度
々突っ掛かりが発生しており、十分な解決策とはなって
いなかった。しかも、展開テーブル7が30m程度もあ
ると30本程度のテーブルローラ5を設けているため、
全てのテーブルローラ5を駆動する構造では、設備費
用,配設スペース,メンテナンス等の面で非常に不利で
ある。また、ピンチロール3と同様の駆動ロールを展開
テーブル7の中途の複数位置に設け、多数のピンチロー
ル3により鋼板Sを送るようにすれば、突っ掛かりを防
止しつつ鋼板Sを水平に展開することはできるが、これ
では、鋼板Sの上面側の所々がピンチロール3によって
隠されてしまうため、特に表面検査設備に適用した場合
に鋼板Sの表面検査の邪魔となってしまうという不具合
がある。
【0006】本発明は、このような従来の技術が有する
未解決の課題に着目してなされたものであって、鋼板S
の突っ掛かりを確実に防止でき、しかも大幅なコストア
ップ等の不利益を招くことがない鋼板コイルの巻き戻し
装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係る発明は、コイル状に巻き取られた鋼
板の少なくとも一部分を平らな状態に巻き戻す鋼板コイ
ルの巻き戻し装置において、前記鋼板の端部を挟み込ん
で前記鋼板の巻き戻し方向に引っ張る鋼板展開用セルフ
クランプ装置を備えた。即ち、鋼板展開用セルフクラン
プ装置が鋼板の端部を引っ張るため、鋼板の端部が突っ
掛かるようなことが発生し難くなる。
【0008】また、請求項2に係る発明は、上記請求項
1に係る発明である鋼板コイルの巻き戻し装置におい
て、前記鋼板展開用セルフクランプ装置は、前記鋼板の
巻き戻し速度よりも速い速度で前記鋼板の端部を引っ張
るようにした。この場合、望ましくは、鋼板の引っ張り
速度を鋼板の巻き戻し速度よりも数%(例えば、5%)
程度速い速度とする。すると、鋼板は確実に平坦に展開
されるようになる。
【0009】そして、請求項3に係る発明は、上記請求
項1又は請求項2に係る発明である鋼板コイルの巻き戻
し装置において、前記鋼板展開用セルフクランプ装置
は、前記鋼板の端部の幅方向全体を下面側から支えるガ
イドプレートを有することとした。即ち、ガイドプレー
トが鋼板の端部下面側の幅方向全体を支えるため、板幅
の広い鋼板であってもその側縁部が垂れ下がるようなこ
とが防止される。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1乃至図7は本発明の一実施の
形態を示す図であって、これは本発明に係る鋼板コイル
の巻き戻し装置を表面検査設備に適用した場合の実施の
形態を示している。なお、図9に示した従来の巻き戻し
装置と同様の構成には、同じ符号を付しその重複する説
明は省略する。
【0011】先ず、構成を説明すると、表面検査設備に
おける鋼板コイルの巻き戻し装置の概略構成の平面図で
ある図1及び側面図である図2に示すように、鋼板Sの
展開テーブル7は、最もレベラロール4側に配設されそ
の展開テーブル7の幅方向全体に渡る従来と同様のテー
ブルローラ5と、そのテーブルローラ5の鋼板Sの巻き
戻し方向の下流側(図1左側)に所定間隔をあけて配設
され且つ左右に分断された複数の短いテーブルローラ8
と、から構成されている。左右に分断されたテーブルロ
ーラ8の間に、展開テーブル7の長手方向に延びる溝9
が形成されていて、溝9はテーブルローラ5に近接した
位置から展開テーブル7の端部にまで至っている。
【0012】そして、左右のテーブルローラ8間には、
溝9に沿って長手方向に往復走行可能な鋼板展開用セル
フクランプ装置としてのクランパ10が配設されてい
て、巻き戻される鋼板Sの端部をこのクランパ10で挟
み込んで巻き戻し方向に引っ張るようにしている。具体
的には、溝9の前端部及び後端部には、一対のスプロケ
ットホイール11A,11Bが配設され、溝9の裏側に
は、前後方向(図1の左右方向)に離隔した一対の固定
ホイール12a,12b及び上下動可能な可動ホイール
12cからなるチェーン緊張装置12が配設され、それ
らスプロケットホイール11A,11B及びチェーン緊
張装置12にチェーン13が掛け渡されていて、そのチ
ェーン13の一端部がクランパ10の前面側に固定さ
れ、そのチェーン13の他端部がクランパ10の背面側
に固定されている。つまり、スプロケットホイール11
A(又は11B)を正転方向又は逆転方向に回転駆動さ
せればチェーン13が往復循環するから、これに固定さ
れたクランパ10が溝9に沿って往復移動するようにな
る。なお、ここでは、クランパ10がスプロケットホイ
ール11A側からスプロケットホイール11B側に走行
する方向を行き方向、クランパ10がスプロケットホイ
ール11B側からスプロケットホイール11A側に走行
する方向を帰り方向とし、クランパ10が行き方向に移
動する場合のスプロケットホイール11A,11Bの回
転方向を正転方向、クランパ10が帰り方向に移動する
場合のスプロケットホイール11A,11Bの回転方向
を逆転方向とする。
【0013】クランパ10の詳細な構成例を図3〜図5
に示す。なお、図3は一部破断側面図、図4は平面図、
図5は図4のV−V線断面図である。即ち、これら図3
〜図5に詳細に示すように、クランパ10は、左右の側
板20a,20b及び前後の端板20c及び20dを組
み立ててなる上面及び下面が開放された略箱型のハウジ
ング20を本体としていて、そのハウジング20の前側
の端板20c外面にチェーン13の一端部が固定され、
後側の端板20d外面にチェーン13の他端部が固定さ
れている。
【0014】また、ハウジング20の左右の側板20
a,20b外面のそれぞれの前後に離隔した二位置の計
四位置には、回転自在な車輪21がその回転軸を左右方
向(溝9の幅方向)に向けて固定されるとともに、同じ
く側板20a,20b外面の各車輪21固定位置よりも
ハウジング20端部寄りには、車輪21の車軸端面より
も外側に張り出すように回転自在なガイドロール22が
その回転軸を上下方向に向けて固定されている。
【0015】そして、特に図5に示すように、溝9の上
方には、テーブルローラ8の内側の軸受ユニット8Aの
さらに内側に位置してその溝9の長手方向に延びるよう
に、横断面略コ字形状の一対のレール部材23が、各車
輪21を上下方向から余裕を持って挟み込むように配設
されている。つまり、このクランパ10は、その車輪2
1がレール部材23の内底面上を転がりつつ溝9の長手
方向に走行するようになっている。また、クランパ10
の軌道が左右方向にずれた場合でも、左右両側に突出す
るように設けられたガイドロール22がレール部材23
の内側面上を転がるから、クランパ10の安定した走行
が確保されるようになっている。なお、レール部材23
の内側の面には、車輪21やガイドロール22の衝突時
の衝撃を緩和するために、レール部材23の長手方向に
長い例えばゴム状弾性体からなる緩衝シート23aが張
り付けてある。
【0016】一方、側板20a,20bのそれぞれの端
板20d寄り位置の上部には、立ち上がり部20eが形
成されていて、それら両立ち上がり部20eの端板20
c側の垂直に切り立った端面20fには、ハウジング2
0の左右方向に延びて略展開テーブル7の幅方向全体に
渡る板状部材25が、その幅方向を上下に向けた状態で
例えば溶接等により固定されている。
【0017】そして、板状部材25の端板20c側を向
く垂直面には、板状部材25と同様に左右方向に延びて
略展開テーブル7の幅方向全体に渡る下側のガイドプレ
ート26が、水平状態に固定されている。なお、ガイド
プレート26の端板20c寄りの縁部26aは、若干下
方に向けて傾斜している。また、板状部材25の上端面
には、ハウジング20と略同等の幅で端板20c側に延
びる上側のガイドプレート27が固定されている。な
お、ガイドプレート27の端板27d側端部下面には板
状部材25と平行に補助板27Aが溶接等により固定さ
れ、その補助板27Aが側板20a及び20b間に差し
込まれるとともに板状部材25にボルト等により固定さ
れていて、これにより、ガイドプレート27をハウジン
グ20に強固に固定できるようになっている。
【0018】そして、ガイドプレート27の縁部27a
は若干上方に向けて傾斜していて、両ガイドプレート2
6及び27の縁部26a及び27aによって、端板20
c側から入り込む鋼板Sの端部を案内してそれら両ガイ
ドプレート26及び27間に誘い込む案内口28が形成
されている。なお、クランパ10が最もテーブルローラ
5側に位置したときに、下側のガイドプレート26のさ
らに端板20c寄りに位置するように、そのガイドプレ
ート26と同様に左右方向に延びて略展開テーブル7の
幅方向全体に渡るエプロン6が展開テーブル7上に固定
されている。
【0019】また、両ガイドプレート26及び27間の
隙間は、展開する鋼板Sの厚さよりも広くする必要があ
る。よって、薄板や厚板等の各種の鋼板Sが運び込まれ
る表面検査設備に適用する場合には、両ガイドプレート
26及び27間の隙間は、最も厚い鋼板Sの板厚に基づ
いて設定する必要がある。一方、ハウジング20内の前
後方向略中央部には、左右方向で所定距離隔てて対向す
るように一対の平板状のブラケット30a,30bが固
定されていて、それらブラケット30a及び30b間
に、偏心カム31がその回転軸31aを左右方向に向け
て取り付けられている。かかる偏心カム31は、これが
回転してその回転軸31aを中心にして径方向外側に大
きく張り出した側が上方を向いたときに、その上端部が
上側のガイドプレート27の下面直下に届くような寸法
となっている。なお、下側のガイドプレート26の偏心
カム31の真上の部分には、偏心カム31の上方への突
出を許容する開口部26Aが形成されている。また、偏
心カム31の径方向外側に大きく張り出した側の表面に
は、その表面が上方を向いたときに鋭利な部分が鋼板S
に噛み込むように加工された多数の突条からなる滑り止
め31Aが形成されるとともに、偏心カム31の滑り止
め31Aが形成された側とは逆側の表面の軸方向中心部
には、ブラケット31Bが突出するように一体に形成さ
れている。
【0020】そして、ハウジング20内の端板20c寄
りの位置には、ハウジング20の幅方向を向き且つ左右
に分割されたシャフト33a,33bが固定されてい
て、このシャフト33a,33bには、箱体34が回転
自在に取り付けられ、かかる箱体34を、入れ子式の伸
縮自在な伸縮棒35の先端側が貫通固定されている。こ
の伸縮棒35の後端側は、偏心カム31のブラケット3
1Bをその厚さ方向に貫通するシャフト31bに回転自
在に連結されていて、この伸縮棒35には、これを延ば
す方向である図3の矢印B方向に常時付勢するコイルス
プリング36が外嵌している。
【0021】なお、伸縮棒35の滑らかに形成された後
端面は、ブラケット30aの略円弧状の外面に接触する
ようになっていて、これにより、コイルスプリング36
の付勢力により伸縮棒35が延びると、ブラケット31
Bは、図3に矢印Cで示すように後下側に回り込むよう
に変位するようになっている。また、ブラケット31B
を挟んで伸縮棒35が取り付けられた側とは逆側のシャ
フト31bには、略く字形状のレバー38の上端部が回
転自在に取り付けられている。ただし、レバー38の上
端部には、その長手方向を向く長孔が貫通形成されてい
て、かかる長孔をシャフト31bが貫通している。つま
り、シャフト31b及びレバー38は、長孔の範囲内で
レバー38の長手方向に相対変位できるようになってい
る。
【0022】レバー38の屈曲部は、その凸側が端板2
0c側を向いていて、かかる屈曲部を、側板20a及び
20b間にハウジング20の幅方向を向いて固定された
シャフト38aが貫通している。これにより、レバー3
8は、シャフト38aを支点として回転自在となってい
る。また、レバー38の下端部には、回転軸が溝9の幅
方向を向いた車輪38bが取り付けられていて、レバー
38の寸法は、その下端部の車輪38bが、溝9の底面
の若干上方に位置する程度となっている。
【0023】さらに、溝9の底面上には、クランパ10
が最もテーブルローラ5側に位置したときに、図3に示
すようにレバー38の下端部が乗り上げることができる
厚板9Aが固定されている。なお、厚板9Aの図3左側
端部には、レバー38の車輪38bの転がりを助けてレ
バー38の乗り上げをスムーズにするための斜面9aが
形成されている。
【0024】なお、クランパ10が移動しても、ハウジ
ング20から左右に大きく張り出したガイドプレート2
6とテーブルローラ8とが衝突しないよう、図5に示す
ように、最もテーブルローラ5側に位置するテーブルロ
ーラ8以外の複数のテーブルローラ8とガイドプレート
26との間に、隙間αが形成されるように、例えば各テ
ーブルローラ8の軸の位置を若干下方にずらしている。
【0025】次に、この鋼板コイルの巻き戻し装置の動
作を説明する。即ち、リール2に取り付けられた鋼板コ
イル1を巻き戻していない状態では、スプロケット11
Aを駆動させて、クランパ10を最もテーブルローラ5
側に位置させる。つまり、巻き戻し開始時には、クラン
パ10を図3に示すような状態としておく。かかる状態
では、レバー38の下端部が厚板9に乗り上げているか
ら、レバー38の上端部はコイルスプリング36の付勢
力に抗しつつ前上側に位置し、これに伴って偏心カム3
1はガイドプレート26の下方に収容され、両ガイドプ
レート26及び27間には隙間が形成されている。
【0026】そして、鋼板コイル1の巻き戻しが開始さ
れると、リール2が回転駆動して鋼板コイル1の端部が
ピンチロール3側に出ていき、その端部がピンチロール
3に噛み込む。鋼板Sの端部がピンチロール3に噛み込
んだ後は、ピンチロール3がリール2に同期して同じ方
向に回転して、さらに鋼板Sはレベラロール4に送り込
まれ、鋼板Sはこのレベラロール4を通過することによ
り矯正されて略平坦な状態に戻される。
【0027】レベラロール4を通過した鋼板Sは、さら
に進行してテーブルローラ5上を通過し、最初のテーブ
ルローラ8及びエプロン6に案内されて、その端部が案
内口28内に入り込む。そして、鋼板Sは、リール2及
びピンチロール3の回転駆動にさらにより送り込まれる
が、その端部が板状部材25に当接した時点若しくは当
接する直前で鋼板コイル1の巻き戻しは一旦停止する。
なお、鋼板コイル1がリール2から巻き戻されてその端
部がピンチロール3に噛み込までの間は、リール2の回
転速度を調節する速度制御が実行されるが、鋼板Sの端
部がピンチロール3に噛み込んだ後は、リール2及びピ
ンチロール3に対しては電流制御が実行されるととも
に、リール2はピンチロール3に対して若干ブレーキが
掛かるように回転させる。
【0028】また、鋼板コイル1の巻き戻しを一旦停止
するタイミング、つまり鋼板Sの端部が板状部材25に
当接した時点若しくは当接する直前であることの検知
は、鋼板Sがピンチロール3に噛み込んだ直後からのそ
のピンチロール3の回転数をパルスジェネレータを利用
して計数し、その計数値及びピンチロール3の円周から
鋼板Sの移動距離を求めることにより容易に行える。
【0029】鋼板コイル1の巻き戻しを一旦停止した後
には、再びピンチロール3を回転駆動させて鋼板コイル
1の巻き戻しを再開させるが、かかるピンチロール3の
回転駆動開始と同時に、スプロケット11Aを正転方向
に回転駆動させて、クランパ10を行き方向に移動させ
る。クランパ10が図3の位置から行き方向(左方向)
に移動すると、レバー38の下端部も車輪38bの転が
りを伴って同方向に移動して斜面9aを下り、厚板9A
に乗り上げていた状態が解消されるから、レバー38の
下端側は、図3に矢印A方向に回転可能となる。
【0030】すると、コイルスプリング36による矢印
B方向の付勢力によって、偏心カム31のブラケット3
1bが矢印C方向に回転する。なお、伸縮棒35の先端
側はシャフト33a,33bを中心に回転可能であり、
伸縮棒35の後端面はブラケット30aの外面に沿って
滑らかに移動可能であり、しかもレバー38上端部のシ
ャフト31bが貫通する孔が長孔となっているから、ブ
ラケット31bの矢印C方向への回転は問題なく行われ
る。
【0031】そして、ブラケット31bが回転すれば、
偏心カム31も同じ方向に回転するから、滑り止め31
Aが形成された部分が矢印D方向に回転し、開口部26
Aを通過して、滑り止め31Aが鋼板Sの下面に当接す
るが、滑り止め31Aは上側のガイドプレート27の下
面直下に到達する寸法となっているので、滑り止め31
Aはコイルスプリング36の付勢力によりさらに上昇し
ようとする。よって、鋼板Sは、偏心カム31及びガイ
ドプレート27下面間に強固に挟み込まれることにな
る。このときの状態を概略図示すると、図6のようにな
る。
【0032】なお、クランパ10の行き方向の移動速度
で決まる鋼板Sの引っ張り速度は、ピンチロール3の回
転速度で決まる鋼板Sの巻き戻し速度よりも、5%程度
速い速度とし、これにより、ピンチロール3及びクラン
パ10間の鋼板Sが、確実に水平に展開されるようにす
る。また、このような速度差によって鋼板Sがクランパ
10から抜けようとしても、滑り止め31Aの鋭利な部
分が鋼板Sに食い込むから、引っ張っている途中で鋼板
Sがクランパ10から脱落してしまうようなことは防止
される。
【0033】ここで、上記のような速度差を与えると、
滑り止め31Aが鋼板Sに十分に食い込む前に、鋼板S
がクランパ10から抜けてしまうことが懸念されるの
で、レバー38の下端部が厚板9A上から完全に外れる
までの間は、クランパ10による鋼板Sの引っ張り速度
と、ピンチロール3による鋼板Sの巻き戻し速度は同じ
にすることが望ましく、これは、スプロケット11Aを
回転駆動させる電動モータとピンチロール3駆動用の電
動モータとの立ち上がり特定が略同じ電動モータを適用
すれば容易に達成される。なお、仮に両方の電動モータ
の立ち上がり特性に差があり、最初からクランパ10に
よる鋼板Sの引っ張り速度の方が速かったとしても、板
状部材25と偏心カム31との間の距離を十分確保して
おけば、鋼板Sがクランプ10から完全に抜ける前に滑
り止め31Aが鋼板Sに食い込むようになるから、特に
問題はない。
【0034】そして、クランプ10が鋼板Sの端部を引
っ張りつつ鋼板Sが展開テーブル7上に平坦に展開され
るから、図10や図11に示したように、鋼板Sの端部
が突っ掛かってしまうようなことはない。特に、この実
施の形態では、両ガイドプレート26及び27間に鋼板
Sが入り込んだ状態では、下側のガイドプレート26が
鋼板S端部の幅方向全体を下面側から支えることになる
から、鋼板Sが薄板であってもその端部の角部分等が垂
れ下がることもない。よって、鋼板Sの端部が突っ掛か
ってしまうことを確実に防止できる。
【0035】このため、鋼板Sを展開するという表面検
査の準備を確実に所定時間内に行うことができるし、鋼
板コイル1の巻き戻し設備を自動化することを考えた場
合、突っ掛かりが皆無となればその異常を検出する設備
も不要となる利点がある。また、テーブルローラを送り
方向に回転駆動させる従来の解決策と比較しても、新た
な駆動系は一つであるから、設備費用,配設スペース,
メンテナンス等の面で非常に有利である。
【0036】クランパ10による引っ張りつつ鋼板Sを
展開テーブル7全体に例えば30m程度広げたら、スプ
ロケット11A及びピンチロール3の回転駆動を停止
し、鋼板Sの表面の凹凸の有無等の性状を目視或いは自
動検査装置により検査することになるが、特にピンチロ
ール3と同様の駆動ロールを展開テーブル7の中途の複
数位置に設けている構造ではないから、この実施の形態
は鋼板Sの表面検査を実施する上でも有利である。
【0037】展開された鋼板Sの表面検査が終了した
ら、スプロケット11Aを逆転方向に回転駆動させてク
ランパ10を戻り方向に移動させるとともに、リール2
及びピンチロール3を巻き戻し方向に回転駆動させる。
なお、この巻き戻し時には、スプロケット11Aの回転
駆動によるクランパ10の移動速度を、ピンチロール3
による鋼板Sの巻き戻し速度によりも5%程度遅くする
ことにより、鋼板Sにテンションが掛かった状態で鋼板
コイル1を巻き取るようにする。
【0038】そして、レバー38の下端部が厚板9Aに
まで至ると、その斜面9aを車輪38bが転がりつつレ
バー38の下端部が厚板9A上に乗り上げるから、レバ
ー38がコイルスプリング36の付勢力に抗しつつ回転
してその上端部が前上側に移動し、同時に偏心カム31
が回転してその滑り止め31Aが形成された部分が鋼板
Sから外れ、偏心カム31はガイドプレート26の下方
に収容される。この時点で、スプロケット11Aの回転
駆動は停止され、クランパ10は停止状態となる。この
ときの状態を概略図示すると、図7のようになる。
【0039】すると、鋼板Sは抜け方向に自由となるか
ら、さらにピンチロール3及びリール2が巻き取り方向
に回転すれば、クランパ10から鋼板Sが抜けて、鋼板
コイル1の巻き取りが完了する。このように、本実施の
形態の構造であれば、巻き戻し開始直後にクランパ10
が自動的に鋼板Sの端部を挟み込み、巻き取り完了直前
にクランパ10が自動的に鋼板Sの挟み込みを解除する
ようになっている。よって、作業者の手間が増えてしま
うようなこともない。
【0040】図8は、本発明の他の実施の形態を示す図
であって、図3と同様にクランパ10の一部破断側面図
である。即ち、この実施の形態では、図3の例では偏心
カム31の表面に設けていた滑り止め31Aに代えて、
その偏心カム31が上方を向いたときに対向するガイド
プレート27の裏面に、滑り止め31Aと同様に鋼板S
の表面に食い込むことが可能な滑り止め27Bを形成し
ている。その他の構成は、上記実施の形態と同様であ
る。
【0041】このような構成であっても、偏心カム31
が回転してその径方向外側に大きく張り出した部分が上
方を向いて鋼板Sの下面に当接すれば、鋼板Sが抜けよ
うとしても滑り止め27Bの鋭利な部分が鋼板Sに食い
込むから、図3に示した実施の形態の場合と同様の作用
効果が得られる。なお、上述した各実施の形態では、本
発明に係る鋼板コイルの巻き戻し装置を表面検査設備に
用いた場合を説明しており、本発明の適用対象としては
上述したような種々の有利な点から表面検査設備が特に
好適であるが、それ以外の設備にも本発明は適用可能で
ある。
【0042】また、鋼板Sの端部を挟み込む機構は上述
した実施の形態に限定されるものではなく、例えば電磁
石等を利用して端部を挟み込んで保持するような構造で
あってもよい。しかし、設備費や信頼性の面からすれ
ば、上述した実施の形態のように、偏心カム31,レバ
ー38,コイルスプリング36等からなる機械的なリン
ク機構により実現することが好ましい。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る発
明によれば、鋼板の端部を挟み込んで鋼板の巻き戻し方
向に引っ張る鋼板展開用セルフクランプ装置を設けて、
鋼板の端部を引っ張りつつ鋼板コイルを巻き戻すように
したため、鋼板の端部が突っ掛かるようなことが発生し
難くなり、鋼板の展開を確実に所定時間内に行うことが
できるし、鋼板コイルの巻き戻し設備を自動化する場合
や、設備費用,配設スペース,メンテナンス等の面でも
有利であるという効果がある。
【0044】特に、請求項2に係る発明によれば、上記
請求項1に係る発明の効果に加えて、鋼板を確実に平坦
に展開することができ、表面検査設備等に利用した場合
に非常に好適である。そして、請求項3に係る発明によ
れば、鋼板展開用クランプ装置に、鋼板の端部の幅方向
全体を下面側から支えるガイドプレートを設けたため、
ガイドプレートが鋼板の端部下面側の幅方向全体を支え
ることができ、板幅の広い鋼板であってもその側縁部が
垂れ下がるようなことが防止されるから、鋼板の端部が
突っ掛かるようなことを確実に防止することができると
いう効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す全体平面図であ
る。
【図2】本発明の一実施の形態を示す全体側面図であ
る。
【図3】クランパの一部破断側面図である。
【図4】クランパの平面図である。
【図5】図4のV−V線断面図である。
【図6】実施の形態における動作を説明する概略構成図
である。
【図7】実施の形態における動作を説明する概略構成図
である。
【図8】本発明の他の実施の形態におけるクランパの一
部破断側面図である。
【図9】従来の技術を説明する側面図である。
【図10】従来の問題点を説明する側面図である。
【図11】従来の問題点を説明する斜視図である。
【符号の説明】
1 鋼板コイル 2 リール 3 ピンチロール 4 レベラロール 5,8 テーブルローラ 6 エプロン 7 展開テーブル 9 溝 10 クランパ(鋼板展開用クランプ装置) 11A,11B スプロケット 12 チェーン緊張装置 13 チェーン 20 ハウジング 26 ガイドプレート S 鋼板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 相原 正樹 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内 (72)発明者 中野 博充 広島県広島市西区南観音六丁目4番31号 株式会社リョーセンエンジニアズ内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コイル状に巻き取られた鋼板の少なくと
    も一部分を平らな状態に巻き戻す鋼板コイルの巻き戻し
    装置において、前記鋼板の端部を挟み込んで前記鋼板の
    巻き戻し方向に引っ張る鋼板展開用セルフクランプ装置
    を備えたことを特徴とする鋼板コイルの巻き戻し装置。
  2. 【請求項2】 前記鋼板展開用セルフクランプ装置は、
    前記鋼板の巻き戻し速度よりも速い速度で前記鋼板の端
    部を引っ張る請求項1記載の鋼板コイルの巻き戻し装
    置。
  3. 【請求項3】 前記鋼板展開用セルフクランプ装置は、
    前記鋼板の端部の幅方向全体を下面側から支えるガイド
    プレートを有する請求項1又は請求項2記載の鋼板コイ
    ルの巻き戻し装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011046417A (ja) * 2009-08-27 2011-03-10 Teraoka Seiko Co Ltd フィルムクランプ装置及び該装置を備えた包装装置

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