JPH0957901A - 樹脂被覆金属板 - Google Patents

樹脂被覆金属板

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JPH0957901A
JPH0957901A JP21607295A JP21607295A JPH0957901A JP H0957901 A JPH0957901 A JP H0957901A JP 21607295 A JP21607295 A JP 21607295A JP 21607295 A JP21607295 A JP 21607295A JP H0957901 A JPH0957901 A JP H0957901A
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JP
Japan
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resin
weight
parts
resistance
coating layer
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JP21607295A
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English (en)
Inventor
Kiwamu Yoshida
究 吉田
Kenji Ikishima
健司 壱岐島
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】良好な加工性、耐汚染性を有し、耐薬品性(特
に耐アルカリ性)にも優れ、家電製品用、自動車用の素
材として好適な樹脂被覆金属板を提供する。 【解決手段】下地処理が施された基材表面(またはその
上にプライマー塗装が施された表面)に、数平均分子量
が8000以上の共重合ポリエステル樹脂と、架橋剤と
が固形分重量比で90/10〜70/30の比率で配合
され、更に、樹脂の固形分総量100重量部に対して、
1種以上の顔料が合計で70〜130重量部配合されて
いる樹脂被覆層が設けられ、その上に最上層として、数
平均分子量が8000以上でガラス転移温度が30℃以
上90℃以下のポリエステル樹脂と架橋剤とが固形分重
量比で90/10〜65/35の比率で配合され、更に
これらの樹脂の固形分総量100重量部に対して、1種
以上の顔料が合計で20重量部以下配合されている樹脂
被覆層が1μm以上の厚みで設けられている樹脂被覆金
属板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加工性・耐汚染性
・耐薬品性及び光沢度に優れ、特に、家電製品用あるい
は自動車用の素材として好適な樹脂被覆金属板に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、塗装金属板は鋼板その他の金属
板に予め塗料を塗布焼付けした金属板であって、成形加
工が施され、そのまま製品として使用されるもので、冷
蔵庫、洗濯機、電子レンジ等の屋内で使用される家電製
品や、自動販売機、エアコン屋外機等の屋外で使用され
る家電製品等の素材として多用されている。
【0003】このように、塗装金属板は塗装後に加工・
組立を行うものであるから、その塗膜には高度の加工性
が要求されるとともに、そのまま製品の外観を構成する
ので、耐疵付き性や耐汚染性、耐薬品性といった性能が
要求される。
【0004】近年、上記の各性能を高度にバランスさせ
た、生産性の高い溶剤系の塗装鋼板が種々検討されてお
り、例えば、特開平4−256469号公報に「加工性
・耐汚染性に優れたプレコート鋼板」が開示されてい
る。これは、高分子直鎖型のポリエステル樹脂(数平均
分子量10000以上、ガラス転移温度15〜35℃)
とメラミン系硬化樹脂と硬化促進剤を含有する樹脂組成
物をビヒクルとして用いたプレコート鋼板で、加工性お
よび耐汚染性は良好であるが、耐疵付き性は十分でな
く、耐薬品性に関する記載はない。
【0005】色材協会誌vol.64、NO.12(1
991)では、壱岐島等により、ポリエステル−メラミ
ン系塗膜に於けるメラミン濃化現象と耐汚染性等の表面
物性との関係について報告されている。しかしながら、
この報告においては加工性や耐薬品性に関する記載はな
されていない。
【0006】また、特開平2−269168号公報に
は、ガラス転移温度が5〜40℃、数平均分子量が15
000〜30000のポリエステル樹脂とヘキサメトキ
シメチロールメラミン樹脂とを重量比で75/25〜5
5/45に配合した樹脂100重量部に対して、ドデシ
ルベンゼンスルホン酸のアミンブロック体を1〜2重量
部配合してなる塗装金属板用塗料組成物が開示されてい
る。この塗料を塗布、焼付けした鋼板は硬度、加工性、
耐汚染性、さらに光沢、耐薬品性、耐溶剤性のいずれに
も優れているとされているが、耐薬品性についての改善
効果は十分ではない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、良好な加工
性、耐汚染性を有するとともに、耐薬品性、特に耐アル
カリ性に優れた樹脂被覆金属板を提供することを目的と
してなされたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】従来、塗膜の耐アルカリ
性はアルカリ環境下でのポリエステル樹脂の加水分解性
に支配されると考えられていた。しかしながら、本発明
者らは、硬度・加工性・耐汚染性バランスの良好なポリ
エステル系樹脂被覆層に関して検討を行った結果、上記
物性バランスは塗膜の凝集力を大きくすることにより向
上できること、そのためには、ポリエステル樹脂の数平
均分子量を8000以上にし、ガラス転移温度を30℃
以上にするのが有効であることを見いだした。
【0009】一方、この様な構造を有するポリエステル
樹脂は一般に耐加水分解性が良好ではなく、従って耐ア
ルカリ性に劣るという傾向がある。そこで、本発明者ら
はアルカリによる塗膜劣化機構について検討した結果、
塗膜の耐アルカリ性(アルカリ浸漬による光沢低下)
は、ポリエステル樹脂の耐加水分解性に依存するという
従来の知見とは異なり、塗膜中に顔料として添加されて
いる酸化チタンに大きく影響されるという知見を得た。
即ち、酸化チタン顔料が存在すると、顔料の周囲のポリ
エステル樹脂が加水分解され、溶解消失しやすくなる
が、顔料を含まないクリアー被覆層では、従来耐アルカ
リ性(耐加水分解性)が良好でないとされているポリエ
ステル樹脂を使用しても、塗膜の光沢低下速度は非常に
小さい。さらに、ポリエステル樹脂の溶解消失する傾向
は塗膜の顔料濃度の増大にともない顕著になることも判
明した。
【0010】そこで、硬度・加工性・耐汚染性バランス
に優れた樹脂被覆層(顔料を含む)の上層に顔料を含ま
ないクリアー樹脂被覆層を形成した金属板についてこれ
ら各性能を調べた結果、下層の顔料を含む樹脂被覆層に
よって良好な加工性が得られ、上層の樹脂被覆層によっ
て良好な耐汚染性と耐アルカリ性が発現されることを確
認した。
【0011】本発明は、上記の知見に基づいてなされた
もので、その要旨は下記の樹脂被覆金属板にある。
【0012】下地処理が施された基材表面に、数平均分
子量が8000以上の共重合ポリエステル樹脂と、メチ
ロールメラミン樹脂、メチロールベンゾグアナミン樹脂
及びイソシアネート化合物のなかの1種以上とが固形分
重量比で90/10〜70/30の比率で配合され、更
に、これらの樹脂、またはこれらの樹脂及びイソシアネ
ート化合物の固形分総量100重量部に対して、1種以
上の顔料が合計で70〜130重量部配合されている樹
脂被覆層が設けられ、その上に最上層として、数平均分
子量が8000以上でガラス転移温度が30℃以上90
℃以下のポリエステル樹脂とメチロールメラミン樹脂ま
たは/及びメチロールベンゾグアナミン樹脂とが固形分
重量比で90/10〜65/35の比率で配合され、更
にこれらの樹脂の固形分総量100重量部に対して、1
種以上の顔料が合計で20重量部以下配合されている樹
脂被覆層が1μm以上の厚みで設けられていることを特
徴とする加工性・耐汚染性及び耐薬品性に優れた樹脂被
覆金属板。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の樹脂被覆金属板に
ついて詳細に説明する。
【0014】(1)基材、下地処理およびプライマー 本発明の樹脂被覆金属板の基材は特に限定されないが、
例えば、鋼板、アルミニウム板、銅板、ニッケル板等、
あるいはそれら金属板の表面に、溶融亜鉛めっき、合金
化溶融亜鉛めっき、電気亜鉛めっき、電気亜鉛−ニッケ
ル合金めっき、その他の亜鉛系めっき、アルミニウム系
めっき等が施された材料が好適である。
【0015】この基材の表面は、塗膜の密着性向上のた
めに、下地処理が施されている必要がある。下地処理と
しては、通常、樹脂被覆金属板の下地処理に用いられて
いるリン酸亜鉛処理およびクロメート処理の両方、また
はいずれか一方の処理がなされていればよい。
【0016】本発明の樹脂被覆金属板は、上記の下地処
理が施された基材の表面に、特定のポリエステル樹脂
(数平均分子量8000以上)と架橋剤(メチロールメ
ラミン樹脂、メチロールベンゾグアナミン樹脂及びイソ
シアネート化合物のなかの1種以上)と顔料(酸化チタ
ン)からなる樹脂被覆層(最上層から2番目の層なの
で、本明細書ではこの層を「第2層」という)が設けら
れ、その上に顔料添加量がが所定範囲内に制限されたポ
リエステル樹脂を主体とする樹脂被覆層が1μm以上の
厚みで設けられている樹脂被覆金属板である。
【0017】なお、防錆性等を向上させる目的で上記の
下地処理層の上にプライマー塗膜(ポリエステル系、エ
ポキシ系、ウレタン系等の樹脂を用いた下塗塗膜)が形
成されていることが望ましい。
【0018】(2)第2層(着色顔料を含む樹脂被覆
層) 樹脂被覆金属板には様々な色調が必要となる。そのた
め、通常、着色顔料を含んだ樹脂被覆層が設けられる。
本発明の樹脂被覆金属板においては、第2層の樹脂被覆
層に着色顔料を添加して、基材を隠ぺいするとともに所
望の色調を有する樹脂被覆金属板とする。この着色顔料
を含んだ樹脂被覆層について詳述する。
【0019】共重合ポリエステル樹脂 本発明の樹脂被覆金属板において、第2層に使用される
共重合ポリエステル樹脂は、数平均分子量が8000以
上であり、多塩基酸と多価アルコールから合成されるも
のであれば特に限定されない。数平均分子量が8000
以上であることが必要とされるのは、8000未満の場
合、加工性が低下するからである。数平均分子量の上限
は特に限定されないが、30000を超えると、加工性
の改善効果が殆ど飽和するばかりでなく、樹脂組成物の
粘度が高くなって塗装作業性が低下するので、3000
0以下であるのが好ましい。数平均分子量のより好まし
い範囲は、10000〜25000である。
【0020】架橋剤 ポリエステル樹脂は単体では耐沸水性、密着性等が十分
でないため、通常は架橋剤と反応させて使用する。本発
明の樹脂被覆金属板では、ポリエステル樹脂と架橋剤の
比率は固形分重量比で90/10〜70/30、すなわ
ち固形分重量比でポリエステル樹脂90に対して架橋剤
が10、ないしポリエステル樹脂70に対して架橋剤が
30、の範囲内とする。共重合ポリエステル樹脂の比率
が90重量%を超えると、塗膜硬度、耐汚染性のみなら
ず、耐沸水性、密着性等も低下し、一方、共重合ポリエ
ステル樹脂の比率が70重量%未満であると、加工性が
低下するからである。
【0021】数平均分子量が8000以上の共重合ポリ
エステル樹脂と反応し、良好な物性を示す架橋剤として
は、メチロールメラミン樹脂やメチロールベンゾグアナ
ミン樹脂、あるいはイソシアネート化合物が挙げられ
る。
【0022】メチロールメラミン樹脂やメチロールベン
ゾグアナミン樹脂とは、例えば、メトキシ化メチロール
ベンゾグアナミン、ブトキシ化メチロールベンゾグアナ
ミン、メトキシ化メチロールメラミン、ブトキシ化メチ
ロールメラミン、メトキシ化/ブトキシ化混合型メチロ
ールメラミン等であり、これらは単独でまたは併用して
使用され得る。
【0023】イソシアネート化合物としては、芳香族、
脂肪族のジイソシアネート、3価以上のポリイソシアネ
ートがあり、低分子化合物、高分子化合物のいずれでも
よい。例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキ
サメチレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネー
ト、ジフェニルメタンジイソシアネート、水素化ジフェ
ニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネ
ート、水素化キシリレンジイソシアネート、イソホロン
ジイソシアネートあるいはこれらのイソシアネート化合
物の3量体、およびこれらのイソシアネート化合物の過
剰量と、例えばエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、トリメチロールプロパン、モノエタノールアミ
ン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の低
分子活性水素化合物または各種ポリエステルポリオール
類、ポリアミド類の高分子活性水素化合物等とを反応さ
せて得られる末端イソシアネート化合物が挙げられる。
【0024】イソシアネート化合物は、ブロック化イソ
シアネートであってもよい。ブロック化イソシアネート
は上記イソシアネート化合物とイソシアネートブロック
化剤とを従来公知の方法により付加反応させることによ
り得られる。イソシアネートブロック化剤としては、例
えばフェノール、チオフェノール、メチルチオフェノー
ル、エチルチオフェノール、クレゾール、キシレノー
ル、レゾルシノール、ニトロフェノール、クロロフェノ
ール等のフェノール類、アセトオキシム、メチルエチル
ケトオキシム、シクロヘキサノンオキシム等のオキシム
類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノー
ル等のアルコール類、エチレンクロルヒドリン、1、3
−ジクロロ−2−プロパノール等のハロゲン置換アルコ
ール類、t−ブタノール、t−ペンタノール等の第3級
アルコール類、ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタ
ム、γ−ブチロラクタム、β−プロピロラクタム等のラ
クタム類が挙げられ、その他に、芳香族アミン類、イン
ド類、アセチルアセトン、アセト酢酸エステル、マロン
酸エチルエステル等の活性メチレン化合物、メルカプタ
ン類、イミン類、尿素類、ジアリール化合物重亜硫酸ソ
ーダ等も挙げられる。
【0025】これらのイソシアネート化合物は単独でま
たは上記のメチロールメラミン樹脂やメチロールベンゾ
グアナミン樹脂と併用して使用され得る。
【0026】触媒 架橋剤としてメチロールメラミン樹脂やメチロールベン
ゾグアナミン樹脂を使用する場合には、P−トルエンス
ルホン酸やドデシルベンゼンスルホン酸等のスルホン酸
系触媒を適宜使用するのが好ましい。その場合の添加量
は、ポリエステル樹脂と架橋剤の固形分総量100重量
部に対して0.3重量部〜5重量部とするのが好まし
い。0.3重量部未満では架橋反応が十分に進行せず、
5重量部を超えると架橋が著しく進行し加工性が低下す
るほか、耐沸水性も低下するからである。
【0027】架橋剤としてイソシアネート化合物を使用
する場合には、触媒としてジラウリル酸−n−ジブチル
スズ等の有機スズ塩やトリエチレンジアミン等の3級ア
ミン化合物を使用するのが好ましく、この場合も、前記
スルホン酸系触媒の場合と同様の理由により、添加量は
0.3〜5重量部とするのが望ましい。
【0028】顔料 本発明の樹脂被覆金属板においては、塗膜に意匠性、加
工性、硬度等を付与するために酸化チタン等の着色顔料
が添加され、密着性改善等のためにシリカ、カオリン等
の体質顔料が添加される。これらの顔料の種類、顔料相
互間の比率等は使用目的に合わせて適宜選択すればよ
く、特に限定されない。しかし、顔料全体の合計配合量
は、前記の樹脂、または樹脂及びイソシアネート化合物
の固形分総量100重量部に対して70重量部未満であ
れば、耐疵付き性、密着性および隠ぺい性等が低下し、
130重量部を超えると加工性、耐汚染性等が低下する
ので、70〜130重量部とした。より好ましくは、8
0〜120重量部である。
【0029】その他の添加剤 第2層の樹脂被覆層には、消泡剤、レベリング剤、表面
硬化調整剤、艶消し剤等の添加剤が添加されていてもよ
い。その種類や量は、樹脂被覆金属板の使用目的や製造
条件に合わせて適宜選択すればよく、特に限定されな
い。
【0030】(3)最上層 第2層(着色顔料を含む樹脂被覆層)の上に設けられて
いる最上層の樹脂被覆層の構成について以下に詳述す
る。
【0031】共重合ポリエステル樹脂 最上層に使用される共重合ポリエステル樹脂は、数平均
分子量が8000以上でガラス転移温度(Tg)が30
℃以上90℃以下の、多塩基酸と多価アルコールから合
成される共重合ポリエステル樹脂である。
【0032】〔モノマー組成〕使用される多塩基酸とし
ては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、アジピ
ン酸、コハク酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、
シクロヘキサンジカルボン酸等、あるいはそれらの低級
エステル、酸無水物等があり、これらの1種以上を使用
することができる。
【0033】使用される多価アルコールとしては、エチ
レングリコール、1、2−プロパンジオール、1、3−
プロパンジオール、1、3−ブタンジオール、1、4−
ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1、5−ペ
ンタンジオール、1、6−ヘキサンジオール、ジエチレ
ングリコール等があり、これらの1種以上を使用するこ
とができる。
【0034】さらに、必要に応じて3価以上の多塩基酸
であるトリメリット酸、ピロメリット酸、あるいは3価
以上の多価アルコールであるペンタエリスリトール、ト
リメチロールプロパン、トリメチロールエタン、グリセ
リン等が用いられたものであってもよい。
【0035】特に好ましい共重合ポリエステル樹脂は、
後に詳述するが、カルボン酸成分のうちテレフタル酸を
60モル%以上、スルホン酸金属基塩を含有するジカル
ボン酸を0.1〜5モル%含有し、多価アルコールのう
ちエチレングリコールを60モル%以上含有するもので
ある。
【0036】〔ガラス転移温度〕共重合ポリエステル樹
脂のガラス転移温度は30℃以上90℃以下とする。3
0℃未満では、耐疵付き性、耐汚染性が十分に発現され
ず、一方、90℃を超えると加工性が低下するからであ
る。より好ましい範囲は、40℃以上80℃未満であ
る。なお、ガラス転移温度の測定法には様々な方法があ
るが、ここでは、剛体振子法により得られた値をガラス
転移温度としている。
【0037】〔分子量〕共重合ポリエステル樹脂の数平
均分子量は8000以上とする。8000未満の場合、
十分な加工性が得られない。数平均分子量の上限は特に
限定されないが、30000を超えると、加工性の改善
効果が殆ど飽和するばかりでなく、樹脂組成物の粘度が
高くなり塗装作業性が低下するので、30000以下で
あるのが好ましい。数平均分子量のより好ましい範囲
は、10000〜25000である。
【0038】上記の条件を満たす共重合ポリエステル樹
脂であれば最上層の樹脂被覆層(クリアー樹脂被覆層)
に使用できるが、より好ましい共重合ポリエステル樹脂
について以下に説明する。
【0039】まず、基本骨格としては汎用有機溶剤に難
溶解性であることが好ましい。これにより良好な耐汚染
性が発現できる。ここで言う汎用有機溶剤とは、メチル
エチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン、トルエ
ン、キシレン、ソルベッソ100、ソルベッソ150、
酢酸エチル、酢酸ブチル、セルソルブ、カルビトール、
セルソルブアセテート、カルビアセテート等の、通常の
塗料組成物に使用される溶剤を意味する。
【0040】この基本骨格にスルホン酸金属塩基を導入
することにより、加工性・硬度・耐汚染性を損なうこと
なく溶解性を向上させることができる。スルホン酸基を
導入するには、スルホン酸金属塩基を含むジカルボン酸
やグリコールを共重合反応成分の一部として利用する方
法を用いればよい。スルホン酸金属塩基を含むジカルボ
ン酸としては、スルホテレフタル酸、5−スルホイソフ
タル酸、4−スルホナフタレン−2、7−ジカルボン
酸、5[4−スルホフェノキシ]イソフタル酸等の金属
塩を挙げることができる。金属塩としてはLi、Na、
K、Mg、Ca、Cu、Fe等の塩が挙げられる。特に
好ましいものは5−ナトリウムスルホイソフタル酸であ
る。スルホン酸金属塩基を含むジカルボン酸は0.1〜
5モル%共重合させることが望ましい。スルホン酸金属
塩基を0.1モル%以上導入しないと十分な溶解性が得
られず、5モル%を超えると、塗膜の耐水性が低下する
ので好ましくない。
【0041】また、このポリエステル樹脂を溶解する有
機溶剤としては、シクロヘキサノン及び/またはイソホ
ロン、及び/または1−メチル−2ピロリドンを使用す
る。
【0042】これらの溶剤以外では十分な溶解性を与え
ることができない。但し、溶解性を損なわない範囲で他
の汎用有機溶剤を混合して使用することは可能である。
【0043】上記の難溶解性の基本骨格をもつ共重合ポ
リエステル樹脂として特に好ましいのは、多塩基酸成分
中テレフタル酸が60モル%以上、多価アルコール成分
中のエチレングリコールが60モル%以上からなるもの
である。これらの成分が少ないと、樹脂の凝集力が低下
し、加工性、硬度だけでなく、耐汚染性も低下する。
【0044】ポリエステル中に共重合するその他のカル
ボン酸としては、イソフタル酸、フタル酸、2、6−ナ
フタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、コハク
酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジ
カルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、1、2−シクロヘ
キサンジカルボン酸、1、3−シクロヘキサンジカルボ
ン酸、1、4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族
ジカルボン酸が挙げられる。また、トリメリット酸、ピ
ロメリット酸等の多価カルボン酸を併用してもよい。
【0045】エチレングリコールと共重合するその他の
グリコールとしては、ジエチレングリコール、プロピレ
ングリコール、1、3−プロパンジオール、1、4−ブ
タンジオール、1、5−ペンタンジオール、ネオペンチ
ルグリコール、1、6−ヘキサンジオール、2−ブチル
−2−エチル−プロパンジオール、1、4−シクロヘキ
サンジメタノール等が挙げられる。塗膜の物性面から特
に好ましいのは、1、4−シクロヘキサンジメタノー
ル、またはネオペンチルグリコールである。また、トリ
メチロールメタン、グリセリン、ペンタエリスリトール
等の多価ポリオールを併用してもよい。
【0046】架橋剤 上記ポリエステル樹脂は単体では加工性、耐疵付き性、
耐汚染性及び密着性が十分でないため、通常は架橋剤と
ともに用いられる。本発明の樹脂被覆金属板では、ポリ
エステル樹脂と架橋剤の比率は固形分重量比で90:1
0〜65:35、すなわち固形分重量比でポリエステル
樹脂90に対して架橋剤が10、ないしポリエステル樹
脂65に対して架橋剤が35、の範囲内とする。共重合
ポリエステル樹脂の比率が90重量%を超えると、塗膜
硬度、耐汚染性のみならず、耐沸水性、密着性等が低下
する。また、共重合ポリエステル樹脂の比率が65重量
%未満であると、加工性が低下する。
【0047】共重合ポリエステル樹脂と反応し、良好な
耐汚染性や耐疵付き性を発現できる架橋剤としては、前
記第2層の樹脂被覆層の架橋剤の項で述べたメチロール
メラミン樹脂やメチロールベンゾグアナミン樹脂が挙げ
られる。
【0048】このうち加工性、耐汚染性バランスの面か
ら好ましいのは、メトキシ化メチロールメラミン樹脂、
メトキシ化/ブトキン化混合型メチロールメラミン樹脂
及びブトキシ化メチロールメラミン樹脂であり、それぞ
れ単独、または併用して使用することができる。
【0049】耐汚染性や耐疵付き性の面から特に好まし
い架橋剤は、ブトキシ化メチロールメラミンである。通
常、顔料が添加される樹脂被覆層においては、ブトキシ
化メチロールメラミンを単独で使用すると加工性が低下
する場合があるが、着色顔料を添加しない樹脂被覆層で
はブトキシ化メチロールメラミンを単独で使用しても加
工性の低下を招くことが殆どなく、耐汚染性や耐疵付き
性を向上させ得るので特に有効である。
【0050】触媒 架橋剤としてメチロールメラミン樹脂やメチロールベン
ゾグアナミン樹脂を使用する場合には、パラトルエンス
ルホン酸やドデシルベンゼンスルホン酸等のスルホン酸
系触媒を適宜使用するのが好ましい。この際、添加量は
ポリエステル樹脂と架橋剤の固形分総量100重量部に
対して0.3重量部〜5重量部とするのが望ましい。添
加量が0.3重量部未満であれば架橋反応が十分に進行
せず、5重量部を超えると架橋が著しく進行し加工性が
低下するほか、耐沸水性も低下するからである。
【0051】顔料 本発明の樹脂被覆金属板においては、塗膜に加工性、硬
度、密着性等を付与し、あるいは光沢調整のために、各
種の顔料が添加される。但し、顔料全体の合計添加量
は、前記の樹脂の固形分総量100重量部に対して20
重量部以下であることが必要である。顔料添加量が20
重量部を超えると、塗膜の耐アルカリ性が著しく低下す
る。好ましくは、10重量部以下である。使用される顔
料の種類は特に限定されないが、例えば酸化チタン等の
着色顔料や、シリカ、カオリン等の体質顔料が挙げられ
る。
【0052】その他添加剤 最上層の樹脂被覆層には、第2層におけると同様に、消
泡剤、レベリング剤、表面硬化調整剤、艶消し剤等の添
加剤が添加されていてもよい。その種類や量は、樹脂被
覆金属板の使用目的や製造条件に合わせて適宜選択すれ
ばよく、特に限定されない。
【0053】樹脂被覆層の膜厚 最上層の樹脂被覆層は1μm以上の膜厚を有しているこ
とが必要である。これは、膜厚が1μm未満では、樹脂
被覆層がアルカリに対して十分なバリヤー効果を発揮で
きないためである。好ましくは3μm以上である。膜厚
の上限は特に限定されないが、前記のように顔料の添加
量が低く抑えられているので15μm以上の膜厚を付与
することは困難であり、15μm以下であることが好ま
しい。より好ましい上限は、12μmである。
【0054】(4)塗装方法・焼付け硬化条件 本発明の樹脂被覆金属板は、下地処理が施された基材表
面にプライマー塗装を施した後、前記の第2層の樹脂被
覆層を形成し、その上に最上層を形成することにより製
造することができる。なお、プライマー塗装は、樹脂被
覆金属板の使用目的の如何によっては省略することも可
能である。
【0055】塗装方法は、いずれの樹脂被覆層について
も特に限定されることはなく、所定の塗膜が得られるよ
うに調製した塗料をロールコート法、スプレー塗装法
等、従来用いられている塗装方法で塗布すればよい。
【0056】焼付け硬化条件に関しても特に限定される
ものではない。例えば、焼付け硬化に用いるオーブン
は、熱風方式でも誘導加熱方式でもよい。また、焼付け
温度も焼付け時間によって適宜変更してよい。
【0057】
【実施例】
<実施例1>両面にめっきを施した厚さ0.6mmの溶
融亜鉛めっき鋼板(めっき付着量:片面60g/m2
めっき層中のFe含有率:0.3重量%、Al含有率:
0.2重量%、Pb含有率:30ppm)を基材とし、
その表面(両面)を清浄化した後、下地処理として、ま
ず燐酸亜鉛溶液に浸漬することにより燐酸亜鉛化成皮膜
(燐酸亜鉛付着量:片面0.6g/m2 )を形成し、そ
の後、クロメート処理液でリンスしてクロメート皮膜
(Cr付着量:片面5mg/m2 )を形成した。
【0058】次いで、下塗り皮膜(プライマー塗装)と
して、ポリエステル樹脂系塗料(関西ペイント製、KP
8630)を乾燥膜厚が約6μmになるようにバーコー
ターで塗布し、最高到達鋼板温度(PMT)が224℃
になるように50秒で焼付硬化させた。
【0059】その上層に、第2層として、関西ペイント
製のポリエステル系塗料であるアレステック#260を
乾燥膜厚が16μmになるように塗布した後、PMT=
232℃になるように50秒で焼付け硬化させた。
【0060】更に最上層に、顔料(酸化チタン)濃度の
異なるポリエステル系塗料を塗布、焼付けし、供試材と
した。用いたポリエステル系塗料の組成、作製方法およ
び塗布、焼付け方法は以下の通りである。
【0061】まず、数平均分子量が15000で、ガラ
ス転移温度が40℃の共重合ポリエステル樹脂80重量
部に、酸化チタン(石原産業製、タイペークCR−9
5)を樹脂の固形分総量100重量部に対して0〜10
0重量部まで種々の比率で加え、サンドミルを用いて分
散させた。これに、架橋剤として三井サイアナミッド社
製のメチロール型メラミンであるサイメル303を20
部とパラトルエンスルホン酸1部を添加し、さらにシク
ロヘキサノン及びソルベッソ150を1:1に混合した
シンナーで希釈し、不揮発分(NV)が45%の塗料を
得た。このように作製した塗料を、バーコーターで乾燥
膜厚が10μmになるように塗布した後、50秒間でP
MTが232℃になるように焼付けた。
【0062】上記の供試材について以下の試験を行い、
加工性、硬度、耐汚染性及び耐アルカリ性を評価した。
【0063】〔加工性〕評価しようとする面を外側にし
て折り曲げ試験を行った。評価は、加工部における樹脂
皮膜の亀裂の有無を10倍ルーペで観察し、皮膜に亀裂
の生じない最小板挟み枚数で表示した。0Tは密着曲げ
加工が可能であることを示す。0Tであれば良好とし
た。なお、試験は20℃で実施した。
【0064】〔鉛筆硬度〕疵跡法(JIS K540
0)に準拠し、三菱ユニ(商品名)鉛筆を用いて塗膜を
線引きし、疵がつく硬度を調べた。その際、鉛筆硬度の
各ランク(例えば、2H、H、F等)の間を下記のよう
に2段階に分け、硬度がH- もしくはそれより硬い場合
良好とした。
【0065】 硬←2H、2H- 、H+ 、H、H- 、F+ 、F、F- 、HB+ 、HB→軟 〔耐アルカリ性〕5%のNaOH溶液に、25℃、相対
湿度60%の雰囲気下で48時間浸漬し、試験前後の光
沢度を測定した。光沢保持率(%)が80%以上であれ
ば良好とした。
【0066】〔マジック汚染性〕塗膜に内田洋行製赤マ
ジックインキを付着させ、24時間放置後、エタノール
を染み込ませたガーゼで拭き取り、マジックインキの残
り具合を下記の4段階で評価した。◎または○であれば
良好とした。
【0067】◎:完全に除去 ○:殆ど除去 △:若干残る ×:かなり残る 試験結果を図1及び図2に示す。この結果から明らかな
ように、最上層の樹脂皮膜における顔料添加量が20重
量部を超えると耐アルカリ性が急激に低下し、加工性も
若干低下する傾向を示した。顔料添加量が20重量部以
下では、加工性、耐汚染性、耐アルカリ性、硬度とも良
好であった。
【0068】<実施例2>両面にめっきを施した厚さ
0.5mmの電気亜鉛めっき鋼板(めっき付着量:片面
20g/m2 )を基材とし、これに塗布型クロメート処
理を片面40mg/m2 ずつ両面に施し、下塗り皮膜
(プライマー塗装)として、ポリエステル樹脂系塗料
(日本ペイント製、FLCP600)を乾燥膜厚が約6
μmになるようにバーコーターで塗布し、PMTが22
4℃になるように50秒で焼付硬化させた。
【0069】その上層に、第2層として、日本ペイント
製のポリエステル系塗料であるFLC1000を乾燥膜
厚が16μmになるよう塗布した後、PMT=232℃
となるように50秒で焼付け硬化させた。
【0070】更に最上層に、顔料を含まないポリエステ
ル系塗料(クリアー塗料)を塗布焼付けし、供試材とし
た。用いたポリエステル系塗料の組成、作製方法および
塗布、焼付け方法は以下の通りである。
【0071】まず、数平均分子量が10000で、ガラ
ス転移温度が50℃の共重合ポリエステル樹脂80重量
部に、架橋剤として大日本インキ化学工業製のブチル化
メラミンであるスーパーベッカミンL−109−65と
パラトルエンスルホン酸0.5重量部を添加し、さらに
シクロヘキサノン及びソルベッソ150を1:1に混合
したシンナーで希釈し、不揮発分(NV)が45%の塗
料を得た。このように作製した塗料を、バーコーターで
乾燥膜厚が0.5〜15μmになるよう塗布した後、5
0秒間でPMTが232℃になるように焼付けた。
【0072】試験結果を図3に示す。この結果から明ら
かなように、膜厚が1μm未満では塗膜の耐アルカリ性
が低下した。図示していないが、耐汚染性、加工性は、
膜厚によらず良好であった。
【0073】<実施例3>両面にめっきを施した厚さ
0.5mmの合金化溶融亜鉛めっき鋼板(めっき付着
量:片面30g/m2 、めっき層中のFe含有量:9重
量%)を基材とし、これに塗布型クロメート処理を片面
40mg/m2 ずつ両面に施し、下塗り皮膜(プライマ
ー塗装)として、ポリエステル樹脂系塗料(日本ペイン
ト製、FLCP600)を乾燥膜厚が約6μmになるよ
うにバーコーターで塗布し、PMTが224℃になるよ
うに50秒で焼付硬化させた。
【0074】その上層に、第2層として、分子量の異な
る種々のポリエステル樹脂と、3種類のアルキルエーテ
ル化アミノホルムアルデヒド樹脂及び1種類のイソシア
ネート化合物とを100/0〜50/50の比率で配合
し、更に顔料として酸化チタン(石原産業製、タイペー
クR930)を樹脂の固形分総量100重量部に対して
50〜150重量部添加した塗料を作製し、乾燥膜厚が
16μmになるように塗布した後、PMTが232℃に
なるように50秒で焼付け硬化させた。第2層の樹脂被
覆層の組成を表1に示す。
【0075】更に最上層に、顔料を含まないポリエステ
ル系塗料(クリアー塗料)を塗布、焼付けし、供試材と
した。用いたポリエステル系塗料の組成、作製方法およ
び塗布、焼付け方法は以下の通りである。
【0076】まず、数平均分子量が17000で、ガラ
ス転移温度が60℃の共重合ポリエステル樹脂80重量
部に、架橋剤として大日本インキ化学工業製のブチル化
メラミンであるスーパーベッカミンL−109−65
と、パラトルエンスルホン酸0.5部を添加し、さらに
シクロヘキサノン及びソルベッソ150を1:1に混合
したシンナーで希釈し、不揮発分(NV)が45%の塗
料を得た。このように作製した塗料を、バーコーターで
乾燥膜厚が0.5〜15μmになるよう塗布した後、5
0秒間でPMTが232℃になるよう焼付けた。
【0077】上記の供試材について実施例1の場合と同
様の方法で加工性、硬度、耐汚染性及び耐アルカリ性を
評価し、更に、以下の試験を行って、塗膜の隠ぺい性と
耐沸水性を評価した。
【0078】〔隠ぺい性〕塗膜の透け具合を目視で観察
した。十分に隠ぺいされていれば良好(○印で表示)、
隠ぺい不足の場合は不良(×印)とした。
【0079】〔耐沸水性〕塗膜を98℃以上の沸騰水に
2時間浸漬し、その後の塗膜表面の状態を目視で観察し
た。異常が認められなければ良好(○印)、ブリスター
や剥離、光沢低下等が認められた場合は不良(×印)と
した。
【0080】試験結果を表1に併せて示す。この結果か
ら明らかなように、本発明例(No.1〜8)では、加
工性、硬度、耐汚染性、耐アルカリ性、隠ぺい性及び耐
沸水性のいずれも良好であった。これに対して、比較例
No.9では第2層のポリエステル樹脂の数平均分子量
が小さいために十分な加工性が得られず、No.10及
び11では第2層における架橋剤の配合比率が本発明で
規定する範囲から外れているため、硬度や耐沸水性の低
下あるいは加工性の低下が認められた。また、比較例N
o.12では、第2層の架橋剤の種類が不適切なために
十分な加工性が得られず、No.13及び14では、顔
料添加量が本発明で定める範囲から外れているため加工
性あるいは隠ぺい性が低下した。
【0081】<実施例4>両面にめっきを施した厚さ
0.5mmの電気亜鉛めっき鋼板(めっき付着量:片面
20g/m2 )を基材とし、これに塗布型クロメート処
理を片面40mg/m2 ずつ両面に施し、下塗り皮膜
(プライマー塗装)として、ポリエステル樹脂系塗料
(日本ペイント製、FLCP600)を乾燥膜厚が約6
μmになるようにバーコーターで塗布し、PMTが22
4℃になるように50秒で焼付硬化させた。
【0082】その上層に、第2層として、大日本インキ
化学工業製のポリエステル系塗料であるSRF−05を
乾燥膜厚が16μmになるよう塗布した後、PMT=2
32℃となるように50秒で焼付け硬化させた。
【0083】更に最上層に、顔料を含まないポリエステ
ル系塗料(クリアー塗料)を塗布焼付けし、供試材とし
た。用いたポリエステル系塗料の組成、作製方法および
塗布、焼付け方法は以下の通りである。
【0084】まず、示す数平均分子量が5000〜22
000でガラス転移温度が15〜98℃の共重合ポリエ
ステル樹脂に、架橋剤として三井サイアナミッド社製の
メチルブチル混合型メチロールメラミンであるサイメル
254と、パラトルエンスルホン酸0.5重量部を添加
し、さらにシクロヘキサノン及びソルベッソ150を
1:1に混合したシンナーで希釈し、不揮発分(NV)
が45%の塗料を得た。
【0085】共重合ポリエステル樹脂とメラミン樹脂の
混合比率は93/7〜60/40の範囲で変化させた。
表2に用いた共重合ポリエステル樹脂の性状(種類)
を、また、表3に共重合ポリエステル樹脂とメラミン樹
脂の混合比率を示す。
【0086】このように作製した塗料を、バーコーター
で乾燥膜厚が0.5〜15μmになるよう塗布した後、
50秒間でPMTが232℃になるように焼付けた。
【0087】上記の供試材について実施例1の場合と同
様の方法で加工性、硬度、耐沸水性、耐汚染性及び耐ア
ルカリ性を評価した。
【0088】試験結果を表3に併せて示す。この結果か
ら明らかなように、本発明例(No.1〜8)では、加
工性、硬度、耐沸水性、耐汚染性及び耐アルカリ性のい
ずれも良好であった。これに対し、比較例No.9では
架橋剤の比率が本発明で規定する範囲より小さいため、
硬度、耐沸水性及び耐汚染性が劣っており、No.10
では逆に架橋剤の比率が大きすぎ、加工性が低下した。
また、比較例No.11〜13では使用した共重合ポリ
エステル樹脂の性状が本発明で規定する範囲外のもので
あるため、加工性あるいは耐汚染性が劣る結果となっ
た。更に、比較例No.14及び15では、共重合ポリ
エステル樹脂の性状が規定範囲外である他、架橋剤との
比率も規定から外れているため、加工性、硬度、耐沸水
性、耐汚染性における複数の評価項目で不良であった。
【0089】
【表1】
【0090】
【表2】
【0091】
【表3】
【0092】
【発明の効果】本発明の樹脂被覆金属板は、良好な加工
性、耐汚染性を有するとともに、耐薬品性、特に耐アル
カリ性に優れ、家電製品用あるいは自動車用の素材とし
て好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】樹脂被覆金属板のアルカリ浸漬後の光沢保持率
及び加工性に及ぼす最上層の樹脂被覆層への酸化チタン
添加量の影響を示す図である。
【図2】樹脂被覆金属板の硬度及びマジック汚染性に及
ぼす最上層の樹脂被覆層への酸化チタン添加量の影響を
示す図である。
【図3】樹脂被覆金属板のアルカリ浸漬後の光沢保持率
に及ぼす最上層の樹脂被覆層の膜厚の影響を示す図であ
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下地処理が施された基材表面に、数平均分
    子量が8000以上の共重合ポリエステル樹脂と、メチ
    ロールメラミン樹脂、メチロールベンゾグアナミン樹脂
    及びイソシアネート化合物のなかの1種以上とが固形分
    重量比で90/10〜70/30の比率で配合され、更
    に、これらの樹脂、またはこれらの樹脂及びイソシアネ
    ート化合物の固形分総量100重量部に対して、1種以
    上の顔料が合計で70〜130重量部配合されている樹
    脂被覆層が設けられ、その上に最上層として、数平均分
    子量が8000以上でガラス転移温度が30℃以上90
    ℃以下のポリエステル樹脂とメチロールメラミン樹脂ま
    たは/及びメチロールベンゾグアナミン樹脂とが固形分
    重量比で90/10〜65/35の比率で配合され、更
    にこれらの樹脂の固形分総量100重量部に対して、1
    種以上の顔料が合計で20重量部以下配合されている樹
    脂被覆層が1μm以上の厚みで設けられていることを特
    徴とする加工性・耐汚染性及び耐薬品性に優れた樹脂被
    覆金属板。
JP21607295A 1995-08-24 1995-08-24 樹脂被覆金属板 Pending JPH0957901A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002079175A (ja) * 2000-09-04 2002-03-19 Sumitomo Metal Ind Ltd 塗装金属板
JP2005087970A (ja) * 2003-09-19 2005-04-07 Toyota Motor Corp 複層塗膜
JP2019119105A (ja) * 2017-12-28 2019-07-22 大日本印刷株式会社 積層体、及び積層体と中間転写記録媒体との組み合わせ

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002079175A (ja) * 2000-09-04 2002-03-19 Sumitomo Metal Ind Ltd 塗装金属板
JP2005087970A (ja) * 2003-09-19 2005-04-07 Toyota Motor Corp 複層塗膜
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