JPH0958502A - 車両旋回挙動制御装置 - Google Patents

車両旋回挙動制御装置

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JPH0958502A
JPH0958502A JP7218682A JP21868295A JPH0958502A JP H0958502 A JPH0958502 A JP H0958502A JP 7218682 A JP7218682 A JP 7218682A JP 21868295 A JP21868295 A JP 21868295A JP H0958502 A JPH0958502 A JP H0958502A
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JP
Japan
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control
force
steering angle
rear wheel
right difference
Prior art date
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Application number
JP7218682A
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English (en)
Inventor
Kozo Fujita
耕造 藤田
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】制動力左右差制御により左右後輪の一方のみに
制動力が発生させられているため、左右後輪に後輪舵角
制御が並行的に実行されると、左右後輪双方に互いに等
しい制動力が発生させられる場合より後輪舵角制御装置
における後輪舵角アクチュエータにかかる負担が増加す
る場合にも、その後輪舵角制御による後輪舵角の実際値
が正規値となることを保証する。 【解決手段】制動力左右差制御が左右後輪に対して実行
されている場合には、後輪舵角制御が異常であるか否か
を判定し(S24)、異常である場合には、車両のバッ
テリから後輪舵角アクチュエータに供給される電流値を
標準値より大きな特別値とし(S28)、後輪舵角アク
チュエータの出力を通常値より増加させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、同じ車輪に対して
前後力左右差制御と横力制御とを並行的に実行可能な車
両旋回挙動制御装置に関するものであり、特に、前後力
左右差制御の影響とは無関係に横力制御が正規に行われ
ることを保証する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】車両旋回挙動制御装置の一形式に次のよ
うなものが既に存在する。それは、特開平4−8135
1号公報に記載されているように、(a) 車両の左右前輪
と左右後輪との少なくとも一方である左右輪間における
前後力差を制御する前後力左右差制御装置と、(b) その
前後力左右差制御の対象である左右輪の少なくとも一方
である車輪の舵角を変化させてその車輪の横力を制御す
る横力制御装置とを含み、車両の旋回挙動を制御する装
置である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】横力制御装置において
は、アクチュエータと車輪とが次のように機械的に連携
される。すなわち、例えば図2に示すように、アクチュ
エータ24により変位させられるタイロッド27が、車
輪22を回転可能に支持するキャリア28から延びるナ
ックルアーム29に屈曲可能に連結されるのである。こ
のような車輪に前後力が発生させられる場合、タイロッ
ドは一般に左右輪に共通に連携させられるから、それら
左右輪の前後力がほぼ等しい場合には、各輪からタイロ
ッドに作用する軸力が相殺し、アクチュエータは各輪に
発生する前後力の大小とは無関係に各輪の舵角を変化さ
せ得る。
【0004】しかし、それら左右輪に対して前後力左右
差制御が実行され、左右輪間に前後力差が発生させられ
る場合には、その前後力左右差に基づく軸力がタイロッ
ドに作用するため、アクチュエータは、前後力左右差に
基づく軸力に打ち勝って各輪を転舵することが必要とな
る場合がある。
【0005】例えば、前後力左右差制御が、左右輪の一
方にのみ前後力を発生させ、他方には前後力を発生させ
ない形式である場合、前後力が発生した車輪について
は、その前後力に基づいて車輪を転舵する力がそれのキ
ングピン回りに発生し、それにもかかわらずその車輪
を、その前後力によって車輪が転舵しようとする向きと
は逆向きに、すなわち、その前後力に逆らって転舵する
ためには、その前後力に基づいてアクチュエータに入力
される力より大きな力をアクチュエータが出力すること
が必要となるのである。
【0006】それにもかかわらず、前述の従来の装置に
おいては、横力制御が、同じ車輪に対して前後力左右差
制御と並行的に実行されるか否かを問わず、画一的に行
われる。そのため、この従来の装置には、前後力差が存
在する左右輪に対して横力制御を実行する場合には、ア
クチュエータが予定通りに各輪を転舵することができ
ず、横力制御が正規に行われない場合があるという問題
があった。
【0007】それらの事情に鑑み、請求項1ないし6の
発明はいずれも、同じ車輪に対して前後力左右差制御と
並行的に実行される横力制御の正規性を保証することを
共通の課題としてなされたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】その課題は、請求項1の
発明により、前記前後力左右差制御装置および横力制御
装置を備えた車両旋回挙動制御装置において、前記左右
輪のうち前記前後力左右差制御によって前後力が相対的
に増加させられた車輪に対して前記横力制御が並行的に
実行される場合に、その横力制御によってその車輪の舵
角の実際値が正規値となることを保証する横力制御正規
化手段を設けることによって解決される。
【0009】なお、ここに「前後力」には、制動力およ
び駆動力を含む総括的な概念である。したがって、「前
後力左右差制御」には例えば、制動力左右差制御および
駆動力左右差制御が含まれる。ここに「制動力左右差制
御」には例えば、車両制動時に限って制動力左右差を発
生させる形式や、車両非制動時に限って制動力左右差を
発生させる形式や、時期を問わず制動力左右差を発生さ
せる形式が含まれる。
【0010】前記課題はまた、請求項2の発明により、
請求項1の車両旋回挙動制御装置において、前記横力制
御装置を、前記車両の旋回挙動に関連する物理量を検出
する横力制御用センサと、前記車輪の舵角を変化させる
横力制御用アクチュエータと、横力制御用センサからの
入力信号に基づく出力信号を横力制御用アクチュエータ
に出力する横力制御用コントローラとを含み、かつ、そ
の横力制御用コントローラが、前記横力制御正規化手段
として、前記左右輪のうち前記前後力左右差制御によっ
て前後力が相対的に増加させられた車輪に対してその前
後力左右差制御と並行的に実行される横力制御によって
その車輪の舵角の実際値が正規値にならない場合には、
前記入力信号と前記出力信号との関係を前記舵角の実際
値が正規値に近づくように変更する横力制御用関係変更
手段を含むものとすることによっても解決される。
【0011】なお、ここに「センサ」は例えば、車両の
前輪舵角,運転者によるステアリングホイールの操舵
角,車速等、運転者の意思を反映した物理量を検出する
センサとしたり、実ヨーレイト,実横加速度等の、車両
の実旋回状態を表す物理量を検出するセンサとすること
ができる。なお、前輪舵角,操舵角,車速等を検出する
センサは、車両への入力を検出するセンサと考えること
ができ、また、実ヨーレイト,実横加速度等を検出する
センサは、車両からの出力を検出するセンサと考えるこ
とができる。
【0012】また、「関係変更手段」は、入力信号から
出力信号を決定する際に使用する規則を変更することに
よって関係を変更する形式としたり、出力信号を変更す
ることによって関係を変更する形式としたり、双方を変
更することによって関係を変更する形式とすることがで
きる。
【0013】前記課題はまた、請求項3の発明により、
請求項1の車両旋回挙動制御装置において、前記前後力
左右差制御装置を、前記車両の旋回挙動に関連する物理
量を検出する前後力左右差制御用センサと、前記車輪の
前後力を制御する前後力左右差制御用アクチュエータ
と、前後力左右差制御用センサからの入力信号に基づく
出力信号を前後力左右差制御用アクチュエータに出力す
る前後力左右差制御用コントローラとを含み、かつ、そ
の前後力左右差制御用コントローラが、前記横力制御正
規化手段として、前記左右輪のうち前記前後力左右差制
御によって前後力が相対的に増加させられた車輪に対し
てその前後力左右差制御と並行的に実行される横力制御
によってその車輪の舵角の実際値が正規値にならない場
合には、前記入力信号と前記出力信号との関係を前記舵
角の実際値が正規値に近づくように変更する前後力左右
差制御用関係変更手段を含むものとすることによっても
解決される。
【0014】なお、ここに「センサ」および「関係変更
手段」は例えば、前記の場合と同様に考えることができ
る。
【0015】また、「前後力左右差制御用アクチュエー
タ」は例えば、各輪のブレーキ圧を制御する電磁制御弁
またはポンプを主体として構成したり、ブレーキ液を保
持する液圧室の容積を変化させる容積変化装置(例え
ば、駆動源としてモータ,ピエゾ素子等を使用するも
の)を主体として構成することができる。
【0016】前記課題はまた、請求項4の発明により、
請求項3の車両旋回挙動制御装置において、前記前後力
左右差制御用コントローラを、さらに、前記左右輪のう
ち前記前後力左右差制御によって前後力が相対的に増加
させられた車輪に対してその前後力左右差制御と並行的
に実行される横力制御によってその車輪の舵角の実際値
が正規値にならない場合であっても、前後力左右差制御
による前後力左右差の本来の目標値が減少傾向にない場
合には、前記前後力左右差制御用関係変更手段による変
更を抑制する変更抑制手段を含むものとすることによっ
ても解決される。
【0017】なお、ここに「変更抑制手段」は例えば、
前後力左右差制御用関係変更手段による変更を完全に抑
制する(禁止する)形式としたり、部分的に抑制する形
式とすることができる。いずれにしても変更抑制手段
は、前後力左右差制御用関係変更手段による変更量を、
変更抑制手段の作動状態において非作動状態におけるよ
り減少させるものなのである。
【0018】前記課題はまた、請求項5の発明により、
請求項1の車両旋回挙動制御装置において、前記横力制
御正規化手段を、前記左右輪のうち前記前後力左右差制
御によって前後力が相対的に増加させられた車輪に対し
てその前後力左右差制御と並行的に実行される横力制御
によってその車輪の舵角の実際値が正規値にならない場
合には、前記車両の走行速度を減少させる減速装置を含
むものとすることによっても解決される。
【0019】なお、ここに「減速」は普通、車輪の駆動
トルクを減少させたり、車輪の制動トルクを増加させる
ことにより実現されるが、例えば、空力ブレーキを作用
させる方式等、他の方式も採用することができる。な
お、駆動トルクの減少は例えば、エンジンのスロットル
バルブの開度を減少させたり、エンジンの燃料噴射量を
減少させたり、エンジンの点火時期を遅らせたり、トラ
ンスミッションの減速比を増加させることによって実現
することができる。また、制動トルクの増加は、車輪の
圧力作動式ブレーキを作動させたり、車輪の電磁ブレー
キを作動させることにより実現される。
【0020】前記課題はまた、請求項6の発明により、
請求項1の車両旋回挙動制御装置において、前記横力制
御正規化手段を、前記左右輪のうち前記前後力左右差制
御によって前後力が相対的に増加させられた車輪に対し
てその前後力左右差制御と並行的に実行される横力制御
によってその車輪の舵角の実際値が正規値にならない場
合には、前記左右輪間の差動制限量を増加させる差動制
限量増加装置を含むものとすることによっても解決され
る。
【0021】なお、ここに「差動制限量」は例えば、左
右輪間の回転速度差として表したり、左右輪の各々と共
に回転する2個の回転体を押圧する力(圧力を含む)と
して表したり、それら2個の回転体間に生じる摩擦力ま
たは粘性抵抗として表すことができる。
【0022】また、「差動制限量の増加」は例えば、左
右輪を相対回転可能に連結するとともに、左右輪間の回
転速度差を制御可能な差動制限機構付きのデファレンシ
ャルによって行うことができる。そのような差動制限機
構には例えば、液圧クラッチ式がある。
【0023】
【作用】請求項1の発明に係る車両旋回挙動制御装置に
おいては、横力制御正規化手段により、左右輪のうち前
後力左右差制御によって前後力が相対的に増加させられ
た車輪に対して横力制御が並行的に実行される場合に、
その横力制御によってその車輪の舵角の実際値が正規値
となることが保証される。
【0024】請求項2の発明に係る車両旋回挙動制御装
置においては、横力制御正規化手段として横力制御用関
係変更手段が設けられ、その横力制御用関係変更手段に
より、横力制御装置においてセンサに入力される入力信
号と舵角を変化させるアクチュエータに出力される出力
信号との関係が変更される。例えばアクチュエータの出
力が舵角の実際値が正規値に近づくように変更されるの
であり、これにより、前後力左右差制御と並行的に実行
される横力制御の正規性が保証される。
【0025】請求項3の発明に係る車両旋回挙動制御装
置においては、横力制御正規化手段として前後力左右差
制御用関係変更手段が設けられ、その前後力左右差制御
用関係変更手段により、前後力左右差制御装置において
センサに入力される入力信号と前後力左右差を変化させ
るアクチュエータに出力される出力信号との関係が変更
される。例えばアクチュエータの出力が前後力左右差が
減少するように変更されるのであり、これにより、前後
力左右差制御と並行的に実行される横力制御の正規性が
保証される。
【0026】請求項4の発明に係る車両挙動旋回制御装
置においては、請求項3の発明を実施する際に、変更抑
制手段により、前後力左右差制御における前後力左右差
の本来の目標値が減少傾向にない場合には、前後力左右
差制御用関係変更手段による変更が抑制される。前後力
左右差制御と横力制御とが並行的に実行される場合に、
それらのうち前後力左右差制御を優先させることが望ま
しい場合があり、この場合には、前後力左右差制御によ
って実現すべき効果が減少するのを待って、横力制御正
規化のための前後力左右差の減少を開始する。
【0027】請求項5の発明に係る車両旋回挙動制御装
置においては、横力制御正規化手段として減速装置が設
けられ、その減速装置により、車速が通常値より減少さ
せられることによって、前後力左右差制御と並行的に実
行される横力制御の正規性が保証される。前後力左右差
制御も横力制御も、車速が小さい場合において大きい場
合におけるより、実現すべき制御効果が少なくて済むの
が普通であり、よって、減速を行えば、横力制御の正規
性が向上することになるからである。
【0028】請求項6の発明に係る車両旋回挙動制御装
置においては、横力制御正規化手段として差動制限量増
加装置が設けられ、その差動制限量増加装置により、制
御対象である左右輪の差動制限量が増加させられること
によって、前後力左右差制御と並行的に実行される横力
制御の正規性が保証される。左右輪の差動制限量が増加
させられれば、その左右輪間の前後力左右差も減少させ
られ、このことは、横力制御の正規性が向上することを
意味するからである。
【0029】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
1ないし6の各発明によれば、同じ車輪に対して前後力
左右差制御と並行的に実行される横力制御の正規性が保
証され、車両の旋回挙動の制御効果が向上し、ひいて
は、車両の安全性が向上するという効果が得られる。
【0030】特に、請求項2の発明によれば、横力制御
装置をソフト的に改良することによって比較的簡単かつ
安価に横力制御の正規性保証という目的を達成すること
ができるという効果も得られる。
【0031】また、特に、請求項3の発明によれば、前
後力左右差制御装置をソフト的に改良することによって
比較的簡単かつ安価に横力制御の正規性保証という目的
を達成することができるという効果も得られる。
【0032】また、特に、請求項4の発明によれば、横
力制御の正規性保証を優先させる余りに車両全体として
旋回挙動の制御効果が減少してしまう事態の発生を回避
することができるという効果も得られる。
【0033】また、特に、請求項5の発明によれば、車
両が車速を自動的に減速させる機構を有する場合に、そ
の機構を積極的に利用し、比較的簡単に横力制御の正規
性保証という効果を得ることができるという効果も得ら
れる。
【0034】また、特に、請求項6の発明によれば、車
両が左右輪の差動制限量を制御する機構を有する場合
に、その機構を積極的に利用し、比較的簡単に横力制御
の正規性保証という効果を得ることができるという効果
も得られる。
【0035】
【発明の補足説明】以下、各請求項の発明の補足説明と
して、それの望ましい実施態様をいくつか列挙する。 (1) 請求項2の発明であって、前記横力制御用アクチュ
エータとそれに電気エネルギを供給する電源との間に電
気エネルギ制御回路が接続され、前記横力制御用関係変
更手段が、前記左右輪のうち前記前後力左右差制御によ
って前後力が相対的に増加させられた車輪に対してその
前後力左右差制御と並行的に実行される横力制御によっ
てその車輪の舵角の実際値が正規値にならない場合に
は、前記電気エネルギ制御回路に、電源から横力制御用
アクチュエータに供給される電気エネルギを増加させる
指令信号を供給し、これにより、横力制御用アクチュエ
ータの駆動力または駆動トルクを通常値より増加させる
電気エネルギ増加指令信号供給手段を含むものである車
両旋回挙動制御装置。なお、横力制御用アクチュエータ
の一例がステップモータであり、電源の一例が車両搭載
のバッテリ、すなわち、直流電源であり、電気エネルギ
制御回路の一例が、外部からの指令信号に基づき、その
直流電源からステップモータに供給される電流の値を変
化させる電流制限回路である。 (2) 各請求項の発明であって、さらに、前記横力制御に
よって前記車輪の舵角の実際値が正規値とならない横力
制御異常時であるか否かを判定する横力制御異常判定手
段を含む車両旋回挙動制御装置。 (3) (2) の発明であって、前記横力制御異常判定手段
が、車両の実ヨーレイトγと、車両の目標ヨーレイトγ
* の実ヨーレイトγからの偏差Δγとの積の絶対値が設
定値以上である場合に、前記横力制御が異常であると判
定するものである車両旋回挙動制御装置。なお、この実
施態様は、前記絶対値が設定値以上である状態が一定時
間連続したときにはじめて、横力制御が異常であると判
定するものとすることが判定精度向上のために望まし
い。 (4) (2) の発明であって、前記横力制御異常判定手段
が、前記横力制御装置においてコントローラがアクチュ
エータに指令する指令値とそのアクチュエータによって
実現される舵角の実際値との差の絶対値が設定値以上で
ある場合に、前記横力制御が異常であると判定するもの
である車両旋回挙動制御装置。なお、この実施態様も、
前記絶対値が設定値以上である状態が一定時間連続した
ときにはじめて、横力制御が異常であると判定するもの
とすることが判定精度向上のために望ましい。 (5) (2) の発明であって、前記横力制御異常判定手段
が、前記前後力左右差制御により実現される前後力左右
差が、前記横力制御装置が舵角の実際値を正規値に一致
させることができない限界値を超えた場合に、前記横力
制御が異常であると判定するものである車両旋回挙動制
御装置。 (6) 請求項3の発明であって、前記前後力左右差制御用
関係変更手段が、前記左右輪のうち前記前後力左右差制
御によって前後力が相対的に増加させられた車輪に対し
てその前後力左右差制御と並行的に実行される横力制御
によってその車輪の舵角の実際値が正規値にならない場
合には、それら左右輪のうち前後力が相対的に減少させ
られた車輪の前後力を増加させ、これにより、前後力左
右差を減少させる前後力左右差減少手段を含むものであ
る車両旋回挙動制御装置。 (7) 請求項4の発明であって、前記前後力左右差制御用
コントローラが、前記左右輪の各々のブレーキ圧を制御
することによって制動力左右差を前記前後力左右差とし
て制御し、制動力左右差制御が必要であると判定した場
合には、各輪のブレーキ圧制御モードとして増圧モード
と減圧モードとを含む複数のモードのいずれかを選択し
て実行するものである車両旋回挙動制御装置。 (8) (7) の発明であって、前記変更抑制手段が、前記制
動力左右差制御によって制動力を相対的に増加させられ
た車輪のブレーキ圧制御モードとして減圧モードが選択
されていないときに、制動力左右差制御による制動力左
右差の本来の目標値が減少傾向にないと判定し、前記前
後力左右差制御用関係変更手段による変更を抑制するも
のである車両旋回挙動制御装置。 (9) (7) または(8) の発明であって、前記前後力左右差
制御用コントローラが、前記車両が過大なスピン傾向を
示す場合には、左右前輪のうちの旋回外輪のみのブレー
キ圧を増加させることによって制動力左右差を発生さ
せ、一方、車両が過大なドリフトアウト傾向を示す場合
には、左右後輪のうちの旋回内輪のみのブレーキ圧を増
加させることによって制動力左右差を発生させるもので
ある車両旋回挙動制御装置。 (10)(9) の発明であって、前記横力制御装置が、前記左
右前輪と左右後輪とのうち左右後輪の各々の舵角を変化
させる後輪舵角制御装置であり、前記前後力左右差制御
用関係変更手段が、左右後輪のうち、車両が過大なドリ
フトアウト傾向を示したために制動力が増加させられた
旋回内輪に対してその制動力左右差制御と並行的に実行
される後輪舵角制御によってその旋回内輪の舵角の実際
値が正規値にならない場合には、左右後輪のうちの旋回
外輪の制動力を増加させ、これにより、制動力左右差を
減少させる制動力左右差減少手段を含むものである車両
旋回挙動制御装置。 (11)(9) の発明であって、前記横力制御装置が、前記左
右前輪と左右後輪とのうち左右後輪の各々の舵角を変化
させる後輪舵角制御装置であり、前記前後力左右差制御
用関係変更手段が、(a) ある条件が一定時間連続して満
たされた場合に前記後輪舵角制御が異常であると判定す
る後輪舵角制御異常判定手段と、(b) その条件が初めて
満たされたときにおける左右後輪間のブレーキ圧差であ
るブレーキ圧左右差を直接にまたは間接に検出し、その
値を基準値に設定する基準値設定手段と、(c) 前記後輪
舵角制御が異常であると判定されたときに前記左右後輪
のうちの旋回外輪(低圧側)のブレーキ圧の増圧を開始
し、その後、前記ブレーキ圧左右差を逐次検出し、検出
した値が前記設定された基準値に一致したときに、その
ブレーキ圧の増圧を終了するブレーキ圧増圧制御手段と
を含むものである車両旋回挙動制御装置。 (12)(11)の発明であって、前記前後力左右差制御用関係
変更手段が、(d) 前記ブレーキ圧増圧制御手段が増圧を
終了した後に、旋回外輪のブレーキ圧制御モードを旋回
内輪と同じものに選択するブレーキ圧制御モード共通化
手段を含むものである車両旋回挙動制御装置。 (13)請求項5の発明であって、前記減速装置が、エンジ
ンの吸気マニホールドに、運転者による加速操作に応じ
て作動する主スロットルバルブと、外部からの信号に基
づいて電気的に作動するスロットルアクチュエータによ
って作動する副スロットルバルブとが互いに直列に配置
され、常には副スロットルバルブの実開度が主スロット
ルバルブの実開度と一致するように副スロットルバルブ
の目標開度を決定するエンジン出力制御装置であって、
前記前後力左右差の実際値を検出し、その実際値と、前
記横力制御装置が舵角を正規に転舵することができない
限界値との差を求め、その差に基づき、その差が大きい
ほど副スロットルバルブの開度を減少させるエンジン出
力制御装置である車両旋回挙動制御装置。 (14)請求項6の発明であって、前記差動制限量増加装置
が、(a) 前記左右輪を互いに回転速度差を制限可能に連
結する差動制限量が可変のデファレンシャルと、(b) そ
のデファレンシャルの差動制限量を変化させるアクチュ
エータと、(c) 前記横力制御が正規でない場合に、前記
アクチュエータに前記デファレンシャルをロック状態と
するのに必要な指令信号を供給するコントローラとを含
むものである車両旋回挙動制御装置。 (15)(14)の発明であって、前記横力制御装置が、常には
車両旋回挙動情報に基づいて前記車輪の目標舵角を決定
するが、前記前後力左右差制御の実行中にはその車輪の
実スリップ角が0に近づくように目標舵角を決定するも
のであり、前記差動制限量増加装置が、前記後輪舵角制
御が正規でなくなったときから、前記車輪の実スリップ
角が0に十分に近づくまでの間、前記デファレンシャル
をロック状態とするものである車両旋回挙動制御装置。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、各請求項の発明のいくつか
の実施形態を図面に基づいて説明する。最初の実施形態
である車両旋回挙動制御装置は、横力制御装置として後
輪舵角制御装置を有するとともに、前後力左右差制御装
置として制動力左右差制御装置を有する。
【0037】この車両旋回挙動制御装置は、図1に示す
4輪車両に搭載されている。この車両においては、運転
者によって回転操作されるステアリングホイール10が
パワーアシスト機能付きの前輪操舵機構12を介して左
右前輪14に連携させられており、ステアリングホイー
ル10の操舵角(回転操作角)δH に応じて左右前輪1
4の舵角θf が機械的に変化させられる。
【0038】後輪舵角制御装置は、各種センサからの信
号に基づき、左右後輪22の各々の舵角θr を変化させ
る。左右後輪22には後輪舵角アクチュエータ24を備
えた後輪操舵機構26が連携させられており、その後輪
操舵機構26によって左右後輪22の舵角θr が電気的
に変化させられるのである。後輪舵角アクチュエータ2
4は本実施形態においてはステップモータである。な
お、この4輪車両は後輪駆動式であり、左右前輪14は
非駆動輪、左右後輪22は駆動輪である。
【0039】ここで、後輪舵角アクチュエータ24と左
右後輪22との間の機械的な連携を詳細に説明すれば、
図2に示すように、後輪舵角アクチュエータ24により
軸方向(車両横方向に平行な方向)に変位させられるタ
イロッド27が、各後輪22を回転可能に支持するキャ
リア28から延びるナックルアーム29に屈曲可能に連
結されている。これにより、タイロッド27の直線変位
が各後輪22の回転変位に変換され、各後輪22の舵角
θr が変化させられる。
【0040】この図において「F1 」は、後輪舵角アク
チュエータ24からタイロッド27に作用する軸力、
「F2 」は、路面から各後輪22に作用する制動力をそ
れぞれ表す。また、「L1 」は、ナックルアーム長とキ
ャスタトレールとの和、「L2」は、キングピンオフセ
ットをそれぞれ表す。なお、図においてキングピン軸が
車輪中心面に対して車両外側にオフセットされている
が、これは、制動力発生時に左右後輪22がトーインと
なって車両の走行安定性が向上するようにするためであ
る。
【0041】したがって、左右後輪22の一方のみに制
動力F2 が作用する状況においてその一方の後輪22を
制動力F2 に逆らって、すなわち、図において時計方向
に転舵する場合には、後輪舵角アクチュエータ24は、 F2 (L2 /L1 ) で表される軸力より大きな軸力F1 をタイロッド27に
作用させなければならない。
【0042】詳細は後述するが、制動力左右差制御装置
は、車両に過大なドリフトアウト傾向が生じた場合に
は、図3に示すように、左右後輪22のうち旋回内輪の
みにブレーキ圧を作用させ、一方、後輪舵角制御装置
は、車両に過大なドリフトアウト傾向が生じた場合に
は、左右後輪22をいずれも、車両の旋回半径が減少す
る向き、すなわち、図において反時計方向に転舵する。
反時計方向は、旋回内輪が制動力に従って転舵する向き
であるから、後輪舵角アクチュエータ24は後輪22を
比較的簡単に反時計方向に転舵することができる。しか
し、後輪22の実舵角が目標舵角より行き過ぎてしまっ
たためにその行き過ぎを是正することが必要になる場合
や、制動力左右差制御の実行中に後輪舵角制御が不要と
なったために後輪22を中立位置に復元することが必要
になる場合があり、これらの場合には、後輪22を時計
方向に転舵することが必要となる。時計方向は、旋回内
輪が制動力に逆らって転舵する向きであるから、後輪舵
角アクチュエータ24は、制動力に打ち勝ってタイロッ
ド27を作動させなければならず、その後輪22に制動
力が発生していない場合におけるより大きな軸力をタイ
ロッド27に作用させなければならない。このような事
情を背景とし、本実施形態においては、後輪舵角制御
が、制動力左右差が大きく、後輪22の転舵に必要な軸
力も大きいときには後輪舵角アクチュエータ24の出力
を増加させ、これにより、制動力左右差の影響とは無関
係に後輪22を正しい回転位置に転舵するものとされて
いる。この後輪舵角制御の詳細も後述する。
【0043】後輪舵角制御装置は、図4に示すように、
後輪舵角コントローラ30を備えている。後輪舵角コン
トローラ30は、CPU32,ROM34およびRAM
36を含むコンピュータ38を主体として構成されてい
る。この後輪舵角コントローラ30の入力側には、操舵
角センサ40,車速センサ42,ヨーレイトセンサ44
および後輪舵角センサ46が接続されている。操舵角セ
ンサ40は、運転者によるステアリングホイール10の
操舵角δH を検出する。車速センサ42は車両の走行速
度である車速Vを検出する。ヨーレイトセンサ44は車
両のヨーレイトγを検出する。後輪舵角センサ46は後
輪舵角θr を検出する。一方、後輪舵角コントローラ3
0の出力側には、前記後輪舵角アクチュエータ24が接
続されている。
【0044】ここで、後輪舵角アクチュエータ24と後
輪舵角コントローラ30との間の電気的な連携を詳細に
説明すれば、図5に示すように、後輪舵角コントローラ
30と後輪舵角アクチュエータ24とがドライバリレー
50を介して接続され、そのドライバリレー50が電流
制限回路52を介して車両搭載のバッテリ54に接続さ
れている。後輪舵角コントローラ30はその電流制限回
路52にも接続されている。後輪舵角コントローラ30
は、ドライバリレー50には、バッテリ54からの電流
をパルス電流として後輪舵角アクチュエータ24に供給
するための主指令信号を供給し、また、電流制限回路5
2には、バッテリ54からドライバリレー50に供給さ
れる電流の最大値(電流制限値)を変化させるための電
流制限指令信号を供給する。
【0045】後輪舵角コントローラ30は、ROM34
に予め記憶された後輪舵角制御ルーチン(図6にフロー
チャートで表す)を実行することによって後輪舵角制御
を実行する。この後輪舵角制御は、基本的には、 θr * =K1 ・γ・Δγ なる式を用いて目標後輪舵角θr * を決定し、それが実
現されるように後輪舵角アクチュエータ24を制御する
ものである。
【0046】この式において「K1 」は、車速Vに応じ
て変化する車速依存比例係数であり、また、Δγは、車
両の目標ヨーレイトγ* から実ヨーレイトγを引いたヨ
ーレイト偏差である。目標ヨーレイトγ* は、操舵角δ
H および車速Vに基づき、車両が定常円旋回運動をして
いると仮定した場合に車両に発生するヨーレイトとして
演算される。
【0047】ここに、目標ヨーレイトγ* は例えば、操
舵角δH に対する目標ヨーレイトγ * の応答が、 V/(N・L・(1+A・V2 )) なる伝達関数で表現されると仮定して演算することがで
きる。ただし、 V:車速 N:ステアリングギヤ比 L:ホイールベース A:スタビリティファクタ
【0048】以上、後輪舵角制御の基本的な内容を簡単
に説明したが、後輪舵角制御の特徴的な内容は後述す
る。
【0049】一方、制動力左右差制御装置は、車両旋回
時に車両がドリフトアウトまたはスピンする傾向が現れ
た場合には実際にドリフトアウト等が発生することを抑
制し、また、それにもかかわらず実際にドリフトアウト
等が発生した場合には発生したドリフトアウト等が迅速
に解消されるように車両のヨーモーメントを制御し、こ
れによって車両の挙動を安定化させる。
【0050】制動力左右差制御装置は、車両非制動時に
左右輪14,22について独立にブレーキを作動させて
制動力左右差を発生させ、車両に発生している予定外の
ヨーモーメントを打ち消すのに適当なヨーモーメントを
車両に発生させて車両の挙動を安定化させる。この制動
力左右差制御装置は、制動力左右差を図7に示すマニュ
アル−電気制御二系統式のブレーキシステムによって発
生させる。以下、そのブレーキシステムの構成を詳細に
説明するが、このブレーキシステムは図示しないアンチ
ロック制御装置およびトラクション制御装置によっても
使用されるものであるため、アンチロック制御およびト
ラクション制御に必要な要素も付加されており、それに
ついても併せて説明する。なお、ここに、アンチロック
制御とは、車両制動時に車輪がロックしないように車輪
の制動トルクを制御することをいい、一方、トラクショ
ン制御とは、車両駆動時に駆動輪がスピンしないように
駆動輪の駆動トルクと制動トルクとの少なくとも一方を
制御することをいう。
【0051】このブレーキシステムは、マスタシリンダ
60を備えている。マスタシリンダ60は、互いに独立
した2個の加圧室を直列に備えたタンデム型であり、ブ
レーキ操作部材としてのブレーキペダル62の踏力が液
圧ブースタ64によって倍力されて入力され、それに応
じた高さの液圧をそれら加圧室にそれぞれ発生させる。
【0052】一方の加圧室は主通路66によって左右前
輪14のブレーキシリンダ68にそれぞれ接続されてい
る。主通路66は加圧室から延び出た後に二股状に分岐
させられ、1本の基幹部分と2本の分岐部分とから構成
されている。
【0053】2本の分岐部分の各々には、電磁方向切換
弁であるマスタシリンダカット弁70が設けられてい
る。マスタシリンダカット弁70は、常には、各ブレー
キシリンダ68をマスタシリンダ60に接続するが、制
動力左右差制御時とアンチロック制御時とにはマスタシ
リンダ60から遮断し、各々電磁液圧制御弁としての電
磁開閉弁である増圧弁72と減圧弁74とにそれぞれ接
続する。増圧弁72は電磁方向切換弁である電気制御液
圧源選択弁76に接続されている。電気制御液圧源選択
弁76は、常には、増圧弁72を液圧ブースタ64を経
由してリザーバ80に接続するが、制動力左右差制御時
にはリザーバ80から遮断して電気制御液圧源82に接
続する。したがって、制動力左右差制御時には電気制御
液圧源82によって左右前輪14のブレーキシリンダ6
8が作動させられる。一方、減圧弁74は前記リザーバ
80に接続されている。
【0054】マスタシリンダ60の他方の加圧室は主通
路86によって左右後輪22のブレーキシリンダ68に
それぞれ接続されている。主通路86も前記主通路66
と同様に、加圧室から延び出た後に二股状に分岐させら
れ、1本の基幹部分と2本の分岐部分とから構成されて
いる。
【0055】1本の基幹部分にはプロポーショニングバ
ルブ(図において「P/V」と略記する)90が設けら
れている。プロポーショニングバルブ90はよく知られ
ているように、マスタシリンダ60の液圧が折れ点以下
である領域ではマスタシリンダ60の液圧をそのまま左
右後輪22のブレーキシリンダ68に伝達するが、折れ
点を超えた領域ではマスタシリンダ60の液圧を一定比
率で減圧して左右後輪22のブレーキシリンダ68に伝
達する。
【0056】1本の基幹部分のうちプロポーショニング
バルブ90に対してマスタシリンダ60の側とは反対側
の部分には、電磁方向切換弁であるマスタシリンダカッ
ト弁92が設けられている。マスタシリンダカット弁9
2は、常には、ブレーキシリンダ68をマスタシリンダ
60に接続するが、制動力左右差制御時とアンチロック
制御時とトラクション制御時とにはマスタシリンダ60
から遮断して電磁方向切換弁である電気制御液圧源選択
弁94に接続する。その電気制御液圧源選択弁94は、
常には、マスタシリンダカット弁92を液圧ブースタ6
4を経由してリザーバ80に接続するが、制動力左右差
制御時とトラクション制御時とにはリザーバ80から遮
断して電気制御液圧源82に接続する。したがって、制
動力左右差制御時とトラクション制御時とには電気制御
液圧源82によって左右後輪22のブレーキシリンダ6
8が作動させられる。
【0057】前記2本の分岐部分の各々には、電磁液圧
制御弁としての電磁開閉弁である増圧弁72が設けられ
ている。また、各ブレーキシリンダ68には、電磁液圧
制御弁としての電磁開閉弁である減圧弁74を経てリザ
ーバ80が接続されている。
【0058】電気制御液圧源82は、作動液を圧力下に
蓄えるアキュムレータ96,リザーバ80から作動液を
汲み上げてアキュムレータ96に押し込むポンプ98等
から構成されている。ポンプ98の運転状態が図示しな
いコンピュータによって制御され、アキュムレータ96
に常に一定液圧範囲で作動液が蓄えられる。
【0059】制動力左右差制御装置は、図8に示すよう
に、制動力左右差コントローラ200を備えている。こ
の制動力左右差コントローラ200は、CPU202,
ROM204およびRAM206を含むコンピュータ2
08を主体として構成されている。
【0060】この制動力左右差コントローラ200の入
力側には、前記操舵角センサ40,車速センサ42およ
びヨーレイトセンサ44と、横加速度センサ214,圧
力センサ218およびブレーキスイッチ220がそれぞ
れ接続されている。横加速度センサ214は、車両重心
点における横加速度GY を検出する。圧力センサ218
は、各ブレーキシリンダ68の液圧を検出する。ブレー
キスイッチ220は、ブレーキペダル62の踏込みの有
無を検出する。一方、制動力左右差コントローラ200
の出力側には、前記マスタシリンダカット弁70,9
2,電気制御液圧源選択弁76,94,増圧弁72およ
び減圧弁74がそれぞれ接続されている。以下、それら
マスタシリンダカット弁70,92等をブレーキアクチ
ュエータと総称する。
【0061】制動力左右差コントローラ200は、各種
センサからの入力信号に基づき、車両挙動を安定化させ
るための出力信号をブレーキアクチュエータに出力する
が、そのための制動力左右差制御ルーチン(図9にフロ
ーチャートで表す)がROM204に予め記憶されてい
る。
【0062】ここで、制動力左右差制御ルーチンの内容
を図9のフローチャートに基づいて具体的に説明する。
【0063】制動力左右差制御ルーチンは繰り返し実行
される。各回の実行時には、まずステップS100(以
下単に「S100」という。他のステップについても同
じとする)において、各種センサから、車速V,実ヨー
レイトγ,横加速度GY および操舵角δH がそれぞれ入
力される。次に、S110において、車体スリップ角速
度β’と車体スリップ角βとがそれぞれ演算される。車
体スリップ角速度β’は例えば、 β’=GY /V−γ なる式を用いて演算することができ、また、車体スリッ
プ角βは例えば、演算した車体スリップ角速度β’の時
間積分値として演算することができる。
【0064】その後、S120において、演算した車体
スリップ角βおよび車体スリップ角速度β’に基づき、
車両挙動の特性を記述する物理量であるS値が演算され
る。S値は、 β/a+β’/b=1−S なる式で定義される。このS値の意味を具体的に説明す
れば、S値は、車両挙動の特性を図10に示すグラフに
おける平行な2本の斜線(β/a+β’/b=1なる式
で表される直線とβ/a+β’/b=−1なる式で表さ
れる直線)との関係において表すものである。
【0065】続いて、S130において、前記S10
0,S110およびS120において取得された各種旋
回情報に基づき、各輪のブレーキ圧について実現される
べきブレーキ圧制御モードが選択される。なお、旋回情
報に例えば、単位時間当たりのヨーレイト変化量(=
(γ(i) −γ(i-1) )/R)を単位時間当たりの操舵角
変化量(=δf(i)−δf(i-1))で割った値を含めること
もできる。なお、ここに「R」は、車両の旋回半径であ
る。
【0066】具体的には、まず、それら旋回情報に基づ
き、車両に過大なスピン傾向が発生したか、過大なドリ
フトアウト傾向が発生したか否かが判定される。車両に
過大なスピン傾向も過大なドリフトアウト傾向も発生し
ないと判定された場合には、4個の車輪すべてについて
減圧モードが選択される。いずれの車輪についても制動
力を発生させる必要がないからである。これに対し、車
両にスピン傾向が発生したと判定された場合には、左右
前輪14のうち旋回外側のものについてのみ制動力を増
加させるために増圧モードが選択され、他の車輪につい
ては減圧モードが選択される。これにより、スピン傾向
を抑制するためのヨーモーメントが車両に発生させられ
る。また、車両にドリフトアウト傾向が発生したと判定
された場合には、左右後輪22のうち旋回内側のものに
ついてのみ制動力を増加させるために増圧モードが選択
され、他の車輪については減圧モードが選択される。こ
れにより、ドリフトアウト傾向を抑制するためのヨーモ
ーメントが車両に発生させられる。
【0067】その後、S140において、選択されたブ
レーキ圧制御モードを実現するための信号がブレーキア
クチュエータに出力される。以上で本ルーチンの一回の
実行が終了する。
【0068】なお、この制動力左右差制御ルーチンは、
制動力左右差制御中にブレーキスイッチ220によりブ
レーキ操作を検出した場合には、直ちに制動力左右差制
御を中止し、各輪のブレーキシリンダ68がマスタシリ
ンダ60によって作動させられる通常状態に復帰させ
る。
【0069】ここで、図6の後輪舵角制御ルーチンの内
容を詳細に説明する。まず、それによる後輪舵角制御の
特徴点について説明する。前記のように、後輪舵角制御
においては、目標後輪舵角θr * が、 θr * =K1 ・γ・Δγ なる式を用いて演算される。しかし、常にこのように目
標後輪舵角θr * が演算されるわけではなく、本実施形
態においては、左右後輪22に対する制動力左右差制御
が実行中である場合には、目標後輪舵角θr * を、後輪
22のスリップ角βr が0に漸近するのに適当な値に決
定される。すなわち、本実施形態においては、後輪舵角
制御が、左右後輪22に対する制動力左右差制御が実行
中である場合以外の場合には、上記式を用いた通常制御
が行われ、左右後輪22に対して制動力左右差制御が実
行中である場合には、通常制御に代えて、後輪スリップ
角β r を0に漸近させる後輪スリップ角零化制御が行わ
れるようになっているのである。
【0070】なお、後輪スリップ角βr は、 βr =β−Lr ・γ/V−θr なる式を用いて演算される。ただし、 β :車体スリップ角 Lr :重心−後輪車軸間距離 γ :ヨーレイト V :車速 θr :後輪舵角
【0071】したがって、後輪スリップ角零化制御にお
いては、後輪スリップ角βr が0であるから、目標後輪
舵角θr * の収束値は、 θr * =β−Lr ・γ/V なる式を用いて演算されることになる。
【0072】前述のように、制動力左右差制御により左
右後輪22の一方のみに制動力が発生させられた状態で
後輪舵角制御が行われる場合には、後輪舵角アクチュエ
ータ24は、その制動力に打ち勝って左右後輪22を転
舵しなければならない。そのため、後輪舵角アクチュエ
ータ24が常に同じ大きさの力で左右後輪22を転舵す
ることとした場合には、後輪舵角アクチュエータ24は
左右後輪22を目標値通りに転舵することができない。
【0073】そこで、同じ車輪に対して制動力の発生と
転舵とが並行的に行われる場合には、本実施形態におい
ては、後輪舵角アクチュエータ24の出力を増加させる
ことにより、制動力左右差制御の影響とは無関係に、後
輪舵角制御が正規に行われることを保証する。また、本
実施形態においては、後輪舵角アクチュエータ24の出
力増加が、後輪舵角アクチュエータ24に供給される電
気エネルギを増加させること、具体的には、電流値を増
加させることにより行われる。
【0074】次に、以上概略的に説明した後輪舵角制御
の内容を図6の後輪舵角制御ルーチンに基づいて具体的
に説明する。後輪舵角制御ルーチンは、一定時間毎に繰
り返し実行される。各回の実行時には、まず、S10に
おいて、現在制動力左右差制御が実行中であるか否かが
判定される。この判定は例えば、制動力左右差制御装置
から制御情報を受信することにより行われる。現在制動
力左右差制御の実行中ではないと仮定すれば、判定がN
Oとなり、S12において、前記電流制限回路52に対
し、バッテリ54からドライバリレー50への供給電流
の値である電流制限値を標準値とするための電流制限値
指令信号が出力される。その後、S14において、後輪
舵角制御の通常制御を行うための目標後輪舵角θr *
演算される。続いて、S16において、目標後輪舵角θ
r * を実現するのに適当な信号が後輪舵角アクチュエー
タ24に出力される。以上で本ルーチンの一回の実行が
終了する。
【0075】本ルーチンの実行が何回か繰り返されるう
ちに、車両に過大なドリフトアウト傾向またはスピン傾
向が発生したため、制動力左右差制御が開始された場合
には、S10の判定がYESとなり、S18以下のステ
ップに移行する。S18においては、制動力左右差制御
の対象が左右後輪22であるか否かが判定される。電流
制限値を変更するか否かの判断には、左右後輪22に制
動力左右差制御と後輪舵角制御とが並行的に実行されて
いるか否かの判断が必要だからである。今回は制動力左
右差制御の対象が左右後輪22ではなく左右前輪14で
ある(車両に過大なスピン傾向が発生している)と仮定
すれば、判定がNOとなり、S20において、電流制限
値が標準値とされる。その後、S22において、後輪ス
リップ角零化制御を行うための目標後輪舵角θr * が演
算され、S16において、その目標後輪舵角θr * を実
現するための信号が後輪舵角アクチュエータ24に出力
される。以上で本ルーチンの一回の実行が終了する。
【0076】これに対し、現在実行されている制動力左
右差制御の対象が左右後輪22である(車両に過大なド
リフトアウト傾向が発生している)と仮定すれば、S1
0の判定がYES、S18の判定もYESとなり、S2
4以下のステップに移行する。S24においては、後輪
舵角アクチュエータ24に信号を出力しているにもかか
わらず後輪舵角θr の実際値が目標値に十分に一致して
いないか否か、すなわち、後輪舵角制御が正規でないか
否かが判定される。この判定は例えば、実ヨーレイトγ
とヨーレイト偏差Δγとの積の絶対値が設定値DV1
上である状態がある時間T1 以上連続したか否かの判定
としたり、時期的に互いに対応する目標後輪舵角θr *
と実後輪舵角θr との偏差が設定値DV2 以上である状
態がT1時間以上連続したか否かの判定とすることがで
きる。今回は後輪舵角制御が正規であると仮定すれば、
判定がNOとなり、S26において、電流制限値が標準
値とされ、その後、S22およびS16が前記の場合と
同様に実行され、本ルーチンの一回の実行が終了する。
【0077】これに対し、今回は後輪舵角制御が正規で
はないと仮定すれば、S24の判定がYESとなり、S
28以下のステップに移行する。S28においては、電
流制限値が標準値より大きい特別値とされ、その後、S
30において、S28の一連の実行における初回の実行
時からある時間T2 が経過したか否かが判定される。今
回は未だ経過していないと仮定すれば、判定がNOとな
り、S32がスキップされてS22に移行する。その
後、S10,S18,S24,S28,S30,S22
およびS16の実行が繰り返されるうちに時間T2 が経
過したと仮定すれば、S30の判定がYESとなり、S
32において、電流制限値が標準値に復元される。続い
て、S22およびS16が実行され、以上で本ルーチン
の一回の実行が終了する。
【0078】すなわち、本実施形態においては、後輪舵
角制御が正規でないと判定された場合には、電流制限値
が一時的に特別値に変更されるようになっているのであ
る。なお、後輪舵角制御が正規でないと判定された場合
には、例えば、その後輪舵角制御が正規の状態に回復す
るまで、電流制限値を特別値に変更することも可能であ
る。
【0079】以上の説明から明らかなように、本実施形
態においては、後輪舵角コントローラ30のうち、図6
のS24,S28,S30およびS22を実行する部分
が請求項1の発明における「横力制御正規化手段」の一
例を構成し、また、その部分が請求項2の発明における
「横力制御用関係変更手段」の一例を構成しているので
ある。また、後輪舵角コントローラ30のうち図6のS
24,S28,S30およびS22を実行する部分が、
前記「電気エネルギ増加指令信号供給手段」の一例を構
成し、S24を実行する部分が、前記「横力制御異常判
定手段」の一例を構成している。
【0080】次に、別の実施形態を説明する。なお、本
実施形態は、先の実施形態と後輪舵角制御ルーチンおよ
び制動力左右差制御ルーチンの内容が異なるのみで他の
要素については共通するため、他の要素については同一
の符号および名称を用いることによって詳細な説明を省
略し、後輪舵角制御ルーチンおよび制動力左右差制御ル
ーチンの内容についてのみ図11および図12のフロー
チャートに基づいて詳細に説明する。
【0081】まず、本実施形態の特徴点を概略的に説明
する。先の実施形態においては、左右後輪22に対して
制動力左右差制御と後輪舵角制御とが並行的に行われる
場合には、後輪舵角アクチュエータ24への電気エネル
ギの供給量を増加させることにより、制動力左右差制御
の影響とは無関係に後輪舵角制御が正規化されるように
なっているが、本実施形態においては、左右後輪22の
うち制動力左右差制御の対象となっていない車輪のブレ
ーキ圧を増加させることにより、目的が達成されるよう
になっている。左右後輪22のうち旋回内輪ではない車
輪、すなわち、旋回外輪についてもブレーキ圧を発生さ
せ、タイロッド27において各車輪から作用する軸力を
相殺させ、これにより、後輪舵角アクチュエータ24に
かかる負担を軽減するのである。
【0082】しかし、制動力左右差制御の実行中に旋回
内輪ではない車輪のブレーキ圧を増加させることは、左
右後輪22全体として発生する制動力左右差が減少し、
ひいては、過大なドリフトアウト傾向を抑制するために
車両に発生するヨーモーメントも減少してしまう。
【0083】そこで、本実施形態においては、制動力左
右差制御において旋回内輪のブレーキ圧を増加させる必
要性が低下したと判定された時期に限って、他方の車輪
のブレーキ圧が増加させられるようになっている。そし
て、本実施形態においては、制動力左右差制御において
旋回内輪のブレーキ圧を増加させる必要性が低下したと
判定された時期として、旋回内輪のブレーキ圧制御モー
ドとして減圧モードが選択された時期が選定されてい
る。
【0084】以上、後輪舵角制御の正規化制御の時期を
具体的に説明したが、次に、その内容を具体的に説明す
る。すなわち、正規化制御においては、左後輪22のブ
レーキ圧PRLおよび右後輪22のPRRをそれぞれ逐次検
出し、両者の差であるブレーキ圧左右差ΔPが基準値Δ
0 を超えないように旋回内輪でない車輪のブレーキ圧
が制御される。具体的には、図13にグラフで概念的に
示すように、後輪舵角制御の正規性判定に係るある条件
が初めて満たされた時期t1 におけるブレーキ圧左右差
ΔPが基準値ΔP0 とされ、その後、その条件がある時
間T1 以上連続して満たされたならば、後輪舵角制御が
異常であると判定される。すなわち、本実施形態におい
ては、その条件がある時間T1 以上連続して満たされた
ときに初めて、後輪舵角制御が異常であると判定される
のである。
【0085】なお、正規化制御は、前述のように、旋回
内輪について減圧が開始された後に開始されるため、図
の例では、後輪舵角制御が異常であると判定され、か
つ、旋回内輪について減圧が開始された時期t2 に、旋
回内輪でない車輪(図の例では、左後輪)のブレーキ圧
の増加が開始されることになる。
【0086】旋回内輪でない車輪について増圧が開始さ
れたならば、図に示すように、ブレーキ圧左右差ΔPは
減少し、時期t3 に基準値ΔP0 に一致する。その後、
ブレーキ圧左右差ΔPが基準値ΔP0 より小さくなった
ならば、もはや旋回内輪でない車輪のブレーキ圧の増加
は不能であると判定され、その車輪のブレーキ圧制御モ
ードが旋回内輪と同じものに設定される。図の例では、
ブレーキ圧左右差ΔPが初めて基準値ΔP0 より小さく
なった時期t3 に旋回内輪(図の例では、右後輪)のブ
レーキ圧制御モードが減圧モードであるから、この例で
は、他方の車輪(図の例では、左後輪)も減圧モードに
されることになる。このように、ブレーキ圧左右差ΔP
が初めて基準値ΔP0 より小さくなった時期以後は、左
右後輪22に互いに同じブレーキ圧制御モードが設定さ
れるため、ブレーキ圧左右差ΔPが基準値ΔP0 にほぼ
維持されることになる。
【0087】次に、図11のフローチャートに基づき、
後輪舵角制御ルーチンの内容を具体的に説明する。な
お、先の実施形態における図6の後輪舵角制御ルーチン
と共通する内容については簡単に説明する。
【0088】まず、S200において、現在制動力左右
差制御の実行中であるか否かが判定される。今回は実行
中ではないと仮定すれば、判定がNOとなり、S202
において、RAM36に設けられている後輪舵角制御異
常フラグF1 ,左後輪増圧指令フラグF2 ,右後輪増圧
指令フラグF3 およびブレーキ圧左右差低下フラグF 4
がいずれも0とされる。ここに、後輪舵角制御異常フラ
グF1 は、1で後輪舵角制御が異常であることを示すフ
ラグであり、左後輪増圧指令フラグF2 および右後輪増
圧指令フラグF3 はそれぞれ、1で左後輪および右後輪
のブレーキ圧制御モードとして増圧モードを選択するこ
とを指令することを示すフラグであり、ブレーキ圧左右
差低下フラグF4 は、1でブレーキ圧左右差ΔPが基準
値ΔP0に低下したことを示すフラグである。
【0089】その後、S204において、後輪舵角制御
のうちの通常制御を実行するための目標後輪舵角θr *
が演算され、続いて、S206において、演算された目
標後輪舵角θr * を実現するための信号が後輪舵角アク
チュエータ24に出力される。以上で本ルーチンの一回
の実行が終了する。
【0090】これに対し、今回は制動力左右差制御の実
行中であると仮定すれば、S200の判定がYESとな
り、S208において、その制動力左右差制御の実行対
象が左右後輪22であるか否かが判定される。今回は実
行対象が左右後輪22ではないと仮定すれば、判定がN
Oとなり、S210において、前記4つのフラグF1
2 ,F3 およびF4 がいずれも0とされる。その後、
S212において、後輪スリップ角零化制御のための目
標後輪舵角θr * が演算される。なお、この際、目標後
輪舵角θr * の今回値の前回値からの変化量が設定値D
3 を超えないように演算が行われ、実後輪舵角θr
急変して運転者に違和感を抱かせないようにされてい
る。その後、S206が実行され、以上で本ルーチンの
一回の実行が終了する。
【0091】これに対し、制動力左右差制御の実行対象
が左右後輪22であると仮定すれば、S208の判定が
YESとなり、S214において、互いに時期的に対応
する目標後輪舵角θr * の実後輪舵角θr からの偏差で
ある後輪舵角偏差Δθr の絶対値が設定値DV4 より大
きい状態がT1 時間以上連続したか否かが判定される。
本実施形態においては、後輪舵角偏差Δθr の絶対値が
設定値DV4 より大きくなることが、前記後輪舵角制御
の正規性判定のためのある条件の一例なのである。以
下、この条件を異常時充足部分条件という。さらに、こ
のステップにおいては、その異常時充足部分条件が初め
て満たされた時にブレーキ圧左右差ΔPが演算され、そ
の値が前記基準値ΔP0 とされる。なお、ブレーキ圧左
右差ΔPを演算するために各後輪22のブレーキ圧
RL,PRRが必要であるが、それら各ブレーキ圧PRL
RRは例えば、左右後輪22の各ブレーキシリンダに圧
力センサを設けて直接に検出したり、各ブレーキシリン
ダの圧力制御のためにブレーキアクチュエータのソレノ
イドに供給された信号の履歴に基づいて間接に検出する
ことができる。今回は異常時充足部分条件がT1 時間以
上連続しなかったと仮定すれば、判定がNOとなり、S
216において、前記4つのフラグF1 ,F2 ,F 3
よびF4 がいずれも0とされる。その後、S218にお
いて、後輪スリップ角零化制御のための目標後輪舵角θ
r * が演算される。この際、前記S212におけると同
様に、目標後輪舵角θr * の急変防止処理が行われる。
その後、S206が実行され、以上で本ルーチンの一回
の実行が終了する。
【0092】その後、S200,S208,S214,
S216,S218およびS206の実行が何回か繰り
返される間、異常時充足部分条件がT1 時間以上連続し
て満たされたと仮定すれば、後輪舵角制御が正規でない
との判定が確定し、S214の判定がYESとなり、続
いて、S222において、後輪舵角制御異常フラグF 1
が1とされる。後輪舵角制御が異常である旨の情報がR
AM36に記憶されるのである。
【0093】その後、S224において、左右後輪22
のうち右後輪のブレーキ圧が制御中であるか否かが判定
される。今回はそうであると仮定すれば、判定がYES
となり、S226において、その右後輪について現在、
減圧モードが選択されているか否かが判定される。今回
は減圧モードが選択されていないと仮定すれば、判定が
NOとなり、S228,S230およびS232がスキ
ップされてS212以に移行する。これに対し、右後輪
について現在、減圧モードが選択されていると仮定すれ
ば、S226の判定がYESとなり、S228におい
て、左後輪増圧指令フラグF2 が1とされる。後輪舵角
制御の正規化のために左後輪のブレーキ圧を増加させる
指令がRAM36に記憶されるのである。続いて、S2
30において、ブレーキ圧左右差ΔPが現在、前記基準
値ΔP0 より小さいか否かが判定される。今回は基準値
ΔP0 より小さくないと仮定すれば、判定がNOとな
り、S226に戻る。
【0094】その後、S226,S228およびS23
0の実行が何回か繰り返されるうちにブレーキ圧左右差
ΔPが基準値ΔP0 より小さくなったと仮定すれば、S
230の判定がYESとなり、S232において、ブレ
ーキ圧左右差低下フラグF4が1とされる。ブレーキ圧
左右差ΔPの現在値が、前記異常時充足部分条件が満た
されたと初めて判定されたときの高さに低下した旨の情
報がRAM36に記憶されるのである。その後、S21
2に移行する。
【0095】以上、制動力左右差制御の対象が右後輪で
ある場合を説明したが、左後輪である場合には、S22
4の判定がNOとなり、S234において、制動力左右
差制御の対象が左後輪であるか否かが判定されれば、判
定がYESとなり、S236に移行する。なお、S23
4の判定もNOであった場合には、何らかの異常がある
と判定し、S236に直ちに移行するのではなく、一度
S224に戻るように設計されている。
【0096】S236においては、左後輪について現
在、減圧モードが選択されているか否かが判定される。
今回はそうではないと仮定すれば、判定がNOとなり、
直ちにS212に移行する。これに対し、左後輪につい
て現在、減圧モードが選択されていると仮定すれば、S
236の判定がYESとなり、S238において、右後
輪増圧指令フラグF3 が1とされる。後輪舵角制御の正
規化のために右後輪のブレーキ圧を増加させるべきであ
る旨の情報がRAM36に記憶されるのである。S23
6,S238およびS240の実行は、ブレーキ圧左右
差ΔPが基準値ΔP0 より小さくなるまで繰り返され、
小さくなったならば、S240の判定がYESとなり、
S232に移行する。
【0097】次に、制動力左右差制御ルーチンの内容を
図12のフローチャートに基づいて具体的に説明する。
【0098】まず、S300において、各種センサか
ら、車速V,実ヨーレイトγ,横加速度GY および操舵
角δH がそれぞれ入力される。次に、S302におい
て、車体スリップ角速度β’と車体スリップ角βとがそ
れぞれ演算される。その後、S306において、演算し
た車体スリップ角βおよび車体スリップ角速度β’に基
づき、前述の、車両挙動の特性を記述する物理量である
S値が演算される。
【0099】続いて、S308において、前記S300
〜S306において取得された各種旋回情報に基づき、
各輪のブレーキ圧について実現されるべきブレーキ圧制
御モードが選択される。具体的には、前記のように、車
両に過大なスピン傾向も過大なドリフトアウト傾向も発
生しないと判定された場合には、4個の車輪すべてにつ
いて減圧モードが選択される。これに対し、車両に過大
なスピン傾向が発生したと判定された場合には、左右前
輪14のうち旋回外側のものについてのみ制動力を増加
させるために増圧モードが選択され、他の車輪について
は減圧モードが選択される。また、車両に過大なドリフ
トアウト傾向が発生したと判定された場合には、左右後
輪22のうち旋回内側のものについてのみ制動力を増加
させるために増圧モードが選択され、他の車輪について
は減圧モードが選択される。
【0100】その後、S310において、車両に過大な
ドリフトアウト傾向が発生しているか否か、すなわち、
制動力左右差制御の今回の実行対象が左右後輪22であ
るか否かが判定される。今回は車両にドリフトアウト傾
向が発生していないと仮定すれば、判定がNOとなり、
S312において、選択されたブレーキ圧制御モードを
実現するための信号がブレーキアクチュエータに出力さ
れる。以上で本ルーチンの一回の実行が終了する。
【0101】これに対し、車両に現在、過大なドリフト
アウト傾向が発生していると仮定すれば、S310の判
定がYESとなり、S314以下のステップに移行す
る。S314においては、後輪舵角制御異常フラグF1
が1であるか否か、すなわち、後輪舵角制御が異常であ
るか否かが判定される。今回は正規であると仮定すれ
ば、判定がNOとなり、S316において、後輪舵角制
御異常フラグF1 が0であるか否か、すなわち、後輪舵
角制御が正規であるか否かが判定される。本来であれ
ば、S314の判定がNOとなればこのS316の判定
はYESとなり、直ちにS312に移行するが、何らか
の異常がある場合を想定し、S314の判定がNOであ
るにもかかわらずS316の判定もNOである場合に
は、S314に戻るように設計されている。
【0102】これに対し、今回は後輪舵角制御異常フラ
グF1 が1、すなわち、後輪舵角制御が異常であると仮
定すれば、S314の判定がYESとなり、S318に
おいて、左後輪増圧指令フラグF2 が1であるか否かが
判定される。今回は1であると仮定すれば、判定がYE
Sとなり、S320において、左後輪のブレーキ圧制御
モードとして今回、増圧モードが選択される。その後、
S322において、ブレーキ圧左右差低下フラグF4
1であるか否かが判定される。今回は1ではない、すな
わち、ブレーキ圧左右差ΔPが基準値ΔP0 より小さく
ないと仮定すれば、判定がNOとなり、直ちにS312
に移行する。
【0103】以上、左後輪増圧指令フラグF2 が1であ
る場合を説明したが、右後輪増圧指令フラグF3 が1で
ある場合には、本来であれば左後輪増圧指令フラグF2
は0であるため、S318の判定はNO、S326の判
定はYESとなる。なお、S318の判定もS326の
判定もNOである場合には、S318に戻る。
【0104】S326の判定がYESとなると、S32
8において、右後輪のブレーキ圧制御モードとして今
回、増圧モードが選択される。その後、S322におい
て、ブレーキ圧左右差低下フラグF4 が1であるか否か
が判定される。今回は1ではないと仮定すれば、判定が
NOとなり、直ちにS312に移行する。
【0105】その後、S300〜S310,S314,
S318またはS326,S320またはS328およ
びS322の実行が繰り返されるうちに、ブレーキ圧左
右差低下フラグF4 が1となれば、S322の判定がY
ESとなり、S324に移行する。このS324におい
ては、左後輪増圧指令フラグF2 が1である場合には、
左後輪のブレーキ圧制御モードとして右後輪のものと同
じものが選択され、一方、右後輪増圧指令フラグF3
1である場合には、右後輪のブレーキ圧制御モードとし
て左後輪のものと同じものが選択される。その後、S3
12が実行され、以上で本ルーチンの一回の実行が終了
する。
【0106】以上の説明から明らかなように、本実施形
態においては、後輪舵角コントローラ30のうち、図1
2のS310,S314,S316,S320,S32
2,S324よび,S328を実行する部分が、請求項
3の発明における「前後力左右差制御用関係変更手段」
の一例を構成し、図11のS208,S214,S22
0〜S240を実行する部分が、請求項4の発明におけ
る「変更抑制手段」の一例を構成しているのである。ま
た、後輪舵角コントローラ30のうち同図のS214を
実行する部分が、前記「横力制御異常判定手段」の一例
を構成している。また、後輪舵角コントローラ30のう
ち同図のS228およびS238を実行する部分と制動
力左右差コントローラ200のうち図12のS320お
よびS328を実行する部分とが、前記「前後力左右差
減少手段」,「制動力左右差減少手段」および「ブレー
キ圧増圧制御手段」のそれぞれの一例を構成している。
また、後輪舵角コントローラ30のうち図11のS23
0およびS232を実行する部分と、制動力左右差コン
トローラ200のうち図12のS322およびS324
を実行する部分が、前記「ブレーキ圧制御モード共通化
手段」の一例を構成している。
【0107】さらに別の実施形態を説明する。本実施形
態である車両旋回挙動制御装置は、前後力左右差制御装
置としての制動力左右差制御装置および横力制御装置と
しての後輪舵角制御装置に加え、減速制御装置としての
エンジン出力制御装置も備えている。なお、このエンジ
ン出力制御装置は、トラクション制御装置としても使用
することができる。制動力左右差制御の実行中に車両を
積極的に減速させれば、制動力左右差制御により車両に
発生させるべきヨーモーメントが減少し、その結果、制
動力左右差制御により左右後輪22間に発生させるべき
制動力左右差も減少する。制動力左右差が減少すること
は、その制動力左右差制御と並行的に後輪舵角制御が実
行されている場合に、後輪舵角アクチュエータ24にか
かる負担が軽減され、後輪舵角制御の正規性が保証され
ることとなる。そのような知見に基づき、本実施形態に
おいては、後輪舵角制御が正規でなくなった場合には、
車両が積極的に減速させられる。また、本実施形態にお
いては、後輪舵角制御が正規でないか否かの判定が、左
右後輪22間のブレーキ圧左右差ΔPを検出し、その検
出値が後輪舵角アクチュエータ24により後輪22を正
規に転舵することができない限界値ΔP MAX を超えたか
否かを判定することにより行われる。
【0108】以上、本実施形態の構成を概略的に説明し
たが、以下、詳細に説明する。ただし、本実施形態にお
ける制動力左右差制御装置および後輪舵角制御装置につ
いては、最先の実施形態と共通する要素が多く、異なる
のは制動力左右差制御ルーチンおよび後輪舵角制御ルー
チンの内容のみであるため、共通する要素については同
一の符号および名称を利用することによって詳細な説明
を省略し、制動力左右差制御ルーチンおよび後輪舵角制
御ルーチンのみを詳細に説明する。
【0109】まず、後輪舵角制御ルーチンの内容を図1
4のフローチャートに基づいて説明する。
【0110】まず、S500において、現在制動力左右
差制御の実行中であるか否かが判定される。今回は実行
中ではないと仮定すれば、判定がNOとなり、S502
において、後輪舵角制御のうちの通常制御を実行するた
めの目標後輪舵角θr * が演算され、続いて、S504
において、演算された目標後輪舵角θr * を実現するた
めの信号が後輪舵角アクチュエータ24に出力される。
以上で本ルーチンの一回の実行が終了する。
【0111】これに対し、今回は制動力左右差制御の実
行中であると仮定すれば、S500の判定がYESとな
り、S506において、後輪スリップ角零化制御のため
の目標後輪舵角θr * が演算される。なお、この際、目
標後輪舵角θr * の今回値の前回値からの変化量が設定
値DV3 を超えないように演算が行われ、実後輪舵角θ
r が急変して運転者に違和感を抱かせないようにされて
いる。その後、S504が実行され、以上で本ルーチン
の一回の実行が終了する。
【0112】次に、制動力左右差制御ルーチンの内容を
図15のフローチャートに基づいて説明する。まず、S
600において、各種センサから、車速V,実ヨーレイ
トγ,横加速度GY および操舵角δH がそれぞれ入力さ
れる。さらに、本ステップにおいて、各左右後輪22の
ブレーキ圧PRL,PRRが検出される。次に、S602に
おいて、車体スリップ角速度β’と車体スリップ角βと
がそれぞれ演算される。その後、S606において、演
算した車体スリップ角βおよび車体スリップ角速度β’
に基づき、前述の、車両挙動の特性を記述する物理量で
あるS値が演算される。
【0113】続いて、S608において、前記S600
〜S606において取得された各種旋回情報に基づき、
各輪のブレーキ圧について実現されるべきブレーキ圧制
御モードが選択される。具体的には、前記のように、車
両に過大なスピン傾向も過大なドリフトアウト傾向も発
生しないと判定された場合には、4個の車輪すべてにつ
いて減圧モードが選択される。これに対し、車両にスピ
ン傾向が発生したと判定された場合には、左右前輪14
のうち旋回外側のものについてのみ制動力を増加させる
ために増圧モードが選択され、他の車輪については減圧
モードが選択される。また、車両にドリフトアウト傾向
が発生したと判定された場合には、左右後輪22のうち
旋回内側のものについてのみ制動力を増加させるために
増圧モードが選択され、他の車輪については減圧モード
が選択される。
【0114】その後、S610において、左右後輪22
のブレーキ圧PRL,PRRの差がブレーキ圧左右差ΔPと
して演算されるとともに、そのブレーキ圧左右差ΔP
が、後輪舵角アクチュエータ24が左右後輪22を正規
に転舵することができない限界値ΔPMAX 以下であるか
否かが判定される。今回は限界値ΔPMAX 以下であると
仮定すれば、判定がYESとなり、S612において、
副スロットルバルブ304の目標開度θSB *の補正値θ
P が0とされる。続いて、S614において、前記S6
08において選択されたブレーキ圧制御モードを実現す
るための信号がブレーキアクチュエータに出力される。
以上で本ルーチンの一回の実行が終了する。
【0115】これに対し、ブレーキ圧左右差ΔPが限界
値ΔPMAX より大きいと仮定すれば、S610の判定が
NOとなり、S616において、ブレーキ圧左右差ΔP
の限界値ΔPMAX からの偏差に基づき、副スロットルバ
ルブ304の目標開度θSB *の補正値θP が決定され
る。その偏差が大きいほど、補正値θP が大きくなるよ
うに決定され、これにより、偏差が大きいほど、すなわ
ち、後輪舵角アクチュエータ24が後輪22を正規に転
舵することができない可能性が高いほど、エンジンの出
力が低下させられ、結果的に、制動力左右差制御により
実現されるべき制動力左右差が減少させられることにな
る。その後、S614を経て本ルーチンの一回の実行が
終了する。
【0116】次に、エンジン出力制御装置を説明する。
エンジン出力制御装置は、エンジンの出力を制御するこ
とによって車両の減速を実現する。エンジンの出力制御
は具体的に、スロットルバルブの開度を制御することに
よって行われる。図16に示すように、エンジンの吸気
通路300に主スロットルバルブ302と副スロットル
バルブ304とが互いに直列に配置されている。主スロ
ットルバルブ302は、加速操作部材としてのアクセル
ペダル306の踏込み量に応じて機械的に連動させられ
るバルブであり、一方、副スロットルバルブ304は、
スロットルアクチュエータ308によって自動的に作動
させられるバルブである。
【0117】エンジン出力制御装置は、図17に示すよ
うに、エンジン出力制御コントローラ310を備えてい
る。このエンジン出力コントローラ310は、CPU3
12,ROM314およびRAM316を含むコンピュ
ータ318を主体として構成されている。
【0118】このエンジン出力コントローラ310の入
力側には、前記操舵角センサ40,車速センサ42およ
び横加速度センサ214と、主スロットル位置センサ3
20および副スロットル位置センサ322がそれぞれ接
続されている。主スロットル位置センサ320および副
スロットル位置センサ322はそれぞれ、図16に示す
ように、主スロットルバルブ302および副スロットル
バルブ304の開度を検出する。それら主スロットル位
置センサ320および副スロットル位置センサ322は
いずれも、各スロットルバルブ302,304が吸気通
路300を最も閉じる最閉位置を0%、吸気通路300
を最も開く最開位置を100%としてそれぞれ検出す
る。一方、エンジン出力コントローラ310の出力側に
は、前記スロットルアクチュエータ308が接続されて
いる。
【0119】エンジン出力コントローラ310は、各種
センサからの入力信号に基づき、車両挙動を安定化させ
るための出力信号をスロットルアクチュエータ308に
出力するが、そのためのエンジン出力制御ルーチンがR
OM314に予め記憶されている。
【0120】エンジン出力制御ルーチンは図18にフロ
ーチャートで表されている。このルーチンにおいては、
まず、S400において、副スロットルバルブ304の
目標開度θSB *が通常値に決定される。ここに「通常
値」とは、主スロットルバルブ302の実開度θM を意
味する。実開度θM は主スロットル位置センサ320に
より検出される。
【0121】次に、S402において、目標開度θSB *
が前記補正量θP に基づいて補正される。例えば、 θSB *=θSB *−K2 ・θP なる式を用いて補正される。ここに「K2 」は比例係数
である。
【0122】その後、S404において、補正された目
標開度θSB *を実現するための信号がスロットルアクチ
ュエータ308に出力される。以上で本ルーチンの一回
の実行が終了する。
【0123】以上の説明から明らかなように、本実施形
態においては、制動力左右差コントローラ200のうち
図15のS610,S612およびS616を実行する
部分と、エンジン出力制御装置(特に、エンジン出力コ
ントローラ310のうち図18のS402を実行する部
分)とが、請求項5の発明における「減速装置」の一例
を構成しているのである。また、制動力左右差コントロ
ーラ200のうち図15のS610を実行する部分が、
前記「後輪舵角異常判定手段」の一例を構成している。
【0124】さらに別の実施形態を説明する。本実施形
態である車両旋回挙動制御装置は、前後力左右差制御装
置としての制動力左右差制御装置および横力制御装置と
しての後輪舵角制御装置に加え、差動制限量制御装置も
備えている。制動力左右差制御の実行中に左右後輪22
の差動制限量を増加させれば、本来であれば一方の後輪
にのみ作用する制動力が他方の後輪にも分配されるか
ら、制動力左右差制御により左右後輪22間に発生する
制動力左右差が減少する。制動力左右差が減少すること
は、その制動力左右差制御と並行的に後輪舵角制御が実
行されている場合に、後輪舵角アクチュエータ24にか
かる負担が軽減され、後輪舵角制御の正規性が保証され
ることとなる。そのような知見に基づき、本実施形態に
おいては、後輪舵角制御が正規でなくなった場合には、
左右後輪22の差動制限量が積極的に増加させられる。
【0125】しかし、制動力左右差制御の実行中にいつ
でも左右後輪22の差動制限量を増加させることは、左
右後輪22全体として発生する制動力左右差が減少し、
ひいては、過大なドリフトアウト傾向を抑制するために
車両に発生するヨーモーメントも減少してしまう。
【0126】そこで、本実施形態においては、制動力左
右差制御において旋回内輪のブレーキ圧を増加させる必
要性が低下したと判定された時期に限って、左右後輪2
2の差動制限量が増加させられるようになっている。
【0127】そして、本実施形態においては、制動力左
右差制御において旋回内輪のブレーキ圧を増加させる必
要性が低下したと判定された時期として、旋回内輪のブ
レーキ圧制御モードとして減圧モードが選択された時期
が選定されている。
【0128】さらに、本実施形態においては、その時期
が到来したならば、図19に示すように、左右後輪22
を互いに連結する差動制限量可変型のリヤデファレンシ
ャル(以下、単に「リヤデフ」という)340がロック
状態とされ、左右後輪22間に回転速度差が生じること
が阻止される。リヤデフ340は、各後輪22と共に回
転する回転体相互の係合状態が液圧によって変化する液
圧クラッチ式とされ、その液圧を所定値以上に高めるこ
とにより左右後輪22のロック状態が実現される。
【0129】さらにまた、本実施形態においては、リヤ
デフ340のロックは、制動力左右差制御において旋回
内輪のブレーキ圧制御モードとして減圧モードが選択さ
れた時期から一定時間T3 が経過するまでの間行われ
る。そして、この時間T3 は、本実施形態においては、
後輪スリップ角零化制御が開始されてから初めて実後輪
スリップ角βr が0にほぼ一致するのに必要な長さとさ
れている。実後輪スリップ角βr を0に迅速に接近させ
るためには、その間、後輪舵角制御による実後輪舵角が
正規値となることが必要であり、実後輪スリップ角βr
が0にほぼ一致した後には、後輪舵角制御より制動力左
右差制御を優先させることが車両挙動の安定化のために
望ましいと考えられるからである。
【0130】以上、本実施形態を概略的に説明したが、
以下、詳細に説明する。ただし、本実施形態における制
動力左右差制御装置および後輪舵角制御装置について
は、最先の実施形態と共通する要素が多く、異なるのは
制動力左右差制御ルーチンおよび後輪舵角制御ルーチン
の内容のみであるため、共通する要素については同一の
符号および名称を利用することによって詳細な説明を省
略し、制動力左右差制御ルーチンおよび後輪舵角制御ル
ーチンのみを詳細に説明する。
【0131】まず、後輪舵角制御ルーチンの内容を図2
0のフローチャートに基づいて説明する。
【0132】まず、S700において、現在制動力左右
差制御の実行中であるか否かが判定される。今回は実行
中ではないと仮定すれば、判定がNOとなり、S702
において、前記後輪舵角制御異常フラグF1 と、ロック
指令フラグF2 ,F3 およびロック解除指令フラグF4
とがいずれも0とされる。ここに、ロック指令フラグF
2 およびF3 はいずれも、1でリヤデフ340をロック
状態とすることを指令することを示すフラグであり、ロ
ック解除指令フラグF4 は、1でリヤデフ340をロッ
ク状態から解除することを指令することを示すフラグで
ある。
【0133】その後、S704において、後輪舵角制御
のうちの通常制御を実行するための目標後輪舵角θr *
が演算され、続いて、S706において、演算された目
標後輪舵角θr * を実現するための信号が後輪舵角アク
チュエータ24に出力される。以上で本ルーチンの一回
の実行が終了する。
【0134】これに対し、今回は制動力左右差制御の実
行中であると仮定すれば、S700の判定がYESとな
り、S708において、その制動力左右差制御の実行対
象が左右後輪22であるか否かが判定される。今回は実
行対象が左右後輪22ではないと仮定すれば、判定がN
Oとなり、S710において、前記4つのフラグF1
2 ,F3 およびF4 がいずれも0とされる。その後、
S712において、後輪スリップ角零化制御のための目
標後輪舵角θr * が演算される。この際、実後輪舵角θ
r の急変抑制処理も行われる。その後、S706が実行
され、以上で本ルーチンの一回の実行が終了する。
【0135】これに対し、制動力左右差制御の実行対象
が左右後輪22であると仮定すれば、S708の判定が
YESとなり、S714において、互いに時期的に対応
する目標後輪舵角θr * の実後輪舵角θr からの偏差で
ある後輪舵角偏差Δθr の絶対値が設定値DV5 より大
きい状態がT1 時間以上連続したか否かが判定される。
今回は、後輪舵角偏差Δθr の絶対値が設定値DV5
り大きくなるという異常時充足部分条件が満たされない
と仮定すれば、判定がNOとなり、S716において、
前記4つのフラグF1 ,F2 ,F3 およびF4 がいずれ
も0とされる。その後、S718において、後輪スリッ
プ角零化制御のための目標後輪舵角θr * が演算され
る。この際、目標後輪舵角θr * の急変抑制処理も行わ
れる。その後、S706が実行され、以上で本ルーチン
の一回の実行が終了する。
【0136】その後、S700,S708,S714,
S716,S718およびS706の実行が何回か繰り
返される間、異常時充足部分条件がT1 時間以上連続し
て満たされたと仮定すれば、後輪舵角制御が正規でない
との判定が確定し、S714の判定がYESとなり、S
720以下のステップに移行する。
【0137】S720においては、後輪舵角制御異常フ
ラグF1 が1とされる。その後、S722において、左
右後輪22のうち右後輪のブレーキ圧が制御中であるか
否かが判定される。今回はそうであると仮定すれば、判
定がYESとなり、S724において、その右後輪につ
いて現在、減圧モードが選択されているか否かが判定さ
れる。今回は減圧モードが選択されていないと仮定すれ
ば、判定がNOとなり、直ちにS712に移行する。こ
れに対し、右後輪について現在、減圧モードが選択され
ていると仮定すれば、S724の判定がYESとなり、
S726において、ロック指令フラグF2 が1とされ
る。続いて、S728において、ロック指令フラグF2
が1である状態がT3 時間連続したか否かが判定され
る。今回はT 3 時間連続していないと仮定すれば、判定
がNOとなり、S724に戻る。
【0138】その後、S724,S726およびS72
8の実行が何回か繰り返されるうちにロック指令フラグ
2 が1である状態がT3 時間以上連続したと仮定すれ
ば、S728の判定がYESとなり、S730におい
て、ロック解除指令フラグF4が1とされる。その後、
S712に移行する。
【0139】以上、制動力左右差制御の対象が右後輪で
ある場合を説明したが、左後輪である場合には、S72
2の判定がNOとなり、S732において、制動力左右
差制御の対象が左後輪であるか否かが判定されれば、判
定がYESとなり、S734に移行する。なお、S73
2の判定もNOであった場合には、S722に戻る。
【0140】S734においては、左後輪について現
在、減圧モードが選択されているか否かが判定される。
今回はそうではないと仮定すれば、判定がNOとなり、
直ちにS712に移行する。これに対し、左後輪につい
て現在、減圧モードが選択されていると仮定すれば、S
734の判定がYESとなり、S736において、ロッ
ク指令フラグF3 が1とされる。S734,S736お
よびS738の実行は、ロック指令フラグF3 が1であ
る状態がT3 時間以上連続するまで繰り返され、T3
間以上連続したならば、S738の判定がYESとな
り、S730に移行する。
【0141】これに対し、制動力左右差制御ルーチン
は、図9に示すものと同じであるため、説明を省略す
る。
【0142】次に、差動制限量制御装置について説明す
る。差動制限量制御装置は、図21に示すように、差動
制限量コントローラ350を備えている。この差動制限
量コントローラ350は、CPU352,ROM354
およびRAM356を含むコンピュータ358を主体と
して構成されている。
【0143】この差動制限量コントローラ350の入力
側には、左後輪22の回転速度を検出する左後輪速度セ
ンサ360と、右後輪22の回転速度を検出する右後輪
速度センサ362とがそれぞれ接続されている。一方、
差動制限量コントローラ350の出力側には、前記リヤ
デフ340の液圧を制御するリヤデフアクチュエータ3
64が接続されている。
【0144】差動制限量コントローラ350は、各種セ
ンサからの入力信号に基づき、エンジンの出力トルクが
左右後輪22に極力効果的に分配するための出力信号を
リヤデフアクチュエータ364に出力するが、そのため
の差動制限量制御ルーチンがROM354に予め記憶さ
れている。
【0145】差動制限量制御ルーチンは図22にフロー
チャートで表されている。このルーチンにおいては、ま
ず、S800において、リヤデフ340の目標デフ液圧
*が通常制御用の値に決定される。通常制御用の目標
デフ液圧P* は、各速度センサ360,362により検
出された各後輪22の速度の相対的な関係に基づき、エ
ンジンの出力トルクが各後輪22に適正に分配されるよ
うに決定される。
【0146】次に、S802において、前記制動力左右
差制御装置からの情報により、車両が過大なドリフトア
ウト傾向を示すか否か、すなわち、制動力左右差制御の
対象が左右後輪22であるか否かが判定される。今回は
車両が過大なドリフトアウト傾向を示していないと仮定
すれば、S802の判定がNOとなり、S804におい
て、目標デフ液圧P* を実現するのに必要な信号が前記
リヤデフアクチュエータ364に出力される。以上で本
ルーチンの一回の実行が終了する。
【0147】これに対し、今回は車両に過大なドリフト
アウト傾向が生じていると仮定すれば、S802の判定
がYESとなり、S806以下のステップに移行する。
S806においては、後輪舵角制御異常フラグF1 が1
であるか否か、すなわち、後輪舵角制御が異常であるか
否かが判定される。今回は0であると仮定すれば、判定
がNOとなり、S808において、後輪舵角制御異常フ
ラグF1 が0であるか否かが判定される。今回は後輪舵
角制御異常フラグF1 が0であると仮定されているか
ら、判定は普通、YESとなり、S804を経て本ルー
チンの一回の実行が終了する。
【0148】これに対し、今回は後輪舵角制御異常フラ
グF1 が1、すなわち、後輪舵角制御が異常であると仮
定すれば、S806の判定がYESとなり、S810に
おいて、ロック指令フラグF2 (右後輪減圧開始)が1
であるか否かが判定される。今回は1であると仮定すれ
ば、判定がYESとなり、S812において、今回の目
標デフ液圧P* が、リヤデフ340においてロック状態
を実現するのに必要なロック実現液圧に決定される。続
いて、S814において、ロック解除指令フラグF4
1であるか否かが判定される。今回は1ではない、すな
わち、ロックを解除すべきでないと仮定すれば、判定が
NOとなり、S812に戻る。
【0149】その後、S812およびS814の実行が
何回か繰り返されるうちにロック解除指令フラグF4
1となったと仮定すれば、S814の判定がYESとな
り、S816において、今回の目標デフ液圧P* が、リ
ヤデフ340においてロック解除状態(フリー状態)を
実現するのに必要なロック解除実現液圧に決定される。
その後、S804を経て本ルーチンの一回の実行が終了
する。
【0150】これに対し、今回はロック指令フラグF3
(左後輪減圧開始)が1であると仮定すれば、S810
の判定がNO、S818の判定はYESとなり、その
後、S812に移行し、ロック指令フラクF2 が1であ
る場合と同様にしてリヤデフ340のロックおよびその
解除が行われる。
【0151】以上の説明から明らかなように、本実施形
態においては、差動制限量制御装置(特に、差動制限量
コントローラ350のうち図22のS802〜S818
を実行する部分)が、請求項6の発明における「差動制
限量増加装置」の一例を構成しているのである。
【0152】以上、各請求項の発明をいくつかの実施形
態に基づいて詳細に説明したが、それらの他にも、特許
請求の範囲を逸脱することなく、当業者の知識に基づい
て種々の変形,改良を施した態様で各請求項の発明を実
施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1および2の発明に共通の一実施形態で
ある車両旋回挙動制御装置が搭載されている車両の操舵
系を示す平面図である。
【図2】その車両における後輪と後輪舵角アクチュエー
タとの機械的な連携を説明するための拡大部分平面図で
ある。
【図3】前記車両旋回挙動制御装置による制動力左右差
制御と後輪舵角制御とが同じ車輪に対して並行的に行わ
れる様子を説明するための平面図である。
【図4】前記後輪舵角制御装置の電気的な構成を示すブ
ロック図である。
【図5】前記後輪舵角制御装置における後輪舵角コント
ローラと後輪舵角アクチュエータとの電気的な連携を説
明するためのブロック図である。
【図6】前記後輪舵角制御装置により実行される後輪舵
角制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図7】前記車両旋回挙動制御装置のうちの制動力左右
差制御装置が使用するマニュアル−電気制御二系統式の
ブレーキシステムを示す系統図である。
【図8】その制動力左右差制御装置の電気的な構成を示
すブロック図である。
【図9】その制動力左右差制御装置により実行される制
動力左右差制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図10】図9のS120におけるS値の意味を説明す
るためのグラフである。
【図11】請求項1,3および4の発明に共通の一実施
形態である車両旋回挙動制御装置のうちの後輪舵角制御
装置により実行される後輪舵角制御ルーチンを示すフロ
ーチャートである。
【図12】前記車両旋回挙動制御装置のうちの制動力左
右差制御装置により実行される制動力左右差制御ルーチ
ンを示すフローチャートである。
【図13】その制動力左右差制御によりブレーキ圧左右
差が時間的に変化する様子を説明するためのグラフであ
る。
【図14】請求項1および5の発明に共通の一実施形態
である車両旋回挙動制御装置のうちの後輪舵角制御装置
により実行される後輪舵角制御ルーチンを示すフローチ
ャートである。
【図15】前記車両旋回挙動制御装置のうちの制動力左
右差制御装置により実行される制動力左右差制御ルーチ
ンを示すフローチャートである。
【図16】前記車両旋回挙動制御装置のうちのエンジン
出力制御装置が使用するエンジン吸気系を示す側面断面
図である。
【図17】そのエンジン出力制御装置の電気的な構成を
示すブロック図である。
【図18】そのエンジン出力制御装置により実行される
エンジン出力制御ルーチンを示すフローチャートであ
る。
【図19】請求項1および6の発明に共通の一実施形態
である車両旋回挙動制御装置のうちの差動制限量制御装
置が使用するリヤデファレンシャルを説明するための平
面図である。
【図20】その車両旋回挙動制御装置のうちの後輪舵角
制御装置により実行される後輪舵角制御ルーチンを示す
フローチャートである。
【図21】前記差動制限量制御装置の電気的な構成を示
すブロック図である。
【図22】その差動制限量制御装置により実行される差
動制限量制御ルーチンを示すフローチャートである。
【符号の説明】
14 左右前輪 22 左右後輪 24 後輪舵角アクチュエータ 26 後輪操舵機構 27 タイロッド 28 キャリア 29 ナックルアーム 30 後輪舵角コントローラ 50 ドライバリレー 52 電流制限回路 54 バッテリ 68 ブレーキ 72 増圧弁 74 減圧弁 200 制動力左右差コントローラ 304 副スロットルバルブ 308 スロットルアクチュエータ 310 エンジン出力コントローラ 340 リヤデファレンシャル 350 差動制限量コントローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B62D 137:00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両の左右前輪と左右後輪との少なくとも
    一方である左右輪間における前後力差を制御する前後力
    左右差制御装置と、 その前後力左右差制御の実行対象である左右輪のうちの
    少なくとも一方である車輪の舵角を変化させてその車輪
    に作用する横力を制御する横力制御装置とを含み、車両
    の旋回挙動を制御する装置において、 前記左右輪のうち前記前後力左右差制御によって前後力
    が相対的に増加させられた車輪に対して前記横力制御が
    並行的に実行される場合に、その横力制御によってその
    車輪の舵角の実際値が正規値となることを保証する横力
    制御正規化手段を設けたことを特徴とする車両旋回挙動
    制御装置。
  2. 【請求項2】請求項1の車両旋回挙動制御装置であっ
    て、前記横力制御装置が、前記車両の旋回挙動に関連す
    る物理量を検出する横力制御用センサと、前記車輪の舵
    角を変化させる横力制御用アクチュエータと、横力制御
    用センサからの入力信号に基づく出力信号を横力制御用
    アクチュエータに出力する横力制御用コントローラとを
    含み、かつ、その横力制御用コントローラが、前記横力
    制御正規化手段として、前記左右輪のうち前記前後力左
    右差制御によって前後力が相対的に増加させられた車輪
    に対してその前後力左右差制御と並行的に実行される横
    力制御によってその車輪の舵角の実際値が正規値になら
    ない場合には、前記入力信号と前記出力信号との関係を
    前記舵角の実際値が正規値に近づくように変更する横力
    制御用関係変更手段を含むものである車両旋回挙動制御
    装置。
  3. 【請求項3】請求項1の車両旋回挙動制御装置であっ
    て、前記前後力左右差制御装置が、前記車両の旋回挙動
    に関連する物理量を検出する前後力左右差制御用センサ
    と、前記車輪の前後力を制御する前後力左右差制御用ア
    クチュエータと、前後力左右差制御用センサからの入力
    信号に基づく出力信号を前後力左右差制御用アクチュエ
    ータに出力する前後力左右差制御用コントローラとを含
    み、かつ、その前後力左右差制御用コントローラが、前
    記横力制御正規化手段として、前記左右輪のうち前記前
    後力左右差制御によって前後力が相対的に増加させられ
    た車輪に対してその前後力左右差制御と並行的に実行さ
    れる横力制御によってその車輪の舵角の実際値が正規値
    にならない場合には、前記入力信号と前記出力信号との
    関係を前記舵角の実際値が正規値に近づくように変更す
    る前後力左右差制御用関係変更手段を含むものである車
    両旋回挙動制御装置。
  4. 【請求項4】請求項3の車両旋回挙動制御装置であっ
    て、前記前後力左右差制御用コントローラが、さらに、
    前記左右輪のうち前記前後力左右差制御によって前後力
    が相対的に増加させられた車輪に対してその前後力左右
    差制御と並行的に実行される横力制御によってその車輪
    の舵角の実際値が正規値にならない場合であっても、前
    後力左右差制御による前後力左右差の本来の目標値が減
    少傾向にない場合には、前記前後力左右差制御用関係変
    更手段による変更を抑制する変更抑制手段を含むもので
    ある車両旋回挙動制御装置。
  5. 【請求項5】請求項1の車両旋回挙動制御装置であっ
    て、前記横力制御正規化手段が、前記左右輪のうち前記
    前後力左右差制御によって前後力が相対的に増加させら
    れた車輪に対してその前後力左右差制御と並行的に実行
    される横力制御によってその車輪の舵角の実際値が正規
    値にならない場合には、前記車両の走行速度を減少させ
    る減速装置を含むものである車両旋回挙動制御装置。
  6. 【請求項6】請求項1の車両旋回挙動制御装置であっ
    て、前記横力制御正規化手段が、前記左右輪のうち前記
    前後力左右差制御によって前後力が相対的に増加させら
    れた車輪に対してその前後力左右差制御と並行的に実行
    される横力制御によってその車輪の舵角の実際値が正規
    値にならない場合には、前記左右輪間の差動制限量を増
    加させる差動制限量増加装置を含むものである車両旋回
    挙動制御装置。
JP7218682A 1995-08-28 1995-08-28 車両旋回挙動制御装置 Pending JPH0958502A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006123611A (ja) * 2004-10-26 2006-05-18 Nissan Motor Co Ltd 車両用操舵装置
WO2025068730A1 (ja) * 2023-09-28 2025-04-03 日産自動車株式会社 車両用制駆動力制御方法及び制御装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006123611A (ja) * 2004-10-26 2006-05-18 Nissan Motor Co Ltd 車両用操舵装置
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