JPH0959197A - 1,3−ジハロ−5,5−ジメチルヒダントインを用いたハロゲン化置換フェノール類の製造方法 - Google Patents

1,3−ジハロ−5,5−ジメチルヒダントインを用いたハロゲン化置換フェノール類の製造方法

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JPH0959197A
JPH0959197A JP23066595A JP23066595A JPH0959197A JP H0959197 A JPH0959197 A JP H0959197A JP 23066595 A JP23066595 A JP 23066595A JP 23066595 A JP23066595 A JP 23066595A JP H0959197 A JPH0959197 A JP H0959197A
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JP
Japan
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dimethylhydantoin
halogen
solvent
dihalo
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JP23066595A
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English (en)
Inventor
Tadahisa Sato
忠久 佐藤
Kazuyoshi Yamakawa
一義 山川
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハロゲン化フェノール類を環境に有害なハロ
ゲン系溶媒を用いることなく、また有害な副生成物の発
生もなく、低コストで製造しうる方法を提供する。 【解決手段】 1,3−ジハロ−5,5−ジメチルヒダ
ントイン類を用いてハロゲン化してハロゲン化置換フェ
ノール類を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は1,3−ジハロ−
5,5−ジメチルヒダントインを用いてハロゲン化置換
フェノール類を製造する方法に関する。とりわけフェノ
ール類が写真用有機素材であり、反応溶媒がハロゲン系
以外の場合にも有効な1,3−ジハロ−5,5−ジメチ
ルヒダントインを用いるハロゲン化置換フェノール類の
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】銀塩カラー写真感光材料は、光に感じた
ハロゲン化銀が酸化剤として現像主薬を酸化し、その酸
化体とフィルム中に含有された3種類の有機素材である
発色剤(カプラーと呼ばれる)がカップリング反応して
フィルム中でイエロー、マゼンタ及びシアンの各色素像
を形成することによって画像を成す仕組みになってい
る。この写真用カプラーのうち、シアンカプラーには置
換フェノールの構造を有するものが多い。フェノール系
シアンカプラーは古くから現像主薬酸化体とカップリン
グして色素像を形成するのに最低2個の銀イオンで色素
像を形成しうる2当量カプラーが使用されている。その
ために色素形成位にはカップリング離脱基と呼ばれる基
が常に置換されている。
【0003】カップリング離脱基としては一般にハロゲ
ン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチ
オ基又はアリールチオ基などが用いられるが、ハロゲン
原子以外の離脱基の場合、その導入方法としては、カッ
プリング位のハロゲン原子を求核置換反応によって置き
換える方法が一般的である。それ故、フェノール系2当
量シアンカプラーの合成においてハロゲン化は非常に重
要な工程であり、安価でかつ安全なハロゲン化方法の開
発は、最近の環境保全上のハロゲン系溶媒の使用規制も
あって強く望まれている。代表的写真用シアンカプラー
である2−アシルアミノ−5−アルキル−4,6−ジク
ロロフェノールのこれまでに開示されている合成法につ
いて、そのいくつかを以下に具体的に例示する。
【0004】
【化3】
【0005】上記合成法、及びにおける出発原料
である、4−クロロ−3−メチル又はエチルフェノール
は工業的に入手可能であるが、これらも3−メチル又は
エチルフェノール又はその類縁体のクロル化によって得
られる。この例からわかるようにフェノール類のハロゲ
ン化(クロル化)は、写真用シアンカプラーの重要な工
程である。
【0006】これまで開示されているハロゲン化の方法
としては、ジクロロエタン、クロロベンゼンなどのハロ
ゲン系溶媒中で塩素、塩化スルフリルもしくは塩酸/過
酸化水素と反応させる方法(特開昭61−57536
号、特開平3−223235号、同4−29966号)
や、酢酸などの有機酸中で塩化スルフリルと反応させる
方法(特開平1−271749号、米国特許第5,21
4,194号)がある。これらの方法で用いるハロゲン
系溶媒は最近、環境保全上排出規制が極めて厳しくなっ
てきており、工業的規模では特殊な設備なしには使用し
にくくなってきている。また塩化スルフリルは塩素に比
べると使用できる溶媒の範囲は広まるが、有毒ガスであ
る二酸化硫黄が発生する点と、さらに、塩素の場合と同
様であるが、塩酸が発生するため、酸に不安定な基を有
する基質には適用できないし、さらに、エステル系、ア
ミド系溶媒を用いると溶媒の一部分解が起きて溶媒回収
が困難になるなどの問題点が残っている。
【0007】これらを解決する方法としては、N−クロ
ロコハク酸イミド(NCS)などのイミド系ハロゲン化
剤が考えられるが、これらは高価であり、コスト的に塩
素や塩化スルフリルをこれらに置き換えることは困難で
あった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このように置換フェノ
ール類のハロゲン化工程は、例えば写真用シアンカプラ
ーの製造において重要な工程であるが、塩素化もしくは
臭素化のハロゲン化工程が、環境保全上の制限が強化さ
れ、近い将来、ハロゲン系溶媒中で行うような方法が工
業的には行えなくなることも考えられる。したがって本
発明の目的は、環境に有害なハロゲン系溶媒を用いるこ
となく、また有害な副生成物の発生もなく、さらに溶媒
の回収再利用をも可能とする低コストの、ハロゲン化置
換フェノール類の製造方法を提供すること、つまり環境
保全がますます重要になる将来においても、環境保全の
要求に十分に応えうるものであり、カラー写真有機材料
として重要な写真用シアンカプラー等を安価かつ安定に
供給する方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意検討を行った結果、プールの水やクーリ
ングタワーの水の消毒薬として用いられ、安価に入手可
能な1,3−ジハロ−5,5−ジメチルヒダントインを
所定量用いることにより、フェノール類のハロゲン化が
スムーズに進行し、前記課題の全てを解決しうることを
見い出し、この知見に基づき本発明をなすに至った。
【0010】すなわち、本発明は、(1)一般式(I)
で表わされる1,3−ジハロ−5,5−ジメチルヒダン
トインを用いる一般式(II)で表わされるハロゲン化置
換フェノール類の製造方法、
【0011】
【化4】
【0012】(式中、X1 及びX2 は塩素原子又は臭素
原子を表わす。)
【0013】
【化5】
【0014】(式中、R1 は置換可能な基を表わし、n
は1〜4の整数を表わす。nが2以上の場合は同じでも
異なっていてもよい。XはX1 又はX2 を表わす。mは
1〜3の整数を表わす。) (2)ハロゲン化置換フェノール類が写真用有機素材で
あることを特徴とする(1)項記載の製造方法、(3)
写真用有機素材が写真用カプラー又はその合成中間体で
あることを特徴とする(2)項記載の製造方法、(4)
ハロゲン系溶媒以外の反応溶媒を用いることを特徴とす
る(1)、(2)又は(3)項記載の製造方法、及び
(5)一般式(I)で表わされる1,3−ジハロ−5,
5−ジメチルヒダントインが1,3−ジクロロ−5,5
−ジメチルヒダントインであることを特徴とする
(1)、(2)、(3)又は(4)項記載の製造方法を
提供するものである。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
1,3−ジハロ−5,5−ジメチルヒダントインは下記
一般式(I)で表わされる化合物であるが、X1 とX2
は同一でも、異なっていてもよい。好ましくはX1 とX
2 は同一である。特に好ましくはX1 とX2 は共に塩素
原子である。
【0016】置換フェノール類を詳しく述べる。
【0017】置換基R1 を詳しく述べると、R1 は脂肪
族炭化水素基、脂肪族炭化水素オキシ基、アリールオキ
シ基、アシルアミノ基、ジ置換アミノ基、ニトロ基、シ
リル基又は水酸基を表わすが、ニトロ基および水酸基以
外について詳しく述べると脂肪族炭化水素基は炭素数1
〜32の直鎖又は分岐鎖のアルキル、アラルキル、アル
ケニル、アルキニル、シクロアルキル又はシクロアルケ
ニル基を表わし、脂肪族炭化水素オキシ基は炭素数1〜
32の直鎖又は分岐鎖のアルコキシ、シクロアルキルオ
キシ、アラルキルオキシ、アルケニルオキシ、シクロア
ルケニルオキシ、又はアルキニルオキシ基を表わし、ア
リールオキシ基は炭素数6〜23のフェノキシ又はナフ
トキシ基を表わし、アシルアミノ基は炭素数1〜32の
アルカノイルアミノ、アリーロイルアミノ、アルカンス
ルホニルアミノ、アレンスルホニルアミノ基を表わし、
ジ置換アミノ基は炭素数2〜32のN,N−ジアルキル
アミノ、N−アルキル−N−アリールアミノ、N,N−
ジアリールアミノ、N−アルキル−N−アシルアミノ、
N−アリール−N−アシルアミノ基を表わし、シリル基
は炭素数3〜32の3置換シリル基を表わす。これらの
基は置換基を有していても良く、それらは炭素原子、ケ
イ素原子、酸素原子、窒素原子又はイオウ原子で連結す
る有機置換基又はハロゲン原子である。これらの置換基
を詳しく述べると、例えばアルキル基、アルケニル基、
アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ア
シル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカル
ボニル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アリールオ
キシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモ
イルオキシ基、シリルオキシ基、シリル基、アリールオ
キシカルボニルアミノ基、アシルアミノ基、アニリノ
基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシ
カルボニルアミノ基、スルホンアミド基、イミド基、ア
ルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スル
ファモイル基、スルホニル基、スルフィニル基、フッ素
原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子である。
【0018】更に詳しくニトロ基及び水酸基以外のR1
について述べれば、R1 は例えばメチル、エチル、プロ
ピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、シクロ
プロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、3−シク
ロヘキセニル、2−プロペニル、2−プロピニル、ベン
ジル、メトキシエチル、エトキシエチル、t−ブトキシ
エチル、フェノキシエチル、メタンスルホニルエチル、
2−ヒドロキシエチル、3−(3−ペンタデシルフェノ
キシ)プロピル、4,4,4−トルフルオロブチル、3
−(2,4−ジ−アミノフェノキシ)プロピルなどの脂
肪族炭化水素基;例えばメトキシ、エトキシ、イソプロ
ポキシ、n−ブチルオキシ、t−ブチルオキシ、オクチ
ルオキシ、ドデシルオキシ、ヘキサデシルオキシ、2−
メトキシエトキシ、2−エトキシエトキシ、2−ドデシ
ルオキシエトキシ、2−フェノキシエトキシ、3−シク
ロヘキセニルオキシ、2−プロペニルオキシ、2−プロ
ピニルオキシ、ベンジルオキシ、2−(4−t−アミル
フェノキシ)エトキシ、2−(4−ニトロフェノキシ)
エトキシ、2−(2,4−ジクロロフェノキシ)エトキ
シなどの脂肪族炭化水素オキシ基;例えばフェノキシ、
2−メトキシフェノキシ、2−メチルフェノキシ、3−
メトキシフェノキシ、3−メチルフェノキシ、4−メト
キシフェノキシ、4−メチルフェノキシ、2,4−ジメ
トキシフェノキシ、2,4−ジメチルフェノキシ、4−
メトキシカルボニルフェノキシ、1−ナフチルオキシ、
2−ナフチルオキシ、1−メトキシ−2−ナフチルオキ
シ、2−メトキシ−1−ナフチルオキシ、4−メトキシ
−1−ナフチルオキシなどのアリールオキシ基;例えば
アセチルアミノ、プロピオニルアミノ、ブチリルアミ
ノ、イソブチリルアミノ、ピバロイルアミノ、オクタノ
イルアミノ、パルミトイルアミノ、ステアロイルアミ
ノ、オレイルアミノ、3−(4−ニトロフェニル)ブタ
ノイル、2−(2,4−ジ−−アミルフェノキシ)ヘ
キサノイルアミノ、2−(2,4−ジ−−アミルフェ
ノキシ)ブチリルアミノ、2−(2−クロロフェノキ
シ)テトラデカノイルアミノ、2−(2−クロロ−4−
−アミルフェノキシ)オクタノイルアミノ、2−(2
−シアノフェノキシ)オクタノイルアミノ、2−(2,
4−ジ−−アミルフェノキシ)−2−メチルブチリル
アミノ、2−(ヘキサデカンスルホニル)−2−メチル
ブチリルアミノ、メタンスルホニルアミノ、エタンスル
ホニルアミノ、ヘキサデカンスルホニルアミノ、ベンゼ
ンスルホニルアミノ、2−オクチルオキシ−5−−オ
クチルベンゼンスルホニルアミノ、4−ドデシルオキシ
ベンゼンスルホニルアミノなどのアシルアミノ基;例え
ばジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジオクチルアミ
ノ、オクチルメチルアミノ、ドデシルメチルアミノ、N
−メチルフェニルアミノ、N−メチルアセチルアミノ、
N−メチルオクタノイルアミノ、N−メチルベンゾイル
アミノなどのジ置換アミノ基;例えばトリメチルシリ
ル、トリエチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、ジ
メチルフェニルシリル、t−ブチルジフェニルシリル、
トリフェニルシリルなどのシリル基である。
【0019】R1 は好ましくは脂肪族炭化水素基、脂肪
族炭化水素オキシ基、アシルアミノ基、ニトロ基又は水
酸基であり、より好ましくは炭素数2〜20個のアルキ
ルもしくはアルコキシ基である。特に好ましくは炭素数
2〜9個のアルキル基であり、その中でも最も好ましい
のはエチル基である。
【0020】nは1〜4の整数を表わすが、好ましくは
2である。
【0021】nが2である時の好ましい置換基R1 の組
み合わせは、アルキル基とアシルアミノ基、アルキル基
とニトロ基又は共にアシルアミノ基である。
【0022】好ましいR1 の置換位置はオルト位もしく
はメタ位である。本発明により得られる一般式(II)で
表わされる化合物はmは1〜3であるが好ましくは1又
は2である。Xの置換位置はヒドロキシ基に対して2,
4又は6位の少なくとも1つである。
【0023】一般式(II)で表わされるハロゲン化置換
フェノール類は好ましくは、写真用有機素材(合成原料
・中間体を含む)である。置換フェノール系写真用有機
素材としては、分散オイル、発色増強剤、混色防止剤、
退色防止剤又は写真用カプラー、及び、それらの合成原
料・中間体などであるが、特に好ましくは写真用カプラ
ー及びそれらの合成原料・中間体である。
【0024】一般式(II)で表わされるフェノール類が
写真用カプラー又はその合成原料・中間体である場合、
詳しくは、それらは2−アシルアミノ−5−アルキルフ
ェノール又は2,5−ジアシルアミノフェノール、3−
アルキルフェノール、3−アルキル−4−クロロフェノ
ール又は2−ニトロ−4−クロロ−5−アルキルフェノ
ール、2−ニトロ−5−アルキルフェノールである。
【0025】次に一般式(I)で表わされる1,3−ジ
ハロ−5,5−ジメチルヒダントインの具体例を以下に
例示する。
【0026】
【化6】
【0027】次に一般式(II)で表わされる写真用有機
素材、とりわけ写真用カプラーを含む置換フェノール類
及びその合成原料・中間体の具体例を以下に例示する
が、これらに限定されるものではない。
【0028】
【化7】
【0029】
【化8】
【0030】
【化9】
【0031】
【化10】
【0032】
【化11】
【0033】
【化12】
【0034】
【化13】
【0035】本発明の1,3−ジハロ−5,5−ジメチ
ルヒダントインによるハロゲン化反応の条件等について
以下詳しく説明する。1,3−ジハロ−5,5−ジメチ
ルヒダントインは、5,5−ジメチルヒダントインをハ
ロゲン化して工業的に製造され、プールやクーリングタ
ワーの消毒剤として容易かつ安価に入手可能である。一
般式(I)においてX1 =X2 の場合は通常2個のハロ
ゲンとも利用可能であるがX1 ≠X2 の場合はイミド窒
素上のハロゲンのみを反応に用いてハロゲン化したカプ
ラー等が混合物にならないよう調節することが必要であ
るが、混合物になってもかまわない場合はこの限りでは
ない。一般にはX1 =X2 である1,3−ジブロモ−
5,5−ジメチルヒダントイン(DMH−Br),1,
3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントイン(DMH
−Cl)を用いて反応することが好ましい。
【0036】反応によって副生する5,5−ジメチルヒ
ダントインは家畜の飼料として用いられても問題がない
くらい安全(「ファインケミカルマーケットデータ '9
2」,第2巻,411頁,シーエムシー)なものであり
廃棄に特別の注意は必要ない。
【0037】1,3−ジハロ−5,5−ジメチルヒダン
トインの2個のハロゲン原子のうち、3位のイミド基上
のハロゲン原子の方が一般に反応性が高く、両方のハロ
ゲン原子をハロゲン化反応に用いることなく、3位のハ
ロゲン原子のみを用いることが可能である。この際、副
生する1−ハロ−5,5−ジメチルヒダントインについ
ては、廃棄する前に亜硫酸ソーダ等で還元して5,5−
ジメチルヒダントインとして廃棄されることが好まし
い。5,5−ジメチルヒダントイン、1−ハロ−5,5
−ジメチルヒダントインはほとんど中性に近い化合物で
あり、かつ水溶性が高いので除去したい時は抽出、水洗
すれば簡単に除け、後処理が簡単である。
【0038】DMH−Br、DMH−Clを用いるハロ
ゲン化反応条件について詳しく述べると、モノハロゲン
化を行う場合用いる量はハロゲン化する置換フェノール
類1モルに対して0.4〜1.5モル当量であり、好ま
しくは0.45〜0.55モル当量である。一般式(I
I)においてmが2又は3の化合物の製造は反応とハロ
ゲンを1個ずつ導入するように反応を段階的に行っても
よく、この場合は前記のモノハロゲン化と同様の反応比
率で行わせることができる。また、一度の反応で2又は
3個のハロゲン原子をベンゼン環上に導入するようにし
てもよい。このような場合は出発原料の置換フェノール
類1モルに対してDMH−Br又はDMH−Clは1.
0〜3.5モル当量用いる。反応溶媒としてはハロゲン
系溶媒、エステル系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒、ケト
ン系溶媒、アミド系溶媒、カルボン酸系溶媒、アルコー
ル系溶媒及び水等が単一又は混合溶媒として使用可能
で、余り溶媒の制限を受けないが、環境保全や、副反応
の少なさから、エステル系溶媒、芳香族炭化水素系溶
媒、ケトン系溶媒、アミド系溶媒及びカルボン酸系溶媒
が好ましい。特に好ましい溶媒は酢酸エチル、トルエ
ン、アセトン、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA
c)及び酢酸である。
【0039】使用する反応溶媒量は、ハロゲン化剤であ
るDMH−Br又はDMH−Clをまず反応容器に入
れ、その中に4当量カプラーなどの基質を滴下する場合
は必ずしもハロゲン化剤は溶解している必要はなく、攪
拌できる程度の量で十分である。ハロゲン化剤の方を添
加する場合でも粉末添加の場合は、攪拌できる程度の量
で十分である。このような条件下での溶媒は上記溶媒の
いずれでも問題はないが、DMH−Br及びDMH−C
lを完全に溶解し、4当量カプラー中に滴下して反応を
行いたい場合は、これらハロゲン化剤の溶解度から、ケ
トン系もしくはアミド系溶媒を用いることが好ましい。
一般にはアセトンもしくは、DMAcに溶解して滴下す
る方法が溶媒量が少なくてすむので多用される。
【0040】DMH−Brの芳香環化合物との反応性は
酸により増大することが知られているが(Bull.C
hem.Soc.Jpn.67 1918(199
4)、フェノールの例はない本反応においても反応の進
行が遅い場合は、反応促進のためのルイス酸やプロトン
酸の触媒を添加してもよい。ルイス酸としてはAlCl
3、ZnCl2 もしくはFeCl3 などが好ましく、プ
ロトン酸としては硫酸、過塩素酸、p−トルエンスルホ
ン酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフ
ルオロメタンスルホン酸もしくはトリフルオロメタンス
ルホン酸、もしくはトリフルオロ酢酸などが好ましい。
使用量は基質に対して0.01〜2.00当量であり好
ましくは0.1〜1.0当量である。
【0041】反応温度は−20℃から120℃であるが
好ましくは10℃〜100℃であり、特に好ましくは1
0℃から40℃である。
【0042】反応後の後処理は通常の有機反応が行われ
る方法で行われ、特別の注意は必要ないが、過剰のハロ
ゲン化剤の残留が好ましくない場合は亜硫酸ソーダ水で
処理することが一般的である。少量のナトリウムラート
のメタノール溶液で処理することが効果的な場合もあ
る。抽出操作を行う場合は水洗により副生する5,5−
ジメチルヒダントインは容易に除去できる。
【0043】ハロゲン化された化合物の単離精製はその
性質により、カラムクロマトグラフィー法、晶析法もし
くは抽出法のいずれか又はそれらの併用により行われ
る。
【0044】
【実施例】以下実施例に基づき本発明をさらに詳細に説
明するが本発明はこれらにより限定されるものではな
い。
【0045】実施例1 3−エチルフェノール(例示化合物(P−5))12.
2g(0.1mol)のトルエン溶液に1,3−ジクロ
ロ−5,5−ジメチルヒダントイン(DMH−Cl、例
示化合物(H−1))9.9g(0.05mol)を3
回に分割して室温下加えた。2時間攪拌後、抽出、水
洗、乾燥後濃縮し、残留物を精製すると4−クロロ−3
−エチルフェノールを13.3g得ることができた。回
収したトルエンの純度をガスクロマトグラフィーで調べ
たところ99%以上の純度であった。
【0046】実施例2 実施例1と同様にして2−t−ブチル−5−エチルフェ
ノール(例示化合物(P−12))17.8gをクロル
化したところ、2−t−ブチル−4−クロロ−5−エチ
ルフェノールを19.1g得ることができた。
【0047】実施例3 5−エチル−2−ニトロフェノールを接触還元して得ら
れる2−アミノ−5−エチルフェノールとパルミチン酸
クロリトンをショッテンバウマン法による反応をさせ、
例示化合物(P−21)を得た。酢酸エチル200ml
にDMH−Cl、26g(0.133mol)を分散・
攪拌し、その中に(P−21)50g(0.133mo
l)を室温下で加えた。約30分間室温で攪拌後、約1
時間加熱還流すると反応溶液は淡黄色になった。抽出・
水洗・乾燥・濃縮後再結晶により、2,4−ジクロロ−
3−エチル−6−n−ヘキサデカノイルアミノフェノー
ルを53g(収率90%)得ることができた。
【0048】実施例4 例示化合物(P−25)(米国特許5,214,194
号の方法に基づき、4−ニトロアニリンから合成)20
g(0.032mol)のトルエン(40ml)溶液の
中に、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイ
ン(DMH−Br)4.6g(0.016モル)をN,
N−ジメチルアセトアミド5mlに溶かし、室温下、滴
下攪拌した。常法により抽出・乾燥・濃縮し、生成物を
NMRにより測定したところほぼ純粋な(P−25)の
4−ブロモ体を定量的に得ることができた。
【0049】実施例5 4−クロロ−5−エチルフェノ−ル157g(1.0m
ol)を90%硫酸75gに解かし、0〜10℃で混酸
90g(98%硝酸40g、98%硫酸50g)を滴下
し、4−クロロ−5−エチル−2−ニトロフェノール
(例示化合物(P−33))を合成した。こうして合成
した(P−33)を単離することなく、反応溶液中にD
MH−Cl 118g(0.6mol)を加え、60〜
70℃で攪拌した。薄層クロマトグラフィーで(P−3
3)の消失を確認し、反応液を水に注ぎ、沈殿物をろ過
・単離精製するか、酢酸エチル又はトルエンで抽出後晶
析した生成物を、NMRにより試験したところ純粋な
2,4−ジクロロ−3−エチル−6−ニトロフェノール
を180g得ることができた。
【0050】実施例6 例示化合物(P−34)(4−クロロ−3−エチルフェ
ノールのニトロ化・還元で2−アミノ−4−クロロ−5
−エチルフェノールを合成しそれをアシル化することに
より合成)410g(1.0モル)を酢酸エチル500
mlに溶解し、その中にDMH−Cl 98.5g
(0.5mol)を加え加熱還流を1時間行った。反応
液を2回水洗後、酢酸エチルを減圧濃縮して、残留物を
NMRにより試験したところほぼ純粋な2,4−ジクロ
ロ−3−エチル−6−n−ヘキサデカノイルアミノフェ
ノールであることが確認された。留去した酢酸エチルの
純度をガスクロマトグラフィーにより調べたところ、加
水分解した酢酸の存在はほとんど観測されず、純度99
%以上の酢酸エチルが回収されていることがわかった。
【0051】実施例7 例示化合物(P−35)(4−クロロ−3−エチルフェ
ノールをスルホン化することにより合成)237g
(1.0mol)を酢酸に溶かし、その中にDMH−C
l 102.5g(0.52mol)を加え、50℃に
加熱した。反応液を減圧濃縮すると残留物は4,6−ジ
クロロ−5−エチル−2−スルホフェノールと5,5−
ジメチルヒダントインの混合物であった。
【0052】実施例8 2−sec−テトラデカニルハイドロキノン(P−3
9)、30.6g(0.1mol)を酢酸50mlと酢
酸エチル100mlの混合溶媒に溶かし、室温下攪拌し
た。その中にDMH−Cl 9.9g(0.5mol)
を3回に分けて添加し、添加後約1時間攪拌した。水を
加え抽出操作を行い、乾燥後濃縮した。残留物をシリカ
ゲルクロマトグラフィーで精製することにより、2−ク
ロロ−5−sec−テトラデカニルハイドロキノンを2
4.0g得ることができた。
【0053】比較例1 5−エチル−2−n−ヘキサデカノイルアミノ−フェノ
ール(P−21)50g(0.133mol)を酢酸エ
チル200ml中攪拌し、その中に秤量した塩素ガス1
8.9g(0.266mol)をゆっくり25℃以下で
吹き込んだ。抽出・水洗・乾燥・濃縮後再結晶すること
により、2,4−ジクロロ−3−エチル−6−n−ヘキ
サデカノイルアミノフェノールを45g(収率76%)
得ることができた。同様の反応をジクロロメタン中で行
なった場合収率は88%であった。このように酢酸エチ
ル中で塩素をクロル化剤として用いた場合副生成物が多
く、収率が低下した。その収率は実施例3に示したDM
H−Cl使用の場合に比べてかなり低い。これに対しD
MH−Clをクロル化剤として用いた場合、酢酸エチル
とジクロロメタンのどちらを溶媒に用いてもほぼ同等の
収率を示した。また本比較例で用いた酢酸エチルを回収
したところ、かなり酢酸臭を有し、ガスクロマトグラフ
ィーによる純度検定では約95%であった。実施例3の
場合の回収酢酸エチルは99%以上の純度であった。回
収量も実施例に比べて、本比較例では約9割に止まっ
た。
【0054】比較例2 例示化合物(P−25)20g(0.032mol)の
トルエン(40ml)溶液の中に、臭素5.1g(0.
032mol)を0℃でゆっくり滴下した。常法により
抽出・乾燥・濃縮し、得られた残留物をカラムクロマト
グラフィーにて精製したところ、(P−25)の4−ブ
ロム体を17.8g(収率79%)得ることができた。
同様の反応を1,2−ジクロロエタン中で行なった場
合、収率は92%であった。このように実施例4のDM
H−Brを用いた場合に比べてトルエン中で臭素を用い
てブロム化した場合、副生成物が生じ、収率が低下し
た。これに対しDMH−Brを用いた場合、1,2−ジ
クロロエタン中で反応しても定量的反応が進行し、トル
エン中と同等の結果を与えた。
【0055】
【発明の効果】以上、詳しく説明したように、本発明に
より置換フェノール類の合成、とりわけ、有用な写真用
有機素材であるカプラーの合成において重要な反応工程
であるハロゲン化工程が環境に有害なハロゲン系溶媒を
使用することなく簡便にかつ低コストで行えるようにな
った。したがって、環境保全がますます重要になる将来
においてもカラー写真用有機材料として重要なカプラー
を安価かつ安定に供給でき、環境保全とコストダウンと
いうともすれば二律背反的になる課題の解決を本発明は
達成しうるものであり、社会的にも経済的にもその効果
は大きい。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 231/12 C07C 231/12 233/25 9547−4H 233/25 275/34 9451−4H 275/34 303/22 303/22 309/42 309/42 G03C 7/34 G03C 7/34

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I)で表わされる1,3−ジハ
    ロ−5,5−ジメチルヒダントインを用いる一般式(I
    I)で表わされるハロゲン化置換フェノール類の製造方
    法。 【化1】 (式中、X1 及びX2 は塩素原子又は臭素原子を表わ
    す。) 【化2】 (式中、R1 は置換可能な基を表わし、nは1〜4の整
    数を表わす。nが2以上の場合は同じでも異なっていて
    もよい。XはX1 又はX2 を表わす。mは1〜3の整数
    を表わす。)
  2. 【請求項2】 ハロゲン化置換フェノール類が写真用有
    機素材であることを特徴とする請求項1記載の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 写真用有機素材が写真用カプラー又はそ
    の合成中間体であることを特徴とする請求項2記載の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 ハロゲン系溶媒以外の反応溶媒を用いる
    ことを特徴とする請求項1、2又は3記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 一般式(I)で表わされる1,3−ジハ
    ロ−5,5−ジメチルヒダントインが1,3−ジクロロ
    −5,5−ジメチルヒダントインであることを特徴とす
    る請求項1、2、3又は4記載の製造方法。
JP23066595A 1995-08-17 1995-08-17 1,3−ジハロ−5,5−ジメチルヒダントインを用いたハロゲン化置換フェノール類の製造方法 Pending JPH0959197A (ja)

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