JPH0959591A - 紫外線および熱線遮蔽用組成物、およびその用途 - Google Patents

紫外線および熱線遮蔽用組成物、およびその用途

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JPH0959591A
JPH0959591A JP21223795A JP21223795A JPH0959591A JP H0959591 A JPH0959591 A JP H0959591A JP 21223795 A JP21223795 A JP 21223795A JP 21223795 A JP21223795 A JP 21223795A JP H0959591 A JPH0959591 A JP H0959591A
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孝司 吉年
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修 海江田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 紫外線および熱線を同時にカットし、従来に
ない熱線カット能の達成、ニーズに応じてカット性能
(カット波長、カット量等)を任意に制御できる透明材
料を構成する。 【解決手段】 この透明材料は、亜鉛80〜99.9原
子%およびIIIB族金属元素0.1〜20原子%からなる
金属の酸化物共沈体の微粒子(酸化亜鉛系微粒子)と、
熱線吸収剤とを含む、紫外線および熱線遮蔽用組成物か
ら形成された、塗工品または樹脂成形品である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紫外線および熱線
遮蔽用組成物、およびその用途に関する。
【0002】
【従来の技術】酸化亜鉛微粒子は、可視光を透過でき、
酸化チタン微粒子に比べて、紫外線のカット波長領域が
長波長側まで広く、かつ、紫外線カット効果が長期にわ
たって持続する。このため、酸化亜鉛微粒子を樹脂に含
有させてフィルム、繊維および樹脂板等の樹脂成形品と
して使用したり、酸化亜鉛微粒子を有機または無機のバ
インダーに含有させてフィルム、繊維、樹脂板、ガラス
および紙等の基材に塗装される塗料として使用したりし
て、紫外線遮蔽効果を持つ透明製品が作られる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】透明製品は、紫外線遮
蔽効果を有するだけでなく、熱線遮蔽効果も有すること
が求められている。しかし、酸化亜鉛微粒子は熱線遮蔽
性を持たない。本発明の課題は、可視光を透過でき、紫
外線および熱線を同時に遮蔽することができる組成物を
提供することである。
【0004】本発明の別の課題は、可視光を透過でき、
紫外線および熱線を同時に遮蔽することができる樹脂成
形品を提供することである。本発明のさらに別の課題
は、可視光を透過でき、紫外線および熱線を同時に遮蔽
することができる塗膜を備えた塗工品を提供することで
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の、紫外線および
熱線遮蔽用組成物は、亜鉛80〜99.9原子%および
IIIB族金属元素0.1〜20原子%からなる金属の酸化
物共沈体の微粒子と、熱線吸収剤とを含む。本発明の組
成物は、熱線吸収剤がフタロシアニン化合物であるか否
かに関わらず、分散媒体をさらに含むことができる。分
散媒体は、前記微粒子および前記熱線吸収剤を分散させ
るものである。
【0006】本発明の樹脂成形品は、亜鉛80〜99.
9原子%およびIIIB族金属元素0.1〜20原子%から
なる金属の酸化物共沈体の微粒子と、熱線吸収剤と、前
記分散媒体と含む組成物を、板、シート、フィルムおよ
び繊維からなる群から選ばれる少なくとも1つの形状に
成形したものである。ここで分散媒体は樹脂である。本
発明の塗工品は、基材と、基材の表面に形成された塗膜
とを備えている。基材は、樹脂成形品、ガラスおよび紙
からなる群から選ばれる少なくとも1つである。塗膜
は、亜鉛80〜99.9原子%およびIIIB族金属元素
0.1〜20原子%からなる金属の酸化物共沈体の微粒
子と、熱線吸収剤と、前記分散媒体と含む組成物を含ん
でなる。ここで分散媒体はバインダー成分である。
【0007】本発明の組成物、本発明の樹脂成形品、お
よび、本発明の塗工品では、熱線吸収剤は、近赤外域に
吸収を持つ有機色素であり、たとえば、フタロシアニン
化合物である。
【0008】
【発明の実施の形態】
〔紫外線および熱線遮蔽用組成物〕本発明の、紫外線お
よび熱線遮蔽用組成物は、亜鉛80〜99.9原子%お
よびIIIB族金属元素0.1〜20原子%からなる金属の
酸化物共沈体の微粒子と、熱線吸収剤とを含む。
【0009】亜鉛80〜99.9原子%およびIIIB族金
属元素0.1〜20原子%からなる金属の酸化物共沈体
の微粒子(以下では、「酸化亜鉛系微粒子」と言うこと
がある)は、可視光を透過でき、酸化チタン微粒子に比
べて、紫外線のカット波長領域が長波長側まで広く、か
つ、紫外線カット効果が長期にわたって持続する上、熱
線を含む赤外域の広波長域にわたる赤外線カット能を有
する。熱線吸収剤は、近赤外の特定波長域に選択的にカ
ット能を有する。したがって、酸化亜鉛系微粒子と熱線
吸収剤とを組み合わせることにより、従来にない熱線カ
ット能を達成でき、ニーズに応じてカット性能(カット
波長、カット量等)を任意に制御できる。
【0010】本発明に用いられる有機色素は、近赤外域
(熱線域)に吸収を持つ有機化合物であればどのような
構造を有していてもよい。このような有機色素の代表的
な例としては、シアニン色素、ピリリウム色素、スクワ
リウム色素、ジチオールニッケル錯体色素、アゾ色素、
ナフトキノン、アントラキノン色素、トリフェニルメタ
ン色素、アミニウム色素、ジイモニウム色素、フタロシ
アニン色素(上記フタロシアニン化合物)、ナフタロシ
アニン色素などが挙げられる。
【0011】本発明に用いられる色素は、好ましくは分
散媒体に対する溶解性と耐候性が必要であるため、上で
挙げた色素の中でも溶解性フタロシアニン色素(すなわ
ち、上記フタロシアニン化合物の中でも溶解性のもの)
が好ましい。このような溶解性フタロシアニン色素は、
特開平6−107663号公報、特開平6−25548
号公報、特開平5−345861号公報、特開平5−2
22301号公報、特開平5−222047号公報、特
開平4−39361号公報、特開平4−23868号公
報、特開平2−175763号公報、特開昭64−45
474号公報(以上、株式会社日本触媒)、特開昭61
−152769号公報、特開昭61−152689号公
報、特開昭61−152685号公報(以上、TD
K)、特開平7−70129号公報、特開平4−273
879号公報、特開昭60−209583号公報、特開
昭63−308073号公報(以上、ICIおよび/ま
たはゼネカ)、特開平5−25177号公報、特開平5
−1272号公報、特開平3−62878号公報、特開
平3−31247号公報、特開昭63−270765号
公報(以上、三井東圧)などに示されている。具体的に
は、例えば以下に示した化合物およびそのような構造の
化合物を用いることができる。 ・オクタフルオロ−オクタキスアニリノ亜鉛フタロシア
ニン ・オクタフルオロ−オクタキスアニリノオキシバナジウ
ムフタロシアニン(以下、ph−1と記す) ・オクタフルオロ−オクタキス−p−エトキシカルボニ
ルコバルトフタロシアニン ・オクタフルオロ−オクタキス−n−オクチルアミノジ
クロロ錫フタロシアニン ・オクタフルオロ−オクタキスフェニルチオ亜鉛フタロ
シアニン ・オクタフルオロ−オクタキス−m−テトラヒドロフル
フリルオキシカルボニルフェノキシオキシバナジウムフ
タロシアニン ・ドデカフルオロ−テトラキストルジノジクロロ錫フタ
ロシアニン(以下、ph−4と記す) ・ドデカフルオロ−テトラキス−1−ナフチルアミノジ
クロロ錫フタロシアニン ・ドデカフルオロ−テトラキスベンジルアミノ亜鉛フタ
ロシアニン ・ドデカフルオロ−テトラキスシクロヘキシルアミノパ
ラジウムフタロシアニン ・ドデカフルオロ−テトラキスフェニルチオジクロロ錫
フタロシアニン ・オクタフルオロ−テトラキスフェニレンジチオ亜鉛フ
タロシアニン ・オクタキスアニリノ−オクタキスフェニルチオオキシ
バナジウムフタロシアニン(以下、ph−2と記す) ・オクタキスアニリノ−オクタ−o−メトキシフェニル
チオ銅フタロシアニン(以下、ph−5と記す) ・オクタキス−o−エトキシアニリノ−オクタキス−n
−オクチルチオコバルトフタロシアニン ・オクタキスアニリノ−オクタキスフェノキシ亜鉛フタ
ロシアニン(以下、ph−3と記す) ・テトラキス−n−ブチルアミノ−オクタナフチルチオ
鉄フタロシアニン ・テトラキスアニリノ−ドデカ−m−メチルフェニルチ
オ銅フタロシアニン ・オクタキス−n−ブトキシ−オクタキス−o−エトキ
シフェニルジクロロ錫フタロシアニン ・オクタキスフェニルチオ−オクタキス−n−ブチルチ
オコバルトフタロシアニン ・オクタ−3,6−イソペンチルオキシ−オクタ−4,
5−ジクロロオキシバナジウムフタロシアニン ・オクタ−3,6−n−オクチルオキシ−オクタ−4,
5−ビスフェニルチオ銅フタロシアニン ・オクタ−3,6−イソヘキシルオキシ−オクタ−4,
5−ビス−p−tert−ブチルフェニルチオ銅フタロシア
ニン ・テトラキス−3−(2,4−ジメチル)ペンチルオキ
シパラジウムフタロシアニン ・テトラブロモ−テトラキス−2−(3−メチル)ペン
チルオキシニッケルフタロシアニン ・モノ(フェニルアミノ)テトラデカ(4−メチルフェ
ニルチオ)銅フタロシアニン ・ペンタ(4−アミノフェニルアミノ)デカ(2−メチ
ルフェニルチオ)銅フタロシアニン ・ジ(4−メトキシフェニルアミノ)デカ(4−メチル
フェニルチオ)銅フタロシアニン ・オクタ−3,6−(4−メチルフェニルチオ)−銅フ
タロシアニン ・フェニル−1,4−ジイレンチオ−ビス(ヘプタ−
3,6−フェニルチオ)銅フタロシアニン ・ペンタデカ(4−カルボキシフェニルチオ)銅フタロ
シアニン 本発明の、紫外線および熱線遮蔽用組成物に使用し得る
分散媒体の種類は特に限定されないが、使用目的に応じ
て適宜選択される。 1. 本発明の組成物が樹脂組成物および樹脂成形品で
ある場合 本発明の組成物が樹脂組成物および樹脂成形品である場
合には、分散媒体は、酸化亜鉛系微粒子と熱線吸収剤と
が含有され分散される連続相を形成しうる樹脂を含む。
分散媒体は、樹脂、樹脂溶液、樹脂分散液などである。
該樹脂としては、例えば、(1) ポリエチレン、ポリプロ
ピレン等のポリオレフィン樹脂;ポリスチレン樹脂;塩
化ビニル樹脂;塩化ビニリデン樹脂;ポリビニルアルコ
ール;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフ
タレート等のポリエステル樹脂;ポリアミド樹脂;ポリ
イミド樹脂;ポリメチル(メタ)アクリレート等の(メ
タ)アクリル樹脂、フェノール樹脂;ユリア樹脂;メラ
ミン樹脂;不飽和ポリエステル樹脂;ポリカーボネート
樹脂;エポキシ樹脂等の熱可塑性または熱硬化性樹脂、
(2) エチレンープロピレン共重合ゴム、ポリブタジエン
ゴム、スチレンーブタジエンゴム、アクリロニトリルー
ブタジエンゴム等の合成ゴムもしくは天然ゴムなどが例
示され、いずれか1つが単独で使用されたり、または、
2以上が併用されたりする。中でも,(メタ)アクリル
樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、塩化
ビニル樹脂などが、透明性に優れる点で好ましく使用さ
れる。
【0012】本発明の組成物が樹脂組成物および樹脂成
形品である場合、本発明の組成物では、酸化亜鉛系微粒
子、熱線吸収剤、および、樹脂(分散媒体)の量は、た
とえば、これら3者の固形分合計重量に対して、酸化亜
鉛系微粒子0.01〜99重量%、熱線吸収剤0.00
05〜20重量%、樹脂0.1〜99.9重量%(好ま
しくは5〜99.9重量%)の割合である。酸化亜鉛系
微粒子の割合が前記範囲を下回ると十分な紫外線遮蔽性
を得るためには成形品の厚みを厚くせざるを得ず、上回
ると微粒子の分散性が低下して成形品の可視光に対する
透明性が低下する場合がある。熱線吸収剤の割合が前記
範囲を下回ると十分な熱線遮蔽性が得られにくくなるお
それがあり、上回ると成形品の可視光に対する透明性が
低下したり価格が高くなったりするおそれがある。分散
媒体としての樹脂の割合が前記範囲を下回ると、微粒子
の分散性が低下して成形品の可視光に対する透明性が低
下したり、成形品の機械的物性や耐薬品性等の物性が悪
くなったりする場合があり、上回ると十分な紫外線遮蔽
性を得るためには成形品の厚みを厚くせざるを得ない。 2. 本発明の組成物が塗料組成物である場合 本発明の組成物が塗料組成物である場合には、分散媒体
は たとえば、酸化亜鉛系微粒子を結合する被膜を形成
しうるバインダー成分を含む。分散媒体は、バインダー
成分、バインダー成分の溶液、または、バインダー成分
の乳化または懸濁液などである。バインダー成分として
は特に限定されないが、例えば、(1) (メタ)アクリル
系、塩化ビニル系、シリコーン系、メラミン系、ウレタ
ン系、スチレン系、アルキド系、フェノール系、エポキ
シ系、ポリエステル系等の熱可塑性もしくは熱硬化性合
成樹脂;エチレンープロピレン共重合ゴム、ポリブタジ
エンゴム、スチレンーブタジエンゴム、アクリロニトリ
ルーブタジエンゴム等の合成ゴムもしくは天然ゴムなど
の有機系バインダー、(2) シリカゾル、アルカリ珪酸
塩、シリコンアルコキシド、リン酸塩等の無機系バイン
ダーなどが使用できる。これらのバインダー成分は、塗
料組成物を基材に塗布乾燥して得られる膜に対する耐熱
性や耐擦傷性等の要求性能、基材の種類等の使用目的に
応じて適宜選択され、いずれか1つが単独で、または、
2以上が混合して使用される。
【0013】バインダー成分は、溶媒に溶解、乳化また
は懸濁していてもよい。バインダー成分の溶媒として
は、塗料組成物の使用目的、バインダーの種類などに応
じて適宜選択され、例えば、アルコール類、脂肪族及び
芳香族カルボン酸エステル類、ケトン類、エーテル類、
エーテルエステル類、脂肪族及び芳香族炭化水素類、ハ
ロゲン化炭化水素類等の有機系溶剤;水;鉱物油、植物
油、ワックス油、シリコーン油等が例示され、使用目的
に応じて適宜選択すればよく、また必要に応じて2以上
を任意の割合で混合して使用してもよい。バインダー成
分の溶媒としては、酸化亜鉛系微粒子の分散体の溶媒を
使用することができる。
【0014】本発明の組成物が塗料組成物である場合、
本発明の組成物では、酸化亜鉛系微粒子、熱線吸収剤、
および、バインダー成分(分散媒体)の量は、たとえ
ば、これら3者の固形分合計重量に対して、酸化亜鉛系
微粒子0.1〜99重量%、熱線吸収剤0.0005〜
20重量%、バインダー成分0.1〜99.9重量%の
割合、好ましくは、酸化亜鉛系微粒子10〜79.9重
量%、熱線吸収剤0.1〜10重量%、バインダー成分
20〜89.9重量%の割合である。酸化亜鉛系微粒子
の割合が前記範囲を下回ると十分な紫外線遮蔽性を得る
ためには塗膜の厚みを厚くせざるを得ず、上回ると微粒
子の分散性が低下して塗膜の可視光に対する透明性が低
下する場合がある。熱線吸収剤の割合が前記範囲を下回
ると十分な熱線遮蔽性が得られにくくなるおそれがあ
り、上回ると塗膜の可視光に対する透明性が低下したり
価格が高くなったりするおそれがある。分散媒体として
のバインダー成分の割合が前記範囲を下回ると、微粒子
の分散性が低下して塗膜の可視光に対する透明性が低下
したり、塗膜の機械的物性や耐薬品性等の物性が悪くな
ったりする場合があり、上回ると十分な紫外線遮蔽性を
得るためには塗膜の厚みを厚くせざるを得ない。
【0015】本発明の組成物が塗料組成物である場合、
酸化亜鉛系微粒子、熱線吸収剤、およびバインダー成分
の固形分合計量は、組成物全体重量に対して、1〜80
重量%の割合、好ましくは、5〜50重量%の割合であ
る。前記範囲を下回ると、均質な膜が得られ難かったり
膜厚の制御が困難になったりするおそれがあり、上回る
と、例えば1μm以下の薄膜を実用的な方法で得難い場
合や高粘度のため均一な成膜が困難となるおそれがあ
る。残部は、酸化亜鉛系微粒子を分散し、バンイダー成
分を溶解または分散する溶媒、または、該溶媒と、塗料
組成物の使用目的に応じて使用される顔料等の添加剤で
ある。
【0016】本発明の組成物が、樹脂組成物、樹脂成形
品、または塗料組成物である場合には、酸化亜鉛系微粒
子と熱線吸収剤の混合比率は、酸化亜鉛系微粒子に対す
る熱線吸収剤の固形分重量比率で、0.05〜30重量
%の割合、好ましくは、0.3〜20重量%の割合であ
る。前記範囲を下回ると熱線吸収剤の添加効果が低下す
る場合があり、上回ると可視光透過率が低下する場合が
ある。
【0017】本発明の組成物を製造する方法は特に限定
されない。本発明の組成物が樹脂組成物および樹脂成形
品である場合には、分散媒体である樹脂中に酸化亜鉛系
微粒子と熱線吸収剤を混合、分散させることによって目
的とする組成物は得られるが、例えば、ペレット状また
は粉末状の樹脂を溶融混練する際に、酸化亜鉛系微粒子
粉末と熱線吸収剤を添加混合するマスターバッチ法、樹
脂を溶解した溶液に酸化亜鉛系微粒子と熱線吸収剤を混
合分散させた後に溶媒を除去する方法等の従来公知の方
法を採用できる。別法として、樹脂を製造する過程に酸
化亜鉛系微粒子と熱線吸収剤を混合分散させる方法、例
えば、樹脂がポリエステル樹脂の場合、ポリエステルの
製造工程中すなわちエステル交換反応〜重合反応に於け
る一連の工程の任意の時期に酸化亜鉛系微粒子の粉末と
熱線吸収剤をポリエステル原料であるグリコールに分散
させてなる分散体を添加混合する方法も採用し得る。
【0018】上述の方法に従えば、酸化亜鉛系微粒子と
熱線吸収剤が樹脂中に分散含有された樹脂組成物が得ら
れる。前記樹脂組成物は、ペレットなど、通常の成形材
料の形態であってもよい。本発明の組成物を塗料組成物
として製造する方法も特に限定されない。例えば、酸化
亜鉛系微粒子の粉末を、熱線吸収剤とバインダー成分を
含む溶媒に添加混合して分散させる方法、酸化亜鉛系微
粒子を溶媒に分散させた分散体と熱線吸収剤およびバイ
ンダー成分を含む溶媒とを混合する方法、酸化亜鉛系微
粒子を溶媒に分散させた分散体に熱線吸収剤とバインダ
ー成分を添加して混合する方法等が採用し得る。分散方
法は、特に限定されず、例えば攪拌機、ボールミル、サ
ンドミル、超音波ホモジナイザー等を用いた従来公知の
方法が採用し得る。
【0019】本発明の組成物を塗料組成物として得る場
合には、前記した酸化亜鉛系微粒子の製造方法によって
得られた微粒子分散体に直接、バインダー成分またはバ
インダー成分を含む溶媒を添加混合することによっても
得られる。上述した塗料組成物の製造方法に従えば、少
なくとも酸化亜鉛系微粒子、熱線吸収剤、バインダー成
分および溶媒を含む塗料組成物を得ることができる。
【0020】本発明の組成物に使用される酸化亜鉛系微
粒子は、 IIIB族金属元素からなる群から選ばれた少な
くとも1種の添加元素と亜鉛とを金属成分とし、亜鉛の
含有量が該金属成分の総原子数に対する亜鉛の原子数の
比で表して80〜99.9%であり、X線回折学的に見
て酸化亜鉛(ZnO)結晶性を示す金属酸化物共沈体を
少なくとも主たる構成成分とする酸化亜鉛系微粒子であ
る。ここに、酸化亜鉛の結晶形は特に限定されず、例え
ば、六方晶(ウルツ鉱型構造)、立方晶(食塩型構
造)、立方晶面心構造等が知られており、これらのうち
のいずれかのX線回折パターンを示すものであれば良
い。本発明の酸化亜鉛系微粒子では、金属酸化物共沈体
の亜鉛含有量が金属成分の総原子数に対する亜鉛の原子
数の比で表して80〜99.9%、好ましくは90〜9
9.5%である。前記範囲を下回ると粒子形状、粒子
径、高次構造等の制御された均一性に富む微粒子となり
にくく、上回ると共沈体としての機能すなわち熱線を始
めとする赤外線遮蔽性が不十分となる。
【0021】本発明で言う酸化亜鉛系微粒子は、上述し
た如きものでありさえすれば、従って、例えば、シラン
カップリング剤、アルミカップリング剤等のカップリン
グ剤又はオルガノシロキサン、キレート化合物等の有機
金属化合物が、酸化亜鉛結晶の表面に結合又は表面に被
覆層を形成してなる微粒子、ハロゲン元素、硫酸根、硝
酸根等の無機酸、又は脂肪酸、アルコール、アミン等の
有機化合物が、微粒子内部及び/又は表面に含有されて
いる粒子等も本発明の酸化亜鉛系微粒子に包含される。
IIIB族金属元素からなる群から選ばれた少なくとも1
種の添加元素と亜鉛以外の金属元素としては、アルカリ
金属およびアルカリ土類金属はZnO結晶内に固溶した
状態などの形態で存在することは好ましくなく、共沈物
を構成する IIIB族金属元素からなる群から選ばれた少
なくとも1種の添加元素の総原子数に対して1/10以
下が好ましく、1/100以下がより好ましい。
【0022】本発明の酸化亜鉛系微粒子では、金属酸化
物共沈体を構成する添加元素としての IIIB族金属元素
は例えば、ホウ素、アルミニウム(Al)、ガリウム
(Ga)、インジウム(In)及びタリウム(Tl)の
うちから選ばれた少なくとも1種であるが、これらのう
ち、インジウム及び/又はアルミニウムが最も好まし
い。
【0023】本発明の酸化亜鉛系微粒子には、下記第1
〜3の場合などがある。 1.前記金属酸化物共沈体の単一粒子すなわち、結晶子
が2次凝集することなく単結晶状態で分散する場合や、
部分的あるいは全体的に緩く2次凝集した場合(以上、
第1の場合)。 2.上記単一粒子が、1次粒子として集合し、球状粒子
などの高次構造をとった2次粒子として存在する場合
(第2の場合)。
【0024】3.上記第1・2の場合において、共沈体
がポリマーとの複合体となっている場合(第3の場
合)。 第1〜3の場合のいずれにおいても、透明性に優れる、
本発明の樹脂成形品や塗工品を得る場合の酸化亜鉛系微
粒子の好ましい態様を以下に述べる。すなわち、酸化亜
鉛系微粒子は、平均結晶子径が0.001〜0.05μ
mであり、平均分散粒子径が0.001〜0.2μmで
あると、該微粒子を含有する本発明の、組成物、樹脂成
形品および塗膜が透明性に優れるものとなるので好まし
い。より好ましくは、平均結晶子径が0.005〜0.
03μmの範囲、平均分散粒子径が0.005〜0.1
μmの範囲であり、特に好ましくは、平均結晶子径が
0.005〜0.03μmの範囲、平均分散粒子径が
0.005〜0.03μmの範囲である。平均結晶子径
が0.005μm未満であるか、または、平均分散粒子
径が0.005μm未満であると、UV吸収端が短波長
側にブルーシフトすることがあるためである。平均結晶
子径が0.03μmよりも大きいと、可視光を散乱する
ため、該微粒子を含有する塗膜等の透明性が低下するお
それがある。平均分散粒子径が0.1μmよりも大きい
と、該微粒子を含有する塗膜等の透明性が低下したり、
塗料の分散安定性が低下したりするおそれがある。
【0025】平均結晶子径とは、X線回折測定により得
られる回折角θ、回折線幅β(ラジアン)よりシェラー
(Scherrer)の式(下式)を用いて求められる
値D(μm)である。Kはシェラー定数、λは用いたX
線の波長(μm)である。 D=Kλ/βcosθ 平均分散粒子径とは、該微粒子が分散含有される媒体中
における、微粒子の分散粒子径の重量または数平均値を
いう。たとえば、塗料組成物中における微粒子の平均分
散粒子径とは、塗料中における微粒子の分散状態での平
均粒子径をいう。通常、媒体が液状であれば、動的光散
乱方式や遠心沈降方式により測定され、媒体が固体(樹
脂成形品など)であれば、透過型電子顕微鏡により測定
される。ただし、結晶子が薄片状である場合などは、厚
み方向の長さが0.05μm以下、好ましくは0.03
μm以下であり、これらの薄片状結晶が2次凝集の抑制
された状態で分散しておれば、透明な、樹脂成形品や塗
工品が得られる。
【0026】なお、本発明では、上記金属酸化物共沈体
・酸化亜鉛系微粒子の形状は、任意である。たとえば、
鱗片状、(六角)板状などの薄片状;針状、柱状、棒
状、筒状;立方体状、ピラミッド状などの粒状;球状な
どの形状が挙げられる。また、第2の場合において、酸
化亜鉛系微粒子の2次粒子が外殻部のみを構成してなる
中空状のものであることがある。中空状であると、光拡
散透過性に優れる。この場合において、単一粒子とその
集合体である2次粒子の酸化亜鉛系微粒子の大きさの関
係は、単一粒子の最短部粒子径の微粒子最短部粒子径に
対する比率が1/10以下であることが好ましい。
【0027】第3の場合において、複合化の形態は自由
であるが、例えば、まず、(A)ポリマーが前記単一粒
子1個の表面及び/又は前記単一粒子複数個が集合した
ものの表面を被覆している形態があり、つぎに、(B)
ポリマーが前記単一粒子を互いに結合させている形態が
あり、最後に、(C)ポリマーがマトリックスを構成
し、このマトリックス中に前記単一粒子が集合すること
なく及び/又は前記単一粒子複数個が集合したものが分
散している形態がある。この場合も、単一粒子とポリマ
ーが外殻部のみを構成してなる中空状のものであること
があり、中空状であると、光拡散透過性に優れることは
第2の場合と同様である。この場合、ポリマーの含有量
は特に限定する訳ではないが、単一粒子とポリマーの合
計量に対し1〜90重量%の範囲である。
【0028】第3の場合において、複合化に用いられる
ポリマーとしては、アクリル樹脂系ポリマー、アルキド
樹脂系ポリマー、アミノ樹脂系ポリマー、ビニル樹脂系
ポリマー、エポキシ樹脂系ポリマー、ポリアミド樹脂系
ポリマー、ポリイミド樹脂系ポリマー、ポリウレタン樹
脂系ポリマー、ポリエステル樹脂系ポリマー、フェノー
ル樹脂系ポリマー、オルガノポリシロキサン系ポリマ
ー、アクリルシリコーン樹脂系ポリマー、ポリアルキレ
ングリコール等の他、ポリエチレン、ポリプロピレン等
のポリオレフィン系ポリマー、ポリスチレン系ポリマー
などの熱可塑性または熱硬化性樹脂;エチレン−プロピ
レン共重合ゴム、ポリブタジエンゴム、アクリロニトリ
ル−ブタジエンゴムなどの合成ゴムや天然ゴムがある。
【0029】好ましいポリマーは、酸化亜鉛系微粒子が
耐溶剤性・耐薬品性などの化学的安定性や機械的特性に
優れるという理由で、1個以上の極性の原子団を有する
ものである。好ましい極性の原子団は、カルボキシル
基、アミノ基(1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミ
ノ基、イミノ基、イミノ結合)、4級アンモニオ基、ア
ミド基、イミド結合、水酸基(アルコール性、フェノー
ル性)、カルボン酸エステル結合、ウレタン基、ウレタ
ン結合、ウレイド基、ウレイレン結合、イソシアネート
基、エポキシ基、リン酸基、金属水酸基、金属アルコキ
シ基およびスルホン酸基からなる群から選ばれる少なく
とも1つである。理由は、酸化亜鉛系微粒子の化学的安
定性が一層高まるばかりか圧壊強度等の機械的強度が優
れ、しかも、微細な(平均粒子径0.001〜0.1μ
m)単一粒子が得られやすく粒子径の揃った(粒子径の
変動係数が30%以下である)、粒子形状が均一な酸化
亜鉛系微粒子が得られやすいからである。
【0030】複合化に用いられるポリマーとして上で例
示したポリマーのうち、(メタ)アクリル系、スチレン
系、ビニル系、これらの共重合系、アルキド系、ポリエ
ステル系、およびポリアミド系からなる群から選ばれる
少なくとも1つの主鎖と、カルボキシル基、アミノ基、
アミド基、シラノール基、およびアルコキシシリル基か
らなる群から選ばれる少なくとも1つの極性の原子団を
有するポリマーとの複合粒子は、透明樹脂に対する親和
性および分散性に特に優れる点で好ましい。
【0031】上記第2の場合も第3の場合も、酸化亜鉛
系微粒子の平均粒子径としては、特に限定はしないが、
通常、0.001〜10μmの範囲である。たとえば、
第3の場合の形態(A)においては、上述の如く透明性
が高い点で0.001〜0.05μmが好ましく、中空
体形状の場合には、光拡散透過能が高い点で0.1〜5
μmが好ましい。
【0032】なお、本発明の酸化亜鉛系微粒子は溶媒中
に分散してなる分散体として使用されることもある。こ
の場合、媒体としては、水、アルコール類、ケトン類、
脂肪族及び芳香族のカルボン酸エステル類、エーテル
類、エーテルエステル類、脂肪族及び芳香族の炭化水素
類、ハロゲン化炭化水素類のほか、鉱物油、植物油、ワ
ックス油、シリコーン油等がある。さらに、これらの溶
媒に、他の成分、例えば、塗料用途のバインダーとして
用いられている有機系バインダーや無機系バインダー等
を含むことがある。上記有機系バインダーとしては、
(メタ)アクリル系、塩化ビニル系、シリコーン系、メ
ラミン系、ウレタン系、スチレン系、アルキド系、フェ
ノール系、エポキシ系、ポリエステル系等の熱可塑性若
しくは熱硬化性樹脂;エチレン−プロピレン共重合ゴ
ム、ポリブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエ
ンゴム等の合成ゴム又は天然ゴムがあり、上記無機系バ
インダーとしては、シリカゾル、アルカリ珪酸塩、シリ
コンアルコキシド、リン酸塩等がある。
【0033】本発明に用いる酸化亜鉛系微粒子は、たと
えば、亜鉛源とモノカルボン酸を、少なくともアルコー
ルからなる媒体中で、かつ、 IIIB族金属元素からなる
群から選ばれた少なくとも1種の添加元素を含む化合物
の存在下で100℃以上の温度に保持する製法により作
られる。この場合、たとえば、 IIIB族金属元素として
は前述したものが例示され、これらの添加元素のうち、
インジウム及び/又はアルミニウムが好ましいことも同
様である。
【0034】上記製法は、具体的には、例えば、亜鉛源
とモノカルボン酸とを含む第1の混合物を作る第1の工
程と、上記第1の混合物を、少なくともアルコールから
なる媒体に混合して第2の混合物を作る第2の工程と、
上記第2の混合物を100°C以上の温度に保持する第
3の工程とを備え、上記第1、第2及び第3の工程のう
ちのいずれかの工程で、第1及び/又は第2の混合物
に、 IIIB族金属元素からなる群から選ばれた少なくと
も1種の添加元素を含む化合物を添加混合する。このと
き、添加元素を含む化合物はそれ単独を添加しても良い
が、少なくともアルコールを含む媒体に溶解して添加す
るようにしても良い。前記第1の工程では、亜鉛源を、
モノカルボン酸を水に溶解した混合溶媒に溶解するよう
にすることが好ましい。
【0035】上記製法では、亜鉛源とモノカルボン酸を
水に混合してなる混合物を、100°C以上に加熱し
た、少なくともアルコールからなる媒体に添加混合する
ことにより、前記水及び/又はモノカルボン酸の少なく
とも一部を蒸発除去する工程を含ませるようにするのが
好ましい。亜鉛源とモノカルボン酸は水に溶解させて使
用するのが良いのであるが、微粒子の結晶性が損なわれ
ることを防ぎ、かつ、2次凝集を防止して微粒子の寸
法、形状の均一性を得るためには、水やモノカルボン酸
をなるべく系外に除去するのが良いからである。なお、
混合物の加熱媒体への添加中にも微粒子の生成が起きる
こともあるが、通常はそののち反応系を100°C以上
の温度に保持し続けることにより生成が起きる。この間
にも水やモノカルボン酸の蒸発除去が起きるのが普通で
ある。
【0036】前記亜鉛源は例えば酸化亜鉛、水酸化亜鉛
及び酢酸亜鉛からなる群より選ばれた少なくとも1種で
ある。前記モノカルボン酸は、常圧下の沸点が200°
C以下の飽和脂肪酸であることが好ましい。上記製法で
は、亜鉛源とモノカルボン酸を、少なくともアルコール
からなる媒体中で、かつ、 IIIB族金属元素からなる群
から選ばれた少なくとも1種の添加元素を含む化合物の
共存下で100°C以上の温度に保持する際に、この系
に、ポリマーを共存させたり、分子中にカルボキシ
ル基、アミノ基、4級アンモニオ基、アミド基、イミド
結合、アルコール性及び/又はフェノール性の水酸基、
カルボン酸エステル結合、ウレタン基、ウレタン結合、
ウレイド基、ウレイレン結合、イソシアネート基、エポ
キシ基、リン酸基、金属水酸基、金属アルコキシ基及び
スルホン酸基からなる群のうちから選ばれた少なくとも
1種の原子団を1個又は2個以上有し、分子量が100
0未満の添加化合物を共存させたり、二酸化炭素及び
/又は炭酸源を共存させたり、乳酸源を共存させたり
することがある。
【0037】系を100°C以上の温度に保持する際
に、ポリマーを共存させると、前記単一粒子がポリマー
と複合してなる酸化亜鉛系微粒子が得られる。この場合
に使用する好適なポリマーとしては、前記した、アクリ
ル樹脂系ポリマー、アルキド樹脂系ポリマー、アミノ樹
脂系ポリマー、ビニル樹脂系ポリマー、エポキシ樹脂系
ポリマー、ポリアミド樹脂系ポリマー、ポリイミド樹脂
系ポリマー、ポリウレタン樹脂系ポリマー、ポリエステ
ル樹脂系ポリマー、フェノール樹脂系ポリマー、オルガ
ノポリシロキサン系ポリマー、アクリルシリコーン樹脂
系ポリマー、ポリアルキレングリコール等の他、ポリエ
チレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系ポリマ
ー、ポリスチレン系ポリマーなどの熱可塑性または熱硬
化性樹脂;エチレン−プロピレン共重合ゴム、ポリブタ
ジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴムなどの
合成ゴムや天然ゴムがある。ポリマーが、上述した特定
の官能基を持つ場合には、微粒子の表面処理が可能とな
り、粒子径制御もできる。
【0038】系を100°C以上の温度に保持する際
に、上述した特定の官能基を持つ化合物を共存させる
と、微粒子の表面処理が可能となり、粒子径制御もでき
る。系を100°C以上の温度に保持する際に、二酸化
炭素及び/又は炭酸源を共存させると、水分散性に優
れ、しかも微細(0.05μm以下)な微粒子が得られ
やすい。この場合、炭酸源としては、亜鉛原料としてそ
の一部に(塩基性)炭酸亜鉛を使用することで代替する
ことができる。但し、炭酸源の量は亜鉛に対しモル比で
0.1〜20モル%が適当である。多すぎると酸化亜鉛
の結晶化が阻害されることがあり、加熱処理温度を高く
する必要があるからである。炭酸源としては、たとえ
ば、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、尿素な
どのごとく加熱などにより炭酸イオンまたは炭酸ガスを
生成する化合物;炭酸イットリウム、炭酸カドミウム、
炭酸銀、炭酸サマリウム、炭酸ジルコニウム、炭酸セリ
ウム、炭酸タリウム、炭酸鉛、炭酸ビスマスなど金属炭
酸塩、塩基性炭酸亜鉛、塩基性炭酸コバルト(1I)、塩
基性炭酸銅(II)、塩基性炭酸鉛(II)、塩基性炭酸ニ
ッケル(II)等の金属の塩基性炭酸塩等が例示され、そ
れぞれ単独で使用されたりまたは2以上併用されたりす
る。
【0039】酸化亜鉛系微粒子を、金属酸化物の共沈体
からなる単一粒子を1次粒子とし、これが集合してなる
2次粒子の形で得るための1つの有効な方法としては、
系を100℃以上の温度に保持する際に乳酸源を共存さ
せる方法が例示される。本発明に用いられる乳酸源は、
乳酸;乳酸アンモニウム、乳酸ナトリウム、乳酸リチウ
ム、乳酸カルシウム、乳酸マグネシウム、乳酸亜鉛、乳
酸アルミニウム、乳酸マンガン、乳酸鉄、乳酸ニッケ
ル、乳酸銀等の金属乳酸塩;乳酸メチル、乳酸エチル、
乳酸n−ブチル等の、加水分解などにより乳酸を生成し
うる乳酸エステル化合物などであり、いずれか1つを単
独で使用しても良く、あるいは、2種以上を併用しても
よい。
【0040】また、第2、第3の場合のうち、2次粒子
が1次粒子間に細孔を多数有する場合、さらに中空であ
る場合には、多孔質微粒子またはマイクロカプセルとし
ての機能、たとえば、吸油能、吸湿能、有害金属イオン
の吸着能、有毒ガス・悪臭などの吸収能などの吸着分
離、除去、捕集機能;断熱性、遮音性等の熱や音の遮蔽
機能(断熱フィラー、遮音フィラー);金属イオン、酵
素・菌固定等の固定化機能(触媒担体、クロマトグラフ
ィー充填剤など);軽量性;内部に保持した液体、香料
などの徐放機能を本発明の組成物に付与できる。
【0041】以下、本発明に用いる酸化亜鉛系微粒子の
製法の1例を詳しく説明する。この製法は、たとえば、
前記の亜鉛源とモノカルボン酸とを少なくともアルコー
ルからなる媒体中に溶解または分散してなる混合物
(m)を、III B族金属元素からなる群から選ばれた少
なくとも1種の添加元素(以下では「金属(M)」と言
うことがある)を含む化合物(この化合物は、金属単体
や合金などの金属をも含む概念である。以下では、「金
属(M)化合物」ということがある)の共存下で100
℃以上の温度に保持することにより、金属元素の総原子
数に対する原子数の比で、亜鉛80〜99.9%と金属
(M)0.1〜20%とを含む金属酸化物の結晶性共沈
物からなる酸化亜鉛系微粒子を析出させる。
【0042】前記亜鉛源は、モノカルボン酸とアルコー
ルとを含む混合物(m)を加熱することにより、X線回
折学的に結晶性の酸化亜鉛に転換され、このとき、媒体
中に金属(M)化合物が共存することにより、本発明の
酸化亜鉛系微粒子を含む分散体が得られる。そのとき出
発物質として前記亜鉛源と前記モノカルボン酸と前記ア
ルコールとの3成分のうち1つでも欠けると、酸化亜鉛
結晶の析出反応は起こらず、また、金属(M)が存在し
ないと本発明の酸化亜鉛系微粒子は得られない。
【0043】本発明に使用される亜鉛は、金属亜鉛およ
び亜鉛化合物からなる群から選ばれる少なくとも1つの
亜鉛源から供給される。亜鉛源は特に限定されないが、
金属亜鉛(亜鉛末)、酸化亜鉛(亜鉛華等)、水酸化亜
鉛、塩基性炭酸亜鉛、置換基があってもよいモノ−また
はジ−カルボン酸塩(たとえば、酢酸亜鉛、オクチル酸
亜鉛、ステアリン酸亜鉛、シュウ酸亜鉛 乳酸亜鉛、酒
石酸亜鉛およびナフテン酸亜鉛)からなる群のうちから
選ばれた少なくとも1つが好ましい。これらの亜鉛源を
用いるときには脱塩工程が不要となり、脱塩工程が必要
な塩化亜鉛、硝酸亜鉛または硫酸亜鉛を使用するときに
比べて工程が少なくなる。
【0044】中でも、金属亜鉛(亜鉛末)、酸化亜鉛
(亜鉛華)、水酸化亜鉛、塩基性炭酸亜鉛および酢酸亜
鉛からなる群のうちから選ばれた少なくとも1つの亜鉛
源は、安価で取扱いが容易な点で好ましい。酸化亜鉛、
水酸化亜鉛および酢酸亜鉛からなる群のうちから選ばれ
た少なくとも1つの亜鉛源は、加熱過程に於ける酸化亜
鉛の結晶の生成反応を阻害するような不純物を実質的に
含まず、しかも、結晶と微粒子との大きさと形状を制御
しやすいので、さらに好ましい。
【0045】酸化亜鉛および/または水酸化亜鉛は安価
に入手できるばかりかモノカルボン酸の種類を任意に選
択できることに加えて、これらの原料を用いることによ
り形状または粒子径等の制御された微粒子が特に得られ
易いので、特に好ましい。亜鉛源の量は、亜鉛源、モノ
カルボン酸および前記媒体の合計量に対して、ZnO換
算で、たとえば0.1〜95重量%、好ましくは0.5
〜50重量%、より好ましくは1〜30重量%である。
前記範囲を下回ると生産性が低くなるおそれがあり、上
回ると微粒子同士の2次凝集が起こり易くなり、分散性
が良く粒度分布の揃った微粒子が得にくくなるおそれが
ある。
【0046】本発明に使用されるモノカルボン酸は、分
子内にカルボキシル基を1個だけ有する化合物である。
該化合物の具体例は、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、イソ
酪酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチ
ン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等の飽和脂肪酸(飽
和モノカルボン酸);アクリル酸、メタクリル酸、クロ
トン酸、オレイン酸、リノレン酸等の不飽和脂肪酸(不
飽和モノカルボン酸);シクロヘキサンカルボン酸等の
環式飽和モノカルボン酸類;安息香酸、フェニル酢酸、
トルイル酸等の芳香族モノカルボン酸;無水酢酸等の上
記モノカルボン酸無水物;トリフルオロ酢酸、モノクロ
ル酢酸、o−クロロ安息香酸等のハロゲン含有モノカル
ボン酸;乳酸などである。これらの化合物のうちのいず
れかが単独で使用されたり、2以上の化合物が併用され
る。
【0047】好ましいモノカルボン酸は、1気圧で20
0℃以下の沸点を有する飽和脂肪酸である。具体的に
は、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸が好ま
しい。その理由は、混合物の調製過程から加熱する過程
において反応系内に於けるモノカルボン酸の含有量を制
御し易く、従って酸化亜鉛結晶の析出反応を厳密に制御
し易いからである。該飽和脂肪酸は、モノカルボン酸総
量に対して、60〜100モル%の範囲で使用すること
が好ましく、80〜100モル%の範囲で使用すること
がより好ましい。前記範囲を下回ると得られる微粒子に
おける酸化亜鉛の結晶性が低くなるおそれがある。
【0048】モノカルボン酸としては、酢酸亜鉛等の亜
鉛のモノカルボン酸塩も含まれ、該亜鉛塩を使用する場
合は、原料として必ずしも前記モノカルボン酸を別途添
加する必要はない。本発明の製造方法におけるモノカル
ボン酸の使用(または仕込み)量は、亜鉛源のZn原子
の量に対するモル比で、たとえば0.5〜50、好まし
くは2.2〜10である。前記範囲内であると経済性、
微粒子の生成し易さ、凝集しにくく分散性に優れる微粒
子の得られ易さ等の点で好ましい。前記範囲を下回ると
ZnO結晶性の良い酸化亜鉛系微粒子や形状および粒子
径等の均一性に富む微粒子が得られにくいおそれがあ
り、上回ると経済性の低下につながるばかりか、分散性
の良い微粒子が得られにくいことがある。
【0049】本発明に用いられるアルコールは、脂肪族
1価アルコール(メタノール、エタノール、イソプロピ
ルアルコール、n−ブタノール、t−ブチルアルコー
ル、ステアリルアルコール等)、脂肪族不飽和1価アル
コール(アリルアルコール、クロチルアルコール、プロ
パギルアルコール等)、脂環式1価アルコール(シクロ
ペンタノール、シクロヘキサノール等)、芳香族1価ア
ルコール(ベンジルアルコール、シンナミルアルコー
ル、メチルフェニルカルビノール等)、複素環式1価ア
ルコール(フルフリルアルコール等)等の1価アルコー
ル類;アルキレングリコール(エチレングリコール、プ
ロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4
−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6
−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,
10−デカンジオール、ピナコール、ジエチレングリコ
ール、トリエチレングリコール等)、芳香環を有する脂
肪族グリコール類(ヒドロベンゾイン、ベンズピナコー
ル、フタリルアルコール等)、脂環式グリコール類(シ
クロペンタン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−
1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジオール
等)、ポリオキシアルキレングリコール(ポリエチレン
グリコール、ポリプロピレングリコール等)等のグリコ
ール類;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチ
レングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリ
コールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノア
セテート等の上記グリコール類のモノエーテル及びモノ
エステル;ヒドロキノン、レゾルシン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等の芳香族ジオー
ル及びこれらのモノエーテル及びモノエステル;グリセ
リン等の3価アルコール及びこれらのモノエーテル、モ
ノエステル、ジエーテル及びジエステルなどである。こ
れらのアルコールのうちのいずれか1つを単独で使用し
ても良く、あるいは、2以上を併用してもよい。
【0050】少なくともアルコールからなる媒体におけ
るアルコールの量は、特に限定されないが、酸化亜鉛系
微粒子生成反応を短時間で行わせる為には、亜鉛源に由
来するZn原子に対するアルコールのモル比で、たとえ
ば1〜100、好ましくは5〜80、より好ましくは1
0〜50である。前記範囲を下回るとZnO結晶性の良
い酸化亜鉛系微粒子が得られにくく、または、分散性、
形状・粒子径の均一性において優れる微粒子が得られに
くくなるおそれがあり、上回ると経済的に不利であるお
それがある。
【0051】前記媒体は、上記アルコールのみからなる
媒体、上記アルコールと水との混合溶媒、上記アルコー
ルと、ケトン類、エステル類、芳香族炭化水素類、エー
テル類等の、アルコール以外の有機溶剤との混合溶媒な
どであり、上記アルコールと他の溶媒との比率は、混合
物(m)を調製するために使用した仕込み(使用)料換
算で、アルコール5〜100重量%、好ましくは40〜
100重量%、より好ましくは60〜100重量%であ
る。アルコールの量が前記範囲を下回ると結晶性、形状
・粒子径の均一性、分散性において良好な微粒子が得に
くくなるおそれがある。
【0052】本発明の製法に使用される金属(M)化合
物としては、たとえば、金属(M)の、金属単体、合金
などの金属;酸化物;水酸化物;(塩基性)炭酸塩、硝
酸塩、硫酸塩、塩化物、フッ化物等のハロゲン化物等の
無機塩類;酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、ラウリン
酸塩等のカルボン酸塩;金属アルコキシド類;β−ジケ
トン、ヒドロキシカルボン酸、ケトエステル、ケトアル
コール、アミノアルコール、グリコール、キノリン等と
の金属キレート化合物、などの3価または4価の金属
(A)を含有する全ての化合物;In,Tl等のように
複数の原子価をとり得る金属元素の場合、微粒子生成過
程で最終的に3価または4価に変化し得る低原子価の金
属を含有する化合物からなる群から選ばれる少なくとも
1つの化合物(この化合物は、金属単体や合金などの金
属をも含む概念である)が使用される。
【0053】III B族金属元素としてアルミニウムが使
用される場合には、アルミニウムを含む化合物としてた
とえば、アルミニウム,水酸化アルミニウム、酸化アル
ミニウム、塩化アルミニウム、フッ化アルミニウム、硝
酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩基性酢酸アルミ
ニウム、アルミニウムトリスアセチルアセトナート、ア
ルミニウムトリメトキシド、アルミニウムトリエトキシ
ド、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニウム
トリ−n−ブトキシド、アセトアルコキシアルミニウム
ジイソプロピレート、アルミニウムラウレート、アルミ
ニウムステアレート、ジイソプロポキシアルミニウムス
テアレート、エチルアセトアセテ−トアルミニウムジイ
ソプロピレート等が使用される。
【0054】III B族金属元素としてホウ素が使用され
る場合には、ホウ素を含む化合物としてたとえば、ボロ
ントリオキサイド、ほう酸、シュウ化ホウ素、ボロント
リフルオライドジエチルエーテル錯体、ボロントリフル
オライドモノエチルアミン錯体、トリメチルボレート、
トリエチルボレート、トリエトキシボラン、トリ−n−
ブチルボラートなどが使用される。
【0055】III B族金属元素としてガリウムが使用さ
れる場合には、ガリウムを含む化合物としてたとえば、
ガリウム、水酸化ガリウム、酸化ガリウム、塩化ガリウ
ム(III) 、臭化ガリウム(III) 、硝酸ガリウム(III) 、
硫酸ガリウム(III) 、硫酸ガリウムアンモニウム、トリ
エトキシガリウム、トリ−n−ブトキシガリウム等が使
用される。
【0056】III B族金属元素としてインジウムが使用
される場合には、インジウムを含む化合物としてたとえ
ば、インジウム、酸化インジウム(III) 、水酸化インジ
ウム(III) 、硫酸インジウム(III) 、塩化インジウム(I
II) 、フッ化インジウム(III) 、ヨウ化インジウム(II
I) 、インジウムイソプロポキシド、酢酸インジウム(II
I) 、トリエトキシインジウム、トリ−n−ブトキシイ
ンジウムなどが使用される。
【0057】III B族金属元素としてタリウムが使用さ
れる場合には、タリウムを含む化合物としてたとえば、
タリウム、酸化タリウム(I)、酸化タリウム(III) 、
塩基性水酸化タリウム(I)、塩化タリウム(I)、ヨ
ウ化タリウム(I)、硝酸タリウム(I)、硫酸タリウ
ム(I)、硫酸水素タリウム(I)、塩基性硫酸タリウ
ム(I)、酢酸タリウム(I)、ぎ酸タリウム(I)、
マロン酸タリウム(I)、塩化タリウム(III) 、硝酸タ
リウム(III) 、炭酸タリウム(III) 、硫酸タリウム(II
I) 、硫酸水素タリウム(III) などが使用される。
【0058】また、金属(M)の酸化物;水酸化物とし
ては、粉末状でもよいが、アルミナゾルなどコロイダル
レベルの金属酸化物および/または金属水酸化物の水性
ゾルやアルコールゾル等も使用できる。本発明の製法
は、たとえば、下記の工程I〜III を必須工程として有
し、かつ、工程I、工程IIおよび工程III のうちのいず
れか1つ又は2つ以上の工程において金属(M)化合物
を添加することができる。
【0059】(I) 亜鉛源とモノカルボン酸とからな
る混合物(n)を作る第1の工程。 (II) 混合物(n)を少なくともアルコールからなる
媒体と混合することにより、亜鉛およびモノカルボン酸
が少なくともアルコールからなる媒体中に溶解または分
散されている混合物(m)を作る第2の工程。 (III) 混合物(m)を100℃以上の温度に保持する
ことにより、金属元素の総原子数に対する原子数の比
で、亜鉛80〜99.9%と金属(M)0.1〜20%
とを含む金属酸化物の結晶性共沈物からなる酸化亜鉛系
微粒子を析出させる第3の工程。
【0060】本発明の製法では、工程Iが、水をさらに
含む混合物(n)を作る工程であることが好ましい。こ
の工程により、溶液状の混合物(n)が容易に得られ
る。亜鉛源とモノカルボン酸と水の添加順序は任意であ
り、たとえば、亜鉛源をモノカルボン酸と水との混合溶
媒に溶解することにより混合物(n)が作られる。本発
明の製法では、工程IIと工程III を、100℃以上の温
度に保持された少なくともアルコールからなる媒体に混
合物(n)を添加して混合する工程で構成することが好
ましい。この工程により、混合物(m)が容易に作られ
る。
【0061】前記亜鉛源とモノカルボン酸とからなる
か、または、これらと金属(M)化合物とからなる混合
物(n)を少なくともアルコールからなる媒体に添加す
る場合、混合物(n)が溶液であることが好ましい。混
合物(n)が溶液である場合、亜鉛源とモノカルボン酸
とが、または、これらと金属(M)化合物とが相溶して
いるか、あるいは、これらとの相溶性の高い溶媒に溶解
していることが望ましい。そのために使用する溶媒とし
ては、亜鉛源及びモノカルボン酸を、または、これらと
金属(M)化合物とを室温〜100℃程度までの温度で
容易に溶解することができ、しかも、前記媒体とも相溶
性の高い点で、水、アルコール類、ケトン類、エステル
類が好ましい。ここでいうアルコール類とは、前記した
アルコールを全て包含する。
【0062】亜鉛源が、X線回折学的に結晶性の酸化亜
鉛に転換される過程において、1つ又は複数の酸化亜鉛
前駆体(この前駆体は、金属(M)を含んでいてもよい
し、含んでいなくてもよい)を経る場合がある。例えば
亜鉛源に、酸化亜鉛等を使用した場合が挙げられる。該
酸化亜鉛前駆体としては、酸化亜鉛以外の少なくとも亜
鉛原子を含むイオン又は化合物の状態を意味し、例えば
亜鉛(水和物)イオン(Zn2+)、亜鉛の多核水酸化物
イオン、亜鉛のアセチルアセトン等のβ−ジカルボニル
化合物又は乳酸、エチレングリコール、エタノールアミ
ン等のようにキレート形成能のある化合物により上記イ
オンの一部又は全部がキレート化された状態や、(塩基
性)酢酸亜鉛、(塩基性)サリチル酸亜鉛、(塩基性)
乳酸亜鉛等の(塩基性)カルボン酸塩等として存在する
場合等が挙げられる。該前駆体としてその一部又は全部
が、モノカルボン酸及び/又はアルコールとの錯塩等複
合組成物として存在する場合も含まれる。
【0063】混合物(m)において、原料として用いら
れた、亜鉛源および金属(M)化合物が酸化亜鉛系微粒
子に変換される過程において、混合物(m)中に存在せ
しめたモノカルボン酸は、変化しないか、あるいは該モ
ノカルボン酸の一部又は全部が、混合物(m)中のアル
コールの一部又は全部と、エステル化反応を起こし、エ
ステル化合物を生成する。
【0064】混合物(m)は、前記亜鉛源と、前記モノ
カルボン酸と、前記アルコールと、前記金属(M)化合
物との4成分を必須成分として混合されて得られるもの
であればよく、必要に応じて、該4成分以外の成分、例
えば水、ケトン類、エステル類、(シクロ)パラフィン
類、エーテル類、芳香族化合物等の有機溶剤、後述する
添加剤等の成分、あるいは、亜鉛および金属(M)以外
の金属成分、例えば金属の酢酸塩、硝酸塩、塩化物等の
無機塩や金属アルコキシド等の有機金属アルコキシド等
を含んでいてもよい。ただし、アルカリ金属およびアル
カリ土類金属は、微粒子の熱線カット機能や導電性を低
下させることがあり、混合物(m)中の金属(M)の原
子数の1/10以下であることが好ましく、1/100
以下であることがより好ましい。また、水及び有機溶剤
は、通常溶媒成分として含有される。
【0065】前記の4成分相互の存在状態及び各成分の
混合物(m)中における存在形態は、特に限定されな
い。例えば、亜鉛源の存在状態について例示すれば、ア
ルコール及び/又は前記水及び有機溶剤などを溶媒成分
として、亜鉛源および/または金属(M)化合物が、そ
のまま溶解した状態、前記酸化亜鉛前駆体に変化して溶
解した状態又はコロイド状、乳化状もしくは懸濁状に分
散した状態等である。
【0066】従って、混合物(m)の状態は特に限定さ
れず、例えば、液状であってもあるいはゾル状、乳化物
状、懸濁物状であっても何等問題はない。混合物(m)
は、上述した範囲に於いて、各成分が混合されて調製さ
れる。その調製法は特に限定されない。特に単一粒子の
平均粒子径が0.001〜10μmの範囲で制御された
酸化亜鉛系微粒子の分散体を得るためには、前記亜鉛源
とモノカルボン酸とからなる第1の混合物(n)を、ア
ルコール含有溶液に加熱下に添加して混合物(m)を調
製することが、実用的な生産性で得られる点で好まし
い。
【0067】このときの調製方法について、以下に述べ
る。混合物(n)の添加方法としては、例えば、混合物
(n)を一挙に添加混合する方法、あるいは混合物
(n)をアルコール含有溶液上又は溶液中に滴下するこ
とにより混合する方法、あるいは混合物(n)を噴霧す
る方法等が採用し得る。また、混合物(n)の添加混合
は、常圧、加圧又は減圧いずれで行ってもよいが、製造
コスト的に常圧で行うことが好ましい。添加混合を常圧
下で行う場合には、粒子径、形状等に於いて均一性に富
み、しかも分散・凝集状態の制御された酸化亜鉛系微粒
子分散体を得たいときには、添加混合中にアルコール含
有溶液を60℃以上の温度、特に60℃以上300℃以
下に維持しておくことが好ましい。添加混合する際のア
ルコール含有溶液の温度が60℃未満では、添加混合中
又は添加混合後に混合物(m)の粘度が急激に高まり、
ゲル状になることがある。このような場合、攪拌が不能
になり均一な混合が達成されないとか、あるいは次の工
程すなわち加熱を行う際に伝熱が不十分となって温度分
布ができる等の問題を誘発し、結晶性、粒子径、粒子形
状等に於いて均一な酸化亜鉛系微粒子が得られ難いばか
りか凝集体しか得られ難い。このような問題は、混合物
(m)に於ける亜鉛濃度とも関連し亜鉛濃度が高い場合
ほど起こり易い。従って、これらの最適温度の下限温度
は、系の圧力に応じて異なり、減圧下あるいは加圧下で
行う場合は、圧力に応じてアルコール性溶媒の温度を適
宜選択する必要がある。上述の如く、アルコール含有溶
液を加熱しながら混合物(n)を添加した場合等に、混
合物(m)中のモノカルボン酸の一部及び/又はアルコ
ールの一部が蒸発に依って系外に留去されるときがある
が、このようにして得られたものも混合物(m)に含ま
れる。
【0068】混合物(n)を調製するうえでの原料組成
は、特に限定されないが、混合物(n)の原料として使
用する亜鉛源の量は、混合物(n)の全量に対して、Z
nO換算で1〜90重量%の範囲でありかつ、混合物
(n)の原料として使用するモノカルボン酸の量が亜鉛
源に於けるZn原子に対するモル比で表して0.5〜5
0倍モルの範囲であることが好ましい。
【0069】上記のようにして調製された混合物(n)
をアルコール含有溶液に添加混合することにより、混合
物(m)が得られる。混合物(n)を添加混合する際、
混合物(n)については、室温下又は加熱された状態の
いずれでも構わない。また、添加混合する際、アルコー
ル含有溶液は均一な混合を得る目的で、攪拌されている
ことが特に好ましい。
【0070】またこのときアルコール含有溶液に含有せ
しめるアルコールの含有量は、特に限定されないが、加
熱時の酸化亜鉛系微粒子生成反応を短時間で行わせる為
には、アルコールの、混合物(m)に含有される亜鉛源
に由来するZn原子に対するモル比で表して1〜100
倍モルの範囲が好ましい。また、アルコールのアルコー
ル含有溶液に於ける濃度は、通常、該溶液総量に対して
5〜100重量%の範囲である。
【0071】上述のごとくして得られた混合物(m)
を、加熱することにより、酸化亜鉛系微粒子を含む分散
体が収率よく得られるものである。該加熱温度は特に限
定されず、結晶性の酸化亜鉛が析出する温度以上で行う
ことは勿論であるが、最終的に得ようとする酸化亜鉛系
微粒子の粒子径、形状、分散・凝集状態等のモルフォル
ジーに応じて、一義的に決まるものではなく、混合物
(m)の初期組成及び上記した種々のパラメータを含め
た総合的な観点で、加熱温度及び加熱時間を選択する必
要がある。特に単一粒子の平均粒子径が0.001〜1
0μmの範囲で制御された酸化亜鉛系微粒子の分散体
を、実用的な生産性で得るためには、100℃以上、特
に100℃以上300℃以下の加熱温度で行うことが好
ましい。
【0072】この場合、例えば、混合物(n)を、10
0℃以上の温度に保持されたアルコール含有溶液に添加
混合することにより混合物(m)を得たときは、そのま
まの温度を維持してもよく、あるいは所定温度に昇温又
は降温した後、加熱処理してもよい。また、混合物
(n)を、100℃未満の温度でアルコールに添加混合
することにより混合物(m)を得たときは、100℃以
上の温度に昇温した後、加熱処理すればよい。混合物
(m)の加熱温度を100℃以上とすることは、酸化亜
鉛系微粒子を得るために、過剰又は不要となる成分の蒸
発除去の速度・量を含めた反応系の組成制御を厳密に行
い易く、そのために得られる微粒子の粒子径等の制御を
行い易い利点がある。
【0073】また前記分散体を得るための加熱過程に於
いて、上記成分以外の成分すなわちアルコール、加熱に
より生成する前記エステル化合物又は必要に応じて混合
物中に存在せしめた溶媒成分の一部又は全部を蒸発除去
しても構わない。また加熱時間については、特に限定さ
れないが、反応を完結させるために、通常0.1時間〜
30時間程度が好ましいものである。
【0074】また、混合物(m)中に、水を存在せしめ
た場合は、加熱する過程に於いて、酸化亜鉛系微粒子に
変換される為には、好ましくは分散体に於ける遊離の水
濃度が5重量%以下、さらに好ましくは1重量%以下に
なるまで留去を行うことが好ましい。その理由は、該水
濃度がこの範囲を越えると、前記分散体中に含有される
アルコール等他の成分の種類によっては、酸化亜鉛系微
粒子の結晶性が低くなり前記した機能が十分発揮されな
い場合がある為である。
【0075】また生成した酸化亜鉛系微粒子分散体中に
於ける(最終)組成として、前記モノカルボン酸の量
は、生成した該分散体中に含有される亜鉛原子換算での
総量に対して、0.5倍モル以下とすることが好まし
い。その理由は、0.5倍モルを越える場合には、酸化
亜鉛系微粒子の結晶性が低くなり酸化亜鉛としての機能
が十分発揮されない場合がある為である。従って、混合
物(m)中に存在せしめたモノカルボン酸量が、生成し
た該分散体中に含有される亜鉛原子換算での総量に対し
て、0.5倍モルを越える場合には、加熱する過程で、
少なくとも過剰分を留去する必要がある。勿論上記比率
が0.5倍モル以下であっても、加熱する過程で留去を
行っても構わない。
【0076】前記単一粒子を1次粒子とし、この1次粒
子が集合してなる2次粒子を得る場合には、100℃以
上の温度保持の際に乳酸源を共存させることが有効な方
法である。乳酸源は、乳酸;乳酸アンモニウム、乳酸ナ
トリウム、乳酸リチウム、乳酸カルシウム、乳酸マグネ
シウム、乳酸亜鉛、乳酸アルミニウム、乳酸マンガン、
乳酸鉄、乳酸ニッケル、乳酸銀等の金属乳酸塩;乳酸メ
チル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル等の、加水分解など
により乳酸を生成しうる乳酸エステル化合物などであ
り、いずれか1つを単独で使用しても良く、あるいは、
2以上を併用してもよい。
【0077】使用される乳酸源の量は特に限定されない
が、混合物(m)中の亜鉛に対するモル比で、たとえば
0.001〜0.4の範囲で行われる。前記範囲を下回
ると乳酸の共存効果が不充分であるために酸化亜鉛結晶
が得られず、一方上記範囲を超えると酸化亜鉛結晶の析
出反応が起こり難くなるため目的とする微粒子が得られ
にくい。粒子形状の揃った微粒子を得るためには、亜鉛
に対する乳酸のモル比は0.001〜0.2の範囲が好
ましく、粒子径が揃っていて分散性のよい微粒子を得る
ためには、亜鉛に対する乳酸のモル比は0.001〜
0.1が好ましい。
【0078】乳酸源の添加は、たとえば、次のとおりで
ある。乳酸(CH3 CH(OH)COOH)および/ま
たは乳酸エステルを使用する場合には、上記工程I〜II
I の任意の時期でよく、直接添加する方法、または、溶
媒(たとえばアルコール)に溶解した溶液を添加する方
法などが採用できる。後者の添加方法は、乳酸が速やか
に拡散し易いので、特に工程III で乳酸源を添加する場
合には好ましい。金属乳酸塩を使用する場合には、上記
工程I〜III の任意の時期でよく、好ましくは工程Iに
おいて亜鉛源と共にまたは亜鉛源として混合物(n)中
に溶解する。たとえば、亜鉛源粉末と金属乳酸塩粉末
を、モノカルボン酸を含有する溶液に添加混合し、攪拌
することにより、均一溶液を調製する。この際、各粉末
の溶解速度、溶解度を高めるために加熱しながら攪拌す
ることは、短時間で且つ高濃度溶液を得ることができる
点で好ましく採用される。
【0079】前記媒体中に乳酸が溶解または分散されて
いるときには、酸化亜鉛結晶が異方成長することによっ
て薄片状酸化亜鉛結晶を生成し、これらの薄片状酸化亜
鉛結晶が先端を外向きにして群集した表面を有する酸化
亜鉛系微粒子を含む分散体が得られることがある。この
とき乳酸の亜鉛に対するモル比が0.001〜0.4の
範囲であるときには、生成する単一粒子は、薄片状(異
方形状)、たとえば、1.0〜5.0の長短度(長径/
短径)、2〜200の偏平度(長径/厚み)、長径5〜
1000nmであり、光拡散透過性に優れ好ましい。長
径は、粒子について測定された三軸径のうちの最長の長
さであり、厚みは、その三軸径のうちの幅および高さの
うちの大きくない方(最短部の粒径)である。
【0080】本発明の製法に用いられるポリマーは、本
発明の酸化亜鉛系微粒子に含まれるポリマーのところで
説明したものと同じものである。使用するポリマーの量
は特に限定されないが、亜鉛源中(すなわち、第2混合
物中)の亜鉛原子の量を酸化亜鉛に換算した量に対する
重量比で、たとえば0.01〜2.0の範囲で行われ
る。前記範囲を下回ると複合粒子が得られにくく、前記
範囲を上回ると酸化亜鉛結晶の析出反応が起こり難くな
る場合があるため目的とする酸化亜鉛系微粒子が得られ
にくい。複合粒子のうち前記した複層構造を持ち、粒子
形状と粒子径が揃っていて分散性のよい酸化亜鉛系微粒
子を得るためには、ポリマーの種類や他の反応条件にも
よるが、ポリマーの量は、上記酸化亜鉛換算量に対し
て、0.05〜0.5の重量比が好ましい。
【0081】本発明の製法では、ポリマーは、上記工程
のうちのいずれか1つの工程または2以上の工程におい
て添加される。ポリマーの添加は、酸化亜鉛系微粒子を
析出させるまでの任意の時期に行われる。たとえば、混
合物(n)に添加混合したり、混合物(m)に添加混合
したりするなどの方法が例示される。本発明の製法で
は、ポリマーの添加時期は、酸化亜鉛系微粒子が生成す
る前の段階であれば、上記いずれの工程でもよい。
【0082】ポリマーは、反応系中に速やかに広がりう
るという理由で、前記媒体に用いられるアルコールに予
め溶解されているか、または、任意の溶媒に溶解して反
応系に添加されるのが好ましい。ポリマーの溶解に用い
られる溶媒は、ポリマーを溶解しうる液体であれば特に
限定はなく、たとえば、アルコール類(上述のもの)、
脂肪族および芳香族カルボン酸類、脂肪族および芳香族
カルボン酸エステル類、ケトン類、エーテル類、エーテ
ルエステル類、脂肪族および芳香族炭化水素類、ハロゲ
ン化炭化水素類などの有機溶剤;水;鉱物油;植物油;
ワックス油;シリコーン油からなる群から選ばれる少な
くとも1つである。
【0083】混合物(m)は、亜鉛とモノカルボン酸と
アルコールと金属(M)との4成分を必須成分として混
合されて得られるものであればよく、酸化亜鉛系微粒子
が生成する前の段階においてポリマーが添加される。ポ
リマーを含む混合物(m)を100℃以上、好ましくは
100〜300℃、より好ましくは150〜200℃の
範囲内の温度で0.1〜30時間、好ましくは0.5〜
10時間維持することにより、原料の種類や組成比に応
じた本発明の酸化亜鉛系微粒子が酸化亜鉛系結晶−ポリ
マー複合粒子として実用的な生産性で得られる。すなわ
ち、前記媒体中に溶解または分散された亜鉛は、第2混
合物が上記範囲内の温度で上記範囲内の時間維持される
ことにより、X線回折学的に結晶性の酸化亜鉛に転換さ
れる。前記媒体中には、ポリマーも溶解または分散され
ているので、酸化亜鉛結晶の核が析出し、結晶化が進む
過程においてポリマーが複合化することによって、酸化
亜鉛−ポリマー複合粒子を含む分散体が得られる。使用
するポリマーの種類、前記媒体に含まれるアルコールの
種類等の原料の種類や、原料仕込み組成や複合粒子が生
成するまでの温度履歴等に基づく複合粒子が生成すると
きの反応液組成・温度等を制御することにより、複合粒
子の内部構造や粒子形状・粒子径、含有される単一粒子
(金属酸化物共沈体)の粒子径等をコントロールするこ
とができる。
【0084】本発明の製造方法に従えば、金属酸化物共
沈体とポリマーとを含有し、0.001〜10μmの数
平均粒子径と30%以下の粒子径の変動係数とを有する
酸化亜鉛系微粒子が1〜80重量%の範囲で分散含有さ
れ、アルコール及び/又は前記エステル化合物及び/又
は有機溶媒を溶媒とする分散体が得られる。さらに、最
終的に得られる酸化亜鉛系微粒子の単一粒子の粒子径、
粒子形状、分散状態若しくは高次構造及び/又は微粒子
表面の極性若しくは組成の制御等を行う目的で、特定の
添加剤を、加熱する過程に於いて共存させることも可能
である。該添加剤の添加時期は特に限定されず、混合物
(m)又は混合物(n)を調製する過程又は加熱処理の
過程、いずれでもよく、目的及び添加剤の種類に応じて
適宜選択される。例えば酸化亜鉛の結晶が析出する直前
又は直後に添加すると、添加剤効果が十分発揮され易く
好ましい場合が多い。
【0085】特に、単一粒子の粒子径、粒子形状に於い
て均一性に富む酸化亜鉛系微粒子を得るためには、分子
中にカルボキシル基、アミノ基、イミノ基、アミド基、
アミド結合、イミド基、イミド結合、ウレイド基、ウレ
イレン結合、イソシアナト基、スルホン酸基、硫酸基、
リン酸基、金属水酸基、金属アルコキシ基、エポキシ
基、ウレタン基、ウレタン結合、エステル結合の群から
選ばれる少なくとも1種の原子団を1個または2個以上
含み分子量が1000未満の化合物、および/または亜
鉛イオンに多座配位することによってキレート化合物を
形成するいわゆるキレート剤(多座配位子)を添加剤と
して、加熱処理する際に共存させることが好ましい。
【0086】該添加剤としては、カプリル酸、ラウリン
酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等の長
鎖の飽和脂肪酸を始めとする前記したカルボキシル基含
有化合物およびこれらのエステル化合物;モノエタノー
ルアミン、ジエタノールアミン、N,N−ジメチルエタ
ノールアミン等の1級、2級、3級アミノ基を有するア
ルコール、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、n
−ヘキサデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド等
の4級アンモニウム塩、6−アミノカプロン酸、N,N
−ビス(オクチルアミノエチル)グリシン、p−アミノ
安息香酸、アスパラギン酸、グルタミン酸等のアミノ
酸、アミノ(ジ)カルボン酸及びこれらのエステルまた
は無水物、2−ヒドロキシピリジン、ピリジン−2,6
−ジカルボン酸等のピリジン誘導体、オクタデシルアミ
ン、ステアリルアミン等の脂肪族アミン等のアミノ基含
有化合物;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミ
ド、ベンズアミド、オキサミド、オキサミン酸等のアミ
ド類;スクシンイミド、フタルイミド等の酸イミド、イ
ミノ(ジ)酢酸等のイミノ(ジ)カルボン酸、イミノエ
ーテル等のイミノ基含有化合物;パラバン酸、アロキサ
ン、バルビツル酸、ジアルル酸等のジカルボン酸ウレイ
ド、オキサルル酸、マロヌル酸等のウレイド酸、尿酸等
のジウレイド、ウラシル等のβ−アルデヒド酸ウレイ
ド、5−メチルヒダントイン等のα−オキシ酸ウレイド
等のウレイド基含有化合物および誘導体;カルバミン酸
エチル等のウレタン化合物およびこれらのN−ニトロソ
化物、N−クロルアセチル化物等の誘導体;トリレンジ
イソシアナート、ジイソシアニルジフェニルメタン、ヘ
キサメチレンジイソシアナート、イソシアン酸イソブチ
ル、イソシアン酸フェニル等のイソシアナト基含有化合
物;1,2−エポキシシクロヘキセン、1,8−シネオ
ール、エチレングリコールジグリシジルエーテル、1,
6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル等の脂肪族
ジグリシジルエーテル類、グリセロールトリグリシジル
エーテル、ペンタエリスリトールテトラグルシジルエー
テル等のポリグルシジルエーテル類、アジピン酸ジグル
シジルエステル等の脂肪族および芳香族ジグリシジルエ
ステル類等の他、レゾルシンジグルシジルエーテル、ビ
スフェノールAジグリシジルエーテル、エポキシ基を官
能基として有するオリゴマー類などのエポキシ基を含有
する化合物;イソプロピルトリイソステアロイルチタネ
ート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシア
セテートチタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシ
ルホスファイト)チタネート、イソプロピルトリ(N−
アミノエチルアミノエチル)チタネート等のチタネート
系カップリング剤等の各種カップリング剤およびこれら
の部分加水分解物;上記したカップリング剤以外の、例
えば、テトラエトキシチタン、テトラブトキシチタン、
ジエチルジエトキシチタン、テトラブトキシチタン、テ
トラメトキシジルコニウム、テトラブトキシジルコニウ
ム、ヘキサエトキシタングステン、ジ−n−ブトキシマ
ンガン、ジイソプロポキシコバルト、ジエトキシニッケ
ル、ジ−n−ブトキシニッケル、トリエトキシランタ
ン、トリエトキシイットリウム、ジエトキシ銅、ジ−n
−ブトキシ銅、ペンタエトキシニオブ、ペンタ−n−ブ
トキシニオブ、ペンタエトキシタンタル、ペンタ−n−
ブトキシタンタル、トリエトキシ鉄、トリ−n−ブトキ
シ鉄等の金属アルコキシド類に代表される金属水酸基お
よび/または金属アルコキシ基を含有する有機金属化合
物及びこれらの誘導体、該誘導体の具体例としてはこれ
らの有機金属化合物の単独または混合物を(部分的に)
加水分解および/または縮合反応することによって得ら
れる(部分)加水分解物等の縮合物;トリメチルホスフ
ェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェ
ート、トリス(2−クロロエチル)ホスフェート、(ポ
リオキシエチレン)ビス[ビス(2−クロロエチル)ホ
スフェート]等のリン酸エステル、メチルアシッドホス
フェート、プロピルアシッドホスフェート、ラウリルア
シッドホスフェート、ステアリルアシッドホスフェー
ト、ビス−2−エチルヘキシルホスフェート、ジイソデ
シルホスフェート等の酸性リン酸エステル、トリメチル
ホスファイト等の亜リン酸エステル、ジメチルジチオリ
ン酸、ジイソプロピルジチオリン酸等のチオリン酸エス
テル等の有機リン化合物;分子中に少なくとも1級アミ
ノ基、2級アミノ基、3級アミノ基、4級アンモニオ基
等のアミノ基、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸
基、水酸基、エポキシ基等の前記した原子団を含有する
分子量1000未満のオルガノポリシロキサン類;ラウ
リル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸(ナ
トリウム)、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸
ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、ス
テアリン酸カルシウム等のアニオン性界面活性剤、ポリ
オキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレン
アルキルアミン、ポリエチレングリコールモノラウレー
ト、グリセロールモノステアレート等のノニオン性界面
活性剤;ラウリルジメチルアミン、ステアリルトリメチ
ルアンモニウムクロリド等のカチオン性界面活性剤、ラ
ウリルベタイン、ステアリルアミンアセテート等の両性
界面活性剤等、前記した原子団を有する各種界面活性剤
等が例示される。
【0087】また、亜鉛イオンに多座配位することによ
ってキレート化合物を形成するいわゆるキレート剤(多
座配位子)としては、アセチルアセトン、アセト酢酸エ
チル、ベンゾイルアセトン等のβ−ジケトン類、エチレ
ンジアミン、ジメチルグリオキシム、ベンジルジオキシ
ム、シクロヘキサン1,2−ジオンジオキシム、ジチゾ
ン、オキシン、グリシン、グリコール酸、シュウ酸、カ
テコール、ジピリジル、1,10−フェナントロリン、
α−ヒドロキシプロピオン酸、モノエタノールアミン、
ジエタノールアミン、エチレングリコール等が例示され
る。
【0088】前記したごとく、添加剤の種類、添加量に
よって、得られる酸化亜鉛系微粒子の単一粒子の大き
さ、形状、単一粒子の分散状態や高次構造、表面極性、
表面組成等が大きく異なる。例えば、メトキシポリ(オ
キシエチレン)モノグリコール酸等のように親水性主鎖
を有する化合物を添加剤として使用すると1次粒子の大
きさ、形状が揃ったしかも水等の極性溶媒に対して1次
粒子の分散性に優れる酸化亜鉛系微粒子が得られ、一
方、アルキルトリアルコキシシラン、オクタデシルアミ
ン等のように疎水性または親油性の高い主鎖を有する化
合物を添加剤として使用すると、1次粒子の大きさ、形
状が揃ったしかもトルエン等の低極性溶媒または無極性
溶媒に対して1次粒子の分散性に優れる酸化亜鉛系微粒
子が得られる。
【0089】上述した添加剤の添加量は、特に限定され
ないが、通常、添加剤の、酸化亜鉛系微粒子分散体中に
含まれる酸化亜鉛に対する重量比で表して、0.1%以
上80%以下が好ましい。0.1%未満では添加剤の添
加効果が実質的にみられず、一方80%を越えると酸化
亜鉛系微粒子が得られない場合がある。上述した添加剤
は、単独もしくは混合して使用することができ、添加す
る方法は特に限定されず、添加剤の種類、添加時期等に
応じて適宜選択すればよい。例えば加熱中に添加する場
合、添加剤を直接あるいは、アルコールをはじめとする
任意の溶媒に溶解および/または希釈したものを添加す
る方法が例示されるが、後者の方法が反応系内に添加剤
が速やかに拡散し易く、添加効果が十分発揮され易い点
で好ましい。
【0090】次に上述した本発明に於いて、特に単一粒
子の平均粒子径が0.001〜0.1μmの範囲で制御
された酸化亜鉛系微粒子を得るための好ましい態様につ
いて、前記の製造条件のなかで、特に以下に示す(I)
〜(IV)の条件が挙げられ、好ましくは(I)〜(I
V)のうちの2つ又は3つの条件、さらに好ましくは
(I)〜(IV)を全て満足する条件で行うことであ
る。
【0091】(I)亜鉛源としては、前記亜鉛又はその
化合物の内、酸化亜鉛、水酸化亜鉛および酢酸亜鉛から
なる群から選ばれる少なくとも1種以上を主成分とする
もの、特に好ましくは、酸化亜鉛および/または水酸化
亜鉛を主成分とするものである。この理由としては、酸
化亜鉛、水酸化亜鉛、酢酸亜鉛は、加熱過程に於ける酸
化亜鉛系微粒子生成反応を阻害するような不純物を実質
的に含まないために、0.001〜0.1μmという微
細な領域で粒子径を厳密に制御することが容易である為
であり、中でも酸化亜鉛、水酸化亜鉛は安価に入手でき
るばかりかカルボキシル基含有化合物の種類を任意に選
択できることに加えて、これらの原料を用いることによ
り上記した粒子径範囲の微粒子が特に得られ易い為であ
る。
【0092】(II)モノカルボン酸として、前記モノ
カルボン酸が常圧に於ける沸点が200℃以下の飽和脂
肪酸であることである。具体的には、蟻酸、酢酸、プロ
ピオン酸、酪酸、イソ酪酸が好ましく、酢酸が特に好ま
しい。その理由は、混合物の調製過程から加熱する過程
において反応系内に於けるカルボキシル基の含有量を制
御し易く、従って粒子径を微細な領域で厳密に制御し易
いからである。さらに、該飽和脂肪酸を、前記モノカル
ボン酸総量に占める割合で、80モル%以上の範囲で使
用することが好ましい。
【0093】またモノカルボン酸の含有量は特に前記し
た範囲内であればさらに限定されることはないが、混合
物(n)に於ける、モノカルボン酸の含有量が、酸化亜
鉛に於けるZn原子に対するモル比で表して2.2〜1
0倍モルの範囲が、2次凝集の抑制された分散性に優れ
る微粒子が得られる点で特に好ましい。 (III)混合物(m)の調製法としては、前記亜鉛源
とモノカルボン酸とを、場合によっては前記亜鉛源とモ
ノカルボン酸と金属(M)化合物とを混合して得られた
混合物(n)を、100℃以上、好ましくは100℃以
上300℃以下の温度に維持されたアルコール含有溶液
に連続的又は間欠的に滴下することである。
【0094】この場合、混合物(n)が液状であること
が好ましく、更に亜鉛源とモノカルボン酸とが、金属
(M)化合物をも含む場合には亜鉛源とモノカルボン酸
と金属(M)化合物とが相溶あるいはこれらとの相溶性
の高い溶媒に溶解していることが望ましい。そのために
使用する溶媒としては、後述する亜鉛源とモノカルボン
酸を室温から100℃程度までの加熱により容易に溶解
することができ、しかもアルコール性溶媒とも相溶性の
高い点で、水、アルコール類、ケトン類、エステル類が
好ましい。ここでいうアルコール類とは、前記したアル
コールを全て包含する。
【0095】(IV)混合物(m)の加熱温度は、10
0℃以上300℃以下、特に好ましくは150℃以上3
00℃以下で行うことである。混合物(m)を加熱する
ことにより、ZnO結晶が析出し、本発明の微粒子が生
成するときの、混合物(m)に対するZnO換算濃度が
0.5wt%以上20wt%以下、さらに2.0wt%以上1
0wt%未満で行うことにより、1次粒子の平均粒子径が
0.001〜0.1μmの範囲で、2次凝集の抑制され
た微粒子が得られやすく好ましい。
【0096】さらに、平均粒子径が0.001〜0.1
μmの範囲の酸化亜鉛系微粒子に於いて、粒子径、形状
を更に均一に制御する、親水性/疎水性等の表面状態を
制御する、分散・凝集状態を制御する等の為の有効な方
法について以下に述べる。平均粒子径が0.001〜
0.1μmの範囲の酸化亜鉛系微粒子の好ましい製法に
おいても、前記した添加剤を前記したと同様にして使用
することによって、粒子の形状、粒子の分散状態や高次
構造、表面極性等の制御された酸化亜鉛系微粒子を得る
ことが出来る。また1次粒子の粒子径分布が揃ってお
り、実質的に平均粒子径が前記の範囲であり、2次凝集
の抑制された酸化亜鉛系微粒子を得る場合には、原料と
して用いる亜鉛又はその化合物を、酸化亜鉛、水酸化亜
鉛及び酢酸亜鉛からなる群から選ばれる少なくとも1種
を主成分とし、塩基性炭酸亜鉛及び/又は常圧に於ける
沸点が加熱温度よりも高いモノカルボン酸の亜鉛塩を副
成分として含有したものを使用する方法も好ましく用い
られる。該副成分の主成分に対する割合は、通常該成分
中の亜鉛の原子比で0.01%以上20%以下である。
該割合が0.01%未満では副成分の併用効果が不十分
であり、一方20%を超えると結晶性の高い酸化亜鉛が
得られない場合がある。
【0097】形状、粒子径分布の揃った、しかも分散性
に優れる酸化亜鉛系微粒子を得る別法として、加熱処理
過程に於いて、炭酸イオンおよび/またはCO2 を共存
させる方法も有効である。例えば、加熱処理過程に於け
る酸化亜鉛生成反応に先立ちおよび/または該反応中
に、二酸化炭素ガスを混合物(m)中に間欠または連続
的に供給する、尿素、炭酸(水素)アンモニウム、塩基
性炭酸亜鉛等の如く加熱条件下で二酸化炭素または炭酸
イオンを生成する様な化合物を添加する方法等が例示さ
れる。
【0098】本発明の製法のうち、特に上述した製造条
件に従えば、平均粒子径が0.001〜0.1μmの範
囲で、粒子形状、表面状態、分散・凝集状態等の制御さ
れた、酸化亜鉛濃度が1〜80重量%の範囲で、アルコ
ール及び/又は前記エステル化合物及び/又は有機溶媒
を溶媒とする酸化亜鉛系微粒子の分散体が得られる。本
発明で得られる酸化亜鉛系微粒子の分散体は、そのまま
使用することもできるが、必要に応じて、酸化亜鉛系微
粒子粉体、酸化亜鉛系微粒子を含有する塗料、溶媒置換
による他の溶媒に酸化亜鉛系微粒子が分散した分散体等
に容易に転換する事ができる。
【0099】本発明で得られた酸化亜鉛系微粒子の粉体
を得る方法としては、分散体を濾過、遠心分離、溶媒蒸
発など通常行われている方法に付すことによって微粒子
を分離した後、乾燥する又は必要に応じて焼成する方法
が採用し得る。中でも、必要に応じて分散体の濃縮操作
を行った後、真空瞬間蒸発装置を用いる溶媒蒸発法によ
る粉体化方法は、乾燥過程で起こりがちな微粒子の2次
凝集が抑制される方法であるため分散性に優れる酸化亜
鉛系微粒子の粉体化方法として好ましい。
【0100】本発明で得られた酸化亜鉛系微粒子を含有
する分散体とは異なる溶媒に酸化亜鉛系微粒子が分散し
た分散体を得る方法としては、上述した方法に従って粉
体化した後得られた粉体を水等の置換したい溶媒に混合
した後、ボールミル、サンドミル、超音波ホモジナイザ
ーなどの機械的エネルギーにより分散させる公知の方法
あるいは分散体を加熱により分散体中の溶媒の一部又は
全部を蒸発・留去しつつ、置換したい溶媒を混合するい
わゆる加熱溶媒置換法等が採用し得る。分散体を構成す
る溶媒成分としては、特に限定されず、アルコール類、
脂肪族及び芳香族カルボン酸エステル類、ケトン類、エ
ーテル類、エーテルエステル類、脂肪族及び芳香族炭化
水素類、ハロゲン化炭化水素類等の有機系溶剤、水、鉱
物油、植物油、ワックス油、シリコーン油等が例示さ
れ、使用目的に応じて適宜選択すればよい。
【0101】酸化亜鉛系微粒子と熱線吸収剤とを併用す
ることが本発明の大きな特徴であり、塗料組成物、樹脂
組成物などの組成物を製造する過程で、酸化亜鉛系微粒
子と熱線吸収剤とを共存させれば、後述する併用効果が
より良く得られる。予め、酸化亜鉛系微粒子をフタロシ
アニン化合物などの熱線吸収剤で表面処理(表面に吸着
するなど)した粉末の如く、酸化亜鉛系微粒子と熱線吸
収剤との複合組成粉末または複合組成粉末分散液も本発
明の範囲内である。
【0102】酸化亜鉛系微粒子をフタロシアニン化合物
などの熱線吸収剤で表面処理する方法は、たとえば、熱
線吸収剤を溶解し得る溶媒中で、酸化亜鉛系微粒子と熱
線吸収剤を混合し、室温または加熱下で攪拌する方法が
挙げられる。表面処理を均一に行うためには、さらに、
溶媒が、酸化亜鉛系微粒子が分散しやすい溶媒であるこ
とが好ましい。例えば、エチレングリコールモノブチル
エーテルなどのエチレングリコールモノアルキルエーテ
ルやn−ブタノール等のアルコール類;メチルエチルケ
トン等のケトン類;酢酸ブチル等のエステル類;水など
が例示される。
【0103】本発明の組成物の好ましい態様は次のとお
りである。 (1)亜鉛80〜99.9原子%およびIIIB族金属元素
残部からなる金属の酸化物共沈体の微粒子と、熱線吸収
剤とを含む、紫外線および熱線遮蔽用組成物。 (2)熱線吸収剤がフタロシアニン化合物である、上記
(1)の紫外線および熱線遮蔽用組成物。 (3)分散媒体をさらに含み、前記分散媒体が前記微粒
子および前記熱線吸収剤を分散させるものである、上記
(1)または(2)の紫外線および熱線遮蔽用組成物。 (4)前記IIIB族金属元素がインジウムおよび/または
アルミニウムである、上記(1)〜(3)のいずれかの
紫外線および熱線遮蔽用組成物。 (5)前記微粒子の平均結晶子径が0.001〜0.0
5μmである、上記(1)〜(4)のいずれかの紫外線
および熱線遮蔽用組成物。 (6)前記微粒子の平均分散粒子径が0.001〜0.
1μmである、上記(1)〜(5)のいずれかの紫外線
および熱線遮蔽用組成物。 (7)前記微粒子が、亜鉛源とモノカルボン酸を少なく
ともアルコールからなる媒体中で、かつ、少なくとも1
種のIIIB族金属元素を含む化合物の共存下で、100℃
以上の温度に保持する方法により生成せしめた微粒子で
ある、上記(1)〜(6)のいずれかの紫外線および熱
線遮蔽用組成物。 (8)前記IIIB族金属元素がインジウムおよび/または
アルミニウムである、上記(7)の紫外線および熱線遮
蔽用組成物。 (9)前記方法が、亜鉛源とモノカルボン酸を水に混合
してなる混合物を、100℃以上に加熱した、少なくと
もアルコールからなる媒体に添加混合することにより、
前記水および/またはモノカルボン酸の少なくとも1部
を蒸発除去する工程をさらに含む、上記(7)または
(8)の紫外線および熱線遮蔽用組成物。 (10)前記亜鉛源が、酸化亜鉛、水酸化亜鉛および酢酸
亜鉛からなる群から選ばれる少なくとも1種である、上
記(7)〜(9)のいずれかの紫外線および熱線遮蔽用
組成物。 (11)前記モノカルボン酸が、常圧下の沸点200℃以
下の飽和脂肪酸である、上記(7)〜(10)のいずれか
の紫外線および熱線遮蔽用組成物。 (12)前記100℃以上の温度保持を、二酸化炭素また
は炭酸源の共存下で行う、上記(7)〜(11)のいずれ
かの紫外線および熱線遮蔽用組成物。 (13)前記100℃以上の温度保持を、分子中にカルボ
キシル基、アミノ基、4級アンモニオ基、アミド基、イ
ミド結合、(アルコール性、フェノール性)水酸基、カ
ルボン酸エステル結合、ウレタン基、ウレタン結合、ウ
レイド基、ウレイレン結合、イソシアネート基、エポキ
シ基、リン酸基、金属水酸基、金属アルコキシ基、スル
ホン酸基からなる群から選ばれる少なくとも1種の原子
団を1個以上含み、分子量が1000未満の添加化合物
の共存下で行う、上記(7)〜(11)のいずれかの紫外
線および熱線遮蔽用組成物。 (14)前記分散媒体がバインダー成分であり、前記微粒
子、前記熱線吸収剤、および前記バインダー成分の量
が、これら3者の固形分合計重量に対して、前記微粒子
0.1〜99重量%、前記熱線吸収剤0.0005〜2
0重量%、前記バインダー成分0.1〜99.9重量%
の割合である塗料組成物である、上記(3)〜(13)の
いずれかの紫外線および熱線遮蔽用組成物。 (15)前記微粒子、前記熱線吸収剤、および前記バイン
ダー成分の固形分合計重量が1〜80重量%であり、残
部が溶媒である、上記(14)の紫外線および熱線遮蔽用
組成物。 (16)前記熱線吸収剤の量が、前記微粒子に対する固形
分合計重量比で、0.05〜30重量%である、上記
(15)の紫外線および熱線遮蔽用組成物。 (17)前記分散媒体が樹脂であり、前記微粒子、前記熱
線吸収剤、および前記樹脂の量が、これら3者の固形分
合計重量に対して、前記微粒子0.01〜99重量%、
前記熱線吸収剤0.0005〜20重量%、前記樹脂
0.1〜99.9重量%の割合である、上記(3)〜
(13)のいずれかの紫外線および熱線遮蔽用組成物。 (18)前記熱線吸収剤の量が、前記微粒子に対する固形
分合計重量比で、0.05〜30重量%である、上記
(17)の紫外線および熱線遮蔽用組成物。 〔塗工品〕本発明の塗工品は、基材と、基材の表面に形
成された塗膜とを備えている。基材は、樹脂成形体、ガ
ラスおよび紙からなる群から選ばれる少なくとも1つで
ある。塗膜は、分散媒体がバインダー成分である場合の
本発明の紫外線および熱線遮蔽用組成物を含んでなる。
この塗膜は、塗料組成物である場合の本発明の紫外線お
よび熱線遮蔽用組成物を基材の表面に塗布して形成され
る。
【0104】本発明の組成物が塗料組成物である場合
は、すでに本発明の組成物の説明において説明したとお
りであるので、ここでは説明を省略する。本発明の塗料
組成物は、前記した酸化亜鉛系微粒子の製造方法によっ
て得られた微粒子分散体に直接、熱線吸収剤とバインダ
ー成分または熱線吸収剤とバインダー成分を含む溶媒を
添加混合することによっても得られる。
【0105】塗料組成物は、任意の基材、例えば、ポリ
エステルフィルム等のプラスチックフィルムまたはシー
ト;天然繊維、合成繊維等の繊維;塩化ビニル樹脂、ポ
リカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレンテレ
フタレート樹脂等の透明または半透明の合成樹脂板;ガ
ラス;紙等に塗布、乾燥することによって、酸化亜鉛系
微粒子と熱線吸収剤を含む膜を形成することができる。
【0106】膜を形成するために、必要に応じて、基材
の変形温度以下の温度で加熱してもよい。加熱を行うの
は、たとえば、バインダー成分にシリコンアルコキシド
等の無機系バインダーを使用しバインダー成分の分子間
の縮合反応を充分に進めることによって強靱な膜を形成
したり、バインダー成分に熱硬化性樹脂を使用し熱硬化
性樹脂の硬化反応を充分に進めることによって硬化膜を
形成したり、バインダー成分の少なくとも1部にポリエ
ーテルおよび/またはポリエステル等の活性水素原子を
2つ以上有する樹脂とイソシアネート類等の架橋剤とを
使用し最終的にポリウレタン膜を形成させたい場合など
架橋反応を行う場合に架橋反応を効率良く行わせたりす
るためである。
【0107】本発明の塗工品におけるバインダー成分
は、上記有機系および/または無機系バインダーが乾燥
または乾燥硬化(乾燥架橋)してなる被膜である。本発
明の塗料組成物を塗布する方法は特に限定されず、ディ
ッピング法、スプレー法、スクリーン印刷法、ロールコ
ーター法、フローコート法等従来公知の方法が採用され
る。
【0108】本発明の塗工品は、塗工紙であってもよ
い。塗工紙とは、酸化亜鉛系微粒子と熱線吸収剤が含有
された塗料を紙基材上に塗布、乾燥することにより該微
粒子と熱線吸収剤を含有する膜の形成されたものであ
る。塗工紙の製法は特に限定されず、酸化亜鉛系微粒子
と熱線吸収剤を使用することを除けば、従来公知の一般
的な製法により得られる紙を基材とし、従来公知の塗工
法をそのまま適用できる。
【0109】塗工紙を作るために使用される塗料組成物
としては、上述の本発明の塗料組成物のうちの溶媒を含
むものが挙げられる。塗工紙を作るために使用される分
散液の分散媒としては、上述の本発明の塗料組成物に使
用されうる溶媒が挙げられる。塗料組成物中に、その使
用目的に応じて、これら以外の顔料、耐水化剤、潤滑
剤、消泡剤、流動変性剤、保水剤等の添加剤を混合せし
めてもよい。
【0110】塗工紙を作る場合、使用する酸化亜鉛系微
粒子と熱線吸収剤を含有する塗料組成物の組成、使用す
る溶媒、バインダーの種類およびこれらの調製方法等
は、従来公知の原料をそのまま使用でき、従来公知の調
製方法に従って調製すればよい。フィルムラミネート紙
は酸化亜鉛系微粒子と熱線吸収剤を分散含有する高分子
フィルムを紙基材に貼り付けてなるものを意味する。高
分子フィルムとしては、後述の本発明の樹脂成形品が使
用されうる。
【0111】以上の製造方法に従って得られる塗工紙
は、外観に優れる紙として有用である。得られる紙の用
途は任意であり、例えばアート紙、壁紙をはじめ多様な
用途で使用することができるものである。本発明の塗工
品における塗膜は、酸化亜鉛系微粒子と、酸化亜鉛系微
粒子を結合するバインダー成分と、熱線吸収剤とを含
む。酸化亜鉛系微粒子、熱線吸収剤、および、バインダ
ー成分(分散媒体)の量は、たとえば、これら3者の固
形分合計重量に対して、酸化亜鉛系微粒子0.1〜99
重量%、熱線吸収剤0.0005〜20重量%、バイン
ダー成分0.1〜99.9重量%の割合、好ましくは、
酸化亜鉛系微粒子10〜79.9重量%、熱線吸収剤
0.1〜10重量%、バインダー成分20〜89.9重
量%の割合である。酸化亜鉛系微粒子の割合が前記範囲
を下回ると十分な紫外線遮蔽性を得るためには塗膜の厚
みを厚くせざるを得ず、上回ると微粒子の分散性が低下
して塗膜の可視光に対する透明性が低下する場合があ
る。熱線吸収剤の割合が前記範囲を下回ると十分な熱線
遮蔽性が得られにくくなるおそれがあり、上回ると塗膜
の可視光に対する透明性が低下したり価格が高くなった
りするおそれがある。分散媒体としてのバインダー成分
の割合が前記範囲を下回ると、微粒子の分散性が低下し
て塗膜の可視光に対する透明性が低下したり、塗膜の機
械的物性や耐薬品性等の物性が悪くなったりする場合が
あり、上回ると十分な紫外線遮蔽性を得るためには塗膜
の厚みを厚くせざるを得ない。
【0112】塗膜中の酸化亜鉛系微粒子と熱線吸収剤の
各配合量は、必要とする紫外線・熱線の遮蔽能、可視域
における透明性、塗膜の厚み、塗膜の形状によって異な
り、たとえば、塗膜単位面積当たりの含有量または法線
方向(上方)からの投影面積中の重量で表示すると、酸
化亜鉛系微粒子では、1〜10g/m2 の範囲が好まし
く、1.5〜6g/m2 の範囲がより好ましく;熱線吸
収剤では、0.005〜2.4g/m2 の範囲が好まし
く、0.01〜1.2g/m2 の範囲がより好ましい。
【0113】基材として用いる樹脂成形体は、たとえ
ば、板、シート、フィルムおよび繊維からなる群から選
ばれる少なくとも1つである。基材は、透明基材でもよ
く、半透明基材でもよい。本発明の塗工品の好ましい態
様は次のとおりである。 (1) 樹脂成形体、ガラスおよび紙からなる群から選
ばれる少なくとも1つの基材と、亜鉛80〜99.9原
子%およびIIIB族金属元素残部からなる金属の酸化物共
沈体の微粒子と、熱線吸収剤と、分散媒体とを含み、分
散媒体がバインダー成分であり前記微粒子および前記熱
線吸収剤を分散させるものである組成物を含んでなり、
前記基材の表面に形成された塗膜と、を備えた塗工品。 (2)前記熱線吸収剤がフタロシアニン化合物である、
上記(1)の塗工品。 (3)前記IIIB族金属元素がインジウムおよび/または
アルミニウムである、上記(1)または(2)の塗工
品。 (4)前記微粒子の平均結晶子径が0.001〜0.0
5μmである、上記(1)〜(3)のいずれかの塗工
品。 (5)前記微粒子の平均分散粒子径が0.001〜0.
1μmである、上記(4)の塗工品。 (6)前記微粒子が、亜鉛源とモノカルボン酸を少なく
ともアルコールからなる媒体中で、かつ、少なくとも1
種のIIIB族金属元素を含む化合物の共存下で、100℃
以上の温度に保持する方法により生成せしめた微粒子で
ある、上記(1)〜(5)のいずれかの塗工品。 (7)前記方法が、亜鉛源とモノカルボン酸を水に混合
してなる混合物を、100℃以上に加熱した、少なくと
もアルコールからなる媒体に添加混合することにより、
前記水および/またはモノカルボン酸の少なくとも1部
を蒸発除去する工程をさらに含む、上記(6)の塗工
品。 (8)前記亜鉛源が、酸化亜鉛、水酸化亜鉛および酢酸
亜鉛からなる群から選ばれる少なくとも1種である、上
記(6)または(7)の塗工品。 (9)前記モノカルボン酸が、常圧下の沸点200℃以
下の飽和脂肪酸である、上記(6)〜(8)のいずれか
の塗工品。 (10)前記100℃以上の温度保持を、二酸化炭素また
は炭酸源の共存下で行う、上記(6)〜(9)のいずれ
かの塗工品。 (11)前記100℃以上の温度保持を、分子中にカルボ
キシル基、アミノ基、4級アンモニオ基、アミド基、イ
ミド結合、(アルコール性、フェノール性)水酸基、カ
ルボン酸エステル結合、ウレタン基、ウレタン結合、ウ
レイド基、ウレイレン結合、イソシアネート基、エポキ
シ基、リン酸基、金属水酸基、金属アルコキシ基、スル
ホン酸基からなる群から選ばれる少なくとも1種の原子
団を1個以上含み、分子量が1000未満の添加化合物
の共存下で行う、上記(6)〜(9)のいずれかの塗工
品。 (12)前記微粒子、前記熱線吸収剤、および前記バイン
ダー成分の量が、これら3者の固形分合計重量に対し
て、前記微粒子0.1〜99重量%、前記熱線吸収剤
0.0005〜20重量%、前記バインダー成分0.1
〜99.9重量%の割合である、上記(1)〜(11)の
いずれかの塗工品。 (13)前記熱線吸収剤の量が、前記微粒子に対する固形
分合計重量比で、0.05〜30重量%である、上記
(12)の塗工品。 (14)前記基材が、樹脂成形体、ガラスおよび紙からな
る群から選ばれる1つである、上記(1)〜(13)のい
ずれかの塗工品。 (15)前記塗膜が、単位面積当たりの含有量または法線
方向(上方)からの投影面積中の重量で、前記酸化亜鉛
系微粒子を1〜10g/m2 の範囲で、前記熱線吸収剤
を0.005〜2.4g/m2 の範囲で含む、上記
(1)〜(14)のいずれかの塗工品。 〔樹脂成形品〕本発明の樹脂成形品は、樹脂組成物であ
る本発明の、紫外線および熱線遮蔽用組成物を、板、シ
ート、フィルムおよび繊維からなる群から選ばれる少な
くとも1つの形状に成形したものである。
【0114】本発明の組成物が樹脂成形品である場合
は、すでに、本発明の組成物の説明において説明したと
おりであるので、ここでは説明を省略する。成形品中の
酸化亜鉛系微粒子とフタロシアニン化合物の各配合量
は、必要とする紫外線・熱線の遮蔽能、可視域における
透明性、成形品の厚み、成形品の形状によって異なり、
たとえば、成形品単位面積当たりの含有量または法線方
向(上方)からの投影面積中の重量で表示すると、酸化
亜鉛系微粒子では、1〜10g/m2 の範囲が好まし
く、1.5〜6g/m2 の範囲がより好ましく;フタロ
シアニン化合物では、0.005〜2.4g/m2 の範
囲が好ましく、0.01〜1.2g/m2 の範囲がより
好ましい。
【0115】本発明の組成物が樹脂組成物および樹脂成
形品である場合に、樹脂組成物を板状、シート状、フィ
ルム状、繊維状等に成形することによって、樹脂成形品
を得ることができる。本発明の樹脂組成物より所望の形
状の成形体を得る方法は特に限定されず、従来公知の方
法をそのまま採用できる。以下に一例を挙げて説明す
る。
【0116】酸化亜鉛系微粒子と熱線吸収剤の分散含有
されたポリカーボネート樹脂板を得たいときには、例え
ば、ポリカーボネート樹脂ペレットまたは粉末と所定量
の微粒子粉末と熱線吸収剤を、溶融混練することによっ
て樹脂中に酸化亜鉛系微粒子と熱線吸収剤が均一に混合
された組成物を得た後、そのまま連続的にあるいは一旦
ペレット化した後、射出成形、押出成形、圧縮成形等に
よって、平面状または曲面状の板状に加工する方法が採
用される。勿論、平板状成形体をさらに後加工すること
によって、波板状などの任意の形状に成形することも可
能である。アクリル系樹脂板、塩化ビニル系樹脂板、ポ
リエステル系樹脂板等の樹脂板も同様にして得られる。
【0117】酸化亜鉛系微粒子と熱線吸収剤の分散含有
されたナイロン繊維やポリエステル繊維等の繊維、ポリ
オレフィンフィルムやポリアミドフィルム、ポリエステ
ルフィルム等のフィルムを得たい場合には、例えば、酸
化亜鉛系微粒子粉末と熱線吸収剤と樹脂ペレットまたは
粉末を溶融混練することによって樹脂中に微粒子と熱線
吸収剤が均一に混合された組成物を得た後、そのまま連
続的にあるいは一旦ペレット化した後、溶融紡糸等の従
来公知の繊維化方法、あるいは押出成形によりシート状
に成形した後、必要に応じて一軸または2軸に延伸操作
を施すという従来公知の(延伸)フィルムの製法を採用
すればよい。
【0118】酸化亜鉛系微粒子と熱線吸収剤の分散含有
されたポリエステル繊維あるいはポリエステルフィルム
を得るためには、従来公知の以下の別法も採用し得る。
すなわち、ポリエステル繊維を得る方法としては、ポリ
エステルの製造工程中すなわちエステル交換反応〜重合
反応に於ける一連の工程の任意の時期に酸化亜鉛系微粒
子と熱線吸収剤を、たとえば0.1〜50重量%の割合
でグリコールに分散させてなる分散体を添加混合し、ポ
リエステルの重合反応を完結させることによって、ポリ
エステル中に酸化亜鉛系微粒子と熱線吸収剤が分散含有
されたポリエステル重合物を得た後、従来公知の方法に
従って溶融紡糸する方法を採用すればよい。
【0119】一方、ポリエステルフィルムを得る為に
は、同様にしてポリエステル中に酸化亜鉛系微粒子と熱
線吸収剤が分散含有されたポリエステル重合物を得た
後、押出成形によってシート状に押しだした後、必要に
応じて一軸または2軸方向に延伸処理を施す方法を採用
することができる。本発明の樹脂成形品の好ましい態様
は次のとおりである。 (1) 亜鉛80〜99.9原子%およびIIIB族金属元
素残部からなる金属の酸化物共沈体の微粒子と、熱線吸
収剤と、分散媒体とを含み、前記分散媒体が樹脂であり
前記微粒子および前記熱線吸収剤を分散させるものであ
る、紫外線および熱線遮蔽用組成物を、板、シート、フ
ィルムおよび繊維からなる群から選ばれる形状に成形し
た樹脂成形品。 (2)前記熱線吸収剤がフタロシアニン化合物である、
上記(1)の樹脂成形品。 (3)前記IIIB族金属元素がインジウムおよび/または
アルミニウムである、上記(1)または(2)の樹脂成
形品。 (4)前記微粒子の平均結晶子径が0.001〜0.0
5μmである、上記(1)〜(3)のいずれかの樹脂成
形品。 (5)前記微粒子の平均分散粒子径が0.001〜0.
1μmである、上記(4)の樹脂成形品。 (6)前記微粒子が、亜鉛源とモノカルボン酸を少なく
ともアルコールからなる媒体中で、かつ、少なくとも1
種のIIIB族金属元素を含む化合物の共存下で、100℃
以上の温度に保持する方法により生成せしめた微粒子で
ある、上記(1)〜(5)のいずれかの樹脂成形品。 (7)前記方法が、亜鉛源とモノカルボン酸を水に混合
してなる混合物を、100℃以上に加熱した、少なくと
もアルコールからなる媒体に添加混合することにより、
前記水および/またはモノカルボン酸の少なくとも1部
を蒸発除去する工程をさらに含む、上記(6)の樹脂成
形品。 (8)前記亜鉛源が、酸化亜鉛、水酸化亜鉛および酢酸
亜鉛からなる群から選ばれる少なくとも1種である、上
記(6)または(7)の樹脂成形品。 (9)前記モノカルボン酸が、常圧下の沸点200℃以
下の飽和脂肪酸である、上記(6)〜(8)のいずれか
の樹脂成形品。 (10)前記100℃以上の温度保持を、二酸化炭素また
は炭酸源の共存下で行う、上記(6)〜(9)のいずれ
かの樹脂成形品。 (11)前記100℃以上の温度保持を、分子中にカルボ
キシル基、アミノ基、4級アンモニオ基、アミド基、イ
ミド結合、(アルコール性、フェノール性)水酸基、カ
ルボン酸エステル結合、ウレタン基、ウレタン結合、ウ
レイド基、ウレイレン結合、イソシアネート基、エポキ
シ基、リン酸基、金属水酸基、金属アルコキシ基、スル
ホン酸基からなる群から選ばれる少なくとも1種の原子
団を1個以上含み、分子量が1000未満の添加化合物
の共存下で行う、上記(6)〜(9)のいずれかの樹脂
成形品。 (12)前記微粒子、前記熱線吸収剤、および前記樹脂の
量が、これら3者の固形分合計重量に対して、前記微粒
子0.01〜99重量%、前記熱線吸収剤0.0005
〜20重量%、前記樹脂0.1〜99.9重量%の割合
である、上記(1)〜(11)のいずれかの樹脂成形品。 (13)前記熱線吸収剤の量が、前記微粒子に対する固形
分合計重量比で、0.05〜30重量%である、上記
(12)の樹脂成形品。 (14)単位面積当たりの含有量または法線方向(上方)
からの投影面積中の重量で、前記微粒子を1〜10g/
2 の範囲で、前記熱線吸収剤を0.005〜2.4g
/m2 の範囲で含む、上記(1)〜(13)のいずれかの
樹脂成形品。
【0120】
【実施例】以下に、この発明の実施例と、この発明の範
囲を外れた比較例とを示すが、この発明は下記実施例に
限定されない。実施例および比較例で使用した酸化亜鉛
系微粒子の物性は、下記の方法により測定し評価した。 (酸化亜鉛系微粒子の物性) (結晶性)粉末X線回折測定により評価した。
【0121】(平均結晶子径)粉末試料の粉末X線回折
測定を行い、回折角θ、回折線幅βよりシェラー(Sc
herrer)の式を用いて求めた。Scherrer
の式は次のとおりである。 D=Kλ/βcosθ (ここで、D〔nm〕:結晶子径、 K:シェラー定数(装置定数)、 λ〔nm〕:X線の波長、 β〔ラジアン〕:結晶子の大きさだけに基づく回折線
幅、 θ:回折角 である。) (平均分散粒子径)微粒子粉末をn−ブタノール中に1
wt%となるようにn−ブタノールに添加混合し、2時
間攪拌した後、動的光散乱方式による粒子径アナライザ
ー(野崎産業株式会社から市販されているNICOMP
Model370を使用した)を用いて数基準の平均
粒子径を求め、これを平均分散粒子径とした。
【0122】微粒子を本発明の方法で製造した場合は、
反応および濃縮操作で得られた微粒子分散体を微粒子濃
度1重量%となるようn−ブタノールに希釈し、これを
測定試料とした。また、測定時の濃度調整溶媒にはn−
ブタノールを使用した。 (微粒子組成)粉末試料を、蛍光X線分析、原子吸光分
析、重量分析および元素分析等より求めた。
【0123】(分散体中の微粒子濃度)分散体の一部を
100℃において溶媒等の揮発成分を完全に除去し得る
まで(重量減少が見られなくなるまで)真空乾燥するこ
とにより、乾燥粉末を得、これを空気中、500℃で1
時間加熱したときの残分を金属酸化物として、金属酸化
物分の分散体に対する重量分率を求め、この値を分散体
中の微粒子濃度(金属酸化物換算濃度)とした。
【0124】(微粒子の熱線カット機能の有無:評価
P)微粒子を10重量%含有する分散液を、バーコータ
ーを用いて、厚み2mmのガラス板上に塗布し、乾燥(窒
素雰囲気下で80℃)することによって乾燥膜を得る。
塗布量を微粒子換算で1〜10g/m2の範囲で種々変
え、各乾燥膜の分光特性(波長2200〜200nm)
を、自記分光光度計(UV−3100、(株)島津製作
所)により測定する。得られた分光曲線より、塗布量が
微粒子換算で3g/m2の場合の膜について、以下の基準
に比較して評価した。
【0125】評価基準 ・波長2μmにおけるカット量≧10%、かつ、T700
>T2000を満足する場合:熱線カット能あり ・上記条件を満足しない場合:熱線カット能なし ただし、熱線カット量は、(基材における波長2μmに
対する光透過率(%))−(塗装品における波長2μm
に対する光透過率(%));T700 、T20 00はそれぞれ
波長700nm、2μmに対する光透過率(%)であ
る。
【0126】上記分散液は、微粒子粉末をn−ブタノー
ルに10重量%となるように添加混合し攪拌することに
より得、また微粒子を本発明の方法で製造した場合は、
反応により得られた微粒子分散体を微粒子濃度10重量
%に濃縮することにより得た。参考)使用したガラス基
板の透過率は次のとおりである。
【0127】 波長 350nm 700nm 2μm 透過率(%) 86 91 91 (参考例1)攪拌機、滴下口、温度計、還流冷却器を備
えた10Lのガラス製反応器中で、酢酸2.2kgおよ
びイオン交換水1.6kgの混合溶媒に酸化亜鉛粉末
0.3kg、水酸化インジウム(In2 3 ・nH
2 O:In2 3 含有量80重量%)12.80gを添
加混合した後、混合物を攪拌しながら100℃まで昇温
することにより、均一な亜鉛含有溶液(A1)を得た。
【0128】次に、攪拌機、滴下口、温度計、留出ガス
出口を備え外部より熱媒加熱し得る20Lのガラス製反
応器に、2−ブトキシエタノール10.7kgを仕込
み、内温を159℃まで加熱昇温し、その温度に保持し
た。これに、100℃に保持された亜鉛含有溶液(A
1)全量を、定量ポンプにより33分かけて滴下した。
滴下終了後、内温を168℃まで昇温した時点で、ラウ
リン酸36.9gを溶解した2−ブトキシエタノール溶
液800gを10秒間で添加し、該温度で5時間加熱保
持することにより、青灰色の分散体(D1)5.64k
gを得た。分散体(D1)は微粒子濃度が5.5重量%
で分散含有してなるものであった。
【0129】次に、分散体D1をエバポレータにおい
て、減圧下、バス温度130℃で、微粒子濃度26重量
%まで濃縮し、微粒子濃度20重量%となるようにブチ
ルセロソルブを添加することにより微粒子分散体(D1
C)を得た。得られた微粒子分散体(D1C)およびこ
れに分散含有される微粒子の物性を表2に示す。
【0130】(参考例2〜3)参考例1における亜鉛含
有溶液(A1)における原料の種類・量またはボトム溶
媒の種類、量、添加液の種類等を変えた以外は、参考例
1と同様にして、反応を行い、各分散体(D2〜D3)
を得、さらに、濃縮操作および濃度調整を行うことによ
り、微粒子濃度20重量%の微粒子分散体(D2C〜D
3C)をそれぞれ得た。
【0131】得られた各微粒子分散体およびこれらに分
散含有される微粒子の物性を表2に示す。 (参考例4)参考例1と同様にして得られた微粒子分散
体(D1C)を、エバポレータにおいて、減圧下、バス
温度130°Cで、加熱溶媒除去し、さらに100°C
で真空乾燥処理することにより微粒子粉末(P1)を得
た。
【0132】得られた微粒子粉体(P1)の物性を表2
に示す。 (参考例5)フランス法で得られたZnO微粒子粉末
(P2)に関して、結晶子径、分散粒子径等の物性を評
価した結果を表3に示す。
【0133】
【表1】
【0134】
【表2】
【0135】
【表3】
【0136】(参考例6)還流冷却器、攪拌機、温度計
を備えた4つ口フラスコにイソプロピルアルコール24
重量部、水16重量部、35%塩酸0.005重量部を
順次仕込み、攪拌しなが、メチルトリメトキシシラン1
0重量部、テトラエトキシシラン30重量部を添加した
後、80°Cに昇温して80°Cで2時間反応させた
後、冷却した。得られた混合物(x)は、不揮発分1
7.0重量%の均一溶液であった。得られた混合物
(x)を以下、シリケートポリマー溶液(A)とする。
【0137】(参考実施例1)参考例1と同様にして得
られた微粒子分散体(D1C)100重量部(微粒子2
0重量部)に、フタロシアニン化合物(ph−1)0.
5重量部を加え、3時間攪拌した後、得られた分散液を
エバポレータにおいて、減圧下、バス温度130°C
で、加熱溶媒除去し、さらに100°Cで真空乾燥処理
することにより微粒子粉末(Zph1)を得た。
【0138】
【表4】
【0139】
【表5】
【0140】以下に、上記、各微粒子分散体、微粒子粉
体を微粒子原料として、また表4に示すフタロシアニン
化合物(ph−1)〜(ph−5)を用いた塗料組成物
および塗装品、樹脂組成物および樹脂成形品等の実施例
を示すが、評価方法について以下に説明する。 (分光特性)分光特性については、自記分光光度計(U
V−3100、(株)島津製作所)により、照射波長2
200〜200nmにおける、各波長光に対する透過率
を測定評価した。
【0141】(熱線カット性能)測定された分光特性よ
り、熱線カット性能は以下の基準に基づき評価した。熱
線カット性能は、下記式に従って求めた波長2μmにお
ける熱線カット量を、また波長0.8〜1.2μmにお
ける色素の存在に基づく吸収の有無および該吸収が「あ
り」の場合について下記式に従って求まる熱線カット量
を基準として下記のごとく判定した。
【0142】・波長2μmにおける熱線カット量S2=
基材自体の波長2μm光に対する光透過率(%)−塗装
品の波長2μm光に対する光透過率(%) ・波長0.8〜1.2μmにおける熱線カット量S1=
−(同波長領域における試料の極大吸収波長(λX)に
おける光透過率(%)−基材自体の波長λXにおける光
透過率(%)) <判定基準> 2μm光に対するカット性能 S2≧30% ◎ 10%≦S2<30% ○ S2<10% × 0.8〜1.2μm光に対するカット性能 色素による選択吸収あり S1≧30% ◎ 10%≦S1<20% ○ S1<10% △ 色素による選択吸収なし × (紫外線カット性能)測定された分光特性より、紫外線
カット性能等は以下の基準に基づき評価した。
【0143】波長365nmにおける光透過率をTuv
(%)とすると、 (可視域における透明性:全光線透過率とヘイズ)濁度
計(NDH−1001 DP 日本電色工業(株))に
より、測定評価した。ヘイズについては、実施例11、
12および比較例10〜12については得られたフィル
ムの実測値を示したが、それ以外の場合は、基材に対す
るヘイズのUP分(上昇分)で表示した。
【0144】(比較例1) 微粒子分散体(D1C) 60重量部 アクリル系バインダー樹脂溶液 20重量部 (アロセット5858(固形分60重量%)、株式会社
日本触媒製) n−ブタノール 40重量部 上記成分よりなる塗料を製造した。即ち、n−ブタノー
ル40重量部に微粒子分散体(D1C)60重量部を添
加し、さらにアクリル系バインダー樹脂溶液(アロセッ
ト5858(固形分60重量%、株式会社日本触媒)2
0重量部を添加混合し、攪拌3時間した後、超音波ホモ
ジナイザーで30分間分散処理することにより、塗料
(R1)を調製した。
【0145】次に得られた塗料(R1)をバーコーター
により、ガラスに塗布し乾燥することにより、塗工品
(R1)を得た。塗工品(R1)は、紫外線および熱線
の遮蔽性を有し、しかも可視域における透明性に優れる
ものであった。塗工品(R1)の評価結果を表7に、分
光透過率曲線を図1に示す。
【0146】(比較例2) フタロシアニン化合物(ph−1) 0.127重量部 アクリル系バインダー樹脂溶液 20重量部 (アロセット5858(固形分60重量%)、株式会社日本触媒製) n−ブタノール 40重量部 上記成分よりなる塗料を製造した。即ち、n−ブタノー
ル40重量部にフタロシアニン化合物(ph−1)0.
127重量部を添加混合し均一溶液とした後、該均一溶
液にアクリル系バインダー樹脂溶液(アロセット585
8(固形分60重量%、株式会社日本触媒)20重量部
を添加混合し、攪拌3時間した後、超音波ホモジナイザ
ーで30分間分散処理することにより、塗料(R2)を
調製した。
【0147】次に得られた塗料(R2)をバーコーター
により、ガラスに塗布し乾燥することにより、塗工品
(R2)を得た。塗工品(R2)は、波長0.8〜1.
2μmの熱線に対する遮蔽製を有するものの、紫外線カ
ット性能を有しないものであった。塗工品(R2)の評
価結果を表7に、分光透過率曲線を図1に示す。
【0148】(実施例1) 微粒子分散体(D1C) 60重量部 フタロシアニン化合物(ph−1) 0.127重量部 アクリル系バインダー樹脂溶液 20重量部 (アロセット5858(固形分60重量%)、株式会社日本触媒製) n−ブタノール 40重量部 上記成分よりなる塗料を製造した。即ち、フタロシアニ
ン化合物(ph−1)0.127重量部をn−ブタノー
ル40重量部に溶解した後、これに微粒子分散体(D1
C)60重量部を添加し得られた混合分散液を1時間攪
拌した。次に混合分散液にアクリル系バインダー樹脂溶
液(アロセット5858(固形分60重量%、株式会社
日本触媒)20重量部を添加混合し、攪拌3時間した
後、超音波ホモジナイザーで30分間分散処理すること
により、塗料(1)を調製した。
【0149】次に得られた塗料(1)をバーコーターに
より、ガラスに塗布し乾燥することにより、塗工品
(1)を得た。塗工品(1)は、紫外線および熱線の遮
蔽性に優れ、しかも、可視域における透明性に優れるも
のであった。塗工品(1)は、塗工品(R1)には見ら
れないフタロシアニン化合物(ph−1)に基づく88
0nmをピークとする吸収があることおよび塗工品(R
1)に比べて熱線波長域全般における透過率が低いこと
により、塗工品(R1)に比べて熱線遮蔽率が高く、し
かも、可視光に対するヘイズ値が低いものであることが
わかった。また、塗工品(1)は、塗工品(R2)に比
べて紫外線カット性能に優れていることがわかった。評
価結果を表7に、分光透過率曲線を図1に示す。
【0150】(実施例2〜6、比較例3)表6に示す、
微粒子原料、フタロシアニン化合物、バインダー成分か
らなる塗料(2)〜(6)および(R3)を実施例1と
同様にして製造し、表7に示す各種基材に表7に示す条
件で塗布、乾燥することにより、塗工品(2)〜(6)
および塗工品(R3)を得た。
【0151】塗工品(2)〜(6)は、紫外線および熱
線の遮蔽性に優れしかも可視域における透明性に優れも
のであった。塗工品(2)〜(6)および塗工品(R
3)の評価結果を表7に示す。また、実施例3で得られ
た塗工品(3)は、膜が架橋しているために耐溶剤性に
優れるものであった。
【0152】また、実施例4で得られた塗工品(4)に
おける膜は、鉛筆硬度9H以上であり、耐擦傷性にも優
れる膜であった。
【0153】
【表6】
【0154】
【表7】
【0155】(実施例7,8、比較例4〜6)溶融した
ポリカーボネート樹脂(帝人化成株式会社製、商品名パ
ンライト1285)100重量部に表8記載のフタロシ
アニン化合物および微粒子を表8記載の量添加し、Tダ
イ押し出し機で厚み2mmのシートを280℃で成形し
た。得られたシートの評価結果を表8に示す。
【0156】
【表8】
【0157】(実施例9、10、比較例7〜9)常法に
従って2枚の硬質ガラスの間にメタクリル酸メチル10
0重量部、アゾビスイソブチロニトリル0.2重量部、
離型剤(ZELEC UN、デュポン製)0.1重量部
および表9記載のフタロシアニン化合物、微粒子をそれ
ぞれ表9記載の量添加したものを注入し、65℃の水浴
槽に14時間浸漬した。次いで90℃のオーブンで1時
間加熱し重合を完了させた。重合完了後ガラスより剥離
し厚み3mmの透明樹脂板を得た。得られた板の評価結果
を表9に示す。
【0158】
【表9】
【0159】(実施例11、12、比較例10〜12)
表10に示すフタロシアニン化合物、微粒子をそれぞれ
表10に示す量を、PP(ポリプロピレン)ペレット1
00重量部と溶融混練することにより、PPペレット
(A)を得た。次に、多層用フィードブロックダイを備
えた押し出し機を用いて2層PPフィルムを得た。すな
わち、フタロシアニン化合物、微粒子成分を含有しない
PPペレット(B)を主押出機に供給、220℃で溶融
し、PPペレット(A)を副押出機に供給、180℃で
溶融し、各押出機の吐出量を調節することにより、PP
(A)層とPP(B)層からなる積層シートを得、さら
に、得られたシートを延伸処理することにより、厚み8
μmPP(A)層と厚み20μmのPP(B)層の積層
されたOPPフィルムを得た。
【0160】得られたフィルムの評価結果を表10に示
す。
【0161】
【表10】
【0162】(実施例13)微粒子粉体(Zph−1)
5重量部とポリエステル樹脂ペレット95重量部を混合
し溶融混練りすることにより微粒子が5重量%均一に分
散したポリエステル組成物を得、押し出し成形によって
シート状に成形した後、さらに延伸することによって厚
み40μmのポリエステルフィルムを得た。該フィルム
は、微粒子が均一に高分散したフィルムであり、可視光
透過性に優れ、紫外線遮蔽性および熱線遮蔽性に優れる
ものであった。
【0163】(実施例14)実施例13と同様にして、
微粒子(Zph−1)が5重量%含有されたポリエステ
ル組成物を得た後、溶融紡糸することによって、ポリエ
ステル繊維を得た。該繊維は、微粒子が均一に高分散し
た繊維であり、透明感があり、紫外線遮蔽性および熱線
遮蔽性に優れるものであった。
【0164】(実施例15〜17)表11に示す、微粒
子原料、熱線吸収剤、バインダー樹脂溶液、追加溶媒を
混合し、3時間攪拌した後、超音波ホモジナイザーで3
0分間分散処理することにより、塗料(15)〜(1
7)を調製した。次に得られた塗料をバーコーターによ
り、PETフィルムに塗布し、80℃で10分間乾燥す
ることにより、塗工品(15)〜(17)を得た。
【0165】各塗工品の評価結果を表12に示す。
【0166】
【表11】
【0167】
【表12】
【0168】
【発明の効果】本発明の、紫外線および熱線遮蔽用組成
物は、亜鉛80〜99.9原子%およびIIIB族金属元素
0.1〜20原子%からなる金属の酸化物共沈体の微粒
子(酸化亜鉛系微粒子)と、熱線吸収剤とを含むので、
紫外線および熱線を同時にカットする透明材料を構成で
きる。さらに、本発明の組成物では、熱線の広波長域に
わたる赤外線カット能を有する酸化亜鉛系微粒子と、熱
線の特定波長域に選択的赤外線カット能を有する熱線吸
収剤とを組み合わせているため、従来にない熱線カット
能の達成、ニーズに応じてカット性能(カット波長、カ
ット量等)を任意に制御できる透明材料を構成できる。
【0169】本発明の樹脂成形品は、亜鉛80〜99.
9原子%およびIIIB族金属元素0.1〜20原子%から
なる金属の酸化物共沈体の微粒子(酸化亜鉛系微粒子)
と、熱線吸収剤と、分散媒体とを含み、分散媒体が樹脂
であり酸化亜鉛系微粒子および熱線吸収剤を分散させる
ものである、紫外線および熱線遮蔽用組成物を、板、シ
ート、フィルムおよび繊維からなる群から選ばれる少な
くとも1つの形状に成形したので、紫外線および熱線を
同時にカットする透明材料である。本発明の樹脂成形品
では、熱線の広波長域にわたる赤外線カット能を有する
酸化亜鉛系微粒子と、熱線の特定波長域に選択的赤外線
カット能を有する熱線吸収剤との組み合わせを適宜変え
ることにより、従来にない熱線カット能の達成、ニーズ
に応じてカット性能(カット波長、カット量等)を任意
に制御できる。
【0170】本発明の塗工品は、樹脂成形体、ガラス、
および紙からなる群から選ばれる少なくとも1つの基材
と基材の表面に形成された塗膜とを備え、塗膜が、亜鉛
80〜99.9原子%およびIIIB族金属元素0.1〜2
0原子%からなる金属の酸化物共沈体の微粒子(酸化亜
鉛系微粒子)と、熱線吸収剤と、分散媒体とを含み、分
散媒体がバインダー成分であり酸化亜鉛系微粒子および
熱線吸収剤を分散させるものである、紫外線および熱線
遮蔽用組成物を含んでなるので、該塗膜が紫外線および
熱線を同時にカットする透明材料である。本発明の塗工
品では、熱線の広波長域にわたる赤外線カット能を有す
る酸化亜鉛系微粒子と、熱線の特定波長域に選択的赤外
線カット能を有する熱線吸収剤との組み合わせを適宜変
えることにより、従来にない熱線カット能の達成、ニー
ズに応じてカット性能(カット波長、カット量等)を任
意に制御できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1、比較例1〜2で得られた塗装品と基
材として用いたガラス板の分光透過率曲線である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉年 孝司 茨城県つくば市観音台1丁目25番地12 株 式会社日本触媒内 (72)発明者 海江田 修 茨城県つくば市観音台1丁目25番地12 株 式会社日本触媒内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】亜鉛80〜99.9原子%およびIIIB族金
    属元素0.1〜20原子%からなる金属の酸化物共沈体
    の微粒子と、熱線吸収剤とを含む、紫外線および熱線遮
    蔽用組成物。
  2. 【請求項2】前記熱線吸収剤がフタロシアニン化合物で
    ある、請求項1に記載の組成物。
  3. 【請求項3】分散媒体をさらに含み、前記分散媒体が前
    記微粒子および前記熱線吸収剤を分散させるものであ
    る、請求項1または2に記載の組成物。
  4. 【請求項4】前記分散媒体が樹脂である請求項3に記載
    の組成物を、板、シート、フィルムおよび繊維からなる
    群から選ばれる少なくとも1つの形状に成形した樹脂成
    形品。
  5. 【請求項5】樹脂成形体、ガラスおよび紙からなる群か
    ら選ばれる少なくとも1つの基材と、 前記分散媒体がバインダー成分である請求項3に記載の
    組成物を含んでなり前記基材の表面に形成された塗膜
    と、を備えた塗工品。
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