JPH0959627A - 液晶組成物、液晶素子及び液晶装置 - Google Patents

液晶組成物、液晶素子及び液晶装置

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JPH0959627A
JPH0959627A JP7235983A JP23598395A JPH0959627A JP H0959627 A JPH0959627 A JP H0959627A JP 7235983 A JP7235983 A JP 7235983A JP 23598395 A JP23598395 A JP 23598395A JP H0959627 A JPH0959627 A JP H0959627A
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JP7235983A
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Nobutsugu Yamada
修嗣 山田
Kenji Shinjo
健司 新庄
Masahiro Terada
匡宏 寺田
Koichi Sato
公一 佐藤
Shinichi Nakamura
真一 中村
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Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カイラルスメクティック液晶を用いてなる液
晶素子において、ブックシェルフあるいはそれに近い層
傾き角の小さな構造を発現し、高輝度の液晶素子を実現
し、高信頼性、放置単安定性を得る。 【解決手段】 少なくとも一方の基板にポリイミドから
なる配向制御層を設け、カイラルスメクティック液晶と
して、フルオロカーボン末端部分及び炭化水素末端部分
を含み、該フルオロカーボン末端鎖中に、連鎖中エーテ
ル酸素を有する特定のフッ素含有液晶化合物と、非液晶
性パーフルオロ化合物とを組合せて用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はフラットパネルディ
スプレイ、プロジェクションディスプレイ、プリンター
等に用いられるライトバルブに使用される液晶素子及び
それを使用した液晶装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から最も広範に用いられてきている
ディスプレイとしては、CRTが知られている。CRT
は、テレビやVTRなどの動画出力、あるいはパソコン
のモニターとして広く用いられている。しかしながら、
CRTはその特性上、静止画像に対してはフリッカや解
像度不足による走査縞等が視認性を低下させたり、焼き
つきによる蛍光体の劣化が起こったりする。また、最近
ではCRTが発生する電磁波が人体に悪影響を与えるこ
とが分かり、VDT作業者の健康を害する恐れがある。
そして、構造上、画面後方に広く体積を有するため、オ
フィス、家庭の省スペース化を阻害し、ひいては、高度
情報社会におけるディスプレイとしての責任を果たし得
ない可能性がある。
【0003】このようなCRTの欠点を解決するものと
して液晶表示素子がある。例えばエム・シャット(M.
Schadt)とダブリュー・ヘルフリッヒ(W.He
lfrich)著”アプライド・フィジックス・レター
ズ”(Applied Physics Letter
s”)第18巻、第4号(1971年2月15日発行)
第127頁〜128頁において示されたツイステッド・
ネマティック(twisted nematic)液晶
を用いたものが知られている。ひとつにはコスト面で優
位性を持つ単純マトリクスタイプの液晶素子がある。こ
の液晶素子は画素密度を高くしたマトリクス電極構造を
用いた時分割駆動の時、クロストークを発生する問題点
があるため、画素数が制限されていた。また、応答速度
が数十ミリ秒以上と遅いため、ディスプレイとしての用
途も制限されていた。近年このような単純マトリクスタ
イプのものに対して、TFTといわれる液晶素子の開発
が行われている。このタイプは一つ一つの画素にトラン
ジスタを作成するため、クロストークや応答速度の問題
は解決される反面、大面積になればなるほど、不良画素
なく液晶素子を作成することが工業的に非常に困難であ
り、また可能であっても多大なコストが発生する。
【0004】このような従来型の液晶素子の欠点を改善
するものとして、双安定性からなる液晶素子の使用がク
ラーク(Clark)およびラガウェル(Lagerw
all)により提案されている。(特開昭56−107
216、米国特許第4367924号明細書)この双安
定性からなる液晶としては、一般にカイラルスメクティ
ックC相またはカイラルスメクティックH相からなる強
誘電性液晶が用いられている。この強誘電性液晶は、自
発分極により反転スイッチングを行うため、非常に早い
応答速度からなる上にメモリー性のある双安定状態を発
現させることができる。さらに視野角特性も優れている
ことから、高速、高精細、大面積の表示素子あるいはラ
イトバルブとして適していると考えられる。また、最近
では、チャンダニ、竹添らにより、3つの安定状態を有
するカイラルスメクティック反強誘電液晶素子も提案さ
れている(ジャパニーズ ジャーナル オブ アプライ
ドフィジックス(Japanese Journal
of AppliedPhysics)27巻、198
8年L729頁)。
【0005】このようなカイラルスメクティック液晶素
子においては、例えば「強誘電液晶の構造と物性」(コ
ロナ社、福田敦夫、竹添秀男著、1990年)に記載さ
れているように、ジグザグ状の配向欠陥が発生してコン
トラストを著しく低下させるという問題があった。この
欠陥は、上下基板間に担持されたカイラルスメクティッ
ク液晶の層状構造が2種類のシェブロン状の構造を形成
していることに起因している。最近、低コントラストの
原因であるシェブロン構造を解消し、ブックシェルフと
いわれる層状構造(以下該構造をブックシェルフと記
す)あるいはそれに近い構造を現出させ、高コントラス
トを実現しようという動きがある(例えば「次世代液晶
ディスプレイと液晶材料」(株)シーエムシー、福田敦
夫編、1992年)。ひとつには、ナフタレン系液晶材
料を用いる方法があるが、この場合、ティルト角が10
度程度であり、理想的な最大の透過率を得られる22.
5度とくらべ非常に小さく、低透過率という問題があ
り、さらにはブックシェルフ構造が温度にたいして可逆
的に現出しないという問題もある。今一つの代表的な例
としてはシェブロン構造を取っている液晶素子に外部か
ら高電場を加えてブックシェルフ構造を誘起する方法が
あるが、この方法も温度等の外部刺激に対しての不安定
性が問題となっている。これらのブックシェルフタイプ
のものに関してはいまだ発見されたばかりであり、実用
に供するためにはこの他にさまざまな問題が存在する。
【0006】更にブックシェルフあるいはそれに近い構
造をもつ液晶としてパーフルオロエーテル側鎖をもつ液
晶性化合物(米国特許5,262,082、国際出願特
許WO93/22396、1993年第4回強誘電液晶
国際会議P−46、MarcD.Radcliffe
ら)が開示されている。この液晶は、電場等の外部場を
用いずともブックシェルフあるいはそれに近い層傾き角
の小さな構造を現出することができ、高速、高精細、大
面積の液晶素子、表示装置に適している。しかしなが
ら、液晶素子のスピード、配向、コントラスト、駆動安
定性等の面でさらなる改良が求められている。しかも諸
特性それぞれの改善はもちろんのこと、より高性能化へ
向けて、複数特性の改良方法、発明が求められている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来技術に鑑みてなされたものである。実際、従来の液
晶組成物、液晶素子においては、強誘電性液晶素子の二
つの安定状態(ここではU1、U2とする)間でその安
定性に差がある場合があった。すなわちU1→U2のス
イッチングとU2→U1へのスイッチングで必要なパル
ス幅が異なる「初期非対称」という問題が存在する場合
があった。これはディスプレイとして表示特性が初期か
ら劣るということのみならず、耐久特性も劣り、信頼性
に関わる大きな問題が生ずる場合が多い。
【0008】そこで本発明は、高信頼性のカイラルスメ
クティック液晶素子を実現しようとするものであり、ま
た、該素子を用いた高輝度、高コントラストの表示装置
を提供しようとするものである。
【0009】さらに具体的には、特定の液晶組成物を用
い、かかることにより、高信頼性の特に初期非対称性問
題のない液晶素子、表示装置を実現しようとするもので
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、カイラルスメ
クティック液晶組成物であって、少なくとも一種以上
の、少なくとも一つのパーフルオロ炭素を有する炭素数
2から30の分岐されていても良い炭素鎖からなる非液
晶性パーフルオロ化合物であって、該炭素鎖中の1つま
たは2つ以上のメチレン基は−Y−、−YCO−、−C
OY−、−CO−、−OCOO−、−CH=CH−、−
C≡C−に置き換えられても良く(YはOまたはSであ
る。)、炭素鎖中のいずれかに−OH、−NRR’
(R,R’は同一もしくは異なる水素、あるいは炭素数
1から5のアルキル基を表す。)または−COOHが置
換されていても良く、また、末端部分にα(αは単数ま
たは複数の−OH、−NH2、−Fが置換されていても
良いところのフェニル基)が置換されていても良い化合
物及び少なくとも一種以上の液晶性化合物を含有するこ
とを特徴とする液晶組成物である。
【0011】また本発明は、上下基板上に少なくとも電
極、上下基板で液晶に対して異なる配向作用を有する配
向制御層を有し、少なくとも一方の配向制御層がポリイ
ミドを用いてなり、該上下基板間に液晶を挟持してなる
液晶素子において、該液晶が、フルオロカーボン末端部
分及び炭化水素末端部分を有し、該両末端部分が中心核
によって結合されており、スメクティック相または潜在
的にスメクティック相を持つフッ素含有液晶化合物群で
70重量%以上占められており、かつ、上記フッ素含有
液晶化合物のうちフルオロカーボン末端鎖中に少なくと
も一つの連鎖中エーテル酸素を含む化合物を上記液晶の
30重量%以上含有し、少なくとも一種類以上の非液晶
性パーフルオロ化合物を含有することを特徴とする液晶
素子である。本発明者らは上記液晶組成物及び液晶素子
が、ブックシェルフあるいはそれに近い層傾き角の小さ
な構造を発現し、高速、高コントラスト、大面積、高精
細、高輝度のカイラルスメクティック液晶素子の実現を
可能とし、高信頼性、特に初期非対称性問題のないこと
を見いだした。
【0012】尚、本発明において、非液晶性パーフルオ
ロ化合物とは、以下の構造を持つ化合物を指す。
【0013】少なくとも一つのパーフルオロ炭素を有す
る炭素数2から30の分岐されていても良い炭素鎖から
なるパーフルオロ化合物であって、該炭素鎖中の1つま
たは2つ以上のメチレン基は−Y−、−YCO−、−C
OY−、−CO−、−OCOO−、−CH=CH−、−
C≡C−に置き換えられても良く(YはOまたはSであ
る。)、炭素鎖中のいずれかに−OH、−NRR’
(R,R’は同一もしくは異なる水素、あるいは炭素数
1から5のアルキル基を表す。)または−COOHが置
換されていても良く、また、末端部分にα(αは単数ま
たは複数の−OH、−NH2、−Fが置換されていても
良いところのフェニル基)が置換されていても良い化合
物。
【0014】尚、本発明において連鎖中エーテル酸素と
は、パーフルオロエーテル鎖中の主鎖を形成する酸素を
言う。
【0015】
【発明の実施の形態】図1に本発明のカイラルスメクテ
ィック液晶素子の1例を挙げた。1がカイラルスメクテ
ィック液晶組成物からなる液晶層であり、通常、双安定
性を発現させるため、層厚は5μm以下が好ましい。2
が基板であり、ガラス、プラスチック等が用いられる。
3がITO等の透明電極である。4が配向制御層であ
り、少なくとも一方の基板上に一軸配向制御層が必要で
ある。また少なくとも一方の配向制御層にはポリイミド
が用いられる。形成方法としては、通常基板上に溶液塗
工により、ポリイミド前駆体であるポリアミック酸を被
膜形成したのち、加熱処理し、ポリイミド被膜とする。
これの表面をビロード、布あるいは紙等の繊維状のもの
で摺擦(ラビング)することによりポリイミド配向制御
層が得られる。
【0016】本発明の液晶素子は、少なくとも一方の配
向制御層にポリイミドを用いてなる液晶素子において、
上下で異なる配向処理を施してあり、液晶として、前記
特定の化合物を含有し、所定の機能を付与したものであ
ればその構造は限定されない。
【0017】本発明における素子構成として重要な配向
制御層としてのポリイミドの具体的な構造としては以下
の一般式Aで表される繰り返し単位からなるポリイミド
が好ましい。
【0018】[一般式A] (−K−P1−L1−M1−(L2a−P2−)
【0019】
【化3】 または炭素数1から20のアルキレン基を表し、P1
2はイミド結合を表す。M1は単結合または−O−を表
し、aは0,1,2を表す。)
【0020】また、これらのポリイミドの具体的構造と
してはたとえば以下の繰り返し単位構造が挙げられる。
【0021】
【化4】
【0022】また、上記配向制御層とは別に上下基板の
ショート防止層としての絶縁層や他の有機物層、無機物
層が形成されていてもよい。5は、基板を貼り合わせる
シール材である。この他に基板間には、シリカビーズ等
のギャップ制御スペーサー(不図示)等が設けられる。
6がリード線、7が信号電源、8が偏光板、9が光源で
ある。7からのスイッチング信号に応じてスイッチング
が行われ、表示素子等のライトバルブとして機能する。
また、3の透明電極を上下クロスにマトリクスとすれ
ば、パターン表示、パターン露光が可能となり、例えば
パーソナルコンピューター、ワードプロセッサー等のデ
ィスプレイ、プリンター用ライトバルブとして用いられ
る。
【0023】前記本発明において液晶成分として用いら
れるフルオロカーボン末端部分及び炭化水素末端部分を
含み、且つ該フルオロカーボン末端鎖中に少なくとも一
つの連鎖中エーテル酸素を含み、該両末端部分が中心核
によって結合されており、スメクティック中間相または
潜在的スメクティック中間相を持つフッ素含有液晶化合
物は、米国特許5,262,082、国際出願特許WO
93/22396、1993年第4回強誘電液晶国際会
議P−46(Marc D.Radcliffeら)に
記載されている、パーフルオロエーテル液晶性化合物で
ある。
【0024】ここで言う潜在的スメクティック中間相を
持つ化合物とはそれ自身でスメクティック中間相を示し
ていなくとも、スメクティック中間相を持つ化合物また
は他の潜在的スメクティック中間相を持つ化合物との混
合物において、適当な条件下スメクティック中間相を発
現する化合物を言う。
【0025】上記パーフルオロエーテル液晶性化合物
は、代表的には下記一般式I−1で表すことができ、良
好な液晶性を持つという観点で好ましく用いられる。
【0026】[一般式I−1]
【0027】
【化5】 を表し、a,b,cはそれぞれ独立に0または1から3
の整数を表す。ただしa+b+cは少なくとも2であ
る。
【0028】A、Bはそれぞれ向きはどちらでもよく、
また独立に、−COO−,−COS−,−COSe−,
−COTe−,−(CH2CH2k−(kは1から4の
整数を表す)、−C≡C−,−CH=CH−,−CH=
N−,−CH2−O−,−CO−,−O−,単結合を表
す。
【0029】X,Y,Zはそれぞれ独立に−H,−C
l,−F,−Br,−I,−OH,−OCH3,−C
3,−CF3,−OCF3,−CN,−NO2を表す。
l,m,nはそれぞれ独立に0〜4の整数を表す。
【0030】Dは−COO−Cr2r−,−O−Cr2r
−,−O(Cs2sO)t−Cr'2r'−,−Cr2r−,
−OSOO−,−SOO−,−SOOCr2r−,−Cr
2r−N(Cp2p+1)−SOO−,−Cr2r−N(C
p2p+1)−CO−(r,r’はそれぞれ独立に1から
20までの整数を表し、pは0から4までの整数を表
す。sはそれぞれの(Cs2sO)に独立に1から10
の整数を表わし、tは1から6の整数を表わす。)を表
す。
【0031】Rは−O−(Cq2q−O)w−Cq'
2q'+1,−(Cq2q−O)w−Cq'2q'+1,−Cq2q
−R’,−O−Cq2q−R’,−COO−Cq2q
R’,−OCO−Cq2q−R’(R’は−Cl,−
F,−CF3,−NO2,−CN,−H,−COO−Cq'
2q'+1,−OCO−Cq'2q'+1を表し、q,q’はそ
れぞれ独立に1から20の整数を表す。wは1から10
の整数を表す。)を表し、Rは直鎖でも分岐鎖でも良
い。
【0032】Rfは−(Cx2xO)zy2y+1であ
り、xはそれぞれの(Cx2xO)に独立に1から10
までの整数であり、yは1から10までの整数であり、
zは1から10までの整数である。)
【0033】さらにパーフルオロエーテル液晶性化合物
の具体的構造例として以下に挙げる構造の化合物が挙げ
られる。
【0034】
【化6】
【0035】
【化7】
【0036】
【化8】
【0037】また、本発明の液晶組成物中に含有させ
る、非液晶性パーフルオロ化合物として具体的には、以
下に示す構造の化合物が挙げられる。(尚、本発明は下
記例示化合物に限定される物ではない。)
【0038】
【化9】
【0039】
【化10】
【0040】
【化11】
【0041】液晶として、フルオロカーボン末端部分及
び炭化水素末端部分を有し、該両末端部分が中心核によ
って結合されており、スメクティック中間相または潜在
的スメクティック中間相を持つフッ素含有液晶化合物の
うち、少なくとも一種以上の一つ以上の連鎖中エーテル
酸素を持つ化合物(パーフルオロエーテル液晶性化合
物)と、少なくとも一種類以上の非液晶性パーフルオロ
化合物が必須に含有される。これら2種の化合物が含有
されることにより、特徴的に広い温度範囲で良好な駆動
特性を得ることができる。
【0042】これらの効果を得るために、少なくとも一
種以上の非液晶性パーフルオロ化合物が0.01重量%
以上含有されていることが好ましい。また、十分なコン
トラスト、応答速度を得るためにブックシェルフあるい
はそれに近い層傾き角が小さい構造が好ましく、このた
めに本発明の液晶組成物中には50重量%以上のパーフ
ルオロエーテル液晶性化合物が含有されていることが好
ましい。また、パーフルオロエーテル液晶性化合物との
相溶性が良好であるという観点でパーフルオロアルキル
液晶性化合物が含有されることができる。さらにその他
の構成成分として、パーフルオロカーボン鎖を持たな
い、いわゆるハイドロカーボンタイプの液晶性化合物を
含有することが可能である。そして本発明に用いる液晶
組成物にはカイラル化合物が含まれる。
【0043】また、本発明において液晶組成物中には、
その他の化合物、例えば染料、顔料、酸化防止剤、紫外
線吸収剤等の添加物も含むことが可能である。
【0044】本発明の液晶素子は種々の機能をもった液
晶装置を構成するが、図2、図3に示した走査線アドレ
ス情報をもつ画像情報なるデータフォーマット及びSY
N信号による通信同期手段を取ることにより液晶表示装
置を実現する。図中の符号はそれぞれ以下のとおりであ
る。
【0045】 101 カイラルスメクティック液晶表示装置 102 グラフィックコントローラ 103 表示パネル 104 走査線駆動装置 105 情報線駆動装置 106 デコーダ 107 走査信号発生装置 108 シフトレジスタ 109 ラインメモリ 110 情報信号発生装置 111 駆動制御回路 112 GCPU 113 ホストCPU 114 VRAM
【0046】画像情報の発生は、本体装置側のグラフィ
ックコントローラ102にて行われ、図2及び図3に示
した信号転送手段にしたがって表示パネル103へと転
送される。グラフィックコントローラ102は、CPU
(中央演算処理装置、GCPUと略す。)及びVRAM
(画像情報格納用メモリ)114を核にホストCPU1
13と液晶表示装置101間の画像情報の管理や通信を
つかさどっている。尚、該表示パネルの裏面には、光源
が配置されている。
【0047】本発明の液晶装置は表示媒体である液晶素
子が前述したように良好なスイッチング特性を有するた
め、優れた駆動特性、信頼性を発揮し、高精細、高速、
大面積の表示画像を得ることができる。
【0048】本発明の液晶素子の駆動法としては、例え
ば特開昭59−193426号公報、特開昭59−19
3427号公報、特開昭60−156046号公報、特
開昭60−156047号公報などに開示された駆動法
を適用することができる。
【0049】図6は、上記駆動法の波形図の一例であ
る。また、図5は、マトリクス電極を配置したカイラル
スメクティック液晶パネルの一例の平面図である。図5
の液晶パネル51には、走査電極群52の走査線と情報
電極群53のデータ線とが互いに交差して配線され、そ
の交差部の走査線とデータ線との間にはカイラルスメク
ティック液晶が配置されている。
【0050】図6(A)中のSSは選択された走査線に
印加する選択走査波形を、SNは選択されていない非選
択走査波形を、ISは選択されたデータ線に印加する選
択情報波形(黒)を、INは選択されていないデータ線
に印加する非選択情報信号(白)を表わしている。ま
た、図中(IS−SS)と(IN−SS)は選択された走査
線上の画素に印加する電圧波形で、電圧(IS−SS)が
印加された画素は黒の表示状態をとり、電圧(IN
S)が印加された画素は白の表示状態をとる。
【0051】図6(B)は図6(A)に示す駆動波形
で、図4に示す表示を行ったときの時系列波形である。
【0052】図6に示す駆動例では、選択された走査線
上の画素に印加される単一極性電圧の最小印加時間Δt
が書込み位相t2の時間に相当し、1ラインクリヤt1
相の時間が2Δtに設定されている。
【0053】さて、図6に示した駆動波形の各パラメー
タVS,VI,Δtの値は使用する液晶材料のスイッチン
グ特性によって決定される。
【0054】図7は後述するバイアス比を一定に保った
まま駆動電圧(VS+VI)を変化させた時の透過率Tの
変化、即ちV−T特性を示したものである。ここではΔ
t=50μsec、バイアス比VI/(VI+VS)=1
/3に固定されている。図7の正側は図6で示した(I
N−SS)、負側は(IS−SS)で示した波形が印加され
る。
【0055】ここで、V1,V3をそれぞれ実駆動閾値電
圧及びクロストーク電圧と呼ぶ。また、V2<V1<V3
の時ΔV=(V3−V1)/(V3+V1)を電圧マージン
と呼び、マトリクス駆動可能な電圧幅のパラメータとな
る。V3はカイラルスメクティック液晶表示素子駆動
上、一般的に存在すると言ってよい。具体的には、図6
(A)(IN−SS)の波形におけるVBによるスイッチ
ングを起こす電圧値である。勿論、バイアス比を大きく
することによりV3の値を大きくすることは可能である
が、バイアス比を増すことは情報信号の振幅を大きくす
ることを意味し、画質的にはちらつきの増大、コントラ
ストの低下を招き好ましくない。
【0056】我々の検討ではバイアス比1/3〜1/4
程度が実用的であった。ところで、バイアス比を固定す
れば、電圧マージンΔVは液晶材料のスイッチング特性
及び素子構成に強く依存し、ΔVの大きい素子がマトリ
クス駆動上非常に有利であることは言うまでもない。
【0057】また、同様に上述した電圧を一定に保ち、
電圧印加時間をΔtを変化させていくことにより、駆動
をすることも可能である。上述した電圧をそのまま電圧
印加時間とすればよく、その際電圧印加時間閾値をΔt
1とし、電圧印加時間クロストーク値をΔt2とし、(Δ
2−Δt1)/(Δt2+Δt1)=ΔTを電圧印加時間
マージンという。
【0058】この様なある一定温度において、情報信号
の2通りの向きによって選択画素に「黒」及び「白」の
2状態を書き込むことが可能であり、非選択画素はその
「黒」又は「白」の状態を保持することが可能である電
圧マージンまたは電圧印加時間マージンは液晶材料及び
素子構成によって差が有り、特有なものである。また、
環境温度の変化によっても駆動マージンはズレていくた
め、実際の表示装置の場合、液晶材料、素子構成や環境
温度に対して最適な駆動条件にしておく必要がある。
【0059】
【実施例】以下実施例により本発明をさらに詳細に説明
するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではな
い。
【0060】用いた化合物は以下に記載した。
【0061】
【化12】
【0062】
【化13】
【0063】液晶セルは、以下に示すL、Mの2種類を
用意した。
【0064】液晶セルLは、ITO付きガラス基板に東
レ社製ポリイミド前駆体LP64のNMP/nBC=2
/1溶液をスピンコート、焼成し、ポリイミドとした
後、ラビング処理を施したものを二枚、基板にシリカビ
ーズスペーサーを散布し、ギャップを調整し貼り合わ
せ、2.0μm厚の液晶セルとした。尚、このポリイミ
ド膜の膜厚は、300Åとした。
【0065】また、液晶セルMは、前述のポリイミド膜
を配向膜とした基板と、ITO付きガラス基板にシラン
カップリング剤(オクダデシルトリエトキシシラン)を
スピンコートし熱処理した基板を貼り合わせ、2.0μ
m厚の液晶セルとした。
【0066】液晶組成物としては、前述した化合物A:
B:C:D:E:F:Gを、50:15:10:15:
3:5:2の割合で混合したものを組成物X、50:1
5:10:15:3:5:0の割合で混合したものを組
成物Yとした。
【0067】各液晶組成物の25℃での注入直後の層構
造のブックシェルフ性(BS性)はおおむね良好であっ
た。配向性に関しては、セルMの方がセルLよりも配向
性は優れていた。
【0068】これらの液晶素子を図6に記載した駆動波
形を使用し駆動させた。バイアス比は1/3とし、(V
I+VS)は20Vに固定し、電圧印加時間を可変として
電圧(IN−SS)を印加してU1→U2へスイッチング
する最短のΔtをΔt1、同じ波形で電極の極性を反転
させてU2→U1へスイッチングする最短のΔtをΔt
2としたときの(Δt1−Δt2)を初期非対称性パラメ
ータΔTとした。この値が正ならばU1、負ならばU2
方向がより安定であると言える。また、注入直後の電圧
印加時間マージン(初期マージン)を測定した。
【0069】[実施例1,比較例1〜3]液晶組成物
X、Yを、各々液晶セルL、Mに注入して初期非対称パ
ラメータΔT、初期マージンを測定した。結果を表に示
す。
【0070】
【表1】
【0071】このように、本発明の要件を満たす実施例
1においては、初期非対称性が非常に小さく、初期マー
ジンが他の比較例と比べ大きい。このように初期マージ
ンが大きな液晶素子においては、長時間駆動あるいは放
置した後でもマージンが多く残り、液晶素子、さらには
表示装置としての信頼性が向上していることになる。
【0072】[実施例2〜4,比較例4〜7]さらに、
【0073】
【化14】 として、 A:B:C:D:E:F:H=52:10:15:1
5:3:5:1を組成物P、 A:B:C:D:E:F:H=52:10:15:1
5:3:5:0を組成物Q、 A:B:C:D:E:F:I=52:10:15:1
5:3:5:0.5を組成物R、 A:B:C:D:E:F:J=52:10:15:1
5:3:5:2を組成物Sとする。
【0074】これらを、先に用意したセルに注入して非
対称性パラメータ、初期マージンを測定した。
【0075】結果を以下の表に示す。
【0076】
【表2】
【0077】
【発明の効果】以上述べてきたように、本発明の液晶素
子によれば、ブックシェルフあるいはそれに近い層傾き
角の小さな構造を発現し、高輝度のカイラルスメクティ
ック液晶素子が実現し、さらには高い信頼性、特に放置
単安定に対して大きな効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶素子の断面図を示す図である。
【図2】本発明の液晶素子を備えた表示装置とグラフィ
ックスコントローラを示すブロック図である。
【図3】表示装置とグラフィクスコントローラとの間の
画像情報通信タイミングチャートを示す図である。
【図4】図6に示す時系列駆動波形で実際の駆動を行な
った時の表示パターンの模式図である。
【図5】マトリクス電極を配置した液晶パネルの平面図
である。
【図6】本発明の液晶素子の駆動に用いられる駆動波形
の一例を示す図である。
【図7】本発明にかかる、駆動電圧を変化させた時の透
過率の変化を表すグラフ(V−T特性図)である。 1 液晶層 2 基板 3 透明電極 4 配向制御層 5 シール材 6 リード線 7 信号電源 8 偏光板 9 光源 101 カイラルスメクティック液晶表示装置 102 グラフィックコントローラ 103 表示パネル 104 走査線駆動装置 105 情報線駆動装置 106 デコーダ 107 走査信号発生装置 108 シフトレジスタ 109 ラインメモリ 110 情報信号発生装置 111 駆動制御回路 112 GCPU 113 ホストCPU 114 VRAM
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 公一 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 中村 真一 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カイラルスメクティック液晶組成物であ
    って、少なくとも一種以上の、少なくとも一つのパーフ
    ルオロ炭素を有する炭素数2から30の分岐されていて
    も良い炭素鎖からなる非液晶性パーフルオロ化合物であ
    って、該炭素鎖中の1つまたは2つ以上のメチレン基は
    −Y−、−YCO−、−COY−、−CO−、−OCO
    O−、−CH=CH−、−C≡C−に置き換えられても
    良く(YはOまたはSである。)、炭素鎖中のいずれか
    に−OH、−NRR’(R,R’は同一もしくは異なる
    水素、あるいは炭素数1から5のアルキル基を表す。)
    または−COOHが置換されていても良く、また、末端
    部分にα(αは単数または複数の−OH、−NH2、−
    Fが置換されていても良いところのフェニル基)が置換
    されていても良い化合物及び少なくとも一種以上の液晶
    性化合物を含有することを特徴とする液晶組成物。
  2. 【請求項2】 上下基板上に少なくとも電極、上下基板
    で液晶に対して異なる配向作用を有する配向制御層を有
    し、少なくとも一方の配向制御層がポリイミドを用いて
    なり、該上下基板間に液晶を挟持してなる液晶素子にお
    いて、該液晶が、フルオロカーボン末端部分及び炭化水
    素末端部分を有し、該両末端部分が中心核によって結合
    されており、スメクティック相または潜在的にスメクテ
    ィック相を持つフッ素含有液晶化合物群で70重量%以
    上占められており、かつ、上記フッ素含有液晶化合物の
    うちフルオロカーボン末端鎖中に少なくとも一つの連鎖
    中エーテル酸素を含む化合物を上記液晶の30重量%以
    上含有し、少なくとも一種以上の、少なくとも一つのパ
    ーフルオロ炭素を有する炭素数2から30の分岐されて
    いても良い炭素鎖からなる非液晶性パーフルオロ化合物
    であって、該炭素鎖中の1つまたは2つ以上のメチレン
    基は−Y−、−YCO−、−COY−、−CO−、−O
    COO−、−CH=CH−、−C≡C−に置き換えられ
    ても良く(YはOまたはSである。)、炭素鎖中のいず
    れかに−OH、−NRR’(R,R’は同一もしくは異
    なる水素、あるいは炭素数1から5のアルキル基を表
    す。)または−COOHが置換されていても良く、ま
    た、末端部分にα(αは単数または複数の−OH、−N
    2、−Fが置換されていても良いところのフェニル
    基)が置換されていても良い化合物を含有するカイラル
    スメクティック液晶組成物であることを特徴とする液晶
    素子。
  3. 【請求項3】 前記非液晶性パーフルオロ化合物の添加
    量が、液晶組成物全体に対して、0.01〜5重量%で
    ある請求項2記載の液晶素子。
  4. 【請求項4】 前記ポリイミドが下記一般式Aで表され
    る繰り返し単位からなる請求項2または3記載の液晶素
    子。 [一般式A] (−K−P1−L1−M1−(L2a−P2−) 【化1】 または炭素数1から20のアルキレン基を表し、P1
    2はイミド結合を表す。M1は単結合または−O−を表
    し、aは0,1,2を表す。)
  5. 【請求項5】 前記フッ素含有液晶化合物のうちフルオ
    ロカーボン末端鎖中に少なくとも一つの連鎖中エーテル
    酸素を含む化合物が、−D(Cx2xO)zy
    2y+1(xはそれぞれの(Cx2xO)に独立に1から1
    0の整数で、yは1から10の整数で、zは1から10
    の整数であり、Dは単結合、−COO−Cr2r−、−
    O−Cr2r−、−O−(Cs2sO)t−Cr'2r'−、
    −OSO2−、−SO2−、−SO2−Cr2r−、−Cr
    2r−、−Cr2r−N(Cp2p+1)−SO2−、−Cr
    2r−N(Cp2p+1)−CO−、rとr’はそれぞれ
    独立に1から20の整数であり、sはそれぞれのCs
    2sOに独立に1から10の整数であり、tは1から6の
    整数であり、pは0から4の整数である)で表される連
    鎖中エーテル酸素を含むフルオロカーボン末端鎖を有す
    る請求項2〜4いずれかに記載の液晶素子。
  6. 【請求項6】 前記フッ素含有液晶化合物のうちフルオ
    ロカーボン末端鎖中に少なくとも一つの連鎖中エーテル
    酸素を含む化合物が、下記一般式I−1で表される化合
    物である請求項2〜5いずれかに記載の液晶素子。 [一般式I−1] 【化2】 を表し、 a,b,cはそれぞれ独立に0または1から3の整数を
    表す。ただしa+b+cは少なくとも2である。A、B
    はそれぞれ向きはどちらでもよく、また独立に、−CO
    O−,−COS−,−COSe−,−COTe−,−
    (CH2CH2k−(kは1から4の整数を表す)、−
    C≡C−,−CH=CH−,−CH=N−,−CH2
    O−,−CO−,−O−,単結合を表す。X,Y,Zは
    それぞれ独立に−H,−Cl,−F,−Br,−I,−
    OH,−OCH3,−CH3,−CF3,−OCF3,−C
    N,−NO2を表す。l,m,nはそれぞれ独立に0〜
    4の整数を表す。Dは−COO−Cr2r−,−O−Cr
    2r−,−O(Cs2sO)t−Cr'2r '−,−Cr2r
    −,−OSOO−,−SOO−,−SOOCr2r−,
    −Cr2r−N(Cp2p+1)−SOO−,−Cr2r
    N(Cp2p+1)−CO−(r,r’はそれぞれ独立に
    1から20までの整数を表し、pは0から4までの整数
    を表す。sはそれぞれの(Cs2sO)に独立に1から
    10の整数を表わし、tは1から6の整数を表わす。)
    を表す。Rは−O−(Cq2q−O)w−Cq'2q'+1
    −(Cq2q−O)w−Cq'2q'+1,−Cq2q−R’,
    −O−Cq2q−R’,−COO−Cq2q−R’,−O
    CO−Cq2q−R’(R’は−Cl,−F,−CF3
    −NO2,−CN,−H,−COO−Cq'2q'+1,−O
    CO−Cq'2q'+1を表し、q,q’はそれぞれ独立に
    1から20の整数を表す。wは1から10の整数を表
    す。)を表し、Rは直鎖でも分岐鎖でも良い。Rfは−
    (Cx2xO)zy2y+1であり、xはそれぞれの(Cx
    2xO)に独立に1から10までの整数であり、yは1
    から10までの整数であり、zは1から10までの整数
    である。)
  7. 【請求項7】 前記一般式I−1で表される化合物がフ
    ェニルピリミジンコアを有する化合物である請求項6記
    載の液晶素子。
  8. 【請求項8】 請求項2〜7いずれかに記載の液晶素子
    を使用した液晶装置。
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