JPH0960067A - 高排水性水回り部材並びに水回り部材の排水・乾燥促進 方法及び水垢防止方法 - Google Patents

高排水性水回り部材並びに水回り部材の排水・乾燥促進 方法及び水垢防止方法

Info

Publication number
JPH0960067A
JPH0960067A JP8159181A JP15918196A JPH0960067A JP H0960067 A JPH0960067 A JP H0960067A JP 8159181 A JP8159181 A JP 8159181A JP 15918196 A JP15918196 A JP 15918196A JP H0960067 A JPH0960067 A JP H0960067A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
optical semiconductor
base material
drainage
titania
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8159181A
Other languages
English (en)
Inventor
Makoto Hayakawa
信 早川
Eiichi Kojima
栄一 小島
Makoto Chikuni
真 千国
Toshiya Watabe
俊也 渡部
Atsushi Kitamura
厚 北村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toto Ltd
Original Assignee
Toto Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toto Ltd filed Critical Toto Ltd
Priority to JP8159181A priority Critical patent/JPH0960067A/ja
Publication of JPH0960067A publication Critical patent/JPH0960067A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • Y02T30/34

Landscapes

  • Sink And Installation For Waste Water (AREA)
  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 水の排水・乾燥が促進されて、気持ちよく使
用できるとともに、水垢汚れを抑制できる高排水性水回
り部材等を提供する。 【解決手段】 本発明の高排水性水回り部材は、基材
と、この基材上に形成された光半導体を含む表面層と、
を備える。部材表面は、光半導体の励起光を受けて水と
の接触角10°未満の親水性となり、該部材表面に付着
した水が一様に広がり速やかに乾燥する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、洗面台やキッチン
のカウンター部や浴槽のエプロン部のような水回りに配
置される部材及びその排水・乾燥方法等に関する。特に
は、水の排水・乾燥が促進されて、気持ちよく使用でき
るとともに、水垢汚れを抑制できる高排水性水回り部材
等に関する。
【0002】洗面台のカウンター部には、従来より、マ
ーブライト(人工大理石)、大理石、みかげ石、ステン
レスなどが使用されている。また浴槽の代表的な材料と
しては、ホーロー、FRP、アクリルなどが使用されて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記素材は充
分な親水性を有しないため、付着水滴が広がることもな
く、液滴状に成長する。そのため乾くまでに時間がかか
る。その間に、水滴中のカルシウムイオン等が、空中の
CO2 と反応してCaCO3 のような固形物が生じ、こ
れが水滴の周囲に沿ってカウンターに付いて水垢汚れと
なる。一旦水垢が付いてしまうと、そこに水滴が付着し
やすくなってさらに水垢が大きくなる。特に、青色のよ
うな濃い色のカウンターの場合、CaCO3 のような白
い水垢汚れはよく目立って洗面台の美感を損ねるので、
その対策を求める声が強い。
【0004】また、洗面台で洗浄をした後は、すすぎの
水が完全に排水されることはなく、排水経路にかなりの
水が水滴となって残っている。この水滴が残っていると
汚らしく不快に感じる。この水滴を流すことによって表
面の清潔感を保つことが課題である。また洗面所等では
人が使用した後にカウンターが濡れていると、ネクタイ
や服を濡らしてしまうことがある。
【0005】本発明は、水の排水・乾燥が促進されて、
気持ちよく使用できるとともに、水垢汚れを抑制できる
高排水性水回り部材等を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の高排水性水回り部材は、基材と、この基材
上に形成された光半導体を含む表面層と、を備えた、水
回りに配置される部材であって; 該光半導体の励起光
を受けて該部材表面は水との接触角10°未満の親水性
となり、 該部材表面に付着した水が一様に広がり速や
かに乾燥することを特徴とする。さらに、上記部材表面
が傾斜しており、該表面に落ちた水が速やかに流下排水
されると一層好ましい。
【0007】また、本発明の水回り部材の乾燥促進方法
は、基材と、この基材上に形成された光半導体を含む表
面層と、を備えた部材に該光半導体の励起光を照射する
ことにより該表面を水との接触角10°未満の親水性と
なし、もって該部材表面に付着した水を一様に広がらせ
速やかに乾燥させることを特徴とする。さらに、水回り
部材を傾斜させて配置し、部材表面に落下した水を速や
かに流下排水することもできる。
【0008】本発明では、水回り部材の表面が親水化さ
れ水滴が水膜化されてしまうこと、水膜化されることに
より乾燥が速い。そのため、水滴中に雰囲気から水垢汚
れ源が混入しにくいので、水垢汚れが生じにくい。さら
に、水回り部材表面に傾斜面を設けると勾配の低い方へ
流して排水する効果が加わり、より快適さが増すととも
により充分に水垢汚れを防止できる。
【0009】次に、親水性と光半導体との関係について
述べる。本発明者は、光半導体を光励起すると光半導体
の表面が高度に親水化されることを発見した。すなわ
ち、光半導性チタニアを紫外線で光励起したところ、水
との接触角が10°以下、より詳しくは5°以下、特に
約0°になる程度に表面が高度に親水化されること、及
び、光の照射により高度の親水性が維持・回復されるこ
と、さらには特定条件下では一旦高度に親水化された状
態が3週間以上暗所にあっても維持されることを発見し
た。
【0010】光半導体のバンドギャップエネルギーより
高いエネルギーの波長をもった光を充分な照度で充分な
時間照射すると、光半導体含有層の表面は超親水性を呈
するに至る。光半導体の光励起によって起こる表面の超
親水化現象は、現在のところ、必ずしも明確に説明する
ことはできない。光半導体による超親水化現象は、光半
導体の化学反応への応用に関する分野において従来知ら
れている光触媒的酸化還元反応による物質の光分解とは
必ずしも同じではないように見受けられる。この点に関
し、光触媒的酸化還元反応に関する従来の定説は、光励
起により電子−正孔対が生成し、生成した電子は表面酸
素を還元してスーパーオキサイドイオン(O2 -)を生成
し、正孔は表面水酸基を酸化して水酸ラジカル(・O
H)を生成し、これらの高度に反応性の活性酸素種(O
2 -や・OH)の酸化還元反応によって物質が分解される
というものであった。
【0011】しかしながら、光半導体による超親水化現
象は、少なくとも2つの点において、物質の光触媒的分
解に関する従来の知見と合致しない。第一に、従来の定
説では、ルチルや酸化錫のような光半導体は、伝導体の
エネルギー準位が十分に高くないため、還元反応が進行
せず、その結果、伝導体に光励起された電子が過剰とな
り、光励起により生成した電子−正孔対が酸化還元反応
に関与することなく再結合すると考えられていた。これ
に対して、光半導体による親水化現象は、ルチルや酸化
錫のような光半導体でも起こることが確認された。
【0012】第二に、従来、光触媒性酸化還元反応によ
る物質の分解は光半導体層の膜厚が少なくとも100nm
以上でないと起こらないと考えられている。これに対し
て、光半導体による超親水化は、光触媒含有層の膜厚が
数nmのオーダーでも起こることが観察された。
【0013】したがって、明確には結論できないが、光
半導体による超親水化現象は、光触媒的酸化還元反応に
よる物質の光分解とはやや異なる現象であると考えられ
る。しかしながら、光半導体のバンドギャップエネルギ
ーより高いエネルギーの光を照射しなければ表面の超親
水化は起こらないことが確認された。おそらくは、光半
導体の励起により生成した伝導電子と正孔によって光半
導体含有層の表面に極性が付与され水が水酸基(OH
- )の形で化学吸着され、さらにその上に物理吸着水層
が形成されて、表面が超親水性になると考えられる。
【0014】光励起により光半導体含有層の表面が一旦
高度に親水化されたならば、基材を暗所に保持しても、
表面の親水性はある程度の期間持続する。時間の経過に
伴い表面水酸基に汚染物質が吸着され、表面が次第に超
親水性を失った時には、再び光励起すれば超親水性は回
復する。
【0015】光半導体含有層を最初に親水化するために
は、光半導体のバンドギャップエネルギーより高いエネ
ルギーの波長をもった任意の光源を利用することができ
る。チタニアのように光励起波長が紫外線領域に位置す
る光半導体の場合には、光半導体含有層で被覆された基
材に太陽光が当たるような条件では、太陽光に含まれる
紫外線を好適に利用することができる。屋内や夜間に
は、人工光源により光半導体を光励起することができ
る。後述するように、光半導体含有層がシリカ配合チタ
ニアからなる場合には、蛍光灯に含まれる微弱な紫外線
でも容易に親水化することができる。
【0016】光半導体含有層の表面が一旦超親水化され
た後には、比較的微弱な光によって超親水性を維持し、
或いは、回復させることができる。例えば、チタニアの
場合には、親水性の維持と回復は、蛍光灯のような室内
照明灯に含まれる微弱な紫外線でも充分に行うことがで
きる。
【0017】光半導体含有層は非常に薄くしても親水性
を発現し、特に金属酸化物からなる光触媒半導体材料は
充分な硬度を有するので、光半導体含有層は充分な耐久
性と耐摩耗性を有する。
【0018】
【発明の実施の形態】基材 本発明においては、基材は、例えば、金属、セラミック
ス、ガラス、プラスチックス、木、石、セメント、コン
クリート、それらの組合せ、それらの積層体、及びそれ
らへの塗装を含む。基材の表面は光半導体含有層により
被覆される。
【0019】基材がプラスチックスのような非耐熱性の
材料で形成されている場合や基材が塗料で塗装されてい
る場合には、後述するように光半導体を含有する耐光酸
化性塗料を表面に塗布し硬化させることにより、光半導
体含有層を形成することができる。
【0020】光半導体 本発明において使用する光半導体としては、チタニア
(TiO2 )が最も好ましい。チタニアは、無害であ
り、化学的に安定であり、かつ、安価に入手可能であ
る。さらに、チタニアはバンドギャップエネルギーが高
く、従って、光励起には紫外線を必要とし、光励起の過
程で可視光を吸収しないので、補色成分による発色が起
こらない。
【0021】チタニアとしてはアナターゼとルチルのい
ずれも使用することができる。アナターゼ型チタニアの
利点は、非常に細かな微粒子を分散させたゾルを市場で
容易に入手することができ、非常に薄い薄膜を容易に形
成することができることである。ルチル型チタニアはア
ナターゼ型よりも伝導帯準位が低いが、光半導体による
親水化の目的に使用することができる。基材をチタニア
からなる光半導体含有層で被覆し、チタニアを紫外線に
よって光励起すると、水が水酸基(OH- )の形で表面
に化学吸着され、さらにその上に物理吸着水層が形成さ
れて、その結果、表面が親水性になると考えられる。
【0022】本発明の使用可能な他の光半導体として
は、ZnO、SnO2 、SrTiO3、WO3 、Bi2
3 、Fe23 のような金属酸化物がある。これらの
金属酸化物は、チタニアと同様に、表面に金属元素と酸
素が存在するので、表面水酸基(OH- )を吸着しやす
いと考えられる。また、光半導体の粒子をシリカ等の光
半導体でない金属酸化物と混合してもよい。特に、シリ
カ又は酸化錫に光半導体を配合した場合には、表面を高
度に親水化することができる。
【0023】そのようなシリカ配合チタニアからなる光
半導体層の作製方法の一例として、無定型シリカの前駆
体(例えば、テトラエトキシシラン、テトライソプロポ
キシシラン、テトラn−プロポキシシラン、テトラブト
キシシラン、テトラメトキシシラン、等のテトラアルコ
キシシラン;それらの加水分解物であるシラノール;又
は平均分子量3,000以下のポリシロキサン)と結晶
性チタニアゾルとの混合物を基材の表面に塗布し、必要
に応じて加水分解させてシラノールを形成した後、室温
又は必要に応じて加熱してシラノールを脱水縮重合に付
すことにより、チタニアが無定型シリカで結着された光
半導体層を形成する。
【0024】無定形チタニアの焼成による光触媒層の形
基材が金属、セラミックス、ガラスのような耐熱性の材
料で形成されている場合には、水との接触角が0°にな
る程度の高度の親水性を呈する耐摩耗性に優れた光半導
体含有層を形成する好ましいやり方の1つは、先ず基材
の表面を無定形チタニアで被覆し、次いで焼成により無
定形チタニアを結晶性チタニア(アナターゼ又はルチ
ル)に相変化させることである。無定形チタニアの形成
には、次のいずれかの方法を採用することができる。
【0025】(1)有機チタン化合物の加水分解と脱水
縮重合 チタンのアルコキシド、例えば、テトラエトキシチタ
ン、テトライソプロポキシチタン、テトラn−プロポキ
シチタン、テトラブトキシチタン、テトラメトキシチタ
ン、に塩酸又はエチルアミンのような加水分解抑制剤を
添加し、エタノールやプロパノールのようなアルコール
で希釈した後、部分的に加水分解を進行させながら又は
完全に加水分解を進行させた後、混合物をスプレーコー
ティング、フローコーティング、スピンコーティング、
ディップコーティング、ロールコーティングその他のコ
ーティング法により、基材の表面に塗布し、常温から2
00℃の温度で乾燥させる。乾燥により、チタンのアル
コキシドの加水分解が完遂して水酸化チタンが生成し、
水酸化チタンの脱水縮重合により無定形チタニアの層が
基材の表面に形成される。チタンのアルコキシドに代え
て、チタンのキレート又はチタンのアセテートのような
他の有機チタン化合物を用いてもよい。
【0026】(2)無機チタン化合物による無定形チタ
ニアの形成 無機チタン化合物、例えば、TiCl4 又はTi(SO
4)2 の酸性水溶液をスプレーコーティング、フローコー
ティング、スピンコーティング、ディップコーティン
グ、ロールコーティングにより、基材の表面に塗布す
る。次いで無機チタン化合物を約100〜200℃の温
度で乾燥させることにより加水分解と脱水縮重合に付
し、無定形チタニアの層を基材の表面に形成する。或い
は TiCl4の化学蒸着により基材の表面に無定形チ
タニアさせてもよい。
【0027】(3)スパッタリングによる無定形チタニ
アの形成 金属チタンのターゲットに酸化雰囲気で電子ビームを照
射することにより基材の表面に無定形チタニアを被着す
る。
【0028】(4)焼成温度 無定形チタニアの焼成は少なくともアナターゼの結晶化
温度以上の温度で行う。400〜500℃以上の温度で
焼成すれば、無定形チタニアをアナターゼ型チタニアに
変換させることができる。600〜700℃以上の温度
で焼成すれば、無定形チタニアをルチル型チタニアに変
換させることができる。
【0029】シリカ配合チタニアからなる光触媒層 水との接触角が0°になる程度の高度の親水性を呈する
耐摩耗性に優れた光半導体含有層を形成する他の好まし
いやり方は、チタニアとシリカとの混合物からなる光半
導体含有層を基材の表面に形成することである。チタニ
アとシリカとの合計に対するシリカの割合は、5〜90
モル%、好ましくは10〜70モル%、より好ましくは
10〜50モル%にすることができる。シリカ配合チタ
ニアからなる光半導体含有層の形成には、次のいずれか
の方法を採用することができる。
【0030】(1)アナターゼ型又はルチル型チタニア
の粒子とシリカの粒子とを含む懸濁液を基材の表面に塗
布し、基材の軟化点以下の温度で焼結する。 (2)無定形シリカの前駆体(例えば、テトラエトキシ
シラン、テトライソプロポキシシラン、テトラn−プロ
ポキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラメトキシ
シラン、等のテトラアルコキシシラン;それらの加水分
解物であるシラノール;又は平均分子量3,000以下
のポリシロキサン)と結晶性チタニアゾルとの混合物を
基材の表面に塗布し、必要に応じて加水分解させてシラ
ノールを形成した後、約100℃以上の温度で加熱して
シラノールを脱水縮重合に付すことにより、チタニアが
無定形シリカで結着された光半導体含有層を形成する。
特に、シラノールの脱水縮重合温度を約200℃以上の
温度で行えば、シラノールの重合度を増し、光半導体含
有層の耐アルカリ性能を向上させることができる。
【0031】(3)無定形チタニアの前駆体(チタンの
アルコキシド、キレート、又はアセテートのような有機
チタン化合物、又はTiCl4 又はTi(SO4)2 のよ
うな無機チタン化合物)の溶液にシリカの粒子を分散さ
せてなる懸濁液を基材の表面に塗布し、チタン化合物を
常温から200℃の温度で加水分解と脱水縮重合に付す
ことにより、シリカ粒子が分散された無定形チタニアの
薄膜を形成する。次いで、チタニアの結晶化温度以上の
温度、かつ、基材の軟化点以下の温度に加熱することに
より、無定形チタニアを結晶性チタニアに相変化させ
る。
【0032】(4)無定形チタニアの前駆体(チタンの
アルコキシド、キレート、又はアセテートのような有機
チタン化合物、又はTiCl4 又はTi(SO4)2 のよ
うな無機チタン化合物)の溶液に無定形シリカの前駆体
(例えば、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキ
シシラン、テトラn−プロポキシシラン、テトラブトキ
シシラン、テトラメトキシシラン、等のテトラアルコキ
シシラン;それらの加水分解物であるシラノール;又は
平均分子量3,000以下のポリシロキサン)を混合
し、基材の表面に塗布する。次いで、これらの前駆体を
加水分解と脱水縮重合に付すことにより、無定形チタニ
アと無定形シリカの混合物からなる薄膜を形成する。次
いで、チタニアの結晶化温度以上の温度、かつ、基材の
軟化点以下の温度に加熱することにより、無定形チタニ
アを結晶性チタニアに相変化させる。
【0033】酸化錫配合チタニアからなる光半導体層 水との接触角が0°になる程度の高度の親水性を呈する
耐摩耗性に優れた光半導体含有層を形成する更に他の好
ましいやり方は、チタニアと酸化錫との混合物からなる
光半導体含有層を基材の表面に形成することである。チ
タニアと酸化錫との合計に対する酸化錫の割合は、1〜
95重量%、好ましくは1〜50重量%にすることがで
きる。酸化錫配合チタニアからなる光半導体含有層の形
成には、次のいずれかの方法を採用することができる。
【0034】(1)アナターゼ型又はルチル型チタニア
の粒子と酸化錫の粒子とを含む懸濁液を基材の表面に塗
布し、基材の軟化点以下の温度で焼結する。 (2)無定形チタニアの前駆体(チタンのアルコキシ
ド、キレート、又はアセテートのような有機チタン化合
物、又はTiCl4 又はTi(SO4)2 のような無機チ
タン化合物)の溶液に酸化錫の粒子を分散させてなる懸
濁液を基材の表面に塗布し、チタン化合物を常温から2
00℃の温度で加水分解と脱水縮重合に付すことによ
り、酸化錫粒子が分散された無定形チタニアの薄膜を形
成する。次いで、チタニアの結晶化温度以上の温度、か
つ、基材の軟化点以下の温度に加熱することにより、無
定形チタニアを結晶性チタニアに相変化させる。
【0035】光半導体含有シリコーン塗料 水との接触角が0°になる程度の高度の親水性を呈する
光半導体層を形成する更に他の好ましいやり方は、未硬
化の若しくは部分的に硬化したシリコーン(オルガノポ
リシロキサン)又はシリコーンの前駆体からなる塗膜形
成要素に光半導体の粒子を分散させてなる組成物を用い
ることである。この組成物を基材の表面に塗布し、塗膜
形成要素を硬化させた後、光半導体を光励起すると、シ
リコーン分子のケイ素原子に結合した有機基は光半導体
の作用により水酸基に置換され、光半導体含有層の表面
は超親水化される。
【0036】このやり方には、幾つかの利点がある。光
半導体含有シリコーン塗料は常温又は比較的低温で硬化
させることができるので、プラスチックスや有機物のよ
うな非耐熱性の材料にも適用することができる。光半導
体を含有したこのコーティング組成物は、表面の親水化
を要する既存の基材に、ディッピング、刷毛塗り、スプ
レーコーティング、ロールコーティング等により必要に
応じ何時でも塗布することができる。光半導体の光励起
による親水化は、太陽光のような光源でも容易に行うこ
とができる。
【0037】さらに、鋼板のような塑性加工可能な基材
に塗膜を形成した場合には、塗膜を硬化させた後、光励
起する前に、鋼板を必要に応じ容易に塑性加工すること
ができる。光励起前には、シリコーン分子のケイ素原子
には有機基が結合しており、従って塗膜は充分な可撓性
を備えているので、塗膜を損傷させることなく容易に鋼
板を塑性加工することができる。塑性加工後には、光半
導体を光励起すればシリコーン分子のケイ素原子に結合
した有機基は光半導体作用により水酸基に置換され、塗
膜の表面は超親水化される。
【0038】光半導体含有シリコーン組成物はシロキサ
ン結合を有するので、光半導体(光半導体)の光酸化作
用に対する充分な対抗性を有する。光半導体含有シリコ
ーン塗料からなる光半導体含有層の更に他の利点は、表
面が一旦超親水化された後には、暗所に保持しても長期
間親水性を維持し、かつ、蛍光灯のような室内照明灯の
光でも親水性を回復することである。
【0039】塗膜形成要素としては、メチルトリクロル
シラン、メチルトリブロムシラン、メチルトリメトキシ
シラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプ
ロポキシシラン、メチルトリt−ブトキシシラン;エチ
ルトリクロルシラン、エチルトリブロムシラン、エチル
トリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチ
ルトリイソプロポキシシラン、エチルトリt−ブトキシ
シラン;n−プロピルトリクロルシラン、n−プロピル
トリブロムシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、
n−プロピルトリエトキシシラン、n−プロピルトリイ
ソプロポキシシラン、n−プロピルトリt−ブトキシシ
ラン;n−ヘキシルトリクロルシラン、n−ヘキシルト
リブロムシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n
−ヘキシルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリイソ
プロポキシシラン、n−ヘキシルトリt−ブトキシシラ
ン;n−デシルトリクロルシラン、n−デシルトリブロ
ムシラン、n−デシルトリメトキシシラン、n−デシル
トリエトキシシラン、n−デシルトリイソプロポキシシ
ラン、n−デシルトリt−ブトキシシラン;n−オクタ
デシルトリクロルシラン、n−オクタデシルトリブロム
シラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン、n−オ
クタデシルトリエトキシシラン、n−オクタデシルトリ
イソプロポキシシラン、n−オクタデシルトリt−ブト
キシシラン;フェニルトリクロルシラン、フェニルトリ
ブロムシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニル
トリエトキシシラン、フェニルトリイソプロポキシシラ
ン、フェニルトリt−ブトキシシラン;テトラクロルシ
ラン、テトラブロムシラン、テトラメトキシシラン、テ
トラエトキシシラン、テトラブトキシシラン、ジメトキ
シジエトキシシラン;ジメチルジクロルシラン、ジメチ
ルジブロムシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチ
ルジエトキシシラン;ジフェニルジクロルシラン、ジフ
ェニルジブロムシラン、ジフェニルジメトキシシラン、
ジフェニルジエトキシシラン;フェニルメチルジクロル
シラン、フェニルメチルジブロムシラン、フェニルメチ
ルジメトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラ
ン;トリクロルヒドロシラン、トリブロムヒドロシラ
ン、トリメトキシヒドロシラン、トリエトキシヒドロシ
ラン、トリイソプロポキシヒドロシラン、トリt−ブト
キシヒドロシラン;ビニルトリクロルシラン、ビニルト
リブロムシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルト
リエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、
ビニルトリt−ブトキシシラン;トリフルオロプロピル
トリクロルシラン、トリフルオロプロピルトリブロムシ
ラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリ
フルオロプロピルトリエトキシシラン、トリフルオロプ
ロピルトリイソプロポキシシラン、トリフルオロプロピ
ルトリt−ブトキシシラン;γ−グリシドキシプロピル
メチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメ
チルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリ
メトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキ
シシラン、γ−グリシドキシプロピルトリイソプロポキ
シシラン、γ−グリシドキシプロピルトリt−ブトキシ
シラン;γ−メタアクリロキシプロピルメチルジメトキ
シシラン、γ−メタアクリロキシプロピルメチルジエト
キシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリメトキ
シシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリエトキシ
シラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリイソプロポ
キシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリt−ブ
トキシシラン;γ−アミノプロピルメチルジメトキシシ
ラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ
−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロ
ピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリイソ
プロポキシシラン、γ−アミノプロピルトリt−ブトキ
シシラン;γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシ
ラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラ
ン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−
メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプ
トプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−メルカプト
プロピルトリt−ブトキシシラン;β−(3,4−エポ
キシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキ
シシラン;及び、それらの部分加水分解物;及びそれら
の混合物を使用することができる。
【0040】シリコーン塗膜の良好な硬度と平滑性を確
保するためには、3次元架橋型シロキサンを10モル%
以上含有させるのが好ましい。さらに、良好な硬度と平
滑性を確保しながら塗膜の充分な可撓性を提供するため
には、2次元架橋型シロキサンを60モル%以下含有さ
せるのが好ましい。また、シリコーン分子のケイ素原子
に結合した有機基が光励起により水酸基に置換される速
度を速めるには、シリコーン分子のケイ素原子に結合す
る有機基がn−プロピル基若しくはフェニル基からなる
シリコーンを使用するのが好ましい。シロキサン結合を
有するシリコーンに替えて、シラザン結合を有するオル
ガノポリシラザン化合物を使用することも可能である。
【0041】抗菌増強剤の添加 光半導体含有層にはAg、Cu、Znのような金属をド
ーピングすることができる。光半導体にAg、Cu、又
はZnをドーピングするためには、光半導体粒子の懸濁
液にこれらの金属の可溶性塩を添加し、得られた溶液を
用いて光半導体含有層を形成することができる。或い
は、光半導体含有層を形成後、これらの金属の可溶性塩
を塗布し、光照射により光還元析出させてもよい。
【0042】Ag、Cu、又はZnでドーピングされた
光半導体含有層は、表面に付着した細菌を死滅させるこ
とができる。さらに、この光半導体含有層は、黴、藻、
苔のような微生物の成長を抑制する。従って、部材の表
面を長期間にわたって清浄に維持することができる。
【0043】光活性増強剤の添加 光半導体含有層には、さらに、Pt、Pd、Rh、R
u、Os、Irのような白金族金属をドーピングするこ
とができる。これらの金属も、同様に、光還元析出や可
溶性塩の添加により光半導体にドーピングすることがで
きる。光半導体を白金族金属でドーピングすると、光半
導体の酸化還元活性を増強させることができ、表面に付
着した汚染物質を分解することができる。
【0044】光励起・紫外線照射 本発明においては、チタニアのように高いバンドギャッ
プエネルギーを有し紫外線によってのみ光励起される光
半導体で光半導体含有層を形成するのが好ましい。そう
すれば、可視光が光半導体含有層に吸収されることがな
く、部材が補色成分によって発色することがない。アナ
ターゼ型チタニアは波長387nm以下、ルチル型チタニ
アは431nm以下、酸化錫は344nm以下、酸化亜鉛は
387nm以下の紫外線で光励起することができる。
【0045】紫外線光源としては、蛍光灯、白熱電灯、
メタルハライドランプ、水銀ランプのような室内照明灯
を使用することができる。太陽光にさらされる条件で
は、有利なことに太陽光に含まれる紫外線により光半導
体は自然に光励起される。
【0046】光励起は、表面の水との接触角が約10°
以下、好ましくは約5°以下、特に約0°になるまで行
い、或いは行わせることができる。一般には、0.00
1mW/cm2の紫外線照度で光励起すれば、数日で水との接
触角が約0°になるまで超親水化することができる。地
表に降り注ぐ太陽光に含まれる紫外線の照度は約0.1
〜1mW/cm2であるから、太陽光にさらせばより短時間で
表面を超親水化することができる。
【0047】光半導体含有層がチタニア含有シリコーン
で形成されている場合には、シリコーン分子のケイ素原
子に結合した表面有機基が充分な量だけ水酸基に置換さ
れるに充分な照度で光触媒を光励起するのが好ましい。
このための最も有利な方法は、太陽光を利用することで
ある。表面が一旦高度に親水化された後は、親水性は夜
間でも持続する。再び太陽光にさらされる度に親水性は
回復され、維持される。
【0048】本発明の部材を使用者に提供するに際して
は、部材を予め超親水化しておくことが望ましい。
【0049】本発明においては、基材が特にアクリル等
のプラスチック素材の場合には、基材を光半導体の光触
媒作用による光酸化還元反応から保護するための保護処
置が施されていることが好ましい。そのような処置の一
形態として、弱酸化還元性親水化機能を光半導体含有層
に持たせるものがある。このような考え方は、光半導体
による部材表面の親水化現象と、光半導体による光酸化
還元反応とが基本的に異なる現象であるという発見に基
づくものである。この発見に基づいて、本発明者は光半
導体薄膜の設計上光酸化還元反応はほとんど示さない
が、親水化現象を示す構成が存在することを見出したの
である。
【0050】弱酸化還元性親水化の第一態様は、光半導
体の伝導帯のエネルギー準位を、水素生成準位を0eV
とした場合に、正の値に位置するようにすることであ
る。光酸化還元反応に関する従来の定説は、光励起によ
り伝導電子−正孔対が生成し、次いで生成した伝導電子
による還元反応と正孔による酸化反応が同時に促進され
て進行するというものであった。従って、光半導体の伝
導帯のエネルギー準位の下端が負側に充分高くない酸化
錫やルチルは、伝導電子による還元反応が進行しにく
く、正孔による酸化反応のみが促進されやすい構造であ
るが、このような構造では伝導電子が過剰となり、光励
起により生成した電子−正孔対が酸化還元反応に関与す
ることなく再結合するため、実際には酸化反応も還元反
応もほとんど生じない。しかしながら、光励起による親
水化現象は進行するのである。
【0051】光半導体の光酸化還元反応が有機物の分解
に利用される場合、その分解反応は環境中の水や酸素を
利用して行われる。すなわち、光励起により生成した伝
導電子は酸素を還元してスーパーオキサイドイオン(O
2 -)を生成し、正孔は水酸基を酸化して水酸ラジカル
(・OH)を生成し、これらの高度に反応性の活性酸素
種(O2 -や・OH)の酸化還元反応により有機物が分解
される。従って、有機物を有効に光酸化還元分解するた
めには、正孔を生成する価電子帯上端のエネルギー準位
が水酸基が電子を放出する酸素生成準位(+0.82e
V)より正側に位置し、かつ伝導電子が生成する伝導帯
下端のエネルギー準位が水素が電子を放出して酸素側に
供与する水素生成準位(0eV)より負側に位置させれ
ばよいことになる。故に、逆に、有機物を有効に光酸化
還元分解させないためには、価電子帯上端のエネルギ
ー準位を酸素生成準位(+0.82eV)より負側に位
置させるか、あるいは伝導帯下端のエネルギー準位を
水素生成準位(0eV)より正側に位置させればよいこ
とになる。
【0052】光半導体の光酸化還元反応が水中の金属イ
オンの析出に利用される場合には、光励起により生成し
た伝導電子により金属イオンが還元析出される(同時に
正孔は水中の水酸基を酸化して水酸ラジカル(・OH)
を生成すると考えられる。)。従って、例えば鉄イオン
を水中から有効に析出除去するためには、伝導電子が生
成する伝導帯下端のエネルギー準位が鉄生成準位(−
0.44eV)より負側に位置する必要がある。故に、
逆に、金属イオンを水中から析出させないためには、伝
導帯下端のエネルギー準位を金属生成準位より正側に位
置させればよいことになる。貴金属を除外すれば金属の
生成準位は水素生成準位より負側にあるので、結局、伝
導帯下端のエネルギー準位を水素生成準位(0eV)よ
り正側に位置させればよいことになる。これに使用可能
な伝導帯のエネルギー準位の下端が水素生成準位を0e
Vとした場合に正の値に位置する光半導体としては、酸
化錫、三酸化タングステン、三酸化二ビスマス、酸化第
二鉄、ルチル型酸化チタン等の金属酸化物が挙げられ
る。
【0053】以上のことから、樹脂の分解、水中溶存金
属イオンの析出を抑えつつ、光親水化させる1つの方法
として、光半導体の伝導帯のエネルギー準位を、水素生
成準位を0eVとした場合に、正の値に位置する方法が
あることがわかる。
【0054】弱酸化還元性親水化の第二態様は、基材表
面に光半導体と光半導体でない親水性物質を含有させた
層を形成し、かつ、光半導体はほとんど外気に接してい
ない状態にする。このような状態では光半導体の光励起
により生成した伝導電子及び正孔のうちのほとんどは表
面まで拡散せず、水、酸素、金属イオン等の表面反応種
と接触する確率が激減し、故に光酸化還元反応は抑制さ
れる。そして、励起光照度1mW/cm2以下で、かつ充分な
耐摩耗性を発揮しうる程度に、膜厚が薄い及び/又は光
半導体粒子含有率が低い塗膜において生成する伝導電子
及び正孔量のもとではほとんど光酸化還元反応は生じな
い程度まで抑制可能となる。にも拘らず、光親水化反応
は進行するのである。
【0055】弱酸化還元性親水化の第三態様は、基材表
面に光半導体と光半導体の光酸化還元反応を阻害する物
質を含有させた層を形成する。その機構は明らかではな
いが、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アルミナ、ジ
ルコニア、シリカ、酸化アンチモン、無定型酸化チタ
ン、アルミニウム、マンガン等は光半導体による光酸化
還元性能を弱める(「酸化チタン」、技報堂(199
1))。そして、励起光照度1mW/cm2以下で、かつ充分
な耐摩耗性を発揮しうる程度に膜厚が薄い及び/又は光
半導体粒子含有率が低い塗膜において生成する伝導電子
及び正孔量のもとではほとんど光酸化還元反応は生じな
い程度まで抑制可能となる。しかし、層中にこれら物質
が含有されても光親水化反応は進行するのである。
【0056】弱酸化還元性親水化の第二、第三態様で
は、膜厚は薄い方が好ましい。好ましくは1μm 以下、
より好ましくは0.2μm 以下がよい。そうすれば、基
材に固定される光半導体の絶対量を低減することがで
き、より光酸化還元性を低めることができる。また耐摩
耗性も向上する。さらに特に0.2μm 以下では、光半
導体を含有する薄膜の透明性を確保しやすく、下地の意
匠性や透明性を維持できる。
【0057】弱酸化還元性親水化の第二態様では、光半
導体含有量は、光半導体含有層に対して好ましくは5〜
80重量%、より好ましくは10〜50重量%程度にす
るのがよい。光半導体含有量が少ない程光酸化還元性を
低めることができるからである。ただし、光親水化現象
も光半導体の光励起現象に基づいた現象なので約5%以
上は含有されている必要はある。
【0058】弱酸化還元性親水化の第二、第三態様で
は、励起波長以下の波長光の照度は、好ましくは0.0
001〜1mW/cm2、より好ましくは0.001〜1mW/c
m2程度がよい。励起波長以下の波長光の照度が低い程、
生成する電子−正孔対の量が減少するので光酸化還元性
を低めることができるからである。ただし、光親水化現
象も光半導体の光励起現象に基づいた現象なので約0.
0001mW/cm2以上の励起光照度を要する。
【0059】本発明において基材と光半導体含有層との
間に中間層を設けてもよい。それにより基材との密着性
が増加し、耐摩耗性が向上する。
【0060】本発明の高排水性水回り部材の適用される
例としては、キッチン又は洗面台のカウンター部や浴槽
のエプロン部を挙げることができる。これらの部材に傾
斜を付ける形態はどのようなものであってもよい。例え
ば浴槽エプロン部を凸状としたり、ボウルに向かって求
芯的に傾斜した洗面台カウンター部等も考えられる。
【0061】
【実施例】以下の4種類の平板状の試料を準備した。そ
れぞれの寸法は10cm×10cmとした。 比較例1(マーブライト):TOTO製マーブライ
トカウンター(ML32K7G62)を用意し、切断後
清浄、乾燥して供試した。
【0062】実施例1、ステンレス板にコーティングし
た実施例:シリカゲル(日本合成ゴム社製のグラスカ
A)中のシリカゾル重量とトリメトキシメチルシラン
(日本合成ゴム社製のグラスカB)重量が3:1となる
ように混合した液状物を10cm角のステンレス基板に
塗布した。その後、150℃で加熱固化し、膜厚5μm
の樹脂層を形成した。アナターゼ型酸化チタンゾル(日
産化学社製、TA−15、溶質濃度10重量%)に上記
シリカゾルを添加し、エタノールで希釈後、上記トリメ
トキシメチルシランを添加した溶液を上記樹脂層の上に
塗布した。その後、150℃で加熱固化し、0.1μm
の膜厚の混合層を形成した。ここで、シリカとトリメト
キシメチルシランから生成したシリコーン樹脂の固形分
重量(樹脂重量)と酸化チタン固形分重量の和に対する
酸化チタン固形分重量の比率は50%とした。
【0063】上記の試料を用いて排水・乾燥性能の試験
を行った。まず各試料を風の無い、室内に、1.2°
(1/52)傾けて置いた。それら試料に同じ強さの水
シャワーをかけた。各試料に付着している水の質量をシ
ャワーをかけた直後と、それから3分後とについて計測
した。
【0064】その結果、比較例では、シャワー直後の付
着水量(試料面積100cm2 )が5gで、3分後が4.
5gであった。一方、実施例では、それぞれ1gと0.
2gであった。これを見ると、シャワー直後の付着水量
が、実施例は比較例の1/5ときわめて少なく、実施例
の試料の排水性の良さを示している。また、3分間の乾
燥量は、比較例の5−4.5=0.5gに対して、実施
例では1−0.2=0.8gと、実施例では絶対的な水
量が少ないにもかかわらず乾燥量は多かった。これは、
実施例の試料の乾燥性の良さを示している。3分後の試
料表面残存水量は、比較例の4.5gに対して実施例は
0.2gであり、水残りによる不便・不快感には格段の
違いがあった。
【0065】上記比較例の試料の表面が完全に乾いた跡
には、明瞭な水垢汚れが何カ所も観察されたが、実施例
の試料の表面には水垢汚れは観察されなかった。
【0066】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
では、水回り部材の表面が親水化され水滴が水膜化され
てしまうことにより乾燥が速い。そのため、水滴中に雰
囲気から水垢汚れ源が混入しにくいので、水垢汚れが生
じにくい。さらに、水回り部材表面に傾斜面を設けると
勾配の低い方へ流して排水する効果が加わり、より快適
さが増すとともにより充分に水垢汚れを防止できる。つ
まるところ、水回り部材がサラッとしてきれいな状態に
保たれるので使用者に与える爽快感は多大なものがあ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C08J 7/04 C08J 7/04 T (72)発明者 千国 真 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 渡部 俊也 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 北村 厚 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材と、この基材上に形成された光半導
    体を含む表面層と、を備えた、水回りに配置される部材
    であって;該光半導体の励起光を受けて該部材表面は水
    との接触角10°未満の親水性となり、該部材表面に付
    着した水が一様に広がり速やかに乾燥することを特徴と
    する高排水性水回り部材。
  2. 【請求項2】 さらに、上記部材表面が傾斜しており、
    該表面に落ちた水が速やかに流下排水される請求項1記
    載の高排水性水回り部材。
  3. 【請求項3】 上記傾斜の勾配が1/50以上である請
    求項2記載の高排水性水回り部材。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3いずれか1項記載の高排水
    性水回り部材からなるキッチン又は洗面台のカウンター
    部。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3いずれか1項記載の高排水
    性水回り部材からなる浴槽のエプロン部。
  6. 【請求項6】 上記速やかな乾燥・排水に伴って水垢汚
    れの発生が抑制される請求項1〜5記載の水回り部材、
    カウンター部又はエプロン部。
  7. 【請求項7】 基材と、この基材上に形成された光半導
    体を含む表面層と、を備えた部材に、 該光半導体の励
    起光を照射することにより該表面を水との接触角10°
    未満の親水性となし、もって該部材表面に付着した水を
    一様に広がらせ速やかに乾燥させることを特徴とする水
    回り部材の乾燥促進方法。
  8. 【請求項8】 基材と、この基材上に形成された光半導
    体を含む表面層と、を備えた部材を傾斜させて配置し、 部材に該光半導体の励起光を照射することにより該表面
    を水との接触角10°未満の親水性となし、もって該部
    材表面に落下した水を速やかに流下排水とともに該表面
    に付着した水を一様に広がらせ速やかに乾燥させること
    を特徴とする水回り部材の排水・乾燥促進方法。
  9. 【請求項9】 上記速やかな乾燥・排水に伴って水垢汚
    れの発生を抑制する請求項7又は8記載の水回り部材の
    排水・乾燥促進方法。
JP8159181A 1995-06-14 1996-05-31 高排水性水回り部材並びに水回り部材の排水・乾燥促進 方法及び水垢防止方法 Pending JPH0960067A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8159181A JPH0960067A (ja) 1995-06-14 1996-05-31 高排水性水回り部材並びに水回り部材の排水・乾燥促進 方法及び水垢防止方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18201995 1995-06-14
JP7-182019 1995-12-22
JP8159181A JPH0960067A (ja) 1995-06-14 1996-05-31 高排水性水回り部材並びに水回り部材の排水・乾燥促進 方法及び水垢防止方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0960067A true JPH0960067A (ja) 1997-03-04

Family

ID=26486057

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8159181A Pending JPH0960067A (ja) 1995-06-14 1996-05-31 高排水性水回り部材並びに水回り部材の排水・乾燥促進 方法及び水垢防止方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0960067A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004020285A1 (de) * 2002-08-14 2004-03-11 Airbus Deutschland Gmbh Frischwassersystem eines verkehrsflugzeuges
JP2009108567A (ja) * 2007-10-30 2009-05-21 Teshika:Kk 汚水受器

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004020285A1 (de) * 2002-08-14 2004-03-11 Airbus Deutschland Gmbh Frischwassersystem eines verkehrsflugzeuges
JP2009108567A (ja) * 2007-10-30 2009-05-21 Teshika:Kk 汚水受器

Similar Documents

Publication Publication Date Title
ES2265150T3 (es) Uso de un material que tiene una superficie ultrahidrofila y fotocatalitica.
JP3940983B2 (ja) 防汚性部材および防汚性コーティング組成物
JP3704817B2 (ja) 便器
JP3661814B2 (ja) 膜構造材及びその清浄化方法
JPH0978791A (ja) 撥水汚染対抗性の外壁および撥水汚染防止方法
JPH0960067A (ja) 高排水性水回り部材並びに水回り部材の排水・乾燥促進 方法及び水垢防止方法
JPH0978462A (ja) 親水性繊維及びその加工品
JP3534072B2 (ja) 浴室用部材
JP3115534B2 (ja) 防汚性トンネル内壁、その防汚方法および洗浄方法
JPH0957911A (ja) 防曇シール
JP3882227B2 (ja) 高清浄性意匠部材及び意匠部材の清浄化方法
JPH0956788A (ja) 浴室用部材の清浄化方法
JP3189682B2 (ja) 防汚性部材
JPH0975243A (ja) 防汚板
JP3695552B2 (ja) 洗面台ボウル及びその清浄化方法
JPH09231849A (ja) 碍子及びその汚れ防止方法
JPH0956742A (ja) 防曇性ゴーグル
JP2001112851A (ja) 浴室用部材
JPH09225389A (ja) 部材の親水化兼紫外線劣化防止方法並びに親水性耐紫外線部材及びその製造方法
JP2004003335A (ja) 浴室用部材
JPH09271731A (ja) 被対象物質除去方法
JP2001122679A (ja) 防汚性タイル
JP2001055799A (ja) 建物外壁及び建物外壁用構造要素
JP2001049827A (ja) 建物外壁、建物外壁用構造要素及び建物外壁用コーティング材
JP3104620B2 (ja) 親水性弾性部材