JPH0961602A - 反射防止膜を有するプラスティック製光学物品 - Google Patents

反射防止膜を有するプラスティック製光学物品

Info

Publication number
JPH0961602A
JPH0961602A JP7242505A JP24250595A JPH0961602A JP H0961602 A JPH0961602 A JP H0961602A JP 7242505 A JP7242505 A JP 7242505A JP 24250595 A JP24250595 A JP 24250595A JP H0961602 A JPH0961602 A JP H0961602A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
sheet
antireflection film
plastic
optical article
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7242505A
Other languages
English (en)
Inventor
Shunroku Toyama
俊六 遠山
Kiyoto Mochizuki
清人 望月
Masayuki Yamashita
正行 山下
Tsutomu Aoyanagi
力 青柳
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Metallizing Co Ltd
Original Assignee
Toyo Metallizing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Metallizing Co Ltd filed Critical Toyo Metallizing Co Ltd
Priority to JP7242505A priority Critical patent/JPH0961602A/ja
Publication of JPH0961602A publication Critical patent/JPH0961602A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Surface Treatment Of Optical Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】液晶表示板(LCD)、テレビ・コンピュ−タ
−のブラウン管(CRT)その他の表示画面などの前面
に装着するのに好適な光学物品、及びその具体的な製造
方法の提供。 【解決手段】プラスティック製フィルムまたはシ−トか
らなる基材の片面または両面の表層に、下記(1),(2),
(3) の要件を満たす反射防止膜を形成したプラスティッ
ク製光学物品。(1) フィルムまたはシ−トが、230m
m×300mmの矩形を内に含むことができる大きさで
あること。(2) 波長450nm〜650nmの範囲の可
視光線領域で、表面反射率が1%を越えないこと。(3)
フィルムまたはシ−ト面内の、任意に選んだ210mm
以上の距離の2点における色差が2.50未満であり、
かつ波長520nmで測定された表面反射率の差が0.
1%未満であること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示板(LC
D)、テレビ・コンピュ−タ−のブラウン管(CRT)
その他の表示画面などの前面に装着され、それら装置の
前で作業や観賞する者の目や精神の疲労を最小限に抑え
るための、ディスプレイ面内光学特性が均一な反射防止
性能を有する光学物品に関する。
【0002】
【従来の技術】ガラスに対するプラスティックフィルム
の柔軟性と耐衝撃性(割れにくいなど)の活用の観点か
ら、透明なプラスティックフィルムに、屈折率の異なる
透明な物質を、光学的に計算、設計した膜厚で多層に形
成する、光の反射を小さくした反射防止フィルムとその
製造方法がすでに幾つか提案されている。ガラスへの反
射防止膜の蒸着方式による形成は極めて以前から行われ
ており、プラスティイクフィルムへの展開はガラスの反
射防止膜の形成技術がほとんどそのまま適用されている
といってよい。その場合、傷が付きやすいなど、ガラス
に対するプラスティックフィルムの欠点を補う意味での
新しい技術を加えた形で、プラスティイクフィルムへの
反射防止に関する技術やそれを使った製品が数多く特許
出願などとして提案されている。特開昭60-144702,同61
-245449,同61-245449,及び特開平6-130204などがその例
である。これらの場合、反射防止膜の形成それ自体は、
ガラスのそれの延長として行われるので、レンズのよう
に小面積の物体の表面に反射防止膜を形成すればよいの
で、面内での光学的性能の不均一性はあまり問題になら
ず、現実に、加工される物品表面と蒸着源との位置関係
は、蒸着層が形成される経過時間は固定された関係で行
われる。この場合、蒸着源から蒸着物質の蒸発拡散は1
蒸着源に対して蒸着源点を頂点とする円錐体を形成し、
被蒸着面はその中に置かれるので、その面積が大きくな
ると、どうしても各部分の蒸着角度(被蒸着面と蒸着物
質の拡散衝突する方向との角度)は異なり、厳密には形
成される層の物理的性質が場所によって分布をもつこと
になる。すなわち屈折率に分布ができ、その結果当然な
がら反射率の分布や光の干渉による色分布も生起するこ
とになる。複数個の蒸着源から成膜すること、あるいは
被蒸着物を回転または変位させながら成膜することがこ
れに対する対応策であり、現実に実施されている。しか
しこれらの方法では被蒸着面が大きめになるにしたが
い、光学特性の面内均一性が充分でなく、結果として、
それをディスプレイ面に装着使用した場合、反射率の不
均一や干渉の色模様の影響で、人の目と神経を疲れさせ
ることになる。特開昭60-17421には、光透過性基体上に
透明導電層が設けられている透明導電性フィルムにおい
て、実質的に同一成分からなる反射防止層が設けられ、
その層の屈折率が厚み方向において段階的及び/または
連続的に変化せしめられていることを特徴とする透明導
電性フィルムが提案され、それをつくるための具体的な
方法として、真空中で、透明フィルムを複数回反復(往
復)走行させながら、一成分の蒸着物質で、パスごとに
蒸着条件を変えて、層ごとに屈折率の異なる多層膜を形
成せしめ方法が採られている。しかしこの場合、蒸着物
質が一成分であるために、選択できる屈折率範囲が狭
く、実施例に示されるように、可視光線領域での反射率
は1%以上となり、極めて不満足である。また光学特性
の面内均一性についての考慮もまったくなされていな
い。
【0003】このような状況から、ディスプレイ面内光
学特性が均一な反射防止性能を有する光学物品を得るた
めに、ある一定以上の大きさで、面内光学特性が均一な
反射防止性能を有するプラスティックフィルムまたはシ
−トの実現が強く望まれる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
種々の問題点を解消した、液晶表示板(LCD)、テレ
ビ・コンピュ−タ−のブラウン管(CRT)その他の表
示画面などの前面に装着するのに好適な光学物品、及び
その具体的な製造方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は次の構成を有する。 A.プラスティック製フィルムまたはシ−トからなる基
材の片面または両面の表層に、該プラスティック製フィ
ルムまたはシ−トの屈折率より低い屈折率の透明誘電体
と該プラスティック製フィルムまたはシ−トの屈折率よ
り高い屈折率の透明誘電体または透明導電体とを組み合
わせて、3層以上の構成からなる反射防止膜を形成し
た、下記(1),(2),(3) の要件を満たす反射防止膜を有す
るプラスティック製光学物品。 (1) フィルムまたはシ−トの大きさが、230mm×3
00mmの矩形を内に含むことができる大きさであるこ
と (2) 波長450nm〜650nmの範囲の可視光線領域
で、反射防止膜を形成した面の表面反射率が1%を越え
ないこと (3) フィルムまたはシ−ト面内の、任意に選んだ210
mm以上の距離の2点におけるCIE標準C光源(JIS
Z8113-2038) で測定された反射率曲線からの主波長(JIS
z8105-2041)における色度図表(JI Z8113-2046)上での
色差(JIS Z8105-2070)△E ab =[(△L2
(△a2 +(△b2 1/2 が2.50未満であ
り、かつ任意に選んだ210mm以上の距離の2点にお
ける波長520nmで測定された表面反射率の差が0.
1%未満であること B.プラスティック製フィルムまたはシ−ト基材が、引
張り弾性係数が100〜450kg/mm2 の範囲の柔
軟性を有するフィルムまたはシ−トの表面に鉛筆硬度が
2H以上、厚み1〜15μmの耐擦過性を有するハ−ド
コ−ト層を形成せしめたものである上記A記載の反射防
止膜を有するプラスティック製光学物品。 C.反射防止膜側で測定される表面抵抗が3KΩ以下で
ある上記A記載の反射防止膜を有するプラスティック製
光学物品。 D.プラスティックフィルムまたはシ−ト基材が、ポリ
エステル系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、メタクリル
系樹脂、弗素系樹脂、トリアセテ−ト系樹脂の内の一つ
または複合体からなるフィルムまたはシ−トである上記
A記載の反射防止膜を有するプラスティック製光学物
品。 E.反射防止層の上に、さらに厚みが1nm〜20nm
の範囲の、水の接触角が60deg以上の撥水・撥油性
の透明層が設けられている上記A記載の反射防止膜を有
するプラスティック製光学物品。 F.真空中でプラスティックフィルムまたはシ−トを連
続的に走行させながら、該プラスティック製フィルムま
たはシ−トの屈折率より低い屈折率の透明誘電体と該プ
ラスティック製フィルムまたはシ−トの屈折率より高い
屈折率の透明誘電体または透明導電体とを組み合わせ、
蒸着成膜方法によって、3層以上の構成からなる反射防
止膜を形成し、下記(1),(2),(3) の要件を満たす面内光
学特性分布が均一な、反射防止膜を有するプラスティッ
ク製光学物品を製造方法。 (1) フィルムまたはシ−トの大きさが、230mm×3
00mmの矩形を内に含むことができるより大きさであ
ること (2) 波長450nm〜650nmの範囲の可視光線領域
で、反射防止膜を形成した面の表面反射率が1%を越え
ないこと (3) フィルムまたはシ−ト面内の、任意に選んだ210
mm以上の距離の2点におけるCIE標準C光源(JIS
Z8113-2038) で測定された反射率曲線からの主波長(JIS
z8105-2041)における色度図表(JI Z8113-2046)上での
色差(JIS Z8105-2070)△E ab =[(△L2
(△a2 +(△b2 1/2 が2.50未満であ
り、かつ任意に選んだ210mm以上の距離の2点にお
ける波長520nmで測定された表面反射率の差が0.
1%未満であること
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
【0007】プラスチィック製フィルムまたはシートの
表面に、高屈折率、中屈折率、低屈折率の透明物質を適
切に組み合わせ、それらの光学厚み(n×d:屈折率、
d:絶対厚み)から計算設計下厚みに積層して、反射防
止膜を製造する技術はすでに提案されている。この積層
は、これらの物質を真空中、蒸発あるいはスパッタリン
グさせ、プラスチィック基体表面に析出させておこなわ
れる。本発明においてこの方法を一般に習って、総称し
て蒸着方式と呼ぶことにする。
【0008】本発明の目的は、各種ディスプレイ画面の
中で一定の大きさ以上、具体的には230mm×300
mmの矩形を含むことができる大きさのディスプレイ
に、接着などの方法で装着して、見るものに疲労を与え
ない、画面全体が均一な視覚を保証する反射防止フィル
ムを提供することである。大きい画面の場合、面の光学
的不均一は感じ易く、また製造技術面からは逆に非常に
難しくなる。面内全域での、反射率と色合いの均一性が
強く望まれるところである。具体的には、面内の、任意
に選んだ210mm以下の距離の2点におけるC光源で
測定された反射率曲線からの主波長における色度図表上
での色度差 △E ab2 が2.50未満であり、かつ任
意に選んだ210mm以上の距離の2点における可視光
範囲の波長で測定された表面反射率の差が0.1%未満
の時に、視覚的に不均一を感じる度合いが小さく、継続
使用でも疲労感が少ない。また可視光範囲で表面反射率
が1%を越えると外光の反射のために、本来の映像が著
しく見にくくなる。
【0009】上の要件に合致する、ある大きさ以上の面
全域の均一性を供えた反射防止性プラスティックフィル
ムを得ようとすると、蒸着方式が必須となり、しかも製
造する際に、フィルムを連続的に走行させて、フィルム
面全域が走行方向に関して同一条件にさらされることが
必要であり、現実に他の方法を種々検討しても達成でき
なかった。フィルムの一つの方向(例えば幅方向)に関
しては、蒸着方式における、蒸着材料を蒸発させる複数
のるつぼの配置あるいは、スパッタリングにおけるタ−
ゲットの形状と配置の設計によって性能の均一性の実現
は可能であり、具体的には同一蒸発系内に複数のるつぼ
を配置するのである。もう一つ方向(例えば縦、走行方
向)についても光学的性能の均一性を同時に達成させよ
うとすると走行方式が理想的となる。300mmに限ら
ないで、ディイスプレイ画面の大きさという単位から見
れば際限の無い大きさ(長さ、例えば何百m)について
の均一性を達成できることは理解できる。本発明はこの
ような新規な方法により達成された。
【0010】本発明で使用するプラスティックフィルム
またはシ−トとしては、連続的に走行させてその表面に
蒸着による多層膜を形成させる必要があることから、あ
る程度の柔軟性と腰の強さが必要であり、具体的には引
っ張り弾性係数が100〜450kg/mm2 の範囲の
ものが好ましい。具体的には、ポリエステル系樹脂、ポ
リカ−ボネ−ト系樹脂、メタクリル系樹脂、弗素系樹
脂、トリアセテ−ト系樹脂の内の一つまたは複合体から
なるフィルムまたはシ−トを上げることができる。ま
た、本発明による製品は、各種ディスプレイ画面の全面
に装着されることを前提としているので、日常使用の環
境で種々の物品(布、砂などのほこり、爪、鉛筆の芯な
ど)に触れて、あるいはこすられて傷が着きにくいこと
が望ましい。そのために、柔軟性のある柔らかいプラス
ティック表面を、1〜15μmていどの厚みの硬い膜、
すなわちハ−ドコ−ト層で被膜することが望ましい。そ
の被膜の硬さは、鉛筆硬度で少なくとも2H以上が望ま
しい。具体的には、ポリオルガノシロキサン、シリカ、
アルミナなどの無機酸化物系あるいは有機多官能アクリ
ル系樹脂などが有効に使用できるが、これ以外の透明な
充分な硬度のある樹脂も用いてもよい。またこれらのハ
−ド−コ−ト層の成膜方法としたは、真空蒸着方式も、
溶液の塗布/乾燥によるいわゆるウヱット・コ−ティン
グ方式など、通常行われているいずれの方式も可能であ
る。充分な硬度の被膜を得るためには、一般的には1μ
m以上の厚みが必要になるので、生産性の点からは、ウ
ヱット・コ−ティング方式によるのが好ましく、その場
合は、有機アクリル系統が選択しやすく、メタクリル酸
などのアクリル化合物と多官能アルコ−ルとのエステル
化合物を架橋させて成膜させる方法が好ましく使用され
る。
【0011】ハ−ド−コ−ト層と基材フィルムのと密着
性を高めるために、厚み2μm以下程度の薄いアンカ−
コ−ト層を設けることが好ましく行われる。その場合に
は、基材の樹脂の種類にもよるが、一般的にはアクリル
系統あるいはポリエステル系統の樹脂を用いて、基材フ
ィルムの製造時でのインライン方式またはオフライン方
式いずれの方法も採り得る。
【0012】次に多層の反射防止膜の成膜について説明
する。一般的な多層反射防止膜の原理とその成膜方法に
ついてはすでに公知であり、種々の目的に応じて多種多
様の方法と実施例が紹介されている。その余りに多くの
公知技術の例を列挙することは不可能であるが、基本的
には、基材フィルムの、また本発明の場合ば、アンカ−
コ−ト層やハ−ドコ−ト層を含めた基材フィルムの屈折
率より、小さい屈折率をもつ透明な化合物と、基材フィ
ルムの屈折率より大きい屈折率をもつ透明な化合物およ
び中間的な大きさの屈折率の化合物からなる複数の層
を、全体の反射率を極小に近い値にするように設計され
た光学的膜厚み(屈折率nと絶対厚みdの積)で構成す
ることからなる。そのときに、使用される目的、許容さ
れる生産のための費用、生産のために採用できる成膜の
方法によって、具体的な多層の構成内容が異なってく
る。
【0013】本発明においては、可視光線の広い領域、
具体的には少なくとも波長450nm〜650nmの範
囲で、反射率が1%を越えないことを一つつの要件とし
ている。このためには、どうしても単一の物質による被
膜では達成できず、高屈折物質、低屈折物質を組み合わ
せて少なくとも3層の多層構成にしないと安定しては実
現できないことが分かった。
【0014】さらに本発明の好ましい要件として、本発
明による反射防止フィルムまたはシ−トがある程度の導
電性をもち、ディスプレイを持つ映像機本体からの電磁
波をシ−ルドし、また静電気によるほこりの付着を低減
し得るものであることが望ましい。具体的には、反射防
止膜面で測定される表面抵抗が3KΩ以下であることが
望ましい。この導電性と低反射率の両立を、経済的で最
も実用的な手段としては、ITOを主成分とする層を多
層膜の1成分とすることが挙げられる。ITOとは、酸
化スズと酸化インジュウムの混合物であるが、透明性と
導電性の兼ね合いから、一般には酸化スズの含有割合が
5〜20%のものを好ましく用いることができる。IT
Oは、屈折率が1.9〜2.1の範囲にあり、多層反射
防止膜の構成の、高屈折率の膜として使うことができ
る。導電性の点からはITO層の厚みは厚いほど好まし
いが、反射率の点からは、対象とする波長に対して光学
的理論から要求される特定の厚み(必ずしも一つの値で
はないが)近辺でなければならない。
【0015】この導電性の要件も含めて、本発明に使用
できる多層膜の構成物質としては、高屈折率物質とし
て、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化タングステ
ン、酸化モリブデン、酸化ハフニウム、酸化タンタル、
酸化セリウム、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛、
ITO,これらの混合物などがあげられる。低屈折率物
質としてふっ化マグネシウム、酸化ケイ素、ふっ化アル
ミ、ふっ化リチウム、これらの混合物などがあげられ
る。また中間的な屈折率の大きさの物質として酸化アル
ミが挙げられる。
【0016】以上の多層からなる反射防止膜を形成する
方法としては、一般に蒸着法といわれる方法、すなわち
スパッタリング法、電子銃加熱方式による蒸着法、イオ
ンプレ−ティング法などを用いることができる。また電
子銃加熱方式による蒸着法の場合など、各層の密着性を
を高めるために蒸着時にイオンビ−ムによって蒸散化合
物をイオン化など活性化させて蒸着することも好ましく
行い得る。
【0017】反射防止膜の製膜においては、その膜厚み
の制御が極めて重要なことはいうまでもないが、実際に
は、製膜時に、オンラインで光学的膜厚み(ni ×
i ,i=1 〜整数,ni :第i層の屈折率、di =第
i層の厚み)を光学式膜厚計を用いてモニタ−しなが
ら、刻々の測定値を蒸着条件にフィ−ドバックさせなが
ら製膜するのが好ましい。
【0018】本発明の最も好ましい態様として、さら
に、多層反射防止層の上に、厚みが1nm〜20nmの
範囲の、水の接触角が60deg以上である撥水性の透
明層が設けられている請求範囲第1項の多層反射防止膜
を有するプラスティック製光学物品が挙げられる。この
目的は、本発明による製品が、ディスプレイ表面に装着
されて使用される場合に、本来の使用目的ではない、い
ろいろな使用環境に置かれて、表面が汚れ難くするため
である。よごれの原因物質としては、口紅、コ−ヒ−、
マジックインキ、マヨネ−ズ、……などを想定して撥水
性、撥油性の被膜を設けることによってもくてきは達成
される。この撥水性、撥油性の被膜の具体的な製膜方法
としては、種々の方法が有り得るが、例えば、特開平6
−122776に示されるようなフルオロアルキルシラ
ンなどの表面エネルギ−の小さい化合物を、反射防止膜
層の最外層表面で化学結合によって高分子化被膜する方
法が挙げられる。汚れ防止性能の尺度として、水の接触
角を用いるのが便利であり、水の接触角が60deg以
上であるときに、上記のような汚れ原因に対して効果が
あり、より好ましくは、水の接触角が90deg以上で
あるときに顕著な汚れ防止効果が発揮できる。より具体
的な被膜方法と効果については、実施例の項で記載す
る。
【0019】本発明の一つの態様として、さらに、導電
性能を最も有効に活用する手段として、多層構成の透明
導電層の一部を露出させる形態で多層反射防止膜を形成
し、その面からア−ス電極を取ることが望ましい。この
場合、電極を取るための有効露出面として、幅5〜25
mm、長さが少なくとも10mmに亘って露出している
ことが望ましい。長さは、製品の全長に亘っていてもも
差支えなく、とくに本製品を連続した長尺の製品として
作る場合は、その製造プロセスの面から長さ方向全長に
亘って露出しているものをつくるの容易である。すなわ
ち、蒸着工程で、ITO層を成膜したのち、露出させる
べき部分に対応する防着板を装着して、あとの層を設け
ることによって容易に達成できる。もちろん、このよう
な方法によらず、多層全体を製膜したのち、ITO層よ
り後の層を化学的または物理的にエッチングする方法も
可能である。
【0020】こうして得られた本発明による光学物品
は、目的とする、面内光学的均一性のすぐれた、反射防
止性を有する、好ましい導電性、表面に傷が尽きにくい
適度な表面硬度、さらには撥水性の被膜を設けた場合に
は高い汚れ防止性を供えているだけではなく、膜物性と
して実用に耐える密着性、耐候性、耐耐磨耗性、耐クラ
ック性なども兼ね備えている。
【0021】
【実施例】以下に本発明の態様を実施例をもって説明す
るが、これによって限定されるものではない。
【0022】実施例全体を通して共通的な製造条件と物
性の測定方法について説明する。 [ベ−スフィルム及びハ−ドコ−ト層の製造]ベ−スフ
ィルムには、製膜時にオンラインで、非晶性ポリエステ
ル系樹脂を、0.5〜0.8μmの厚みに塗布した18
8μmポリエチレンテレフタレ−ト(以下PETと略
称)フィルムを用いた。ハ−ドコ−ト層は、PETフィ
ルムの片面に多官能アクリレ−ト(エリスリト−ル系、
ポリエステル系、ヒドロキシプロピル系の混合物)、表
面平滑活剤(ポリシロキサン)、光開始剤(フェニルケ
トン化合物)のトルエン、メチルエチルケトン混合溶媒
の溶液を塗布し、乾燥後、UV照射により架橋反応を完
結させることにより、鉛筆硬度3Hの、厚み4.0μm
の層を形成させた。 [反射防止膜の形成]反射防止膜の形成は、5層すべて
を、EB(電子銃)加熱を蒸発エネルギ−源とする連続
巻取式真空蒸着装置を用いて、部分的にRFイオンプレ
−ティング方式併用で、各層の膜厚みを光学膜厚(n×
d)をオンラインで計測制御しながら、各層ともフィル
ムを必要とする膜厚みから計算される適切な速度で走行
させながら製膜した。ITOおよびZrO2 は真空度約
5×10-5Torrの条件設定後、酸素を導入して酸素分圧
1.1 ×10-4Torr、高周波(13.56MHz )1.5K
Wをかけたプラズマ雰囲気の条件で製膜した。SiO2
は酸素分圧2.0 ×10-4Torr、高周波(13.56MHz
)0.5KWの条件で、MgF2 は酸素分圧9.0×10
-5Torr、高周波(13.56MHz )0.2KWの条件で
製膜した。 [撥水層の製膜]撥水層の製膜は、(ヘプタデカフロロ
−1,1,2,2−テトラヒドロデシル)−1−トリメ
トキシシランを蒸気として、真空装置内に放電電極に1
00Wの高周波プラズマを発生させた環境に導入し、5
層からなる反射防止膜を成膜した上記フィルム表面上に
20nmの厚みに反応成膜させることによって行った。
得られた物の接触角は102度から110度の範囲であ
った。 [実施例1]幅500mm、厚み188μmPETフィ
ルムの片面に、4μmのハ−ドコ−ト層を設けた連続長
尺フィルムに、第2層から第6層まで、下記5層からな
る反射防止膜を上記した方法で成膜した。
【0023】 構成物質 光学膜厚(n×d) 走行速度(m/分) 第2層 ITO 0.061λ 2.0 第3層 SiO2 0.089λ 4.0 第4層 ITO 0.539λ 2.0 第5層 MgF2 0.192λ 2.0 第6層 SiO2 0.050λ 4.0 (λ=520nm:設定波長) 得られた物の反射防止膜側の表面硬度は、鉛筆硬度で3
Hであった。またこのものの反射防止膜を施さない面で
の反射が観測されないように完全黒色処理を施して、反
射防止膜側の可視光線領域における反射率を測定した結
果、420nmから710nmの範囲で反射率が1%以
下であった。
【0024】さらに、この連続長尺フィルム10mを採
取し、1mおきに、幅方向で2枚、長さ方向で1枚(結
局500×1000mmの資料から、2枚)の230m
m×300mmの試料を計20枚採取し、図1に示すよ
うに、各試料について10個の測定点(A1,A2,A3,A
4,A5,B1,B2,B3,B4,B5 ;Ai Bi の距離は210
mm)を設定し、各点(計200点)について、反射率
と色度を測定した。その結果、各試料とも、Ai Bj(i,
j=1 〜5)間の測定値で、波長520nmにおける反射率
の差の最大値は0.1%未満(20枚の試料の中で差の
最大値の最大のもので0.08%)、主波長における色
度差の最大値は2.50未満(20枚の試料の中で差の
最大値の最大のもので1.86)であった。このフィル
ム製品を、15インチCRTに適切な接着剤で装着し
て、通常のパソコン操作作業を継続したところ、目と神
経の疲労はあまり感ぜられず、下記比較例1の場合に比
べて大幅に緩和されることが分かった。 [比較例1]実施例1と同じ材料(基材、蒸着物質)を
用いて、各層の蒸着を、基材を走行せずに停止して、被
蒸着面積の中央部分の光学膜厚みが実施例1と同じ厚み
になるように時間を設定して行う以外は、実施例1と同
じ条件で成膜した。被蒸着面積の中央部分を試料の中央
として、230mm×300mmの試料を切り出して、
実施例1と同じ測定点10個を設定し、各点について反
射率と色度を測定した。その結果中央部の反射率は42
0nmから710nmの範囲で反射率が1%以下であっ
た。しかし、Ai Bj(i,j=1 〜5)間の測定値間で、波長
520nmにおける反射率の差の最大値は0.2%、主
波長における色度差の最大値は6.80であった。同様
にして作った、ほとんどこれと同一程度の光学的性能面
での不均一さの試料を用いて、実施例1と同様に15イ
ンチCRTに接着剤で装着して、通常のパソコン操作作
業を継続したところ、実施例1の場合に比べて、目と神
経の疲労がかなり大きかった。しかしこの場合でも、反
射防止膜を装着しない場合に比べれば、ディスプレイ画
面の外光反射は非常に少なく、目の疲労は少ななかっ
た。
【0025】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
る、面内光学的性能の均一性の優れた反射防止膜を備え
たフィルムまたはシ−トは、各種ディスプレイに装着さ
れ、ディスプレイ前面における作業者の、目と神経の疲
労を最小限に抑えるることができる。さらに、日常の継
続使用で、表面に傷が付きにくく、種々の物質による汚
れが付きにくく、しかもディスプレイ本体からでる電磁
波をシ−ルドする効果もあり、コンピュ−タ−関係オフ
ィス作業者の労働環境を改善するとともに、屋内外で使
用される映像機器のディスプレイにも使用展開が可能で
あり、またショウインド−や芸術作品の額のガラス面に
装着することによって商品、展示品の展示効果を高める
など非常に広範囲の利用展開が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】:反射率、色度測定点を示す。
【符号の説明】
*は反射率、色度の測定点を示す。 A1〜A5は反射率、色度測定点の位置名称である。 B1〜B5は反射率、色度測定点の位置名称である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 青柳 力 静岡県三島市長伏33の1 東洋メタライジ ング株式会社三島工場内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プラスティック製フィルムまたはシ−トか
    らなる基材の片面または両面の表層に、該プラスティッ
    ク製フィルムまたはシ−トの屈折率より低い屈折率の透
    明誘電体と該プラスティック製フィルムまたはシ−トの
    屈折率より高い屈折率の透明誘電体または透明導電体と
    を組み合わせて、3層以上の構成からなる反射防止膜を
    形成した、下記(1),(2),(3) の要件を満たす反射防止膜
    を有するプラスティック製光学物品。 (1) フィルムまたはシ−トの大きさが、230mm×3
    00mmの矩形を内に含むことができる大きさであるこ
    と (2) 波長450nm〜650nmの範囲の可視光線領域
    で、反射防止膜を形成した面の表面反射率が1%を越え
    ないこと (3) フィルムまたはシ−ト面内の、任意に選んだ210
    mm以上の距離の2点におけるCIE標準C光源(JIS
    Z8113-2038) で測定された反射率曲線からの主波長(JIS
    z8105-2041)における色度図表(JI Z8113-2046)上での
    色差(JIS Z8105-2070)△E ab =[(△L2
    (△a2 +(△b2 1/2 が2.50未満であ
    り、かつ任意に選んだ210mm以上の距離の2点にお
    ける波長520nmで測定された表面反射率の差が0.
    1%未満であること
  2. 【請求項2】プラスティック製フィルムまたはシ−ト基
    材が、引張り弾性係数が100〜450kg/mm2
    範囲の柔軟性を有するフィルムまたはシ−トの表面に鉛
    筆硬度が2H以上、厚み1〜15μmの耐擦過性を有す
    るハ−ドコ−ト層を形成せしめたものである請求項1記
    載の反射防止膜を有するプラスティック製光学物品。
  3. 【請求項3】反射防止膜側で測定される表面抵抗が3K
    Ω以下である請求項1記載の反射防止膜を有するプラス
    ティック製光学物品。
  4. 【請求項4】プラスティックフィルムまたはシ−ト基材
    が、ポリエステル系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、メ
    タクリル系樹脂、弗素系樹脂、トリアセテ−ト系樹脂の
    内の一つまたは複合体からなるフィルムまたはシ−トで
    ある請求項1記載の反射防止膜を有するプラスティック
    製光学物品。
  5. 【請求項5】反射防止層の上に、さらに厚みが1nm〜
    20nmの範囲の、水の接触角が60deg以上の撥水
    ・撥油性の透明層が設けられている請求項1記載の反射
    防止膜を有するプラスティック製光学物品。
  6. 【請求項6】真空中でプラスティックフィルムまたはシ
    −トを連続的に走行させながら、該プラスティック製フ
    ィルムまたはシ−トの屈折率より低い屈折率の透明誘電
    体と該プラスティック製フィルムまたはシ−トの屈折率
    より高い屈折率の透明誘電体または透明導電体とを組み
    合わせ、蒸着成膜方法によって、3層以上の構成からな
    る反射防止膜を形成し、下記(1),(2),(3) の要件を満た
    す面内光学特性分布が均一な、反射防止膜を有するプラ
    スティック製光学物品を製造方法。 (1) フィルムまたはシ−トの大きさが、230mm×3
    00mmの矩形を内に含むことができるより大きさであ
    ること (2) 波長450nm〜650nmの範囲の可視光線領域
    で、反射防止膜を形成した面の表面反射率が1%を越え
    ないこと (3) フィルムまたはシ−ト面内の、任意に選んだ210
    mm以上の距離の2点におけるCIE標準C光源(JIS
    Z8113-2038) で測定された反射率曲線からの主波長(JIS
    z8105-2041)における色度図表(JI Z8113-2046)上での
    色差(JIS Z8105-2070)△E ab =[(△L2
    (△a2 +(△b2 1/2 が2.50未満であ
    り、かつ任意に選んだ210mm以上の距離の2点にお
    ける波長520nmで測定された表面反射率の差が0.
    1%未満であること
JP7242505A 1995-08-28 1995-08-28 反射防止膜を有するプラスティック製光学物品 Pending JPH0961602A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7242505A JPH0961602A (ja) 1995-08-28 1995-08-28 反射防止膜を有するプラスティック製光学物品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7242505A JPH0961602A (ja) 1995-08-28 1995-08-28 反射防止膜を有するプラスティック製光学物品

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0961602A true JPH0961602A (ja) 1997-03-07

Family

ID=17090106

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7242505A Pending JPH0961602A (ja) 1995-08-28 1995-08-28 反射防止膜を有するプラスティック製光学物品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0961602A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003121606A (ja) * 2001-08-07 2003-04-23 Fuji Photo Film Co Ltd 反射防止フィルム、偏光板、および画像表示装置
JP2009119873A (ja) * 2008-12-24 2009-06-04 Konica Minolta Holdings Inc 低反射積層体
KR20200085750A (ko) * 2017-11-07 2020-07-15 데쿠세리아루즈 가부시키가이샤 적층체, 반사 방지 구조체 및 카메라 모듈 탑재 장치

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003121606A (ja) * 2001-08-07 2003-04-23 Fuji Photo Film Co Ltd 反射防止フィルム、偏光板、および画像表示装置
JP2009119873A (ja) * 2008-12-24 2009-06-04 Konica Minolta Holdings Inc 低反射積層体
KR20200085750A (ko) * 2017-11-07 2020-07-15 데쿠세리아루즈 가부시키가이샤 적층체, 반사 방지 구조체 및 카메라 모듈 탑재 장치

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Szczyrbowski et al. Antireflective coatings on large scale substrates produced by reactive twin-magnetron sputtering
JP7089609B2 (ja) 光学積層体、物品、光学積層体の製造方法
JP7089610B2 (ja) 光学積層体の製造方法
JP7101297B2 (ja) 光学積層体、物品、光学積層体の製造方法
JP3679074B2 (ja) 透明積層フィルム、偏光板、液晶表示素子及び液晶表示装置
WO2022209829A1 (ja) 光学積層体および画像表示装置
JPH0412565B2 (ja)
JP2004345223A (ja) 光学機能性フィルム、および画像表示装置
WO2022054828A1 (ja) 光学積層体の製造方法
WO2022014701A1 (ja) 光学積層体の製造方法
JP4324684B2 (ja) 平坦な表面の透明導電性フィルムの製造方法
JPH09197102A (ja) 多層反射防止膜を有するプラスティック製光学物品
JPH0961602A (ja) 反射防止膜を有するプラスティック製光学物品
JPH0961604A (ja) プラスティック反射防止フィルム
JPH09197103A (ja) 多層反射防止膜を有するプラスティック製光学物品
KR102134793B1 (ko) 플렉시블 oled 터치구동용 투명전극 필름, 이의 제조방법 및 이를 이용한 터치패널
JPS6082660A (ja) 酸化物層の形成装置
JP2001141903A (ja) 反射防止フィルム
JP2024048953A (ja) 反射防止フィルムおよびその製造方法、ならびに画像表示装置
JP2004291499A (ja) 高透過率導電性フィルム、その製造方法、タッチパネルおよびタッチパネル付き表示装置
JP4023142B2 (ja) 反射防止材料およびその製造方法
JP4332310B2 (ja) 酸化チタン層の製造方法、この方法により製造された酸化チタン層、及び酸化チタンを用いた反射防止フィルム
KR19980703086A (ko) 다층 반사 방지 필름을 가진 플라스틱 광학 물품
JP4048807B2 (ja) ダイヤモンド状硬質炭素膜および反射防止フィルム
JP2004223769A (ja) 透明積層フィルム、反射防止フィルム及びそれを用いた偏光板、液晶表示装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050322

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060131

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060613