JPH0966371A - アルミニウム合金材の溶接用電極および溶接方法 - Google Patents

アルミニウム合金材の溶接用電極および溶接方法

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JPH0966371A
JPH0966371A JP7243925A JP24392595A JPH0966371A JP H0966371 A JPH0966371 A JP H0966371A JP 7243925 A JP7243925 A JP 7243925A JP 24392595 A JP24392595 A JP 24392595A JP H0966371 A JPH0966371 A JP H0966371A
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electrode
aluminum alloy
welding
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copper
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JP7243925A
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English (en)
Inventor
Masazo Asano
雅三 麻野
Yusuke Kimura
裕介 木村
Yasunori Hiyougo
靖憲 兵庫
Makoto Kabasawa
真事 樺沢
Yoshimasa Funakawa
義正 船川
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JFE Engineering Corp
MA Aluminum Corp
Original Assignee
Mitsubishi Aluminum Co Ltd
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 良好なナゲットを形成して接合強度に優れる
とともに、従来のクロム銅を用いた場合よりも連続打点
数を大幅に向上させることができて溶接能率に優れるア
ルミニウム合金材の溶接用電極、およびこれを用いた溶
接方法を得る。 【構成】 積層された2枚のアルミニウム合金材を抵抗
スポット溶接によって互いに接合するに際して、対向配
置された一対の99.9wt%以上の銅を含む純銅によっ
て形成された電極を用い、当該電極によって上記2枚の
アルミニウム合金材を加圧状態で挟み、上記両電極間に
電流を加えることにより、上記2枚のアルミニウム合金
を抵抗発熱溶融させて互いに接合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特にアルミニウム合金
からなる板材や形材等の各種アルミニウム合金材の抵抗
スポット溶接に用いられる電極、および当該電極を用い
たアルミニウム合金材の溶接方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のように、各種自動車の外板等に用
いられる軟鋼や亜鉛メッキ鋼板などの鉄系の薄肉の板同
士を接合する場合には、図14に示すように、これら2
枚の鋼板1、1を、対向配置した一対の溶接用電極2、
2によって加圧状態で挟み、上記両電極2、2を冷却部
3において水冷しつつ、これら電極2、2間に瞬間的に
大きな電流を加えることにより、上記2枚の鋼板1、1
の当該箇所を抵抗発熱溶融させて互いに接合する抵抗ス
ポット溶接が用いられている。この際に、上記鋼板1
は、一般にビッカース硬度(Hv)が150〜250程
度と高いため、電極2として、加圧時における当該電極
2側の変形を防止するために、クロム(Cr)を0.4
wt%程度加えて硬度を高めた(Hv=167)クロム銅
を用いたものが採用されている。
【0003】一方、上記各種自動車においては、近年に
おける燃費向上や素材のリサイクル性といった省エネル
ギーの要請から、外板等の車体構成部材として、上述し
た鉄系の部材に代えて、軽量なアルミニウム合金によっ
て成形された構成部材を用いる比率が増加している。と
ころで、このようなアルミニウム合金材同士を抵抗スポ
ット溶接によって接合する際には、当該アルミニウム合
金は、軟鋼と比較して固有抵抗が1/3程度と低く、か
つ熱伝導率が良いため、局部的に抵抗発熱溶融させて良
好なナゲットを形成させるために、軟鋼の2倍程度以上
の大きな電流を短時間に流す必要がある。加えて、アル
ミニウム合金は、その表面に高抵抗の酸化被膜があるう
えに、ナゲットの凝固時にブローホールやクラック等が
発生し易いため、溶接時の加圧力を鉄系のものと比較し
て2倍程度高くする必要がある。このため、従来は、上
記アルミニウム合金材を抵抗スポット溶接するに際し
て、専ら強度上の要請から、鉄系の場合と同様の硬度に
優れたクロム銅の電極が用いられており、一般に純銅を
使用した場合には、先端が変形し易くて実用的ではな
い、と考えられていた(例えば、『アルミニウムの各種
接合法と最近の進歩』社団法人 軽金属溶接構造協会、
平成3年11月27日発行、第103頁)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、クロム
銅を用いた電極によって上記アルミニウム合金材を抵抗
スポット溶接する場合は、鉄系の場合に必要とされる値
の約2倍の電流を流すという条件も禍して、電極とアル
ミニウム合金材との界面での発熱も大となり、アルミニ
ウムと銅とが合金化し易い傾向にある。そして、上記合
金化により電極汚損(ピックアップ)が発生し、見掛け
の電極先端径が大きくなるとともに、電極−アルミニウ
ム合金材間の接触が不均一でナゲットの平面形が真円か
ら大きく外れて不定形を呈するため、連続打点を重ねて
300点前後に達する頃には、引張り剪断強度およびナ
ゲット径が基準を下回るようになる。而して、その都度
電極のドレッシングや交換が必要となるために作業能率
が極めて悪いという問題点があった。
【0005】そこで、本発明者等は、上記クロム銅から
なる電極の他に、敢えてこれまで実用的ではないと考え
られていた銅を99.9wt%以上含む純銅も加えた各種
の材質からなる電極を用いて、アルミニウム合金材を連
続打点によってスポット溶接する実験を鋭意重ねたとこ
ろ、当該純銅を用いた電極は、鉄系の場合の約2倍の加
圧力に対しても充分に耐えることができることに加え
て、クロム銅の電極等と比較して導電率がより大きいた
めに、短時間に大電流を均一に流して良好なナゲットを
形成するのに適し、よって高い接合強度が得られること
が判明した。しかも、純銅製の電極にあっては、電気抵
抗が小さいゆえに、電極の部分での発熱が小さく、導電
率に対応して熱伝導率も大きくなるために、電極の冷却
効率が向上して電極とアルミニウム合金材との界面で発
生する有害な熱を迅速に電極の冷却部側に導いて円滑に
逃がすことができ、この結果上記界面における局部的な
温度上昇が低減されてピックアップの発生が抑制され、
却って他の材質の電極よりも使用寿命が大幅に延びるう
え、さらにクロム銅の電極等と比較してより軟質の電極
であるために、電極を加圧することによってアルミニウ
ム合金材に形成される凹部周囲の形状の鋭さが低減され
て外観にも優れるという知見を得るに至った。この際、
特に後者の形状に関連して、電流の集中し易い電極−ア
ルミニウム材の接触円周囲付近では電極が軟質化して、
軟質化の遅れる接触円中心付近と相まって、電極全体が
凸形状を自然に保てるようになっていることも注目に値
する知見であった。
【0006】本発明は、このような知見に基づいてなさ
れたもので、良好なナゲットを形成して接合強度に優れ
るとともに、従来のクロム銅を用いた場合よりも連続打
点数を大幅に向上させることができて溶接能率に優れる
アルミニウム合金材の溶接用電極、およびこれを用いた
溶接方法を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
に係るアルミニウム合金材の溶接用電極は、アルミニウ
ム合金材同士の抵抗スポット溶接に用いられる電極であ
って、電極材料として銅を99.9wt%以上含む純銅を
用いたことを特徴とするものである。
【0008】また、請求項2に記載の本発明に係るアル
ミニウム合金材の溶接方法は、積層されたアルミニウム
合金材を抵抗スポット溶接によって互いに接合するに際
して、対向配置された一対の99.9wt%以上の銅を含
む純銅によって形成された電極によって、上記アルミニ
ウム合金材を加圧状態で挟み、両電極間に電流を加える
ことにより、積層された上記アルミニウム合金材を抵抗
発熱溶融させて互いに接合することを特徴とするもので
ある。
【0009】ここで、請求項3に記載の発明は、上記請
求項2に記載の電極の硬度が、上記アルミニウム合金材
の硬度よりも大きく、かつ上記電極とアルミニウム合金
材とのビッカース硬度の差が50以下であるとともに、
上記電極の導電率が95%IACS以上で、かつ上記ア
ルミニウム合金材の導電率との差が45%IACS以上
であることを特徴とするものである。さらに、請求項4
に記載の発明は、上記請求項2に記載の電極の硬度が、
上記アルミニウム合金材の硬度よりも大きく、かつ上記
電極と上記アルミニウム合金材とのビッカース硬度の差
が30以下であるとともに、上記電極の導電率が95%
IACS以上で、かつ上記アルミニウム合金材の導電率
との差が60%IACS以上であることを特徴とするも
のである。
【0010】また、請求項5に記載の発明は、上記請求
項3に記載の発明において、アルミニウム合金材が、マ
グネシウムを0.4〜1.5wt%およびシリコンを0.
2ないし1.5wt%含むアルミニウム合金からなること
を特徴とするものであり、請求項6に記載の発明は、上
記請求項4に記載の発明において、アルミニウム合金材
が、マグネシウムを2〜6wt%含むアルミニウム合金か
らなることを特徴とするものである。
【0011】
【作用】請求項1に記載の発明およびこれを用いた請求
項2に記載の発明にあっては、電極材料として銅を9
9.9wt%以上含む純銅を用いているので、従来用いら
れていたクロム銅の電極と比較して導電率がより大きく
なるために、短時間に大電流を均一に流して良好なナゲ
ットを形成することができ、この結果高い接合強度が得
られる。しかも、本発明に係る溶接用電極によれば、上
述した導電率に対応して熱伝導率も大きくなるために、
電極の冷却効率が向上し、電極とアルミニウム合金材と
の界面で発生する有害な熱を迅速に電極の冷却部側に導
いて円滑に逃がすことができ、よって上記界面における
局部的な温度上昇が低減されてピックアップの発生を抑
制することができるために、従来のクロム銅の電極を用
いた場合よりも使用寿命が大幅に延びるうえ、さらにク
ロム銅の電極と比較してより軟質の電極であるために、
電極を加圧することによってアルミニウム合金材に形成
される痕跡が小さくなって外観にも優れる。
【0012】この際に、請求項3または4に記載の発明
のように、上記純銅からなる電極として、当該電極の硬
度が、上記アルミニウム合金材の硬度よりも大きく、か
つ上記電極とアルミニウム合金材とのビッカース硬度の
差が50以下、望ましくは30以下であるものを使用す
れば、溶接時の大きな加圧力によって、アルミニウム合
金材側に電極の痕跡が残ることを一段と抑えることがで
きて、より良好な外観が得られ、加えて上記電極の導電
率が95%IACS以上で、かつ上記アルミニウム合金
材の導電率との差が45%IACS以上、望ましくは6
0%IACS以上であるものを用いれば、電極と上記板
材との界面で発生する有害な熱を、アルミニウム合金材
側に伝わることなく迅速かつ確実に電極の冷却部側に導
くことができてより好ましい。
【0013】したがって、特に請求項3に記載の発明
は、請求項5に記載の発明のようにマグネシウムを0.
4〜1.5wt%およびシリコンを0.2ないし1.5wt
%含むアルミニウム合金からなるアルミニウム合金材の
溶接に用いた場合に好適であり、また特に請求項4に記
載の発明は、請求項6に記載の発明のように、自動車用
外板として使用が増加しつつあるマグネシウムを2〜6
wt%含むアルミニウム合金材の溶接に用いた場合に好適
である。
【0014】
【実施例】次に、図面に基づいて、本発明の一実施例に
ついて説明する。先ず、本発明のアルミニウム合金材の
溶接用電極の一例として、図1に示す成分からなるタフ
ピッチ銅を用いた純銅製の電極を作成した。また、比較
例として、同じく図1に示す成分の従来用いられていた
クロム銅からなる電極(以下、クロム銅電極と略
す。)、導電率を高めるために銀を添加した銅からなる
電極(同、銀添加銅電極)およびピックアップされたア
ルミニウムと銅の拡散を防止するためのアルミナ分散銅
からなる電極(同、アルミナ銅電極)を用意した。ちな
みに、これら4種類の電極は、いずれもR型(先端部1
00R)であり、それぞれの導電率およびビッカース硬
度は図2に示す通りである。次いで、これらの4種類の
電極を用いて、アルミニウム合金板の連続打点による抵
抗スポット溶接試験を行った。ここで、上記溶接試験に
用いたアルミニウム合金板は、マグネシウムを4.5%
含むJISの5182相当の合金、およびマグネシウム
を0.6%およびシリコンを0.8%含むAA6009
相当の所謂ベークハード性を有する合金であり、それぞ
れの機械的性質および諸特性は図3の上段および下段に
示す通りである。これらのアルミニウム合金板は、板厚
が1mmであり、表面処理は行わなかった。なお、上記J
ISの5182相当の合金板と本発明に係る純銅電極と
のビッカース硬さの差は15.4であり、導電率の差は
64.8である。また、上記AA6009相当の合金板
と本発明に係る純銅電極とのビッカース硬さの差は2
7.3であり、導電率の差は57.3である。
【0015】連続打点による溶接試験に先立ち、先ず電
流を徐々に増加させて上記アルミニウム合金板の溶接を
行い、各電流におけるナゲット径と接合強度を測定(所
謂ウェルドロブ試験)してJISZ3140で規定する
強度を満足できる電流値を得た後に、これに所定の係数
を乗じて試験に用いる最適電流値を決定した。なお、こ
の連続打点による溶接試験に用いた溶接条件は、下記の
通りである。 溶接装置;定置型単相交流式抵抗スポット溶接機 加圧力 ;300kgf 通電時間;11cy/50Hz(内アップスロープ3c
y) 溶接電流;30kA(4cy) 後熱電流;4cy/50Hz ホールド;30cy/50Hz スクイズと打点速度;1点/2秒
【0016】次いで、上記連続打点による溶接試験を行
い、その際に各打点における溶接部の機械的強度(JI
SZ3136に規定される引張り剪断強度)を測定し、
溶接部(ナゲット)の断面観察写真を撮影するととも
に、各電極の損耗状態を確認するために先端径を測定
し、かつその先端形状を観察した。そして、最後に10
00打点溶接後の各電極先端部を接写して観察した。先
ず、図4〜図7は、上述したJISの5182相当の合
金板を用いた溶接試験における各打点毎の溶接部の機械
的強度を示すもので、図4は上記銀添加銅電極、図5は
アルミナ銅電極、図6はクロム銅電極における溶接試験
の結果を示す表であり、図7は本発明に係る上記純銅電
極における溶接試験の結果を示す表である。また、図9
および図10は、上記マグネシウムを0.6%およびシ
リコンを0.8%含むAA6009相当の合金板を用い
た溶接試験における各打点毎の溶接部の機械的強度を示
すもので、図9は上記クロム銅電極、図10は本発明に
係る上記純銅電極における溶接試験の結果を示す表であ
る。
【0017】これらの表から、本発明に係る純銅を用い
た電極によれば、JISの5182相当の合金板を用い
た溶接試験において、1000打点の溶接時において
も、引張り剪断強度が低下したり、あるいはバラ付きを
生じたりすることがなく、破断形態もプラグ破断により
良好であった。この結果、少なくとも上記1000打点
時において、アルミナ銅電極の約5倍、従来のクロム銅
電極の約3倍の連続打点性の向上が確認された。ちなみ
に、図7においては1000打点まで示したが、上記純
銅電極にあっては、図7以上の1500点の連続打点が
可能であることが確認されており、これは銀添加銅の約
1.5倍以上の連続打点性を有していることになる。ま
た、AA6009相当の合金板を用いた溶接試験におい
ても、本発明に係る純銅電極を用いた場合には、クロム
銅電極の約3倍の連続打点性の向上が確認された。
【0018】次いで、図8は、上記各電極における先端
径の測定結果を示すものであり、同図から純銅電極にあ
っては、他の電極と比較して電極先端の損耗が極めて少
ないことが判った。ここで、銀添加銅電極が、図4に示
すように、連続可能打点数が比較的多いのにも拘らず、
電極先端径が大きくなった理由としては、導電率を損わ
ずに強度を向上させるために添加した銀の影響によって
アルミニウム合金板と電極の拡散を助長したことが考え
られる。次に、上記各電極の先端形状の観察結果によれ
ば、溶接初期においては、図11に示すように、いずれ
の電極も先端部10がR形状であったものが、打点数の
増加に伴い、溶接性に劣るクロム銅電極およびアルミナ
銅電極では、図12に示すように、それぞれの先端部1
1が電極先端の中心部から漸次損耗したのに対して、他
方銀添加銅電極と本発明に係る純銅電極にあっては、図
13に示すように、それぞれの先端部12が電極先端の
周囲から損耗して、やがて全体が平らになるような損耗
形態であった。
【0019】そこで、上記電極の損耗形態を、対するナ
ゲットの断面観察写真と比較すると、上記銀添加銅電極
と純銅電極においては、図13に示すように、ナゲット
13が複数に分離することなく、かつナゲット径も一定
であったのに対して、クロム銅電極とアルミナ銅電極に
あっては、図12に示すように、打点数の増加に伴いナ
ゲット14が二つに分離し、かつその径にもバラ付きが
生じていた。このような電極先端部の損耗形態およびナ
ゲット形状の経時的変化は、図4〜図7に示した連続打
点による溶接試験の引張り剪断強度の変化の結果と一致
していることが判る。なお、最後に1000打点溶接後
の各電極先端部を接写して観察したが、本発明に係る純
銅電極ではピックアップが極めて少なかったのに対し
て、アルミナ銅電極において最もアルミニウムの付着量
が多く、次いでクロム銅電極、銀添加銅電極の順であっ
た。
【0020】したがって、図4〜図7並びに図9および
図10に示したように、本発明に係る純銅電極が他の電
極と比較して連続打点性が大幅に優れている理由は、上
記純銅電極の導電率が他の電極よりも大きいために電極
自体の発熱量が少なく、しかも純銅電極の硬度がアルミ
ニウム合金よりも高く、かつその差が少ないために、加
圧時の電極先端部の不定形への変形が結果として小さ
く、それゆえ他の電極よりも電極先端の損耗形態が良好
で、かつピックアップ量が極めて小さくなったことによ
るものと判る。よって、上記純銅電極によれば、特にA
A6009相当のアルミニウム合金板やJIS5182
相当のアルミニウム合金板の溶接において、優れた連続
打点性を得ることができる。
【0021】なお、上記実施例においては、本発明に係
る純銅電極としてタフピッチ銅を用いた例についてのみ
説明したが、これに限るものではなく、銅を99.9%
以上含む純銅であれば、無酸素銅やリン脱酸銅等の他の
純銅を用いても同様の作用効果を得ることが可能であ
る。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の
発明およびこれを用いた請求項2に記載の発明にあって
は、電極材料として銅を99.9wt%以上含む純銅を用
いているので、従来用いられていたクロム銅の電極と比
較して導電率がより大きくなるために、短時間に大電流
を均一に流して良好なナゲットを形成することができ、
この結果高い接合強度が得られるとともに、上述した導
電率に対応して熱伝導率も大きくなるために、電極の冷
却効率が向上して電極とアルミニウム合金材との界面で
発生する有害な熱を迅速に電極の冷却部側に導いて円滑
に逃がすことができ、よって上記界面における局部的な
温度上昇を低減してピックアップの発生を抑制すること
ができるため、従来のクロム銅の電極を用いた場合より
も使用寿命が大幅に延びるうえ、さらにクロム銅の電極
と比較してより軟質の電極であるために、電極を加圧す
ることによってアルミニウム合金材に形成される痕跡が
小さくなって優れた溶接外観を得ることができる。
【0023】また、請求項3または4に記載の発明のよ
うに、上記純銅からなる電極として、当該電極の硬度
が、上記アルミニウム合金材の硬度よりも大きく、かつ
上記電極とアルミニウム合金材とのビッカース硬度の差
が50以下、望ましくは30以下であるものを使用すれ
ば、溶接時の大きな加圧力によって、アルミニウム合金
材側に電極の痕跡が残ることを一段と抑えることができ
て、より良好な外観が得られ、加えて上記電極の導電率
が95%IACS以上で、かつ上記アルミニウム合金材
の導電率との差が45%IACS以上、望ましくは60
%IACS以上であるものを用いれば、電極と上記アル
ミニウム合金材との界面で発生する有害な熱を、アルミ
ニウム合金材側に伝わることなく確実に電極の冷却部側
に迅速に導くことができて、より好ましい。
【0024】したがって、特に請求項5または6に記載
の発明のように、請求項3に記載の発明は、マグネシウ
ムを0.4〜1.5wt%およびシリコンを0.2ないし
1.5wt%含むアルミニウム合金からなるアルミニウム
合金材の溶接に用いた場合に好適であり、また請求項4
に記載の発明は、自動車用外板として使用が増加しつつ
あるマグネシウムを2〜6wt%含むアルミニウム合金の
板材の溶接に用いた場合に、特に優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る純銅電極および比較例の電極の成
分を示す表である。
【図2】図1の各電極の導電率および硬度を示す表であ
る。
【図3】図1の各電極による溶接試験に用いたアルミニ
ウム合金材の諸特性を示す表である。
【図4】図1の銀添加銅電極によるJIS5182相当
合金板の連続打点溶接試験時の接合部強度の変化を示す
グラフである。
【図5】図1のアルミナ銅電極によるJIS5182相
当合金板の連続打点溶接試験時の接合部強度の変化を示
すグラフである。
【図6】図1のクロム銅電極によるJIS5182相当
合金板の連続打点溶接試験時の接合部強度の変化を示す
グラフである。
【図7】図1の本発明に係る純銅電極によるJIS51
82相当合金板の連続打点溶接試験時の接合部強度の変
化を示すグラフである。
【図8】図1の各電極によりJIS5182相当合金板
を連続打点溶接試験した時の打点数の増加に伴う電極先
端径の測定結果を示すグラフである。
【図9】図1のクロム銅電極によるAA6009相当合
金板の連続打点溶接試験時の接合部強度の変化を示すグ
ラフである。
【図10】図1の本発明に係る純銅電極によるAA60
09相当合金板の連続打点溶接試験時の接合部強度の変
化を示すグラフである。
【図11】連続打点溶接試験初期の各電極の先端形状お
よびナゲット形状を示す側面図である。
【図12】打点数の増加に伴うクロム銅電極およびアル
ミナ銅電極の先端部の損耗形状およびナゲット形状を示
す側面図である。
【図13】打点数の増加に伴う純銅電極および銀添加銅
電極の先端部の損耗形状およびナゲット形状を示す側面
図である。
【図14】一般的な抵抗スポット溶接の状態を示す縦断
面図である。
【符号の説明】
10、11、12 電極の先端部 13、14 溶接部(ナゲット)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 兵庫 靖憲 東京都港区芝二丁目3番3号 三菱アルミ ニウム株式会社内 (72)発明者 樺沢 真事 東京都千代田区丸の内1丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 船川 義正 東京都千代田区丸の内1丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム合金材同士の抵抗スポット
    溶接に用いられる電極であって、電極材料として銅を9
    9.9wt%以上含む純銅を用いたことを特徴とするアル
    ミニウム合金材の溶接用電極。
  2. 【請求項2】 積層されたアルミニウム合金材を抵抗ス
    ポット溶接によって互いに接合する溶接方法であって、
    対向配置された一対の99.9wt%以上の銅を含む純銅
    によって形成された電極によって、上記アルミニウム合
    金材を加圧状態で挟み、上記両電極間に電流を加えるこ
    とにより、積層された上記アルミニウム合金材を抵抗発
    熱溶融させて互いに接合することを特徴とするアルミニ
    ウム合金材の溶接方法。
  3. 【請求項3】 上記電極の硬度は、上記アルミニウム合
    金材の硬度よりも大きく、かつ上記電極と上記アルミニ
    ウム合金材とのビッカース硬度の差が50以下であると
    ともに、上記電極の導電率が95%IACS以上で、か
    つ上記アルミニウム合金材の導電率との差が45%IA
    CS以上であることを特徴とする請求項2に記載のアル
    ミニウム合金材の溶接方法。
  4. 【請求項4】 上記電極の硬度は、上記アルミニウム合
    金材の硬度よりも大きく、かつ上記電極と上記アルミニ
    ウム合金材とのビッカース硬度の差が30以下であると
    ともに、上記電極の導電率が95%IACS以上で、か
    つ上記アルミニウム合金材の導電率との差が60%IA
    CS以上であることを特徴とする請求項2に記載のアル
    ミニウム合金材の溶接方法。
  5. 【請求項5】 上記アルミニウム合金材は、マグネシウ
    ムを0.4〜1.5wt%およびシリコンを0.2ないし
    1.5wt%含むアルミニウム合金からなることを特徴と
    する請求項3に記載のアルミニウム合金材の溶接方法。
  6. 【請求項6】 上記アルミニウム合金材は、マグネシウ
    ムを2〜6wt%含むアルミニウム合金からなることを特
    徴とする請求項4に記載のアルミニウム合金材の溶接方
    法。
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