JPH0967376A - 癌遺伝子機能抑制剤 - Google Patents

癌遺伝子機能抑制剤

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JPH0967376A
JPH0967376A JP7228355A JP22835595A JPH0967376A JP H0967376 A JPH0967376 A JP H0967376A JP 7228355 A JP7228355 A JP 7228355A JP 22835595 A JP22835595 A JP 22835595A JP H0967376 A JPH0967376 A JP H0967376A
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JP
Japan
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cells
ras
aglaiastatin
morphology
cancer
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Application number
JP7228355A
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English (en)
Inventor
Takashi Yamamoto
敬 山本
Keimei Takahashi
啓明 高橋
Takashi Koyano
喬 小谷野
Kazuo Umezawa
一夫 梅澤
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Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 新規な抗癌剤を提供すること。 【解決手段】 熱帯植物アグライア・オドラータ抽出物
である化学式(1)であらわされる化合物を有効成分と
して含有する癌遺伝子機能抑制剤。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、癌遺伝子機能抑制活性
を有する本発明化合物を有効成分として含有する抗癌剤
に関する。
【0002】
【従来の技術】細胞の発癌やプロモーションの過程で、
癌遺伝子が重要な役割を果たしていることが知られてい
る。癌遺伝子は、正常細胞の染色体DNA上にあるプロ
ト癌遺伝子に点突然変異、転座、増幅等の異常が起こる
ことによって発生し、これまでに70種あまりが見出さ
れている。その中でもras癌遺伝子は大腸癌、乳癌、
白血病等から見出され、ヒト癌組織全体の20%位に存
在するといわれる代表的なものである。そこで、このr
as癌遺伝子産物の作用を阻害する物質が、新しいコン
セプトの癌治療薬として期待されている。現在までに、
そのような阻害物質としては放線菌から単離されたオキ
ザノシン(O.Itoら、Cancer Research,vol.49,996-100
0,1989)、かびから単離されたコンパクチン(N.Matsud
aら、Cellular Pharmacology,vol.1,219-223,1994)等
が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これまでに発
見されたras癌遺伝子作用阻害物質は、いずれも安定
性や毒性に問題があり、臨床応用可能なものはまだな
い。そのため、現在までに知られている阻害物質には見
られない作用機構を有し且つ、臨床応用が可能な薬剤の
開発が望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、臨床応用
可能な阻害物質を得るために、癌細胞の形態を正常化さ
せる作用を指標としてスクリーニングすることにより、
植物由来でras癌遺伝子産物の作用を阻害する物質の
探索を行った結果、熱帯植物アグライア・オドラータ
Aglaia odorata LOUR)の葉の抽出物中にras癌遺
伝子産物の作用を阻害する活性を見出し、活性成分を特
定することにより化学式(1)で表される化合物を得、
本発明を完成させた。
【0005】
【化3】
【0006】すなわち、本発明は有効成分として化学式
(1)で表される化合物および任意に医薬上許容可能な
担体を含有する抗癌剤を提供することにある。アグライ
ア・オドラータから単離された化学式(1)で表される
本発明の化合物(以下、本明細書中この物質を便宜上
「aglaiastatin C」と称す)は分子量526(FAB-MS
スペクトル測定による)の無色の粉末である。シリカゲ
ル薄層クロマトグラフィーにおけるRf値は0.42(展開
溶媒:クロロホルム:メタノール=20:1)、0.49(展
開溶媒:トルエン:アセトン=1:1) であった。また
元素分析の結果、分子式はC3130N26であった。
紫外線吸収スペクトルは図1から図3、赤外線吸収スペ
クトルは図4の通りである。また1H-NMRスペクトル
及び13C-NMRの測定結果は、図5および図6の通り
である。検討の結果、アグライア・オドラータから単離
された本発明化合物は上記化学式(1)で表される構造
であることが支持された。
【0007】aglaiastatin Cを、ras癌遺伝子等を
有する癌細胞に与えると細胞の形態が正常化され且つそ
の増殖が抑制されたので、本化合物は癌遺伝子産物の作
用を阻害する効果を有することが判明した。本発明の抗
癌剤に使用される医薬上許容可能な担体としては、例え
ば天然もしくは合成ケイ酸アルミニウム、微結晶セルロ
ース、タルク、デキストリン、澱粉、乳糖などの賦形剤
および植物油、プロピレングリコールなどの希釈剤が挙
げられる。これに加えて、その他の任意成分として、医
薬上許容可能な安定剤、コーティング剤、懸濁化剤、乳
化剤、溶解補助剤、保存剤、緩衝剤、甘味剤なども存在
させ得る。これらの添加剤としては、公知のものを適宜
組み合わせて使用し得る。また剤形としては粉剤、顆粒
剤、錠剤、カプセル剤、注射剤等の任意の形態で用いら
れる。本発明の抗癌剤は主として経口投与されるが、本
発明は投与方法によって限定されない。成人一日あたり
の投与量は投与方法及び病状等によって異なる。主たる
投与方法である経口投与の場合は、成人1日当たり10
0〜500mgが通常の投与量である。しかし、本発明
は投与量によって限定されない。
【0008】アグライア・オドラータはセンダン科の小
木であり東南アジアに自生し、あるいは一部栽培され観
賞用、香料等として使用されている。原料植物は、保
存、運搬等の理由から乾燥してもよく、その場合は天日
で、あるいは60℃以下のオーブンで乾燥するのが好ま
しい。また、抽出に際しては粉砕したものが好ましい。
抽出に用いる溶媒はaglaiastatin Cを安定に抽出し得
る溶媒であれば全て使用することができるが、非極性溶
媒が好ましく、特に炭化水素系溶媒またはハロゲン化炭
化水素溶媒が好ましい。炭化水素系溶媒としてはペンタ
ン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等が挙げられ、特にトルエンが好ましい。
またハロゲン化炭化水素溶媒としては、例えばクロロホ
ルム、二塩化メチレン、四塩化炭素等が挙げられ、特に
クロロホルムが好ましい。もちろんこれらの溶媒の種類
に限定されるものではない。抽出時の溶媒量、温度、時
間などの操作は、aglaiastatin Cが分解を起こすこと
なく安定に、且つ高収量で得られる範囲であれば特に限
定されるものではない。
【0009】aglaiastatin Cの単離精製法は、本化合
物が抽出物から安定に得られる方法であれば特に限定さ
れるものではない。好適な単離精製法の例としてクロマ
トグラフィーを挙げることができる。クロマトグラフィ
ーは好ましくはカラムクロマトグラフィー、ゲル濾過ク
ロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー、薄層
クロマトグラフィーまたはこれらの組み合わせを包含し
得る。カラムクロマトグラフィーに用いる担体としては
シリカゲル 、アルミナなどが使用でき、展開溶媒とし
ては炭化水素系溶媒、ハロゲン化炭化水素、アルコール
類などを用いることができる。またゲル濾過クロマトグ
ラフィーとしては担体としてトヨパールHW-40(東
ソー社製)、溶媒としてアルコール類を用いることがで
きる。しかしクロマトグラフィー担体および溶媒の種類
は上記のものに限定されない。そして、aglaiastatin
Cの構造を解析した結果、化学式(1)で表されること
が判明した。以下、実施例により本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はその実施例に限定されるものでは
ない。
【0010】
【実施例】1. アグライア・オドラータからの活性物質の抽出 60℃のオーブンで乾燥したアグライア・オドラータの
葉167gを粉砕した後、2Lの三角フラスコに入れ、
クロロホルム1000mlを加えて室温で5時間撹拌した。溶
媒を新しくして同様の操作を繰り返し、合計3回の抽出
を行った。3回分の抽出液を合わせて減圧下でクロロホ
ルムを留去し、暗緑色シラップ5.7gを得た。このシラ
ップを次の精製の原料とした。
【0011】2.抽出物からの活性物質の精製 クロロホルム抽出物3.9gを少量のトルエンに溶かし、
カラムに充填した120gのシリカゲル(商品名:Merck s
ilicagel 60,メルク社製)の上に添加し、トルエン:ア
セトン=20:1,16:1,6:1,3:1,2:1,
1:1の溶媒で順次溶出し、約20mlずつ分画した。各画
分を「4.aglaiastatin Cの各種細胞に対する形態変
化誘導効果」で用いた細胞形態変化誘導試験に付したと
ころ、トルエン:アセトン=3:1から1:1溶出画分
に形態正常化作用が認められた。活性画分を集めたとこ
ろ重量は639mgであった。この活性画分を、メタノー
ルで平衡化したトヨパールHW-40で約2mlずつ分画
し、さらにカラムに充填したMerck silicagel 60(sila
nisied)に添加し70%メタノールで溶出し約4mlずつ
分画した。各画分を細胞形態変化誘導試験に付し、活性
が認められた画分を集めた。さらにこの活性画分につい
てHPLC分取(カラム:PEGASIL ODS,(株)センシュ
ウ科学製、溶出溶媒:65%メタノール、流速:5ml/m
in、検出:U.V.210nm)を行い約1mlずつ分画した。各
画分を細胞形態変化誘導試験に付したところリテンショ
ンタイム42分に溶出される画分に活性が確認された。
この画分を集め、無色の粉末(aglaiastatin C 2.1m
g)を得た。シリカゲル薄層クロマトグラフィーを行っ
たところこの画分は単一スポットであった。
【0012】3. aglaiastatin Cの物理化学的性質 無色粉末(aglaiastatin C)の各種物理化学的性質を
測定した。本化合物のシリカゲル薄層クロマトグラフィ
ーにおけるRf値は0.42(展開溶媒:クロロホルム:メ
タノール=20:1)、0.49(展開溶媒:トルエン:アセ
トン=1:1)であった。また、融点は157〜160℃であ
った。各種スペクトルの測定を行った結果はを図1から
図6に示した。
【0013】4. aglaiastatin Cの各種細胞に対する
形態変化誘導効果 a.各種細胞の培養 K-rasts-NRK細胞(米国NIH)は、癌細胞の形
態を示す33℃および正常細胞の形態を示す39℃にお
いて、5%仔牛血清(Gibco Laboratories社製)を含む
ダルベッコ変法イーグル培地(日水製薬(株)製)にグル
タミン 0.6g/l、カナマイシン 0.2g/l、NaHCO3 2.25g/l
を加えたものを培養液(以下、この培養液を「培地」と
いう)として、5% CO2インキュベーター中で培養し
た。また、正常なラット腎細胞であるNRK-49細胞
(大日本製薬(株))およびマウスNIH3T3細胞(J
CRS細胞バンク)ならびに癌細胞であるK-ras-N
RK細胞(昭和薬科大学)、K-ras-NIH3T3細
胞、H-ras-NIH3T3細胞、N-ras-NIH3
T3細胞(東京大学医科学研究所)は、37℃で同様に
培養した。また、細胞は、カルシウム・マグネシウム不
含リン酸塩緩衝液(PBS(-):NaCl8.0g/l ,Na2PO4・12H2O
2.31g/l,KH2PO4 0.2g/l;pH 7.4)で洗浄した後、ト
リプシン-EDTA溶液(trypsin 0.5g/l,NaCl 8.0g/
l,glucose 1.0g/l,phenolred 0.02g/l,KH2PO4 0.35g
/l,EDTA 0.2g/l)で培養フラスコより細胞をはがし、
新しい培地を入れたフラスコ中に移すことにより継代し
た。
【0014】b.形態変化誘導効果の観察 各種細胞を、48穴プラスチックプレート(コースター
社製)に1.0×104個/0.5ml培地/wellでまき、5% CO
2インキュベター中で1日培養した。翌日被検物質を加
え、その後3日目までの細胞の形態変化を観察した。 i)K-rasts-NRK細胞に対するaglaiastatin C
の効果 K-rasts-NRK細胞は、33℃では細胞からいくつ
もの細い突起が見られ、また細胞同士が重なり合って癌
細胞の形態を示し、39℃では細胞は平らで突起も見ら
れず重なり合うこともなく正常細胞の形態を示す。そこ
で、33℃でaglaiastatin C 10ng/mlを添加して3日
間培養した結果、突起もなく平で重なり合うこともない
正常細胞の形態を示した。また、39℃では、細胞の形
態に大きな変化はなかった。 ii)K-ras-NRK細胞に対するaglaiastatin Cの
効果 癌細胞であるK-ras-NRK細胞は、形が丸く盛り上
がっているが、これにaglaiastatin C 20ng/mlを添加
して37℃で3日間培養した結果、細胞の形態が平らに
なり、接着面も増して正常細胞の形態を示した。 iii)K-ras-NIH3T3細胞に対するaglaiastati
n Cの効果 癌細胞であるK-ras-NIH3T3細胞はそれぞれ細
長い突起状の形態をしており、さらに細胞同士が重なり
合っている。これにaglaiastatin Cを20ng/ml添加して
37℃で3日間培養したところ、平らになり接着面も増
大し、正常細胞であるNIH3T3細胞の形態になって
いるのが観察された。
【0015】5.aglaiastatin Cの各種細胞に対する
細胞増殖抑制効果 各種細胞を、48穴プラスチックプレート(コースター
社製)に1.0×104個/0.5ml 培地/wellでまき、1日適温
5% CO2インキュベーター中で培養した。翌日aglaia
statin Cを加え更に3日間培養し、PBS(-)で2回洗っ
た後、トリプシンを100μl/wellずつ加え、数分0% C
2条件下のインキュベーター中で細胞をはがし、培地
を900μl/wellずつ加えて均一にした。この溶液の細胞
濃度をコールターカウンター(ZM型)を用いて測定
し、細胞増殖を50%阻害する濃度(IC50)を求め
た。結果は表1に示した通りであり、癌細胞に対するag
laiastatin CのIC50は、1.0〜5.6ng/mlである。
【0016】 〔表1〕 細胞名 IC50 (ng/ml) K-ras-NRK 2.8 K-ras-NIH3T3 5.6 H-ras-NIH3T3 1.0 N-ras-NIH3T3 1.8 NRK 2.1 NIH3T3 4.1
【0017】
【発明の効果】化学式(1)で示される熱帯植物アグラ
イア・オドラータから抽出された本発明化合物は、癌細
胞の増殖を阻止しその形態を正常化させる活性を有し、
抗癌剤として有効に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 紫外線吸収スペクトル中性条件(MeOH)
での測定結果
【図2】 紫外線吸収スペクトル酸性条件(0.1N HCl-M
eOH)での測定結果
【図3】 紫外線吸収スペクトル塩基性条件(0.1N NaO
H-MeOH)での測定結果
【図4】 赤外線吸収スペクトル測定結果
【図5】 1H-NMRスペクトル測定結果
【図6】 13C-NMRスペクトル測定結果
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小谷野 喬 神奈川県足柄上郡中井町井ノ口1500番地 テルモ株式会社内 (72)発明者 梅澤 一夫 東京都渋谷区広尾3−1−2−505

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化学式(1)で表される化合物。 【化1】
  2. 【請求項2】 化学式(1)で表される化合物を有効成
    分として含有することを特徴とする癌遺伝子機能抑制
    剤。 【化2】
JP7228355A 1995-08-28 1995-09-05 癌遺伝子機能抑制剤 Pending JPH0967376A (ja)

Priority Applications (2)

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JP7228355A JPH0967376A (ja) 1995-09-05 1995-09-05 癌遺伝子機能抑制剤
PCT/JP1996/002411 WO1997008161A1 (en) 1995-08-28 1996-08-28 Oncogene function depressant

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JP7228355A JPH0967376A (ja) 1995-09-05 1995-09-05 癌遺伝子機能抑制剤

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115385924A (zh) * 2022-10-06 2022-11-25 贵州省中国科学院天然产物化学重点实验室(贵州医科大学天然产物化学重点实验室) 一种具有抗肿瘤活性的环戊烷苯并呋喃类化合物及其应用

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115385924A (zh) * 2022-10-06 2022-11-25 贵州省中国科学院天然产物化学重点实验室(贵州医科大学天然产物化学重点实验室) 一种具有抗肿瘤活性的环戊烷苯并呋喃类化合物及其应用
CN115385924B (zh) * 2022-10-06 2023-10-13 贵州省中国科学院天然产物化学重点实验室(贵州医科大学天然产物化学重点实验室) 一种具有抗肿瘤活性的环戊烷苯并呋喃类化合物及其应用

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