JPH0968129A - 分配型燃料噴射ポンプ - Google Patents

分配型燃料噴射ポンプ

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JPH0968129A
JPH0968129A JP21936095A JP21936095A JPH0968129A JP H0968129 A JPH0968129 A JP H0968129A JP 21936095 A JP21936095 A JP 21936095A JP 21936095 A JP21936095 A JP 21936095A JP H0968129 A JPH0968129 A JP H0968129A
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distribution
fuel
plunger
groove
pressure
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Application number
JP21936095A
Other languages
English (en)
Inventor
Seiji Izuki
誠二 伊月
Fumiyuki Matsue
文幸 松江
Jiyunichi Sashige
純一 佐茂
Masamichi Tanaka
雅道 田中
Nobuyasu Fukae
伸宜 深江
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Yanmar Co Ltd
Original Assignee
Yanmar Diesel Engine Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 分配型燃料噴射ポンプにおいて、吐出弁と分
配軸との間の分配用通路に吐出行程後に残る高い燃料圧
を、燃料ギャラリーと等圧に均圧化して、吐出行程開始
時における燃料圧の脈動による不必要かつ不安定な燃料
吐出を回避する。 【解決手段】 分配軸1外面に、吸入用溝1a及び分配
用溝1bと別個の均圧用溝1dを形成し、分配軸スリー
ブ2内に均圧用外溝2b、均圧用孔2c、分配用孔2d
を設けて、該均圧用溝1dが常時該均圧用孔2cに連通
するようにし、バルブハウジング3にて燃料ギャラリー
3aに連通する均圧用通路3cを穿設して、該均圧用外
溝2bに連通させ、吐出弁DVへの分配用通路3dを穿
設して、該分配用孔2dに連通させ、該均圧用溝1dが
該分配用孔2dに連通することにより、分配用通路3d
と燃料ギャラリー3aとが連通するように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は多気筒型内燃機関の
各気筒に形成される燃焼室に配置した燃料噴射ノズルへ
燃料を圧送する分配型燃料噴射ポンプに関する技術分野
に属する。
【0002】
【従来の技術】従来、ディーゼルエンジン等における多
気筒型内燃機関の各気筒に同時又は順次燃料を分配圧送
するための燃料噴射ポンプとしては、列型燃料噴射ポン
プと分配型燃料噴射ポンプがある。この中で、列型燃料
噴射ポンプは、燃料圧送用のプランジャと吐出弁が一体
状となって、一単位のポンプを形成しており、この単位
ポンプを気筒数分だけ設ける必要がある。その点、分配
型燃料噴射ポンプは、一つの、または少数のプランジャ
より多数の(気筒数分の)吐出弁に燃料を分配する構成
なので、コンパクト化できる。
【0003】更に、この分配型燃料噴射ポンプには、プ
ランジャと燃料分配用の分配軸とを同軸状にしたものと
別軸にしたものとがあり、このうち、後者の構成は、例
えば実開昭58−139577号公報にて開示されてい
る。該プランジャと分配軸とを別軸構成とすると、プラ
ンジャの摺動量を大きく取れるので、燃料圧送量を増大
でき、即ち、高圧噴射が可能となる。
【0004】更に、プランジャにおいては、そのカムリ
フトにより、燃料ギャラリーに充填される燃料を圧送す
る構成としており、燃料圧送の終了時に、プランジャに
穿設されたプランジャ孔やプランジャ室、更には燃料圧
送路に溜まる燃料を燃料ギャラリーにスピルする。燃料
圧送終了時にこれらの部位の燃料圧を抜かないと、噴射
終了後にも拘わらず分配軸に不当に不安定な燃料供給が
続き、分配軸の耐久性を低減させる等の弊害をもたらす
からである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】今日、特にディーゼル
エンジンにおいては、排気エミッション(NOX 等)の
低減化のため、燃焼効率を向上すべく、噴射高圧化が課
題となっている。噴射高圧化のためには、まず、プラン
ジャからの送油率(単位カム角度当たりの噴射量)を多
くしなければならない。この点で、分配型燃料噴射ポン
プにおいて、前記のプランジャと分配軸を別軸とした構
成は、プランジャと分配軸を同一軸とした場合よりも、
プランジャの摺動量を大きく取れる点で、大いに有効で
ある。また、プランジャにおいても、燃料圧送終了時の
スピルがなされることにより、分配軸への燃料圧送が安
定している。
【0006】しかし、このように、プランジャと分配軸
とを別軸にすれば、プランジャと吐出弁との間に分配軸
が介在することとなる。従来、プランジャにおける燃料
圧送終了時に、プランジャから分配軸までの圧送用通路
内の燃料を燃料ギャラリーに戻して均圧化できる構成と
はなっているが、分配軸には均圧化構成がない、即ち吐
出弁への燃料分配終了時に、分配軸から吐出弁までの分
配用通路内に残る燃料を低圧燃料通路に戻す構成とはな
っていない。従って、この部位に残る燃料が、次にこの
吐出弁と分配軸とが連通した途端に、まだプランジャの
上昇、即ち燃料圧送が開始していないにも拘わらず、急
激に吐出弁より吐出され、以後、不安定な脈動を伴って
吐出弁より吐出されて、吐出弁の性能を弱め、また、不
必要な燃料吐出により、却って排気エミッションを増加
させる結果となる。これは、噴射高圧化を図るほど、吐
出後に吐出弁等に残る燃料が高圧化するため、一層顕著
なものとなる。
【0007】この弊害を回避するため、吐出弁等に残る
燃料圧を、その吐出弁の次期吐出行程までに燃料ギャラ
リーの低圧の燃料圧と均圧化する構成が考えられるが、
この際に問題となることとして、今度は、この均圧行程
において、急激に吐出弁等内の燃料圧を均圧化すると、
急激に燃料が流動して、流動に乱れを生じ、吐出弁等内
の燃料圧が脈動状に変動して、全く吐出行程でないにも
拘わらず不必要な吐出弁からの燃料の吐出がなされると
いう不具合があり、却って燃焼状態が不安定になる(排
気エミッションの発生要因ともなる)結果を生じてしま
う。また、従来の燃料噴射ポンプにおいて、プランジャ
と分配軸とを別個に設けたものでなく、プランジャに分
配機構を設けたもの(ボッシュ分配型燃料噴射ポンプ)
があり、これについては、従来より、プランジャに、吐
出弁への分配用通路に吐出後に残る高圧燃料を燃料ギャ
ラリーに連通させるための均圧用溝が穿設してあるが、
この均圧用溝についても、均圧行程時において同様の弊
害を解決するものとはなっていない。
【0008】更に、プランジャと分配軸とを別個に設け
た分配型燃料噴射ポンプにおいて、不安定な燃料の吐出
は、吸入行程時の分配軸における燃料圧の変動によって
も生じる。即ち、プランジャの吸入行程中においては、
プランジャ室と分配軸とが連通しているので、分配軸に
穿設した燃料分配用の溝や孔よりプランジャ室側に燃料
が流動して、分配軸のこれらの溝や孔内は負圧になる。
従って、次に吐出行程が巡ってきて、プランジャより燃
料が圧送されてきても、分配軸において正常な燃料圧が
保持されていないために、燃料の吐出が不安定になって
しまう。
【0009】本発明は、吐出弁への分配用通路、或いは
分配軸における燃料分配用の溝や孔内の燃料圧を、吐出
行程時に燃料ギャラリー内の燃料圧と等圧に均圧化する
ことを通じて、吐出弁からの不必要な、或いは不安定な
燃料の吐出を防止し、排気エミッションの低減化を図る
ことを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、以上のような
課題を解決するために、次のような手段を用いる。即
ち、プランジャと分配軸とをハイドロリックヘッドに配
設し、該ハイドロリックヘッドに形成した燃料ギャラリ
ー内に充填される燃料を、プランジャの吐出行程時に分
配軸に圧送し、更に該分配軸の回転に応じて、内燃機関
の気筒数分設けた吐出弁に順次分配供給する構成の分配
型燃料噴射ポンプにおいて、該分配軸にて、プランジャ
より圧送される燃料を吸入する吸入用溝と、該吸入用溝
に連通し、ハイドロリックヘッドに穿設した各吐出弁へ
の分配用通路に連通可能な分配用溝とは別個に、該分配
用通路内に残る燃料をその吐出弁に対しての次期吐出行
程までに燃料ギャラリーに流動させるための均圧用溝を
設けた。
【0011】また、プランジャと分配軸とをハイドロリ
ックヘッドに配設し、該ハイドロリックヘッドに形成し
た燃料ギャラリー内に充填される燃料を、プランジャの
吐出行程時に分配軸に圧送し、更に該分配軸の回転に応
じて、内燃機関の気筒数分設けた吐出弁に向けて、該分
配軸に設けた吸入用溝、分配用溝、及び該分配軸を内嵌
する分配軸バレルと該ハイドロリックヘッドとに設けた
分配用通路を介して、順次分配供給するとともに、非吐
出行程時に該分配用通路に連通可能な均圧用溝を該分配
軸に設けた分配型燃料噴射ポンプにおいて、該ハイドロ
リックヘッド及び該分配軸バレルにて、該燃料ギャラリ
ーに連通する均圧用通路を穿設して該均圧用溝に連通可
能とし、吐出を終了した吐出弁に対するプランジャの次
期吐出行程までに、少なくともその吐出弁に対する分配
用通路内に残留する燃料を、該燃料ギャラリーに流動可
能とした。
【0012】また、プランジャと分配軸とをハイドロリ
ックヘッドに配設し、該ハイドロリックヘッドに形成し
た燃料ギャラリー内に充填される燃料を、プランジャの
吐出行程時に分配軸に圧送し、更に該分配軸の回転に応
じて、内燃機関の気筒数分設けた吐出弁に向けて、該分
配軸に設けた吸入用溝、分配用溝、及び該分配軸を内嵌
する分配軸バレルと該ハイドロリックヘッドとに設けた
分配用通路を介して、順次分配供給するとともに、非吐
出行程時に該分配用通路に連通可能な均圧用溝を該分配
軸に設け、該ハイドロリックヘッド及び該分配軸バレル
にて、該燃料ギャラリーに連通する均圧用通路を複数個
穿設して、該均圧用溝に連通可能とし、吐出を終了した
吐出弁に対するプランジャの次期吐出行程までに、少な
くともその吐出弁に対する分配用通路内に残留する燃料
を、該燃料ギャラリーに流動可能とした分配型燃料噴射
ポンプにおいて、該均圧用溝は、該分配軸の回転に拘わ
らず、該均圧用通路の少なくとも一つに連通しているよ
う構成した。
【0013】また、前記構成の分配型燃料噴射ポンプに
おいて、該分配用溝と該均圧用通路とを連通可能とし
た。
【0014】また、分配型燃料噴射ポンプで、プランジ
ャに分配機構を設けた型式のものについてはプランジャ
に、プランジャと分配機構とを別個に設けた型式のもの
については分配軸に、吐出弁への分配用通路に燃料を分
配供給した後、該分配用通路と、ハイドロリックヘッド
内に穿設した燃料ギャラリーに連通する均圧用通路とを
連通させるための分配用溝を設けた構成において、該均
圧用溝の形状は、該分配用通路との連通時にて、該プラ
ンジャ又は該分配軸の回転とともに、連通開始時より徐
々に連通箇所の流路面積が大きくなるように構成した。
【0015】また、分配型燃料噴射ポンプで、吐出弁へ
の分配用通路に燃料を分配供給した後、該分配用通路
と、ハイドロリックヘッド内に穿設した燃料ギャラリー
に連通する均圧用通路とを連通させるための分配用溝
を、プランジャに分配機構を設けた型式のものについて
はプランジャに、プランジャと分配機構とを別個に設け
た型式のものについては分配軸に設けた構成において、
該均圧用溝の該分配用通路への連通箇所は、平面断面視
弦状に切り欠いた形状とし、その流路断面積を、該分配
用通路の流路断面積よりも小さくした。
【0016】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態につい
て、添付の図面に従って説明する。図1は分配型燃料噴
射ポンプの正面断面図、図2はスピルスリーブにてプラ
ンジャの燃料圧送時期を制御する構成の分配型燃料噴射
ポンプのプランジャ機構及び分配軸機構を示す正面断面
図、図3は同じく分配型燃料噴射ポンプの側面断面図、
図4は同じく分配型燃料噴射ポンプの平面一部断面図、
図5は同じく分配型燃料噴射ポンプのカム軸によるプラ
ンジャ及び分配軸の駆動機構を示す斜視図、図6はカム
一回転中におけるプランジャより各吐出弁DV1・2・
3への燃料分配行程を示すカム角度を横軸とするタイム
スケジュール表、図7は均圧用溝1dを有する分配軸1
の吐出行程Aにおける位置を示す図で、(a)は分配軸
回りの正面断面図、(b)は(a)中のα−α矢視断面
図、(c)は同じくβ−β矢視断面図、図8は同じく吸
入行程Bにおける位置を示す図で、(a)は分配軸回り
の正面断面図、(b)は(a)中のα−α矢視断面図、
(c)は同じくβ−β矢視断面図、図9は同じく均圧行
程Cにおける位置を示す図で、(a)は分配軸回りの正
面断面図、(b)は(a)中のα−α矢視断面図、
(c)は同じくβ−β矢視断面図、図10の(a)〜
(d)は分配軸1の回転に伴う一均圧用孔2cに対する
分配用溝1dの開口面積の変位を示す図7(a)中β−
β矢視断面図、図11は均圧行程Cを設けない場合のカ
ム角度CAに対する吐出行程Aにおける分配用通路3d
内の燃料圧Pの推移を示すグラフ、図12は同じく均圧
行程Cを設けた場合のグラフ、図13は上部溝1d’及
び下部溝1d”よりなる均圧用溝を有する分配軸1の吐
出行程Aにおける位置を示す図で、(a)は分配軸回り
の正面断面図、(b)は(a)中のα−α矢視断面図、
(c)は同じくβ−β矢視断面図、図14は同じく吸入
行程Bにおける位置を示す図で、(a)は分配軸回りの
正面断面図、(b)は(a)中のα−α矢視断面図、
(c)は同じくβ−β矢視断面図、図15は同じく均圧
行程Cにおける位置を示す図で、(a)は分配軸回りの
正面断面図、(b)は(a)中のα−α矢視断面図、
(c)は同じくβ−β矢視断面図、図16は図7中α−
α矢視断面図で、(a)は均圧用溝1d、(b)は均圧
用溝1e、(c)は均圧用溝1f、(d)は均圧用溝1
gを有する分配軸1の各実施例を示す図、図17は同じ
く均圧用溝1hを有する分配軸1の実施例を示す図、図
18は図17の均圧用溝1hを構成した分配軸1を有す
る場合のカム角度CAに対する分配用通路3d内の燃料
圧Pの推移を示すグラフ、図19は図16の(a)〜
(d)の如く均圧用溝を構成した場合のカム角度CAに
対する分配用通路3d内の燃料圧Pの推移を示すグラ
フ、図20は図10(a)〜(d)の如くカム角度CA
が変位する場合における均圧用溝1d〜1hの均圧用孔
2cに対しての開口面積Sの推移を示すグラフ、図21
は口径の異なる孔を組み合わせた均圧用孔2cを分配軸
スリーブ2に穿設した実施例を示す分配軸まわりの正面
断面図、図22は均圧用孔2cに絞り部材30を内嵌し
た実施例を示す部分正面断面図、図23は均圧行程時に
おけるボッシュ分配型燃料噴射ポンプの燃料分配部分の
内部正面図、図24はボッシュ分配型燃料噴射ポンプの
プランジャにおける従来の均圧用溝を示す図で、(a)
はその正面形状を示す図、(b)は同じく側面断面形状
を示す図、図25はボッシュ分配型燃料噴射ポンプのプ
ランジャにおける深さの異なる溝を組み合わせた形状の
均圧用溝を示す図で、(a)はその正面形状を示す図、
(b)は同じく側面断面形状を示す図、図26はボッシ
ュ分配型燃料噴射ポンプのプランジャにおけるスリット
と溝を組み合わせた形状の均圧用溝を示す図で、(a)
はその正面形状を示す図、(b)は同じく側面断面形状
を示す図である。
【0017】まず、分配型燃料噴射ポンプの全体構成に
ついて図1より説明する。ハウジング構成としては、本
体ハウジング4の上部にハイドロリックヘッド3を載置
固設し、また、本体ハウジング4の片側方にはガバナハ
ウジング23を固設し、その反対側にはカム軸支持部材
24を内嵌固設している。カム軸支持部材24、本体ハ
ウジング4、ガバナハウジング23にかけて、エンジン
のクランク軸に連接されて連動するカム軸が内設され、
ガバナハウジング23内にはガバナ機構を、ハイドロリ
ックヘッド3には燃料をエンジンの各気筒に配設した燃
料噴射バルブに吐出する吐出弁16等が配設されてお
り、本体ハウジング4とハイドロリックヘッド3にかけ
て、プランジャ5及び分配軸1等が内設されている。
【0018】本体ハウジング4の内部構成について図1
乃至図5より説明する。本体ハウジング4内の下部には
カム室4aが穿設されていて、該カム室4a内にて左右
水平方向にカム軸11が横架されている。該カム軸11
上には、アウターカムであって、エンジンの気筒数と同
数のカムプロフィル12a・12a・・・を形成するカ
ム12を環設固定しており、該カム室4aの該カム12
の配設部分より上方に穿設するプランジャ摺動室内にお
いて、該カム12の外縁上に、タペット13付設のタペ
ットローラー13aが乗り、該タペット13にプランジ
ャ5の下部が嵌合されている。該カム12の回動によっ
て、カムプロフィル12a上に当接したタペットローラ
ー13aが昇降し、プランジャ5が上方摺動したとき
に、後記プランジャ室6a内の燃料を圧送する。
【0019】また、カム軸11上にはベベルギア10が
環設され、該ベベルギア10は、本体ハウジング4内に
略垂直状に回転自在に内嵌されるポンプ軸8下端に固設
したベベルギア9と噛合している。更に、該ポンプ軸8
上部において、トロコイドポンプである燃料供給ポンプ
7が環設されて、該ポンプ軸8上端が、ハイドロリック
ヘッド3内に内嵌される後記分配軸1と連結される。ま
た、本体ハウジング4において、外部の燃料タンクより
燃料供給ポンプ7に対して燃料を吸入するための燃料吸
入路4bが穿設されている。このように、カム軸11の
回転運動をベベルギア10・9によって直角方向に変更
して、分配軸1の駆動機構を構成している。
【0020】次に、ガバナハウジング23内において
は、カム軸11の回転にて作動するガバナ機構が組み込
まれている。即ち、該カム軸11の先端が、本体ハウジ
ング4よりガバナハウジング23内に突入しており、ガ
バナウェイト支持部材22の中心に固設され、摺動体2
0内に挿入されている。該ガバナウェイト支持部材32
にはガバナウェイト21・21・・・が枢支されてい
て、該カム軸11と一体の該ガバナウェイト支持部材2
2が回転すると、その回転に伴って発生する遠心力にて
ガバナウェイト21・21・・・が開き、該摺動体30
を、図中左側に押し出す。回転が速いほど該ガバナウェ
イト21の開度は大きくなるので、該摺動体20の押し
出し量、即ち摺動量は大きくなる。該摺動体20の摺動
はアーム19を介してラック18を摺動させる。該ラッ
ク18は、ガバナハウジング23より本体ハウジング4
内に摺動自在に嵌入されており、後記の制御スリーブ1
4に連結されていて、その摺動とともに制御スリーブ1
4を回動させ、プランジャ5の初期位置を上下調節し
て、プランジャ5の往復摺動量を、即ちプランジャ5の
燃料圧送量を調節して、調速作用を行うのである。
【0021】本体ハウジング4よりハイドロリックヘッ
ド3にかけて内設されるプランジャ機構及び分配軸機構
のうち、プランジャ機構より説明する。前記プランジャ
5はハイドロリックヘッド3より本体ハウジング4にわ
たって略垂直状に内嵌されるプランジャバレル6内の、
略垂直方向に穿設したプランジャ室6a内に摺動自在に
内嵌されて、下部は、該プランジャバレル6下端より突
出している。該プランジャ5の突出部において、該プラ
ンジャ5の下部に制御スリーブ14を外嵌固定してお
り、その外周に上部バネ受15を外嵌し、該上部バネ受
け15の上端は、プランジャバレル6下端に固定されて
いる。更に、該プランジャ5に摺動自在に下部バネ受け
17が環設されており、該上部バネ受け15と該下部バ
ネ受け17との間にて、プランジャバネ16が、該プラ
ンジャ5に巻装されている。そして該下部バネ受け17
を前記タペット13内に嵌入することで、プランジャ5
下端とタペット13とが係合し、プランジャバネ16の
下方付勢力にてプランジャ下端7がタペット13を下方
に押し、これによって、カム12に対するタペットロー
ラー13aの押圧力を発生させている。こうして、カム
12のカムプロフィル12aにタペットローラー13a
が乗り上げるのに伴い、プランジャバネ16が収縮し、
プランジャ5が上方に押し上げられる構成としているの
である。
【0022】また、制御スリーブ14には、図3や図5
のように、球状の突起14aが突出されて、該突起14
aは前記ガバナ機構に連結されるラック18上に固設し
た燃料調量部材となる係止片18aと係合されている。
ラック18の摺動は、前記の如く、カム軸11の回転が
ガバナ機構を介して該摺動作用に変換されるものであ
る。ラック18の摺動に伴って、該係止片18a・突起
14aを介して、制御スリーブ14が回動する。該制御
スリーブ14と一体状にプランジャ5が回動すること
で、後記プランジャリード5cの位置が、後記スピルポ
ート6cに対して水平方向に変位する。即ち、プランジ
ャ5がスピルポート6cを閉じている距離(有効行程)
が変化し、プランジャ5の燃料圧送終了時期(スピルタ
イミング)が変化する。こうして、ガバナ機構にてプラ
ンジャ5の単位摺動量あたりの燃料圧送量が調節される
のである。
【0023】ハイドロリックヘッド3には、燃料供給ポ
ンプ7より燃料が供給される燃料ギャラリー3aが穿設
されている。図1に示す基本的な構成の燃料噴射ポンプ
においては、プランジャ室6aと燃料ギャラリー3aと
を連通する如く、吸入ポート6bとスピルポート6cが
プランジャバレル6内に穿設されている。プランジャ5
には、垂直方向にプランジャ孔5aが設けられており、
その上端は開口して、プランジャ5上方に形成するプラ
ンジャ室6aに連通していて、また、下端はプランジャ
吸入孔5bに連通しており、また、傾斜状のプランジャ
リード5cが穿設されている。
【0024】プランジャ5の燃料圧送作用について説明
する。該プランジャ5が下方摺動してプランジャ室6a
と該吸入ポート9bとが連通すると、燃料ギャラリー3
a内の燃料がプランジャ室6a内に吸入され、該プラン
ジャ5が上方摺動するとともに、吸入ポート6bとプラ
ンジャ室6aとはプランジャ5にて隔絶され、また、プ
ランジャ吸入孔5bもプランジャバレル6の内壁面にて
隔絶されているので、該プランジャ室6a内の燃料が、
同じくプランジャバレル6内に穿設した圧送用通路6d
より分配軸1に向けて圧送する。更にプランジャ5が上
方摺動して、該プランジャリード5cとスピルポート6
cが連通した時、該プランジャ室6aよりプランジャ5
のプランジャ孔5a、プランジャリード5c及びスピル
ポート6cを介して、燃料が燃料ギャラリー3aにスピ
ルされて、一行程の燃料圧送を終了する。
【0025】更に、図2乃至図5図示の燃料噴射ポンプ
においては、該プランジャ室6aから圧送用通路6dへ
の燃料圧送開始時期(及びスピル時期)を変動できるよ
うにしている。まず、プランジャバレル6に水平方向の
燃料ギャラリー孔6eを貫通状に穿設して、ハイドロリ
ックヘッド3内の燃料ギャラリー3aに連通させてお
り、該燃料ギャラリー孔6e内において、プランジャバ
レル6内に内嵌したプランジャ5が上下方向に貫通して
いる。なお、図1図示の燃料噴射ポンプAにおいて穿設
されていた吸入ポート6b及びスピルポート6cは削除
され、該燃料ギャラリー孔9e内におけるプランジャ5
の外面には、プランジャリード5cが形成されていて、
図1と同様の構成のプランジャ孔5aを介して、プラン
ジャバレル6のプランジャ室6aに連通している。この
燃料ギャラリー孔6e内におけるプランジャ5の露出部
分に、摺動自在にスピルスリーブ25を外嵌している。
該スピルスリーブ25にはスピル孔25aが穿設されて
いる。
【0026】一方、ハイドロリックヘッド3において、
上下方向に摺動可能にタイマーピストン27を内嵌して
おり、該タイマーピストン27と該スピルスリーブ25
との間にて、タイマーレバー26を枢支軸26aにて枢
支しており、その一端を該タイマーピストン27に枢結
するとともに、他端は、該スピルスリーブ25の横溝内
に回動自在に内嵌している。また、該スピルスリーブ2
5の該タイマーレバー26の係止側と反対側においては
縦溝が穿設されていて、ハイドロリックヘッド3に内嵌
固設されて燃料ギャラリー3a内に突出するガイド部材
29の先端が該縦溝に摺動自在に嵌入して、スピルスリ
ーブ25の上下摺動を円滑にするよう補助している。タ
イマーピストン27は、図3及び図5の如く、タイマー
バネ28にて下方に付勢されている。また、該タイマー
ピストン27の下部においては、その側面で燃料ギャラ
リー3aに連通する如く開口し、また、その底面にて開
口する連通孔27aが穿設されている。この連通孔27
aは、オリフィス孔27bを介して燃料ギャラリー孔6
eと連通している。
【0027】このような構成において、該タイマーピス
トン27は、タイマーバネ28の付勢力にて、エンジン
非運転時、或いは低速運転時には、摺動下端位置に位置
しており、該スピルスリーブ25は、該タイマーレバー
26を介して、その摺動上端位置に位置している。プラ
ンジャ5が下方摺動すると、プランジャリード5cが燃
料ギャラリー孔6eに連通して、プランジャ室6a内に
燃料が吸入され、カムプロフィル12aにタペット13
が乗り上げるとともに、プランジャ5が上方摺動する
と、該プランジャリード5cはスピルスリーブ25の内
側になり、燃料ギャラリー孔6eより隔絶されて、プラ
ンジャ室6a内の燃料は、圧送用通路6dへと圧送され
る。やがて、該プランジャリード5cが該スピルスリー
ブ25のスピル孔25aに連通すると、プランジャ室6
a内の燃料は、燃料ギャラリー孔6e(燃料ギャラリー
3a)へとスピルされ、一行程のプランジャ5aより分
配軸1への燃料圧送が終了する。なお、該タイマーピス
トン27において、オリフィス孔27bは、該連通孔2
7a内の燃料圧が変動した時に、燃料ギャラリー孔6e
との間の差圧を緩和する作用により、該タイマーピスト
ン27が上下振動するのを防止する機能を果たしてい
る。
【0028】そして、エンジン回転数が上がり、カム軸
11の回転数が上昇すると、それに連れてポンプ軸8の
回転数が上昇するので、燃料供給ポンプ7の燃料供給量
が増大する。これにより、燃料ギャラリー3a内に燃料
が過剰に供給されて、高圧となり、タイマーピストン2
7の連通孔27aに燃料が多く導入され、タイマーピス
トン27が上方に押し上げられる。従って、タイマーレ
バー26を介して、スピルスリーブ25は下方に摺動す
る。そして、プランジャ5の上方摺動に伴って、プラン
ジャリード5cがスピルスリーブ25の内側に入り込む
時期が早くなり、これによって、燃料圧送時期が速くな
る。こうして、エンジンの高速運転時において、燃料圧
送時期を早くすることができるようにしている。
【0029】次に、分配軸1まわりの構成について、図
2乃至図9より説明する。該分配軸1は前記ポンプ軸8
上の延長上に連接固設され、該ポンプ軸8によって回転
駆動される。更に該分配軸1は、ハイドロリックヘッド
3内に内嵌固設される分配軸スリーブ2内に回転自在に
内嵌されている。分配軸スリーブ2においては、分配軸
1に穿設される後記の溝やハイドロリックヘッド3内に
穿設した各燃料通路に連通すべく、溝や孔を上下三段に
設けている。まず、最上段部においては、プランジャバ
レル6における圧送用通路6dより連続状にハイドロリ
ックヘッド3内に穿設される圧送用通路3bに連通する
吸入用孔2aが穿設されている。上下中間部には、外面
に水平方向に環状の均圧用外溝2bを穿設しており、該
均圧用外溝2bより内面に向けて、複数の(本実施例で
は三本の)均圧用内孔2c・2c・2cが平面視放射状
に穿設されている。また、該均圧用外溝2bは、ハイド
ロリックヘッド3内にて、燃料ギャラリー3aに連通す
る均圧用通路3cに連通している。
【0030】一方、分配軸スリーブ2の周囲には、エン
ジンの各気筒に配設した燃料噴射ノズルに燃料を吐出す
るための吐出弁DVが、エンジンの気筒数分だけハイド
ロリックヘッド3に内嵌固設されていて、その上端のノ
ズル部分を上方に突出している。本実施例では、気筒数
を3つとしており、それに対応して、三個の吐出弁DV
1・DV2・DV3を配設している。また、ハイドロリ
ックヘッド3内において、各吐出弁DV1〜3に連通す
る分配通路2d・2d・2dを穿設している。そして、
該分配軸スリーブ2の最下段部には、平面視放射状に、
各分配用通路3dに連通する分配用孔2d・2d・2d
が、内面より外面に貫通して穿設されているのである。
【0031】次に、分配軸1においては、まず、その外
面に、常に該分配軸スリーブ2の吸入用孔2aに連通す
る、水平方向環状の吸入用溝1aを穿設している。そし
て、該吸入溝1aの一部より、一条の平面断面視「コ」
の字状の分配用溝1bを垂直状に(分配軸1の軸方向
に)設け、その下端を分配ポート1cとして、分配軸1
の回転に伴って、該分配軸スリーブ2の各分配用孔2d
の一つに選択的に連通するようになっている。即ち、分
配軸1がポンプ軸8と一体に回転するとともに、順次各
分配用孔2dに連通して、各吐出弁DV1〜3より、順
次、各気筒に向けて燃料吐出がなされるのである。
【0032】また、該分配用溝1bは、該分配軸1の回
転に伴って、分配軸スリーブ2の上下中間部に放射状に
穿設した前記の均圧用孔2cにも連通可能となる。該均
圧用孔2cに連通すれば、該均圧用外溝2b及び該均圧
用通路3cを介して、燃料ギャラリー3aに連通するこ
ととなる。
【0033】そして、該分配軸1の外面において、該吸
入用溝1aと該分配用溝1bとは別個に、即ち、両溝1
a・1bには連通せずに、縦状の(分配軸1の軸方向
の)均圧用溝1dを設けている。該均圧用溝1dの上端
部は、該分配軸1の回転に伴って、前記の分配軸スリー
ブ2における各均圧用孔2cに連通可能となっており、
また、下端部は、各分配用孔2dに連通可能となってい
る。更に、図10(a)〜(d)に示すように、分配軸
1がどの回動位置になっても、連通面積の大小はあるも
のの、均圧用孔2c・2c・2cのどれか一つに必ず連
通するようにしており(そのためには均圧用溝1dの形
状を工夫しなければならないが、それについては後述す
る。)、従って、該分配軸1がどの位置に回動しても、
該分配用溝1dと燃料ギャラリー3aが必ず連通してい
るのである。
【0034】このような構成において、該分配軸1の一
回転における燃料分配行程について図6のタイムスケジ
ュール表より説明する。分配軸1の回転とカム12の回
転とは同期しており、即ち、カム12の一回転につき、
分配軸1も一回転する。カム12には三個のカムプロフ
ィル12aが形成されているので、カムリフト、即ちタ
ペット13のカムプロフィル12aへの乗り上げは三回
起こる。この各カムリフト時において、プランジャ5の
下死点より上死点までの上昇時が吐出行程A、即ち、プ
ランジャ5より分配軸1に燃料を圧送し、分配軸1より
吐出弁DVに燃料が分配されて、該吐出弁DVより、そ
れに対応するエンジンの気筒に燃料が吐出される行程と
なっている。
【0035】ここで、該吐出行程Aにおける分配軸の回
動位置、及び燃料の流通状況について図7より説明す
る。図7(a)・(b)にて示すように、分配軸1は、
分配用溝1bの下端部の分配ポート1cが、分配軸スリ
ーブ2の一分配用孔2dに連通した状態となっており、
プランジャ5より圧送される燃料が、吸入用通路2b、
吸入用孔2a、吸入用溝1a、分配用溝1b、分配ポー
ト1c、及び分配用通路3dを介して吐出弁DVへと分
配され、プランジャ5の圧送圧力によって、吐出弁DV
が開弁し、該吐出弁DVのノズル部より燃料が吐出され
るのである。
【0036】プランジャ5がカムリフトにおける上死点
を経過する時点において、プランジャ5においては、プ
ランジャ孔5a内の燃料が、図1の実施例においては、
プランジャリード5cよりスピルポート6bを介して、
図2乃至図5の実施例においては、該プランジャリード
5cよりスピルスリーブ25のスピル孔25aを介し
て、燃料ギャラリーに戻されて、分配軸1への燃料圧送
を終了するとともに、プランジャ孔5a内を燃料ギャラ
リー3aと均圧にし、吸入行程Bに備える。そして、下
死点へと下降する段になると、プランジャ5のプランジ
ャ吸入孔5bより燃料ギャラリー3a内の燃料を吸入
し、プランジャ室6a内へと吸い上げる吸入行程Bとな
るものである。なお、図7乃至図9においては、スピル
スリーブ25を設けた燃料噴射ポンプにおける実施例を
開示している。
【0037】吸入行程Bにおける分配軸の回動位置、及
び燃料の流通状況について図8より説明する。図8
(a)・(b)にて示すように、該分配軸1の回転に伴
って、分配用溝1b及び分配ポート1cは、該分配軸ス
リーブ2の分配用孔2cから遮断された状態となってい
て、吐出弁DLへの燃料流通はなくなり、即ち燃料吐出
が終了した状態となっている。この状態において、プラ
ンジャ5が下降することから、プランジャ室6aが負圧
化することに伴い、吸入用孔2a、吸入用通路2bを介
して、分配軸1の分配用溝1b、吸入用溝1a内の燃料
が吸い戻される。この部位の負圧化は、次に燃料がプラ
ンジャ5より圧送される際において、該吸入用溝1a及
び該分配用溝1bに燃料が充填されるまでの間、吐出弁
DVへの燃料分配が遅れることとなり、結果として、吐
出弁DVからの燃料吐出量が減少することに繋がる。そ
こで、この行程中において、分配用溝1bが分配軸スリ
ーブ2の均圧用孔2cの一つに連通し、均圧用外溝2b
及び均圧用通路3cを介して、燃料ギャラリー3a内の
燃料が該分配用溝1bに吸入されるようになっている。
即ち、分配用溝1bは、吸入用溝1a内の燃料を、吐出
行程A中に吐出弁DVへと送り出すための溝でもある
が、同時に、吸入行程B中の燃料吸入用の溝ともなって
いるのである。
【0038】以上のようにして、プランジャ5において
吸入した燃料は、次に分配軸1の分配ポート1cが連通
する吐出弁DVへの吐出に備えられるものである。即ち
図6の行程表で見ると、まず、プランジャ5の上昇に伴
って、該分配軸1の分配用溝1b及び分配ポート1c
が、一つの分配用通路3dに連通して、吐出弁DV1よ
り吐出がなされる。吐出が終了し、プランジャ5が下降
すると、プランジャ5においては燃料が吸入され、次に
分配軸1の分配用溝1b及び分配ポート1cが連通する
分配用通路3dは、吐出弁DV2に連通しており、プラ
ンジャ5の上昇とともに、該吐出弁DV2より燃料吐出
がなされる。こうして、カム12及び分配軸1の一回転
中に、吐出弁DV1・DV2・DV3の燃料吐出が順次
行われるのである。
【0039】さて、ここで問題となるのが、吐出弁DV
と、分配用通路3d内に残る燃料圧である。プランジャ
5においては、前記の如く、燃料圧送の終了時におい
て、プランジャ孔5a内の燃料を、燃料ギャラリー3a
に戻す(スピルする)ことから次期のプランジャ5の上
昇時における燃料の吸入は充分に行われるが、吐出弁D
V及び分配用通路3dにおいては、分配軸1bの分配ポ
ート1cと分配軸スリーブ2の分配用孔2dとの連通が
絶たれて、燃料吐出に用いられた高圧の燃料が残ってし
まう。
【0040】この部位に高圧の燃料が残っていれば、図
11に示すように、次にこの吐出弁DVにおける吐出行
程Aが巡った時、即ち、分配ポート1cが該吐出弁DV
に連通する分配用孔2dに連通した途端に、分配用通路
3d内に急激な燃料圧Pの上昇が生じ、これにより吐出
弁DVから不必要な燃料の吐出がなされる。その後、分
配用通路3d内では脈動状に燃料圧Pの高低が生じ、燃
料圧が上がる毎に吐出弁DVからの不必要な燃料吐出が
繰り返される。また、この燃料圧Pの脈動は、定型的で
なく、その都度様態が変化するもので、不安定な燃料吐
出がなされる。不要の燃料吐出は、エンジン気筒の燃焼
室においては、不完全燃焼で却って排気エミッションを
生じさせる原因となるし、また、不安定な燃料吐出は、
吐出弁DVにとって悪影響である。更にこの部位の燃料
の残量が多ければ、プランジャ5が上昇開始して燃料が
圧送されてからも、分配用通路3d内においては、暫く
このような脈動状の燃料圧Pの高低が生じ、即ち、不安
定な燃料吐出が持続し、吐出弁DVを始め、分配軸1等
における耐久性を低減させ、燃料吐出も安定せず、燃焼
に悪影響をもたらすものである。
【0041】この弊害を除去するには、吐出行程Aを終
えた吐出弁DVに、次に吐出行程Aが巡ってくるまで
に、該吐出弁DV及び分配用通路3d内の燃料圧Pを、
燃料ギャラリー3a内の燃料圧と等しくするよう均圧化
することが必要である。そこで該分配軸1に、前記の如
く、吸入用溝1a及び分配用溝1bとは別個の均圧用溝
1dを設けており、該分配軸1の回転に伴って、吐出行
程Aを終えた吐出弁DVに次期吐出行程Aが巡ってくる
までに、均圧行程Cを設ける。該均圧行程Cにおける分
配軸1の回動位置と、燃料の流通の様子を、図9より説
明する。該均圧用溝1dの下端部が、図9(a)・
(b)にて示す如くに、吐出行程Aを終えた吐出弁DV
に通ずる分配軸スリーブ2の分配用孔2dに連通する。
そして、該均圧用溝1dは、前記の如く、また、図7乃
至図9の各(c)に示す如く、連通面積が分配軸1の回
動位置によって異なるものの、常に均圧用孔2c・2c
・2cの中の一つに連通している。従って、該分配用孔
2dと該均圧用溝1dとの連通により、吐出弁DV及び
分配用通路3dは、燃料ギャラリー3aに連通し、この
部位に残る燃料が燃料ギャラリー3aに流動して、該燃
料ギャラリー3aの内圧と等しくなるように均圧され
る。こうして、均圧用通路1dを介して分配用通路3d
と均圧用通路3c(燃料ギャラリー3a)とを連通させ
る均圧行程Cを設けることにより、図12に示すよう
に、吐出行程A時に分配用通路3d内における燃料圧P
の脈動が生じず、不必要かつ不安定な燃料吐出が回避さ
れるのである。
【0042】次に、均圧用溝(均圧用溝1dを含む)の
構成について説明する。該均圧用溝を構成する上で、ま
ず問題としなければならないのは、分配用孔2dとの連
通開始時に急に大きな開口面積で連通した場合、急激に
吐出弁DV及び分配用通路3dからの燃料の流動が起こ
ることである。例えば、図17の如く、分配用溝1bと
同様に平面断面視「コ」の字状の均圧用溝hとすると、
図20のグラフZの如く、分配用孔2dとの連通開始時
に一挙に開口面積Sが広がり、また、連通終了時に急速
に閉口する様態となる。このため、連通開始時に急激な
燃料の流通が生じて、図18に示す如く、均圧行程Cに
おいて、分配用通路3d内にて燃料圧の脈動が生じる。
この脈動は、燃料の分配軸1への流れと吐出弁DVへの
流れが繰り返されることを示しており、該吐出弁DVへ
の流れは、吐出弁DVからの不必要な燃料吐出に繋が
る。また、この脈動は定型的なものでなく、その都度様
態の代わる不安定なものである。従って、均圧行程Cを
設けていない場合の、図11に示すような、前記の吐出
行程Aの開始時における不必要かつ不安定な燃料吐出が
なされるのと同様の弊害をもたらす。
【0043】これを回避すべく、均圧用溝と分配用孔2
dとの連通開始時には、分配用孔2dに対する均圧用溝
の開口面積を小さく抑えて、吐出弁DV及び分配用通路
3dからの燃料の流動を少なくし、それから分配軸1の
回転とともに均圧行程Cが進むにつれて、徐々に該開口
面積を大きくして、徐々に該分配用通路3dからの燃料
の流動量を増加する構成にすれば、燃料の流動に乱れが
なく、逆に分配軸1側から吐出弁DV側へと燃料が逆流
することで起こる分配用通路3d内における燃料圧の脈
動は生じない。
【0044】これを実現すべく、均圧用溝の形状を工夫
する。まず、最も加工容易でコスト低減化を図れる形状
としては、図16(a)の均圧用溝1dのように、平面
視弦状に、即ちスリット状に形成したものが考えられ
る。図7乃至図10の実施例ではこの形状の均圧用溝1
dが用いられている。また、図16(b)のように、分
配軸1の側面に沿って、平面視円弧状に切り欠いた形状
の均圧用溝1eを構成するのも考えられる。これら
(a)及び(b)の形状の均圧用溝1d・1eの均圧行
程Cにおける分配用孔2dに対しての開口面積Sは、図
18中のグラフXのように推移する。即ち、連通開始時
より均圧行程Cが進むにつれて徐々に開口面積Sが増大
し、最大開口面積となった後はまた徐々に開口面積Sが
小さくなって、閉口していくのである。
【0045】また、均圧行程Cがある程度進むと、ある
程度大きく開口面積を増大させてもよく、これを実現す
るものとして、例えば、図16(c)の均圧用溝1f
は、(b)に示す平面視円弧状の均圧用溝1eと、その
中央付近にて平面視「コ」の字状の均圧用溝1hとを組
み合わせた形状となっている。また、図17(d)の均
圧用溝1gは、(a)に示す平面視弦状の均圧用溝1d
と平面視「コ」の字状の均圧用溝1hとを組み合わせた
構成のものである。これらの均圧用溝1dの、均圧行程
Cにおける分配用孔2dに対する開口面積Sは、連通開
始時と連通終了時付近においては、(a)または(b)
に示す溝形状となっているので、グラフXと同様に推移
し、該均圧行程Cの半ば付近で、平面視「コ」の字状の
溝が連通するので、一気に開口面積が大きくなる。即
ち、図18におけるグラフYのように推移するのであ
る。
【0046】これらの中で、特に図16(a)のスリッ
ト形状の均圧用溝1dについては、分配用孔2dとの連
通時において、燃料流通量が多いことによる流動の乱
れ、即ち燃料圧送の脈動の発生を抑えるべく、該分配用
通路3d(及び分配用孔2d)の流路断面積S1に比し
て、均圧用溝1dの流路断面積S2を小さくする構成が
考えられる。しかし、該均圧用溝1dの上下全長にわた
って流路断面積S2を小さくすると、該均圧用溝1dの
上端部において、図10に示すような、分配軸1の回動
位置に関わらず、常に均圧用孔2cの一つに連通してい
る構成にはできない。該均圧用溝1dの流路断面積を小
さくすることは、その切り口の平面断面視における弦長
さを短くする事であって、この場合、どの均圧用孔2c
にも連通しない事態を発生するからである。
【0047】そこで、均圧用溝1dの形状を図13乃至
図15に示すようなものとする。図13乃至図15の
(a)及び(c)に図示するように、均圧用溝1dの上
端部、即ち均圧用孔2c・2c・2cに臨む部位は、常
に該均圧用孔2cのどれか一つに連通するよう、その切
り口の平面断面視における弦長さを充分取って、上部溝
1d’とし、この部位の流路断面積は、均圧用溝1dの
それと等しい。そして、それより下方の部位は、図13
乃至図15の(a)及び(b)に示す如く、分配用通路
3dとの間での燃料圧の脈動を抑えるべく、平面断面視
におけるその弦長さを短くした下部溝1d”としてい
る。該下部溝1d”の流路断面積S2は、該分配用通路
3dの流路断面積S1よりも小さいものとしている(S
1>S2)。
【0048】以上は、分配用通路3d内の燃料の流動の
乱れを抑えて燃料圧の脈動を抑止するため、分配用溝の
分配用孔2d及び分配用通路3dに対する連通時の開口
面積を絞ることのできる分配用溝1d(上部溝1d’・
下部溝1d”よりなるものを含む)〜1gについての実
施例について述べたものである。これ以外に、図21に
示すように、分配用溝1dを採用する構成において、該
分配軸スリーブ2における均圧用孔2cの内面への開口
部を絞り、これによって、分配用溝1dの上端部への連
通時における開口面積を絞って、分配用通路3dにおけ
る燃料流動の乱れを抑える構成が考えられる。該均圧用
孔2cの内面への開口部を絞る構成としては、分配軸ス
リーブ2中の分均圧用孔2cの形状自体を、図21に示
すように口径の異なる孔の組合せにより構成する均圧用
孔2c’としたものの他、図22に示すように、全長で
構成は均一とした該均圧用孔2c中の内面への開口部付
近に、小内径の絞り部材30を内嵌する構成が考えられ
る。
【0049】以上のような構成を通じて、均圧行程Cを
設けた場合において、図18に示すように、吐出弁DV
及び分配用通路3d内の燃料を、該均圧行程C中に良好
に燃料ギャラリー3a側へ流動させることができ、該吐
出弁DV及び分配用通路3d内における燃料圧の脈動が
生じず、不必要な燃料の吐出のない、安定した燃料吐出
のできる分配型燃料噴射ポンプを提供できる。
【0050】なお、図23図示のボッシュ分配型燃料噴
射ポンプは、プランジャに分配機構が設けられており、
従来より、該プランジャに均圧機構が設けられている。
この構成について概略を説明すると、燃料噴射ポンプの
ハイドロリックヘッド31内において、燃料ギャラリー
31aが形成されており、該燃料ギャラリー31aを貫
通するようにプランジャ32が配設されて、該ハイドロ
リックヘッド31に内嵌固設したプランジャバレル33
内に回転自在及び摺動自在に内嵌されている。プランジ
ャ32の下端にはフェイスカムが設けられており、フェ
イスカムの回転とともにプランジャ32が回転し、それ
に伴って、該フェイスカムの表面波形によって上下に往
復摺動する構成となっており、その上下摺動にて、燃料
の吸入及び圧送を、その回転にて、複数個設けた吐出弁
への燃料の分配を司っている。
【0051】ハイドロリックヘッド31にておいて、該
燃料ギャラリー31aより連通する吸入用通路31bが
穿設されていて、該プランジャバレル33の吸入用孔3
3bに連通している。また、該吸入用通路31bの途中
で、該吸入用孔33bに臨ませて、フューエルカットソ
レノイド36が配設されている。更に、該プランジャバ
レル33の周囲において、エンジン気筒数と同数の吐出
弁DVがハイドロリックヘッド31に内嵌固設されてお
り、該プランジャバレル33の内外面を貫通する如く穿
設した吐出弁DVと同数の分配用孔33cと、各吐出弁
DVとの間に、分配用通路31dが穿設されている。ま
た、プランジャバレル33においては、各分配用孔33
cの下方において、該分配用孔33cと同数の均圧用孔
33dが燃料ギャラリー31aとプランジャバレル33
内面とを連通する形状で穿設されている。更に、燃料ギ
ャラリー31a内においては、該プランジャ32上に摺
動自在にスピルスリーブ34が環状に外嵌されている。
また、燃料ギャラリー31a内において、プランジャ3
2下端のフェイスカムとハイドロリックヘッド31との
間にプランジャバネ35を介設して、該プランジャ32
のフェイスカムに対する付勢力を付与している。
【0052】プランジャ32においては、その先端部に
吐出弁DVと同数の吸入用溝32aが切り欠かれてお
り、該プランジャ32の芯軸方向にプランジャ孔32b
が穿設されていて、その上端はプランジャ室33aに向
けて開口しており、該プランジャ孔32bの下端は、カ
ットオフポート32b’として、プランジャ32の側面
に向けて開口している。また、該プランジャ32の外面
部には、図示されない一つの分配用ポートが、プランジ
ャ孔32aに連通して穿設されており、その下方位置に
おいて、一条の縦条の分配用溝32dが穿設されてお
り、その下端部に連通して、環状溝32dが形成されて
いる。
【0053】このような構成において、まず、プランジ
ャ32の下降時に、プランジャバレル33の吸入用孔3
3bと、均圧用孔33bの一つが連通して、燃料ギャラ
リー31aより吸入用通路31bを介して、プランジャ
室33a内に燃料が吸入される。更にプランジャ32が
下死点を経過して、上昇するにつれ、プランジャ室33
a内の燃料がプランジャ32に押されて高圧となり、プ
ランジャ孔32b内に高圧の燃料が送り込まれる。そし
て、図示されない分配用ポートが分配用孔33cの一つ
に連通すると、該プランジャ孔32b内に充填されてい
た高圧燃料が、該分配用ポート、分配用孔33c、分配
用通路31cを介して、吐出弁DVの一つに分配され
る。
【0054】更にプランジャ32が上昇して上死点付近
になると、プランジャ孔32b下端のカットオフポート
32b’がスピルスリーブ34より上方位置になって、
燃料ギャラリー31aに連通して、プランジャ孔32b
内の燃料を該燃料ギャラリー31aへとスピルする。こ
れにより、一吐出弁DVへの燃料圧送が終了する。
【0055】更にプランジャ32が回転して、燃料圧送
を終えた吐出弁DV及び分配用通路31cに連通する分
配用孔33cと、該プランジャ32の均圧用溝32cと
が連通して、該分配用通路31cに溜まる高圧燃料が該
均圧用溝32c内に流入し、更に環状溝32dが該均圧
用孔33dに連通して、該均圧用溝32c、該環状溝3
2d、該均圧用孔33dを介して、該高圧燃料が燃料ギ
ャラリー31aへと流動し、吐出行程終了後の分配用通
路31c内の燃料圧を、燃料ギャラリー31a内の燃料
圧と等圧に均圧化する。このように均圧行程を設けるこ
とによって、該吐出弁DVの次期吐出行程開始時におけ
る不必要かつ不安定な燃料の吐出が生じないようにして
いる。
【0056】このように、プランジャと分配機構とを一
体化したボッシュ分配型燃料噴射ポンプにおいては、分
配用通路内の燃料圧を、次期吐出行程までに燃料ギャラ
リー内圧と等圧に均圧化する均圧機構が設けられてい
た。しかし、この構成におけるプランジャ32の均圧用
溝32cの形状は、図24(a)・(b)の如く、均一
な深さで、平面視「コ」の字形の縦溝状となっている。
この形状の均圧用溝32cの分配用孔33cに対する連
通時の開口面積Sは、図20のグラフZの如く推移し、
従って、図19に示すような、均圧行程時の分配用通路
31c内の燃料圧Pの脈動による不必要かつ不安定な燃
料吐出という不具合が生じる。
【0057】そこで、前記のプランジャと分配軸とを別
個に設けた型式の分配型燃料噴射ポンプにおける分配軸
1の分配用溝の形状を、図16の如く工夫したのと同様
に、該プランジャ32における均圧用溝と、該分配用孔
33cとの連通開始時の開口面積Sを絞り、徐々に開口
面積Sを大きくしていくように、該均圧用溝の形状を工
夫した。まず、図25(a)・(b)図示の均圧用溝
は、該環状溝32dに連通する深溝32eと、その上部
の浅溝32fを組み合わせた形状である。均圧行程で、
分配用孔33cと分配用溝が連通するのは、上部の浅溝
32fであり、環状溝32d及び深溝32eと、分配用
孔33cとの間の流通路が、該浅溝32fにて絞られる
ので、分配用孔33c及び分配用通路31c内の燃料の
流動量を抑え、更に該分配用通路31d内の燃料圧Pの
脈動を抑えるのである。
【0058】次に、図26(a)・(b)の均圧用溝
は、該環状溝32dに連通する縦状の深溝32gと、そ
の上部の平面視弦状に切り欠いたスリット32hとを組
み合わせたものとなっている。該スリット32hは、深
溝32gとはプランジャ32の回転方向に位置がずれて
おり、プランジャ32の回転とともに均圧用溝が分配用
孔33cに連通するのに際し、まず最初にスリット32
hが該分配用孔33cに連通するようになっている。該
スリット32hは、その形状から、プランジャ32の円
周方向において、中央部ほど深く、側方端部ほど浅いの
で、該分配用孔33aとの連通開始時には、開口面積S
の浅い状態で連通することとなり、徐々に開口面積Sが
増し、更に深溝32gに連通した時に、急に開口面積S
が増す。従って、図20のグラフYのような開口面積S
の推移となり、図19のように、均圧行程時C時に分配
用通路31c内の燃料圧Pの脈動を抑え、不必要かつ不
安定な燃料吐出を防止できるのである。また、スリット
形状は、加工容易で、低コスト化にも繋がる。
【0059】
【発明の効果】本発明は以上のように構成したので、次
のような効果を奏する。即ち、請求項1の如く構成した
ので、分配軸に設けた分均圧溝を、吐出行程を終えた吐
出弁への分配用通路に連通して、吐出弁及びその分配用
通路内に残る高圧の燃料圧を、その吐出弁における次期
吐出行程までに燃料ギャラリー内の燃料圧と等圧に均圧
することができ、次期吐出行程の開始時に該分配用通路
内における燃料圧の脈動が回避され、不必要かつ不安定
な燃料吐出がなく、正常な高圧燃料噴射ができ、排気エ
ミッションの低減化に貢献する分配型燃料噴射ポンプを
提供できる。
【0060】また、請求項2の如く構成することによ
り、分配用溝内の燃料を燃料ギャラリーに連通すること
ができ、従って、均圧用溝を分配用通路に連通した場合
に、該分配用通路及び吐出弁に残る吐出行程後の高圧燃
料を燃料ギャラリーに連通させて、均圧化することがで
きるので、次期吐出行程の開始時に該分配用通路内にお
ける燃料圧の脈動が回避され、不必要かつ不安定な燃料
吐出がなく、正常な高圧燃料噴射ができ、排気エミッシ
ョンの低減化に貢献する分配型燃料噴射ポンプを提供で
きる。
【0061】また、請求項3の如く構成したので、分配
用溝が常時燃料ギャラリーと連通することとなり、分配
軸における均圧用溝の配設位置に自由度を持たせること
ができる。即ち、均圧用溝を分配軸のどの位置に設けて
も、該均圧用溝が分配用通路に連通するとともに、該分
配用通路と燃料ギャラリーとが連通するものであり、該
分配用通路と該均圧用溝が連通する均圧行程の開始とと
もに、直ちに、分配用通路内の燃料圧を燃料ギャラリー
内の燃料圧と等圧とする均圧効果が得られる。
【0062】また、吸入行程時において、プランジャの
吸入作用によって分配溝の吸入用溝より燃料がプランジ
ャ側に吸入されて、該吸入用溝及びそれに連通する分配
用溝が負圧化され、次期吐出行程において、該分配用溝
内に充分な燃料充填がなされず、吐出弁からの燃料吐出
に支障をきたすが、請求項4記載の如く、該分配用溝と
該均圧用通路とを連通可能とすることで、該吸入行程中
に均圧用通路を介して燃料ギャラリー内の燃料が該分配
用溝内に補填されるので、次期吐出行程においても、該
分配用溝内の燃料圧は正常であり、したがって、正常の
吐出弁からの燃料吐出を維持でき、安定した高圧噴射が
可能となり、排気エミッションの低減化に貢献する分配
型燃料噴射ポンプを提供できる。
【0063】また、プランジャと分配軸とを別にした型
式、及びプランジャに分配機構を設けた型式のどちらの
分配型燃料噴射ポンプにおいても、分配軸またはプラン
ジャに設けた均圧用溝と分配用通路とが急に大きな開口
面積で連通すると、燃料の流通が乱れて、分配用通路内
の燃料圧に脈動が生じ、吐出弁より不必要かつ不安定な
燃料吐出がなされるおそれがあるが、請求項5記載のよ
うに構成することで、均圧用溝と分配用通路との連通開
始時にて、燃料の流通量が絞られるので、燃料の流通の
乱れが抑えられ、均圧行程開始時における分配用通路内
の燃料圧の脈動は生じず、従って、均圧行程中に不必要
な燃料吐出が吐出弁よりなされることはなく、安定した
高圧噴射が可能となり、排気エミッションの低減化に貢
献する分配型燃料噴射ポンプを提供できる。
【0064】また、請求項6記載の如く、該均圧用溝を
平面断面視弦状に切り欠いた形状とすることで、最も加
工容易で低コストな均圧用溝を構成することができる。
またその流路断面積を、該分配用通路の流路断面積より
も小さくすることで、分配用通路との連通時における燃
料の流通量を抑えて、燃料の流通の乱れに起因する分配
用通路内の燃料圧の脈動を発生させず、従って、均圧行
程中に不必要な燃料吐出が吐出弁よりなされることはな
く、安定した高圧噴射が可能となり、排気エミッション
の低減化に貢献する分配型燃料噴射ポンプを提供でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】分配型燃料噴射ポンプの正面断面図である。
【図2】スピルスリーブにてプランジャの燃料圧送時期
を制御する構成の分配型燃料噴射ポンプのプランジャ機
構及び分配軸機構を示す正面断面図である。
【図3】同じく分配型燃料噴射ポンプの側面断面図であ
る。
【図4】同じく分配型燃料噴射ポンプの平面一部断面図
である。
【図5】同じく分配型燃料噴射ポンプのカム軸によるプ
ランジャ及び分配軸の駆動機構を示す斜視図である。
【図6】カム一回転中におけるプランジャより各吐出弁
DV1・2・3への燃料分配行程を示すカム角度を横軸
とするタイムスケジュール図である。
【図7】均圧用溝1dを有する分配軸1の吐出行程Aに
おける位置を示す図で、(a)は分配軸回りの正面断面
図、(b)は(a)中のα−α矢視断面図、(c)は同
じくβ−β矢視断面図である。
【図8】同じく吸入行程Bにおける位置を示す図で、
(a)は分配軸回りの正面断面図、(b)は(a)中の
α−α矢視断面図、(c)は同じくβ−β矢視断面図で
ある。
【図9】同じく均圧行程Cにおける位置を示す図で、
(a)は分配軸回りの正面断面図、(b)は(a)中の
α−α矢視断面図、(c)は同じくβ−β矢視断面図で
ある。
【図10】(a)〜(d)は分配軸1の回転に伴う一均
圧用孔2cに対する分配用溝1dの開口面積の変位を示
す図7(a)中β−β矢視断面図である。
【図11】均圧行程Cを設けない場合のカム角度CAに
対する吐出行程Aにおける分配用通路3d内の燃料圧P
の推移を示すグラフ図である。
【図12】同じく均圧行程Cを設けた場合のグラフ図で
ある。
【図13】上部溝1d’及び下部溝1d”よりなる均圧
用溝を有する分配軸1の吐出行程Aにおける位置を示す
図で、(a)は分配軸回りの正面断面図、(b)は
(a)中のα−α矢視断面図、(c)は同じくβ−β矢
視断面図である。
【図14】同じく吸入行程Bにおける位置を示す図で、
(a)は分配軸回りの正面断面図、(b)は(a)中の
α−α矢視断面図、(c)は同じくβ−β矢視断面図で
ある。
【図15】同じく均圧行程Cにおける位置を示す図で、
(a)は分配軸回りの正面断面図、(b)は(a)中の
α−α矢視断面図、(c)は同じくβ−β矢視断面図で
ある。
【図16】図7中α−α矢視断面図で、(a)は均圧用
溝1d、(b)は均圧用溝1e、(c)は均圧用溝1
f、(d)は均圧用溝1gを有する分配軸1の各実施例
を示す図である。
【図17】同じく均圧用溝1hを有する分配軸1の実施
例を示す図である。
【図18】図17の均圧用溝1hを構成した分配軸1を
有する場合のカム角度CAに対する分配用通路3d内の
燃料圧Pの推移を示すグラフ図である。
【図19】図16の(a)〜(d)の如く均圧用溝を構
成した場合のカム角度CAに対する分配用通路3d内の
燃料圧Pの推移を示すグラフ図である。
【図20】図10(a)〜(d)の如くカム角度CAが
変位する場合における均圧用溝1d〜1hの均圧用孔2
cに対しての開口面積Sの推移を示すグラフ図である。
【図21】口径の異なる孔を組み合わせた均圧用孔2c
を分配軸スリーブ2に穿設した実施例を示す分配軸まわ
りの正面断面図である。
【図22】均圧用孔2cに絞り部材30を内嵌した実施
例を示す部分正面断面図である。
【図23】均圧行程時におけるボッシュ分配型燃料噴射
ポンプの燃料分配部分の内部正面図である。
【図24】ボッシュ分配型燃料噴射ポンプのプランジャ
における従来の均圧用溝を示す図で、(a)はその正面
形状を示す図、(b)は同じく側面断面形状を示す図で
ある。
【図25】ボッシュ分配型燃料噴射ポンプのプランジャ
における深さの異なる溝を組み合わせた形状の均圧用溝
を示す図で、(a)はその正面形状を示す図、(b)は
同じく側面断面形状を示す図である。
【図26】ボッシュ分配型燃料噴射ポンプのプランジャ
におけるスリットと溝を組み合わせた形状の均圧用溝を
示す図で、(a)はその正面形状を示す図、(b)は同
じく側面断面形状を示す図である。
【符号の説明】
DV 吐出弁 1 分配軸 1a 吸入用溝 1b 分配用溝 1c 分配ポート 1d〜1g 均圧用溝 1d’ 上部溝 1d” 下部溝 2 分配軸スリーブ 2a 吸入用孔 2b 均圧用外溝 2c 均圧用孔 2d 分配用孔 3 ハイドロリックヘッド 3a 燃料ギャラリー 3b 圧送用通路 3c 均圧用通路 3d 分配用通路 5 プランジャ 6 プランジャバレル 31 ハイドロリックヘッド 31a 燃料ギャラリー 31b 吸入用通路 31c 分配用通路 32 プランジャ 32a 吸入用溝 32b プランジャ孔 32c 均圧用溝 32d 環状溝 32e 深溝 32f 浅溝 32g 深溝 32h スリット 33 プランジャバレル 33a プランジャ室 33b 吸入用孔 33c 分配用孔 33d 均圧用孔
フロントページの続き (72)発明者 田中 雅道 大阪府大阪市北区茶屋町1番32号 ヤンマ ーディーゼル株式会社内 (72)発明者 深江 伸宜 大阪府大阪市北区茶屋町1番32号 ヤンマ ーディーゼル株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プランジャと分配軸とをハイドロリック
    ヘッドに配設し、該ハイドロリックヘッドに形成した燃
    料ギャラリー内に充填される燃料を、プランジャの吐出
    行程時に分配軸に圧送し、更に該分配軸の回転に応じ
    て、内燃機関の気筒数分設けた吐出弁に順次分配供給す
    る構成の分配型燃料噴射ポンプにおいて、該分配軸に
    て、プランジャより圧送される燃料を吸入する吸入用溝
    と、該吸入用溝に連通し、ハイドロリックヘッドに穿設
    した各吐出弁への分配用通路に連通可能な分配用溝とは
    別個に、該分配用通路内に残る燃料をその吐出弁に対し
    ての次期吐出行程までに燃料ギャラリーに流動させるた
    めの均圧用溝を設けたことを特徴とする分配型燃料噴射
    ポンプ。
  2. 【請求項2】 プランジャと分配軸とをハイドロリック
    ヘッドに配設し、該ハイドロリックヘッドに形成した燃
    料ギャラリー内に充填される燃料を、プランジャの吐出
    行程時に分配軸に圧送し、更に該分配軸の回転に応じ
    て、内燃機関の気筒数分設けた吐出弁に向けて、該分配
    軸に設けた吸入用溝、分配用溝、及び該分配軸を内嵌す
    る分配軸バレルと該ハイドロリックヘッドとに設けた分
    配用通路を介して、順次分配供給するとともに、非吐出
    行程時に該分配用通路に連通可能な均圧用溝を該分配軸
    に設けた分配型燃料噴射ポンプにおいて、該ハイドロリ
    ックヘッド及び該分配軸バレルにて、該燃料ギャラリー
    に連通する均圧用通路を穿設して該均圧用溝に連通可能
    とし、吐出を終了した吐出弁に対するプランジャの次期
    吐出行程までに、少なくともその吐出弁に対する分配用
    通路内に残留する燃料を、該燃料ギャラリーに流動可能
    としたことを特徴とする分配型燃料噴射ポンプ。
  3. 【請求項3】 プランジャと分配軸とをハイドロリック
    ヘッドに配設し、該ハイドロリックヘッドに形成した燃
    料ギャラリー内に充填される燃料を、プランジャの吐出
    行程時に分配軸に圧送し、更に該分配軸の回転に応じ
    て、内燃機関の気筒数分設けた吐出弁に向けて、該分配
    軸に設けた吸入用溝、分配用溝、及び該分配軸を内嵌す
    る分配軸バレルと該ハイドロリックヘッドとに設けた分
    配用通路を介して、順次分配供給するとともに、非吐出
    行程時に該分配用通路に連通可能な均圧用溝を該分配軸
    に設け、該ハイドロリックヘッド及び該分配軸バレルに
    て、該燃料ギャラリーに連通する均圧用通路を複数個穿
    設して、該均圧用溝に連通可能とし、吐出を終了した吐
    出弁に対するプランジャの次期吐出行程までに、少なく
    ともその吐出弁に対する分配用通路内に残留する燃料
    を、該燃料ギャラリーに流動可能とした分配型燃料噴射
    ポンプにおいて、該均圧用溝は、該分配軸の回転に拘わ
    らず、該均圧用通路の少なくとも一つに連通しているこ
    とを特徴とする分配型燃料噴射ポンプ。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の分配型燃料噴射ポンプに
    おいて、該分配用溝と該均圧用通路とを連通可能とした
    ことを特徴とする分配型燃料噴射ポンプ。
  5. 【請求項5】 分配型燃料噴射ポンプで、プランジャに
    分配機構を設けた型式のものについてはプランジャに、
    プランジャと分配機構とを別個に設けた型式のものにつ
    いては分配軸に、吐出弁への分配用通路に燃料を分配供
    給した後、該分配用通路と、ハイドロリックヘッド内に
    穿設した燃料ギャラリーに連通する均圧用通路とを連通
    させるための均圧用溝を設けた構成において、該均圧用
    溝の形状は、該分配用通路との連通時にて、該プランジ
    ャ又は該分配軸の回転とともに、連通開始時より徐々に
    連通箇所の流路面積が大きくなるように構成したことを
    特徴とする分配型燃料噴射ポンプ。
  6. 【請求項6】 分配型燃料噴射ポンプで、吐出弁への分
    配用通路に燃料を分配供給した後、該分配用通路と、ハ
    イドロリックヘッド内に穿設した燃料ギャラリーに連通
    する均圧用通路とを連通させるための分配用溝を、プラ
    ンジャに分配機構を設けた型式のものについてはプラン
    ジャに、プランジャと分配機構とを別個に設けた型式の
    ものについては分配軸に設けた構成において、該均圧用
    溝の該分配用通路への連通箇所は、平面断面視弦状に切
    り欠いた形状とし、その流路断面積を、該分配用通路の
    流路断面積よりも小さくしたことを特徴とする分配型燃
    料噴射ポンプ。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007097052A1 (ja) * 2006-02-24 2007-08-30 Bosch Corporation 内燃機関の燃料噴射システム

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2007097052A1 (ja) * 2006-02-24 2007-08-30 Bosch Corporation 内燃機関の燃料噴射システム

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