JPH0970196A - インバータ内部蓄電手段の放電装置 - Google Patents

インバータ内部蓄電手段の放電装置

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JPH0970196A
JPH0970196A JP7223430A JP22343095A JPH0970196A JP H0970196 A JPH0970196 A JP H0970196A JP 7223430 A JP7223430 A JP 7223430A JP 22343095 A JP22343095 A JP 22343095A JP H0970196 A JPH0970196 A JP H0970196A
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彰彦 金森
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 永久磁石モータを使用している場合であって
もモータ振動を発生させることなくかつ放電抵抗を使用
することなくインバータ内部の蓄電手段から放電可能に
する。 【解決手段】 イグニッションスイッチがオフされた後
(104)、バッテリとインバータを接続するリレーユ
ニットを遮断させ(114)、励磁電流指令Idを所
定値、トルク電流指令Iqを0としたモータ電流制御
を実行する(120;ディスチャージ制御)。トルク電
流指令Iqが0であるためモータにトルクが付与され
ることがなく従って振動も発生しない。励磁電流指令I
が0でないためインバータ内部のコンデンサの電荷
はモータの巻線により放電される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、モータ巻線を利用
してインバータ内部の蓄電手段から放電させるインバー
タ内部蓄電手段の放電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】直流電源にて交流モータを駆動する際に
は直流電力を交流電力に変換するインバータが用いられ
る。インバータの入力段、すなわち直流電源側にはこの
直流電源の出力を平滑する蓄電手段(一般的にはコンデ
ンサ)が設けられる。また、直流電源とインバータとの
間には、通常、両者の間の接続を開閉するためのリレー
等が設けられる。インバータやモータの保守、点検、修
理等の際には、それに先立ちこのリレーを開く。その
際、インバータ入力段の蓄電手段に電荷がたまっている
と作業が困難になるから、リレーを開いた後この蓄電手
段から電荷を放電させる必要がある。
【0003】放電のための最も簡便な方法は、放電抵抗
を用いる方法である。例えば、直流電源とインバータの
間のリレーを開くと同時に放電抵抗を回路に挿入し蓄電
手段から放電させる方法がある。放電手段による電力消
費等がさほど問題にならない場合には、放電抵抗を常時
回路に挿入しておいてもよい。しかし、このような方法
は、放電抵抗やこの放電抵抗を回路に挿入する手段(例
えばリレー)が必要になるため、装置構成の小型化・簡
素化、高信頼化に適していない。実開昭63−2939
1号においては、このような不具合を排除すべく、直流
電源とインバータの間のリレーが開いた後にインバータ
を動作させ、蓄電手段からモータの巻線に電流Iを供給
している。すなわち、モータ巻線の抵抗Rにより、蓄電
手段からの電流Iはジュール熱
【数1】 として消費される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述のようにモータ巻
線の抵抗Rを利用して蓄電手段から放電させる際には、
モータが回転しないよう、インバータの動作を制御する
必要がある。ここに、実開昭63−29391号におい
て使用しているモータは誘導モータであるから、モータ
内で磁界が交番しないように巻線に電流を流せばよい。
しかし、モータとして永久磁石モータ、すなわち永久磁
石により励磁される同期モータを使用している場合に
は、磁界がモータ内で交番しないよう巻線に電流を流し
たとしても、モータの回転をさしとどめることはできな
い。すなわち、永久磁石により生成された磁界と巻線電
流により生成された磁界との鎖交により、モータにトル
クが付与されてしまう。このようにして生じるトルクは
さほど大きくはないものの、モータに振動をもたらすた
め、使用者に不快感を与える。
【0005】本発明は、このような問題を解決すること
を課題としてなされたものであり、直流電源から切り離
された後のインバータの制御方法の改善により、モータ
にトルクを付与することなく、蓄電手段の電荷を永久磁
石モータの巻線にて消費放電させることができる放電装
置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の各構成に係る放
電装置は、インバータが直流電源に接続されていると
き、励磁電流指令及びトルク電流指令を、必要なモータ
出力に応じそれぞれ設定する手段と、インバータからモ
ータに供給されるモータ電流Iのうち、永久磁石と共に
モータを励磁する励磁電流成分Idを励磁電流指令Id
に従い、モータにトルクTを付与するトルク電流成分
Iqをトルク電流指令Iqに従い、それぞれ制御する
手段と、を備えるベクトル制御装置において使用され
る。
【0007】そのうち本発明の第1の構成に係る放電装
置は、インバータが直流電源に接続されていないとき、
少なくともインバータ内部の蓄電手段が実質的に放電終
了したと見なせるまで、励磁電流指令Idを非ゼロ
に、トルク電流指令Iqを実質的にゼロに、それぞれ
設定する手段を備えることを特徴とする。ここに、極対
数をp、永久磁石の磁束(主磁束)をφ、回転子のd軸
インダクタンスをLd、q軸インダクタンスをLqと表
した場合、上述のモータのトルクTは、
【数2】 と表される。従って、実質的にゼロに設定されたトルク
電流指令Iqに従いトルク電流成分Iqを制御するこ
とにより、トルクTを実質的にゼロにすることができ、
モータの回転や振動を防止できる。また、モータ電流I
と励磁電流成分Id及びトルク電流成分Iqの間には
(三相のとき)
【数3】 の関係があるから、トルク電流指令Iqを実質的にゼ
ロに設定したときのモータ電流Iは実質的に
【数4】 と表される。従って、励磁電流指令Idを非ゼロに設
定しこの励磁電流指令Idに従い励磁電流成分Idを
制御することにより、ジュール熱Pによる放電を実現で
きる。
【0008】また、本発明の第2及び第3の構成に係る
放電装置は、さらに、モータの各相電流の制御等のた
め、励磁電流指令Id及びトルク電流指令Iqを設
定した座標系をモータの回転子の回転に追従するよう回
転させる構成を前提とする。この座標系をモータの回転
子の回転に追従するよう回転させるためには、モータの
回転子位置を検出しあるいは推定する必要がある。その
際、モータの回転子位置の検出値又は推定値に誤差が含
まれているとすると、真のdq座標系(図1中破線)に
対して電気角でδだけずれたdq座標系(図1中実線)
上で、励磁電流指令Id及びトルク電流指令Iq
設定されることになる。従って、励磁電流指令Id
非ゼロに、トルク電流指令Iqを実質的にゼロに、そ
れぞれ設定したつもりであっても、実際には図1に示さ
れるように誤差δに応じたわずかなトルク電流成分Iq
が生じる。本発明の第2及び第3の構成は、誤差δに起
因してトルク電流成分Iqが生じた場合であっても、モ
ータが回転又は振動しないようにする構成である。
【0009】まず、本発明の第2の構成に係る放電装置
は、第1の構成に加え、上記放電の際励磁電流指令Id
の符号を周期的に反転させる手段を備えることを特徴
とする。すなわち、図1に示される誤差δによりわずか
なトルク電流成分Iqが生じる場合であっても、図2に
示されるように、励磁電流指令Idの符号を周期的に
反転させるのにつれトルク電流成分Iqの符号も周期的
に反転する。これに伴い、トルク電流成分Iqによって
生じる微小なトルクTの符号も周期的に反転するから、
モータの回転や振動は生じにくい。
【0010】次に、本発明の第3の構成に係る放電装置
は、第1の構成に加え、上記放電の際、上記回転子位置
の変動が打ち消されるようトルク電流指令Iqを一時
的に非ゼロの微小値に設定する手段を備えることを特徴
とする。すなわち、図1に示される誤差δによりわずか
なトルク電流成分Iqが生じる場合であっても、図3に
示されるように、これを打ち消す方向のわずかなトルク
電流指令Iqを発生させれば、モータの回転や振動は
生じにくくなる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態に
関し図面に基づき説明する。
【0012】図4には、本発明の一実施形態に係る電気
自動車のシステム構成が示されている。この図に示され
る電気自動車は永久磁石モータを車両走行用のモータ1
0として使用している。また、モータ10の駆動電力
は、インバータ12を介しバッテリ14から供給されて
いる。すなわち、バッテリ14の放電出力はインバータ
12によって三相交流に変換され、モータ10の各相巻
線に供給されている。なお、インバータ12は、直流か
ら三相交流への電力変換のための複数個のスイッチング
素子(例えばIGBT)の他、バッテリ14の出力を平
滑化するためのコンデンサCを内蔵している。後述の制
御を実行しているため、コンデンサCの放電のための抵
抗等は不要である。
【0013】インバータ12の動作は、電子制御ユニッ
ト(ECU)16によって制御される。ECU16は、
イグニッションスイッチがオンされるのに伴い動作を開
始し、回路から供給されるアクセル信号、ブレーキ信
号、シフトポジション信号等に基づきトルク指令を算出
する。ECU16は、算出したトルク指令に基づきパル
ス幅変調(PWM)信号を生成し、生成したPWM信号
に基づきインバータ12を構成する各スイッチング素子
のスイッチング動作を制御する。ECU16は、また、
このような制御を行う際、モータ10に付設された回転
子位置センサ18、例えばレゾルバ等の出力でありモー
タ10の回転子の位置θを示す回転子センサ信号や、イ
ンバータ12からモータ10に供給される各相電流I
u,Iv,Iwのフィードバック信号や、バッテリ14
の電圧を示す信号や、インバータ12への入力電圧VI
NVを示す信号を入力する。ECU16は、さらに、バ
ッテリ14とインバータ12の間に設けられたリレーユ
ニット20を制御することによりバッテリ14とインバ
ータ12の間の接続を開閉し、また、リレー22を制御
することによりECU16及びインバータ12への制御
電源(+12V)の供給を制御する。
【0014】図5には、ECU16の内部機能の一部が
示されている。この図に示されるように、ECU16は
トルク指令算出部24を内蔵している。トルク指令算出
部24は、イグニッションスイッチがオンされた後、ア
クセル信号、ブレーキ信号、シフトポジション信号等に
基づきトルク指令Tを算出する。電流指令算出部26
は、トルク指令T及びモータ10の回転数(厳密には
モータ10の電気角速度ωe)に基づき、励磁電流指令
Id及びトルク電流指令Iqを算出する。3相/d
−q変換部28は、インバータ12からフィードバック
されるモータ10の各相電流Iu,Iv,Iwに基づき
次の式
【数5】 に基づく演算を行うことにより、モータ10に供給され
ている励磁電流Id及びトルク電流Iqを検出する。演
算式に含まれている変数θeはモータ10の電気角であ
り、回転子位置センサ18により得られる回転子位置
(角度)θに基づき次の式
【数6】 により得られる。図中、符号30で表されているのは、
θに極対数pを乗ずるための係数器である。また、図中
符号32で表されている微分器は、
【数7】 の演算を行うことにより前述の電気角速度ωeを求める
手段である。
【0015】減算器34及び36は、それぞれ、励磁電
流指令Id又はトルク電流指令Iqから励磁電流I
dの検出値又はトルク電流Iqの検出値を減ずることに
より、指令に対する検出値の偏差
【数8】 を算出する。減算器34及び36の後段に設けられてい
るPI制御部38及び40は、次の式
【数9】 の右辺第1項及び第2項の演算を行う。ここに、Kpd
及びKpqは比例ゲインであり、Kid及びKiqは積
分ゲインである。Kpd及びKidはPI制御部38に
おいて、Kpq及びKiqはPI制御部40においてそ
れぞれ使用される。
【0016】PI制御部38の後段には減算器42が、
PI制御部40の後段には加算器44が、それぞれ設け
られている。減算器42には、トルク電流Iqに乗算器
46により電気角速度ωeを乗じ更に係数器48により
q軸インダクタンスLqを乗じた値、すなわち上述のV
dの式の右辺第3項の値が入力されている。減算器42
は、PI制御部38の出力から係数器48の出力を減ず
ることにより、上述のVdの式の右辺を演算し、励磁電
圧指令Vdを求める。他方、加算器44には、励磁電流
Idに乗算器50により電気角速度ωeを乗じ更に係数
器52によりd軸インダクタンスLdを乗じた値と、電
気角速度ωeに係数器54により逆起電圧定数Keを乗
じた値とが、加算器56を介し入力されている。従っ
て、加算器56から加算器44に入力されるのは、前述
のVqの式の右辺第3項及び第4項の値である。加算器
44から出力されるのは、上述のVqの式の右辺であ
り、これにより、トルク電圧指令Vqが得られる。
【0017】d−q/3相変換部58は、励磁電流指令
Vd及びトルク電圧指令Vqを、電気角θeを用い次の
演算
【数10】 の演算を行うことにより、U相電圧指令Vu及びW相電
圧指令Vwに変換する。すなわち、モータ10の電気角
θeに応じ、ひいては回転子位置センサ18により検出
される回転子位置θに応じ、モータ10の回転につれて
回転するよう、励磁電圧指令Vd及びトルク電圧指令V
q(ひいては励磁電流指令Id及びトルク電流指令I
)に係る座標系を回転させる。d−q/3相変換部
58の後段に設けられている減算器60は、平衡3相で
あることを利用し、次の式
【数11】 の演算を行うことによりV相電圧指令Vvを演算する。
U,V,W各相電圧指令Vu,Vv,Vwは、それぞ
れ、比較器62、64又は66において三角波等の基準
値と比較されることによりPWM信号に変換され、イン
バータ12の各スイッチング素子に対し図示しないプリ
ドライブ回路等を介して供給される。
【0018】ディスチャージ制御部68は、イグニッシ
ョンスイッチがオフされた場合に、リレーユニット20
をオフさせた上で電流指令算出部26による電流指令の
算出を停止させ、さらに励磁電流指令Idに非ゼロの
所定値を、トルク電流指令Iqに0を、それぞれ設定
する手段である。その際、ディスチャージ制御部68
は、インバータ電圧VINVを参照する。
【0019】図6には、ECU16の動作の流れが示さ
れている。この図に示されるように、ECU16は、ま
ずイグニッションスイッチがオンされさらにスタータ信
号が発生すると(100)、リレーユニット20を接続
する等のシステム起動制御を実行し(102)、その後
イグニッションスイッチがオフされるまでは(10
4)、ステップ106〜112に示される制御を実行す
る。すなわち、ECU16は、アクセル信号、ブレーキ
信号、シフトポジション信号等を入力し(106)、こ
れらに基づきかつ前述のトルク指令算出部24によりト
ルク指令Tを算出する(108)。ECU16は、続
いて、前述の電流指令算出部26により励磁電流指令I
及びトルク電流指令Iqを算出し(110)、算
出した励磁電流指令Id及びトルク電流指令Iq
基づきPWM信号を生成することによりモータ10の各
相巻線に流れる電流を制御する(112)。
【0020】ある時点でイグニッションスイッチがオフ
されると(104)、ECU16のディスチャージ制御
部68はリレーユニット20をオフさせ(114)、さ
らにディスチャージ制御時間タイマを起動させる(11
6)。ディスチャージ制御部68は、続いて、回転子位
置センサ18により検出される回転子位置θ(又はこれ
に基づき得られる電気角θe)を入力し(118)、続
いて、励磁電流指令Idを非ゼロの所定値に、またト
ルク電流指令Iqを0に、それぞれ設定する(12
0)。このように設定された励磁電流指令Id及びト
ルク電流指令Iqに基づきモータ10の各相電流の制
御が行われた場合、原理上、トルク電流指令Iqが0
であるからモータ10にトルクは付与されず、また、励
磁電流指令Idが非ゼロであるから励磁電流Idによ
ってコンデンサCの電荷が放電される。ディスチャージ
制御部68は、このような制御を実行しながらインバー
タ電圧VINVをインバータ12から入力し(12
6)、入力したインバータ電圧VINVが許容値より小
さくなった時点でコンデンサCが十分放電したとみなし
(128)、リレー22の励磁を解除することによりE
CU16及びインバータ12への電源供給をオフする
(132)。
【0021】また、このようなインバータ電圧VINV
に係る終了条件が成立した場合以外であっても、ECU
16がステップ120に係る動作を終了する場合があ
る。例えば、ステップ116において起動されたディス
チャージ制御時間タイマがタイムアップした場合(13
0)、ECU16のディスチャージ制御部68の動作は
ステップ132に移行する。すなわち、インバータ電圧
VINVの検出系統その他に故障が発生した場合であっ
ても、ディスチャージ制御時間タイマがタイムアップし
た時点で、ステップ120に係るディスチャージ制御か
ら脱出することができる。また、ステップ120に続く
ステップ122においては、回転子位置センサ18を利
用してモータ10の回転子位置θが検出されている。続
くステップ124においては、ステップ118において
検出した回転子位置θ(=θ1)とステップ122にお
いて検出した回転子位置θ(=θ2)の差の絶対値|θ
1−θ2|が許容値を上回っているか否かが判定され
る。その結果、上回っていると判定された場合には、デ
ィスチャージ制御部68の動作はステップ132に移行
する。すなわち、トルク電流指令Iqを0に制御して
いるのであるから本来であればθ1とθ2は実質的に同
一の値でなくてはならない。ステップ124において|
θ1−θ2|>許容値の条件が成立している場合、例え
ば回転子位置センサ18の故障等、なんらかの不具合が
発生していると見なすことができるから、ECU16は
ステップ120に係るディスチャージ制御を中止する。
【0022】このように、本実施形態によれば、モータ
10として永久磁石モータを使用している場合であって
も、モータ10にトルクを付与することなく、従ってモ
ータ10の回転や振動を発生させることなく、インバー
タ12に内蔵されるコンデンサCの電荷を放電すること
ができる。従って、モータ10の振動が使用者に不快感
を与えることはない。また、その際、放電抵抗やこの放
電抵抗を回路に挿入するためのリレー等を用いる必要が
ないから、回路構成も簡素なものとなり、信頼性も高ま
る。さらに、ステップ130においてディスチャージ制
御時間タイマのタイムアップに応じステップ120に係
るディスチャージ制御を中止しているから、イグニッシ
ョンスイッチがオフされた後ある程度の時間が経過する
と必ずECU16及びインバータ12の制御電源がオフ
されることとなり、その後の操作等になんら支障のない
システムが得られる。更に、ステップ118及び122
にて検出される回転子位置θ1とθ2の差の絶対値に関
し判定を行い、この絶対値が許容値より大きい場合にデ
ィスチャージ制御を中止するようにしているため、回転
子位置センサ18の故障等に迅速に対処することができ
る。加えて、前述の実開昭63−29301号公報に記
載の装置と異なり、コンデンサCの充放電電流等を検出
する必要がないから、その面でも装置構成が簡素かつ小
型となる。
【0023】図7には、本発明の第2実施形態における
ECU16の動作の流れが示されている。ただし、この
図では、図6と共通する部分に関しては簡単化のため省
略している。この実施形態においては、図6におけるス
テップ126及び128が省略されている。これによ
り、インバータ電圧VINVを検出する手段を省略する
ことができる。ただし、ディスチャージ制御時間タイマ
がタイムアップするまでは(ステップ124にて|θ1
−θ2|>許容値と判定された場合を除き)ディスチャ
ージ制御が終了しない。
【0024】図8には、本発明の第3実施形態における
ECU16の動作の流れが示されている。この図におい
ても、図6に示される動作と共通する部分は簡単化のた
め省略されている。この実施形態の特徴とするところ
は、ステップ130においてディスチャージ制御時間タ
イマがまだタイムアップしていないと判定された場合
に、励磁電流指令Idの符号を反転するステップ13
4が実行される点である。すなわち、この実施形態にお
いては、図2に示される原理に従い、モータ10の振動
が抑制される。従って、この実施形態によれば、回転子
位置センサ18の出力になんらかの誤差が含まれている
場合であっても、この誤差に起因したモータ10の振動
が発生することがなく、さらに違和感のないシステムを
得ることができる。
【0025】図9には、本発明の第4実施形態における
ECU16の動作の流れが示されている。この図におい
ても、図6に示される動作と共通する部分は簡単化のた
め省略されている。この実施形態が特徴とするところ
は、ステップ130によってディスチャージ制御時間タ
イマがタイムアップしていないと判定された場合に、励
磁電流指令Idを非ゼロの所定値、トルク電流指令I
をモータ10の回転を打消す微小値とするディスチ
ャージ制御が実行される点である(120A)。ステッ
プ120A実行後は、ステップ122に移行する。すな
わち、この実施形態においては、前述の図3に示される
原理に基づく制御が実行される結果、回転子位置センサ
18の出力に誤差が含まれている場合であってもモータ
10に振動が発生しないシステムが得られる。
【0026】なお、以上の説明では、電気自動車の走行
用モータ10を例としたが、本発明は電気自動車以外に
も適用することができる。さらに、図5においては、モ
ータ10の各相電流Iu,Iv,Iwを励磁電流Id及
びトルク電流Iqに変換し、また励磁電圧指令Vd及び
トルク電圧指令Vqを各相電圧指令Vu,Vv,Vwに
変換する構成を示したが、本発明は、d軸成分及びq軸
成分への変換を行わないようなベクトル制御手法にも適
用することができる。加えて、モータ10の回転子位置
や電気角を検出ではなく推定する構成にも適用すること
ができる。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の第1の構
成によれば、インバータが直流電源に接続されていない
とき、少なくともインバータ内部の蓄電手段が実質的に
放電終了したと見なせるまで、励磁電流指令Idを非
ゼロに、トルク電流指令Iqを実質的にゼロに、それ
ぞれ設定するようにしたため、トルクTを実質的にゼロ
にしながら、インバータ内部の蓄電手段の電荷を永久磁
石モータの巻線にて消費放電させることができる。これ
により、放電時のモータ振動を防止乃至低減でき、使用
者の不快感を軽減できる。
【0028】また、本発明の第2の構成によれば、放電
の際励磁電流指令Idの符号を周期的に反転させるよ
うにしたため、モータの回転子位置に含まれる誤差δに
よるトルク電流成分Iqの影響を軽減でき、従ってこの
誤差δに起因したモータの回転及び振動を防止できる。
【0029】さらに、本発明の第3の構成によれば、放
電の際回転子位置の変動が打ち消されるようトルク電流
指令Iqを一時的に微小値に設定するようにしたた
め、モータの回転子位置に含まれる誤差δによるトルク
電流成分Iqの影響を軽減でき、従ってこの誤差δに起
因したモータの回転及び振動を防止できる。
【0030】
【補遺】なお、本発明は次のような構成として把握する
こともできる。
【0031】本発明の第4の構成に係るベクトル制御装
置は、インバータが直流電源に接続されているとき、励
磁電流指令Id及びトルク電流指令Iqを、必要な
モータ出力に応じそれぞれ設定する手段と、インバータ
が直流電源に接続されていないとき、少なくともインバ
ータ内部の蓄電手段が実質的に放電終了したと見なせる
まで、励磁電流指令Idを非ゼロに、トルク電流指令
Iqを実質的にゼロに、それぞれ設定する手段と、イ
ンバータからモータに供給されるモータ電流Iのうち、
モータを励磁する励磁電流成分Idを励磁電流指令Id
に従い、モータにトルクTを付与するトルク電流成分
Iqをトルク電流指令Iqに従い、それぞれ制御する
手段と、を備え、永久磁石により励磁されるモータにト
ルクTを付与することなく、上記蓄電手段に蓄えられて
いる電荷をモータにて放電させることを特徴とする。本
構成によれば、第1の構成と同様の作用効果が得られ
る。
【0032】本発明の第5の構成に係るベクトル制御装
置は、インバータが直流電源に接続されているとき、励
磁電流指令Id及びトルク電流指令Iqを、必要な
モータ出力に応じそれぞれ設定する手段と、インバータ
が直流電源に接続されていないとき、少なくともインバ
ータ内部の蓄電手段が実質的に放電終了したと見なせる
まで、励磁電流指令Idを非ゼロに、トルク電流指令
Iqを実質的にゼロに、それぞれ設定する手段と、イ
ンバータからモータに供給されるモータ電流Iのうち、
モータを励磁する励磁電流成分Idを励磁電流指令Id
に従い、モータにトルクTを付与するトルク電流成分
Iqをトルク電流指令Iqに従い、それぞれ制御する
手段と、モータ電流Iを制御する際、モータの回転子の
回転に追従するよう、励磁電流指令Id及びトルク電
流指令Iqから構成される座標系をモータの回転子位
置の検出値に基づき回転させる手段と、上記放電の際励
磁電流指令Idの符号を周期的に反転させる手段と、
を備え、モータの回転子位置に誤差が含まれている場合
であっても永久磁石により励磁されるモータにトルクT
を付与することなく、上記蓄電手段に蓄えられている電
荷をモータにて放電させることを特徴とする。本構成に
よれば、第2の構成と同様の作用効果が得られる。
【0033】本発明の第6の構成に係るベクトル制御装
置は、インバータが直流電源に接続されているとき、励
磁電流指令Id*及びトルク電流指令Iqを、必要な
モータ出力に応じそれぞれ設定する手段と、インバータ
が直流電源に接続されていないとき、少なくともインバ
ータ内部の蓄電手段が実質的に放電終了したと見なせる
まで、励磁電流指令Idを非ゼロに、トルク電流指令
Iqを実質的にゼロに、それぞれ設定する手段と、イ
ンバータからモータに供給されるモータ電流Iのうち、
モータを励磁する励磁電流成分Idを励磁電流指令Id
に従い、モータにトルクTを付与するトルク電流成分
Iqをトルク電流指令Iqに従い、それぞれ制御する
手段と、上記放電の際、上記回転子位置の変動が打ち消
されるようトルク電流指令Iqを一時的に微小値に設
定する手段と、を備え、モータの回転子位置に誤差が含
まれている場合であっても永久磁石により励磁されるモ
ータにトルクTを付与することなく、上記蓄電手段に蓄
えられている電荷をモータにて放電させることを特徴と
する。本構成によれば、第3の構成と同様の作用効果が
得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 回転子位置の誤差に起因した座標系のずれを
説明するための概念図である。
【図2】 励磁電流指令Idの符号を周期的に反転す
ることによる振動低減の原理を示す概念図である。
【図3】 回転子位置の誤差に起因したトルク電流成分
Iqの誤差を打消すべくトルク電流指令Iqを発生さ
せる原理を示す概念図である。
【図4】 本発明の各実施形態に係る電気自動車のシス
テム構成を示すブロック図である。
【図5】 ECUの内部機能を示すブロック図である。
【図6】 本発明の第1実施形態におけるECUの動作
の流れを示すフローチャートである。
【図7】 本発明の第2実施形態におけるECUの動作
の流れを示すフローチャートである。
【図8】 本発明の第3実施形態におけるECUの動作
の流れを示すフローチャートである。
【図9】 本発明の第4実施形態におけるECUの動作
の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 モータ、12 インバータ、14 バッテリ、1
6 ECU(電子制御ユニット)、18 回転子位置セ
ンサ、20 リレーユニット、22 リレー、T
ルク指令、Id 励磁電流指令、Iq トルク電流
指令、Vd 励磁電圧指令、Vq トルク電圧指令、V
u,Vv,Vw U,V,W各相電圧比例、Iu,I
v,Iw U,V,W各相電流、Id 励磁電流、Iq
トルク電流、θ 回転子位置(角度)、θe 電気
角、ωe 電気角速度、VINV インバータ電圧。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インバータが直流電源に接続されている
    とき、励磁電流指令及びトルク電流指令を、必要なモー
    タ出力に応じそれぞれ設定する手段と、インバータから
    モータに供給されるモータ電流のうち、永久磁石と共に
    モータを励磁する励磁電流成分を励磁電流指令に従い、
    モータにトルクを付与するトルク電流成分をトルク電流
    指令に従い、それぞれ制御する手段と、を備えるベクト
    ル制御装置において使用され、 インバータが直流電源に接続されていないとき、少なく
    ともインバータ内部の蓄電手段が実質的に放電終了した
    と見なせるまで、励磁電流指令を非ゼロに、トルク電流
    指令を実質的にゼロに、それぞれ設定する手段を備える
    ことを特徴とする放電装置。
  2. 【請求項2】 インバータが直流電源に接続されている
    とき、励磁電流指令及びトルク電流指令を、必要なモー
    タ出力に応じそれぞれ設定する手段と、インバータから
    モータに供給されるモータ電流のうち、永久磁石と共に
    モータを励磁する励磁電流成分を励磁電流指令に従い、
    モータにトルクを付与するトルク電流成分をトルク電流
    指令に従い、それぞれ制御する手段と、モータ電流を制
    御する際、モータの回転子の回転に追従するよう、励磁
    電流指令及びトルク電流指令を設定した座標系をモータ
    の回転子位置に応じて回転させる手段と、を備えるベク
    トル制御装置において使用され、 インバータが直流電源に接続されていないとき、少なく
    ともインバータ内部の蓄電手段が実質的に放電終了した
    と見なせるまで、励磁電流指令を非ゼロに、トルク電流
    指令を実質的にゼロに、それぞれ設定する手段と、 上記放電の際励磁電流指令の符号を周期的に反転させる
    手段と、 を備えることを特徴とする放電装置。
  3. 【請求項3】 インバータが直流電源に接続されている
    とき、励磁電流指令及びトルク電流指令を、必要なモー
    タ出力に応じそれぞれ設定する手段と、インバータから
    モータに供給されるモータ電流のうち、永久磁石と共に
    モータを励磁する励磁電流成分を励磁電流指令に従い、
    モータにトルクを付与するトルク電流成分をトルク電流
    指令に従い、それぞれ制御する手段と、モータ電流を制
    御する際、モータの回転子の回転に追従するよう、励磁
    電流指令及びトルク電流指令を設定した座標系をモータ
    の回転子位置に応じて回転させる手段と、を備えるベク
    トル制御装置において使用され、 インバータが直流電源に接続されていないとき、少なく
    ともインバータ内部の蓄電手段が実質的に放電終了した
    と見なせるまで、励磁電流指令を非ゼロに、トルク電流
    指令を実質的にゼロに、それぞれ設定する手段と、 上記放電の際、上記回転子位置の変動が打ち消されるよ
    うトルク電流指令を一時的に非ゼロの微小値に設定する
    手段と、 を備えることを特徴とする放電装置。
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