JPH0970615A - 押出加工用のフローガイド - Google Patents

押出加工用のフローガイド

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JPH0970615A
JPH0970615A JP22939795A JP22939795A JPH0970615A JP H0970615 A JPH0970615 A JP H0970615A JP 22939795 A JP22939795 A JP 22939795A JP 22939795 A JP22939795 A JP 22939795A JP H0970615 A JPH0970615 A JP H0970615A
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die
opening
die hole
flow guide
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恵子 岡崎
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秀男 佐野
Mitsuo Anpo
満夫 安保
Hidenori Ito
秀徳 伊藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 開口部の形状を容易に決定でき、該開口部に
よりダイス孔内部での金属材料の流速を最適化できるフ
ローガイドを提供すること。 【解決手段】 フローガイド開口部53の形状は、以下
の手順で決定されている。まず、最小肉厚a1、及び遅
れ係数Yi が、材料金属の材質、押出温度、押出速度に
応じて定まるので、事前に実験的に求められる。次に、
ダイス孔51の基準点P1〜P10の相当肉厚wi が算
出される。そして、ダイス孔の基準肉厚w 0 と、フロー
ガイド開口部の基準開口幅C0 を適当に選定した上で、
下記数式1に従って図中両端矢印の箇所の寸法が決定さ
れる。この様な形状のフローガイド開口部により、ダイ
ス孔内部での金属材料の流速が最適化される。 【数1】 Ci = C0 ×(w0−a1)/(wi−a1)/ Yi

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ダイス孔各部への
金属材料の流入比を調整することにより、ダイス孔から
押し出される金属材料の流速を制御する押出加工用のフ
ローガイドに関する。
【0002】
【従来の技術】金属材料を押出加工する場合、ダイス孔
各部の肉厚(ダイス孔の壁面間の距離)の違いによっ
て、ダイス孔内における金属材料の流れやすさが異なる
ため、適当な対策をとらないと、最終的に押し出される
金属材料に変形が生じる。
【0003】そこで、一般的には、図12(a)〜同図
(c)に示す様に、ダイス1にダイス孔3を形成するに
当たって、ベアリング部5の押出方向の長さ(以下、ベ
アリング長さという)を、ダイス孔内での流速が早くな
りがちな箇所で長く、遅くなりがちな箇所で短くしてい
る。例えば、図示したダイス孔3の場合、最端部3aの
流速は比較的遅くなるため、他の箇所に比べてベアリン
グ長さは短くされている。また、中央部3bの流速はそ
の両側に比べて早くなるため、ベアリング長さは長くさ
れている。
【0004】また最近、押出操業の省人化のためにプラ
ーが設置され、これに伴い、ビレット(金属材料の塊)
の継ぎ押しにて押出材を連続的に押し出すため、ダイス
1の前面側にダイス孔3の形状に応じて形状が定められ
た開口部7を有するフローガイド9が設置されている。
この様なフローガイド9を設置すると、ダイス孔各部に
おける流速差は更に大きくなる傾向があるため、上述の
様なベアリング長さの切替をより大きくする必要があ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技
術によれば、上記の様なベアリング部5を有するダイス
1で金属材料を押し出すと、ベアリング長さが切り替わ
る箇所(図12(b),同図(c)に例示する点Q1〜
Q7等)において、押出材の表面に筋欠陥が発生しやす
いという問題があった。
【0006】また、ベアリング長さが複雑に変化するベ
アリング部5を、ダイス1に形成しようとすると、ダイ
ス孔3の加工に手間がかかり、ダイス1の製造コストが
増大するという問題もあった。特に、これらの問題は、
上記の様なフローガイド9を設置した場合には顕著にな
るため、連続的な押出加工を行うに当たって大きな問題
となっていた。
【0007】ところで、特公昭31−4920号公報に
は、このフローガイドの開口部の形状を調整して、ダイ
ス孔各部における押出材の流速を調整できる旨が開示さ
れている。この様にフローガイド開口部の形状によっ
て、押出材の流速を調整できれば、上記の様なベアリン
グ長さの切替が、不要となるか最小限で済むようにな
り、押出材表面の筋欠陥を防止できる上に、ダイス孔加
工に手間がかからなくなるものと期待された。
【0008】しかし、同公報によれば、フローガイド開
口部の形状は、必ずしも容易な算術的処置の対象ではな
く、ダイス設計者の適当な判断を必要とするとされ(同
公報第3頁右欄参照)、実際、フローガイド開口部の形
状は、試行錯誤で調整するしかなく、ダイス設計者に相
当な知識と経験がなければ、適当に開口部を設けたフロ
ーガイドを使って押出実験を実施しても、その押出結果
から開口部のどこをどの程度広げ、どこをどの程度狭め
ればよいかといったことは、容易には判断できなかっ
た。しかも、ダイス設計者が相当な熟練者であっても、
何度となく複雑な形状の開口部をフローガイドに形成し
て実験を繰り返していたのでは、多大な手間がかかると
いう問題もあった。
【0009】そこで、本発明は、開口部の形状を容易に
決定でき、該開口部によりダイス孔内部での金属材料の
流速を最適化できるフローガイドを提供することを目的
とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、本発明は、ダイスに形成されたダイス孔の形状に応
じて形状が定められる開口部を有し、前記ダイスの前面
側に設置され、前記開口部の開口幅の広狭によって、ダ
イス孔各部への金属材料の流入比を調整する押出加工用
のフローガイドにおいて、ダイス孔の肉厚wi の箇所に
対応する前記開口部の開口幅Ci が、下記の数式2に従
って決定されていることを特徴とする。
【0011】
【数2】
【0012】但し、w0 はダイス孔の基準肉厚、wi
ダイス孔の所定位置における相当肉厚、C0 はフローガ
イド開口部の基準開口幅、a1はダイス孔の最小肉厚、
iはダイスセンタからの距離による遅れ係数である。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明において、ダイス孔の肉厚
とは、ダイス孔が平板状となる箇所では、ダイス孔をな
す壁面間の距離である。その内、上記基準肉厚w0 は、
実際に押出加工が可能な範囲内で任意に設定すればよい
値で、通常は、ダイスの中心付近におけるダイス孔の肉
厚とするが、ダイス孔各部の肉厚の平均値等としてもよ
い。一方、上記相当肉厚wi は、実測値に基づいて算出
される値で、ダイス孔が平板状の箇所では、上記の通
り、ダイス孔をなす壁面間の距離であるが、ダイス孔の
端部、屈曲部、及び交差部等では、押出材の流れやすさ
に応じて、各部の肉厚を平板部相当の肉厚に換算したも
のである。
【0014】具体例を示せば、図1に例示する様に、ダ
イス孔10を、平板部11、12、13、14と、端部
15、16、17と、屈曲部18と、交差部19とに分
割する。分割位置は、図中一点鎖線で示す様に、端部1
5、16、17、屈曲部18、及び交差部19の肉厚に
応じて決定される。そして、各部の相当肉厚wi は、次
式によって求められる。
【0015】
【数3】
【0016】例えば、端部15であれば、下記の通り、
平板部11の肉厚の2/3に相当するものと換算され
る。
【0017】
【数4】
【0018】端部16、17、屈曲部18、及び交差部
19についても、上記数式3により、同様にして相当肉
厚wi が算出される。なお、平板部11〜14について
も、上記数式3により相当肉厚wi を算出可能である
が、平板部の場合は、相当肉厚wi はいわゆる肉厚その
ものとなる。
【0019】また、本発明において、フローガイド開口
部の開口幅とは、ダイス孔の輪郭線とその周囲を囲むフ
ローガイド開口部の輪郭線との間の距離であり、フロー
ガイドの開口部をなす壁面間の距離ではない。その内、
上記基準開口幅C0 は、基準肉厚w0 の箇所に対応した
フローガイド開口部の開口幅で、実際に押出加工が可能
な範囲内で任意に設定すればよい値である。この基準開
口幅C0 は、他箇所の開口幅Ci の増減調整の基準とな
るので、基準肉厚w0 の箇所が、比較的流速の早くなる
箇所であれば比較的小さな値でよいが、遅くなる箇所で
あれば比較的大きな値とする方が望ましい。
【0020】また、上記最小肉厚a1は、実測値に基づ
いて算出される値である。ダイス孔の肉厚は、薄くする
ほど流出側の押出速度が低下する傾向があるが、両者の
関係は事前に測定可能であり、この関係から理論的に押
出可能である最小肉厚を求めることができる。この最小
肉厚a1を求める方法については、後で具体的な実施例
を挙げて詳述する。
【0021】また、上記遅れ係数Yi は、実測値に基づ
いて算出される値である。金属材料の流速(押出速度)
は、ダイスセンタ(ダイスの中心)で早くなる傾向があ
るが、この傾向は、ダイスセンタにおける押出速度に対
する押出速度の比として、事前に測定可能であり、この
測定された押出速度比を遅れ係数Yi とする。この遅れ
係数Yi を求める方法についても、後で具体的な実施例
を挙げて詳述する。
【0022】上記請求項1記載の押出加工用のフローガ
イドによれば、上記数式2の中のダイス孔の基準肉厚w
0、フローガイド開口部の基準開口幅C0、ダイス孔の最
小肉厚a1、及び遅れ係数Yi は、金属の材質、押出温
度、及び流出側の押出速度を加工条件として任意に選定
した上で、簡単な予備実験を実施すれば決定できるの
で、後は、上記数式2により、ダイス孔の所定位置にお
ける相当肉厚wi に応じて、ダイス孔の肉厚wi の箇所
に対して設定すべきフローガイド開口部の開口幅Ci
算出することができる。
【0023】したがって、事前に簡単な予備実験を行っ
ておくだけで、如何なる形状のダイス孔であっても、上
記数式2に基づいて、所期のフローガイドの開口部の形
状を容易に決定することができる。よって、フローガイ
ドの開口部の形状を、試行錯誤によって調整しなくても
よく、手間がかからない上に、熟練者でなくてもフロー
ガイド開口部の設計ができる。
【0024】特に、算出された開口幅Ci は、上記数式
2によって最適な値が算出され、相当肉厚wi が基準肉
厚w0より小となる箇所では基準開口幅C0よりも大とな
り、一方、相当肉厚wi が基準肉厚w0より大となる箇
所では基準開口幅C0よりも小となる。その結果、ダイ
ス孔内部における流速が早くなりがちな箇所では、金属
材料の流入が抑制され、ダイス孔内部における流速が遅
くなりがちな箇所では、金属材料の流入が促される。
【0025】したがって、ダイス孔のベアリング長さの
切替が、不要となるか最小限で済むようになり、押出材
表面の筋欠陥を防止できる上に、ダイス孔加工に手間が
かからなくなる。以上、本発明の実施の形態について説
明したが、本発明はこれに限定されず、本発明の要旨を
逸脱しない範囲内において種々なる変形が可能である。
【0026】
【実施例】次に、本発明の実施の形態をより一層明確に
するため、本発明を適用したフローガイドの一実施例に
ついて、図面に基づいて説明する。なお、以下に説明す
る実施例は、本発明の実施の形態の一例に過ぎず、本発
明の実施の形態を、以下に例示する具体的な材料や形状
等に制限するものではない。
【0027】押出装置20は、図2に示す通り、コンテ
ナ21、ステム22、フローガイド23、ダイス24、
バッカー25、ボルスター26等を備え、コンテナ21
内に収納されたビレット31をステム22により押圧
し、ダイス24から長尺な押出材32を押し出すもので
ある。
【0028】次に、フローガイド開口部形状の設定手順
について説明する。まず、ダイス孔の肉厚とフローガイ
ド開口部の開口幅が、押出流速に及ぼす影響を調べるた
め、図3に示す様に、2孔平板ダイスとそれに合わせた
フローガイドとを用意した。
【0029】ダイス孔各部の寸法は、ダイス孔幅M1=
15mm,ダイス孔間隔M2=25mm,基準ダイス孔
の肉厚w0 =2mmで、実験用ダイス孔の肉厚wi
1.9mm,2.4mm,3mm,3.7mmの4個を
用意した。なお、いずれもダイス孔のベアリング長さは
2mmである。
【0030】また、フローガイド開口部の寸法は、基準
開口幅C0 =7mmで、上記4個のダイスに対して実験
用開口幅Ci =3mm,5mm,7mm,9mmとなる
16個を用意した。これら4個のダイスにフローガイド
を組み合わせて、全部で16回の押出しを行い、流出側
で基準ダイス孔からの押出速度V0 と、実験用ダイス孔
からの押出速度Vi とを測定した。なお、その他の押出
条件は、コンテナ直径:100mm、ビレット材質:6
063、押出温度:450℃、流出側の押出速度10m
/minである。
【0031】測定結果を、横軸に肉厚wi 、縦軸に押出
速度比Vi /V0 をとってグラフ化すると、図4の通り
である。また、横軸に開口幅Ci 、縦軸に押出速度比V
i /V0 をとってグラフ化すると、図5の通りである。
図4、図5のグラフから明らかな様に、ダイス孔の肉厚
i 、フローガイド開口部の開口幅Ci 、押出速度比V
i /V0 との間には、下記の数式5で近似可能な関係が
認められる。
【0032】
【数5】
【0033】上記数式5において、定数a1は、図4の
グラフに描かれた直線と横軸との交点を示してるが、こ
の値は、フローガイド開口部の開口幅Ci によらず一定
であり、この場合、a1=0.7である。この定数a1
=0.7は、理論上、押出速度Vi =0となる点であ
り、これより肉厚wi が大きい場合には押出可能となる
ことを意味するので、最小肉厚a1と考えることができ
る。また、図5のグラフが原点を通ることから、フロー
ガイド開口部の開口幅Ci をn倍にすれば、押出速度比
i /V0 もn倍にできることが分かる。
【0034】ところで、上記数式5からすれば、肉厚w
0 の箇所と肉厚wi の箇所とで、押出速度比Vi /V0
を一定にするには、下記の数式6が成り立てばよいこと
が分かる。
【0035】
【数6】
【0036】これを整理すると、下記の数式7となる。
【0037】
【数7】
【0038】上記測定結果において、基準開口幅C0
7mm、基準肉厚w0 =2mm、最小肉厚a1=0.7
なので、後は、ダイス孔の肉厚wi が決まれば、当該箇
所において、基準肉厚w0 の箇所と同じ押出速度となる
様な、開口幅Ci が算出される。
【0039】さて、図3に示した2孔平板ダイスでは、
肉厚w0 の箇所と肉厚wi の箇所とが、ダイスセンタか
ら同じ距離にあるが、通常は、ダイス孔各部のダイスセ
ンタからの距離は一様ではなく、このダイスセンタから
の距離も押出速度に影響することが知られている。そこ
で、次に、ダイスセンタからの距離が、押出流速に及ぼ
す影響を調べるため、図6に示す様に、多孔丸穴ダイス
とそれに合わせたフローガイドとを用意した。
【0040】ダイス孔各部の寸法は、各ダイス孔直径5
mm、各ダイス孔のダイスセンタからの距離r0 =0m
m,r1 =15mm,r2 =20mm,r3 =30m
m、ダイス孔のベアリング長さは2mmで、ダイス半径
R=50mmである。また、フローガイド開口部の開口
幅Ci =3mmである。
【0041】このダイスとフローガイドとを組み合わせ
て押出しを行い、流出側でダイスセンタのダイス孔から
の押出速度V0 と、ダイスセンタから距離ri のダイス
孔からの押出速度Vi とを測定した。なお、その他の押
出条件は、コンテナ直径:100mm、ビレット材質:
6063、押出温度:450℃、流出側の押出速度10
m/minである。
【0042】測定結果を、横軸にダイス半径Rに対する
距離ri の比ri /R、縦軸に押出速度比Vi /V0
とってグラフ化すると、図7の通りである。このグラフ
から明らかな様に、上記距離比ri /Rと押出速度比V
i /V0 との間には、ダイスセンタから離れるほど押出
速度Vi が低下する傾向が見られ、この傾向は、図中に
描くような曲線で近似でき、例えば下記の数式8で表す
ことができる。
【0043】
【数8】
【0044】上記数式8において、図7に示した曲線の
場合は、b1=0.7、b2=2.0である。したがっ
て、ダイスセンタから距離ri の箇所での遅れ係数Yi
は、上記数式8に基づいて求めることができる。なお、
図7に示したグラフは、必ずしも数式化する必要はな
く、例えば、グラフから値を直接読み取っても、遅れ係
数Yi を求めることができる。
【0045】この様なダイスセンタからの距離による遅
れは、フローガイド開口部の開口幅Ci を広げることに
より解消できる。図5にも示した通り、フローガイド開
口部の開口幅Ci をn倍すれば、押出速度Vi もn倍に
なるので、例えば、遅れ係数が0.5となる箇所、即
ち、押出速度が半減する箇所では、フローガイド開口部
の開口幅Ci を2倍すればよいことになる。
【0046】即ち、ダイスセンタから距離ri による押
出速度の遅れも考慮すれば、上記数式7は、下記数式9
に書き直すことができる。
【0047】
【数9】
【0048】次に、上記数式9に基づいて、図8(a)
に示すようなダイス孔51に対して、フローガイド開口
部の設計を行った。ダイス孔51は、図8(a)に示す
様に、略コ字形の断面形状を有し、各部の寸法は、T1
=4mm,T2=2.8mm,T3=2mm,T4=1
17mm,T5=55mmである。フローガイド開口部
の形状を決定するための基準点P1〜P10は、図中二
点鎖線の箇所S1〜S4で、ダイス孔51を端部、平板
部、屈曲部に分割した上で、ダイスセンタからの距離も
考慮して適当に選んである。
【0049】基準点P1〜P10における相当肉厚
i 、ダイスセンタからの距離ri 、遅れ係数Yi は、
下記表1の通りである。また、基準開口幅C0 =7m
m、基準肉厚w0 =2mm、最小肉厚a1=0.7であ
り、これらを上記数式9に代入して計算すると、下記表
1に併せて示す開口幅Ci が算出される。
【0050】
【表1】
【0051】上記算出結果に基づいて決定したフローガ
イド開口部53を図8(b)に示す。同図において、図
中両端矢印で示す箇所が、図8(a)に示した基準点P
1〜P10に対応して算出された開口幅Ci となってお
り、開口幅Ci が大きく切り替わる箇所は、滑らかに曲
線で結んである。なお、この様に開口幅Ci が大きく切
り替わる箇所では、上記基準点を多数とることにより、
より厳密に開口幅Ciを設定できるが、例示した程度の
基準点をとって滑らかに結べば、実用上は問題がない。
【0052】次に、図8に示したダイス孔51を有する
ダイスと、開口部53を有するフローガイドを、図2に
示した押出装置20に装着して押出を行った。押出条件
は、コンテナ直径:200mm、ビレット材質:606
3、押出温度:480℃、流出側の押出速度25m/m
inである。なお、コンテナ直径は、上記予備実験と異
なるが、遅れ係数Yi を算出する際に、上記数式9の右
辺の変数Rに代入されることによって考慮されている。
また、押出温度は、6063の実用的な押出温度(44
0〜480℃)の範囲内であれば、上記数式9の計算結
果に影響を与えるような変化はない。更に、押出速度に
ついても、6063の実用的な押出速度(10〜30m
/分)の範囲内であれば、上記数式9の計算結果に影響
を与えるような変化はない。
【0053】そして、得られた押出材の寸法を確認する
ため、図8(a)中に示した長さT4に相当する箇所の
長さを測定した。その結果を、図9に示す。図9からも
明らかな様に、要求寸法を満たした押出材を、安定して
20m以上押出すことができた。また、押出材の表面に
は、筋欠陥が認められなかった。
【0054】この様に、上記数式9に基づいて形状が定
められた開口部53を有するフローガイドによれば、ダ
イス孔のベアリング長さの切替が不要となり、押出材表
面の筋欠陥を防止できる上に、ダイス孔加工に手間がか
からなくなる。また、数式に基づいて、開口幅を決定し
てあるので、事前に簡単な予備実験を行っておくだけ
で、開口部の形状を容易に決定することができる。した
がって、フローガイドの開口部の形状を試行錯誤によっ
て調整しなくてもよく、手間がかからない上に、熟練者
でなくてもフローガイド開口部の設計ができる。
【0055】以上、本発明の一実施例について説明した
が、本発明の具体的な構成については、上記実施例以外
にも、本発明の要旨を逸脱しない範囲内の種々なる態様
を採用することができる。例えば、実施例では、断面コ
字形のダイス孔に対応したフローガイドを示したが、本
発明は種々の断面形状のダイス孔に対して適用可能であ
る。
【0056】具体例を示せば、例えば、図10(a)に
示すようなダイス孔D1に対しては、上記数式8に基づ
いて、図10(b)に示す様な形状のフローガイド開口
部F1が決定できる。また、図11(a)に示すような
ダイス孔D2に対しては、上記数式8に基づいて、図1
1(b)に示す様な形状のフローガイド開口部F2が決
定できる。なお、図10、図11において、図中に示し
た数字は、ダイス孔D1,D2及びフローガイド開口部
F1,F2の各部の寸法である。
【0057】また、実施例では、ダイス孔のベアリング
長さが一定にできる旨を説明したが、実際の押出によっ
て更に厳密な調整が必要と判断されれば、ダイス孔のベ
アリング長さを微調整してもよい。この場合でも、ダイ
ス孔のベアリング長さの切替は、最小限で済むので、従
来技術に比べると、押出材表面の筋欠陥を防止できる。
【0058】
【発明の効果】以上の如く、本発明のフローガイドによ
れば、開口部の形状を容易に決定でき、その開口部によ
りダイス孔内部での金属材料の流速を最適化できる。し
たがって、フローガイドの開口部の形状を、試行錯誤に
よって調整しなくてもよく、手間がかからない上に、熟
練者でなくてもフローガイド開口部の設計ができる。ま
た、ダイス孔のベアリング長さの切替が、不要となるか
最小限で済むようになり、押出材表面の筋欠陥を防止で
きる上に、ダイス孔加工に手間がかからなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ダイス孔の分割方法を例示する説明図であ
る。
【図2】 実施例の押出装置の概略を示す構成図であ
る。
【図3】 2孔平板ダイスとそれに適合するフローガイ
ドの正面図である。
【図4】 ダイス穴の肉厚と押出速度比との関係を表す
グラフである。
【図5】 フローガイドの開口幅と押出速度比との関係
を表すグラフである。
【図6】 多孔丸穴ダイスとそれに適合するフローガイ
ドの正面図である。
【図7】 ダイス半径に対するダイスセンタからの相対
距離と押出速度比との関係を表すグラフである。
【図8】 実施例のダイス穴及びフローガイド開口部を
示し、(a)はダイス穴の正面図、(b)はダイス穴及
びフローガイド開口部の正面図である。
【図9】 実施例のダイスを使って押出した押出材の押
出長さと測定寸法との関係を表すグラフである。
【図10】 他の実施例としてのダイス穴及びフローガ
イド開口部を示し、(a)はダイス穴の正面図、(b)
はダイス穴及びフローガイド開口部の正面図である。
【図11】 更に他の実施例としてのダイス穴及びフロ
ーガイド開口部を示し、(a)はダイス穴の正面図、
(b)はダイス穴及びフローガイド開口部の正面図であ
る。
【図12】 従来のダイス及びフローガイドを示し、
(a)はその正面図、(b)はA−A線断面図、(c)
はB−B線断面図である。
【符号の説明】
20・・・押出装置、21・・・コンテナ、22・・・
ステム、23・・・フローガイド、24・・・ダイス、
25・・・バッカー、26・・・ボルスター、31・・
・ビレット、32・・・押出材。
フロントページの続き (72)発明者 伊藤 秀徳 東京都港区新橋5丁目11番3号 住友軽金 属工業株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ダイスに形成されたダイス孔の形状に応
    じて形状が定められる開口部を有し、前記ダイスの前面
    側に設置され、前記開口部の開口幅の広狭によって、ダ
    イス孔各部への金属材料の流入比を調整する押出加工用
    のフローガイドにおいて、 ダイス孔の肉厚wi の箇所に対応する前記開口部の開口
    幅Ci が、下記の数式1に従って決定されていることを
    特徴とする押出加工用のフローガイド。 【数1】 [但し、w0 はダイス孔の基準肉厚、wi はダイス孔の
    所定位置における相当肉厚、C0 はフローガイド開口部
    の基準開口幅、a1はダイス孔の最小肉厚、Yiはダイ
    スセンタからの距離による遅れ係数。]
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002317255A (ja) * 2001-04-17 2002-10-31 Sumitomo Light Metal Ind Ltd 自動車ブレーキ用部材及びその製造方法
CN116140397A (zh) * 2023-03-15 2023-05-23 兴发铝业(成都)有限公司 一种具有顶柱的挤压模具

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