JPH0970843A - 内圧成形用プレッシャーバッグ - Google Patents

内圧成形用プレッシャーバッグ

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JPH0970843A
JPH0970843A JP7228141A JP22814195A JPH0970843A JP H0970843 A JPH0970843 A JP H0970843A JP 7228141 A JP7228141 A JP 7228141A JP 22814195 A JP22814195 A JP 22814195A JP H0970843 A JPH0970843 A JP H0970843A
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Teizo Kumagai
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 変曲点の形成が困難であったり、その変曲点
の形成部にエアー溜まりによる粗面を形成したりするこ
とがなく、設計値通りの変曲点を管状体に形成する事が
可能となる。このような技術効果をプレッシャーバッグ
の膜厚を設計段階で変化させることにより可能とする。 【解決手段】 内圧成形用のプレッシャーバッグ3に於
て、外周に巻き付けた熱硬化性樹脂シート4の、成形硬
化後の変曲点に対応する対応変曲部8の膜厚を、周囲の
膜厚よりも薄く形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、釣竿、スキーのストッ
ク、ゴルフのシャフト、テニスラケットの枠、その他の
管状体等を熱硬化性樹脂を用いて形成する場合に用いる
プレッシャーバッグに係るものである。このプレッシャ
ーバッグは、熱硬化性樹脂シートをその外周に巻き付け
て成形型内に挿入し、この熱硬化性樹脂シートを内側か
ら成形型の内面に押圧して成形する場合に用いるもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、上述の如き中空の管状物を、熱硬
化性樹脂により形成する場合に、内面が目的の製品の形
状になっている成形型内に、熱硬化性樹脂と強化繊維を
混合した熱硬化性樹脂樹脂シート、強化繊維を熱硬化性
樹脂でプリプレイグした熱硬化性樹脂シートあるいはシ
ート状の熱硬化性樹脂と強化繊維シートを積層して形成
した熱硬化性樹脂樹脂シートをセットし、その内側にゴ
ム弾性を有するプレッシャーバッグを配置するものが知
られている。
【0003】この方法は、成形型を加熱し、上記の熱硬
化性樹脂シートが適度の塑性をもった時に、プレッシャ
ーバッグに適度の速度で加圧流体を注入して加圧膨脹さ
せる事により、熱硬化性樹脂シートを、目的とする厚
さ、変化量で塑性変形させて成形型の内面に密着させる
ものである。このような成形時に用いる内圧成形用プレ
ッシャーバッグは従来より知られている。
【0004】そして、このようなプレッシャーバッグ
は、内部に導入する流体の圧力を高めて、熱硬化性樹脂
シートの空隙を極力減少させ、成型品の高密度化を図っ
ている。そして、所定の温度と時間をかけて熱硬化性樹
脂シートを熱硬化させた後、成形型から取り出し、成形
した製品からプレッシャーバッグを取り出す事が行われ
ている。このような成形方法の特徴は、複雑な形状の中
空で高密度な成形品を、比較的簡単な設備で作る事がで
きるため、従来から多く用いられているものである。
【0005】また、従来のスキーのストック、釣竿、ゴ
ルフシャフト、テニスラケット、その他の一般的な管状
体に於て、変曲点を設けたものが知られている。この変
曲点はゴルフシャフト等の長さ方向の一部を、膜厚を変
化させる事なく他の部分よりも外方に膨脹させて直径を
大きく形成する。このように、管状体の一部を直径を大
きくして外方に膨脹させる事により変曲点を形成する
と、管状体の中央部よりも端部方向に偏った位置に、弾
性変形、則ちしなり点が生じるものとなる。そのため、
このようなゴルフシャフトを用いて打撃を行うと、しな
り点から管状体が弾性変形して弾性的に曲げられる事か
ら、強い反発力を生じさせる等の種々の利点を生じる事
が知られている。
【0006】このような変曲点を有する管状体を形成す
る場合も、従来は全体の膜厚を同一としたプレッシャー
バッグにより行っている。しかし、この全体の膜厚を同
一とするとは、厳密な意味で同一になっているのではな
く、同一に成形していると認識しているものであって、
現実的にはこの膜厚は、厳密に均一化させる事は技術的
にできないか、出来るとしても製品を著しく高価にして
しまうものとなる。そのため、プレッシャーバッグのあ
る一部に於ては膜厚が薄かったり、ある一部に於ては膜
厚が大きかったりする事態が生じており、この事実は膜
厚を均一に形成しようとした場合は、必然的に発生する
ものとなっている。しかも、プレッシャーバッグのどの
部分の膜厚が大きいのか、小さいのかは特定することが
出来ないものとなっていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そのため、膜厚が不均
一なプレッシャーバッグを用いて、外周に巻き付けた熱
硬化性樹脂シートを、成形型の内面に押圧しようとする
と、次のような事態が生じるものとなる。
【0008】すなわち、プレッシャーバッグの内径が同
一で、プレッシャーバッグの膜が均質の時は、加圧に伴
い膜厚が小さい部分から膨脹が始まる。自由空間で加圧
を続けると、膨脹前のある特定部分の膜厚と周囲の膜厚
との差の程度によって、膨脹の進み方は異なるものとな
る。即ち、その特定部分の膜厚の薄い部分と周囲の膜厚
の差が小さい場合は、膨脹は周囲に伝播していき、全体
的に略等しく膨脹するものとなる。
【0009】また、その特定部分の薄い膜厚と周囲の膜
厚の差が大きい場合は、その特定部分の薄い部分のみが
膨脹していく。従って、外周に熱硬化性樹脂シートを巻
き付けたプレッシャーバッグを成形型内に挿入し、プレ
ッシャーバッグに加圧流体を導入してプレッシャーバッ
グを膨脹させると、プレッシャーバッグは膜厚の薄い部
分から膨脹を開始する。
【0010】従って、その膨脹の開始される部分が、何
処かはプレッシャーバッグ毎に異なるものとなり、その
膨張を制御する事は従来できないものであった。その結
果、上記の変曲点を設ける管状体の成形型に於ては、図
5に示すごとく、変曲点は成形型(1)の内面に凹部(2)
として形成される。
【0011】そして、この変曲点に対応する成形型(1)
の凹部(2)以外の部分から、プレッシャーバッグ(3)の
膨脹が開始されると、図5に示す如く、変曲点に対応す
る凹部(2)に、エアーを残留させたまま、凹部(2)以外
の部分に対応するプレッシャーバッグ(3)の膜厚の薄い
部分が膨脹する。この膨張により、プレッシャーバッグ
(3)は凹部(2)を介して長さ方向の両端を、熱硬化性樹
脂シート(4)とともに成形型(1)の内面に押圧して密着
する。その結果、凹部(2)を含む膨張密着点(5)(6)の
間隔にはエアーの密封部(7)が形成される。
【0012】そして、最終的に変曲点に対応するプレッ
シャーバッグ(3)の対応変曲部(8)が膨脹が生じても、
その変曲点に対応する部分の凹部(2)は、既にエアーの
密封部(7)となっている。そのため、その成形型(1)の
凹部(2)に対応する形状には、エアーの圧力によって、
熱硬化性樹脂シート(4)及びプレッシャーバッグ(3)
は、変形する事ができないものとなる。
【0013】この凹部(2)を含む密封部(7)へのエアー
の蓄積量が多ければ、熱硬化性樹脂シート(4)及びプレ
ッシャーバッグ(3)は全く変形する事ができず、成形型
(1)の凹部(2)に対応できないものとなってしまう。ま
た、成形型(1)の凹部(2)を含む密封部(7)へのエアー
の蓄積量が、比較的少ない場合に於ても、この変曲点に
対応する凹部(2)の内面には、熱硬化性樹脂シート(4)
を挿入密着させる事がエアー存在によってできないか
ら、管状体の変曲点に対応する表面を粗面にしたり、設
計値とは異なった変曲点を形成してしまうものとなる欠
点を有していた。
【0014】本発明は上述の如き課題を解決しようとす
るものであって、プレッシャーバッグ(3)を膨脹させる
場合に、成形型(1)の凹部(2)に対応する対応変曲部
(8)をまず最初に膨脹させ、このプレッシャーバッグ
(3)の膨脹に伴って、熱硬化性樹脂シート(4)を成形型
(1)の変曲点に対応する凹部(2)に、まず押圧挿入して
密着した後に、他の部分を膨脹させて、熱硬化性樹脂シ
ート(4)を均一に成形型の内面に、密着押圧する事がで
きるようにしようとするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述の如き課
題を解決するため、外周に熱硬化性樹脂シートを巻き付
けて成形型内に挿入配置した状態で、内部に圧力流体を
導入して加圧膨脹させる事により、熱硬化性樹脂シート
を成形型の内面に押圧密着させて成形を行う内圧成形用
のプレッシャーバッグに於て、外周に巻き付けた熱硬化
性樹脂シートの、成形硬化後の変曲点に対応する対応変
曲部の膜厚を、周囲の膜厚よりも薄く形成して成るもの
である。
【0016】また、対応変曲部の流体導入側には、周囲
よりも膜厚が大きい肉厚部を形成したものであっても良
い。
【0017】また、対応変曲部は、熱硬化性樹脂シート
の、成形硬化後の変曲点の最大直径部から先端部方向へ
0〜15mmの範囲に配置したものであっても良い。
【0018】
【作用】本発明は、上述の如く構成したものであるか
ら、プレッシャーバッグを用いて、変曲点を有する管状
体を形成するには、まずプレッシャーバッグに芯金を挿
入する。この芯金を挿入したプレッシャーバッグの外周
に、巻き付け機により、熱硬化性樹脂シートを巻き付け
る。この巻き付けに於ては、変曲点部分の膜厚を特に大
きくしたり、肉薄にしたりする事はなく、他の部分と同
様の基準により巻き付けを行う。
【0019】そして、プレッシャーバッグから芯金を抜
き取った後、プレッシャーバッグの流体の導入口に、流
体導入用の導入ノズルを装着する。次にこの導入ノズル
を装着し、外周に熱硬化性樹脂シートを巻き付けたプレ
ッシャーバッグを、所定の温度に加熱された成形型の所
定の位置にセットする。そして、成形型の上型、下型、
若しくはその他の型を閉め、導入ノズルからプレッシャ
ーバッグ内に、エアー、窒素ガス、水等の流体を定めら
れた速度、一定の圧力で導入し、プレッシャーバッグを
膨脹させる。
【0020】この膨脹によって熱硬化性樹脂シートは、
成形型の内面に強く圧着され、緻密化するものとなる。
そして、このプレッシャーバッグの膨脹に於ては、変曲
点の凹部に対応する対応変曲部の膜厚を他の部分より
も、薄く形成しているから、まず凹部に対応する対応変
曲部が膨脹し、このプレッシャーバッグの対応変曲部
が、熱硬化性樹脂シートを成形型の変曲点に対応する凹
部内に、押圧変形して密着させる。
【0021】従って、成形型の変曲点に対応する凹部内
に存在するエアーは、まず排除され、他の部分に移動す
る。そして、この移動過程に於て、適宜外部に排出され
るものとなる。また、プレッシャーバッグの膨脹の順番
を、プレッシャーバッグの膜厚を順次変化して形成する
事により制御する事ができるから、プレッシャーバッグ
を順次一方側から他方側に、膨脹変形させていく事によ
って、成形型内に存在するエアーを外部に排除する事は
容易なものとなる。
【0022】
【実施例】以下本発明の一実施例を図面に於て説明すれ
ば、(3)はプレッシャーバッグで、耐熱性天然ゴムチウ
ラム前加硫ラテックスを使用する。このプレッシャーバ
ッグ(3)は、全長に渡って外観的には、略均一な膜厚に
より形成するのを原則とする。しかし、成形型(1)には
成型する管状体の変曲点を形成する凹部(2)を形成す
る。この凹部(2)に対応するプレッシャーバッグ(3)の
対応変曲部(8)於ては、膜厚を周囲の膜厚よりも薄く形
成する。この薄い膜厚は、均一に形成した他の部分の膜
厚に生じる厚みの製造誤差で、予測される最も薄い部分
よりも更に薄いものでなければならない。
【0023】また、対応変曲部(8)の流体導入側には、
周囲よりも膜厚が大きい肉厚部(9)を形成する。この肉
厚部(9)の存在により、対応変曲部(8)からの確実な膨
張が保証されるものとなる。
【0024】また、プレッシャーバッグ(3)の対応変曲
部(8)は、熱硬化性樹脂シート(4)の、成形硬化後の変
曲点の最大直径部、即ち凹部(2)の最大直径部から先端
部方向へ0〜15mmの範囲に配置して形成する。この
範囲は0に近いほど好ましいが、最大直径部から先端部
方向へ15mmの範囲であれば密封部(7)を生じること
がないものである。
【0025】そして、このプレッシャーバッグ(3)の外
周には、熱硬化性樹脂シート(4)を巻き付ける。この熱
硬化性樹脂シート(4)の巻き付けに於ては、プレッシャ
ーバッグ(3)の形状を保持するため、内部に芯金(図示
せず)を挿入する。この芯金を挿入したプレッシャーバ
ッグ(3)の外周に、熱硬化性樹脂とカーボンファイバー
を混合した熱硬化性樹脂シート(4)と、シート状の熱硬
化性樹脂にカーボンファイバーシートを積層して形成し
た熱硬化性樹脂樹脂シート(4)、又はカーボンファイバ
ーシートを熱硬化性樹脂でプリフレイグした熱硬化性樹
脂シート(4)を巻き付ける。
【0026】この状態でプレッシャーバッグ(3)から芯
金を抜き取り、次にこのプレッシャーバッグ(3)の開口
部(11)に常温に冷やした導入ノズル(12)を図4に示
す如く装着する。この導入ノズル(12)は、中央部軸方
向に空気、窒素ガス、水等の液体を導入するための導入
路(13)を貫通し、プレッシャーバッグ(3)内に加圧流
体を導入し得るように形成している。
【0027】次に、この導入ノズル(12)を装着し、外
周に熱硬化性樹脂シート(4)を巻き付けたプレッシャー
バッグ(3)を成形型(1)内に装着する。この成形型(1)
は、熱硬化性樹脂を硬化させるのに必要な温度まで加熱
したもので、上型及び下型若しくは必要に応じて複数に
分割した型にて形成している。また、成形型(1)は、プ
レッシャーバッグ(3)の開口部(11)の外周を導入ノズ
ル(12)の外周に押圧固定するためのパッキン(14)を
形成している。また、このパッキン(11)に隣接して、
導入ノズル(12)の外周環状溝(15)に嵌合する環状鍔
(16)を突出し、導入ノズル(12)を安定的に固定して
いる。
【0028】次に、この成形型(1)を締め付けた後、導
入ノズル(12)から加圧流体を導入し、プレッシャーバ
ッグ(3)を膨張させる。この膨張に於て、熱硬化性樹脂
シート(4)は、プレッシャーバッグ(3)により内方か
ら、成形型(1)の内面に強く押圧され、緻密に熱硬化す
るものとなる。
【0029】また、このプレッシャーバッグ(3)の膨張
は、他の部分よりも膜厚を薄く形成した対応変曲部(8)
からまず最初に膨脹し、外周に巻き付けた熱硬化性樹脂
シート(4)を、成形型(1)の凹部(2)内に圧着する。こ
の圧着により成形型(1)の凹部(2)内に存在したエアー
は、熱硬化性樹脂シート(4)の変形に何らの支障となる
事なく外部に押し出され、プレッシャーバッグ(3)の膨
脹変形に伴って、成形型(1)の外部に順次押し出される
ものとなる。
【0030】このように、成形する管状体の変曲点に対
応する対応変曲部(8)の膜厚を薄く形成したから、成形
型(1)内の凹部(2)から確実にエアーを排除し、この凹
部(2)に沿って熱硬化性樹脂シート(4)を変形する事が
でき、変曲点の確実な成形が可能となる。
【0031】
【発明の効果】本発明は上述の如く、従来プレッシャー
バッグの特定されない不均一な膜厚によって生じてい
た、凹部へのエアーの密封により、変曲点の形成が困難
であったり、その変曲点の形成部にエアー溜まりによる
粗面を形成したり、変曲点の形成を困難とするようなこ
とがなく、設計値通りの変曲点を管状体に形成する事が
可能となる。
【0032】また、このような技術効果をプレッシャー
バッグの膜厚を設計段階で変化させることにより可能と
するもので、管状体の製造工程も従来と変わらず何等複
雑化することがないものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明、プレッシャーバッグの対応変曲点部分
を示す一部拡大図である。
【図2】外周に熱硬化性樹脂シートを巻き付けたプレッ
シャーバッグを、成形型内に装着した状態を示す変曲点
部分の拡大断面図である。
【図3】本発明の実施例によるプレッシャーバッグの加
圧膨脹時に於ける、成形型の凹部部分の状態を示す部分
拡大断面図である。
【図4】プレッシャーバッグを用いて、管状体状物を形
成する場合のプレッシャーバッグと、熱硬化性樹脂シー
トと成形型の関係を示す模式概略図である。
【図5】従来のプレッシャーバッグを用いて、膨脹加圧
した場合の成形型の凹部部分を示す部分拡大断面図であ
る。
【符号の説明】
1 成形型 4 熱硬化性樹脂シート 8 対応変曲点 9 肉厚部
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年11月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 内圧成形用プレッシャーバッグ
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、釣竿、スキーのストッ
ク、ゴルフのシャフト、テニスラケットの枠、その他の
管状体等を熱硬化性樹脂を用いて形成する場合に用いる
プレッシャーバッグに係るものである。このプレッシャ
ーバッグは、熱硬化性樹脂シートをその外周に巻き付け
て成形型内に挿入し、この熱硬化性樹脂シートを内側か
ら成形型の内面に押圧して成形する場合に用いるもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、上述の如き中空の管状物を、熱硬
化性樹脂により形成する場合に、内面が目的の製品の形
状になっている成形型内に、熱硬化性樹脂と強化繊維を
混合した熱硬化性樹脂シート、強化繊維を熱硬化性樹脂
でプリプレイグした熱硬化性樹脂シートあるいはシート
状の熱硬化性樹脂と強化繊維シートを積層して形成した
熱硬化性樹脂シートをセットし、その内側にゴム弾性を
有するプレッシャーバッグを配置するものが知られてい
る。
【0003】この方法は、成形型を加熱し、上記の熱硬
化性樹脂シートが適度の塑性をもった時に、プレッシャ
ーバッグに適度の速度で加圧流体を注入して加圧膨張さ
せる事により、熱硬化性樹脂シートを、目的とする厚
さ、変化量で塑性変形させて成形型の内面に密着させる
ものである。このような成形時に用いる内圧成形用プレ
ッシャーバッグは従来より知られている。
【0004】そして、このようなプレッシャーバッグ
は、内部に導入する流体の圧力を高めて、熱硬化性樹脂
シートの空隙を極力減少させ、成型品の高密度化を図っ
ている。そして、所定の温度と時間をかけて熱硬化性樹
脂シートを熱硬化させた後、成形型から取り出し、成形
した製品からプレッシャーバッグを取り出す事が行われ
ている。このような成形方法の特徴は、複雑な形状の中
空で高密度な成形品を、比較的簡単な設備で作る事がで
きるため、従来から多く用いられているものである。
【0005】また、従来のスキーのストック、釣竿、ゴ
ルフシャフト、テニスラケット、その他の一般的な管状
体に於て、変曲点を設けたものが知られている。この変
曲点はゴルフシャフト等の長さ方向の一部を、膜厚を変
化させる事なく他の部分よりも外方に膨張させて直径を
大きく形成する。このように、管状体の一部を直径を大
きくして外方に膨張させる事により変曲点を形成する
と、管状体の中央部よりも端部方向に偏った位置に、弾
性変形、則ちしなり点が生じるものとなる。そのため、
このようなゴルフシャフトを用いて打撃を行うと、しな
り点から管状体が弾性変形して弾性的に曲げられる事か
ら、強い反発力を生じさせる等の種々の利点を生じる事
が知られている。
【0006】このような変曲点を有する管状体を形成す
る場合も、従来は全体の膜厚を同一としたプレッシャー
バッグにより行っている。しかし、この全体の膜厚を同
一とするとは、厳密な意味で同一になっているのではな
く、同一に成形していると認識しているものであって、
現実的にはこの膜厚は、厳密に均一化させる事は技術的
にできないか、出来るとしても製品を著しく高価にして
しまうものとなる。そのため、プレッシャーバッグのあ
る一部に於ては膜厚が薄かったり、ある一部に於ては膜
厚が大きかったりする事態が生じており、この事実は膜
厚を均一に形成しようとした場合は、必然的に発生する
ものとなっている。しかも、プレッシャーバッグのどの
部分の膜厚が大きいのか、小さいのかは特定する事が出
来ないものとなっていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そのため、膜厚が不均
一なプレッシャーバッグを用いて、外周に巻き付けた熱
硬化性樹脂シートを、成形型の内面に押圧しようとする
と、次のような事態が生じるものとなる。
【0008】すなわち、プレッシャーバッグの内径が同
一で、プレッシャーバッグの膜が均質の時は、加圧に伴
い膜厚が小さい部分から膨張が始まる。自由空間で加圧
を続けると、膨張前のある特定部分の膜厚と周囲の膜厚
との差の程度によって、膨張の進み方は異なるものとな
る。即ち、その特定部分の膜厚の薄い部分と周囲の膜厚
の差が小さい場合は、膨張は周囲に伝播していき、全体
的に略等しく膨張するものとなる。
【0009】また、その特定部分の薄い膜厚と周囲の膜
厚の差が大きい場合は、その特定部分の薄い部分のみが
膨張していく。従って、外周に熱硬化性樹脂シートを巻
き付けたプレッシャーバッグを成形型内に挿入し、プレ
ッシャーバッグに加圧流体を導入してプレッシャーバッ
グを膨張させると、プレッシャーバッグは膜厚の薄い部
分から膨張を開始する。
【0010】従って、その膨張の開始される部分が、何
処かはプレッシャーバッグ毎に異なるものとなり、その
膨張を制御する事は従来できないものであった。その結
果、上記の変曲点を設ける管状体の成形型に於ては、図
5に示すごとく、変曲点は成形型(1)の内面に凹部(2)
として形成される。
【0011】そして、この変曲点に対応する成形型(1)
の凹部(2)以外の部分から、プレッシャーバッグ(3)の
膨張が開始されると、図5に示す如く、変曲点に対応す
る凹部(2)に、エアーを残留させたまま、凹部(2)以外
の部分に対応するプレッシャーバッグ(3)の膜厚の薄い
部分が膨張する。この膨張により、プレッシャーバッグ
(3)は凹部(2)を介して長さ方向の両端を、熱硬化性樹
脂シート(4)とともに成形型(1)の内面に押圧して密着
する。その結果、凹部(2)を含む膨張密着点(5)(6)の
間隔にはエアーの密封部(7)が形成される。
【0012】そして、最終的に変曲点に対応するプレッ
シャーバッグ(3)の対応変曲部(8)に膨張が生じても、
その変曲点に対応する部分の凹部(2)は、既にエアーの
密封部(7)となっている。そのため、その成形型(1)の
凹部(2)に対応する形状には、エアーの圧力によって、
熱硬化性樹脂シート(4)及びプレッシャーバッグ(3)
は、変形する事ができないものとなる。
【0013】この凹部(2)を含む密封部(7)へのエアー
の蓄積量が多ければ、熱硬化性樹脂シート(4)及びプレ
ッシャーバッグ(3)は全く変形する事ができず、成形型
(1)の凹部(2)に対応できないものとなってしまう。ま
た、成形型(1)の凹部(2)を含む密封部(7)へのエアー
の蓄積量が、比較的少ない場合に於ても、この変曲点に
対応する凹部(2)の内面には、熱硬化性樹脂シート(4)
を挿入密着させる事がエアーの存在によってできないか
ら、管状体の変曲点に対応する表面を粗面にしたり、設
計値とは異なった変曲点を形成してしまうものとなる欠
点を有していた。
【0014】本発明は上述の如き課題を解決しようとす
るものであって、プレッシャーバッグ(3)を膨張させる
場合に、成形型(1)の凹部(2)に対応する対応変曲部
(8)をまず最初に膨張させ、このプレッシャーバッグ
(3)の膨張に伴って、熱硬化性樹脂シート(4)を成形型
(1)の変曲点に対応する凹部(2)に、まず押圧挿入して
密着した後に、他の部分を膨張させて、熱硬化性樹脂シ
ート(4)を均一に成形型(1)の内面に、密着押圧する事
ができるようにしようとするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述の如き課
題を解決するため、外周に熱硬化性樹脂シートを巻き付
けて成形型内に挿入配置した状態で、内部に圧力流体を
導入して加圧膨張させる事により、熱硬化性樹脂シート
を成形型の内面に押圧密着させて成形を行う内圧成形用
のプレッシャーバッグに於て、外周に巻き付けた熱硬化
性樹脂シートの、成形硬化後の変曲点に対応する対応変
曲部の膜厚を、周囲の膜厚よりも薄く形成して成るもの
である。
【0016】また、対応変曲部の流体導入側には、周囲
よりも膜厚が大きい肉厚部を形成したものであっても良
い。
【0017】また、対応変曲部は、熱硬化性樹脂シート
の、成形硬化後の変曲点の最大直径部から先端部方向へ
0〜15mmの範囲に配置したものであっても良い。
【0018】
【作用】本発明は、上述の如く構成したものであるか
ら、プレッシャーバッグを用いて、変曲点を有する管状
体を形成するには、まずプレッシャーバッグに芯金を挿
入する。この芯金を挿入したプレッシャーバッグの外周
に、巻き付け機により、熱硬化性樹脂シートを巻き付け
る。この巻き付けに於ては、変曲点部分の膜厚を特に大
きくしたり、肉薄にしたりする事はなく、他の部分と同
様の基準により巻き付けを行う。
【0019】そして、プレッシャーバッグから芯金を抜
き取った後、プレッシャーバッグの流体の導入口に、流
体導入用の導入ノズルを装着する。次にこの導入ノズル
を装着し、外周に熱硬化性樹脂シートを巻き付けたプレ
ッシャーバッグを、所定の温度に加熱された成形型の所
定の位置にセットする。そして、成形型の上型、下型、
若しくはその他の型を閉め、導入ノズルからプレッシャ
ーバッグ内に、エアー、窒素ガス、水等の流体を定めら
れた速度、一定の圧力で導入し、プレッシャーバッグを
膨張させる。
【0020】この膨張によって熱硬化性樹脂シートは、
成形型の内面に強く圧着され、緻密化するものとなる。
そして、このプレッシャーバッグの膨張に於ては、変曲
点の凹部に対応する対応変曲部の膜厚を他の部分より
も、薄く形成しているから、まず凹部に対応する対応変
曲部が膨張し、このプレッシャーバッグの対応変曲部
が、熱硬化性樹脂シートを成形型の変曲点に対応する凹
部内に、押圧変形して密着させる。
【0021】従って、成形型の変曲点に対応する凹部内
に存在するエアーは、まず排除され、他の部分に移動す
る。そして、この移動過程に於て、適宜外部に排出され
るものとなる。また、プレッシャーバッグの膨張の順番
を、プレッシャーバッグの膜厚を順次変化して形成する
事により制御する事ができるから、プレッシャーバッグ
を順次一方側から他方側に、膨張変形させていく事によ
って、成形型内に存在するエアーを外部に排除する事は
容易なものとなる。
【0022】
【実施例】以下本発明の一実施例を図面に於て説明すれ
ば、(3)はプレッシャーバッグで、耐熱性天然ゴムチウ
ラム前加硫ラテックスを使用する。このプレッシャーバ
ッグ(3)は、全長に渡って外観的には、略均一な膜厚に
より形成するのを原則とする。しかし、成形型(1)には
成型する管状体の変曲点を形成する凹部(2)を形成す
る。この凹部(2)に対応するプレッシャーバッグ(3)の
対応変曲部(8)に於ては、膜厚を周囲の膜厚よりも薄く
形成する。この薄い膜厚は、均一に形成した他の部分の
膜厚に生じる厚みの製造誤差で、予測される最も薄い部
分よりも更に薄いものでなければならない。
【0023】また、対応変曲部(8)の流体導入側には、
周囲よりも膜厚が大きい肉厚部(9)を形成する。この肉
厚部(9)の存在により、対応変曲部(8)からの確実な膨
張が保証されるものとなる。
【0024】また、プレッシャーバッグ(3)の対応変曲
部(8)は、熱硬化性樹脂シート(4)の、成形硬化後の変
曲点の最大直径部、即ち凹部(2)の最大直径部から先端
部方向へ0〜15mmの範囲に配置して形成する。この
範囲は0に近いほど好ましいが、最大直径部から先端部
方向へ15mmの範囲であれば密封部(7)を生じる事が
ないものである。
【0025】そして、このプレッシャーバッグ(3)の外
周には、熱硬化性樹脂シート(4)を巻き付ける。この熱
硬化性樹脂シート(4)の巻き付けに於ては、プレッシャ
ーバッグ(3)の形状を保持するため、内部に芯金(図示
せず)を挿入する。この芯金を挿入したプレッシャーバ
ッグ(3)の外周に、熱硬化性樹脂とカーボンファイバー
を混合した熱硬化性樹脂シート(4)と、シート状の熱硬
化性樹脂にカーボンファイバーシートを積層して形成し
た熱硬化性樹脂シート(4)、又はカーボンファイバーシ
ートを熱硬化性樹脂でプリフレイグした熱硬化性樹脂シ
ート(4)を巻き付ける。
【0026】この状態でプレッシャーバッグ(3)から芯
金を抜き取り、次にこのプレッシャーバッグ(3)の開口
部(11)に常温に冷やした導入ノズル(12)を図4に示
す如く装着する。この導入ノズル(12)は、中央部軸方
向に空気、窒素ガス、水等の液体を導入するための導入
路(13)を貫通し、プレッシャーバッグ(3)内に加圧流
体を導入し得るように形成している。
【0027】次に、この導入ノズル(12)を装着し、外
周に熱硬化性樹脂シート(4)を巻き付けたプレッシャー
バッグ(3)を成形型(1)内に装着する。この成形型(1)
は、熱硬化性樹脂を硬化させるのに必要な温度まで加熱
したもので、上型及び下型若しくは必要に応じて複数に
分割した型にて形成している。また、成形型(1)は、プ
レッシャーバッグ(3)の開口部(11)の外周を導入ノズ
ル(12)の外周に押圧固定するためのパッキン(14)を
形成している。また、このパッキン(14)に隣接して、
導入ノズル(12)の外周環状溝(15)に嵌合する環状鍔
(16)を突出し、導入ノズル(12)を安定的に固定して
いる。
【0028】次に、この成形型(1)を締め付けた後、導
入ノズル(12)から加圧流体を導入し、プレッシャーバ
ッグ(3)を膨張させる。この膨張に於て、熱硬化性樹脂
シート(4)は、プレッシャーバッグ(3)により内方か
ら、成形型(1)の内面に強く押圧され、緻密に熱硬化す
るものとなる。
【0029】また、このプレッシャーバッグ(3)の膨張
は、他の部分よりも膜厚を薄く形成した対応変曲部(8)
からまず最初に膨張し、外周に巻き付けた熱硬化性樹脂
シート(4)を、成形型(1)の凹部(2)内に圧着する。こ
の圧着により成形型(1)の凹部(2)内に存在したエアー
は、熱硬化性樹脂シート(4)の変形に何らの支障となる
事なく外部に押し出され、プレッシャーバッグ(3)の膨
張変形に伴って、成形型(1)の外部に順次押し出される
ものとなる。
【0030】このように、成形する管状体の変曲点に対
応する対応変曲部(8)の膜厚を薄く形成したから、成形
型(1)内の凹部(2)から確実にエアーを排除し、この凹
部(2)に沿って熱硬化性樹脂シート(4)を変形する事が
でき、変曲点の確実な成形が可能となる。
【0031】
【発明の効果】本発明は上述の如く、従来プレッシャー
バッグの特定されない不均一な膜厚によって生じてい
た、凹部へのエアーの密封により、変曲点の形成が困難
であったり、その変曲点の形成部にエアー溜まりによる
粗面を形成したり、変曲点の形成を困難とするような事
がなく、設計値通りの変曲点を管状体に形成する事が可
能となる。
【0032】また、このような技術効果をプレッシャー
バッグの膜厚を設計段階で変化させる事により可能とす
るもので、管状体の製造工程も従来と変わらず何等複雑
化する事がないものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明、プレッシャーバッグの対応変曲点部分
を示す一部拡大図である。
【図2】外周に熱硬化性樹脂シートを巻き付けたプレッ
シャーバッグを、成形型内に装着した状態を示す変曲点
部分の拡大断面図である。
【図3】本発明の実施例によるプレッシャーバッグの加
圧膨張時に於ける、成形型の凹部部分の状態を示す部分
拡大断面図である。
【図4】プレッシャーバッグを用いて、管状体状物を形
成する場合のプレッシャーバッグと、熱硬化性樹脂シー
トと成形型の関係を示す模式概略図である。
【図5】従来のプレッシャーバッグを用いて、膨張加圧
した場合の成形型の凹部部分を示す部分拡大断面図であ
る。
【符号の説明】 1 成形型 4 熱硬化性樹脂シート 8 対応変曲点 9 肉厚部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外周に熱硬化性樹脂シートを巻き付けて
    成形型内に挿入配置した状態で、内部に圧力流体を導入
    して加圧膨脹させる事により、熱硬化性樹脂シートを成
    形型の内面に押圧密着させて成形を行う内圧成形用のプ
    レッシャーバッグに於て、外周に巻き付けた熱硬化性樹
    脂シートの、成形硬化後の変曲点に対応する対応変曲部
    の膜厚を、周囲の膜厚よりも薄く形成した事を特徴とす
    る内圧成形用プレッシャーバッグ。
  2. 【請求項2】 対応変曲部の流体導入側には、周囲より
    も膜厚が大きい肉厚部を形成した事を特徴とする請求項
    1の内圧成形用プレッシャーバッグ。
  3. 【請求項3】 対応変曲部は、熱硬化性樹脂シートの、
    成形硬化後の変曲点の最大直径部から先端部方向へ0〜
    15mmの範囲に配置したことを特徴とする請求項1の
    内圧成形用プレッシャーバッグ。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007307828A (ja) * 2006-05-19 2007-11-29 Daikyo Nishikawa Kk 樹脂中空成形体及びその成形方法
JP2009248512A (ja) * 2008-04-09 2009-10-29 Toyota Motor Corp 内圧成形装置
JP2015510459A (ja) * 2012-01-17 2015-04-09 グリーン, ツイード テクノロジーズ, インコーポレイテッド 成型複合材ねじ
JP2018122523A (ja) * 2017-02-01 2018-08-09 東レ株式会社 バギングシート
JP2023532371A (ja) * 2020-07-08 2023-07-27 オートモビリ ランボルギーニ ソチエタ ペル アツイオニ 少なくとも1つのキャビティを内部に備えたモノリシック部品を製造するための成形方法

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