JPH0971768A - 摩擦材 - Google Patents

摩擦材

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JPH0971768A
JPH0971768A JP7230205A JP23020595A JPH0971768A JP H0971768 A JPH0971768 A JP H0971768A JP 7230205 A JP7230205 A JP 7230205A JP 23020595 A JP23020595 A JP 23020595A JP H0971768 A JPH0971768 A JP H0971768A
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mica
friction material
frequency noise
friction
low
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JP7230205A
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Tamotsu Hayashi
保 林
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Aisin Chemical Co Ltd
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Aisin Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 強度な熱履歴後にも低周波ノイズの低減効果
を維持できる摩擦材を提供する。 【解決手段】 繊維基材と、樹脂結合剤と、充填剤とか
らなり、その充填剤の一部として、低周波ノイズを低減
するための雲母を含む摩擦材において、その雲母とし
て、フッ素金雲母、フッ素四ケイ素雲母等の合成フッ素
雲母を使用する。合成フッ素雲母の劈開性によって、相
手材との凝着とそれによるスティックスリップが抑制さ
れ、低周波ノイズ(グー音)を低減することができる。
そして、合成フッ素雲母は熱安定性が高いため、苛酷な
制動等によって摩擦材に強い熱履歴が加わった場合で
も、その結晶構造が崩壊し、劈開性を失うことがなく、
低周波ノイズの低減効果が維持される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は車両、産業用機械等
において使用されるディスクブレーキパッド、ドラムブ
レーキライニング、或いはクラッチフェーシング等の摩
擦材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車等に使用されるディスクブレーキ
パッド、ドラムブレーキライニング等の摩擦材は、その
相手材であるディスクロータ、ブレーキドラムと摩擦係
合し、運動エネルギーを熱エネルギーに変える重要な役
割を担っている。そのため、摩擦材には優れた耐摩耗性
が必要であるだけでなく、十分に高い摩擦係数を有する
ことが必要であり、しかも、制動時には常に熱を発生し
高温となるため、温度変化によっても摩擦係数の変化の
少ない安定した摩擦特性が要求される。更には、相手材
に対する攻撃性がないこと、制動時にノイズ(異音、鳴
き)を生じないこと等も必要であり、摩擦材に求められ
る特性は多項目に亘っている。
【0003】そこで、従来より、これらの各種特性を満
足させるために、摩擦材は複合材として構成されてい
る。即ち、摩擦材は、その骨格を形成するアラミド繊
維、チタン酸カリウム繊維等の繊維基材と、この繊維基
材を結合保持するフェノール樹脂等の樹脂結合剤と、こ
れらの繊維基材と結合剤とのマトリックス中に分散して
充填される各種の充填剤とから一般に構成されている。
【0004】そして、この充填剤としては、硫酸バリウ
ム、炭酸カルシウム等の体質充填剤、グラファイト、二
流化モリブデン等の固体潤滑剤、カシューダスト、シリ
カやケイ酸ジルコニウム等のアブレッシブ剤、或いはそ
の他の摩擦性能または関連する特性を向上し、調整する
ための添加剤等が使用されている。ここで、体質充填剤
は、主に、摩擦材の物理的強度、耐熱性、耐摩耗性等を
十分なものとするために配合されている。また、固体潤
滑剤は、その潤滑性被膜によって、摩擦材の耐摩耗性を
確保するために使用されている。カシューダストは、カ
シューナッツ殻液をホルムアルデヒドまたはフルフラー
ル等の硬化剤により重縮合して得た樹脂硬化物の粉砕物
であり、主に、摩擦係数の向上と安定化のために使用さ
れている。なお、このカシューダストは、固体潤滑剤と
共に、ブレーキ鳴きと通常呼ばれている高周波ノイズの
低減作用も有している。更に、アブレッシブ剤は、その
研削作用によって摩擦係数を向上し、また、相手材の摩
擦係合表面を清浄に保持するために用いられる。
【0005】また、これらの他にも、摩擦材に配合され
る充填剤成分としては種々のものが知られ、また用いら
れている。そのような充填剤の1つは、例えば、雲母、
タルク等の平面網状結晶構造、即ち、陽イオンが結合し
たケイ酸基が2次平面網状に発達し、層間が弱いファン
デルワールス力で結合された層状の結晶構造、つまり、
劈(へき)開性結晶構造、を有する無機物である。そし
て、このような雲母等を充填剤として摩擦材に配合する
目的は、低周波ノイズ(グー音)を低減することにあ
る。
【0006】なお、このような平面網状結晶構造(劈開
性結晶構造)を有する雲母等の使用については、例え
ば、特開平3−181628号公報、特開平3−239
784号公報、特開平4−60225号公報、特開平6
−9944号公報、及び特開平6−9945号公報等に
おいて、種々の具体的態様で開示されている。そして、
その雲母としては、劈開性がほぼ完全であり、また良質
な天然物として比較的多量に得られる点で、金雲母、或
いは白雲母が一般に使用されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年では、
自動車の動的性能と共に、快適性、静粛性も著しく向上
されてきている。その中で、制動時に生じる騒音(ノイ
ズ)も重要なものとなっており、急制動時に発生するブ
レーキ鳴きと呼ばれる高周波ノイズ(スキール)のみで
なく、100〜1000Hz程度の周波数の騒音である
低周波ノイズ(グー音)についても、極力その発生を低
減させることが要求されている。
【0008】このグー音とも呼ばれる低周波ノイズは、
摩擦材と相手材との摩擦係合時に、摩擦材成分またはそ
の分解物が相手材(ロータ)に被着し、その被着膜と摩
擦材との凝着によってスティックスリップ、即ち、摩擦
係数の瞬間的な変動が引起されるために発生するもので
ある。なお、この低周波ノイズは、高周波ノイズに比べ
て余り目立たない騒音であるが、ユーザには不快感を与
え、また自動車の高級感を損なうものである。
【0009】そして、このような低周波ノイズの発生を
低減するためには、上述のように、平面網状結晶構造
(劈開性結晶構造)を有する無機物である金雲母、白雲
母等の雲母の配合が有効であることが知られている。な
お、この雲母による低周波ノイズ低減作用については、
その劈開性にあると一般に考えられている。つまり、ス
ティックスリップの原因となる摩擦材と相手材との凝着
が、摩擦材中に充填された雲母が鱗片状に劈開し、剥離
して滑性の表面を形成することにより、抑制され、回避
されるということである。そして、雲母の配合によって
実際上十分なレベルに低周波ノイズを低減できることか
ら、近年では、摩擦材の充填剤の一部として雲母が使用
される場合が多くなってきている。
【0010】ところが、このように雲母を充填剤の一部
として配合し、それによって低周波ノイズを低減した摩
擦材であっても、例えば、自動車のディスクブレーキに
装着して使用される間に、低周波ノイズの発生が再び増
加し、頻発するケースがしばしば見付けられた。つま
り、使用初期には良好であった低周波ノイズ性能が、そ
の後低下することである。
【0011】そして、このようなケースについて詳細に
調査してみると、その低周波ノイズ性能の低下は、自動
車の高速化、高出力化に伴なって制動条件がますます苛
酷になっている現状と関係し、特に、時速100Kmに近
い高速からの制動が繰返された場合のように、摩擦材が
強度な熱履歴を受けた場合に生じることが判明した。し
かし、このような低周波ノイズ性能の低下は、摩擦材が
特に苛酷に使用された場合にのみ生じ、通常の一般的な
使用条件下では生じないとは言え、いずれにしても好ま
しいものではない。また、苛酷な制動によって摩擦材に
強度な熱履歴が加わる機会は、今後ともますます増大す
る傾向にある。
【0012】そこで、本発明は、強度な熱履歴後におい
ても低周波ノイズの発生を低減することができる摩擦材
の提供を課題とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者は、低周波ノイ
ズの増加が強度な熱履歴後に生じることに着目し、更に
試験と検討を重ねた結果、そのような平面網状結晶構造
(劈開性結晶構造)を有する雲母として合成フッ素雲母
を用いることによって、上記課題を効果的に解決できる
ことを見出し、また確認した。
【0014】即ち、本発明にかかる摩擦材は、繊維基材
と、樹脂結合剤と、雲母及びその他の充填剤とを含む摩
擦材において、その雲母が合成フッ素雲母からなること
を特徴とするものである。
【0015】本発明の摩擦材によれば、低周波ノイズの
発生を低減するための雲母として合成フッ素雲母を使用
しているので、後の実施例からも分かるように、熱履歴
後の低周波ノイズの発生の増加を防止することができ
る。これについては、通常の天然雲母を用いた場合に熱
履歴後の低周波ノイズの発生が増加する理由と合わせ
て、次のように考えられる。
【0016】つまり、金雲母等の天然雲母は結晶構造中
に結晶水(構造水)を水酸基の形で有しており、600
℃位の温度からその結晶水を放出し、分解する。そのた
め、通常の天然雲母が使用された摩擦材においては、高
速からの制動が繰返された場合のように強度な熱履歴が
加えられると、その雲母の劈開性結晶構造が崩壊し、そ
の結果、その劈開性による低周波ノイズの低減作用が失
われる。低周波ノイズの発生が熱履歴後に増加する理由
は、このように考えられる。
【0017】これに対して、合成フッ素雲母は、天然雲
母における水酸基がフッ素により置換された化学構造を
有しており、水酸基を含まないため、高い熱安定性を有
し、天然雲母のように容易には分解しない。即ち、強度
な熱履歴を受けても、そのへき開性結晶構造は崩壊され
難い。本発明の摩擦材によれば、熱履歴後においても使
用初期と同様に低周波ノイズの発生を有効に低減するこ
とができるのは、このためであると考えられる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に詳細に説明す
る。
【0019】上記のように、本発明の摩擦材において
は、低周波ノイズを低減するために配合される雲母とし
て、合成フッ素雲母を使用する。このような合成フッ素
雲母自体は既によく知られており、マイカ−ガラス結合
体(マイカレックス)、マイカ−リン酸結合体等の窯業
原材料として一般に使用されている。そして、その代表
的なものとしては、フッ素金雲母[KMg3 (AlSi
3 10)F2 ]、フッ素四ケイ素雲母[KMg2.5 (S
4 10)F2 ]等を挙げることができる。
【0020】そして、これらの合成フッ素雲母は、大気
圧下で適当な原料を溶融して合成するか、或いは、固相
反応によって合成することができ、また、イオン置換に
よって多種類のフッ素雲母を合成することができる。具
体的には、例えば、フッ素金雲母は、ヘキサフルオロケ
イ酸カリウム、長石、マグネシア、アルミナ、及び石英
砂を混合し、融点(1387℃)以上の温度で焼成し、
徐々に冷却して結晶化させて合成することができる。
【0021】このような合成フッ素雲母は、天然雲母の
結晶水(構造水)として含まれている水酸基がフッ素で
置換されたものに相当し、したがって、天然雲母と同様
の平面網状結晶構造(劈開性結晶構造)を有している。
即ち、結晶は平面状に発達して層状になっており、これ
らの層間は弱いファンデルワールス力で結合している。
そのため、合成フッ素雲母は、天然雲母と同様に、ほぼ
完全な底面劈開性を有し、上述のように、充填剤として
摩擦材に配合することによって、低周波ノイズを有効に
低減することができる。またその一方、合成フッ素雲母
は結晶水を含まないため、熱安定性が高く、高熱下にお
いても天然雲母のように分解しない。したがって、苛酷
な制動等によって摩擦材が強度な熱履歴を受けた場合で
も、その劈開性結晶構造は崩壊されないため、それによ
る低周波ノイズの低減効果は失われることなく、有効に
維持される。
【0022】そして、この合成フッ素雲母は、従来の天
然雲母の使用の場合と同様に、平均粒径において50〜
500μm程度の粉末として、摩擦材全体に対して、一
般に3〜25重量%の配合割合で使用することができ
る。この割合が余り少なく、一般に3重量%よりも少な
いと、低周波ノイズの低減効果が実用上十分に得られな
い。また、合成フッ素雲母の配合割合が多いほど低周波
ノイズの低減効果は向上するが、余り多く配合してもそ
れによる効果は頭打ち状態となるだけでなく、多大な配
合は他の充填剤の配合を困難にする。そのため、25重
量%を限度として、それ以下の割合で配合することが好
ましい。より好ましい合成フッ素雲母の配合割合は、5
〜15重量%である。
【0023】なお、低周波ノイズを低減するための充填
剤成分としては、上記のような合成フッ素雲母に加え
て、その他の劈開性結晶構造(平面網状結晶構造)を有
する無機物を併用することもできる。そして、そのよう
な無機物としては、例えば、タルク、バーミキュライ
ト、カオリン、モンモリロナイト、緑泥石、水酸化アル
ミニウム等を挙げることができる。ただし、これらの無
機物は結晶水(構造水)を有し、熱安定性が比較的低い
ため、これらを併用する場合であっても、その配合量は
合成フッ素雲母よりも少ない割合とすることが好まし
い。また同様に、一般の天然雲母を合成フッ素雲母と併
用することもできるが、低周波ノイズを熱履歴後におい
ても有効に低減する上で、雲母としては合成フッ素雲母
のみを単独で使用することが好ましい。
【0024】摩擦材を形成するその他の成分、即ち、繊
維基材、樹脂結合剤、及びその他の充填剤は、従来と同
様である。
【0025】繊維基材、即ち、摩擦材の骨格を形成する
繊維状の成分である繊維基材としては、アラミド繊維、
ナイロン繊維、レーヨン繊維、フェノール繊維等の有機
繊維、シリカ繊維、アルミナ繊維、アルミナ−シリカ系
繊維、チタン酸カリウム繊維またはウィスカ、ロックウ
ール、スラグウール、カーボン繊維、或いはガラス繊維
等の無機繊維、銅繊維、スチール繊維、ステンレススチ
ール繊維、真鍮繊維等の金属繊維等を挙げることができ
る。そして、これらの繊維は、摩擦材の具体的種類また
は用途等に応じて、それぞれ単独でまたは適宜組み合わ
せて用いることができる。例えば、ディスクブレーキパ
ッドの場合には、一般に、これらの有機繊維、無機繊
維、及び金属繊維が適切に組み合わされて使用される。
【0026】この繊維基材及び充填材を結合保持する樹
脂結合剤としては、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エ
ポキシ樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、
或いはSBR等のゴム等を使用することができる。しか
し、これらの中でも、フェノール樹脂またはその各種の
変性物が、耐熱性に優れ、結合強度が高い等の点で最も
好ましい。
【0027】また、充填剤としては、上記の合成フッ素
雲母の他に、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等の体質充
填剤、二流化モリブデン、三流化アンチモン、グラファ
イト等の固体潤滑剤、カシューダストまたはその他の有
機高分子粉末、主に熱伝導性を向上するための銅粉、亜
鉛粉、真鍮粉等の金属粉、シリカ、ケイ酸ジルコニウム
等のアブレッシブ剤、或いはその他の摩擦調整等のため
の添加剤を使用することができる。
【0028】そして、本発明にかかる摩擦材は、例え
ば、上記の合成フッ素雲母と、繊維基材、樹脂結合剤、
及びその他の充填剤を混合し、この混合物を予備形成し
た後、その予備形成体を加熱加圧成形する通常の熱成形
方法によって製造することができる。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例により更に
詳細に説明する。
【0030】〔摩擦材(パッド)の作製〕図1に示す配
合組成(重量%)で、本発明の実施例1乃至実施例3の
摩擦材を作製した。また、これらとの比較のために、比
較例1乃至比較例3の摩擦材も合わせて作製した。な
お、これらの実施例及び比較例の摩擦材は、具体的に
は、自動車用のディスクブレーキパッドとして具体化し
たものである。
【0031】図1のように、これらの実施例及び比較例
の摩擦材(ディスクブレーキパッド)は、いずれも、摩
擦材の骨格を形成する繊維状の成分である繊維基材と、
この繊維基材を結合保持する樹脂結合剤と、これらの繊
維基材と樹脂結合剤とのマトリックス中に分散して充填
される各種の充填剤とから形成されている。ただし、各
実施例及び比較例においては、その充填剤の一部である
雲母の種類と配合とが種々に変えられている。
【0032】より具体的には、繊維基材は、主材として
のアラミド繊維8重量%、耐熱強度と耐摩耗性を確保す
るためのチタン酸カリウム繊維10重量%、耐熱強度と
共に摩擦係数を向上するためのセラミック(アルミナ−
シリカ系)繊維8重量%、及び、主に熱伝導性を確保す
るための銅繊維10重量%の混合物からなっている。し
たがって、ここでは、摩擦材はスチール繊維を含まない
非スチール系摩擦材として形成されている。なお、これ
らの繊維基材の種類と配合割合は、各実施例及び比較例
において同じである。
【0033】樹脂結合剤としては、ここではフェノール
樹脂(ノボラック樹脂)を用い、12重量%の割合で各
実施例及び比較例において配合した。
【0034】また、充填剤として、主に低温域及び中温
域での耐摩耗性を向上させるための固体潤滑剤であるグ
ラファイト(黒鉛)8重量%と、特に高温域での耐摩耗
性を向上させるための固体潤滑剤である三硫化アンチモ
ン3重量%と、摩擦係数を調整し、また安定化するため
のカシューダスト8重量%と、アブレッシブ剤であるケ
イ酸ジルコニウム3重量%と、摩擦材をアルカリ性に保
持し、裏金の防錆性を高めるための消石灰3重量%と、
体質充填剤としての硫酸バリウム17重量%と、そし
て、低周波ノイズを低減するための雲母10重量%とを
各実施例及び比較例において配合した。ただし、比較例
3においては、雲母を無配合とし、その分だけ硫酸バリ
ウムを増量して27重量%とした。
【0035】ここで、上記の雲母として、次の4種類の
合成フッ素雲母と天然雲母とを用意した。
【0036】(合成フッ素雲母) フッ素金雲母[KMg3 (AlSi3 10)F2 ] フッ素四ケイ素雲母[KMg2.5 (Si4 10) F2 ] (天然雲母) 金雲母[KMg3 (AlSi3 10)(OH)2 ] 白雲母[KAl2 (AlSi3 10)(OH)2 ] そして、実施例1では合成フッ素雲母であるフッ素金雲
母を、実施例2では同じくフッ素四ケイ素雲母をそれぞ
れ単独で使用した。また、実施例3では、それらの合成
フッ素雲母を5重量%ずつの等量混合物として使用し
た。これらに対して、比較例1では天然雲母である金雲
母を、比較例2では白雲母をそれぞれ用い、また、比較
例3ではいずれの雲母も無配合とした。
【0037】このように、雲母の種類(質)と配合のみ
を変え、その他は同じ成分組成として実施例及び比較例
の摩擦材を作製した。なお、これらの摩擦材(ディスク
ブレーキパッド)は、通常の熱形成による方法によっ
て、具体的には次のように作製した。即ち、雲母を含む
または含まない上記の配合の摩擦材原料をブレンダで十
分均一に混合し、次いで、この粉状混合物を予備成形金
型に投入し、常温下、200kg/cm2 の圧力で1〜2分
間加圧して、パッド状の摩擦材の予備成形物を形成し
た。次いで、この摩擦材の予備成形物を、予め表面にフ
ェノール樹脂系接着剤を塗布した裏金と共に熱成形金型
にセットし、400kg/cm2 の加圧圧力、160℃の温
度で10分間熱成形した。そして、これを更に250℃
で120分間熱処理して、ディスクブレーキパッドとし
ての摩擦材を得た。
【0038】〔低周波ノイズ評価試験〕次に、こうして
雲母の種類と配合を変えて作製した実施例及び比較例の
各摩擦材(ディスクブレーキパッド)について、それら
の初期と熱履歴後の低周波ノイズ(グー音)の発生性に
関する評価試験を次のように行った。
【0039】(1)すり合せ まず、作製した実施例及び比較例の各摩擦材について、
制動初速度65km/h、減速度0.35G、制動開始前
温度120℃の条件で200回の制動を行い、すり合せ
を行った。そして、このすり合せ後の第2効力時(安定
期)の各摩擦材について、次の初期低周波ノイズ評価試
験を行った。
【0040】(2)初期低周波ノイズ評価試験 低周波ノイズの評価試験については、実車(1500c
cクラス,PD51−18V型キャリパブレーキ)によ
る制動試験を行い、その制動時に低周波ノイズ(グー
音)が発生した回数を測定した。具体的には、制動初速
度を40km/h とし、また、減速度と制動開始前温度に
関する条件をそれぞれ0.2〜0.8G及び40〜20
0℃の範囲内で種々に組み合わせて、合計で100回の
制動試験を行った。そして、耳に微かに聞こえる程度以
上の低周波ノイズ(グー音)が発生した場合の回数をカ
ウントした。
【0041】(3)熱履歴試験 この初期低周波ノイズ評価試験を行った各摩擦材につい
て、引続いて、制動初速度100km/h 、減速度0.4
5G、制動間隔35秒の苛酷な条件で10回の制動を繰
返し、摩擦材に強度な熱履歴を加えた。なお、1回目の
制動開始前温度は65℃としたが、その後に繰返された
制動によって、摩擦材の摺接表面温度は少なくとも瞬間
的には800℃近くになったものと思われる。
【0042】(4)熱履歴後低周波ノイズ評価試験 次いで、このように苛酷な制動によって強度な熱履歴を
与えた各摩擦材について、その熱履歴後の低周波ノイズ
評価試験を上記(2)と同一条件で行った。そして、同
様に100回の制動試験を行い、耳に微かに聞こえる程
度以上の低周波ノイズ(グー音)が発生した場合の回数
をカウントした。
【0043】実施例及び比較例の各摩擦材について測定
したこれらの「初期」と「熱履歴後」の低周波ノイズの
発生回数を、図1に合わせて示す。
【0044】〔試験結果〕図1のように、充填剤として
雲母を配合していない比較例3の摩擦材では、初期から
かなり高い頻度において低周波ノイズが発生し(43
回)、熱履歴後においてもその高い発生率は変わってい
ない。これに対して、金雲母及び白雲母をそれぞれ配合
した比較例1及び比較例2の摩擦材では、低周波ノイズ
の発生はいずれにおいても大幅に低減され、それぞれ8
回及び7回に減少している。即ち、摩擦材に雲母を配合
することによって、低周波ノイズの発生が有効に低減さ
れ、抑制されている。
【0045】しかしながら、雲母としてそれらの天然雲
母を使用した比較例1及び比較例2の摩擦材において
は、上記の熱履歴試験によって強度な熱履歴が加わった
後には、低周波ノイズの発生回数が再び増加し、それぞ
れ24回、22回となっている。この熱履歴後の低周波
ノイズの発生回数は、雲母が無配合である比較例3の場
合(45回)と比べて十分に少ないものではあるが、初
期の約3倍にも相当するものである。つまり、初期には
良好であった低周波ノイズ性能が、熱履歴後には著しく
悪化している。
【0046】ところが、これらの比較例1及び比較例2
に対して、雲母として合成フッ素雲母であるフッ素金雲
母及びフッ素四ケイ素雲母を使用した実施例1乃至実施
例3の摩擦材では、低周波ノイズの発生回数は、初期に
おいてはそれぞれ8回、7回、及び8回であり、また熱
履歴後においても、僅かに1回程度増加しただけであ
り、それぞれ9回、8回、及び9回である。即ち、合成
フッ素雲母を用いたこれらの実施例の摩擦材において
は、低周波ノイズの発生は、比較例1及び比較例2の場
合と同様に良好に低減されるだけでなく、強度な熱履歴
が加わった後においても、初期とほとんど同等の良好な
レベルに維持されている。なお、この低周波ノイズの低
減効果は各実施例において実質的に差異がなく、合成フ
ッ素雲母の具体的種類の相違による作用には、格別な傾
向は見られない。
【0047】このような結果については、前述のよう
に、次の理由によると考えられる。つまり、比較例1及
び比較例2の摩擦材においては、それらの天然雲母が強
度に加熱されることによって、その結晶構造を形成して
いる水酸基が水となって脱水し、そのため、結晶構造が
崩壊して劈開性を失い、その結果、低周波ノイズの低減
作用が失われ、それの発生回数が増加したと考えられ
る。しかし、その水酸基がフッ素に置換えられた分子構
造の雲母である合成フッ素雲母は、熱安定性が高く、加
熱時にそのように脱水することがないため、熱履歴後に
もその低周波ノイズ低減作用が失われることはなく、維
持されると考えられる。
【0048】これは、推測にすぎないものである。しか
し、この試験結果から、雲母として合成フッ素雲母を使
用することによって、低周波ノイズの発生を熱履歴後に
おいても良好に低減できることが分かる。
【0049】なお、本発明の摩擦材については、特に、
ディスクブレーキパッドを例として説明したが、本発明
を実施する場合には、ディスクブレーキパッドだけに限
定されるものではなく、ドラムブレーキのライニング、
或いはクラッチフェーシング等のその他の摩擦材にも同
様に適用することができる。また、摩擦材を形成する繊
維基材、樹脂結合剤、充填剤の種類と配合割合について
も、この実施例に限定されることなく、種々に変更する
ことができる。
【0050】
【発明の効果】以上のように、本発明にかかる摩擦材
は、繊維基材と、樹脂結合剤と、雲母及びその他の充填
剤とを含む摩擦材において、その雲母が合成フッ素雲母
からなることを特徴とするものである。
【0051】したがって、この摩擦材によれば、低周波
ノイズ(グー音)を低減するために充填剤の一部として
配合されている雲母が、熱安定性が高い合成フッ素雲母
からなるため、苛酷な制動が繰返されること等によって
強度の熱履歴を受けた場合であっても、それの劈開性結
晶構造が崩壊することはなく、それによる低周波ノイズ
の低減作用が維持される。即ち、本発明にかかる摩擦材
によれば、強度な熱履歴を受けた後においても、使用初
期と同様に低周波ノイズを低減することができる効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の実施例及び比較例の摩擦材(デ
ィスクブレーキパッド)の組成(重量%)と、低周波ノ
イズの発生に関する評価試験の結果とを示す表図であ
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維基材と、樹脂結合剤と、雲母及びそ
    の他の充填剤とを含む摩擦材において、 前記雲母は、合成フッ素雲母からなることを特徴とする
    摩擦材。
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